JP4039267B2 - 伏越し管きょ内の汚水の循環方法及び循環装置 - Google Patents

伏越し管きょ内の汚水の循環方法及び循環装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、河川や水路の障害物を迂回させる下水管などの伏越し管きょ装置に関し、特に、伏越し管きょ内に汚泥及び土砂の堆積やスカムの成長を防止する汚水の循環方法と循環装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水道の汚水管などは、河川を横断する場合や輻輳する地下構造物を避けるために、やむを得ず伏越し管きょ装置を採用している。図11は従来の伏越し管きょ装置であって、河川などの地下構造物Aの両側に上流伏越し室1bと下流伏越し室2bが設置してあり、その室底の下半部に仕切壁17、18で区画して上部を解放した上流伏越し室マンホール19と下流伏越し室マンホール20が配設してある。この上流伏越し室マンホール19と下流伏越し室マンホール20が地下構造物Aの下方に埋設した二本の横断管3b、3bで接続してある。上流伏越し室1bに汚水の流入管4bが連結してあり、上流伏越し室1bの内部で分岐させて、仕切壁17で区画された上流伏越し室マンホール19の両側上部に開口してある。下流伏越し室2bに汚水の流出管5bが連結してあり、流出管5bも下流伏越し室2bの内部で分岐させて、流出管5bが仕切壁18で区画された下流伏越し室マンホール20の両側上部に開口してある。
【0003】
上流伏越し室マンホール19と下流伏越し室マンホール20に汚泥及び土砂が堆積し、スカムが積層したときには、分岐させた流入管5bの一方を閉止して、二本の横断管3b、3bの片方で汚水を通水させながら、仕切壁17、18で区画された片側の上流伏越し室マンホール19と下流伏越し室マンホール20を浚渫できるようにしてある。その伏せ越し部では、水量にかかわらず満管で流れ、晴天時など小流量時に十分な流速が確保できず掃引力が働かないことから、上流伏越し室マンホール19と下流伏越し室マンホール20に汚泥及び土砂が沈降して、横断管3b、3bを閉塞させる。滞留する汚水からスカムの成長があり、臭気の原因となっている。また、雨天時など大量の流入があった時、伏越し管きょ内に堆積した汚泥やスカムが水流によって押し流され、合流式下水道における越流水の水質が低下する原因にもなっている。
【0004】
これらの課題を解決するための既存の技術としては、特許文献1に記載してあるように、下流伏越しマンホール部にポンプを設置し、流入がない場合に伏越しマンホール内の下水を排出し、スカムの発生や汚泥の堆積を防止している。その他の従来技術としては特許文献2に記載してあるように、上流側伏越し室と横断管にゲートなどの制水手段を設け、上流側に一時的に溜めた下水を下流側に勢いよく流し、下流側の伏越しマンホールに設置したポンプで汲み出して伏越しマンホールと伏越し管を清掃している。
【0005】
【特許文献1】
特公昭63−55567号公報(特許請求の範囲、第1図)
【特許文献2】
特公平7−86249号公報(明細書の第3頁、左欄下から4行目乃至右欄8行目、第1図)
【0006】
【発明が解決しょうとする課題】
上記の下流伏越しマンホール部にポンプを設置した従来技術にあっては、汚水の流入がない場合にも伏越しマンホール内の下水を排出し、スカムの発生や汚泥の堆積を防止できるものであるが、伏越し管きょ装置の深度が深い場合、ポンプの出力及び周辺設備が大型となる。深度が深ければ揚程も高くなり、動力費も嵩むという問題がある。また、下水を排出して空になった上流伏越しマンホール部に、流入した下水が落下衝突してモルタルの底面を破壊することも懸念される。上流側伏越し室および横断管にゲートなどの制水手段を設けた従来技術は、下流伏越しマンホールの下部にポンプを設置する必要があり、同様の問題がある。
【0007】
伏越し管きょ内に土砂が堆積する理由として、伏越しマンホール内の流速が遅い(おおむね30cm/sec以下)ことが上げられる。また、流れが無く汚水が長時間滞留することから、汚水中の溶存酸素が低下しスカムが発生すると考えられる。そこで本願の発明は、上記の従来技術の長所を取り入れるとともに、障害物の下方に埋設した横断管を循環系統とみなし、伏越し内の滞留水をその系統中に強制的に循環流を発生させて、伏越し管きょ内の水質を改善する汚水の循環方法及び循環装置を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の伏越し管きょ内の汚水の循環方法は、障害物の両側に上流伏越し室と下流伏越し室を設け、この上流伏越し室と下流伏越し室を障害物の下方に埋設した複数条の横断管で接続する伏越し管きょ装置において、汚水が流入する複数条の横断管のうち、一本の横断管に逆流水を発生させ、下流伏越し室の水を上流伏越し室に逆流させて、複数条の横断管を通じて上流伏越し室と下流伏越し室の汚水を循環流動させるもので、滞留した汚水を撹拌し、伏越し管きょ内での汚泥及び土砂の堆積とスカムの成長が抑止できる。堆積した汚泥や土砂による伏越し管きょ内の閉塞と、腐敗した有機物や硫化水素による臭気の発生が防止され、住宅街の環境が維持できて、配管等の腐食も防止できる。そして、汚水の循環方法が、一本の横断管に循環ポンプを配設して、汚水の流入量の減少、または流入停止時に作動させ、下流伏越し室と上流伏越し室に滞留する汚水を循環流動させるもので、循環方法が簡単であり、維持管理コストが削減できる。
【0009】
汚水の循環方法を実施するための循環装置が、横断管を複数条設け、一本の横断管に下流伏越し室から上流伏越し室に逆流させる循環ポンプを配設したもので、伏越し管きょ内の滞留水を、必要な流速を保ちながら循環流動させて、スカムの発生と汚泥及び土砂の堆積が防止できる。循環ポンプは循環流動させるだけの揚程があればよく、排水する場合と比較して揚程が小さくてすむ。スカムの発生と汚泥や土砂の堆積がないので、雨天時などの増水時に、伏越し管きょ内から排出される越流水の水質が改善されて、清掃の手間も省ける。そして、横断管の前後部を障害物の両側に垂設し、上流伏越し室と下流伏越し室の底部に連結したもので、従来の伏越し室マンホールが省略され、揚程と流路面積が小さくなる。揚程と流路面積が小さいので、流速が速くなり、土砂の堆積が防止され、動力費も少なくなる。また、上流伏越し室と下流伏越し室の底部に樋状の流入槽と流出槽を併設した伏越し管きょ装置にあっては、二本の横断管の前後部を垂設して、流入槽と流出槽の底部にそれぞれ連結すれば、容積の小さい流入槽と流出槽に滞留する汚水を、循環流動させて、横断管の閉塞やスカムの腐敗による臭気の発生が防止できる。
【0010】
下流伏越し室の汚水の流出管に流速または流量の検出手段を配設すれば、汚水の流入量の減少や流入水の停止が検知され、循環ポンプの運転または停止を流量や流速に応じて自動的に切り替えられる。増水時には循環ポンプを停止すれば、自然流下により送水されて動力を消費しない。そして、横断管にエアリフトポンプを配設すれば、汚水の曝気処理が行なわれ、スカムの発生が抑制される。なお、循環ポンプを廃止して、横断管にエアリフトポンプを配設してもよく、汚水に揚力が与えられ、汚水の循環流動が可能となる。また、既存の障害物の下方に埋設した一本の横断管にあっては、複数条の横断管の代わりに、一本の横断管の内部隔壁を設けて複数条の通水路を形成し、上流伏越し室と下流伏越し室に連通させた複数条の縦断管を横断管の通水路にそれぞれ連結し、一本の縦断管に下流伏越し室から上流伏越し室に逆流させる循環ポンプを配設しても、強制的に循環流を発生させることができる。
【0011】
既存の、障害物の両側に上流伏越し室と下流伏越し室を設け、その室底の下半部に仕切壁で区画して上部を解放した上流伏越し室マンホールと下流伏越し室マンホールを配設すると共に、上流伏越し室マンホールと下流伏越し室マンホールを障害物の下方に埋設した二本の横断管で接続する従来の伏越し管きょ装置にあっては、一本の横断管に下流伏越し室マンホールから上流伏越し室マンホールに逆流させる循環ポンプを配設すれば、従来の既設の横断管をそのまま利用して、伏越し管きょ装置の追加工事を施すことも可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
この発明に係る伏越し管きょ内の汚水の循環方法及び循環装置は、上記のように構成してあり、上流伏越し室への汚水の流入量が減少して、汚泥や土砂が堆積しやすくなると、検出手段で流速や流量を検知して、汚水の流速がある程度以上になるように循環ポンプを運転する。下流伏越し室に流れ込んだ汚水は、循環ポンプで一方の横断管を通り上流伏越し室へ逆流させる。上流伏越し室に流入した汚水は、残りの横断管を通り下流伏越し室に流入する。滞留した汚水を循環流動させながら撹拌し、伏越し管きょ装置での汚泥及び土砂の堆積とスカムの成長を抑止する。伏越し管きょ装置の閉塞や臭気の発生が防止され、住宅街の環境を維持する。この時、下流伏越し室を越流した汚水は装置外に流出する。水流により、汚泥及び土砂なども流出する。
【0013】
上流伏越し室への流入がなく、汚水が滞留し汚泥や砂が堆積してしまう場合には、流入量が少ない時と同様に流速がある程度以上になるように循環ポンプを運転して、伏越し管きょ内に滞留する汚水を循環流動させる。また、上流伏越し室または下流伏越し室にエアリフトポンプを配設すれば、流入が停止した汚水に空気が供給されて、曝気による有機物の好気性処理が行なわれ、スカムの発生を抑制することができる。同時に、空気の浮力により、汚水に揚力を発生させて、循環流動させることもできる。そして、上流伏越し室への汚水の流入量が多く、ある程度の流速が確保でき、汚泥や砂が堆積しにくい場合は、循環ポンプの運転を停止して自然流下させる。流入した汚水は複数条の横断管を均等に通過して下流伏越し室に流入し、伏越し管きょ内から下流側に流出する。
【0014】
【実施例】
この発明の実施例を図面に基づき詳述すると、図1は、この発明に係る伏越し管きょ装置であって、地下構造物(図示せず)の両側に上流伏越し室1と下流伏越し室2が配設してあり、地下構造物の下方に埋設した二本の横断管3、3が、その前後部を垂設して上流伏越し室1と下流伏越し室2の底部に連結してある。横断管3の流入口3cと吐出口3dの揚程差が小さくなる。上流伏越し室1と下流伏越し室2の上部に上流側の下水管に接続した汚水の流入管4と、下流側の下水管に接続した流出管5が連結してある。流入管4から上流伏越し室1に流入した汚水を、地下構造物等の障害物を迂回して横断管3に流下させ、横断管3の汚水を下流伏越し室2に上昇させて、流出管5から下流側に排出する。従来の伏越し室マンホールを省略して、流路面積と揚程が小さくなり、流速が速くなる。伏越し管きょ内の汚泥や土砂の堆積が防止でき、動力費が少なくなり、清掃の手間も省ける。
【0015】
図1に示すように、下流伏越し室2の側壁に循環ポンプ6が支架してあり、一方の横断管3の吐出口3dに配設してある。循環ポンプ6を駆動することにより、滞留して沈殿し、腐敗しようとする下流伏越し室2の汚水が、循環ポンプ6に対設した一方の横断管3に流入し、汚水が上流伏越し室1に逆流する。上流伏越し室1に流入した汚水は、滞留している汚水を撹拌し、他方の横断管3を通り下流伏越し室2に還流する。市街地などでの腐敗した有機物や硫化水素による悪臭の発生が防止され、配管の腐食も防止できる。循環ポンプ6は循環流動させるだけの揚程があればよく、排水する場合と比較して揚程が小さくてすむ。なお、循環ポンプ6は、上流伏越し室1に配設してもよく、あるいは、横断管3の内部に設けてもよいものである。そして、横断管3は三条としてもよく、一本の横断管3に循環ポンプ6を配設すれば、汚水を循環流動させることができる。
【0016】
図2は伏越し管きょ装置の循環ポンプの制御システムであって、下流伏越し室2の汚水の流出管5に流量計や流速計などの検出手段7が配設してあり、汚水の流入量の減少や流入水の停止を検知させる。その流量値や流速値の検知信号を運転制御盤8に送信し、演算した運転指令に基づき循環ポンプ6の運転または停止を流量または流速に応じて自動で切り替える。上流伏越し室1と下流伏越し室2の滞留水を、必要な流速を保ちながら循環させて、伏越し管きょ内のスカムの発生や、汚泥及び土砂の堆積を防止する。図3は伏越し管きょ装置の他の実施例であって、エアリフトポンプ9を横断管3に配設すれば、滞留して腐敗しようとする汚水に空気が供給されて、曝気による好気性処理が行なわれる。好機性菌により有機物が分解されて、スカムと亜硫酸ガスの発生を抑制する。なお、循環ポンプ6を廃止して、横断管3にエアリフトポンプ9を配設してもよく、汚水に揚力が与えられ、汚水の循環流動が可能となる。
【0017】
図4乃至図6は汚水の流れを示す概念図であって、上流伏越し室1への流入量が少なく、汚泥や砂が堆積しやすい場合は、流速がある程度以上になるように循環ポンプ6を運転する。図4に示すように、上流伏越し室1に流入した汚水は二本の横断管3、3の片方を通り下流伏越し室2に流れる。下流伏越し室2に流れ込んだ汚水は、もう片方の横断管3を通り上流伏越し室1へ戻る。汚水を循環流動させて滞留する汚水を撹拌し、伏越し管きょ装置での汚泥及び土砂の堆積とスカムの成長を抑止する。伏越し管きょ装置の閉塞や臭気の発生が防止され、住宅街の環境を維持する。この時、下流伏越し室2を越流した汚水は装置外に流出する。水流により、汚泥及び土砂なども流出する。下流伏越し室2を越流した汚水が汚泥や土砂とともに伏越し管きょ外に流出する。
【0018】
上流伏越し室1への汚水の流入がない場合には、流入量が少ない時と同様に、流速が所定の流速以上になるように循環ポンプ6を運転する。図5に示すように、上流伏越し室1と下流伏越し室2に滞留する汚水を循環流動させて、スカムの発生と汚泥や土砂の堆積を防止する。図6に示すように、増水時には循環ポンプ6を停止して、自然流下にて送水することで動力を消費しない。汚水の流入量が不足するときには、汚水を循環流動させているので、伏越し管きょ内に汚泥や土砂などの堆積とスカムの発生がなく、雨天時などの増水時に越流水の水質が悪化することがない。
【0019】
図7は、他の実施例の伏越し管きょ装置であって、上流伏越し室1aと下流伏越し室2aの底部に樋状の流入槽10と流出槽11が併設してあり、二本の横断管3a、3aの前後部を垂設して、流入槽10と流出槽11の底部に連結してある。上流伏越し室1aに汚水の流入管4aが連結してあり、上流伏越し室1aの内部で分岐させて、流入槽10の上部に開口してある。流入管4aの開口端が上流伏越し室1aの底部に立設した堰板12に支架してある。流入管4aから汚水を上流伏越し室1aの内部の流入槽10に流入させて、水量が少ないときには流入槽10に受けた汚水を直接二本の横断管3a、3aに流下させる。水量が多い時には、一時的に上流伏越し室1aに貯留して横断管3a、3aに流下させる水量を調節する。
【0020】
図7に示すように、下流伏越し室2aに汚水の流出管5aが連結してあり、流出管5aは下流伏越し室2aの内部で分岐させて、流出槽11の上部に開口してある。流出管5aの開口端が下流伏越し室2aの底部に立設した堰板13に支架してある。横断管3aに流入してきた汚水を下流伏越し室2aの内部の流出槽11に上昇させて、流出管5aから下流側に排出させる。水量が多い時には、一時的に下流伏越し室2aに貯留して調整し、水量が少ないときには流出槽11に受けた汚水を直接流出管5aに排出する。流出槽11の側壁に循環ポンプ6aが支架してあり、一方の横断管3aの開口端に配設してある。汚水の流入量が減少し、あるいは流入が途絶えた時に、循環ポンプ6aを駆動して、流入槽10と流出槽11に滞留する汚水を循環させて、スカムの発生と汚泥や土砂の堆積を防止する。
【0021】
図8は他の実施例の伏越し管きょ装置であって、上流伏越し室1aと下流伏越し室2aに併設した流入槽10と流出槽11の底部に二本の縦断管14、14が垂下してあり、この二本の縦断管14、14の下端部が合着されて、障害物の下方に埋設した一本の横断管15の前後部に連結してある。図9は横断管の横断面図であって、横断管15の内部に半割状に分割した二条の通水路16、16が形成してある。二本の縦断管14、14を流入槽10と流出槽11の底部に接続して、上流伏越し室(1、1a)と下流伏越し室(2、2a)に連通させて、二本の縦断管14、14の下端部を横断管15の通水路16、16にそれぞれ連結してある。流出槽11の側壁に支架した循環ポンプ6aを駆動すれば、流入槽10と流出槽11に滞留する汚水に強制的に循環流を発生させて、スカムの発生と汚泥や土砂の堆積が防止できる。一本の横断管15で構成されている伏越し管きょ内であっても、横断管15の内部に隔壁を設ければ、複数条の横断管3、3aと同様の構成に改造されて、伏越し管きょ内の汚水の循環流動が可能となる。
【0022】
図10に示す伏越し管きょ装置は、従来の技術の欄に記載した図11の従来の伏越し管きょ装置であって、上流伏越し室1bと下流伏越し室2bの室底に配設した上流伏越し室マンホール19と下流伏越し室マンホール20に、地下構造物Aの下方に埋設した二本の横断管3b、3bが接続してある。二本の横断管3b、3bの片方に下流伏越し室マンホール20から上流伏越し室マンホール19に逆流させる循環ポンプ6bが配設してある。従来の既設の横断管をそのまま利用して、伏越し管きょ装置の追加工事を施すことができる。必要に応じて、上流伏越し室マンホール19と下流伏越し室マンホール20の仕切壁17、18の上端部を切り欠いてもよいものである。
【0023】
【発明の効果】
この発明は上記のように構成してあり、伏越し管きょ内の滞留水をその系統中に強制的に循環流を発生させて、少ない消費動力で伏越し管きょ内の水質を改善する汚水の循環方法及び循環装置となるものである。即ち、従来装置にあっては、小流量時に汚泥及び土砂の沈降やスカムの成長があり、伏せ越し管きょ内の閉塞や臭気の原因となっている。雨天時など大量の流入時に、越流水の水質が低下する原因にもなっていた。また、下流伏越しマンホールにポンプを設置した従来技術にあっては、伏越しの深度が深い場合、ポンプの出力及び周辺設備が大型となる。深度が深ければ揚程も高くなり、動力費も嵩むという課題があった。この発明の伏越し管きょ内の汚水の循環方法にあっては、汚水が流入する複数本の横断管のうち、一本の横断管に逆流水を発生させ、下流伏越し室の水と上流伏越し室の汚水を循環流動させるので、滞留した汚水を撹拌し、伏越し管きょ内での汚泥及び土砂の堆積とスカムの成長が抑止され、伏越し管きょ内の閉塞と、臭気の発生が防止される。住宅街の環境が維持できて、配管等の腐食も防止できる。そして、一本の横断管に循環ポンプを配設し、汚水の流入量の減少、または流入停止時に作動させ、下流伏越し室と上流伏越し室の汚水を循環流動させるので、方法が簡単であり、清掃回数が少なくなり、維持管理コストが削減できる。
【0024】
この発明の汚水の循環装置が、横断管を複数条設け、一本の横断管に下流伏越し室から上流伏越し室に逆流させる循環ポンプを配設したので、伏越し管きょ内の滞留水を、必要な流速を保ちながら循環流動させて、スカムの発生と汚泥及び土砂の堆積が防止できる。スカムの発生と汚泥や土砂の堆積がないので、雨天時などの増水時に、伏越し管きょ内から排出される越流水の水質が改善されて、清掃の手間も省ける。循環ポンプは循環流動させるだけの揚程があればよく、排水する場合と比較して揚程が小さくてすむ。そして、垂設した横断管の前後部を、上流伏越し室と下流伏越し室の底部に連結したので、揚程と流路面積を小さくして流速が速くなり、土砂の堆積が防止できる。揚程も小さくなり、動力費を少なくできる。
【0025】
上流伏越し室と下流伏越し室に流入槽と流出槽を併設した伏越し管きょ装置にあっては、二本の横断管の前後部を垂設して、流入槽と流出槽の底部にそれぞれ連結すれば、容積の小さい流入槽と流出槽に滞留する汚水を循環流動させて、閉塞や臭気の発生が防止できる。そして、下流伏越し室の汚水の流出管に流速または流量の検出器を配設すれば、汚水の流入量の減少や流入水の停止が検知され、循環ポンプの運転または停止を流量や流速に応じて自動的に切り替えられる。また、伏越し管きょ内にエアリフトポンプを配設すれば、汚水の曝気処理が行なわれ、スカムの発生が抑制される。なお、循環ポンプを廃止して、横断管にエアリフトポンプを配設してもよく、汚水に揚力が与えられ、汚水の循環流動が可能となる。
【0026】
既存の障害物の下方に埋設した一本の横断管にあっては、一本の横断管の内部隔壁を設けて複数の通水路を形成し、上流伏越し室と下流伏越し室に連通させた複数の縦断管を横断管の通水路にそれぞれ連結しても、強制的に循環流を発生することができる。また、既存の上流伏越し室と下流伏越し室の室底に上流伏越し室マンホールと下流伏越し室マンホールを配設した従来の伏越し管きょ装置にあっては、二本の横断管の片方に循環ポンプを配設すれば、従来の既設の横断管をそのまま利用して、伏越し管きょ装置の追加工事を施すことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る伏越し管きょ装置の一部縦断斜視図である。
【図2】 同じく、伏越し管きょ装置の循環ポンプの制御システムである。
【図3】 同じく、他の実施例の、伏越し管きょ装置の一部縦断斜視図である。
【図4】 同じく、汚水の循環流動を示す概念図である。
【図5】 同じく、汚水の循環流動を示す概念図である。
【図6】 同じく、汚水の流動状態の概念図である。
【図7】 同じく、他の実施例の、伏越し管きょ装置の一部縦断斜視図である。
【図8】 同じく、他の実施例の、伏越し管きょ装置の一部縦断斜視図である。
【図9】 図8に示す横断管の横断面図である。
【図10】 同じく、他の実施例の、伏越し管きょ装置の一部縦断斜視図である。
【図11】 従来の伏越し管きょ装置の一部縦断斜視図である。
【符号の説明】
1、1a、1b 上流伏越し室
2、2a、2b 下流伏越し室
3、3a、3b 横断管
5,5a,5b 流出管
6、6a、6b 循環ポンプ
7 検出手段
9 エアリフトポンプ
10 流入槽
11 流出槽
14 縦断管
15 横断管
16 通水路
17、18 仕切壁
19 上流伏越し室マンホール
20 下流伏越し室マンホール

Claims (10)

  1. 障害物の両側に上流伏越し室(1、1a)と下流伏越し室(2、2a)を設け、この上流伏越し室(1、1a)と下流伏越し室(2、2a)を障害物の下方に埋設した複数条の横断管(3、3a…)で接続する伏越し管きょ装置において、汚水が流入する複数条の横断管(3、3a…)のうち、一本の横断管(3、3a)に逆流水を発生させ、下流伏越し室(2、2a)の水を上流伏越し室(1、1a)に逆流させて、複数条の横断管(3、3a…)を通じて上流伏越し室(1、1a)と下流伏越し室(2、2a)の汚水を循環流動させ、汚泥及び土砂の堆積とスカムの成長を防止させることを特徴とする伏越し管きょ内の汚水の循環方法。
  2. 上記一本の横断管(3、3a)に循環ポンプ(6、6a)を配設して、汚水の流入量の減少、または流入停止時に作動させ、上流伏越し室(1、1a)と下流伏越し室(2、2a)の汚水を循環流動させることを特徴とする請求項1に記載の伏越し管きょ内の汚水の循環方法。
  3. 障害物の両側に上流伏越し室(1、1a)と下流伏越し室(2、2a)を設け、この上流伏越し室(1、1a)と下流伏越し室(2、2a)を障害物の下方に埋設した横断管(3、3a)で接続する伏越し管きょ装置において、上記横断管(3、3a…)を複数条設け、一本の横断管(3、3a)に下流伏越し室(2、2a)から上流伏越し室(1、1a)に逆流させる循環ポンプ(6、6a)を配設したことを特徴とする伏越し管きょ内の汚水の循環装置。
  4. 上記横断管(3、3a)の前後部を障害物の両側に垂設し、上流伏越し室(1、1a)と下流伏越し室(2、2a)の底部に連結したことを特徴とする請求項3に記載の伏越し管きょ内の汚水の循環装置。
  5. 上記上流伏越し室(1a)と下流伏越し室(2a)の底部に樋状の流入槽(10)と流出槽(11)を併設し、二本の横断管(3a、3a)の前後部を垂設して、流入槽(10)と流出槽(11)の底部にそれぞれ連結したことを特徴とする請求項3に記載の伏越し管きょ内の循環装置。
  6. 上記下流伏越し室(2、2a)の汚水の流出管(5)に流速または流量の検出手段(7)を配設したことを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項に記載の伏越し管きょ内の汚水の循環装置。
  7. 上記横断管(3a)にエアリフトポンプ(9)を配設したことを特徴とする請求項3乃至6の何れか1項に記載の伏越し管きょ内の汚水の循環装置。
  8. 上記循環ポンプ(6、6a)の代りに、横断管(3a)にエアリフトポンプ(9)を配設したことを特徴とする請求項3乃至6の何れか1項に記載の伏越し管きょ内の汚水の循環装置。
  9. 上記障害物の下方に埋設した複数条の横断管(3、3a)の代わりに、一本の横断管(15)の内部隔壁を設けて複数条の通水路(16、16)を形成し、上流伏越し室(1、1a)と下流伏越し室(2、2a)に連通させた複数条の縦断管(14、14)を横断管(15)の通水路(16、16)にそれぞれ連結し、一本の縦断管(14)に下流伏越し室(2、2a)から上流伏越し室(1、1a)に逆流させる循環ポンプ(6、6a)を配設した請求項3乃至8の何れか1項に記載の伏越し管きょ内の汚水の循環装置。
  10. 障害物の両側に上流伏越し室(1b)と下流伏越し室(2b)を設け、その室底の下半部に仕切壁(17、18)で区画して上部を解放した上流伏越し室マンホール(19)と下流伏越し室マンホール(20)を配設すると共に、上流伏越し室マンホール(19)と下流伏越し室マンホール(20)を障害物の下方に埋設した二本の横断管(3b、3b)で接続した伏越し管きょ装置において、一本の横断管(3b)に下流伏越し室マンホール(20)から上流伏越し室マンホール(19)に逆流させる循環ポンプ(6b)を配設したことを特徴とする伏越し管きょ内の汚水の循環装置。
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