JP4048255B2 - 有機elディスプレイ装置の駆動装置および駆動方法 - Google Patents

有機elディスプレイ装置の駆動装置および駆動方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL(Electroluminescence )ディスプレイ装置の駆動装置に関し、特に温度に依らずに良好な表示を維持できる有機ELディスプレイ装置の駆動装置および駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は、陽極と陰極との間に有機薄膜を有する。陽極が陰極よりも高電位となるように両極間に所定電圧以上の電圧を印加して有機薄膜に電流を流すと、有機薄膜は発光する。この所定電圧を発光開始電圧という。逆に陰極を陽極より高電位とすると、有機薄膜にはほとんど電流が流れず発光しない。このように半導体発光ダイオードに似た特性を有しているため、有機EL素子は有機LEDと呼ばれることもある。また、両極間に挟持された有機薄膜には無視できない容量がある。従って、有機EL素子の等価回路は、図16に示すように表される。
【0003】
有機EL素子の有機薄膜に定電圧を印加して発光させる場合、その発光輝度は温度変化や経時変化等により大きく変動する。しかし、定電流を流して発光させる場合には、発光輝度の変動は小さい。そこで、一般に、有機EL素子によって表示を行う有機ELディスプレイ装置では、駆動装置に定電流回路が設けられ、各有機EL素子に定電流が供給される。
【0004】
図17は、従来の有機ELディスプレイ装置の駆動装置の例を示す。走査電極110〜110と信号電極120〜120は有機EL素子を挟持するようにマトリクス状に配置される。走査電極110〜110と信号電極120〜120との交差部分が画素となる。走査電極110〜110と信号電極120〜120とが有機薄膜を挟持するようにして、走査電極自体を有機EL素子130の陰極とし、信号電極自体を有機EL素子130の陽極としてもよい。走査電極110〜110は金属で形成され、信号電極120〜120はITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電薄膜で形成されることが一般的である。
【0005】
以下、表示画面を見るときの方向に関わりなく、走査電極に対して平行に配列した方向の画素の並びを「行」と記し、信号電極に対して平行に配列した画素の並びを「列」と記す。
【0006】
各走査電極110〜110は、走査電極引き出し配線112〜112を介して走査電極ドライバ111に接続される。各信号電極120〜120も同様に信号電極ドライバ121に接続される。走査電極ドライバ111は、画素を発光させる行を選択し、選択行および非選択行の走査電極の電位を設定する。信号電極ドライバ121は、各信号電極120〜120と一対一に対応する定電流回路(図示せず)を備える。そして、選択行において発光させるべき画素が存在する信号電極に定電流回路から電流を流すように制御する。
【0007】
図17に示す駆動装置は、全ての走査電極を一本ずつ選択しながら、各走査電極110〜110を走査して画像を表示する。一般には、走査電極110〜110の並んでいる順番に走査電極を選択し、一定期間内に全ての走査電極110〜110を走査する。
【0008】
走査電極ドライバ111は、選択した走査電極の電位を、選択していない走査電極の電位よりも低く設定する。選択した走査電極の電位をVRL、選択していない走査電極の電位をVRHと記す。VRLは接地電位(グラウンド電位)とすることが多い。一方、信号電極ドライバ121は、選択行において発光させるべき画素がない信号電極を所定の電位(以下、VCLと記す。)に設定する。ここで、電位VCLとVRLとの差(VCL−VRL)が発光開始電圧より小さくなるようにVCLを定める。VCLは接地電位とすることが多い。また、信号電極ドライバ121は、選択行において発光させるべき画素が存在する信号電極の電位も設定し、その信号電極から選択された走査電極に電流を流す。この信号電極の電位は、定電流を流すように設定する。ただし、信号電極の電位を、定電流回路の電源電位VCHよりも高くすることはできない。
【0009】
ここでは、信号電極120〜120から走査電極110〜110に電流を流す場合を示した。各走査電極110〜110を有機EL素子130の陽極に接続し、各信号電極120〜120を有機EL素子130の陰極に接続して、走査電極110〜110から信号電極120〜120に電流を流すようにしてもよい。
【0010】
また、画素毎に輝度を変化させる場合がある。この場合、一行の選択期間において、電流を流す期間を変えればよい。図18は、電流を流す期間を示す電流パルスの例を示す。最大輝度で発光させる画素には、選択期間の間、電流を流し続ければよい。例えば、最大輝度に対して50%の輝度で表示する画素には、輝度が50%となるような時間だけ電流を流せばよい。このように画素の輝度を変える駆動法をパルス幅変調(PWM)という。
【0011】
従来の駆動方法では、非選択行の画素において、信号電極の電位が走査電極の電位よりも低くなることがある。このように信号電極の電位と走査電極の電位との高低関係が、画素を発光させるときとは逆になっていることを逆バイアスと記す。画素に逆バイアスで電圧が印加されると、画素の容量に電荷が蓄えられる。すると、各行を選択したときに画素の発光が遅れてしまうという問題があった。
【0012】
一つの信号電極から走査電極に電流を流して画素を発光させるには、その信号電極上に存在する各画素の容量に充電し、選択行の画素に定電流を流し得る電圧を印加しなければならない。各画素の容量に対する充電によって、まず、逆バイアスの電圧印加によって電荷が蓄積された状態を解消する。さらに、各画素の容量に対する充電によって、信号電極の電位を、選択行の画素に定電流を流す電位にする。このように電位が立ち上がるまで充電をしなければならず、充電に時間がかかると図19(b)に示すように、発光させるべき画素の印加電圧の立ち上がりが遅れてしまう。良好な表示を行うためには、画素に対する印加電圧の波形を図19(a)に示す波形に近づける必要がある。
【0013】
これまでに、発光までの立ち上がり速度が遅くならないようにするための駆動方法、駆動装置が提案されている。例えば、特開平9−232074号公報には、選択行を切り替える際に全ての走査電極を一旦同じ電位からなるリセット電圧に接続してから次の行を選択する駆動方法が提案されている。このように選択行を切り替える際に全ての走査電極をリセット電圧に接続してから次の行を選択する駆動方法を、以下、リセット駆動と記す。リセット駆動では、逆バイアスの電圧印加によって蓄積された電荷を、リセット電圧印加時に(選択行切替時に)減少させる。また、特開平11−45071号公報には、有機EL素子に定電流を流す際に、有機EL素子に所定の電圧を直接印加して容量の充電を速める駆動回路が提案されている。このように有機EL素子に所定の電圧を印加して充電を速める駆動方法を、以下、プリチャージ駆動と記す。また、プリチャージ駆動において、充電を速めるために有機EL素子に印加する所定の電圧を充電電圧と呼ぶことにする。リセット駆動やプリチャージ駆動によって、発光させるべき画素に対する印加電圧の波形を図19(a)に示す波形に近づけることができる。
【0014】
有機ELディスプレイ装置では、各行を走査して全画素を発光させる場合、選択した走査電極に流れ込む電流は、信号電極数に比例して大きくなる。また、信号電極数が多いと、その分、各走査電極110〜110を長くする必要があり、一本の走査電極の一端から他端までの抵抗が大きくなる。さらに、走査電極だけでなく、走査電極引き出し配線112〜112も抵抗を有する。抵抗を有する各走査電極110〜110および走査電極引き出し配線112〜112に流れ込む電流が増加すると、走査電極ドライバ111が選択した走査電極の電位が、本来の電位VRL(ここでは、接地電位とする。)よりも高くなる場合がある。
【0015】
この場合、信号電極ドライバ121の定電流回路は、選択行の走査電極の電位が高くなった分、信号電極の電位も高くして定電流を流す。しかし、走査電極の電位上昇が大きくなると、信号電極の電位はVCHに近づいていく。そして、定電流回路の駆動能力が飽和すると、信号電極の電位を十分高くすることができなくなる。すると、発光させるべき画素に電流が流れず、所望の発光輝度が得られなくなる。従って、発光させるべき画素数が多い行では選択時の電位上昇が大きく、発光輝度が低下する。例えば、図20(a)に示すような表示を行おうとしても、発光させるべき画素数が多い行では発光輝度が低下し、図20(b)に示すような表示となってしまう。図20(b)に示すような横帯状の輝度のむらを横クロストークという。各走査電極110〜110に流れ込む電流が過大にならなければ、横クロストークは生じない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
有機ELディスプレイ装置に、広い使用温度域で良好な表示が要求される場合がある。しかし、有機EL素子に定電流を流すときの有機EL素子の陽極と陰極との間の電圧が温度によって変化するために問題が生じる。以下、有機EL素子に定電流を流すときの有機EL素子の陽極と陰極との間の電圧を端子電圧と記すことにする。一般に、周囲の温度が低くなると端子電圧は大きくなる。逆に、温度が高くなると端子電圧は小さくなる。周囲の温度が有機ELディスプレイの使用中心温度から±20℃程度であれば、端子電圧の変化量は少なく表示上の問題は特に生じない。
【0017】
図21は、温度変化に伴う信号電極の電位の変化を示す説明図である。図21に示す電位Vは、有機EL素子に定電流を流すことができる信号電極の電位である。また、電位VCHは、信号電極ドライバ21が備える定電流回路の電源電位である。電位Vは、V−VRLが端子電圧となるように設定される。
【0018】
温度が低くなり、端子電圧が高くなると、図21(c)に示すように、定電流を流すための電位Vも高くしなければならない。しかし、電位VをVCHよりも高くすることはできない。そのため、端子電圧が、定電流回路の電源電位VCHと選択行の走査電極の電位VRLとの差(VCH−VRL)に近づいたり、VCH−VRLを越えたりすると、画素に電流が流れなくなる。すると、発光輝度は表示パターンによってまちまちになり、横クロストークと同様の表示不良が生じる。
【0019】
一方、周囲の温度が高いと端子電圧が低くなると、図21(b)に示すように、電位Vを下げる。すると、電位Vと定電流回路の電源電位VCHとの差が大きくなり、信号電極ドライバ121内での電力消費が大きくなる。その結果、発光に不必要な電力が信号電極ドライバ121で無駄に消費される上、発熱量が増加してしまう。さらに、信号電極ドライバ121は、有機ELディスプレイ装置の近傍に配置されるため、有機ELディスプレイ装置の温度も上昇する。有機EL素子を発光させていると、同じ電流を流していても時間経過とともに輝度が低下するという現象が知られている。そして、温度が上昇すると輝度低下の度合いが大きくなる。従って、信号電極ドライバ121の発熱は、有機ELディスプレイ装置の寿命を短くしてしまう。
【0020】
また、リセット駆動やプリチャージ駆動では、信号電極の電位を最終的に設定すべき電位(定電流を流すことができる電位)Vに近づけている。しかし、周囲の温度が低くなり端子電圧が大きくなると、充電時間が長くかかるようになってしまう。例えば、リセット駆動では、各有機ELの容量の電荷を減少させるときの信号電極電位と、電位Vとの差が大きくなり、充電に時間がかかるようになる。また、プリチャージ駆動では、充電電圧を印加した状態における信号電極電位と、定電流を流せる信号電極電位Vとの差が大きくなり、充電に時間がかかるようになる。従って低温では、リセット駆動やプリチャージ駆動の効果が十分得られなくなってしまう。
【0021】
さらに、温度変化が大きいと、発光させるべき画素に印加する電圧の波形も変化する。図22は、温度変化に伴う画素の印加電圧波形の変化を示す。通常の温度では、図22(a)に示すような理想的な波形を得ることができる。しかし、低温になると、端子電圧が大きくなり、充電に時間がかかる。そのため図22(b)に示すように立ち上がりが遅れる。逆に高温になると、端子電圧が小さくなり、図22(c)に示すように立ち上がりが急峻になる。プリチャージ駆動では、端子電圧が小さくなった結果、充電電圧で必要以上に充電することになる。この状態から定電流を流す電圧に変化させるため、図22(c)に示すような波形になる。電圧が急峻に立ち上がると、発光輝度が本来の輝度よりも上がってしまう。従って、温度が変化すると、理想的な電圧波形とは異なる波形になってしまい、所望の発光輝度が得られなくなる。
【0022】
従って、従来の駆動方法や駆動回路では、周囲の温度が所定の範囲を超えて変化すると、表示状態の均一性が保てなくなる。特に、PWMでパルス幅を短くして低輝度階調の表示をするときに、この現象は顕著になる。
【0023】
また、温度が低下し、端子電圧が高くなった場合に備えて、走査電極ドライバ111および信号電極ドライバ121には高耐圧のLSIを使用しなければならない。このLSIは、温度による端子電圧の変化を考慮しない場合よりも、5〜10V程度耐圧を高くする必要がある。その結果、駆動装置の生産コストが上昇してしまう。
【0024】
本発明は、上記の課題を解決するための発明であって、温度が変化したとしても有機ELディスプレイ装置で良好な表示を得られるようにすることを目的とする。また、周囲の温度が変化した場合に、有機EL素子の寿命が短くなるのを防ぐことを目的とする。また、有機ELディスプレイ装置の駆動装置の生産コストを低くすることを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明の態様1は、複数の走査電極と複数の信号電極との間に有機薄膜が配置された有機ELディスプレイ装置の駆動装置であって、走査電極を選択し、選択した走査電極を選択時の電位に設定し、選択していない走査電極を非選択時の電位に設定する走査電極ドライバと、発光させるべき画素が存在する信号電極に定電流を流すとともに前記信号電極に所定の充電電圧を印加する信号電極ドライバとを備えてなる有機ELディスプレイ装置の駆動装置において、前記走査電極ドライバに選択時の電位および非選択時の電位を供給する電位供給手段と、有機ELディスプレイ装置の周囲の温度に応じた信号を出力する温度情報出力手段とを備え、前記温度情報出力手段が出力した信号に基づいて、前記電位供給手段が供給する選択時の電位および非選択時の電位のうち、少なくとも選択時の電位を変動させるように構成され、走査電極ドライバを制御するパルス信号を、パルス信号のハイレベルと選択時の電位との差およびパルス信号のローレベルと選択時の電位との差がそれぞれ一定になるように、温度情報出力手段が出力した信号に応じて電圧方向にシフトし、 シフト後のパルス信号を走査電極ドライバに出力するレベルシフト手段を備えたことを特徴とする有機ELディスプレイ装置の駆動装置を提供する。
【0026】
本発明の態様2は、複数の走査電極と複数の信号電極との間に有機薄膜が配置された有機ELディスプレイ装置の駆動装置であって、走査電極を選択し、選択した走査電極を選択時の電位に設定し、選択していない走査電極を非選択時の電位に設定する走査電極ドライバと、発光させるべき画素が存在する信号電極に定電流を流す信号電極ドライバとを備えてなる有機ELディスプレイ装置の駆動装置において、前記走査電極ドライバに選択時の電位および非選択時の電位を供給する電位供給手段と、有機ELディスプレイ装置の周囲の温度に応じた信号を出力する温度情報出力手段とを備え、前記温度情報出力手段が出力した信号に基づいて、前記電位供給手段が供給する選択時の電位および非選択時の電位を、それぞれほぼ等しい変動量で変動させるように構成され、走査電極ドライバを制御するパルス信号を、パルス信号のハイレベルと選択時の電位との差およびパルス信号のローレベルと選択時の電位との差がそれぞれ一定になるように、温度情報出力手段が出力した信号に応じて電圧方向にシフトし、シフト後のパルス信号を走査電極ドライバに出力するレベルシフト手段を備えたことを特徴とする有機ELディスプレイ装置の駆動装置を提供する。
【0027】
本発明の態様3は、信号電極ドライバは、発光させるべき画素が存在する信号電極の電位と走査電極の選択時の電位との差が画素に定電流を流す電圧になるように信号電極の電位を設定し、発光させるべき画素が存在する信号電極の電位が温度に依らずにほぼ一定になるように、選択時の電位を、一定とする前記信号電極の電位よりも定電流を流すときにおける有機薄膜の陰極および陽極間の電圧である端子電圧だけ低い電位に変動させる有機ELディスプレイ装置の駆動装置を提供する。
【0028】
本発明の態様は、複数の走査電極と複数の信号電極との間に有機薄膜が配置された有機ELディスプレイ装置の駆動装置であって、走査電極を選択し、選択した走査電極を選択時の電位に設定し、選択していない走査電極を非選択時の電位に設定する走査電極ドライバと、前記複数の信号電極と一対一に対応する複数の定電流回路を有し、発光させるべき画素が存在する信号電極に定電流回路から定電流を流し、発光させるべき画素が存在しない信号電極を非点灯時の電位に設定する信号電極ドライバとを備えてなる有機ELディスプレイ装置の駆動装置において、前記信号電極ドライバに非点灯時の電位および定電流回路の電源電位を供給する電位供給手段と、有機ELディスプレイ装置の周囲の温度に応じた信号を出力する温度情報出力手段とを備え、前記温度情報出力手段が出力した信号に基づいて、前記電位供給手段が供給する非点灯時の電位および定電流回路の電源電位を、それぞれほぼ等しい変動量で変動させるように構成され、信号電極ドライバを制御するパルス信号を、パルス信号のハイレベルと非点灯時の電位との差およびパルス信号のローレベルと非点灯時の電位との差がそれぞれ一定になるように、温度情報出力手段が出力した信号に応じて電圧方向にシフトし、シフト後のパルス信号を信号電極ドライバに出力するレベルシフト手段を備えたことを特徴とする有機ELディスプレイ装置の駆動装置を提供する。
【0029】
本発明の態様は、信号電極ドライバは、発光させるべき画素が存在する信号電極の電位と走査電極の選択時の電位との差が画素に定電流を流す電圧になるように信号電極の電位を設定し、発光させるべき画素が存在する信号電極の電位と非点灯時の電位との差がほぼ一定になり、発光させるべき画素が存在する信号電極の電位と定電流回路の電源電位との差がほぼ一定になるように、非点灯時の電位および定電流回路の電源電位を変動させるように構成された有機ELディスプレイ装置の駆動装置を提供する。
【0030】
本発明の態様は、複数の走査電極と複数の信号電極との間に有機薄膜が配置された有機ELディスプレイ装置の駆動方法であって、走査電極を選択し、選択した走査電極を選択時の電位に設定し、選択していない走査電極を非選択時の電位に設定する走査電極ドライバと、発光させるべき画素が存在する信号電極に定電流を流す信号電極ドライバとを備える有機ELディスプレイ装置の駆動装置に適用される有機ELディスプレイ装置の駆動方法において、定電流が流れる信号電極の電位がほぼ一定になるように、前記選択時の電位を、一定とする前記信号電極の電位よりも定電流を流すときにおける有機薄膜の陰極および陽極間の電圧である端子電圧だけ低い電位に温度に応じて変動させ、走査電極ドライバを制御するパルス信号を、パルス信号のハイレベルと選択時の電位との差およびパルス信号のローレベルと選択時の電位との差がそれぞれ一定になるように、温度に応じてシフトすることを特徴とする有機ELディスプレイ装置の駆動方法を提供する。
【0031】
本発明の態様は、複数の走査電極と複数の信号電極との間に有機薄膜が配置された有機ELディスプレイ装置の駆動方法であって、走査電極を選択し、選択した走査電極を選択時の電位に設定し、選択していない走査電極を非選択時の電位に設定する走査電極ドライバと、前記複数の信号電極と一対一に対応する複数の定電流回路から発光させるべき画素が存在する信号電極に定電流を流し、発光させるべき画素が存在しない信号電極を非点灯時の電位に設定する信号電極ドライバとを備える有機ELディスプレイ装置の駆動装置に適用される有機ELディスプレイ装置の駆動方法において、前記定電流を流すときの信号電極の電位と前記定電流回路の電源電位との差がほぼ一定になり、かつ、前記定電流を流すときの信号電極の電位と前記非点灯時の電位との差がほぼ一定になるように、温度に応じて前記定電流回路の電源電位および前記非点灯時の電位を変動させ、信号電極ドライバを制御するパルス信号を、パルス信号のハイレベルと前記非点灯時の電位との差およびパルス信号のローレベルと前記非点灯時の電位との差がそれぞれ一定になるように、温度に応じてシフトすることを特徴とする有機ELディスプレイ装置の駆動方法を提供する。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第一の実施の形態の例を示すブロック図である。有機ELディスプレイ装置は、マトリクス状に配置される複数の走査電極10と、複数の信号電極20とを備える。また、各走査電極10と各信号電極20は、有機EL素子を挟持するように配置され、各走査電極10と各信号電極20との交差部分の有機EL素子30が画素となる。図1では一つの交差部分のみを示すが、各交差部分がそれぞれ画素となる。各走査電極10と各信号電極20のうち、観察者側に配置する電極は、透明電極である。
【0033】
本発明による駆動装置は、コントローラ1と、走査電極ドライバ11と、信号電極ドライバ21と、温度センサ4と、A−D変換回路5と、電子ボリュームを内蔵する電源回路6と、レベルシフタ7とを備える。走査電極ドライバ11と信号電極ドライバ21は、それぞれ複数の出力端子を有する。個々の走査電極10は、走査電極ドライバ11の個々の出力端子と一対一に接続される。同様に、個々の信号電極20は、信号電極ドライバ21の個々の出力端子と一対一に接続される。
【0034】
コントローラ1は、制御用デジタルロジック信号(以下、制御信号と記す。)を出力して、走査電極ドライバ11と信号電極ドライバ21を制御する。コントローラ1は、レベルシフタ7を介して走査電極ドライバ11に制御信号を出力する。走査電極ドライバ11に出力する制御信号には、選択行切替を示すLP(ラッチパルス)や1フレームの開始を示すFLM(ファーストラインマーカ)等がある。走査電極ドライバ11は、制御信号に基づき、一本ずつ走査電極を選択しながら走査電極を走査する。信号電極ドライバ21に出力する制御信号にはLPがある。LPやFLMは、パルス信号である。また、コントローラ1は電源回路6の電子ボリュームを制御し、走査電極ドライバ11が各走査電極10に設定する電位を変化させる。
【0035】
電源回路6は、二つの異なる電位を出力して電圧を供給する。走査電極ドライバ11は、電源回路6が出力する電位の低い方を選択行の走査電極電位VRLとし、高い方の電位を非選択行の走査電極電位VRHとする。すなわち、電源回路6の出力電位のうち、低い方の電位がVRLであり、高い方の電位がVRHである。電源回路6が走査電極ドライバ11に出力する電位は、温度変化に応じてコントローラ1が制御する。ただし、コントローラ1は、電位VRLとVRHとの差をほぼ一定に保つようにして電位VRL、VRHを変化させる。従って、温度が変化して電位VRLを変動させるときには、ほぼ同じ変動量で電位VRHも変動させる。また、温度変化に伴う電位の変動量は、低温になるほど大きくする。例えば、温度が40℃から30℃に変化したときの電位変動量よりも、0℃から−10℃に変化したときの電位変動量の方が大きくなるように電位を変化させる。
【0036】
また、走査電極ドライバ11に入力される制御信号は、パルス信号である。このパルス信号のハイレベル、ローレベルは、電源回路6が走査電極ドライバ11に供給する電源電位(例えばVRL)との差が一定になるように保つことが一般的である。そのため、コントローラ1は、電源回路6の出力電位を変化させるのに伴い、制御信号のハイレベルおよびローレベルもレベルシフタ7によってシフトさせる。レベルシフタ7は、コントローラ1からの制御信号をシフトし、シフト後の制御信号を走査電極ドライバ11に出力する。例えば、コントローラ1が出力するLP(ラッチパルス)のハイレベルをVDDとし、ローレベルをVSSとする。レベルシフタは、VDD,VSSをそれぞれシフトして、走査電極ドライバ11に出力する。コントローラ1は、走査電極ドライバ11に入力される制御信号のハイレベルやローレベルと、電源回路6の出力電位(例えばVRL)との差が一定になるようにシフト量を制御する。
【0037】
信号電極ドライバ21は、各信号電極20に対応する定電流回路(図示せず)を備え、選択行において発光させるべき画素が存在する信号電極に定電流を供給する。また、発光させるべき画素が存在しない信号電極の電位をVCL(例えば接地電位)に定め、その信号電極に電流が流れないようにする。
【0038】
また、本例では、プリチャージ駆動を行う場合を例に説明する。信号電極ドライバ21は、ある行の選択に際して、選択行で発光させるべき画素が存在する信号電極の電位を所定の電位に設定して、各有機EL素子に充電電圧を印加する。充電電圧の印加時間は、選択期間に比べ非常に短い時間である。電位VCLや、充電電圧を印加する信号電極の電位は、温度に依らず一定である。
【0039】
充電後の選択期間において、走査電極ドライバ11は、選択行の走査電極の電位をVRLに設定し、非選択行の走査電極の電位をVRHにする。一方、信号電極ドライバ21は、発光させるべき画素が存在する信号電極の電位を高く設定し、その信号電極から選択行の走査電極に電流を流す。この結果、画素が発光する。また、画素を発光させない信号電極の電位はVCLとする。
【0040】
温度センサ4は、有機ELディスプレイ装置の表示部(画像を表示する領域)の近傍に配置される。そして、温度センサ4は、例えば−40℃から100℃の範囲で、温度に応じた電圧をA−D変換回路5に出力する。図2は、温度センサ4の構成例を示すブロック図である。温度センサ4は、例えばサーミスタ40と、電源41とを備える。サーミスタ40の一端42は接地され、他端43は抵抗44を介して電源41に接続される。サーミスタ40は、周囲の温度が上がった場合に抵抗値を減少させ、温度が下がった場合に抵抗値を増加させる。従って、サーミスタ40の他端43の電位は温度によって変化する。温度センサ4は、A−D変換回路5に対する出力電圧として、他端43の電位を出力する。
【0041】
A−D変換回路5は、温度センサ4が出力した電圧をデジタルデータに変換する。変換後のデジタルデータのデータ長(ビット数)は、温度を所望の精度で識別できるビット数であればよい。4〜6ビットのデジタルデータに変換すれば、温度を良好に認識できる。A−D変換回路5は、変換後のデジタルデータをコントローラ1に出力する。
【0042】
コントローラ1は、このデジタルデータから、電源回路6が出力すべき電位を特定するデジタル信号を作成し、電源回路6に出力する。電源回路6が備える電子ボリュームは、デジタル信号に応じて電源回路6の出力電位を変化させる。また、コントローラ1は、A−D変換回路5が出力したデジタルデータから、レベルシフタ7が制御信号をシフトすべき量の情報を作成し、シフト量の情報をレベルシフタ7に出力する。
【0043】
電源回路6は、コントローラ1から入力されるデジタル信号に応じた電位を走査電極ドライバ11に出力する。レベルシフタ7は、コントローラ1から入力されるシフト量の情報に従って制御信号をシフトし、走査電極ドライバ11に出力する。
【0044】
図3は、選択行の電位VRLおよび非選択行の電位VRHの変化を示す説明図である。図3(a)〜(c)は、それぞれ常温、高温、低温における電位VRL、VRHを示す。図3に示す電位Vは、有機EL素子に定電流を流すことができる信号電極の電位である。また、電位VCHは、信号電極ドライバ21が備える定電流回路の電源電位である。電位Vは、V−VRLが端子電圧となる電位である。コントローラ1は、信号電極の電位Vが温度に依らずほぼ一定になるように、電源回路6の出力電位(VRL、VRH)を制御する。
【0045】
例えば、温度が高くなると端子電圧が下がる。コントローラ1は、温度上昇によってA−D変換回路5からのデジタルデータが変化すると、デジタルデータに応じたデジタル信号を電源回路6に出力する。このデジタル信号によって電源回路6が備える電子ボリュームを制御し、電源回路6に出力電位VRL、VRHを高くさせる。従って、端子電圧が下がったとしても、走査電極の電位VRL、VRHが高くなるので、信号電極の電位Vはほぼ一定に保たれる。
【0046】
逆に温度が低くなると端子電圧が上がる。コントローラ1は、温度低下によってA−D変換回路5からのデジタルデータが変化すると、デジタルデータに応じたデジタル信号を電源回路6に出力する。そして、このデジタル信号によって、電源回路6に出力電位VRL、VRHを低くさせる。従って、端子電圧が上がったとしても、走査電極の電位VRL、VRHが低くなるので、信号電極の電位Vはほぼ一定に保たれる。
【0047】
前述のようにコントローラ1は、電位VRHと電位VRLとの差がほぼ一定になるように制御する。さらに、温度の変化量が同じであっても、温度が低い場合の方が、電位VRH、VRLの変動量が大きくなるように制御する。また、プリチャージ駆動の場合、コントローラ1は、電位Vが一定になるように、電源回路6の出力電位VRLだけを変動させてもよい。
【0048】
図4は、レベルシフタ7におけるシフト量の変化を示す説明図である。コントローラ1が出力する制御信号のレベルは、温度に依らずに一定である。一方、温度変化に伴い、A−D変換回路5からのデジタルデータが変化すると、レベルシフタ7に出力するシフト量情報を変化させる。温度が高くなると、制御信号のハイレベルVDD、ローレベルVSSを高くするようにシフト量を設定する。また、温度が低くなると、VDD、VSSが低くなるようにシフト量を設定する。コントローラ1は、シフト後の制御信号のレベルと、電源回路6の出力電位との差(例えば、VDD、VSSとVRLとの差)が一定になるようにシフト量を定める。レベルシフタ7は、コントローラ1から入力されるシフト量に応じて制御信号のレベルをシフトする。この結果、走査電極ドライバ11には、電源回路6の出力電位に対応したレベルで制御信号が入力される。なお、コントローラ1は、信号電極ドライバ21に対しては、レベルシフタを介さずに制御信号を出力する。従って、信号電極ドライバ21に入力される制御信号のレベルは温度に依らずに一定である。
【0049】
本例において、電位供給手段は、電源回路6によって実現される。温度情報出力手段は、温度センサ4によって実現される。制御手段は、A−D変換回路5およびコントローラ1によって実現される。レベルシフト手段は、レベルシフタ7によって実現される。
【0050】
本発明によれば、電源回路6が出力する電位を温度変化に応じて制御するので、定電流を流すときの信号電極電位Vを一定に保つことができる。従って、低温環境であっても、電位Vが定電流回路の電源電位VCHに近づくことはなく、画素の発光輝度の低下を防止できる。また、高温環境であっても、電位Vと電位VCHとの差が大きくならず、電力消費を抑えることができる。その結果、発熱による有機ELディスプレイ装置の寿命短縮化を防止できる。
【0051】
また、本発明では、信号電極電位Vを一定に保つことにより、信号電極の駆動波形を温度によらず一定になるようにしている。図5(a)〜(c)は、それぞれ常温、高温、低温における信号電極の駆動波形を示す。本発明では、図5に示すように、温度が変化しても信号電極の駆動波形は変化させずに、走査電極の電位VRLを変化させる。従って、低温環境であっても、信号電極の電位Vが立ち上がる時間は常温と変わらない(図5(c))。また、高温環境であっても、電位Vが低くならないので、充電電圧が電位Vに対して高くなることがなく、波形の立ち上がりが急峻になることがない(図5(b))。従って、温度に依らず、良好な表示を得ることができる。また、PWMで発光輝度の階調を設定する場合であっても、理想的な波形となるので、温度が変化しても良好な表示を得ることができる。
【0052】
さらに、電位Vが変化しないため、信号電極ドライバ21の耐圧を高くする必要がない。従って、駆動装置の生産コストを抑えることができる。また、一つのコントローラ1で走査電極ドライバ11および信号電極ドライバ21を制御するので、駆動装置の構成を簡素化できる。
【0053】
プリチャージ駆動の場合、コントローラ1が電源回路6の出力電位VRLだけを変動させても電位Vを一定に保つことができる。ただし、電位VRHと電位VRLとの差がほぼ一定になるように電位VRHも変動させれば、走査電極ドライバ11の耐圧を高くする必要がない。従って、コントローラ1は、電位VRHと電位VRLとの差がほぼ一定になるようにを電位VRLと電位VRHを制御することが好ましい。
【0054】
なお、電位VRHおよび電位VRLを低くした結果、図3(c)に示すように、電位Vよりも電位VRHが低くなったり、電位VCLよりも電位VRLが低くなる場合がある。図3(c)において、V−VRHが発光開始電圧よりも大きくなると非選択行の画素が発光してしまう。また、VCL−VRLが発光開始電圧よりも大きくなると選択行において発光させるべき画素以外の画素が発光してしまう。しかし、発光開始電圧は温度の低下とともに上昇するので、V−VRHやVCL−VRLが発光開始電圧よりも大きくなることはない。従って、非選択行の画素が発光したり、選択行において発光させるべき画素以外の画素が発光することはない。図6は、温度と発光開始電圧との関係を示す説明図である。図6に示す横軸は有機EL素子の陰極と陽極との間に印加される電圧を示す。縦軸は、瞬時輝度を示す。そして、一般に、瞬時輝度が1cd/mとなるときの電圧が発光開始電圧とされる。図6に示すように温度が低下するほど、発光開始電圧は上昇している。
【0055】
上記の例では、レベルシフタ7を信号電極ドライバ21や走査電極ドライバ11とは別個に配置する場合を示した。信号電極ドライバ21がレベルシフタ7を備える構成であってもよい。この場合の構成例を図7に示す。また、図8は、本例における制御信号のシフト状況を示す説明図である。本例の場合、コントローラ1は、走査電極ドライバ11に対する制御信号と、信号電極ドライバ21に対する制御信号の双方を信号電極ドライバ21に出力する。また、シフト量の情報も信号電極ドライバ21に出力する。信号電極ドライバ21は、信号電極ドライバ21に対する制御信号はシフトしない。一方、走査電極ドライバ11に対する制御信号およびシフト量の情報については、内蔵するレベルシフタ7に入力する。レベルシフタ7は、制御信号をシフトして、走査電極ドライバ11に出力する。他の動作は、図1に示す駆動装置と同様である。ただし、信号電極ドライバ21内のレベルシフタ7によってシフトされて出力される制御信号のハイレベルおよびローレベルは、信号電極ドライバ21に供給される電源電圧の範囲内である必要がある。従って、走査電極ドライバ11には、レベルシフタ7が出力する制御信号のハイレベルおよびローレベルの範囲に適合するものを用いる。図8に示す場合では、入力されるローレベルがVRLよりも高い走査電極ドライバを用いる。
【0056】
また、走査電極ドライバ11がレベルシフタ7を備える構成であってもよい。この場合の構成例を図9に示す。本例の場合、コントローラ1は、走査電極ドライバ11に対する制御信号およびシフト量の情報を、走査電極ドライバ11が備えるレベルシフタ7に入力する。レベルシフタ7は、制御信号をシフトして走査電極ドライバ11に出力する。他の動作は、図1に示す駆動装置と同様である。このように走査電極ドライバ11がレベルシフタ7を備えることにより、走査電極ドライバの内部で処理される制御信号とはハイレベルおよびローレベルが異なる制御信号を入力することができる。
【0057】
また、図1,7,9では、走査電極ドライバ11の外部に電源回路6を設ける場合を示したが、走査電極ドライバ11や信号電極ドライバ21が電源回路6を備える構成としてもよい。
【0058】
次に、本発明の第二の実施の形態について説明する。
図10は、本発明の第二の実施の形態の例を示すブロック図である。第一の実施の形態と同じ動作をする部分については、第一の実施の形態と同じ番号で示し、説明を省略する。
【0059】
走査電極ドライバ61および信号電極ドライバ71は、第一の実施の形態に示す場合と同様に有機ELディスプレイ装置に接続される。コントローラ51は、信号電極ドライバ71に対する制御信号をレベルシフタ81に出力する。レベルシフタ81は、この制御信号をシフトして信号電極ドライバ71に出力する。コントローラ51は、走査電極ドライバ61には制御信号を直接出力する。走査電極ドライバ61は、制御信号に基づき、一本ずつ走査電極を選択しながら走査電極を走査する。
【0060】
信号電極ドライバ71は、各信号電極20に対応する定電流回路(図示せず)を備え、選択行において発光させるべき画素が存在する信号電極に定電流を供給する。また、発光させるべき画素が存在しない信号電極の電位をVCLとし、その信号電極に電流が流れないようにする。さらに、信号電極ドライバ71は、ある行の選択に際して、発光させる画素が存在する信号電極の各有機EL素子に充電電圧を印加してプリチャージ駆動を行う。
【0061】
電源回路82は、画素を発光させない信号電極の電位VCL、および定電流回路の電源電位VCHを信号電極ドライバ71に出力する。また、電源回路82は、プリチャージ駆動において充電電圧を信号電極に印加するときの電位も出力する。電流回路82は、電子ボリュームを内蔵し、出力電位を変化させることができる。コントローラ51は、電子ボリュームを制御して、電位VCL、電位VCH、および充電電圧を変化させる。ただし、コントローラ51は、電位VCLとVCHとの差をほぼ一定に保つようにして電位VCL、VCHを変化させる。すなわち、温度が変化して電位VCLを変動させるときには、ほぼ同じ変動量で電位VCHも変動させる。また、充電電圧も同じ変動量で変動させる。温度の変化量が同じ場合、温度変化に伴う電位の変動量は、低温になるほど大きくする。
【0062】
また、信号電極ドライバ71に入力される制御信号は、パルス信号である。このパルス信号のハイレベル、ローレベルは、電源回路82が信号電極ドライバ71に供給する電源電位(例えばVCL)との差が一定になるように保つことが一般的である。そのため、コントローラ51は、電源回路82の出力電位を変化させるのに伴い、制御信号のハイレベルおよびローレベルもレベルシフタ81によってシフトさせる。レベルシフタ81は、コントローラ51が出力する制御信号をシフトし、シフト後の制御信号を信号電極ドライバ71に出力する。コントローラ51は、信号電極ドライバ71に入力される制御信号のハイレベルやローレベルと、電源回路82の出力電位(例えばVCL)との差が一定になるようにシフト量を制御する。
【0063】
走査電極ドライバ61は、選択行の走査電極電位をVRLに設定し、非選択行の走査電極電位をVRHに設定する。電位VRLおよび電位VRHは、温度に依らずに一定である。
【0064】
コントローラ51は、第一の実施の形態と同様に、電源回路82が出力すべき電位を特定するデジタル信号を作成し、電源回路82に出力する。電源回路82が備える電子ボリュームは、デジタル信号に応じて電源回路82の出力電位を変化させる。また、コントローラ51は、第一の実施の形態と同様に、レベルシフタ81が制御信号をシフトすべき量の情報を作成し、シフト量の情報をレベルシフタ81に出力する。
【0065】
電源回路82は、コントローラ51から入力されるデジタル信号に応じた電位を信号電極ドライバ71に出力する。レベルシフタ81は、コントローラ51から入力されるシフト量の情報に従って制御信号をシフトし、信号電極ドライバ71に出力する。
【0066】
図11は、画素を発光させない信号電極の電位VCLおよび定電流回路の電源電位VCHの変化を示す説明図である。図11(a)〜(c)は、それぞれ常温、高温、低温における電位VCL、VCHを示す。図11に示す電位Vは、有機EL素子に定電流を流すことができる信号電極の電位である。電位Vは、V−VRLが端子電圧となるように設定される。コントローラ51は、画素を発光させない信号電極の電位VCLと電位Vとの差がほぼ一定になり、電位VCHと電位Vとの差がほぼ一定になるように、電源回路82の出力電位(VCL、VCH)を制御する。また、電位VCL、VCHの変動に合わせて、充電電圧も変動させる。
【0067】
例えば、温度が高くなると端子電圧が下がる。コントローラ51は、温度上昇に伴うA−D変換回路5からのデジタルデータの変化に応じて電源回路82が備える電子ボリュームを制御し、電源回路82に出力電位VCL、VCH、および充電電圧を低くさせる。逆に温度が低くなると端子電圧が上がる。コントローラ51は、温度低下に伴うA−D変換回路5からのデジタルデータの変化に応じて、電源回路82に出力電位VCL、VCH、および充電電圧を高くさせる。
【0068】
前述のようにコントローラ51は、電位VCH、電位VCL、および充電電圧の変動量が差がほぼ一定になるように制御する。さらに、温度の変化量が同じ場合、温度が低い場合の方が、電位VCH、VCLの変動量が大きくなるように制御する。
【0069】
図12は、レベルシフタ81におけるシフト量の変化を示す説明図である。コントローラ51が出力する制御信号のレベルは、温度に依らずに一定である。一方、温度変化に伴い、A−D変換回路5からのデジタルデータが変化すると、レベルシフタ81に出力するシフト量情報を変化させる。第一の実施の形態とは逆に、温度が高くなるほど制御信号のハイレベルおよびローレベルを下げるようにシフト量を設定する。コントローラ51は、シフト後の制御信号のレベルと、電源回路82の出力電位(例えばVCL)との差が一定になるようにシフト量を定める。レベルシフタ81は、コントローラ51から入力されるシフト量に応じて制御信号のレベルをシフトする。この結果、信号電極ドライバ71には、電源回路82の出力電位に対応したレベルで制御信号が入力される。なお、コントローラ51は、走査電極ドライバ61に対しては、レベルシフタを介さずに制御信号を出力する。従って、走査電極ドライバ61に入力される制御信号のレベルは温度に依らずに一定である。
【0070】
本例において、電位供給手段は、電源回路82によって実現される。温度情報出力手段は、温度センサ4によって実現される。制御手段は、A−D変換回路5およびコントローラ51によって実現される。レベルシフト手段は、レベルシフタ81によって実現される。
【0071】
本発明によれば、電源回路82が出力する電位VCL、VCHを温度変化に応じて制御するので、電位Vと電位VCHとの差が一定になるように電位VCHを変動させることができる。従って、低温環境であっても、電位Vが定電流回路の電源電位VCHに近づくことはなく、画素の発光輝度の低下を防止できる。また、高温環境下でも、電位Vと電位VCHとの差が大きくならないので、電力消費を抑えることができる。その結果、発熱による有機ELディスプレイ装置の寿命短縮化を防止できる。
【0072】
さらに、本発明によれば、電源回路6が出力する電位を温度変化に応じて制御するので、充電電位はほぼVとなり、充電電圧を印加してから定電流回路に切り替えるときに、立ち上がりが遅れたり、急峻な立ち上がりとなることがない。すなわち、温度に依らず良好な印加電圧の波形を維持できる。従って、温度に依らずに良好な表示を得ることができる。また、PWMで発光輝度の階調を設定する場合であっても、理想的な波形となるので、温度が変化しても良好な表示を得ることができる。
【0073】
さらに、電位VCLと電位VCHとの差が変化しないため、信号電極ドライバ71の耐圧を高くする必要がない。従って、駆動装置の生産コストを抑えることができる。
【0074】
なお、電位VCHおよび電位VCLを高くした結果、図11(c)に示すように、電位Vよりも電位VRHが低くなったり、電位VCLよりも電位VRLが低くなる場合がある。図11(c)において、V−VRHが発光開始電圧よりも大きくなると非選択行の画素が発光してしまう。また、VCL−VRLが発光開始電圧よりも大きくなると選択行において発光させるべき画素以外の画素が発光してしまう。しかし、図6に示すように、発光開始電圧は温度の低下とともに上昇するので、V−VRHやVCL−VRLが発光開始電圧よりも大きくなることはない。従って、非選択行の画素が発光したり、選択行において発光させるべき画素以外の画素が発光することはない。
【0075】
上記の例では、レベルシフタ81を信号電極ドライバ71や走査電極ドライバ61とは別個に配置する場合を示した。走査電極ドライバ61がレベルシフタ81を備える構成であってもよい。この場合の構成例を図13に示す。また、図14は、本例における制御信号のシフト状況を示す説明図である。本例の場合、コントローラ51は、走査電極ドライバ61に対する制御信号と、信号電極ドライバ71に対する制御信号の双方を信号電極ドライバ61に出力する。また、シフト量の情報も走査電極ドライバ61に出力する。走査電極ドライバ61は、走査電極ドライバ61に対する制御信号はシフトしない。一方、信号電極ドライバ71に対する制御信号およびシフト量の情報については、内蔵するレベルシフタ81に入力する。レベルシフタ81は、制御信号をシフトして、信号電極ドライバ71に出力する。他の動作は、図10に示す駆動装置と同様である。
【0076】
また、信号電極ドライバ71がレベルシフタ81を備える構成であってもよい。この場合の構成例を図15に示す。本例の場合、コントローラ51は、信号電極ドライバ71に対する制御信号およびシフト量の情報を、信号電極ドライバ71が備えるレベルシフタ81に入力する。レベルシフタ81は、制御信号をシフトして信号電極ドライバ71に出力する。他の動作は、図10に示す駆動装置と同様である。このように信号電極ドライバ71がレベルシフタ81を備えることにより、信号電極ドライバ71の内部で処理される制御信号とはハイレベルおよびローレベルが異なる制御信号を入力することができる。
【0077】
また、図10,13,15では、信号電極ドライバ71の外部に電源回路82を設ける場合を示したが、信号電極ドライバ71や走査電極ドライバ61が電源回路82を備える構成としてもよい。
【0078】
上記の各実施の形態において、コントローラ1,51は、例えば、入力されるデジタルデータに応じて所定の信号や情報を出力する電子回路(ハードウェア)として実現する。あるいは、コントローラ1,51をMPU(Micro Processing Unit)によって実現し、MPUがデジタルデータを用いて演算処理を行って信号や情報を出力してもよい。高速処理を実現し、駆動装置の小型化を図る観点からは、コントローラ1,51として電子回路を用いることが好ましい。
【0079】
また、上記の各実施の形態では、A−D変換回路5が、温度センサ4の出力電圧に応じたデジタルデータを出力する場合を示した。温度に伴って変化する抵抗や電流値を計測し、その計測結果に基づいてコントローラが電源回路やシフト量を制御してもよい。
【0080】
上記の各実施の形態では、コントローラ1,51が電源回路6,82を制御する場合を示した。温度センサ4が温度に応じた電圧を電源回路6,82に直接出力し、電源回路6,82が温度センサ4の出力電圧に応じた電圧を出力する構成であってもよい。
【0081】
また、上記の各実施の形態において、有機ELディスプレイ装置を駆動するときにプリチャージ駆動以外の駆動法を採用してもよい。例えば、リセット駆動によって有機ELディスプレイを駆動してもよい。リセット駆動を採用する場合には、充電電圧を有機EL素子に印加するのではなく、選択行を切り替える際に全ての走査電極を一旦同じ電位からなるリセット電圧に接続してから次の走査電極を選択する。第一の実施の形態においてリセット駆動を採用する場合には、選択期間における電源回路6の出力電位(VRL、VRH)を第一の実施の形態と同様に制御すればよい。また、第二の実施の形態においてリセット駆動を採用する場合には、選択期間における電源回路82の出力電位(VCL、VCH)を第二の実施の形態と同様に制御すればよい。
【0082】
第一の実施の形態にプリチャージ駆動を適用する場合、電位VRLだけを変動させてもよい旨を説明した。第一の実施の形態にリセット駆動を適用する場合には、電位VRHと電位VRLとの差がほぼ一定になるように、電位VRLの変動量にあわせて電位VRHも変動させる。リセット駆動においては、リセット時(一つの走査電極の選択期間が終了してから、次の走査電極の選択期間を開始するまでの間)に、各走査電極に電位VRLを印加し、各信号電極に電位VCLを印加する。このリセット時に走査電極に印加する電位VRLから非選択行の電位VRHへの電位変化と、リセット時に各信号電極に印加する電位VCLから定電流を流すための電位Vへの電位変化が等しくなるようにする。すなわち、VRH−VRL=V−VCLが成立するようにする。従って、リセット駆動ではV=(VRH−VRL)+VCLが成立する。第一の実施の形態では電位VCLは変化させない。従って、電位Vを一定に保つために電位VRLを変動させるときには、電位VRLの変動量にあわせて電位VRHも変動させる。
【0083】
【実施例】
[例1]画素のピッチが行方向、列方向ともに350μmであり、64行の走査電極と256列の信号電極とを有する有機ELディスプレイ装置を以下のように作成した。目標の発光輝度は、200cd/mとした。
【0084】
まず、膜厚200nmのITOをエッチングして線幅320μmの信号電極をガラス基板上に形成した。この信号電極は有機EL素子の陽極として機能する。形成した信号電極の上に絶縁膜としてポリイミドを塗布し、各画素の一辺300μmの正方形の領域ではポリイミドを除去した。この上に有機EL素子の有機薄膜を真空蒸着法により積層した。まず、第1正孔輸送層として膜厚20nmの銅フタロシアニンと、第二正孔輸送層として膜厚40nmのα−NPDを形成した。次に発光層のホスト化合物としてAlq、ゲスト化合物の蛍光性色素としてクマリン6を同時に蒸着し、膜厚60nmとなるように形成した。さらに陰極界面層としてLifを0.5nm蒸着した。最後に、走査電極として膜厚100nmのアルミニウムで64本の走査配線を形成し、走査電極ドライバへ接続した。
【0085】
このようにしてガラス基板上に形成した有機EL素子に他のガラス基板を一枚対向配置して封止し、有機薄膜への水分の侵入を防いだ。この有機ELディスプレイ装置に、図1に例示する駆動装置を接続した。封止部の外部に引き出した信号電極および走査電極には、それぞれ信号電極ドライバ、走査電極ドライバを接続した。信号電極ドライバには、128個の出力端子を有する定電流駆動ドライバLSIを2個使用した。また、走査電極ドライバには、32個の出力端子を有する定電圧駆動ドライバLSIを2個使用した。定電流駆動ドライバLSIおよび定電圧駆動ドライバLSIには、20V耐圧のLSIを使用した。また、有機ELディスプレイ装置に画像を表示するときには、一本ずつ走査電極を走査するようにした。
【0086】
信号電極の定電流回路の電源電位VCHは18V、選択行において発光させるべき画素がない信号電極の電位VCLを0Vとして固定した。電源回路が走査電極ドライバに出力する電位は温度によって変化させる。本例における温度と電源回路の出力電位との関係を表1に示す。
【0087】
【表1】
Figure 0004048255
【0088】
電位は10℃毎に変化させるようにした。電位の変化量は、低温域になるほど大きくなるように設定した。表1に示す例では、20℃以下では、温度が10℃変化する毎に電位を0.8V〜1.0V変えるようにしている。また、20℃を越える領域では、温度が10℃変化する毎に電位を0.6V〜0.7V変えるようにしている。このように電源回路の出力電位を変化させ、定電流を流すときの信号電極の電位Vが15Vで一定になるようにした。
【0089】
この有機ELディスプレイ装置および駆動装置の周囲の温度を−40℃から80℃まで変化させて、表示状態を観察した。温度を変化させても、表示状態は均一に保たれ、見やすい表示を維持することができた。PWMで駆動した場合も同様に、表示の均一性が保たれた。また、高温環境においても信号電極ドライバが大きく発熱することはなく、周囲の温度を85℃とした場合であっても、有機ELディスプレイ装置の温度は86℃であり、温度差はほとんどなかった。
【0090】
また、図7,9に示すようにレベルシフタを信号電極ドライバや走査電極ドライバに内蔵させた場合であっても、温度変化によらず良好な表示を維持することができた。
【0091】
[比較例]温度センサ、A−D変換回路、およびレベルシフタを設けずに駆動装置を作成した。また、電源回路6の出力電位をVRL=0V、VRH=18Vとし、温度に依らず一定とした。信号電極の定電流回路の電源電位VCHは28Vとし、VCLは0Vとして固定した。また、定電流駆動ドライバLSIおよび定電圧駆動ドライバLSIには、30V耐圧のLSIを使用した。他の点は例1と同様にして駆動装置を作成した。
【0092】
この駆動装置で有機ELディスプレイ装置を駆動したところ、温度が低くなったときに横クロストークが確認された。また、PWMによる階調表示では、低温において、低階調側の画素の表示が暗くなり表示の均一性が保たれなかった。また、高温になると低階調側の画素の輝度が基準よりも上がってしまった。さらに、周囲の温度を85℃にしたところ、信号電極ドライバが発熱し、その結果有機ELディスプレイ装置の温度が95℃にまで達してしまった。
【0093】
[例2]例1と同様の有機ELディスプレイ装置に、図10に例示する駆動装置を接続した。選択行の電位VRLは0Vとし、非選択行の電位VRHは15Vとした。また、温度と電源回路の出力電位とが表2に示すような関係になるようにした。このように電源回路の出力電位を変化させ、定電流を流すときの信号電極の電位VがVCL+15Vになるようにした。
【0094】
【表2】
Figure 0004048255
【0095】
電位は10℃毎に変化させるようにした。電位の変化量は、低温域になるほど大きくなるように設定した。表2に示す例では、20℃以下では、温度が10℃変化する毎に電位を0.8V〜1.0V変えるようにしている。また、20℃を越える領域では、温度が10℃変化する毎に電位を0.6V〜0.7V変えるようにしている。
【0096】
この有機ELディスプレイ装置および駆動装置の周囲の温度を−40℃から80℃まで変化させて、表示状態を観察した。温度を変化させても、表示状態は均一に保たれ、見やすい表示を維持することができた。PWMで駆動した場合も同様に表示の均一性が保たれた。また、高温環境においても信号電極ドライバが大きく発熱することはなく、周囲の温度を85℃とした場合であっても、有機ELディスプレイ装置の温度は86℃であり、温度差はほとんどなかった。
【0097】
また、図13,15に示すようにレベルシフタ7を信号電極ドライバや走査電極ドライバに内蔵させた場合であっても、温度変化によらず良好な表示を維持することができた。
【0098】
【発明の効果】
本発明によれば、温度が変化したとしても有機ELディスプレイ装置で良好な表示を得ることができる。また、周囲の温度が変化する場合であっても、有機EL素子の寿命が短くなるのを防止することができる。また、有機ELディスプレイ装置の駆動装置の生産コストを低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態の例を示すブロック図。
【図2】 温度センサの構成例を示すブロック図。
【図3】 走査電極ドライバの出力電位の変化を示す説明図。
【図4】 レベルシフタにおけるシフト量の変化を示す説明図。
【図5】 本発明を適用したときの印加電圧の波形の例を示す説明図。
【図6】 温度と発光開始電圧との関係を示す説明図である。
【図7】 第一の実施の形態における他の構成例を示す説明図。
【図8】 制御信号のシフトを示す説明図。
【図9】 第一の実施の形態における他の構成例を示す説明図。
【図10】 本発明の第二の実施の形態の例を示すブロック図。
【図11】 信号電極ドライバの出力電位の変化を示す説明図。
【図12】 レベルシフタにおけるシフト量の変化を示す説明図。
【図13】 第二の実施の形態における他の構成例を示す説明図。
【図14】 制御信号のシフトを示す説明図。
【図15】 第二の実施の形態における他の構成例を示す説明図。
【図16】 有機EL素子の等価回路を示す説明図。
【図17】 従来の有機ELディスプレイ装置の駆動装置の例を示す説明図。
【図18】 PWMにおける電流パルスの例を示す説明図。
【図19】 従来の駆動法における電圧波形の例を示す説明図。
【図20】 横クロストークの例を示す説明図。
【図21】 従来の駆動法での信号電極の電位の変化を示す説明図。
【図22】 従来の駆動法における電圧波形の変化を示す説明図。
【符号の説明】
1 コントローラ
4 温度センサ
5 A−D変換回路
6 電源回路
7 レベルシフタ
10 走査電極
11 走査電極ドライバ
20 信号電極
21 信号電極ドライバ

Claims (7)

  1. 複数の走査電極と複数の信号電極との間に有機薄膜が配置された有機ELディスプレイ装置の駆動装置であって、走査電極を選択し、選択した走査電極を選択時の電位に設定し、選択していない走査電極を非選択時の電位に設定する走査電極ドライバと、発光させるべき画素が存在する信号電極に定電流を流すとともに前記信号電極に所定の充電電圧を印加する信号電極ドライバとを備えてなる有機ELディスプレイ装置の駆動装置において、
    前記走査電極ドライバに選択時の電位および非選択時の電位を供給する電位供給手段と、
    有機ELディスプレイ装置の周囲の温度に応じた信号を出力する温度情報出力手段とを備え、
    前記温度情報出力手段が出力した信号に基づいて、前記電位供給手段が供給する選択時の電位および非選択時の電位のうち、少なくとも選択時の電位を変動させるように構成され
    走査電極ドライバを制御するパルス信号を、パルス信号のハイレベルと選択時の電位との差およびパルス信号のローレベルと選択時の電位との差がそれぞれ一定になるように、温度情報出力手段が出力した信号に応じて電圧方向にシフトし、シフト後のパルス信号を走査電極ドライバに出力するレベルシフト手段を備えた
    ことを特徴とする有機ELディスプレイ装置の駆動装置。
  2. 複数の走査電極と複数の信号電極との間に有機薄膜が配置された有機ELディスプレイ装置の駆動装置であって、走査電極を選択し、選択した走査電極を選択時の電位に設定し、選択していない走査電極を非選択時の電位に設定する走査電極ドライバと、発光させるべき画素が存在する信号電極に定電流を流す信号電極ドライバとを備えてなる有機ELディスプレイ装置の駆動装置において、
    前記走査電極ドライバに選択時の電位および非選択時の電位を供給する電位供給手段と、
    有機ELディスプレイ装置の周囲の温度に応じた信号を出力する温度情報出力手段とを備え、
    前記温度情報出力手段が出力した信号に基づいて、前記電位供給手段が供給する選択時の電位および非選択時の電位を、それぞれほぼ等しい変動量で変動させるように構成され
    走査電極ドライバを制御するパルス信号を、パルス信号のハイレベルと選択時の電位との差およびパルス信号のローレベルと選択時の電位との差がそれぞれ一定になるように、温度情報出力手段が出力した信号に応じて電圧方向にシフトし、シフト後のパルス信号を走査電極ドライバに出力するレベルシフト手段を備えた
    ことを特徴とする有機ELディスプレイ装置の駆動装置。
  3. 信号電極ドライバは、発光させるべき画素が存在する信号電極の電位と走査電極の選択時の電位との差が画素に定電流を流す電圧になるように信号電極の電位を設定し、
    発光させるべき画素が存在する信号電極の電位が温度に依らずにほぼ一定になるように、選択時の電位を、一定とする前記信号電極の電位よりも定電流を流すときにおける有機薄膜の陰極および陽極間の電圧である端子電圧だけ低い電位に変動させる
    請求項1または請求項2に記載の有機ELディスプレイ装置の駆動装置。
  4. 複数の走査電極と複数の信号電極との間に有機薄膜が配置された有機ELディスプレイ装置の駆動装置であって、走査電極を選択し、選択した走査電極を選択時の電位に設定し、選択していない走査電極を非選択時の電位に設定する走査電極ドライバと、前記複数の信号電極と一対一に対応する複数の定電流回路を有し、発光させるべき画素が存在する信号電極に定電流回路から定電流を流し、発光させるべき画素が存在しない信号電極を非点灯時の電位に設定する信号電極ドライバとを備えてなる有機ELディスプレイ装置の駆動装置において、
    前記信号電極ドライバに非点灯時の電位および定電流回路の電源電位を供給する電位供給手段と、
    有機ELディスプレイ装置の周囲の温度に応じた信号を出力する温度情報出力手段とを備え、
    前記温度情報出力手段が出力した信号に基づいて、前記電位供給手段が供給する非点灯時の電位および定電流回路の電源電位を、それぞれほぼ等しい変動量で変動させるように構成され
    信号電極ドライバを制御するパルス信号を、パルス信号のハイレベルと非点灯時の電位との差およびパルス信号のローレベルと非点灯時の電位との差がそれぞれ一定になるように、温度情報出力手段が出力した信号に応じて電圧方向にシフトし、シフト後のパルス信号を信号電極ドライバに出力するレベルシフト手段を備えた
    ことを特徴とする有機ELディスプレイ装置の駆動装置。
  5. 信号電極ドライバは、発光させるべき画素が存在する信号電極の電位と走査電極の選択時の電位との差が画素に定電流を流す電圧になるように信号電極の電位を設定し、
    発光させるべき画素が存在する信号電極の電位と非点灯時の電位との差がほぼ一定になり、発光させるべき画素が存在する信号電極の電位と定電流回路の電源電位との差がほぼ一定になるように、非点灯時の電位および定電流回路の電源電位を変動させるように構成された
    請求項に記載の有機ELディスプレイ装置の駆動装置。
  6. 複数の走査電極と複数の信号電極との間に有機薄膜が配置された有機ELディスプレイ装置の駆動方法であって、走査電極を選択し、選択した走査電極を選択時の電位に設定し、選択していない走査電極を非選択時の電位に設定する走査電極ドライバと、発光させるべき画素が存在する信号電極に定電流を流す信号電極ドライバとを備える有機ELディスプレイ装置の駆動装置に適用される有機ELディスプレイ装置の駆動方法において、
    定電流が流れる信号電極の電位がほぼ一定になるように、前記選択時の電位を、一定とする前記信号電極の電位よりも定電流を流すときにおける有機薄膜の陰極および陽極間の電圧である端子電圧だけ低い電位に温度に応じて変動させ、
    走査電極ドライバを制御するパルス信号を、パルス信号のハイレベルと選択時の電位との差およびパルス信号のローレベルと選択時の電位との差がそれぞれ一定になるように、温度に応じてシフトする
    ことを特徴とする有機ELディスプレイ装置の駆動方法。
  7. 複数の走査電極と複数の信号電極との間に有機薄膜が配置された有機ELディスプレイ装置の駆動方法であって、走査電極を選択し、選択した走査電極を選択時の電位に設定し、選択していない走査電極を非選択時の電位に設定する走査電極ドライバと、前記複数の信号電極と一対一に対応する複数の定電流回路から発光させるべき画素が存在する信号電極に定電流を流し、発光させるべき画素が存在しない信号電極を非点灯時の電位に設定する信号電極ドライバとを備える有機ELディスプレイ装置の駆動装置に適用される有機ELディスプレイ装置の駆動方法において、
    前記定電流を流すときの信号電極の電位と前記定電流回路の電源電位との差がほぼ一定になり、かつ、前記定電流を流すときの信号電極の電位と前記非点灯時の電位との差がほぼ一定になるように、温度に応じて前記定電流回路の電源電位および前記非点灯時の電位を変動させ
    信号電極ドライバを制御するパルス信号を、パルス信号のハイレベルと前記非点灯時の 電位との差およびパルス信号のローレベルと前記非点灯時の電位との差がそれぞれ一定になるように、温度に応じてシフトする
    ことを特徴とする有機ELディスプレイ装置の駆動方法。
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