JP4046325B2 - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2001−188452号公報
【特許文献2】
特開2000−267536号公報
【特許文献3】
特開昭60−131547号公報
【特許文献4】
特開平6−148941号公報
【特許文献5】
特開平8−254873号公報
【0003】
リンタ、ファクシミリ、複写装置等の電子写真方式の画像形成装置においては、像担持体表面を帯電、露光して形成した静電潜像に着色トナーで現像して可視像としてのトナー像を形成し、このトナー像を転写紙等の被転写体に転写し、これを熱ロール等で定着して画像を形成する。一方、トナー像の転写を終えた像担持体表面には、一般に未転写のトナーが残留するため、この残留トナーを、次の画像形成プロセスに先立ってクリーニング手段により除去することが必要になる。また、一般的に、クリーニング手段により、像担持体表面に付着した他の異物も、残留トナーと共に取り除いている。
【0004】
この転写後の残留トナーを除去するクリーニング手段としては、ファーブラシ、磁気ブラシ等を使用するものや、材質が弾性体であるクリーニングブレードを使用するもの等各種のものが使用されているが、クリーニングブレードにて像担持体を摺擦してトナーを掻き落とす手段が、安価で且つ性能安定性が高いことから一般的に使用されている。そして、クリーニングブレードの材質として用いられる弾性体には、耐摩耗性に優れているポリウレタンゴムが多く使用されている。
【0005】
また、近年、特にフルカラー画像形成装置において高画質化が進み、その高画質化のための一つの方向として、トナーの小粒径化、球形化が進められるようになってきている。小粒径化により、像担持体表面に形成されるトナー画像のドットの再現性を向上させることができ、球形化することで現像性、転写性を向上させることができる。
【0006】
この高画質化のためのトナーを球形化させる方法としては、従来の粉砕方法に代わり、化学反応である重合反応を伴う重合トナーの製法が採用されてきている。この重合トナーの製法としては、同じ重合反応の範疇であるものでも、何種類か製法に違いがあるが、粉砕トナーに見られるような粉砕分級工程が必要ない、あるいはこの工程が大幅に軽減できるという利点を有している。
【0007】
ところが、小径トナー、球形トナーを使用した場合に、従来のクリーニングブレードを用いたクリーニング装置では、像担持体表面の転写残トナーの完全除去が困難で、クリーニング不良が発生するという問題が生じている。
【0008】
このクリーニング性能の不具合、クリーニング不良は、従来の粉砕トナーに機械的な処理(再粉砕)、あるいは熱処理などを行って、小粒径化、球形化した場合でも生じることが明かになっており、トナーの製造方法に関わらず、トナーが小粒径化、球形化した場合には、ブレードクリーニングでは良好なクリーニング性能が得られないという問題がある。
【0009】
このようなクリーニング不良を起こしたトナーは次に出力される画像形成時に画質欠陥となり、特に帯電装置がローラ形状の接触式の帯電器の場合などは、クリーニングブレードにより取り切れなかった(クリーニングされなかった)トナーがロール状の帯電器に堆積し帯電不良を引き起こしてしまう場合があるため影響が大きい。とりわけトナーの円形度(円形度についての詳細は後述する。)が1に近くなるようなトナー、すなわち、球形(真球)に近いトナーでは顕著にクリーニング性が悪化する。また円形度が0.95以下の形状のトナーであっても、形状分布を有することから、ほぼ球形のトナーが存在し、経時的にクリーニング性が悪化する傾向にある。
【0010】
また、このクリーニング性は、現像に用いるトナーの粒径が小さくなるほど悪化する傾向にある。さらに、画像形成装置は10℃〜30℃程度の温度範囲で使用されるが、特に低温下に於いてはこのクリーニング性の悪化が顕著に現れる。
【0011】
この小径トナーや球形トナーを用いた場合のクリーニング不良の発生原因につ
いては、一般的に、【特許文献1】に記載されているような理由が挙げられているが、次のような理由によるものと考えられる。
【0012】
すなわち、クリーニングブレードを用いたクリーニング方式では、前述のようにゴムブレードにて像担持体を摺擦してトナーを掻き落としているため、像担持体とゴムブレードとの摩擦抵抗によりゴムブレードのエッジ先端が変形し、両者間に微小なくさび状の空間を形成している。この空間には、小径のトナーであればあるほどエッジ先端に侵入しやすく、エッジ先端に侵入したトナーは入れ替わり難く、非流動領域を形成する。
【0013】
また、球形トナーは、不定形トナーと比較して最密充填し易いため、クリーニングブレードのエッジと像担持体との接触点近傍の微小な空間で圧密化されやすい。非流動領域のトナーと像担持体との摩擦抵抗が比較的小さく、トナーが像担持体に対して滑っている状態では、クリーニング不良は発生しないが、像担持体との摺擦による外添剤の離脱等によりトナーと像担持体の摩擦力が増加すると、球形トナーは転がり摩擦が従来の粉砕不定形トナーと比べて小さいため、クリーニングブレードと像担持体の間で転がり始め、すり抜けてしまうと考えられるのである。この点については、本発明者らの鋭意研究の結果解明できたので後述する。
【0014】
そこで、上記【特許文献1】においては、重合法により製造された球形トナーを用いる画像形成装置の像担持体上の残留トナーを効率よく除去するために、転写後の感光体表面の残留トナーを掻き取るクリーニングブレードと、クリーニングブレードよりも感光体移動方向の上流側に配置され、残留トナーを粉砕して感光体上に微粒トナーを生成するクリーニングブラシとを備えたクリーニング装置が開示されている。
【0015】
また、【特許文献2】においては、画像形成装置の像担持体クリーニングブレードの球形トナーに対するクリーニング性を向上させるために、球形トナーにより形成されたトナー像を担持する表面が転写領域およびクリーニング領域を通って回転移動するトナー像担持体と、前記転写領域を通過するトナー像担持体表面のトナー像を転写材に転写する転写器と、前記クリーニング領域を通過するトナー像担持体表面に摩擦接触して前記トナー像担持体表面の残留トナーを除去するブレードエッジを有する弾性部材製のクリーニングブレードと、前記ブレードエッジに塗布された粉体潤滑剤と前記球形トナーよりも平均粒径が小さい不定形トナーとの混合粉体材料とを有するトナー像担持体クリーナとから構成される画像形成装置が開示されている。
【0016】
このように球形トナーと不定形トナーとを混合したものを用いるものとしては、【特許文献3】、【特許文献4】、【特許文献5】に記載されているようなものもある。
【0017】
上述した特許文献1に記載のクリーニング装置にあっては、残留トナーを粉砕して感光体上に微粒トナーを生成するクリーニングブラシを備えるために装置が大型化するだけでなく、樹脂からなるトナーを粉砕することは非常に困難で、仮に粉砕できるとしても像担持体表面に対するダメージが発生し、画像品質が低下することになる。
【0018】
また、【特許文献2】に記載のクリーニング装置にあっては、球形トナーよりも平均粒径が小さい不定形トナーとの混合粉体材料を用いるために、球形トナーを用いることによる画像品質の向上というメリットが低減し、結果的に画像品質が低下することになる。
【0019】
そこで、本発明者らは、まず、球形トナーを用いた場合にカウンタ方式のクリーングブレードではクリーニング不良が発生する原因について、そのメカニズムを研究し、これを解明した。
【0020】
すなわち、図31に示すように、代表的なカウンタ方式のクリーニングブレードを用いたクリーニング装置にあっては、金属ホルダ100に保持されたクリーニングブレード101の先端を、像担持体111に対して、その回転方向Aに対してカウンタとなるように、つまり、クリーニングブレード101の腹面101cと像担持体111表面が角度θになるよう当接させ、さらにクリーニングブレード101先端(自由端)を押付け量dで像担持体111に押し付けることによって、像担持体111上の残留トナーをクリーニングする。
【0021】
このように、像担持体111とクリーニングブレード101とが接触した状態で、像担持体111が回転すると、図32に示すように、クリーニングブレード101は弾性部材であるため、像担持体111の矢示A方向への移動によってブレード101のカット面101aのエッジ部101bが像担持体111との摩擦力により矢示A方向に引っ張られ、ブレード101のカット面101a(先端面)が変形してめくれた状態となる。このカット面101aのめくれによって、ブレード101先端のカット面101aと像担持体111との間でくさび形状のニップ部Nを形成する。
【0022】
この場合、使用するトナーが粉砕トナーであるときには、図33に示すように、粉砕トナーTaは形状が歪であるため、クリーニングブレード101と像担持体111で形成されるくさび形状となったニップ部でトナーTaのエッジ部が引っ掛かる。このとき、ブレード101の先端面の変形した部分は元の状態に戻ろうとする反発力が働き、いわゆるスティック・スリップ運動が発生する。
【0023】
このスティック・スリップ運動について図34を参照して説明する。ブレードニップが移動している像担持体表面にスティック状態(固着)になると、ブレードニップは同図に破線で示すように像担持体111の回転方向に強制的に引き伸ばされる。ブレードニップがある位置まで引き伸ばされるとブレードの反発力が大きくなり、静摩擦力と反発力が釣り合った時点でブレードニップが像担持体表面に対して滑る。ブレードニップと像担持体の間で滑りが生じる状態では、動摩擦係数が静摩擦係数より小さいため、ブレードニップは像担持体表面を滑りながら元の方向(実線図示の方向)へ戻ることになる。このスティック・スリップのくり返し運動(その範囲をSPで示している)の戻りの力によって、くさび形状のニップ部に滞在しているトナーTaが像担持体111の進行方向とは逆方向に戻される力を受けクリーニングされる。
【0024】
これに対して、トナーとして球形トナーを用いた場合について図35を参照して説明する。同図は、球形トナーTbがクリーニングブレード101と像担持体111により形成されるくさび形状のニップ部に侵入してきたときの挙動を示している。
【0025】
球形トナーTbを用いた場合、粉砕トナーTaのようにトナーに歪な部分がないため、ブレード101の先端部に引っ掛からないため、くさび形状のニップ部に侵入し、クリーニングブレード101と像担持体111に挟まれた状態となった球形トナーTbは、像担持体111との間の摩擦力により接触部を駆動源として回転するモーメントを受ける。したがって、球形トナーTbは像担持体111の進行方向と逆方向に回転しながら、像担持体111の回転方向と同じ方向に移動して、ブレード101と像担持体111との間をすり抜けるため、クリーニング不良となる。
【0026】
このとき、一旦球形トナーTbのすり抜けが発生すると、図36に示すように球形トナーTbはクリーニングブレード101と像担持体111との間で潤滑剤のように機能し、ブレード101の先端部と像担持体111の摩擦力を低下させ、ブレード101の先端(カット)面のめくれを解除する(ブレード101を初期の形状に戻す)働きをする。そのため、ブレード101によるクリーニングの基本機能となる上述したスティク・スリップ運動が生じなくなり、連続してトナーのクリーニング不良が生じる現象が発生する。
【0027】
以上では球形トナーのクリーニング不良の発生メカニズムについて説明したが、小径トナーについても図34に示したくさび形状のニップ部に対して、小径トナー程侵入しやすく、また侵入したトナーは歪であっても小径トナーほどエッジ部での引っ掛かりが少なくなるため、すり抜けが発生し易いことが確認された。
【0028】
本発明者らは上記のように解明できた球形、小径トナーのクリーニング不良の発生メカニズムに基づき、更に鋭意研究を重ねた結果、従来のクリーニングメカニズとは異なる新規なメカニズムによって球形、小径トナーをクリーニングできることを見出した。
【0029】
なお、前述したようなブレードクリーニング方法(クリーニングブレードを用いたクリーニング方法)では、トナーのクリーニング性が高まる、言い換えれば、摺擦能力が上がるため、ブレードと像担持体との間で摩擦抵抗力が上がる傾向があることが一般的に知られている。
【0030】
特に、転写後の残留トナーが像担持体に全くない状態では、ブレード(エッジ)部と像担持体との摩擦抵抗力が非常に高くなり、酷い場合にはブレードが像担持体に引きつられる、いわゆる「反りかえり」の現象が起き、クリーニング機能を引き出すことができないこともある。
【0031】
ブレードを用いたクリーニング方式では、前述したようにゴムブレードにて像担持体を摺擦してトナーを掻き落としているため、像担持体とゴムブレードとの摩擦抵抗によりゴムブレードのエッジ先端が変形し、両者間に微小なくさび状の空間を形成している。このくさび状の領域を作ることがクリーニングにとっては重要であるため、ブレードエッジ部ができることはクリーニング性に大きく関係することになる。
【0032】
ところが、ブレードエッジ部と像担持体との間の摩擦抵抗力が大きすぎると、上記の「反りかえり」以外にも、クリーニングに必要なエッジ部が欠けることもある。したがって、耐久性の面からもできるだけ、トナーのクリーニングに必要な最低限の摩擦抵抗力を確保、維持しつつ、エッジ部を維持することが好ましい。しかしながら、従来のクリーニングブレードを用いたクリーニング手段では、このようなトナーのクリーニングに必要な最低限の摩擦抵抗力を確保、維持することができないという課題がある。
【0033】
さらに、ブレードエッジ部と像担持体との摩擦抵抗力が上がることによって引き起こされる不具合は、ブレードエッジの欠け以外にも、像担持体に対しても起こることが本発明者の鋭意研究によって判明した。
【0034】
その例としては、トナーが像担持体表面上でブレードにより引き伸ばされ、像担持体上にフィルム上のトナー層ができるフィルミングや、像担持体を構成する感光層の膜削れといった不具合が引き起こされるということである。フィルミングは、感光層の上に形成されるため、できるだけ正確な像形成の支障になり、膜削れは像担持体としての耐久性を下げることになり、いずれもできるだけこのような現象を起こさないようにする必要がある。場合によっては、フィルミングが起こりながら膜削れも進行し、結果的に膜削れの現象のみが起こっているように見えることもある。
【0035】
これらは、いずれもクリーニングブレードを使用する画像形成装置では、ブレードと像担持体との摩擦抵抗力が大きいために起こる現象であることが判明した。
【0036】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものでありクリーニング性を向上した画像形成装置及びプロセスカートリッジ、このプロセスカートリジを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、像担持体の表面に潜像を形成し、この潜像をトナーにより現像してトナー像を形成し、このトナー像を被転写体に転写した後に像担持体表面に残留しているトナーをクリーニング手段で除去する画像形成装置において、クリーニング手段は、像担持体表面に当接するためのブレード部材と、一端部が固定され、自由端部となる他端部の一面にブレード部材が取り付けられた板状の振動部材と、この振動部材の他端部のブレード部材取付け面と反対側の面に取り付けられ、ブレード部材取付け面と垂直な方向に振動部材の他端部を振動させる加振手段とを有し、ブレード部材の像担持体と接する部分の振動でトナーをクリーニングする手段である構成としたものである。
【0039】
ここで、トナーは重合法によって作製されたトナーであることが好ましい。また、ブレード部材の少なくとも像担持体との当接部分を含む表面がトナー材質との親和性が小さい材料で形成されていること、或いは、トナーの外部に添加される外添剤がブレード部材の表面を形成する部材との親和性が小さいことが好ましい。さらに、ブレード部材のニップ部における振動量がトナーの平均粒径より小さいことが好ましい。
【0040】
また、ブレード部材のニップ部における振動による変位量を制御可能であることが好ましく、この場合、ブレード部材の変位量の制御を電気的に行う手段を備えていることが好ましい。さらに、加振手段が圧電素子であることが好ましく、この場合、圧電素子に交互電圧を印加する手段を備えていることが好ましい。
【0041】
さらに、ブレード部材の振動による変位量を作像時と非作像時とで異ならせる手段を備えていることが好ましい。また、ブレード部材の振動による変位量を、像担持体上のトナー付着量作像回数、環境条件、トナー補給量の少なくともいずれかに基づいて変化させる手段を備えていることが好ましい。
【0048】
本発明に係るプロセスカートリッジは、少なくとも像担持体及びクリーニング手段を備えたプロセスカートリッジにおいて、クリーニング手段は、像担持体表面に当接するためのブレード部材と、一端部が固定され、自由端部となる他端部の一面にブレード部材が取り付けられた板状の振動部材と、この振動部材の他端部のブレード部材取付け面と反対側の面に取り付けられ、ブレード部材取付け面と垂直な方向に振動部材の他端部を振動させる加振手段とを有し、ブレード部材の像担持体と接する部分の振動でトナーをクリーニングする手段である構成とした。
【0049】
本発明に係る他の画像形成装置は、本発明に係るプロセスカートリッジを複数備えているものである。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
先ず、第1の発明で採用している小径、球形トナーの新規なクリーニングメカニズムについて図1を参照して説明する。
第1の発明に係るクリーニング装置は、同図に示すように、ブレード部材1と像担持体11とで形成されるくさび形状部のトナーTにブレード部材1から振動を与えることによって、トナーTが摩擦力により回転することを防止し、球形トナーのクリーニング不良を防止する。
【0059】
これらの加振動作は、ブレード部材1のニップ部が従来のクリーニングブレードとは異なる形状、動きとなるように振動させることで、ブレードニップ部への球形トナー、小径トナーの入り込みを防止することができ、球形トナー、小径トナーのクリーニング不良を無くすることが可能となる。
【0060】
すなわち、図1は、ブレード部材1が振動状態にあり、またその振動によって球形トナーTに振動が伝わり、トナーTが活性に振動している様子(図中白抜き矢印で示す。)を表した図である。これは、高倍率の顕微鏡を介して高速度ビデオカメラによる観察結果を図示したものである。なお、図中、1aはカット面、1bはエッジ部1b、1cはブレード部材1の腹面(像担持体11表面との対向面)である。
【0061】
そして、このとき、ブレード部材1の先端カット面1aと像担持体11の近傍にある球形トナーTがトナー数個分の範囲(図中のB部の範囲)わたって振動していることが判明した。
【0062】
このような状態では、ニップ部近傍の振動しているトナー群(B部のトナー)がバリヤーのような働き(振動トナー壁)をし、後続の像担持体11上トナーT(図中C部のトナー)の侵入を防止することになり、真球に近い様な球形トナーについても全くクリーニング不良が発生しない状態となる。
【0063】
このとき、ブレード部材1が振動していることにより、またブレード部材1から像担持体11にも振動を伝えることで、ブレード部材1と像担持体2との摩擦力が低下し、従来方式で発生していたブレード部材1のカット面1aのめくれる現象がなくなる条件が存在することが判明した。ここでいう「カット面のめくれ」とは、通常は成型した弾性部材を厚さ方向にカットしてそのエッジをバリ、欠け等がなくシャープな形状に仕上げたブレード部材を使用するが、そのカット面が像担持体の移動に伴って変形して像担持体表面に接する状態になること(前述した図23に示す状態になること)をいう。
【0064】
このブレード部材1のカット面のめくれの発生を無くすることで、像担持体11へのブレード部材1からのストレスも減少し、結果的にブレード部材1及び像担持体11の耐久性が格段に向上するという非常に大きな効果が得られることも判明した。
【0065】
そこで、以下に第1の発明に係るクリーニング装置を備え、第1の発明に係るクリーニング方法を適用した第1の発明に係る画像形成装置について図2を参照して説明する。なお、同図は同画像形成装置の概略構成図である。
【0066】
この画像形成装置は、矢印A方向に回転する像担持体11を備え、その周囲に帯電手段12、露光手段13、現像手段14、転写手段15、クリーニング装置16、除電手段17が配置されている。また、像担持体11上から転写された転写材18上のトナー像を定着するための図示しない定着装置が配置されている。
【0067】
ここで、帯電手段12は、像担持体11表面に所定の距離で像担持体11と接触あるいは非接触で配置され、帯電手段12にバイアスを印加することによって像担持体11を所定の極性、所定の電位に帯電する。
【0068】
露光手段13は発光素子としてLDあるいはLEDを使用し、画像データに基づき像担持体11に光を照射し静電潜像を形成する。
【0069】
現像手段14は、内部に固定されたマグネットローラと回転自在の現像剤担持体14Aを備えており、現像剤を現像剤担持体14A上に保持させている。この画像形成装置では、現像剤としてトナーとキャリアからなる二成分現像剤を用いて二成分磁気ブラシ現像を行うようにしている。その他の現像方式としてはキャリアを用いない一成分現像方式を用いてもよい。
【0070】
現像剤担持体14Aには、現像バイアス電源から電圧が印加される。この現像バイアスと像担持体11表面に形成された静電潜像の電位との電位差により、現像領域にて静電潜像に帯電したトナーを付着させて現像を行う。
【0071】
転写手段15は、転写時に像担持体11表面に所定の押圧力で接触し、電圧が印加されることにより、像担持体11と転写手段15との間の転写ニップ部で像担持体11表面のトナー像を転写材18に転写する。この画像形成装置では転写ローラを用いて転写を行っているが、コロトロン、転写ベルトなどの転写手段を用いてもよい。
【0072】
クリーニング装置16は、第1の発明に係るクリーニング装置であり、ブレード部材21と、振動部材22と、加振手段23と(これらの部材で構成される部分を「加振ブレード20」と称する)を備え、前述したようにブレード部材21に所要の振動を与えて、像担持体11表面の残留トナーを除去する。このクリーニング装置16により像担持体11からクリーニングされたトナーは、トナー搬送部材によって、廃トナーとして図示していない廃トナーボトルに蓄えてサービスマンなどにより回収、あるいはリサイクルトナーとして現像装置などに運ばれ現像に使用される。
【0073】
除電手段17は、クリーニング装置16により残留トナーを除去された像担持体11の残留電荷を除電するもので、LEDなどを用いた光除電方式の除電装置を用いている。
【0074】
また、この画像形成装置には、像担持体11の現像工程終了後のトナー付着量を光学的に検出するための濃度センサー19を設けている。この濃度センサ19からの検知信号をこの画像形成装置全体の制御を司るCPUを含む主制御部に取り込み、光学的な反射率からトナー付着量に換算するようにしている。
【0075】
動作タイミングとしては、非作像時に濃度センサ19の直下であって、設定されたパッチ(1cm×1cm四方のパターン)をあらかじめ出力するように動作を決めておき、定期的に検出し、次の作像工程で、現像の条件が最良になるように制御させている。パッチの大きさは、像担持体11全面ではトナー消費量としては非常に大きくなるので、濃度センサ19で検出されるに必要な大きさで、できるだけ狭い領域とすることが好ましい。
【0076】
また、像担持体11が小さい場合、光学センサからなる濃度センサを配置できないこともある。この場合には、現像剤の一部を筒中に通し、この通過経路に透磁率の変化を検知するセンサを配置させ、消費されるトナー量を見積もることができる。このセンサの検知信号を主制御部に取りこみ、トナー消費量として換算することができる。
【0077】
さらに、センサーを配置させない場合、または検出精度が下がっても問題ない場合には、センサーを全く設けることなく、例えば、出力枚数(作像回数)のカウントを行ってトナー消費量を見積ることもできる。
【0078】
また、図示しないが、現像剤は環境の条件に応じて変化するため、環境条件を検出するための温湿度センサを設けている。この温湿度センサの出力を上述した主制御部に取り込み、環境条件に基づいて現像剤攪拌条件の変更や現像バイアスの変更を行わせるている。
【0079】
これらの各種センサによる検出結果に基づいてクリーニング装置16の加振手段23をフィードバック制御して、ブレード部材21の振動量などを変化させる。これにより、ブレード部材21は、そこに入力されるトナー量(画像面積)や、摺擦の程度(出力枚数)によって先端の劣化が生じるため、この状態に応じ、最適なクリーニング条件にすることができる。また、環境条件によるブレード部材21の機械的な当接条件の変化についても、最適なクリーニング条件にすることができる。
【0080】
次に、クリーニング装置16の第1実施形態の構成の詳細について図3ないし図6を参照して説明する。なお、図3は同クリーニング装置の加振ブレードの要部拡大説明図、図4は図3の要部拡大説明図、図5は同加振ブレードの正面説明図、図6は同加振ブレードを先端側から見た説明図である。
【0081】
このクリーニング装置16の加振ブレード20は、前述したように、ブレード部材21と、このブレード部材21を取り付けた振動部材22と、この振動部材22に取り付けられた加振手段23とを備えている。
【0082】
ブレード部材21は、例えばポリウレタンゴムを素材とした弾性体で、厚みは50〜1500μmの範囲内、好ましくは100〜500μmの範囲内とするのが良い。厚さが薄すぎると、像担持体11表面及びブレード部材21自体のうねり等によってブレード部材21の像担持体11への押しつけ量が確保しにくくなる。厚さが厚すぎると、振動部材22からの振動を吸収し、ブレード部材21先端部への振動が十分伝達されず、トナーのクリーニング性が低下する。ブレード部材21の厚さが厚い場合は、ブレード部材21の材料としてJISA硬度で85〜100°の範囲内の硬い部材を使用することで、振動の伝達効率を上げることができる。
【0083】
ここで薄いウレタンブレードの製造方法によっては、ブレード部材21と振動部材22との間に一層、または二層以上の他の部材を介在させた構成とすることもできる。例えば、薄いウレタンブレードを成型する時、ウレタンより硬度の高いPET等の既成樹脂フィルムに一体接合成型する。これによって、フレード部材のニップ部はシャープなエッジが必要であるが、そのための切断作業のハンドリング性が向上する。この場合は、PETとウレタンとを一体にしたものを切断加工した後、PFT側を振動部材22に接合して取付けることになる。
【0084】
また、ブレード部材21としては少なくとも表面が使用するトナーとの親和性の小さい材料で形成されることが好ましい。これにより、トナーがブレード部材21表面に付着、固着することが防止され、経時的なクリーニング不良の発生を低減することができる。
【0085】
この場合、逆に、トナーの外部に添加される外添剤としてブレード部材21の表面との親和性が小さい材料を用いることによっても、トナーの外添剤がブレード部材21表面に付着、固着することが防止され、経時的なクリーニング不良の発生を低減することができるとともに、定着に必要なワックスがトナー表面に外添されている場合に、これに起因するフィルミングを低減することができる。
【0086】
振動部材22は、振動が可能で弾性のブレード部材21よりも剛性の高い材料、例えば軟鋼板、SUS板、等の金属部材、またはカーボン、ガラス繊維を混合した樹脂成形部材、などから形成している。この振動部材22は一端部側を固定部24に固定し、他端部を自由端部23aとして、この自由端部にブレード部材21を取り付けている。なお、固定部24は図2に示すようにクリーニング装置の筐体25に固定している。
【0087】
この振動部材22は、ブレード部材21のホルダとして機能し、像担持体11へのブレード部材21の押し付け力、当接角度を決める部材でもある。すなわち、従来のブレードでは、ブレードニップ部の像担持体への押し付け力は弾性ブレード自身の復元力で与えるようにしている。これに対して、このクリーニング装置においては、振動の伝搬効率を上げるためブレード部材21は薄い部材構成とし、ブレード部材21単体での押し付け力が確保できないことから、この実施形態では振動部材22がブレード21に対して像担持体11への押し付け力を付与する構成している。なお、別途押し付け力を付与するための部材(補助部材)を用いることもできる。
【0088】
これにより、薄い弾性ブレード部材を使用しながら振動伝搬効率を高くし、且つブレード部材の反り、像担持体表面のうねりに対応するニップを安定して形成することができ、確実なクリーニング性能が得られる。
【0089】
加振手段23は、振動部材22に振動を与えるもので、ここでは電気機械変換素子としての圧電素子、特に板状(単板)圧電素子を用いている。加振手段23として板状圧電素子を用いることにより、低コストで変位量が容易に得られ、かつ電気的にブレード部材21の振動量を変化させることができる加振手段を構成することができる。
【0090】
この加振手段23は、図5及び図6に示すように、像担持体11の軸方向(幅方向)に複数個配置した構成としている。なお、加振手段23は1個でもよいが、複数個を間隔をおいて配置することにより、振動部材22の幅方向の振動の均一性を得られ易い。なお、1個の長尺の圧電素子を設けることも考えられるが、板状圧電素子の場合には板面方向の伸縮による撓み変形を用いるため、複数個を間隔をおいて配置する方が好ましい。
【0091】
この加振手段23は、振動部材22の像担持体1側先端寄り、すなわち自由端部22bのブレード部材21と取り付け面と反対面に設けている。振動部材22の構成によっては、加振手段23は振動部材23の固定端とブレード先端(自由端)の間で振動部材22を加振できる箇所であれば特に取り付け位置が限定されるものではない。
【0092】
加振手段23を構成する単板圧電素子は、図4に示すように、チタン酸ジルコン酸鉛等の圧電層23aの両面、即ち、振動部材22との接合面とその反対面に、印刷焼成したAgなどからなる電極23b、23cを有する。この電極23b、23cを用いて分極を行った厚さ0.3〜0.5mmの圧電素子(圧電層23a)に対して、100〜300Vの電圧を印加することで板面方向の縮み変形が発生し、その結果、振動部材22を撓ませる変形振動を与えることができる。この撓み振動は、圧電素子(加振手段23)と振動部材22の剛性がほぼ同じときに変形の効率がよく、例えば厚さ0.2〜0.4mmの金属振動部材22、あるいは厚さ0.3〜1.0mmの樹脂製振動部材を用いることが好ましい。
【0093】
そして、このクリーニング装置16においては、図7に示すように、加振ブレード20の複数の加振手段23を構成する圧電素子に対して共通に駆動信号Pvを印加するための駆動回路28を備えている。このようにブレード部材の幅方向に複数の加振手段を設けた場合に共通の駆動回路で駆動することによって、ブレード部材の幅方向における振動の均一性を高めることができる。
【0094】
なお、駆動回路28は画像形成装置の主制御部29に制御され、所定のタイミングで駆動信号Pvを加振手段23に与える。また、この実施形態では1つの加振ブレード20で像担持体11の幅方向全幅のクリーニングを行うようにしているが、複数の加振ブレード20を設けて幅方向全幅をカバーするように構成することもでき、この場合にも複数の加振ブレード20の各加振手段を共通の駆動回路で駆動することができる。
【0095】
ここで、この実施形態では、振動部材22として金属性部材(導電性部材)を用いて、複数の加振手段23を構成する圧電素子の電極23cを振動部材22に直接コンタクトして電気的に接続することによって、振動部材22を介して複数の加振手段23の電極23cを共通に接続している。これにより、駆動信号の印加を簡単な回路構成で行うことができる。なお、直接コンタクトは電極23cの接合面側を粗面に仕上げて、薄い接着層で振動部材22に接合することで容易に得られるが、この他、導電性接着剤を用いて接合してもよい。
【0096】
このように構成したクリーニング装置16において、複数の加振手段23に対して駆動回路28から所要周波数の駆動信号Pvを与えて、複数の加振手段23を構成する圧電素子に撓み変形を与えることで振動部材22が振動し、この振動部材22の振動によってブレード部材21が振動する。
【0097】
ここで、加振手段23によって振動部材22に振動を与えてブレード部材21先端を振動させ、これにより、球形トナーが摩擦力により回転することを防止し、ブレードニップ部近傍のトナーを振動させて振動トナー壁が形成され、ブレード部材21の像担持体11の移動方向(矢示A方向)へのめくれの発生がなくなる状態にすることで、ブレードニップ部への球形トナー、小径トナーの入り込みを防止することができて、球形トナー、小径トナーのクリーニング不良を無くすることができる。また、像担持体へのブレード部材からのストレスも減少し、結果的にブレード部材、および像担持体の耐久性が格段に向上するという非常に大きな効果が得られる。
【0098】
ここで、図7に示す構成においては、主制御部29は、濃度センサ19の検知信号に基づいて像担持体11表面のトナー付着量を検出し、この検出結果に基づいて駆動回路28を駆動制御することによって、ブレード部材21の振動量を変化させることができるようにしている。この場合、ブレード部材21の先端に近いトナー条件を検出できるので、良好なクリーニング状態が維持されるようにクリーニング条件の最適化を図ることができる。
【0099】
また、このように、ブレード部材21の振動量を変化させることができるようにすることで、例えば、作像時と非作像で振動量を変化させてブレード部材21上に溜まる異物,トナーを除去することができる。
【0100】
さらに、像担持体11上のトナー付着量以外にも、出力枚数(作像回数)、環境条件、トナー補給量に基づいて振動量を変化させ、最適なクリーニング条件を維持することができるようになる。
【0101】
この場合、ブレード部材21の振動量を、出力枚数(作像回数)のカウント値に基づいて変化させることで、簡単な構成で、ブレード部材21の劣化を予測できるのでクリーニング条件の最適化が可能になる。さらに、環境条件の検出結果に基づいて変化させることで、ブレード部材21の機械的な当接条件を変化させたり、クリーニング条件の最適化を図れる。さらにまた、トナー補給量の検出結果に基づいて変化させることで、像担持体近傍にセンサを配置させることなく、クリーニング条件の最適化が図れる。
【0102】
次に、クリーニング装置16の加振ブレード20の第2実施形態について図8及び図9を参照して説明する。
この実施形態では、振動部材22に振動を与える加振手段33として積層型圧電素子を用いている。積層型圧電素子は、それ自体の固有振動数が50〜100kHzと高く、また発生変位力が非常に大きいので、積層型圧電素子を用いることで、振動部材22の板厚を厚くしても高い振動数まで応答が可能な構成が容易となる。
【0103】
ここでは、加振手段33を構成する積層型圧電素子は、例えば一層あたり100μmの圧電層33aと内部電極33bとを交互に積層し、内部電極33bは交互に両端面に引き出して端面電極(外部電極)に接続したものであり、その積層方向の変位であるd33方向変位を利用する構成としている。
【0104】
なお、積層型圧電素子を用いて複数層積層した積層方向に対して直角となる面方向の変位、即ちd31方向変位を利用する構成とすることもでき、この場合変位量が大きくとれ、低電圧化を図れ、ドライバ(駆動回路)コストの低減を図れる。この構成を採用する場合、加振手段23を構成する積層型圧電素子以外図9と同様の構成である。
【0105】
ここで、振動部材22は弾性変形可能な薄板状であり、この振動部材22と対向しする支持部35aを有する剛性の高いホルダである固定部材35に振動部材22の固定端を固定し、固定部材35の支持部35aと振動部材22との間に加振手段33である積層型圧電素子が挟まれるように配置している。ブレード部材21は加振手段33からの振動が振動部材22を介して伝わるように、振動部材22の加振手段233とは反対面の先端領域に配置している。
【0106】
このように、加振手段を固定部と振動部材との間に設けた構成とすることで、効率的に振動部材に振動を伝えることができる。
【0107】
また、加振手段33は、図9に示すように、像担持体1の幅方向で複数個設けている。加振手段33は、比較的幅が狭いブレード部材21の場合、積層圧電素子の断面積の大きいものを使用すれば、1個とする構成も可能である。
【0108】
次に、クリーニング装置16の加振ブレード20の第3実施形態について図10及び図11を参照して説明する。
この実施形態では、ブレード部材21を取り付けた振動部材42の側端面にホルダ44を固定し、このホルダ44の支持部44aと振動部材42の側端面との間に積層型圧電素子43を固定した。この場合、圧電素子43の図中矢印方向に変位によって振動部材42が同方向に振動する。
【0109】
ここで、これらの第1ないし第3実施形態に係る加振手段23、33、43を構成する圧電素子に対する駆動信号を印加するため、上述したように共通の駆動回路で構成している。この駆動回路としては、パルス信号を発生させるためのファンクションジェネレータと、これから発生した信号を増幅させる電源(ドライバ)で構成できる。
【0110】
上述したように、複数の圧電素子を配列させて動作させる場合や、タンデム機のように、複数色の像担持体、クリーニングブレードを配置させる必要のある場合では、複数のファンクションジェネレータと電源を用いても良いし、あるいは、同一の電源から複数に分岐させて、その各々から圧電素子に印加するよにしてもよい。ただし、分岐させる数が多ければ、それだけ電源には出力に余裕のあるものを用いる。
【0111】
また、画像形成装置や後述するプロセスカートリッジで使用する場合には、より小スペースの電源が好ましいことが多いため、上述したようにファンクションジェネレータと電源が一体化されたドライバを用いることが好ましい。このとき、上述したように、画像形成装置やプロセスカートリッジ全体を動作させるための主制御部からの駆動制御を行うようにし、駆動条件を状況に応じて動作条件を変えたり、作像、もしくは非作像時の動作シーケンスと同期させ、圧電素子の動作を制御することができる。
【0112】
次に、第1の発明で用いる顕像化粒子であるトナーについて説明する。
まず、トナーの円形度について説明する。球形トナーを使用する画像形成装置で高画質画像を形成するためには、トナーが特定の形状を有することが重要であり、平均円形度が0.95未満で、球形からあまりに離れた不定形の形状では、転写性やチリのない高画質画像が得られない。したがって、球形トナーの円形度としては、0.95以上であることが好ましい。
【0113】
なお、形状の計測方法としては、粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度が0.95以上のトナーが適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのに有効であることが判明した。なお、円形度の定義については図12に示している。
【0114】
トナーの円形度は、より好ましくは、平均円形度が0.960〜0.998である。この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製、商品名)により平均円形度として計測できる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
【0115】
また、トナー粒径については次のようにして測定できる。トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターマルチサイザーIII(コールター社製、商品名)を用い、パーソナルコンピューター(IBM社製)を接続し専用解析ソフト(コールター社製)を用いてデータ解析した。Kd値は10μmの標準粒子を用いて設定し、アパーチャカレントはオートマティックの設定で行なった。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。その他に、ISOTON−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製、商品名)が使用できる。
【0116】
測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、100μmアパーチャーチューブを用いて、2μm以上のトナー5万カウント測定して重量平均粒径を求めた。
【0117】
次に、重合・球形トナーの製造方法について説明する。
上記画像形成装置において用いる円形度0.960〜0.998のトナーを製造する方法としては、懸濁重合法、乳化凝集法、分散重合法、界面重合法、溶解懸濁法、転相乳化法等の湿式造粒による製造方法が挙げられる。溶融混練物の粉砕・分級によるトナーにおいても、トナーの加熱処理等により円形度の高いトナーを製造することができるが、エネルギー効率の点では好ましくない。
【0118】
前述の湿式造粒法のうち、円形度の高いトナーが安定して得られる点、シャープな粒径分布が得られる点、トナーの帯電制御の点で、懸濁重合法、分散重合法が優れている。また、トナーの低温定着性の点で有利なポリエステル樹脂が使用できる点で溶解懸濁法が優れている。以下、懸濁重合法、分散重合法、溶解懸濁法について詳述する。
【0119】
(懸濁重合法)
後述の特定モノマーに対して、分散安定剤、及び着色剤、さらに必要に応じて架橋剤や、荷電制御剤、離型剤等をボールミル等により均一に分散させた後、これに重合開始剤を加え、モノマー相を得、モノマー相とあらかじめ撹拌して作製しておいた水系分散媒相を撹拌槽に入れ、ホモジナイザー等により攪拌し、得られた懸濁液を窒素置換後に加熱して重合反応を完了させることにより着色樹脂粒子が得られ、これを洗浄、乾燥する事により円形度の高いトナー粒子が得られる。
【0120】
懸濁重合に使用される重合性単量体はビニル基を有するモノマーであり、具体的には以下のようなモノマーが挙げられる。即ち、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ブチルスチレン、オクチルスチレンなどのスチレン及びその誘導体が挙げられ、なかでもスチレン単量体が最も好ましい。
【0121】
他のビニル系単量体として、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン系不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類、ビニルナフタレンなどを挙げることができ、これらの単量体を単独あるいは混合して用いることができる。
【0122】
懸濁重合法では、単量体組成物中に、架橋重合体を生成させるために、次のような架橋剤を存在させて懸濁重合させてもよい。架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2′−ビス(4−メタクリルロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−アクリルオキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールメタンテトラアクリレート、ジブロムネオペンチルグリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリルなどが挙げられる。
【0123】
架橋剤の使用量が多過ぎると、トナーが熱で溶融しにくくなり、熱定着性、熱圧定着性が劣ることになる。また、架橋剤の使用量が少くな過ぎると、トナーとして必要な耐ブロッキング性、耐久性などの性質が低下し、熱ロール定着において、トナーの一部が紙に完全に固着しないでロール表面に付着し、次の紙に転写するという、コールドオフセットが発生してしまう。したがって、用いる架橋剤量は、重合性単量体100重量部に対して0.001〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
【0124】
懸濁重合法における分散安定剤としては次のものが使用可能である。即ち、ポリビニルアルコール、でん粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシュウム、リン酸カルシュウム、タルク、粘土、けいそう土、金属酸化物粉末などが用いられる。これらは水に対して0.1〜10重量%の範囲で用いるのが好ましい。
【0125】
懸濁重合法における、重合開始剤は造粒後の単量体組成物を含む分散液中に添加してもよいが、個々の単量体組成物粒子に均一に重合開始剤を付与する点からは、造粒前の単量体組成物に含有させておくことが好ましい。このような重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メチキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスブチロニトリルなどのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキサイド、2,4−ジクロリルベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
【0126】
懸濁重合法においては、磁性体を含有する型の磁性トナーが可能である。磁性トナーとするには、単量体組成物に磁性粒子を添加すればよい。本発明に用いることができる磁性体には、例えば、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属の粉末、もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合金や化合物の粉末が挙げられる。
【0127】
磁性粒子としては、粒径が0.05〜5μm、好ましくは0.1〜1μmのものが用いられるが、小粒径トナーを生成する場合には、粒径0.8μm以下の磁性粒子を使用することが好ましい。この磁性粒子は、単量体組成物100重量部中に10〜60重量部含有されていることが好ましい。また、これら磁性粒子はシランカップリング剤、チタンカップリング剤などの表面処理剤、あるいは適当な反応性の樹脂などで処理されていてもよい。この場合、磁性粒子の表面積あるいは表面に存在する水酸基の密度にもよるが、通常、磁性粒子100重量部に対して表面処理剤が5重量部以下、好ましくは0.1〜3重量部の処理で、充分な重合性単量体への分散性が得られ、トナー物性に対しても悪影響を及ぼさない。
【0128】
(乳化重合法)
次に、乳化重合法により球状トナー粒子を製造する方法について述べる。
乳化重合法は、サブミクロンオーダーの粒子をコントロールしながら凝集させることによりトナーとして適当な粒子サイズを作ることができる方法である。この製法で作られたトナーは、粒子サイズ(トナー粒径)の分布がかなり狭い傾向を持つことが特徴的である。トナーの球形化の方法としては、乳化重合法で得られたラテックスをスプレー乾燥で完全に球形のトナー粒子を製造する方法が昔から提案されている。
【0129】
(分散重合)
親水性有機液体に、その親水性有機液体に溶解する高分子分散剤を加え、これに前記親水性液体には溶解するが、生成する重合体は前記親水性液体にて膨潤されるか、あるいは殆ど溶解しない一種または二種以上のビニル単量体を加えて重合することにより製造される。また、予め目的とする粒径よりは小さく、粒度分布の狭い重合体粒子を利用して上述の系で成長させる反応も含まれる。成長反応に利用する単量体は、種粒子を製造したものと同じ単量体でもまた別の単量体でもよいが、重合体は親水性有機液体に溶解してはならない。
【0130】
前記の粒子の形成時及び種粒子の成長反応時に用いる単量体の希釈剤としての親水性有機液体としては、メチルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−アミルアルコール、3−ペンタノール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール類などが代表的なものとして挙げられる。
【0131】
これらの有機液体は単独で、もしくは二種以上の混合物して用いることができる。なお、アルコール類及びエーテルアルコール類以外の有機液体と、上述のアルコール類及びエーテルアルコール類とを併用することで、有機液体が生成重合体粒子に対して溶解性をもたせない条件下で、有機液体のSP値を種々変化させて重合を行なうことにより、生成される粒子の大きさ、種粒子同士の合一及び新粒子の発生を抑制することが可能である。
【0132】
この場合の併用する有機液体としては、ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、四塩化炭素、トリクロルエチレン、テトラブロムエタンなどのハロゲン化炭化水素類、エチルエーテル、ジメチルグリコール、シリオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、メチラール、ジエチルアセタールなどのアセタール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサンなどのケトン類、ギ酸ブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの酸類、ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの硫黄、窒素含有有機化合物類、その他水も含まれる。
【0133】
また、重合開始時、重合途中、重合末期とそれぞれ混合溶媒の種類及び組成を変化させ、生成する重合体粒子の平均粒径、粒径分布、乾燥条件などを調整することができる。
【0134】
種粒子製造時、または成長粒子の製造時に使用される高分子分散剤の適当な例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有するアクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、並びにメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類、または前記親水性モノマーとスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのベンゼン核を有するものまたはその誘導体、またはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体との共重合体、さらに、架橋性モノマー、例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、メタクリル酸アリル、ジビニルベンゼンなどとの共重合体も使用可能である。
【0135】
これらの高分子分散剤は、使用する親水性有機液体、目的とする重合体粒子の種、及び種粒子の製造か成長粒子の製造かにより適宜選択されるが、特に重合体粒子同士の合一を主に立体的に防ぐ意味で、重合体粒子表面への親和性、吸着性が高く、しかも親水性有機液体への親和性、溶解性の高いものが選ばれる。また、立体的に粒子同士の反撥を高めるために、分子鎖がある程度の長さのもの、好ましくは分子量が1万以上のものが選ばれる。しかし、あまり分子量が高いと、液粘度の上昇が著しく、操作性、撹拌性が悪くなり、生成重合体の粒子表面への析出確率のばらつきを与えるため注意を要する。また、先に挙げた高分子分散剤の単量体を一部、目的とする重合体粒子を構成する単量体に共存させておくことも安定化には効果がある。
【0136】
さらに、これら高分子分散剤とともにコバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、銅、錫、鉛、マグネシウムなどの金属またはその合金(特に粒径1μm以下のものが好ましい)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化珪素などの酸化物の無機化合物微粉体、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、燐酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えば、アラニン型「例えばドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン」などのアミノ酸型やベタイン型の両性界面活性剤を併用しても、生成重合体粒子の安定性及び粒径分布の改良をさらに高めることができる。
【0137】
一般に、種粒子製造時の高分子分散剤の使用量は目的とする重合体粒子形成用の重合性単量体の種類によって異なるが、親水性有機液体に対し0.1重量%〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。高分子分散安定剤の濃度が低い場合には、生成する重合体粒子は比較的大粒径のものが得られ、濃度の高い場合には小粒径のものが得られるが、10重量%を越えて用いても小径化への効果は少ない。
【0138】
また、前記のビニル単量体とは、親水性有機液体に溶解可能なものであり、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルエチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレンなどのスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチル脂肪酸モノカルボン酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸、もしくはメタクリル酸誘導体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類などからなる単独または相互の混合物及びこれらを50重量%以上含有し、これらと共重合し得る単量体との相互の混合物を意味する。
【0139】
また、本発明における前記の重合体は、耐オフセット性を高めるために、重合性の二重結合を二個以上有するいわゆる架橋剤の存在下に重合させたものであっても良い。好ましく用いられる架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン及びそれらの誘導体である芳香族ジビニル化合物、その他エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、トリエチレングリコールメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルメタクリレート、tert−ブチルアミノエチルメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなどのジエチレン性カルボン酸エステル、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなど全てのジビニル化合物、及び三個以上のビニル基を持つ化合物が挙げられ、これらは単独または混合物などで用いられる。
【0140】
このように架橋された種粒子を用いて成長重合反応を引き続いて行った場合には、成長する重合体粒子の内部が架橋されたものとなる。また一方で、成長反応に用いるビニル単量体溶液に上記の架橋剤を含有させた場合には、粒子表面が硬化された重合体が得られる。
【0141】
また、平均分子量を調節する目的として、連鎖移動定数の大きな化合物を共存させて重合を行わせるものに、例えば、メルカプト基をもつ低分子化合物や四塩化炭素、四臭化炭素が挙げられる。
【0142】
また、前記単量体の重合開始剤としては、例えば2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系重合開始剤、ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオクトエートなどの過酸化物系重合開始剤、過硫酸カリウムなどの過硫酸化物系重合開始剤、これにチオ硫酸ナトリウム、アミンなどを併用した系などが用いられる。重合開始剤濃度は、ビニル単量体100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。
【0143】
種粒子を得るための重合条件は、重合体粒子の目標平均粒径、目標粒径分布に合わせて、親水性有機液体中の高分子分散剤、ビニル単量体の濃度、及び配合比が決定される。一般に、粒子の平均粒径を小さくしようとするならば、高分子分散剤の濃度を高く、また平均粒径を大きくしようとするならば、高分子分散剤の濃度が低く設定される。一方、粒子径分布を非常に鋭くしようとするならば、ビニル単量体濃度を低く、また、比較的広い分布でもよい場合は、ビニル単量体濃度は高く設定される。
【0144】
粒子の製造は親水性有機液体に、高分子分散安定剤を完全に溶解した後、一種または二種以上のビニル単量体、重合開始剤、その他必要ならば無機微粉末、界面活性剤、染料、顔料などを添加し、30〜300rpmの通常の撹拌にて、好ましくはなるべく低速で、しかもパドル型よりもタービン型の撹拌翼を用いて、槽内の流れが均一になるような速度で撹拌しながら、用いた重合開始剤の重合速度に対応した温度にて加熱し重合が行なわれる。
【0145】
なお、重合初期の温度が生成する粒子種に大きな影響を与えるため、単量体を添加した後に温度を重合温度まで上げ、重合開始剤を小量の溶媒に溶解して投入した方が好ましい。重合の際には窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性気体にて反応容器内の空気中の酸素を充分に追い出す必要がある。もし、酸素パージが不充分であると微粒子が発生し易い。重合を高重合率域で行なうには5〜40時間の重合時間が必要であるが、所望の粒子径、粒子径分布の状態で重合を停止させたり、また重合開始剤を順次添加したり、高圧下で反応を行なうことにより重合速度を速めることができる。
【0146】
重合終了後は、そのまま染着工程に用いてもよいし、沈降分離、遠心分離、デカンテーションなどの操作により不必要な微粒子、残存モノマー、高分子分散安定剤などを除いた後に、重合体スラリーとして回収して染着を行なってもよいが、分散安定剤を除去しない方が染着の安定性は高く、不要な凝集が抑制される。
【0147】
分散重合法における染着は次のようなものである。即ち、樹脂粒子を溶解せしめない有機溶媒中に樹脂粒子を分散し、この前または後に前記溶媒中に染料を溶解させ、前記染料を樹脂粒子中に浸透させ着色せしめた後、前記有機溶媒を除去して染着トナーを製造する方法において、前記染料の前記有機溶媒に対する液解度(D1)及び前記樹脂粒子Aの樹脂に対する前記染料の溶解度(D2)の関係が、(D1)/(D2)≦0.5となる染料を選択使用する。これにより、樹脂粒子の深部まで染料が浸透(拡散)したトナーを効率よく製造することができる。
【0148】
本明細書における溶解度は25℃の温度で測定されたものと定義される。なお、染料の樹脂中への溶解度とは、染料の溶媒中への溶解度と全く同じ定義であり、樹脂中に染料が相溶状態で含有させることができる最大量を意味する。この溶解状態あるいは染料の析出状態の観察は顕微鏡を用いることにより容易に行なうことができる。樹脂に対する染料の溶解性を知るには、上記した直接観察による方法の代わりに間接的な観察方法によってもよい。この方法は樹脂と溶解度係数が近似する液体、即ち樹脂をよく溶解する溶媒を用い、この溶媒に対する染料の溶解度を樹脂に対する溶解度として定めてもよい。
【0149】
着色に使用する染料としては、前述のように使用する有機溶媒への該染料の溶解度(D1)より樹脂粒子を構成する樹脂への該染料の比(D1)/(D2)が0.5以下である必要がある。さらに、(D1)/(D2)が0.2以下とすることが好ましい。染料としては、上記の溶解特性を満たせば特に制限はないが、カチオン染料、アニオン染料などの水溶性染料は環境変動が大きいおそれがあり、またトナーの電気抵抗が低くなり、転写率が低下するおそれがあるので、バット染料、分散染料、油溶性染料の使用が好ましく、特に油溶性染料が好ましい。また、所望の色調に応じて数種の染料が併用することもできる。
【0150】
染着される染料と樹脂粒子との比率(重量)は、着色度に応じて任意に選択されるが、通常は樹脂粒子1重量部に対して、染料1〜50重量部の割合で用いるのが好ましい。例えば、染着溶媒にSP値の高いメタノール、エタノールなどのアルコール類を使用し、樹脂粒子としてSP値が9程度のスチレン−アクリル系樹脂を使用した場合、使用し得る染料としては、例えば、以下のような染料が挙げられる。
【0151】
C.I. SOLVENT YELLOW(6,9,17,31,35,1,102,103,105)
C.I. SOLVENT ORANGE(2,7,13,14,66)
C.I. SOLVENT RED(5,16,17,18,19,22,23,143,145,146,149,150,151,157,158)
C.I. SOLVENT VIOLET(31,32,33,37)
C.I. SOLVENT BLUE(22,63,78,83〜86,91,94,95,104)
C.I. SOLVENT GREEN(24,25)
C.I. SOLVENT BROWN(3,9)など。
【0152】
市販染料では例えば保土谷化学工業社製の愛染SOT染料Yellow−1,3,4、Orange−1,2,3、Scarlet−1、Red−1,2,3、Brown−2、Blue−1,2、Violet−1、Green−1,2,3、Black−1,4,6,8やBASF社製のsudan染料、Yellow−140,150、Orange−220、Red−290,380,460、Blue−670や三菱化成社製のダイアレジン、Yellow−3G,F,H2G,HG,HC,HL、Orange−HS,G、Red−GG,S,HS,A,K,H5B、Violet−D、Blue−J,G,N,K,P,H3G,4G、Green−C、Brown−Aやオリエント化学社製のオイルカラー、Yellow−3G,GG−S,#105、Orange−PS,PR,#201、Scarlet−#308、Red−5B、Brown−GR,#416、Green−BG,#502、Blue−BOS,HN、Black−HBB,#803,EE,EX、住友化学工業社製のスミプラスト、ブルーGP,OR、レッドFB,3B、イエローFL7G,GC、日本化薬社製のカヤロン、ポリエステルブラックEX−SH3、カヤセットRed−BのブルーA−2Rなどを使用することができる。もちろん染料は樹脂粒子と染着時に使用する溶媒の組み合わせで適宜選択されるため、上記例に限られるものではない。
【0153】
染料を樹脂粒子に染着させるために用いる染着用有機溶媒としては、使用する樹脂粒子が溶解しないもの、あるいは若干の膨潤をきたすもの、具体的には溶解性パラメーター(SP値)の差が1.0以上、好ましくは2.0以上のものが使用される。例えば、スチレン−アクリル系樹脂粒子に対しては、SP値が高いメタノール、エタノール、n−プロパノールなどのアルコール系、あるいはSP値が低いn−ヘキサン、n−ヘプタンなどを使用する。SP値の差があまりに大きすぎると、樹脂粒子に対する濡れが悪くなり、樹脂粒子の良好な分散が得られないため、最適なSP値の差は2〜5が好ましい。
【0154】
染料を溶解した有機溶媒中に樹脂粒子を分散させた後、液温度を樹脂粒子のガラス転移温度以下に保ち、撹拌することが好ましい。これにより、樹脂粒子の凝集を防ぎながら染着することが可能となる。撹拌の方法は市販されている撹拌機、例えばホモミキサー、マグネチックスタラーなどを用いて撹拌すればよい。また、分散重合などで重合終了時得られるスラリー、つまり有機溶媒中に重合樹脂粒子が分散している状態の分散液に、染料を直接添加して前記の条件にて加熱撹拌してもよい。加熱温度がガラス転移温度超過の場合は樹脂粒子同士の融着が生じてしまう。染着後のスラリーを乾燥する方法としては、特に限定はされないが、濾過した後に減圧乾燥あるいは濾別しないで直接減圧乾燥すればよい。本発明において濾別した後に風乾または減圧乾燥して得られた着色粒子は、凝集は殆どなく、投入した樹脂粒子の粒度分布を殆ど損なわないで再現する。
【0155】
(溶解懸濁法)
次に、溶解懸濁法により球状トナー粒子を製造する方法について述べる。
溶解懸濁法は樹脂を溶媒に溶解して油相を作成し、水系媒体から成る水相中で乳化した後に、乳化分散体中の溶媒を除去して樹脂粒子を得る方法である。
【0156】
水系媒体として、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
【0157】
用いる樹脂としては、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
【0158】
油相作成に使用可能な溶剤としては、沸点が100℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。該溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。トナー組成物100部に対する溶剤の使用量は、通常10〜900部である。
【0159】
油相作成は、他のトナー組成物である着色剤(又は着色剤マスターバッチ)、離型剤、荷電制御剤を、水系媒体中で分散体を形成させる際に同時に添加して、混合してもよいが、あらかじめ油相中に混合する方がより好ましい。
【0160】
また、着色剤、離型剤、荷電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
【0161】
油相と水相の分散には通常の攪拌による混合機が全て使用可能だが、より好ましくは高速回転体とステータを有すホモジナイザー、高圧ホモジナイザーの他ボールミル、ビーズミル、サンドミルといったメディアを用いた分散機などが用いられる。
【0162】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。回転羽根を有する乳化機としては、特に限定されるものではなく、乳化機、分散機として一般に市販されているものであれば使用することができる。例えば、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミクサー(特殊機化工業(株)製)、エバラマイルダー(荏原製作所(株)製)、TKパイプラインホモミクサー、TKホモミックラインフロー(特殊機化工業(株)製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機(株)製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工(株)製)等の連続式乳化機、クレアミックス(エムテクニック社製) 、フィルミックス(特殊機化工業(株)製)等のバッチまたは連続両用乳化機等が挙げられる。
【0163】
高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは10〜98℃である。高温の条件の法が分散体の粘度が適度に低くなり、分散が容易な点で好ましい。
【0164】
溶解懸濁法では、分散した油相を安定化させる目的で、あらかじめ水系媒体に固体微粒子を分散する方法が用いられる。
【0165】
さらに固体微粒子分散剤の液滴への吸着性を調整するためにその他の分散剤を併用することができる。その他の分散剤はトナー組成物を乳化する前や乳化後揮発成分を除去する時などに添加できる。
【0166】
(粉砕トナーの球形化処理)
粉砕・分級法によるトナーはそのままでは不定形で、粉砕処理方法にもよるが、円形度は0.930〜0.950であり、円形度0.960〜0.998となることはないが、次に述べるような機械的な球形化処理や、加熱処理により、円形度を高めることが可能であり、円形度0.960〜0.998のトナーを得る事ができる。
【0167】
〔機械的処理〕
例えば、特開平09−085741号公報に記載されているようにターボミル(ターボ工業製)を用いた方法や、クリプトロン(川崎重工製)、Q型ミキサー(三井鉱山製)、ハイブリダイザー(奈良機械製)、メカノフィュージョン装置(ホソカワミクロン製等)で連続処理することにより、粉砕トナーの形状を球形化することが可能である。
【0168】
〔加熱処理(乾式)〕
例えば、サーフュージョンシステム(日本ニューマチック工業)を用いて、100〜300℃の熱風でトナー粒子表面を半溶融させることにより、粉砕トナーの形状を球形化することが可能である。
【0169】
〔加熱処理(湿式)〕
粉砕法によって得られたトナーをトナーが可塑性を持つような温度(200℃程度)の高温液体中に浸漬することによって、粉砕トナーの形状を球形化することが可能である。
【0170】
(二成分現像剤用キャリア)
第1の発明はトナーを二成分系現像剤として用いることができ、この場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。
【0171】
磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。
【0172】
また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。またポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。
【0173】
また、必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
【0174】
なお、第1の発明では、トナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
【0175】
次に、第1の発明についてクリーニング性の評価について説明する。
先ず、評価に用いたトナーの具体的な例(実施例)について説明する。なお、第1の発明で用いるトナーは、これらの例に限定されるものではない。また、以下の例に示すトナー製造に関する記載のうち、各成分量(部)はいずれも重量基準である。
【0176】
〔トナーA〕(懸濁重合の実施例 円形度高)
スチレンモノマー40重量部にカーボンブラックMA100(三菱化成社製)20重量部と重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリルを0.5重量部加え、スリーワンモータ駆動撹拌翼、冷却器、ガス導入管、温度計を取り付けた500ml四つ口セパラブルフラスコに入れ、窒素気流下、室温で30分間撹拌し、フラスコ内を窒素で置換した。その後、70℃の湯浴中で6時間60rpmで撹拌し、グラフトカーボンブラックを得た。
【0177】
次いで、次の混合物をボールミルで10時間分散した。
スチレンモノマー 50.0重量部
n−ブチルメタクリレート 14.5重量部
1,3−ブタンジオールジメタアクリレート 0.5重量部
t−ブチルアクリルアミドスルフォン酸 3.0重量部
低分子量ポリエチレン 2.0重量部
(三井石油化学社製、三井ハイワックス210P)
前記グラフトカーボンブラック 30.0重量部
【0178】
この分散液に2,2′−アゾビスイソブチロニトリルおよび亜硝酸ナトリウムをそれぞれ1重量部ずつ溶解させた後、ポリビニルアルコールの2%水溶液250重量部に加え、TKホモミキサー(特殊機化社製)により6000rpmで10分間撹拌し懸濁液を得た。
【0179】
上記懸濁液をスリーワンモータ駆動撹拌翼、冷却器、ガス導入管、温度計を取り付けた500mlの四つ口セパラブルフラスコに入れ、窒素気流下、室温で30分間撹拌し、フラスコ内の酸素を窒素で置換した。その後、70℃の湯浴中で、90rpm、8時間撹拌して重合を完了させ懸濁重合粒子を作製した。この粒子100重量部を水/メタノール=1/1(重量比)の混合液に固形分30%になるよう再分散し、荷電制御剤としてジターシャリーブチルサリチル酸亜鉛塩を3重量部添加し、撹拌後濾過乾燥し、着色粒子を得た。
【0180】
得られた着色粒子95重量部に対して、3重量部のシリカ、2重量部の酸化チタン粒子をヘンシェルミキサーで2分間混合し、篩にかけ、トナーを得た。
【0181】
このトナーを「トナーA」とする。トナーAの円形度は0.985であった。トナーAの重量平均粒径は5.81μmであった。
【0182】
そして、重量平均粒径50μのシリコーンコートキャリア(マグネタイト芯材)95重量部に対して、トナーA5重量部をロッキングミキサーで混合し、二成分現像剤を得た。
【0183】
〔トナーB〕(分散重合実施例 円形度高)
撹拌翼、冷却器を取り付けた500mlの四つ口フラスコに、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体(分子量40,000、GAF社製)3.5重量部とメタノール100重量部とを入れ、60℃で2時間撹拌し、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体を完全に溶解させ分散安定剤を調製した。その後、室温まで冷却し次のものを投入した。
【0184】
スチレン 60.0重量部
メタクリル酸メチル 40.0重量部
t−ドデシルメルカプタン 0.06重量部
1,3−ブタンジイオールジメタクリレート 0.5重量部
【0185】
これらを撹拌しながらフラスコ内を窒素ガスでパージし、系内の残存酸素濃度が0.1%になるまで約1時間ゆるやかに撹拌(100rpm)を続けた。その後恒温水槽の温度を60℃まで上昇させた後、2,2′−アゾビスイソブチロニトイル0.2重量部を開始剤に用い、24時間重合を続けた。加熱後15分すると液は白濁し始め、24時間重合後も白濁した安定な分散液であった。一部サンプリングしてガスクロマトグラフィーで、内部標準法による測定を行なった結果、重合率は95%であることが確認できた。
【0186】
得られた分散液を冷却し、遠心分離機にて2000rpmで遠心分離すると、重合体粒子は完全に沈降し上部の液は透明であった。上澄み液を除き、新たにメタノール200gを加え、1時間撹拌洗浄した。遠心分離しメタノールで洗浄する操作を繰返し濾過した。濾別したものを50℃にて24時間減圧乾燥し、90%の収率で白色粉末の樹脂粒子を得た。
【0187】
次に、メタノール100重量部中にオイルブラック860(オリエン化学社製)2重量部を加熱溶解した後、冷却し約1μmフィルターで濾別し、染料溶液を作製した。
【0188】
次に、前記濾液に重合粒子を30重量部加えて分散させ、50℃で1時間加熱撹拌した。その後、分散液を室温まで冷却し濾別し着色樹脂微粒子分散液を得た。続いて、荷電制御剤としてジターシャリーブチルサリチル酸亜鉛塩を、水/メタノール(1/1)混合溶媒に溶解させ、着色樹脂粒子100重量部に対して2重量部加えた。1時間攪拌後濾過し、乾燥させて着色粒子を得た。
【0189】
得られた着色粒子95重量部に対して、3重量部のシリカ、2重量部の酸化チタン粒子をヘンシェルミキサーで2分間混合し、篩にかけ、トナーを得た。
【0190】
このトナーを「トナーB」とする。トナーBの円形度は0.983であった。トナーBの重量平均粒径は5.52μmであった。そして、トナーAと同様にして二成分現像剤を作製した。
【0191】
〔トナーC〕(溶解懸濁法実施例 円形度高)
(トナーバインダーの合成)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間重縮合反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5300のポリエステル樹脂を得た。このポリエステル樹脂100部を 酢酸エチル100部に溶解、混合し、トナーバインダーの酢酸エチル溶液を得た。
【0192】
(トナーの作成)
密閉されたポット内に前記のトナーバインダーの酢酸エチル溶液200部、カルナウバワックス5部、銅フタロシアニンブルー顔料4部、ジターシャリーブチルサリチル酸亜鉛塩、1部を入れ、5mmmφのジルコニアビーズを用いて24時間ボールミル分散を行ないトナー組成物を得た。
【0193】
ビーカー内にイオン交換水600部、部分ケン化ポリビニルアルコール6部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3部を入れ均一に溶解分散した。
【0194】
次いで、20℃にビーカー内温を保ち、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)で12000rpmに攪拌しながら、上記トナー組成物を投入し3分間攪拌乳化した。ついでこの混合液を攪拌棒および温度計付のフラスコに移し、ラウリル硫酸ナトリウムを0.3部加え、30分室温下で攪拌溶解した。ついで30℃、50mmHgの減圧下で溶剤を除去した。ガスクロマトグラフィーによって分散液を分析したところ残存酢酸エチルはトナー粒子に対して50ppmであった。35%濃塩酸を120部加え、リン酸三カルシウムを溶解した後に、濾別、得られたケーキを蒸留水に再分散してろ過する操作を3回繰り返し洗浄した後に、40℃24時間減圧乾燥し着色粒子を得た。
【0195】
得られた着色粒子95重量部に対して、3重量部のシリカ、2重量部の酸化チタン粒子をヘンシェルミキサーで2分間混合し、篩にかけ、トナーを得た。
【0196】
このトナーを「トナーC」とする。トナーCの円形度は0.980であった。トナーCの重量平均粒径は5.41μmであった。そして、トナーAと同様にして二成分現像剤を作製した。
【0197】
〔トナーD〕(粉砕トナーによる比較例 円形度低)
下記原材料をヘンシェルミキサーで充分混合した後、小型二本ロールミルで、150℃、2時間混練した。
結着樹脂(スチレン−アクリル酸メチル共重合体) 100.0重量部
着色剤(カーボンブラック#44、三菱カーボン社製) 10.0重量部
荷電制御剤(ジターシャリーブチルサリチル酸亜鉛塩) 2.0重量部
(オリエント化学製ボントロンE−84)
カルナバワックス 5.0重量部
【0198】
得られた混練物を2mmのスクリーンを装着したパルベライザーで粗粉砕した後、ラボジェットで粉砕し、100MZRで分級して着色粒子を得た。
【0199】
得られた着色粒子95重量部に対して、3重量部のシリカ、2重量部の酸化チタン粒子をヘンシェルミキサーで2分間混合し、篩にかけ、トナーを得た。
【0200】
このトナーを「トナーD」とする。トナーDの円形度は0.930であった。トナーDの重量平均粒径は5.73μmであった。そして、トナーAと同様にして二成分現像剤を作製した。
【0201】
〔トナーE〕(粉砕トナーの機械的処理による比較例 円形度やや低)
トナーDの製造例で得られた着色粒子を奈良機械製ハイブリダイザーを用いて、12000回転で10分間処理し、着色粒子を得た。
【0202】
得られた着色粒子95重量部に対して、3重量部のシリカ、2重量部の酸化チタン粒子をヘンシェルミキサーで2分間混合し、篩にかけ、トナーを得た。
【0203】
このトナーをトナーEとする。トナーEの円形度は0.945であった。
トナーEの重量平均粒径は5.21μmであった。そして、トナーAと同様にして二成分現像剤を作製した。
【0204】
〔トナーF〕(粉砕トナーの機械的処理による実施例 円形度やや高)
トナーDの製造例で得られた着色粒子を奈良機械製ハイブリダイザーを用いて、12000回転で30分処理し、着色粒子を得た。
【0205】
得られた着色粒子95重量部に対して、3重量部のシリカ、2重量部の酸化チタン粒子をヘンシェルミキサーで2分間混合し、篩にかけ、トナーを得た。
【0206】
このトナーを「トナーF」とする。トナーFの円形度は0.968であった。トナーFの重量平均粒径は5.26μmであった。そして、トナーAと同様にして二成分現像剤を作製した。
【0207】
〔トナーG〕(粉砕トナーの加熱処理による実施例 円形度高)
トナーDの製造例で得られた着色粒子を日本ニューマチック製サーフュージョンシステムを用いて、熱処理温度250℃、熱風風量1000 l/min、供給風量100l/minで2回処理し、着色粒子を得た。
【0208】
得られた着色粒子95重量部に対して、3重量部のシリカ、2重量部の酸化チタン粒子をヘンシェルミキサーで2分間混合し、篩にかけ、トナーを得た。
【0209】
このトナーを「トナーG」とする。トナーGの円形度は0.970であった。トナーGの重量平均粒径は5.56μmであった。そして、トナーAと同様にして二成分現像剤を作製した。
【0210】
上述したトナーA〜Gまでのトナーを使用し、本発明に係る画像形成装置における転写性及びクリーニング性を評価した。
【0211】
帯電及び現像の条件は、次のとおりとし、評価時は一定とした。
Figure 0004046325
【0212】
また、本発明に係る前記加振ブレードの加振手段を構成する圧電素子に対する駆動電圧の印加は、上述したように、パルス信号を発生させるための、ファンクションジェネレータと、これから発生した信号を増幅させる電源を通して行い、実際に圧電素子に印加される電圧を確認するため、増幅された電圧を分岐させ、これをオシロスコープによってモニタした。
【0213】
本発明が目的とするクリーニング性の評価、及び球形トナーを使用したときに向上される転写率について次のように評価を行った。
(転写率評価)
転写率の評価(測定)には、像担持体表面にべたの画像を出力している途中で、動作を止め、現像部と転写部との間、及び転写クリーニング部との間のトナー像をスコッチテープ(住友3M株式会社製)で白い紙に転写させて、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定した。
【0214】
このとき、
現像部―転写部間のテープ濃度:Ddt
転写部―クリーニング部間のテープ濃度:Dtc
白い紙にスコッチテープを転写しただけの濃度:Dref
とし、転写効率を、次の(1)式で算出した。
【0215】
【数1】
Figure 0004046325
【0216】
(クリーニング評価)
クリーニング性評価についても、先の転写率と同じように、スコッチテープを使って評価した。
像担持体である感光体表面上の転写工程後のトナー(転写残留トナー)をスコッチテープ(住友3M株式会社製)で白い紙に転写させて、それを同じようにマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランク(白い紙にスコッチテープだけを貼ったもの)との差が、0.01以下のものを良好(評価結果の表では「○」と記載)とし、それを超えるもの(濃度が高いもの)をNG(不良)とした。
【0217】
(トナーの円形度の違いによる比較)
前述した第2実施形態に係る加振ブレード20(図8及び図9)を搭載した画像形成装置で評価を行った。クリーニング性は、作像動作時の初期では、その良否の判断が困難であるため、従来のブレードクリーナと溶解懸濁重合で作られたトナーCでクリーニング不良の発生が明らかに確認されたA3用紙相当で50000枚後での評価を先に記載したトナーA〜Gで評価を行った。
【0218】
なお、ブレードクリーナとしては、従来ブレード(ブレード部厚み:3mm)と第2実施形態に係る加振ブレード20(振動部材厚み:0.3mm、ブレード部材厚み:0.2mmとした。)を用いて、共に感光体(像担持体11)に対する押し当ての圧力(当接圧)を70g/cm2で統一した。また、共にブレード部材はポリウレタンゴムとした。バルクとしての硬度は、JIS-Aで約70°であった。第2実施形態に係る加振ブレード20の積層型圧電素子33には、全て電圧Vpp:20V、周波数:20kHzの駆動電圧を印加した。
【0219】
実際の出力は、感光体上に付着量が0.1mg/cm2となるような画像パターンを用意し、これをA3用紙縦方向で50000枚分出力させる。50000枚の出力が終了した段階で、先の転写率、クリーニング率の測定方法で示したように、べた画像となるような画像パターンを途中まで出力させ評価した。
【0220】
以上の評価結果を表1に示している。なお、表1のクリーニング性の欄における「本発明ブレード」は上記のとおり第2実施形態に係る加振ブレード20を意味している。また、「NG1」は約1000枚の出力で、紙上にクリーニング不良による地汚れが発生したことを、「NG2」は約3000枚の出力で、紙上にクリーニング不良による地汚れが発生したことを、「NG3」は約2500枚の出力で、紙上にクリーニング不良による地汚れが発生したことを、それぞれ意味している。
【0221】
【表1】
Figure 0004046325
【0222】
この表1より、粉砕トナーであるトナーD及びEについては、振動のない従来のブレードでもクリーニング性は維持されていること分かるが、機械処理、あるいは加熱処理で円形度を高くしたものでは、従来ブレードではクリーニングの機能が維持されないことが分かる。
【0223】
また、転写率に関しては、先に記載したように、円形度の高いものは転写効率が95%前後と高い値を示し、この点から高画質であることが予測できるが、円形度の低いものは90%前後と低くなっている。クリーニング性の点から良好であった、トナーD及びEはクリーニング性は良好であるものの、転写率を比較すると低く、画質の点からは好ましくないことが分かる。
【0224】
この表1から明らかなように、第1の発明では高い円径度をもつ球形トナーに対し、ブレード部の振動があることによって、従来のブレードクリーニングと比較し、クリーニング不良の発生を防止することができ、また、繰り返し使用によってもクリーニング性を維持することが可能となることが分かる。
【0225】
次に、上記評価で最も転写率の高かった溶解懸濁重合法で作られたトナーCを用いて、従来のブレードクリーニングを含め、第1ないし第3実施形態に係る各加振ブレードのクリーニング性を評価した。
【0226】
先ず、印加する電圧Vppの大きさについての評価について説明する。
上述した評価実験と同じように、各ブレードで50000枚相当の出力を行った後にクリーニング性の評価を行った。このとき、駆動電圧の周波数は20kHzで固定し、第1ないし第3実施形態の加振ブレードについては、圧電素子に印加する駆動電圧の電圧Vppを5,20,30Vと変化させてそれぞれ評価し、同時にレーザドップラ変位計でブレード部の先端部の変位量を測定した。
【0227】
なお、加振時のブレードの変動量については、クリーニング装置の上であって、振動部材あるいは、ブレード部材の上から、上述したようにレーザドップラ変位計を使い、光学的に変位量を測定した。測定には、いずれも次のグラフテック株式会社製の装置を使用した。
レーザドップラ振動復調ユニット AT3500
センサユニット AT0021
【0228】
この結果を表2に示している。なお、表2中、「NG4」は出力初めから紙上にクリーニング不良による地汚れが発生したこと、「NG5」は約100枚の出力で紙上にクリーニング不良による地汚れが発生したことをそれぞれ意味する。
【0229】
【表2】
Figure 0004046325
【0230】
この表2に示すように、第1の発明に係る加振ブレード(ブレードクリーニング)でも、加振手段である圧電素子への印加電圧が低い場合、クリーニング性を維持することができず、従来ブレードとほぼ同等になる。また、第1ないし第3実施形態の加振ブレードの場合、印加電圧の増加に伴って変位量も増加することが分かる。従来ブレードについても変位量を測定したが、計測器の測定下限値である0.01μm以下の変位量であった。
【0231】
第1ないし第3実施形態の加振ブレードの場合、圧電素子に対する印加電圧を上げていけば、いずれの構成であってもクリーニング性は維持される。これを、レーザドップラ変位計による変位量と関係付けて推察する。
【0232】
先のメカニズム及び従来出願されていた公知技術によると、従来のブレードでもスティック―スリップ現象が発生し、微小な振動がクリーニング性に寄与するとされているが、球形トナーでは、その振動量が小さいためにトナーのすり抜けが起こり結果的にクリーニング不良を発生させると考えられる(トナー壁ができない)。
【0233】
レーザドップラ変位計の結果からも分かるように、振動による変位量が小さい場合には、球形トナーのクリーニングは不可能と考えられる。圧電素子へ印加する電圧も、球形トナーをクリーニングさせるに必要な振動量の下限値があることが表2から分かる。
【0234】
したがって、表2から明らかなように、第1の発明では高い円形度をもつ球形トナーに対し、ブレード部に対してある一定量以上の振動を与えることによって、従来のブレードクリーニングと比較し、クリーニング不良の発生を防止することができる。また、繰り返し使用によってもクリーニング性を維持することが可能となる。
【0235】
次に、感光体(像担持体)に対するダメージという点で評価した。
先の評価実験と同じように、各ブレードで50000枚相当の出力を行った後にクリーニング性の評価を行った。この時、印加する電圧Vppは20V、周波数は20kHzとして固定した。また、トナーは溶解懸濁重合法で作られたトナーCを用いた。
【0236】
この評価では、ブレードの感光体へのダメージをより顕著に明らかにするために、OPCを使って、50000枚出力後にその感光層の削れ量を測定した(アモルファスシリコン系感光体は、削れにくいため、感光体へのダメージ評価が明らかにならないためである。)。この結果を表3に示している。
【0237】
【表3】
Figure 0004046325
【0238】
この表3に示すように、第1の発明に係る加振ブレードでは膜削れ量が2μm程度であったのに対し、従来ブレードでは、その約倍の4μm程度と増加していることが分かる。
【0239】
この理由としては、従来ブレードではスティック―スリップ現象で微小な振動はあるが、振動量としては小さく、感光体への接触時間が本発明に係る加振ブレードに比べて長いため、結果としてブレードと感光体との摺擦力(時間的に積分した摺擦力、と考えても良い。)が増加して、感光層の膜削れ量が増えたものと考えられる。
【0240】
また、以上の比較をアモルファスシリコン系感光体で行った場合、第1実施形態に係る加振ブレード、従来ブレードいずれも膜削れ量としての変化は1μm以下と計測器の測定限界以下であったため比較は困難であった。しかし、表面が硬質のアモルファスシリコン系感光体であっても、従来のOPCと比較し微小とはいえ、膜削れ、傷の発生は生じているため、第1の発明に係る加振ブレードでは従来のブレードに比べて、感光体の耐久性を向上させるという点で効果があると推測される。
【0241】
このように、振動量が多い第1の発明に係る加振ブレードでは、感光体の膜厚の変化、言いかえれば削れ量も低く、像担持体へのダメージと言う点で、有効であり結果的に耐久性を向上させることができる。
【0242】
次に、加振ブレードの加振手段の動作タイミング及び振動幅について説明する。
像担持体上のトナーをクリーニングすることで、ブレード部材先端には、クリーニング時のトナーの溜まりができることになる。なお、この場合は、円形度の高い球形に近いトナーのブレードによるクリーニングが可能か、否かのメカニズムで述べたことよりも、もっと広い幅でのトナーの溜まりであって、量が多くなればブレード表面に乗り上げることもある。このトナー溜まりは場合によってはブレードの動きを制約したりすることがある。
【0243】
例えば、トナー固着の起きにくいトナーであってもブレードと感光体との間で圧接により、固着の可能性があったり、トナーに内包される添加剤、例えばワックスがブレードにより引き伸ばされて感光体表面のフィルミングといったことも起きる。このため、定期的にトナー溜まりを解除し、できるだけ少なくするほうが耐久性向上の面では好ましい。そのため、加振手段によるブレード部材の振動量(変位量)を変化させることが好ましい。
【0244】
そこで、前述したように、作像の条件、例えば、トナー消費量、環境条件、像担持体上のトナー付着量、印刷枚数(作像回数)を検出して、この検出結果に基づいて加振手段を駆動制御する。
【0245】
この場合、通常の作像のタイミングで圧電素子の振動量を変化させるとクリーニングの条件が変わってしまうためクリーニング不良を起こすことが予測される。そこで、非作像時には振動量が大きくなるように制御して、トナー溜まりを解消し、作像時にはクリーニング条件を維持してクリーニング不良の発生を防止するため振動量が小さくなるように制御する。なお、この振動量の制御は上述したように加振手段に印加する駆動信号の電圧値を変化させればよい。
【0246】
また、高速で出力される画像形成装置の場合にはトナー消費量も多いことが予測されるため、ブレードの振動量を大きくさせるだけではなく、トナー溜まりを解消するための補助部材を配置して行うこともできる。前記評価実験ではブレードの先端にブラシ(φ8)を配置してトナー溜まりを解消させた。
【0247】
次に、第2の発明に係る実施形態について説明する。
先ず、画像形成装置の構成は、第1の発明の実施形態(図2参照)の画像形成装置の構成において、出力される画像でトナーで顕像化させるに必要な面積(画像面積)をカウントし、単位面積当たりのトナーを量を見積もるための信号を主制御部に取り込んでいる。
【0248】
また、主制御部には、像担持体11を回転させるために必要なモータの回転トルクを検出する検出手段の信号、あるいは当該モータに対する駆動電流を検出する検出手段の信号をも入力している。
【0249】
また、クリーニング装置16の構成については、第1の発明のクリーニング装置16の第1実施形態及び第2実施形態として説明した構成を用いている。
【0250】
さらに、クリーニング装置16を構成する加振ブレード20の加振手段23に対する駆動制御に関しても第1発明の実施形態で説明したとおりである。
【0251】
そこで、第2の発明が目的とするブレード部材と像担持体との摩擦抵抗の低減によるクリーニング性の維持、向上について説明する。
まず、トナーとしては、前記第1の発明の実施形態で説明した「トナーC」を用いた。なお、第2の発明は球形トナーを用いる画像形成装置、クリーニング装置等に限るものではない。
【0252】
摩擦抵抗力の測定について説明する。第2の発明に係る加振ブレードを用いた場合、振動部材22に対する加振手段23による加振によって、ブレード部材21と像担持体11間との摩擦抵抗力が変化する。
【0253】
ここで、直接的に摩擦抵抗力を測定する方法として、実験的に表面性試験機を使って評価した。用いた試験機は、表面性試験機:トライボギア HEIDON TYPE:14DR(新東科学製)である。
【0254】
この装置を用い、実験的に加振によるブレード部材と像担持体11との間の摩擦抵抗力を測定した。この実験の際の模式図を図13に示している。
ここでは、表面性試験機に取り付ける加振ブレードは、第1の発明の第2実施形態で説明したように、加振手段23として圧電素子33を振動部材22の背面に取り付けたものを用いている。ブレード部材21に当接する部材としては、表面が洗浄されたガラス面51を用いた。通常の作像工程では、ブレード部材21と像担持体11の感光層とが接触するが、まずブレード部材21に振動を与えることが摩擦抵抗力とどのように関係があるのか明らかにするため、また、洗浄することによって均一表面を維持することで摩擦抵抗力の測定環境が安定するため、表面性試験機にはガラスを採用し、ブレード部材21とガラス面51との摩擦抵抗力を測定した。
【0255】
表面性試験機は、ブレード部材21に一定の加重(ガラス面に対して垂直方向)を掛けた時に、一定方向及び速度でガラス面51を取り付けたステージ52を動かしたときに横方向に掛かる力を試験機に取り付けられた歪ゲージ53によって、摩擦力として測定する。この時、歪ゲージ53に掛かる力、ブレードとガラス面との摩擦抵抗力は、リアルタイムでアラナイジングレコーダ54に記録される。
【0256】
このアラナイジングレコーダ54に記録された(以下、チャートとする)一例を図14に示している。同図では、ステージ52が停止した状態から摩擦抵抗力の測定例を示している。最初、ステージ52が停止した状態(A領域)では、摩擦抵抗力が0であるため、チャート中も0の値を示している。ステージ52が動き始めると同図中のB領域ではステージ52が動き始め、摩擦抵抗力が上がることがチャート上でも現れている。C領域では、動き始め、ブレード部材21とガラス面52との摩擦抵抗力がほぼ一定値を維持しながら動いている状態である。しばらくすると、ステージ52は所定の移動距離に達した後、停止する。
【0257】
このチャート上の各領域において、B領域の最初の段階であって、摩擦抵抗力が最大になるところは静止摩擦係数に相当する箇所で、C領域のほぼ摩擦抵抗力が一定になるところは、動摩擦係数に相当する箇所である。
【0258】
実際の作像工程では、ブレード部材21と像担持体11とは相対的に移動しているため、C領域の摩擦抵抗力の値をもって、クリーニングブレードとガラス面との摩擦抵抗力とした。
【0259】
以上の方法によって、実際に加振手段23を備えたクリーニングブレード部材21を使って、加振条件を変化させた時の摩擦抵抗力を測定した結果を次に説明する。
表面性試験機の測定条件は、次のとおりとし、一定値とした。
ステージ移動速度 10mm/sec
ブレード加重 25g/cm
ブレード長さ 3cm(トータルの加重としては75g)
【0260】
加振手段23を構成する圧電素子に印加するバイアス(駆動バイアス)を、周波数、交番電圧(Vpp)を変えたときのC領域の摩擦抵抗力の値の変化を図15及び図16に示している。摩擦抵抗力の値としては、C領域であってステージの動作が安定した時間(図14では、ステージの動き始めから2秒後から4秒後まで)の値を持って摩擦抵抗力の値とした。
【0261】
先ず、図15によれば、電圧Vppが一定のとき、周波数を変化させたときには、周波数が大きくなると摩擦抵抗力が少なくなることが分かる。図15において、周波数が0の時は、加振させない、つまり従来のクリーニングブレードの条件である。従来のブレードに比べ、圧電素子で加振させることによって摩擦抵抗力が下がることが分かる。
【0262】
次に、図16は、各周波数a〜eで、電圧Vppを変化させた時の結果を示している。同図において、周波数a〜eの大きさは、a>b>c>d>eの関係に設定している。
【0263】
この図16によれば、いずれの周波数でも電圧Vppを上げることで摩擦抵抗力が下がることが分かる。周波数a、bではこれら2つの周波数の大きさが違うものの、電圧Vppに対する変化はほとんど同じであることが分かる。
【0264】
以上、表面性試験機を使って、加振手段を設けたブレードとガラス面との摩擦抵抗力について評価を行った結果、ブレードに振動があることによって、摩擦抵抗力が下がることが判明した。
【0265】
後述するが、画像形成装置において、加振手段を設けたブレード部材を用いた場合、図15及び図16にクリーニングが良好な領域として図示する部分では、周波数が大きく、電圧Vppが大きい領域ではクリーニング性が良好であることが分かっており、摩擦抵抗力を下げることでクリーニング性に効果があることが分分かる。従来ブレードと比較し、ブレード部材21と像担持体11との摩擦抵抗力が下がることによって、クリーニング性が向上したものと推測される。
【0266】
次に、上記本発明に係る画像形成装置におけるクリーニング性と、ブレードと像担持体との摩擦抵抗力との関係について説明する。
第2の発明に係る加振ブレードを備えたクリーニング装置(第1の発明の実施形態で説明したものと同様であることは前述したとおりである。)を搭載して、転写性、クリーニング性及び感光体、ブレード間の摩擦抵抗力を評価・測定した。
【0267】
帯電及び現像の条件は、次のとおりとし、評価時は一定とした。
Figure 0004046325
【0268】
また、本発明に係る前記加振ブレードの加振手段を構成する圧電素子に対する駆動電圧の印加は、上述したように、パルス信号を発生させるための、ファンクションジェネレータと、これから発生した信号を増幅させる電源を通して行い、実際に圧電素子に印加される電圧を確認するため、増幅された電圧を分岐させ、これをオシロスコープによってモニタした。
【0269】
転写率について次のように評価を行った。
(転写率評価)
転写率の評価(測定)には、像担持体表面にべたの画像を出力している途中で、動作を止め、現像部と転写部との間、及び転写クリーニング部との間のトナー像をスコッチテープ(住友3M株式会社製)で白い紙に転写させて、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定した。
【0270】
このとき、
現像部―転写部間のテープ濃度:Ddt
転写部―クリーニング部間のテープ濃度:Dtc
白い紙にスコッチテープを転写しただけの濃度:Dref
とし、転写効率を、次の(1)式で算出した。
【0271】
【数2】
Figure 0004046325
【0272】
(クリーニング評価)
クリーニング性評価についても、先の転写率と同じように、スコッチテープを使って評価した。
像担持体である感光体表面上の転写工程後のトナー(転写残留トナー)をスコッチテープ(住友スリーエム株式会社製)で白い紙に転写させて、それを同じようにマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランク(白い紙にスコッチテープだけを貼ったもの)との差が、0.01以下のものを良好とし、それを超えるもの(濃度が高いもの)を不良とした。
【0273】
実際の出力は、感光体上に付着量が0.1mg/cm2となるような画像パターンを用意し、これをA3用紙縦方向で50000枚分出力させる。50000枚の出力が終了した段階で、先の転写率、クリーニング率の測定方法で示したように、べた画像となるような画像パターンを途中まで出力させ評価した。
【0274】
次に、画像形成装置における摩擦抵抗力の見積もりは、次のようにして行った。
画像形成装置内に取り付けられるドラム状の像担持体11の軸に回転トルクメータを取り付け、回転動作時にトルクを測定した。この測定の際に、像担持体11に当接するのは加振手段23を設けたクリーニングブレード部材21のみとして回転トルクを測定した。なお、クリーニング性の評価は、上述したように、帯電工程、現像工程、転写工程の顕像化させるために必要な工程を組み込んだ。ブレード部材21と像担持体11との摩擦抵抗力に相当する測定器としては、このトルクメータを画像形成装置に取り込むことが、直接的に摩擦抵抗力を診る、という点で最適である。
【0275】
また、ここでは、ドラム状のOPCについて行ったが、ベルト状の感光体についても同じように測定が可能である。ただし、ブレードが当接し、トナーをクリーニングするためには、感光体との接触が必要であるため、できるだけブレードに近い位置にトルクメータを配置させることが好ましい。ベルト感光体の場合、クリーニングにはある程度のベルトとブレードとの圧力が必要であるため、ベルトを懸架させるローラ等が設けられている場合が多い。トルクメータの配置箇所は、このブレードに最も近接する懸架ローラの軸に取りつけることが好ましい。
【0276】
そこで、先ず、加振手段に対する駆動バイアスの電圧Vppを20V一定とし、駆動周波数を変化させたときの回転トルクの変化を図17に示している。また、同図には、同時に、その各駆動バイアス条件でクリーニング動作を行わせたとき、つまり実際に残留トナーをクリーニングさせながら、50000枚相当の出力を行った後の前述したクリーニング性の評価において、クリーニングが可能、良好であった領域も示している。
【0277】
この図17から分かるように、回転トルクについても、駆動周波数を上げると回転トルクが下がり、前述した図15に示したと同じような傾向を示している。クリーニング性との関係をみると、駆動周波数が高いところでクリーニングが可能、良好であることが分かる。加振がない場合は回転トルクも大きく、像担持体の回転に大きな負荷になっていることが予測され、かつクリーニング性も非常に悪い。
【0278】
従来の粉砕型トナーでは、ブレードに加振を与えなくてもクリーニングは可能であったが、高画質を狙うための球形に近いトナーを用いる場合には、前記第1の発明で説明したように加振の有無がクリーニング性に大きく影響を与える。
【0279】
次に、加振手段に対する駆動バイアスの駆動周波数を周波数a〜eと変化させ、各周波数での電圧Vppを変えたときの回転トルクの変化を図18に示している。また、同図には、同時に、その各駆動バイアス条件でクリーニング動作を行わせたとき、つまり実際に残留トナーをクリーニングさせながら、50000枚相当の出力を行った後の前述したクリーニング性の評価において、クリーニングが可能、良好であった領域も示している。なお、周波数a〜eの大きさは、a>b>c>d>eの関係に設定している。
【0280】
この図18から分かるように、電圧Vppを上げると回転トルクが下がり、前述した図16と同じような傾向を示している。クリーニング性との関係を診ると、電圧Vppが高いところでクリーニングが可能、良好であることが分かるが、低い周波数c〜eではクリーニング性が悪い。電圧Vppが0、つまり加振手段がない従来のブレードに比べ、電圧Vppを上げて加振させることにより回転トルクを下げることが可能(c、d)であるが、クリーニング性の関係から、圧電素子への駆動バイアスはある程度の周波数の振動が必要であることが分かる。なお、周波数eでは、ブレード加振しても従来のブレードと回転トルクはほとんど変わらなかった。
【0281】
これらの駆動バイアスの条件を変化させた結果とクリーニング性との関係から、回転トルクを下げる、言い換えればブレードと像担持体との摩擦抵抗力を下げることによってクリーニング性が向上することが分かる。
【0282】
次に、画像形成装置の像担持体を回転させるモータとしてDCモータとし、このモータに対する駆動電流の電流値を検出測定した。この場合、摩擦抵抗力が低い、つまりモータへの負荷が小さい時には、DCモータに流れる電流が低くなることが予測される。実際に、先の回転トルクメータの評価と同じように、ドラム状の像担持体を駆動させるモータをDCモータに変えて実験を行ない、加振手段である圧電素子に対する駆動信号の周波数を変化させた結果及び電圧Vppを変化させたときの結果を図19及び図20に示している。
【0283】
駆動バイアスとモータの駆動電流の変化の傾向としては、これまでの回転トルクを見た結果と同じであるが、各周波数a〜eにおける電圧Vppの変化は線形で変化していることが分かる。同じようにクリーニング性との関係をみると、モータの駆動電流が小さい場合にはクリーニング性が向上することが分かる。
【0284】
したがって、駆動電流を検出し、この検出結果に基づいて摩擦抵抗力を見積もる方法では、摩擦抵抗力を直接的に把握することはできないが、回転トルクメータのように機械的な装置を備えることなく、画像形成装置を構成することが可能となる。
【0285】
そして、駆動バイアスを変化させた結果とクリーニング性との関係から、DCモータを駆動するための駆動電流を下げる、言い換えればブレードと像担持体との負荷つまり摩擦抵抗力を下げることによってクリーニング性が向上することが分かる。
【0286】
以上より、像担持体の回転トルク、あるいは、DCモータの駆動電流の検出結果に基づいて、作像の条件(トナー消費量、環境条件、印刷枚数)から加振手段を構成する圧電素子をフィードバック制御して、ブレード部材と像担持体との摩擦抵抗力を変化させることによって、安定した良好なクリーニング性を得ることができる。
【0287】
クリーニング性の評価は、初期では判断が困難であり、ある程度の出力枚数後のクリーニング性の評価が実際のトナークリーニングでは必要となる(前述したしたように、評価では50000枚の出力後のクリーニング性を評価し、これと加振条件とで比較を行っている。)。
【0288】
さらに、実際の画像形成装置を使用して作像を行わせる際に、像担持体の表面は、トナーのフィルミングや感光層の膜削れ等の変化が起きる(これは、摩擦抵抗力を下げた第2の発明でも少なからず起きていると容易に推測される。)。そのため、クリーニングに最適な条件、ここではブレードと像担持体との摩擦抵抗力が変化していると考えられる。
【0289】
そこで、加振手段による加振条件を何らかの手段で制御することが必要になるが、そのために圧電素子を使うことが最も有効であることは前述した通りである。圧電素子の駆動バイアスを変化させることで、摩擦抵抗力、回転トルク、DCモータの駆動電流を下げることが可能になり、ある程度の画像の出力でこれらの条件が変化しても最適な条件でクリーニングを行うことが可能になる。
【0290】
ここで、加振条件変化の指標について説明すると、フィルミングはトナーがブレードにより像担持体表面で引き伸ばされることにより起こる不具合である。トナーがフィルミングすることにより、ブレードと像担持体との間の摩擦抵抗力はトナーの種類によって下がることや上がることがある。いずれにしても、正常なクリーニングを確保するためには、トナーをクリーニングするに必要な最低限の摩擦抵抗力を維持することが必要である。
【0291】
トナーのフィルミングはトナーの消費量や出力される画像面積比率に対し、完全な線形性はもたないまでも、消費量が多い、画像面積比率が高い場合にフィルミングは助長されるという傾向がある。この理由としては、像担持体と接触するトナー量が多くなればそれだけブレードでフィルミングを引き起こしやすいからと推測される。
【0292】
そこで、画像データに基づいて画像面積比率を求めて、この画像面積比率に基づいて、ブレードの加振条件を変化させることで、摩擦抵抗力、あるいは回転トルク、DCモータ使用時の駆動電流を制御する上で最適なクリーニング条件にすることが可能である。また、環境条件が変化した場合、ブレード部の環境に対する変形もクリーニングブレード当接条件を変化させるため、摩擦抵抗力、回転トルク、DCモータ駆動電流も変化することが予測されるため、環境変化に応じて、これらの値を検出し、検出結果に応じて適切な加振条件に設定することによって最適なクリーニングを行うこともできる。
【0293】
次に、前記第1の発明及び第2の発明における、加振ブレード20のブレード部材21の像担持体11に対する押し付け量及び当接角について図21を参照して説明する。なお、同図はブレード部材21と像担持体11の当接状態を示す要部拡大説明図である。
先ず、ブレード部材21は像担持体11の回転方向(矢示A方向)に対して、カウンタ方向で当接している。すなわち、ブレード部材21と像担持体11とが当接する角度θが開く方向へ像担持体11が移動する設定としている。
【0294】
これにより、ブレード部材21のカット面21aのめくれを無くし、くさび形状が形成されたとしても非常に小い形状を維持することが可能となり、ニップ部へのトナーの入り込みを防止することができる。
【0295】
そして、ブレード部材21は、上述した押し付け力によってニップ部先端において像担持体11に押し付けられるが、このときの像担持体11表面からブレード部材21の高さ方向で押付け量をdとしている。つまり、ブレード部材21の先端の接触位置からさらに押し付け量dの高さだけ像担持体11の方向へ押し付けた状態を初期設定とする。ここで、初期設定とは、加振しない状態でのブレード押し付け量であり、前記単板圧電素子を加振手段23に用いた加振ブレード20では、押し付け量dは弾性のブレードニップ部の変形と圧電素子を含む振動部材22の撓み変形の量に相当する。
【0296】
この押し付け量dの値は、ブレード部材21の厚さ、硬度にもよるが、厚さ100〜300μm、硬度がJISA75〜100°の場合、押し付け量dは、10〜100μmの範囲内とすることが好ましい。ブレード部材21の厚さが薄く、硬い方向の場合押し付け量dは小さく、厚く、硬度が小さい場合押し付け量dは大きい値とする。
【0297】
また、ブレード部材21の像担持体11に対する当接角度θは、0〜50°の範囲内とすることで、ブレード部材21のカット面21aのめくれを無くし、くさび形状が形成されたとしても非常に小い形状を維持することが可能となり、ニップ部へのトナーの入り込みを防止することができ、クリーニング性能が得られる。
【0298】
この当接角度θが0〜10°のときは、振動部材22に貼り付けているブレード部材21の長さ寸法L(図2参照)は2〜5mmと短くして実際に像担持体11との接触する長さを短くした場合に好ましい構成であり、ブレード部材21の長さ寸法Lが5mm以上と長い場合は10〜50°の範囲内で傾斜させてブレードエッジ部21b(図4参照)が接触する構成とすることが好ましい。
【0299】
次に、振動板部材22に対するブレード部材21の突き出し量について上述した図21及び図22を参照して説明する。
まず、図21に示す例では、ブレード部材21の剛性より振動部材22の剛性が高い構成とし、且つ、ブレード部材21と振動部材22の先端突き出し量の関係を両者ほぼ同じ(又はブレード部材21の先端を振動部材22より短く、つまり振動部材22先端より後退した)構成としている。
【0300】
このような構成とすることで、加振手段23による振動部材22の振動の伝搬がニップ部で減衰することが抑えられて、トナーのクリーニングに直接作用するブレードニップ部にほぼ同レベルで伝えることができ、より効率の良いクリーニングが可能となる。
【0301】
また、図22に示す他の例では、前同様に、ブレード部材21の剛性より振動部材22の剛性が高い構成とするが、ブレード部材21の先端を振動部材22の先端より突き出し量hだけ突き出した関係の構成としている。ただし、微小量の高周波数の振動はゴム弾性部材のブレードに吸収されやすい。実験の結果、ブレードの硬さがJISA硬度で80〜100°の範囲内のものを使用し、ニップ部変位量の減衰が70%以下にするためには、振動部材22に対するブレード21の先端の突き出し量hをブレード厚さの2倍以下の設定にすれば良いことが判明した。
【0302】
これによって、加振手段23による振動部材22の振動の伝搬がニップ部で減衰することが抑えられて、トナーのクリーニングに直接作用するブレードニップ部にほぼ同レベルで伝えることができ、より効率の良いクリーニングが可能となるとともに、加振手段23の駆動条件を圧電素子の発熱が問題にならない範囲の電圧、周波数設定が可能となり、球形、小径トナーのクリーニングが可能となる。
【0303】
次に、クリーニング装置16の加振ブレード20の第4実施形態について図23及び図24を参照して説明する。
この実施形態では、加振手段23として前記実施形態と同様に板状圧電素子を用い、振動部材22には圧電素子を接合する領域に対応した部分を薄くした薄肉部22bを形成して、その部分だけが弾性変形しやすい構造としている。なお、ブレード部材21はウレタンブレード部材であり、振動部材22は先端領域にブレード部材21が接合され、像担持体11へのブレード部材21の当接角度θ、食い込み量(押し付け量)dを決める構成としていることは前記図2の構成と同様である。
【0304】
これによって、振動部材22のブレード部材21を取り付ける先端領域の剛性を高くすることができ、固有振動数を高く設定できるため、ブレード部材21の幅方向において振動部材22の先端部を高周波数領域まで均一に振動させることができるようになり、クリーニングムラのない高性能クリーニングが可能となる。そして、圧電素子を接合した領域に対応した部分のみ振動部材22を薄くしているので、加振ブレード20全体の固有振動数を高く維持でき、高い周波数までの加振が可能となる。
【0305】
また、振動部材22は、複数の加振手段23の間には幅方向に複数箇所の抜き領域(肉抜き部)22dを設けている。これにより、圧電素子(加振手段23)による振動部材22の先端方向への撓み変形の効率がより向上し、より効率的にブレード部材21を振動させることができる。
【0306】
ここで、この実施形態の加振ブレード20(クリーニングブレード)について、実際のニップ部の振動変位量を測定した結果について図25、図26を参照して説明する。
【0307】
図25に示すブレードニップ面変位量の測定条件としては、ブレード部材21の幅をA3サイズ横幅とし、像担持体11へのニップ部押付け量d:50μm、複数の各圧電素子(加振手段23)へは共通の駆動信号Pvを印加し、駆動信号Pvは、電圧220V、周波数10〜40kHzの4段階とした。使用した圧電素子は、厚さ0.3mm、縦横寸法7×10mmとした。測定に使用した振動変位計は、グラフテック社製AT0021レーザドップラ振動計、ビーム径Φ12μmによる。
【0308】
この結果から、A3幅対応のクリーニングブレードで、幅方向においてほぼ均一な変位が得られることが分かる。
【0309】
また、図26は上記と同様に測定した結果であるが、圧電素子に印加する駆動信号Pvの駆動電圧を80Vにしている。この場合も、前記より変位量は低いが比較的像担持体の線速が遅い場合においては摩擦力を低下させるには十分な性能である。
【0310】
次に、クリーニング装置16の加振ブレード20の第5実施形態について図27を参照して説明する。
この実施形態では、加振手段23として板状圧電素子を用い、2枚の圧電素子(加振手段23)を振動部材22の両面に設けている。2つの圧電素子(加振手段23)は電圧を印加することによって、一方は面方向に伸び、他方は面方向に縮む方向の変形を与えるように設定している。
【0311】
これにより、振動部材22を2倍の力で撓ませることができ、また、全体の剛性が高くなるので、固有振動数を高くできる。
【0312】
次に、クリーニング装置16の加振ブレード20の第6実施形態について図28を参照して説明する。
この実施形態では、振動部材32を厚くして剛性を高くし、積層型圧電素子を用いた加振手段33を挟み込むようなコ字型の凹部32aを形成し、この凹部32aに前記第4実施形態と同様なd33方向の変位を利用する積層型圧電素子を配置している。
【0313】
そして、加振手段33によって振動部材32の先端部が効率良く振動するように、振動溝32cを設けて一部分32bが薄くなるように形成している。また、ブレード部材21は、振動部材32からの振動が伝わりやすいように薄層化している。
【0314】
これにより、振動部材32のブレード部材21を取り付ける部分の剛性を高めることができ、より効率的にブレード部材21に振動を伝搬することができるようになる。
【0315】
次に、第1の発明あるいは第2の発明に係るクリーニング装置を含む第1の発明あるいは第2の発明に係るプロセスカ−トリッジについて図29を参照して説明する。なお、同図は同プロセスカートリッジの概略構成断面図である。
【0316】
このプロセスカートリッジ70は、像担持体71、帯電手段72、現像手段74、第1の発明又は第2の発明に係るクリーニング装置76等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカ−トリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカ−トリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成している。
【0317】
クリ−ニング装置76を着脱自在であるプロセスカ−トリッジ内に具備させることにより、メンテナンス性の向上、他の装置との一体交換が容易に行うことができるようになる。
【0318】
次に、第1の発明或いは第2の発明に係るプロセスカートリッジを用いた第1の発明或いは第2の発明に係るカラー画像形成装置について図30を参照して説明する。
この画像形成装置は、水平に延在する転写ベルト(像担持体)81に沿って、各色の上述したプロセスカ−トリッジ70を並置したタンデム方式のカラー画像形成装置である。
【0319】
プロセスカ−トリッジ70は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色ごとに4つ配置されている。各プロセスカ−トリッジ70で現像された像担持体71上の現像トナーは水平に延在する転写電圧が印加された転写ベルト81に順次転写される。
【0320】
このようにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと画像の形成が行なわれ、転写ベルト81上に多重に転写され、転写手段82で転写材18にまとめて転写される。そして、転写材18上の多重トナー像は図示しない定着装置によって定着される。プロセスカ−トリッジ70は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で説明したが、この順番に特定されるものではなく、どの順番で並置してもよい。
【0321】
通常、カラーの画像形成装置は複数の画像形成部を有するため装置が大きくなってしまう。また、クリーニングや帯電などの各ユニットが個別で故障したり、寿命による交換時期がきた場合は、装置が複雑でユニットの交換に非常に手間がかかっていた。
【0322】
そこで、像担持体、帯電手段、現像手段の構成要素をプロセスカ−トリッジ70として一体に結合して構成することによって、ユーザーによる交換も可能な小型で高耐久のカラー画像形成装置を提供することができる。
【0323】
さらに、プロセスカートリッジ70を第1の発明のプロセスカートリッジとすることで、球形トナーを用いてもクリーニング不良の発生がなく、高画質画像を形成することができる。
【0324】
また、第2の発明に係るプロセスカートリッジとすることで、カラートナーは各種の色材の材料によって特性が変化することがあるが、この場合でも摩擦抵抗力(像担持体の回転トルク、DCモータの駆動電流)を画像形成時で最適化することができ、クリーニング性を維持し、耐久性を向上させる画像形成装置を得ることができる。
【0325】
なお、上記実施形態においては、球形トナーで説明した、小径トナーであっても同様であり、第1の発明については、球形トナー、小径トナーのいずれも含まれ、第2の発明については、更に不定形トナーも含まれるものである。
【0326】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る画像形成装置によれば、円形度が0.96〜1.00のトナーを使用して、クリーニング不良を生じることなく残留トナーをクリーニングすることができるので、高画質画像を形成することができる。
【0328】
本発明に係るプロセスカートリッジによれば、高画質画像を形成することが可能になる。
【0329】
本発明に係る他の画像形成装置によれば、本発明に係るプロセスカートリッジを複数備えているので、高画質カラー画像を形成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像形成装置のクリーニングメカニズムを説明するための説明図
【図2】 本発明に係る画像形成装置の概略構成図
【図3】 同画像形成装置のクリーニング装置の加振ブレードの第1実施形態の説明に供する要部拡大説明図
【図4】 図3の要部拡大説明図
【図5】 同加振ブレードの正面説明図
【図6】 同加振ブレードを先端側から見た説明図
【図7】 同クリーニング装置に対する駆動系の一例を説明する説明図
【図8】 クリーニング装置の加振ブレードの第2実施形態の説明に供する説明図
【図9】 同加振ブレードの像担持体幅方向の説明図
【図10】 クリーニング装置の加振ブレードの第3実施形態の説明に供する説明図
【図11】 同加振ブレードを先端側から見た説明図
【図12】 トナーの円形度の説明に供する説明図
【図13】 ブレード部材と像担持体との摩擦抵抗力に関する測定実験の説明に供する模式図
【図14】 同測定結果の一例を示す説明図
【図15】 加振ブレードに対する駆動信号の周波数と摩擦抵抗力の関係及びクリーニング性の説明に供する説明図
【図16】 加振ブレードに対する駆動信号の周波数、駆動電圧と摩擦抵抗力の関係及びクリーニング性の説明に供する説明図
【図17】 加振ブレードに対する駆動信号の周波数と像担持体の回転トルクの関係及びクリーニング性の説明に供する説明図
【図18】 加振ブレードに対する駆動信号の周波数、駆動電圧と像担持体の回転トルクの関係及びクリーニング性の説明に供する説明図
【図19】 加振ブレードに対する駆動信号の周波数と像担持体の駆動モータの駆動電流の関係及びクリーニング性の説明に供する説明図
【図20】 加振ブレードに対する駆動信号の周波数、駆動電圧と像担持体の駆動モータの駆動電流の関係及びクリーニング性の説明に供する説明図
【図21】 ブレード部材の当接角度及び押し付け量の説明に供する説明図
【図22】 振動部材とブレード部材の突き出し量の説明に供する説明図
【図23】 クリーニング装置の加振ブレードの第実施形態の説明に供する説明図
【図24】 同クリーニング装置の像担持体幅方向の説明図
【図25】 同クリーニング装置におけるブレードニップ部の変位量の測定結果を説明する説明図
【図26】 同クリーニング装置におけるブレードニップ部の変位量の他の測定結果を説明する説明図
【図27】 クリーニング装置の加振ブレードの第実施形態の説明に供する説明図
【図28】 クリーニング装置の加振ブレードの第実施形態の説明に供する説明図
【図29】 本発明に係るプロセスカートリッジの説明に供する説明図
【図30】 本発明に係るプロセスカートリッジを備えた本発明に係る画像形成装置の概略構成図
【図31】 従来のクリーニングブレードの説明に供する説明図
【図32】 同クリーニングブレードの像担持体が移動しているときの状態を示す要部拡大説明図
【図33】 同クリーニングブレードを用いた粉砕トナーのクリーニングメカニズムの説明に供する説明図
【図34】 同クリーニングブレードを用いた粉砕トナーのクリーニングメカニズムにおけるスティック・スリップ運動の説明に供する説明図
【図35】 同クリーニングブレードを用いた球形トナーのクリーニング不良の発生メカニズを説明する説明図
【図36】 同クリーニングブレードを用いた球形トナーのクリーニング不良の発生メカニズを説明する説明図
【符号の説明】
1…ブレード部材、11…像担持体、20…加振ブレード、21…ブレード部材、22…振動部材、23…加振部材、70…プロセスカートリッジ。

Claims (13)

  1. 像担持体の表面に潜像を形成し、この潜像をトナーにより現像してトナー像を形成し、このトナー像を被転写体に転写した後に前記像担持体表面に残留しているトナーをクリーニング手段で除去する画像形成装置において、前記クリーニング手段は、前記像担持体表面に当接するためのブレード部材と、一端部が固定され、自由端部となる他端部の一面に前記ブレード部材が取り付けられた板状の振動部材と、この振動部材の前記他端部の前記ブレード部材取付け面と反対側の面に取り付けられ、前記ブレード部材取付け面と垂直な方向に前記振動部材の他端部を振動させる加振手段とを有し、前記ブレード部材の前記像担持体と接する部分の振動で前記トナーをクリーニングする手段であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記トナーが重合法によって作製されたトナーであることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記ブレード部材の少なくとも像担持体との当接部分を含む表面が前記トナー材質との親和性が小さい材料で形成されていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記トナーの外部に添加される外添剤が前記ブレード部材の表面を形成する部材との親和性が小さいことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記ブレード部材のニップ部における振動量がトナーの平均粒径よりも小さいことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記ブレード部材のニップ部における振動による変位量を制御可能であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項6に記載の画像形成装置において、前記ブレード部材の変位量の制御を電気的に行う手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記加振手段が圧電素子であることを特徴とするが画像形成装置。
  9. 請求項8に記載の画像形成装置において、前記圧電素子に交互電圧を印加する手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置において、前記ブレード部材の振動による変位量を作像時と非作像時とで異ならせる手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成装置において、前記ブレード部材の振動による変位量を、像担持体上のトナー付着量、作像回数、環境条件、トナー補給量の少なくともいずれかに基づいて変化させる手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  12. 少なくとも像担持体及びクリーニング手段を備えたプロセスカートリッジにおいて、前記クリーニング手段は、前記像担持体表面に当接するためのブレード部材と、一端部が固定され、自由端部となる他端部の一面に前記ブレード部材が取り付けられた板状の振動部材と、この振動部材の前記他端部の前記ブレード部材取付け面と反対側の面に取り付けられ、前記ブレード部材取付け面と垂直な方向に前記振動部材の他端部を振動させる加振手段とを有し、前記ブレード部材の前記像担持体と接する部分の振動で前記トナーをクリーニングする手段であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  13. カラー画像を形成する画像形成装置において、前記請求項12に記載のプロセスカートリッジを複数備えていることを特徴とする画像形成装置。
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