JP4040349B2 - 現像剤、並びに該現像剤を用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

現像剤、並びに該現像剤を用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置、静電記録装置、磁気記録装置などに用いられる現像剤、及びこのような現像剤を用いた画像形成方法に関する。また、本発明は、像担持体上にトナー画像を形成後、記録媒体上にトナー画像を転写させて画像形成する複写機、プリンター、ファックシミリ及びプロッターなどの画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成法としては、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法など多数の方法が知られている。例えば、電子写真法は、一般には潜像担持体としての光導電性物質を利用した感光体上に、種々の手段により電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで現像して可視像とし、必要に応じて紙などの記録媒体(転写材)にトナー像を転写した後、熱・圧力等により記録媒体上にトナー画像を定着して画像を得るものである。
【0003】
前記電気的潜像の形成は、一般に感光体を帯電させ、これにレーザー光等の光を照射して行われるが、感光体の帯電には非接触型のコロナ帯電器(コロナ放電器)や、ローラー型(帯電ローラー)、ファーブラシ型、磁気ブラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材(接触帯電部材・接触帯電器)を接触させ、この接触帯電部材に所定の帯電バイアスを印加して感光体表面を所定の極性・電位に帯電させる接触帯電装置が一般に用いられている。接触帯電装置は、コロナ帯電器に比べて低オゾン・低電力等の利点があることから、近年では多くの提案がなされ、また実用化されている。
【0004】
接触帯電装置による帯電機構については、放電帯電機構と直接注入帯電機構とが知られている。放電帯電機構は、接触帯電部材と像担持体との微小間隙に生じる放電現象により像担持体を帯電させる機構であり、直接注入帯電機構は、中抵抗の接触帯電部材を像担持体に接触させて像担持体表面に直接電荷を注入して像担持体を帯電させる機構である。
【0005】
放電帯電機構では、接触帯電部材と像担持体との間に一定の放電しきい値を有するため、像担持体の帯電電位よりも大きな電圧を接触帯電部材に印加する必要がある。またコロナ帯電器に比べれば発生量は格段に少ないが、放電生成物を生じることが原理的に避けられないため、オゾンなど活性イオンよる弊害を完全に回避することは困難である。
【0006】
一方で直接注入帯電機構では、接触帯電部材から像担持体へ直接電荷が注入されることから、接触帯電部材への印加電圧が上記放電しきい値以下の電圧であってもその印加電圧に相当の電位に像担持体を帯電させることができる。また放電生成物による弊害は発生しない。このように放電帯電機構と直接注入帯電機構とを比べた場合に、直接注入帯電機構は、消費電力の省力化や放電生成物の抑制の観点から、より優れた帯電機構である。またこのような効果は、接触帯電部材と像担持体との接触性が大きいと、より一層効果的であることが知られている。
【0007】
またトナーによる可視像化は、用いられる現像剤の種類によっても異なるが、現像スリーブや現像ローラ等、現像装置におけるトナー担持体が感光体に対して非接触に配置され、トナー担持体から感光体へトナーを飛翔させる非接触一成分現像法、磁性トナーと中心に磁極を配した回転スリーブを用い、感光体上とスリーブ上の間で磁性トナーを電界にて飛翔させる磁性一成分現像方法、さらにはトナー担持体を感光体に圧接させ電界によってトナーを転移させる接触一成分現像法等が知られている。
【0008】
感光体に形成されたトナー像は転写工程を経て最終的には転写材に転写されるが、転写後の感光体には転写せずに残存する転写残トナーが存在する。これを除去するための手段としては、感光体表面に当接するブレードやロール等のクリーニング部材を備えるクリーニング手段や、現像兼クリーニング手段が知られている。現像兼クリーニング手段は、電圧の印加等によって転写残トナーを回収できる現像装置であり、通常のクリーニング手段に比べて、画像形成装置のコンパクト化や、省資源、廃棄物削減及びトナーの有効活用等の観点から優れている。
【0009】
前述した接触帯電装置や現像兼クリーニング手段は、優れた特性を有する手段であるが、その実用に対しては検討の余地が残されている。接触帯電装置を用いる場合では、帯電部材と転写残トナーが接触することから、このトナーとの接触に起因する問題点が存在する。また現像兼クリーニング手段を用いる場合では、帯電特性を利用して感光体との間でトナーの授受を行うことから、このトナーの帯電特性制御について問題点が存在する。特に現像兼クリーニング手段においては、非接触現像方法を採用する場合で上記問題点が顕著である。
【0010】
前述した問題点に対しては、これを解決すべく従来より種々の技術が提案されている。このような技術としては、各手段や部材等の改良によって解決しようとする技術や、使用される現像剤の特性改良によって解決しようとする技術が挙げられる。
【0011】
現像剤に関しては、二成分系、一成分系の差異によらず、一般にトナー粒子と外添剤とによって構成されており、現像剤の特性を改良するために、トナー粒子の粒度分布や、外添剤の種類を検討した種々の現像剤が知られている。
【0012】
トナー粒子の粒度分布は、トナーの密度や帯電均一性を目的として一般に規定されている。また外添剤としては、現像剤の流動性を向上させることや、トナー粒子に対するスペーサー作用を目的として添加される無機微粉末や、トナー粒子の過剰帯電を防止するためにリーク作用を目的として添加される導電性微粉末等が挙げられる。このような現像剤としては、例えば特開平11−95479号公報や特開平11−202557号公報に記載されている現像剤が挙げられる。
【0013】
また、前述した要素の複数を検討した技術も知られており、例えば特開平10−307458号公報には、トナー粒径以下であり0.1μmより大きい粒径の導電性微粉末を有するトナーを用い、直接注入帯電機構を用いた現像兼クリーニング画像形成方法が記載されている。この画像形成方法は、導電性微粉末による露光光の遮光、現像の阻害や現像バイアスのリークを防止し、優れた画像記録を実現しようとする画像形成方法である。
【0014】
また、特開平10−307456号公報によれば、トナーに導電性微粉末を外部添加し、少なくとも可撓性の接触帯電部材と像担持体とのニップ部に前記トナー中に含有の導電性微粉末が、現像工程で像担持体に付着し転写工程の後も像担持体上に残留し持ち運ばれて介在していることで、帯電不良、画像露光の遮光を生じない良好な画像が得られる現像兼クリーニング画像形成装置が開示されている。
【0015】
また、現像剤として、特開昭63−36286号公報、特開平5−150539号公報、特開平6−3851号公報等において導電性微粒子を含有するトナーを用いることにより、それぞれ転写効率向上、帯電安定性向上、画質向上(飛び散り防止)の効果を開示している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の提案も導電性微粉末の好ましい粒径についてはある程度記載されているものの、導電性微粉末の形態あるいは構成については記載されておらず、好ましいトナー粒子の形態も記載されていない。そのため、安定した性能を得るために更なる改良の余地がある。
【0017】
このように従来の技術においては、現像兼クリーニング画像形成法或いはクリーナーレス画像形成法に用いるための現像剤について、十分な外部添加剤に対する検討が為されておらず、外部添加剤を含めた現像剤の提案にも、現像兼クリーニング画像形成法或いはクリーナーレス画像形成法に適応するために十分な検討を為されたものがなく、なお改良の余地があることが判明した。
【0018】
本発明は、オゾンなどの放電生成物の生成が実質的になく、低い印加電圧で均一な帯電が得られる直接注入帯電機構による簡易で安定した一様帯電を可能とし、像担持体表面の摩耗を低減する現像剤、画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することを課題とする。
【0019】
また本発明は、転写残トナーの回収性に優れた良好な現像兼クリーニング画像形成を可能とする現像剤、画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することを課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために、現像剤を以下の構成とした。
【0021】
すなわち本発明の現像剤は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉末と導電性微粉末とを少なくとも有する現像剤において、
該導電性微粉末がその表面に該導電性微粉末より粒径の小さな微粒子であって、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子を被覆してなる導電性微粉末であることを特徴とする。
【0023】
また本発明の導電性微粉末は、トナー粒子表面に凝集体として存在し、かつその平均粒径が0.1〜4μmであることが好ましい。
【0024】
また本発明は、導電性微粉末粒径Daと導電性微粉末より粒径の小さな微粒子の粒径Dbが次の関係を満足することが好ましい。
Da≧10Db
【0025】
また本発明は、導電性微粉末表面がシランカップリング剤、チタニウムカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物から選ばれる少なくとも一種類の表面処理剤で疎水化処理された後、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子で被覆されていることが好ましい。
【0026】
また本発明は、導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる金属酸化物微粒子がシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤から選ばれる少なくとも一種類の疎水化処理剤で疎水化処理されていることが好ましい。
【0027】
更には、導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子がヘキサメチルジシラザン処理されていることが好ましい。
【0028】
更には、導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子がヘキサメチルジシラザンとシリコーンオイルにより疎水化処理されていることがより好ましい。
【0029】
また本発明は、導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子を導電性微粉末100質量部に対して0.1〜5質量部で処理することが好ましい。
【0030】
また本発明の現像剤は、導電性微粉末の含有量が現像剤全体の0.5〜10質量%であることが好ましい。
【0031】
また本発明の現像剤において、導電性微粉末は、抵抗が109Ω・cm以下であることが好ましく、抵抗が106Ω・cm以下であることがより好ましい。
【0032】
また本発明の現像剤において、導電性微粉末は非磁性であることが好ましい。
【0033】
また本発明の現像剤において、導電性微粉末は、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種の酸化物を含有していることが好ましい。
【0034】
また本発明の現像剤において、無機微粉末は、含有量が現像剤全体の0.1〜3.0質量%であることが好ましい。
【0035】
また本発明の現像剤において、無機微粉末は、少なくともシリコーンオイルで処理されたものであることが好ましく、無機微粉末は少なくともシラン化合物で処理されると同時に、又はその後にシリコーンオイルで処理されたものであることがより好ましい。
【0036】
また本発明において、無機微粉末は、シリカ、酸化チタン及びアルミナから選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。
【0037】
また本発明の現像剤は、磁場79.6kA/mにおける磁化の強さが10〜40Am2/kgである磁性現像剤であることが好ましい。
【0038】
また本発明は、像担持体を帯電させる帯電工程と、帯電工程によって帯電した像担持体の帯電面に画像情報を静電潜像として書き込む潜像形成工程と、静電潜像を現像剤によりトナー画像として可視化する現像工程と、トナー画像を転写材に転写する転写工程とを含み、これら各工程を繰り返して画像形成を行う画像形成方法において、
該現像剤は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉末と導電性微粉末とを少なくとも有する現像剤であり、
帯電工程として、像担持体と像担持体に接触する帯電部材との接触部であるニップ部に、少なくとも前記導電性微粉末が介在した状態で、前記帯電部材に電圧を印加することにより像担持体を帯電させる接触帯電工程、及び、前記現像工程として、前記静電潜像を可視化し、前記トナー画像を前記転写材に転写した後の前記像担持体表面に残留している現像剤を回収する現像兼クリーニング工程、の少なくともいずれか一方の工程を含むことを特徴とする画像形成方法を提供する。
【0039】
本発明の画像形成方法は、接触帯電工程において、前記ニップ部に介在する現像剤成分全体に対する導電性微粉末の含有比率が、現像剤に含有される導電性微粉末の含有比率よりも高いことが好ましい。
【0040】
また本発明の画像形成方法は、接触帯電工程において、帯電部材の表面における移動速度と像担持体の表面における移動速度との間に相対的速度差を設けることが好ましい。
【0041】
また本発明の画像形成方法は、接触帯電工程において、帯電部材と像担持体とが、それらの対向する表面において互いに逆方向に移動することが好ましい。
【0042】
また本発明の画像形成方法において、接触帯電工程は、少なくとも表層が発泡体からなるローラー部材に電圧を印加することにより、像担持体を帯電させる工程であることが好ましい。
【0043】
また本発明の画像形成方法において、接触帯電工程は、アスカーC硬度が25〜50度のローラー部材に電圧を印加することにより、像担持体を帯電させる工程であることが好ましい。
【0044】
また本発明の画像形成方法において、接触帯電工程は、体積固有抵抗が103〜108Ω・cmのローラー部材に電圧を印加することにより、像担持体を帯電させる工程であることが好ましい。
【0045】
また本発明の画像形成方法において、接触帯電工程は、導電性を有するブラシ部材に電圧を印加することにより、像担持体を帯電させる工程であることが好ましい。
【0046】
また本発明の画像形成方法は、像担持体の最表面層における体積抵抗が1×109〜1×1014Ω・cmであることが好ましい。
【0047】
また本発明の画像形成方法は、像担持体の最表面層は、金属酸化物導電性微粒子が少なくとも分散された樹脂層であることが好ましい。
【0048】
また本発明の画像形成方法は、像担持体の表面の水に対する接触角が85度以上であることが好ましい。
【0049】
また本発明の画像形成方法において、像担持体の最表面層は、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂及びポリオレフィン系樹脂から選ばれる一種以上の材料からなる滑剤微粒子が少なくとも分散された層であることが好ましい。
【0050】
また本発明の画像形成方法において、現像工程は、像担持体に対して100〜1000μmの離間距離で対向して設置され、現像剤を担持する現像剤担持体から、現像剤を像担持体に転移させることにより静電潜像を現像する工程であることが好ましい。
【0051】
また本発明の画像形成方法において、現像工程は、現像剤担持体上に現像剤を5〜30g/m2の密度で担持させることにより現像剤層を形成し、この現像剤層から現像剤を前記像担持体に転移させることにより静電潜像を現像する工程であることが好ましい。
【0052】
また本発明の画像形成方法において、現像工程は、像担持体に対して所定の離間距離で対向して設置され、現像剤を担持する現像剤担持体上に、離間距離よりも薄い現像剤層を現像剤により形成し、現像剤層から現像剤を電気的に像担持体表面に転移させることにより静電潜像を現像する工程であることが好ましい。
【0053】
また本発明の画像形成方法において、現像工程は、現像剤を担持する現像剤担持体と像担持体との間に、少なくともピークトゥーピークの電界強度が3×106〜10×106V/mであり、周波数が100〜5000Hzの交流電界を現像バイアスの印加により形成し、像担持体の静電潜像を現像剤によって現像する工程であることが好ましい。
【0054】
また本発明の画像形成方法において、転写工程は、現像工程によって形成されたトナー画像を中間転写体に転写した後に、転写材に再転写する工程であることが好ましい。
【0055】
また本発明の画像形成方法において、転写工程は、転写材を介して像担持体に当接する転写部材によって、現像工程によって形成されたトナー画像を転写材に転写する工程であることが好ましい。
【0056】
また本発明の画像形成方法において、現像剤は前述した本発明の現像剤であることが好ましい。
【0057】
また本発明は、像担持体上に形成された静電潜像を現像剤によって可視化し、この可視化されたトナー画像を転写材に転写することにより画像を形成するための画像形成装置本体に脱着可能に装着されるプロセスカートリッジにおいて、静電潜像を担持するための像担持体と、像担持体に対向して配置される現像剤担持体及びこの現像剤担持体上に薄層の現像剤層を形成する現像剤層規制部材を少なくとも有し、現像剤担持体上の現像剤層から像担持体へ現像剤を転移させることによりトナー画像を形成する現像手段とを有するプロセスカートリッジであって、
該現像剤は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉末と導電性微粉末とを少なくとも有する現像剤にであり、かつ該導電性微粉末がその表面に該導電性微粉末より粒径の小さな微粒子を付着或いは固着した状態で有することを特徴とし、
かつ、トナー画像を形成し、トナー画像が転写材に転写された後に像担持体に残留した現像剤を回収する現像兼クリーニング手段を現像手段として有する構成、または、像担持体に接触する帯電部材を有し、像担持体と帯電部材との接触部であるニップ部に導電性微粉末が介在した状態で帯電部材に電圧を印加することにより像担持体を帯電させる接触帯電手段をさらに有する構成、の少なくともいずれか一方の構成を備えるプロセスカートリッジを提供する。
【0058】
本発明のプロセスカートリッジは、接触帯電手段において、ニップ部に介在する現像剤成分全体に対する導電性微粉末の含有比率が、現像剤に含有される導電性微粉末の含有比率よりも高いことが好ましい。
【0059】
また本発明のプロセスカートリッジは、接触帯電手段において、帯電部材の表面における移動速度と像担持体の表面における移動速度との間に、相対的速度差を設けることが好ましい。
【0060】
また本発明のプロセスカートリッジは、接触帯電手段において、帯電部材と像担持体とが、それらが対向する表面において互いに逆方向に移動することが好ましい。
【0061】
また本発明のプロセスカートリッジは、接触帯電手段において、帯電部材は少なくとも表層が発泡体からなるローラー部材であることが好ましい。
【0062】
また本発明のプロセスカートリッジは、接触帯電手段において、帯電部材はアスカーC硬度が25〜50度のローラー部材であることが好ましい。
【0063】
また本発明のプロセスカートリッジは、接触帯電手段において、帯電部材は体積固有抵抗が103〜108Ω・cmのローラー部材であることが好ましい。
【0064】
また本発明のプロセスカートリッジは、接触帯電手段において、帯電部材は導電性を有するブラシ部材であることが好ましい。
【0065】
また本発明のプロセスカートリッジは、像担持体の最表面層における体積抵抗が1×109〜1×1014Ω・cmであることが好ましい。
【0066】
また本発明のプロセスカートリッジでは、像担持体の最表面層は、金属酸化物導電性微粒子が少なくとも分散された樹脂層であることが好ましい。
【0067】
また本発明のプロセスカートリッジは、像担持体の表面の水に対する接触角が85度以上であることが好ましい。
【0068】
また本発明のプロセスカートリッジでは、像担持体の最表面層は、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂及びポリオレフィン系樹脂から選ばれる一種以上の材料からなる滑剤微粒子が少なくとも分散された層であることが好ましい。
【0069】
また本発明のプロセスカートリッジは、現像剤担持体が像担持体に対して100〜1000μmの離間距離で対向するように設置されることが好ましい。
【0070】
また本発明のプロセスカートリッジでは、現像手段は、現像剤担持体上に現像剤を5〜30g/m2の密度で担持させた現像剤層を形成する現像剤層規制手段を有することが好ましい。
【0071】
また本発明のプロセスカートリッジでは、現像剤担持体は像担持体に対して所定の離間距離で対向するように設置され、現像手段は、離間距離よりも薄い現像剤層を現像剤担持体上に形成する現像剤層規制手段を有することが好ましい。
【0072】
また本発明のプロセスカートリッジは、現像剤担持体と像担持体との間に、少なくともピークトゥーピークの電界強度が3×106〜10×106V/mであり、周波数が100〜5000Hzの交流電界が、現像バイアスの印加により形成されることが好ましい。
【0073】
また本発明のプロセスカートリッジでは、現像剤は前述した本発明の現像剤であることが好ましい。
【0074】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0075】
<現像剤>
本発明の現像剤は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉末と導電性微粉末とを少なくとも有し、かつ該導電性微粉末がその表面に該導電性微粉末より粒径の小さな微粒子を付着或いは固着した状態で有することを特徴とする。
【0076】
本発明の現像剤は、接触帯電工程を含む画像形成方法に使用した場合に、オゾンなどの放電生成物の生成が実質的になく、低い印加電圧で均一な像担持体の帯電が得られる直接注入帯電機構を用いた一様帯電を、簡易な構成で均一に行うことができ、現像剤の長期にわたる繰り返し使用においても、帯電不良を生じず良好な画像を得ることが可能となる。
【0077】
また、本発明の現像剤を上記画像形成方法に用いることによって、転写残或いはカブリとして接触帯電部材に付着又は混入するトナー粒子を減少させ、かつ接触帯電部材への導電性微粉末の供給を促進することができ、一様帯電性を向上させ、グラフィック画像のハーフトーンまできめ細かに再現できる高画質な接触帯電による画像形成方法が可能となる。
【0078】
また、本発明の現像剤は、現像兼クリーニング工程を含む画像形成方法に用いる場合に、転写残トナーの回収不良や一様帯電又は潜像形成の阻害による画像不良を生じず、廃トナー量を大幅に減らすことが可能な、低コストで小型化に有利な現像兼クリーニング画像形成方法が可能となる。さらに、本発明の現像剤によって、感光体の摩耗を低減し、耐久性に優れた現像兼クリーニング画像形成方法が可能となる。
【0079】
以下、本発明の現像剤について、画像形成時における挙動を簡単に説明する。
【0080】
本発明の現像剤は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と無機微粉末と導電性微粉末とを少なくとも有する現像剤において、該導電性微粉末がその表面に該導電性微粉末より粒径の小さな微粒子を付着或いは固着した状態で有することを特徴とする。現像剤が有する導電性微粉末は、像担持体に形成された静電潜像が現像される際に、トナー粒子とともに適当量が現像剤担持体から像担持体に移行する。静電潜像が現像されることにより像担持体上に形成されたトナー画像は、転写工程において紙などの転写材に転移する。このとき、像担持体上の導電性微粉末も一部は転写材に付着するが、残りは像担持体上に付着保持されて残留する。
【0081】
像担持体上に繰り返して作像が行われる場合、転写工程と帯電工程との間で行われる公知のクリーニング工程、すなわち像担持体上に付着保持されて残留した現像剤成分を像担持体上から取り除く工程、を持たない画像形成方法では、転写後の像担持体表面に残存したトナー粒子(以下、これを「転写残トナー粒子」という)及び上記残存した導電性微粉末は、像担持体において像を担持する面(以下、これを「像担持面」という)の移動に伴って帯電部に持ち運ばれる。
【0082】
像担持体の帯電に接触帯電部材を用いる場合は、導電性微粉末は像担持体と接触帯電部材とが接触して形成するニップ部である帯電部に持ち運ばれ、接触帯電部材に付着・混入する。したがって、上記のニップ部に導電性微粉末が介在した状態で像担持体の接触帯電が行われる。
【0083】
導電性微粉末を接触帯電部材に付着・混入させ、帯電部に導電性微粉末が介在することにより、転写残トナー粒子の付着・混入により接触帯電部材が汚染されるにも拘わらず、接触帯電部材の抵抗を維持できるため、接触帯電部材による像担持体の帯電を良好に行うことができる。接触帯電部材の帯電部に十分な量の導電性微粉末が介在しない場合には、転写残トナー粒子の接触帯電部材への付着・混入による像担持体の帯電の低下が容易に起こり、画像汚れを生じやすい。
【0084】
更に、像担持体と接触帯電部材とが接触して形成するニップ部に導電性微粉末を積極的に持ち運ぶことにより、接触帯電部材の像担持体への緻密な接触性と接触抵抗を維持できるため、接触帯電部材による像担持体の直接注入帯電を良好に行わせることができる。
【0085】
転写残トナー粒子は、帯電部を通過し、又は接触帯電部材から徐々に像担持体上に吐き出され、像担持面の移動に伴って現像部に至る。ここで現像兼クリーニング工程を含む画像形成方法では、現像工程において現像兼クリーニング、すなわち転写残トナー粒子の回収が行われる。また、転写工程の後に像担持体上に付着保持されて残留する導電性微粉末も、転写残トナー粒子と同様に像担持面の移動に伴って現像部に至る。
【0086】
すなわち、転写残トナー粒子とともに導電性微粉末が像担持体上に存在して、現像工程において転写残トナー粒子の回収が行われる。現像工程における転写残トナー粒子の回収が現像バイアス電界を利用して行われる場合には、転写残トナー粒子が現像バイアス電界によって回収されるのに対して、像担持体上の導電性微粉末は導電性であることで回収され難い。このため、導電性微粉末の一部は回収されるものの残りは像担持体上に付着保持されて残留する。
【0087】
本発明者らの検討によれば、このように現像工程において回収され難い導電性微粉末が像担持体上に存在することで、像担持体上の転写残トナー粒子の回収性を向上させる効果が得られることが判明した。すなわち、像担持体上の導電性微粉末が像担持体上の転写残トナー粒子の回収助剤として働き、現像工程における転写残トナー粒子の回収をより確実なものとし、転写残トナー粒子の回収不良によるポジゴーストやカブリ等の画像欠陥を有効に防止することができる。
【0088】
従来、現像剤に導電性微粉末を外部添加する目的の多くが、トナー粒子表面に導電性微粉末を付着させることにより、トナー粒子の摩擦帯電性を制御することであり、トナー粒子から遊離或いは脱離する導電性微粉末は、現像剤特性の変化又は劣化、或いは像担持体の劣化を招く弊害として扱われてきた。
【0089】
これに対し、本発明の現像剤では、導電性微粉末をトナー粒子表面から積極的に遊離させ、像担持体上に供給することによって上述の効果が得られる点、及び少なくとも転写工程後の像担持体上において転写残トナー粒子が少なく、トナー粒子から遊離して像担持体上に残留する導電性微粉末の量が多いことで、上述の効果をより好ましく得られる点で、従来多く検討されてきた現像剤への導電性微粉末の外部添加とは異なる。すなわち本発明の現像剤は、接触帯電工程を含む画像形成方法、又は現像兼クリーニング工程を含む画像形成方法、又はこれらの工程の両方を含む画像形成方法において優れた効果を奏する。
【0090】
本発明の現像剤は、導電性微粉末がトナー粒子表面から遊離し易く、導電性微粉末を転写後の像担持体上を経由して、像担持体と接触帯電部材とが接触して形成するニップ部である帯電部に持ち運び、介在させることにより像担持体の帯電性を向上させ、帯電不良の発生を防止し、安定して均一な一様帯電を可能とする。また、現像工程において導電性微粉末が像担持体上に存在することで、導電性微粉末が像担持体上の転写残トナー粒子の回収助剤として働き、現像工程における転写残トナー粒子の回収をより確実なものとし、転写残トナー粒子の回収不良によるポジゴーストやカブリ等の画像欠陥を有効に防止することができる。
【0091】
本発明においては、トナー粒子表面に付着してトナー粒子と共に挙動する導電性微粉末(すなわちトナー粒子表面から遊離しない導電性微粉末)は、本発明の現像剤が効果として発現する像担持体の帯電性の促進及び現像兼クリーニング性能の向上に対して寄与せず、導電性微粉末が表面に強く付着したトナー粒子は、摩擦帯電性が低下し、現像性の低下、現像兼クリーニングでの転写残トナー粒子回収性の低下、及び転写性の低下によって転写残トナー量が増加することにより一様帯電又は潜像形成を阻害する等の原因となる。
【0092】
本発明の現像剤に含有される導電性微粉末は、画像形成が繰り返されることにより、現像工程で新たに像担持面に移行し、また像担持面に残留した導電性微粉末とともに、像担持面の移動に伴い転写工程を経て帯電部に持ち運ばれ、帯電部に逐次に供給され続ける。したがって、帯電部において導電性微粉末が脱落するなどして減少したり、導電性微粉末の一様帯電性促進能力が劣化した場合でも、帯電部に導電性微粉末が供給され続けるため、長期にわたる繰り返し使用においても、像担持体の帯電性の低下を防止し、良好な一様帯電が安定して維持される。
【0093】
本発明者らの、現像剤に添加する導電性微粉末の粒径による像担持体の帯電性促進効果及び現像兼クリーニング性に対する影響についての検討によれば、導電性微粉末のうち粒子径が非常に小さいもの(例えば0.1μm程度以下のもの)はトナー粒子表面に強固に付着し易く、現像工程で像担持面に導電性微粉末を十分には供給することができず、転写工程においてもトナー粒子表面から導電性微粉末が遊離しにくい。
【0094】
このため、転写後の像担持体上に導電性微粉末を積極的に残留させ、帯電部に導電性微粉末を積極的に供給することが困難であり、像担持体の帯電性を低下させ画像不良を生じやすい。また、現像兼クリーニング工程においても、像担持体上に導電性微粉末を十分に供給することができず、像担持体上に導電性微粉末が供給されたとしても粒子径が小さすぎるために転写残トナーの回収性を向上させる効果が得られず、逆に回収すべき転写残トナーを増大してしまうために、転写残トナー粒子の回収不良によるポジゴーストやカブリ等の画像欠陥を生じやすい。
【0095】
また、導電性微粉末のうち粒子径が大きすぎるもの(4μm超えるもの)は、帯電部に供給されても粒径が大きいために均一に像担持体の帯電性を促進することができず、導電性微粉末が帯電部材から脱落しやすくなり、安定して十分な粒子数の導電性微粉末を帯電部に介在させ続けることが困難となる。
【0096】
この観点から、本発明に関わる現像剤に添加する導電性微粉末の粒径は、0.1μm〜4.0μm(より好ましくは0.1μm〜2.0μm)が好ましい。
【0097】
更に、単位重量当たりの導電性微粉末の粒子数が減少するため、十分な像担持体の均一帯電促進効果が得られるだけの粒子数の導電性微粉末を帯電部に介在させるには、導電性微粉末の現像剤に対する添加量を大きくせざるを得なくなる。
【0098】
しかし、導電性微粉末の添加量を大きくしすぎると、現像剤全体としての摩擦帯電能及び現像性を低下させ、画像濃度低下やトナー飛散を生じやすい。また、導電性微粉末の粒径が大きいために、現像兼クリーニング工程における転写残トナー粒子の回収助剤としての効果が十分には得られない。また転写残トナー粒子の回収を高めるために、導電性微粉末の像担持体上での存在量を大きくしすぎると、粒径が大きいために潜像形成のための画像露光を遮ることによる画像欠陥を生じやすい。
【0099】
さらに、帯電部材が像担持体に接触して帯電を行う画像形成方法においては、像担持体と接触帯電部材とが接触して形成するニップ部である帯電部に導電性微粉末が介在した状態で像担持体の接触帯電が行われることとなるが、この場合に上記のように導電性微粉末の粒子径が大きすぎると、像担持体表面を傷つけてしまい画像欠陥を生じることが判明した。
【0100】
また、粒子径が大きい導電性微粉末が帯電部に介在すると、像担持体表面を研磨する効果も大きく、繰り返し使用により像担持体表面層を著しく削ることで像担持体の一様帯電特性が大きく変化し、得られる画像の品位も大幅に変動してしまうことが判明した。
【0101】
すなわち、像担持体表面層が感光層である場合には、感光層の膜厚が削れてどんどん薄くなってしまい、帯電条件或いは現像条件の調節では、得られる画像の画像特性を安定化することができないまでに感光特性が大きく変化してしまう。像担持体表面層が抵抗調整された注入帯電促進層である場合には、注入帯電促進層を削り取ってしまい、一様帯電における直接注入帯電性を著しく低下させて帯電不良による画像欠陥を生じやすい。注入帯電促進層の膜厚を厚くすることは、潜像のボケ或いは流れによる乱れを生じ易く、高画質な画像を得るためには限度がある。
【0102】
これら像担持体表面層の傷及び削れの問題は、一様帯電性を向上させるために接触帯電部材と像担持体との接触性を高めようとする場合(例えば、接触帯電部材と像担持体との接触圧を高めてニップ幅を広げる場合、接触帯電部材と像担持体との周速差を大きくする場合等)により顕著となる。導電性微粉末がトナー粒子表面に強固に付着してしまわない程度に導電性微粉末の粒子径を小さいものとすることによって、ある程度は像担持体表面層の削れと一様帯電性を向上をはかることはできるが、長期の繰り返し使用においてもこれらの両立が容易ではなく、一様帯電性を向上と像担持体表面層の傷及び削れの問題がトレードオフの関係にあることが判明した。
【0103】
本発明者らは、上記問題に対し、導電性微粉末の表面に少なくとも該導電性微粉末より粒径の小さな微粒子を付着或いは固着した状態で有することにより像担持体表面層の傷及び削れが大幅に低減され、良好な一様帯電性を維持し、安定した画像特性を得ることができることを解明した。同時に、上述した構成の導電性微粉末を用いることにより、帯電部材表面に保持されるを有する導電性微粉末により、転写残トナーが帯電部材表面に付着或いは混入した場合でも転写残トナーが帯電部材表面から脱離しやすくなり、帯電部材表面への転写残トナーの蓄積による一様帯電性の低下が顕著に改善されることを見出した。
【0104】
また、導電性微粉末の表面に少なくとも該導電性微粉末より粒径の小さな微粒子を付着或いは固着した状態で有することは、導電性微粉末粒子の凝集性を著しく低下させ、トナーからの遊離、付着性の低減、並びに帯電部材表面での導電性微粉末粒子間の凝集を軽減させる。
【0105】
本発明の導電性微粉末凝集度としては、90%以下となることが好ましい(より好ましくは、80%以下、更により好ましくは60%以下、更により好ましくは50%以下)。
【0106】
本発明の導電性微粉末凝集度の測定は、ホソカワミクロン社製のパウダーテスターPT−R型で測定した。以下に測定法の詳細を記載する。
【0107】
振動台の上に、上から目開き250μm、150μm、75μmの順でふるいをセットする。装置に表示されている振幅目盛りが1mmになるように振幅を調整した後、振動時間を15秒とし、粒子5gを静かにのせて振動させる。振動停止後、それぞれのふるいに残った質量を測定する。
(上段のふるいに残ったトナー量)÷5(g)×100 ……a
(中段のふるいに残ったトナー量)÷5(g)×100×0.6 ……b
(下段のふるいに残ったトナー量)÷5(g)×100×0.2 ……c
a+b+c=凝集度(%)として算出する。
【0108】
本発明の導電性微粉末より粒径の小さな微粒子は、金属酸化物微粒子、金属微粒子、樹脂微粒子等が用いることが可能である。
【0109】
帯電部材表面での導電性微粉末粒子間の凝集は、凝集粒子として粒径が大きいために均一に像担持体の帯電性を促進することができず、導電性微粉末が帯電部材から脱落しやすくなり、安定して十分な粒子数の導電性微粉末を帯電部に介在させ続けることが困難となる。
【0110】
本発明のより好ましい構成として、導電性微粉末は、その表面に酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子を被覆してなる導電性微粉末であることが好ましい。
【0111】
導電性微粉末を該金属酸化物微粒子で被覆することにより、導電性微粉末の流動性が著しく改良され、トナーからの遊離、付着性の低減、並びに帯電部材表面での導電性微粉末粒子間の凝集を軽減させることが容易に達成可能となる。
【0112】
また本発明は、導電性微粉末粒径Daと導電性微粉末より粒径の小さな微粒子の粒径Dbが次の関係を満足することが好ましい。
Da≧10Db(より好ましくはDa≧20Db)
【0113】
粒径差がDa<10Dbの場合、導電性微粉末の流動性付与効果が少ないことから好ましくない。
【0114】
また本発明は、導電性微粉末表面がシランカップリング剤、チタニウムカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物から選ばれる少なくとも一種類の表面処理剤で疎水化処理された後、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子で被覆されていることが好ましい。導電性微粉末表面を処理することにより環境安定性、特に高温高湿下の帯電安定性、流動性維持が良化する。
【0115】
また本発明は、導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる金属酸化物微粒子がシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤から選ばれる少なくとも一種類の疎水化処理剤で疎水化処理されていることが好ましい。導電性微粉末表面を被覆する該金属酸化物微粒子を処理することにより環境安定性、特に高温高湿下の帯電安定性、流動性維持が良化する。
【0116】
更には、導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子がヘキサメチルジシラザン処理されていることが好ましい。疎水性を確保し、高湿環境下での効果維持に有効である。
【0117】
更には、導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子がヘキサメチルジシラザンとシリコーンオイルにより疎水化処理されていることがより好ましい。該処理により、トナー表面からの遊離、環境安定性が特に良化する。
【0118】
また本発明は、導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子を導電性微粉末100質量部に対して0.1〜5質量部で処理することが好ましい。0.1質量部より少ない場合、導電性微粉末流動性向上が少なく、5質量部より多く添加すると導電微粉末の抵抗が変動し、本発明の効果を減じることとなる。
【0119】
より詳細に説明すると、本発明の現像剤が有する無機微粉末(好ましくは、一次粒子の個数平均粒径が4〜80nm)は、トナー粒子表面に付着してトナー粒子とともに挙動することで、現像剤の流動性を改良し、トナー粒子の摩擦帯電を均一化させる。このため、トナー粒子の転写性を向上させ、接触帯電部材への転写残トナーの混入量を低減し、像担持体の帯電性低下を防止し、現像兼クリーニング工程における転写残トナーの回収での負荷を低減できる。
【0120】
この無機微粉末は、トナー粒子表面に付着してトナー粒子とともに挙動するが、一次粒子の個数平均粒径が4〜80nmと小さく、トナーに付着している状態での粒径も、凝集体であっても0.1μm以下のものがほとんどであり、現像剤の0.60μm以上159.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布に実質的に影響を与えない。
【0121】
本発明者らの検討によれば、1.00μm以上2.00μm未満の粒径範囲の導電性微粉末が現像剤中に存在することにより、接触帯電における接触帯電部材への転写残トナーの付着・混入による像担持体の帯電不良を防止し、直接注入帯電における像担持体の一様帯電性を向上させ、現像兼クリーニングを用いた画像形成方法における転写残トナーの回収不良を有効に防止する効果が顕著であることが判明した。
【0122】
また、上記導電性微粉末の粒子は、接触帯電部材に付着、混入することで、接触帯電部材での保持性が高まり、導電性微粉末を介しての接触帯電部材の像担持体へのより緻密な接触性が得られ、像担持体のより均一な帯電を可能とすることが判明した。さらに、上記導電性微粉末の粒子は、現像兼クリーニングにおける像担持体上の転写残トナー粒子の回収助剤として働きが大きく、像担持体上の転写残トナー粒子の回収性を向上させる効果がより顕著であることが判明した。
【0123】
すなわち、帯電部に転写残トナーとともに導電性微粉末が介在した状態で像担持体の接触帯電が行われる場合、接触帯電部材に付着又は混入した現像剤成分における転写残トナーに対する導電性微粉末の含有比率がより高まることで、転写残トナーによる像担持体の帯電の阻害がより抑制され、接触帯電部材の像担持体への接触性がより高まり、あるいは現像剤成分が付着又は混入したことによる接触帯電部材の接触抵抗の上昇を抑制することができるため、接触帯電部材による像担持体の帯電をより良好に行わせることができる。
【0124】
さらに、上記導電性微粉末を用いることで、転写後の像担持体上において、残留する導電性微粉末の転写残トナー粒子に対する比率が高まることで、転写残トナー粒子の回収を行う現像兼クリーニング工程における像担持体上においても、転写残トナーに対する回収助剤として働く導電性微粉末の含有比率がより高まり、転写残トナーをより確実に回収することができる。また、上記導電性微粉末の粒子は、現像兼クリーニングにおける像担持体上の転写残トナー粒子の回収助剤として働きが大きく、像担持体上の転写残トナー粒子の回収性を向上させる効果がより顕著となる。
【0125】
導電性微粉末の粒子径は、以下のように測定することができる。すなわち、走査型電子顕微鏡により拡大撮影した現像剤の写真と、更に走査型電子顕微鏡に付属させたX線マイクロアナライザー(XMA)等の元素分析手段によって導電性微粉末の含有する元素でマッピングされた現像剤の写真を対照し、トナー粒子表面に付着或いは遊離して存在している導電性微粉末を特定する。走査型電子顕微鏡により拡大撮影した現像剤の写真(例えば、日立製作所製FE−SEMS−800で3000〜5000倍の視野で撮影した写真)から、又は走査型電子顕微鏡からインターフェースを介して導入した(3000〜5000倍に拡大した)画像情報から、特定された導電性微粉末の画像を画像処理装置(例えばニレコ社製画像解析装置LuzexIII)に導入し、解析することによって導電性微粉末の粒度が求められる。
【0126】
また、本発明の現像剤は、導電性微粉末の含有量が現像剤全体の0.1〜5.0質量%(より好ましくは0.1〜2.0質量%)であることが好ましい。導電性微粉末の含有量を上記範囲とすることにより、像担持体の帯電を促進するための適度な量の導電性微粉末を帯電部に供給でき、現像兼クリーニングにおいて転写残トナー粒子の回収性を高めるために必要な量の導電性微粉末を像担持体上に供給できる。
【0127】
現像剤の導電性微粉末の含有量が上記範囲よりも小さすぎる場合には、帯電部に供給される導電性微粉末量が不足し易く、安定した像担持体の帯電促進効果が得にくい。現像兼クリーニングを用いる画像形成においても、転写残トナー粒子と共に像担持体上に存在する導電性微粉末量が不足し易く、転写残トナー粒子の回収性の向上の効果が得にくい。また、現像剤の導電性微粉末の含有量が上記範囲よりも大きすぎる場合には、過剰の導電性微粉末が帯電部に供給され易く、帯電部に保持しきれない導電性微粉末が多量に像担持体上に排出されることによる露光不良を生じ易くなる。また、トナー粒子の摩擦帯電性を低下させる或いは乱し、画像濃度低下やカブリの増加の原因となることがある。このような観点から、現像剤の導電性微粉末の含有量は、上記範囲内であることが好ましい。
【0128】
また、導電性微粉末の抵抗は、像担持体の帯電促進効果及び転写残トナー回収性の向上効果を現像剤に付与するために、109Ω・cm以下であることが好ましい。導電性微粉末の抵抗が、上記範囲よりも大きすぎると、導電性微粉末を帯電部材と像担持体とのニップ部或いはその近傍の帯電領域に介在させ、接触帯電部材の導電性微粉末を介しての像担持体への緻密な接触性を維持させても、像担持体の良好な帯電性を得るための帯電促進効果が小さくなる。現像兼クリーニングにおいても、導電性微粉末が転写残トナー粒子と同極性の電荷を帯び易くなるために転写残トナー粒子と共に回収され易くなり、回収助剤として回収されにくい導電性微粉末が像担持体上に介在することによる転写残トナーの回収性の向上が大幅に低下する場合がある。
【0129】
導電性微粉末による像担持体の帯電促進効果を十分に引き出し、像担持体の良好な一様帯電性を安定して得るためには、導電性微粉末の抵抗が、接触帯電部材の表面部或いは像担持体との接触部の抵抗よりも小さいことが好ましく、この接触帯電部材の抵抗の1/100以下であることがさらに好ましい。
【0130】
更に、導電性微粉末の抵抗が106Ω・cm以下であることが、絶縁性の転写残トナー粒子の付着・混入による接触帯電部材への帯電阻害に打ち勝って像担持体の帯電をより良好に行わせる上で、及び、現像兼クリーニングにおいて転写残トナーの回収性の向上効果をより安定して得る上で好ましく良い。この導電性微粉末の抵抗は、100〜105Ω・cmであることがさらに好ましい。接触帯電においては像担持体の良好な帯電を実現し、現像兼クリーニングにおいてはトナー回収性の向上効果を安定させる上で、より一層効果的である。
【0131】
本発明において、導電性微粉末の抵抗測定は、錠剤法により測定し正規化して求めることができる。即ち、底面積2.26cm2の円筒内に約0.5gの粉体試料を入れ、粉体試料の上下に配置された上下電極間に147N(15kg)の加重を行うと同時に100Vの電圧を印加し抵抗値を計測、その後正規化して比抵抗を算出する。
【0132】
また、導電性微粉末は、透明、白色或いは淡色の導電性微粉末であることが、転写材上に転写される導電性微粉末がカブリとして目立たないため好ましい。潜像形成工程における露光光の妨げになることを防ぐ意味でも導電性微粉末は、透明、白色或いは淡色の導電性微粉末であることが好ましい。さらに、導電性微粉末はこの静電潜像を形成する像露光光に対する透過率が30%以上であることが好ましい。この透過率は35%以上であることがさらに好ましい。
【0133】
以下、本発明における導電性微粉末の光透過性を測定する方法の一例を示す。片面に接着層を有する透明なフィルムの接着層上に、導電性微粉末を一層分固定した状態で透過率を測定する。光はシートの鉛直方向から照射し、フィルム背面まで透過した光を集光してその光量を測定する。フィルムのみの場合と導電性微粉末を付着した場合の光量の差に基づいて、正味の光量としての光透過率を算出する。実際的にはX−Rite社製310T透過型濃度計を用いて測定することができる。
【0134】
また、導電性微粉末は、非磁性であることが好ましい。導電性微粉末を非磁性とすることで、透明、白色或いは淡色の導電性微粉末が得られ易い。反対に、磁性を有する導電性材料は、磁性を有することで、透明、白色或いは淡色とすることが困難となる。また、現像剤の磁気力による搬送及び保持を行う画像形成法においては、磁性を有する導電性微粉末は現像されにくくなり、像担持体上への導電性微粉末の供給が不足する或いは現像剤担持体表面に導電性微粉末が蓄積しトナー粒子の現像を妨げる等の弊害を起こし易い。更に、磁性トナー粒子に磁性を有する導電性微粉末を添加する場合には、磁気的凝集力によりトナー粒子から導電性微粉末が遊離しにくくなる傾向があり、導電性微粉末の像担持体上への供給性が低下し易い。
【0135】
本発明における導電性微粉末としては、例えば銅、金、銀、アルミニウム、ニッケルなどの金属微粉末;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化タングステンなどの金属酸化物;硫化モリブデン、硫化カドミウム、チタン酸カリなどの金属化合物、あるいはこれらの複合酸化物などのうち、一次粒子の個数平均粒径が50〜500nmであり、一次粒子の凝集体を有する導電性微粉末が使用でき、好ましくは、上記の好ましい特性(抵抗、透過率など)を有するものが用いられる。また、現像剤としての粒度及び粒度分布を調整するために粒度分布の調整された導電性微粉末を用いることも好ましい。
【0136】
導電性微粉末は、これらの中でも、酸化亜鉛、酸化スズ及び酸化チタンから選ばれる少なくとも一種の酸化物を含有していることが、導電性微粉末の抵抗を低く設定することが可能である点で好ましい。また、非磁性であり、白色或いは淡色であり、転写材上に転写される導電性微粉末がカブリとして目立たない点でも好ましい。
【0137】
また、導電性微粉末の抵抗値を制御する等の目的で、アンチモン、アルミニウムなどの元素を含有させた金属酸化物の微粒子、導電性材料を表面に有する微粒子なども導電性微粉末として使用できる。例えば、アルミニウム元素を含有する酸化亜鉛微粒子、アンチモン元素を含有する酸化スズ微粒子などである。
【0138】
さらに、導電性微粉末としてアルミニウム元素を含有する酸化亜鉛を用いることが、白色度が高く、安定して低抵抗な導電性微粉末が得られる点で特に好ましい。酸化亜鉛にアルミニウム元素を含有させる方法としては、特に限定はないが、特開平1−126228号公報等に開示されているような、導電性酸化亜鉛の製法によることが格別に好ましい。
【0139】
上記導電性微粉末の体積平均粒径は回折法により測定されるものであっても良い。回折法による測定法を例示する。純水10mlに微量の界面活性剤を添加し、これに導電性微粉末の試料10mgを加え、超音波分散機(超音波ホモジナイザー)にて10分間分散した後、リキッドモジュールを取り付けたコールター社製、LS−230型レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、0.04〜2000μmを粒子径の測定範囲とし、測定時間90秒、測定回数1回で測定する。
【0140】
本発明においては、導電性微粉末が主として凝集体として挙動する場合には、導電性微粉末の粒子の粒径もその一次粒子径ではなく、凝集体としての粒径として定義される。
【0141】
本発明において現像剤は、一次粒子の個数平均粒径4〜80nmの無機微粉末を有することも必要である。
【0142】
無機微粉末の一次粒子の個数平均粒径が上記範囲よりも大きすぎる場合、或いは一次粒子の個数平均粒径が上記範囲の無機微粉末が添加されていない場合には、導電性微粉末を現像剤中でトナー粒子に対して均一に分散させることができず、像担持体上に均一に導電性微粉末を供給することが困難である。本発明にて用いられる潤滑剤によって表面処理を施した導電性微粉末は、トナー粒子から遊離し易い性質とともに現像剤中に均一に分散し難い傾向がある。このため、より現像剤への流動性付与能が高く、一次粒子の個数平均粒径のより小さい無機微粉末を併用することで、導電性微粉末を現像剤中に均一に分散させることが可能であることが判明した。
【0143】
導電性微粉末が現像剤中に均一に分散していない場合、像担持体上への導電性微粉末の長手方向での供給むらを生じ易く、接触帯電部材への供給むらを生じた場合には導電性微粉末の供給むらに対応した像担持体の帯電不良を生じ、現像兼クリーニング時には像担持体上の導電性微粉末の介在量の減少部に対応して転写残トナー粒子の回収性が低下することによる回収不良を生じ、筋状の画像欠陥として現れる。また、転写残トナー粒子が帯電部材へ付着した際に帯電部材に固着し易くなり、像担持体の安定して良好な帯電特性を得ることが困難となる。更に、良好な現像剤の流動性が得られず、トナー粒子への帯電付与が不均一になり易く、カブリの増大、画像濃度の低下、トナー飛散等の問題を避けられない。
【0144】
無機微粉末の一次粒子の個数平均粒径が4nmよりも小さい場合には、無機微粉末の凝集性が強まり、一次粒子ではなく解砕処理によっても解れ難い強固な凝集性を持つ、粒度分布の広い凝集体として挙動し易く、無機微粉末の凝集体の現像による画像抜け、像担持体、現像剤担持体或いは接触帯電部材等を傷つけるなどによる画像欠陥を生じ易くなる。また、これらの観点から、無機微粉末の一次粒子の個数平均粒径は6〜50nmであることが好ましい。
【0145】
すなわち本発明において、無機微粉末は、トナー粒子の表面に付着させることで現像剤の流動性を改良し、トナー粒子を均一に帯電させるために添加されるのみでなく、導電性微粉末を現像剤中でトナー粒子に対して均一に分散させ、像担持体上に均一に導電性微粉末を供給せしめる効果も併せ持つ。
【0146】
本発明において無機微粉末の一次粒子の個数平均粒径の測定は、以下のように行うことができる。すなわち、走査型電子顕微鏡により拡大撮影した現像剤の写真と、更に走査型電子顕微鏡に付属させたX線マイクロアナライザー(XMA)等の元素分析手段によって無機微粉末の含有する元素でマッピングされた現像剤の写真を対照し、トナー粒子表面に付着或いは遊離して存在している無機微粉末の一次粒子を100個以上測定し、個数平均粒径を求めることができる。
【0147】
また本発明において無機微粉末は、一次粒子の個数平均粒径4〜80nmのシリカ、チタニア(酸化チタン)及びアルミナから選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。例えば、シリカ微粉体としてはケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3-等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含する。
【0148】
また本発明において無機微粉末は、疎水化処理されたものであることが好ましい。無機微粉末を疎水化処理することによって、無機微粉末の高湿環境における帯電性の低下を防止し、無機微粉末が表面に付着したトナー粒子の摩擦帯電量の環境安定性を向上させることで、現像剤としての画像濃度、カブリ等の現像特性の環境安定性をより高めることができる。環境による無機微粉末の帯電性及び無機微粉末が表面に付着したトナー粒子の帯電量の変動を抑制することで、導電性微粉末のトナー粒子からの遊離し易さが変動することを防止でき、環境による導電性微粉末の像担持体上への供給量を安定化し、像担持体帯電性及び転写残トナー粒子回収性の環境安定性を高めることができる。
【0149】
疎水化処理の処理剤としては、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン化合物の如き処理剤を単独で或いは併用して処理しても良い。その中でも、無機微粉末は少なくともシリコーンオイルで処理されたものであることが特に好ましい。処理は公知の方法に従って行うことができる。
【0150】
疎水化処理に使用されるシラン化合物としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシランメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが挙げられる。
【0151】
上記シリコーンオイルは、25℃における粘度が10〜200,000mm2/sのものが、さらには3,000〜80,000mm2/sのものが好ましい。シリコーンオイルの粘度が上記範囲よりも小さすぎる場合には、無機微粉末の処理に安定性がなく、熱及び機械的な応力により、処理したシリコーンオイルが脱離、転移或いは劣化して画質が劣化する傾向がある。また、粘度が上記範囲よりも大きすぎる場合には、無機微粉末の均一な処理が困難になる傾向がある。
【0152】
使用されるシリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が特に好ましい。
【0153】
シリコーンオイルの処理の方法としては、例えばシラン化合物で処理された無機微粉末とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合してもよいし、無機微粉末にシリコーンオイルを噴霧する方法を用いてもよい。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法でもよい。無機微粉末の凝集体の生成が比較的少ない点で噴霧機を用いる方法がより好ましい。
【0154】
シリコーンオイルの処理量は無機微粉末100質量部に対し1〜23質量部、好ましくは5〜20質量部が良い。シリコーンオイルの量が上記範囲よりも少なすぎると良好な疎水性が得られず、多すぎるとカブリ発生等の不具合が生ずることがある。
【0155】
また本発明において無機微粉末は、少なくともシラン化合物で処理されると同時に、又はその後にシリコーンオイルで処理されたものであることが好ましい。無機微粉末の処理にシラン化合物を用いることが、シリコーンオイルの無機微粉末への付着性を高めて、無機微粉末の疎水性及び帯電性を均一化する上で特に好ましい。
【0156】
無機微粉末の処理条件としては、例えば第一段反応としてシリル化反応を行いシラノール基を化学結合により消失させた後、第二段反応としてシリコーンオイルにより表面に疎水性の薄膜を形成することが挙げられる。
【0157】
また、本発明の現像剤は、無機微粉末の含有量が現像剤全体の0.1〜3.0質量%であることが好ましい。無機微粉末の含有量が上記範囲より少なすぎる場合には、無機微粉末を添加することの効果が十分に得られず、また上記範囲より多すぎる場合には、トナー粒子に対して過剰な無機微粉末が導電性微粉末を被覆してしまい、導電性微粉末の抵抗が高い場合と同様な挙動を示すようになり、像担持体上への導電性微粉末の供給性の低下、像担持体の帯電促進効果の低下、転写残トナーの回収性の低下等、の本発明の効果を損なうようになる傾向がある。無機微粉末の含有量は、現像剤全体の0.3〜2.0質量%であることがより好ましく、さらに好ましくは0.5〜1.5質量%である。
【0158】
本発明で用いられる一次粒子の個数平均粒径が4〜80nmの無機微粉末は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が40〜300m2/gの範囲内のものが好ましく、60〜250m2/gのものがより好ましい。比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出することができる。
【0159】
本発明においてトナー粒子は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有する粒子である。トナー粒子の抵抗は、1010Ω・cm以上であることが好ましく、1012Ω・cm以上であることがより好ましい。トナー粒子が実質的に絶縁性を示さなければ、現像性と転写性を両立することが困難である。また、トナー粒子への現像電界による電荷の注入を生じ易く、現像剤の帯電を乱しカブリを生ずることがある。
【0160】
本発明において、トナー粒子の抵抗は、錠剤法により測定し正規化して求めることができる。即ち、底面積2.26cm2の円筒内に0.2〜0.5gの粉体試料を入れ、粉体試料の上下に配置された上下電極間に147N(15kg)の加重を行うと同時に1000Vの電圧を印加し抵抗値を計測、その後正規化してトナー粒子の抵抗を算出する。
【0161】
本発明に使用されるトナー粒子が含有する結着樹脂の種類としては、例えば、スチレン系樹脂、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。
【0162】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えば、ビニルトルエン等のスチレン誘導体;例えば、アクリル酸又はアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;例えば、メタクリル酸又はメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル等のメタクリル酸エステル類;例えば、マレイン酸又はマレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチル等のような二重結合を有するジカルボン酸エステル類;例えば、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン又は塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエステル類;例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のようなエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニルケトン類;例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のようなビニルエーテル類;等のビニル系単量体が単独で又は2つ以上用いられる。
【0163】
結着樹脂の製造においては架橋剤を用いても良く、ここで架橋剤としては、主として二個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二重結合を二個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び三個以上のビニル基を有する化合物;が単独で又は混合物として用いられる。
【0164】
結着樹脂のガラス転移点温度(Tg)は、50〜70℃であることが好ましい。ガラス転移点温度が上記範囲よりも低すぎる場合には現像剤の保存性が低下し、高すぎる場合には定着性に劣ることがある。
【0165】
本発明で用いられるトナー粒子にワックス成分を含有させるのは好ましい形態のひとつである。本発明に用いられるトナー粒子に含有されるワックスとしては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリオレフィン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;又は、それらのブロック共重合物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類などの、飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セチルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類などの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの、不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
【0166】
本発明においては、該ワックスは、結着樹脂100質量部に対して好ましくは0.5〜20質量部、より好ましくは0.5〜15質量部の範囲で用いられる。
【0167】
本発明に使用されるトナー粒子が含有する着色剤としては、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリールメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系染顔料等、従来公知の染顔料を単独で又は混合して使用し得る。
【0168】
本発明においては、現像剤が、磁場79.6kA/mにおける磁化の強さが10〜40Am2/kgである磁性現像剤であることが好ましい。現像剤の磁化の強さは20〜35Am2/kgであることがより好ましい。
【0169】
本発明において磁場79.6kA/mにおける磁化の強さを規定する理由は以下の通りである。通常、磁性体の磁気特性を表す量としては、磁気飽和における磁化の強さ(飽和磁化)が用いられるが、本発明においては画像形成装置内で実際に磁性現像剤に作用する磁場における磁性現像剤の磁化の強さが重要であるためである。画像形成装置に磁性現像剤が適用される場合、磁性現像剤に作用する磁場は、画像形成装置外への磁場の漏洩を大きくしないため或いは磁場発生源のコストを低く抑えるために、市販されている多くの画像形成装置において数十から百数十kA/mであり、画像形成装置内で実際に磁性現像剤に作用する磁場の代表的な値として磁場79.6kA/m(1000エルステッド)を選択し、磁場79.6kA/mにおける磁化の強さを規定したものである。
【0170】
現像剤の磁場79.6kA/mにおける磁化の強さが上記範囲よりも小さすぎる場合には、磁気力により現像剤搬送を行うことが困難となり、現像剤担持体上に均一に現像剤を担持させることができなくなることがある。また、磁気力により現像剤搬送を行う場合には、現像剤の穂立ちを均一に形成できないために、導電性微粉末の像担持体への供給性が低下し、転写残トナー粒子の回収性も低下することがある。
【0171】
磁場79.6kA/mにおける磁化の強さが上記範囲よりも大きすぎる場合には、トナー粒子の磁気凝集性が高まり、導電性微粉末の現像剤中での均一な分散及び像担持体への供給が困難となり、本発明の効果である像担持体の帯電促進効果又はトナー粒子回収性促進効果が損なわれることがある。
【0172】
このような磁性現像剤を得る手段としては、トナー粒子に磁性体を含有させることが挙げられる。本発明において現像剤を磁性現像剤とするためトナー粒子に含有させる磁性体としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の磁性酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケル等の金属、或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属との合金及び混合物が挙げられる。
【0173】
これらの磁性体の磁気特性としては、磁場796kA/m下で飽和磁化が10〜200Am2/kg、残留磁化が1〜100Am2/kg、抗磁力が1〜30kA/mであるものが好ましく用いられる。これらの磁性体は結着樹脂100質量部に対し、通常には20〜200質量部で用いられる。このような磁性体の中でもマグネタイトを主とするものが特に好ましい。
【0174】
本発明において磁性現像剤の磁化の強さは、振動型磁力計VSMP−1−10(東英工業社製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA/mで測定することができる。また、磁性体の磁気特性は、25℃の室温にて外部磁場796kA/mで測定することができる。
【0175】
また、本発明において現像剤は、目開き149μmのふるい(100メッシュ)を通過し、目開き74μmのふるい(200メッシュ)を不通過(以下、これを「100メッシュパス−200メッシュオン」という)の球形鉄粉に対する摩擦帯電量が絶対値で、20〜100mC/kgであることが好ましい。
【0176】
現像剤の摩擦帯電量が絶対値で上記範囲よりも小さすぎる場合には、トナー粒子の転写性が低下することで転写残トナー粒子が増大するため、像担持体の帯電性が低下し易くなり、転写残トナー粒子の回収の負荷が大きくなり回収不良を生じ易くなる。現像剤の摩擦帯電量が絶対値で上記範囲よりも大きすぎる場合には、現像剤の静電的凝集性が高まり、導電性微粉末の現像剤中での均一な分散及び像担持体への供給が困難となり、本発明の効果である像担持体の帯電促進効果又はトナー回収性促進効果が損なわれることがある。
【0177】
特に磁性現像剤の場合には、現像剤が磁気凝集性を併せ持つために静電的凝集性をより抑制することが必要であり、磁性現像剤の上記球形鉄粉に対する摩擦帯電量は絶対値で25〜50mC/kgであることが好ましい。
【0178】
本発明における現像剤の摩擦帯電量の測定法を図面を用いて詳述する。
【0179】
図4は現像剤の摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。23℃,相対湿度60%の環境下、先ず摩擦帯電量を測定しようとする現像剤と100メッシュパス−200メッシュオンの球形鉄粉キャリア(例えば、同和鉄粉社製球形鉄粉DSP138)を使用することが可能である。)の質量比5:95(例えば、現像剤0.5gに鉄粉キャリア9.5g)の混合物を50〜100mlの容量のポリエチレン製の瓶に入れ100回震盪する。
【0180】
次いで、底に目開き25μm(500メッシュ)のスクリーン83を備える金属製の測定容器82に前記混合物約0.5gを入れ、金属製のフタ84をする。この時の測定容器82全体の質量を秤りW1(g)とする。次に吸引機81(測定容器82と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口87から吸引し、風量調節弁86を調整することにより真空計85の圧力を2450Paとする。この状態で十分(約1分間)吸引を行い、現像剤を吸引除去する。この時の電位計89の電位をV(ボルト)とする。ここで88はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定容器全体の質量を秤りW2(g)とする。この現像剤の摩擦帯電量は下式の如く計算される。
現像剤の摩擦帯電量(mC/kg)=C×V/(W1−W2)
【0181】
本発明において現像剤は、荷電制御剤を含有することが好ましい。荷電制御剤のうち、現像剤を正荷電性に制御するものとして、例えば下記の物質がある。
【0182】
ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾール化合物。これらを単独で或いは二種類以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、トリフェニルメタン化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。
【0183】
また一般式(1)
【0184】
【化1】
Figure 0004040349
[式中、R1はH又はCH3を示し、R2及びR3は置換又は未置換のアルキル基(好ましくはC1〜C4)を示す。]
で表されるモノマーの単重合体;前述したスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いることができる。この場合これらの荷電制御剤は、結着樹脂(の全部又は一部)としての作用をも有する。
【0185】
特に下記一般式(2)で表される化合物が本発明の構成においては好ましい。
【0186】
【化2】
Figure 0004040349
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6は、各々互いに同一でも異なっていてもよい水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基又は、置換若しくは未置換のアリール基を表す。R7、R8、R9は、各々互いに同一でも異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を表す。A-は、硫酸イオン、硝酸イオン、ほう酸イオン、りん酸イオン、水酸イオン、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機りん酸イオン、カルボン酸イオン、有機ほう酸イオン、テトラフルオロボレートなどの陰イオンを示す。]
【0187】
現像剤を負荷電性に制御するものとして、例えば下記物質がある。
【0188】
有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。
【0189】
また、次に示した一般式(3)で表されるアゾ系金属錯体が好ましい。
【0190】
【化3】
Figure 0004040349
【0191】
特に中心金属としてはFe、Crが好ましく、置換基としてはハロゲン、アルキル基及びアニリド基が好ましく、カウンターイオンとしては水素、アンモニウム及び脂肪族アンモニウムが好ましい。
【0192】
あるいは、次の一般式(4)に示した塩基性有機酸金属錯体も負帯電性を与えるものであり、本発明に使用できる。特に中心金属としてはFe、Al、Zn、Zr及びCrが好ましく、置換基としてはハロゲン、アルキル基及びアニリド基が好ましく、カウンターイオンとしては水素、アルカリ金属、アンモニウム及び脂肪族アンモニウムが好ましい。またカウンターイオンの異なる錯塩の混合物も好ましく用いられる。
【0193】
【化4】
Figure 0004040349
【0194】
荷電制御剤を現像剤に含有させる方法としては、トナー粒子内部に添加する方法と外添する方法とがある。これらの荷電制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法等によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で用いられる。
【0195】
本発明に係るトナー粒子を製造するに当たっては、上述したような構成材料をボールミルその他の混合機により十分混合した後、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて良く混練し、冷却固化後、粉砕、分級、必要に応じてトナー形状調整等の処理を行ってトナー粒子を得る方法を用いることが好ましく、他には、特公昭56−13945号公報等に記載のディスク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナー粒子を得る方法;結着樹脂溶液中に構成材料を分散した後、噴霧乾燥することによりトナー粒子を得る方法;特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合方法を用いて直接トナー粒子を生成する方法;水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナー粒子を生成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法;樹脂微粒子及び着色剤等を溶液中において会合させてトナー粒子を生成させる会合重合法;単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナー粒子を生成する分散重合方法;あるいはコア材、シェル材から成るいわゆるマイクロカプセルトナーにおいて、コア材あるいはシェル材、あるいはこれらの両方に所定の材料を含有させる方法等の方法が応用できる。
【0196】
トナー粒子の形状調整のための処理としては、粉砕法により得られたトナー粒子を水中或いは有機溶液中に分散させ加熱或いは膨潤させる方法、熱気流中を通過させる熱処理法、機械的エネルギーを付与して処理する機械的衝撃法などが挙げられる。機械的衝撃力を加える手段としては、例えばホソカワミクロン社製のメカノフージョンシステムや奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステム等の装置のように、高速回転する羽根によりトナー粒子をケーシングの内側に遠心力により押しつけ、圧縮力、摩擦力等の力によりトナー粒子に機械的衝撃力を加える方法が挙げられる。
【0197】
本発明においては、機械的衝撃法において処理温度をトナー粒子のガラス転移点Tg付近の温度(Tg±10℃)とする方法が、トナー粒子の凝集防止や生産性の観点から好ましい。さらに好ましくは、処理温度がトナー粒子のガラス転移点Tg±5℃の範囲の温度で熱機械的衝撃によるトナー粒子の球形化処理を行うことが、形状が歪で円形度の低いトナー粒子を大幅に減らし、導電性微粉末を有効に働かせるのに特に有効である。
【0198】
粉砕法により得られるトナー粒子の形状の制御は、結着樹脂等のトナー粒子構成材料の選択及び粉砕時の条件を適宜設定することで可能であるが、気流式粉砕機でトナー粒子の円形度を高めようとすると生産性が低下し易く、機械式粉砕機を用いてトナー粒子の円形度を高める条件を設定することが好ましい。
【0199】
本発明においては、トナー粒子の粒度分布の変動係数を低く抑えるためには、分級工程において多分割分級機を用いることが生産性の点で好ましい。また、粉砕法によりトナー粒子を製造する場合に、1.00μm以上2.00μm未満の粒径範囲のトナー粒子を少なくするためには、粉砕工程において機械式粉砕機を用いることが好ましい。
【0200】
上記のようにして得られたトナー粒子に外部添加剤(無機微粉末、導電性微粉末等)を加え混合機により混合し、さらに必要に応じ篩を通過させることで、本発明に係る現像剤を製造することができる。
【0201】
粉砕法によってトナー粒子を製造する場合に用いられる製造装置としては、例えば混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられる。
【0202】
混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられる。
【0203】
粉砕機としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製)が挙げられ、この中でもクリプトロン、ターボミル等の機械式粉砕機を用いることがより好ましい。
【0204】
分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられ、この中でもエルボージェット等の多分割分級機を用いることがより好ましい。
【0205】
粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社製);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
【0206】
<画像形成方法及びプロセスカートリッジ>
次に、本発明の現像剤を好適に用いることができる本発明の画像形成方法及びプロセスカートリッジについて説明する。
【0207】
本発明の画像形成方法は、像担持体を帯電させる帯電工程と、帯電工程によって帯電した像担持体の帯電面に静電潜像として画像情報を書き込む潜像形成工程と、潜像形成工程において形成された静電潜像を上記本発明の現像剤を用いてトナー画像として可視化する現像工程と、現像工程において形成されたトナー画像を転写材に転写する転写工程とを含み、前記帯電工程として接触帯電工程、及び前記現像工程として現像兼クリーニング工程の少なくともいずれか一方を採用することを特徴とする。
【0208】
前記接触帯電工程とは、像担持体に電圧を印加するための帯電部材を像担持体に接触配置し、帯電部材に帯電電圧を印加することによって像担持体を帯電させる方法であり、本発明では像担持体と帯電部材との接触部であるニップ部に、少なくとも導電性微粉末を含む現像剤成分が介在した状態で、帯電部材に電圧を印加する。また前記現像兼クリーニング工程とは、像担持体上の転写残トナーを現像器に回収する方法である。本発明の画像形成方法では、接触帯電工程及び現像兼クリーニング工程のいずれか一方のみを採用しても良いし、両方を採用しても良い。
【0209】
また、本発明のプロセスカートリッジは、像担持体を帯電するための帯電手段によって帯電した像担持体上に形成された静電潜像を現像剤によって可視化し、この可視化されたトナー画像を転写材に転写することにより画像を形成するための画像形成装置本体に脱着可能に装着されるものであって、静電潜像を担持するための像担持体と、帯電した像担持体に形成された静電潜像を、本発明の現像剤を用いて現像することによりトナー画像を形成する現像手段とを少なくとも有し、前述した接触帯電工程及び現像兼クリーニング工程の少なくともいずれかを実現する手段を有する。
【0210】
すなわち本発明のプロセスカートリッジは、像担持体と現像兼クリーニング手段とを有する構成、像担持体と接触帯電手段と前述した本発明の現像剤を有する通常の現像手段とを有する構成、及び像担持体と接触帯電手段と現像兼クリーニング手段とを有する構成のいずれかから構成される。
【0211】
まず、本発明の画像形成方法について説明する。本発明の画像形成方法における帯電工程は、現像兼クリーニング工程のみを採用する場合では特に限定されず、コロナ帯電器等の非接触型の帯電装置を用いた非接触帯電工程であっても良いし、像担持体に接触して配置されるローラー型(帯電ローラー)、ファーブラシ型、磁気ブラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材に電圧を印加する接触帯電工程であっても良い。本発明においては、コロナ帯電器等の非接触型の帯電装置と比較して低オゾン、低電力等の利点がある接触帯電装置を用いることが好ましい。
【0212】
像担持体上の転写残トナー粒子は、形成する画像のパターンに対応するものと、画像の形成されていない部分に対応する、いわゆるカブリトナーに起因するものが考えられる。形成する画像のパターンに対応する転写残トナー粒子は、現像兼クリーニングでの完全な回収が困難であり、回収が不十分であると、画像パターンの回収不良がそのまま次に形成される画像に現れるパターンゴーストを生ずる。
【0213】
このような画像のパターンに対応する転写残トナー粒子については、転写残トナーのパターンを均すことによって現像兼クリーニングでの回収性を大幅に向上させることができる。
【0214】
例えば、現像工程が接触現像プロセスであれば、現像剤を担持する現像剤担持体の表面における移動速度と、現像剤担持体に接触している像担持体の表面における移動速度との間に相対的速度差を持たせることで、転写残トナーのパターンを均すと同時に転写残トナー粒子を効率良く回収することができる。しかしながら、接触現像プロセスでの上記の方法では、画像形成中の電源の瞬断或いは紙詰まり時のように多量の転写残トナーが像担持体上に残る場合には、転写残トナーが像担持体上に残ったパターンで画像露光等の潜像形成を阻害するためのパターンゴーストを生ずる問題を解決することが困難である。
【0215】
これに対し接触帯電装置を用いた場合は、接触帯電部材によって転写残トナーのパターンを均すことで、現像工程が非接触現像プロセスであっても転写残トナー粒子を効率良く回収することができ、回収不良によるパターンゴーストの発生を防止することができる。また、多量の転写残トナーが像担持体上に残る場合にも、接触帯電部材が一旦転写残トナーを堰き止め、転写残トナーのパターンを均して徐々に転写残トナーを像担持体上に吐き出すことで潜像形成阻害によるパターンゴーストを防止することができる。
【0216】
多量の転写残トナーが接触帯電部材に堰き止められる場合の接触帯電部材の汚染による像担持体の帯電性の低下に関しては、本発明の現像剤を用いることで、像担持体の帯電性の低下を実用上問題ない範囲にまで低減することができる。この点から本発明においては、接触帯電装置を用いることが好ましい。
【0217】
ところで、一般に接触帯電工程を行う場合では、現像工程によって像担持体に供給された現像剤が、転写工程において転写しきらずに前記ニップ部に到達し、この転写残トナーが帯電部材へ付着することによって、像担持体の帯電性が悪化する傾向にある。
【0218】
本発明においては、像担持体と像担持体に接触する帯電部材との接触部であるニップ部に、少なくとも導電性微粉末を含有する現像剤の成分が介在することが好ましい。上記ニップ部に少なくとも導電性微粉末を含有する現像剤成分が介在することで、像担持体と接触帯電部材との間の導通路が確保され、接触帯電部材への転写残トナーの付着或いは混入による像担持体の帯電性の低下を抑制することができる。
【0219】
本発明では、接触帯電工程において、像担持体と像担持体に接触する帯電部材との接触部であるニップ部に介在する現像剤成分全体に対する導電性微粉末の含有比率が、上記本発明の現像剤に含有される導電性微粉末(本発明の画像形成に供される前の現像剤中の導電性微粉末)の含有比率よりも高いことが好ましい。上記ニップ部に介在する現像剤成分全体に対する導電性微粉末の含有比率が、現像剤に含有される導電性微粉末の含有比率よりも高いことで、接触帯電部材への転写残トナーの付着或いは混入による像担持体の帯電性の低下を、より安定して抑制することができる。
【0220】
本発明において帯電方法は、直接注入帯電機構が支配的である帯電方法が好ましい。直接注入帯電機構が支配的であることで、像担持体と像担持体に接触する帯電部材との接触部であるニップ部に、少なくとも導電性微粉末が介在することにより、接触帯電部材への転写残トナーの付着或いは混入による像担持体の帯電性の低下を抑制する効果に加えて、像担持体と帯電部材との接触性を高め導電性微粉末を介してのより緻密な接触状態とすることにより、像担持体の帯電性を積極的に高める効果が得られる。
【0221】
また、直接注入帯電機構が支配的であることで、上記ニップ部に介在する現像剤成分全体に対する導電性微粉末の含有比率が、現像剤に含有される導電性微粉末の含有比率よりも高いことで、像担持体の帯電性を積極的に高める効果がより高まり易い。
【0222】
像担持体と像担持体に接触する帯電部材との接触部であるニップ部に介在する現像剤成分全体に対する導電性微粉末の含有比率は、蛍光X線スペクトル分析装置を用いて導電性微粉末の含有する元素を定量分析することも可能であるが、以下のようにして導電性微粉末の含有比率を比較することも可能である。
【0223】
すなわち、走査型電子顕微鏡により拡大撮影した上記ニップ部に介在する現像剤成分の写真と、更に走査型電子顕微鏡に付属させたX線マイクロアナライザー(XMA)等の元素分析手段によって導電性微粉末の含有する元素でマッピングされた上記現像剤成分の写真を対照し、トナー粒子表面に付着或いは遊離して存在している導電性微粉末を特定する。
【0224】
走査型電子顕微鏡により拡大撮影した上記現像剤成分の写真又は走査型電子顕微鏡からインターフェースを介して導入した画像情報を画像処理装置に導入し、解析することによって、特定された導電性微粉末の粒子像の面積と、他の現像剤成分(トナー粒子)の像の面積との面積比率を求める。同様に実際の画像形成に供される前の現像剤での特定された導電性微粉末の粒子像の面積と、他の現像剤成分(トナー粒子)の像の面積との面積比率を求め、先に求めた上記ニップ部に介在する現像剤成分での面積比率と比較することで、導電性微粉末の含有比率を比較することができる。
【0225】
ところで、接触帯電工程においては、帯電部材と像担持体との良好な接触性を確保するためには、前記ニップ部に適量の導電性微粉末が介在することが好ましい。帯電ニップ部における導電性微粉末の介在量が少なすぎると、導電性微粉末による潤滑効果が十分に得られず、像担持体と接触帯電部材との摩擦が大きくなるため、接触帯電部材を像担持体に速度差を持って回転駆動させることが困難になる傾向がある。つまり、駆動トルクが過大となり、無理に回転させると接触帯電部材や像担持体の表面が削れてしまうことがある。更に導電性微粉末による接触機会増加の効果が得られないこともあり、像担持体の十分な帯電性が得られにくい。
【0226】
実験によると、帯電ニップ部における導電性微粉末の介在量は103個/mm2以上であることが好ましく、104個/mm2以上であることがより好ましい。導電性微粉末の介在量が103個/mm2以上であることで、駆動トルクが過大となることがなく、導電性微粉末による潤滑効果が十分に得られる。介在量が103個/mm2より低いと十分な潤滑効果と接触機会増加の効果が得られず像担持体の帯電性の低下が生じることがある。また、直接注入帯電方式を現像兼クリーニング画像形成における像担持体の一様帯電として適用する場合には、転写残トナー粒子の帯電部材への付着或いは混入による像担持体の帯電性の低下が生ずることがある。介在量が103個/mm2より大幅に低いと、転写残トナー粒子が多い場合には像担持体の帯電性が低下しやすい。
【0227】
帯電工程における像担持体上での導電性微粉末の存在量の適正範囲は、導電性微粉末をどれぐらいの密度で像担持体上に塗布することで像担持体の均一帯電性の効果が得られるかでも決定される。
【0228】
さらに転写残トナー粒子の帯電部材への付着及び混入を抑制し、又は転写残トナー粒子の帯電部材への付着或いは混入による像担持体の帯電阻害に打ち勝って、良好な直接注入帯電を行うには、像担持体と接触帯電部材とのニップ部における導電性微粉末の介在量が104個/mm2以上であることがより好ましい。
【0229】
また導電性微粉末の好適な介在量は、人間の視覚特性から検討することもできる。人間の視覚特性は、図3に示すように、空間周波数が10mm-1以上では画像上の識別階調数が限りなく1に近づいていく。すなわち濃度ムラを識別できなくなる。この特性を積極的に利用すると、像担持体上に導電性微粉末を付着させた場合、少なくとも像担持体上で10mm-1以上の密度で導電性微粉末を存在させ、直接注入帯電を行えば良いことになる。たとえ導電性微粉末の存在しないところに像担持体上でミクロな帯電不良が発生したとしても、その帯電不良によって発生する画像上の濃度ムラは、人間の視覚特性を越えた空間周波数領域に発生するため、画像上では問題はないことになる。
【0230】
導電性微粉末の像担持体上への塗布密度が変化したときに、画像上に濃度ムラとして像担持体の帯電不良が認知されるかどうかについては、導電性微粉末がわずかにでも塗布されれば(例えば10個/mm2)、帯電ムラ発生の抑制に効果が認められるが、画像上の濃度ムラが人間にとって許容可能かどうかという点においてはまだ不十分である。ところがその塗布量を102個/mm2以上にすると、画像の客観評価において急激に好ましい結果が得られるようになる。更に、塗布量を103個/mm2以上に増加させていくことにより、像担持体の帯電不良に起因する画像上の問題点は皆無となる。
【0231】
直接注入帯電方式による帯電では、放電帯電方式とは根本的に異なり、帯電部材が像担持体に確実に接触する事で帯電が行われているが、たとえ導電性微粉末を像担持体上に過剰に塗布したとしても、像担持体上で導電性微粉末が接触できない部分は必ず存在する。ところが本発明による人間の視覚特性を積極的に利用した導電性微粉末の塗布を行うことで、実用上この問題点が解決される。
【0232】
また、導電性微粉末の像担持体上での存在量の上限値は、導電性微粉末が像担持体上に一層均一に塗布されるまでであり、それ以上塗布されても効果が向上するわけではなく、逆に帯電工程後の像担持体上に過剰の導電性微粉末が吐き出されることで露光光源からの露光光を遮ったり、散乱させたりという弊害が生じる。
【0233】
一方、上記ニップ部における導電性微粉末の介在量が多過ぎると、導電性微粉末の接触帯電部材からの脱落が著しく増加し、画像露光の遮光等の潜像形成阻害を起こし作像上に悪影響が出ることがある。導電性微粉末の像担持体上での存在量の上限値は、様々な要因によって変わってくるために一概にはいえないが、本発明では、現像剤の有する導電性微粉末が潤滑剤による表面処理を施したものであり、かつ上述した本発明の現像剤の粒度分布規定を満足させる粒度分布を有することで、導電性微粉末の像担持体及び接触帯電部材への付着性が高く、像担持体上での導電性微粉末の存在量が106個/mm2程度までは、導電性微粉末の飛散を生じず、像担持体上での導電性微粉末の存在量の許容範囲がより広く、装置内汚染や露光阻害による画像欠陥のないより安定した直接注入帯電及び現像兼クリーニングを可能としている。
【0234】
前述した介在量については、導電性微粉末の像担持体と接触帯電部材とのニップ部への供給量、導電性微粉末の像担持体及び接触帯電部材への付着性(導電性微粉末の粒径、形状、表面特性等に関係)、接触帯電部材の導電性微粉末に対する保持性、像担持体上の導電性微粉末に対する保持性等の要因があるため、一概には決定されないが、一例を挙げると、像担持体と接触帯電部材とのニップ部における導電性微粉末の介在量が103〜106個/mm2の範囲において、像担持体上に脱落した粒子の存在量(潜像形成工程での像担持体上の導電性微粉末の存在量)を測ると102〜105個/mm2であった実験結果が得られており、このような実験結果に基づき種々の要因に適合した導電性微粉末の供給制御を行うことが可能である。導電性微粉末の像担持体上での存在量の上限値は、上述のように様々な要因によって変わってくるために、一概には言えないが、像担持体上での導電性微粉末の存在量が105個/mm2程度で、帯電部材又は像担持体上からの導電性微粉末の飛散が始まり、装置内汚染を生じ易くなる場合もある。
【0235】
更に、現像兼クリーニング工程において、像担持体上での導電性微粉末の存在量による、転写残トナー粒子の回収性の向上効果についても実験を行ったところ、帯電後現像前の像担持体上での導電性微粉末の存在量が102個/mm2を超えると、像担持体上に導電性微粉末が存在しない場合と比較して明らかに転写残トナー粒子の回収性が向上し、導電性微粉末が像担持体上に一層均一に塗布される程度まで画像欠陥のない現像兼クリーニングによる画像が得られた。
【0236】
すなわち、帯電ニップ部における導電性微粉末の介在量を103個/mm2以上に設定し、かつ像担持体上の導電性微粉末の存在量を102個/mm2以上に設定することで、像担持体の帯電性を良好にし、転写残トナー粒子の回収性を良好にすることができる。また、像担持体と接触帯電部材とのニップ部における導電性微粉末の介在量は104個/mm2以上に設定することがより好ましい。
【0237】
帯電ニップ部での導電性微粉末の介在量及び潜像形成工程での(帯電後現像前の)像担持体上の導電性微粉末の存在量の測定方法について述べる。帯電ニップ部での導電性微粉末の介在量は接触帯電部材と像担持体の接触面部における値を直接測ることが望ましいが、帯電ニップ部を形成する接触帯電部材の表面移動速度と帯電部材に対向する像担持体の表面の移動速度との間に相対的速度差を設けている場合、接触帯電部材に接触する前に像担持体上に存在した粒子の多くは逆方向に移動しながら接触する帯電部材に剥ぎ取られることから、本発明では接触面部に到達する直前の接触帯電部材表面の粒子量をもって介在量とする。
【0238】
具体的な測定例を挙げると、帯電バイアスを印加しない状態で像担持体及び接触帯電部材の移動を停止し、像担持体及び接触帯電部材の表面をビデオマイクロスコープ(OLYMPUS製OVM1000N)及びデジタルスチルレコーダ(DELTIS製SR−3100)で撮影し、接触帯電部材については、接触帯電部材を像担持体に当接するのと同じ条件でスライドガラスに当接し、スライドガラスの背面からビデオマイクロスコープにて接触面を1000倍の対物レンズで10箇所以上撮影し、得られたデジタル画像から個々の粒子を領域分離するため、ある閾値を持って二値化処理し、粒子の存在する領域の数を所望の画像処理ソフトを用いて計測する。また、像担持体上の存在量についても像担持体上を同様のビデオマイクロスコープにて撮影し、同様の処理を行い計測する。像担持体上の導電性微粉末の存在量は、上記と同様の手段で転写後帯電前及び帯電後現像前の像担持体上を撮影して画像処理ソフトを用いて計測する。
【0239】
また本発明では、接触帯電工程において、帯電部材の表面における移動速度と像担持体の表面における移動速度との間に、相対的速度差を設けることが好ましい。帯電部材の表面における移動速度と像担持体の表面における移動速度との間に相対的速度差を設ける場合、接触帯電部材と像担持体との間に大幅なトルクの増大、接触帯電部材及び像担持体表面の顕著な削れ等を生じるが、接触帯電部材と像担持体との接触部に、少なくとも導電性微粉末を含む現像剤成分が介在することにより潤滑効果(摩擦低減効果)が得られ、大幅なトルクの増大や顕著な削れを伴うことなく速度差を設け、像担持体と帯電部材との接触性をより高めることが可能となる。
【0240】
本発明では、接触帯電工程においてより詳しくは、像担持体表面の移動速度とそれに対向する帯電部材表面の移動速度との比(相対移動速度比)は、10〜500%であることが好ましく、20〜400%であることがより好ましく、40〜200%であることが特に好ましい。
【0241】
相対移動速度比が、上記範囲よりも小さすぎる場合には、接触帯電部材と像担持体との接触確率を増加させることが十分にはできず、直接注入帯電による像担持体の帯電性を維持することが難しい。更に、上述の像担持体と接触帯電部材との接触部であるニップ部に介在する現像剤成分全体の量を接触帯電部材と像担持体との摺擦によって制限することにより像担持体の帯電阻害を抑制する効果、及び転写残トナーのパターンを均し、現像兼クリーニングでの現像剤の回収性を高める効果が十分には得られない。
【0242】
相対移動速度比が、上記範囲よりも大きすぎる場合には、帯電部材表面の移動速度を著しく高めることとなるために、像担持体と接触帯電部材とのニップ部に持ち運ばれた現像剤成分が飛散することによる装置内の汚染を生じ易く、像担持体及び接触帯電部材が摩耗し易くなり、又は傷の発生を生じ易くなり短寿命化する。
【0243】
ここで記述した相対的速度差を示す相対移動速度比は次式で表すことができる。なお、次式では帯電部材の移動速度をVc、像担持体の移動速度をVpとし、帯電部材表面の移動速度はニップ部において帯電部材表面が像担持体表面と同じ方向に移動するときを正の値としている。
相対移動速度比(%)=|(Vc−Vp)|/Vp×100
【0244】
また本発明では、接触帯電工程において、帯電部材表面をそれに対向する像担持体表面の移動方向と同じ方向に移動させて相対的速度差をもたせることも可能である。しかし、直接注入帯電の帯電性は像担持体の移動速度と帯電部材の移動速度の比に依存するため、逆方向と同じ相対移動速度比を得るには順方向では帯電部材の移動速度が逆方向の時に比べて大きくなるので、帯電部材を逆方向に移動させる方が移動速度の点で有利である。また、転写残トナーのパターンを均す効果においても、帯電部材表面を、それに対向する像担持体表面の移動方向と逆方向に移動させる方が有利である。
【0245】
本発明では、接触帯電部材に持ち運ばれる像担持体上の転写残トナー粒子を接触帯電部材に一時的に回収し均す効果を高めるために、帯電部材と像担持体とはそれらの対向する表面において互いに逆方向に移動すること、例えば、接触帯電部材を回転駆動し、さらに、その回転方向は、対向する接触帯電部材表面と像担持体表面の移動方向が逆方向になるように構成することが好ましい。
【0246】
表面が逆方向に移動することで、像担持体上の転写残トナー粒子を一旦像担持体から引き離して像担持体の帯電を行うことにより、優位に直接注入帯電を行うこと、及び潜像形成の阻害をより確実に抑制することが可能である。さらには、転写残トナーのパターンを均す効果を高めることで、現像兼クリーニングでの転写残トナーの回収性を高め、回収不良によるパターンゴーストの発生をより確実に防止することが可能となる。
【0247】
本発明においては、像担持体上の転写残トナー粒子を一時的に帯電部材に回収するとともに、導電性微粉末を帯電部材に担持し、像担持体と帯電部材との接触部であるニップ部を設けて直接注入帯電を優位に実行するために、接触帯電部材が弾性を有することが好ましい。また、接触帯電部材によって転写残トナーのパターンを均すことで現像兼クリーニングでの転写残トナー粒子の回収性を高める上でも、接触帯電部材が弾性を有することが好ましい。
【0248】
また本発明では、接触帯電工程において、前述したように種々の帯電部材を用いることができるが、このような帯電部材で本発明に好ましい帯電部材としては、例えば少なくとも表層が発泡体からなるローラー部材や、導電性を有するブラシ部材を挙げることができる。
【0249】
本発明に用いられるローラー部材は、アスカーC硬度が25〜50度の範囲であることが好ましく、25〜40度の範囲であることがさらに好ましい。硬度が低すぎると形状が安定しないために像担持体との接触性が悪くなり、更に、帯電ニップ部に介在する現像剤成分がローラー部材表層を削り、又は傷つけてしまうため、像担持体の安定した帯電性を得にくい。また、硬度が高すぎると像担持体との間に帯電ニップ部を十分には確保できないだけでなく、像担持体表面へのミクロな接触性が悪くなるので、均一な直接注入帯電性を得にくい。さらには、転写残トナーのパターンを均す効果が低下して転写残トナーの回収性を高めることが困難になる。ローラー部材の特定の硬度は、材料の選択及び公知の方法による硬度の調整により得ることができる。
【0250】
上記ローラー部材のアスカーC硬度は、JISK6301で規定されるスプリング式硬度計アスカーC(高分子計器株式会社製)を用いて測定することができる。本発明においては、荷重を9.8Nとし、ローラーの形態において測定を行う。
【0251】
またローラー部材は、弾性を持たせて像担持体との十分な接触状態を得ると同時に、移動する像担持体を充電するために十分低い抵抗を有する電極として機能することが重要である。一方では、像担持体にピンホールなどの欠陥部位が存在した場合にも帯電バイアスのリークを防止する必要がある。像担持体の十分な帯電性と耐リークを得るには、ローラー部材の体積固有抵抗が103〜108Ω・cmであることが好ましく、104〜107Ω・cmであることがより好ましい。体積固有抵抗が上記範囲よりも小さいと耐リーク性が不十分となることがあり、上記範囲よりも大きいと電極としての導電性が不十分となることがある。
【0252】
ローラー部材の体積固有抵抗は、直径30mmの円筒状アルミドラムにローラー部材を圧着し、ローラー部材の像担持体に対する長手方向での接触圧である、接触長さ1m当たり39.2Nの加重を前記アルミドラムに向けてローラー部材の芯金に行い、この状態で芯金とアルミドラムとの間に100Vの電圧を印加し、計測することができる。
【0253】
またローラー部材は、導電性微粉末の保持性を高めるために、表面に微小なセル又は凹凸を有していることが好ましい。ローラー部材表面が微小なセル又は凹凸を有していることで、像担持体へのローラー部材の接触圧をより低くして、像担持体を良好に注入帯電するのに十分な帯電ニップ部を設けることができ、ローラー部材及び像担持体の削れ、傷等の発生を抑制することができる。また転写残トナーのパターンを均す効果が高まるため、転写残トナーの回収性をより向上させることができる。微小なセル又は凹凸を有するローラー部材表面は、公知の方法によって形成することができるが、ローラー部材の少なくとも表層に発泡体を用いることも好ましい形態の一つである。
【0254】
ローラー部材は、例えば芯金上に可撓性部材としてのゴム又は発泡体の中抵抗層を形成することにより作製される。中抵抗層は樹脂(例えばウレタン)、導電性粒子(例えばカーボンブラック)、硫化剤、発泡剤等により処方され、芯金の上にローラー状に形成する。その後必要に応じて切削、表面を研磨して形状を整えローラー部材を作製することができる。
【0255】
ローラー部材の材質としては、弾性発泡体に限定するものではなく、弾性体の材料として、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ウレタン、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に、抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものが挙げられる。また、導電性物質を分散せずに、又は導電性物質と併用してイオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも可能である。
【0256】
ローラー部材は像担持体に対して、弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配設され、ローラー部材と像担持体のニップ部である帯電ニップ部が形成される。この帯電ニップ部の幅は特に制限されるものではないが、ローラー部材の像担持体への安定して密な密着性を得るため1mm以上、より好ましくは2mm以上が良い。この帯電ニップ部の幅は、ローラー部材の弾性、ローラー部材の像担持体への押圧力、ローラー部材及び像担持体の径又は接触部での曲率等によって適宜設定することができる。
【0257】
また、前述したブラシ部材としては、例えば一般に用いられている繊維に導電材を分散させて抵抗調整されたものを用いることができる。繊維としては、一般に知られている繊維が使用可能であり、例えば、ナイロン、アクリル、レーヨン、ポリカーボネート、ポリエステル等の繊維が挙げられる。導電材としては、一般に知られている導電材が使用可能であり、例えば、ニッケル、鉄、アルミニウム、金、銀等の導電性金属或いは酸化鉄、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化チタン等の導電性の金属酸化物、さらにはカーボンブラック等の導電粉が挙げられる。これら導電材は必要に応じ疎水化、抵抗調整の目的で表面処理が施されていてもよい。上記導電材の使用に際しては、繊維への分散性や生産性を考慮して適宜選択して用いる。
【0258】
またブラシ部材には、一般に固定型と回動可能なロール状のものがある。ロール状のブラシ部材としては、例えば導電性繊維をパイル地にしたテープを金属製の芯金にスパイラル状に巻き付けてロールブラシとしたものがある。導電性繊維としては、繊維の太さが1〜20デニール(繊維径10〜500μm程度)、ブラシの繊維の長さは1〜15mm、ブラシ密度は1平方メートル当たり1.5×107〜4.5×108本程度(1平方インチ当たり1万〜30万本)のものが好ましく用いられる。
【0259】
ブラシ部材は、ブラシ密度の高い物を極力使用することが好ましく、1本の繊維を数本〜数百本の微細な繊維から作ることも好ましい。例えば、300デニール/50フィラメントのように300デニールの微細な繊維を50本束ねて1本の繊維として植毛することも可能である。しかしながら、本発明においては、直接注入帯電の帯電ポイント数を決定しているのは、主には帯電部材と像担持体との帯電ニップ部及びその近傍の導電性微粉末の介在密度であるため、帯電部材の選択の範囲は広められている。
【0260】
ブラシ部材の抵抗値は、ローラー部材の場合と同様に、像担持体の十分な帯電性と耐リークを得るために103〜108Ω・cmの抵抗であることが好ましく、104〜107Ω・cmであることがより好ましい。ブラシ部材の抵抗は上述のローラー部材の場合と同様にして測定することができる。
【0261】
ブラシ部材の材料としては、ユニチカ(株)製の導電性レーヨン繊維REC−B、REC−C、REC−M1、REC−M10、さらに東レ(株)製のSA−7、日本蚕毛(株)製のサンダーロン、カネボウ製のベルトロン、クラレ(株)製のクラカーボ、レーヨンにカーボンを分散したもの、三菱レーヨン(株)製のローバル等があるが、環境安定性の点でREC−B、REC−C、REC−M1、REC−M10が特に好ましい。
【0262】
また、接触帯電部材が可撓性を有していることが帯電ニップ部において導電性微粉末が像担持体に接触する機会を増加させ、高い接触性を得ることができ、直接注入帯電性を向上させる点で好ましい。つまり、接触帯電部材が導電性微粉末を介して密に像担持体に接触して、帯電ニップ部に存在する導電性微粉末が像担持体表面を隙間なく摺擦することで、接触帯電部材による像担持体の帯電は放電現象を生じない、導電性微粉末を介しての安定かつ安全な直接注入帯電が支配的となる。したがって、直接注入帯電を本発明の画像形成方法に適用することにより、従来の放電帯電によるローラー帯電等では得られなかった高い帯電効率が得られ、接触帯電部材に印加した電圧とほぼ同等の電位を像担持体に与えることができる。
【0263】
更に、接触帯電部材が可撓性を有していることで、多量の転写残トナーが接触帯電部材に供給された場合に、一時的に転写残トナーを堰き止める効果及び転写残トナーのパターンを均す効果が高まることで、潜像形成阻害及び転写残トナー粒子の回収不良による画像不良の発生をより確実に防止することができる。
【0264】
本発明では、接触帯電工程において、前述した帯電部材に帯電バイアスを印加することにより像担持体を帯電させる。帯電部材に対する印加帯電バイアスは、直流電圧のみでも像担持体の良好な帯電性を得ることが可能であるが、直流電圧に交番電圧(交流電圧)を重畳してもよい。このような交番電圧の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。また、交番電圧は、直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成されたパルス波の電圧であっても良い。このように、交番電圧としては、周期的にその電圧値が変化するような波形を有するバイアスが使用できる。
【0265】
帯電部材に対する印加帯電バイアスの最大電圧は、帯電部材と像担持体との間の放電開始電圧よりも低いことが好ましい。印加帯電バイアスが放電開始電圧よりも高いと、放電により生成するオゾンやNOx等の放電生成物が像担持体に付着又は侵食し、像担持体の性能が低下、劣化する傾向にある。したがって接触帯電工程では、放電開始電圧よりも低く、かつ帯電性能が得られる印加帯電バイアスによって、直接注入帯電機構が支配的である帯電を行うことが好ましい。
【0266】
現像兼クリーニング方法では、像担持体上に残余する絶縁性の転写残トナー粒子が接触帯電部材と接触し、付着或いは混入することで像担持体の帯電性が低下するが、放電帯電機構が支配的である帯電方法の場合には、この帯電性低下が接触帯電部材表面に付着したトナー層が放電を阻害する抵抗となるあたりから急激に起こる。これに対し、直接注入帯電機構が支配的である帯電方法の場合には、付着或いは混入した転写残トナー粒子が接触帯電部材表面と像担持体との接触確率を低下させることにより像担持体の一様帯電性が低下し、静電潜像のコントラスト及び均一性の低下となり、画像濃度を低下させる或いはカブリを増大させることがある。
【0267】
放電帯電機構と直接注入帯電機構との、帯電性低下のメカニズムの相違に起因して、像担持体と像担持体に接触する帯電部材との接触部に少なくとも導電性微粉末を介在させることによる像担持体の帯電性低下の防止効果及び帯電促進効果は、直接注入帯電機構においてより顕著であり、直接注入帯電機構に本発明の現像剤を適用することが好ましい。
【0268】
すなわち、放電帯電機構においては、像担持体と像担持体に接触する帯電部材との接触部に少なくとも導電性微粉末を介在させることによって、接触帯電部材に付着或いは混入したトナー層が放電を阻害する抵抗とならないようにするためには、像担持体と像担持体に接触する帯電部材との接触部であるニップ部に介在する現像剤成分全体に対する導電性微粉末の含有比率をより大きくしなければならない。したがって、多量の転写残トナーが接触帯電部材に付着或いは混入する場合には、接触帯電部材に付着或いは混入したトナー層が放電を阻害する抵抗とならないように付着或いは混入するトナー量を制限するために、接触帯電部材から像担持体上に多くの転写残トナーを吐き出さねばならず、潜像形成を阻害し易くなる。
【0269】
これに対し、直接注入帯電機構において像担持体と像担持体に接触する帯電部材との接触部に少なくとも導電性微粉末を介在させることによって、容易に導電性微粉末を介して接触帯電部材と像担持体との接触点を確保でき、接触帯電部材に付着或いは混入した転写残トナーが接触帯電部材と像担持体との接触確率を低下させることを防止し、像担持体の帯電性の低下を抑制することができる。
【0270】
特に、接触帯電部材の表面における移動速度と像担持体の表面における移動速度との間に相対的速度差を設ける場合、接触帯電部材と像担持体との摺擦によって、像担持体と接触帯電部材との接触部であるニップ部に介在する現像剤成分全体の量が制限されることで像担持体の帯電阻害がより確実に抑制され、かつそのニップ部において導電性微粉末が像担持体に接触する機会を格段に増加することで、接触帯電部材と像担持体とのより高い接触性を得ることができ、導電性微粉末を介しての直接注入帯電をより促進することができる。
【0271】
これに対して放電帯電は、上記ニップ部ではなく、像担持体と接触帯電部材とが非接触で微小間隙を有する領域で放電が行われるため、ニップ部に介在する現像剤成分全体の量が制限されることによる帯電阻害の抑制が期待できない。この観点からも本発明においては、直接注入帯電機構が支配的である帯電方法であることが好ましく、放電帯電機構に頼らない直接注入帯電機構が支配的である帯電方法を実現するために、接触帯電部材に対する印加帯電バイアスの最大電圧は、接触帯電部材と像担持体との間の放電開始電圧よりも低いことが好ましい。
【0272】
接触帯電部材の表面における移動速度と像担持体の表面における移動速度との間に相対的速度差を設ける構成としては、接触帯電部材を回転駆動することによって速度差を設けることが好ましい。
【0273】
本発明に用いられる像担持体としては、従来より知られている種々の像担持体を用いることができ、例えばアモルファスセレン、CdS、ZnO2、アモルファスシリコン又は有機系感光物質のような光導電絶縁物質層を持つ感光ドラム若しくは感光ベルトであることが好ましく、アモルファスシリコン感光層、又は有機感光層を有する感光体が特に好ましく用いられる。
【0274】
本発明に用いられる像担持体の構成としては、従来より知られている種々の構成を採用することができ、例えば導電性基体と、この導電性基体上に形成される感光層とを有する一般的な構成を採用することができる。感光層としては、感光層が電荷発生物質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する単一層型でもよく、又は電荷輸送層と電荷発生層とを有する機能分離型感光層であっても良い。導電性基体上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
【0275】
像担持体の表面抵抗を調整することで、更に安定して像担持体に均一な帯電を行うことができる。
【0276】
像担持体の最表面層は像担持体の構成によって異なるが、本発明に用いられる像担持体は、最表面層における体積抵抗が1×109〜1×1014Ω・cmであることが、プロセススピードに関わらず像担持体を十分に帯電させる上で好ましく、1×1010〜1×1014Ω・cmであることがより好ましい。体積抵抗が上記範囲よりも小さいと、像担持体に形成される静電潜像を一定時間以上保持できないことがあり、体積抵抗が上記範囲よりも大きいと、接触帯電工程において効率の良い帯電に支障を来すことがある。また最表面層の体積抵抗が1×1010Ω・cm以上であると、高湿環境下においても微小な潜像まで乱されることなく静電潜像を保持する上で好ましい。
【0277】
更に、像担持体が電子写真感光体であり、該電子写真感光体の最表面層の体積抵抗が1×109Ω・cm以上1×1014Ω・cm以下であることにより、プロセススピードの速い装置においても、像担持体に十分な帯電を与えることができ、より好ましい。
【0278】
なお、像担持体の最表面層の体積抵抗は、表面に金を蒸着させたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、像担持体の最表面層と同様の組成からなる層を作製し、これを体積抵抗測定装置(ヒューレットパッカード社製4140BpAMATER)にて、温度23℃,湿度65%の環境で100Vの電圧を印加することにより測定することができる。
【0279】
また本発明で用いられる像担持体の最表面層は、少なくとも金属酸化物からなる導電性微粒子が少なくとも分散された樹脂層であることが好ましい。すなわち、像担持体の最表面層をこのような構成にすることにより、像担持体の表面の抵抗を下げることによってより効率良く電荷の授受を行うことができ、かつ表面の抵抗を下げたことで像担持体が静電潜像を保持している間に潜像電荷が拡散することによる潜像のボケ及び流れをより一層抑制することができる。
【0280】
上記金属酸化物導電性微粒子が分散された樹脂層の場合、分散された粒子による入射光の散乱を防ぐために、入射光の波長よりも金属酸化物導電性微粒子の粒径の方が小さいことが必要である。したがって、分散される金属酸化物導電性微粒子の粒径としては0.5μm以下であることが好ましい。金属酸化物導電性微粒子の含有量は、最表面層の総質量に対して2〜90質量%であることが好ましく、5〜70質量%であることがより好ましい。
【0281】
金属酸化物導電性微粒子の含有量が上記範囲よりも少なすぎる場合には、所望の体積抵抗値を得にくくなる。また、含有量が上記範囲よりも多すぎる場合には、膜強度が低下しやすく、電荷注入層が削り取られて感光体の寿命が短くなる傾向があり、また抵抗が低くなりすぎてしまうことによって潜像電位が流れることによる画像不良を生じやすくなる。
【0282】
上記金属酸化物導電性微粒子としては、好ましくは、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化スズ被膜酸化チタン、スズ被膜酸化インジウム、アンチモン被膜酸化スズ又は酸化ジルコニウム等の超微粒子が挙げられる。これらは単独で用いても、二種以上を混合して用いても良い。
【0283】
また本発明に用いられる像担持体は、像担持体表面の水に対する接触角は85度以上であることが好ましく、上記接触角が90度以上であることがより好ましい。上記接触角が大きいということは、像担持体表面がトナー粒子に対して高い離型性を有することを示す。この効果により、現像兼クリーニング工程において転写残トナー粒子の回収効率が大きく向上する。また、転写残トナー粒子を著しく減少させることができため、転写残トナー粒子による像担持体の帯電性低下をさらに抑制することができる。
【0284】
上記接触角を実現するための手段としては種々の方法が考えられるが、例えば、樹脂の構造中にフッ素含有基又はシリコーン含有基を導入すること等により膜を構成する樹脂自体に表面エネルギーの低いものを用いること、界面活性剤を添加剤として添加すること等、撥水、親油性を付与するような添加剤を加えること、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン及びフッ化カーボンの如きフッ素原子を含む化合物、シリコーン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂等、高い離型性を有する材料を粉体状にして分散すること、などが挙げられる。これらの手段によって像担持体表面の水に対する接触角を85度以上とすることが可能である。
【0285】
これらの中でも像担持体の最表面層が、少なくともフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂及びポリオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも一種以上の材料からなる滑剤微粒子が分散された層であることが好ましい。特にポリ四フッ化エチレンやポリフッ化ビニリデンの如き含フッ素樹脂を用いることが好適である。上記離型性を有する粉体として含フッ素樹脂を用いた場合には、最表面層への分散が好適である。
【0286】
これらの粉体を表面に含有させるためには、バインダー樹脂中に該粉体を分散させた層を感光体最表面に設けるか、あるいは、元々樹脂を主体として構成されている有機感光体であれば、新たに表面層を設けなくても、最表面層に該粉体を分散させれば良い。
【0287】
上記滑剤微粒子の像担持体表面層への添加量は、表面層総質量に対して、1〜60質量%とすることが好ましく、さらには2〜50質量%とすることがより好ましい。添加量が上記範囲よりも少なすぎると、転写残トナー粒子が十分に減少せず、現像兼クリーニング工程での転写残トナー粒子の回収効率を高める効果が十分でなく、添加量が上記範囲よりも大きすぎると、膜の強度が低下したり、感光体への入射光量が著しく低下して像担持体の帯電性を損ねたりするため好ましくない。滑剤微粒子の粒径については、画質の面から1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましい。滑剤微粒子の粒径が上記範囲よりも大きすぎると、入射光の散乱によりラインの切れが悪くなり実用に耐えないことがある。
【0288】
なお本発明において上記接触角の測定は、純水を用い、装置は協和界面科学(株)製接触角計CA−DS型を用いて行うことができる。
【0289】
本発明に用いられる像担持体の好ましい様態のひとつを以下に説明する。
【0290】
図5は、表面層として電荷注入層を設けた像担持体の層構成模型図である。この像担持体は、導電性基体(アルミニウムドラム基体)11上に導電層12、正電荷注入防止層13、電荷発生層14、電荷輸送層15の順に重ねて塗工された一般的な有機感光体ドラムに電荷注入層16を塗布することにより、電荷注入による帯電性能を向上させたものである。電荷注入層16には金属酸化物導電性微粒子が分散されている。
【0291】
像担持体の最表層に形成される電荷注入層16として重要な点は、表層の体積抵抗値が1×109〜1×1014Ω・cmの範囲にあることである。本構成のように電荷注入層16を設けない場合でも、例えば像担持体の最表層となる電荷輸送層15が上記抵抗範囲にある場合は同等の効果が得られる。例えば、表層の体積抵抗が約1013Ω・cmであるアモルファスシリコン感光体等を用いても同様に電荷注入による良好な帯電性が得られる。
【0292】
導電性基体としては、アルミニウム又はステンレスの如き金属;アルミニウム合金又は酸化インジウム−酸化錫合金による被膜層を有するプラスチック;導電性粒子を含侵させた紙又はプラスチック;導電性ポリマーを有するプラスチック;の円筒状シリンダー及びフィルムが用いられる。
【0293】
上記導電性基体上には、感光層の接着性向上、塗工性改良、基体の保護、基体上の欠陥の被覆、基体からの電荷注入性改良又は感光層の電気的破壊に対する保護を目的として下引き層(導電層)を設けても良い。
【0294】
下引き層は、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリビニルブチラール、フェノール樹脂、カゼイン、ポリアミド、共重合ナイロン、ニカワ、ゼラチン、ポリウレタン又は酸化アルミニウム等の材料によって形成される。下引き層の膜厚は通常0.1〜10μm、好ましくは0.1〜3μmが良い。
【0295】
電荷発生層は、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩類、チオピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素又はセレンや非晶質シリコンの如き無機物質等の電荷発生物質を適当な結着剤に分散し塗工することにより、あるいは蒸着により形成する。なかでもフタロシアニン系顔料が感光体感度を本発明に適合する感度に調整する上で好ましい。
【0296】
結着剤としては、広範囲な結着性樹脂から選択でき、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。電荷発生層中に含有される結着剤の量は80質量%以下であることが好ましく、0〜40質量%であることがより好ましい。電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.05〜2μmであることがより好ましい。
【0297】
電荷輸送層は、電界の存在下で電荷発生層から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有している。電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて結着樹脂と共に溶剤中に溶解し、塗工することによって形成され、その膜厚は一般的には5〜40μmである。電荷輸送物質としては、主鎖又は側鎖にビフェニレン、アントラセン、ピレン及びフェナントレンの如き多環芳香族化合物;インドール、カルバゾール、オキサジアゾール及びピラゾリンの如き含窒素環式化合物;ヒドラゾン化合物;スチリル化合物;セレン;セレン−テルル;非晶質シリコン;硫化カドニウム等が挙げられる。
【0298】
これら電荷輸送物質を分散させる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂及びポリアミド樹脂の如き樹脂;ポリ−N−ビニルカルバゾール及びポリビニルアントラセンの如き有機光導電性ポリマー等が挙げられる。
【0299】
電荷注入層は、電荷注入をより効率化或いは促進する目的で、像担持体の表面に設けることが好ましい。電荷注入層は、樹脂中に金属酸化物導電性微粒子を分散させた形態が好ましい。
【0300】
電荷注入層を設ける形態としては、例えば、
(i)セレン、アモルファスシリコンの如き無機感光体又は単一層型有機感光体の上に、電荷注入層を設ける
(ii)機能分離型有機感光体の電荷輸送層として、電荷輸送剤と樹脂を有する表面層を持つものに電荷注入層としての機能を兼ねさせる
(例えば、電荷輸送層として樹脂中に電荷輸送剤と導電性粒子を分散させる、あるいは電荷輸送剤自体若しくはその存在状態によって、電荷輸送層に電荷注入層としての機能を持たせる)
(iii)機能分離型有機感光体上にさらに最表面層として電荷注入層を設ける等がある。
【0301】
電荷注入層としては、例えば、金属蒸着膜等の無機材料の層、あるいは導電性微粒子を結着樹脂中に分散させた導電粉分散樹脂層等によって構成され、蒸着膜は蒸着、導電粉分散樹脂層はディッピング塗工法、スプレー塗工法、ロールコート塗工法及びビーム塗工法等の適当な塗工法にて塗工することによって形成される。また、絶縁性のバインダーに光透過性の高いイオン導電性を持つ樹脂を混合若しくは共重合させて構成するもの、又は中抵抗で光導電性のある樹脂単体で構成するものでもよい。
【0302】
また、電荷注入層の層厚は、0.1〜10μmであることが好ましく、潜像の輪郭のシャープさを得る上では5μm以下であることがより好ましく、電荷注入層の耐久性の点からは1μm以上であることがより好ましい。
【0303】
電荷注入層のバインダーは下層のバインダーと同じとすることも可能であるが、この場合には電荷注入層の塗工時に下層(例えば電荷輸送層)の塗工面を乱してしまう可能性があるため、形成方法を特に選択する必要がある。
【0304】
本発明に用いられる像担持体には、表面層として、電荷注入をより効率化或いは促進するために樹脂中に導電性微粒子を分散させた層を設けてもよい。表面層の樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、あるいはこれらの樹脂の硬化剤が単独あるいは二種以上組み合わされて用いられる。
【0305】
本発明においては、像担持体の帯電面に静電潜像を形成する潜像形成工程が、像担持体表面に静電潜像としての画像情報を像露光により書き込む像露光工程であることが好ましい。静電潜像形成のための画像露光手段としては、デジタル的な潜像を形成するレーザー走査露光手段に限定されるものではなく、通常のアナログ的な画像露光やLEDなどの他の発光素子による露光でも構わないし、蛍光灯等の発光素子と液晶シャッター等の組み合わせによるものなど、画像情報に対応した静電潜像を形成できるものであるなら構わない。
【0306】
像担持体は静電記録誘電体等であっても良い。この場合は、像担持面としての誘電体面を所定の極性及び電位に一様に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除電手段で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形成する。
【0307】
本発明の画像形成方法では、良好な画像を安定して形成する観点から、現像兼クリーニング工程及び通常の現像工程のいずれに関わらず、現像工程において非接触現像方法を採用することが好ましい。本発明では、現像工程は、像担持体に対して100〜1000μmの離間距離で対向して設置され、現像剤を担持する現像剤担持体から、現像剤を像担持体に転移させることにより静電潜像を現像する工程であることが好ましい。
【0308】
現像剤担持体の像担持体に対する離間距離が上記範囲よりも小さすぎると、離間距離の振れに対する現像剤の現像特性の変化が大きくなるため、安定した画像性を満足する画像形成装置を量産することが困難となることがある。現像剤担持体の像担持体に対する離間距離が上記範囲よりも大きすぎると、像担持体上の潜像に対するトナー粒子の追従性が低下するために、解像性の低下、画像濃度の低下等の画質低下を招くことがある。また、像担持体上への導電性微粉末の供給性が低下し易く、像担持体の帯電性が低下し易くなる。
【0309】
より好ましくは現像剤担持体は像担持体に対して100〜600μmの離間距離を有して対向して設置されることである。現像剤担持体の像担持体に対する離間距離が100〜600μmであることで、現像兼クリーニング工程における転写残トナー粒子の回収がより優位に行える。離間距離が上記範囲よりも大きすぎると、現像兼クリーニング工程での転写残トナー粒子の回収性が低下し、回収不良によるカブリを生じ易くなる。これらの観点から、現像剤担持体の像担持体に対する離間距離が150〜400μmであることが特に好ましい。
【0310】
また、本発明では、現像工程は現像剤担持体上に現像剤を5〜30g/m2の密度で担持させることにより現像剤層を形成し、この現像剤層から現像剤を像担持体に転移させることにより静電潜像を現像する工程であることが好ましい。上記範囲の現像剤層を形成することで、現像剤担持体上の現像剤への摩擦帯電付与がより均一に行われ易く、回収した転写残トナー粒子が現像剤担持体近傍のトナー粒子の摩擦帯電に与える影響を軽減し、より安定した現像兼クリーニング性が得られる。
【0311】
現像剤量が上記範囲よりも少なすぎる場合には、回収した転写残トナー粒子が現像担持体近傍のトナー粒子の摩擦帯電に影響を与え易く、一部のトナー粒子の摩擦帯電が過剰になることによる現像剤層のムラを生じ、転写残トナー粒子の回収性が不均一となることがある。現像剤担持体上の現像剤量が上記範囲よりも多すぎる場合には、回収した転写残トナー粒子が再度の摩擦帯電を十分には付与されることなく再び現像部に搬送され、現像に供されることでカブリをより生じ易くなる。
【0312】
また、本発明においては、現像剤担持体上の現像剤量を規制する部材が現像剤を介して現像剤担持体に当接されていることによって、現像剤担持体上での現像剤担持量又は現像剤層の厚さが規制されることが、転写残トナー粒子の回収による現像性の変動を抑制でき、現像剤が温湿度環境の影響を受けにくく均一な摩擦帯電を得ることができ、転写性が良好となり特に好ましい。
【0313】
本発明において、現像剤担持体上の現像剤量は、金属円筒管により現像剤担持体上の現像剤を円筒フィルターに吸引捕集し、吸引捕集した現像剤担持体上の部位の面積S、及び捕集された現像剤質量Mを計測し、単位面積あたりの現像剤量M/S(g/m2)を算出することで求めることができる。
【0314】
本発明において、非接触型現像方法を適用するために、現像工程は、像担持体に対向して設置された現像剤担持体の像担持体に対する所定の離間距離よりも、現像剤担持体上の現像剤層を薄く形成し、この現像剤層から現像剤を電気的に像担持体表面に転移させることにより静電潜像を現像する工程であることが好ましい。なお本明細書において離間距離は現像剤担持体表面と像担持体表面との間の最短距離を意味する。本発明によって、従来は困難であった非接触型現像方法を用いた現像兼クリーニング画像形成を高い画像品位で実現することが可能となる。
【0315】
現像工程において、像担持体に対して現像剤層を非接触とし、像担持体の静電潜像をトナー画像として可視化する非接触型現像方法を適用することで、電気抵抗値が低い導電性微粉末を現像剤中に多量に添加しても、現像バイアスが像担持体へ注入することによる現像カブリが発生しにくく、良好な画像を得ることができる。
【0316】
本発明では、現像剤担持体と像担持体との間に交番電界(交流電界)を形成して現像を行う現像工程で現像されることが好ましい。非接触型現像方法を適用する場合、現像剤担持体と像担持体との間に交番電界を形成することで像担持体上(特に非画像部)への導電性微粉末の供給性が向上し、像担持体の一様帯電性をより向上させ、転写残トナー粒子の回収性をより安定化することができる。
【0317】
交番電界を形成しないと、画像部にはトナー粒子の現像とともに導電性微粉末を像担持体上に転移させることができるが、非画像部での導電性微粉末の供給性が不足する傾向にある。例えば、画像比率の少ない(現像されるトナー量の少ない)画像形成を繰り返し行うことで、像担持体と接触帯電部材との接触部であるニップ部の介在する導電性微粉末の量が減少し、像担持体の帯電促進効果が低下し、現像兼クリーニングにおいても像担持体上の導電性微粉末の存在量が減少し、転写残トナー粒子の回収を促進する効果が低下する。
【0318】
交番電界は現像剤担持体と像担持体との間に交番電圧を印加することにより形成することができる。印加する現像バイアスは直流電圧に交番電圧(交流電圧)を重畳したものであってもよい。
【0319】
交番電圧の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等が適宜使用可能である。また、直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成されたパルス波であっても良い。このように交番電圧の波形としては周期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用できる。
【0320】
現像剤を担持をする現像剤担持体と像担持体との間に、少なくともピークトゥーピークの電界強度で3×106〜10×106V/m、周波数100〜5000Hzの交流電界(交番電界)を、現像バイアスの印加により形成することが好ましい。上記範囲の交流電界を現像バイアスの印加により形成することで、現像剤中に添加された導電性微粉末が均等に像担持体側に移行されやすく、転写工程後の像担持体上に均一に導電性微粉末を供給することができ、帯電部で導電性微粉末を介しての接触帯電部材と像担持体との均一かつ緻密な接触を得ることで、像担持体の一様帯電(特に直接注入帯電)を顕著に促進することができる。
【0321】
また、交番電界を現像バイアスの印加により形成することで、現像剤担持体と像担持体との間に高電位差がある場合でも、現像部における像担持体への電荷注入が生じないため、導電性微粉末を現像剤中に多量に添加しても、現像バイアスが像担持体へ電荷を注入することによる現像カブリが発生せず、良好な画像を得ることができる。
【0322】
現像剤担持体と像担持体との間に現像バイアスの印加より形成される交番電界の強度が上記範囲よりも小さすぎると、像担持体に供給される導電性微粉末の量が不足しやすく、像担持体の一様帯電性が低下し易い。また、現像力が小さいために画像濃度の低い画像となり易い。一方、現像バイアスの印加による交番電界の強度が上記範囲よりも大きすぎると、現像力が大き過ぎるために細線の潰れによる解像性の低下、カブリの増大による画質低下及び像担持体の帯電性の低下を生じ易く、現像バイアスの像担持体へのリークによる画像欠陥を生じ易くなる。
【0323】
また、現像剤担持体と像担持体との間に現像バイアスの印加により形成される電界の交流成分の周波数が上記範囲よりも小さすぎると、像担持体に均一に導電性微粉末が供給されにくく、像担持体の一様帯電のむらを生じ易くなる。上記交流成分の周波数が上記範囲よりも大きすぎると、像担持体に供給される導電性微粉末の量が不足しやすく、像担持体の一様帯電性が低下し易い。
【0324】
さらに、現像剤を担持をする現像剤担持体と像担持体との間に、少なくともピークトゥーピークの電界強度で4×106〜10×106V/m、周波数500〜4000Hzの交流電界(交番電界)を、現像バイアスの印加により形成することがより好ましい。上記範囲の交流電界を現像バイアスの印加により形成することで、現像剤中に添加された導電性微粉末が均等に像担持体側に移行されやすく、帯電工程後の像担持体にも均一に導電性微粉末を供給することができ、現像兼クリーニング画像形成に非接触型現像方法を適用した場合においても高い転写残トナー粒子の回収性が維持できる。
【0325】
現像剤担持体と像担持体との間に現像バイアスの印加により形成される交番電界の強度が上記範囲よりも小さすぎると、現像兼クリーニング工程での転写残トナー粒子の回収性が低下し、回収不良によるカブリを生じ易くなる。また、現像剤担持体と像担持体との間に現像バイアスの印加より形成される電界の交流成分の周波数が上記範囲よりも小さすぎると、像担持体からの転写残トナー粒子の脱着頻度が少なくなり、現像兼クリーニング工程での転写残トナー粒子の回収性が低下しやすく、画像品質も低下し易い。上記交流成分の周波数が上記範囲よりも大きすぎると、電界の変化に追従できる転写残トナー粒子が少なくなるために、転写残トナー粒子の回収性が低下し易い。
【0326】
また、本発明においては、現像剤を担持する現像剤担持体表面は、像担持体表面と対向する部分において像担持体表面の移動方向と同方向に移動していてもよいし、逆方向に移動していてもよい。その移動方向が同方向である場合、像担持体表面の移動速度に対して、現像剤担持体表面の移動速度は比で100%以上であることが望ましい。
【0327】
100%未満であると、画像品質が悪くなる傾向がある。上記移動速度比が100%以上(現像部において現像剤担持体表面の移動速度が像担持体表面の移動速度よりも大きい又は同じ)であれば、現像剤担持体側から像担持体側へのトナー粒子の供給が十分に行われるため、十分な画像濃度を得やすく、導電性微粉末の供給も十分に行われるため、像担持体の良好な帯電性を得ることができる。
【0328】
更に、現像剤担持体表面の移動速度が像担持体表面の移動速度に対し、1.05〜3.0倍の速度であることがより好ましい。移動速度比が高まるほど現像部位に供給されるトナー粒子の量は多く、潜像に対するトナー粒子の脱着頻度が多くなり、不要な部分は掻き落とされ必要な部分には付与されるという繰り返しにより、転写残トナー粒子の回収性が向上し、回収不良によるパターンゴーストの発生をより確実に抑制することができる。さらには、潜像に忠実な画像が得られる。
【0329】
また、接触現像プロセスにおいては、移動速度比が高まるほど像担持体と現像剤担持体との摺擦により転写残トナー粒子の回収性がより向上する。しかし、移動速度比が上記範囲を大きく超えると、現像剤担持体上からの現像剤の飛散によるカブリ、画像汚れを生じ易くなり、接触現像プロセスでは像担持体あるいは現像剤担持体が摺擦による摩耗や削れのために短寿命化し易く、現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤層厚規制部材が現像剤を介して現像剤担持体に当接されている場合には現像剤層厚規制部材あるいは現像剤担持体が摺擦による摩耗や削れのために短寿命化し易い。上記観点から、現像剤担持体表面の移動速度が像担持体表面の移動速度に対し、1.1〜2.5倍の速度であることがさらに好ましい。
【0330】
本発明に用いられる現像剤担持体としては、アルミニウム、ステンレススチールの如き金属又は合金で形成された導電性円筒(現像ローラー)が好ましく使用される。十分な機械的強度及び導電性を有する樹脂組成物で導電性円筒が形成されていても良く、導電性のゴムローラーを用いても良い。また、上記のような円筒状に限られず、回転駆動する無端ベルトの形態をしても良い。
【0331】
また、本発明に使用される現像剤担持体の表面粗さはJIS中心線平均粗さ(Ra)で0.2〜3.5μmの範囲にあることが好ましい。Raが上記範囲よりも小さすぎると、現像剤担持体上の現像剤担持量が減少するために、或いは現像剤担持体上の現像剤の摩擦帯電量が高くなりすぎる傾向があるために現像性が不十分となり易い。また、Raが上記範囲よりも大きすぎると、現像剤担持体上の現像剤層にむらが生じ、画像上で濃度むらとなり易い。Raの範囲は、さらに好ましくは、0.5〜3.0μmである。
【0332】
さらに、本発明に使用される現像剤担持体は、現像剤担持体表面に導電性の微粒子及び/又は滑剤が分散されている樹脂組成物で形成されている被覆層を有していることが現像剤担持体上での現像剤の総摩擦帯電量をコントロールする上で好ましい。
【0333】
現像剤担持体の被覆層において、樹脂材料に含まれる導電性の微粒子は、1.2×107Paで加圧した後の抵抗値が0.5Ω・cm以下であるものが好ましい。
【0334】
導電性の微粒子としては、カーボン微粒子、カーボン微粒子と結晶性グラファイトとの混合物、又は結晶性グラファイトが好ましい。導電性の微粒子は、0.005〜10μmの粒径を有するものが好ましい。
【0335】
樹脂材料としては、例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂の如き熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂の如き熱硬化性樹脂あるいは光硬化性樹脂を使用することができる。
【0336】
中でもシリコーン樹脂、フッ素樹脂のような離型性のあるもの、あるいはポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミド、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、スチレン系樹脂のような機械的性質に優れたものがより好ましい。特に、フェノール樹脂が好ましい。
【0337】
導電性の微粒子は、樹脂成分10質量部当たり、3〜20質量部使用することが好ましい。また、導電性の微粒子として、カーボン微粒子とグラファイト粒子を組み合わせて使用する場合は、グラファイト10質量部当たり、カーボン微粒子1〜50質量部を使用することが好ましい。導電性の微粒子が分散されてる現像剤担持体の被覆層の体積抵抗率は10-6〜106Ω・cmであることが好ましい。
【0338】
本発明において、現像剤担持体上に1m2当たり3〜30gの割合で現像剤を担持させた現像剤層を形成することが好ましい。現像剤担持体上の現像剤量が上記範囲の現像剤層を形成することで、均一な現像剤層を形成し易く、導電性微粉末が像担持体上に均一に供給されることで、像担持体の均一な帯電が得られ易い。
【0339】
現像剤担持体上の現像剤量が上記範囲よりも少なすぎる場合には、十分な画像濃度が得られにくく、現像剤担持体上の現像剤層の微小なむらが生じ易い。現像剤担持体上の現像剤層で微小なむらを生ずると、画像濃度むら及び導電性微粉末の供給むらとなり、像担持体の帯電むらとして現れる。また、現像剤担持体上の現像剤量が上記範囲よりも多すぎる場合には、トナー粒子への摩擦帯電の付与が不十分となり易く、トナー飛散を生じ易くなり、カブリの増大、転写性の低下により像担持体の帯電を阻害し易くなる。
【0340】
電界に対するトナー粒子の追従性は、上述した電界の強度及び周波数の他に、トナー粒子の質量(粒径と比重が関係)及び帯電量(トナー粒子の比電荷)にも大きく影響される。トナー粒子の径が大きい又は帯電量が低い場合、現像電界の変化に対するトナー粒子の追従性が低下し、トナー粒子の現像量が低下する。
【0341】
したがって、現像剤が導電性微粉末を有することが必要であるために、現像剤の帯電量が低くなり易い本発明の現像剤を、非接触現像に適用し、現像バイアスとして交流電界を印加する場合には、トナー粒子の現像電界に応じた追従性を維持し、良好な画像を得るために必要なトナー粒子の現像量を確保するために、現像剤が0.60μm以上159.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、3.00μm以上8.96μm未満の粒径範囲の粒子を15〜70個数%含有することが必要である。
【0342】
また、現像剤の100メッシュパス−200メッシュオンの球形鉄粉に対する摩擦帯電量が絶対値で、20〜100mC/kgであることが好ましい。また現像剤が、現像電界によるトナー粒子の追従性が低い、粒子径の大きなトナー粒子を多く含まないために、現像剤の0.60μm以上159.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、8.96μm以上の粒子が0〜20個数%であることが好ましい。
【0343】
現像電界による導電性微粉末の挙動は、トナー粒子の現像電界に対する追従性の影響を大きく受ける。導電性微粉末は、導電性であるが故に高い帯電量(粒子の比電荷)を保持しにくいため、導電性微粉末単独での現像電界への追従性は低い。導電性微粉末の挙動は、主に現像電界に追従して挙動するトナー粒子の運動によって誘起される。例えば、非接触現像プロセスでは、現像電界により現像剤担持体上の現像剤層から像担持体上の潜像へ転移するトナー粒子に、押されてあるいは引き連れられて導電性微粉末も現像剤層から潜像上へ転移する。
【0344】
また、磁性トナー粒子を有する磁性現像剤を用い、この磁性現像剤を磁界下において現像剤担持体上に担持させ、現像部へ搬送する画像形成プロセスでは、磁性現像剤は磁気的凝集力及び反発力により、現像剤担持体上でいわゆる「穂」と称されるトナー粒子の(導電性微粉末の粒子を含む)集合体を形成する。磁性現像剤が、この「穂」の状態で現像電界により現像剤担持体上から像担持体上へ転移し、像担持体上で「穂」が個々の粒子にばらされることで、「穂」に含まれる導電性微粉末が像担持体上へ転移する。上述のように、現像電界により磁性現像剤がトナー粒子及び導電性微粉末の粒子の集合体である「穂」として現像剤担持体上から像担持体上へ転移するため、磁性現像剤を用いることで導電性微粉末をより高効率に像担持体上へ供給することができる。
【0345】
現像剤担持体と像担持体との間に、現像バイアスの印加により交流電界(交番電界)を形成して現像を行う場合には、像担持体へのトナー粒子の脱着頻度が高くなる交番電界ほど、又は交番電界への追従性の高いトナー粒子を多く含む現像剤を用いるほど、像担持体上への導電性微粉末の供給を優位に行うことができる。
【0346】
また、像担持体上への導電性微粉末の供給性は、導電性微粉末の像担持体上及びトナー粒子表面への付着し易さ又は保持性にもよる。本発明においては、現像剤が有する導電性微粉末は、含窒素化合物によって表面処理を施した形態であることにより、像担持体上に付着及び保持され易く、さらに転写材に付着、転移して排出されることが少ないため、像担持体上への導電性微粉末の供給をより優位に行うことができる。
【0347】
本発明において、転写工程は、現像工程によって形成されたトナー像を中間転写体に転写した後に、転写材に再転写する工程であっても良い。すなわち、像担持体からトナー像の転写を直接受ける転写材は転写ドラム等の中間転写体であってもよい。中間転写体を用いる場合、中間転写体から紙などの転写材に再度転写することでトナー画像が得られる。中間転写体を適用することで厚紙等の種々の記録媒体によらず像担持体上の転写残トナー量を低減できる。
【0348】
また、本発明において、転写時に転写部材が転写材(記録媒体)を介して像担持体に当接していることが好ましい。
【0349】
像担持体に転写材を介して転写部材を当接しながら像担持体上のトナー像を転写材に転写する接触転写工程では、転写部材の像担持体との長手方向での接触長1m当たり2.94〜980Nの加重を行って転写部材を像担持体に当接させることが好ましく、19.6〜490Nの加重を行うことがより好ましい。
【0350】
転写部材の当接圧力が上記範囲よりも小さすぎると、転写残トナーが増加し像担持体の帯電性を阻害し易くなる。当接圧力が上記範囲よりも大きすぎると、押圧力により導電性微粉末が転写材に転写され易くなり、導電性微粉末の像担持体及び接触帯電部材への供給量が減少し、像担持体の帯電促進効果が低下し易く、現像兼クリーニングでの転写残トナー粒子の回収性が低下し易い。また、画像上でのトナーの飛び散りが増加することがある。
【0351】
また、接触転写工程における転写手段として、転写ローラーあるいは転写ベルトを有する装置が好ましく使用される。転写ローラーは少なくとも芯金と芯金を被覆する導電性弾性層を有し、導電性弾性層はポリウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)の如き弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化ケイ素のごとき導電性付与剤を配合分散し、電気抵抗値(体積抵抗率)を106〜1010Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるいは発泡肉質の層等による弾性体であることが好ましい。
【0352】
転写ローラーでの好ましい転写プロセス条件としては、転写ローラーを像担持体に2.94〜980N/mの線圧で(転写ローラーの像担持体との長手方向での接触長1m当たり2.94〜980Nの加重を行って)圧接させて転写ニップ部を形成させることが好ましく、線圧を19.6〜490N/mに設定することがより好ましい。当接圧力としての線圧が上記範囲よりも小さすぎる場合には、転写材の搬送ずれや転写不良の発生が起こりやすくなるため好ましくない。当接圧力が上記範囲よりも大きすぎる場合には、像担持体表面の摩耗やトナー粒子の付着を招き、結果として像担持体表面へのトナー融着を生じる傾向がある。
【0353】
転写材を介して像担持体に転写手段を当接させながらトナー画像を転写材に静電転写する接触転写工程では、印加される直流電圧は±0.2〜±10kVであることが好ましい。
【0354】
また、本発明は、像担持体として周囲長が100mm以下の小径の感光体(例えば直径が30mmの小径ドラム感光体)を有する画像形成装置に対し特に有効に用いられる。転写材としてA4サイズ紙を用いる場合は、像担持体の周囲長が約210mm以下で、A3サイズ紙を用いる場合は像担持体の周囲長が約420mm以下で、1回の画像形成において像担持体上に繰り返し作像される部分ができるが、像担持体の周囲長が100mm以下の場合は、1回の画像形成において像担持体上に3回以上繰り返し作像される部分ができ、転写残トナー粒子の回収性に優れ、像担持体の帯電均一性に優れる本発明の効果がより際立ってみられる。
【0355】
また、転写工程後かつ帯電工程前に独立したクリーニング工程を有さないことで、帯電、露光、現像、転写各工程の配置の自由度が高まり、周囲長が100mm以下の小径の感光体と組み合わせて、画像形成装置の小型化、省スペース化を達成できる。ベルト状感光体を用いる場合には周囲長が100mm以下の感光体ベルトを用いることで、ドラム状感光体を用いる場合には直径が30mm以下の感光体ドラムを用いることで、各工程の配置の自由度が高まり、画像形成装置の小型化、省スペース化を達成でき、本発明の効果をより有効に生かすことが可能な画像形成装置を得ることができる。
【0356】
次に本発明のプロセスカートリッジについて説明する。このプロセスカートリッジは、前述した像担持体と、前述した現像手段とを有し、この現像手段が前述した現像兼クリーニング工程を実現する現像兼クリーニング手段である構成、及び前述した接触帯電工程を実現する接触帯電手段をさらに有する構成、の少なくともいずれか一方の構成とされている。本発明のプロセスカートリッジに用いられる現像手段や接触帯電手段については、前述した画像形成方法における各工程を実現できる公知の構成を利用することができ、採用する工程や現像剤の種類等によって適宜選択することができる。本発明のプロセスカートリッジにおける実施の形態について、画像形成装置に装着された状態を図示しつつ説明する。
【0357】
前述した画像形成装置の一態様を図1を参照して説明する。
【0358】
この画像形成装置は、転写式電子写真プロセスを利用した現像兼クリーニングプロセス(クリーナーレスシステム)のレーザープリンター(記録装置)である。クリーニングブレードなどのクリーニング部材を有するクリーニングユニットを除去したプロセスカートリッジを有し、現像剤としては磁性一成分系現像剤を使用し、現像剤担持体上の現像剤層と像担持体が非接触となるよう配置される、非接触現像の画像形成装置の例である。
【0359】
1は像担持体としての、回転ドラム型OPC感光体であり、時計方向(矢印の方向)に120mm/secの周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。2は接触帯電部材としての帯電ローラーである。
【0360】
帯電ローラー2は感光体1に対して弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配設してある。nは感光体1と帯電ローラー2のニップ部である帯電ニップ部である。本態様では、帯電ローラー2は、感光体1との接触面である帯電ニップ部nにおいて対向方向(感光体表面の移動方向と逆方向)に120mm/secの周速度(相対移動速度比200%)で回転駆動されている。即ち接触帯電部材としての帯電ローラー2の表面は感光体1の表面に対して速度差を有している。また、帯電ローラー2の表面には、塗布量がおよそ一層で均一になるように導電性微粉末が塗布される。
【0361】
また帯電ローラー2の芯金には、帯電バイアス印加電源から−700Vの直流電圧を帯電バイアスとして印加する。本態様では感光体1の表面は、帯電ローラー2に対する印加電圧とほぼ等しい電位(−680V)に直接注入帯電方式によって一様に帯電処理される。これについては後述する。
【0362】
3はレーザーダイオード及びポリゴンミラー等を含むレーザービームスキャナ(露光器)である。このレーザービームスキャナは、目的の画像情報の時系列電気ディジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザー光を出力し、該レーザー光で感光体1の一様帯電面を走査露光する。この走査露光により回転感光体1に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0363】
4は現像装置である。感光体1の表面の静電潜像がこの現像装置によりトナー画像として現像される。現像装置4には、用いられる現像剤の種類や採用する現像方式に応じて、従来より知られている種々の現像装置(現像手段)を利用することができる。
【0364】
本態様の現像装置4は、現像剤として負帯電性磁性一成分絶縁現像剤を用いた、非接触型の反転現像装置である。現像剤にはトナー粒子及び導電性微粉末が含有されている。
【0365】
4aは現像剤担持搬送部材としての、マグネットロール4bを内包させた直径16mmの非磁性現像スリーブである。この現像スリーブ4aは感光体に対して320μmの離間距離をあけて対向配設し、感光体1との対向部である現像部(現像領域部)aにて感光体1の表面の移動方向と現像スリーブ4aの表面の移動方向とが順方向になるように感光体1の周速の110%の周速比で回転させる。
【0366】
この現像スリーブ4a上に弾性ブレード4cによって現像剤が薄層にコートされる。現像剤は弾性ブレード4cによって現像スリーブ4a上での層厚が規制されるとともに電荷が付与される。
【0367】
現像スリーブ4aにコートされた現像剤は、現像スリーブ4aが回転することによって、感光体1と該現像スリーブ4aの対向部である現像部aに搬送される。
【0368】
また、現像スリーブ4aには現像バイアス印加電源より現像バイアス電圧が印加される。現像バイアス電圧は、−420VのDC電圧と、周波数1500Hz、ピーク間電圧1600V(電界強度5×106V/m)の矩形の交流電圧を重畳したものを用いて、現像スリーブ4aと感光体1の間で一成分ジャンピング現像を行わせる。
【0369】
5は接触転写手段としての中抵抗の転写ローラーであり、感光体1に長手方向の接触長1m当たり98Nの線圧で圧接させて転写ニップ部bを形成している。この転写ニップ部bに図示せぬ給紙部から所定のタイミングで記録媒体としての転写材Pが給紙され、かつ転写ローラー5に転写バイアス印加電源より所定の転写バイアス電圧が印加されることで、感光体1側のトナー像が転写ニップ部bに給紙された転写材Pの面に順次に転写されていく。
【0370】
本様態では、転写ローラー5は抵抗が5×108Ωcmのものを用い、+2000Vの直流電圧を印加して転写を行う。即ち、転写ニップ部bに導入された転写材Pはこの転写ニップ部bを挟持搬送されて、その表面側に感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電気力と押圧力にて転写されていく。
【0371】
6は熱定着方式等の定着装置である。定着装置6は、トナーを定着させる熱源であるヒーター6aと、ヒーター6a及び転写材Pの間に介在する耐熱フィルム6bと、ヒーター6aに向けて付勢されて配置されている加圧ローラー6cとを有する。転写ニップ部bに給紙されて感光体1側のトナー像の転写を受けた転写材Pは、感光体1の表面から分離されてこの定着装置6に導入され、トナー像の定着を受けて画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
【0372】
本様態の画像形成装置はクリーニングユニットを除去しており、転写材Pに対するトナー像転写後の感光体1の表面に残留の転写残りの現像剤(転写残トナー粒子)はクリーナーで除去されることなく、感光体1の回転に伴い帯電ニップ部nを経由して現像部aに至り、現像装置4において現像兼クリーニング(回収)される。
【0373】
上記画像形成装置は、感光体1、帯電ローラー2、現像装置4の3つのプロセス機器を一括してプリンター本体に対して着脱自在のプロセスカートリッジ7を有する。このプロセスカートリッジ7は、上記プロセス機器が支持部材によって一括して所定の位置に支持される構成とされており、一方でプリンター本体には上記支持部材を案内するレール等の案内部材8が設けられている。上記支持部材が案内部材によってプロセス位置に案内、固定されることにより、プロセスカートリッジ7がプリンター本体に装着されるように構成されている。なおプロセスカートリッジ化するプロセス機器の組み合わせ等は上記に限られるものではなく任意である。
【0374】
現像装置4の現像剤に混入させた導電性微粉末は、感光体1側の静電潜像の現像装置4による現像時に、トナー粒子とともに適当量が感光体1側に移行する。
【0375】
感光体1上のトナー画像、すなわちトナー粒子は、転写部bにおいて転写バイアスの影響で記録媒体である転写材P側に引かれて積極的に転移する。しかし、感光体1上の導電性微粉末は導電性であるため転写材P側には積極的には転移せず、感光体1上に実質的に付着保持されて残留する。
【0376】
本発明においては、画像形成装置はクリーニング工程を有さないため、転写後の感光体1の表面に残存した転写残トナー粒子及び導電性微粉末は、感光体1の回転に伴って感光体1と接触帯電部材である帯電ローラー2のニップ部である帯電ニップ部nに持ち運ばれて、帯電ローラー2に付着或いは混入する。したがって、帯電ニップ部nにこの導電性微粉末が存在した状態で感光体1の直接注入帯電が行われる。
【0377】
この導電性微粉末の存在により、帯電ローラー2にトナー粒子が付着・混入した場合でも、帯電ローラー2の感光体1への緻密な接触性と接触抵抗を維持できるため、該帯電ローラー2による感光体1の直接注入帯電を行わせることができる。
【0378】
つまり、帯電ローラー2が導電性微粉末を介して密に感光体1に接触し、導電性微粉末が感光体1表面を隙間なく摺擦する。これにより帯電ローラー2による感光体1の帯電において、放電現象を用いない安定かつ安全な直接注入帯電が支配的となり、従来のローラー帯電等では得られなかった高い帯電効率が得られる。したがって、帯電ローラー2に印加した電圧とほぼ同等の電位を感光体1に与えることができる。
【0379】
また帯電ローラー2に付着或いは混入した転写残トナー粒子は、帯電ローラー2から徐々に感光体1上に吐き出されて感光体1表面の移動に伴って現像部aに至り、現像装置4において現像兼クリーニング(回収)される。
【0380】
現像兼クリーニングは、転写後に感光体1上に残留したトナー粒子を、画像形成工程の次回以降の現像時(現像後、再度帯電工程、露光工程を介した後の潜像の現像時)において、現像装置のカブリ取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるカブリ取り電位差Vback)によって回収するものである。本態様における画像形成装置のように反転現像の場合、この現像兼クリーニングは、現像バイアスによる感光体の暗部電位から現像スリーブにトナー粒子を回収する電界と、現像スリーブから感光体の明部電位へトナー粒子を付着させる(現像する)電界の作用でなされる。
【0381】
また、画像形成装置が稼働されることで、現像装置4の現像剤に含有された導電性微粉末が現像部aで感光体1表面に移行し、感光体1表面の移動に伴って転写部bを経て帯電ニップ部nに持ち運ばれることによって、帯電部nに新しい導電性微粉末が逐次に供給され続けるため、帯電部nにおいて導電性微粉末が脱落等で減少したり、帯電部nの導電性微粉末が劣化するなどしても、帯電性の低下が生じることが防止されて良好な帯電性が安定して維持される。
【0382】
かくして、接触帯電方式、転写方式、トナーリサイクルプロセスの画像形成装置において、接触帯電部材として簡易な帯電ローラー2を用いて均一な帯電性を低印加電圧で与えることができる。しかも帯電ローラー2の転写残トナー粒子により汚染されるにも関わらず、オゾンレスの直接注入帯電を長期に渡り安定に維持させることができ、均一な帯電性を与えることができる。よって、オゾン生成物による障害、帯電不良による障害等のない、簡易な構成、低コストな画像形成装置を得ることができる。
【0383】
また、前述のように導電性微粉末は帯電性を損なわないために、抵抗値が1×109Ω・cm以下であることが好ましい。導電性微粉末の抵抗値が1×109Ω・cmよりも大きいと、現像部aにおいて現像剤が直接感光体1に接触する接触現像装置を用いた場合には、現像像剤中の導電性微粉末を通じて、現像バイアスにより感光体1に電荷注入され、画像カブリが発生してしまう。
【0384】
しかし、本実施の形態では現像装置は非接触型現像装置であるので、現像バイアスが感光体1に注入されることがなく、良好な画像を得ることができる。また、現像部aにおいて感光体1への電荷注入が生じないため、交流バイアスなど現像スリーブ4aと感光体1間に高電位差を持たせることが可能である。これにより導電性微粉末が均等に現像されやすくなるため、均一に導電性微粉末を感光体1表面に塗布し、帯電部で均一な接触を行い、良好な帯電性を得ることができ、良好な画像を得ることが可能となる。
【0385】
帯電ローラー2と感光体1との接触面nに導電性微粉末の潤滑効果(摩擦低減効果)により、帯電ローラー2と感光体1との間に容易に効果的に速度差を設けることが可能となる。この潤滑効果により帯電ローラー2と感光ドラム1との摩擦を低減し、駆動トルクが低減し、帯電ローラー2や感光ドラム1の表面の削れ或いは傷を防止できる。また、この速度差を設けることにより、帯電ローラー2と感光体1の相互接触面部(ニップ部)nにおいて導電性微粉末が感光体1に接触する機会を格段に増加させ、高い接触性を得ることができる。よって、良好な直接注入帯電が得られ、良好な画像を安定して得ることが可能となる。
【0386】
本実施の形態では、帯電ローラー2を回転駆動し、その回転方向は感光体1表面の移動方向とは逆方向に回転するように構成することで、帯電部nに持ち運ばれる感光体1上の転写残トナー粒子を、帯電ローラー2に一時的に回収し、帯電部nに介在する転写残トナー粒子の存在量を均す効果を得ている。このため、転写残トナー粒子の帯電ニップ部での偏在による帯電不良の発生が防止され、より安定した帯電性が得られる。
【0387】
さらに、帯電ローラー2を逆方向に回転することによって、感光体1上の転写残トナー粒子を感光体1から一旦引き離し帯電を行うことにより、優位に直接注入帯電を行うことが可能である。また、導電性微粉末の帯電ローラー2からの脱落を低減する効果が得られ、導電性微粉末の帯電ローラー2からの過度の脱落よる像担持体の帯電性の低下を起こさない。
【0388】
本発明のプロセスカートリッジにおける別の態様を図2を参照して説明する。図2に示す画像形成装置は、転写式電子写真プロセスを利用した現像兼クリーニングプロセスを利用したレーザープリンター(記録装置)である。クリーニングユニットを有さず、小径ドラム状感光体の採用により小型化された、画像形成装置に対して着脱自在のプロセスカードリッジを有する。現像剤としては、例えば後述する実施例における現像剤のような非磁性一成分系現像剤を使用し、現像剤担持体上の現像剤層と像担持体が非接触に配置される非接触現像の例である。
【0389】
21は像担持体としての直径24mmの回転ドラム型のOPC感光体であり、矢印の時計方向に60mm/secの周速度(プロセススピードは60〜150mm/secの範囲で変速可能としてある)をもって回転駆動される。
【0390】
22は接触帯電部材としての導電性ブラシローラー(以下、帯電ブラシと記す)である。帯電ブラシ22は、帯電ブラシ22と感光体21との帯電ニップ部nにおいて、帯電ブラシ22の表面の移動方向と感光体21の表面の移動方向とが逆方向となるように、感光体の周速に対して相対周速比150%で回転駆動される。また、帯電ニップ部nに導電性微粉末(例えば実施例中の現像剤7に含有される導電性微粉末B−3)が介在した状態で、帯電ブラシ22の芯金に帯電バイアス印加電源より−700Vの直流電圧が帯電バイアスとして印加され、感光体21の表面を直接注入帯電方式にて一様に帯電処理する。
【0391】
23は潜像形成手段としてのレーザービームスキャナーである。このレーザービームスキャナーは、目的の画像情報の時系列電気ディジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザー光を出力し、該レーザー光で感光体21の一様帯電面を走査露光する。この走査露光により感光体21の面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0392】
24は現像装置である。感光体21の表面の静電潜像が、この現像装置によりトナー画像として現像される。
【0393】
現像装置24は、現像剤としてトナー粒子に無機微粉末及び導電性微粉末を外添添加して得られた現像剤を用いた負帯電性非磁性一成分系絶縁性現像剤を用いた非接触型の反転現像装置である。
【0394】
24aは現像剤担持部材としての、カーボンブラックを分散して抵抗を調整したシリコーンゴムからなる直径16mmの中抵抗ゴムローラーからなる現像ローラーである。この現像剤担持体24aは、感光体21に対して300μmの離間距離を設定して配置した。
【0395】
この現像剤担持体24aは、感光体21との対向部において、感光体21の表面の移動方向と現像剤担持体24aの表面の移動方向とが順方向になるように、感光体21の回転周速に対し150%の相対周速比で回転させる。すなわち、現像剤担持体24aの表面における移動速度は90mm/sであり、感光体21表面に対する相対速度は30mm/sである。
【0396】
現像剤担持体24aに現像剤を塗布する手段として、現像部分に塗布ローラー24bを設け、該現像剤担持体24aに当接させる。現像剤担持体24aと塗布ローラー24bとの接触部において、塗布ローラー24bの表面が移動する方向は、現像剤担持体24aの表面が移動する方向(回転方向)に対して、カウンター方向に移動する方向(回転方向は同方向)に回転させることにより、現像剤を現像剤担持体上24aに供給及び塗布する。
【0397】
塗布ローラー24bは、バイアスが印加されている芯金と芯金上に高抵抗層或いは中抵抗層を形成する構成となっている。塗布ローラー24bにバイアスを印加する構成により、塗布ローラー24b表面の電位が制御されることも、現像剤の供給及びはぎ取りを制御する上で好ましい。また、芯金上に弾性層を有する構成も可能である。
【0398】
更に、該現像剤担持体24a上現像剤のコート層制御のために、現像剤規制部材24cとしてのSUS316をL字形に曲げ加工した非磁性ブレードを現像剤担持体24aに当接させる。
【0399】
現像装置24に収納されている現像剤は、現像剤塗布ローラー24b及び塗布ブレード24cにより、現像剤担持体である現像ローラー24a上に塗布されるとともに電荷を付与される。
【0400】
現像ローラー24aにコートされた現像剤は、現像ローラー24aが回転することにより、感光体21と現像ローラー24aの対向部である現像部に搬送される。また、現像ローラー24aには、現像バイアス印加電源より現像バイアス電圧が印加される。現像バイアス電圧としては、−400Vの直流電圧と、周波数2000Hz、ピーク間電圧1800V(電界強度6.0×106V/m)の矩形の交流電圧を重畳したものを用い、現像ローラー24aと感光体21の間で非磁性一成分ジャンピング現像を行わせる。
【0401】
25は接触転写手段としての中抵抗の転写ローラー(ローラー抵抗値は5×108Ωcm)であり、感光体21に98N/mの線圧で圧接させて転写ニップ部を形成させる。この転写ニップ部に記録媒体としての転写材Pが給紙され、かつ転写ローラー25に転写バイアス印加電源から+2800VのDC電圧を転写バイアスとして印加することで、感光体21側のトナー像を転写ニップ部に給紙された転写材Pの面に順次に転写していく。即ち、転写ニップ部に導入された転写材Pはこの転写ニップ部を挟持搬送されて、その表面側に感光体21の表面に形成担持されているトナー画像を順次に静電気力と押圧力にて転写していく。
【0402】
26は熱定着方式等の定着装置である。面状発熱体26aから耐熱性無端ベルト26bを介して加熱されると同時に、加圧ローラー26cによる加圧により加熱加圧定着を行う定着装置の例である。転写ニップ部に給紙されて感光体21側のトナー像の転写を受けた転写材Pは、感光体21の表面から分離されてこの定着装置26に導入され、トナー像の定着を受けて画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
【0403】
上記画像形成装置では、転写材Pに対するトナー像転写後の感光体21の表面に残留の転写残トナー粒子は、クリーナーで除去されることなく感光体21の回転に伴い帯電部を経由して現像部に至り、現像装置24において現像兼クリーニング(回収)される。
【0404】
27はプリンター本体に対して着脱自在のプロセスカートリッジである。本実施の形態に示すプリンターは、感光体21(像担持体)、帯電ブラシ22(接触帯電部材)、現像装置24の3つのプロセス機器を一括してプリンター本体に対して着脱自在のプロセスカートリッジとして構成してある。プロセスカートリッジ化するプロセス機器の組み合わせは、上記に限られるものではなく任意である。なお、28はプロセスカートリッジの着脱案内・保持部材である。
【0405】
現像装置24の現像剤が有する導電性微粉末は、感光体21上の静電潜像の現像装置24による現像時に、トナー粒子とともに適当量が感光体21側に移行する。
【0406】
感光体21上のトナー画像、すなわちトナー粒子は、転写部bにおいて転写バイアスの影響で記録媒体である転写材P側に引かれて容易に転移する。しかし、感光体21上の導電性微粉末は導電性であるため転写材P側には容易には転移せず、感光体21上に実質的に付着保持されて残留する。
【0407】
本発明においては、画像形成装置はクリーニング工程を有さないため、転写後の感光体21の表面に残存した転写残トナー粒子及び導電性微粉末は、感光体21の回転に伴って感光体21と接触帯電部材である帯電ブラシ22とのニップ部である帯電部nに持ち運ばれて、帯電ブラシ22に付着或いは混入する。したがって、感光体21と帯電ブラシ22とのニップ部nにこの導電性微粉末が存在した状態で感光体21の帯電が行われる。
【0408】
この導電性微粉末の存在により、帯電ブラシ22にトナー粒子が付着・混入した場合でも、帯電ブラシ22の感光体21への緻密な接触性或いは接触抵抗を維持できるため、帯電ブラシ22により感光体21の高い帯電効率での帯電を行わせることができる。
【0409】
帯電ブラシ22が導電性微粉末を介して密に感光体21に接触し、導電性微粉末が感光体21表面を隙間なく摺擦する。これにより帯電ブラシ22による感光体21の帯電が、放電現象を用いない安定かつ安全な直接注入帯電が可能となり、従来のローラー帯電等では得られなかった高い帯電効率が得られる。したがって、帯電ブラシ22に印加した電圧とほぼ同等の電位を感光体21に与えることができる。
【0410】
また帯電ブラシ22に付着或いは混入した転写残トナー粒子は、帯電ブラシ22から徐々に感光体21上に吐き出されて感光体21表面の移動に伴って現像部aに至り、現像装置24において現像兼クリーニング(回収)される。
【0411】
現像兼クリーニングは、転写後に感光体21上に残留したトナー粒子を、画像形成工程の次回以降の現像時(現像後、再度帯電工程、露光工程を介した後の潜像の現像時)において、現像装置のカブリ取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるカブリ取り電位差Vback)によって回収するものである。本実施の形態で示す画像形成装置のように反転現像の場合、この現像兼クリーニングは、現像バイアスによる感光体の暗部電位から現像スリーブにトナー粒子を回収する電界と、現像スリーブから感光体の明部電位へトナー粒子を付着させる(現像する)電界の作用でなされる。
【0412】
また、画像形成装置が稼働されることで、現像装置24の現像剤に含有された導電性微粉末が現像部aで感光体21表面に移行し、感光体21表面の移動に伴って転写部bを経て帯電部nに持ち運ばれることによって、帯電部nに新しい導電性微粉末が逐次に供給され続けるため、帯電部nにおいて導電性微粉末が脱落等で減少したり、帯電部nの導電性微粉末が劣化したりしても、像担持体の帯電性の低下が生じることが防止されて良好な帯電性が安定して維持される。
【0413】
かくして、接触帯電方式、転写方式、トナーリサイクルプロセスの画像形成装置において、接触帯電部材として帯電ブラシ22を用いて均一な帯電性を低印加電圧で与えることができる。しかも帯電ブラシ22の転写残トナー粒子により汚染されるにも関わらず、オゾンレスの直接注入帯電をも長期に渡り安定に維持させることができ、均一な帯電性を与えることができる。よって、オゾン生成物による障害、帯電不良による障害等のない、簡易な構成、低コストな画像形成装置を得ることができる。
【0414】
本実施の形態では現像装置は非接触型現像装置であるので、現像バイアスにより感光体21に電荷が注入されることがなく、良好な画像を得ることができる。また、現像部aにおいて感光体21への電荷注入が生じない範囲で、交流バイアスを印加するなどの手段により現像スリーブ24aと感光体21間に高電位差を持たせることが可能である。
【0415】
これにより導電性微粉末が均等に現像されやすくなるため、均一に導電性微粉末を感光体21表面に塗布し、帯電部で均一な接触を行い、良好な帯電性を得ることができき、良好な画像を得ることが可能となる。
【0416】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。まず、本発明の実施例に用いる像担持体としての感光体の製造例について述べる。
【0417】
<感光体製造例1>
負帯電用の有機光導電性物質を用いた感光体(以下「OPC感光体」と表記する)を製造した。感光体の基体には、直径30mmのアルミニウム製のシリンダーを用いた。このシリンダー上に下記の各層を浸漬塗布により順次積層して、図5に示すような構成の感光体を作製した。
【0418】
第1層は導電層12であり、アルミニウム基体11の欠陥等をならすため、また露光光としてのレーザー光の反射によるモアレの発生を防止するために設けられている厚さ約20μmの導電性粒子分散樹脂層(酸化錫及び酸化チタンの粉末をフェノール樹脂に分散したものを主体とする)である。
【0419】
第2層は正電荷注入防止層13であり、アルミニウム基体11から注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たし、メトキシメチル化ナイロンによって106Ω・cm程度に抵抗調整された厚さ約1μmの中抵抗層である。
【0420】
第3層は電荷発生層14であり、ジスアゾ系の顔料をブチラール樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であり、レーザー露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。
【0421】
第4層は電荷輸送層15であり、ポリカーボネート樹脂にヒドラゾン化合物を分散した厚さ約25μmの層であり、P型半導体である。したがって、感光体表面に帯電された負電荷はこの層を移動することはできず、電荷発生層で発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができる。
【0422】
第5層は電荷注入層16であり、光硬化性のアクリル樹脂100質量部に対して、粒径約0.03μmの導電性酸化スズ超微粒子200質量部、及び粒径約0.25μmの四フッ化エチレン樹脂粒子100質量部を分散したものである。調製した塗工液をスプレー塗工法にて厚さ約4μmに塗工して電荷注入層16とした。
【0423】
このようにして得られた感光体の最表面層について、体積抵抗及び水に対する接触角を測定した。最表面層の体積抵抗は、表面に金を蒸着させたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に感光体の最表面層と同様の組成からなる層を作製し、これを体積抵抗測定装置(ヒューレットパッカード社製4140BpAMATER)にて、温度23℃,湿度65%の環境で100Vの電圧を印加して測定した。また、感光体表面の水に対する接触角は、純水を用い、装置は協和界面科学(株)製接触角計CA−DS型を用いて測定した。上記感光体の最表面層における体積抵抗は8×1012Ω・cm、感光体表面の水に対する接触角は97度であった。
【0424】
<感光体製造例2>
感光体製造例1の第5層(電荷注入層16)を、光硬化性のアクリル樹脂100質量部に対して、粒径約0.03μmの導電性酸化スズ超微粒子300質量部を分散したものとし、四フッ化エチレン樹脂粒子を分散せずに膜厚約2μmに塗工したこと以外は、感光体製造例1と同様にして感光体を作製した。このようにして得られた感光体の最表面層における体積抵抗は7×109Ω・cm、感光体表面の水に対する接触角は78度であった。
【0425】
<感光体製造例3>
感光体製造例1の第5層(電荷注入層16)を設けず、電荷輸送層を最外層とする4層構成の感光体とすること以外は、感光体製造例1と同様にして感光体を作製した。得られた感光体の最表面層の体積抵抗は1×1015Ω・cm、感光体表面の水に対する接触角は73度であった。
【0426】
次に、本発明の実施例に用いる帯電部材の製造例について述べる。
【0427】
<帯電部材の製造例1>
直径6mm,長さ264mmのSUSローラーを芯金とし、芯金上にウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層をローラー状に形成し、さらに切削研磨し形状及び表面性を整えた。このようにして、直径12mm,長さ234mmの、発泡ウレタンローラーを有する可撓性の帯電ローラーを作製した。
【0428】
このようにして作製された帯電ローラーの導電性弾性層である発泡ウレタンローラー部の抵抗、及び帯電ローラーのアスカーC硬度を測定した。ローラーの抵抗は、直径30mmの円筒状アルミドラムにローラーを圧着し、ローラーの芯金に当接圧力としての線圧が39.2N/m(ローラーの像担持体との長手方向での接触長1mあたり39.2Nの加重、例えば、長さ234mmのローラーに総圧9.2Nの加重)となるように加重を行った状態で、芯金とアルミドラムとの間に100Vの電圧を印加して計測した。上記帯電ローラーは、発泡ウレタンローラー部の抵抗が105Ω・cmであり、アスカーC硬度は30度であった。
【0429】
<帯電部材の製造例2>
直径6mm,長さ264mmのSUSローラーを芯金とし、芯金上にEPDMゴム、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡EPDM層をローラー状に形成し、さらに切削研磨し形状及び表面性を整えた。このようにして、直径12mm,長さ234mmの、発泡EPDMローラーを有する可撓性の帯電ローラーを作製した。得られた帯電ローラーは、発泡EPDMローラー部の抵抗が106Ω・cmであり、アスカーC硬度は45度であった。
【0430】
<帯電部材の製造例3>
帯電部材の製造例2において、中抵抗の非発泡のEPDM層をローラー状に形成した以外は、帯電部材の製造例2と同様にして直径12mm,長さ234mmのEPDMローラーを有する帯電ローラーを作製した。得られた帯電ローラーは、EPDMローラー部の抵抗が105Ω・cmであり、アスカーC硬度は60度であった。
【0431】
次に、現像剤に含有されるトナー粒子の製造例、無機微粉末及び導電性微粉末の例について述べ、本発明の実施例に用いる現像剤の製造例について述べる。
【0432】
<無機微粉末A−1>
ヘキサメチルジシラザンで処理した後にジメチルシリコーンオイル(粘度100cPs、シリカ100質量部に対して20質量部)で処理された疎水性乾式シリカ微粉体を無機微粉末A−1とした。この無機微粉末A−1の一次粒子の個数平均粒径は12nm、BET比表面積は115m2/gであった。
【0433】
なお無機微粉末の一次粒子の個数平均粒径は、走査型電子顕微鏡により拡大撮影した現像剤の写真と、更に走査型電子顕微鏡に付属させたX線マイクロアナライザー(XMA)等の元素分析手段によって無機微粉末の含有する元素でマッピングされた現像剤の写真とを対照し、トナー粒子表面に付着或いは遊離して存在している無機微粉末の一次粒子を100個以上測定し、個数平均粒径を算出することにより求めた。
【0434】
また無機微粉末の比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出した。
【0435】
<無機微粉末A−2〜A−7>
無機微粉末A−1と同様に材質及び表面処理を変更し、表1に示す無機微粉末A−2〜A−7を得た。その代表的物性値及び表面処理を表1に示す。
【0436】
【表1】
Figure 0004040349
【0437】
<導電性微粉末B−1の製造例>
酸素欠損型酸化スズ微粉末(一次粒子の個数平均粒径が40nmであり、一次粒子が凝集した粒子径がD50 1.3μmの凝集体からなる)をiso−ブチルトリメトキシシランカップリング剤2質量%で表面処理した。
【0438】
表面処理方法としては、加熱型混合機に酸化亜鉛微粉末99質量部とトルエンで希釈したビニルトリメトキシシランカップリング剤2質量部とを加え、80℃で攪拌混合しながら溶媒を除去した。その後混合を続けながら120℃で30分間加熱処理を行った。室温に戻した後に解砕処理を行った。次いで疎水化処理導電性微粉末100質量部に対して無機微粉末A−1を2質量部をヘンシェルミキサーを用い混合し、導電性微粉末表面を無機微粉末で被覆した導電性微粉末B−1を得た。この導電性微粒子の体積抵抗は、8.0×102Ω・cmであった。
【0439】
この導電性微粉末B−1は、一次粒子の個数平均粒径が40nmであり、一次粒子が凝集した粒子径が0.2〜3.5μmの凝集体からなっていた。この導電性微粉末B−1は白色であり、画像形成装置で画像露光に多用されるレーザービームスキャナーの露光光波長740nmにあわせて、波長740nmの光源及びX−Rite社製310T透過型濃度計を用いて、上記波長域における透過率を測定したところ、透過率は40%であった。
【0440】
導電性微粉末の抵抗は、底面積2.26cm2の円筒内に約0.5gの粉体試料を入れ、粉体試料の上下に配置された上下電極間に147N(15kg)の加重を行うと同時に100Vの電圧を印加し抵抗値を計測、その後正規化して比抵抗を算出した。
【0441】
導電性微粉末の粒度分布は、純水10mlに微量の界面活性剤を添加し、これに導電性微粉末の試料10mgを加え、超音波分散機(超音波ホモジナイザー)にて10分間分散した後、リキッドモジュールを取り付けたコールター社製、LS−230型レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、0.04〜2000μmを粒子径の測定範囲とし、測定時間90秒,測定回数1回で測定し、得られる体積基準の粒度分布から10%体積径D10、50%体積径D50及び90%体積径D90を算出した。
【0442】
また、導電性微粉末は、例えば走査型電子顕微鏡にて5万倍或いは10万倍で、一次粒子及び凝集体の状態を観察可能である。
【0443】
<導電性微粉末B−2〜B−8の製造例>
導電性微粉末B−1と同様に材質及び表面処理を変更し、表2に示すB−2〜B−8を得た。その代表的物性値及び表面処理を表2に示す。
【0444】
【表2】
Figure 0004040349
【0445】
<トナーの製造例1>
結着樹脂としてスチレン−ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体(ピーク分子量:2.1万、ガラス転移点温度:60℃)100質量部、磁性粉としてのマグネタイト(磁場795.8kA/m下で飽和磁化が85Am2/kg、残留磁化が8Am2/kg、抗磁力が7kA/m)95質量部、モノアゾ鉄化合物(負帯電性制御剤)2質量部、及びポリエチレンワックス(融点106℃)(離型剤)4質量部をブレンダーにて混合し、混合物を150℃に加熱したエクストルーダーにより溶融混練し、得られた混練物を冷却した後に、粗粉砕し、機械式微粉砕機を用いて微粉砕した。さらに、得られた微粉砕品をコアンダ効果を利用した多分割分級装置で厳密に分級して、体積平均粒径6.9μmのトナー粒子1を得た。
【0446】
トナー粒子の製造例1で得られた磁性トナー粒子1を100質量部に対し、無機微粉末A−1を1.2質量部及び導電性微粉末B−3を0.8質量部添加し、ヘンシェルミキサーで均一に混合してトナー1(磁性現像剤1)を得た。
【0447】
さらに、磁性現像剤1の磁化の強さを振動型磁力計VSMP−1−10(東英工業社製)を用いて、25℃,外部磁場79.8kA/mで測定したところ、32Am2/kgであった。
【0448】
<トナーの製造例2〜9>
トナーの製造例1と同様に表3に示す構成で実施例用トナー2〜7、比較例用トナー8、9を得た。
【0449】
【表3】
Figure 0004040349
【0450】
<実施例1>
本実施例では図1に示す画像形成装置を用いた。
【0451】
感光体には感光体製造例1で作製した感光体を用いた。感光体は141mm/secの周速度(プロセススピード)で回転駆動させた。
【0452】
帯電部材には帯電部材製造例1で作製した帯電ローラーを用いた。この帯電ローラーは帯電ニップ部nにおいて感光体に対して対向方向(感光体表面の移動方向と逆方向)に180mm/secの周速度(相対移動速度比250%)で回転駆動させた。またこの帯電ローラーの表面には塗布量がおよそ一層で均一になるように導電性微粉末B−3を塗布した。帯電バイアスは−700Vの直流電圧とした。
【0453】
現像剤には現像剤製造例1で製造した現像剤1を用いた。現像剤担持体には直径20mmの非磁性現像スリーブを用い、これを感光体に対して280μmの離間距離を開けて対向配設し、現像部aにおいて感光体に対して順方向に、そして感光体周速の110%の周速で回転させた。なお現像スリーブにコートされた現像剤量は16g/m2であった。また現像バイアスは−420VのDC電圧と、周波数1800Hz,ピーク間電圧1500V(電界強度5×106V/m)の矩形の交流電圧とを重畳したものを用いた。
【0454】
転写手段には抵抗が5×108Ωcmの転写ローラーを用いた。転写バイアスは+2000Vの直流電圧とした。
【0455】
本実施例では、トナー1を用いている。
【0456】
ここで、トナーカートリッジ内に260gのトナー1を充填して、高温高湿環境下(30℃,75%)、2ドットラインの格子パターンからなる4%カバレッジの出力パターンを4000枚連続プリントすることにより、耐久性能、感光体の摩耗等を評価した。なお、転写材としては75g/m2のA4コピー紙を用いた。この結果、現像性の低下は見られなかった。
【0457】
また、初期より4000枚の連続プリント後まで帯電不良に起因する画像欠陥を生じなかった。
【0458】
また、4000枚の連続プリント後の直接注入帯電後における感光体帯電電位は、印加帯電バイアス−700Vに対して−680Vであり、初期からの帯電電位(−690V)からの帯電電位低下は10Vと軽微であり、帯電性の低下による画像品質の低下は認められなかった。像担持体として、最表面層の体積抵抗が8×1012Ω・cmの、感光体製造例1の感光体を用いたことにより、4000枚の連続プリント後も十分な帯電性が得られ、静電潜像を維持することでシャープな輪郭の文字画像が得られる直接注入帯電を実現できたものと考えられる。
【0459】
4000枚の連続プリント後、帯電ローラー上で感光体とのニップ部nに対応する部分を観察したところ、微量の転写残トナーが確認されるものの、ほぼ白色の導電性微粉末B−1で覆われており、介在量はおよそ2×105個/mm2であった。導電性微粉末B−1の抵抗が十分に低く、感光体と帯電ローラーとの帯電ニップ部に導電性微粉末B−1が介在した状態で、良好な直接注入帯電性が得られた。
【0460】
転写効率は初期及び4000枚の連続プリント後も非常に優れていた。転写後の感光体上に転写残トナー量が少ないことを勘案しても、4000枚の連続プリント後の帯電ローラー上での転写残トナーが微量であったことと、非画像部のカブリが少ないことにより、現像での転写残トナーの回収性が良好であったことがわかる。これは、像担持体の表面の水に対する接触角が97度である、感光体製造例1の感光体を用いたことも寄与していると考えられる。
【0461】
さらに、4000枚の連続プリント後の感光体上には、出力パターンの格子パターンの縦線に対応して、周方向の摩耗跡(パターン摩耗)は見られず、画像への影響は無かった。
【0462】
感光体の最表層である電荷注入層の摩耗量は、4000枚の連続プリント後で0.4μmであった。感光体の電荷注入層の摩耗による画像性の変化は認められなかった。
【0463】
以下プリント画像の評価法について述べる。
【0464】
(a)画像濃度
初期(40〜50枚目)、及び4000枚の連続プリントアウトを終了した後、2日放置して再び電源を入れ、プリントアウトした1枚目、の画像濃度により評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対するベタ画像部の相対濃度を測定した。評価結果を表4に示す。なお、表4中の各記号は、それぞれ以下の評価を意味する。
A:非常に良好で、グラフィックな画像まで高品位に表現するために十分な画像濃度(1.40以上)
B:良好で、ノングラフィックで高品位な画質を得るために十分な画像濃度(1.35以上1.40未満)
C:普通で、文字を認識する上では十分として許容される画像濃度(1.20以上1.35未満)
D:悪い。濃度が薄いとして許容されない画像濃度(1.20未満)
【0465】
(b)画像カブリ
初期及び1万枚の連続プリントアウトを終了した後に、プリントアウト画像をサンプリングし、プリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した。白色度は「リフレクトメータ」(東京電色社製)により測定した。評価結果を表4に示す。なお、表4中の各記号は、それぞれ以下の評価を意味する。
A:非常に良好で、肉眼では一般に認識されないカブリ(1.5%未満)
B:良好で、注意して見ないと認識できないカブリ(1.5%以上2.5%未満)
C:普通。カブリを認識することは容易であるが、許容されるカブリ(2.5%以上4.0%未満)
D:悪い。画像汚れとして認識され許容できないカブリ(4.0%以上)
【0466】
(c)転写効率
初期及び1万枚の連続プリントアウトを終了した後に、転写効率の評価を行った。転写効率はベタ黒画像形成時の感光体上の転写残トナーを、マイラーテープによりテーピングしてはぎ取り、はぎ取ったマイラーテープを紙上に貼ったもののマクベス濃度から、マイラーテープのみを紙上に貼ったもののマクベス濃度を差し引いた数値で評価した。評価結果を表4に示す。なお、表4中の各記号は、それぞれ以下の評価を意味する。
A:非常に良好(0.05未満)
B:良好(0.05以上0.1未満)
C:普通(0.1以上0.2未満)
D:悪い(0.2以上)
【0467】
(d)像担持体の帯電性
初期及び1万枚の連続プリントアウトを終了した後、現像器位置にセンサーを配置することにより、一様帯電後の感光体表面電位を測定し、その差分により像担持体の帯電性を評価した。評価結果を表4に示す。差分がマイナスに大きくなるほど像担持体の帯電性の低下が大きいことを示す。
【0468】
(e)パターン回収不良
縦線の同一パターン(4ドット98スペースの縦線繰り返し)を連続プリントアウト後、ハーフトーン画像(2ドット3スペースの横線繰り返し)のプリントアウト試験を行い、ハーフトーン画像上に縦線のパターンに対応した濃淡が生じるかどうかを目視で評価した。評価結果を表4に示す。なお、表4中の各記号は、それぞれ以下の評価を意味する。
A:非常に良好(未発生)
B:良好(わずかに濃淡の発生が見られるが、画像への影響はない)
C:普通(濃淡むらを生じるが、実用上許容レベルの範囲である)
D:悪い(濃淡むらが顕著で許容できない)
【0469】
(f)感光体表層の摩耗
感光体表層の摩耗量の評価は、初期及び1万枚の連続プリントアウトを終了した後の感光体最表層の膜厚を測定し、その差分から算出した。感光体最表層の膜厚測定は、干渉膜厚計(大塚電子社製:瞬間マルチ測光システムMCPD−2000)を用い、感光体上の画像形成可能な領域内で感光体の長手方向に5点、周方向に4点の計20点の膜厚を測定し、その平均値を感光体表層の膜厚として算出した。
【0470】
感光体表層を電荷注入層とした場合には、電荷注入層の膜厚が摩耗により薄くなり過ぎると、感光体への注入帯電を促進する電荷注入層の役割を果たせなくなり、注入帯電性が大幅に低下する場合がある。このため、摩耗による電荷注入層の残膜厚が0.5μm以上であることが好ましい。電荷注入層の摩耗が不均一である場合には、最も摩耗の激しい部分で電荷注入層の残膜厚が0.5μm以上であることが好ましいため、平均残膜厚がより大きいことが好ましい。感光体表層を電荷注入層等の感光層とする場合は、感光層の摩耗による帯電特性が大きく変化しないことが必要である。
【0471】
また感光体をより長寿命にわたり使用できる点で、より感光体表層の摩耗量が少ないことがより優れているといえる。
【0472】
また、感光体表層の周方向のパターン摩耗に画像上で対応する縦筋状のパターン摩耗跡をハーフトーン画像(2ドット3スペースの横線繰り返し)上で以下の評価基準に基づいて評価を行った。評価結果を表4に示す。
A:未発生。
B:かすかに発生。画像への影響は極めて軽微である。
C:ある程度発生。実用上許容レベルである。
D:画像汚れが著しく、許容できない。
【0473】
<実施例2〜11、比較例1〜2>
表4に示すトナー、感光体、接触帯電部材の組み合わせで、実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
【0474】
比較例2に関しては、500枚で帯電不良を生じ、画像評価の許容範囲を超え耐久を中断した。
【0475】
【表4】
Figure 0004040349
【0476】
【発明の効果】
結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉末と導電性微粉末とを少なくとも有する現像剤において、該導電性微粉末がその表面に該導電性微粉末より粒径の小さな微粒子を付着或いは固着した状態で有することを特徴とする現像剤を接触帯電工程及び現像兼クリーニング工程の少なくともいずれか一方の工程を含む画像形成方法や、接触帯電手段及び現像兼クリーニング手段の少なくともいずれか一方の手段を有するプロセスカートリッジに適用することにより、画像形成に際してオゾンなどの放電生成物の生成が実質的になく、低い印加電圧で均一な帯電が得られる直接注入帯電機構による簡易で安定した一様帯電を可能とし、転写残トナーの回収性に優れた良好な現像兼クリーニング画像形成を可能とし、像担持体表面の摩耗を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の他の実施の形態を示す概略構成図である。
【図3】空間周波数による人の視覚特性を示すグラフである。
【図4】本発明において用いられる現像剤の帯電量測定装置の概略を示す模式図である。
【図5】本発明に用いられる像担持体の層構成における一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1、21 感光体
2 帯電ローラー
3、23 レーザービームスキャナ
4、24 現像装置
4a 現像スリーブ
4b マグネットロール
4c 弾性ブレード
5、25 転写ローラー
6、26 定着装置
6a、26a 面状発熱体(ヒーター)
6b、26b 耐熱性無端ベルト(耐熱フィルム)
6c、26c 加圧ローラー
7、27 プロセスカートリッジ
8、28 着脱案内・保持部材(案内部材)
22 帯電ブラシ
24a 現像ローラー
24b 塗布ローラー
24c 非磁性ブレード
81 吸引機
82 測定容器
83 スクリーン
84 フタ
85 真空計
86 風量調節弁
87 吸引口
88 コンデンサー
89 電位計
a 現像部
b 転写ニップ部
n 帯電ニップ部
P 転写材

Claims (61)

  1. 結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉末と導電性微粉末とを少なくとも有する現像剤において、
    該導電性微粉末がその表面に該導電性微粉末より粒径の小さな微粒子であって、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子を被覆してなる導電性微粉末であることを特徴とする現像剤。
  2. 該導電性微粉末は凝集体として存在し、かつその平均粒径が0.1〜4μmであることを特徴とする請求項1に記載の現像剤。
  3. 該導電性微粉末粒径Daと導電性微粉末より粒径の小さな微粒子の粒径Dbが次の関係を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の現像剤。
    Da≧10Db
  4. 該導電性微粉末表面がシランカップリング剤、チタニウムカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物から選ばれる少なくとも一種類の表面処理剤で疎水化処理された後、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子で被覆されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の現像剤。
  5. 該導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる金属酸化物微粒子がシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤から選ばれる少なくとも一種類の疎水化処理剤で疎水化処理されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の現像剤。
  6. 該導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子がヘキサメチルジシラザン処理されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の現像剤。
  7. 該導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子がヘキサメチルジシラザンとシリコーンオイルにより疎水化処理されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の現像剤。
  8. 該導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子は、導電性微粉末100質量部に対して0.1〜5質量部で処理することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の現像剤。
  9. 前記導電性微粉末の含有量が現像剤全体の0.1〜5.0質量%であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の現像剤。
  10. 前記導電性微粉末は、抵抗が109Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の現像剤。
  11. 前記導電性微粉末は、抵抗が106Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の現像剤。
  12. 前記導電性微粉末は非磁性であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の現像剤。
  13. 前記導電性微粉末は、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種の酸化物を含有していることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の現像剤。
  14. 前記無機微粉末は、含有量が現像剤全体の0.1〜3.0質量%であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の現像剤。
  15. 前記無機微粉末は、少なくともシリコーンオイルで処理されたものであることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の現像剤。
  16. 前記無機微粉末は、少なくともシラン化合物で処理されると同時に、又はその後にシリコーンオイルで処理されたものであることを特徴とする請求項15に記載の現像剤。
  17. 前記無機微粉末は、シリカ、酸化チタン及びアルミナから選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の現像剤。
  18. 磁場79.6kA/mにおける磁化の強さが10〜40Am2/kgである磁性現像剤であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の現像剤。
  19. 像担持体を帯電させる帯電工程と、該帯電工程によって帯電した像担持体の帯電面に画像情報を静電潜像として書き込む潜像形成工程と、該静電潜像を現像剤によりトナー画像として可視化する現像工程と、前記トナー画像を転写材に転写する転写工程とを含み、これら各工程を繰り返して画像形成を行う画像形成方法において、
    該現像剤は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉末と導電性微粉末とを少なくとも有する現像剤であり、
    該導電性微粉末がその表面に該導電性微粉末より粒径の小さな微粒子であって、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子を被覆してなる導電性微粉末であり、
    つ下記工程(1)及び(2)の少なくともいずれか一方の工程を含むことを特徴とする画像形成方法。
    (1)前記帯電工程として、像担持体と像担持体に接触する帯電部材との接触部であるニップ部に、少なくとも前記導電性微粉末が介在した状態で、前記帯電部材に電圧を印加することにより像担持体を帯電させる接触帯電工程
    (2)前記現像工程として、前記静電潜像を可視化し、前記トナー画像を前記転写材に転写した後の前記像担持体表面に残留している現像剤を回収する現像兼クリーニング工程
  20. 前記接触帯電工程において、前記ニップ部に介在する現像剤成分全体に対する導電性微粉末の含有比率が、前記現像剤に含有される前記導電性微粉末の含有比率よりも高いことを特徴とする請求項19に記載の画像形成方法。
  21. 前記接触帯電工程において、前記帯電部材の表面における移動速度と前記像担持体の表面における移動速度との間に相対的速度差を設けることを特徴とする請求項19又は20に記載の画像形成方法。
  22. 前記接触帯電工程において、前記帯電部材と前記像担持体とが、それらの対向する表面において互いに逆方向に移動することを特徴とする請求項19乃至21のいずれかに記載の画像形成方法。
  23. 前記接触帯電工程は、少なくとも表層が発泡体からなるローラー部材に電圧を印加することにより、前記像担持体を帯電させる工程であることを特徴とする請求項19乃至22のいずれかに記載の画像形成方法。
  24. 前記接触帯電工程は、アスカーC硬度が25〜50度のローラー部材に電圧を印加することにより、前記像担持体を帯電させる工程であることを特徴とする請求項19乃至23のいずれかに記載の画像形成方法。
  25. 前記接触帯電工程は、体積固有抵抗が103〜108Ω・cmのローラー部材に電圧を印加することにより、前記像担持体を帯電させる工程であることを特徴とする請求項19乃至24のいずれかに記載の画像形成方法。
  26. 前記接触帯電工程は、導電性を有するブラシ部材に電圧を印加することにより、前記像担持体を帯電させる工程であることを特徴とする請求項19乃至25のいずれかに記載の画像形成方法。
  27. 前記像担持体の最表面層における体積抵抗が1×109〜1×1014Ω・cmであることを特徴とする請求項19乃至26のいずれかに記載の画像形成方法。
  28. 前記像担持体の最表面層は、金属酸化物導電性微粒子が少なくとも分散された樹脂層であることを特徴とする請求項19乃至27のいずれかに記載の画像形成方法。
  29. 前記像担持体の表面の水に対する接触角が85度以上であることを特徴とする請求項19乃至28のいずれかに記載の画像形成方法。
  30. 前記像担持体の最表面層は、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂及びポリオレフィン系樹脂から選ばれる一種以上の材料からなる滑剤微粒子が少なくとも分散された層であることを特徴とする請求項19乃至29のいずれかに記載の画像形成方法。
  31. 前記現像工程は、前記像担持体に対して100〜1000μmの離間距離で対向して設置され、前記現像剤を担持する現像剤担持体から、前記現像剤を前記像担持体に転移させることにより静電潜像を現像する工程であることを特徴とする請求項19乃至30のいずれかに記載の画像形成方法。
  32. 前記現像工程は、前記像担持体に対して所定の離間距離で対向して設置され、前記現像剤を担持する現像剤担持体上に、前記離間距離よりも薄い現像剤層を前記現像剤により形成し、前記現像剤層から現像剤を電気的に前記像担持体表面に転移させることにより静電潜像を現像する工程であることを特徴とする請求項19乃至31のいずれかに記載の画像形成方法。
  33. 前記現像工程は、前記現像剤を担持する現像剤担持体と前記像担持体との間に、少なくともピークトゥーピークの電界強度が3×106〜10×106V/mであり、周波数が100〜5000Hzの交流電界を現像バイアスの印加により形成し、前記像担持体の静電潜像を前記現像剤によって現像する工程であることを特徴とする請求項19乃至32のいずれかに記載の画像形成方法。
  34. 前記転写工程は、前記転写材を介して前記像担持体に当接する転写部材によって、前記現像工程によって形成されたトナー画像を前記転写材に転写する工程であることを特徴とする請求項19乃至33のいずれかに記載の画像形成方法。
  35. 前記現像剤が請求項2乃至18に記載の現像剤であることを特徴とする請求項19乃至34のいずれかに記載の画像形成方法。
  36. 像担持体上に形成された静電潜像を現像剤によって可視化し、この可視化されたトナー画像を転写材に転写することにより画像を形成するための画像形成装置本体に脱着可能に装着されるプロセスカートリッジにおいて、
    静電潜像を担持するための像担持体と、
    該像担持体に対向して配置される現像剤担持体及びこの現像剤担持体上に薄層の現像剤層を形成する現像剤層規制部材を少なくとも有し、該現像剤担持体上の現像剤層から該像担持体へ該現像剤を転移させることにより前記トナー画像を形成する現像手段とを有し、
    該現像剤は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉末と導電性微粉末とを少なくとも有し、かつ
    該導電性微粉末がその表面に該導電性微粉末より粒径の小さな微粒子であって、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子を被覆してなる導電性微粉末であり、
    記構成(I)及び(II)の少なくともいずれか一方の構成を備えるプロセスカートリッジ。
    (I)該現像手段として、前記トナー画像を形成し、前記トナー画像が前記転写材に転写された後に前記像担持体に残留した現像剤を回収する現像兼クリーニング手段を前記現像手段として有する構成
    (II)該像担持体に接触する帯電部材を有し、像担持体と前記帯電部材との接触部であるニップ部に前記導電性微粉末が介在した状態で前記帯電部材に電圧を印加することにより前記像担持体を帯電させる接触帯電手段をさらに有する構成
  37. 前記接触帯電手段において、前記ニップ部に介在する現像剤成分全体に対する導電性微粉末の含有比率が、前記現像剤に含有される導電性微粉末の含有比率よりも高いことを特徴とする請求項36に記載のプロセスカートリッジ。
  38. 前記接触帯電手段において、前記帯電部材の表面における移動速度と前記像担持体の表面における移動速度との間に、相対的速度差を設けることを特徴とする請求項36又は37に記載のプロセスカートリッジ。
  39. 前記接触帯電手段において、前記帯電部材と前記像担持体とが、それらが対向する表面において互いに逆方向に移動することを特徴とする請求項36乃至38のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  40. 前記接触帯電手段において、前記帯電部材は少なくとも表層が発泡体からなるローラー部材であることを特徴とする請求項36乃至39のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  41. 前記接触帯電手段において、前記帯電部材はアスカーC硬度が25〜50度のローラー部材であることを特徴とする請求項36乃至40のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  42. 前記接触帯電手段において、前記帯電部材は体積固有抵抗が103〜108Ω・cmのローラー部材であることを特徴とする請求項36乃至41のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  43. 前記接触帯電手段において、前記帯電部材は導電性を有するブラシ部材であることを特徴とする請求項36乃至42のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  44. 前記像担持体の最表面層における体積抵抗が1×109〜1×1014Ω・cmであることを特徴とする請求項36乃至43のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  45. 前記像担持体の最表面層は、金属酸化物導電性微粒子が少なくとも分散された樹脂層であることを特徴とする請求項36乃至44のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  46. 前記像担持体の表面の水に対する接触角が85度以上であることを特徴とする請求項36乃至45のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  47. 前記像担持体の最表面層は、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂及びポリオレフィン系樹脂から選ばれる一種以上の材料からなる滑剤微粒子が少なくとも分散された層であることを特徴とする請求項36乃至46のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  48. 前記現像剤担持体が像担持体に対して100〜1000μmの離間距離で対向するように設置されることを特徴とする請求項36乃至47のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  49. 前記現像手段は、現像剤担持体上に現像剤を5〜30g/m2の密度で担持させた現像剤層を形成する現像剤層規制手段を有することを特徴とする請求項36乃至48のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  50. 前記現像剤担持体は像担持体に対して所定の離間距離で対向するように設置され、前記現像手段は、前記離間距離よりも薄い現像剤層を前記現像剤担持体上に形成する現像剤層規制手段を有することを特徴とする請求項36乃至49のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  51. 前記現像剤担持体と前記像担持体との間に、少なくともピークトゥーピークの電界強度が3×106〜10×106V/mであり、周波数が100〜5000Hzの交流電界が、現像バイアスの印加により形成されることを特徴とする請求項36乃至50のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  52. 前記現像剤は請求項2乃至18のいずれかに記載の現像剤であることを特徴とする請求項36乃至51のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  53. 酸化亜鉛、酸化スズから選ばれる少なくとも一種の酸化物を含有している導電性微粉末において、その表面に該導電性微粉末より粒径の小さな微粒子であって、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子を被覆してなることを特徴とする静電荷像現像剤用導電性微粉末。
  54. シランカップリング剤、チタニウムカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物から選ばれる表面処理剤で疎水化処理された後、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子で被覆されていることを特徴とする請求項53に記載の静電荷像現像剤用導電性微粉末。
  55. 該導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子がシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤から選ばれる少なくとも一種類の疎水化処理剤で疎水化処理されていることを特徴とする請求項53又は54に記載の静電荷像現像剤用導電性微粉末。
  56. 該導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子がヘキサメチルジシラザン処理されていることを特徴とする請求項53乃至55のいずれかに記載の静電荷像現像剤用導電性微粉末。
  57. 該導電性微粉末表面を被覆する酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子がヘキサメチルジシラザンとシリコーンオイルにより疎水化処理されていることを特徴とする請求項53乃至56のいずれかに記載の静電荷像現像剤用導電性微粉末。
  58. 該導電性微粉末は、該導電性微粉末100質量部に対して0.1〜5質量部の酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物微粒子により被覆処理されていることを特徴とする請求項53乃至57のいずれかに記載の静電荷像現像剤用導電性微粉末。
  59. 該導電性微粉末は、抵抗が109Ω・cm以下であることを特徴とする請求項53乃至58のいずれかに記載の静電荷像現像剤用導電性微粉末。
  60. 該導電性微粉末は、抵抗が106Ω・cm以下であることを特徴とする請求項59に記載の静電荷像現像剤用導電性微粉末。
  61. 該導電性微粉末は非磁性であることを特徴とする請求項53乃至60のいずれかに記載の静電荷像現像剤用導電性微粉末。
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