JP4039058B2 - 車両の衝撃吸収構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の衝撃吸収構造に係り、特に、衝突時に衝突荷重を吸収する衝撃吸収手段を有する車両の衝撃吸収構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、衝突時に衝突荷重を吸収する衝撃吸収手段を有する車両の衝撃吸収構造においては、その一例が特開平11−208389号公報に示されている。
【0003】
図12に示される如く、この従来の技術では、バンパリインフォースメント(バンパーアーマチュアともいう)100の前部とバンパフェイス(バンパーフェイシャともいう)102との間に衝撃吸収手段(衝突エネルギー吸収体ともいう)104を配設しており、図13に示される如く、この衝撃吸収手段104は、下側ブロック106と、その上に複数個の分離体108を車幅方向に適宜間隔で列設配置して構成した上側ブロック110とを備えている。このため、バンパが、歩行者の脚部に衝突した際には、図14(A)、(B)に示される如く、脚部112が、隣接する分離体108の間にそれらの車幅方向への撓み変形で入り込んで衝撃力の増大を抑えるようになっている。一方、バンパが、壁に衝突した際には、下側ブロック106と上側ブロック110とが前後方向に圧縮変形して衝突エネルギー吸収量を増大するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この車両の衝撃吸収構造においては、壁・車両等の質量の大きな被衝突体に衝突した場合に、下側ブロック106と上側ブロック110とが前後方向に圧縮変形するため、バンパリインフォースメント100を支持するサイドメンバ等の車両端部の骨格部材への荷重伝達が遅くなり、骨格部材によるエネルギー吸収が遅れることが考えられる。また、上側ブロック110においては、図14(A)、(B)に示される如く、変形が容易であるため、衝突時に衝撃力を発生することができない。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、歩行者保護と乗員保護とを両立できる車両の衝撃吸収構造を得ることが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明における車両の衝撃吸収構造は、車両のフロントサイドメンバからなる第1衝撃吸収手段と、樹脂材からなり車両のバンパリインフォースメントを覆うバンパフェイスである第2衝撃吸収手段と、前記車両のバンパリインフォースメントに設けられ、車両上下方向から見た形状が、車幅方向に延びる長手方向の略中央部から車幅方向両側の荷重入力部がそれぞれ円弧状に前方へ延設された湾曲形状とされ、前壁部の車幅方向中央部には凹部が形成されており、被衝突体の衝突部位における車幅方向の長さの違いによって、主たる衝突荷重を前記第1衝撃吸収手段と前記第2衝撃吸収手段との何れかに伝達する荷重伝達手段と、を有し、前記荷重伝達手段は、前記バンパリインフォースメントに水平面内で回転可能に軸支され、前記第2衝撃吸収手段に接近して長手方向の略中央部を回転中心とする回転部材であり、被衝突体との衝突の際に接触する前記車幅方向両側の荷重入力部の双方に略同等の衝突荷重が入力された場合には、前記第1衝撃吸収手段に衝突荷重を伝達すると共に、前記車幅方向両側の荷重入力部の一方にのみ衝突荷重が入力された場合には、他方の荷重入力部を介して、前記第2衝撃吸収手段に前記衝突荷重入力方向とは反対方向へ衝突荷重を伝達することを特徴とする。
【0007】
従って、車両が被衝突体に衝突した場合には、荷重伝達手段が、被衝突体の衝突部位における車幅方向の長さの違いによって、車両のフロントサイドメンバからなる第1衝撃吸収手段と、樹脂材からなり車両のバンパリインフォースメントを覆うバンパフェイスである第2衝撃吸収手段とに、主たる衝突荷重の伝達部位を変える。この結果、例えば、車幅方向の長さが小さい歩行者の脚部等の被衝突体と衝突した場合には、樹脂材からなり車両のバンパリインフォースメントを覆うバンパフェイスである第2衝撃吸収手段に主たる衝突荷重が作用することで、歩行者の脚部等の被衝突体へ与える衝撃を低減することができる。一方、車幅方向の長さが大きい壁・車両等の被衝突体と衝突した場合には、車両のフロントサイドメンバからなる第1衝撃吸収手段に主たる衝突荷重を迅速且つ効率的に伝達することができるため、第1衝撃吸収手段による衝撃吸収を迅速且つ効率的に行うことができる。この結果、歩行者保護と乗員保護とを両立できる。また、荷重伝達手段が車幅方向に延びる長手方向の略中央部においてバンパリインフォースメントに水平面内で回転可能に軸支され、第2衝撃吸収手段に接近しており、軸支された部位の車幅方向両側に荷重入力部を有する回転部材である。このため、少なくとも2箇所の荷重入力部の双方に略同等の衝突荷重が入力された場合には、第1衝撃吸収手段に衝突荷重を伝達する。また、荷重入力部のうちの一方にのみ衝突荷重が入力された場合には、他の荷重入力部を介して、第2衝撃吸収手段に衝突荷重入力方向とは反対方向へ衝突荷重を伝達する。この結果、歩行者保護と乗員保護とを効率的に両立できる。さらに、回転部材の車両上下方向から見た形状が、車幅方向に延びる長手方向の略中央部から車幅方向両側の荷重入力部がそれぞれ円弧状に前方へ延設された湾曲形状とされており、回転部材の前壁部の車幅方向中央部には凹部が形成されている。このため、荷重入力部の何れか一方に、衝突部位における車幅方向の長さが小さい、歩行者の脚部等の被衝突体が衝突した場合には、回転部材が軸を中心に回転する。この結果、荷重入力部の何れか他方から第2衝撃吸収手段に主たる衝突荷重が作用することで、歩行者の脚部等の被衝突体へ与える衝撃を低減することができる。
【0012】
請求項2記載の本発明は、車両のフロントサイドメンバからなる第1衝撃吸収手段と、車両のフロントサイドメンバ以外からなる第2衝撃吸収手段と、前記車両のバンパリインフォースメントに設けられ、被衝突体の衝突部位における車幅方向の長さの違いによって、主たる衝突荷重を前記第1衝撃吸収手段と前記第2衝撃吸収手段との何れかに伝達する荷重伝達手段と、を有し、前記荷重伝達手段は、被衝突体との衝突の際に接触する少なくとも2箇所の荷重入力部を有しており、前記荷重入力部の全てに略同等の衝突荷重が入力された場合には、前記第1衝撃吸収手段に衝突荷重を伝達すると共に、前記荷重入力部のうちの一部にのみ衝突荷重が入力された場合には、他の荷重入力部を介して、前記第2衝撃吸収手段に前記衝突荷重入力方向とは反対方向へ衝突荷重を伝達すると共に、前記荷重伝達手段は、車幅方向に延びる連結部によって互いに連結された少なくとも一組の荷重入力部を備え、該一組の荷重入力部は前記連結部の車幅方向両側に配置され、内部に流体を充填した伸縮部材であることを特徴とする。
【0013】
従って、車両が被衝突体に衝突した場合には、車両のバンパリインフォースメントに設けられた荷重伝達手段が、被衝突体の衝突部位における車幅方向の長さの違いによって、車両のフロントサイドメンバからなる第1衝撃吸収手段と、車両のフロントサイドメンバ以外からなる第2衝撃吸収手段とに、主たる衝突荷重の伝達部位を変える。この結果、例えば、車幅方向の長さが小さい歩行者の脚部等の被衝突体と衝突した場合には、車両のフロントサイドメンバ以外からなる第2衝撃吸収手段に主たる衝突荷重が作用することで、歩行者の脚部等の被衝突体へ与える衝撃を低減することができる。一方、車幅方向の長さが大きい壁・車両等の被衝突体と衝突した場合には、車両のフロントサイドメンバからなる第1衝撃吸収手段に主たる衝突荷重を迅速且つ効率的に伝達することができるため、第1衝撃吸収手段による衝撃吸収を迅速且つ効率的に行うことができる。この結果、歩行者保護と乗員保護とを両立できる。また、荷重伝達手段は、車幅方向に延びる連結部によって互いに連結され連結部の車幅方向両側に配置された一組の伸縮部材である荷重入力部の双方に略同等の衝突荷重が入力された場合には、第1衝撃吸収手段に主たる衝突荷重を伝達する。また、荷重伝達手段は、荷重入力部のうちの一方にのみ衝突荷重が入力された場合には、他方の伸縮部材を介して、第2衝撃吸収手段に主たる衝突荷重を伝達する。この結果、簡単な構成で歩行者保護と乗員保護とを両立できる。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の車両の衝撃吸収構造において、前記第2衝撃吸収手段は樹脂材からなりバンパリインフォースメントを覆うバンパフェイスであることを特徴とする。
従って、樹脂材からなりバンパリインフォースメントを覆うバンパフェイスが変形または破損することによって、衝突エネルギーを吸収することができる。従って、被衝突体に作用する衝撃力を小さくすることができるため、歩行者の脚部等の被衝突体へ与える衝撃を低減することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明における車両の衝撃吸収構造の第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0015】
なお、図中矢印FRは車両前方方向を、矢印UPは車両上方方向を示す。
【0016】
図1に示される如く、本実施形態では、自動車車体における前部の車幅方向両端下部近傍に車体前後方向に沿って配設された第1衝撃吸収手段を構成する車両前部の骨格部材としての左右一対のフロントサイドメンバ10の先端部(前端部)に、クラッシュボックス12を介して、バンパリインフォースメント14が取り付けられている。なお、フロントサイドメンバ10、クラッシュボックス12、及びバンパリインフォースメント14は、例えば、アルミニウムの押出し成形品からなる断面矩形状の閉断面構造とされている。
【0017】
図2に示される如く、バンパリインフォースメント14におけるクラッシュボックス12との連結部となる部位14Aには、車両上下方向に貫通する貫通孔18が形成されている。これらの貫通孔18には、段付ボルト20とナット22とによって、荷重伝達手段を構成する回転部材としての回転メンバ26が回転可能に軸支されている。なお、回転メンバ26の車幅方向から見た断面形状は、開口部を車両後方へ向けたコ字状となっている。
【0018】
図3に示される如く、回転メンバ26の車両上下方向から見た形状は、車幅方向に延びる長手方向の略中央部26Aから車幅方向外側の荷重入力部26B及び車幅方向内側の荷重入力部26Cがそれぞれ円弧状に前方へ延設された湾曲形状とされている。
【0019】
図2に示される如く、回転メンバ26の略中央部26Aには、車両上下方向に貫通する貫通孔28が形成されており、これらの貫通孔28には、段付ボルト20が挿入されている。従って、回転メンバ26は、バンパリインフォースメント14に対して、段付ボルト20を中心に図3における車幅内側方向(図3の矢印A方向)と車幅外側方向(図3の矢印B方向)とへ回転可能に軸支されている。
【0020】
また、回転メンバ26の前壁部26Dの車幅方向中央部に形成された凹部30内には、発泡ウレタン等からなる衝撃吸収材32が配設されており、回転メンバ26及びバンパリインフォースメント14は、樹脂材からなるバンパフェイス36によって覆われている。
【0021】
図3に示される如く、回転メンバ26は第2衝撃吸収手段としてのバンパフェイス36の内側面36Aと接近しており、例えば、回転メンバ26が回転した場合には、回転メンバ26における車幅方向外側の荷重入力部26Bと車幅方向内側の荷重入力部26Cとの何れか一方が、バンパフェイス36の内側面36Aに当接しこれを押圧するようになっている。
【0022】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0023】
本実施形態では、図4に示される如く、回転メンバ26の回転中心である段付ボルト20から車幅方向にずれた荷重入力部26B、26Cの何れか一方、例えば、車幅方向内側の荷重入力部26Cに、衝突部位における車幅方向の長さが小さい、歩行者の脚部等の被衝突体S1が衝突した場合には、回転メンバ26が段付ボルト20を中心に図4の矢印A方向へ回転する。この結果、例えば、回転メンバ26の車幅方向外側の荷重入力部26Bがバンパフェイス36の内側面36Aを押圧するため、バンパフェイス36が変形または破損することによって、衝突エネルギーを吸収することができる。従って、被衝突体S1に作用する衝撃力F1を小さくすることができるため、歩行者の脚部等の被衝突体S1へ与える衝撃を低減することができる。
【0024】
一方、図5に示される如く、衝突部位における車幅方向の長さが大きい壁・車両等の被衝突体S2と衝突した場合には、被衝突体S2が回転メンバ26の回転中心となる段付ボルト20の車幅方向両側、即ち、車幅方向外側の荷重入力部26Bと車幅方向内側の荷重入力部26Cとの双方に衝突する。この結果、回転メンバ26は回転せず、被衝突体S2への衝撃力F2が大きくなり、衝突荷重F3は、段付ボルト20とバンパリインフォースメント14を介してクラッシュボックス12とフロントサイドメンバ10とに迅速且つ効率的に伝達される。このため、例えば、クラッシュボックス12とフロントサイドメンバ10とが図5に示される如く圧縮変形することで、衝撃吸収を迅速且つ効率的に行うことができる。
【0025】
この結果、本実施形態では、歩行者保護と乗員保護とを両立できる。
【0026】
また、本実施形態では、バンパフェイス36を第2衝撃吸収手段として使用でき、例えば、ゴムダンパ等で構成する第2衝撃吸収手段をバンパリインフォースメント14と回転メンバ26との当接部間等に別途設ける必要がないため、部品点数を低減できる。
【0027】
なお、図6に示される如く、バンパリインフォースメント14におけるクラッシュボックス12との連結部にあたる部位14A以外の部位、例えば、バンパリインフォースメント14の車幅方向中央部14B等にも回転メンバ26を配設した構成としても良い。また、回転メンバ26が回転した際の第2衝撃吸収手段としてのゴムダンパ等をバンパリインフォースメント14と回転メンバ26との当接部間等に別途設けた構成としても良い。
【0028】
次に、本発明の車両の衝撃吸収構造における第2実施形態を図7〜図11に従って説明する。
【0029】
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0030】
図7に示される如く、本実施形態では、バンパリインフォースメント14の前面14Cに、車幅方向に沿って荷重伝達手段である伸縮部材としての衝撃伝達装置40が接着等により固定されており、衝撃伝達装置40はオイル等の流体42が充填された樹脂等の容器44で構成されている。
【0031】
図8に示される如く、衝撃伝達装置40における車幅方向両端部には、それぞれ蛇腹状の伸縮部材とされた荷重入力部40A、40Bが車両前方に向けて形成されており、これらの荷重入力部40A、40Bは、バンパリインフォースメント14におけるクラッシュボックス12との連結部となる部位14Aを挟んで車幅方向両側に形成されている。
【0032】
図9に示される如く、衝撃伝達装置40における荷重入力部40Aと荷重入力部40Bとは、断面積T1が大きな連結部40Cによって互いに連結されており、車幅方向両端部の荷重入力部40Aは断面積T2(T2<T1)が小さい連結部40Dによって互いに連結されている。また、連結部40Dの車幅方向両端部近傍には、ストッパ40Eが形成されており、ストッパ40Eは所定値以上の内圧で開くようになっている。
【0033】
従って、図9に示される如く、衝撃伝達装置40における荷重入力部40Aと荷重入力部40Bとのうちの一方、例えば、荷重入力部40Aに、衝突部位における車幅方向の長さが小さい歩行者の脚部等の被衝突体S1が衝突した場合には、荷重入力部40Aが圧縮され、荷重入力部40A内のオイル等の流体42が、矢印Wで示すように、連結部40Cを通り、荷重入力部40Bへ移動し、荷重入力部40Bを伸ばし、バンパフェイス36の内側面36Aに当接しこれを押圧するようになっている。
【0034】
一方、図10に示される如く、衝突部位における車幅方向の長さが大きい壁・車両等の被衝突体S2と衝突した場合には、被衝突体S2が衝撃伝達装置40における荷重入力部40Aと荷重入力部40Bとの双方に当接するようになっている。
【0035】
更に、荷重入力部40A、40B内のオイル等の流体42が圧縮され内圧が所定値を超えると、図11に示される如く、ストッパ40Eが開き、流体42は、矢印Wで示すように、連結部40Dを通り、反対側の荷重入力部40A、40Bへ移動するようになっている。
【0036】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0037】
本実施形態では、図9に示される如く、衝撃伝達装置40における荷重入力部40Aと荷重入力部40Bとのうちの一方、例えば、荷重入力部40Aに、衝突部位における車幅方向の長さが小さい歩行者の脚部等の被衝突体S1が衝突した場合には、荷重入力部40Aが圧縮され、荷重入力部40A内のオイル等の流体42が、矢印Wで示すように、連結部40Cを通り、荷重入力部40Bへ移動し、荷重入力部40Bを伸ばす。この結果、荷重入力部40Bがバンパフェイス36の内側面36Aを押圧するため、バンパフェイス36が変形または破損することによって、衝突エネルギーを吸収することができる。従って、被衝突体S1に作用する衝撃力F1を小さくすることができるため、歩行者の脚部等の被衝突体S1へ与える衝撃を低減することができる。
【0038】
一方、衝突部位における車幅方向の長さが大きい壁・車両等の被衝突体S2と衝突した場合には、被衝突体S2が衝撃伝達装置40における荷重入力部40Aと荷重入力部40Bとの双方に当接する。この結果、荷重入力部40Aと荷重入力部40Bとの双方が殆ど圧縮せず、被衝突体S2への衝撃力F2が大きくなり、衝突荷重F3は、衝撃伝達装置40とバンパリインフォースメント14を介してクラッシュボックス12とフロントサイドメンバ10とに迅速且つ効率的に伝達される。このため、例えば、クラッシュボックス12と一対のフロントサイドメンバ10とが圧縮変形することで、衝撃吸収を迅速且つ効率的に行うことができる。
【0039】
この結果、本実施形態では、歩行者保護と乗員保護とを両立できる。
【0040】
また、本実施形態では、バンパフェイス36を第2衝撃吸収手段として使用でき、例えば、ゴムダンパ等で構成する第2衝撃吸収手段を別途設ける必要がないため、部品点数を低減できる。
【0041】
また、本実施形態では、図11に示される如く、荷重入力部40A、40B内のオイル等の流体42が圧縮され内圧が所定値を超えるとストッパ40Eが開く。この結果、流体42は、矢印Wで示すように、連結部40Dを通り、反対側の荷重入力部40A、40Bへ移動し、被衝突体S2が衝突した荷重入力部40Aと荷重入力部40Bとが圧縮変形し、反対側の荷重入力部40Aと荷重入力部40Bとが延びる。このため、衝撃伝達装置40の破裂を防止できる。
【0042】
なお、バンパリインフォースメント14におけるクラッシュボックス12との連結部となる部位14A以外の部位、例えば、バンパリインフォースメント14の車幅方向中間部にも荷重入力部40A、40Bを配設する構成としても良い。
【0043】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、一対のフロントサイドメンバ10の先端部に、クラッシュボックス12を介して、バンパリインフォースメント14を取り付けたが、これに代えて、一対のフロントサイドメンバ10の先端部に、クラッシュボックス12を介さないで、バンパリインフォースメント14を取り付けた構成としても良い。また、一対のフロントサイドメンバ10、クラッシュボックス12、バンパリインフォースメント14は、マグネシウム等の他の金属からなる押出し成形品としても良い。また、一対のフロントサイドメンバ10、クラッシュボックス12、バンパリインフォースメント14は、プレス成形品としても良い。
【0044】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明における車両の衝撃吸収構造は、車両のフロントサイドメンバからなる第1衝撃吸収手段と、樹脂材からなり車両のバンパリインフォースメントを覆うバンパフェイスである第2衝撃吸収手段と、車両のバンパリインフォースメントに設けられ、車両上下方向から見た形状が、車幅方向に延びる長手方向の略中央部から車幅方向両側の荷重入力部がそれぞれ円弧状に前方へ延設された湾曲形状とされ、前壁部の車幅方向中央部には凹部が形成されており、被衝突体の衝突部位における車幅方向の長さの違いによって、主たる衝突荷重を前記第1衝撃吸収手段と前記第2衝撃吸収手段との何れかに伝達する荷重伝達手段と、を有し、前記荷重伝達手段は、前記バンパリインフォースメントに水平面内で回転可能に軸支され、前記第2衝撃吸収手段に接近して長手方向の略中央部を回転中心とする回転部材であり、被衝突体との衝突の際に接触する車幅方向両側の荷重入力部の双方に略同等の衝突荷重が入力された場合には、第1衝撃吸収手段に衝突荷重を伝達すると共に、車幅方向両側の荷重入力部の一方にのみ衝突荷重が入力された場合には、他方の荷重入力部を介して、第2衝撃吸収手段に衝突荷重入力方向とは反対方向へ衝突荷重を伝達するため、簡単な構成で歩行者保護と乗員保護とを両立できるという優れた効果を有する。また、歩行者の脚部等の被衝突体へ与える衝撃を低減することができるという優れた効果を有する。
【0047】
請求項2記載の本発明は、車両のフロントサイドメンバからなる第1衝撃吸収手段と、車両のフロントサイドメンバ以外からなる第2衝撃吸収手段と、車両のバンパリインフォースメントに設けられ、被衝突体の衝突部位における車幅方向の長さの違いによって、主たる衝突荷重を第1衝撃吸収手段と第2衝撃吸収手段との何れかに伝達する荷重伝達手段と、を有し、荷重伝達手段は、被衝突体との衝突の際に接触する少なくとも2箇所の荷重入力部を有しており、荷重入力部の全てに略同等の衝突荷重が入力された場合には、第1衝撃吸収手段に衝突荷重を伝達すると共に、荷重入力部のうちの一部にのみ衝突荷重が入力された場合には、他の荷重入力部を介して、第2衝撃吸収手段に衝突荷重入力方向とは反対方向へ衝突荷重を伝達すると共に、荷重伝達手段は、車幅方向に延びる連結部によって互いに連結された少なくとも一組の荷重入力部を備え、該一組の荷重入力部は連結部の車幅方向両側に配置され、内部に流体を充填した伸縮部材であるため、簡単な構成で歩行者保護と乗員保護とを両立できるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の車両の衝撃吸収構造において、第2衝撃吸収手段は樹脂材からなりバンパリインフォースメントを覆うバンパフェイスであるため、歩行者の脚部等の被衝突体へ与える衝撃を低減することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両の衝撃吸収構造を示す車両斜め前方から見た斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る車両の衝撃吸収構造を示す車両斜め前方から見た分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る車両の衝撃吸収構造を示す水平断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る車両の衝撃吸収構造の作用説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る車両の衝撃吸収構造の作用説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態の変形例に係る車両の衝撃吸収構造を示す車両斜め前方から見た斜視図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る車両の衝撃吸収構造を示す車両斜め前方から見た斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る車両の衝撃吸収構造を示す水平断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る車両の衝撃吸収構造の作用説明図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る車両の衝撃吸収構造の作用説明図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る車両の衝撃吸収構造の作用説明図である。
【図12】従来技術の車両の衝撃吸収構造を示す側断面図である。
【図13】従来技術の車両の衝撃吸収構造における衝突エネルギー撃吸収体を示す斜視図である。
【図14】従来技術の車両の衝撃吸収構造における衝突エネルギー吸収体の作用を説明する平面図であり、(A)は分離体の変形前を、(B)は分離体の変形状態を示す。
【符号の説明】
10 フロントサイドメンバ(第1衝撃吸収手段)
12 クラッシュボックス
14 バンパリインフォースメント
26 回転メンバ(荷重伝達手段、回転部材)
26B 回転メンバの荷重入力部
26C 回転メンバの荷重入力部
36 バンパフェイス(第2衝撃吸収手段)
40 エネルギー伝達装置(荷重伝達手段、伸縮部材)
40A エネルギー伝達装置の荷重入力部(伸縮部材)
40B エネルギー伝達装置の荷重入力部(伸縮部材)
42 流体
Claims (3)
- 車両のフロントサイドメンバからなる第1衝撃吸収手段と、
樹脂材からなり車両のバンパリインフォースメントを覆うバンパフェイスである第2衝撃吸収手段と、
前記車両のバンパリインフォースメントに設けられ、車両上下方向から見た形状が、車幅方向に延びる長手方向の略中央部から車幅方向両側の荷重入力部がそれぞれ円弧状に前方へ延設された湾曲形状とされ、前壁部の車幅方向中央部には凹部が形成されており、被衝突体の衝突部位における車幅方向の長さの違いによって、主たる衝突荷重を前記第1衝撃吸収手段と前記第2衝撃吸収手段との何れかに伝達する荷重伝達手段と、
を有し、
前記荷重伝達手段は、前記バンパリインフォースメントに水平面内で回転可能に軸支され、前記第2衝撃吸収手段に接近して長手方向の略中央部を回転中心とする回転部材であり、被衝突体との衝突の際に接触する前記車幅方向両側の荷重入力部の双方に略同等の衝突荷重が入力された場合には、前記第1衝撃吸収手段に衝突荷重を伝達すると共に、前記車幅方向両側の荷重入力部の一方にのみ衝突荷重が入力された場合には、他方の荷重入力部を介して、前記第2衝撃吸収手段に前記衝突荷重入力方向とは反対方向へ衝突荷重を伝達することを特徴とする車両の衝撃吸収構造。 - 車両のフロントサイドメンバからなる第1衝撃吸収手段と、
車両のフロントサイドメンバ以外からなる第2衝撃吸収手段と、
前記車両のバンパリインフォースメントに設けられ、被衝突体の衝突部位における車幅方向の長さの違いによって、主たる衝突荷重を前記第1衝撃吸収手段と前記第2衝撃吸収手段との何れかに伝達する荷重伝達手段と、
を有し、前記荷重伝達手段は、被衝突体との衝突の際に接触する少なくとも2箇所の荷重入力部を有しており、前記荷重入力部の全てに略同等の衝突荷重が入力された場合には、前記第1衝撃吸収手段に衝突荷重を伝達すると共に、前記荷重入力部のうちの一部にのみ衝突荷重が入力された場合には、他の荷重入力部を介して、前記第2衝撃吸収手段に前記衝突荷重入力方向とは反対方向へ衝突荷重を伝達すると共に、前記荷重伝達手段は、車幅方向に延びる連結部によって互いに連結された少なくとも一組の荷重入力部を備え、該一組の荷重入力部は前記連結部の車幅方向両側に配置され、内部に流体を充填した伸縮部材であることを特徴とする車両の衝撃吸収構造。 - 前記第2衝撃吸収手段は樹脂材からなりバンパリインフォースメントを覆うバンパフェイスであることを特徴とする請求項2に記載の車両の衝撃吸収構造。
Priority Applications (1)
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