JP4038869B2 - Wheel with brake disc - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両用のブレーキディスク付車輪に関する。
【０００２】
【従来の技術】
鉄道車両や自動車および自動二輪車等の機械式制動装置として、ブロックブレーキ、ドラムブレーキ、ディスクブレーキなどが使用されている。近年では、車両の高速化および大型化にともないディスクブレーキが多用されるようになってきた。ディスクブレーキとは、ブレーキディスクとブレーキライニングとの摩擦により制動力を得る装置のことである。通常、ボルト、ナットにより車軸または車輪に取り付けられている。ディスクの回転に制動を加えることにより、車軸または車輪の回転が制動され、結果として車両の速度が制御される。
【０００３】
鉄道車両に使用されているブレーキディスクとしては、側ディスクおよび軸マウントディスクの２つが挙げられる。側ディスクとは、車輪の側面に締結されるブレーキディスクのことであり、軸マウントディスクとは車軸に締結されるブレーキディスクのことである。本発明は、側ディスクの締結方法に関するものである。以下、ブレーキディスク（単に「ディスク」と記す）は、側ディスクを指すこととする。
【０００４】
新幹線等の高速鉄道車両では、ブレーキ負荷時の回転速度や慣性力が非常に大きいため、このような車両に用いられるディスクは、他の自動車または自動二輪車用での使用条件よりもはるかに過酷な条件で使用される。そのため、高速鉄道車両用のディスクおよびディスクと車輪を締結するボルトは、この過酷な使用環境に耐える必要がある。ディスクに発生する応力としては熱応力が挙げられる。この熱応力は、ディスクの温度上昇による熱膨張がボルト穴部で拘束されることにより発生する。特にボルト穴縁部では応力集中により高応力が発生する。その他に、遠心力なども発生するが、その値は熱応力と比べると無視できるほど小さい。
【０００５】
このような熱応力に加えて、さらに大きな問題として、ディスクはその使用とともに外周部が車輪の板面から離れてすり鉢状に変形する、いわゆるそり発生の問題がある。この変形が進むと、ディスクとライニングの間に偏摩耗が生じ、かつ摩擦特性が不安定になり使用不能となることもある。
【０００６】
上記はディスクに発生する応力についての説明であるが、ボルトに発生する応力としては、ディスクの回転を拘束することに起因するせん断力と、ライニングの押付け力とディスクの熱膨張に起因する引張および曲げ応力がある。さらに、上記のディスクのすり鉢状変形により、ライニング押付け時に高い曲げおよび引張応力が発生し、使用途中に疲労破壊するおそれがある。
【０００７】
このような過酷な条件をさけるため、例えば特開平９−１００８５２号公報に開示された「ブレーキディスクの装着装置」というディスクのボルト穴縁の応力集中の緩和を目的とした発明がある。この発明の装置では、ディスクはスプリングピンと皿ばねを介してボルトとナットで車輪に締結されている。このため、ブレーキディスクのボルト穴の変位はスプリングピンで吸収され、締結力は皿ばねにより一定に保持されるので、ボルト穴縁の応力集中は緩和される。しかしながら、この締結方法では、スプリングピンを圧入することによる応力がボルト穴縁にあらたに発生するおそれがある。また、ボルトに負荷される応力、特に軸方向の応力は従来までの締結方法とほぼ同程度であることから、ボルトの寿命は従来の方法とほとんど変化がないと予想される。とくに、近年、問題とされているディスクのすり鉢変形を抑制する効果は期待できない。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡便な方法でディスクのすり鉢変形を抑制し、その結果、ディスクと車輪を締結するボルトへの負荷を低減し、ディスクおよびボルトの両方を長寿命化することができるディスク付車輪を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
従来、ディスクと車輪をボルトのみで締結していたが、上記の課題を解決するために、下記の方法が有効であることを確認した。
【００１０】
図１は、本発明のディスク付車輪を車軸の軸心を含む面で切断した縦断面図（１／２部分）である。図１において下記の点が重要なポイントである。
【００１１】
(a)ディスク１は、摺動面２よりも内周側が、車輪のボス外径３６に近い板部３３と締結される。締結はボルト４、ナット５等で行うことができる。
【００１２】
(b)この締結のみによりディスクが車輪に固定されると、ディスクの摺動面およびそれより外周部は、熱応力により車輪の板面３４から離れ、すり鉢状に変形する。そこで、車輪リム内径面３２とディスク外周面３とに取り付けられた変形防止手段によりディスクがすり鉢状に変形しないような拘束部を設ける。
【００１３】
(c)拘束部として、ディスク外周面に設けられたディスクリング溝８と、このリング溝８に相対するように車輪リム内径面に設けられた車輪リング溝９（以下、これらをあわせて「リング溝」と呼ぶ）とによって構成されるリング挿入孔１０に挿入されるリング７を用いると、簡便にすり鉢状変形を抑制する拘束部となる。
【００１４】
本発明は、上記の事項を基に試験を重ね完成にいたったもので、下記のディスク付車輪をその要旨とする。
【００１５】
（Ａ）車輪リム内径より小さいブレーキディスクが、下記（１）の固定部および下記（２）の拘束部によって車輪の板部に取り付けられていることを特徴とする鉄道車両用ブレーキディスク付車輪。
【００１６】
（１）車輪の板部と、ブレーキディスクの摺動面より内周側とが、ボルトとナットにより締結されている固定部
【００１７】
（２）ブレーキディスク外周面に設けられたディスクリング溝と、この溝に相対するように車輪リム内径面に設けられた車輪リング溝と、ディスクリング溝および車輪リング溝からなるリング挿入孔と、端部同士が溶接されたリングと、ディスクリング溝における車輪とは反対側の側面の一部が削除されたリングはめ込み部とを有し、リングはめ込み部の円周部がブレーキディスク中心に張る角度が２０度〜６０度の範囲である拘束部
【００１８】
（Ｂ）リングはめ込み部を複数備え、リングはめ込み部の円周部を加算したトータルの円周部のブレーキディスク中心に張る角度が２０度〜６０度の範囲である上記（１）の鉄道車両用ブレーキディスク付車輪。
【００２０】
上記（Ａ）および（Ｂ）において、リングはめ込み部の数に合わせて、リングは一体物でなく、複数個の断片を各リングはめ込み部から挿入し、最後に各断片を互いに溶接してリングとしてもよい。もちろん、リングとすべき１本のワイヤ状のものをリング挿入孔から挿入し、その１本のワイヤ状のものの頭部と尾部とを溶接してリングを形成してもよい。
【００２１】
【発明の実施の形態】
１．固定部および拘束部
図１において、ディスクの摺動面２より内周側の部分と車輪のボス外径３６に近い板部３３とが、ボルト４とナット５により締結される。これによりディスクの軸方向および回転方向を拘束し、ディスクが車輪に固定される。しかし、適当な拘束をしなければ、先に示したように、ディスクはその使用とともに変形し、そりを生じるようになる。その結果、ボルトに負荷される応力が増し、ボルトを短寿命化させる原因になる。そこで図１に示すように、ディスク外周面３および車輪のリム内径面３２に設けたリング溝８、９によって形成されるリング挿入孔１０にリング７を挿入して障害物とする。このリングにより、ディスクの変形を抑制し、ディスク変形によるボルトへの負荷を低減することができる。
【００２２】
ディスクの材質はとくに限定しないが、鋼、非鉄金属、鉄と非鉄金属の複合体等を用いるのがよい。ここでいう複合体とは、鉄または非鉄金属を母材とし、SiC、Al₂O₃などのセラミックス粒子または繊維を複合した材料のことである。Alを母材とし、SiC粒子を添加することにより耐摩耗性を改善した材料（Al基複合材料）をディスクに適用することも本発明の範囲に含まれる。車輪の材質もとくに限定しないが、鋼である場合が多い。鋼は鋳鋼でも鍛造でも良く、また組立車輪でも一体物の車輪でもよい。
【００２３】
ディスクと車輪とを締結するボルトの材質は、JIS G 4105に規定されているクロムモリブデン鋼、あるいはJIS G 4103に規定されているニッケルクロムモリブデン鋼などの機械構造用鋼材を用いればよい。ボルト本数は、少ないとボルト１本あたりに負荷される荷重が許容荷重以上になる可能性があるが、一方、ボルト本数が多いとボルト締結に時間がかかり、費用もかかるので、ボルトは６〜２４本の範囲が良い。特に９本から１５本の範囲とするのが最も良い。また、ボルトの軸径は、小さいと負荷応力で破断する可能性があること、大きいとディスクのボルト穴が大きくなり、ディスク強度が低下することから、１０ｍｍ〜３０ｍｍの範囲が良い。
【００２４】
２．リング挿入方法
次にリングおよびリングの装着方法について説明する。リングの材質は、JIS G 4303に規定されているステンレス鋼より選定すれば良い。また必要に応じて、このリングにゴムを巻くことにより、ディスクと車輪の振動を押さえることになり、防音車輪の効果も得られる。このリングに巻くゴムは特に限定しないが、ブチルゴムなどが適している。リングは装着前は棒状の鋼である。このリングの断面は、装着の容易性より円形状が好ましいが、円形状でなく角状でもよい。円形状の場合、直径が小さいと強度が不足し、一方、大きいとリングの装着が困難になるので、２ｍｍ〜１０ｍｍの範囲が良い。特に、リングの直径を３ｍｍ〜５ｍｍの範囲とするのが、装着の容易性、ディスクの変形抑制効果より最も良い。また、車輪およびディスクにはこのリングを装着するためのリング溝８、９を設ける。
【００２５】
図２は、リング溝部の拡大図である。リング溝形状は、円形でも角形でもどちらでも良い。車輪、またはディスクの側面からの距離１１（以後、「リング溝位置」という）は、小さいと車輪の強度が低下し、大きいとディスク挿入が困難となるため、リング溝位置は5mm〜15mmの範囲とするのが良い。車輪のリング溝深さ１２およびディスクのリング溝深さ１３は、小さいとリング装着が困難であり、大きいとリングのディスク変形の抑制効果が低下することから、リングの直径の1/3〜2/3にするのが良い。リング溝幅１４は小さいとリングの挿入が困難になり、大きいとディスクの変形抑制効果が低下するので、（リング直径）〜（リング直径＋４ｍｍ）の範囲にするのが望ましい。特に、（リング直径＋１ｍｍ）〜（リング直径＋２ｍｍ）の範囲が変形抑制効果の点から望ましい。
【００２６】
図３（ａ）は、車軸方向から見たディスクの１／４部分であり、また、図３（ｂ）は軸心を含む面で切断したディスクの縦断面図であり、とくにリングはめ込み部を示す。リングはめ込み部１５は、車輪と反対側のディスクリング溝の側面を削除した部分である。すなわち、リング挿入孔を構成するディスクと車輪のリング溝のうち、ディスクリング溝の一部分のみが外に口を開けている部分である。このリングはめ込み部１５が、小さいとリング挿入が困難となり、大きいとディスク強度および変形抑制効果が低下することから、リングはめ込み部の円周部１６がディスク中心に張る角度は、２０度〜６０度の範囲とするのが良い。特に３０度〜４５度の範囲が良い。また、リングはめ込み部は、リングの挿入が可能であれば１ヶ所のみで良いが、挿入が困難な場合、円周上に２ヶ所〜６ヶ所程度に分けて、分割したリングを挿入すれば良い。このとき、各リングはめ込み部の円周部を加算したトータルの円周部のディスク中心に張る角度は、２０度〜６０度の範囲とするのが良い。リングは、先にも述べたように、装着前は棒状、またはワイヤ状であり、リング溝挿入後、端部同士を溶接により接合しリング形状とする。
【００２７】
【実施例】
本発明のディスク付車輪は次の要領で作製した。ディスクには、現在新幹線車両で広く使用されている鍛鋼ディスクを使用した。ボルトは、JIS G 4105に規定されているクロムモリブデン鋼ＳＣＭ４４０により製作したものを使用した。このとき使用したボルトは、直径２６ｍｍ、長さ１７０ｍｍである。このボルト１２本により、ディスクと車輪を締結した。さらに、ディスク外周部にリングを装着した。このリングは、ＳＵＳ３０４により製作したもので、直径は５ｍｍとした。また、リング溝位置１１を１０ｍｍ、リング溝深さを２．５ｍｍ、リング溝幅を６．５ｍｍとした（車輪およびディスクについて同じ値）。さらに、リングはめ込み部は、角度を３０度とし、円周上に４箇所設けた。
【００２８】
ボルトとリングによりディスクを取り付けた車輪（本発明例）およびボルトのみでディスクを取り付けた車輪（比較例）とを試験体とした。この２種類のディスク付車輪について実体フ゛レーキ試験を行った。試験条件は、２７０ｋｍ／ｈからの非常ブレーキ負荷相当である。この試験において、ボルトの軸力もひずみゲージにより測定した。さらに、この２種類の車輪について有限要素法（ＦＥＭ）解析を行い、ディスクのボルト穴縁部のひずみ量を算出した。
【００２９】
結果は次の通りであった。
【００３０】
ブレーキを１００回負荷させたところ、ボルトのみによる締結（比較例）ではディスクに変形が生じたが、ボルトとリングによる締結（本発明例）ではディスクにそりは発生しなかった。そのため、ボルトのみの締結（比較例）では変形が生じるので試験途中で平均応力は下がる結果となった。しかし、ディスク１回転あたりの変動応力は本発明例より大きい値となった。本発明例においては、平均応力、変動応力とも変化しないことが判明した。表１は、これらの試験結果の概要をまとめた一覧表である。
【００３１】
【表１】

【００３２】
この試験結果より、変動応力が小さい本発明例のほうが比較例よりもボルトの耐久性が向上することが明らかとなった。また、本発明のディスク付車輪は、ボルトの本数を減らしてもボルトに発生する変動応力を従来と同程度にすれば、耐久性を確保でき、メンテナンスコストを低減できる可能性があることが明らかになった。
【００３３】
また、FEM解析によれば、発生するひずみは比較例のほうが本発明例よりも大きくなり、短寿命になる可能性があることが判明した。
【００３４】
次にディスクの材質を鍛鋼よりAl複合材に変更して、上記と同様のブレーキ試験およびFEM解析を実施した。なお、今回使用したAl複合材ディスクは、鋳造により製造されたものである。また、上記２種類のディスク付車輪に加えて、特開平9-100852号公報に記載されたディスク付車輪も比較した。試験は先の試験と同じ実体ブレーキ試験とした。表１に、試験結果の概要をまとめて示す。
【００３５】
ボルトのみの締結のディスク付き車輪（比較例）では、ブレーキ負荷が数回でボルト穴部より破断した。ボルトとリングによる締結のディスク付車輪（本発明例）と特開平9-100852号公報の発明（比較例）は、破断することなくブレーキ試験を行うことができた。しかし、ディスクの変形量を比較すると、特開平9-100852号公報の発明（比較例）ではディスク変形（そり）が生じているが、本発明のディスク付車輪ではディスク変形は起こらなかった。さらに、ボルトの軸力を比較すると、ボルトのみで締結したディスク付車輪（比較例）ではディスクがすぐに破断したため測定できなかったが、本発明のディスク付車輪と特開平9-100852の発明の車輪では、本発明の車輪の方が小さくなることがわかった。また、FEM解析の結果、ボルト穴縁部の応力は、特開平9-100852号公報の発明の車輪と本発明の車輪とでは、ほぼ同程度となった。
【００３６】
【発明の効果】
本発明により、ボルトおよびディスクに発生する応力を低減することができ、ボルトおよびディスクをより長寿命化できることが判明した。また、耐久性を従来と同程度にして、ボルト本数を減らすことによりメンテナンスコストが低減される可能性も期待される。さらに、今後、強度の低いAl複合材のような軽量ディスクを用いて耐久性を有するディスク付軽量車輪を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のディスク付車輪を車軸心を含む面で切断した縦断面図である。
【図２】図１のリング溝部分の拡大図である。
【図３】（ａ）は車軸方向から見たディスクの１／４部分であり、（ｂ）は軸心を含む面で切断したディスクの縦断面図であり、とくにリングはめ込み部を示す。
【符号の説明】
１…ディスク
２…ディスク摺動面
３…ディスク外周面
４…ボルト
５…ナット
６…ボルト穴
７…リング
８…ディスクのリング溝
９…車輪のリング溝
１０…リング挿入孔
１１…リング溝位置
１２…車輪のリング溝深さ
１３…ディスクのリング溝深さ
１４…リング幅
１５…リングはめ込み部
１６…リングはめ込み部の円周部
３０…車輪
３１…車輪リム
３２…車輪リム内径面
３３…車輪板部
３４…車輪板面
３５…車輪ボス
３６…車輪ボス外径
４０…車軸の軸心[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a wheel with brake disks for railway vehicle.
[0002]
[Prior art]
Block brakes, drum brakes, disc brakes, and the like are used as mechanical braking devices for railway vehicles, automobiles, and motorcycles. In recent years, disk brakes have been frequently used as the speed and size of vehicles increase. A disc brake is a device that obtains a braking force by friction between a brake disc and a brake lining. Usually, it is attached to an axle or a wheel by bolts and nuts. By braking the disc rotation, the axle or wheel rotation is braked, and as a result the speed of the vehicle is controlled.
[0003]
There are two types of brake discs used in railway vehicles: side discs and shaft mount discs. The side disc is a brake disc fastened to the side surface of the wheel, and the shaft mount disc is a brake disc fastened to the axle. The present invention relates to a side disk fastening method. Hereinafter, the brake disc (simply referred to as “disc”) refers to the side disc.
[0004]
In high-speed railway vehicles such as Shinkansen, the rotational speed and inertial force under brake load are very large, so the disks used in such vehicles are much harsher than the conditions used for other automobiles or motorcycles. Used in conditions. Therefore, the disk for high-speed railway vehicles and the bolt for fastening the disk and the wheel need to withstand this severe use environment. An example of the stress generated in the disk is thermal stress. This thermal stress is generated when the thermal expansion due to the temperature rise of the disk is restricted by the bolt hole. In particular, high stress occurs due to stress concentration at the edge of the bolt hole. In addition, centrifugal force is also generated, but its value is negligibly small compared to thermal stress.
[0005]
In addition to such thermal stress, a further serious problem is that the disk has a so-called warpage problem in that the outer periphery of the disk is deformed into a mortar shape with the use of the disk. As this deformation progresses, uneven wear occurs between the disk and the lining, and the frictional characteristics become unstable and may become unusable.
[0006]
The above is a description of the stress generated in the disk. The stress generated in the bolt includes shearing force resulting from restraining the rotation of the disk, tensile force resulting from the pressing force of the lining and thermal expansion of the disk, and There is bending stress. Further, due to the mortar-shaped deformation of the disk, high bending and tensile stress are generated during pressing of the lining, and there is a risk of fatigue failure during use.
[0007]
In order to avoid such severe conditions, for example, there is an invention called “brake disk mounting device” disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-1000085 for the purpose of alleviating stress concentration at the bolt hole edge of the disk. In the apparatus according to the present invention, the disc is fastened to the wheel with a bolt and a nut via a spring pin and a disc spring. Therefore, displacement of the bolt hole of the brake disc is absorbed by the spring pins, the fastening force is Ru is held constant by the disc spring, stress concentration of the bolt hole edge is alleviated. However, in this fastening method, there is a possibility that stress due to press-fitting the spring pin is newly generated at the bolt hole edge. Further, since the stress applied to the bolt, particularly the axial stress, is almost the same as that of the conventional fastening method, the life of the bolt is expected to be almost the same as that of the conventional method. In particular, the effect of suppressing mortar deformation of the disc, which has been considered a problem in recent years, cannot be expected.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a disk with a simple method that suppresses mortar deformation of the disk and, as a result, reduces the load on the bolt that fastens the disk and the wheel, and extends the life of both the disk and the bolt. To provide wheels.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
Conventionally, the disk and the wheel have been fastened only with bolts, but in order to solve the above problems, it has been confirmed that the following method is effective.
[0010]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view (1/2 portion) of a wheel with a disk according to the present invention cut along a plane including the axis of an axle. The following points are important points in FIG.
[0011]
(a) The disc 1 is fastened to the plate portion 33 that is closer to the boss outer diameter 36 of the wheel on the inner peripheral side than the sliding surface 2. Fastening can be performed with a bolt 4, a nut 5, and the like.
[0012]
(b) When the disc is fixed to the wheel only by this fastening, the sliding surface of the disc and the outer peripheral portion thereof are separated from the plate surface 34 of the wheel due to thermal stress and deformed into a mortar shape. Therefore, providing the restraining portions as the disk is not deformed into a bowl shape by deformation preventing means attached to the vehicle wheel rim inner surface 32 and the disk outer circumferential surface 3.
[0013]
(c) As a restraining portion, a disc ring groove 8 provided on the outer peripheral surface of the disc and a wheel ring groove 9 provided on the inner surface of the wheel rim so as to be opposed to the ring groove 8 (hereinafter referred to as “ring” When the ring 7 inserted into the ring insertion hole 10 configured by “groove” is used , it becomes a restraining portion that easily suppresses mortar-like deformation.
[0014]
The present invention has been completed based on the above-mentioned matters and has been completed.
[0015]
(A) A wheel with a brake disc for a railway vehicle, wherein a brake disc smaller than the inner diameter of the wheel rim is attached to a plate portion of the wheel by a fixing portion (1) below and a restraining portion (2) below.
[0016]
(1) A fixed part in which the wheel plate part and the inner peripheral side of the sliding surface of the brake disk are fastened by bolts and nuts.
(2) a disc ring groove provided on the outer peripheral surface of the brake disc, a wheel ring groove provided on the inner surface of the wheel rim so as to face the groove, and a ring insertion hole comprising the disc ring groove and the wheel ring groove; An angle at which the ring is welded to the center of the brake disc, with a ring welded at the ends and a ring inset with a part of the side opposite to the wheel in the disc ring groove removed. The restraint portion has a range of 20 degrees to 60 degrees.
(B) The railcar according to (1), wherein a plurality of ring fitting portions are provided, and an angle extending from the center of the brake disc to the center of the brake disk of the total circumferential portion including the circumferential portions of the ring fitting portions is in the range of 20 degrees to 60 degrees . Wheel with brake disc.
[0020]
In the above (A) and (B), in accordance with the number of-ring fitting portion, the ring is not integrated object, inserting a plurality of fragments from each ring engagements, finally welded each fragment one another ring It is good. Of course, a single wire-like object to be a ring may be inserted from the ring insertion hole, and the head and tail of the single wire-like object may be welded to form the ring .
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
1. Fixing part and restraining part In FIG. 1, a part on the inner peripheral side from the sliding surface 2 of the disk and a plate part 33 close to the boss outer diameter 36 of the wheel are fastened by a bolt 4 and a nut 5. As a result, the axial direction and the rotational direction of the disk are restricted, and the disk is fixed to the wheel. However, if not properly constrained, as indicated above, the disk will deform with its use and cause warping. As a result, the stress applied to the bolt increases, causing the bolt to have a short life. Therefore, as shown in FIG. 1, the ring 7 is inserted into the ring insertion hole 10 formed by the ring grooves 8 and 9 provided in the disk outer peripheral surface 3 and the rim inner diameter surface 32 of the wheel to form an obstacle. This ring can suppress the deformation of the disk and reduce the load on the bolt due to the disk deformation.
[0022]
The material of the disk is not particularly limited, but it is preferable to use steel, non-ferrous metal, a composite of iron and non-ferrous metal, or the like. The composite here refers to a material in which iron or non-ferrous metal is used as a base material and ceramic particles or fibers such as SiC and Al ₂ O ₃ are composited. It is within the scope of the present invention to apply a material (Al-based composite material) having Al as a base material and improved wear resistance by adding SiC particles to the disk. The material of the wheel is not particularly limited, but is often steel. The steel may be cast steel or forged, and may be an assembly wheel or a monolithic wheel.
[0023]
The material of the bolt that fastens the disk and the wheel may be a steel for machine structure such as chrome molybdenum steel specified in JIS G 4105 or nickel chrome molybdenum steel specified in JIS G 4103. If the number of bolts is small, the load applied per bolt may exceed the allowable load. On the other hand, if the number of bolts is large, it takes time and costs to fasten the bolts. A range of 24 is good. In particular, the range of 9 to 15 is best. Also, if the shaft diameter of the bolt is small, it may break due to load stress, and if it is large, the bolt hole of the disc becomes large and the strength of the disc decreases, so the range of 10 mm to 30 mm is good.
[0024]
2. Ring Insertion Method Next, the ring and ring mounting method will be described. The material of the ring may be selected from stainless steel defined in JIS G 4303. If necessary, rubber is wound around the ring to suppress vibrations of the disk and the wheel, and the effect of the soundproof wheel can be obtained. The rubber wound around the ring is not particularly limited, but butyl rubber or the like is suitable. The ring is rod-shaped steel before installation. The cross section of this ring is preferably circular because of its ease of mounting, but it may be square instead of circular. In the case of a circular shape, if the diameter is small, the strength is insufficient. On the other hand, if the diameter is large, it is difficult to attach the ring. In particular, it is best to set the ring diameter in the range of 3 mm to 5 mm in view of the ease of mounting and the effect of suppressing deformation of the disk. Further, ring grooves 8 and 9 for mounting the ring are provided on the wheel and the disc.
[0025]
FIG. 2 is an enlarged view of the ring groove. The ring groove shape may be either circular or square. If the distance 11 (hereinafter referred to as “ring groove position”) from the side surface of the wheel or the disk is small, the strength of the wheel is lowered, and if it is large, the disk insertion becomes difficult, so the ring groove position is in the range of 5 mm to 15 mm. It is good to do. If the ring groove depth 12 of the wheel and the ring groove depth 13 of the disk are small, it is difficult to mount the ring, and if it is large, the effect of suppressing the disk deformation of the ring is reduced. / 3 is good. If the ring groove width 14 is small, it becomes difficult to insert the ring. If the ring groove width 14 is large, the effect of suppressing the deformation of the disk decreases. Therefore, the ring groove width 14 is preferably in the range of (ring diameter) to (ring diameter + 4 mm). In particular, the range of (ring diameter + 1 mm) to (ring diameter + 2 mm) is desirable from the viewpoint of the effect of suppressing deformation.
[0026]
FIG. 3 (a) is a quarter portion of the disc as viewed from the axle direction, and FIG. 3 (b) is a longitudinal sectional view of the disc cut along the plane including the shaft center. In particular, the ring fitting portion is shown. Show. The ring fitting portion 15 is a portion in which the side surface of the disc ring groove on the side opposite to the wheel is deleted. That is, only a part of the disk ring groove of the disk constituting the ring insertion hole and the ring groove of the wheel is a part having an opening opened to the outside. If the ring fitting portion 15 is small, it is difficult to insert the ring. If the ring fitting portion 15 is large, the strength of the disk and the deformation suppressing effect are lowered. Therefore, the angle at which the circumferential portion 16 of the ring fitting portion is stretched about the disc center is 20 to 60 degrees. It is better to be in the range. The range of 30 to 45 degrees is particularly good. In addition, the ring fitting portion may be only one if the ring can be inserted, but if the insertion is difficult, the divided ring may be inserted into about 2 to 6 locations on the circumference. . At this time, the angle spanned the disk center of the circumferential portion of the total obtained by adding the circumference of each ring fitting part, it is in the range of 20 to 60 degrees. As described above, the ring is rod-shaped or wire-shaped before mounting, and after inserting the ring groove, the ends are joined together by welding to form a ring shape.
[0027]
【Example】
The wheel with a disk of the present invention was produced in the following manner. The disc used was a forged steel disc that is currently widely used in Shinkansen vehicles. The bolt used was made of chromium molybdenum steel SCM440 defined in JIS G 4105. The bolt used at this time has a diameter of 26 mm and a length of 170 mm. The disk and the wheel were fastened with 12 bolts. Furthermore, a ring was attached to the outer periphery of the disk. This ring was made of SUS304 and had a diameter of 5 mm. The ring groove position 11 was 10 mm, the ring groove depth was 2.5 mm, and the ring groove width was 6.5 mm (the same value for the wheel and the disk). Furthermore, the ring fitting part was provided at four places on the circumference with an angle of 30 degrees.
[0028]
A wheel with a disc attached with a bolt and a ring (example of the present invention) and a wheel with a disc attached with only a bolt (comparative example) were used as test specimens. Substantive brake tests were conducted on these two types of wheels with discs. The test conditions are equivalent to an emergency brake load from 270 km / h. In this test, the axial force of the bolt was also measured with a strain gauge. Furthermore, the finite element method (FEM) analysis was performed about these two types of wheels, and the distortion amount of the bolt hole edge part of the disk was calculated.
[0029]
The results were as follows.
[0030]
When the brake was loaded 100 times, the disk was deformed in the fastening with the bolt only (comparative example), but no warpage occurred in the disk in the fastening with the bolt and the ring (invention example). For this reason, since deformation occurs in the fastening of only the bolt (comparative example), the average stress is lowered during the test. However, the fluctuating stress per rotation of the disk was larger than that of the present invention. In the examples of the present invention, it has been found that neither the average stress nor the fluctuating stress changes. Table 1 is a summary table summarizing these test results.
[0031]
[Table 1]

[0032]
From this test result, it is clear that the durability of the bolt is improved in the inventive example having a small fluctuation stress as compared with the comparative example. In addition, it is clear that the wheel with a disk of the present invention has a possibility of ensuring durability and reducing maintenance costs if the fluctuation stress generated in the bolt is reduced to the same level as before even if the number of bolts is reduced. Became.
[0033]
Further, according to the FEM analysis, it has been found that the generated strain is larger in the comparative example than in the present invention example and may have a short life.
[0034]
Next, the disc material was changed from forged steel to Al composite material, and the same brake test and FEM analysis as above were performed. The Al composite disc used this time was manufactured by casting. Further, in addition to the above two types of wheels with disks, a wheel with disks described in Japanese Patent Laid-Open No. 9-100852 was also compared. The test was the same real brake test as the previous test. Table 1 summarizes the test results.
[0035]
In a wheel with a disk with only bolts (comparative example), the brake load broke from the bolt hole several times. The wheel with a disk fastened by a bolt and a ring (example of the present invention) and the invention of Japanese Patent Laid-Open No. 9-100852 (comparative example) were able to perform a brake test without breaking. However, when the deformation amount of the disk is compared, the disk deformation (warping) occurs in the invention (comparative example) of JP-A-9008512, but the disk deformation does not occur in the wheel with the disk of the present invention. Further, when comparing the axial force of the bolt, it was not possible to measure the disc-equipped wheel (comparative example) fastened with only the bolt because the disc immediately broke, but the disc-equipped wheel of the present invention and the invention of Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-100852 It has been found that the wheel of the present invention is smaller for the wheel. Further, as a result of FEM analysis, the stress at the edge of the bolt hole was almost the same between the wheel of the invention disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 9-100852 and the wheel of the present invention.
[0036]
【The invention's effect】
According to the present invention, it has been found that the stress generated in the bolt and the disk can be reduced, and the life of the bolt and the disk can be extended. In addition, it is expected that maintenance costs can be reduced by reducing the number of bolts with the same durability as the conventional one. Furthermore, it is possible to provide a lightweight wheel with a disk having durability by using a lightweight disk such as a low-strength Al composite material.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of a wheel with a disk according to the present invention cut along a plane including an axle.
FIG. 2 is an enlarged view of a ring groove portion of FIG.
3A is a quarter portion of the disc as viewed from the axle direction, and FIG. 3B is a longitudinal sectional view of the disc cut along a plane including the axis, and particularly shows a ring fitting portion.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Disk 2 ... Disk sliding surface 3 ... Disk outer peripheral surface 4 ... Bolt 5 ... Nut 6 ... Bolt hole 7 ... Ring 8 ... Disk ring groove 9 ... Wheel ring groove 10 ... Ring insertion hole 11 ... Ring groove position 12 ... wheel ring groove depth 13 ... disc ring groove depth 14 ... ring width 15 ... ring fitting part 16 ... ring fitting part circumferential part 30 ... wheel 31 ... wheel rim 32 ... wheel rim inner diameter surface 33 ... wheel plate Part 34 ... Wheel plate surface 35 ... Wheel boss 36 ... Wheel boss outer diameter 40 ... Axle axis

Claims (2)

車輪リム内径より小さいブレーキディスクが、下記（１）の固定部および下記（２）の拘束部によって車輪の板部に取り付けられていることを特徴とする鉄道車両用ブレーキディスク付車輪。
（１）車輪の板部と、ブレーキディスクの摺動面より内周側とが、ボルトとナットにより締結されている固定部
（２）ブレーキディスク外周面に設けられたディスクリング溝と、このリング溝に相対するように車輪リム内径面に設けられた車輪リング溝と、ディスクリング溝および車輪リング溝からなるリング挿入孔と、端部同士が溶接されたリングと、ディスクリング溝における車輪とは反対側の側面の一部が削除されたリングはめ込み部とを有し、リングはめ込み部の円周部がブレーキディスク中心に張る角度が２０度〜６０度の範囲である拘束部 A brake disk-equipped wheel for a railway vehicle, wherein a brake disk smaller than a wheel rim inner diameter is attached to a wheel plate portion by a fixing portion (1) below and a restraining portion (2) below.
(1) A fixed portion in which the wheel plate and the inner peripheral side of the sliding surface of the brake disc are fastened by bolts and nuts.
(2) A disc ring groove provided on the outer peripheral surface of the brake disc, a wheel ring groove provided on the inner surface of the wheel rim so as to face the ring groove, and a ring insertion hole comprising the disc ring groove and the wheel ring groove The ring is welded to each other, and the ring fitting part in which a part of the side surface opposite to the wheel in the disc ring groove is removed, and the circumferential part of the ring fitting part stretches around the center of the brake disc. Restraint section whose angle is in the range of 20 to 60 degrees リングはめ込み部を複数備え、リングはめ込み部の円周部を加算したトータルの円周部のブレーキディスク中心に張る角度が２０度〜６０度の範囲であることを特徴とする請求項１に記載の鉄道車両用ブレーキディスク付車輪。 2. The angle according to claim 1 , wherein a plurality of ring fitting portions are provided, and an angle extending from the brake disc center of a total circumferential portion obtained by adding the circumferential portions of the ring fitting portions is in a range of 20 degrees to 60 degrees . Wheels with brake discs for railway vehicles .

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