JP4048349B2 - 携帯型情報処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノート型パーソナルコンピュータ(以下、ノート型パソコンと略称する)等、携帯型情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、一般的なノート型パソコンの外観を示す斜視図であり、図4は、その本体フレームの底面図である。すなわち、携帯型情報処理装置であるノート型パソコンは、良く知られているように、本体フレーム1の背面側の端部に、液晶ディスプレイ2がヒンジ2を介して開閉可能に取り付けられており、本体フレーム1の上面1aには、多数の入力キー4と、その手前の、正面側寄りの中央付近に設けられたポインタデバイス5を有する。また、本体フレーム1には、HDD(ハードディスク・ドライブ)6や、図示されていないCD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブ等が内蔵されており、本体フレーム1の底面1bには、複数のゴム脚7が突設されている。
【0003】
ゴム脚7は、本体フレーム1が滑ったりガタついたり、本体フレーム1の底面1bや机が傷付いたりするのを防止し、かつCD・DVD−ROMドライブ等の駆動時における振動低減や、外部からの衝撃の緩和を行うもので、図5に示されるように、従来、このゴム脚7は、本体フレーム1の安定性を考慮して、その底面1bにおける四隅近傍に配置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなノート型パソコンは、机上での移動時や机上への載置の際に、過失による落下の衝撃で、HDD6が破損することがある。図5は、このような落下の発生状況を示すもので、すなわち、図5(A)に示されるように、本体フレーム1を、例えばHDD6が内蔵された側の端部を手で持ち上げ、机8の上を引きずるようにして移動させる過程では、机8の上面に対するゴム脚7の摩擦力が大きいため、本体フレーム1をしっかり持たないと手が滑り、図5(B)に示されるように、過って取り落としてしまうことがある。
【0005】
この場合、本体フレーム1の端部の持ち上げ高さ、すなわち落下高さHは、せいぜい50〜120mmであるが、図5(B)に示される落下等による衝撃入力時は、本体フレーム1の両端近傍に配置されたゴム脚7,7によって、両持ち梁状の支持状態となるので、本体フレーム1が撓みにくく、持ち上げられた側のゴム脚7(7a)が机8の上面に衝突した時にHDD6が受ける衝撃は大きいものとなり、破損の原因となっていた。
【0006】
HDD6は言うまでもなく、この種の情報端末処理装置における大容量の記憶装置として重要なデバイスであり、破損するとハードディスクからのプログラムデータや各種データを読み出すことができなくなってしまい、しかも破損の修復には多大なコストと時間が必要になるため、落下等による衝撃を極力低減可能な構造として耐衝撃性を向上することが要望されていた。
【0007】
また、一般に、ゴム脚7による緩衝性を高めるには、その肉厚(高さ)を大きくすることが考えられるが、この場合は、本体フレーム1の水平方向の自由度が増すため、CD・DVD−ROMドライブ等の駆動に伴う水平振動の振幅が大きくなってしまうといった新たな問題を生じる。しかも、ゴム脚7の高さを大きくすることは、薄型化が要求されるノート型パソコンのような精密機器においては、要求に逆行することでもあった。
【0008】
本発明は、上述のような問題に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、過失による落下時の衝撃を、ゴム脚によって有効に低減し、本体内部のHDD等、精密デバイスが破損しにくくすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
従来の技術的課題は、本発明によって有効に解決することができる。
すなわち請求項1の発明に係る携帯型情報処理装置は、本体フレームの第一隅部近傍に精密デバイスが内蔵された携帯型情報処理装置において、前記本体フレームの底面に、前記精密デバイスから離れた第二乃至第四隅部近傍に位置してそれぞれゴム脚が取り付けられており、前記第一隅部が、この第一隅部を挟む二つの縁部の近傍にそれぞれ取り付けられたゴム脚によって片持ち状に支持されたものである。そしてこのようなゴム脚の配置とすることによって、本体フレーム自体に緩衝性を生じ、本体フレームの精密デバイス側の端部を持ち上げて落下させた時に、この精密デバイスに作用する衝撃の加速度が有効に緩和されるのである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る携帯型情報処理装置としてのノート型パソコンの本体フレームの底面図である。この図1において、参照符号1は携帯型情報処理装置であるノート型パソコンの本体フレームで、図の下方が正面側、図の上方が背面側であり、本体フレーム1の正面側の一端である第一第一隅部1cの近傍には、本発明による保護対象の精密デバイスであるHDD(ハードディスク・ドライブ)6が内蔵されている。なお、このノート型パソコン自体は、基本的には先に説明した図3と同様のものである。
【0011】
本体フレーム1の底面1bには、その外周近傍に沿って複数のゴム脚11〜15が取り付けられている。各ゴム脚11〜15の高さは同一であり、その下面は平坦に形成されている。
【0012】
ゴム脚11〜15のうち、ゴム脚13は、正面側におけるHDD6の内蔵位置と反対側の第二隅部1d近傍に配置され、ゴム脚14,15は、背面側における左右両端である第三隅部1e及び第四隅部1f近傍に配置されている。また、HDD6の内蔵位置側のゴム脚11,12は、本体フレーム1の底面1bにおける正面側の縁部1gの長さをLx、第一隅部1cから延びる側面側の縁部1hの長さをLyとすると、第一隅部1cを挟む二辺の長さがそれぞれLx/4,Ly/4である長方形の領域(図1に細かい点を付して示される領域)aより外側に配置されている。
【0013】
すなわち、ゴム脚11は、本体フレーム1の底面1bにおける正面側の縁部1g近傍に配置され、HDD6の内蔵位置側の第一隅部1cからゴム脚11までの距離L1は、L1≧Lx/4となっている。また、ゴム脚12は、本体フレーム1の底面1bにおける側面側の縁部1h近傍に配置され、第一隅部1cからゴム脚12までの距離L2は、L2≧Ly/4となっている。
【0014】
図2は、ゴム脚11〜15)が上述のように配置されたノート型パソコンを、机8上での移動時や机8上への載置の際に過って落下させた時の状況を示す説明図である。上述の構成によれば、図2(A)に示されるように、本体フレーム1を、HDD6が内蔵された側の縁部1hを手で持ち上げ、机8の上を引きずるようにして移動させる過程で、手が滑り、図2(B)に示されるように、過って取り落としてしまったような場合、その衝撃によってHDD6に作用する加速度が、従来に比較して大幅に減少する。このため、HDD6の破損によるデータ読み出し不能等の発生を防止することができる。
【0015】
これは、第一隅部1cからそれぞれ距離L1,L2だけ離れた位置に設けられたゴム脚11,12よりも第一隅部1c側の部分は、ゴム脚による支持がなく、すなわち片持ち支持状態になっているため、このゴム脚11,12が机8の上面と衝突した時に、本体フレーム1が図2(B)に一点鎖線及び二点鎖線で示されるように撓み、これによって、第一隅部1cの近傍に内蔵されたHDD6への衝撃を吸収するからであると考えられる。また、机8の上面と衝突した時のゴム脚11,12の変形量も、ゴム脚を第一隅部1c近傍に設けた場合より大きくなるので、これによる緩衝機能も増大するものと考えられる。
【0016】
しかも、上述の構成によれば、緩衝性を高めるために、ゴム脚11〜15の高さ(肉厚)を大きくすることによってゴム脚11〜15自体を低ばね定数とする必要がない。このため、本体フレーム1の水平方向の自由度が増大せず、したがって、CD・DVD−ROMドライブ等の駆動に伴う水平振動の振幅が大きくなってしまうようなこともない。
【0017】
【0018】
【0019】
なお、図1に参照符号16で示されるように、ゴム脚11〜15に加えて、第一隅部1cの近傍に、ゴム脚11〜15よりも高さの小さいゴム脚を取り付けても良い。すなわち、このゴム脚16は、通常は机8等の上面から浮き上がった状態になっているが、図2(A)のように本体フレーム1を斜めに持ち上げた状態から落下させることによって、本体フレーム1が図2(B)に一点鎖線及び二点鎖線で示されるように撓んだ場合、ある程度の撓み量に達した時点で、ゴム脚16が机8等の上面に緩衝的に接触し、本体フレーム1の過大な撓みを防止するものである。
【0020】
同様に、このようなゴム脚は、例えば参照符号17で示されるように、ゴム脚13,15の間に位置して取り付けても良い。
【0021】
【発明の効果】
請求項1の発明に係る携帯型情報処理装置は、本体フレームの底面に、精密デバイス側の第一隅部を挟む二つの縁部の近傍に設けられたゴム脚によって、前記第一隅部を片持ち支持した構造としたため、本体フレームにおける精密デバイス側の端部を持ち上げて斜めにした状態から過って落下させたような場合に、本体フレーム自体が精密デバイス側で撓んで緩衝性を奏するため、この精密デバイスに作用する衝撃を緩和してその破損を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る携帯型情報処理装置としてのノート型パソコンの本体フレームの底面図である。
【図2】 本発明に係る携帯型情報処理装置としてのノート型パソコンを机上で斜めに持ち上げて落下させた時の状況を示す説明図である。
【図3】 一般的なノート型パソコンの外観を示す斜視図である。
【図4】 従来の技術に係る携帯型情報処理装置の一例を示すノート型パソコンの本体フレームの底面図である。
【図5】 ノート型パソコンを机上での移動時や机上への載置の際に、過失によって落下する時の状況を示す説明図である。
【符号の説明】
1 本体フレーム
1c 第一隅部
1d 第二隅部
1e 第三隅部
1f 第四隅部
6 HDD(精密デバイス)
11〜17 ゴム脚
Claims (1)
- 本体フレーム(1)の第一隅部(1c)近傍に精密デバイス(6)が内蔵された携帯型情報処理装置において、前記本体フレーム(1)の底面(1b)に、前記精密デバイス(6)から離れた第二乃至第四隅部(1d,1e,1f)近傍に位置してそれぞれゴム脚(13,14,15)が取り付けられており、前記第一隅部(1c)が、この第一隅部(1c)を挟む二つの縁部(1g,1h)の近傍にそれぞれ取り付けられたゴム脚(11,12)によって片持ち状に支持されたことを特徴とする携帯型情報処理装置。
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