JP4047410B2 - グリコシルトランスフェラーゼをコードする対立遺伝子のタイプ分け - Google Patents

グリコシルトランスフェラーゼをコードする対立遺伝子のタイプ分け Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分子生物学及び核酸化学の分野に関する。より詳細には、本発明は、A,B及びH抗原血液型を決定するグリコシルトランスフェラーゼ酵素をコードする対立遺伝子を遺伝子型分類するための方法及び試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】
ABO型分類は法医学者により実施される最とも古い従来の血清学である。Karl Landsteinerは、1901年にABO式血液システムを発見し、そして疑わしい父系の場合への使用のための血液分類方法を開発した。この試験のための基礎は、赤血球及び他の細胞型(たとえば上皮)上に見出されるA,B及びH抗原との抗体反応性である。法医学者は、A,B,O及びAB表現型を区別するために直接的(完全な血液)又は間接的(乾燥された染料)凝集アッセイのいづれかにおいてA型−及びB型−抗原に対するポリクローナル抗体を用いる。通常、タイプH−抗原のための抗血清は使用されず;O型個人からの血液はA型−又はB型−抗血清のいづれとも凝集しない。H型−抗原のための特定の抗血清が存在しなければ、AA表現型はAO表現型から区別され得ず、そしてBB表現型はBO表現型から区別され得ない。
【0003】
A,B及びH抗原の分子的基礎は知られている。抗原A及びBは、2種のグリコシルトランスフェラーゼの作用によりHオリゴ糖から誘導される。血液型Aを有する個人は、N−アセチルガラクトサミンをH抗原に輸送してA抗原を形成するトランスフェラーゼB活性を発現する。血液型Oを有する個人は、機能的グリコシルトランスフェラーゼを欠いており、そして細胞表面上に変性されていないH抗原のみを発現する。
【0004】
ABOグリコシルトランスフェラーゼ多型現象の遺伝子基礎もまた知られている。Yamamotoなど(1990,Nature 345(17):229−233)は、既知のABO型の個人から単離されたcDNAの配列分析を報告している。A及びBトランスフェラーゼをコードするcDNAは、1062個の長さの塩基対であり、そして353個のアミノ酸のタンパク質をコードする。A及びB対立遺伝子配列は、7個のヌクレオチドでお互い異なっており、そして4個のアミノ酸で異なるタンパク質をコードしており、これらはA及びBトランスフェラーゼの異なった特異性を説明する。コード配列の位置258で、O対立遺伝子は単一の塩基対欠失によりA及びB対立遺伝子と異なり、これはその得られる翻訳のフレームシフトのために、ヌクレオチド349〜351で停止コドンを創造する。O対立遺伝子によりコードされる、切断された155個のアミノ酸のタンパク質はトランスフェラーゼの機能的ドメインを欠いている。
【0005】
ポリメラーゼ鎖反応(PCR)、すなちわ核酸の特定配列を増幅するための方法の発明は、これまで検出されない低い量でサンプルに存在する核酸の急速な検出を可能にする(アメリカ特許第4,683,195号;第4,683,202号;及び第4,965,188号を参照のこと)。増幅された核酸配列の分析は、種々の手段により実施され得る。
【0006】
たとえば、PCR−増幅された核酸を用いてのABO遺伝子型の検出は、制限酵素切断パターンにより(Lee and Chang,1992,J.For ensic SciencesJFSCA 17(5):1269〜1275;及びO’keefe and Dobrovic,1993,Human Mutation :67〜70を参照のこと)、及び変性グラジエントゲル電気泳動により(Johnson and Hopkinson,1992,Human Mol.Gen(5):341〜344を参照のこと)実施され得る。対立遺伝子−特異的PCR増幅を用いてのABO遺伝子型の検出は、Ugozzoli and Wallace,1992,Genomics 12:670〜674により記載された。
【0007】
【発明の概要】
本発明は、ABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子における新規に発見されたヌクレオチド配列多型現象に関する。以前に定義されたO型対立遺伝子及びB型対立遺伝子は、新規に発見された多型部位に存在する変異核酸配列に基づいて再分される。本発明は、新規に発見された対立遺伝子配列変異体を検出するための方法及び試薬を提供する。
【0008】
本発明の1つの観点は、ABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子のコード配列のヌクレオチド位置239の上流に存在するこれまで知られていないイントロン配列に関する。58個の塩基対配列(その内の塩基22〜58が新規に発見された)がABO対立遺伝子間に保持されているが、但し、位置29,32及び33での多型部位を除く。ヌクレオチド位置29の多型部位での単一の塩基対の変化がO対立遺伝子の共通のサブタイプに見出される。ヌクレオチド位置33の多型部位での単一の塩基対の変化は、O対立遺伝子の共通性の低いサブタイプを識別する。ヌクレオチド位置32の多型部位での単一の塩基対の変化は、B対立遺伝子のサブタイプを識別する。
【0009】
本発明のもう1つの観点は、本発明により提供される新規に発見されたABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子イントロン配列に含まれる、少なくとも10個の長さのヌクレオチドの配列を含んで成る単離されたオリゴヌクレオチドに関する。それらのオリゴヌクレオチドは、増幅プライマー、検出プローブ、及び既知の標的配列を提供するために反応に添加される陽性の対照配列として有用である。陽性の対照配列として使用するためには、オリゴヌクレオチドは好ましくは、DNAベクター、たとえばプラスミドに含まれる。
【0010】
本発明のもう1つの観点は、新規に発見された多型部位を包含する遺伝子の領域における新規に発見された変異ABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子のいづれかの鎖に対して正確に又は実質的に相補的であり、そして前記多型部位で正確に相補的である単離されたオリゴヌクレオチドに関する。それらのオリゴヌクレオチドは、配列特異的増幅プライマー、配列特異的検出プローブ、及び既知の標的配列を提供するために反応に添加される陽性の対照配列として有用である。
【0011】
検出プローブとして使用される場合、オリゴヌクレオチドは核酸ハイブリダイゼーションによる変異対立遺伝子配列の検出を可能にする。増幅プライマーとして使用される場合、オリゴヌクレオチドは変異対立遺伝子からの核酸の配列特異的増幅を可能にする。配列特異的増幅又は検出への使用のためには、オリゴヌクレオチドは好ましくは、約15〜約35個の長さのヌクレオチドである。
【0012】
本発明のもう1つの観点は、個人から得られた核酸を含むサンプルからABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子の対立遺伝子配列変異体を検出するための方法に関し、ここでこの方法は1又は複数の新規に発見された多型部位に存在する塩基対を検出することを含んで成る。本発明の好ましい態様においては、多型部位に存在する塩基対は、多型部位を包含する遺伝子の領域中に新規に発見された変異ABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子のいづれかの鎖に対して正確に又は実質的に相補的であり、そして前記変異配列に対して多型部位で正確に相補的であるオリゴヌクレオチドとサンプル核酸とをハイブリダイズさせることによって同定される。
【0013】
ハイブリダイゼーションは、サンプル核酸が変異標的対立遺伝子配列を含む場合にのみ安定したハイブリッド複合体を形成するために、オリゴヌクレオチドが核酸に結合するような十分な緊縮(ストリンジエント)条件下で実施される。サンプル中の変異対立遺伝子配列の存在は、オリゴヌクレオチドとサンプル核酸との間に形成される安定したハイブリッド複合体の存在又は不在を検出することによって決定される。本発明の好ましい態様においては、対立遺伝子配列変異体の検出は、ABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子座で個人の遺伝子型を決定するために実施される。
【0014】
安定したハイブリッド複合体の存在は、当業界において知られているいづれかの手段により実施され得る。標的核酸又はハイブリッド複合体の検出を可能にするためのオリゴヌクレオチドプローブのいづれかに結合される検出可能なラベルを利用する種々の検出アッセイ型は良く知られている。典型的には、ハイブリダイゼーション複合体はハイブリダイズされていない核酸から分離され、そして次に、その複合体に結合されるラベルが検出される。他方、増幅反応は、安定したハイブリダイゼーション複合体が存在する場合でのみ、増幅が生じるような条件下でプライマーの1つとしてオリゴヌクレオチドを用いて実施され得る。増幅されたDNAの存在は、安定したハイブリダイズ複合体の存在、及び続いて、サンプル中の標的配列の存在のインジケーターとして機能する。
【0015】
十分な核酸がサンプルに存在する場合、オリゴヌクレオチドプローブハイブリダイゼーションによる検出が、標的配列の従来の増幅を伴わないで実施され得る。しかしながら、本発明の好ましい態様においては、サンプルは増幅された核酸を含み、ここでプローブハイブリダイゼーションを包含するABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子の領域が増幅される。インビトロでの核酸の領域のコピー数を高めるための既知の方法のいづれかが、核酸を増幅するために使用され得る。ポリメラーゼ鎖反応(PCR)は好ましい増幅反応である。本発明のもう1つの観点は、本明細書に提供される新規に発見されたイントロン配列にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅反応を実施することを含んで成るABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子の領域を増幅するための方法である。
【0016】
本発明のもう1つの方法は、個人のABO遺伝子型を決定するのに有用なキットに関する。それらのキットは、種々の形を取り、そして1又は複数のプローブを含んで成り、そして1つの態様においては、ABO遺伝子型を決定するために十分なプローブのパネルを含んで成る。キットはまた、1又は複数の増幅試薬、たとえばプライマー、ポリメラーゼ、緩衝液、及びヌクレオシド三リン酸も含むことができる。
本発明のもう1つの観点は、生物学的サンプルのプローブできる起源を決定するための法廷上の方法に関する。追加の対立遺伝子の発見は、ABO DNA型決定法の識別力を実質的に改良する。
【0017】
【発明の具体的記載】
本発明を理解するために、いくつかの用語が下記に定義される。用語“ABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子”、“ABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子座”、“ABO遺伝子”、及び“ABO遺伝子座”は、ABOグリコシルトランスフェラーゼタンパク質をコードする翻訳される配列及び翻訳されない介在配列を包含するゲノム核酸配列を意味する。本明細書において使用される場合、遺伝子のヌクレオチド配列は、エキソンとして言及されるコード領域及びイントロンとして言及される介在非コード領域の両者を包含する。
【0018】
用語“対立遺伝子”とは、遺伝子のヌクレオチド配列のバリアントを意味する。ABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子“A”対立遺伝子は、N−アセチルガラクトサミノシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードする配列バリアントを意味する。“B”対立遺伝子は、ガラクトシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードする配列バリアントを意味する。“O”対立遺伝子は、グリコシルトランスフェラーゼ活性を欠いているタンパク質をコードするABO遺伝子の配列バリアントを意味する。O対立遺伝子は、得られる翻訳フレームシフトにより、ヌクレオチド349〜351で停止コドンを創造する、A及びB対立遺伝子に関する位置258で単一の塩基対欠失を含む。O対立遺伝子によりコードされる切断された155個のアミノ酸のタンパク質は、トランスフェラーゼの機能的ドメインを欠いている。
【0019】
用語“遺伝子型”とは、個人又はサンプルに含まれる遺伝子の対立遺伝子の記載に言及する。
用語“多型性”及び“多型現象”とは、本明細書で使用される場合、特定のゲノム配列の複数のバリアントが集団で見出され得る状態を意味する。多型領域又は多型部位とは、多型現象が生じる核酸の領域を意味する。
【0020】
用語“核酸”及び“オリゴヌクレオチド”とは、検出されるべきプライマー、プローブ及びオリゴマーフラグメントを意味し、そしてポリデオキシリボヌクレオチド(2−デオキシ−D−リボースを含む)、ポリリボヌクレオチド(D−リボースを含む)、及びプリン又はピリミジン塩基、又は変性されたプリン又はピリミジン塩基のN−グリコシドである他のタイプのポリヌクレオチドを総称する。用語“核酸”と“オリゴヌクレオチド”との間に長さの意図された区別は存在せず、そしてそれらの用語は交換可能的に使用されるであろう。
【0021】
それらの用語は分子の一次構造のみに言及する。従って、それらの用語は、二及び一本鎖DNA、及び二及び一本鎖RNAを包含する。オリゴヌクレオチドは、いづれかの適切な方法、たとえば適切な配列のクローニング及び制限酵素処理、及び直接的な化学合成法、たとえばNarangなど.,1979,Meth.Enzymol68:90〜99のホスホトリエステル法;Brownなど.,1979,Meth.Enzymol68:109〜151のホスホジエステル法;Beaucageなど.,1981,Tetrahedron Lett22:1859〜1862のジエチルホスホラミジット法;及びアメリカ特許第4,458,066号の固体支持法により調製され得る。
【0022】
合成法のレビューは、Goodchild,1990,Bioconjugate Chemistry (3):165〜187に提供される。DNAベクター中にオリゴヌクレオチドを導入するための、たとえば陽性の対照として使用するための方法は当業界において良く知られており、そして引用により本明細書に記載される。
【0023】
用語“ハイブリダイゼーション”とは、相補的塩基対による2つの一本鎖核酸による複合構造体の形成を意味する。ハイブリダイゼーションは、正確に相補的な核酸鎖間で、又はミスマッチのマイナーな領域を含む核酸鎖間で生じ得る。本明細書で使用される場合、用語“実質的に相補的な”とは、ミスマッチされたヌクレオチドの合計数が約3よりも多くないミスマッチのマイナーな領域を除いて相補的である配列を意味する。正確に相補的な核酸鎖のみがハイブリダイズする条件は、“緊縮”又は“配列特異的”ハイブリダイゼーション条件として言及される。
【0024】
実質的に相補的な核酸の安定した複合体は、低い緊縮性のハイブリダイゼーション条件下で達成され得る。核酸技法の当業者は、多くの変数、たとえばオリゴヌクレオチドの長さ及び塩基対濃度、イオン強度、及びミスマッチされた塩基対の出現率を実験的に考慮して複合体の安定性を決定することができる。複合体の安定性を計算するためのコンピューターソフトウェアはNational Biosciences,Inc.(Plymouth,MN)から市販されており;OLIGOバージョン5参照マニュアルは引用により本明細書に組込まれている。
【0025】
オリゴヌクレオチドが正確に相補的な標的配列にのみハイブリダイズするであろう緊縮性の配列特異的ハイブリダイゼーション条件は当業界において良く知られている(たとえば、Sambrookなど.,1989,Molecular Cloning−A Laboratory Manual.Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New Yorkを参照のこと)。緊縮条件は、配列依存性であり、そして異なった環境下で異なるであろう。
【0026】
一般的に、緊縮条件は、定義されたイオン強度及びpHで、特定の配列のための熱溶融点(Tm)よりも約5℃低くなるように選択される。そのTmは、塩基対の50%が解離される温度である(定義されたイオン強度及びpH下で)。ハイブリダイズする条件の緊縮性の緩和は配列ミスマッチの耐性化を可能にし;耐性化されるミスマッチの程度はハイブリダイゼーション条件の安定した調節により制御され得る。
【0027】
用語“プローブ”とは、適切な条件下で標的核酸に選択的にハイブリダイズできるオリゴヌクレオチドを意味する。プローブは標的配列に対して正確に又は実質的に相補的な“ハイブリダイズ領域”を含み、そして多型部位で標的配列に対して正確に相補的であろう。十分に緊縮したハイブリダイゼーション条件下でプローブを用いて実施されるハイブリダイゼーションアッセイは、特定の標的配列の選択的検出を可能にする。配列における単一のヌクレオチドの差異の区別のためのハイブリダイゼーションアッセイへの使用のためには、プローブハイブリダイズ領域は好ましくは、約15個〜約35個の長さのヌクレオチドである。
【0028】
当業者は、一般的に、一定のプローブの正確な相補体がプローブとして同等に有用であることを認識している。プローブオリゴヌクレオチドはハイブリダイズ領域から成り、又はプローブの検出又は固定化を可能にするが、しかしハイブリダイズ領域のハイブリダイゼーション特徴を有意に変えない追加の特徴を含むことができる。たとえば、プローブハイブリダイズ領域は、逆ドット−ブロットアッセイへの使用のために固体支持体にプローブを固定化するために使用されるポリ−T“末端”に結合され得る。
【0029】
用語“プライマー”とは、核酸鎖に対して相補的なプライマー伸張生成物の合成が誘発される条件下で、すなわち4種の異なったヌクレオシド三リン酸及び適切な緩衝液において及び適切な温度での重合剤(すなわち、DNAポリメラーゼ又は逆転写酵素)の存在下でDNA合成の開始の点として使用することができるオリゴヌクレオチドを意味する。プライマーは好ましくは、一本鎖オリゴデオキシリボヌクレオチドである。プライマーは、標的配列に対して正確に又は実質的に相補的である“ハイブリダイズ領域”を含み、そして多型部位で標的配列に対して正確に相補的であろう。
【0030】
プライマー伸張が十分に緊縮なハイブリダイゼーション条件下で実施されるプライマーを用いて実施される増幅は、特定の標的配列の選択的な増幅を可能にする。配列における単一のヌクレオチド変化の区別のために配列特異的増幅への使用のためには、プライマーハイブリダイズ領域は好ましくは、約15〜約35ヌクレオチドの長さを有する。プライマー伸張はオリゴヌクレオチドの3’端で生じるので、多型部位は好ましくは、配列の区別を促進するためにプライマーの3’端で位置する。
【0031】
プライマーオリゴヌクレオチドは、全体としてハイブリダイズ領域から成るか、又は増幅された生成物の検出、固定化又は操作を可能にするが、しかしDNA合成の開始点として作用するプライマーの塩基性質を変えない追加の特徴を含むことができる。たとえば、増幅された生成物のクローニングを促進するためには、制限酵素切断部位を含む短い核酸配列はプライマーの5’端に結合され得る。
【0032】
用語“標的領域”は、分析される予定であり、そして通常、多型領域を含む核酸の領域を意味する。
分子生物学及び核酸化学の従来の技法は文献に十分に説明されている。たとえば、Sambrookなど.,1989,Molecular Cloning−A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York;Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.,1984);Nucleic Acid Hybridization(B.D.Hames and S.J.Higgins,eds.,1984);及びMethods in Enzymology(Academic Press,Inc.)を参照のこと。本明細書に言及されるすべての特許、特許出願及び出版物は引用により本明細書に組込まれる。
【0033】
ABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子ヌクレオチド配列
ABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子の領域のヌクレオチド配列は、配列番号1として提供され、そして下記表1において5’から3’の方向で示されている。配列番号1に使用される塩基コードは次の通りである:A=アデニン;C=シトシン;G=グアニン;T=チミン;R=アデニン又はグアニン;Y=シトシン又はチミン。表1中にイタリック体で示される配列番号1の位置1〜58から成る領域はイントロン領域である。
【0034】
配列番号1の位置59〜161はO対立遺伝子の完全なコード配列のヌクレオチド239〜341、及びA及びB対立遺伝子の完全なコード配列のヌクレオチド239〜257及び259〜342に対応する。O対立遺伝子内の多型部位(位置29,32及び113で“R”;位置33での“Y”)は下線で示されている。太字で示される位置22〜58から成るイントロン配列が新規に発見されている。
【0035】
O対立遺伝子核酸の1本鎖のみが表1に示されているが、当業者は配列番号1は二本鎖ゲノム核酸の領域を特定し、そして両鎖の配列は提供される配列情報により十分に特定されることを現解するであろう。表示の便利さのために、二本鎖ゲノムDNAの相補的塩基対がコロンにより分離されてここで示されている。相補的対の第1のヌクレオチドは、表1に示される一本鎖に存在するヌクレオチドを言及する。
【0036】
【表1】
Figure 0004047410
【0037】
上記に示されるように、O対立遺伝子は、コード配列のヌクレオチド位置258でA及びB対立遺伝子のコード配列に関して1つの塩基対欠失を含む。A及びB対立遺伝子は、A及びB対立遺伝子のコード配列のヌクレオチド258に対応する、配列番号1の位置77と78との間に追加のG:C塩基対を含む。結果的に、配列番号1の塩基78〜161は、O対立遺伝子のコード配列のヌクレオチド位置258〜341、及びA及びB対立遺伝子のコード配列のヌクレオチド位置259〜342に対応する。
【0038】
配列番号1内の多型部位に存在する特定の塩基対により区別される、ABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子の7個のヌクレオチド配列バリアント(対立遺伝子)が観察された。それらの7個の対立遺伝子は、本明細書においてO1 ,O2 ,O3 ,O4 ,A,B1 及びB2 として命名される。本明細書において使用される対立遺伝子の名称は、位置29,32,33及び113の多型部位に存在する特定の塩基対、及び配列番号1の位置77と78との間での追加のG:C塩基対の存在又は不在(表2において“G:C?”により示される)により下記表2に定義される。多型部位の位置は、配列番号1で番号付けされている。
【0039】
【表2】
Figure 0004047410
【0040】
配列番号1のイントロン配列中の位置29に存在するA:T/G:C多型現象は次のようにO対立遺伝子を2つのグループに再分割する:位置29でA:T塩基対を含むO1 及びO4 対立遺伝子、並びに位置29でG:C塩基対を含むO2 及びO3 対立遺伝子。位置29を包含する配列番号1の領域は、O対立遺伝子間を区別するために使用され得る新規の核酸配列を提供する。A及びB対立遺伝子におけるそれらの対応する位置は多型性ではなく、そしてG:C塩基対を含む。
【0041】
配列番号1のイントロン配列中の位置32に存在するA:T/G:C多型現象はB対立遺伝子をB1 (A:T)及びB2 (G:C)対立遺伝子に再分割する。従って、位置32を包含する配列番号1の領域はB対立遺伝子間を区別するために使用され得る新規の核酸標的配列を提供する。A及びO対立遺伝子のイントロン配列におけるそれらの対応する位置は多型性ではなく、そしてA:T塩基対を含む。
【0042】
配列番号1のイントロン配列中の位置33に存在するC:G/T:A多型現象は次のようにO対立遺伝子を2つのグループに再分割する:位置33でC:G塩基対を含むO1 ,O2 及びO3 対立遺伝子、並びに位置33でT:A塩基対を含むO4 対立遺伝子。従って、位置33を包含する配列番号1の領域は、O4 対立遺伝子を同定するために使用され得る新規の核酸標的配列を提供する。A及びB対立遺伝子のイントロン配列におけるそれらの対応する位置は、多型性ではなく、そしてC:G塩基対を含む。
配列番号1のイントロン配列中の位置1〜27及び34〜58はABO対立遺伝子間に保存される。それらの領域は、対立遺伝子タイプにかかわらず、ABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子の検出又は増幅のための新規の核酸標的配列を提供した。
【0043】
配列番号1のコード領域中の位置113に存在するG:C/A:T多型現象は、O1 ,O3 及びO4 対立遺伝子とO2 対立遺伝子を区別し、そしてまた、AとB対立遺伝子とを区別する。O1 ,O3 及びO4 対立遺伝子は位置113でG:C塩基対を含み、そしてB対立遺伝子はその対応する位置でG:C塩基対を含む。O2 対立遺伝子は位置113でA:T塩基対を含み、そしてA対立遺伝子はその対応する位置でA:T塩基対を含む。従って、位置113を包含する領域はA:T塩基対を含むA及びO2 対立遺伝子とG:C塩基対を含むB,O1 ,O3 及びO4 対立遺伝子のすべてとを区別するために使用され得る。
【0044】
本発明の方法においては、対立遺伝子配列変異体は、1又は複数の上記多型部位に存在する塩基対を検出することによって同定される。存在する塩基対は、1又は複数の多型部位を包含する遺伝子の領域を配列決定することによって、又は配列変異体間を区別するいづれかの手段により決定され得る。たとえば、ゲル電気泳動により測定される移動度の変化は、対立遺伝子配列を区別するために使用され得る。
【0045】
好ましいハイブリダイゼーション検出法は、相補性の程度で異なる、対立遺伝子核酸とプライマー又はプローブオリゴヌクレオチドとの間で形成される、ハイブリダイゼーション複合体の安定性の差異に基づかれている。十分に緊縮した条件下で、プローブ又はプライマーオリゴヌクレオチドと標的配列との間で形成される複合体のみが安定しているであろう。安定したハイブリダイゼーション複合体の存在は、多くの良く知られた方法のいづれかにより、たとえばラベルされたプローブにより又は増幅反応のために必要なプライマー伸張を実施する能力により検出され得る。
【0046】
本発明の1つの態様において、特定の多型部位に存在するヌクレオチドは、多型部位を包含する、配列番号1の標的領域又は配列番号1の相補体に対して正確に相補的なオリゴヌクレオチドによる配列特異的ハイブリダイゼーション条件下でのハイブリダイゼーションにより同定される。配列特異的ハイブリダイゼーション条件下で、多型部位を包含する領域における変異対立遺伝子に対して正確に相補的なオリゴヌクレオチドは変異対立遺伝子のみにハイブリダイズするであろう。従って、多型部位を包含する領域における対立遺伝子配列に対して正確に相補的である長さ約15〜約35個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドは本発明の範囲内である。
【0047】
本発明の他の態様において、特定の多型部位に存在するヌクレオチドは、配列番号1の標的領域に対して又は配列番号1の相補体に対して実質的に相補的である、すなわち約3個よりも多くのミスマッチを含ず、多型部位を包含し、そしていづれかの多型部位で標的配列に対して正確に相補的であるオリゴヌクレオチドとの、十分な緊縮ハイブリダイゼーション条件下でのハイブリダイゼーションにより同定される。
【0048】
非多型部位に存在するミスマッチはすべての対立遺伝子配列とのミスマッチであるので、標的配列と共に形成される複合体及び対応する非標的対立遺伝子配列と共に形成される複合体におけるミスマッチの数の差異は、標的配列に対して正確に相補的であるオリゴヌクレオチドが使用される場合、同じである。この態様において、ハイブリダイゼーション条件は、非標的配列との安定した複合体の形成を妨げるために十分な緊縮性を維持しながら、標的配列との安定した複合体の形成を可能にするために十分に緩和される。
【0049】
そのような十分に緊縮なハイブリダイゼーション条件下で、いづれかの多型部位で標的配列に対して正確に相補的であり、多型部位を包含する領域においてバリアント対立遺伝子に対して実質的に相補的であるオリゴヌクレオチドは、バリアント対立遺伝子に対してのみハイブリダイズするであろう。従って、多型部位を包含する領域における対立遺伝子配列に対して実質的に相補的であり、そしていづれかの多型部位で対立遺伝子配列に対して正確に相補的である長さ約15〜約35個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドは、本発明の範囲内である。
【0050】
正確にではなくむしろ実質的に相補的なオリゴヌクレオチドの使用は、ハイブリダイゼーション条件の最適化が制限されるアッセイ型においては所望される。たとえば、典型的な固定されたプローブアッセイ型においては、下記のように、複数のプローブが単一の固体支持体上に固定されている。ハイブリダイゼーションは、固体支持体と標的DNAを含む溶液とを接触することによって同時に実施される。個々のハイブリダイゼーションは同一の条件下で実施されるので、ハイブリダイゼーション条件は個々のプローブのために別々に最適化され得ない。従って、プローブ配列は、プローブ/標的複合体の安定性が同じハイブリダイゼーション条件下で類似するように選択される。
【0051】
ミスマッチはプローブ/標的ハイブリダイゼーション複合体の安定性を低め、そして従ってアッセイのための十分な緊縮性を提供するために必要とされるハイブリダイゼーション条件を変えるので、プローブの設計へのミスマッチの導入は、アッセイ型がハイブリダイゼーション条件を調整することを妨げる場合、複合体の安定性を調整するために使用され得る。複合体安定性に対する特定の導入されるミスマッチの効果は良く知られており、そして複合体安定性は上記のように、日常的に推定され、そして実験的に決定され得る。
【0052】
好ましいオリゴヌクレオチドプローブ
検出されるべき多型現象は、単一の塩基対の差異から成る。配列における単一の塩基の差異はオリゴヌクレオチドプローブの分別ハイブリダイゼーションにより検出され得る。プローブハイブリダイゼーション配列及び配列特異的ハイブリダイゼーション条件は、多型部位での単一のミスマッチが効果的に形成されないように十分にハイブリダイゼーション複合体を不安定化するよう選択される。
【0053】
従って、本発明の方法においては、特定の多型部位に存在するヌクレオチドは、配列番号1の標的領域に対して又は配列番号1の相補体に対して実質的に相補的なハイブリダイズする領域を含み、多型部位を含みそして多型部位で正確に相補的であるオリゴヌクレオチドプローブとの十分に緊縮したハイブリダイゼーション条件下でのハイブリダイゼーションにより同定される。ハイブリダイゼーション条件は、プローブの正確な大きさ及び配列に依存し、そして本明細書及び従来技術に提供されるガイドを用いて実験的に選択され得る。配列における単一の塩基対差異を検出するためへのオリゴヌクレオチドプローブの使用は、Connerなど.,1983,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:278〜281に記載される。
【0054】
位置29,32及び33での多型部位の接近性のために、位置29〜33を包含するプローブは、位置29,32及び33に存在する塩基対のパターンを検出するために使用され得る。表2に示されるように、すべての7つの対立遺伝子は位置29〜33の領域に4つの明確なバリアント配列の1つを含む。従って、塩基対の個々の可能な組合せを検出するために1つのプローブを使用する場合、4つのプローブが位置29〜33を包含する領域内の個々の対立遺伝子を検出するために十分である。たとえば、個々の対立遺伝子における位置29,32及び33で存在する塩基対を決定するために十分な4種のプローブの組が例に提供される。
【0055】
好ましくマッチされた及び単一塩基ミスマッチされたハイブリダイゼーション複合体間での安定性の比例した変化はハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドの長さに依存する。より短いプローブ配列により形成される複合体は、ミスマッチの存在によりより比例して不安定化される。実際的には、長さ約15〜約35個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドが配列特異的検出のために好ましい。さらに、ハイブリダイズされるオリゴヌクレオチドの末端は熱エネルギーによる連続したランダムな解離及び再アニーリングを受けるので、いづれかの端でのミスマッチは内部的に存在するミスマッチよりもハイブリダイゼーション複合体を不安定化する。好ましくは、標的配列における単一の塩基対の変化の区別のためには、多型部位がプローブの内部領域に生じるように標的配列とハイブリダイズするプローブ配列が選択される。
【0056】
配列番号1にハイブリダイズするプローブ配列を選択するための上記基準は、プローブのハイブリダイズする領域、すなわち標的配列とのハイブリダイズに包含されるプローブの部分に適用する。プローブは、追加の核酸配列、たとえばプローブのハイブリダイゼーション特徴を有意に変えないで、プローブを固定するために使用されるポリ−T端に結合され得る。当業者は、本発明の方法に使用するためには、標的配列に対して相補的でなく、そして従ってハイブリダイゼーションに包含されない追加の核酸配列に結合されるプローブは結合されていないプローブに実質的に同等であることを理解するであろう。
【0057】
好ましいオリゴヌクレオチド増幅プライマー
本発明の好ましい態様において、ABO遺伝子型を決定するための方法は、多型部位を含むABO遺伝子から核酸配列を増幅し、配列特異的ハイブリダイゼーション条件下でオリゴヌクレオチドプローブを用いて個々の多型部位に存在するヌクレオチドを同定し、そして増幅された標的配列へのプローブの結合のパターンからABO遺伝子型を推定することを含んで成る。この態様において、プローブハイブリダイゼーションによる分析のために十分な核酸を提供するために増幅が実施される。従って、プライマーは、サンプルに存在する対立遺伝子にかかわらず多型部位を包含するABO遺伝子の領域が増幅されるように企画される。対立遺伝子−非依存性増幅は、ABO遺伝子の保存された領域にハイブリダイズするプライマーを用いて達成される。
【0058】
本発明の他の態様においては、配列特異的増幅は、多型部位を包含するABO遺伝子の領域にハイブリダイズするプライマーを用いて実施される。増幅条件は、標的の対立遺伝子配列がサンプルに存在する場合でのみ増幅が生じるように選択される。この態様においては、存在するヌクレオチドは増幅生成物の存在又は不在により同定され;増幅された生成物のさらなる配列分析は必要とされない。増幅された生成物の検出は、当業界において良く知られたいづれかの方法、たとえばゲル電気泳動による分析により実施され得る。
【0059】
プライマーのハイブリダイゼーション特異性は、配列特異的増幅を可能にするプライマーの決定的性質である。一般的に、プライマー伸張部位である3’端はプライマーの特異性に対してより決定的である。なぜならば、3’端でのミスマッチは3’端を不安定化し、そしてプライマーの5’部分が標的配列にハイブリダイズされたとしてもプライマー伸張を妨害するからである。従って、配列における単一のヌクレオチド変化の区別のためには、好ましくは、プライマー配列は、多型部位がプライマーの3’端で又はその近くでハイブリダイズするよう標的配列にハイブリダイズする。
【0060】
対立遺伝子−特異的増幅及びプライマーミスマッチの効果は、Ugozzoliなど.,1991,MethodsA Companion to Methods in Enzymology :42〜48;Kwokなど.,1990,Nucleic Acids Research 18:999〜1005;及びKwokなど.,1994,PCR Methods and Applications :S:39〜47に記載されている。
【0061】
制限酵素切断部位(制限部位)を含む追加の配列は、伸張されるべきプライマーの能力に影響を及ぼさないで、プライマーの5’端に付加され得る。増幅された生成物中に導入される制限部位は、たとえば配列決定への使用のために増幅された生成物のクローニングを促進する(アメリカ特許第4,683,195号を参照のこと)。典型的には、標的配列に対して相補的でない長さ約2〜約10個の塩基の配列が、ABO対立遺伝子の特異的増幅を触媒するためのプライマーの能力を有意に変えないで、プライマーハイブリダイズ領域の5’端に付加され得る。
【0062】
付加された5’末端配列の正確な長さ及び配列は、所望される制限部位により決定されるであろう。当業者は、増幅条件のマイナーな最適化は付加される配列に依存して必要であることを十分に理解するであろう。しかしながら、当業者はまた、本発明の方法への使用のためには、制限酵素切断部位を含む5’端での追加の配列により延長されたプライマーは、延長されていないプライマーに実質的に同等であることも理解するであろう。
【0063】
増幅及び検出方法
ABO核酸を含むいづれかのタイプの組織が、個人のABO遺伝子型を決定するために使用され得る。PCRのためのサンプルを調製するための単純且つ迅速な方法は、Higuchi,1989,PCR Technology(Erlich ed.,Stockton Press,New York)に記載される。好ましい方法は、Singer−Samなど.,1989,Amplifications :11及びWalshなど.,1991,BioTechniques 10(4):506〜513に記載されるChelex抽出方法である。
【0064】
本発明の遺伝子型分類法は増幅された核酸を利用することができるので、そしてPCR技法はひじょうに少量の核酸を増幅することができるので、ABO遺伝子型は、数コピーのABO遺伝子のみを含むサンプルから均等に決定され得る。たとえば、一本の髪の根端さえ、Higuchiなど.,1988,Nature 332:543〜546により記載されるDQalph DNA型決定法により明らかなように、本発明の目的のための十分なDNAを含む。DNA型決定のために単一の***を用いる可能性は、Lなど.,1988,Nature 335:441〜417に示されている。
【0065】
ポリメラーゼ鎖反応(PCR)増幅方法は、当業界において良く知られており、そしてアメリカ特許第4,683,195号;第4,683,202号及び第4,965,188号に記載されている。Perkin Elmer(Norwalk,CT)は、PCR試薬を市販しており、そしてPCR方法を公開している。PCRの要約は下記に提供される。
【0066】
PCR増幅の個々のサイクルにおいては、二本鎖の標的配列が変性され、プライマーが変性された標的の個々の鎖にアニールされ、そしてプライマーがDNAポリメラーゼの作用により延長される。この工程は典型的には、25〜40回、反復される。2つのプライマーは、標的核酸配列の反対端に及び個々のプライマーの延長生成物が標的配列の相補的コピーであるような配向でアニールし、そしてその補体から分離される場合、他のプライマーにハイブリダイズすることができる。個々のサイクルは、100%効果的である場合、存在する標的配列の数の二倍化をもたらす。
【0067】
PCR方法により可能な摸大な増幅のために、高レベルのDNAを有するサンプル、陽性の対照鋳型又は前での増幅からの低レベルのDNA汚染が、目的の添加された鋳型DNAの不在においてさえ、PCR生成物をもたらすことができる。障害汚染を最少にするであろう実験装置及び技法は、Kwok and Higuchi,1989,Nature 339:237〜238及びKwok and Orrego,Innisなど.,eds.,1990,PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications,Academic Press,Inc.,San Diego,CAに論ぜられている。前の反応からの増幅された核酸によるPCRの汚染の問題を減じるための酵素方法は、PCT特許出願第US91/05210号及びアメリカ特許第5,418,149号及び第5,035,996号に記載されている。
【0068】
増幅反応混合物は典型的には、室温、すなわちプライマーハイブリダイゼーション特異性を保証するために必要とされる温度よりも十分に低い温度でアセンブルされる。非特異的増幅は、室温でプライマーは非特異的に他に結合することができるので、部分的に相補的な核酸配列のみをもたらすことができ、そして所望しない核酸配列の合成を示す。それらの新しく合成された、所望しない配列は、増幅反応の間、所望する標的配列と競争することができ、そして所望する配列の増幅効能を有意に低めることができる。非特異的増幅は、温度が必要なハイブリダイゼーション特異性を提供するために十分に高められるまで、プライマー延長が妨げられる“ホット−スタート(hot−start)”を用いて減じられ得る。
【0069】
1つのホット−スタート法においては、温度が必要なハイブリダイゼーション特異性を提供するために十分に高められるまで、1又は複数の試薬が反応混合物から抑えられる。熱不安定材料、たとえばワックスを、反応成分を分離し又は隔離するために使用するホット−スタート法は、アメリカ特許第5,411,876号及びChouなど.,1992,Nucleic Acids Research 20(7):1717〜1723に記載されている。他のホット−スタート法においては、増幅の前又は増幅の第1段階として高温インキュベーションにより不活性化されるまで、プライマー延長を触媒しない可逆的に不活性化されたDNAポリメラーゼが使用される。
【0070】
そのような可逆的に不活性化されたDNAポリメラーゼの例は、Ampli TaqTM GOLDである(レビューのためには、Birchなど.,1996,Nature 381:445〜446を参照のこと)。非特異的増幅はまた、アメリカ特許第5,418,149号に記載されるように、増幅の初期の高温段階の前に形成される延長生成物を酵素的に変性することによっても減じられ得る。
【0071】
ポリメラーゼ鎖反応は好ましい増幅方法であるけれども、サンプルにおける標的配列の増幅は、いづれかの既知の方法、たとえばリガーゼ鎖反応(Wu and Wallace 1988,Genonics :560〜569)、TAS増幅システム(Kwohなど.,1989,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1173〜1177)、及び自立した配列複製(Guatelliなど.,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874〜1878;及びWO92/08800)により達成され得、ここでそれらの個々は、標的配列が検出され得るよう十分な増幅を提供する。
【0072】
他方、検出できるレベルにプローブを増幅する方法、たとえばOβ−レプリカーゼ増幅法(Kramer and Lizardi,1989,Nature339:401〜402及びLomeliなど.,1989,Clin.Chem35:1826〜1831)が使用され得る。既知の増幅方法のレビューは、Abramson and Myers,1993,Current Opinion in Biotechnology :41〜47に提供される。
【0073】
サンプルに存在するABO対立遺伝子は、配列特異的増幅により、又は対立遺伝子の領域をまず増幅し、そして次に、増幅された領域の配列を分析することにより存在するヌクレオチド配列を同定することによって同定され得る。配列分析は、増幅された核酸に見出される配列変動を識別できるいづれかの手段により行なわれ得る。配列分析は好ましくは、本発明の方法のオリゴヌクレオチドプローブによるハイブリダイゼーションにより実施されるが、但し、他の方法、たとえば増幅された核酸の直接的な配列決定及びゲル電気泳動による移動度の変化の検出が使用され得る。
【0074】
サンプルにおける標的核酸配列とプローブとの間に形成されるハイブリッドを検出するための適切なアッセイ型は、当業界において知られておりドット−ブロット型及び固定されたプローブアッセイ型、たとえば逆ドット−ブロットアッセイを包含する。ドットブロット及び逆ドットブロットアッセイ型は、アメリカ特許第5,310,893号;第5,451,512号;及び第5,468,613号に記載されている。
【0075】
ドット−ブロット型においては、増幅された標的DNAが固体支持体、たとえばナイロン膜上に固定される。膜−標的複合体は適切なハイブリダイゼーション条件下でラベルされたプローブと共にインキュベートされ、ハイブリダイズされていないプローブは適切な緊縮条件下で洗浄することによって除去され、そして膜が結合されたプローブの存在についてモニターされる。好ましいドット−ブロット検出アッセイは、例に記載される。
【0076】
逆ドット−ブロット型においては、プローブが固体支持体;たとえばナイロン膜又はマイクロタイタープレート上に固定される。標的DNAが、典型的には、ラベルされたプライマーの導入による増幅の間、ラベルされる。プライマーの1つ又は両者がラベルされ得る。膜−プローブ複合体は、適切なハイブリダイゼーション条件下でラベルされた増幅された標的DNAと共にインキュベートされ、ハイブリダイズされていない標的DNAが適切な緊縮条件下で洗浄することによって除去され、そして膜が結合された標的DNAの存在についてモニターされる。
【0077】
5’−ヌクレアーゼアッセイとして言及されるもう1つの適切なアッセイは、アメリカ特許第5,210,015号及びHollandなど.,1991,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7276〜7280に記載されており、ここでラベルされた検出プローブはPCR増幅工程の間に添加される。プローブは、DNA合成のためのプライマーとして作用することからプローブを妨げるために変性される。個々の合成段階の間、すなわちプライマー伸張の間、標的DNAにハイブリダイズするいづれかのプローブが、DNAポリメラーゼ、たとえばTaq DNAポリメラーゼの5’から3’のエキソヌクレアーゼ活性により変性される。
【0078】
次に、プローブからの変性生成物が検出される。従って、プローブ変性生成物の存在は、プローブと標的DNAとの間でのハイブリダイゼーションが生じ、そして増幅反応が生じたことを示唆する。上記 '015特許の方法においてプローブとして機能するよう変性されたオリゴヌクレオチドは、本発明の範囲内である。増幅による汚染を生じるプローブの変性を検出するための方法は、 '015特許及びアメリカ特許第5,491,063号及び第5,571,673号に記載されている。
【0079】
上記アッセイ型は、ハイブリッド複合体の検出を促進するためにラベルされたオリゴヌクレオチドを典型的には利用する。オリゴヌクレオチドは、分光、光化学、生化学、免疫化学又は化学手段により検出可能なラベルを導入することによりラベルされ得る。有用なラベルは、32P、螢光染料、電子−濃試薬、酵素(通常、ELISASに使用されるような)、ビオチン又はハプテン、及び抗血清又はモノクローナル抗体が利用できるタンパク質を包含する。本発明のラベルされたオリゴヌクレオチドは合成され得、そしてオリゴヌクレオチドを合成するために上記技法を用いてラベルされ得る。
【0080】
本発明の好ましい態様においては、ドット−ブロットアッセイは、Levenson and Chang,1989,PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications(Innisなど.,eds.,Academic Press,San Diego),99〜112ページに記載されるように、ビオチンによりラベルされたプローブを用いて実施される。配列特異的条件下でビオチニル化されたプローブによる固定された標的DNAのハイブリダイゼーションに続いて、結合したまま存続するプローブが、まずアビジン−ホースラディシュペルオキシダーゼ(A−HRP)又はストレプトアビジン−ホースラディシュペルオキシダーゼ(SA−HRP)にビオチンに結合し、次にHRPがクロモゲンの色の変化を触媒する反応を実施することによって検出される。
【0081】
配列特異的増幅に基づくABO型決定の他の方法においては、特定の配列の存在の同定は、増幅された標的配列の存在又は不在の検出のみを必要とする。増幅された標的配列の検出方法は当業界において良く知られている。たとえば、ゲル電気泳動(Sambrookなど.,1989、前記を参照のこと)及び上記プローブハイブリダイゼーションアッセイは、核酸の存在を検出するために広く使用されて来た。
【0082】
反応混合物における二本鎖DNAの合計量の上昇をモニターすることにより核酸の増幅を検出するための他の方法は、Higuchiなど.,1992,Bio/Technology 10:413〜417;Higuchiなど.,1993,Bio/Technology 11:1026〜1030;及びヨーロッパ特許公開第487,218号及び第512,334号に記載されている。二本鎖の標的DNAの検出は、臭化エチジウム(EtBr)及び他のDNA結合ラベルが、二本鎖DNAに結合される場合を示す高められた螢光に依存する。標的配列の合成に起因する二本鎖DNAの上昇は、螢光の検出できる上昇をもたらす。
【0083】
本発明のオリゴヌクレオチドがサンプル中のABO対立遺伝子配列に選択的にハイブリダイズすることを決定するための方法が何人であっても、型決定方法の中心的特徴は、存在する変異配列を検出することによるサンプルに存在するABO対立遺伝子の同定を包含する。プローブがパネルにおいて使用される特定の適用が使用される。たとえば、特定の対立遺伝子の存在又は不在のみが興味あるものである場合、特定の対立遺伝子に対して特異的な1つのプローブが適切である。
【0084】
個々の対立遺伝子をユニークに同定するよりもむしろ、対立遺伝子のクラスを同定する配列−特異的プローブの組が選択され得ることは当業者に明白であろう。いくつかの用途においては、すべての対立遺伝子の同定は必要ではない。たとえば、本発明の方法は、血清学的方法により区別できない対立遺伝子変異体を検出するために使用され得る。しかしながら、血清学的タイプのみが検出される予定である用途においては、個々の血清学的タイプに対応する対立遺伝子の組の間を区別するが、しかし個々の血清学的タイプ内の対立遺伝子間を区別しない1組のプローブを使用することが所望される。そのような1組のプローブの使用は、必要とされるプローブの数の有意な低下を可能にすることができる。
【0085】
本発明の方法によるABO対立遺伝子のDNA型決定は、血液バンク及び個人の同定のために血液型決定を包含する多くの異なった目的のために有用である。たとえば、DNA型決定法は、犯罪者又は犠牲者の同定が犯罪の現場で放置された出来事と個人とを連結することによって確立される場合のように犯罪を解決するために、又は生物学的物質が個人の母性又は父性を決定するために使用される場合のように非犯罪性質の他の論点を解決するために、個人の同定の重要な分野において有意な役割を演じる(たとえば、Reynolds and Sensabaugh 1991,Anal.Chem63:2〜15を参照のこと)。
【0086】
DNA遺伝子型アッセイの識別力は、遺伝子座で見出される対立遺伝子の数及び頻度に依存する。新規に発見された対立遺伝子を決定するために本明細書に提供される方法及び試薬と共に、前に定義されたO対立遺伝子を再分割する追加のABO遺伝子座多型現象の発見は、ABO DNA型決定アッセイの識別力を実質的に改良し、そしてそれにより、個人の同定のためへのその利用性を改良する。
【0087】
本発明はまた、本発明の方法を実施するための有用な成分を含んで成るキット、複数容器ユニットにも関する。有用なキットは、ABO対立遺伝子に対して特異的なオリゴヌクレオチドプローブを含むことができる。多くの場合、プローブは適切な支持体膜上に固定され得る。キットはまた、本発明の好ましい態様において有用であるPCR増幅のためのプライマーも含むことができる。それらのプライマーは、ABO対立遺伝子の多型領域を増幅するであろう。
【0088】
キットの他の任意の成分は、たとえばプライマー伸張生成物の合成を触媒するための剤、基質のヌクレオシド三リン酸、ラベルするために使用される手段(たとえば、アビジン−酵素接合体及び酵素基質及びラベルがビオチンである場合、クロモゲン)、PCR又はハイブリダイゼーション反応のための適切な緩衝液、及び本発明を実施するための説明を包含する。
【0089】
下記に示される本発明の例は、例示的のためのみであり、本発明の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲内の発明の多くの態様は、前述のテキスト及び続く例を読む当業者に明らかであろう。
【0090】
【実施例】
例1ABO増幅
ヒトゲノムDNAサンプルからのABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子の領域の増幅が下記に記載されている。
【0091】
増幅プライマー
本発明に記載される多型部位含む、配列番号1のヌクレオチド2−161に対応するABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子の領域の増幅を、下記に示されるプライマーを用いて実施した。
GZ23 配列番号2 5'-ATGTGGGTGGCACCCTGC
GZ21 配列番号3 5'-GGTGGTGTTCTGGAGCCTGAA
【0092】
上流のプライマーGZ23(配列番号2)は、配列番号1の位置2〜19でイントロンの領域にハイブリダイズする。下流のプライマーGZ21(配列番号3)は、配列番号1の位置141〜161でコード配列の領域にハイブリダイズする。一緒に、それらのプライマーは、O対立遺伝子からの160個のヌクレオチド生成物及びA及びB対立遺伝子からのその対応する161個のヌクレオチド生成物の増幅を触媒する。両プライマーハイブリダイゼーション領域は、ABO対立遺伝子間に保存される。従って、プライマーは、同じ条件下で個々のABO対立遺伝子からの核酸配列の増幅を可能にする。
【0093】
増幅
個々のPCR増幅を、100μlの合計反応体積で実施した。最終試薬濃度は次の通りであった:
2ngの精製されたヒトゲノムDNA
200nMの個々のプライマー
200μMの個々のdNTP
50mMのKCl
10mMのトリス−HCl,pH8.3
2.5mMのMgCl2
2.5単位のTaq DNポリメラーゼ*
* Hoftmann−La Rocherより開発され、そして製造され、そしてPerkin Elmer(Norwalk,CT)。
【0094】
増幅反応を、32回の増幅サイクル(変性、アニール及び拡張)、続く最終インキュベーション(維持)をプログラムされた、Perkin Elmer(Norwalk,CT)により市販されるDNA Thermal Cycler480において行なった。試薬の蒸発を排除するために、2滴の鉱物油を個々の管に添加した。使用される特定温度サイクリングプロフィールは下記に示される。
【0095】
Figure 0004047410
【0096】
ゲル電気泳動検出
増幅されたDNAを、増幅が生じるかどうかを決定するためにアガロースゲル電気泳動により検出した。アガロースゲル(100mlの3% NuSieve及び1.5% SeaChem)及び0.5× TBE(0.045Mのトリス−硼酸塩及び0.001Mの二ナトリウムEDTA)緩衝液を使用した。臭化エチジウム(0.5μg/ml)を、ゲル及び緩衝液の両者に添加した。電気泳動を100ボルトで約1時間、行なった。ゲルを水によりすばやく脱色し、そしてDNAの臭化エチジウム染色バンドをUV照射を用いて可視化した。
ゲル電気泳動分析は、ヒトゲノムDNAを含むサンプルからの標的の核酸配列の成功した増幅を確認した。
【0097】
例2ドットブロット型におけるプローブハイブリダイゼーションアッセイ
プローブハイブリダイゼーションを、ゲノム核酸のサンプルに存在する対立遺伝子を検出するためにドットブロット型で行なった。ドットブロット型において、小量の増幅された核酸を変性し、ナイロンフィルターに適用し、そして下記のようにして固定した。次に、フィルターを、ラベルされたプローブを含む溶液に含浸し、ハイブリダイゼーションの発生を可能にした。
【0098】
結合されていないプローブを配列特異的ハイブリダイゼーション条件下で洗浄することによって除去し、そして固定された標的核酸に結合されるプローブを検出した。ハイブリダイゼーションに使用されるプローブを、Levenson and Chang,1989,PCR Protocols:A Guideto Methods and Applications(Innisなど.,eds.,Academic Press.San Diego),92〜112ページに記載のようにしてビオチンによりラベルし、非アイソトープ検出を可能にした。このアッセイの詳細は下記に示される。
【0099】
検出プローブ
増幅されたABO核酸に存在する対立遺伝子配列変異体を同定するために使用されるプローブを下記に記載する。多型部位にハイブリダイズするプローブ配列内の特定のヌクレオチドは下線が引かれている。表1に示される核酸鎖にハイブリダイズするプローブは星印により示され;他のすべてのプローブは表1に示される鎖の補体にハイブリダイズする。すべてのプローブオリゴヌクレオチドは、5’から3’の方向で示される。
【0100】
配列番号1の位置29での多型部位で存在する塩基対を、プローブGZ26(配列番号4)及びGZ27(配列番号5)を用いて同定した。それらのプローブのハイブリダイズする領域はまた、多型位置32及び33も包含する。プローブGZ26(配列番号4)は、位置29及び32でA:T塩基対及び位置33でC:G塩基対を有するO1 対立遺伝子に対して特異的である。プローブGZ27(配列番号5)は、位置29でG:C塩基対、位置32でA:T塩基対及び位置33でC:G塩基対のすべてを有するO2 ,A及びB1 対立遺伝子に対して特異的である。プローブは、位置32でG:C塩基対を有するB2 対立遺伝子又は位置33でT:A塩基対を有するO4 対立遺伝子にハイブリダイズしない。
GZ26 (配列番号4) 5’−AGCTCCATTGACCGCAC
GZ27* (配列番号5) 5’−CGTGCGGTCAATGGA
【0101】
A及びB対立遺伝子とO対立遺伝子とを区別するために、A及びB対立遺伝子とO対立遺伝子とを区別する追加のG:C塩基対の位置を包含するABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子の領域にハイブリダイズするプローブを用いた。プローブGZ29(配列番号6)はO対立遺伝子に対して特異的である。プローブGZ30(配列番号7)は、配列番号1の位置77と78との間の位置に対応する追加のG:C塩基対を有するA及びB対立遺伝子に対して特異的である。
GZ29 (配列番号6) GGTACCCCTTGGCTGG
GZ30 (配列番号7) GTACCCCTTGGCTGG
【0102】
配列番号1の位置113での多型部位で存在するヌクレオチドを、プローブGZ33(配列番号8)及びGZ34(配列番号9)を用いて同定した。プローブGZ33(配列番号8)は位置113でA:T塩基対を有するO2 及びA対立遺伝子に対して特異的である。プローブGZ34(配列番号8)は、位置113でG:C塩基対を有するO1 ,O3 ,O4 及びB対立遺伝子に対して特異的である。
GZ33 (配列番号8) GGAGGGCACTTCAACAT
GZ34* (配列番号9) GATGTTGAAGTGCCCTC
【0103】
下記例3は、対立遺伝子を本明細書に記載される7個の対立遺伝子のサブセットに分類するために上記6個のプローブの組の使用を記載する。すべての対立遺伝子は、O1 ,O2 ,A及びB対立遺伝子として分類された。例3に記載される遺伝子型決定が行なわれる時点で、O1 ,O2 ,A及びB対立遺伝子のみが観察された。追加の対立遺伝子の存在は、予期しないハイブリダイゼーション結果の発生により示された。続く配列決定は、B対立遺伝子を再分割する位置32での多型現象、O4 対立遺伝子を同定する位置33での多型現象、及びO3 対立遺伝子を同定する位置29及び113での塩基対の組合せの発見を導びいた。
【0104】
2 ,O3 及びO4 対立遺伝子は比較的通常ではないので、O1 ,O2 ,A又はB対立遺伝子として対立遺伝子を分類することがまだ所望される。位置32及び33での多型現象が検出されない場合、B対立遺伝子のサブタイプは区別されず、そしてO4 はO1 対立遺伝子と区別されないが、しかしO3 対立遺伝子はまだ区別される。プローブハイブリダイゼーションによる位置29,77〜78(欠失)及び113での多型現象のみの検出はすべての二倍体遺伝子型の同定を可能にするが、但し、O3 ,A、及びO2 ,B1 遺伝子型は同一のハイブリダイゼーション結果を与える。
【0105】
すべての7個の対立遺伝子が区別される遺伝子型決定を、上記プローブの他に、位置32及び33に存在する塩基対を同定するために追加のプローブを用いて行な得る。位置29,32及び33での多型部位の近接性のために、存在する塩基対を、位置29〜33を包含する領域にハイブリダイズし、そして位置29,32及び33に存在する塩基対の特異的パターンを検出するプローブを用いて検出することができる。すべての対立遺伝子は位置29〜33を包含する領域内に4種の配列バリアントの1つを含むので、位置29〜33を包含し、そして個別の配列バリアントにハイブリダイズする個々の4つのプローブは、個々の対立遺伝子において位置29,32及び33で存在する塩基対を決定するために十分である。
【0106】
上記プローブGZ26(配列番号4)及びGZ27(配列番号5)は、4つの配列バリアントの2つを検出する。プローブGZ26(配列番号4)は、位置29及び32でA:T塩基対及び位置33でC:G塩基対を有する対立遺伝子を検出する。プローブGZ27(配列番号5)は、位置29でG:C塩基対、位置32でA:T塩基対及び位置33でC:G塩基対を有する対立遺伝子を検出する。下記に提供されるプローブP1(配列番号10)及びP2(配列番号11)は、他の2種のバリアントを検出する。
プローブP1(配列番号10)は、位置29でA:T塩基対、位置32でA:T塩基対及び位置33でT:A塩基対を有する対立遺伝子を検出する。プローブP2(配列番号11)は、位置29及び32でG:C塩基対及び位置33でC:G塩基対を有する対立遺伝子を検出する。一緒に使用される場合、それらの4種のプローブは、位置29,32及び33で存在する塩基対のすべての組合せを検出する。さらに、上記に示される6個のプローブへのP1(配列番号10)及びP2(配列番号11)の添加は、すべての7種の対立遺伝子の遺伝子型決定を可能にする。
P1 (配列番号10) 5’−AGCTCCATTGATCGCAC
P2 (配列番号11) 5’−AGCTCCATTGGCCGCAC
【0107】
5つの多型部位の個々で存在する塩基対を同定するために企画された1組のプローブは、28個の可能な二倍体遺伝子型の27個を検出することができる。O3 ,A及びO2 ,B1 遺伝子型は、個々の多型部位で存在する塩基対を独立して検出することによっては区別され得ない。対立遺伝子が観察されたプローブハイブリダイゼーションパターンに特定の塩基対を付与する、組合されたプローブハイブリダイゼーションパターンは示されないので、あいまいさが生じる。
【0108】
3 及びO2 対立遺伝子及びA及びB1 対立遺伝子の両者は、位置113で存在する塩基対によってのみ区別される。O3 ,A及びO2 ,B1 遺伝子型からのサンプルは、位置113でG:C塩基対を有する核酸及び位置113でA:T塩基対を有する核酸の両者を含む。たとえば、対立遺伝子が、多型部位が独立して分析される場合、決定されないA:T塩基対を付与するそれらの遺伝子型を区別することは必要である。
【0109】
遺伝子型決定のあいまいさは、不明瞭なサンプルに存在する対立遺伝子のサブセットのみを増幅するための配列特異的増幅を用いて解決され得る。たとえば、O対立遺伝子とA及びB対立遺伝子を区別する追加のG:C塩基対に対して特異的なプライマーを用いてのA又はB対立遺伝子のみからの核酸の配列特異的増幅、続く位置113での塩基対の検出は、A及びB対立遺伝子の区別を可能にする。O3 ,A又はO2 ,B1 遺伝子型のいづれかであることが知られているサンプルからA又はB対立遺伝子のみの増幅及び増幅された対立遺伝子の同定は、O3 ,A及びO2 ,B1 遺伝子型の区別を可能にする。遺伝子型決定のあいまいさを排除するためへの配列特異的増幅の使用は、WO92/10589に記載されるHLA DRB遺伝子型決定法に使用されて来た。
【0110】
遺伝子型決定のあいまいさは、配列番号1の領域外のもう1つの多型部位をさらに検出することによって解決され得る。たとえば、Lee and Chang,1992、前記は、A対立遺伝子に存在しないB対立遺伝子におけるAluI部位をもたらすコード配列の位置700での多型部位を記載する。A及びB対立遺伝子を区別する能力は、O3 ,A及びO2 ,B1 遺伝子型の区別を可能にする。
【0111】
ドット−ブロットアッセイ
例1に記載されるようにして実質的に行なわれた増幅反応からのPCR生成物を、アルカリによる処理により変性した。特に、10μlのPCR生成物を、0.5MのEDTA(pH8.0)4.5μl,5NのNaOH 7.2μl及び78.3μlの水から成る変性溶液90μlに添加した。その混合物を室温で10分間インキュベートし、変性を完結した。
【0112】
BioDyne Bナイロンフィルター(Pall Corp.,Glen Cove,NY)を、水に5〜10分間ソークし、そしてドット−ブロットマニホルド(Bio Rad,Richmond,CAからのBio−Dot)が設定された後、水200μlによりさらにすすぐことによって調製した。100μlの変性されたサンプル混合物を、ドットブロット装置を用いて、ナイロン膜に真空下で適用した。次に、個々のウェルを0.4NのNaOH 200μlによりすすぎ、次に、2× SSCによりすばやくすすぎ、そして液体のプールがなくなるまで、空気乾燥せしめた。固定されたDNAを、Stratalinker(Stratagone,La Jolla,CA)UV光ボックス(“自己交差”設定で)による500mI/cm2 の束での紫外線照射によりナイロンフィルターに交差せしめた。
【0113】
ハイブリダイゼーションを、2μMのビオチニル化されたプローブを含むハイブリダイゼーション緩衝液(5× SSPE,0.5% SDS)において実施した。フィルターを55℃で25〜30分間、ハイブリダイズせしめた。ハイブリダイゼーションの後、フィルターを室温で、洗浄用緩衝液(2.5× SSPE,0.1% SDS)によりすすぎ、過剰のプローブのほとんどを除去した。
【0114】
ビオチンプローブラベルを、ハイブリダイゼーション緩衝液及びHRP−SAを含む酵素接合体溶液においてフィルターをインキュベートすることによってホースラディシュペルオキシダーゼ−ストレプトアビジン(HRP−SA)に接合した。酵素接合体溶液は、個々のmlのハイブリダイゼーション溶液にPerkin Elmer(Norwalk,CT)からの酵素接合体:HRP−SA 8μlを添加することによって調製された。個々のフィルターを、55℃で5分間、酵素接合体溶液においてインキュベートした。接合に続いて、フィルターを室温で洗浄用緩衝液によりすすいだ。
緊縮洗浄を、振盪水浴において55℃で12分間、洗浄用緩衝液により行なった。緊縮洗浄の配列特異的ハイブリダイゼーション条件は、標的配列に対して正確に相補的なプローブのみが結合したまま存続することを確保した。
【0115】
固定された増幅生成物に結合したまま存続するビオチニル化されたプローブを次の通りに可視化した。色彩進行溶液を、100mlのクエン酸塩緩衝液(0.1Mのクエン酸ナトリウム、pH5.0)、5mlの3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)溶液(Perkin Elmer,Norwalk,CT)及び3%過酸化水素水100μlを混合することによって調製した。フィルターをまず、100mMのクエン酸ナトリウム(pH5.0)によりすすぎ、次に暗室において室温で10分間、軽く撹拌しながら、色彩進行溶液においてインキュベートした。初め無色のTMBは、過酸化水素の存在下で、プローブ結合されたHRPにより着色された沈殿物に転換された。進行されたフィルターを水により数分間すすぎ、そしてすばやく写真を取った。
【0116】
例3ABO対立遺伝子の頻度
ABO対立遺伝子の頻度を評価するために、4種の異なった集団からの622人の個人からのサンプルを、ABO遺伝子座で型分けした。サンプル化された集団は、178人のアフリカ系アメリカ人、181人のアメリカ系白人、174人のアメリカ系スペイン人及び89人の日本人からそれぞれ成った。
【0117】
ABO核酸の増幅を、例1に記載のようにして実質的に行なったが、但し、次の例外を包含する。第1に、8人の他の遺伝子からの標的配列に対して特異的な追加の増幅プライマーを、個々の遺伝子からの標的配列が同時に増幅されるように、増幅混合物に含んだ。第2に、最終試薬濃度は次の通りであった:
2ngの精製されたヒトゲノムDNA
200nMの個々のプライマー
200μMの個々のdNTP
50mMのKCl
20mMのトリス−HCl,pH8.3
3mMのMgCl2
1.5μlの変性されたDNAポリメラーゼ溶液(約7.5単位)。
【0118】
使用される変性されたDNAポリメラーゼは、1996年8月17日に出願されたヨーロッパ特許出願第96113222.2号に記載されるように、200倍モル過剰のシトラコン酸無水物との反応により可逆的に不活性化されたTaqDNAポリメラーゼであった。手短に言及すれば、その方法は、トリス緩衝液(50mMのトリス−HCl,1mMのEDTA,65mMのKCl,pH7.5)における1.3mg/nlの初期濃度でのTaq DNAポリメラーゼ(Ampli Taq登録商標、Perkin Elmer,Norwalk,CT)の使用を包含する。
【0119】
シトラコン酸無水物の溶液は、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)に100倍で11.06Mのシトラコン酸無水物(Aldrich,Milwaukee,WIから市販されている)を希釈することによって創造された。約200/1のモル比でシトラコン酸無水物/Taq DNAポリメラーゼを含む溶液を4℃で一晩インキュベートし、Taq DNAポリメラーゼを不活性化した。不活性化に続いて、増幅を変性された酵素の希釈シリーズを用いて行ない、7.5単位の変性されていないTaq DNAポリメラーゼを用いて得られるのと実質的に同じ増幅の結果を生成するシトラコン酸化されたTaq DNAポリメラーゼ溶液の量を決定した。
【0120】
同時増幅に使用されるDNAポリメラーゼ活性化の量(7.5単位)を、1回の増幅で使用される量(2.5単位)以上に高め、同時増幅に必要とされる高められたDNA合成を促進した。実験的な決定に基づいて、1.5μlの変性されたDNAポリメラーゼ溶液を個々の反応に添加した。変性されたDNAポリメラーゼが、上記のようにして、“ホット−スタート”を達成するために同時増幅に使用された。反応混合物の予備反応インキュベーションを94℃で5分30秒間行ない、変性されたDNAポリメラーゼを再活性化した。
【0121】
本発明で使用される対立遺伝子の名称は、上記6個の組のプローブを用いて検出された多型現象により、下記表3に定義される。多型部位の位置は配列番号1に関して番号付けされている。個々の対立遺伝子のためには、位置29及び113での多型部位で存在する塩基対、及び配列番号1の位置77と78との間での追加のG:C塩基対の存在又は不在が決定された。位置32及び33で存在する塩基対を別々に決定した。
【0122】
【表3】
Figure 0004047410
【0123】
対立遺伝子の同定を、例2に記載されるようにして行なった。集団の個々について観察される対立遺伝子及び遺伝子型頻度が下記表に与えられる。予測される遺伝子型頻度を、Hardy−Weinberg平衡を仮定する、観察された対立遺伝子頻度から計算した。
【0124】
上記のようにして、本発明の遺伝子型決定を、B2 ,O3 及びO4 対立遺伝子の発見の前に行なった。予測できない結果が、13人のアフリカ系アメリカ人、4人のアメリカ系白人、5人のアメリカ系スペイン人及び8人の日本人から観察された。最っと頻繁に観察される予測できない結果は、他の5つのプローブのハイブリダイゼーションに基づいてO1 ,Bとして分類されるサンプルにハイブリダイズするためにB対立遺伝子にハイブリダイズすることが予測されるGZ27(配列番号2)の不良であった。
【0125】
続く配列分析は、それらのサンプルが実際、O1 ,B2 であったことを決定した。予測されないハイブリダイゼーション結果を生成した30のサンプルのうち、3つのアフリカ系アメリカ人及び1つのアメリカ系スペイン人サンプルが解釈できない結果を生成し、そして下記に示される結果から排除された。対立遺伝子及び遺伝子型頻度を、解釈できるハイブリダイゼーション結果を提供する618のサンプルを用いて計算した。
【0126】
振り返って見ると、O3 対立遺伝子の続く発見の観点から、A及びB対立遺伝子の頻度の評価の偏向が存在する。なぜならば、本発明のプローブ組を用いて区別できないO3 ,A及びO2 ,B1 遺伝子型がO2 ,B遺伝子型として分類されたからであった。従って、O2 ,B遺伝子型の評価された頻度は過大評価であった。しかしながら、O3 対立遺伝子はまれであるので、O3 ,A遺伝子型の発生は得られる頻度評価に対して有意に影響を及ぼさないであろう。
【0127】
【表4】
Figure 0004047410
【0128】
【表5】
Figure 0004047410
【0129】
【表6】
Figure 0004047410
【0130】
【表7】
Figure 0004047410
【0131】
【表8】
Figure 0004047410
【0132】
【配列表】
Figure 0004047410
【0133】
Figure 0004047410
【0134】
Figure 0004047410
【0135】
Figure 0004047410
【0136】
Figure 0004047410
【0137】
Figure 0004047410
【0138】
Figure 0004047410
【0139】
Figure 0004047410
【0140】
Figure 0004047410
【0141】
Figure 0004047410
【0142】
Figure 0004047410

Claims (10)

  1. 配列番号1の位置22〜58から成る領域に含まれる15〜35ヌクレオチドの長さのハイブリダイズ領域を含んで成るオリゴヌクレオチドプライマー又はプローブであって、ヌクレオチド位置 29 32 及び 33 の多型部位から選択された多型部位を含む、ABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子の変異配列の存在を検出するためのプライマー又はプローブ。
  2. ヌクレオチド位置29,32及び33の多型部位から選択された多型部位を含む領域中で配列番号1のいずれかの鎖に正確に又は実質的に相補的であり、そして前記多型部位で配列番号1に正確に相補的である15〜35ヌクレオチドの長さのハイブリダイズ領域を含んで成るオリゴヌクレオチドプライマー又はプローブであって、ABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子の変異配列の存在を検出するためのプライマー又はプローブ。
  3. GZ26(配列番号4)、GZ27(配列番号5)、P1(配列番号10)、P2(配列番号11)及びそれらの正確な相補体から成る群から選択される請求項1又は2記載のオリゴヌクレオチドプライマー又はプローブ。
  4. DNAベクターに含まれる、請求項1〜3のいずれか1項記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
  5. 配列番号1のヌクレオチド29〜33を含んで成るABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子核酸を含むサンプルに存在する対立遺伝子を同定するための方法であって、配列番号1の位置29、32及び33から選択された多型部位に存在するヌクレオチド塩基対を決定することを含んで成る方法。
  6. ヒト核酸を含むサンプルにおけるABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子の変異配列の存在を決定するための方法であって、
    (a)ヌクレオチド位置29、32及び33の多型部位から選択された多型部位で前記変異配列に正確に相補的である請求項1〜4のいずれか1項記載のオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマーと前記核酸とを、前記核酸が前記変異配列を含む場合にのみ、前記オリゴヌクレオチドプライマー又はプローブが前記核酸に結合して安定したハイブリッド複合体を形成する条件下で混合し;そして
    (b)前記オリゴヌクレオチドプライマー又はプローブと前記核酸との間で形成される、前記変異配列の存在を示すいずれかのハイブリッドの存在を検出する、
    ことを含んで成る方法。
  7. 段階(a)の前に前記核酸を増幅する請求項記載の方法。
  8. 前記段階(b)における検出が、前記オリゴヌクレオチドプライマーを用いて、増幅反応を実施することを含んで成る請求項6記載の方法。
  9. 請求項1〜4のいづれか1項記載のオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマーを含んで成る、ABOグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子座で個人の遺伝子型を決定するためのキット。
  10. GZ26(配列番号4)、GZ27(配列番号5)、P1(配列番号10)、P2(配列番号11)及びそれらの正確な相補体から成る群から選択されるオリゴヌクレオチド。
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