JP4047965B2 - 樹脂表面の金属被膜の除去方法、金属被膜を有する樹脂材の再生処理方法、樹脂材、および金属被膜を有する樹脂材の再生処理装置 - Google Patents

樹脂表面の金属被膜の除去方法、金属被膜を有する樹脂材の再生処理方法、樹脂材、および金属被膜を有する樹脂材の再生処理装置 Download PDF

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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
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Description

【0001】
【技術分野】
本願発明は、たとえばコンパクトディスク(以下「CD」と略称する)などの光ディスク、自動車の合成樹脂製のフロントグリルなどの自動車部品、あるいはパソコンやファクシミリ装置などの各種OA機器の合成樹脂製部品などの合成樹脂を有効にリサイクル使用するための技術に関する。
【0002】
【発明の背景】
周知のとおり、CDなどの光ディスクは、音楽用、音響映像用、ゲーム機用、あるいはパソコン用などの各種のデータの記憶媒体として広範に使用されており、その生産量は増加の一途をたどっている。このような光ディスクは、円板状または中空円板状の樹脂材の表面に金属被膜を付着形成した構造を有している。すなわち、図17にCDの一般的な構造を示す。同図に示すように、CD9は、中央部に孔部93を有する樹脂材90の片面に、アルミまたはアルミ合金を蒸着して形成された金属被膜91が設けられており、またその金属被膜91の表面は、透明な硬質樹脂からなるコーティング層92によって覆われている。上記樹脂材90は、たとえばポリカーボネートやアクリル系樹脂であり、この樹脂材90の金属被膜91が蒸着される側の片面は凹凸とされ(図示略)、データが書き込まれるピットを形成している。上記金属被膜91は、上記ピットに照射される読み取り用のレーザビームを高い反射率で反射するためのものである。上記金属被膜91の厚みは0.1μm程度であり、CD全体の厚みは1.2mmである。
【0003】
従来では、上記構造のCDの品質を高め、またその生産性を高めるための技術については、各種のメーカなどにおいてその開発が進められているものの、これをリサイクル使用するための有効な技術については何ら提案されていないのが実情であった。すなわち、CDの原材料をリサイクル使用するためには、樹脂材90から金属被膜91を効率良く適切に剥離除去することが要請されるが、従来では、そのような要請に応え得る技術は提案されていなかった。このため、従来では、CDの生産過程において不良品などのロスが発生した場合、あるいはCDを購入した一般需要者が家庭において廃棄処分する場合などに、これを回収して処理することによって、CDの原材料である合成樹脂を再利用するといったことはなされておらず、大きな損失を生じていた。
【0004】
従来では、CDを再利用する手段として、その樹脂材90に金属被膜91が付着したままCD全体を細かく粉砕し、その粉砕物質をセメントに混入するといった利用方法も一部考えられている。ところが、セメントにCDの粉砕物質を混入したのでは、セメントの強度や物理的特性が合成樹脂の混入によって低下し、または悪化する不具合を生じ、その用途は著しく制限されてしまう。したがって、CDをそのまま粉砕して他の物質に混入する手段では、大量に生産されるCDの再利用用途には適さず、合成樹脂の無駄を無くすことの根本的な解決手段にはならない。
【0005】
結局、従来では、CDを他の一般の産業廃棄物と同様に廃棄処分にしている。ところが、CDを廃棄処分する場合に、このCDを燃やしたのでは、二酸化炭素や有害ガスが発生して大気汚染を生じさせ、自然環境を悪化させる問題が発生する。また、アルミまたはアルミ合金製の金属被膜91を燃焼させることは、その問題をさらに悪化させてしまう。したがって、従来では、CDを廃棄処分する場合に、これを焼却処分することはできず、その取扱いに苦慮するものとなっていた。CDの生産過程においては、その品質基準が高く、非常に高い品質のものが要求されるなどの理由から、その不良品の発生率は、たとえば最高30%に達する実情がある。このため、大量のCDが生産され、販売されている背景には、それに伴ってやはり大量のCDが廃棄されている実情があり、その再利用が図れないことは、省資源の観点のみならず、自然保護の観点などからしても、非常に大きなマイナス要因となっており、これを適切に解決する必要がある。
【0006】
なお、従来では、上述したCDのみならず、それ以外の光ディスクについても上記と同様な問題を生じており、さらにはたとえば合成樹脂製の部材表面に無電解メッキを施した自動車部品やその他の部品類においても、その廃棄処理に際しては、上述したCDの場合と同様な問題を生じていた。
【0007】
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、光ディスクやその他の物品の樹脂材の表面から金属被膜を効率よくかつ適切に剥離除去できるようにして、樹脂材のリサイクル使用が適正に図れるようにすることをその課題としている。
【0008】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
本願発明の第1の側面によれば、樹脂表面の金属被膜の除去方法が提供される。この樹脂表面の金属被膜の除去方法は、樹脂材の表面に付着形成されている金属被膜を上記樹脂材の表面から除去するための方法であって、出口圧力が0.3〜1.2kg/cm2 (ゲージ圧)とされた低圧空気発生源により発生させられる低圧高速空気流に混入させた研掃材を上記金属被膜の表面に吹きつけてブラスト処理を行う複数のブラストノズルを設け、1個のブラストノズルにより上記金属被膜を上記樹脂材から完全に剥離させるに要するブラスト時間を各ブラストノズルによって分担させるようにして、各ブラストノズルにより順次ブラスト処理を行うことに特徴づけられる。上記出口圧力は、さらに好ましくは、0.4〜0.9kg/cm 2 (ゲージ圧)とされる。
【0010】
本願発明の第2の側面によれば、金属被膜を有する樹脂材の再生処理方法が提供される。この金属被膜を有する樹脂材の再生処理方法は、表面に金属被膜が付着形成された樹脂材を具備して構成されている処理対象物の上記樹脂材を再生処理するための方法であって、出口圧力が0.3〜1.2kg/cm2 (ゲージ圧)とされた低圧空気発生源により発生させられる低圧高速空気流に混入させた研掃材を上記金属被膜の表面に吹きつけてブラスト処理を行う複数のブラストノズルを設け、1個のブラストノズルにより上記金属被膜を上記樹脂材から完全に剥離させるに要するブラスト時間を各ブラストノズルによって分担させるようにして、各ブラストノズルにより順次ブラスト処理を行い、上記樹脂材の表面から上記金属被膜を剥離除去する工程を有していることに特徴づけられる。上記出口圧力は、さらに好ましくは0.4〜0.9kg/cm 2 (ゲージ圧)とされる。
【0011】
上記処理対象物としては、円板状または中空円板状の樹脂材の表面にアルミなどの金属の薄膜を付着形成した光ディスクなどの情報記憶用のディスクを適用することができる。また、これに代えて、上記処理対象物は、所望の形状に樹脂成形された樹脂材の表面に金属メッキが施された自動車部品またはOA機器部品を適用することもできる。
【0012】
本願発明においては、樹脂材の表面に金属被膜が強固に付着し、さらにはその金属被膜の表面に他の付着物が存在する場合であっても、低圧高速空気流に混入させた研掃材を吹きつけるブラスト処理を施すことによって、上記金属被膜を樹脂材の表面から適切に剥離除去することができる。ブラスト処理による金属被膜の剥離除去作用は、剥離除去対象となる金属被膜に対して研掃材が高速で衝突することによりなされるために、その金属被膜の剥離除去を短時間で、かつ能率よく行うことができる。とくに、特筆すべき効果として、本願発明では、出口圧力が好ましくは0.3〜1.2kg/cm2 、さらに好ましくは0.4〜0.9kg/cm2 (ゲージ圧)の低圧空気発生源によって発生させた低圧高速空気流に研掃材を混入させて吹きつける低圧ブラスト処理手段を採用しているために、それよりも高圧の空気流を利用する高圧ブラスト処理手段を採用する場合と比較すると、その装置設備として高圧配管が不要である分だけ、その設備コストを安価にできることは勿論のこと、低圧空気を利用しているにも拘わらず優れた研掃効果が得られることとなり、エネルギ効率が良好となる。高圧ブラスト処理では、研掃材を含んだ空気流をブラストノズルから吐出させた場合に、その圧力変動が急激に行われるために、その空気流や研掃材はブラストノズルから大きな角度で一挙に広がってしまい、研掃材の投射密度が非常に低くなる。これに対し、本願発明が採用するブラスト処理では、研掃材を含んだ低圧空気流はブラストノズルから吐出しても大きな角度に一挙に広がるようなことはなく、研掃材の投射密度を高くし、処理対象物の表面に対して効率の良いブラスト処理が行えるのである。また、高圧ブラスト処理では、研掃材が樹脂材の表面を大きく削りとってしまう虞れが大きいが、これに対して低圧ブラスト処理では、研掃材が金属被膜を通過して樹脂材の表面に衝突した場合に、金属被膜よりも弾性変形し易い特性の樹脂材の表面に弾性変形を生じさせて、この樹脂材の表面が上記研掃材によって大きく削り取られないようにすることも可能となる。したがって、本願発明では、樹脂材についてはその表面が無駄に削り取られないようにしつつ、その表面の硬質の金属被膜をきわめて効率よく剥離除去することが可能となる。
【0013】
このようにして、金属被膜の剥離除去を行えば、上記樹脂材のボリュームの損失を抑制しつつ、この樹脂材を新たな合成樹脂製製品の原材料として有効に再利用することが可能となる。その結果、本願発明では、合成樹脂のリサイクル使用によって省資源化が図れ、従来とは異なり、その廃棄処理に苦慮するといった不具合を適切に解消し、自然環境保護にも役立つ。また、樹脂材の表面から剥離除去された金属被膜については、この金属被膜をブラスト処理に用いられた研掃材から分離することによって、やはり再利用することが可能となる。
【0014】
好ましい実施の形態では、上記金属被膜が除去された樹脂材の表面を洗浄水を用いて洗浄する洗浄工程と、この洗浄工程後に上記樹脂材を乾燥させる乾燥工程とをさらに有している構成とすることができる。
【0015】
このような構成によれば、ブラスト処理が終了した後に、樹脂材の表面に残存付着しているブラスト処理用の研掃材や樹脂材の表面から剥離除去された金属被膜の細片などを洗浄水を用いて洗い落とすことができ、樹脂材の表面を清浄な状態にできる。したがって、不純物を有しない樹脂材を得る上で好都合なる。また、その樹脂材の洗浄工程後に樹脂材を乾燥させるために、ダスト類などが樹脂材表面に再付着する虞れも無くすことができ、その後直ちにその樹脂材を加工し、あるいは取扱うことができることとなる。
【0016】
他の好ましい実施の形態では、上記洗浄工程は、低圧空気発生源によって発生された高速空気流に混入させた洗浄水を上記樹脂材の表面に吹きつけて行う構成とすることができる。
【0017】
このような構成によれば、低圧空気発生源によって発生された高速空気流に混入させた洗浄水を細かな水滴状(霧状)にして樹脂材の表面に高速で衝突させることができ、いわゆるウォータブラストの効果が得られる。このため、単に洗浄水をポンプで圧送して樹脂材の表面に噴射させる場合とは異なり、霧状(粒状)の洗浄水による洗浄効果が高く、樹脂材の表面を短時間で清浄な状態にすることができる。また、洗浄水の消費量も少なくできる。
【0018】
他の好ましい実施の形態では、上記乾燥工程の後に上記樹脂材をペレット状に粉砕する粉砕工程をさらに有している構成とすることができる。
【0019】
このような構成によれば、ペレット状の樹脂材が得られることとなり、樹脂材を次の利用用途に供する場合にその取扱いに際して便利となる。
【0020】
本願発明の第3の側面によれば、金属被膜を有する樹脂材の再生処理装置が提供される。この金属被膜を有する樹脂材の再生処理装置は、表面に金属被膜が付着形成された樹脂材を具備して構成されている処理対象物の上記樹脂材を再生処理するための装置であって、上記処理対象物を一定の経路で搬送するための搬送装置と、上記搬送装置の搬送経路上に沿って設けられ、出口圧力が0.3〜1.2kg/cm 2 (ゲージ圧)とされた低圧空気発生源により発生させられる低圧高速空気流に混入した研掃材を吹きつける低圧ブラスト処理を行う複数のブラストノズルと、を備え、1個のブラストノズルにより上記金属被膜を上記樹脂材から完全に剥離するまでのブラスト時間を、各ブラストノズルによって分担してブラスト処理を行うように構成したことに特徴づけられる。上記出口圧力は、さらに好ましくは、0.4〜0.9kg/cm 2 (ゲージ圧)とされる。
【0021】
本願発明によって提供される金属被膜を有する樹脂材の再生処理装置においては、樹脂材の表面に金属被膜を付着形成している多数の処理対象物を搬送装置を用いて一定の経路で順次搬送させることにより、それらの処理対象物にブラスト処理を施し、それら処理対象物の樹脂材の表面から金属被膜を適切に剥離除去することができる。したがって、樹脂材の再生処理が図れる。この再生処理装置で用いられるブラスト装置としては、本願発明の第1の側面および第2の側面について上述したような低圧ブラスト処理を行う構成とすることが好ましい。
【0022】
好ましい実施の形態では、上記処理対象物が上記ブラスト装置によってブラスト処理されるときにこの処理対象物を上記搬送装置の搬送経路上において回転させる機構を備えている構成とすることができる。
【0023】
このような構成によれば、処理対象物を回転させながらその表面に研掃材を衝突させてブラスト処理を施すことができるために、上記処理対象物の表面の全面に対して研掃材を一斉に吹きつける必要はない。処理対象物の表面の一部分にのみ研掃材を吹きつけるようにした場合であっても、この処理対象物が回転することによってその表面の全面に研掃材を吹きつけてゆくことができ、そのブラスト処理を効率良く、しかも各所均等な状態に仕上げることが可能となる。
【0024】
他の好ましい実施の形態では、上記ブラスト装置の後段には、上記金属被膜が剥離除去された樹脂材の外面を洗浄水を用いて洗浄する洗浄装置がさらに設けられている構成とすることができる。
【0025】
他の好ましい実施の形態では、上記洗浄装置は、低圧空気発生源によって発生された高速空気流に混入させた洗浄水を洗浄水噴射ノズルから噴射するようにした構成とすることができる。
【0026】
他の好ましい実施の形態では、上記洗浄装置は、上記金属被膜が剥離除去された樹脂材を噴流状の洗浄水中に進入させるようにした構成とすることができる。
【0027】
他の好ましい実施の形態では、上記洗浄装置の後段には、上記洗浄装置によって洗浄された樹脂材に温風を供給してその乾燥処理を行う乾燥装置がさらに設けられている構成とすることができる。
【0028】
他の好ましい実施の形態では、上記乾燥装置の後段には、上記乾燥処理が終了した樹脂材をペレット状に粉砕する粉砕装置がさらに設けられている構成とすることができる。
【0029】
他の好ましい実施の形態では、上記ブラスト装置のブラスト処理によって金属被膜が剥離除去された樹脂材が、上記洗浄装置、上記乾燥装置、および上記粉砕装置のそれぞれに順次搬送されるようにした構成とすることができる。
【0030】
本願発明のその他の特徴および利点は、図面を参照して以下に行う発明の実施の形態の説明からより明らかになるであろう。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0032】
図1は、本願発明に係る金属被膜を有する樹脂材の再生処理装置の全体の概略構成の一例を示す説明図である。
【0033】
図1に示す再生処理装置Aは、先に図17において説明したCD9の処理に適するように構成されたものである。したがって、本実施形態では、処理対象物として上記CD9を適用する場合について説明する。この再生処理装置Aは、ストック装置1、投入装置2A、第1の搬送装置3A、ブラスト装置4、第2の搬送装置3B、移載装置2B、第1の洗浄装置5A、第2の洗浄装置5B、エアノズル6B、乾燥装置6A、および粉砕装置7を具備して構成されている。
【0034】
図2は、上記ストック装置1を示す斜視図である。このストック装置1は、処理対象物としてのCD9を多数枚ストックしておくための装置であり、基台10上に軸体11が起立状態に立設されているとともに、この軸体11の一側方には、基台10に螺合したネジ軸12が起立状態に設けられている。上記ネジ軸12の下端部は、一対のプーリ13a,13bおよびベルト13cを介してモータM1の駆動軸と駆動連結されており、上記モータM1の駆動により正逆両方向に回転自在である。上記ネジ軸12には、プレート14の一端部が螺合しており、このプレート14の他端部の切り欠き部14aに上記軸体11が貫通することによって、上記プレート14の水平方向の回転止めが図られている。したがって、上記ネジ軸12をモータM1の駆動によって回転させると、上記プレート14は上記ネジ軸12と軸体11とに沿って昇降自在である。CD9は、上記軸体11に套嵌することにより、上下多数枚積み重ねた状態で上記プレート14上にセッティングすることができる。このストック装置1では、上記プレート14上にセッティングされた多数枚のCD9のうち、最上層のCD9をその上方に取り出すことが可能であり、最上層のCD9が取り出された後にはそのCD9の1枚の厚み分だけプレート14を上昇させることにより、次に最上層となったCD9を先のCD9と同一の高さに配置することが可能である。
【0035】
図3は、上記再生処理装置Aの第1の搬送装置3Aおよびその周辺部分の構造を示す要部概略斜視図である。図4は、図3のIV−IV断面図である。図5は、ブラスト装置4の概略構造を示す断面図である。図6は、上記ブラスト装置4のブラストノズル40を示す断面図である。
【0036】
図3において、上記投入装置2Aは、上記ストック装置1にセッティングされているCD9を第1の搬送装置3Aのワーク移送経路に投入するための装置である。この投入装置2Aは、アーム20の先端に吸着ヘッド21を具備させた構造を有しており、上記アーム20は、その基端部を中心として水平方向に回動自在であるとともに、昇降自在である。上記吸着ヘッド21は、上記CD9の上面を着脱可能に吸着保持するものであり、たとえば真空ポンプ(図示略)と配管接続された真空吸引ノズルを具備している。この投入装置2Aは、上記ストック装置1にセッティングされている多数枚のCD9のうち最上層のCD9を吸着ヘッド21によって吸着保持して取り出してから、このCD9を第1の搬送装置3Aの所定位置に移送して投入する動作を行うように構成されている。
【0037】
上記第1の搬送装置3Aは、図1によく表れているように、複数のスプロケット30によってガイドされて一定の経路で循環移動自在な2条の無端状のチェーン31,31を具備するものである。図4によく表れているように、この第1の搬送装置3Aは、上記2条の無端状のチェーン31,31にプレート状の複数の支持板32を掛け渡して、これらの支持板32のそれぞれに略円板状のジグ33を載設したものである。上記ジグ33の略中央部には、CD9の孔部93に挿通可能なピン33aが設けられている。したがって、CD9は、その孔部93に上記ピン33aが挿通した状態で上記ジグ33上に載置されることにより、この第1の搬送装置3Aによって一定の経路で移送される。なお、この第1の搬送装置3Aは、上記CD9を一定ピッチずつ間欠移送するように構成されている。
【0038】
図3によく表れているように、上記第1の搬送装置3Aの上記CD9の移送経路の一側方には、CD9を回転させるための補助機構34が設けられている。この補助機構34は、プーリ34a〜34cによってベルト34dをガイドさせたものであり、上記ベルト34dは、モータM2の駆動によって循環移動自在である。この補助機構34は、CD9が上記ベルト34dの側方に移送されてきたときに、図4によく表れているように、このCD9の外周に上記ベルト34dが接触し、このCD9を上記ベルト34dとの摩擦力によってピン33aを中心に回転させるように構成されている。
【0039】
図5において、上記ブラスト装置4は、いわゆる低圧ブラスト処理を実行するためのものであり、ケーシング41、このケーシング41内に設けられた複数のブラストノズル40、およびルーツブロアなどの低圧空気発生源42を具備して構成されている。上記ケーシング41は、上記第1の搬送装置3AのCD9の搬送経路の一部を囲むように設けられたものであり、ブラスト処理に用いられた研掃材や砕片などが外部へ飛散しないようにカバーするためのものである。上記複数のブラストノズル40は、上記補助機構34によって回転されるCD9の上方に位置するように設けられている。上記各ブラストノズル40は、研掃材mを混入した低圧高速空気流をCD9の上面に吹きつけ可能に構成されたものである。図6に示すように、上記ブラストノズル40は、先端が開口した中空状のノズル本体40aの基端部に、エア配管43と研掃材供給配管44とをそれぞれ接続したものである。
【0040】
上記低圧空気発生源42は、その出口圧力が好ましくはゲージ圧で0.3〜1.2kg/cm2 、さらに好ましくは0.4〜0.9kg/cm2 の低圧高速大流量の空気流を発生させるものである。この低圧空気発生源42には、上記エア配管43が接続されている。上記研掃材供給配管44は、ケーシング41の上部に設けられたサイクロン45の下端開口部に接続されている。上記サイクロン45の内部には、研掃材mが収容されており、低圧空気発生源42からノズル本体40a内に低圧高速大流量の空気流が供給されると、研掃材供給配管44を介してノズル本体40a内に供給される研掃材mが、ノズル本体40aの開口部から上記空気流に混じって高速で噴射されるようになっている。上記研掃材mの種類などについては後述する。
【0041】
上記ブラストノズル40から噴射される研掃材mは、CD9の上面の全域に対して一斉に噴射される必要はなく、CD9の上面の一部領域に噴射されるように構成されていればよい。上記ブラストノズル40に対向するCD9は、既述したとおり、補助機構34の動作によって回転可能であり、CD9の上面の一部領域にのみ研掃材mを吹き付けた場合であっても、上記CD9が回転することによってCD9の上面の全面域に研掃材mを均一に吹き付けることが可能である。
【0042】
上記ケーシング41の下部は、ホッパー状に形成されており、開口部41aが設けられている。一方、上記サイクロン45の上部のダクト45aには、吸引作用を発揮する集塵機(図示略)が配管接続されている。上記ケーシング41の下部には、CD9に対して吹き付けられた研掃材mが集まるが、その研掃材mは、上記集塵機の吸引作用により配管46を介してサイクロン45の吸引配管45b内に吸引される。すると、その研掃材mは、上記研掃材供給配管44を介してブラストノズル40に再度供給されることとなる。上記サイクロン45内に戻された研掃材mに含まれている比重の小さなダスト類などは集塵機の吸引作用によってダクト45aを介して集塵機に吸引され、除去される。したがって、同一の研掃材mを多数回にわたって繰り返し使用しつつ、ブラスト処理によって発生したダスト類などについては、集塵機に補集することができる。
【0043】
図3において、上記移載装置2Bは、上記第1の搬送装置3Aによって上記ブラスト装置4の下流に移送されてきたワーク、すなわちブラスト装置4を用いたブラスト処理によって金属被膜91やコーティング層92が剥離除去されたCDの樹脂材90を、第2の搬送装置3B上に移し替えるための装置である。この移載装置2Bとしては、上記投入装置2Aと略同様な構造のものが採用されており、水平方向の回動動作と昇降動作とが自在なアーム20aの先端部に、樹脂材90を着脱可能に吸着保持するための吸着ヘッド21aを設けた構成である。
【0044】
図7は、上記再生処理装置Aの第2の搬送装置と洗浄装置とを示す要部断面図である。図8は、第2の搬送装置の要部平面図である。図9は、図8のIX−IX断面図である。図10は、図8のX−X断面図である。図11は、図7のXI−XI断面図である。図12は、図7のXII −XII 断面図である。
【0045】
図7ないし図9によく表れているように、上記第2の搬送装置3Bは、一条の無端状のチェーン31aを複数のスプロケット30aによってガイドし、一定の経路で循環移動自在に設けたものである。上記チェーン31aの所定の移動経路の左右両側方には、樹脂材90を支持ガイドするための一対の支持プレート35,35が設けられている。これら一対の支持プレート35,35の相互に対向する内壁面には、樹脂材90の外周縁先端94を嵌入可能な凹部35aが設けられている。樹脂材90の外周縁先端94を上記支持プレート35,35の各凹部35a内に嵌入させれば、上記樹脂材90を脱落させないように水平姿勢に支持することができる。これは、後述するように樹脂材90の洗浄処理を行う場合において樹脂材90が洗浄水の水圧などの影響を受けて第2の搬送装置3Bから不用意に脱落しないようにできる点で、好ましいものとなる。図10によく表れているように、上記一対の支持プレート35,35の一部には、上記各凹部35a内に対してその上方から樹脂材90を進入可能とする切り欠き部35bが設けられており、上記移載装置2Bが第1の搬送装置3Aから取り出した樹脂材90を上記切り欠き部35bの位置へ投入することにより、その樹脂材90が上記支持プレート35,35に支持されるようになっている。
【0046】
上記チェーン31aには、上記樹脂材90の後方に接触してその樹脂材90を押動するためのプッシャ36,36が一定の間隔で複数取付けられている。上記第2の搬送装置3Bは、支持プレート35,35によって樹脂材90を水平姿勢に保持させたまま、上記プッシャ36,36によってその樹脂材90を一定の経路で移送してゆくことが可能である。上記チェーン31aの下方には、チェーン31aの撓みを防止するためのガイド部材37が設けられている。
【0047】
図7において、上記第1の洗浄装置5Aは、第2の搬送装置3Bのワーク搬送経路の一部を囲むケーシング50、このケーシング50内に設けられた複数の洗浄水噴射ノズル51、および洗浄水供給装置53を具備して構成されている。
【0048】
上記洗浄水供給装置53は、ルーツブロアなどの低圧空気発生源53aと、洗浄水Waを貯留するタンク53bとを具備して構成されている。上記洗浄水Waとしては、水道水あるいは蒸留水などが用いられる。上記低圧空気発生源53aの排気側に接続された分岐配管53cは、上記タンク53b内に繋がっている。上記タンク53bは、その内部を気密状態に設定できるものである。したがって、上記タンク53b内を低圧空気発生源53aの出口圧力と同圧にすることができる。一方、上記低圧空気発生源53aの排気側に接続された他の分岐配管53dには、上記タンク53bの底部の排水管53eが繋がっている。このため、上記タンク53b内の清浄水Waについては、その自重によって上記分岐配管53d内に送り込むことができる。この洗浄水供給装置53では、上記排水管53eを通過した洗浄水Waが上記分岐配管53dを流れる低圧高速大流量の空気流に混じり、霧状になった状態で上記複数の洗浄水噴射ノズル51に供給されるようになっている。また、上記洗浄水Waは、配管53fを介して第2の洗浄装置5Bの各洗浄水噴射ノズル51aにも供給されるように構成されている。
【0049】
上記複数の洗浄水噴射ノズル51は、上記樹脂材90の搬送経路の上方と下方とのそれぞれに設けられており、図11によく表れているように、樹脂材90の上向きの表面と下向きの裏面とのそれぞれに対して洗浄水を噴射できるようになっている。上記ケーシング50は、上記洗浄水が周辺に飛散することを防止するためのものであり、その底部には使用済の洗浄水を回収するための開口部54が設けられている。この開口部54を介して回収された洗浄水は、繰り返し使用が可能である。
【0050】
図7および図12において、上記第2の洗浄装置5Bは、ケーシング50a、このケーシング50aの内部に設けられた複数の洗浄水噴射ノズル51a、および洗浄水噴流槽55を具備して構成されている。
【0051】
上記洗浄水噴流槽55は、上記第2の搬送装置3Bのワーク搬送経路の下方に設けられている。この洗浄水噴流槽55は、洗浄水を一定圧で供給する洗浄水供給管56をその底部に連結したものであり、この洗浄水供給管56から洗浄水噴流槽55の内部に供給される洗浄水がこの洗浄水噴流槽55の上方へ噴流状態となって一定高さに盛り上がるように構成されている。上記洗浄水の盛り上がり高さを大きくする手段として、上記洗浄水噴流槽55の内部には、多数の孔を有する多孔プレート57aやチェーン31aへの洗浄水の衝突を回避するための邪魔板57bなどが設けられている。第2の搬送装置3Bは、上記洗浄水の噴流状の部分に樹脂材90を通過させるように構成されている。上記洗浄水噴流槽55に供給される洗浄水としては、たとえば水道水や蒸留水を加熱した湯が用いられる。具体的には、図7によく表れているように、水道水や蒸留水を貯留するタンク52aには、ヒータ58が設けられており、このヒータ58によって加熱された湯Wbがポンプ52によって上記洗浄水噴流槽55に圧送されるように構成されている。
【0052】
上記複数の洗浄水噴射ノズル51aは、上記洗浄水の噴流による樹脂材90の洗浄作用を補助するためのものであり、上記第1の洗浄装置5Aの洗浄水供給装置53から供給されてくる洗浄水、すなわち低圧高速大流量の空気流に混入することによって霧状となった洗浄水を樹脂材90の表面に吹きつけ可能に設けられている。上記ケーシング50aは、洗浄水の飛散などを防止するためのものであり、第2の搬送装置3Bのワーク搬送経路の一部を囲んでいる。上記洗浄水噴流槽55からオーバフローした洗浄水や洗浄水噴射ノズル51aから噴射された洗浄水は、ケーシング50aの底部の開口部54aを介して回収され、繰り返し使用が行えるように構成されている。
【0053】
図13は、上記再生処理装置Aの乾燥装置6Aおよびその周辺の構造を示す要部断面図である。
【0054】
同図において、上記エアノズル6Bは、上記第2の洗浄装置5Bの後段に設けられており、ブロア60から供給されてくる圧縮空気を第2の搬送装置3Bによって搬送される樹脂材90の表面に吹き付けることができるように構成されている。このエアノズル6Bは、樹脂材90の外表面に付着している洗浄水のいわゆる水切りを行うためのものである。樹脂材90の外表面に圧縮空気を高速で噴射し、洗浄水の水切りを行えば、その後乾燥装置6Aによってなされる乾燥処理の負担を少なくすることができる。このエアノズル6Bの下方周辺部にはケーシング64が設けられており、水切りされた洗浄水がケーシング64の外部へ飛散しないように構成されている。
【0055】
上記乾燥装置6Aは、第2の搬送装置3Bのワーク移送経路を囲むケーシング61の内部に温風を供給可能に構成されたものである。温風発生供給手段としては、ブロア62とこのブロア62から吐き出される空気を加熱するためのヒータ63とを組み合わせたものが適用される。上記ケーシング61内への温風供給を円滑にする手段として、上記ケーシング61にはケーシング61内の空気を外部に排出するためのエア排気口61aが設けられており、このエア排気口61aから排気されたエアはブロア62に再度戻され、繰り返して使用されるようになっている。
【0056】
上記粉砕装置7は、樹脂材90をペレット状に粉砕するためのものであり、その上部に設けられたホッパ70から粉砕対象物が投入されると、その粉砕対象物を駆動回転自在なロータリカッタなどによって粉砕し、その粉砕物を外部に排出するように構成されている。上記第2の搬送装置3Bの後端部には、乾燥装置6Aを通過した樹脂材90を上記粉砕装置7のホッパ70内にガイドするためのシュータ39が設けられている。
【0057】
次に、上記再生処理装置Aを用いて、図17に示したCD9の樹脂材90の再生処理を行う場合について説明する。
【0058】
図1において、まずストック装置1に多数枚のCD9をセッティングしておくが、このセッティング作業に際しては、金属被膜91やコーティング層92が樹脂材90の上面に位置する姿勢にしておく。その後は、投入装置2Aを動作させて、上記ストック装置1にセッティングされている多数枚のCD9を1枚ずつ取り出してから第1の搬送装置3A上に投入し、これらのCD9をブラスト装置4の各ブラストノズル40の下方に供給する。上記各ブラストノズル40の下方に配置されたCD9は、補助機構34のベルト34dとの接触によって回転しながらその表面にブラスト処理が施されることとなる。
【0059】
このブラスト処理は、図14に示すように、所望の粒状の研掃材mを低圧高速大流量の空気流を利用して上記CD9の表面に衝突させるものであるため、上記CD9のコーティング層92や金属被膜91を極めて短時間で剥離除去することが可能である。上記研掃材mの速度としては、たとえば200m/secという高速を達成することが可能である。この低圧ブラスト処理では、図6に示すように、ブラストノズル40から吹き出される空気流の広がり角度θが小さく、この空気流に含まれている研掃材mの投射密度を高くすることができる。したがって、ブラストノズル40から吹き出される研掃材mをCD9の表面に効率良く照射することができる。この点、ブラストノズル内外の大きな圧力差に原因して上記角度θが大きくなって研掃材の投射密度が低くなり、また大きな圧力損失を生じてしまう高圧ブラスト処理とは大きく相違する。
【0060】
また、上記低圧ブラスト処理に際しては、研掃材mが樹脂材90の表面に直接衝突する場合があるが、上記樹脂材90はポリカーボネートやアクリル系樹脂であるなど、比較的弾性に富む材質であるために、研掃材mが衝突した部分が凹状に弾性変形することによって、上記研掃材mによってはこの樹脂材90の表面が大きく削り取られないこととなる。すなわち、所望の処理面に対して研掃材を高速で衝突させるブラスト処理は、その処理面が弾性変形し難く、その硬度が高いほどその表面を研掃する効果を大きく発揮するが、これに対して処理面が比較的軟質で弾性変形しやすい場合には、その表面を研掃し難くなる。したがって、上記ブラスト処理では、硬質の金属被膜91、およびこの硬質の金属被膜91の表面に付着している比較的硬質なコーティング層92については効率よく剥離除去できるものの、その下地となる比較的軟質な樹脂材90についてはさほど激しく研掃しないものとできる。とくに、低圧高速大流量の空気流を利用する低圧ブラスト処理では、高圧の空気流を利用する場合よりも、研掃材の衝突速度などの調整が比較的容易であり、樹脂材90の表面が激しく研掃されないように制御することが一層簡単に行えることとなる。その結果、上記樹脂材90の体積の減少を最少限度に抑えることができる。
【0061】
本願出願人は、上記ブラスト処理を種々の条件下において試験したものであるが、その結果、上記研掃材mとしては、80〜150メッシュの粒状のアルミナを用い、また低圧空気発生源42の出口圧力を0.5kg/cm2 とした場合に、上記コーティング層92や金属被膜91を剥離除去するのに好適となることが判明した。この条件下では、延べ約30秒以下のブラスト処理によって、コーティング層92や金属被膜91を樹脂材90の表面から完全に除去することができた。したがって、たとえば3個のブラストノズル40を用いることにより3回に分けたブラスト処理を行う場合には、1個のブラストノズル40について10秒以下のブラスト処理時間でよく、多数のCD9を迅速に処理してゆくことが可能となった。ただし、本願発明はこれに限定されず、たとえば研掃材としては、アルミナ以外として、ガーネット、重曹粒、ガラスビーズ、ポリプラスなど、種々の研掃材を用いることが可能である。
【0062】
上記ブラスト処理が終了すると、図15に示すように、金属被膜91やコーティング層92を有しない中空円板状の樹脂材90が得られることとなる。この樹脂材90は、その後第1の搬送装置3Aによってさらに下流に搬送された後、移載装置2Bによって第2の搬送装置3B上に供給される。次いで、上記樹脂材90は、上記第2の搬送装置3Bによって、第1の洗浄装置5A、第2の洗浄装置5B、エアノズル6Bの下方、および乾燥装置6Aのそれぞれに順次供給されることとなる。
【0063】
上記第1の洗浄装置5Aでは、上記樹脂材90の表裏両面が洗浄水によって洗浄処理される。この洗浄処理では、上記樹脂材90の外面に付着していたブラスト処理用の研掃材mやコーティング層92および金属被膜91の砕片などが強制的に除去されることとなる。とくに、上記洗浄水は、低圧空気発生源53aによって発生された低圧高速大流量の空気流に混入されることによって霧状または粒子状となって洗浄水噴射ノズル51から高速で吹き出されるものであるために、樹脂材90の外面の付着物を除去する効果が高いものとなる。第2の洗浄装置5Bでは、洗浄水噴射ノズル51aからの洗浄水噴射作用によって、上記第1の洗浄装置5Aによるのと同様な洗浄効果が期待できるのに加え、上記樹脂材90が洗浄水の噴流領域に進入することにより、いわゆる湯洗がなされる。したがって、このような一連の洗浄処理により、上記樹脂材90の外表面は、研掃材mはもとより金属被膜91やコーティング層92なども付着していない清浄な外表面とすることができる。
【0064】
次いで、このような洗浄処理が終了した樹脂材90は、その後エアノズル6Bから吹き出されるエアによっていわゆる水切り処理がなされた後に乾燥装置6Aによって温風供給による乾燥処理がなされる。したがって、上記樹脂材90が洗浄水によって濡れたまま粉砕装置7内に供給されることを回避できる。上記樹脂材90が粉砕装置7内に供給されると、上記樹脂材90は粉砕され、図16に示すような合成樹脂ペレット90aが得られることとなる。
【0065】
上記合成樹脂ペレット90aは、金属やダスト類を含まないポリカーボネートあるいはアクリル樹脂のペレットである。したがって、この合成樹脂ペレット90aは、たとえばいわゆるバージン材としての他の合成樹脂ペレットと混合するなどして、新たな樹脂成形品を製造する場合の原材料として適切に使用することができる。
【0066】
一方、上記樹脂材90の表面から剥離除去された金属被膜91やコーティング層92の砕片は、研掃材mと混じり合った状態で回収することができるが、これらについては研掃材mとの粒径の差あるいは比重差などを利用して、これらを研掃材mから分離することができる。とくに、研掃材mとして、水溶性の重曹などを用いれば、回収物を水に入れて研掃材をその水に溶かしてから濾過することによって、非水溶性の金属被膜91やコーティング層92の砕片を研掃材から簡単に分離することができる。また、金属被膜91とコーティング層92とのそれぞれの砕片は、やはりその比重などが相違するために、これらについてもたとえばサイクロン方式の分離機を用いるなどして互いに分離することもできる。したがって、これら金属被膜91やコーティング層92の砕片についてもそれらの種類ごとに纏めることができ、金属被膜91であったアルミまたはアルミ合金や、コーティング層92であった樹脂の再利用も可能となる。
【0067】
本願発明は、上述の実施形態に限定されない。上記実施形態では、CDの樹脂材を再生処理する場合を一例として説明したが、本願発明は、これに限定されず、いわゆるLDやDVDなどと称されるタイプの光ディスク、あるいは光磁気ディスクなどの他の種類の情報記憶用のディスクに適用することも可能である。さらに、処理対象物は、情報記憶用のディスクに限定されず、たとえばABS樹脂の表面にクロムメッキなどの金属メッキを施した自動車部品、あるいはABS樹脂やポリカーボネートなどの樹脂材の表面にニッケルなどの金属メッキを施してからその表面に塗装を施したOA機器用の部品などにおいて、その金属メッキを剥離除去することによって、その樹脂材を再利用する場合にも適用することができる。このように、本願発明では、処理対象物の具体的な種類などはとくに限定されるものではない。
【0068】
その他、本願発明に係る樹脂表面の金属被膜の除去方法や、金属被膜を有する樹脂材の再生処理方法の各作業工程の具体的な構成は、種々に変更自在である。また、本願発明に係る再生処理装置の各部の具体的な構成も種々に設計変更自在である。たとえば処理対象物を搬送する搬送装置に処理対象物を1個ずつ投入させるのではなく、複数個の処理対象物を同時に投入できるようにするといった設計変更は自在である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る金属被膜を有する樹脂材の再生処理装置の全体の概略構成の一例を示す説明図である。
【図2】 本願発明に係る金属被膜を有する樹脂材の再生処理装置のストック装置を示す斜視図である。
【図3】上記再生処理装置の第1の搬送装置およびその周辺部分の構造を示す要部概略斜視図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】ブラスト装置の概略構造を示す断面図である。
【図6】ブラスト装置のブラストノズルを示す断面図である。
【図7】再生処理装置の第2の搬送装置と洗浄装置とを示す要部断面図である。
【図8】第2の搬送装置の要部平面図である。
【図9】図8のIX−IX断面図である。
【図10】図8のX−X断面図である。
【図11】図7のXI−XI断面図である。
【図12】図7のXII −XII 断面図である。
【図13】 再生処理装置の乾燥装置およびその周辺の構造を示す要部断面図である。
【図14】ブラスト処理の状態を示す説明図である。
【図15】ブラスト処理によって得られた樹脂材を示す断面図である。
【図16】 最終的に得られる合成樹脂ペレット示す説明図である。
【図17】CDの断面構造を示す説明図である。
【符号の説明】
2A 投入装置
2B 移載装置
3A 第1の搬送装置
3B 第2の搬送装置
4 ブラスト装置
5A 第1の洗浄装置
5B 第2の洗浄装置
6A 乾燥装置
6B エアノズル
7 粉砕装置
9 CD(処理対象物)
34 補助機構
90 樹脂材
91 金属被膜
92 コーティング層
m 研掃材
A 再生処理装置

Claims (7)

  1. 樹脂材の表面に付着形成されている金属被膜を上記樹脂材の表面から除去するための方法であって、
    出口圧力が0.3〜1.2kg/cm2 (ゲージ圧)とされた低圧空気発生源により発生させられる低圧高速空気流に混入させた研掃材を上記金属被膜の表面に吹きつけてブラスト処理を行う複数のブラストノズルを設け、1個のブラストノズルにより上記金属被膜を上記樹脂材から完全に剥離させるに要するブラスト時間を各ブラストノズルによって分担させるようにして、各ブラストノズルにより順次ブラスト処理を行うことを特徴とする、樹脂表面の金属被膜の除去方法。
  2. 表面に金属被膜が付着形成された樹脂材を具備して構成されている処理対象物の上記樹脂材を再生処理するための方法であって、
    出口圧力が0.3〜1.2kg/cm2 (ゲージ圧)とされた低圧空気発生源により発生させられる低圧高速空気流に混入させた研掃材を上記金属被膜の表面に吹きつけてブラスト処理を行う複数のブラストノズルを設け、1個のブラストノズルにより上記金属被膜を上記樹脂材から完全に剥離させるに要するブラスト時間を各ブラストノズルによって分担させるようにして、各ブラストノズルにより順次ブラスト処理を行い、上記樹脂材の表面から上記金属被膜を剥離除去する工程を有していることを特徴とする、金属被膜を有する樹脂材の再生処理方法。
  3. 上記処理対象物は、円板状または中空円板状の樹脂材の表面にアルミなどの金属の薄膜を付着形成した光ディスクなどの情報記憶用のディスクである、請求項2に記載の金属被膜を有する樹脂材の再生処理方法。
  4. 上記処理対象物は、所望の形状に樹脂成形された樹脂材の表面に金属メッキが施された自動車部品またはOA機器部品である、請求項2に記載の金属被膜を有する樹脂材の再生処理方法。
  5. 請求項2ないしのいずれかに記載の金属被膜を有する樹脂材の再生処理方法によって再生処理されたことを特徴とする、樹脂材。
  6. 表面に金属被膜が付着形成された樹脂材を具備して構成されている処理対象物の上記樹脂材を再生処理するための装置であって、
    上記処理対象物を一定の経路で搬送するための搬送装置と、上記搬送装置の搬送経路上に沿って設けられ、出口圧力が0.3〜1.2kg/cm 2 (ゲージ圧)とされた低圧空気発生源により発生させられる低圧高速空気流に混入した研掃材を吹きつける低圧ブラスト処理を行う複数のブラストノズルと、を備え、
    1個のブラストノズルにより上記金属被膜を上記樹脂材から完全に剥離するまでのブラスト時間を、各ブラストノズルによって分担してブラスト処理を行うように構成したことを特徴とする、金属被膜を有する樹脂材の再生処理装置。
  7. 上記処理対象物が上記ブラスト装置によってブラスト処理されるときにこの処理対象物を上記搬送装置の搬送経路上において回転させる機構を備えている、請求項に記載の金属被膜を有する樹脂材の再生処理装置。
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