JP4047495B2 - 回転炉床法の排ガス処理設備の操業方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化金属の還元を回転炉床法にて行う際に発生する高温の排ガスの冷却および集塵を効率的に行い、廃熱回収を行うための設備に関するものであり、また、排ガスダスト経路の閉塞と壁の腐蝕の防止、および、集塵機の酸腐蝕やフィルターの焼損等の防止をする技術を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
還元鉄や合金鉄を製造するプロセスとしては各種のものがあるが、この内で、生産性の高いプロセスとして、回転炉床法が実施されている。回転炉床法は、固定した耐火物の天井および側壁の下で、中央部を欠いた円盤状の耐火物の炉床がレールの上を一定速度で回転する型式の焼成炉(以下、回転炉と称す)を主体とするプロセスであり、酸化金属の還元に用いられる。通常、回転炉の炉床の直径は10メートルから50メートル、かつ、炉床の幅は2メートルから6メートルを有するものである。
【0003】
原料の酸化金属を含む粉体は、炭素系の還元剤と混合された後、原料ペレットにされて、回転炉に供給される。原料ペレットはこの炉床上に敷きつめられており、原料ペレットが炉床上に静置されていることから、原料ペレットが炉内で崩壊しづらいといった利点がある。その結果、耐火物上に粉化した原料が付着する問題が無く、また、塊の製品歩留が高い。更に、生産性が高く、安価な石炭系の還元剤や粉原料を使用できる、と言った理由から、近年、実施される例が増加している。回転炉床法は、高炉、転炉、電気炉から発生する製鉄ダストや圧延工程でのシックナースラジの還元と不純物除去の処理にも有効であり、ダスト処理プロセスとしても使用され、資源リサイクルに有効なプロセスでもある。
【0004】
回転炉床法の操業の概略は以下の通りである。まず、原料である鉱石やダスト、スラジの金属酸化物にこの酸化物の還元に必要な量の炭素系還元剤をよく混合した後、パンペレタイザー等の造粒機にて、平均水分が約10質量%となるように、水をかけながら、数mmから十数mmのペレットを製造する。原料の鉱石や還元剤の粒径が大きい場合は、ボールミル等の粉砕機で粉砕した後に、混練して、造粒することが行われている。
【0005】
このペレットは回転炉床上に層状に供給され、炉床上に敷込まれたペレットは急速に加熱され、5分間から20分間、1300℃前後の高温で焼成される。この際に、ペレットに混合されている還元剤により酸化金属が還元され、金属が生成する。還元剤中の固定炭素分はほぼ酸化される金属と化合している酸素量で求まる量である。炭素の反応としては、還元には、固定炭素のみが関与して、その反応は一酸化炭素まで進行するものと近いものである。金属化率は還元される金属により異なるが、鉄、ニッケル、マンガンでは、95%以上、還元しづらいクロムでも50%以上となる。
【0006】
この回転炉からは、還元剤である炭素と燃料の重油や天然ガスの燃焼により、発生する二酸化炭素と水蒸気を多量に含む高温の排ガスが発生する。この排ガスは、原料1トン当たり2000Nm3から3000Nm3排出される。この排ガスはダクト入口で、約1000℃であり、炉内から発生したダストを含んでおり、排ガスダクトを経由して、水散布等の方法で冷却された後に、集塵されて、大気に放散される。回転炉床法は、酸化金属の還元反応に伴い、亜鉛、鉛、塩素等の不純物が揮発除去されることから、比較的ダスト発生量の多いプロセスである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述した様に、回転炉床法による金属の還元炉においては、ダストを含む大量の排ガスが発生することから、効率的なガスの冷却方法が求められていた。つまり、従来法においては、回転炉から発生する排ガスは、高温であり、大量のダストを含んでいることが理由で発生する技術的な問題が解決されておらず、排ガス経路の内面への排ガス内のダストの付着を防止しつつ、効率的に排ガスを冷却する良い技術がなかった。
【0008】
回転炉からの高温の排ガスが保有する顕熱量は、この回転炉の全投入エネルギーの30%から40%になり、熱効率の良い操業のためには、排ガスの廃熱回収は重要な役割がある。しかし、高温の排ガスの廃熱回収を行なうとする際には、廃熱ボイラーや熱交換器の伝熱面にダストが強固に付着したり、これらの表面の金属を腐蝕したりする問題があった。その結果、従来法においては、ボイラーや熱交換器の閉塞の問題から、短期間の周期で、プラントを休止して、ダスト清掃を行うことになり、設備の稼働率が低下していた。この問題があることから、例えば、United States Patent 3,836,353に見られるように、排ガスを急速に冷却すれば、この問題を解決できることから、廃熱回収を行わないことが、一般的であった。
【0009】
回転炉で、特に、廃熱回収を実施しづらいのは、以下の理由である。回転炉から発生するダストは、酸化鉄等の原料が飛散したものだけでなく、アルカリ金属、亜鉛、鉛、その他の揮発性の金属と塩素や亜硫酸基の陰イオン物質を多く含んでいる。特に、アルカリ金属塩と亜鉛化合物は、排ガスダクト入口の1000℃の部分では、蒸気で存在しており、これが排ガス温度が低下すると共に、液体として析出を始める。
【0010】
この液体と固体で飛散したダスト成分が、高粘性のエマルジョンを形成する。これが、排ガス経路に付着するため、経路が狭くなった部分で閉塞を起こしやすい問題があった。つまり、廃熱回収を行うため、ボイラーや熱交換器を設置すると、この部分で排ガス経路が狭くなり、閉塞を起こしやすい。アルカリ金属塩の液体は腐食性が強く、このエマルジョン付着部分での金属腐食の問題もあった。したがって、これらの問題を解決して、回転炉床法による還元炉において、廃熱回収を効率的に行う排ガス処理設備と操業方法が求められていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(1)から(6)の通りである。
(1) 回転床を有する金属の還元炉において、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロムの少なくとも一類を有する原料粉体であって、当該原料粉体がアルカリ金属及び亜鉛を含む場合に、当該原料粉体を還元する際に、当該還元炉から発生する排ガスの経路に、付着ダスト除去装置を有する廃熱ボイラー、水散布もしくは空気導入弁による排ガス冷却器、付着ダスト除去装置を有する熱交換器、および、集塵機を、前記の順に設置し、当該熱交換器でのダスト付着状況と熱交換効率を判断基準として、熱交換器入口温度の目標値を決定して、かつ、当該集塵機での設備損傷と酸腐食により決まる集塵機入口温度の目標値を決定して、熱交換器排ガス流量、熱交換器入口温度の目標値と測定値の偏差、および、集塵機入口温度の目標値と測定値の偏差を変数として、水散布もしくは空気導入弁による排ガス冷却器からの冷媒の流量を制御することを特徴とする回転炉床法での排ガス処理装置の操業方法。
(2) 回転床を有する金属の還元炉において、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロムの少なくとも一類を有する原料粉体であって、当該原料粉体がアルカリ金属及び亜鉛を含む場合に、当該原料粉体を還元する際に、当該還元炉から発生する排ガスの経路に、付着ダスト除去装置を有する廃熱ボイラー、水散布もしくは空気導入弁による排ガス冷却器、付着ダスト除去装置を有する熱交換器、水散布もしくは空気導入弁による排ガス冷却器、および、集塵機を、前記の順に設置し、当該熱交換器でのダスト付着状況と熱交換効率を判断基準として、熱交換器入口温度の目標値を決定して、かつ、当該集塵機での設備損傷と酸腐食により決まる集塵機入口温度の目標値を決定して、熱交換器排ガス流量、熱交換器入口温度の目標値と測定値の偏差、および、集塵機入口温度の目標値と測定値の偏差を変数として、2基設置してある水散布もしくは空気導入弁による排ガス冷却器の片方または両方からの冷媒の流量を制御することを特徴とする回転炉床法での排ガス処理装置の操業方法。
(3) 廃熱ボイラーの入口の排ガス温度を800℃以上、かつ、出口の排ガス温度を600℃以下、かつ、熱交換器入口の排ガス温度の目標値を400℃から550℃の間にすることを特徴とする(1)に記載の回転炉床法での排ガス処理設備の操業方法。
(4) 廃熱ボイラーの入口の排ガス温度を800℃以上、かつ、出口の排ガス温度を600℃以下、かつ、熱交換器入口の排ガス温度の目標値を400℃から550℃の間にすることを特徴とする(2)に記載の回転炉床法での排ガス処理設備の操業方法。
(5) 集塵機としてバグフィルター式集塵装置を用いる排ガス処理設備において、この入口の排ガス温度目標値を120℃以上、190℃以下に制御することを特徴とする(1)に記載の回転炉床法での排ガス処理設備の操業方法。
(6) 集塵機としてバグフィルター式集塵装置を用いる排ガス処理設備において、この入口の排ガス温度目標値を120℃以上、190℃以下に制御することを特徴とする(2)に記載の回転炉床法での排ガス処理設備の操業方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
まず、回転炉床法の設備を図1に示す。粉の酸化金属と石炭の混合物のペレットが回転炉1の炉内の回転する炉床上に供給される。このペレットは、高温雰囲気で還元され、炉外へ排出される。
【0013】
この時に発生した排ガスは、排ガス導入ダクト2から、排ガス処理設備に導入される。次に、廃熱ボイラー3にて、排ガスが冷却されて、廃熱ボイラー3からは蒸気が回収される。次に、排ガス冷却器4にて、更に冷却される。ここでは、水噴霧式の冷却器を用いたが、空気導入弁式の冷却器でも良い。この排ガスは、更に、熱交換器5にて空気と熱交換して、冷却される。この時に熱交換により加熱された空気は、回転炉1の燃焼用空気やペレットの事前乾燥用熱風として用いられる。次に、排ガスは、集塵機6にてダストを除去した後に、誘引ファン7の動力にて、煙突8から大気に放散される。なお、この回転炉床法設備が設置してある工場で利用できる蒸気量が少ない場合には、廃熱ボイラー3の前に、排ガス冷却器を設置して、予め排ガスを冷却することもある。
【0014】
ダスト付着による伝熱面の汚れを防止して廃熱を効率的に回収し、かつ、ダスト付着を防止するためには、廃熱ボイラー3と熱交換器5にダスト除去装置を設置する。ダスト除去装置は種々のものがあるが、高圧のガスや蒸気を吹き付けるスートブロー式や加振式のものが一般的である。
【0015】
前述したように、回転炉から発生する排ガス中のダストには、アルカリ金属や亜鉛の化合物が存在しており、この化合物は550℃程度以上の高温では、融体であることがダスト付着の要因となっている。本発明者らは、この解決のために、アルカリ金属や亜鉛の化合物が蒸気から液体へと析出する温度域を廃熱ボイラーで冷却することが重要であることを見いだした。
【0016】
塩化ナトリウムや塩化亜鉛の飽和蒸気圧と排ガス内の実蒸気圧の関係から、これらは、約800℃以下で蒸気から析出を開始し、約600℃で析出を終了する。この温度領域では,これらの化合物は液体であり、通常のダクト内では、例えば酸化鉄のような、他の固体ダストと高粘性のエマルジョンを形成して、強固な付着物を形成する。つまり、800℃から600℃の温度領域を廃熱ボイラーで冷却することにより、高粘性のエマルジョンの形成を防止することが重要であることを、本発明者らは見いだした。
【0017】
その理由は以下の通りである。ボイラーチューブの内部の蒸気や熱水との伝熱係数は、ガス側の外面のものよりも非常に大きいことから、廃熱ボイラーチューブのガス側の金属面の温度は、ボイラー内部の蒸気もしくは熱水の温度とほぼ同等であり、わずかに5℃程度高いだけである。通常の廃熱ボイラーの蒸気温度は、500℃以下であり、ボイラーチューブのガス側の金属面の温度は、505℃以下となる。塩化ナトリウムや塩化亜鉛等の蒸気から析出してきたダスト成分の凝固温度は、約550℃であり、この金属面温度では、これらはボイラーチューブ面で固体となる。その結果、高粘性のエマルジョンを形成しなくなり、付着強度が低下するため、ダスト除去装置で容易にダストが落とせる。このように、排ガス温度は、廃熱ボイラーの入口で800℃以上、出口で600℃以下が望ましい。
【0018】
更に、排ガスは、熱交換器5で熱回収されるが、この部分の温度も重要な操業要因である。つまり、熱交換器の排ガス温度が高すぎると、廃熱ボイラーにて付着し終わらなかった塩化ナトリウムや塩化亜鉛等は液体状態で、熱交換器金属面に付着して、閉塞や金属腐食の問題を起こす。また、排ガス温度が低すぎると、熱交換器の効率が悪化する。
【0019】
前述したように、塩化ナトリウムや塩化亜鉛等は液体の凝固温度である550℃以下の温度であれば、高粘性のエマルジョンを形成しないことから、付着物の粘着性が弱く、かつ、腐蝕性も弱い。したがって、熱交換器入口の排ガス温度は、550℃以下であることが望ましい。また、この部分の排ガス温度が400℃以下では、熱交換効率が悪くなるため、効率的な熱回収ができなくなる。つまり、排ガス温度は、熱交換器の入口で、550℃以下、かつ、400℃以上が望ましい。
【0020】
そこで、熱交換器入口の排ガス温度を制御することが重要となる。廃熱ボイラーと熱交換器の熱交換効率は、休止点検時のチューブ表面清掃の後、経時的に低下していく。その結果、廃熱ボイラーの出口の排ガス温度は、時間とともに上がっていく。したがって、熱交換器の入口温度を制御しようとした場合は、廃熱ボイラー3と熱交換器5の間に、排ガス温度を調整する機能を有する排ガス冷却器が必要となる。この理由で、水散布装置もしくは空気導入弁の方式による排ガス冷却器4が設置してある。
【0021】
また、熱交換器の後に設置してある集塵機6は、湿式スクラバー、電気集塵機、バグフィルター等を用いるが、各々の集塵機に於ける最適温度があり、この部位の排ガス温度も制御する。特に、バグフィルターの場合は、温度が190℃以上と高すぎると、フィルターが焼損し、また、温度が120℃以下と低すぎる場合は、酸腐蝕が発生することから、この範囲に集塵機入口の排ガス温度を制御する必要がある。
【0022】
前記の排ガス冷却器4では、熱交換器入口と集塵機入口の温度を所定の範囲内になるように、冷媒である水や空気の導入流量を制御する。そのためには、排ガス流量計測器9、熱交換器入口の排ガス温度の計測器10、集塵機入口の排ガス温度の計測器11から得られた計測値をもとに、各々の実測値と目標値の偏差を基本パラメーターとして、制御機器12で制御演算を行い、その演算結果により、排ガス冷却器4から排ガス経路内へ導入される冷媒の流量を制御する。この時、制御用の補助的な計測値として、廃熱ボイラー出口の排ガス温度を測定して、これを制御パラメーターとして使用することも有効である。
【0023】
制御方法としては、熱交換器の入口と集塵機の入口の排ガス温度の目標値を設定して、実測された温度との差分と排ガス流量から計算される排ガスの時間当たりの熱容量から、必要な冷媒の流量を計算し、これをもとに、流量弁を制御して、排ガス温度調整を行う。この時、制御のバラツキの大きさと熱交換機の熱交換量の実績を考慮して、前記した温度範囲の内で、各々の排ガス温度の目標値は選定される。
【0024】
また、例えば、ダスト発生の多い原料を使用する場合などは、廃熱ボイラー3と熱交換器5の汚れが大きく、これらの部位での伝熱係数が大きく変化することから、排ガス冷却器4のみで、熱交換器入口と集塵機入口の排ガス温度を適正な範囲の制御できないこともある。この際は、図2に示すように、熱交換器5と集塵機6の間に、もう一台の排ガス冷却器13を設置することもある。この際も、前記の計測値をもとに、制御機器12で冷媒の流量を制御する。また、この際は、補助的に、熱交換器出口の排ガス温度を計測し、これを制御パラメーターをすることは、制御精度を向上させるために有効である。
【0025】
【実施例】
図1は、本発明を用いた回転炉床による還元炉の排ガス処理設備の実施例である。この還元炉は、原料ペレットを毎時20トン還元するもので、1100℃の排ガスが、毎時47000ノルマル立方メートル発生する。
【0026】
スートブロー装置付きの廃熱ボイラー3にて、1100℃の排ガスは550℃まで冷却される。この時、15気圧270℃の蒸気を毎時13トン回収することができた。この排ガスは、水噴霧式の排ガス冷却器4にて、470℃を目標値として、冷却され、スートブロー装置付きの熱交換器5に送られた。この時の水噴霧量は、毎時250kgであった。排ガス流量は安定しているため、熱交換器入口の排ガス温度は、455℃から、490℃の範囲で制御された。
【0027】
その排ガスは、熱交換器5にて、145℃から165℃に冷却され、バグフィルター式の集塵機6で除塵されて、誘引ファン7、煙突8を経由して、大気に放散された。熱交換器では、還元炉の燃焼用空気が加熱されて、370℃の空気となって、還元炉1に送られた。
【0028】
排ガス温度の制御は、熱交換器入口の排ガス温度を第一制御目標として、この目標温度を極力高く、かつ、集塵機入口の排ガス温度を目標の内に入るように設定する。この設定温度は、熱交換器の伝熱性能の変化に影響を受けるため、熱交換器入口と集塵機入口の排ガス温度の実績値により、補正計算できる制御ロジックを構築した。
【0029】
廃熱ボイラーでは、ダスト付着はさほどにひどくなく、1日に3回のブローによるダスト除去で十分であった。また、熱交換器でも、1日に2回のブローによるダスト除去で十分であった。
【0030】
この結果、燃焼用の空気の予熱により、燃料エネルギー原単位が約9%低減でき、また、回収した蒸気は、全投入熱量の11%に相当した。更に、従来法に基づく設備では、排ガスの冷却に水や冷風を用いたことから、冷却後の排ガス流量が増加して、誘引ファンの電力も増加する問題があったが、本発明により、排ガス流量の増加が大幅に減少して、誘引ファンの電力は、約45%削減できた。
【0031】
つまり、本発明を用いた回転炉床法による還元炉の排ガス処理設備によって、20%から25%のエネルギー節約が行えた。更に、ダスト付着による排ガス経路の閉塞の問題も解決して、従来では、2週間毎に排ガス処理設備のダスト清掃を行っていたものが、2ヶ月間の連続運転ができるようになった。
【0032】
このように、本発明を用いることにより、エネルギー効率の高い、かつ、稼働率の高い、酸化金属の還元を行うことができて、金属製造の費用を大幅に低減できた。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、回転炉床による還元炉において、高温の排ガスから廃熱を回収して、蒸気と予熱空気を得て、還元炉の熱効率を高めることができる。また、ダスト付着による排ガス経路の閉塞の問題点も解決することができ、従来法よりも高い稼働率で操業できるようになり、生産量が増加する効果も得られた。その結果、還元金属の製造費を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いた回転炉床による還元炉の排ガス処理設備の図である。
【図2】本発明を用いた回転炉床による還元炉の排ガス処理設備の図である。
【符号の説明】
1 回転炉
2 排ガス導入ダクト
3 廃熱ボイラー
4 排ガス冷却器
5 熱交換器
6 集塵機
7 誘引ファン
8 煙突
9 排ガス流量計測器
10 交換器入口の排ガス温度の計測器
11 集塵機入口の排ガス温度の計測器
12 制御機器
13 排ガス冷却器(その2)
Claims (6)
- 回転床を有する金属の還元炉において、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロムの少なくとも一類を有する原料粉体であって、当該原料粉体がアルカリ金属及び亜鉛を含む場合に、当該原料粉体を還元する際に、当該還元炉から発生する排ガスの経路に、付着ダスト除去装置を有する廃熱ボイラー、水散布もしくは空気導入弁による排ガス冷却器、付着ダスト除去装置を有する熱交換器、および、集塵機を、前記の順に設置し、当該熱交換器でのダスト付着状況と熱交換効率を判断基準として、熱交換器入口温度の目標値を決定して、かつ、当該集塵機での設備損傷と酸腐食により決まる集塵機入口温度の目標値を決定して、熱交換器排ガス流量、熱交換器入口温度の目標値と測定値の偏差、および、集塵機入口温度の目標値と測定値の偏差を変数として、水散布もしくは空気導入弁による排ガス冷却器からの冷媒の流量を制御することを特徴とする回転炉床法での排ガス処理装置の操業方法。
- 回転床を有する金属の還元炉において、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロムの少なくとも一類を有する原料粉体であって、当該原料粉体がアルカリ金属及び亜鉛を含む場合に、当該原料粉体を還元する際に、当該還元炉から発生する排ガスの経路に、付着ダスト除去装置を有する廃熱ボイラー、水散布もしくは空気導入弁による排ガス冷却器、付着ダスト除去装置を有する熱交換器、水散布もしくは空気導入弁による排ガス冷却器、および、集塵機を、前記の順に設置し、当該熱交換器でのダスト付着状況と熱交換効率を判断基準として、熱交換器入口温度の目標値を決定して、かつ、当該集塵機での設備損傷と酸腐食により決まる集塵機入口温度の目標値を決定して、熱交換器排ガス流量、熱交換器入口温度の目標値と測定値の偏差、および、集塵機入口温度の目標値と測定値の偏差を変数として、2基設置してある水散布もしくは空気導入弁による排ガス冷却器の片方または両方からの冷媒の流量を制御することを特徴とする回転炉床法での排ガス処理装置の操業方法。
- 廃熱ボイラーの入口の排ガス温度を800℃以上、かつ、出口の排ガス温度を600℃以下、かつ、熱交換器入口の排ガス温度の目標値を400℃から550℃の間にすることを特徴とする請求項1に記載の回転炉床法での排ガス処理設備の操業方法。
- 廃熱ボイラーの入口の排ガス温度を800℃以上、かつ、出口の排ガス温度を600℃以下、かつ、熱交換器入口の排ガス温度の目標値を400℃から550℃の間にすることを特徴とする請求項2に記載の回転炉床法での排ガス処理設備の操業方法。
- 集塵機としてバグフィルター式集塵装置を用いる排ガス処理設備において、この入口の排ガス温度目標値を120℃以上、190℃以下に制御することを特徴とする請求項1に記載の回転炉床法での排ガス処理設備の操業方法。
- 集塵機としてバグフィルター式集塵装置を用いる排ガス処理設備において、この入口の排ガス温度目標値を120℃以上、190℃以下に制御することを特徴とする請求項2に記載の回転炉床法での排ガス処理設備の操業方法。
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