JP4041355B2 - 作業機における昇降制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインやトラクタ等の農作業機、クレーン車等の特殊作業用車両または乗用車のような作業機における昇降制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンバイン等の農作業機は、走行機体に対して左右の走行クローラを互いに独立的に昇降させる油圧シリンダと、左右の油圧シリンダを一斉に作動させる車高調節レバーと、走行機体の左右傾斜角度を設定する傾斜設定器と、各走行クローラに対する走行機体の相対高さ(車高)を検出する左右一対の車高センサと、走行機体の左右傾斜角度を検出する傾斜センサと、これら各センサの検出値に基づいて各油圧シリンダを作動制御するコントローラとを備えており、走行機体を農作業に適した車高とし、かつ重力方向(鉛直方向)に対して略水平な姿勢(以下、絶対水平姿勢という)に維持する昇降自動制御を実行できるように構成されている。
【0003】
そして、最近の農作業機では、昇降自動制御を実行するに際して、走行機体の昇降範囲のうち一定範囲を、両油圧シリンダが互いに反対方向に駆動する基準範囲に設定し、現在の左右車高の平均値が基準範囲内にある場合は、両油圧シリンダを互いに反対方向に駆動させることにより、走行機体が迅速に絶対水平姿勢となるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図14は従来のコンバインにおける昇降自動制御の一例である。この図14を参照して、進行方向左側の走行クローラが畝に乗り上げた場合の制御態様を説明する。
【0005】
比較的高い車高で昇降自動制御を実行している圃場80上の走行機体(図14(a)の実線状態Pa参照)は、その左走行クローラが左上がりに盛り上がった畝81に乗り上げると、図14(b)の実線状態Pbのような姿勢となる。
【0006】
この時点の左右車高の平均値Hb(図14(b)の白丸部分参照)が基準範囲RA内にあれば、左走行クローラに対する油圧シリンダが短縮するとともに右走行クローラに対する油圧シリンダが伸長して(左右の油圧シリンダが互いに反対方向に駆動して)、走行機体を重力方向に対して略水平な姿勢に維持する(図14(c)の実線状態Pc参照)。
【0007】
しかし、前記従来のコンバインでは、現在の左右車高の平均値Ha,Hb,Hcが走行機体の昇降範囲のどの位置にあっても、その姿勢を迅速に変更できるようにすべく、基準範囲RAを、前記昇降範囲のうちできるだけ広範囲でかつ一定範囲に設定していたので、左右車高の平均値Ha,Hb,Hcが基準範囲RA内にある限り、両油圧シリンダが互いに反対方向に駆動することになる。
【0008】
このため、昇降自動制御後の車高Hcは、走行機体の姿勢は迅速に変更できるものの、図14(a)に示すもとの車高Ha(図14(c)では点線状態Paに相当)から下がる(ずれる)という問題があった。
【0009】
しかも、各油圧シリンダの伸縮速度は左右で異なる場合もあるので、例えば左側の油圧シリンダの短縮速度vlが右側の油圧シリンダの伸長速度vrよりも大きい(vl>vr)の場合(図14(b)参照)は、絶対水平姿勢となった走行機体の車高Hcは、オペレータが設定した希望の車高Haから大きくずれてしまうのであった(図14(c)参照)。
【0010】
本発明は、このような問題点を解消することを技術的課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を解決するため、請求項1の発明に係る昇降制御装置は、走行機体に対して左右の走行部を互いに独立的に昇降させる昇降駆動手段と、前記各走行部に対する走行機体の車高を検出する左右一対の車高センサと、前記走行機体の左右傾斜角度を検出する傾斜センサと、これら各センサの検出情報に基づいて前記各昇降駆動手段を作動制御する制御手段とを備えた作業機において、前記走行機体には、前記両昇降駆動手段を一斉に作動させる手動操作手段を備えており、前記手動操作手段の操作量に応じて前記走行機体の車高を変更したのち、所定の傾斜角度となるように昇降自動制御を実行するにあたって、前記制御手段は、前記手動操作手段の操作量に応じて変更した左右車高の平均値を、昇降自動制御時の基準車高に設定するとともに、前記走行機体の昇降範囲のうち所定範囲を、前記両昇降駆動手段が互いに反対方向に駆動する基準範囲に設定し、前記制御手段は、前記基準範囲を、前記基準車高が前記昇降範囲の上限または下限に近いほど狭くなるように設定する一方、現在の左右車高の平均値が前記基準範囲内にある場合は、前記両昇降駆動手段を互いに反対方向に駆動させて、前記所定の傾斜角度となるように制御するというものである。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載した昇降制御装置において、前記制御手段は、前記昇降自動制御の実行時に現在の左右車高の平均値が前記基準範囲から外れている場合は、前記基準範囲から遠い側の昇降駆動手段だけを駆動させて、前記所定の傾斜角度となるように制御するというものである。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載した昇降制御装置において、前記制御手段は、前記昇降自動制御の実行時に前記一方の車高が前記昇降範囲の上限または下限に到達した場合は、他方の車高に対応する昇降駆動手段だけを駆動させて、前記所定の傾斜角度となるように制御するというものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体化した実施形態を、作業機としてのコンバインに適用した場合の図面(図1〜図13)に基づいて説明する。図1はコンバインの左側面図、図2はコンバインの右側面図、図3はコンバインの正面図、図4は動力伝達系のスケルトン図である。
【0016】
なお、以下の実施形態において、昇降自動制御とは、走行機体を所定の車高とした状態で絶対水平姿勢に維持する場合だけでなく、走行機体を所定の車高とした状態で所定の傾斜角度(絶対水平姿勢や所定の左右傾斜姿勢)となるように維持する場合も含めるものとする。
【0017】
この実施形態におけるコンバインの走行機体1は、後述する昇降駆動手段3を介して、走行部としての左右一対の走行クローラ2,2に昇降可能に構成されている。走行機体1の進行方向に向かって左側には、扱胴13や処理胴20(図4参照)等からなる脱穀装置3が搭載されている。走行機体1の前部に配置した刈取前処理装置4は、昇降フレーム14を介して走行機体1に昇降回動可能に支持されており、この昇降フレーム14と走行機体1との間に装着したアクチュエータとしての刈取部用油圧シリンダ9で昇降調節可能に構成されている。
【0018】
刈取前処理装置4の下部にはバリカン式の刈刃装置5が配置されており、前部には六条分の穀稈引起装置6が配置されている(図3参照)。この穀稈引起装置6と脱穀装置3におけるフィードチェーン7の前端との間には穀稈搬送装置8が配置されており、穀稈引起装置6の下部前方には、走行機体の進行方向に向かって突出する分草体10が取り付けられている。さらに、走行機体1の右側前部には運転室11が配置されており、運転室11の後方には穀粒蓄積用の穀粒タンク12が配置されている。
【0019】
なお、刈取前処理装置4の左右両側における穀稈引起装置6の裏面側に設けたブラケット(図示せず)には、刈取前処理装置4と圃場面との対地高さを検出するための超音波センサ44a,44bが、発信器の発信部(ホーン部)と受信器の受信部とを圃場面に向けた状態で配置されている。また、昇降フレーム14の基端に取付けた昇降ポジションセンサ45は、昇降フレーム14の回動角度を検出することにより、走行機体1と刈取前処理装置4との相対高さを求めることができるようになっている。
【0020】
図4に示すように、運転室11の後方下部に配置したエンジン15からの動力の一部は、オーガクラッチ16を介して、穀粒タンク12内の底スクリューコンベヤ17と排出オーガ28内の縦横スクリューコンベヤ18a,18bとに伝達される一方、エンジン15からの残りの動力は、動力分岐ミッション19を介して油圧ポンプ油圧モータ式走行駆動部24、脱穀装置3の扱胴13及び処理胴20、唐箕21、一番受樋のスクリューコンベヤ22a、二番受樋のスクリューコンベヤ22bやフィードチェーン7、穀粒タンク12への揚穀スクリューコンベヤ23、搖動選別機構40、排わらカッタ27等を回転駆動させるようになっている。
【0021】
また、刈取前処理装置4への動力は、走行速度と同期するときには、走行駆動部24からの出力軸26を介して伝達され、同期しないときには、動力分岐ミッション19からの分岐動力をワンウェイクラッチ25を介して伝達されるようになっている。
【0022】
走行駆動部24における左右各駆動軸34には、ロータリエンコーダ等の車速センサ42a(42b)が取付けられており(図9参照)、これら各車速センサ42a(42b)が左右各走行クローラ2の駆動輪36の回転数を検出することによって、走行機体1の走行速度(車速)を計測するようになっている。
【0023】
図1及び図2に示すように、穀粒タンク12内の穀粒を機外に排出するための排出オーガ28は、走行機体1の後端に配置した縦筒28aと、この縦筒28aの上端に上下回動可能に連設した横筒28bとからなり、縦筒28a内には縦スクリューコンベア18aが、横筒28b内には横スクリューコンベア18bがそれぞれ内装されている。
【0024】
縦筒28aは、駆動モータ29とギア機構30とで縦軸回りに旋回可能に構成されており、横筒28bは、縦筒28aとの間に装架したオーガ用油圧シリンダ31とリンク機構32とで上下傾斜角度を変更可能に構成されている。
【0025】
そして、駆動モータ29に設けたロータリエンコーダ等の旋回角センサ(図示せず)により、縦筒28aの水平旋回角度、ひいては横筒28bの水平旋回位置を検出でき、オーガ用油圧シリンダ31またはリンク機構32の箇所に設けたポテンショメータ等の上下回動角センサ(図示せず)により、横筒28bの上下傾斜角度、ひいては横筒28b先端の排出部の高さ位置を検出できるようになっている。
【0026】
なお、排出オーガ28を使用しないときには、穀粒タンク12の上面に設けたレスト台33等に横筒28bの中途部が載置されるようになっている。このレスト台33には、横筒28bが載置されたか否かを検出する接触センサ等のレスト検出器(図示せず)が取付けられている。
【0027】
次に、走行機体1の車高及び姿勢を制御する構成について、図1、図2、図5〜図7を参照しながら説明する。図5は昇降駆動手段の側面図、図6は図5のVI−VI視断面図、図7は油圧回路図である。
【0028】
左右各走行クローラ2は、トラックフレーム35の前後端に各々配置した駆動輪36及び従動輪37と、トラックフレーム35の下面中途部に複数個配置した転動輪38との外周に巻回してなるものであり、左右各トラックフレーム35と走行機体1とは、走行部用油圧シリンダ39a(39b)、及びトラックフレーム35の前後位置に設けた側面視L字状の前後レバー54a,54bを同時に作動させるように連結した連結杆55からなる昇降駆動手段3を介して連結されている。
【0029】
そして、これら各走行クローラ2は、左右の走行部用油圧シリンダ39a,39bを互いに独立的に作動させることによって、走行機体1の左右に対して独立的に昇降するように構成されている。
【0030】
すなわち、左右両側の走行部用油圧シリンダ39a,39bのピストンロッドを同時に突出させると、走行機体1は左右両走行クローラ2,2から上方に離れて(上昇し)、走行機体1の両走行クローラ2,2に対する相対高さ(以下、全体車高という)は高くなる。逆に、前記ピストンロッドを同時に後退させると、走行機体1は左右両走行クローラ2,2に近付いて(下降し)、走行機体1の全体車高が低くなる。
【0031】
そして、左側の走行部用油圧シリンダ39aにおけるピストンロッドを突出させるか、または右側の走行部用油圧シリンダ39bにおけるピストンロッドを後退させると(もしくはこの両方の動作を同時に実行しても)、右走行クローラ2に対する走行機体1の車高が低くなり(左走行クローラ2に対する走行機体1の車高は高くなり)、走行機体1は右下がりに傾斜する。
【0032】
逆に、右側の走行部用油圧シリンダ39bにおけるピストンロッドを突出させるか、または、左側の走行部用油圧シリンダ39aにおけるピストンロッドを後退させると(もしくはこの両方の動作を同時に実行しても)、左走行クローラ2に対する走行機体1の車高が低くなり(右走行クローラ2に対する走行機体1の車高は高くなり)、走行機体1は左下がりに傾斜する。したがって、一方の走行クローラ2が圃場の畝等に乗り上げたり泥濘等に落ち込んだりしても、走行機体1の左右を略水平に保持できるのである。
【0033】
図7に示すように、油圧シリンダ9,31,39a,39bのための油圧回路は、油圧ポンプ46からの圧油を分流する分流弁47を介して分岐しており、この分流弁47の一方の吐出路からは、オーガ用油圧シリンダ31と左側の走行部用油圧シリンダ39aとに対する第1油圧回路48ヘ圧油を送給し、他方の吐出路からは、刈取部用油圧シリンダ9と右側の走行部用油圧シリンダ39bとに対する第2油圧回路49へ圧油を送給するように構成されている。
【0034】
両油圧回路48,49には、それぞれの油圧シリンダ9,31,39a,39bに対する電磁制御弁50,51,52,53や逆止弁、リリーフ弁等が接続されている。
【0035】
次に、本発明に係る昇降制御装置の構成を、図5、図8及び図9を参照して説明する。図8は運転室内の操作盤の一部を示す概略斜視図、図9は制御手段としてのコントローラの機能ブロック図である。
【0036】
図5に示すように、各走行部用油圧シリンダ39a(39b)のピストンロッドの突出量を検出して、走行機体1の各走行クローラ2に対する車高を検出するロータリエンコーダ等の車高センサ41a(41b)は、連結杆55に連設した連結ロッド59やリンク機構60を介して連動するように構成されている。
【0037】
また、走行機体1の左右傾斜角度を検出する振子式(重力式)の傾斜センサ43(図8参照)は、走行機体1の任意の位置、例えば運転室11内等に配置されている。
【0038】
運転室11内には、運転座席56、走行機体1を操向操作する操向丸ハンドル58、走行速度(車速)を無段階変速させる主変速レバー65、作業状態に応じて走行駆動部24の出力及び回転数を所定範囲に設定保持する副変速レバー66等を有する操作盤68等が配置されている(図3及び図8参照)。
【0039】
操作盤68上には、走行機体1の全体車高を手動で変更調節するための手動操作手段としての車高調節レバー62、昇降自動制御モードと手動モードとを切替えるための昇降自動制御切替スイッチ63、走行機体1の左右傾斜角度を設定するための傾斜設定器64、昇降自動制御モードに切替えると点灯する昇降自動制御ランプ67等が配置されている(図9参照)。
【0040】
車高調節レバー62は上下左右(十字方向)に回動可能に構成されている。車高調節レバー62を前傾させると、左右の走行部用油圧シリンダ39a,39bが一斉に短縮して走行機体1の全体車高が下降し、後傾させると、左右の走行部用油圧シリンダ39a,39bが一斉に伸長して走行機体1の全体車高が上昇する。
【0041】
車高調節レバー62を左方に傾動させると、右側の走行部用油圧シリンダ39bが伸長するか、または左側の走行部用油圧シリンダ39aが短縮し(もしくはこの両方の動作を同時に実行し)、走行機体1が左下がりに傾斜する。右方に傾動させると、左側の走行部用油圧シリンダ39aが伸長するか、または右側の走行部用油圧シリンダ39bが短縮し(もしくはこの両方の動作を同時に実行し)、走行機体1が右下がりに傾斜するのである。
【0042】
車高調節レバー62から手を離すと、この車高調節レバー62は中立位置に自動復帰して、各走行部用油圧シリンダ39a,39bの駆動が停止する。すなわち、各走行部用油圧シリンダ39a,39bの駆動量は、車高調節レバー62の傾動操作時間に比例するように構成されている。
【0043】
なお、車高調節レバー62の傾動操作による各走行部用油圧シリンダ39a,39bの昇降動作は、昇降自動制御モードの実行中であっても優先的に実行(割り込み処理)できるようになっている。
【0044】
昇降自動制御切替スイッチ63は、スイッチの一回の押下により一つのONパルス信号が出るいわゆるプッシュスイッチで、ロックタイプのものである。この昇降自動制御スイッチ63を一度押下(入り操作)すると、左斜め上方に位置する昇降自動制御ランプ67が点灯し、もう一度押下して切り操作すると、昇降自動制御ランプ67は消灯する。
【0045】
傾斜設定器64は可変抵抗器型のものであり、その摘みを図9の左側(右下がり傾斜)から右側(左下がり傾斜)まで連続的(アナログ的)または段階的(デジタル的)に変更できるように構成されている。昇降自動制御モードでは、走行機体1の姿勢は、傾斜設定器64の摘みの位置に応じた傾斜角度となるように制御される。例えば、摘みを回転範囲の中央部にセットすると、設定傾斜角度θoが0°(零度)の状態、すなわち走行機体1を絶対水平姿勢とする選択をしたことになる。
【0046】
図9に示すように、制御手段としてのコントローラ75は、各種演算処理や制御を実行するCPU(図示せず)のほか、データ等を一次的に記憶させるRAM77、制御プログラムやデータ等を記憶させる不揮発性メモリとしてのEEPROM76、各センサやアクチュエータ等に接続してデータを伝送する入出力インターフェイス(図示せず)等を備えている。
【0047】
コントローラ75の入力インターフェイスには、走行機体1の左右車高を検出する車高センサ41a,41b、走行機体1の左右傾斜角度を検出する傾斜センサ43、走行機体1の全体車高を手動で変更調節するための車高調節レバー62、昇降自動制御モードと手動モードとを切替えるための昇降自動制御切替スイッチ63、走行機体1の左右傾斜角度を設定するための傾斜設定器64等が各々接続されている。
【0048】
他方、出力インターフェイスには、走行機体1の左側の走行部用油圧シリンダ39aに対する電磁制御弁52の電磁ソレノイド52a、走行機体1の右側の走行部用油圧シリンダ39bに対する電磁制御弁53の電磁ソレノイド53a、昇降自動制御モードに切替えると点灯する昇降自動制御ランプ67等が各々接続されている。
【0049】
コントローラ75の構成要素であるRAM77は、例えば車高調節レバー62の前後傾動操作により全体車高(左右車高の平均値)を変更した場合の変更値を、のちに実行する昇降自動制御モードでの基準車高Ho(図12に示す白丸部分参照)として順次記憶するものである。
【0050】
この場合、車高調節レバー62を前後傾動操作する毎に、その操作量に応じて検出された左右両車高センサ41a,41bの検出値Hl,Hrから全体車高の下降量または上昇量、すなわち左右車高の平均値(Hl+Hr)/2を求め、この平均値(Hl+Hr)/2を更新して記憶するので、車高調節レバー62の直近の操作量(操作終了時点)に対応した平均値(Hl+Hr)/2を、昇降自動制御モードでの基準車高Hoとして記憶することになる。
【0051】
EEPROM76は、例えば傾斜設定器64の出力情報(設定傾斜角度θo)と傾斜センサ43の検出値θxとの関係をテーブル状またはマップ状に記憶したり、基準車高Hoと、左右の走行部用油圧シリンダ39a,39bを互いに反対方向に駆動させることができる基準範囲RG(図12参照)との関係をテーブル状またはマップ状に記憶したりするものである。
【0052】
基準範囲RGは、基準車高Hoを中心値として所定の上下幅Cを持たせた範囲に設定されるものであり、RG=Ho±Cで表される。ここで、上下幅Cは基準車高Hoの大きさに応じて決まる定数である。実施形態では、走行機体1における昇降範囲(左右両走行部用油圧シリンダ39a,39bのストローク)の±数十%程度の上下幅Cを持たせている。
【0053】
この上下幅Cの広狭は、基準車高Hoが走行機体1の昇降範囲の上限または下限に近いほど狭く設定されている(図13に上限に近い場合を示す)。なお、走行機体1の絶対水平姿勢または左右傾斜姿勢は傾斜センサ43の検出値θxから判別でき、コントローラ75でフィードバック制御される。
【0054】
次に、図10〜図13を参照しながら、本発明に係る昇降制御装置での昇降自動制御モードの態様を説明する。図10は昇降自動制御モードに移行する前段階のフローチャート、図11は昇降自動制御モードのフローチャート、図12は両走行部用油圧シリンダを互いに反対方向に駆動させる態様を示す作用説明図、図13は昇降自動制御モードの一例を示す作用説明図である。
【0055】
ここで、基準車高Hoの初期設定値(車高調節レバー62を一度も前後傾動操作していない場合の基準車高)のデータは、コントローラ75のEEPROM76に予め記憶させておく。
【0056】
まず、図10に示す制御のスタートに続いて、傾斜設定器64でセット(設定)した設定傾斜角度θoと、基準車高Hoの初期設定値とを、コントローラ75のEEPROM76またはRAM77に記憶させ(S1)、検出フラグFをリセット状態(F=0(零))としたのち(S2)。昇降自動制御切替スイッチ63が入り状態か否かを判別する(S3)。
【0057】
昇降自動制御切替スイッチ63が切り状態の場合は(S3:No)、手動モードを選択した状態であるので、そのままリターンする。昇降自動制御切替スイッチ63が入り状態の場合は(S3:Yes)、車高調節レバー62が前後左右のいずれかに傾動しているか否かを判別する(S4)。
【0058】
車高調節レバー62が傾動している場合とは(S4:Yes)、昇降自動制御モードの実行中に、走行機体の姿勢1を手動で変更操作(割り込み操作)する状態であるから、次いで、車高調節レバー62の傾動方向が前後であるか左右であるかを判別する(S5)。
【0059】
車高調節レバー62の傾動方向が左右方向である場合は(S5:左右)、車高調節レバー62の傾動操作時間に比例して、一方の走行部用油圧シリンダ39b(39a)を伸長させるか、または他方の走行部用油圧シリンダ39a(39b)を短縮させることにより(もしくはこの両方の動作を同時に実行することにより)、走行機体1を左あるいは右下がりに傾斜させる(S11)。次いで、前述したステップS4に戻る。
【0060】
車高調節レバー62の傾動方向が前後方向である場合は(S5:前後)、車高調節レバー62の傾動操作時間に比例して、左右の走行部用油圧シリンダ39a,39bを一斉に駆動させることにより、走行機体1の全体車高を下降または上昇させる(S6)。
【0061】
次いで、この時点での左右各車高センサ41a,41bの検出値Hl,Hrを読み込んだのち(S7)、これら両検出値Hl,Hrを用いて左右車高の平均値(Hl+Hr)/2を演算し、この演算結果(Hl+Hr)/2を昇降自動制御モードでの基準車高Hoに設定する(S8)。そして、検出フラグFをセット状態(F=1)とする(S9)。
【0062】
次いで、基準車高Hoを中心値として所定の上下幅Cを持たせた範囲を基準範囲RG(=Ho±C)に設定したのち(S10)、ステップS4へ戻る。
【0063】
ステップS4において、車高調節レバー62が傾動していない、すなわち中立位置にある場合は(S4:No)、次いで、検出フラグFがセット状態(F=1)か否かを判別する(S12)。
【0064】
検出フラグがリセット状態(F=0(零))の場合は、車高調節レバー62の前後傾動操作を電源投入後一回もしていない状態であるので、検出フラグをセットして基準車高Hoの初期設定値をもとに基準範囲RGを設定すべく、ステップS9へ行く。
【0065】
検出フラグがセット状態(F=1)の場合は(S12:Yes)、車高調節レバー62の前後傾動操作を少なくとも一回は行って、車高調節レバー62の直近の操作量(操作終了時点)に応じて基準車高Ho及び基準範囲RGを設定している状態であるから、昇降自動制御を実行する(S13)。
【0066】
図11に示すように、昇降自動制御モードでは、まず現在の左右各車高センサ41a,41bの検出値Hl,Hrと、傾斜センサ43の検出値θxとを読み込む(T1)。次いで、両車高センサ41a,41bの検出値Hl,Hrを用いて現在の左右車高の平均値Hp(=(Hl+Hr)/2)を演算し(T2)、この演算結果Hpが基準範囲RG内にあるか否か(Ho−C<Hp <Ho+C)を判別する(T3)。
【0067】
演算結果Hpが基準範囲RGから外れている場合は(T3:No)、走行機体1の左右傾斜角度が設定傾斜角度θoに近づくように、基準範囲RGから遠い側の走行部用油圧シリンダ(39aまたは39b)だけを駆動させ(T14)、その後、後述するステップT6へ行く。
【0068】
演算結果Hpが基準範囲RG内にある場合は(T3:Yes)、傾斜センサ43の検出値θxが傾斜設定器64で予め設定した設定傾斜角度θoと等しいか否か(実質的には、検出値θxが目標値である設定傾斜角度θoの±数%以内は制御しないという不感帯にあるか否か)を判別する(T4)。
【0069】
θx≒θoの場合(検出値θxが不感帯の範囲内にある場合)は(T4:Yes)、走行機体1が設定傾斜角度θoだけ傾斜した姿勢に維持されている、すなわち目標達成であるので、後述するステップT11へ行く。
【0070】
このように制御すると、例えばリンク機構60等に泥を噛んだりして、走行機体1の姿勢が目標とする設定傾斜角度θoに達しなくても、作業上差し支えのないような姿勢(設定傾斜角度θoに近い姿勢)となっていれば、エラーとはせずにそのまま作業を続行できる利点がある。また、走行機体1の姿勢が設定傾斜角度θoに達しなくても、出力(作動指令)信号を出し続けたりしないので、走行部用油圧シリンダ39a,39b等の制御対象の負荷が低減できるのである。
【0071】
θx≠θoの場合は(T4:No)、走行機体1の左右傾斜角度が設定傾斜角度θoに近づくように、左右の走行部用油圧シリンダ39a,39bを互いに反対方向に駆動させる(T5)。
【0072】
次いで、再び傾斜センサ43の検出値θxが設定傾斜角度θoと等しいか否か(実質的には、検出値θxが設定傾斜角度θoを含む不感帯にあるか否か)を判別する(T6)。θx≒θoの場合は(T6:Yes)、目標達成であるのでそのままリターンする。θx≠θoの場合は(T6:No)、走行機体1が設定傾斜角度θoだけ傾斜した姿勢となっていないので、一方の車高が上限または下限位置に到達したか否か、換言すると走行部用油圧シリンダ39a,39bの一方が駆動範囲の限界に達したか否かを判別する(T7)。
【0073】
ステップT7においてNoの場合は、左右両方の車高とも上限または下限位置にないので、前述したステップT1に戻って昇降自動制御を繰り返す。
【0074】
ステップT7においてYesの場合は、傾斜センサ43の検出値θxが設定傾斜角度θoではなく、かつ一方の車高が上限または下限位置にある(他方の車高は上限または下限でない)から、他方の車高を昇降させる余裕があるということになる。そこで、この場合は他方の走行部用油圧シリンダ(39aまたは39b)のみを駆動させる(T8)。これにより、各走行部用油圧シリンダ39a,39bのストローク内で、走行機体1の左右傾斜角度を設定傾斜角度θoに近づけることがスムーズに行える。
【0075】
そして、もう一度傾斜センサ43の検出値θxが設定傾斜角度θoと等しいか否か(実質的には、検出値θxが設定傾斜角度θoを含む不感帯にあるか否か)を判別し(T9)、θx≠θoの場合は(T9:No)、前述したステップT1に戻る。
【0076】
θx≒θoとなれば(T9:Yes)目標達成であるから、次いで、脱穀装置3を駆動操作するための脱穀スイッチ(図示せず)が切り状態か否かを判別する(T11)。脱穀スイッチが入り状態の場合は(T11:No)、図10のフローチャートにおけるステップS4に戻り、制御を繰り返し実行する。脱穀スイッチが切り状態の場合は(T11:Yes)、排出オーガ28がレスト台33上に載置されているか否かを判別する(T12)。
【0077】
排出オーガ28がレスト台33上にない場合は(T12:No)、ステップT12の手前に戻り、排出オーガ28がレスト台33上に載置されていれば(T12:Yes)、昇降自動制御切替スイッチ63の切替え操作に関係なく、走行機体1を、両走行クローラ2,2に対して略水平な姿勢で、作業終了直前の全体車高Hp(左右車高の平均値)における20%の高さまで下降させたのち(T13)、リターンして昇降自動制御を終了する(図10参照)。
【0078】
したがって、例えば図12に示すように、比較的低い全体車高でかつ左下がりに傾斜した姿勢P0となっている走行機体1において、オペレータが車高調節レバー62を後傾させて中程度の全体車高(Hl+Hr)/2とすると(図10のS1〜S6参照)、走行機体1は実線状態P1の姿勢となる。
【0079】
ここでEEPROM76は、先ほど更新した中程度の全体車高(Hl+Hr)/2を基準車高Hoとし、この基準車高Hoを中心に所定の上下幅Cを持たせた範囲を基準範囲RGに設定する(S8,S10参照)。
【0080】
そして、のちに昇降自動制御モードを実行すると(図11参照)、現在の左右車高の平均値Hpが基準範囲RG内にある場合は(図12はHo=Hpの例を示す)、左右の走行部用油圧シリンダ39a,39bを互いに反対方向に駆動させて(T5参照)、走行機体1が傾斜設定器64で予め設定した設定傾斜角度θo(絶対水平姿勢や所定の左右傾斜姿勢)となるように制御する。
【0081】
例えば図12において、設定傾斜角度θoを0°(零度)としておくと、左側の走行部用油圧シリンダ39aが伸長するとともに右側の走行部用油圧シリンダ39bが短縮して、走行機体1を絶対水平姿勢とするのである。
【0082】
また、例えば図13(a)に示すように、基準車高Hoが走行機体1の昇降範囲の上限または下限に近い場合は、その基準範囲は図12の場合よりも狭く設定される(図13(a)の基準範囲RG′ではRG′<RG)。
【0083】
図13(a)に示すように、基準車高Hoが比較的高く、かつ設定傾斜角度θoだけ傾斜した姿勢P2に維持されている走行機体1において、右走行クローラ2が圃場の泥濘等に落ち込むと(図13(b)参照)、走行機体1は右下がりの傾斜姿勢P3となり、このときの左右車高の平均値Hpは基準範囲RG′から外れることになる(T3:No)。
【0084】
そうすると、基準範囲RG′から遠い側である右走行部用油圧シリンダ39bだけを、走行機体1の左右傾斜角度が設定傾斜角度θoに近づくように伸長させる(T10参照)。これは、図13(b)の姿勢P3から図13(c)の姿勢P4への変更となる。
【0085】
そして、左右車高の平均値Hpが基準範囲RG′内に入ると(図13(d)の姿勢P5参照)、左側の走行部用油圧シリンダ39aを短縮させるとともに右側の走行部用油圧シリンダ39bを伸長させる(T5参照)。次いで、右車高が上限に到達すれば(T7:Yes)、今度は左側の走行部用油圧シリンダ39aだけが短縮して(T8参照)、走行機体1の姿勢P6を設定傾斜角度θoだけ傾斜した姿勢P7とするのである。
【0086】
以上のように制御すると、例えば軟弱でない圃場の内周部を回り刈りまたは往復刈りする等のため、昇降自動調節切替スイッチ63を一度押下して昇降自動制御モードを選択した場合は、圃場の傾斜程度や、左右両走行クローラ2,2の通過箇所の状態(例えば畝の底か頂上か)等の走行条件に応じて、オペレータが傾斜設定器64で設定傾斜角度θoを設定しておけば、走行機体1の各走行クローラ2に対する車高を各々独立的に昇降させて、走行機体1を農作業に好適な車高とし、かつ設定傾斜角度θoとなるように維持できる。
【0087】
この場合、車高調節レバー62の直近の操作量に応じて昇降自動制御モードでの基準車高Hoを設定するとともに、この基準車高Hoを中心値として所定の上下幅Cを持たせた範囲を基準範囲RG,RG′に設定し、現時点の左右車高の平均値Hpが基準範囲RG,RG′内にあれば、両走行部用油圧シリンダ39a,39bを互いに反対方向に駆動させるので、走行機体1の姿勢を設定傾斜角度θoとなるように迅速に変更できる。
【0088】
また、基準範囲RG,RG′は、車高調節レバー62の直近の操作量により設定された基準車高Hoに応じて設定されることにより、その大きさ(広狭)をある程度限定することができるので、前記従来のコンバインの例のように、昇降自動制御の実行時に、走行機体1の全体車高が基準車高Ho(オペレータが手動で設定した希望の車高)から極端に上下方向にずれるおそれは少なくなる。
【0089】
しかも、現時点の左右車高の平均値Hpが基準範囲RG,RG′から外れた場合は、走行機体1の左右傾斜角度が設定傾斜角度θoに近づくように、基準範囲RG,RG′から遠い側の走行部用油圧シリンダ(39aまたは39b)だけを駆動させるので、昇降自動制御の実行時に、走行機体1の全体車高がずれるおそれをさらに低減できる。
【0090】
したがって、走行機体1の全体車高をオペレータの希望から余り離れていない状態に維持することができる。走行機体1の姿勢変更によるオペレータの不快感も少ないのである。
【0091】
さらに、基準範囲RG,RG′の上下幅Cの広狭は、基準車高Hoが走行機体1の昇降範囲の上限または下限に近いほど狭く設定されるので、基準車高Hoが上限または下限に近い場合は、オペレータの希望する車高を維持する精度が向上する。
【0092】
これにより、例えば左右の走行クローラ2,2が深く嵌るおそれのある湿田では、走行機体1の基準車高Hoを高く設定して、昇降自動制御時における走行機体1の全体車高が上下方向にずれにくくすることができる。
【0093】
他方、このようなおそれのない圃場では、走行機体1の基準車高Hoを中程度に設定して、基準車高Hoの維持よりも、走行機体1の姿勢変更動作の迅速性を優先した使い方ができる。
【0094】
すなわち、姿勢変更動作の迅速性が要求される場合と、基準車高Hoの維持が要求される場合との使い分けが可能となるのである。
【0095】
本発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば、本発明は、各種農作業機、クレーン車等の特殊作業用車両または乗用車等の各種作業機に対して、広く適用できることはいうまでもない。
【0096】
制御手段としてのコントローラは単一のものに限らず複数であってもよい。複数のコントローラを採用した場合の通信回線は、LAN(Local Area Network) プロトコルを用いてもよいし、CAN(Controller Area Network)プロトコルを用いてもよい。
【0097】
また、走行機体1の設定傾斜角度θoのデータは、コントローラ75のEEPROM76のような記憶手段に予め記憶させるようにしてもよい。予め記憶させる設定傾斜角度θoは、走行機体1を絶対水平姿勢とする角度や、所定の左右傾斜姿勢とする角度等、任意に設定することができる。もちろん、この場合は傾斜設定器64を設ける必要はない。
【0098】
【発明の効果】
請求項1のように構成すると、手動操作手段の操作量に応じて走行機体の車高を変更したのち、所定の傾斜角度となるように昇降自動制御を実行するにあたって、手動操作手段の直近の操作量に応じて昇降自動制御時の基準車高を設定するとともに、前記走行機体の昇降範囲のうち所定範囲を、両昇降駆動手段が互いに反対方向に駆動する基準範囲に設定し、前記制御手段は、前記基準範囲を、前記基準車高が前記昇降範囲の上限または下限に近いほど狭くなるように設定する一方、現在の左右車高の平均値が前記基準範囲内にあれば、前記両昇降駆動手段を互いに反対方向に駆動させるので、前記走行機体の姿勢を前記所定の傾斜角度となるように迅速に変更できるという効果を奏する。
【0099】
また、前記基準範囲は、前記手動操作手段の直近の操作量により設定された基準車高に応じて設定されることにより、その大きさ(広狭)をある程度限定することができるので、昇降自動制御時に、前記走行機体の車高がオペレータが手動で設定した希望の車高から極端に上下方向にずれるおそれは少なくなるという効果を奏する。さらに、前記基準範囲を、基準車高が走行機体の昇降範囲の上限または下限に近いほど狭くなるように設定したので、例えば左右の走行部が深く嵌るおそれのある湿田では、走行機体の基準車高を高く設定して、昇降自動制御時における走行機体の車高が上下方向にずれにくくする一方、このようなおそれのない圃場では、走行機体の基準車高を中程度に設定して、前記基準車高の維持よりも姿勢変更動作の迅速性を優先した使い方ができる。すなわち、姿勢変更動作の迅速性が要求される場合と、前記基準車高の維持が要求される場合との使い分けが可能となるという効果を奏する。
【0100】
請求項2のように構成すると、昇降自動制御時に現在の左右車高の平均値が基準範囲から外れている場合は、前記基準範囲から遠い側の昇降駆動手段だけを駆動させるので、昇降自動制御時に前記走行機体の車高がオペレータの希望からずれるおそれをより低減できるという効果を奏する。
【0101】
請求項3のように構成すると、昇降自動制御時に、一方の車高が前記走行機体の昇降範囲の上限または下限に到達した場合は、他方の車高に対応する昇降駆動手段だけを駆動させて、前記所定の傾斜角度となるように制御するので、前記各昇降駆動手段の駆動範囲(前記走行機体における左右車高の昇降範囲に相当)内で、前記走行機体の左右傾斜角度を前記所定の傾斜角度に到達させることがスムーズに実行できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの左側面図である。
【図2】コンバインの右側面図である。
【図3】コンバインの正面図である。
【図4】動力伝達系のスケルトン図である。
【図5】昇降駆動手段の側面図である。
【図6】図5のVI−VI視断面図である。
【図7】油圧回路図である。
【図8】運転室内の操作盤の一部を示す概略斜視図である。
【図9】制御手段としてのコントローラの機能ブロック図である。
【図10】昇降自動制御モードに移行する前段階のフローチャートである。
【図11】昇降自動制御モードのフローチャートである。
【図12】両昇降駆動手段を互いに逆方向に駆動させる態様を示す作用説明図である。
【図13】昇降自動制御モードの一例を示す作用説明図であり、(a)は基準車高が比較的高くかつ設定傾斜角度だけ傾斜した姿勢に維持されている場合、(b)は右走行部が圃場の泥濘等に落ち込んだ場合、(c)は基準範囲から遠い側の昇降駆動手段だけを駆動させた場合、(d)は両昇降駆動手段を互いに反対方向に駆動させた場合、(e)は右車高が上限に到達した場合、(f)は再び設定傾斜角度だけ傾斜した姿勢に維持されている場合である。
【図14】従来のコンバインにおける昇降自動制御の一例を示す作用説明図であり、(a)は比較的高い車高で昇降自動制御を実行している場合、(b)は左走行部が畝に乗り上げた場合、(c)は走行機体を重力方向に対して略水平な姿勢に維持している場合である。
【符号の説明】
Ho 基準車高
Hl,Hr 車高センサでの検出値
Hp 現在の左右車高の平均値
RG,RG′ 基準範囲
θo 設定傾斜角度
θx 傾斜センサでの検出値
P0〜P7 走行機体の姿勢
1 走行機体
2 走行部としての走行クローラ
3 昇降駆動手段
39a 左走行部用油圧シリンダ
39b 右走行部用油圧シリンダ
41a,41b 車高センサ
43 傾斜センサ
62 手動操作手段としての車高調節レバー
63 車高自動制御切替スイッチ
64 傾斜設定器
75 制御手段としてのコントローラ
76 EEPROM

Claims (3)

  1. 走行機体に対して左右の走行部を互いに独立的に昇降させる昇降駆動手段と、前記各走行部に対する走行機体の車高を検出する左右一対の車高センサと、前記走行機体の左右傾斜角度を検出する傾斜センサと、これら各センサの検出情報に基づいて前記各昇降駆動手段を作動制御する制御手段とを備えた作業機において、前記走行機体には、前記両昇降駆動手段を一斉に作動させる手動操作手段を備えており、
    前記手動操作手段の操作量に応じて前記走行機体の車高を変更したのち、所定の傾斜角度となるように昇降自動制御を実行するにあたって、
    前記制御手段は、前記手動操作手段の操作量に応じて変更した左右車高の平均値を、昇降自動制御時の基準車高に設定するとともに、前記走行機体の昇降範囲のうち所定範囲を、前記両昇降駆動手段が互いに反対方向に駆動する基準範囲に設定し、
    前記制御手段は、前記基準範囲を、前記基準車高が前記昇降範囲の上限または下限に近いほど狭くなるように設定する一方、
    現在の左右車高の平均値が前記基準範囲内にある場合は、前記両昇降駆動手段を互いに反対方向に駆動させて、前記所定の傾斜角度となるように制御することを特徴とする作業機における昇降制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記昇降自動制御の実行時に現在の左右車高の平均値が前記基準範囲から外れている場合は、前記基準範囲から遠い側の昇降駆動手段だけを駆動させて、前記所定の傾斜角度となるように制御することを特徴とする請求項1に記載した作業機における昇降制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記昇降自動制御の実行時に前記一方の車高が前記昇降範囲の上限または下限に到達した場合は、他方の車高に対応する昇降駆動手段だけを駆動させて、前記所定の傾斜角度となるように制御することを特徴とする請求項1または2に記載した作業機における昇降制御装置。
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