JP4044476B2 - 券類処理装置、および券類処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、重ねて投入された複数枚の券類を1枚ずつ取り出して処理する券類処理装置、および券類処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、券類処理装置として、複数枚のくじ付帳票を一括投入して1枚ずつ取り出し、その有効期間をそれぞれ判定し、有効期間内のくじ付帳票に関して当りか外れかを判定するくじ付帳票処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−303259号公報(段落[0013][0014]、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したくじ付帳票処理装置のように、一括投入された複数枚のくじ付帳票を1枚ずつ取り出す場合、取り出すべきくじ付帳票に重ねられた別のくじ付帳票が連れ出されて重ね取りされてしまう可能性がある。複数枚のくじ付帳票を重ねて取り出してしまうと、後段の当せん判定処理や振分処理に支障をきたし、ジャムを生じたり、最悪の場合、当り外れの判定をしないまま排出してしまう問題が生じる。
【0005】
この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、券類の重ね取りを確実に検出でき信頼性の高い処理ができる券類処理装置、および券類処理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の券類処理装置は、重ねて投入された複数枚の券類を1枚ずつ取り込む取込部と、取り込んだ券類の第1面に付与されている第1の情報を読み取る第1読取部と、上記第1の情報と関連付けて当該券類の第2面に付与されている第2の情報を読み取る第2読取部と、上記第1および第2読取部における読取結果に基づいて、上記第1および第2の情報の関連性を判断して券類の重ね取りの有無を判定する判定部と、この判定部で重ね取り無しが判定された券類を処理する処理部と、を備え、上記処理部は、上記第1の情報を予め用意した当せん番号と照合して当該券類が当せん券であるか否かを判断する判断部、この判断部で当せん券であることが判断された券類を一時的に保留する保留部、および保留した当せん券に所定の文字を印字する印字部をさらに有し、上記取込部によって全ての券類が取り込まれた後、上記保留部に保留された当せん券を取り出して上記第1および第2読取部に再供給し、これら第1および第2読取部における読取結果に基づいて上記判定部で重ね取りの有無を判定し、重ね取り無しが判定された当せん券を上記印字部へ供給して上記所定の文字を印字する。
【0007】
また、本発明の券類処理方法は、重ねて投入された複数枚の券類を1枚ずつ取り込む取込工程と、取り込んだ券類の第1面に付与されている第1の情報を読み取る第1の読取工程と、上記第1の情報と関連付けて当該券類の第2面に付与されている第2の情報を読み取る第2の読取工程と、上記第1および第2の読取工程における読取結果に基づいて、上記第1および第2の情報の関連性を判断して券類の重ね取りの有無を判定する判定工程と、この判定工程で重ね取り無しが判定された券類を処理する処理工程と、を備え、上記処理工程では、上記第1の情報を予め用意した当せん番号と照合して当該券類が当せん券であるか否かを判断し、当せん券であることが判断された券類を保留部に一時的に保留するとともに、上記取込工程で全ての券類を取り込んだ後、保留した当せん券を保留部から取り出して上記第1および第2の情報を再度読み取り、この読取結果に基づいて重ね取り無しが判定された当せん券に所定の文字を印字する。
【0008】
上記発明によると、券類の第1面に付与された第1の情報、およびこの第1の情報に関連付けて第2面に付与された第2の情報を読み取って、関連性を判断し、券類の重ね取りを判定する。つまり、第1および第2の情報に関連性が有る場合に重ね取り無しを判定し、関連性が無い場合に重ね取り有りを判定する。これにより、券類の重ね取りを確実且つ容易に検出でき、信頼性の高い処理が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
図1には、この発明の第1の実施の形態に係る券類処理装置1(以下、単に処理装置1と称する)の概略構造を示してある。ここでは、ユニークな抽選番号が印刷された福引抽選くじ(券類)(以下、チケットTと称する)を纏めて処理する処理装置1について説明する。
【0011】
図2(a)には処理対象となるチケットTの表面(第1面)を図示してあり、図2(b)にはチケットTの裏面(第2面)を図示してある。チケットTの表面には、くじの抽選番号が印字されているとともに、各チケットTに固有のID番号(固有情報)を含む所定の情報(第1の情報)をエンコードしたバーコードC1が印刷されている。また、チケットTの裏面には、表面のID番号と同じID番号(固有情報)を含む所定の情報(第2の情報)をエンコードしたバーコードC2が印刷されている。尚、本実施の形態では、各チケットTのID番号が抽選番号となっている。
【0012】
図1に示すように、処理装置1は、装置の外殻をなす筐体2を有する。筐体2の外側所定位置には、処理対象となる複数枚のチケットTを纏めて載置する投入トレイ3が設けられている。また、筐体2には、投入トレイ3上に載置されたチケットTを筐体2内に取り込むための挿入口4が形成されている。投入トレイ3が挿入口4に近接した位置には、投入トレイ3上に載置された複数枚のチケットTのうち最下端のチケットTに転接して回転することにより当該チケットTを挿入口4を介して筐体2内に挿入するための取込ローラ5(取込部)が設けられている。
【0013】
挿入口4の下方には、チケットTを筐体2外へ排出するための排出口6が設けられている。排出口6には、筐体2外に排出されたチケットTを載置する排出トレイ7が設けられている。
【0014】
筐体2の内部には、挿入口4から排出口6に向けて延びた搬送路8が形成されている。搬送路8上には、チケットTを正逆両方向に搬送するための複数の搬送ローラ9、および図示しない複数の搬送ガイドが設けられている。搬送路8は、略U字形に湾曲されている。
【0015】
搬送路8上には、搬送されるチケットTの表面に付与されているバーコードC1を読み取るための表面バーコード読取部11(第1読取部)、およびチケットTの裏面に付与されているバーコードC2を読み取るための裏面バーコード読取部12(第2読取部)が設けられている。各読取部11、12は、チケットTから読み取ったバーコードC1、C2をデコードした後、後述する制御部10へ送信する。
【0016】
また、2つの読取部11、12の下流側の搬送路8上には、印字部13(処理部)が設けられている。印字部13は、チケットTの表面に、所定の文字を印字する。さらに、読取部12と印字部13との間の搬送路8は図示しないゲートにより分岐されており、その分岐位置には一時保留部14(保留部、処理部)が設けられている。
【0017】
一時保留部14は、チケットTを一時的に集積して収容する。一時保留部14は、集積した最上端のチケットTに転接して回転することにより当該チケットTを逆方向に送り出す送りローラ15を有する。上述した取込ローラ5および送りローラ15は、ゴムローラからなり、摩擦によりチケットTを取り出すようになっている。
【0018】
図3には、上記構造の処理装置1の動作を制御する制御系のブロック図を示してある。
【0019】
処理装置1の制御系は、図示しないメモリに格納された制御プログラムに従って装置1の動作を制御する制御部10(判定部、処理部、判断部)を有する。制御部10のメモリには、当該処理装置1で取り扱うチケットTの当せん番号が記憶されている。
【0020】
制御部10には、上述した挿入口4、排出口6、表面バーコード読取部11、裏面バーコード読取部12、印字部13、および一時保留部14の他に、係員操作部21、表示部22、および搬送部23が接続されている。
【0021】
係員操作部21は、処理装置1を操作する係員による各種操作入力を受け付ける。表示部22は、係員に対して各種情報を表示する。搬送部23は、搬送路8上に設けられた複数の搬送ローラ9を駆動制御してチケットTを搬送路8に沿って正逆両方向に搬送する。また、搬送部8は、搬送路8上に設けられた図示しないゲートを切り換えてチケットTを一時保留部14へ選択的に送り込むとともに、一時保留部14から送り出す。
【0022】
次に、図4および図5に示すフローチャートを参照して、上述した処理装置1による処理動作について説明する。尚、ここでは、利用客から受け取った30枚のチケットTを係員が処理装置1に投入して纏めて処理する場合について説明する。
【0023】
まず、投入トレイ3上に処理対象となる30枚のチケットTが載置されて取込ローラ5が回転され、最下端のチケットTが筐体2内に取り込まれる(図4:ステップ1)。そして、表面バーコード読取部11を介してチケットTの表面に付与されているバーコードC1が読み取られ(ステップ2)、裏面バーコード読取部12を介してチケットTの裏面に付与されているバーコードC2が読み取られる(ステップ3)。
【0024】
このとき、制御部10は、各読取部11、12でデコードされて送信されたコード情報に含まれるID番号を比較し、2つのID番号が一致するか否かを判断する(ステップ4)。つまり、1枚のチケットTが正常に取り出されて搬送されている状態では、チケットTの表面のID番号と裏面のID番号が一致するが、2枚以上のチケットTが重ね取りされている状態では、2つのID番号は不一致となる。このため、制御部10は、ID番号が一致していることに基づいて重ね取り無しを判断し、ID番号が不一致であることに基づいて重ね取り有りを判断する。
【0025】
制御部10がチケットTの重ね取り有りを判断すると(ステップ4;NO)、係員に対して表示部22を介して“重ね取り”が表示され(ステップ5)、重ね取りを生じた当該チケットTが排出口6を介して排出トレイ7上に排出される(ステップ6)。
【0026】
一方、制御部10は、チケットTの重ね取り無しを判断すると(ステップ4;YES)、ステップ2(或いはステップ3)で当該チケットTから読み取ったID番号を図示しないメモリに記憶している当せん番号と比較し、当該チケットTが当せん券であるか否かを判断する(ステップ7)。
【0027】
ステップ7で当該チケットTが当せん券ではないことが判断されると(ステップ7;NO)、当該ハズレ券が印字部13へ搬送されて“ハズレ”が印字される(ステップ8)。そして、当該ハズレ券が排出口6を介して排出トレイ7上に排出される(ステップ9)。つまり、排出トレイ7上には、ステップ6で排出された重ね取り券およびステップ9で排出されたハズレ券が混在されて集積されることになる。
【0028】
また、ステップ7で当該チケットTが当せん券であることが判断されると(ステップ7;YES)、当該当せん券が一時保留部14へ搬送されて一時的に保留される(ステップ10)。
【0029】
以上、投入トレイ3を介して投入された30枚のチケットTが筐体2内に取り込まれるまでステップ1〜10の処理が続けられ(ステップ11)、ハズレ券および重ね取り券が排出トレイ7上に排出されて当せん券が一時保留部14に保留される。
【0030】
この後、制御部10は、一時保留部14に当せん券が有るか否かを判断し(ステップ12)、一時保留部14に当せん券が有る場合(ステップ12;YES)、表示部22を介して“当せん券があります。今すぐ処理しますか?”を表示する(ステップ13)。このとき、表示画面には、“はい”ボタンと“いいえ”ボタンが同時に表示される。尚、このとき、一時保留部14に当せん券が無い場合には処理が終了される。
【0031】
ステップ13の状態で、係員は、排出トレイ7上に排出された重ね取り券およびハズレ券を取り出して手作業により分類し、ハズレ券を利用客に返却するとともに、重ね取り券の当せん確認をする。このとき、ハズレ券には、ステップ8で“ハズレ”が印字されており、重ね取り券が有る場合にはステップ5で“重ね取り”が表示されているため、係員は、ハズレ券と重ね取り券の分類を容易にできる。
【0032】
そして、利用客の指示により当せん券を今すぐ処理しないことが選択されると(ステップ14;NO)、係員によって“いいえ”ボタンが入力され、一時保留部14に保留されている当せん券が排出口6を介して排出トレイ7上に排出される。排出された当せん券は、係員によって利用客に返却され(ステップ15)、処理が終了される。
【0033】
一方、利用客の指示により当せん券を今すぐ処理することが選択されると、係員によって表示画面上の“はい”ボタンが入力され(ステップ14;YES)、送りローラ15が回転されて一時保留部14から当せん券が取り出される(ステップ16)。このとき、一時保留部14に複数枚の当せん券が保留されている場合、最上端の当せん券から順に取り出される。
【0034】
さらに、一時保留部14から取り出された当せん券が表面バーコード読取部11を超えて挿入口4付近まで戻されて、再び2つの読取部11、12を通過される。つまり、一時保留部14から取り出された当せん券から、表面バーコード読取部11を介してバーコードC1が再び読み取られ(ステップ17)、裏面バーコード読取部12を介してバーコードC2が再び読み取られる(ステップ18)。
【0035】
そして、制御部10は、各読取部11、12でデコードされて送信されたコード情報に含まれるID番号を比較し、2つのID番号が一致するか否かを判断する(ステップ19)。このとき、制御部10は、ID番号が一致していることに基づいて重ね取り無しを判断し、ID番号が不一致であることに基づいて重ね取り有りを判断する。
【0036】
制御部10が当せん券の重ね取り有りを判断すると(ステップ19;NO)、係員に対して表示部22を介して“重ね取り”が表示され(ステップ20)、重ね取りを生じた当せん券が排出口6を介して排出トレイ7上に排出される(ステップ21)。排出された重ね取り券は、係員による手作業により当せん確認がなされる。
【0037】
一方、制御部10は、当せん券の重ね取り無しを判断すると(ステップ19;YES)、ステップ17(或いはステップ18)で当該当せん券から読み取ったID番号を図示しないメモリに記憶している当せん番号と比較し、当該当せん券が本当に当せんしているか否かをダブルチェックする(ステップ22)。
【0038】
ステップ22で当該チケットTが当せん券ではないことが判断されると(ステップ22;NO)、当該ハズレ券が印字部13へ搬送されて“ハズレ”が印字される(ステップ23)。そして、当該ハズレ券が排出口6を介して排出トレイ7上に排出される(ステップ24)。
【0039】
一方、ステップ22で当該チケットTが間違いなく当せん券であることが判断されると(ステップ22;YES)、当該当せん券が印字部13へ搬送されて“当り”が印字されるとともに当せん等級や当せん金額が印字される(ステップ25)。所定の情報が印字された当せん券は、排出口6を介して排出トレイ7上に排出され(ステップ26)、係員によって利用客に返却される。
【0040】
以上のように、本実施の形態によると、取り込んだチケットTの表面および裏面に付与されているバーコードC1、C2を読み取って、コード情報に含まれるID番号を照合することにより、重ね取りの有無を判断するようにした。これにより、重ね取りの有無を容易且つ確実に検出でき、信頼性の高い処理が可能となる。つまり、これにより、例えば、重ね取りに気づかずに当せん券を排出してしまうような重大な間違いを犯すことを防止できる。
【0041】
また、本実施の形態によると、当せん券を一旦保留してダブルチェックするようにしたため、当せん確認をより確実にできるようになった。
【0042】
尚、本実施の形態では、チケットTの両面から読み取ったID番号を照合して一致したことに基づいてチケットTの重ね取り無しを判断したが、チケットTの表面および裏面に予め決められたルールに基づいて一義的に関連付けされた2つの情報(第1および第2の関連情報)を付与しておき、この2つの情報の関連性を判断してチケットTの重ね取りを判定するようにしても良い。この場合、例えば、制御部10のメモリに予め用意した特定の計算式にチケット表面の番号を入力してチケット裏面の番号が算出されるか否かをチェックする方法でも良い。
【0043】
また、本実施の形態では、上述したように、制御部10のメモリに当せん番号や計算式を予め格納した場合について説明したが、これに限らず、処理装置1の制御部10と接続したサーバに当せん番号や計算式を格納しておいても良い。いずれにしても、特定の計算式を用いて関連性を判断することにより、チケットTの偽造を防止することができる。
【0044】
次に、この発明の第2の実施の形態に係る券類処理装置30(以下、単に処理装置30と称する)について、図6乃至図10を参照して説明する。ここでは、有権者から集めた選挙の投票券(券類)(以下、マークシートMと称する)を纏めて投入し、各マークシートMにマークした内容を一括して読み取るとともに、読取結果を集計して表示する処理装置30について説明する。
【0045】
図7には処理対象となるマークシートMの表面(第1面)を図示してあり、図8にはマークシートMの裏面(第2面)を図示してある。マークシートMの表面および裏面には、各シートMに固有の同じID番号N1、N2(固有情報、第1、第2の情報)が印刷されている。ID番号N1、N2は、それぞれ、シートMの挿入方向(図中矢印S方向)に沿って後端側の辺に沿って印刷されている。
【0046】
また、マークシートMの表面には、ID番号の他に、行列状に形成された複数個の矩形のマーク領域mが印刷されている。複数のマーク領域mは、スタートマーク領域m1、エンドマーク領域m2、タイミングマーク領域m3、およびユーザーマーク領域m4からなる。
【0047】
スタートマーク領域m1は、シートMの挿入方向Sに沿って先端側の辺に沿って並んだ列にある複数個の領域であり、エンドマーク領域m2は、挿入方向後端側の辺に沿って並んだ列にある複数個の領域であり、タイミングマーク領域m3は、シートMの挿入方向Sに沿った一方の長辺に沿って並んだ行にある複数個の領域であり、ユーザーマーク領域m4は、それ以外の領域である。領域m1、m2、m3は、予めシートMに印刷されており、領域m4が有権者によってマークされる領域となる。
【0048】
マーク領域mを読み取る場合、初めにスタートマーク領域m1を読み取って、タイミングマーク領域m3に沿ってユーザーマーク領域m4を読み取り、エンドマーク領域m2で読み取りを終了する。
【0049】
図6には本実施の形態の処理装置30の概略構造を示してある。また、図9にはこの処理装置30の動作を制御する制御系のブロック図を示してある。以下の説明では、上述した第1の実施の形態の処理装置1と同様に機能する構成要素については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0050】
処理装置30は、挿入口4を介して取り込んだマークシートMの表面に印刷されているマーク領域mを光学的に読み取るとともに、マークシートMの表面に印刷されているID番号N1を光学的に読み取る表面マーク・文字読取部32(第1読取部)、およびマークシートMの裏面に印刷されているID番号N2を光学的に読み取る裏面文字読取部34(第2読取部)を有する。
【0051】
また、処理装置30は、図示しないメモリに格納された制御プログラムに従って処理装置30の動作を制御する制御部40を有する。しかして、この処理装置30は、制御部40による制御に基づき、図10に示すフローチャートに従って動作する。
【0052】
まず、投入トレイ3上に処理対象となる100枚のマークシートMが載置されて取込ローラ5が回転され、最下端のマークシートMが筐体2内に取り込まれる(ステップ1)。そして、表面マーク・文字読取部32を介してマークシートMの表面に印刷されているマーク領域mおよびID番号N1が読み取られ(ステップ2)、裏面文字読取部34を介してマークシートMの裏面に印刷されているID番号N2が読み取られる(ステップ3)。
【0053】
このとき、制御部40は、各読取部32、34を介してシートMの表面および裏面から読み取ったID番号を比較し、2つのID番号が一致するか否かを判断する(ステップ4)。つまり、1枚のマークシートMが正常に取り出されて搬送されている状態では、マークシートMの表面のID番号と裏面のID番号が一致するが、2枚以上のマークシートMが重ね取りされている状態では、2つのID番号は不一致となる。このため、制御部40は、ID番号が一致していることに基づいて重ね取り無しを判断し、ID番号が不一致であることに基づいて重ね取り有りを判断する。
【0054】
制御部40がマークシートMの重ね取り有りを判断すると(ステップ4;NO)、係員に対して表示部22を介して“重ね取り”が表示され(ステップ5)、重ね取りを生じた当該マークシートM(重ね取り券)が印字部13を通過して排出口6を介して排出トレイ7上に排出される(ステップ6)。ステップ5の表示内容として、“処理エラーです。排出口にマークシートを排出しますので、確認してください。メッセージを確認したら“確認ボタン”を押してください”というメッセージが表示される。
【0055】
一方、制御部40は、ステップ4でマークシートMの重ね取り無しを判断すると(ステップ4;YES)、ステップ2で当該マークシートMから読み取ったユーザーマーク領域m4に関するデータを図示しないメモリに記憶し(ステップ7)、当該マークシートMを印字部13へ搬送してシート表面に“読取済”を印字する(ステップ8)。そして、制御部40は、“読取済”を印字したマークシートMを排出口6を介して排出トレイ7上に排出する(ステップ9)。
【0056】
以上、投入トレイ3を介して投入された100枚のマークシートMが筐体2内に取り込まれて処理されるまでステップ1〜9の処理が続けられ(ステップ10)、“読取済”が印字されたマークシートMとともに重ね取りした未処理のマークシートMが排出トレイ7上に排出される。
【0057】
この後、制御部40にて、当該処理において重ね取りが生じていたか否かが判断され(ステップ11)、重ね取りが生じていた場合(ステップ11;YES)、表示部22を介して重ね取りが生じていたことを係員に対して表示し、この表示を確認した係員の手作業によって、未処理のマークシートMが排出トレイ7から選別されて投入トレイ3を介して再投入される(ステップ12)。
【0058】
再投入されたマークシートMに関しても、上述したステップ1〜ステップ10の処理がなされ、挿入口4にマークシートMが無くなって(ステップ10;NO)重ね取りも無くなった時点(ステップ11;NO)で、制御部40のメモリに記憶したユーザーマークに関するデータが集計されて表示部22を介して係員に表示される(ステップ13)。
【0059】
以上のように、本実施の形態によると、上述した第1の実施の形態と同様に、マークシートMの重ね取りを容易且つ確実に検出でき、信頼性の高い処理が可能となる。つまり、重ね取りに気づかずに未処理のマークシートMをそのまま排出してしまうような不具合を防止できる。
【0060】
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【0061】
例えば、上述した実施の形態では、バーコードや数字によって表示したID番号を読み取って処理する場合について説明したが、これに限らず、ID番号を磁気情報として読み取って処理しても良い。
【0062】
また、上述した実施の形態では、排出口6を1つにして排出トレイ7上に排出した複数種類の媒体を係員が手作業で処理する場合について説明したが、これに限らず、排出口6の手前にゲートを設け、排出する媒体を種類毎に分別しても良い。例えば、上述した第1の実施の形態の処理装置1では、重ね取りしたチケットT、ハズレ券、および当せん券をそれぞれ分別して別々の排出先へ排出するようにしても良い。また、上述した第2の実施の形態の処理装置30では、読取済のマークシートMと重ね取りしてしまったマークシートMとを別々の排出先へ排出するようにしても良い。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の券類処理装置は、上記のような構成および作用を有しているので、券類の重ね取りを確実に検出でき信頼性の高い処理ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係る券類処理装置の概略構造を示す図。
【図2】図1の処理装置において処理対象となるチケットの表面(a)および裏面(b)を示す図。
【図3】図1の処理装置の動作を制御する制御系を示すブロック図。
【図4】図1の処理装置の動作を説明するためのフローチャート。
【図5】図1の処理装置の動作を説明するためのフローチャート。
【図6】この発明の第2の実施の形態に係る券類処理装置の概略構造を示す図。
【図7】図6の処理装置において処理対象となるマークシートの表面を示す図。
【図8】図6の処理装置において処理対象となるマークシートの裏面を示す図。
【図9】図6の処理装置の動作を制御する制御系を示すブロック図。
【図10】図6の処理装置の動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1…券類処理装置、2…筐体、3…投入トレイ、4…挿入口、5…取込ローラ、6…排出口、7…排出トレイ、8…搬送路、9…搬送ローラ、10…制御部、11…表面バーコード読取部、12…裏面バーコード読取部、13…印字部、14…一時保留部、15…送りローラ、21…係員操作部、22…表示部、23…搬送部、30…券類処理装置、32…表面マーク・文字読取部、34…裏面文字読取部、40…制御部、C1、C2…バーコード、M…マークシート、N1、N2…ID番号、T…チケット。
Claims (6)
- 重ねて投入された複数枚の券類を1枚ずつ取り込む取込部と、
取り込んだ券類の第1面に付与されている第1の情報を読み取る第1読取部と、
上記第1の情報と関連付けて当該券類の第2面に付与されている第2の情報を読み取る第2読取部と、
上記第1および第2読取部における読取結果に基づいて、上記第1および第2の情報の関連性を判断して券類の重ね取りの有無を判定する判定部と、
この判定部で重ね取り無しが判定された券類を処理する処理部と、を備え、
上記処理部は、上記第1の情報を予め用意した当せん番号と照合して当該券類が当せん券であるか否かを判断する判断部、この判断部で当せん券であることが判断された券類を一時的に保留する保留部、および保留した当せん券に所定の文字を印字する印字部をさらに有し、
上記取込部によって全ての券類が取り込まれた後、上記保留部に保留された当せん券を取り出して上記第1および第2読取部に再供給し、これら第1および第2読取部における読取結果に基づいて上記判定部で重ね取りの有無を判定し、重ね取り無しが判定された当せん券を上記印字部へ供給して上記所定の文字を印字することを特徴とする券類処理装置。 - 上記第1および第2の情報は、当該券類に固有の全く同じ情報を含み、
上記判定部は、この固有情報が一致していることに基づいて券類の重ね取り無しを判定し、固有情報が不一致であることに基づいて券類の重ね取り有りを判定することを特徴とする請求項1に記載の券類処理装置。 - 上記第1および第2の情報は、特定の計算式に基づいて一義的に関連付けされた第1および第2の関連情報をそれぞれ含み、
上記判定部は、これら第1および第2の関連情報を上記特定の計算式に当てはめて関連性を判断し、券類の重ね取りの有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の券類処理装置。 - 重ねて投入された複数枚の券類を1枚ずつ取り込む取込工程と、
取り込んだ券類の第1面に付与されている第1の情報を読み取る第1の読取工程と、
上記第1の情報と関連付けて当該券類の第2面に付与されている第2の情報を読み取る第2の読取工程と、
上記第1および第2の読取工程における読取結果に基づいて、上記第1および第2の情報の関連性を判断して券類の重ね取りの有無を判定する判定工程と、
この判定工程で重ね取り無しが判定された券類を処理する処理工程と、を備え、
上記処理工程では、上記第1の情報を予め用意した当せん番号と照合して当該券類が当せん券であるか否かを判断し、当せん券であることが判断された券類を保留部に一時的に保留するとともに、上記取込工程で全ての券類を取り込んだ後、保留した当せん券を保留部から取り出して上記第1および第2の情報を再度読み取り、この読取結果に基づいて重ね取り無しが判定された当せん券に所定の文字を印字することを特徴とする券類処理方法。 - 上記第1および第2の情報は、当該券類に固有の全く同じ情報を含み、
上記判定工程では、この固有情報が一致していることに基づいて券類の重ね取り無しを判定し、固有情報が不一致であることに基づいて券類の重ね取り有りを判定することを特徴とする請求項4に記載の券類処理方法。 - 上記第1および第2の情報は、特定の計算式に基づいて一義的に関連付けされた第1および第2の関連情報をそれぞれ含み、
上記判定工程では、これら第1および第2の関連情報を上記特定の計算式に当てはめて関連性を判断し、券類の重ね取りの有無を判定することを特徴とする請求項4に記載の券類処理方法。
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