JP4048612B2 - 機械パルプ含有紙及びその製造方法 - Google Patents

機械パルプ含有紙及びその製造方法 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、機械パルプ含有紙及びその製造方法に係わり、さらに詳しくは、機械パルプを使用した抄紙工程に伴うピッチによる障害を抑制すると共に、紙に優れたサイズ性を与えることができる機械パルプ含有紙及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
機械パルプは、機械的に木材を繊維化して製造したパルプであり、ピッチと言われる樹脂分等の有機物を主体とした水難溶性の粘着性物質を比較的多く含んでいる。それ故、機械パルプを使用した中性サイズ剤による抄紙では、抄紙装置のフェルトやプレスロール、スムーザーロール、キャンバスストレッチロール等の抄紙用具にピッチが付着し、湿紙がこれらに接触しながらできあがる製品としての紙は、このピッチの付着物により汚されるという、いわゆるピッチ障害を起こし易い。
殊に、ケテンダイマー系サイズ剤やアルケニルコハク酸無水物のような置換環式ジカルボン酸無水物系サイズ剤、中性抄紙用ロジン系サイズ剤等の中性サイズ剤を使用して中性サイジングを行う場合には、ピッチ障害がより起り易くなる場合がある。いわゆる反応型のケテンダイマーあるいは置換環式ジカルボン酸無水物は加水分解し易いため、パルプ繊維に定着してサイズ性を発現するに到る前に、その一部が抄紙系水中で加水分解物となって、凝集物を形成することがある。抄紙温度付近において、それらの凝集物が粘着性を帯びていると、その粘着物がフェルトやロールの表面に付着したときに、比較的疎水的な粘着物の成分に、機械パルプの疎水性のピッチがその親和性や粘着性によりさらに付着し、その結果、フェルトやロール表面に汚れが堆積し、これに接触する湿紙も汚され易いからである。また、中性抄紙用ロジン系サイズ剤を使用する場合には、ケテンダイマー系サイズ剤や置換環式ジカルボン酸無水物系サイズ剤と同程度のサイズレベルを得るには、比較的に添加率を高くする必要があり、その結果、パルプ繊維に定着しない部分も多くなり易く、いわゆる歩留りが悪くなって、その定着されない固形分の成分が上記の場合と同様にフェルトやロールの表面に付着し、これらを汚し、湿紙も汚され易い。
このようなピッチ障害は、できあがった製品である紙の商品価値を低下させ、これを回避しようとすれば、フェルトやロール等に付着したピッチを除去する作業が必要になり、抄紙工程の操業性を低下させる深刻な問題となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ピッチ障害を抑制する方法としては、特定の両性界面活性剤と水溶性カチオン性ポリマーを有効成分とするピッチコントロール剤を使用する方法が特開平7−126996号公報に開示されているが、界面活性剤の使用は紙のサイズ性等、紙質に悪影響を及ぼし易く、満足な方法とは言えない。また、特開昭58−220889号公報には、抄紙系の添加物等のイオンバランスに悪影響を及ぼさないタイプとしてノニオン性親水性単量体である(メタ)アクリルアミドとスチレン等の疎水性単量体との共重合体を製紙用ピッチ付着防止剤として使用する方法が開示されているが、ノニオン性のものはパルプ繊維に定着し難く、抄紙系において発泡を起こしたり、その他の障害の原因になり易いという問題がある。さらに特開昭53−41507号公報には、下記〔化1〕で表される重合単位からなる単独重合体、あるいは他のエチレン系不飽和単量体と共重合させた水溶性直鎖状カチオン重合体を含むピッチ付着防止用組成物を使用する方法が開示されているが、そのピッチ障害を抑制する効果は満足のいくものではなかった。
【0004】
【化1】
Figure 0004048612
(式中、Aは炭素数2又は3のアルキレン基、RはH又はCH3 、R1 はヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基、R2 およびR3 は炭素数1〜4のアルキル基、Xは陰イオンを表す。)
【0005】
近年、森林保護の観点や、低コスト化の観点から、原料パルプ中に原料使用効率の良い機械パルプを配合して使用する紙の生産が増加しており、一方、抄紙系の中性化の進行に伴い、ケテンダイマー系サイズ剤や置換環式ジカルボン酸無水物系サイズ剤、中性抄紙用ロジン系サイズ剤等の中性サイズ剤が比較的広く使用されるようになってきており、機械パルプを配合したパルプ原料を使用し、中性サイズ剤でサイジングを行う抄紙系において、ピッチ障害を抑制するとともに、得られた紙のサイズ性に優れる紙の製造方法が切に望まれている。
本発明の第1の目的は、ピッチ障害を抑制できる機械パルプ含有紙及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、サイズ性の優れた機械パルプ含有紙及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、中性サイズ剤の歩留まりを向上させることができる機械パルプ含有紙及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【問題を解決するための手段】
本願発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、(1)、乾燥重量基準で機械パルプを少なくとも5重量%含有する製紙用パルプを用いて中性サイズ剤によりサイジングした機械パルプ含有紙において、下記(A)50〜95重量%及び下記(B)5〜50重量%の各単量体に対応する構成単位の結合体を有し、かつ4級アンモニウム塩を有するビニル系共重合体であるカチオン性ポリマーを添加物として上記機械パルプの乾燥重量に対して0.03〜1重量%含有する機械パルプ含有紙を提供するものである。
(A)スチレン系単量体及びアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選択された少なくとも1種の疎水性単量体
(B)ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド及びジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートからなる3級アミノ基を有する単量体並びにそれぞれの4級化物からなる4級アンモニウム塩を有する単量体の群より選ばれた少なくとも1種のカチオン性単量体
また、本発明は、(2)、上記(B)成分の一部に上記(A)及び(B)成分以外のその他のビニル系単量体を用いる上記(1)の機械パルプ含有紙、(3)、中性サイズ剤がケテンダイマー系サイズ剤、置換環式ジカルボン酸無水物系サイズ剤及び中性抄紙用ロジン系サイズ剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(1)又は(2)の機械パルプ含有紙、(4)、乾燥重量基準で機械パルプを少なくとも5重量%含有する製紙用パルプを原料とし、pH6〜9で中性サイズ剤を使用してサイジングする抄紙工程を有する機械パルプ含有紙の製造方法において、下記(A)50〜95重量%及び下記(B)5〜50重量%含有する単量体から得られるビニル系共重合体であって、下記(B)成分として3級アミノ基を有する単量体を使用する場合は該ビニル系共重合体の重合過程及び重合後の少なくとも一方において4級化することがある4級アンモニウム塩を有するカチオン性ポリマーを含有する添加剤を上記抄紙工程において使用し、かつ該カチオン性ポリマーを上記機械パルプの乾燥重量に対して0.03〜1重量%使用する機械パルプ含有紙の製造方法、
(A)スチレン系単量体及びアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選択された少なくとも1種の疎水性単量体
(B)ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド及びジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートからなる3級アミノ基を有する単量体並びにそれぞれの4級化物からなる4級アンモニウム塩を有する単量体の群より選ばれた少なくとも1種のカチオン性単量体
(5)、上記(B)成分の一部に上記(A)及び(B)成分以外のその他のビニル系単量体を用いる上記(4)の機械パルプ含有紙の製造方法を提供するものである。
【0007】
次に本発明を詳細に説明する。
本発明において、機械パルプとは、機械的に木材を繊維化して製造したパルプであり、砕木パルプ、リファイナー砕木パルプ、加圧砕木パルプ、サーモメカニカルパルプのような高収率パルプや、これらの高収率パルプを原料とした紙を離解脱墨した脱墨パルプ等をいう。
【0008】
また、中性サイズ剤とは、中性域の抄紙系で使用されるサイズ剤であり、ケテンダイマー系サイズ剤、置換環式ジカルボン酸無水物系サイズ剤、中性抄紙用ロジン系サイズ剤等が挙げられ、これらは1種又は少なくとも2種混合して使用でき、公知一般の市販品は使用できる。ケテンダイマー系サイズ剤及び/または置換環式ジカルボン酸無水物系サイズ剤のパルプスラリーに対する添加率は、乾燥パルプに対し0.01〜1%が好ましく、より好ましくは0.02〜0.5%である。ケテンダイマー系サイズ剤及び/または置換環式ジカルボン酸無水物系サイズ剤の添加率が、0.01%より少ないとサイズ効果が十分でない場合があり、1%より多くなるとコスト高や、抄紙系の汚れの原因となる場合がある。
【0009】
中性抄紙用ロジン系サイズ剤としては、特願平9−61762号に記載されているようなロジンの一部を例えば疎水化する変性をしたタイプのものは使用できる。中性抄紙用ロジン系サイズ剤のパルプスラリーに対する添加率は、乾燥パルプに対し0.01〜2%が好ましく、より好ましくは0.05〜1%である。添加率が、0.01%より少ないとサイズ効果が十分でない場合があり、2%より多くなるとコスト高や、抄紙系の汚れの原因となる場合がある。ケテンダイマー系サイズ剤、置換環式ジカルボン酸無水物系サイズ剤及び中性抄紙用ロジン系サイズ剤の中では、ケテンダイマー系サイズ剤を使用することが、本発明に用いるカチオン性ポリマーを含有する添加剤と併用する場合に、ピッチ障害の抑制効果、サイズ性の向上効果の点においてより好ましい。
【0010】
本発明に用いるカチオン性ポリマーは、上記(A)成分50〜95重量%及び上記(B)成分5〜50重量%の各単量体に対応する構成単位の結合を有し、かつ4級アンモニウム塩を有するビニル系共重合体であるが、上記(A)成分50〜95重量%及び上記(B)成分5〜50重量%含有する単量体組成から得られるビニル系共重合体であるカチオン性共重合体であって、この(B)成分として3級アミノ基を有する単量体を使用する場合には、このカチオン性共重合体の重合過程及び重合後の少なくとも一方で4級化剤で4級化することがある。上記(B)成分として3級アミノ基を有する単量体を使用した場合でも、その4級化した単量体を使用した場合には、カチオン性共重合体の重合過程及び重合後の少なくとも一方で4級化剤で4級化しなくてもよい場合がある。
上記(A)成分のスチレン系単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等を挙げることができ、これらは1種又は少なくとも2種用いることができる。
また、上記(A)成分のアルキル(メタ)アクリレート(アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートの少なくとも1種を示し、以下、(メタ)の付加された化合物はこれを準用する。)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の低級アルキル基、高級アルキル基又はシクロアルキル基を有する単量体が挙げられ、これらは1種又は少なくとも2種用いることができる。
【0011】
上記(B)成分の3級アミノ基を有する単量体としてのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドとしてはN,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。また、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしてはN,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(B)成分の4級アンモニウム塩を有する単量体としては、上記の3級アミノ基を有する単量体を、アルキルハライド、ベンジルハライド、アルキルトシレート、アルキルメシレート、ジアルキルカーボネート、ジメチル硫酸、エピハロヒドリン等の4級化剤との反応で4級アンモニウム塩とする方法や、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級化剤との反応でビス4級アンモニウム塩とする方法等を挙げることができる。
これらの単量体は1種又は少なくとも2種用いることができる。
本発明のカチオン性ポリマーを得るには、上述したように、上記(B)成分のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド及び/又はジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの3級アミノ基を有する単量体を4級化物とした後、上記(A)成分の疎水性単量体と共重合する方法、上記(B)成分の3級アミノ基を有する単量体と上記(A)成分の疎水性単量体を共重合する途中で4級化反応を行う方法、あるいはその共重合後に4級化反応を行う方法の何れでもよいが、カチオン性ポリマーを構成する全単量体に対する上記(A)成分の疎水性単量体の割合は50〜95重量%であり、好ましくは55〜90重量%である。疎水性単量体の割合が、50重量%より少ない場合、あるいは、95重量%より多い場合はピッチ障害の抑制の効果が得られ難く、紙のサイズ性も向上し難い。上記(B)成分の3級アミノ基を有する単量体及び/又はその4級化単量体の割合は5〜50重量%で、好ましくは10〜45重量%である。これらの割合が、5重量%より少ない場合、あるいは、50重量%より多い場合はピッチ障害の抑制の効果が得られ難く、紙のサイズ性も向上し難い。また、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド4級化物を共重合単位に有する共重合体の方が、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級化物を共重合単位に有する共重合体に比べて好ましく、耐加水分解性も良い。
【0012】
本発明においては、上記の単量体の他に、所望により、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド4級化物及び/又はジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級化物の一部を置き換える方法で(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、オレフィン、ビニルエーテル、アリルエステル、ビニルケトン、ビニルスルホンアミド、N-ビニル-2-ピロリドン、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N-アルキル(メタ)アクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、アリルアミン、ジアリルアミン、ビニルピリジン、ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルアミン誘導体等のビニル系単量体を併用することができる。これらは1種又は少なくとも2種併用することができる。
【0013】
共重合体の重合方法としては、上記単量体をラジカル重合開始剤の存在下で溶液重合法あるいは塊状重合法、乳化重合法、分散重合法等を用いて重合反応を行う。必要に応じて溶剤を留去し、所定の固形分濃度に調整することによりカチオン性ポリマー水性液を得ることができる。これをそのまま添加剤としてもよいが、さらに他の添加物を加えたものを添加剤としてもよい。
カチオン性ポリマーは、パルプ原料中に配合された機械パルプの乾燥重量に対して0.03〜1重量%の割合でパルプ原料に添加する。カチオン性ポリマーの添加率が、機械パルプの乾燥重量に対して0.03%より少ないとピッチ障害の抑制効果や紙へのサイズ性の付与が十分でなく、1%より多くなるとコスト高となる。
【0014】
本発明に用いるカチオン性ポリマーを含有する添加剤及び中性サイズ剤の抄紙工程における添加場所については制限されることはないが、パルプスラリー中でそれらが十分分散されることが望ましい。添加順序についても制限はなく、添加剤が先で、次いで中性サイズ剤の順に加えても良く、この逆でも良く、また、これらを同時に加えても良く、さらにこれらの混合液を加えても良い。また、填料、乾燥紙力増強剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤等の添加剤も、各々の紙種の要求される物性を発揮するために必要に応じて使用しても良い。
また、本発明における抄紙pHは6〜9の範囲である。pHが6より低いとケテンダイマー系サイズ剤や置換環式ジカルボン酸無水物系サイズ剤のサイズ効果が低下する。pHが9より高い場合においても、中性サイズ剤のサイズ効果が低下し、さらに、機械パルプの黄変等の問題が有り、実用的でない。
【0015】
【発明の実施の形態】
疎水性単量体として▲1▼スチレン、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メチルメタクリレート、▲2▼3級アミノ基を有する単量体として N,N- ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートを使用し、これら▲1▼の少なくとも1種及び▲2▼の少なくとも1種、好ましくは▲1▼のスチレン及び▲2▼の N,N- ジメチルアミノプロピルアクリルアミドを含有する単量体を共重合させ、その共重合体をエピハロヒドリンで4級化したカチオン性ポリマー水溶液を調製する。これらについて、共重合割合を、(a)▲1▼の単量体を50〜85重量%、▲2▼の単量体をエピハロヒドリンで4級化した単量体として15〜50重量%としたカチオン性ポリマー、また、(b)上記▲1▼の少なくとも1種、好ましくはスチレンを含有する単量体55〜60重量%、▲2▼の4 級アンモニウム塩を有する単量体の少なくとも1種としてアルキルハライドで4 級化したN,N-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドを40〜45重量%共重合させたカチオン性ポリマー、(c)上記▲1▼の少なくとも1種、好ましくはスチレンを含有する単量体55〜60重量%、▲2▼の少なくとも1種、好ましくはアルキルハライドで4 級化したN,N-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド39〜41重量%、(メタ)アクリアミド1〜4重量%を共重合させたカチオン性ポリマーをそれぞれ含有するカチオン性ポリマー水性液からなる添加剤を調製する。
乾燥重量基準で機械パルプの含有率10〜90重量%とした原料パルプを用い、ケテンダイマー系サイズ剤の添加量を0.1〜0.2重量%(対乾燥パルプ)とし、上記添加剤を上記(a)〜(c)のカチオン性ポリマー分として0.02〜0.08重量%(対機械パルプ)添加し、抄紙する。また、ケテンダイマー系サイズ剤の代わりに、アルケニルコハク酸無水物系サイズ剤を0.1〜0.2重量%(対乾燥パルプ)用い、機械パルプの含有率を8〜12重量%とし、上記添加剤を上記(a)〜(c)のカチオン性ポリマー分として0.5〜0.9重量%(対機械パルプ)添加し、抄紙する。また、アルケニルコハク酸無水物系サイズ剤の代わりに、中性抄紙用ロジン系サイズ剤を0.2〜0.4重量%(対乾燥パルプ)用い、機械パルプの含有率を20〜40重量%とし、上記添加剤を上記(a)〜(c)のカチオン性ポリマー分として0.25〜0.45重量%(対機械パルプ)添加し、抄紙する。
このようにすると、サイズ剤定着量が多く、ロール等の汚れが少ないとともに、得られた紙はサイズ度が良くなるが、その理由は、上記(a)〜(c)のカチオン性ポリマーを含有する添加剤の使用により、機械パルプに付随するピッチや中性サイズ剤が紙料中に保持され易く、したがってフェルトやロール等の抄紙用具に付着し難くなるためと解される。これは、上記(a)〜(c)のカチオン性ポリマーが疎水性単量体に対応する構成単位からなる疎水性部分と、カチオン性単量体に対応する構成単位からなる親水性部分をバランス良く有しており、その疎水性部分とピッチや中性サイズ剤の疎水性部分との親和性が良く、その親水性部分は水との親和性が良いためと考えられるが、この考え方に限られるものではない。
【0016】
【実施例】
以下本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例において、%とあるものは特に断わりの無い限り、固形分重量%を意味する。
【0017】
実施例用カチオン性ポリマー水性液(添加剤)の製造例1
攪拌機、温度計、冷却管を備え付けた1リットルの4つ口フラスコに、スチレン72.9g、2−エチルヘキシルアクリレート9.2g、N-エチル-N,N- ジメチル−3−(メタクリロイルアミノプロピル)アンモニウムブロマイド57.6g、50%アクリルアミド水溶液7.1g、イソプロピルアルコール150g、アゾビスイソブチロニトリル2gを加え、窒素気流中、80℃で5時間反応した。次に水422gを加え、よく攪拌して水に分散させ、冷却し、カチオン性ポリマー水性液Aを700g得た。その固形分は20%であった。全単量体に対する各単量体の重量百分率は、スチレン50.9%、2−エチルヘキシルアクリレート6.4%、N-エチル-N,N-ジメチル−3−(メタクリロイルアミノプロピル)アンモニウムブロマイド40.2%、アクリルアミド2.5%であり、スチレンと2−エチルヘキシルアクリレートを合わせた疎水性単量体の合計は57.3%である。使用した単量体の重量組成を表1に示した。
【0018】
実施例用カチオン性ポリマー水性液(添加剤)の製造例2
攪拌機、温度計、冷却管を備え付けた1リットルの4つ口フラスコに、スチレン83.3g、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド31.2g、ベンゼン117g、アゾビスイソブチロニトリル2gを入れ、窒素気流中、80℃で5時間反応した。次に3%酢酸溶液423gを加え、97℃まで加熱しベンゼンを留去した。留去後、留去した分の水を加え、エピクロルヒドリン18.5gを加え、80℃で3時間4級化反応を行った後、冷却しカチオン性ポリマー水性液Bを670g得た。その固形分は20%であった。使用した単量体の重量組成を表1に示した。
【0019】
実施例用カチオン性ポリマー水性液(添加剤)の製造例3〜6
表1に示す単量体の種類及び重量組成を変える以外は、実施例用カチオン性共重合体の製造例2と同様にしてカチオン性ポリマー水性液C、D、E、Fを製造した。共重合体の固形分濃度は20%になるように調整した。使用した単量体の重量組成を表1に示した。
【0020】
比較例用カチオン性ポリマー水性液(添加剤)の製造例1
特開昭53−41507号公報の実施例1に従い、次の様にしてN,N-ジメチル-N-(β- ヒドロキシエチル)-N-( β- メタクリルオキシエチル) アンモニウムアセテートのホモポリマーを製造した。19.3部の氷酢酸、60.5部の脱イオン水及び28.6部の0.15%FeSO4 ・H2 O水溶液を加圧釜に入れた。窒素で釜内容物から酸素を除き、60℃に加熱し、ジメチルアミノエチルメタクリレート47.8部、ペルオキソ硫酸アンモニウム9.8部を脱イオン水116.2部で溶解した水溶液及び二亜硫酸ナトリウム9.8部を脱イオン水116.2部で溶解した水溶液を3時間後に加えた。60℃で更に30分間保ち、次いで40℃に下げ、その温度でエチレンオキサイド140.7部を徐々に添加し、カチオン性ポリマー水性液Gを得た。使用した単量体の重量組成を表1に示した。
【0021】
比較例用カチオン性ポリマー水性液(添加剤)の製造例2、3
表1に示す単量体の種類及び重量組成に変える以外は、上記比較例用カチオン性重合体の製造例1の手順で、カチオン性ポリマー水性液H、Iの重合体を得た。
【0022】
比較例用カチオン性ポリマー水性液(添加剤)の製造例4
表1に示す単量体の種類及び重量組成に変える以外は、実施例用カチオン性共重合体の製造例2と同様にして比較例用カチオン性ポリマー水性液Jを製造した。共重合体の固形分濃度は20%になるように調整した。
【0023】
【表1】
Figure 0004048612
【0024】
実施例1
砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ、漂白広葉樹クラフトパルプを乾燥重量基準で5/5/90の比率(機械パルプ10%)で混合したパルプの2.5%パルプスラリー(カナディアン スタンダード フリーネス 380ml)を調製し、これに軽質炭酸カルシウム(タマパール121S、奥多摩工業株式会社製)を対乾燥パルプ15%添加し、2分間攪拌後、硫酸バンドを対乾燥パルプ0.5%、両性澱粉(Cato3210、日本NSC株式会社製)を対乾燥パルプ0.6%、アルキルケテンダイマー系サイズ剤(AS263、日本PMC株式会社製)を対乾燥パルプ0.1%、それぞれ攪拌しながらこの順で添加した。添加の間隔は1分間とした。その後カチオン性ポリマー水性液Aをカチオン性ポリマー分として対乾燥パルプ0.005%(対機械パルプ0.05%)添加し、1分間攪拌した。さらに、得られた紙料をpH8の希釈用水で0.25%に希釈し、歩留り向上剤(NR12MLS、ハイモロック株式会社製)を対乾燥パルプ0.02%添加し、30秒間攪拌した。ここでの抄紙pHは7.8であった。 ノーブルアンドウッド社製手抄き装置を使用し、得られた紙料から湿紙を作成した。抄紙温度は45℃とした。湿紙をプレス後、100℃のドラムドライヤーで80秒間乾燥し、目的とする手抄紙とした。坪量は70g/m2 に調整した。
【0025】
作成した手抄紙につき、JIS P−8122に準じ、抄紙直後および調湿1日後のステキヒトサイズ度を測定した。調湿条件は65%RH、20℃とした。また、熱分解ガスクロマトグラフにより、紙中アルキルケテンダイマー量を測定した。それらの結果を表2に示す。
【0026】
また、抄紙機のプレスロールが汚れる現象を模した次の試験を行い、ピッチ障害の抑制効果を調べた。
すなわち、上記手抄き実験においてAS263を2倍の0.2%とする。また、希釈用水による希釈濃度を0.7%とする以外は同様にして紙料を調製した。得られた紙料をロール汚れ試験機(抄紙装置の汚れを試験する試験装置であり、第1図に概略説明図を示す)に供給して2時間後及び5時間後のプレスロールの汚れ具合を調べた。汚れの評価は目視で行い、プレスロールの汚れが最も著しいものを「10」、汚れ無しを「0」とする指数を用いた段階評価で表示した。その結果を表2に示す。
なお、上記AS263の添加率を2倍にしたのは、効果の差を際立たせるためであり、これらの通常の添加量の抄紙系における抄紙を長時間続けた場合とは相関関係がある。
【0027】
なお、第1図は、紙料投入口1から紙料をワイヤー装置2に順次供給し、重力脱水した後、第1ロール3と主ロール4でプレスし、さらに主ロール4と第2ロール5でプレスして脱水した湿紙6を得る装置を示すもので、その具体的構造は以下の通りである。
主ロール:直径約25cm、幅約40cm
第1ロール:直径約14.5cm、幅約40cm
第2ロール:直径約10cm、幅約40cm
ワイヤー:幅約35cm
この装置において、第1ロール、第2ロールの主ロールに対する圧はそれぞれのロールの自重によるもので、第2ロール通過後の湿紙の水分率は60%である。試験条件は、抄速1.5m/分、紙料温度45℃、ロール温度34〜36℃、抄幅15cmとした。第2ロールに対する汚れを目視により調べた。
【0028】
実施例2
砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ、漂白広葉樹クラフトパルプを乾燥重量基準で15/15/70の比率(機械パルプ30%)で混合したパルプの2.5%パルプスラリー(カナディアン スタンダード フリーネス 280ml)を使用し、カチオン性ポリマー水性液Aの添加率をカチオン性ポリマー分として対乾燥パルプ0.02%(対機械パルプ 0.067%)とした以外は実施例1と同様にして手抄紙を作成し、サイズ度の測定を行い、サイズ剤の定着量を求めた。また、実施例1と同様にしてロール汚れ試験を行った。それらの結果を表2に示す。
【0029】
実施例3〜7
カチオン性ポリマー水性液Aに代えて、各々カチオン性ポリマー水性液B、C、D、E、Fを使用したこと以外は実施例2と同様にして手抄紙を作成し、実施例2と同様にサイズ度の測定を行い、サイズ剤の定着量を求めた。また、実施例2と同様にロール汚れ試験を行った。それらの結果を表2に示す。
【0030】
実施例8
砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ、高収率パルプを原料とした紙の脱墨パルプ、漂白広葉樹クラフトパルプを乾燥重量基準で30/30/30/10の比率(機械パルプ90%)で混合したパルプの2.5%パルプスラリー(カナディアン スタンダード フリーネス 190ml)を使用し、上記AS263を対乾燥パルプ0.2%、カチオン性ポリマー水性液Aのカチオン性ポリマー分としての添加率を対乾燥パルプ0.03%(対機械パルプ0.033%)としたこと以外は実施例1と同様にして手抄紙を作成し、実施例1と同様にしてサイズ度の測定を行い、サイズ剤の定着量を求めた。また、実施例1と同様にロール汚れ試験を行った。それらの結果を表2に示す。
【0031】
比較例1〜4
カチオン性ポリマー水性液Aに代えて、各々カチオン性ポリマー水性液G、H、I、Jを使用したこと以外は実施例2と同様にして手抄紙を作成し、実施例2と同様にサイズ度の測定を行い、サイズ剤の定着量を求めた。また、実施例2と同様にロール汚れ試験を行った。それらの結果を表2に示す。
【0032】
比較例5
カチオン性ポリマー水性液Aのカチオン性ポリマー分としての添加率を対乾燥パルプ0.005%(対機械パルプ0.017%)としたこと以外は実施例2と同様にして手抄紙を作成し、実施例2と同様にサイズ度の測定を行い、サイズ剤の定着量を求めた。また、実施例2と同様にロール汚れ試験を行った。それらの結果を表2に示す。
【0033】
比較例6
カチオン性ポリマー水性液Aのカチオン性ポリマー分としての添加率を対乾燥パルプ0.02%(対機械パルプ0.022%)としたこと以外は実施例8と同様にして手抄紙を作成し、実施例8と同様にサイズ度の測定を行い、サイズ剤の定着量を求めた。また、実施例8と同様にロール汚れ試験を行った。それらの結果を表2に示す。なお、ロール汚れ試験の評価は「10」であったが、比較例1よりもその程度は劣っていたので「10(以上)」とした。
【0034】
【表2】
Figure 0004048612
【0035】
実施例10
アルキルケテンダイマー系サイズ剤に代えて、アルケニルコハク酸無水物系サイズ剤(AS290、日本PMC株式会社製)を対乾燥パルプ0.1%使用し、カチオン性ポリマー水性液Aの添加率を対乾燥パルプ0.07%(対機械パルプ0.23%)としたこと以外は実施例2と同様にして手抄紙を作成し、実施例2と同様にサイズ度の測定を行った。抄紙pHは7.8であった。熱分解ガスクロマトグラフにより、得られた紙の中のアルケニルコハク酸無水物量を測定し、ケテンダイマー系サイズ剤を使用した上記実施例の場合と同様にして、サイズ剤の定着量を求めた。また、アルキルケテンダイマー系サイズ剤に代えて、上記AS290を対乾燥パルプ0.2%使用したこと以外は上記実施例1と同様にして、ロール汚れ試験を行った。その評価方法は実施例1に準じて行った。それらの結果を表3に示す。
【0036】
実施例11〜15
カチオン性ポリマー水性液Aに代えて、各々カチオン性ポリマー水性液B、C、D、E、Fを使用したこと以外は実施例10と同様にして手抄紙を作成し、実施例10と同様にサイズ度の測定を行い、サイズ剤の定着量を求めた。また、実施例10と同様にロール汚れ試験を行った。それらの結果を表3に示す。
【0037】
比較例7〜10
カチオン性ポリマー水性液Aに代えて、各々カチオン性ポリマー水性液G、H、I、Jを使用したこと以外は実施例10と同様にして手抄紙を作成し、実施例10と同様にサイズ度の測定を行い、サイズ剤の定着量を求めた。また、実施例10と同様にロール汚れ試験を行った。それらの結果を表3に示す。
【0038】
【表3】
Figure 0004048612
【0039】
実施例16
硫酸アルミニウムの添加率を1.5%とし、アルキルケテンダイマー系サイズ剤に代えて中性抄紙用ロジン系サイズ剤(CC167、日本PMC株式会社製)を対乾燥パルプ0.3%使用し、カチオン性ポリマー水性液Aの添加率をカチオン性ポリマー分として対乾燥パルプ0.1%(対機械パルプ0.33%)としたこと以外は実施例2と同様にして手抄紙を作成し、実施例2と同様にサイズ度の測定を行った。抄紙pHは7.6であった。
手抄紙を酸性条件下でほぐし、エーテル抽出を行い、ゲル浸透クロマトグラフで有機相中のロジン成分量を測定し、ケテンダイマー系サイズ剤を使用した上記実施例1の場合と同様にして、サイズ剤の定着量を求めた。また、アルキルケテンダイマー系サイズ剤に代えて上記CC167を対乾燥パルプ0.5%使用したこと以外は上記実施例1と同様にして、ロール汚れ試験を行った。その評価方法は実施例1に準じて行った。それらの結果を表4に示す。
【0040】
実施例17〜21
カチオン性ポリマー水性液Aに代えて、各々カチオン性ポリマー水性液B、C、D、E、Fを使用したこと以外は実施例16と同様にして手抄紙を作成し、実施例16と同様にサイズ度の測定を行い、サイズ剤の定着量を求めた。また、実施例16と同様にロール汚れ試験を行った。それらの結果を表4に示す。
【0041】
比較例11〜14
カチオン性ポリマー水性液Aに代えて、各々カチオン性ポリマー水性液G、H、I、Jを使用したこと以外は実施例16と同様にして手抄紙を作成し、実施例16と同様にサイズ度の測定を行い、サイズ剤の定着量を求めた。また、実施例16と同様にロール汚れ試験を行った。それらの結果を表4に示す。
【0042】
【表4】
Figure 0004048612
【0043】
以上の結果より、機械パルプを含有する原料パルプを用いた抄紙系において、実施例のものは比較例のものよりもピッチ抑制効果及び得られた紙のサイズ性が共に優れていることが分かる。即ち、機械パルプを配合した原料を使用し、中性サイズ剤でサイジングする場合、本発明に係わるカチオン性ポリマーを使用して抄造することにより、ピッチ障害の抑制や成紙のサイズ性の向上を図ることができる。
実施例1と比較例5、実施例2と比較例6のデータの対比から分かるように、配合する機械パルプの割合が高い場合、それに応じて、本発明に係わるカチオン性ポリマーの添加率も高くする必要がある。その作用機構は定かではないが、本発明に係わるカチオン性ポリマーは機械パルプ中のピッチ成分の凝集防止作用を有していると考えられる。サイズ剤定着量をみると実施例の方が、比較例のものよりも高い。このことはサイズ剤の歩留りが高くなることによって、ピッチ障害の一因となる可能性がある抄紙系中に滞留するサイズ剤やその加水分解物が減少すると共に、紙のサイズ度が向上しているためと考えられる。本発明に係わるカチオン性ポリマーは、一定量以上の疎水性部を有している点で、比較例のカチオン性ポリマーと異なるが、この一定量以上の疎水性部が、機械パルプを含有した抄紙系で中性サイズ剤を使用する条件下で、効果的に作用しているといえる。即ち、一定量以上の疎水性部を導入した本発明に係わるカチオン性ポリマーによって、従来ではなし得なかったレベルのピッチ障害の抑制ができると共に、成紙のサイズ度も向上させることができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、機械パルプを配合したパルプ原料を使用して中性サイズ剤でサイジングする際にピッチ障害を抑制できるとともに、中性サイズ剤の歩留まりを向上し、サイズ性の優れた機械パルプ含有紙及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】抄紙装置のロールの汚れを試験する試験装置である。

Claims (5)

  1. 乾燥重量基準で機械パルプを少なくとも5重量%含有する製紙用パルプを用いて中性サイズ剤によりサイジングした機械パルプ含有紙において、下記(A)50〜95重量%及び下記(B)5〜50重量%の各単量体に対応する構成単位の結合体を有し、かつ4級アンモニウム塩を有するビニル系共重合体であるカチオン性ポリマーを添加物として上記機械パルプの乾燥重量に対して0.03〜1重量%含有する機械パルプ含有紙。
    (A)スチレン系単量体及びアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選択された少なくとも1種の疎水性単量体
    (B)ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド及びジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートからなる3級アミノ基を有する単量体並びにそれぞれの4級化物からなる4級アンモニウム塩を有する単量体の群より選ばれた少なくとも1種のカチオン性単量体
  2. 上記(B)成分の一部に上記(A)及び(B)成分以外のその他のビニル系単量体を用いる請求項1記載の機械パルプ含有紙。
  3. 中性サイズ剤がケテンダイマー系サイズ剤、置換環式ジカルボン酸無水物系サイズ剤及び中性抄紙用ロジン系サイズ剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載の機械パルプ含有紙。
  4. 乾燥重量基準で機械パルプを少なくとも5重量%含有する製紙用パルプを原料とし、pH6〜9で中性サイズ剤を使用してサイジングする抄紙工程を有する機械パルプ含有紙の製造方法において、下記(A)50〜95重量%及び下記(B)5〜50重量%含有する単量体から得られるビニル系共重合体であって、下記(B)成分として3級アミノ基を有する単量体を使用する場合は該ビニル系共重合体の重合過程及び重合後の少なくとも一方において4級化することがある4級アンモニウム塩を有するカチオン性ポリマーを含有する添加剤を上記抄紙工程において使用し、かつ該カチオン性ポリマーを上記機械パルプの乾燥重量に対して0.03〜1重量%使用する機械パルプ含有紙の製造方法。
    (A)スチレン系単量体及びアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選択された少なくとも1種の疎水性単量体
    (B)ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド及びジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートからなる3級アミノ基を有する単量体並びにそれぞれの4級化物からなる4級アンモニウム塩を有する単量体の群より選ばれた少なくとも1種のカチオン性単量体
  5. 上記(B)成分の一部に上記(A)及び(B)成分以外のその他のビニル系単量体を用いる請求項4記載の機械パルプ含有紙の製造方法。
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