JP4039541B2 - O/w/o型複合エマルジョン - Google Patents

O/w/o型複合エマルジョン Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、O/W/O型複合エマルジョンに関する。さらに詳しくは、O/W型エマルジョンを、外相油中に分散して得られる経時安定性の優れたO/W/O型複合エマルジョンに関する。
【0002】
【従来の技術】
水中油型乳化組成物(以下、O/W型エマルジョンと称する)をさらに油相中に乳化分散させた油中水中油型乳化組成物は、O/W/O型複合エマルジョンまたはO/W/O型マルチプルエマルジョンと呼ばれ、化粧品、食品、医薬品等の各種工業的用途において重要となっている。
【0003】
すなわち、通常のO/W型エマルジョンが単に水相中に油相を分散させたものであるのに対して、O/W/O型複合エマルジョンの粒子構造は図1に示すように外相油10中に分散された水相12中にさらに内相油14が分散した構造を有している。
【0004】
このため、単純なO/W型もしくはW/O型エマルジョンでは得られない特殊な使用感の付与が可能である。
【0005】
一方、安定な複合エマルジョンを得るために、例えば、特開平8−323188号公報には、親水性非イオン活性剤を用いて内相となるO/W型微細エマルジョンを調製し、このO/W型エマルジョンを、有機変性粘土鉱物を含む外相油となる油性成分に分散乳化する工程が記載されており、この調製法によって得られた複合エマルジョンは内相油と外相油との合一が抑制され、経時的安定性が著しく高まることが分かっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通常、クリームのなじみを向上させるために、高級アルコールやワックス等の固形、半固形油分を配合することが行われているが、上記有機変性粘度鉱物を外相油に含むO/W/O型複合エマルジョンにおいては、非イオン活性剤を用いて乳化した内相のO/W型エマルジョン若しくは外相油に、これらの固形、半固形油分を配合すると経時安定性が悪くなるという問題点があった。
【0007】
本発明者らは、上述の観点に鑑み、安定なO/W/O型複合エマルジョンを得るべく鋭意研究を行った結果、特定の組み合わせからなる両親媒性物質と界面活性剤とをO/W型エマルジョンに含有させ、さらに、外相油に有機変性粘土鉱物とHLB7以下の乳化剤とを含有させて、特定の重量比でO/W型エマルジョンを外相油中に分散させると、安定に固形または半固形油分を内相のO/W型エマルジョンに配合でき、基剤の肌へのなじみが改善された経時安定性良好なO/W/O型複合エマルジョンが得られることを見出し本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は、内相となるO/W型エマルジョンに含まれる油分が制限されず、使用性を改善するために固形または半固形油分を含ませた場合においても、経時安定性が優れたO/W/O型複合エマルジョンを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、外相油中にO/W型エマルジョンが分散したO/W/O型複合エマルジョンにおいて、内相のO/W型エマルジョンに両親媒性物質-界面活性剤-油-水系において常温以上でゲルを形成し得るものの中から選択された両親媒性物質及び界面活性剤と、固形または半固形油分を含む油性成分と、水とを含有し、前記外相油中に有機変性粘土鉱物とHLB7以下の乳化剤とを含有するものであって、O/W型エマルジョンと外相油との重量比が2:3〜19:1であることを特徴とし、安定に固形または半固形油分を内相のO/W型エマルジョンに配合できることを特徴とするO/W/O型複合エマルジョンを提供するものである。
【0010】
また、本発明は、前記両親媒性物質は炭素鎖長が炭素数12以上である高級アルコール及び/又は高級脂肪酸からなることを特徴とする前記のO/W/O型複合エマルジョンを提供するものである。
【0011】
さらに、本発明は、前記内相のO/W型エマルジョン中に含まれる界面活性剤が高級脂肪酸の金属石鹸からなることを特徴とする前記のO/W/O型複合エマルジョンを提供するものである。
【0012】
また、本発明は、前記有機変性粘土鉱物は水膨潤性粘土鉱物を第4級アンモニウム型カチオン界面活性剤と非イオン性界面活性剤とで処理して得られたものであることを特徴とする前記のO/W/O型複合エマルジョンを提供するものである。
【0013】
また、本発明は、前記外相油に分散されたO/W型エマルジョン中に含まれる両親媒性物質が高級アルコール及び高級脂肪酸であり、界面活性剤が該高級脂肪酸を中和した金属石鹸であることを特徴とする前記のO/W/O型複合エマルジョンを提供するものである。
【0014】
さらに、本発明は、中和剤を含む水溶液中に、内相油となる油性成分を添加し高圧乳化処理又は超音波乳化処理してO/W型エマルジョンを調整する工程と、該O/W型エマルジョンを、有機変性粘土鉱物とHLB7以下の乳化剤とを含む外相油となる油性成分に分散乳化する工程とからなることを特徴とする前記のO/W/O型複合エマルジョンの製造方法を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について詳述する。
【0016】
本発明に内相として用いるO/W型エマルジョンに配合される両親媒性物質とは、界面活性を有するがそれ自体が疎水性が強く一般の界面活性剤ほど界面活性を有さないものであり、例えば、セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸、リノレイン酸、オキシステアリン酸等の高級脂肪酸類、イソプロピルミリスチン酸、イソプロピルパルミチン酸、イソプロピルイソステアリン酸、2エチルエキサン酸グリセリール等のエステル類、高級脂肪族アルコール、モノグリセリド、グリセロールモノアルキルエーテル、モノアルキルアミン、およびスルテロール骨格を有する化合物(コレステロール、フィトステロール)等を挙げることが出来るが、好ましくは、炭素鎖長が炭素数12以上、さらに好ましくは、炭素数16以上の高級アルコール及び/又は高級脂肪酸が使用される。
【0017】
また、O/W型エマルジョンに配合される界面活性剤とは、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、親水性または親油性非イオン界面活性剤であるが、具体的には高級脂肪酸の金属セッケンが好ましい。
【0018】
アニオン界面活性剤としては、例えば、セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POE ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN-アシルサルコシン酸、N-ミリストイル-N- メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、POE オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE ステアリルエーテルリン酸等のリン酸エステル塩、ジ-2- エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L- グルタミン酸モノナトリウム等のN-アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸化油、POE アルキルエーテルカルボン酸、POE アルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α- オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0019】
カチオン界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N'-ジメチル-3,5- メチレンピペリジニウム),塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POE アルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0020】
両性界面活性剤としては、例えば、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミタゾリニウムヒドロキサイド-1ーカルボキシエチロキシ2 ナトリウム塩等の、イミダゾリン系両性界面活性剤、2-ヘプタデシル-N- カルボキシメチル-N- ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤等が挙げられる。
【0021】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2- エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2- エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α, α'-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0022】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、 POEソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノステアレート、POE-ソルビタンモノオレート、POE-ソルビタンテトラオレエート等の POEソルビタン脂肪酸エステル類、POE-ソルビットモノラウレート、POE-ソルビットモノオレエート、POE-ソルビットペンタオレエート、POE-ソルビットモノステアレート等の POEソルビット脂肪酸エステル類、POE-グリセリンモノステアレート、POE-グリセリンモノイソステアレート、POE-グリセリントリイソステアレート等の POEグリセリン脂肪酸エステル類、POE モノオレエート、POE ジステアレート、POE モノジオレエート、システアリン酸エチレングリコール等のPOE 脂肪酸エステル類、POE ラウリルエーテル、POE オレイルエーテル、POE ステアリルエーテル、POE ベヘニルエーテル、POE2- オクチルドデシルエーテル、POE コレスタノールエーテル等のPOE アルキルエーテル類、POE オクチルフェニルエーテル、POE ノニルフェニルエーテル、POE ジノニルフェニルエーテル等のPOE アルキルフェニルエーテル類、ブルロニック等のプルアロニック型類、 POE・POPセチルエーテル、 POE・POP2 -デシルテトラデシルエーテル、 POE・POP モノブチルエーテル、 POE・POP 水添ラノリン、 POE・POP グリセリンエーテル等の POE・POP アルキルエーテル類、テトロニック等のテトラ POE・テトラ POPエチレンジアミン縮合物類、 POEヒマシ油、 POE硬化ヒマシ油、 POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、 POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、 POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE 硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOE ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POE ソルビットミツロウ等のPOE ミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、POE プロピレングリコール脂肪酸エステル、POE アルキルアミン、POE 脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POE ノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0023】
本発明においては、上記両親媒性物質及び界面活性剤の中から、両親媒性物質−界面活性剤−油-水系において、常温以上でゲルを形成する両親媒性物質−界面活性剤の組合せを用いる。水系でかつ常温以上でゲルを形成する両親媒性物質−界面活性剤の組合せにおいて、ゲルを形成出来る各々の配合量を用いる限り、特に制限されないが、ベヘニン酸及び/又はベヘニルアルコール(両親媒性物質)-ベヘニン酸/水酸化カリウム脂肪酸石鹸(界面活性剤)、ステアリン酸及び/又はステアリルアルコール(両親媒性物質)-ステアリン酸/水酸化カリウム脂肪酸石鹸(界面活性剤)、ステアリルアルコール(両親媒性物質)-セチル硫酸ナトリウム(界面活性剤)、ベヘニルアルコール(両親媒性物質)-塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(界面活性剤)、ベヘニルアルコール(両親媒性物質)-塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(界面活性剤)の組合せが好適である。
【0024】
本発明においては、O/W型エマルジョンに、両親媒性物質と界面活性剤をそれぞれ配合することもできるが、両親媒性物質の高級脂肪酸と水酸化カリウム等の中和剤とを配合して、両親媒性物質と高級脂肪酸セッケンからなる界面活性剤とを含有させることが好ましい。最も好ましくは、高級アルコール及び高級脂肪酸からなる両親媒性物質と、高級脂肪酸より少ないモル量の水酸化カリウムとを配合して得られる高級アルコール及び高級脂肪酸と水酸化カリウム脂肪酸石鹸の組み合わせである。
【0025】
両親媒性物質の配合量は、O/W型エマルジョン全量に対して、好ましくは、25重量%以下、さらに好ましくは、10重量%以下であり、また、界面活性剤の配合量は、O/W型エマルジョン全量に対して、好ましくは、20重量%以下、さらに好ましくは、10重量%以下である。
【0026】
O/W型エマルジョン中の内相油量は、両親媒性物質及び界面活性剤の合計量に対し、1/2倍以上、好ましくは等量以上である。油相量が両親媒性物質の1/2より少ない場合には、乳化状態の経時安定性が悪化する傾向にある。
【0027】
また、O/W型エマルジョンは、油相:水相の重量比が1:1より油相が少ないことが好ましい。
【0028】
本発明の外相油に配合される有機変性粘土鉱物は、三層構造を有するコロイド性含水ケイ酸アルミニウムの一種で、一般に下記一般式「化1」
【化1】
(X,Y)2-3(Si,Al)410(OH)21/3 ・nH2
ただし、X=Al,Fe(III),Mn(III),Cr(III)
Y=Mg,Fe(II),Ni,Zn,Li
Z=K,Na,Ca
で表される水膨潤性粘土鉱物を第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤で処理して得られるものである。
【0029】
具体的には、例えば、モンモリロナイト、サポナイト、およびヘクトライト等の天然または合成(この場合、式中の(OH)基がフッ素で置換されたもの)のモンモリロナイト群(市販品ではビーガム、クニピア、ラポナイト等がある)およびナトリウムシリシックマイカやナトリウムまたはリチウムテニオライトの名で知られる合成雲母(市販品ではダイモナイト:トピー工業(株)等がある)等の粘土鉱物を第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤で処理して得られる。
【0030】
水膨潤性粘土鉱物を有機変性するために用いる第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤は、下記一般式「化2」で表されるものである。
【0031】
【化2】
Figure 0004039541
(式中、R1 は炭素数10〜22のアルキル基またはベンジル基、R2 はメチル基または炭素数10〜22のアルキル基、R3 とR4 は炭素数1〜3のアルキル基またはヒドロキシアルキル基、Xはハロゲン原子またはメチルサルフェート残基を表す。)
で表されるものである。
【0032】
例えば、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、アラキルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルアンモニウムクロリド、アラキルジメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルジメチルアンモニウムクロリド、セチルジエチルアンモニウムクロリド、ステアリルジエチルアンモニウムクロリド、ステアリルジエチルアンモニウムクロリド、アラキルジエチルアンモニウムクロリド、ベヘニルジエチルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルミリスチルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルセチルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルステアリルルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルベヘニルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルエチルセチルアンモニウムクロド、ベンジルジメチルエチルステアリルアンモニウムクロド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジベヘニルジヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、および相当するブロミド等、さらにジパルミチルウロピルエチルアンモニウムメチルサルフェート等が挙げられ、これらのうち一種または二種以上が任意に選択されて処理される。
【0033】
さらに、本発明に用いる有機変性粘土鉱物は、上記の第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤で処理する際に非イオン性界面活性剤を併用して処理することが最も好ましく、例えば、ポリオキシエチレン2〜30モル付加{以下POE(2〜30)と略す。}オレイルエーテル、POE(2〜35)ステアリルエーテル、POE(2〜20)ラウリルエーテル、POE(1〜20)アルキルフェニルエーテル、POE(6〜18)ベヘニルエーテル、POE(5〜25)2−デシルペンタデシルエーテル、POE(3〜30)2−デシルテトラデシルエーテル、POE(8〜16)2−オクチルデシルエーテル、等のエーテル型活性剤、およびPOE(4〜60)硬化ヒマシ油、POE(3〜14)脂肪酸モノエステル、POE(6〜30)脂肪酸ジエステル、POE(5〜20)ソルビタン脂肪酸エステル等のエステル型活性剤、更にPOE(2〜30)グリセリルモノイソステアレート、POE(10〜60)グリセリルトリイソステアレート、POE(7〜50)硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE(12〜60)硬化ヒマシ油トリイソステアレート等のエーテルエステル型活性剤等のエチレンオキシド付加型界面活性剤およびデカグリセリルテトラオレート、ヘキサグリセリルトリイソステアレート、ジグリセリルジイソステアレート、グリセリルモノオレエート等のグリセリン脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エステル型界面活性剤があげられる。これらの中で、デカグリセリルテトラオレート、ヘキサグリセリルトリイソステアレート、ジグリセリルジイソステアレート等のジグリセリン以上のポリグリセリン脂肪酸エステル、POE(2〜12)ラウリルエーテル、POE(6〜15)ベヘニルエーテル、POE(5〜20)2−デシルペンタデシルエーテル、POE(5〜17)2−デシルテトラデシルエーテル、POE(8〜16)2−オクチルデシルエーテル等のPOE付加エーテル型活性剤、およびPOE(10〜20))硬化ヒマシ油、POE(5〜14)オレイン酸モノエステル、POE(6〜20)オレイン酸ジエステル、POE(5〜10)ソルビタンオレインエステル等のPOE付加エステル型活性剤、POE(3〜15)グリセリルモノイソステアレート、POE(10〜40)グリセリルトリイソステアレート等のPOE付加エーテルエステル活性剤等のエチレンオキシド付加型の非イオン性界面活性剤の一種または2種以上を用いることが好ましい。
【0034】
本発明に用いられる有機変性粘土鉱物は、例えば、水、アセトンあるいは低級アルコール等の低沸点溶媒中で上述の水膨潤性粘土鉱物と、第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤(及び非イオン性界面活性剤)とを分散攪拌処理し低沸点溶媒を除去することによって得られる。
【0035】
本発明に用いる有機変性粘土鉱物中の第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤の含有量は水膨潤性粘土鉱物100gに対して60〜140ミリ当量(以下
meqと略す。)であることが好ましい。
【0036】
本発明に好ましく使用される有機変性粘土鉱物の代表的なものとしては、ジメチルアルキルアンモニウムヘクトライト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム処理ケイ酸アルミニウムマグネシウム等が挙げられる。市販品としては、ベントン38(ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド処理モンモリロナイト:ナショナルレッド社)等がある。
【0037】
有機変性粘土鉱物は、外相油全量中0.1〜10重量%配合される。好ましくは、0.5〜5.0重量%配合される。0.1重量%よりも少ない場合、有機変性粘土鉱物の添加効果が得られず、安定な複合エマルジョンは得られない。また、10重量%を越えると、調製されるO/W/O型複合エマルジョンの粘度が高く、のびが悪く、ざらつく、透明感がないなどの実使用上の問題が生じる場合がある。
【0038】
また、外相油中には、上記有機変性粘土鉱物とともにHLB7以下の乳化剤を配合しなければならない。例えば、界面活性剤のソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタントリステアレートなどのソルビタン脂肪酸エステル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレートなどのグリセリン脂肪酸エステル類、POE(5)、POE(7.5)、POE(10)硬化ヒマシ油などのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエーテル系のシリコン界面活性剤などが挙げられる。特に、ポリエーテル系のシリコン界面活性剤が好ましく、具体的には、下記化学式「化3」の構造のものである。
【化3】
Figure 0004039541
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示し、mは平均で1〜150、nは平均で1〜50、aおよびbは平均で0〜35の数を示す)
【0039】
HLB7以下の乳化剤は、外相油全量に対し好ましくは0.1〜15重量%配合される。なお、HLB7以下の乳化剤は、上記必須成分の有機変性粘土鉱物に吸着された状態で含まれていてもかまわない。すなわち、通常、O/W/O型複合エマルジョンを製造する際、有機変性粘土鉱物とHLB7以下の乳化剤は別個に添加されるが、有機変性粘土鉱物を乳化剤と成り得るHLB7以下の界面活性剤で処理してHLB7以下の乳化剤を有機変性粘土鉱物に吸着させた状態で配合することも可能である。
【0040】
本発明に用いるO/W型エマルジョンの内相油及び本発明のO/W/O型複合エマルジョンの外相油に用いる油性成分としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、月見草油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固型油脂、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等のロウ類、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアレン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸−2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソプロピル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セパチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、セバチル酸ジイソプロピル、コハク酸−2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル等の合成エステル等が挙げられる。本発明においては、配合できる油分に制限はなく、特に、固形及び半固形油分を安定に配合できることに利点がある。
【0041】
また、これらの油性成分に加えて、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性シリコーン油、エポキシ変性シリコーン油、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーン油、ポリエーテル変性シリコーン油、カルボキシ変性シリコーン油、アルコール変性シリコーン油、アルキル変性シリコーン油、アンモニウム塩変性シリコーン油、フッ素変性シリコーン油等の変性シリコーン油等のシリコーン油、トリメチルシロキシケイ酸等の3次元構造を有するシリコーン樹脂、高重合ジメチルポリシロキサン、高重合メチルフェニルポリシロキサン、高重合メチルビニルポリシロキサン等の高重合メチルポリシロキサン、高重合アミノ変性メチルポリシロキサン等の高重合変性ポリシロキサン等のシリコーン樹脂、パーフルオロデカリン、パーフルオロヘキサン、トリパーフルオロ−n−ブチルアミン等のパーフルオロカーボンないしパーフルオロポリエーテル、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンD及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンK及びその誘導体等のビタミン類、ステロール類、天然及び合成の香料等を配合することも可能である。
【0042】
さらに、油相には、水に難溶性の物質として、紫外線吸収剤、パラベン等の防腐剤、ユビキノン、ビタミンP等のビタミン類、塩酸クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、イルガッサンDP300等の殺菌剤、酢酸デキサメタゾン等の薬剤等を配合することが出来る。
【0043】
内相のO/W型エマルジョン及び本発明のO/W/O型複合エマルジョンを構成する水は、水相成分として、例えば、ビタミンB群、ビタミンC及びその誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等のビタミン類などの水溶性活性物質、グルタミン酸ナトリウム、アルギニン、アスパラギン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸などの緩衝剤、EDTAなどのキレート剤、水溶性紫外線吸収剤、各種色素等の水溶性成分を配合することが出来る。また、水相には、エタノール、イソプロパノール等のアルコールを配合してもよい。
【0044】
本発明のO/W/O型複合エマルジョンにおいて、内相のO/W型エマルジョンと外相油との重量比は、2:3〜19:1であり、好ましくは、3:2〜17:3である。O/W型エマルジョンと油相との重量比が2:3よりも油相量過多となると、調製される複合エマルジョンの粘度が低く、経時での乳化安定性が悪くなる場合がり、また、O/W型エマルジョンと油相との重量比が19:1よりもO/W型エマルジョンが過多となると、攪拌乳化中に転相し、O/W/O型とO/W型のエマルジョンが混在し、本発明のO/W/O型複合エマルジョンが得られない。
【0045】
本発明のO/W/O型複合エマルジョンに、紫外線吸収効果及び保湿効果を持たせるために、配合可能な紫外線吸収剤、多価アルコール、その他の保湿剤の具体例は以下の通りである。
【0046】
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸(以下PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAメチルエステル、N,N−ジメチルPABAオクチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル系紫外線吸収剤、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−pメトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等の桂皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾヘフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニルベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5−’メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジメンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等の紫外線吸収剤が挙げられる。
【0047】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の2価のアルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、等の3価のアルコール、ペンタエリスリトール等の4価のアルコール、キシリトール等の5価のアルコール、ソルビトール、マンニトール、等の6価のアルコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール共重合体、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールノモブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等の2価のアルコールアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等の2価のアルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の2価のアルコールエーテルエステル類等が挙げられる。
【0048】
保湿剤としては、例えば、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート等が挙げられ、基剤の粘度を失わない程度に乳酸ナトリウム、胆汁酸モノ塩、dl-ピロリドンカルボン酸モノ塩、短鎖可溶性コラーゲン、イサヨイヨバラ抽出液、セイヨウノコギリソウ抽出物なども配合できる。
【0049】
内相となるO/W型エマルジョンの調製法は、特に限定されず、安定なエマルジョンが得られる方法であればよく、例えば、前記必須成分を含有する混合分散液を添加し、ホモミキサー等の乳化機で攪拌することにより調整される。強力な剪断力をかけられる乳化機、例えば、ナノマイザー、マントンゴウリン、フレンチプレス、コロイドミル、マイクロフルイダイザー、超音波乳化機などで高圧乳化処理又は超音波乳化処理すると、内相油が微細且つ安定に配合され、つやのあるなめらかな外観をもつクリームが得られ、本発明に係るO/W/O型複合エマルジョンの調製に特に好適である。
【0050】
さらに得られたO/W型エマルジョンを、有機変性粘土鉱物及びHLB7以下の乳化剤を含有する外相油に攪拌しながら混合・乳化することにより、本発明のO/W/O型複合エマルジョンが得られる。このとき用いる乳化機は特に限定されるものではないが、ディスパー(TK HOMD DISPER; TOKUSHU KIKA KOGYO CO.,LTD)等を用いることが好ましい。
【0051】
本発明のO/W/O型複合エマルジョンの用途は特に限定されないが、化粧品、医薬品、医薬部外品などとして利用されるのが好ましく、例えば、クリーム、乳液、軟膏などの製品として利用される。
【0052】
【実施例】
以下に実施例を挙げ本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、各処方の配合成分は重量%を表す。
【0053】
下記の各表に示す配合成分を用いて、常法により、製造例のO/W型エマルジョン及びこれを用いた実施例及び比較例のO/W/O型複合エマルジョンを製造し、室温または50℃に1ヵ月放置した場合の保存安定性及び評価専門パネル10名の官能評価による使用性について以下の基準により評価した。
【0054】
〔保存安定性〕
◎:顕微鏡観察により乳化粒子が均一で全く異常が観察されない。
○:顕微鏡観察ではやや乳化粒子にバラツキが認められるが、肉眼では全く異常が観察されない。
△:肉眼でやや乳化粒子のバラツキが認められる。
×:肉眼で油浮きが観察されたり、乳化粒子の粗大化などの異常が観察される。
【0055】
〔使用性〕
◎:評価専門パネル10名全員が「なじみ」又は「べたつきのなさ」について良好と回答した。
○:評価専門パネル8名以上10名未満が「なじみ」又は「べたつきのなさ」について良好と回答した。
△:評価専門パネル6名以上8名未満が「なじみ」又は「べたつきのなさ」について良好と回答した。
×:評価専門パネル6名未満が「なじみ」又は「べたつきのなさ」について良好と回答した。
【0056】
「製造例1〜4:O/W型エマルジョン」
【表1】
Figure 0004039541
「製法」
(a)及び(b)成分を混合し、均一に溶解したものに、(c)成分を加え、攪拌、乳化した。製造例1〜3は、ホモジナイザーを使用して乳化し、製造例4は、ナノマイザーを使用して高圧乳化した。なお、製造例3及び4は、ステアリン酸及びベヘニン酸と苛性カリとの反応により、金属石鹸の界面活性剤が処方中に生成する。
【0057】
「実施例1〜2及び比較例1〜2:O/W/O型エマルジョン」
【表2】
Figure 0004039541
「製法」
各成分を混合し、ホモジナイザーを使用して乳化して、O/W/O型複合エマルジョンを製造した。
【0058】
「表2」より、高級アルコール、高級脂肪酸及び高級脂肪酸石鹸を含んだO/W型エマルジョンを用いた実施例1及び2では、固形、半固形油分を配合した場合においても、保存安定性が良好でかつ使用性に優れたO/W/O型複合エマルジョンが製造できる。これに対して、比較例1及び2では、使用性を向上させる目的で、固形、半固形油分を配合しても、安定したエマルジョンが得られず、使用性も改善されない。また、高圧乳化処理した実施例2は、極めて優れた保存安定性及び使用性を有している。
【0059】
次に、上記と同様の製法により、「表3」に示す製造例5〜8のO/W型エマルジョンをすべてナノマイザーを用い高圧乳化処理して製造し、「表4」に示すO/W/O型エマルジョンを製造した。比較例3及び4は、両親媒性物質-界面活性剤-油-水系において常温以上でゲルを形成しない配合量の両親媒性物質及び界面活性剤とを使用した例である。
【0060】
「製造例5〜8:O/W型エマルジョン」
【表3】
Figure 0004039541
【0061】
「実施例3〜4、比較例3〜4:O/W/O型エマルジョン」
【表4】
Figure 0004039541
【0062】
実施例3及び4は保存安定性及び使用性が極めて良好であったが、比較例3は経時で固形油分の凝集体が、比較例4は経時で油浮きが発生し、どちらも使用性が悪いものであった。なお、比較例3及び4から分かるように、実施例3及び4と同様の両親媒性物質及び界面活性剤を用いる場合においても、その配合量により、両親媒性物質-界面活性剤-油-水系において常温以上でゲルを形成しない場合には、保存安定性及び使用性が良好なO/W/O型複合エマルジョンは得られない。
【0063】
次に、上記と同様の製法により、「表5」に示す製造例9のO/W型エマルジョンをすべてナノマイザーを用い高圧乳化処理して製造し、「表6」に示すO/W/O型複合エマルジョンを製造した。比較例5及び6は、O/W型エマルジョンと外相油との配合重量比が本発明の範囲からはずれる例である。
【0064】
【表5】
Figure 0004039541
【0065】
「実施例5〜8,比較例5〜6:O/W/O型エマルジョン」
O/W型エマルジョンに製造例9のエマルジョンを使用し、「表6」に示すO/W型エマルジョンと外相油との配合比以外は、「表2」に示すO/W/O型複合エマルジョンと同様に、実施例5〜8及び比較例5〜6のO/W/O型複合エマルジョンを製造して評価した。
【0066】
【表6】
--------------------------------------------------------
実施例/比較例 O/W型エマルジョン量 外相油量
--------------------------------------------------------
実施例5 50重量% 50重量%
実施例6 60 40
実施例7 70 30
実施例8 80 20
比較例5 35 65
比較例6 97 3
--------------------------------------------------------
【0067】
「エマルジョンの特性評価」
【表7】
Figure 0004039541
【0068】
比較例5は、O/W型エマルジョンと外相油との重量比が2:3よりも油相量過多となるため、乳化直後には、O/W/O型エマルジョンを形成するが、実施例5〜8と比較すると、保存安定性が悪く、室温保存、50℃保存いずれも油浮きが認められた。また、比較例6が示すように、O/W型エマルジョンと油相との重量比が19:1よりも、O/W型エマルジョンが過多となると、乳化分散中に転相し、調製されるエマルジョンはO/W/O型とO/W型との混在が確認された。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、経時安定性が高く、使用性が良好なO/W/O型複合エマルジョンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】O/W/O型複合エマルジョンの概念図である。
【符合の説明】
10 :外相油
12 :水相
14 :内相油

Claims (6)

  1. 外相油中にO/W型エマルジョンが分散したO/W/O型複合エマルジョンにおいて、内相のO/W型エマルジョンに両親媒性物質-界面活性剤-油-水系において常温以上でゲルを形成し得るものの中から選択された両親媒性物質及び界面活性剤と、固形または半固形油分を含む油性成分と、水とを含有し、前記外相油中に有機変性粘土鉱物とHLB7以下の乳化剤とを含有するものであって、O/W型エマルジョンと外相油との重量比が2:3〜19:1であることを特徴とし、安定に固形または半固形油分を内相のO/W型エマルジョンに配合できることを特徴とするO/W/O型複合エマルジョン。
  2. 前記両親媒性物質は炭素鎖長が炭素数12以上である高級アルコール及び/又は高級脂肪酸からなることを特徴とする請求項1記載のO/W/O型複合エマルジョン。
  3. 前記内相のO/W型エマルジョン中に含まれる界面活性剤が高級脂肪酸の金属石鹸からなることを特徴とする請求項1または2記載のO/W/O型複合エマルジョン。
  4. 前記有機変性粘土鉱物が、水膨潤性粘土鉱物を第4級アンモニウム型カチオン界面活性剤と非イオン性界面活性剤とで処理して得られたものであることを特徴とする請求項1、2または3記載のO/W/O型複合エマルジョン。
  5. 前記外相油に分散されたO/W型エマルジョン中に含まれる両親媒性物質が高級アルコール及び高級脂肪酸であり、界面活性剤が該高級脂肪酸を中和した金属石鹸であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載のO/W/O型複合エマルジョン。
  6. 中和剤を含む水溶液中に、内相油となる油性成分を添加し高圧乳化処理又は超音波乳化処理してO/W型エマルジョンを調整する工程と、該O/W型エマルジョンを、有機変性粘土鉱物とHLB7以下の乳化剤とを含む外相油となる油性成分に分散乳化する工程とからなることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のO/W/O型複合エマルジョンの製造方法。
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