JP4042422B2 - 水系処理剤濃度の自動測定装置と自動測定方法並びに制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に水系の処理剤濃度を自動測定する技術に関する。より詳細には、処理剤が添加される水系プラントから採取された試料水を測定セルに連続的に通水させて、該試料水中の処理剤濃度を自動測定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ボイラ水系、冷却水系、集塵水系、紙パルプ工場の水系、製鉄工場の水系等の水系プランントに対して、当該水系プラント設備の金属腐食防止、スケール析出防止、汚れ防止等の目的から、アクリル酸共重合体、マレイン酸重合体又は共重合体等のアニオン性高分子電解質を含む処理剤等が添加される場合がある。
【0003】
この場合、前記処理剤が水系において充分な効果を発揮するためには、該処理剤の濃度を適正に維持する必要がある。このため、従来から水系の処理剤濃度を正確かつ迅速に測定するための技術開発がなされ、蛍光トレーサー又はリチウムトレーサーを用いたり、紫外分光計を用いたりして処理剤濃度を測定する技術が提案されている。また、処理剤濃度をリアルタイムにオンストリーム監視できる技術も提案されている。
【0004】
ここで、処理剤濃度をリアルタイムにオンストリーム監視できる技術として、水系プラントから得られた試料水を、一定時間毎に一定量、測定セル(比色セル)内に貯留して攪拌する構成を備え、アニオン性高分子電解質を含む処理剤と所定の反応試薬(第四アンモニウム塩)とを反応させると不溶性物質が生成して白濁することを利用し、その白濁の程度から処理剤濃度を自動的に比色(比濁)測定するという技術が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、試料水と反応試薬を均一にするために、測定セル内に、磁石式スターラー、振とう撹拌装置、気体吹き込み装置、撹拌モーター等から選択される攪拌手段が設けられているため、測定部自体の構成が複雑になっていた。
【0006】
そして、光学測定部に導入された測定用試料水の水温の変動は、光学測定の前提となる処理剤と反応試薬との間の反応に影響を及ぼし、処理剤濃度の正確な測定の障害になるという技術的課題があった。
【0007】
更には、水系によっては、測定用試料水に含まれる処理剤濃度が、光学測定の検量線の直線性を示す定量範囲から外れてしまう場合が発生し得るという技術的課題があった。
【0008】
そこで、本発明では、測定部が簡易な構成であって、処理剤濃度を連続的にかつ高精度で測定できる水系処理剤濃度の自動測定装置及び方法を提供することを主な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成し、上記技術的課題を解決するために、まず、本願では、以下の水系処理剤濃度の自動測定装置を提供する。
【0010】
第1には、水系中の液体に添加されたアニオン性高分子電解質を含む処理剤の濃度を光学的に自動測定する装置であって、(1)少なくとも測定時に、水系から測定対象となる前記処理剤を含む試料水を取り込んで、光学測定部に連続通水させる手段と、(2)前記試料水の取り込み位置と前記光学測定部との間に設けられ、前記試料水に反応試薬を添加し、前記試料水の流れの作用により前記反応試薬を撹拌して測定用試料水を形成する手段と、(3)前記測定用試料水中の処理剤濃度を前記光学測定部において自動測定する手段と、(4)前記処理剤濃度の実測値を、水温と処理剤濃度との相関に基づき補正計算することにより、前記試料水中の正規の処理剤濃度を予測する手段(以下、説明の便宜上「濃度補正手段」と称する。)と、を少なくとも備えた構成の水系処理剤濃度の自動測定装置を提供する。ここで、本願において、「試料水」とは、水系から採取され、反応試薬が未添加である処理剤含有溶液を意味し、「測定用試料水」とは、前記試料水に所定の反応試薬が添加された処理剤含有溶液を意味する。
【0011】
なお、本願発明では、使用する処理剤と反応試薬は特に限定するものではなく、光学測定部は、処理剤と反応試薬の反応を利用した比色反応、比濁反応、蛍光分析、吸光度分析その他の光学測定手段を適宜採用することができる。
【0012】
上記自動測定装置では、光学測定部に撹拌装置を設ける必要がない。即ち、試料水が常に光学測定部に通水されている状態を形成し、この流れている状態の試料水に対して反応試薬を添加することによって、送液中に処理剤と試薬が撹拌されるという作用が発揮される。このため、試料水が測定セルに移送されてきた時には、攪拌されて充分な反応が得られている。このため、光学測定部は、流入部と排出部を備える測定セル、光源並びに受光部のみから構成し、攪拌装置を一切設けない簡易な構造とすることが可能となる。なお、処理剤と試薬の混合液が反応セルに供給される経路において、静的混合手段を設けてもよい。
【0013】
また、この自動測定装置における前記正規の処理剤濃度を予測する手段は、水温がT℃のときの処理剤濃度の実測値D 1 (mg/L)から、試料水中の正規の処理剤濃度D 2 (mg/L)を算定するプログラムを有していてもよい。
【0014】
ここで、水系から採取された試料水の水温は、該試料水に含まれる処理剤と反応試薬との間での反応に影響を及ぼす。とりわけ、前記水温が20℃よりも低温側に傾いた時には、前記反応の速度が遅くなり、濁度又は呈色等が不充分となる結果、正規処理剤濃度と実測値との間には顕著な差異が生じるという問題がある。本装置明では、この問題を解決することができる。
【0015】
第2に、水系中の液体に添加されたアニオン性高分子電解質を含む処理剤の濃度を光学的に自動測定する装置であって、(1)少なくとも測定時に、水系から測定対象となる前記処理剤を含む試料水を取り込んで、光学測定部に連続通水させる手段と、(2)前記試料水の取り込み位置と前記光学測定部との間に設けられ、前記試料水に反応試薬を添加し、前記試料水の流れの作用により前記反応試薬を撹拌して測定用試料水を形成する手段と、(3)前記光学測定部に導入された測定用試料水の温度を測定する温度センサー、前記光学測定部に付設され前記測定用試料水を加熱又は保温するためのヒーター、及び前記温度センサーで測定した水温情報を解析して前記ヒーターに制御信号を送信する制御部を有し、前記光学測定部に導入された測定用試料水の水温を所定温度に調整して維持する手段(以下、便宜上「水温調整手段」と称する)と、一定温度に維持された前記測定用試料水中に含まれる処理剤の濃度を前記光学測定部において自動測定する手段と、を少なくとも備えた構成の水系処理剤濃度の自動測定装置を提供する。
【0016】
この第2の自動測定装置では、光学測定部における測定用試料水の水温を常時所定温度に維持することが可能となる。この結果、水温変動による光学測定への影響を低減することができるので、実測値が常に正規の処理剤濃度に極めて近似して得られる。
【0017】
具体的には、光学測定部の測定セル内に導入された処理剤濃度の測定が最も安定して行われる測定最適温度を適宜選択し、この温度を目標として水温を調整する。即ち、この手段では、測定セルは恒温槽として機能する。これにより、本発明に係る自動測定装置は、処理剤濃度の高精度測定を達成することができる。なお、前記測定最適温度は、測定対象となる処理剤と反応試薬の化学反応の内容によって異なるので、これを考慮に入れて適宜選択すればよい。
【0018】
更に本願では、測定用試料水中の処理剤濃度が、光学測定用の検量線が直線性を示す定量範囲内となるように、予め希釈した反応試薬溶液を水系から採り込まれた試料水に混合する手段を備えるように工夫する。なお、この手段に加えて、上記濃度補正手段や上記水温調整手段も備える構成を採用してもよい。
【0019】
具体的に説明する。まず、予め測定対象となる処理剤の濃度と濁度又は呈色の強度との関係を示す検量線を予め作成し、当該光学測定系において前記検量線が直線性を示す定量範囲を把握しておく。そして、この定量範囲内で連続的に自動測定できるように、水系から送液されてくる試料水に対して、予め希釈しておいた反応試薬溶液を添加混合する。この際、添加される反応試薬溶液の希釈度合を光学測定部から得られる処理剤濃度の測定値に基づいて、リアルタイムで制御できる手段を備えるようにしてもよい。
【0020】
前記手段では、水系の処理剤濃度を比色又は比濁法等により光学測定する場合において、試料水中の測定対象となる処理剤の濃度が高い場合、測定前に予め前記試料水を希釈しないと検量線の定量範囲(直線性を示す部分)から外れて、測定不能となるという問題を、簡易な手段で解決することができる。
【0021】
また、この手段では、反応試薬溶液に、試料水の希釈溶液としての役割を担わせ、つまり、反応試薬を添加する手段と試料水を希釈する手段とを兼用することにより、従来、一般に付設されていた測定用試料水の希釈手段を省くことができるようになる。
【0022】
以下、本願において提供する「水系処理剤濃度の自動測定方法」について説明する。なお、以下の方法は、上記した本発明に係る水系処理剤濃度の自動測定装置を用いることによって、好適に実施できる。
【0023】
まず、水系中の液体に添加されたアニオン性高分子電解質を含む処理剤の濃度を光学的に自動測定する方法であって、少なくとも測定時に、水系から測定対象となる前記処理剤を含む試料水を光学測定部に向けて連続通水させる工程と、前記光学測定部よりも手前の位置で前記試料水に反応試薬を添加し、前記試料水の流れの作用により前記反応試薬を撹拌して測定用試料水を形成する工程と、前記測定用試料水中の処理剤濃度を前記光学測定部において自動測定する工程と、前記処理剤濃度の実測値を水温と処理剤濃度との相関に基づいて補正計算する濃度補正手段により、前記試料水中の正規の処理剤濃度を予測する工程と、を少なくとも備える水系処理剤濃度の自動測定方法を提供する。
【0024】
この方法は、水系プラントから試料水を取り込んで反応試薬を添加し、光学測定部に通水するという簡易な工程から構成されていながら、撹拌工程を特別設けなくても、送液工程中に、試料水と反応試薬が均一に混合されて光学測定部に流入するという作用が発揮される。このため、安定かつ高精度の測定を行うことが可能となる。
【0025】
また、この自動測定方法では、正規の処理剤濃度を予測する工程において、水温がT℃のときの処理剤濃度の実測値D 1 (mg/L)をプログラム計算式に当てはめ、試料水中の正規の処理剤濃度D 2 (mg/L)を算定し、予測してもよい。
【0026】
この方法によれば、水系から採取された試料水の水温に応じて、正規の処理剤濃度と実測値との間のずれを簡単な手順によって是正できる。なお、正規の処理剤濃度を予測する工程は、光学測定部における処理剤濃度の自動測定工程に続き、該工程で得られたデータ信号が入力される電子計算機で自動計算させることができる。
【0027】
次に、水系中の液体に添加されたアニオン性高分子電解質を含む処理剤の濃度を光学的に自動測定する方法であって、少なくとも測定時に、水系から測定対象となる前記処理剤を含む試料水を光学測定部に向けて連続通水させる工程と、前記光学測定部よりも手前の位置で前記試料水に反応試薬を添加し、前記試料水の流れの作用により前記反応試薬を撹拌して測定用試料水を形成する工程と、前記光学測定部に導入された測定用試料水の水温を所定温度に調整して維持する工程と、一定温度に維持された前記測定用試料水中の処理剤濃度を前記光学測定部において自動測定する工程と、を少なくとも備える水系処理剤濃度の自動測定方法を提供する。これにより、光学測定部における測定用試料水の水温を常時所定温度に維持し、水温変動による測定誤差を低減する。なお、前記測定用試料水の水温を所定温度に調整して維持する工程は、温度センサー装置によって前記測定用試料水の水温を常時測定し、この測定された水温情報を解析して得た解析信号に基づき、ヒーター又は冷却装置により前記測定用試料水を加温又は冷却することによって実施できる。
【0028】
次に、本願では、上記記載の方法で測定される測定用試料水中の処理剤濃度が、常に光学測定用の検量線が直線性を示す定量範囲内となるように、予め希釈した反応試薬溶液を前記試料水に添加する工程を備えるように工夫する。
【0029】
この工夫により、水系の処理剤濃度を比濁法又は比色法等の原理により光学測定する場合の検量線の定量範囲(直線性を示す部分)で、常に継続的な自動測定ができる。また、この方法では、反応試薬溶液に、試料水の希釈溶液としての役割を担わせるようにしたので、従来一般に行われていた測定用試料水の希釈工程を廃止できる。即ち、一工程を削減できるので、全体の工程を簡略化に寄与する。
【0030】
以上説明した本発明に係る水系処理剤濃度の自動測定方法を採用する場合において、同方法によって得られた処理剤濃度の測定データに基づいて、水系中の液体に添加される処理剤の量を制御するように工夫した水系処理剤濃度の制御方法を提供することができる。
【0031】
この制御方法では、本発明に係る方法によって得られる高精度の処理剤濃度データに基づいて、水系に添加される処理剤の量を高精度に決定することができることから、水系中に添加される処理剤を適正な濃度に維持することが可能となる。
【0032】
以上のように、本発明は、極めて簡易な装置構成又は工程により、種々の目的で水系に添加された処理剤の濃度を、リアルタイムで、高精度のオンストリーム監視を行うことができ、かつ水系の処理剤濃度に適正に維持できるという技術的意義を有している。
【0033】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好適な実施形態について、添付した図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る水系処理剤濃度の自動測定装置に関する第1実施形態の構成を簡略に表す図である。
【0034】
まず、図1中に示された符号1は、ボイラ水系、冷却水系、集塵水系、紙パルプ工場の水系、製鉄工場の水系等に備わる水路の一部を簡易に表している。この水路1から、符号2で表された流量調整バルブによって流量が調整されて、試料水S1が取り込まれる。測定時にのみ試料水S1を取り込む場合には、測定開始時に液量調整バルブ2を開放し、測定終了時には閉めるという操作を行えばよい。また、定量ポンプ(図示せず)を用いて、測定時にのみ試料水S1を取り込む場合には、測定開始時に定量ポンプを運転し、測定終了時には停止するという操作を行うこともできる。
【0035】
取り込まれた試料水S1は、符号3で示されているストレーナーによって混入している夾雑物の粒子が除去され、符号4aで示す後続の本発明に係る水系処理剤濃度の自動測定装置(以下、単に「自動測定装置」と称する。)に向けて通水される。なお、ストレーナー3は、必須ではない。
【0036】
自動測定装置4aは、まず、前記ストレーナー3に連設された試料水供給経路401を備えている。この試料水供給経路401(以下、「供給経路401」と称する。)には、前記試料水S1中に含まれている水系処理剤、例えば防食剤その他の処理剤Cと化学反応し、反応生成物(例、白濁不溶性物質)をつくる性質を備える反応試薬Rが貯留されている反応試薬槽402に連結されている反応試薬注入経路403(以下、「注入経路403」と称する。)が開口している。
【0037】
なお、試料水S1中に、防食剤とスケール防止剤が別々に添加されている場合のように、処理剤Cが複数に及ぶ場合であって、各処理剤濃度を測定するために異種の反応試薬を用いる場合、また、複数の反応試薬R(例えば、第四級アンモニウム塩とキレート剤)を組み合わせて用いる場合であって、各反応試薬R,Rを別添加するような場合、反応試薬Rに加えてpH調整剤を添加する場合等においては、反応試薬槽402及び注入経路403を複数設けることが可能である。
【0038】
注入経路403の途中には、反応試薬Rの注入量を調整するための注入ポンプP1が付設されている。反応試薬Rは、測定時に、前記注入ポンプP1によって添加量が調整されながら供給経路401へ注入される。なお、反応試薬Rの添加量は、試料水S1中の処理剤Cの濃度に応じて定めるようにする。
【0039】
供給経路401へ注入された反応試薬Rは、供給経路401中を通水されている試料水S1に混合され、該試料水S1の流れの作用によって撹拌される。この撹拌作用によって処理剤Cと反応試薬Rの化学反応が促進され、光学測定に適した測定用試料水S2が形成される。従って、本発明では、後述する光学測定部に撹拌手段を一切設ける必要がない。なお、本発明は、処理剤Cと反応試薬Rの反応が短い場合に特に適している構成であるが、当該反応時間を考慮して、供給経路401の長さを適宜決定することができる。
【0040】
ここで、反応試薬Rが注入される箇所以降の供給経路401部分(符号401aで示す。)には、撹拌作用を高めるための配管構造を設けてもよい。例えば、流速を高める作用を発揮するオリフィス状の構造、渦流を形成するような羽構造、静的混合器(スタティックミキサー)等を配管内壁面に設けるように工夫してもよい。
【0041】
この工夫により、供給経路401における撹拌作用が一層促進され、処理剤Cと反応試薬Rの化学反応が促進され、より安定した測定用の試料水S2を形成することが可能となるため、測定精度を向上させることができる。
【0042】
続いて、前記した測定用試料水S2は、供給経路401から吐出され、符号404で示された光学測定部内部に設けられた測定セル405内に導入され、この測定セル405内を通過して排出経路408から排出される。光学測定部404の測定手段は、公知の比色反応、比濁反応、蛍光分析、吸光度分析その他の常法の光学測定手段を適宜採用することができる。
【0043】
ここで、本発明では、処理剤濃度のオンストリーム監視に適するものであるから、水系の処理剤濃度を適正に維持できるという特徴を有している。従って、更に長期間の連続的な測定を可能とするために、測定セル405を自動洗浄できるように工夫してもよい。即ち、測定セル405に洗浄液注入装置(図示せず)を付設して、一定時間毎に洗浄液を測定セル405内に注入できるようにする。
【0044】
なお、符号406は、測定セル405中の試料水S2に光を照射するための光源、符号407は、測定セル405中の試料水S2に照射された光の透過光ないし散乱光の強度を検知し、この強度を電気信号として捕捉する受光部を表しており、符号409は、前記受光部407に接続する解析部を表している。
【0045】
ここで、本発明においては、前記解析部409で得られた処理剤Cの濃度を電気信号に変換してCPU等が内蔵された制御部5に送信し、処理剤Cが貯留されている処理剤槽6に連結する処理剤添加経路7の途中に付設された処理剤注入用ポンプP2の注入量を自動制御するようにすることができる。
【0046】
この水系処理剤濃度の制御方法によれば、水系に対する処理剤Cの添加量の精度を高めることができる。具体的には、本発明によって得られた処理剤Cの正確な濃度測定値に基づいて、水系に添加される処理剤Cの量を的確に決定し、水系の処理剤濃度を適正に維持することができるようになる。また、これにより、添加作業の省力化、効率化を達成することができる。
【0047】
ここで、上記した「自動測定装置4aの変形例」について説明する。
【0048】
この変形例では、水温と処理剤濃度の相関に基づいて補正計算するプログラムを上記解析部409に記憶させておき、この解析部409に、光学測定部404で実測された前記処理剤Cの濃度が送信されてきたら前記プログラムを実行し、試料水中の正規の処理剤濃度を予測する手段を備える。
【0049】
即ち、水温T℃時の処理剤濃度の実測値をD1(mg/L)とすると、この光学測定部404で求められたD1を、前記解析部409にてプログラム計算式に当てはめ、試料水S1中の正規の処理剤濃度D2(mg/L)を算定し、予測する。なお、D1−D2の式で求まる値は、水温T℃のときの測定誤差である。
【0050】
続いて図2は、本発明に係る水系処理剤濃度の自動測定装置の第2実施形態の構成を簡略に表す図である。
【0051】
本第2実施形態と上記第1実施形態(自動測定装置4a)は、共通の基本構成を備えている。この基本構成に係る説明は重複するので割愛し、本第2実施形態の特徴部分の構成を中心に、以下説明する。
【0052】
図2に示された、第2実施形態である自動測定装置4bは、光学測定部404に熱電対等を備える温度センサー装置410等が設けられている点に特徴がある。
【0053】
温度センサー装置410によって、測定セル405に導入された測定用試料水S2の水温を常時測定し、この測定された水温情報を解析部409に送り、該解析部409は、解析信号を制御部411に送る。
【0054】
前記制御部411からの制御信号は、測定セル405に付設されたヒーター412に送られる。ヒーター412は、前記制御信号に基づき、測定セル405を加温又は保温し、該測定セル405に収容されている測定用試料水S2の水温が一定に維持されるように調整する役割を果たす。なお、ヒータ−412に加えて、前記制御信号によって作動又は停止する冷却装置を設けてもよい。このようにヒーター412(及び冷却装置)が付設された測定セル405は、恒温槽として機能する。
【0055】
この自動測定装置4bでは、測定用試料水S2が温度調整される結果、光学測定部404における測定用試料水S2の水温が常時一定に維持される。これにより、水系から取り込まれた試料水S1の水温変動による光学測定への影響を低減することができる。特に、測定用試料水S2の水温が低温側に傾いたときには、濁度又は呈色が不足するので、前記水温を上昇させる手段は有効である。
【0056】
例えば、低温側では、処理剤Cであるアニオン性高分子電解質と反応試薬R(例えば、キレート剤と第四級アンモニウム塩)との反応速度が低下し、光学測定に必要な濁度や呈色が得られなくなるが、この問題を自動測定装置4bによって解決できる。
【0057】
続いて、図3は、本発明に係る水系処理剤濃度の自動測定装置の第3実施形態の構成を簡略に表す図である。
【0058】
本第3実施形態と上記実施形態(自動測定装置4a,4b)は、共通の基本構成を備えている。この基本構成に係る説明は、既述した説明と重複するので割愛し、本第3実施形態の特徴部分を中心に、以下説明する。
【0059】
第3実施形態である自動測定装置4cは、反応試薬の添加手段に特徴がある。
【0060】
自動測定装置4cは、測定用試料水S2の処理剤濃度を光学測定部404の定量範囲内に常に維持することを目的に、予め準備した希釈反応試薬溶液rが、水系から採り込まれてくる試料水S1に添加されるように工夫されている。なお、この自動測定装置4cでも、既述した実施形態と同様に、測定用試料水S2の補正計算による「濃度補正手段」又は温度センサー410等による「水温調整手段」を備えるように工夫してもよい。
【0061】
更に、自動測定装置4cについて詳説する。
【0062】
まず、予め測定対象となる処理剤Cに関する光学測定用の検量線を予め作成しておき、該検量線の直線部分に対応する当該光学測定系の定量範囲を把握しておく。次に、この定量範囲内で連続的に自動測定できるように、水系から送液されてくる試料水S1に対して、予め希釈しておいた反応試薬溶液rを添加する。これにより、測定用試料水S2中の処理剤Cの濃度を調整する。なお、実際の処理剤Cの濃度は、反応試薬溶液rによる希釈度を勘案して計算する。
【0063】
ここで、添加される反応試薬溶液の希釈度を次の手段で自動制御してもよい。
【0064】
まず、光学測定部404から得られる処理剤濃度の測定値を解析部409から制御部413に送り、該制御部413からの制御信号に基づいて、バルブ414、415の開閉を行う。バルブ414は、純水槽416に貯留された純水Wの反応試薬槽402に対する送液量を調整する役割を果たす。一方のバルブ415は、試薬原液槽417に貯留された試薬原液R'の反応試薬槽402に対する送液量を調整する役割を果たす。
【0065】
上記構成のバルブ414とバルブ415の開閉調整によって、反応試薬槽402の希釈度をリアルタイムで決定し、希釈反応試薬溶液rを、ポンプP1を介して試料水S1に添加する。この結果、試料水S1中の過剰な処理剤濃度は、光学測定部404の定量範囲内に収まる濃度に調整されてから測定セル405に導入される。なお、バルブ414,415に換えて、定量ポンプを設置して送液するようにしてもよい。
【0066】
このように、自動測定装置4cでは、水系の処理剤濃度を比色又は比濁法等により光学測定する場合において、試料水S1中の処理剤Cの濃度が、検量線の直線性を示す定量範囲から外れているときに、試料水S1の希釈溶液としての役割も担う希釈反応試薬溶液rを試料水S1に添加することによって、比色又は比濁法等に基づく光学測定を確実に連続して行うことができるようになる。
【0067】
以上説明した本発明に係る自動測定装置4a(変形例含む。),4b,4cを用いることにより、以下に説明する水系処理剤濃度の自動測定方法を提供することができる。
【0068】
図4は、前記自動測定方法の簡略な工程フロー図である。
【0069】
本発明に係る水系処理剤濃度の自動測定方法は、ボイラ水系、冷却水系、集塵水系、紙パルプ工場の水系、製鉄工場の水系等の液体に添加された処理剤濃度を光学的に自動測定する方法であり、水路1から測定対象となる試料水S1を光学測定部404に向けて連続通水させる工程X1と、測定時に前記試料水S1に反応試薬Rを添加する工程X2と、前記反応試薬Rが添加された試料水S2中の処理剤Cの濃度を光学測定部404において自動測定する工程X3と、を少なくとも備えていることを特徴としている。
【0070】
また、前記工程X2においては、上記自動測定装置4cを採用することにより、「希釈反応試薬溶液rを試料水S1に添加混合する工程」を実施することができる。また、前記工程X3においては、上記した自動測定装置4aの変形例を採用することにより、工程X3で実測された前記処理剤濃度を、水温と処理剤濃度の相関に基づいて補正計算することによって、最終的な測定値を導く手順を実施でき、また、工程X3において上記自動測定装置4bを採用することにより、光学測定部404における測定用試料水S2の水温調整工程を実施することができる。
【0071】
【実施例】
<実施例1>
本発明に係る自動測定装置4(4a,4b,4c)並びに本発明に係る自動測定方法によって、マレイン酸系ポリマー標準液(水道水溶媒)を測定した。具体的には、水道水に所定量のポリマレイン酸を溶解させて得た溶液を試料水とし、これに図1に示す測定装置4に供給し、送液途中において、反応試薬Rとして塩化ベンゼトニウム(第四級アンモニウム塩の一種)とEDTA(エチレンジアミン四酢酸塩、キレート剤の一種)を添加し、静的混合器によって混合し、反応させた後、測定セル405へ送液した。以上の操作を前記ポリマレイン酸の濃度を変化させて自動測定した。
【0072】
実験結果を図5に示す。この図5から明らかなように、本発明では、誤差の範囲で、マレイン酸系ポリマー、即ち処理剤Cの濃度を高精度に測定できることがわかった。
【0073】
<実施例2(自動測定装置4aの変形例の実験例)>
水温変動による測定用試料S2の処理剤濃度の濃度補正手段(手順)の有効性を検証するため、次の試験を行った。
【0074】
まず、代表的な処理剤Cであるマレイン酸系ポリマーを水道水に溶解し、設定濃度20mg/Lの測定用試料水S2のサンプル溶液を作成した。次に、自動測定装置4bを用いて、前記サンプル溶液の水温を12、18、23、25、29℃に設定し、各水温において、前記マレイン酸系ポリマー(処理剤)の自動測定を行った(測定値を実測値D1とする。)。次に、前記実測値D1を補正計算した後の処理剤濃度の値をD2とする。この値D2は、試料水S1の正規処理剤濃度の予測値である。結果を次の表1に示す。なお、測定原理は、塩化ベンゼトニウムとEDTAの混合溶液を反応試薬溶液とする比濁測定である。
【0075】
【表1】
【0076】
ここで、変動する水温条件における実測値D1から水系処理剤濃度を求めるための補正計算式は、本願発明者が鋭意検討したところ次の通りである。なお、下式中のxは、水温(℃)である。
D2=(−0.0544x+2.3833)×D1
[R2=0.9424]
【0077】
更に、前掲した表1の自動測定値D1,D2をグラフ化し、図6に示した。
【0078】
表1、図6に示されているように、補正計算値D2は、実際の設定濃度20mg/Lと完全に一致しているか、又は近似した値であった。このことから、上記補正計算は、水系処理剤濃度の自動測定の精度向上に寄与する有効な手段又は手順であることが明らかである。
【0079】
なお、表2、図6に基づけば、まず、サンプル溶液(測定用試料水S2)の水温の変化は実測値D1に大きな影響を及ぼし、誤差を生じさせることが分かる。特に、低温側の水温12℃では、設定濃度20mg/Lの約半分程度である11mg/Lの実測値となってしまう。一方、水温25℃では、実測値D1、補正計算値D2のいずれも設定濃度20mg/Lに一致した。この結果から、水温25℃近辺では、補正計算を行わなくても、精度の高い光学測定を実施できることがわかる。
【0080】
従って、測定用試料水S2の温度調整手段を備える(第2実施形態である)上記自動測定装置4bにおいて、測定用試料水S2の水温調整の目標温度は、23〜29℃、より好ましくは25℃とする。
【0081】
<実施例3(第3実施形態である自動測定装置4cに関する実験例)>
希釈反応試薬溶液rを用いた測定用試料S2の処理剤濃度調整手段の有効性を検証するために、次の試験を行った。
【0082】
本試験は、まず、マレイン酸系ポリマーが配合されている処理剤標準溶液、0、200、400、600、800mg/Lを予め準備し、▲1▼無希釈で測定、▲2▼純水添加による2倍希釈して測定、▲3▼本発明に係る自動測定装置4cで処理剤濃度を希釈して測定、をそれぞれ行った。測定原理は、実施例2と同じである。▲1▼〜▲3▼の測定結果の吸光度データを次の表3に示す。
【0083】
【表2】
【0084】
また、前掲した吸光度データをグラフ化し、図7に示す。
【0085】
前掲した表2及び図7に基づけば、無希釈の場合(▲1▼の場合)には、処理剤(濃度)が400mg/L以上になると、直線的な検量線が次第に得られなくなるので、光学測定の続行が困難になる。しかし、処理剤が含まれている試料水を希釈した場合(▲1▼、▲2▼の場合)では、直線性を示す検量線部分に基づいて、確実に光学測定を行うことができる。
【0086】
以上説明した本発明は、処理剤Cと反応試薬Rの化学反応を利用して、処理剤濃度を適宜の光学的側的手段で自動測定する構成を基本とするものであって、処理剤C及び反応試薬Rの種類は、光学的測定によって処理剤Cの濃度が測定できるものであれば、特に限定されない。また、対象となる水系や光学測定原理も狭く解釈されるべきでない。
【0087】
【発明の効果】
本発明に係る水系処理剤濃度の自動測定装置及び自動測定方法によれば、主に次の効果が奏される。
【0088】
(1)光学測定部には撹拌装置を設ける必要がないので、該光学測定部自体の構造を格段に簡略化することができるという効果が奏される。
【0089】
(2)試料水は、少なくとも測定時には光学測定部に通水されている状態とされ、この流れている状態の試料水に反応試薬を添加する構成を採用した結果、送液段階において撹拌効果が発揮されるので、処理剤と反応試薬との反応を促進させることができる。
【0090】
(3)水系プラントから試料水を取り込んで反応試薬を添加し、光学測定部に通水するという簡易な工程から構成されているにもかかわらず、特に撹拌工程を設けなくても、送液工程中に、試料水と反応試薬が均一に混合されて光学測定部に流入するという効果が発揮されるので、より簡易な工程で、安定かつ高精度の測定を行うことができる。
【0091】
(4)実測された前記処理剤濃度を、水温と処理剤濃度の相関に基づいて補正計算することによって測定値を導くように工夫すれば、水温変動による測定誤差を簡単に補正し、実際の水系処理剤濃度に一致又は近似する測定値を得ることができるので便利である。
【0092】
(5)光学測定部における測定用試料水の水温が、常時一定に維持されるように調整することによって、水温変動による光学測定値のふれを低減することができる。その結果、処理剤濃度の高精度測定を達成することができる。
【0093】
(6)反応試薬溶液に、試料水の希釈溶液としての役割を担わせることによって、従来、付設されていた測定用試料水の希釈手段又は希釈装置を省くことができるとともに、処理剤濃度が光学測定に係わる検量線の定量範囲(直線性を示す部分)を超えて、継続的な自動測定ができなくなるのを確実に防止できる。
【0094】
(7)また、本発明に係る水系処理剤濃度の制御方法では、本発明に係る水系処理剤濃度の自動測定方法によって得られた正確な測定データを利用して、水系中の液体に添加される処理剤の量を制御するようにしたことから、添加される処理剤の量を高精度に決定することができる。この結果、水系中に添加される処理剤を適正な濃度に維持することができる。
【0095】
(8)以上のように、本発明は、極めて簡易な装置構成又は工程によって、水系に添加された処理剤の濃度を、リアルタイムで、高精度のオンストリーム監視ができ、かつ水系の処理剤を適正な濃度に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水系処理剤濃度の自動測定装置の第1実施形態の構成を簡略に表す図
【図2】同装置の第2実施形態の構成を簡略に表す図
【図3】同装置の第3実施形態の構成を簡略に表す図
【図4】本発明に係る水系処理剤濃度の自動測定方法の工程フロー図
【図5】実施例1の試験結果を表す図(グラフ)
【図6】実施例2の試験結果を表す図(グラフ)
【図7】実施例3の試験結果を表す図(グラフ)
【符号の説明】
1 (水系を構成する)水路
4a,4b,4c 本発明に係る水系処理剤濃度の自動測定装置
404 光学測定部
410 温度センサー
412 ヒーター
C 処理剤
R 反応試薬
r 希釈反応試薬溶液
S1 試料水
S2 測定用試料水
X1 水系から試料水を光学測定部に向けて連続通水させる工程
X2 測定時に同試料水に反応試薬を添加する工程
X3 試料水中の処理剤濃度を光学測定部で自動測定する工程
Claims (8)
- 水系中の液体に添加されたアニオン性高分子電解質を含む処理剤の濃度を光学的に自動測定する装置であって、
少なくとも測定時に、水系から測定対象となる前記処理剤を含む試料水を取り込んで、光学測定部に連続通水させる手段と、
前記試料水の取り込み位置と前記光学測定部との間に設けられ、前記試料水に反応試薬を添加し、前記試料水の流れの作用により前記反応試薬を撹拌して測定用試料水を形成する手段と、
前記測定用試料水中の処理剤濃度を前記光学測定部において自動測定する手段と、
前記処理剤濃度の実測値を、水温と処理剤濃度との相関に基づき補正計算することにより、前記試料水中の正規の処理剤濃度を予測する手段と、
を少なくとも備える水系処理剤濃度の自動測定装置。 - 前記正規の処理剤濃度を予測する手段は、水温がT℃のときの処理剤濃度の実測値D1(mg/L)から、試料水中の正規の処理剤濃度D2(mg/L)を算定するプログラムを有することを特徴とする請求項1に記載の水系処理剤濃度の自動測定装置。
- 水系中の液体に添加されたアニオン性高分子電解質を含む処理剤の濃度を光学的に自動測定する装置であって、
少なくとも測定時に、水系から測定対象となる前記処理剤を含む試料水を取り込んで、光学測定部に連続通水させる手段と、
前記試料水の取り込み位置と前記光学測定部との間に設けられ、前記試料水に反応試薬を添加し、前記試料水の流れの作用により前記反応試薬を撹拌して測定用試料水を形成する手段と、
前記光学測定部に導入された測定用試料水の温度を測定する温度センサー、前記光学測定部に付設され前記測定用試料水を加熱又は保温するためのヒーター、及び前記温度センサーで測定した水温情報を解析して前記ヒーターに制御信号を送信する制御部を有し、前記光学測定部に導入された測定用試料水の水温を所定温度に調整して維持する手段と、
一定温度に維持された前記測定用試料水中に含まれる処理剤の濃度を前記光学測定部において自動測定する手段と、
を少なくとも備える水系処理剤濃度の自動測定装置。 - 水系中の液体に添加されたアニオン性高分子電解質を含む処理剤の濃度を光学的に自動測定する方法であって、
少なくとも測定時に、水系から測定対象となる前記処理剤を含む試料水を光学測定部に向けて連続通水させる工程と、
前記光学測定部よりも手前の位置で前記試料水に反応試薬を添加し、前記試料水の流れの作用により前記反応試薬を撹拌して測定用試料水を形成する工程と、
前記測定用試料水中の処理剤濃度を前記光学測定部において自動測定する工程と、
前記処理剤濃度の実測値を水温と処理剤濃度との相関に基づいて補正計算する濃度補正手段により、前記試料水中の正規の処理剤濃度を予測する工程と、
を少なくとも備える水系処理剤濃度の自動測定方法。 - 前記正規の処理剤濃度を予測する工程は、水温がT℃のときの処理剤濃度の実測値D1(mg/L)をプログラム計算式に当てはめ、試料水中の正規の処理剤濃度D2(mg/L)を算定し、予測することを特徴とする請求項4に記載の水系処理剤濃度の自動測定方法。
- 水系中の液体に添加されたアニオン性高分子電解質を含む処理剤の濃度を光学的に自動測定する方法であって、
少なくとも測定時に、水系から測定対象となる前記処理剤を含む試料水を光学測定部に向けて連続通水させる工程と、
前記光学測定部よりも手前の位置で前記試料水に反応試薬を添加し、前記試料水の流れの作用により前記反応試薬を撹拌して測定用試料水を形成する工程と、
前記光学測定部に導入された測定用試料水の水温を所定温度に調整して維持する工程と、
一定温度に維持された前記測定用試料水中の処理剤濃度を前記光学測定部において自動測定する工程と、
を少なくとも備える水系処理剤濃度の自動測定方法。 - 前記測定用試料水の水温を所定温度に調整して維持する工程は、温度センサー装置によって前記測定用試料水の水温を常時測定し、この測定された水温情報を解析して得た解析信号に基づき、ヒーター又は冷却装置により前記測定用試料水を加温又は冷却することを特徴とする請求項6に記載の水系処理剤濃度の自動測定方法。
- 請求項4から7のいずれか一項に載の水系処理剤濃度の自動測定方法によって得られた測定データに基づいて、水系中の液体に添加される処理剤の量を制御することを特徴とする水系処理剤濃度の制御方法。
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