JP4040933B2 - 毛髪化粧料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トリートメント剤等の毛髪化粧料組成物に関し、さらに詳しくは、毛髪に塗布し易く、毛髪しっとり感及びまとまり感を十分に付与することができる毛髪化粧料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の毛髪化粧料組成物としては、毛髪の感触を良好にするためにシリコーン類やカチオン性化合物を含有するものが知られている。
【0003】
一方、近年、ヘアスタイルの多様化により、毛髪は染毛剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ用剤、ヘアストレートナー等によって処理される機会が多くなり、これらの処理により毛髪の損傷の度合いが増す傾向にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の毛髪化粧料組成物においては、特に損傷を受けた毛髪に対し塗布しにくいという問題があった。また、使用後の毛髪にパサつき感が十分に改善されることなく、まとまり性が十分に得られないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、毛髪に塗布し易く、毛髪にしっとり感及びまとまり感を十分に付与することができる毛髪化粧料組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の毛髪化粧料組成物では、下記の(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の各成分を含有するものである。
【0007】
(A)アミノ変性シリコーン
(B)揮発性直鎖状シリコーンとして少なくともオクタメチルトリシロキサン
(C)環状シリコーンとして少なくともデカメチルシクロペンタシロキサン
(D)下記の一般式(1)で示される第四級アンモニウムアルキル硫酸塩
【0008】
【化2】
(R1及びR2はそれぞれ独立してメチル基又は炭素数8〜22のアルキル基若しくはアルケニル基を表し、R3はメチル基又はエチル基を表す。ただし、R1とR2が同時にメチル基となる場合を除く。)
(E)水
請求項2に記載の発明の毛髪化粧料組成物では、請求項1に記載の発明において、前記(B)成分は0.1〜15重量%含有するものである。
【0009】
請求項3に記載の発明の毛髪化粧料組成物では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記(C)成分は0.1〜15重量%含有するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の毛髪化粧料組成物としてのトリートメント剤には、(A)アミノ変性シリコーン、(B)揮発性直鎖状シリコーン、(C)環状シリコーン、(D)下記の一般式(1)で示される第四級アンモニウムアルキル硫酸塩及び(E)水が含有される。
【0011】
【化3】
(R1及びR2はそれぞれ独立してメチル基もしくは炭素数8〜22のアルキル基又はアルケニル基を表し、R3はメチル基又はエチル基を表す。ただし、R1とR2が同時にメチル基となる場合を除く。)
(A)アミノ変性シリコーンは、下記の一般式(2)で表され、毛髪にしっとり感を付与するために含有される。
【0012】
【化4】
(式中、R4はメチル基又はヒドロキシル基を表し、R5はメチル基、ヒドロキシル基又はR6を表す。R6はR7Zで表されるアミノ基又はアンモニウム基を有する置換基を表し、a及びbはそれぞれ分子量に依存する整数を表す。また、R7は炭素数3〜6の2価の炭化水素基を表す。Zは−NR8 2、−N+R8 3A-、−NR8(CH2)cNR8 2、−NR8(CH2)cN+R8 3A-、及び−NR8(CH2)cNR8C=O(R9)からなる群より選ばれる1価の基を表す。ここで、R8は水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を示し、R9は炭素数1〜4の炭化水素基を示し、Aはハロゲン原子を表し、cは2〜6の整数を表す。)
上記の一般式(2)で表される(A)アミノ変性シリコーンの具体例としては、アミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(アミノプロピルジメチコン)、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(アモジメチコン)、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(トリメチルシリルアモジメチコン)等が挙げられる。これらの(A)アミノ変性シリコーンは単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの(A)アミノ変性シリコーンの中でも、毛髪にしっとり感を付与する効果に優れることから、少なくともアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体が含有されることが好ましい。
【0013】
(A)成分の含有量は、好ましくは0.01〜3重量%、より好ましくは0.05〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%である。この含有量が0.01重量%未満であると、毛髪にしっとり感を十分に付与することができないおそれがある。一方、3重量%を超えると、毛髪が重い感触となるおそれがある。
【0014】
(B)揮発性直鎖状シリコーンは、毛髪への塗布をし易くするために含有される。(B)揮発性直鎖状シリコーンは、下記の一般式(3)で表される。
【0015】
【化5】
(式中、R10はメチル基及びフェニル基の少なくとも一方を示す。ただし、R10の全部がフェニル基となる場合を除く。R11はメチル基又はヒドロキシル基を示す。mは1〜8の整数を示す。)
上記の一般式(3)で表される(B)揮発性直鎖状シリコーンの具体例としては、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン等が挙げられる。これらの(B)揮発性直鎖状シリコーンは単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの(B)揮発性直鎖状シリコーンの中でも、毛髪への塗布をし易くする効果に優れることから少なくともオクタメチルトリシロキサンが含有されることが好ましい。
【0016】
(B)成分の粘度は、好ましくは0.5〜2.0cSt、より好ましくは0.9〜1.7cSt、さらに好ましくは0.9〜1.1cStである。この粘度が0.5cSt未満又は2.0cStを超えると、毛髪への塗布のし易さが十分に得られないおそれがある。
【0017】
(B)成分の含有量は、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは0.2〜10重量%、さらに好ましくは0.4〜7重量%である。この含有量が0.1重量%未満であると、毛髪に塗布しにくくなるおそれがある。一方、15重量%を超えると、毛髪が重い感触となるおそれがある。
【0018】
(C)環状シリコーンは、毛髪への塗布をし易くするために含有される。(C)環状シリコーンは、下記の一般式(4)で表される。
【0019】
【化6】
(式中、nは3〜7の整数を表す。)
上記の一般式(4)で表される環状シリコーンの具体例としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン等が挙げられる。これらの(C)環状シリコーンは単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの(C)環状シリコーンの中でも、毛髪への塗布をし易くする効果に優れることから少なくともデカメチルシクロペンタシロキサンが含有されることが好ましい。
【0020】
(C)成分の含有量は、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは0.2〜10重量%、さらに好ましくは0.4〜7重量%である。この含有量が0.1重量%未満であると、毛髪に塗布しにくくなるおそれがある。一方、15重量%を超えると、毛髪が重い感触となるおそれがある。
【0021】
また、上記(B)成分と(C)成分の重量比((B)/(C))は、好ましくは0.01〜100、より好ましくは0.02〜50、さらに好ましくは0.5〜20である。この重量比が0.01未満又は100を超えると、ダメージ毛への塗布がしにくくなるおそれがある。
【0022】
(D)前記の一般式(1)で示される第四級アンモニウムアルキル硫酸塩は、まとまり性を付与するために含有される。
一般式(1)で示される第四級アンモニウムアルキル硫酸塩の具体例としては、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ヤシ油脂肪酸アルキルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。これらの第四級アンモニウムアルキル硫酸塩は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。一般式(1)で示される第四級アンモニウムアルキル硫酸塩の中でも、まとまり性を付与する効果に優れることから、少なくともメチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウムが含有されることが好ましい。
【0023】
(D)成分の含有量は、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜5重量%、さらに好ましくは0.5〜3重量%である。この含有量が0.01重量%未満であると、まとまり性を十分に付与することができないおそれがある。一方、5重量%を超えると、トリートメント剤が硬くなって使用しにくくなるおそれがある。
【0024】
(E)水は、(A)、(B)、(C)及び(D)の各成分の溶媒又は分散媒としてトリートメント剤を液状、クリーム状、ミスト状等の剤型にするために含有される。(E)成分の含有量は、好ましくは10〜99.8重量%、より好ましくは20〜95重量%、さらに好ましくは30〜90重量%である。この含有量が10重量%未満では、剤型を安定して形成することが困難となるおそれがある。一方、99.8重量%を超えて配合すると、(A)〜(D)の各成分を有効に配合できないおそれがある。
【0025】
本実施形態のトリートメント剤には、その他の成分として界面活性剤、油性成分、溶剤、pH調整剤、粘度調整剤、保湿剤、帯電防止剤、毛髪柔軟剤、酸化防止剤、防腐剤、金属封鎖剤、賦形剤、色素、香料等を配合することも可能である。
【0026】
界面活性剤は(A)〜(D)の各成分を(E)水に分散させるとともに、トリートメント剤の均一性及び安定性を保持するために配合される。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
【0027】
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという)アルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレン(以下、POPという)アルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。POEアルキルエーテル類の具体例としては、POEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル等が挙げられる。
【0028】
カチオン性界面活性剤は、前記の一般式(1)で表す第四級アンモニウムアルキル硫酸塩以外のものを示し、具体例としては、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン等が挙げられる。
【0029】
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩等が挙げられる。
【0030】
両性界面活性剤の具体例としては、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
【0031】
これらの界面活性剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。界面活性剤の含有量は、0.1〜10.0重量%が好ましい。この含有量が0.1重量%未満では、安定性を十分に付与することができないおそれがある。一方、10.0重量%を超えて配合してもそれ以上の効果が得られないおそれがある。
【0032】
油性成分は、毛髪に軟らかさと潤いを付与するために含有される。この油性成分はシリコーン以外のものを示し、具体例としては、炭化水素、油脂、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル類等が挙げられる。
【0033】
炭化水素としては、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワラン、ポリブテン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、オゾケライト、セレシン、パラフィン、ポリエチレン末、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
【0034】
油脂としては、オリーブ油、ツバキ油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アルモンド油、アボカド油、カロット油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。
【0035】
ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等が挙げられる。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ラノリンアルコール等が挙げられる。
【0036】
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
【0037】
アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール(モノステアリルグリセリルエーテル)、キミルアルコール(モノセチルグリセリルエーテル)、セラキルアルコール(モノオレイルグリセリルエーテル)、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
【0038】
エステル類としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−エチルへキシル、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジエトキシエチル、ラノリン誘導体等が挙げられる。
【0039】
これらの油性成分の中でも、毛髪に軟らかさと潤いを付与することができるとともに、トリートメント剤の安定性を向上させることができることから、少なくとも高級アルコールが含有されることが好ましい。
【0040】
油性成分の含有量は、好ましくは0.1〜20.0重量%、さらに好ましくは1.0〜10.0重量%、最も好ましくは1.5〜6.0重量%である。この含有量が0.1重量%未満の場合、毛髪に軟らかさと潤いを十分に与えることができないおそれがある。一方、20.0重量%を超えて配合すると、毛髪がべたつくおそれがある。
【0041】
トリートメント剤の剤型は、水溶液、分散液、乳化液等の液状、ミスト状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等、特に限定されない。トリートメント剤は各種容器に充填されるが、剤型をミスト状にする場合はハンドポンプスプレー容器に充填されることが好ましい。
【0042】
さて、このトリートメント剤を使用するには、適量を直接毛髪にスプレーするか、又は手に取って毛髪に塗布する。次に、手櫛、コーム(櫛)等によって毛髪を梳かしながら、トリートメント剤を毛髪全体になじませる。このとき、トリートメント剤には、(A)成分が配合されている。従って、毛髪にしっとり感を付与することができる。ここで、近年ヘアスタイルの多様化によって、毛髪の損傷の度合いが増す傾向にあるが、毛先部分が損傷を受け易く、毛先部分がダメージ毛となる傾向がある。そして、毛髪の根本部分は健康毛であることが比較的多い。このとき、トリートメント剤には、(B)成分及び(C)成分が配合されている。これらの(B)成分及び(C)成分を組み合わせることによって、(B)成分及び(C)成分の揮発性がバランス良く作用し、健康毛及びダメージ毛のいずれであっても、毛髪に対するトリートメント剤の摩擦を低減することができる。従って、毛髪に対するトリートメント剤の移動性が向上し、毛髪の根本から先端まで容易に塗布することができる。さらに、トリートメント剤には(D)成分が配合されているため、毛髪のまとまり感を付与することができる。
【0043】
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・ 本実施形態の毛髪化粧料組成物においては、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の各成分を含有している。このように構成した場合、(A)成分によって毛髪にしっとり感を付与することができるとともに、(D)成分によって毛髪にまとまり感を付与することができる。また、(B)成分と(C)成分の揮発性がバランス良く作用し、毛髪に対する摩擦を低減することができる。従って、毛髪に塗布し易く、毛髪にしっとり感及びまとまり感を十分に付与することができる。
【0044】
・ 本実施形態の毛髪化粧料組成物においては、(B)成分として少なくともオクタメチルトリシロキサンを含有している。従って、毛髪により容易に塗布することができる。
【0045】
・ 本実施形態の毛髪化粧料組成物においては、(C)成分として少なくともデカメチルシクロペンタシロキサンを含有している。従って、毛髪にさらに容易に塗布することができる。
【0046】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1、参考例1,2及び比較例1〜7)
表1に示す各成分を混合し、トリートメント剤(洗い流さないタイプ)を調製した。調製したトリートメント剤を専門のパネラーが20代女性の健康毛に塗布した。同様に調製したトリートメント剤を専門のパネラーが20代女性のハイダメージ毛に塗布した。そして、専門のパネラーが塗布のし易さ(健康毛及びハイダメージ毛)、しっとり感、毛先のまとまり感及び表面の均一感について下記の(1)〜(4)の評価基準に従って官能評価を行った。
【0047】
(1)塗布のし易さ(健康毛及びハイダメージ毛)
塗布のし易さに優れる(◎)、塗布のし易さが良好(○)、やや塗布しにくい(△)及び塗布しにくい(×)とする4段階で評価した。
【0048】
(2)しっとり感
しっとり感に優れる(◎)、しっとり感が良好(○)、しっとり感がやや不足(△)及びしっとり感が不足(×)とする4段階で評価した。
【0049】
(3)毛先のまとまり感
毛先のまとまり感に優れる(◎)、毛先のまとまり感が良好(○)、毛先のまとまり感がやや不足(△)及び毛先のまとまり感が不足(×)とする4段階で評価した。
【0050】
(4)表面の均一感
表面の均一感に優れる(◎)、表面の均一感が良好(○)、表面の均一感がやや不足(△)及び表面の均一感が不足(×)とする4段階で評価した。
【0051】
これらの評価結果を表1に示す。なお、表1における数値は重量%を示す。
【0052】
【表1】
表1の結果から明らかなように、実施例1では、塗布のし易さ(健康毛及びハイダメージ毛)は優れる又は良好であった。また、しっとり感、毛先のまとまり感及び表面の均一感について優れる評価結果であった。
【0053】
これらに対して、比較例1〜7では(A)〜(D)の各成分のいずれか一種が配合されていないため、塗布のし易さ、しっとり感及び毛先のまとまり感のすべてが十分に付与されることはなかった。比較例4では、異なる二種の(C)成分が配合されているが、(B)成分が配合されていないため、塗布のし易さについて十分な結果が得られていない。また、比較例6では、異なる二種の(B)成分が配合されているが、(C)成分が配合されていないため、塗布のし易さについて十分な結果が得られていない。
(実施例4)
表2に示す各成分を混合し、トリートメント剤(洗い流すタイプ)を調製した。調製したトリートメント剤を実施例1〜3と同じ評価基準に従って官能評価を行った。これらの評価結果を表2に示す。なお、表2における数値は重量%を示す。
【0054】
【表2】
実施例4においても、塗布のし易さ(健康毛及びハイダメージ毛)、しっとり感、毛先のまとまり感及び表面の均一感について十分な結果が得られた。
(実施例5)
表3に示す各成分を混合し、トリートメントミスト剤を調製した。調製したトリートメントミスト剤を実施例1〜3と同じ評価基準に従って官能評価を行った。これらの評価結果を表3に示す。なお、表3における数値は重量%を示す。
【0055】
【表3】
実施例5においても、塗布のし易さ(健康毛及びハイダメージ毛)、しっとり感、毛先のまとまり感及び表面の均一感について十分な結果が得られた。
【0056】
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記実施形態においては、毛髪化粧料組成物をトリートメント剤に適用している。この他に、毛髪化粧料組成物は、シャンプー、リンス、スタイリング剤、パーマネントウェーブ用剤、染毛剤、毛髪脱色剤等のヘアケア剤に適用することも可能である。
【0057】
・ 前記トリートメント剤をトリートメントミストとして剤型をミスト状として使用する場合、トリートメント剤には有機溶剤を含有させることが好ましい。有機溶剤としてはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、へキシレングリコール、エチルカルビトール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。これらの有機溶剤の中でも、エタノールを含有させることがさらに好ましい。有機溶剤の含有量は、好ましくは5〜60重量%、より好ましくは10〜55重量%、さらに好ましくは15〜50重量%である。この含有量が5重量%未満であると、剤型をミスト状にしにくくなるおそれがある。一方、60重量%を超えて配合しても、それ以上の効果が得られにくく、不経済である。
【0058】
・ 前記実施形態においては、シリコーン類である(A)、(B)及び(C)の各成分が含有されている。しかし、本発明の目的に反しない限り、ポリエーテル変性シリコーン等の他のシリコーン類を含有させてもよい。
【0059】
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) 前記(A)成分として少なくともアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体を含有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物。このように構成した場合、毛髪にしっとり感をより付与することができる。
【0060】
(2) 前記(D)成分として少なくともメチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウムを含有することを特徴とする請求項1から請求項3及び上記(1)のいずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物。このように構成した場合、毛髪にまとまり性をより付与することができる。
【0061】
(3) 前記(B)成分と(C)成分の重量比((B)/(C))が0.01〜100であることを特徴とする請求項1から請求項3、上記(1)及び(2)のいずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物。このように構成した場合、ダメージ毛に対してより容易に塗布することができる。
【0062】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の毛髪化粧料組成物によれば、毛髪に塗布し易く、毛髪にしっとり感及びまとまり感を十分に付与することができる。
【0063】
請求項2に記載の発明の毛髪化粧料組成物によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、毛髪により容易に塗布することができる。
請求項3に記載の発明の毛髪化粧料組成物によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、毛髪にさらに容易に塗布することができる。
Claims (3)
- 前記(B)成分は0.1〜15重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の毛髪化粧料組成物。
- 前記(C)成分は0.1〜15重量%含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物。
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