JP4048245B2 - 窒素ガスの製造方法および製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、窒素ガスの製造方法および製造装置に関する技術であって、更に詳細に述べると、圧縮空気から酸素ガスを除去することで作り出した窒素ガスから、更に酸素ガスを除去してより濃度の高い窒素ガスを容易に安価に作り出す技術に関するものについて述べたものである。
従来、窒素ガスの製造方法および製造装置に関する技術としては、PSA方式と膜分離方式と深冷分離方式の三種類が一般的であった。
その中で、PSA方式は、Pressure Swing Adsorption の略称を意味していて、圧縮空気を活性炭の一種である吸着材に通すことで、高圧力下で特定のガスを吸着し、低圧力下で特定のガスを吐き出す、という吸着材の特性を利用して、圧縮空気から酸素ガス等を吸着することで窒素ガスを分離する方式である。 この場合、ヒートレス・ドライヤと同様の原理をもち、装置は二筒式で膜分離式よりも大型となり、電磁弁などのメンテナンス負荷もかかる。 尚、この方式による窒素ガス濃度は通常99〜99.9999%程度であった。
一方、膜分離方式は、圧縮空気を中空糸状の高分子膜である中空糸膜内に送り込み、圧縮空気に含まれている各ガス成分が膜に対して透過し易いかどうかの差を利用して、窒素ガスを分離する方式である。 この場合、PSA方式よりも小型でメンテナンス負荷も小さい反面、窒素ガス濃度は95〜99.9%程度であるため、高濃度のニーズにはあまり適しなかった。
また、深冷分離方式は、大量と高濃度のニーズ向けのものであって、空気を冷却して分離生成していた。 例えば、空気を−190℃前後にした場合には、窒素の沸点は−198.5℃であり酸素の沸点は−183.0℃であるので、酸素は液化し分離することが出来る。 この場合、99.999%以上の高濃度の窒素ガスが得られるが、大規模な設備が必要であった。 一方、供給は、タンクローリーによる搬送のほか、大口ユーザーの工場敷地内や隣接地にプラントを設置してパイピングする方式も採られていた。
しかしながら、このような従来の、窒素ガスの製造方法および製造装置に関しては、以下に示すような課題があった。
先ず、PSA方式の場合、装置が大型となり、電磁弁等の装置のメンテナンスに難点があった。 また、流量が多くなると、濃度に難点が有った。
次に、膜分離方式の場合、窒素ガスの濃度は95〜99.9%程度となるため、高濃度のニーズには適しなかった。
最後に、深冷分離方式の場合、99.999%以上の高濃度の窒素ガスが得られるが、大規模な設備が必要であった。
本発明は、圧縮空気から酸素ガスを除去することで作り出した窒素ガスを、加熱した鉄粉末または加熱したマグネシュウム粉末に接触させることで残った酸素ガスを反応させて除去することを特徴とし、更には、圧縮空気から酸素ガスを除去することで作り出した窒素ガスを加熱した後に、マグネシュウム粉末に接触させることで残った酸素ガスを反応させて除去することを特徴とし、更には、前記マグネシュウム粉末は、平均粒度10〜1000μmの大きさであり、加熱温度50〜600℃であることを特徴とすることによって、上記課題を解決したのである。
また本発明は、圧縮空気が流れる順に、圧縮空気から酸素ガスを除去することで窒素ガスを作り出す中空糸膜60またはPSA方式による窒素ガス発生装置40と、前記窒素ガスを加熱した金属に接触させることで残った酸素ガスを反応させて除去する脱酸素装置500を配設して、更に濃度の高い窒素ガスを作り出すことを特徴とし、更には、前記中空糸膜60または前記PSA方式による窒素ガス発生装置40の上流に、圧縮空気を乾燥させる乾燥装置300を配設し、前記脱酸素装置500は、鉄粉末509またはマグネシュウム粉末を充填したものであることを特徴とし、更には、圧縮空気が流れる順に、圧縮空気から酸素ガスを除去することで窒素ガスを作り出す中空糸膜60またはPSA方式による窒素ガス発生装置40と、前記窒素ガスを加熱した後にマグネシュウム粉末に接触させることで残った酸素ガスを反応させて除去する脱酸素装置550を配設して、更に濃度の高い窒素ガスを作り出すことを特徴とし、更には、前記マグネシュウム粉末は、平均粒度10〜1000μmの大きさであることを特徴とすることによって、上記課題を解決したのである。
以上の説明から明らかなように、本発明によって、以下に示すような効果をあげることが出来る。
第一に、脱酸素装置の発想によって、安価で更に高濃度の窒素ガスを容易に作り出すことが可能となった。
第二に、圧縮空気を中空糸膜と脱酸素装置の二つの装置を通過させることで、安価で更に高濃度の窒素ガスを容易に作り出すことが可能となった。
第三に、圧縮空気をPSA方式による窒素ガス発生装置と脱酸素装置の二つの装置を通過させることで、安価で更に高濃度の窒素ガスを容易に作り出すことが可能となった。
第四に、脱酸素装置に鉄粉末やマグネシュウム粉末を使用し、平均粒度を限定することによって、安価で更に高濃度の窒素ガスを容易に作り出すことが可能となった。
第五に、窒素ガスを加熱した金属に接触させたり、窒素ガスを加熱して金属に接触させたりすることで、加えて加熱温度を限定することで、安価で軽量な更に濃度の高い窒素ガスを容易に作り出すことが可能となった。
第六に、中空糸膜とPSA方式による窒素ガス発生装置の上流に、圧縮空気を乾燥させる乾燥装置を配設することで、安価で軽量な更に濃度の高い窒素ガスを容易に作り出すことが可能となった。
以下、本発明の実施の形態を図面と共に詳細に説明する。
ここで、図1は、本発明全体を示した第一実施例の図であり、図2は、本発明全体を示した第二実施例の図であり、図3は、本発明を構成している脱酸素装置を示した図であり、図4は、本発明を構成している別の脱酸素装置を示した図である。
(第一実施例)
図1に見られるように、10はコンプレッサーであり、具体的には図示してはいないが、電動モーターと圧縮機本体と空気タンクより構成され、電動モーターの回転をベルトに伝達して圧縮機本体に伝え、大気を吸引して圧縮空気を作り出し、具体的には図示していない空気タンクに貯蔵するようになっている。 この場合、空気タンクに関しては、コンプレッサー10に一体に構成しないで、圧縮空気配管202、203、211の途中に配置する構成等も考えられる。
ここで、コンプレッサー10の空気タンクに貯蔵された圧縮空気は、圧縮空気配管202と、圧縮空気に含まれている麈埃やオイルミスト等の異物を除去するフィルター20と、圧縮空気配管203と、圧縮空気より水蒸気を除去して乾燥させる乾燥装置300と、圧縮空気配管211を経由して透過スピードの差によって窒素ガスを残存させる中空糸膜60に送り込むようになっている。
この場合、フィルター20は、図1では塵埃とオイルミスト等の異物を除去することを目的として一組で構成しているが、圧縮空気より塵を除去するプレフィルターと圧縮空気より油を除去するミストフィルターとミクロミストフィルターを目的毎に分けて二組で構成しても構わない。 また、プレフィルターとミクロミストフィルターと活性炭フィルターと三組を配設する構成も考えられる。
尚、一つの例として、プレフィルターは、圧縮空気内に存在する3μm以上の大きい異物を除去する能力としたときに、ミクロミストフィルターは、圧縮空気内に存在する0.01μm以上の小さい異物を除去することが望ましく、場合によっては、ミクロミストフィルターの下流に圧縮空気内の匂いを除去する能力にある活性炭フィルターを配設することも考えられる。 但し、フィルターの能力に関しては、記載された能力に限定される訳ではない。
一方、乾燥装置300に関しては、圧縮空気を乾燥させる機能を持ってさえいれば、冷凍式のものでも、膜式のものでも、シリカゲルや活性アルミナやゼオライト及びこれらの組み合わせたもの等の乾燥剤によるものでも、その他どのような方式によるものでも構わない。 また、乾燥装置300からは、露化させて溜まったドレン水が排出することが出来るようにもなっている。
次に、中空糸膜60は、ポリエステル製で何千ものストロー状の中空糸が束ねられたものにより形成され、中空糸の内部に圧縮空気を通すことで、それぞれのガスが固有に持っている中空糸の膜の透過スピードが違うことから、空気中に最も多くふくまれている窒素ガスを残存させる装置である。
この場合、圧縮空気を構成しているガスが中空糸の膜を透過するスピードとしては、早く放出するガスと放出しにくいガスがあり、残ったガスが窒素ガスということになる。
特に、中空糸がポリエステル製の場合、水蒸気が一番透過しやすく、以下水素ガスやヘリウムガスが続き、更に炭酸ガスと一酸化炭素が続き、最後に酸素ガスとアルゴンガスと窒素ガスが一番透過しにくく、その中でも窒素ガスが一番透過しにくいガスということで残存する訳である。 そして、早く透過した酸素ガスを中心とする各種のガスは、残存した窒素ガスと区分され排出されるのである。
尚、温度が変化しない場合には、圧縮空気の圧力と時間、即ち流量によって、発生する窒素ガスの濃度は左右される。 従って、中空糸膜60の上流または下流に、場合によっては、圧縮空気配管202、203、211または後で述べる窒素ガス配管212、207の何れかの部分に、流量を調整することが可能な絞り弁を配設することが、窒素ガスの濃度を上げる為に効果的な方法であるとも言える。
また、中空糸の膜としては、ポリエステルの他に、ポリオレフィンやポリプロピレン等の樹脂も考えられる。
ここにおいて、圧縮空気が中空糸膜60を通過することによって残存した窒素ガスは、窒素ガス配管212と脱酸素装置500、550の何れかの装置と窒素ガス配管207を経由して、更に濃度の高い窒素ガスを送り出すことが出来るようになっている。 尚、脱酸素装置500、550に関しては、図3に見られる脱酸素装置500と、図4に見られる脱酸素装置550の何れの方式を使用しても構わないし、その他の方式を使用することも考えられる。
所で、脱酸素装置500は、容器501の中に鉄粉末509を充填し、その鉄粉末509を加熱する加熱手段520を配設したもので、窒素ガスを加熱した鉄粉末509に接触させることで、窒素ガスに含まれている酸素ガスを酸化によって除去することを目的としているのである。
この場合、鉄粉末509は、平均粒度10〜250μmの大きさのものであることが望ましい。更には、平均粒度30〜150μmの大きさのものであることがより望ましい。ここで、粒子が小さければ小さいほど、酸化の反応には効果が有るが、小さい粒子を製造するには困難が伴う。 一方、粒子が大きければ大きいほど、酸化の反応には効果が減少するが、製造には容易である。
更に、鉄粉末509の表面に活性炭を、重量比15%の割合で被覆すると、酸化の反応に際して効果的である。 即ち、鉄粉末509の表面に活性炭を、重量比5〜25%の割合で被覆することは非常に効果的である。
この様な状況の下で、入口501aと出口502aに窒素ガスが出入りし易いように空間部を確保する目的で、鉄粉末509を二枚のパンチングプレート503で挟み、パンチングプレート503をパイプ支持材504で支えているのである。
以上の様にして、蓋502を容器501の上に載置してボルト505で固定することによって、脱酸素装置500は、容器501と蓋502と鉄粉末509とパンチングプレート503と支持材504とボルト505と加熱手段520から構成され、容器501に形成された人口501aには窒素ガス配管206、212の何れかが接続し、蓋502に形成された出口502aには窒素ガス配管207が接続するようになっている。 但し、入口と出口が蓋502と容器501に形成されるように入れ替えてみても構わない。
更に、脱酸素装置500では、容器501の周囲を加熱手段520で加熱することにより、容器501に充填された鉄粉末509を加熱することが可能になっている。 この場合、加熱手段520としては、容器501の内部を加熱しても良いし、内外両方を加熱しても良い。 また、加熱の方法としては、ガスや蒸気や電気によって、単独でまたは複合して使用することが考えられる。
そして、その際の加熱温度としては、50〜1500℃であることが望ましい。 更には、加熱温度としては、80〜500℃であることがより望ましい。 この場合、加熱温度が高ければ高いほど酸化の反応は促進されるが、一方加熱温度が高いと容器501等は強度の面や安全の面から高温に対しての配慮を払わねばならないという問題点が生じるのである。
尚、鉄粉末509に関しては、マグネシュウム粉末を替わりに使用しても構わない。 その場合、平均粒度10〜1000μmの大きさであることが望ましい。 更には、平均粒度30〜500μmの大きさのものであることがより望ましい。 この場合、鉄粉末509と同様に、粒子が小さければ小さいほど、酸化の反応には効果が有るが、小さい粒子を製造するには困難が伴う。 一方、粒子が大きければ大きいほど、酸化の反応には効果が減少するが、製造には容易である。
また、加熱温度としては、50〜600℃であることが望ましい。 更には、加熱温度としては、80〜500℃であることがより望ましい。 この場合、加熱温度が高ければ高いほど酸化の反応は促進されるが、一方加熱温度が高いと容器501等は強度の面や安全の面から高温に対しての配慮を払わねばならないという問題点が生じるのである。 加えて、マグネシュウム粉末の場合には、鉄粉末に較べて水と反応し易い為に、安全の面で配慮を払う必要はある。
一方、脱酸素装置550は、容器501の中に鉄粉末509を充填した脱酸素槽530と、窒素ガスを加熱する加熱手段562を配設した加熱槽560を、窒素ガス配管565で接続したもので、過熱した窒素ガスを鉄粉末509に接触させることで、窒素ガスに含まれている酸素ガスを酸化によって除去することを目的としている。
この場合、鉄粉末509の平均粒度に関しては、活性炭の被覆も含め、脱酸素装置500に記載した考え方と同一であるので省略する。 また、パンチングプレート503と支持材504で空間部を形成することに関しても、脱酸素装置500に記載した考え方と全く同一であるので省略する。
以上の様にして、蓋502を容器501の上に載置してボルト505で固定することで、脱酸素槽530は、容器501と蓋502と鉄粉末509とパンチングプレート503と支持材504とボルト505から構成され、容器501に形成された入口501aには窒素ガス配管565が接続し、蓋502に形成された出口502aには窒素ガス配管207が接続するようになっている。
また、加熱槽560は、容器561と容器を加熱する加熱手段562から構成され、容器561に形成された入口561aには窒素ガス配管206、212の何れかが接続し、容器561に形成された出口561bには窒素ガス配管565が接続するようになっている。
ここで、加熱手段562に関しても、配設している場所は鉄粉末509が充填されている脱酸素槽530でなく加熱槽560というように違っているが、脱酸素装置500に記載した加熱手段520の考え方と加熱する位置や加熱する方法の考え方に関しては同一であるので省略する。 同様に、加熱温度に関しても、脱酸素装置500に記載した鉄粉末509の考え方と同一であるので省略する。
また、鉄粉末509に替えてマグネシュウム粉末を使用することに関しても、平均粒度及び加熱温度について、脱酸素装置500に記載した通りの、同じような考え方を取ることが可能であるので省略する。
尚、脱酸素装置500、550の両者共その前後の各々に、窒素ガス配管206、212の何れかと窒素ガス配管207との間、または窒素ガス配管206、212の何れかと窒素ガス配管207の途中に流路を開閉する開閉弁を設けることが考えられる。 また、圧縮空気配管202、203、211の何れの位置に設けても良い。
本発明による、窒素ガスの製造方法および製造装置は前述したように構成されており、以下に、その動作について説明する。
先ず、コンプレッサー10を作動させることで、大気を取り込み圧縮空気を空気タンクに作り出している。 ここで、空気タンクに作り出された圧縮空気は、圧縮空気配管202とフィルター20と圧縮空気配管203と乾燥装置300と圧縮空気配管211を経由して中空糸膜60に送り込まれるようになっている。 従って、フィルター20や乾燥装置300の働きによって中空糸膜60を劣化させる塵埃やオイルミスト等の異物や水分が除去されている。
一方、中空糸膜60では、圧縮空気に含まれている酸素ガスを中心に、水蒸気や水素ガスやヘリウムガスや炭酸ガスや一酸化炭素やアルゴンガス等を取り除いて、窒素ガスを残留させ送り出している。 即ち、酸素リッチガスということで酸素ガスを中心とするガスを排出し、残存した窒素ガスを窒素ガス配管212に送り出しているが、この窒素ガスの濃度は、95〜99.9%位であり、僅かではあるが酸素ガスを中心とする別のガスを含んでいる。
この場合、中空糸膜60より送り込まれた窒素ガスは、窒素ガス配管212より脱酸素装置500、550の何れかに送り込まれる。 ここで、送り込まれた窒素ガスは少量の酸素ガスを含んでいるが、脱酸素装置500、550に充填している鉄粉末509と反応し酸化鉄とすることで酸素ガスを取り除いているのである。
即ち、
Figure 0004048245

に示すように反応させることで、窒素ガスの濃度を低下させている酸素ガスを出来るだけ除去し、窒素ガスの濃度を高めているのである。 ここでは、鉄粉末509を加熱することで、または加熱した窒素ガスを鉄粉末509に接触させることで反応を促進させているのである。
尚、鉄粉末509に関しては、図3に示した本発明を構成している脱酸素装置を示した図の鉄粉末209でも、図4に示した本発明を構成している別の脱酸素装置を示した図の鉄粉末209でも、同じ反応を示すものであり、例えば酸素ガスを不純物の中心とする99.5%の1MPa程度の圧力を持った窒素ガスを送り込むことで、共に99.999%まで高めることが出来るのである。
ここで、図3、図4に示した鉄粉末209に関しては、粒子が細かいとそれだけ反応し酸素を除去し易いが、その反面鉄粉末209を細かい粒子に加工するにはかなりの困難が伴なう面はある。
さて、図3の脱酸素装置500と、図4の脱酸素装置550での動作での違いを述べると、図3の脱酸素装置500では、鉄粉末509が充填されている脱酸素装置500を構成している容器501を窒素ガスが流れる中で鉄粉末509と共に加熱するのに対し、図4の脱酸素装置550では、脱酸素装置550を構成している加熱槽560で加熱した窒素ガスを鉄粉末が充填されている脱酸素槽530に送り込んでいることに違いが見られるのである。
尚、これまでの説明では脱酸素装置500、550に充填する物質としては鉄粉末ということで一貫して述べてきたのであるが、鉄粉末に限定される訳ではなく、マグネシュウム粉末の場合には、
Figure 0004048245

に示すように反応させることで、窒素ガスの濃度を低下させている酸素ガスを出来るだけ除去し、窒素ガスの濃度を高めているのである。 また、マグネシュウム以外でも、金属であるならば、他の物でも構わない。 ここでは、マグメシュウム粉末を加熱することで、または加熱した窒素ガスをマグネシュウム粉末に接触させることで反応を促進させているのである。
(第二実施例)
図2に見られるように、第二実施例が図1の第一実施例と異なる点は、第一実施例が、圧縮空気配管211と中空糸膜60と窒素ガス配管212の構成であるのに比較してみた場合、第二実施例が、圧縮空気配管204とPSA方式による窒素ガス発生装置40と窒素ガス配管205と窒素ガスタンク50と窒素ガス配管206の構成になっていることなのである。
この場合、窒素ガスタンク50を配設することに関しては、脈動を防止する目的で配設したものであり、脱酸素装置500、550の下流に位置していても構わない。 また、第一実施例では、中空糸膜60の直ぐ下流に配設しても、脱酸素装置500、550の下流に配設しても構わない。
一方、PSA方式による窒素ガス発生装置40に関しては、窒素ガスを作り出す装置であり、窒素ガス濃度が通常99〜99.9999%程度ということを除いては、中空糸膜60と概ね同等の働きをするものと考えて良い。
所で、PSA方式による窒素ガス発生装置40は、第一吸着槽41と第二吸着槽42から構成されていて、加えて電磁弁43、44、45、46、47、48、49と、第一絞り弁281と第二絞り弁282と、装置内の配管241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260と、排気管270より構成されているのである。
更に詳細に述べると、圧縮空気配管204に接続して、装置内配管241、246が分岐しているのである。 また、装置内配管254、259が一体になって窒素ガス配管205に接続しているのである。
その間で、装置内配管241は電磁弁43と装置内配管242と装置内配管243と第一吸着槽41と装置内配管251と第一絞り弁281と装置内配管252と装置内配管253と電磁弁48と装置内配管254に、記載の順に接続しているのである。
また、装置内配管246は、電磁弁44と装置内配管247と装置内配管248と第二吸着槽42と装置内配管256と第二絞り弁282と装置内配管257と装置内配管258と電磁弁49と装置内配管259に、記載の順に接続しているのである。
更に、装置内配管242と装置内配管243の接続部に装置内配管244を接続し、装置内配管247と装置内配管248の接続部に装置内配管249を接続し、装置内配管244は、電磁弁45と装置内配管245と装置内配管250と電磁弁46と装置内配管249に、記載の順に接続し、装置内配管245と装置内配管250の接続部に排気管270を接続しているのである。
一方、装置内配管252と装置内配管253の接続部に装置内配管255を接続し、装置内配管257と装置内配管258の接続部に装置内配管260を接続し、装置内配管255は、電磁弁47と装置内配管260に、記載の順に接続しているのである。
尚、第一吸着槽41と第二吸着槽42には、酸素吸着容量及び酸素と窒素の吸着速度差が大きく、加圧下において短時間のうちに酸素を優先的に吸収することで空気より窒素ガスを分離出来、常圧に戻すことにより吸着した酸素を容易に脱着することが出来る活性炭の一種を収納しているのである。
本発明による、窒素ガスの製造方法および製造装置は前述したように構成されており、以下に、その動作について説明する。
この場合、コンプレッサー10から乾燥装置300迄の作動に関しては、第一実施例と同じになるので省略する。
一方、PSA方式による窒素ガス発生装置40では、酸素吸着容量及び酸素と窒素の吸着速度が大きい活性炭の一種である吸着材を収納した第一吸着槽41と第二吸着槽42を構成することで、高圧下では酸素ガスを吸着し低圧力下では酸素ガスを吐き出すという吸着材の特性を利用して圧縮空気から窒素ガスを分離抽出している。
従って、吸着材を収納した第一吸着槽41と第二吸着槽42において、電磁弁43、44、45、46、47、48、49の働きによって加圧作用(高圧化)と減圧作用(低圧化)を交互に繰り返し運転することで、圧縮空気から窒素ガスだけを高濃度に分離抽出して供給することが出来るのである。
この場合、第一吸着槽41は圧縮空気を供給することによって加圧し、第二吸着槽42は常圧下まで減圧することで、第一吸着槽41の吸着材では、吸着初期に多量の酸素ガスを吸着する特性と高圧力下で吸着量が大きい特性によって、高濃度の窒素ガスを窒素ガス配管205に送り出し、第二吸着槽42の吸着材では、吸着されている酸素ガスを分離離脱させることによって、酸素ガスを中心とする気体を排出管270から排出するようになっている。
この様にして、第一吸着槽41と第二吸着槽42を交互に加圧と減圧の運転を繰り返すことによって、連続的に大量の窒素ガスを供給することが出来るようになっているのである。 尚、交互に加圧と減圧の運転をするには、装置内配管241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260の途中に配設された電磁弁43、44、45、46、47、48、49を開閉することによって成されるが、周知の技術であるのでここに詳細については省略する。
また、第一吸着槽41と第二吸着槽42の直ぐ下流には第一絞り弁281と第二絞り弁282を配設しているが、その目的とする所は、第一吸着槽41と第二吸着槽42を流れる圧縮空気の流量を変化調整することによって、季節的な要因や配管抵抗や第一吸着槽41と第二吸着槽42の大きさの違い等の装置の微妙な違いによる窒素ガス濃度の違いやばらつきを、窒素ガスの濃度が高くなりばらつきが小さいように調整することで濃度の高い窒素ガスを得るために設けたものである。 但し、第一絞り弁281と第二絞り弁282の位置に関しては、第一吸着槽41と第二吸着槽42の下流に位置している必要は無く、上流に位置させても構わない。
この様にして、99.9%程度の濃度を確保した窒素ガスは、窒素ガス配管205を経由して脈動を防止する意味で窒素ガスタンク50に送り込まれ一担貯蔵されているのである。
次に、窒素ガスタンク50に貯蔵された窒素ガスは、窒素ガス配管206と、脱酸素装置500、550とを経由して窒素ガス配管207より高濃度の窒素ガスを供給することが可能となっているが、脱酸素装置500、550の動作に関しては、第一実施例と同じであるのでここでは省略する。
但し、第一実施例の中空糸膜60で作り出した濃度が99.5%の窒素ガスと違って、PSA方式による窒素ガス発生装置40で作り出した窒素ガスは、濃度が99.9%程度である為に99.999%以上の窒素濃度は確保出来ることになる。
本発明全体を示した第一実施例の図 本発明全体を示した第二実施例の図 本発明を構成している脱酸素装置を示した図 本発明を構成している別の脱酸素装置を示した図
符号の説明
10・・・・・コンプレッサー
20・・・・・フィルター
40・・・・・PSA方式による窒素ガス発生装置
41・・・・・第一吸着槽
42・・・・・第二吸着槽
43・・・・・電磁弁
44・・・・・電磁弁
45・・・・・電磁弁
46・・・・・電磁弁
47・・・・・電磁弁
48・・・・・電磁弁
49・・・・・電磁弁
50・・・・・窒素ガスタンク
60・・・・・中空糸膜
202・・・・圧縮空気配管
203・・・・圧縮空気配管
204・・・・圧縮空気配管
205・・・・窒素ガス配管
206・・・・窒素ガス配管
207・・・・窒素ガス配管
211・・・・圧縮空気配管
212・・・・窒素ガス配管
241・・・・装置内配管
242・・・・装置内配管
243・・・・装置内配管
244・・・・装置内配管
245・・・・装置内配管
246・・・・装置内配管
247・・・・装置内配管
248・・・・装置内配管
249・・・・装置内配管
250・・・・装置内配管
251・・・・装置内配管
252・・・・装置内配管
253・・・・装置内配管
254・・・・装置内配管
255・・・・装置内配管
256・・・・装置内配管
257・・・・装置内配管
258・・・・装置内配管
259・・・・装置内配管
260・・・・装置内配管
270・・・・排気管
281・・・・第一絞り弁
282・・・・第二絞り弁
300・・・・乾燥装置
500・・・・脱酸素装置
501・・・・容器
501a・・・入口
502・・・・蓋
502a・・・出口
503・・・・パンチングプレート
504・・・・支持材
505・・・・ボルト
509・・・・鉄粉末
520・・・・加熱手段
530・・・・脱酸素槽
550・・・・脱酸素装置
560・・・・加熱槽
561・・・・容器
561a・・・入口
561b・・・出口
562・・・・加熱手段
565・・・・窒素ガス配管

Claims (7)

  1. 圧縮空気から酸素ガスを除去することで作り出した窒素ガスを、加熱した鉄粉末または加熱したマグネシュウム粉末に接触させることで残った酸素ガスを反応させて除去することを特徴とする窒素ガスの製造方法。
  2. 圧縮空気から酸素ガスを除去することで作り出した窒素ガスを加熱した後に、マグネシュウム粉末に接触させることで残った酸素ガスを反応させて除去することを特徴とする窒素ガスの製造方法。
  3. 前記マグネシュウム粉末は、平均粒度10〜1000μmの大きさであり、加熱温度50〜600℃であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒素ガスの製造方法。
  4. 圧縮空気が流れる順に、圧縮空気から酸素ガスを除去することで窒素ガスを作り出す中空糸膜(60)またはPSA方式による窒素ガス発生装置(40)と、前記窒素ガスを加熱した金属に接触させることで残った酸素ガスを反応させて除去する脱酸素装置(500)を配設して、更に濃度の高い窒素ガスを作り出すことを特徴とする窒素ガスの製造装置。
  5. 前記中空糸膜(60)または前記PSA方式による窒素ガス発生装置(40)の上流に、圧縮空気を乾燥させる乾燥装置(300)を配設し、前記脱酸素装置(500)は、鉄粉末(509)またはマグネシュウム粉末を充填したものであることを特徴とする請求項4に記載の窒素ガスの製造装置。
  6. 圧縮空気が流れる順に、圧縮空気から酸素ガスを除去することで窒素ガスを作り出す中空糸膜(60)またはPSA方式による窒素ガス発生装置(40)と、前記窒素ガスを加熱した後にマグネシュウム粉末に接触させることで残った酸素ガスを反応させて除去する脱酸素装置(550)を配設して、更に濃度の高い窒素ガスを作り出すことを特徴とする窒素ガスの製造装置。
  7. 前記マグネシュウム粉末は、平均粒度10〜1000μmの大きさであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の窒素ガスの製造方法。
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