JP4040760B2 - ボーリング方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下水、天然ガス等の地下資源を採取するための井戸堀や、地質調査のための貫入試験等に利用されるボーリング方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のボーリング施工においては、掘削用の中空状ボーリングロッド(以下、中空ロッドと言う)11による地盤の掘削に先立ち、図10に示すように、地盤表面の掘削箇所周辺に環状の溝72を堀り、この環状溝72の外側に比較的大きなピット73を形成すると共に、環状溝72とピット73との間には環状溝72に溜まった泥水等をピット73に流し込み可能な排水路74を設け、またピット73の近くにポンプ75を設置し、フィルター76を介してピット73内の泥水を吸引し、送給ホース77によって中空ロッド11に送給できるようにしておく。中空ロッド11の上端には、送給ホース77の先端部を接続するスイベルジョイント78が取り付けてある。
【0003】
而して、ボーリングマシン79により中空ロッド11を地盤中に回転圧入して掘削し、掘削された掘削土壌を、中空ロッド11によって供給される泥水と共に上方へ流出させて、前記環状溝72に排出し、この環状溝72に排出された泥水と掘削土壌との混合流体を排水路74を通じてピット73に流し込み、そしてピット73内の混合流体をフィルター76で濾すか又は単体使用のマッドスクリーンを使用して濾し、ポンプ75によって中空ロッド11内に送給する。以降、上記の工程を繰り返して、所定深さまで掘削を行う。この間、一定深さ掘削するごとに中空ロッド11を順次継ぎ足す。また、比較的軟質の掘削箇所には地表部側に、図示のようにケーシング13を貫入することもある。ピット73には予め泥水を供給しておき、また随時泥水を補給する。尚、このボーリングに使用される泥水は、水と比重の大きいベントナイトのような加泥材との混合物からなるもので、掘孔壁のふくれ上がりや崩壊を防止すると共に、掘削土壌を上方に運搬する機能を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のボーリング施工では、掘削箇所周辺に溝を掘り、またその外側に排水路及び泥水を溜めるピットを掘る必要があって、これら溝等の掘削作業に非常な手間がかかり、また上記溝に流出された流体、更にはピットに流し込まれた流体には粒の大きい掘削土壌が混入していて、それらを除去する必要があるため、その除去作業に何人もの人手を要していた。また、上記溝から溢れ出る泥水等により掘削現場周辺が広い範囲にわたり泥濘状態となって、足場が悪くなるなど作業環境を悪化していた。
【0005】
本発明は、従来のように掘削箇所周辺に溝を掘る必要がなく、それにより作業の手間を少なくでき、作業をし易くするようにしたボーリング方法及び装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のボーリング方法は、図面に示される符号を付して説明すれば、地盤の掘削箇所にケーシング13を地上から所要長さ突出するように貫入し、このケーシング13内にボーリングマシン12により回転圧入される掘削用の中空ロッド11を同心状に挿入すると共に、ケーシング13の上端開口部を封止して中空ロッド11より加圧供給される泥水によってケーシング13内部を陽圧状態とし、而して中空ロッド11により掘削された掘削土壌を前記泥水と共にケーシング13上端部の排出口13aから排出させて篩装置16に送り、該篩装置16の篩網24の長手方向中間所要部に上下振動手段26を連動連結し、該振動手段26により篩網24を上下に振動させて掘削土壌と泥水とを篩い分けするようにし、上下振動手段26は、装置機枠22側に設けられて回転駆動する偏心カムローラー27と、この偏心カムローラー27の下側で篩網24側に軸支されて偏心カムローラー27と接触する従動ローラー28とからなり、該篩装置16の篩網24には、前記上下振動手段26によって振動する篩網24の上下振動幅を変更する振動幅変更手段30が設けられ、該振動幅変更手段30は、装置機枠22側に軸受31によって回転可能に片持ち支持された水平回転軸32に、篩網24の揺動上限位置を規制するストッパーアーム33と、このストッパーアーム33を上下方向に揺動させて篩網24を所要の揺動上限位置に設定するように前記水平回転軸32を回転操作する長尺状の回転軸操作レバー34とをそれぞれ一体的に突設してなり、該回転軸操作レバー34によりストッパーアーム33を上下方向に回動して、偏心カムローラー27に対する従動ローラー28の最短接近位置を変更することにより、篩網24の上下振動幅を所望に変更できるようになっており、しかして掘削排土の土質に応じて上下振動幅を振動幅変更手段30によって変更して、該篩装置16によって掘削排土と泥水とに分離して、その泥水を揚上ポンプ15により再び中空ロッド11に送給するようにしたを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明のボーリング装置は、図面に示される符号を付して説明すれば、掘削用の中空ロッド11を軸方向に回転圧入するボーリングマシン12と、地盤の掘削箇所に地上から所要長さ突出するように貫入されて、排出口13aを有するケーシング13と、中空ロッド11が同心状に挿入されたケーシング13の上端開口部を封止して中空ロッド11より加圧供給される泥水によってケーシング13内部を陽圧状態とするためのシール手段1と、泥水を溜める泥水タンク14と、この泥水タンク14内の泥水を中空ロッド11に送給する揚上ポンプ15と、中空ロッド11により掘削されて前記泥水と共にケーシング13の排出口13aから排出される掘削土壌を掘削排土と泥水とに分離する篩装置16と、篩装置16を上下振動する上下振動手段26と、上下振動手段26による上下振動幅を変更する振動幅変更手段30とを備え、該篩装置16の篩網24の長手方向中間所要部に前記上下振動手段26を連動連結し、該振動手段26により篩網24を上下に振動させて掘削土壌と泥水とを篩い分けするようにし、上下振動手段26は、装置機枠22側に設けられて回転駆動する偏心カムローラー27と、この偏心カムローラー27の下側で篩網24側に軸支されて偏心カムローラー27と接触する従動ローラー28とからなり、該篩装置16の篩網24には、前記上下振動手段26によって振動する篩網24の上下振動幅を変更する振動幅変更手段30が設けられ、該振動幅変更手段30は、装置機枠22側に軸受31によって回転可能に片持ち支持された水平回転軸32に、篩網24の揺動上限位置を規制するストッパーアーム33と、このストッパーアーム33を上下方向に揺動させて篩網24を所要の揺動上限位置に設定するように前記水平回転軸32を回転操作する長尺状の回転軸操作レバー34とをそれぞれ一体的に突設してなり、該回転軸操作レバー34によりストッパーアーム33を上下方向に回動して、偏心カムローラー27に対する従動ローラー28の最短接近位置を変更することにより、篩網24の上下振動幅を所望に変更できるようになっており、前記篩装置16で分離された泥水は泥水タンク14に戻されるようになっていることを特徴とする。
【0008】
請求項3は、請求項2に記載のボーリング装置において、前記シール手段1は、前記中空ロッド11の偏心回転による径方向の揺れを吸収するように構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4は、請求項3に記載のボーリング装置において、前記シール手段1はシールボックス2にユニットとして一体的に設けられ、このシールボックス2はケーシング13の上端部に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るボーリング装置の全体を簡略して図示したものである。このボーリング装置は、掘削用の中空ロッド11を軸方向に回転圧入するボーリングマシン12と、地盤の掘削箇所に地上から所要長さ突出するように貫入され、上端部に排出口13aを有する円筒状のケーシング13と、前記中空ロッド11が同心状に挿入されたケーシング13の上端開口部を封止して中空ロッド11より加圧供給される泥水によってケーシング13内部を陽圧状態とするためのシール手段1と、泥水を溜める泥水タンク14と、この泥水タンク14内の泥水を中空ロッド11に送給する揚上ポンプ15と、前記中空ロッド11により掘削されて前記泥水と共にケーシング13の排出口13aから排出される掘削土壌を掘削排土と泥水とに分離する篩装置16とからなるもので、前記篩装置16によって分離された泥水は泥水タンク14に戻されるようになっている。図1において17は、水と加泥材とを混合して泥水を形成するミキサーで、このミキサー17によって形成された泥水は泥水タンク14に供給されるようになっている。
【0011】
ボーリングマシン12は、従来より周知のものであって、図2及び図3に示すように、ボーリングロッドである掘削用の中空ロッド11が昇降及び回転可能に貫通する円筒状のスピンドル18と、スピンドル18の上端に設けられた中空ロッドクランプ用の開閉可能なチャック19と、スピンドル18を昇降駆動する昇降駆動ユニット20と、スピンドル18を回転駆動する回転駆動手段とを備えたスイベルヘッド21を有する。そして、このボーリングマシン12は、図2及び図3に示すように地上に設置された所定高さの装置機枠22上に据え付けられている。このように所定高さの装置機枠22を設置することによって、既製のボーリングマシン12を装置機枠22上にそのまま据え付けることができる。
【0012】
ケーシング13は、図1〜図3に示すように中空ロッド11による地盤の掘削にあたってその掘削箇所に上端が地上から所要長さ突出するように貫入されるもので、このケーシング13に中空ロッド11が同心状に挿入された状態で当該ケーシング13の上端開口部がシール手段1によって封止され、それによりケーシング13の内部は中空ロッド11の下端より供給される加圧泥水によって陽圧状態となる。この中空ロッド11は、ボーリングマシン12によって地盤中に回転圧入されるときに、偏心回転して径方向に振れることがあり、これがために前記シール手段1は、その偏心回転による径方向の振れを吸収するように構成されている。
【0013】
上記シール手段1の具体的構成について図4を参照して説明すると、シール手段1は、シールボックス2内にユニットして一体的に設けられ、このシールボックス2は、中空ロッド11に遊嵌状態に挿通されて、ケーシング13の上端フランジ13bに複数のトグル式クランプ5によるか又はボルト(図示せず)により着脱可能に取り付けられる取付基板3と、この取付基板3上に固着された円筒状のボックス本体4とからなるもので、シール手段1は、ボックス本体4内に配置されて中空ロッド11を囲繞するスリーブ6と、このスリーブ6の中間フランジ部6aとボックス本体4の上端フランジ部4aとの間に介装されたスラスト軸受7と、前記スリーブ6の下端部内周と中空ロッド11の外周との間に介装されたリップパッキン8と、前記スリーブ6の下端部に外嵌された回転リング10Aと前記リーブ6の中間フランジ部6aとの間に介装されたコイルばね9と、前記取付基板3上に取り付けられていて、回転リング10Aの下端が回転可能に密接される固定リング10Bとを備えている。
【0014】
このような構成のシール手段1において、中空ロッド11がボーリングマシン12によって回転しつつ下動するとき、スリーブ6は、リップパッキン8によって中空ロッド11に対し軸方向に相対移動しつつ回転する。この際、スリーブ6の上部側はスラスト軸受7によってボックス本体4に回転自在に支持され、また下部側はコイルばね9で下向きに付勢された回転リング10Aによって固定リング10B上に回転自在で密接状態に支持される。
【0015】
そして、中空ロッド11が偏心回転して径方向に振れを生ずるときには、その振れに応じてリップパッキン8が径方向に伸縮変形し、これに伴いスリーブ6がコイルばね9及び回転リング10Aと共に当該スリーブ6の軸芯周りに揺動して、中空ロッド11の径方向の振れを吸収し、それによって中空ロッド11をスムーズに回転下動させることができる。尚、シール手段としては、図4に示した構造のものに限定されるものではなく、回転しながら軸方向に移動する中空ロッド11の外周面とケーシング13の上端部との間を封止できるものであればよいし、更には中空ロッド11の偏心回転による径方向の揺れを吸収できる構造のものであればよい。
【0016】
次に、篩装置16について図2、図3、図5〜図8を参照して説明すると、この篩装置16は、断面円弧状のチャンネル材からなる樋状の網受け23をその長手方向一端部側から他端部側へ下り傾斜状となるように装置機枠22(固定枠)に取り付け、この下り傾斜状網受け23内に、断面円弧状に形成された樋状の篩網24を網受け23とほぼ平行に配置して、この篩網24の上流側端部を水平ヒンジ25によって装置機枠22に枢着すると共に、その下流側端部を上下揺動可能に支持し、この篩網24の長手方向中間所要部に上下振動手段26を連動連結し、この振動手段26により篩網24を上下に振動させて掘削土壌と泥水とを篩い分けするようにしたものである。上下振動手段26は、装置機枠22側に設けられて回転駆動する偏心カムローラー27と、この偏心カムローラー27の下側で篩網24側に軸支されて偏心カムローラー27と接触する従動ローラー28とからなる。
【0017】
この篩装置16の篩網24には、前記上下振動手段26によって振動する篩網24の上下振動幅を変更する振動幅変更手段30が設けられている。この振動幅変更手段30は、装置機枠22(固定枠)側に軸受31によって回転可能に片持ち支持された水平回転軸32に、篩網24の揺動上限位置を規制するストッパーアーム33と、このストッパーアーム33を上下方向に揺動させて篩網24を所要の揺動上限位置に設定するように前記水平回転軸32を回転操作する長尺状の回転軸操作レバー34とをそれぞれ一体的に突設し、この回転軸操作レバー34を所要の回転操作位置に係止固定するための係止孔a〜eを、装置機枠22に取り付けられた固定プレート35に上下複数段階に設けてなるものである。
【0018】
上記篩装置16及び振動幅変更手段30について更に詳細に説明する。篩装置16の網受け23は、図5及び図6に示すように、その上流側端部が水平支軸36によって装置機枠22に枢着され、下流側端部が、装置機枠22に設けてある横バー37上に支持され、それにより所定の傾斜姿勢に支持されている。また、網受け23の下流側端部には、篩網24を通過した泥水を受容する泥水受容管38が網受け23を横切るように配設され、この泥水受容管38の一端部には受容した泥水を泥水タンク14に導入する泥水導入管39が連設されている。泥水受容管38は、図5及び図7に示すように、円弧状網受け23の底面部を貫通し、その貫通部に形成された開口部38aから泥水を受容するようになっている。
【0019】
篩網24は、横断面円弧状で上流側端面が閉塞され且つ下流側端面が開口された形状の網本体24aと、この網本体24aを支持する平面視略U字状の支持枠24bとからなり、この支持枠24bの上流側端部が水平ヒンジ25によって装置機枠22に枢着されている。この水平ヒンジ25は、両側一対の取付部材25a,25aにより前記支持枠24bに取り付けられた中空軸25bと、装置機枠22側に取り付けられて片持ち状態で水平に突出し、上記中空軸25bに挿通される枢支軸25cとからなる。
【0020】
図5及び図6に示すように、前記篩網24の支持枠24bにはその下流側端部に、両側一対のブラケット40,40を介して水平支軸41が横架されている。この水平支軸41には、図6から分かるように、両側一対の立ち上げロッド42,42の下端部が枢着され、両立ち上げロッド42,42には、台板43の両端部がスライド可能に挿通支持されると共に、この台板43を両ロッド42,42に沿って下向き付勢する圧縮コイルばね29,29が配設され、各コイルばね29は、各立ち上げロッド42,42の上端部に螺合されたナット44に係止される上部スリーブ45aと、台板43のロッド挿通孔(図示せず)に係嵌された下部スリーブ45bとの間に介装されている。そして、上記台板43の下面に突設された両側一対のブラケット46,46にストッパー杆47が横架され、このストッパー杆47には、前記振動幅変更手段30のストッパーアーム33の先端二股部33aが係合されている。
【0021】
図9に示すように、上下振動手段26の偏心カムローラー27は、装置機枠22側に軸受48によって支承された駆動主軸49の先端部に所定の偏心量をもって固定され、従動ローラー28は、篩網24の支持枠24bに取り付けられた取付台50上にブラケット51によって軸支されている。
【0022】
上記のような構成の篩装置16及び振動幅変更手段30において、図5に示すように、回転軸操作レバー34の把手34a側を下向きに回動操作すると、水平回転軸32を中心としてストッパーアーム33が上向きに回動し、それによりストッパー杆47、台板43、両立ち上げロッド42,42及び水平支軸41を介して篩網24の下流側端部が上方へ揺動し、上下振動手段26の従動ローラー28が偏心カムローラー27の中心へ近づく方向に移動し、また回転軸操作レバー34を上向きに回動操作すると、ストッパーアーム33が下向きに回動して、篩網24の下流側端部が下方へ揺動し、従動ローラー28が偏心カムローラー27の中心から離れる方向に移動する。即ち、回転軸操作レバー34によりストッパーアーム33を上下に適宜回動させることによって、篩網24の下流側端部の揺動上限位置を設定し、それにより偏心カムローラー27に対する従動ローラー28の最短接近位置を設定して、篩網24の上下振動幅を変更するようにしたものである。
【0023】
この場合、図8に示すように、偏心カムローラー27の回転中心軸心Oaからの最小半径をR1、最大半径をR2とし、従動ローラー28の軸心Obからの半径をrとし、また両ローラー27の軸心Oa,Ob間の最小接近距離をh(図5にも示す)としたとき、装置機枠22側の定位置で回転駆動する偏心カムローラー27と、この偏心カムローラー27に接触して上下動する従動ローラー28とによって篩網24を振動させるようにするためには、R1+r≦h<R2+rであることが必要であり、而してR1+r=hのとき、従動ローラー28の上下動移動幅、即ち篩網24の上下振動幅は最大となり、またhを(R1+r)より大きくしてゆくと、偏心カムローラー27の周面には従動ローラー28と接触しない部分が生じ、このため従動ローラー28の上下移動幅、即ち篩網24の上下振動幅が小さくなってゆく。
【0024】
振動幅変更手段30は、回転軸操作レバー34によりストッパーアーム33を上下方向に回動して、偏心カムローラー27に対する従動ローラー28の最短接近位置、つまり上記h(両ローラー27,28の軸心Oa,Ob間の最小接近距離)を変更することにより、篩網24の上下振動幅を所望に変更できるようにしたものである。この振動幅変更手段30の回転軸操作レバー34は、その把手34a側の端部が、図5に示すように装置機枠22の固定プレート35に上下複数段階に設けられた係止孔a〜eの何れかに係止され、それによって篩網24の下流側端部が所要の揺動上限位置に保持され、従動ローラー28は偏心カムローラー27に対して所要の最短接近位置に保持される。
【0025】
この篩装置16の使用にあたって、篩網24の振動幅を最大にする場合は、回転軸操作レバー34を、図5(B)に示す固定プレート35の最下段の係止孔eに係止させて、ストッパーアーム33により篩網24の揺動上限位置を最上位に設定し、而して前述のR1+r=hの関係により従動ローラー28の上下動幅が最大となるようにする。この状態で偏心カムローラー27を回転駆動すると、従動ローラー28が偏心カムローラー27に対してその最小半径R1位置で接するとき、篩網24は上下振動幅(ストローク)の上限位置にあり、而して偏心カムローラー27の回転によりその回転半径が大きくなって、従動ローラー28が下動してゆくと、篩網24に下向きの荷重がかかることにより、台板43に保持されている両立ち上げロッド42,42が圧縮コイルばね29,29の付勢力に抗して下降し、それによって篩網24は、従動ローラー28と接する偏心カムローラー27がその最大半径R2位置に達するまで下向きに揺動し、その後は偏心カムローラー27がその最小半径R1位置に達するまで上向きに揺動する。この篩網24は、上記のような上下揺動を短い周期で繰り返すことによって、最大振動幅の上下振動を行う。
【0026】
また、篩網24の振動幅を上記最大振動幅より小さくする場合は、回転軸操作レバー34を係止孔a〜eのうちの上段側に係止させればよく、最上段の係止孔aに係止した場合に振動幅が最小となる。而して、回転軸操作レバー34を上段側の係止孔に係止させると、ストッパーアーム33によって篩網24の揺動上限位置が前記最大振動幅の場合よりも低位置に設定されることになる。最大振動幅の場合には、前記のR1+r=hの関係で、両ローラー27,28の軸心Oa,Ob間の最小距離hが最も短くなって、従動ローラー28が偏心カムローラー27の全周にわたり接触するが、振動幅を小さくする場合には、その最小接近距離hが最大振動幅の場合より長くなることから、偏心カムローラー27の周面には従動ローラー28と接触しない部分が生じ、それによって従動ローラー28の上下動幅、即ち篩網24の上下振動幅が小さくなる。
【0027】
さて、図1及び図2に示されるボーリング装置において、水と加泥材とを混合して泥水を形成するミキサー17は、図2に概略示すように、装置機枠22上に設置された混合槽52と内に回転軸53を挿入配備し、この回転軸53に攪拌翼54を取り付けてなるもので、その回転軸53は、装置機枠22に軸架された前記駆動主軸49に一対の傘歯車56を介して連動連結されている。このミキサー17の使用にあたって、混合槽52内に水と加泥材とを所定の比率で投入し、両者を攪拌翼54の回転により攪拌混合して泥水を形成し、その泥水はパイプ57を通じて泥水タンク14に供給される。上記加泥材は、ベントナイト等の粘土からなるもので、水と混合されて泥水となり、この泥水は、掘削された孔壁の膨れ上がりや崩壊を防ぐと共に、掘削土壌を地表に運搬させる機能を有する。
【0028】
また図2において、58はボーリングマシン12の駆動源であるディーゼルエンジンで、このディーゼルエンジン58から取り出した駆動力によって前記駆動主軸49が回転駆動される。即ち、駆動主軸49は、例えばベルト伝動手段59によって上記ディーゼルエンジン58の出力軸58aに連動連結されている。また、この駆動主軸55によって、前記篩装置16の上下振動手段26及び前記ミキサー17の回転軸53がそれぞれ駆動されることは既に述べたが、更にこの駆動主軸49は、図2に示すように揚上ポンプ15の駆動軸15aに例えばベルト伝動手段60を介して連動連結され、このポンプ15を駆動するようになっている。このように、このボーリング装置では、揚上ポンプ15、篩装置16及びミキサー17の何れもが、ボーリングマシン12の駆動源たるディーゼルエンジン58から取り出した駆動力によって駆動されるようになっているから、駆動源が1つで済み、従って設備が簡単でコンパクトになると共に、設備コストを安くできる。
【0029】
前記実施形態では、ボーリングマシン12の駆動源であるディーゼルエンジン58の駆動力を利用して、これを揚上ポンプ15、篩装置16及びミキサー17の駆動源としてものであるが、勿論、この実施形態に限定されることはなく、例えば図2に二点鎖線で示すように独立したディーゼルエンジン70を装置機枠22又は他の機枠上あるいは地面上に設置し、このディーゼルエンジン70の出力軸71にベルト伝動手段59を介して駆動主軸49を駆動し、前記一連の装置15,16,17を駆動させるようにしてもよい。更にまた、前記一連の装置の一つ又は二つごとにそれぞれに別々の駆動源につながれてもよいことは勿論である。また前記実施形態にあっては、ボーリングマシン12は装置機枠22上に設置されるが、勿論、別個の機枠に設置されても、あるいは地面上に直接に設置されるようにしてもよい。
【0030】
図1〜図3、図5において61は、篩装置16に使用に際して篩網24に残った掘削土壌を流下排出するための排土タンクである。62は泥水タンク14と揚上ポンプ15とを連通連結するホースで、泥水タンク14内の泥水は、このホース62により揚上ポンプ15に吸引され、ホース63によってボーリングマシン12におけるスイベルヘッド21のスイベルジョイント64に接続され、中空ロッド11に泥水が供給されるようになっている。65は、ケーシング13の排出口13aに接続されたホースで、中空ロッド11の先端より掘孔内に供給される加圧泥水と共に排出口13aから排出される掘削土壌を篩装置16の篩網24上に供給するようになっており、このホース65の先端部は、篩網24の上流側端部に配置されている。
【0031】
上述のように構成されるボーリング装置の使用によるボーリング施工においては、ボーリングマシン12によって中空ロッド11を地盤中に回転圧入するに先立ち、スピンドル18下端部の連結具18aにケーシング13の上端部を連結し、このケーシング13を図1〜図3に示すように掘削箇所に地上から所要長さ突出するように貫入する。その後、上記連結具18aをケーシング13から切り離して、スピンドル18に中空ロッド11を挿着し、この中空ロッド11をケーシング13内に同心状に挿入する。この際、中空ロッド11にはシールボックス2とこれに内装されたシール手段1とを取り付けておいて、ケーシング13の貫入後にシールボックス2をケーシング13の上端部にクランプ5又はボルトで取り付け、図4に示すようにケーシング13の上端開口部を封止する。
【0032】
それから、中空ロッド11をボーリングマシン12によって地盤中に回転圧入しながら、中空ロッド11先端のビット11aで地盤を掘削し、この掘削中に泥水タンク14内の泥水をポンプ15により吸引揚上して、スイベルヘッド21を通じて中空ロッド11に加圧供給し、この中空ロッド11の先端より噴出させる。このとき、ケーシング13の内部は、中空ロッド11より噴出される加圧泥水によって陽圧状態とされる。またこの場合、中空ロッド11は、一定深さ掘削するごとに順次継ぎ足してゆく。
【0033】
而して、中空ロッド1により地盤を掘削しながら、あるいは一定深さ掘削した後に中空ロッド11の回転圧入を一時停止している間に、中空ロッド1により掘孔底部に噴射供給される加圧泥水によって、掘削土壌(岩石の切屑、土砂等からなる)を図4に示すようにケーシング13上端部の排出口13aから排出させると共に、この掘削土壌と泥水との混合物を排出口13aに接続されたホース65によって篩装置16に送給し、この篩網24によって掘削排土と泥水とに分離する。この際、掘削排土の土質に応じて篩網24の上下振動幅を振動幅変更手段30により適当に変更する。例えば、掘削排土が粘土質であったり、その粒径度が大きい場合には篩網24の振動幅を大きくするとよい。
【0034】
篩装置16の篩網24に流入された掘削土壌と泥水の混合物のうち、泥水は、網本体24aの網目を通過して網受け23に流入し、その下流側端部の泥水受容管38から泥水導入管39を経て泥水タンク14に回収され、上記網目を通らずに篩網24上に残った掘削排土は、篩網24の振動作用によりその傾斜面に沿って流下し、排土タンクへ排出される。泥水タンク14内の泥水は、揚上ポンプ15によって揚上され、スイベルジョイント64を介して中空ロッド11に加圧導入される。この泥水タンク14には、ミキサー17によって形成される新しい泥水を適宜に補給し、それによってタンク14に常に一定量の泥水を貯留しておくことができると共に、泥水の質の低下を防止することができる。
【0035】
上記のように、中空ロッド11によって掘削された掘削土壌を、この中空ロッド1先端より掘孔底部に噴射供給される加圧泥水によって陽圧状態となったケーシング13の排出口13aから泥水と共に流動排出させ、この排出口13aに接続されたホース65により篩装置16に送給して、掘削排土と泥水とに分離し、その泥水を泥水タンク14に回収し、このタンク14内の泥水を揚上ポンプ15により再び中空ロッド11に送給すると云う一連の工程を、所定の掘削深度に達するまで繰り返し行うから、従来のように掘削箇所周辺に溝を掘る必要がなく、従って作業の手間が省け、人手が少なくて済む上に、掘削現場周辺の作業環境が良くなり、作業性の向上を図ることができる。
【0036】
特に、この方法では、ケーシング13の上端開口部をシール手段1により封止して、中空ロッド11より加圧供給される泥水によってケーシング13内部を陽圧状態とし、このケーシング13内部の陽圧を利用して掘削土壌を泥水と共にケーシング13の排出口13aから排出させて篩装置16に送給するから、排出口13aの位置レベルを篩装置16より低く設定しても、その排出口13aから篩装置16への掘削土壌及び泥水の送給が可能となる。これにより、ケーシング13の地上からの突出長さを短くでき、即ちその突出高さを低くでき、このため中空ロッド11を回転圧入するボーリングマシン12を極力低い位置に設置することができ、現場状況等によってボーリングマシン12の設置高さが制限されるような場合にきわめて有効である。
【0037】
因みに、ケーシング13の上端開口部を大気に開放した状態とした場合には、ケーシング13の地上からの突出長さを十分長く、即ちその突出高さを十分高くしなければ、ケーシング13上端から泥水が溢出てしまうから、排出口13aも必然的に高位置でしかも少なくとも篩装置16と同レベルに設定する必要があって、結局ケーシング13のケーシング13の地上からの突出高さを相当高くしなければならない。
【0038】
このボーリング施工に使用する篩装置としては、上述した実施形態の篩装置16以外のものを使用することができるが、この篩装置16のように、樋状の網受け23をその長手方向一端部側から他端部側へ下り傾斜状となるように装置機枠22を取り付け、この下り傾斜状網受け23内に樋状の篩網24を網受け23とほぼ平行に配置して、この篩網24の上流側端部を装置機枠22に枢着すると共に下流側端部を上下揺動可能に支持し、この篩網24に上下振動手段26を連動連結してなるものを採用すれば、篩装置の構造が簡単で小型にできて、設置が容易になると共に、掘削排土と泥水との篩い分けを効果的に行える。
【0039】
また、篩装置16の上下振動手段26として、この実施形態に示したように、装置機枠22側に設けられて回転駆動する偏心カムローラー27と、このローラー27の下側で篩網24側に軸支されて偏心カムローラー27と接触係合する従動ローラー28とからなるものを採用すれば、振動手段の構造を小型にできて、設置が容易であると共に、そのコストを安くできる。また、この上下振動手段26によって振動する篩網24の上下振動幅を変更する手段としては、種々のものが考えられるが、この実施形態に示したような機械的な振動幅変更手段30を使用すれば、構造が簡単で製作コストを安くできる利点がある。
【0040】
【発明の効果】
請求項1に係る発明のボーリング方法によれば、中空ロッドによって掘削された掘削土壌を、この中空ロッド先端より噴射供給される加圧泥水と共にケーシングの排出口から泥水と共に流動排出させ、この排出口に接続されたホースにより篩装置に送給して、掘削排土と泥水とに分離し、その泥水を泥水タンクに回収し、このタンク内の泥水を揚上ポンプにより再び中空ロッドに送給するようにしてんるから、従来のボーリング施工のように掘削箇所周辺に溝やピット等を掘る必要がなく、従ってそれらの作業の手間が省け、人手が少なくて済む上に、掘削現場周辺の作業環境が良くなり、作業性の向上を図ることができる。
【0041】
また、この方法では、ケーシングの上端開口部をシール手段により封止して、中空ロッドより加圧供給される泥水によってケーシング内部を陽圧状態とし、このケーシング内部の陽圧を利用して掘削土壌を泥水と共にケーシングの排出口から排出させて篩装置に送給するから、排出口の位置レベルを篩装置より低く設定しても、その排出口から篩装置への掘削土壌及び泥水の送給が可能となる。これによって、ケーシングの地上からの突出長さを短くでき、即ちその突出高さを低くでき、このためボーリングマシンを極力低い位置に設置することができ、現場状況等によってボーリングマシンの設置高さが制限されるような場合にきわめて有効である。そして、この際、掘削排土の土質に応じて篩装置の上下振動幅を振動幅変更手段により適当に変更することができる。たとえば、掘削排土が粘土質であったり、その粒径度が大きい場合には篩装置の振動幅を大きくするなどして、掘削排土と泥水との分離作用を良好に維持することができる。
また、この篩装置16を使用したボーリング方法のように、樋状の網受け23をその長手方向一端部側から他端部側へ下り傾斜状となるように装置機枠22を取り付け、この下り傾斜状網受け23内に樋状の篩網24を網受け23とほぼ平行に配置して、この篩網24の上流側端部を装置機枠22に枢着すると共に下流側端部を上下揺動可能に支持し、この篩網24に上下振動手段26を連動連結してなるものを採用することによって、篩装置の構造が簡単で小型にできて、設置が容易になると共に、掘削排土と泥水との篩い分けを効果的に行える。
さらにまた、この篩装置16を使用したボーリング方法のように、篩装置16の上下振動手段26として、装置機枠22側に設けられて回転駆動する偏心カムローラー27と、このローラー27の下側で篩網24側に軸支されて偏心カムローラー27と接触係合する従動ローラー28とからなるものを採用することによって、振動手段の構造を小型にできて、設置が容易であると共に、そのコストを安くできる。
さらにまた、この上下振動手段26によって振動する篩網24の上下振動幅を変更する手段としては、種々のものが考えられるが、本発明のような機械的な振動幅変更手段30を使用すれば、構造が簡単で製作コストを安くできる利点がある。
【0042】
請求項2に係る発明のボーリング装置によれば、中空ロッドを回転圧入するボーリングマシンと、地盤の掘削箇所に地上から所要長さ突出するように貫入され、排出口を有するケーシングと、中空ロッドが挿入されたケーシングの上端開口部を封止して中空ロッドより加圧供給される泥水によってケーシング内部を陽圧状態とするためのシール手段と、泥水を溜める泥水タンクと、このタンク内の泥水を中空ロッドに送給する揚上ポンプと、中空ロッドにより掘削されて泥水と共にケーシングの排出口から排出される掘削土壌を掘削排土と泥水とに分離する篩装置とを備えているから、請求項1に係る発明のボーリング方法を有効に実施することができる。そして、この際、掘削排土の土質に応じて篩装置の上下振動幅を振動幅変更手段により適当に変更することができる。たとえば、掘削排土が粘土質であったり、その粒径度が大きい場合には篩装置の振動幅を大きくするなどして、掘削排土と泥水との分離作用を良好に維持することができる。
また、この篩装置16のように、樋状の網受け23をその長手方向一端部側から他端部側へ下り傾斜状となるように装置機枠22を取り付け、この下り傾斜状網受け23内に樋状の篩網24を網受け23とほぼ平行に配置して、この篩網24の上流側端部を装置機枠22に枢着すると共に下流側端部を上下揺動可能に支持し、この篩網24に上下振動手段26を連動連結してなるものを採用することによって、篩装置の構造が簡単で小型にできて、設置が容易になると共に、掘削排土と泥水との篩い分けを効果的に行える。
さらにまた、篩装置16の上下振動手段26として、装置機枠22側に設けられて回転駆動する偏心カムローラー27と、このローラー27の下側で篩網24側に軸支されて偏心カムローラー27と接触係合する従動ローラー28とからなるものを採用することによって、振動手段の構造を小型にできて、設置が容易であると共に、そのコストを安くできる。
さらにまた、この上下振動手段26によって振動する篩網24の上下振動幅を変更する手段としては、種々のものが考えられるが、本発明のような機械的な振動幅変更手段30を使用すれば、構造が簡単で製作コストを安くできる利点がある。
【0043】
請求項3に係る発明のボーリング装置によれば、シール手段が中空ロッドの偏心回転による径方向の揺れを吸収するように構成されているから、地盤の掘削中に中空ロッドが偏心回転して径方向に振れを生じても、その振れをシール手段により吸収できて、中空ロッドをスムーズに回転下降させることができる。
【0044】
請求項4に係る発明のボーリング装置によれば、シール手段はシールボックスにユニットとして一体的に設けられ、このシールボックスはケーシングの上端部に着脱可能に取り付けられているから、シールボックスへのシール手段の組み込み、及びケーシングへのシールボックスの取付け・取外しが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るボーリング装置の全体概略説明図である。
【図2】 同上のボーリング装置の側面図である。
【図3】 同上のボーリング装置の正面図である。
【図4】 ケーシングの上端部に設けられたシール手段の詳細構造を示す縦断面図である。
【図5】 (A)は同上のボーリング装置における篩装置の拡大縦断面図、(B)は(A)のY−Y線断面図である。
【図6】 図4のV−V線断面図である。
【図7】 図4のW−W線断面図である。
【図8】 篩装置の上下振動手段部分を示す拡大側面図である。
【図9】 図4のX−X線断面図である。
【図10】 従来のボーリング装置を示す正面図である。
【符号の説明】
1 シール手段
2 シールボックス
11 掘削用中空ロッド(ボーリングロッド)
12 ボーリングマシン
13 ケーシング
13a 排出口
14 泥水タンク
15 揚上ポンプ
16 篩装置
17 ミキサー
Claims (4)
- 地盤の掘削箇所にケーシング13を地上から所要長さ突出するように貫入し、このケーシング13内にボーリングマシン12により回転圧入される掘削用の中空ロッド11を同心状に挿入すると共に、ケーシング13の上端開口部を封止して中空ロッド11より加圧供給される泥水によってケーシング13内部を陽圧状態とし、而して中空ロッド11により掘削された掘削土壌を前記泥水と共にケーシング13上端部の排出口13aから排出させて篩装置16に送り、該篩装置16の篩網24の長手方向中間所要部に上下振動手段26を連動連結し、該振動手段26により篩網24を上下に振動させて掘削土壌と泥水とを篩い分けするようにし、上下振動手段26は、装置機枠22側に設けられて回転駆動する偏心カムローラー27と、この偏心カムローラー27の下側で篩網24側に軸支されて偏心カムローラー27と接触する従動ローラー28とからなり、該篩装置16の篩網24には、前記上下振動手段26によって振動する篩網24の上下振動幅を変更する振動幅変更手段30が設けられ、該振動幅変更手段30は、装置機枠22側に軸受31によって回転可能に片持ち支持された水平回転軸32に、篩網24の揺動上限位置を規制するストッパーアーム33と、このストッパーアーム33を上下方向に揺動させて篩網24を所要の揺動上限位置に設定するように前記水平回転軸32を回転操作する長尺状の回転軸操作レバー34とをそれぞれ一体的に突設してなり、該回転軸操作レバー34によりストッパーアーム33を上下方向に回動して、偏心カムローラー27に対する従動ローラー28の最短接近位置を変更することにより、篩網24の上下振動幅を所望に変更できるようになっており、しかして掘削排土の土質に応じて上下振動幅を振動幅変更手段30によって変更して、該篩装置16によって掘削排土と泥水とに分離して、その泥水を揚上ポンプ15により再び中空ロッド11に送給するようにしたボーリング方法。
- 掘削用の中空ロッド11を軸方向に回転圧入するボーリングマシン12と、地盤の掘削箇所に地上から所要長さ突出するように貫入されて、排出口13aを有するケーシング13と、中空ロッド11が同心状に挿入されたケーシング13の上端開口部を封止して中空ロッド11より加圧供給される泥水によってケーシング13内部を陽圧状態とするためのシール手段1と、泥水を溜める泥水タンク14と、この泥水タンク14内の泥水を中空ロッド11に送給する揚上ポンプ15と、中空ロッド11により掘削されて前記泥水と共にケーシング13の排出口13aから排出される掘削土壌を掘削排土と泥水とに分離する篩装置16と、篩装置16を上下振動する上下振動手段26と、上下振動手段26による上下振動幅を変更する振動幅変更手段30とを備え、該篩装置16の篩網24の長手方向中間所要部に前記上下振動手段26を連動連結し、該振動手段26により篩網24を上下に振動させて掘削土壌と泥水とを篩い分けするようにし、上下振動手段26は、装置機枠22側に設けられて回転駆動する偏心カムローラー27と、この偏心カムローラー27の下側で篩網24側に軸支されて偏心カムローラー27と接触する従動ローラー28とからなり、該篩装置16の篩網24には、前記上下振動手段26によって振動する篩網24の上下振動幅を変更する振動幅変更手段30が設けられ、該振動幅変更手段30は、装置機枠22側に軸受31によって回転可能に片持ち支持された水平回転軸32に、篩網24の揺動上限位置を規制するストッパーアーム33と、このストッパーアーム33を上下方向に揺動させて篩網24を所要の揺動上限位置に設定するように前記水平回転軸32を回転操作する長尺状の回転軸操作レバー34とをそれぞれ一体的に突設してなり、該回転軸操作レバー34によりストッパーアーム33を上下方向に回動して、偏心カムローラー27に対する従動ローラー28の最短接近位置を変更することにより、篩網24の上下振動幅を所望に変更できるようになっており、前記篩装置16で分離された泥水は泥水タンク14に戻されるようになっているボーリング装置。
- 前記シール手段1は、前記中空ロッド11の偏心回転による径方向の揺れを吸収するように構成されている請求項2に記載のボーリング装置。
- 前記シール手段1はシールボックス2にユニットとして一体的に設けられ、このシールボックス2はケーシング13の上端部に着脱可能に取り付けられている請求項3に記載のボーリング装置。
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