JP4038702B2 - 感光性樹脂版用現像液の処理方法および処理装置 - Google Patents

感光性樹脂版用現像液の処理方法および処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は感光性樹脂を現像する際に生じる現像液の処理方法および処理装置に関し、現像の際に発生する、樹脂を含んだ現像液をメンブレンフィルターで濾過して、分散された樹脂を除去した際に得られる濾液を現像液として再度使用する方法およびそれに用いられる装置に関する。
さらに詳しくは、現像の際に発生する樹脂を含んだ現像液の一部をを連続的または一定期間ごとに濃縮タンクに移送し、濃縮タンクとメンブレンフィルター間で循環運転しながらクロスフロー濾過し、得られた濾液は現像装置に戻して現像液として再度使用し、濃縮タンク内の樹脂含有現像液は樹脂が高濃度になった時に廃棄する、現像を行いながら現像液からの樹脂の除去処理を行う現像液の処理方法において、高い濾過流量を確保しながら、発生する樹脂含有廃液の量を減らすことが可能な感光性樹脂用現像液の処理方法およびその装置である。
【0002】
【従来の技術】
感光性樹脂を用いた印刷版は従来の印刷版に比較し、操作性、生産性、価格、およびその印刷特性に優れ、近来各種印刷分野で急速に普及している。感光性樹脂版を現像する方法としては、▲1▼圧搾空気などを用いて未露光部を吹き飛ばしてレリーフを形成する方法や▲2▼現像液を版面に一定圧力でスプレーしレリーフを作成する方法や▲3▼現像液中に版を浸漬させブラシ等で未露光部を現像液中にこすり出す方法が考案され実用化されている。
前記▲3▼のような現像方法で感光性樹脂版を洗い出す現像液は、現像後に洗い出された未露光部の樹脂が分散された状態で存在し、多数の感光性樹脂版を洗い出すと現像液中の樹脂の濃度が上昇し、その結果として、現像速度が低下する、分散された樹脂が凝集しスカムとなって版やブラシに付着する、といった問題が生じ、頻繁に使用済みの現像液を廃棄し、新しい現像液を調製する必要があった。
【0003】
そこで、これらを解決するために、使用済みの現像液から樹脂成分を除去し、現像液として再度利用する方法がいくつか考案された。その一つとして、メンブレンフィルターを用いてクロスフロー濾過することにより、現像液から効率よく樹脂を除去し、濾過された現像液を再度現像に使用する方法がある。この方法は現像液の一部を現像装置から抜き出して濾過処理を行い、濾過された現像液を現像装置に戻すことも可能であるため、現像を行いながら、現像液からの樹脂の除去処理を行い、それを再度現像液として利用する連続型の現像液再生方法が可能である。ところが、このメンブレンフィルターを用いた連続型の現像液再生方法は、濃縮タンク内の現像液樹脂濃度が高くなると、濃縮タンクから現像液を抜き出して廃棄するが、この廃棄量を減らすには、なるべく樹脂が高濃度になるまで濃縮タンク中の樹脂を抜き出さずに運転する必要がある。一方、常に現像装置内の現像液を清浄に保つためには一定以上の濾過流量が必要であるが、濃縮タンク内の現像液の樹脂含有濃度が高くなると、フィルターの単位面積当たりの濾過流量が低下し、現像装置内の現像液を清浄に保つために必要な一定以上の濾過流量が確保出来なくなるものであった。
【0004】
また、濾過流量を確保するために、樹脂濃度があまり高くならないうちに濃縮タンク内の樹脂含有現像液を抜き出すと、廃棄する樹脂含有現像液量が多くなり、メンブレンフィルターにより現像液を再生するメリットが小さくなったり、装置の面から濾過流量を確保するため、メンブレンフィルターの膜面積を増やすと、大きなポンプが必要で装置が大型、高価格になり、必ずしも満足できるものではなかった。特に、感光性樹脂として、感光性凸版や、中でも感光性フレキソ版においては現像する時に大量の未露光樹脂が現像液中に流出するために、現像装置内の現像液を清浄に保つには高い濾過流量が必要で、かつ廃棄する樹脂含有現像液量も多くなり、上記の問題が大きなものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、前記問題点を解決すること、つまり装置を大型化する必要がなく、現像装置内の現像液を清浄に保ったまま、樹脂含有現像液の廃棄量を最少限にする方法および装置を得ることを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するため、鋭意、研究、検討した結果、遂に本発明を完成するに到った。すなわち本発明は、現像装置と、濃縮用タンクとメンブレンフィルター間で循環運転することにより濾過を行う現像液再生装置からなる装置を用い、現像装置から濃縮タンクに現像液の一部を連続的または一定間隔ごとに移送し、濃縮用タンク内の樹脂含有現像液を濾過濃縮して、濾液は現像装置に戻し、濃縮タンク内の樹脂含有現像液は樹脂が高濃度になったときに廃棄する、感光性樹脂の現像液の処理方法において、濃縮タンク内の樹脂含有現像液を廃棄する直前に、現像装置から濃縮タンクへの現像液の移送を停止して濃縮タンク内の樹脂含有現像液量を通常運転時の樹脂含有現像液量より少なくして樹脂含有率を上げた後、これを廃棄することを特徴とする感光性樹脂の現像液の処理方法、および少なくとも(1)濃縮タンク、(2)逆浸透膜、限外濾過膜、精密濾過膜、のいずれか1種類以上の濾過膜を具備したメンブレンフィルターモジュール、(3)濃縮タンクからメンブレンフィルターモジュールへ廃液を移送するための循環ポンプ、(4)メンブレンフィルターモジュールから出たクロスフローの循環廃液を濃縮タンクへ移送するための配管、(5)メンブレンフィルターモジュールから出た濾液を現像装置へ移送させるための配管、(6)現像装置から濃縮タンクへオーバーフローにより現像液を移送するための配管、(7)現像装置から濃縮タンクへ現像液を移送するための配管に設置された液の移送を中断するためのバルブ、(8)濃縮タンクに設置された液面計、(9)濃縮タンクの液面が液面計以下になったときに循環ポンプが停止する機能、(10)濃縮タンクから現像液を抜き出すための配管、を備えたことを特徴とする感光性樹脂版の現像液処理装置である。
【0007】
本発明において用いられる感光性樹脂版としてはフロン系溶剤や塩素系溶剤や石油系溶剤やアルコール系溶剤といった溶剤を現像液とする溶剤現像型感光性樹脂版でもかまわないが、作業環境面や地域環境面から水、界面活性剤水溶液、アルカリ水溶液、酸水溶液などを現像液とする水現像型感光性樹脂版が好ましい。これら水現像型感光性樹脂組成物としては、ポリアミドを必須成分とするポリアミド系感光性樹脂組成物、ポリビニルアルコールを必須成分とするポリビニルアルコール系感光性樹脂組成物、低分子不飽和基含有ポリエステルを必須成分とするポリエステル系感光性樹脂組成物、アクリル系低分子モノマーを必須成分とするアクリル系感光性樹脂組成物、およびポリウレタンを必須成分とするポリウレタン系感光性樹脂組成物等が挙げられる。
【0008】
これら感光性樹脂組成物には光重合性不飽和単量体、光増感剤その他が添加されることによって光感光性を付与している。
また最近感光性フレキソ版においても、毒性安全性の面から水系現像液に現像可能なものが提案されており、本発明の感光性樹脂版としてこれらも好ましく用いられる。たとえば、共役ジエン系炭化水素とα、β−エチレン性不飽和カルボン酸またはその塩を必須成分とし、これにモノオレフィン系不飽和化合物とを含む共重合体と光重合性不飽和単量体、光増感剤を含有する感光性樹脂組成物や共役ジエン系炭化水素重合体又は共役ジエン系炭化水素とモノオレフィン系不飽和化合物との共重合体と親水性高分子化合物、非気体性エチレン性不飽和化合物および光重合開始剤を必須成分として含有する感光性エラストマー組成物やα,β−エチレン性不飽和基を含有する疎水性オリゴマー、エラストマー水膨潤性物質及び光集合開始剤を必須成分として含有する感光性樹脂組成物等がある。他には、刷版の機械的強度、反発弾性等の性能の向上を目的として、硬質の有機微粒子を含有する感光性樹脂組成物や水現像性の付与、水性インク耐性の付与、及び印刷性の向上を目的として、架橋性樹脂微粒子を含有する感光性樹脂組成物や刷版のインキ受容性向上を目的として2相構造を有し、ジアゾ化合物、重クロム酸塩を連続相に含み、分散相が10μm以下の粒子を含有する感光性樹脂組成物等があり、いずれも本発明の感光性樹脂組成物として好ましく用いることができる。
【0009】
以上のように本発明において用いられる感光性樹脂版には種々の物が挙げられるが、疎水性成分に親水性成分を付与する方法として、疎水性ポリマーをカルボン酸またはその塩類で変性した樹脂を主成分とするもの、疎水性ポリマーを主成分とした疎水性成分と親水性ポリマーを主成分とした親水性成分の混合体を主成分とするもの、疎水性ポリマーと親水性ポリマーを化学的に結合させたものを主成分とするもの、疎水性ポリマーの原料となる疎水性モノマーと親水性ポリマーの原料となる親水性モノマーをブロック共重合体させたポリマーを主成分とするもの等に挙げられるように、疎水性の成分に何らかの形で親水性成分を組み合わせて、水系現像液に分散型の感光性フレキソ版としたタイプのものが特に好ましい例として挙げられる。
【0010】
以下に本発明の感光性樹脂版として特に好ましく用いられる、水現像型感光性樹脂のフレキソ版を例にとり、本発明の内容を詳しく説明する。
まず感光性樹脂版について説明する。前に挙げた、本発明で用いられるのに特に好ましい感光性フレキソ版に用いられる疎水性ポリマーとは、水に対して溶解または膨潤しない成分であって、主に水に不溶性のポリマー類の組成物を表す。
このような水に不溶性のポリマーとしては、例えば1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、アクリロニトリルゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム、クロロプレンゴム、ポリウレタンゴム、ブタジエンスチレンコポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、ポリアミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ブタジエン−(メタ)アクリル酸コポリマー、ブタジエン−(メタ)アクリル酸−アクリルエステルコポリマー、シリコンゴム、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、等のような版にゴム弾性を与えるポリマーや、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリイソプロピル(メタ)アクリレート、ポリn−ブチル(メタ)アクリレート等のアクリル樹脂、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルやこれらの共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、等のような版に硬度や安定性を与えるポリマーを挙げることができ、これらを単独または必要に合わせて複数組み合わせて疎水性成分として用いられるが、これらに限定するものではない。その他には架橋剤、ラジカル重合性モノマー、光反応開始剤、酸化安定剤、重合禁止剤などを必要に合わせてポリマー類に添加してもかまわない。また、ポリマーは反応性を持たせるため必要に応じて変性しても良い。またこれら樹脂類は、モノマーや架橋剤と、またはポリマー同志で反応できるように変性することも可能である。
【0011】
親水性成分は、水に可溶または分散または膨潤する成分で、主に親水性ポリマー類の組成物を表す。親水性ポリマー類としては例えば、ポリ(メタ)アクリル酸またはその塩類の重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類−アルキル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、−COOM基や−SO3 M基や−SO4 M基や−PO(OM)n (nは1−3の整数)基を含有するポリアクリレート、ポリビニル化合物、ポリウレタン、ポリウレアウレタン、ポリエステル、エポキシ化合物、ポリアミドおよびこれらの塩類や誘導体等が挙げられる(なおここに挙げたMは水素原子、1価の金属原子、2価の金属原子、3価の金属原子、アンモニウム化合物のいずれかを示す)。
また親水性成分も同様に架橋剤、ラジカル重合性モノマー、光反応開始剤、酸化安定剤、重合禁止剤などを必要に合わせて前述のポリマー類に添加してもかまわないし、必要に応じて変性しても良い。
【0012】
ラジカル重合性モノマーとしては例えば、スチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、アクリル酸、メタアクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2ーエチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ポリポリプロピレングリコールモノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,3−ジクロロプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、等が挙げられる。
【0013】
架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールアリロキシジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルテレフタレート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等のような1分子中に2個以上のラジカル重合性エチレン基を持つ化合物が挙げられるが、その他に1分子中にエチレン基、エポキシ基、イソシアネート基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等、反応性の官能基を複数個持つ化合物も挙げられる。
【0014】
このような疎水性成分と親水性成分を含有する感光性樹脂組成物の構造としては、疎水性成分が粒子状の分散相で親水性成分がその周りを取り囲み連続相となった構造、疎水性成分がコアで親水性成分がシェルとなったコアシェル粒子をさらに別の疎水性成分が連続相となった構造、親水性成分が粒子状の分散相となり疎水性成分が連続相となった構造、疎水性成分と親水性成分のいずれもが連続相でお互いに絡み合いモザイク状となった構造、疎水性成分と親水性成分が均一に相溶した構造、などが挙げられる。またこれらの構造で、親水性成分および連続相となった疎水性成分は未硬化の状態では化学的に架橋されていないことが好ましい。一方粒子状の疎水性成分は未硬化の状態で架橋されていても架橋されていなくてもかまわない。また、疎水性成分と親水性成分とはお互い化学的に結合されていても結合されていなくてもかまわない。
【0015】
感光性樹脂組成物の製造方法としては、エマルジョン重合やサスペンション重合によってやポリマーを粉砕するなどして得られた分散相の成分を単独または連続相の成分と共にニーダーや押し出し機で混合後成型する方法、疎水性成分と親水性成分とを塊状のままニーダーや押し出し機で混練りし相分離・分散させた後成型する方法、疎水性成分と親水性成分とを塊状のままニーダーや押し出し機で混練りし均一に相溶させた後成型する方法、など公知の方法が用いられる。
また、親水性成分および疎水性成分のポリマーは予め重合させたものを用いても、感光性樹脂組成物の製造過程でモノマーを配合しそれを重合させても良い。とくに疎水性成分の粒子の周りに親水性成分を配置させるときはエマルション重合などがしばしば用いられる。
【0016】
以上のようにして、要求される物性に応じて、原材料、構造、製造方法など適宜選択し、目的とする感光性樹脂版を得ることができる。
例えば印刷用刷版に要求される物性物性としては、JIS A 硬度が30−80度、反発弾性率が20%以上であることが印刷特性上望ましい。
このような感光性樹脂組成物は紫外線によって硬化させる。硬化させる際に使用される紫外線は150〜500nmの波長、特に300〜400nmの波長のものが有効であり、使用される光源としては低圧水銀灯、高圧水銀灯、カーボンアーク灯、紫外線蛍光灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ジルコニウムランプが望ましい。
【0017】
次に本発明において感光性樹脂板は上記光源下で透明画像を有するネガフィルムをあてて紫外線を照射し画像露光させた後、露光されていない非画像部を現像液を用いて除去することによって、レリーフ画像が得られ、一方溶解除去された未硬化の感光性樹脂は乳濁液あるいは懸濁状溶液となって現像槽中に残る。ここでの現像液は水、または水を主成分とする現像液が用いられる。なお水を主成分とする現像液とは、水に界面活性剤、無機や有機のアルカリや酸や塩、その他水に可溶な化合物を添加したものである。
【0018】
ここで用いられる界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤など幅広く用いることができる。
具体例を挙げると、アニオン系界面活性剤としては、ラウリン酸ソーダやステアリン酸ソーダやオレイン酸ソーダなどの脂肪族カルボン酸塩類、アビエチン酸ソーダやロジン酸ソーダなどの樹脂石鹸類、ラウリル硫酸ソーダやラウリル硫酸トリエタノールアミンなどの1級および2級のアルキル硫酸塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ソーダやポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミンをなどの1級および2級のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ラウリルベンゼンスルホン酸ソーダやステアリルベンゼンスルホン酸ソーダなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩類、プロピルナフタレンスルホン酸ソーダやブチルナフタレンスルホン酸ソーダなどのアルキルナフタレンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテルスルホン酸ソーダなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩類、硫酸化ひまし油や硫酸化牛油などの硫酸化油類、硫酸化オレイン酸ブチルなどの硫酸化脂肪酸エステル類、ジオクチルスルホ琥珀酸ソーダを代表とするアルキルスルホ琥珀酸塩類、α−オレフィンスルホン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、N−メチル−N−アルキルタウリン塩類、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド塩類、脂肪酸モノグリセライド硫酸エステル塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、ラウリルアルコール燐酸モノエステルジソーダ塩やラウリルアルコール燐酸ジエステルソーダ塩などのアルキルホスフェートの塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸モノエステルジソーダ塩やポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸ジエステルソーダ塩などのポリオキシエチレンアルキルホスフェートの塩類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類、スチレン−無水マレイン酸共重合体部分鹸化物の塩類、オレフィン−無水マレイン酸共重合体部分鹸化物の塩類などが挙げられる。なお、具体例としては主にナトリウム塩を挙げたが、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩なども可能で、特にこれらに限定されるものではない。
【0019】
カチオン系界面活性剤としては、モノステアリルアンモニウムクロライドやジステアリルアンモニウムクロライドやトリステアリルアンモニウムクロライドなどの1級および2級および3級アミン塩類、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドやジステアリルジメチルアンモニウムクロライドやステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム塩類、N−セチルピリジニウムクロライドやN−ステアリルピリジニウムクロライドなどのアルキルピリジニウム塩類、N,Nジアルキルモルホリニウム塩類、ポリエチレンポリアミンの脂肪酸アミド塩類、アミノエチルエタノールアミンとステアリン酸とのアミドの尿素化合物の酢酸塩類、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムクロライドなどが挙げられる。なお、具体例としては主にクロライドを挙げたが、ブロマイド、アルキルサルフェート、アセテートなども可能で、特にこれらに限定されるものではない。
【0020】
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテルやポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルやポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール類、ポリエチレングリコールモノステアレートやポリエチレングリコールモノオレートやポリエチレングリコールジラウレートなどの脂肪酸とポリエチレングリコールとのモノおよびジエステル類、ソルビタンモノラウレートやソルビタンモノオレートなどの脂肪酸とソルビタンのエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートやポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートやポリオキシエチレンソルビタントリラウレートなどのソルビタンのポリオキシエチレン付加物と脂肪酸とのエステル類、ソルビットモノパルチミテートやソルビットジラウレートなどの脂肪酸とソルビットとのエステル類、ポリオキシエチレンソルビットモノステアレートやポリオキシエチレンソルビットジオレートなどのソルビットのポリオキシエチレン付加物と脂肪酸とのエステル類、ペンタエリスリトールモノステアレートなどの脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステル類、グリセリンモノラウレートなどの脂肪酸とグリセリンとのエステル類、砂糖およびしょ糖の脂肪酸エステル類、ラウリン酸ジエタノールアミドやラウリン酸モノエタノールアミドなどの脂肪族アルカノールアミド類、ラウリルジメチルアミンオキサイドなどのアミンオキサイド類、ステアリルジエタノールアミンなどの脂肪族アルカノールアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、トリエタノールアミン脂肪酸エステル類などが挙げられる。
【0021】
両性界面活性剤としては、ラウリルアミノプロピオン酸ソーダなどのアミノ酸型両面界面活性剤類、ラウリルジメチルベタインやラウリルジヒドロキシエチルベタインなどのカルボキシベタイン型両面界面活性剤類、ステアリルジメチルスルホエチレンアンモニウムエチレンアンモニウムベタインなどのスルホベタイン型両性界面活性剤類、イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤類、レシチンなどが挙げられる。
無機や有機のアルカリや酸や塩、その他水に可溶な化合物の例としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、モノエタノールアミやジエタノールアミンやトリエタノールアミンといったアルカノールアミン類、等のアルカリや塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、蟻酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、マレイン酸、パラトルエンスルホン酸、等の酸や炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸カリウム、珪酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ほう酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸マグネシウム、クエン酸ナトリウム、琥珀酸ナトリウム等の塩類やベンゼンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、フェノール2,4−ジスルホン酸ナトリウム、メチルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩やアルキル硫酸エステルの塩類、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロースといった高分子化合物、等が挙げられる。また、粘度調整剤、分散安定剤、凝集剤、ゼオライト、など各種の添加剤を必要に応じて添加することができる。
【0022】
また、水系の現像液ではあるが、必要に応じてエタノール、イソプロパノール、セロソルブ、グリセリン、ポリエチレングリコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトンといった水に溶解する他の有機溶媒を混合することもできる。
現像液のpHは特に限定されるものではないが、作業上の安全性の面から3〜12の範囲であることが好ましい。現像時の温度は10〜50℃が好ましい。
【0023】
本発明では、このようにして感光性樹脂版を現像た際に生じる、未露光部の樹脂を分散状態で含んだ現像液から樹脂を除去処理するのに、現像装置と、濃縮用タンクとメンブレンフィルター間で循環運転することにより濾過を行う現像液再生装置からなる装置を用い、現像を行いながら、再生処理を行う。具体的には、現像装置内の樹脂を含んだ現像液の一部を現像装置から濃縮タンクに連続的または一定間隔ごとに移送し、濃縮用タンク内の樹脂含有現像液を濾過濃縮する。濾液は現像装置に戻し、現像液として再利用される。このため、現像液の再生のため現像を停止することなく、連続的に現像−再生が行われ、現像装置内の現像液中の樹脂濃度は常に一定以下に保つことが出来る。
【0024】
これらメンブレンフィルターの素材としては、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、酢酸セルロース、エチルセルロース、ニトロセルロース類、等の有機膜やアルミナ、シリカ、酸化チタン、ジルコニアを主成分としたセラミック膜や合金類を焼結した金属膜、等が挙げられるが特に限定するものではない。また、モジュールの形態としては、有機膜では中空糸やチューブラー型、セラミック膜や金属膜ではチューブラー型やマルチルーメン型が好ましく用いられる。本発明での濾過方式は原液を濾過膜のモジュールに循環させて流し、液の一部を濾液として取り出すクロスフロー方式が好ましく用いられる。
【0025】
本発明において、原液を濾過膜モジュールに流す速度としては、濾過膜に対して原水の流速が0.2m/秒以上になるようにすることが望ましく、これ未満であると濾過膜が閉塞したり、濾過流量の低下が著しい。また、濾過膜にかかる原水の圧力は膜の種類によって異なるが、0.2kg/cm2 以上であることが望ましい。また、メンブレンフィルターには閉塞による濾過流量低下を防ぐため、一定時間毎に濾液側から圧力をかけて逆洗する機構を備えることも可能である。
【0026】
なお、この濾過処理運転を通常運転と呼び、この運転中、濃縮タンク内の現像液の樹脂濃度は徐々に上昇する。現像液中の樹脂含有率は通常5〜20%程度まで行い、この後、現像装置から濃縮タンクへの現像液の移送を停止し、この状態で、メンブレンフィルターによる現像液の再生運転を続ける。その結果、濃縮タンク内の樹脂含有現像液の量は通常運転時の液量より少なくなり、樹脂含有率は上昇する。この運転を追加濃縮運転と呼ぶ。この追加濃縮運転により、濃縮タンク内の樹脂含有量を15〜50%まで上げ、現像液量を通常運転の70〜20%程度まで減らすことが可能である。その後、この追加濃縮した濃縮タンク内の樹脂含有現像液を廃棄する。本発明の特徴は、濃縮タンク内の樹脂含有現像液を廃棄する直前にこの追加濃縮を行うことである。
【0027】
この方法によって、通常運転時には、比較的濃縮タンク中の樹脂濃度が低い状態でメンブレン濾過運転が出来るため、高い濾過流量が確保でき、濃縮タンク内の樹脂含有現像液を廃棄する時には高濃度まで濃縮を進めて、廃棄する樹脂含有現像液量を減らす、という相反する要求を満足させることが出来る。一方、この樹脂含有現像液は、抜き出した後、凝集処理、遠心分離、濾過処理、常圧や減圧下での乾燥、といった公知の方法で樹脂を除去した後廃棄したり、吸水材による固形化後廃棄したり、そのまま焼却処理して廃棄する、といったことができる。この場合本発明では、高濃度に濃縮して液量が少ないためこれらの廃棄処理も容易で低コストで行うことが出来る。なお、濃縮廃液を廃棄するため、現像液の全体量は処理後で最初の量より減少する。そのため、長期間現像液の再生をして安定して現像を行なうためには、廃棄した濃縮液に相当する量の水および他の現像薬剤成分を加える必要がある。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて本発明の実施の形態を詳しく説明する。図1は、本発明現像液の処理方法における一実施形態の工程図であり、図2は、本発明現像装置の一実施形態の斜視図である。図1および図2において、現像装置13からオーバーフローにより配管4を通って送られた現像液は濃縮タンク1に貯められる。濃縮タンク1からは循環ポンプ3により配管5を通ってメンブレンフィルター2に廃液が送られ、配管6を通って濃縮タンク1に戻され、繰り返しこのラインを循環する。一方、メンブレンフィルターモジュール2から出た濾液は配管7を通って現像装置13に返送される。この通常運転中には濾液として現像装置13に返送された分だけ、現像装置13からオーバーフローにより濃縮タンク1に送られるため、濃縮タンク1内の現像液の液面位置は14でほぼ一定である。
【0029】
濃縮タンク1中の現像液の樹脂濃度が一定量まで濃くなると、バルブ9を閉め、現像装置13からの現像液の移送を止め、追加濃縮を行う。これにより、濃縮タンク1内の現像液の液面は徐々に減少し、樹脂濃度が上がる。濃縮タンク1内の現像液の液面が液面計11以下になると、液面計11が作動し、ポンプ3が止まり追加濃縮が終了する。濃縮タンク1およびメンブレンフィルターモジュール2、配管5、6内の樹脂含有現像液は濃縮液抜き出しバルブ10を開いて抜き取られ、廃棄処理される。この後、バルブ10を閉め、バルブ9を開け、さらに不足分の現像液を追加した後、ポンプ9を動かし、通常濃縮処理を再開する。
【0030】
なお、これら装置は、本発明に必要最小限の設備を具備したものであるが、濾過モジュールに大きなスカムが流れモジュール内の流路を閉塞するのを防ぐためのプレフィルター、圧力計や流量計や温度計といった測定器類、バイパス配管やポンプやバルブといった配管設備類、ヒーターや冷却装置といった温度調節器類、水や界面活性剤や添加剤を自動で投入する装置など、必要に応じて備えることが出来る。
【0031】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例におけるメンブレンフィルターは以下A、B、Cで示されるホローファイバー型の以下のものを用い、現像液は以下a〜fで示される水溶液を用い、追加にもこの現像液を用いた。
Figure 0004038702
【0032】
実施例1〜13
感光性フレキソ印刷版(東洋紡績株式会社製、コスモライト、CLH 厚み1.7mm)をA2の大きさに切り、各線幅の細線やベタ部などを有する適当なネガフィルム(露光部50%)を密着させ、照度25W/m2の水銀灯で、5分間照射を行いパターンを焼き付けた。ネガフィルムを除いた後、図1に示す工程に従い、各種の現像液中で40℃でレリーフ深度が約1mmになるようにナイロンブラシこすりによる現像を行うことにした。
まず、現像装置内のタンクに現像液50リットルを入れ、濃縮タンクには20リットルの同じ現像液を入れ、循環濾過を行った。濾液は配管7を通って現像装置に返送され、現像装置からはオーバーフローにより現像液が濃縮タンク1に送られた。この時濃縮タンク1内には15リットルの現像液が存在し、メンブレンフィルター2と配管内には3リットルの現像液が存在し、現像装置内にはオーバーフローをするための水面上昇分も合わせて52リットルの現像液が存在した。
【0033】
この状態で先ほど準備した感光性フレキソ版を20分に1枚の割合で現像した。連続で20枚現像した後、バルブ9を閉め、現像装置からの現像液の移送を止め、追加濃縮を行った。約10分後、濃縮タンク1内の現像液の液面が液面計11以下になり、ポンプ3が止まった。濃縮タンク1およびメンブレンフィルター2、配管5、6内の樹脂含有現像液を濃縮液抜き出しバルブ10を開いて抜き出し、廃棄処理した。この時の廃液量は9リットルであった。この後、バルブ10を閉め、バルブ9を開け、さらに不足分の現像液を追加した後、ポンプ9を動かし、通常濃縮処理を再開した。この操作を10回繰り返し、合計で200枚現像を行った。なお、一連の操作2回目以降の現像開始直後と追加濃縮する直前に、濾過流量、現像装置内のタンク内の現像液の樹脂濃度、濃縮タンク内の現像液の樹脂濃度を測定し、さらに廃棄した現像液の樹脂濃度と量を測定した。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0004038702
【0035】
比較例1〜3
実施例1〜11と同様に露光、現像を行い、20枚現像後に濃縮タンク内の樹脂含有現像液は追加濃縮することなく廃棄した。この操作を10回繰り返し、合計で200枚現像を行った。その結果を表2に示す。
【0036】
比較例4〜6
実施例1〜11と同様に露光、現像を行い、実施例の2倍の40枚現像した。現像液は追加濃縮することなく廃棄した。この操作を5回繰り返し、合計で200枚現像を行った。その結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
Figure 0004038702
なお、表1および表2の濾過流量、樹脂濃度はそれぞれの2回目以降の操作での測定の平均を、廃液量は200枚洗い出すまでの合計を示した。
表1より明らかなように、実施例1〜13では、現像装置内のタンク内の現像液の樹脂濃度は20枚の現像後でも低く保たれ、また濾過流量の低下も少ない。さらに追加濃縮を行うため廃液量も少なくできたことが判る。
また表2より明らかなように、比較例1〜3では、現像装置内のタンク内の現像液の樹脂濃度は20枚の現像後でも低く保たれ、また濾過流量の低下も少ないが、追加濃縮を行うわなかったため、廃液量が多く、比較例4〜6では、廃液量は少なかったが、40枚現像後は濾過流量が低くなったために処理が追いつかず、現像装置内のタンク内の現像液の樹脂濃度が高くなり、ブラシが沈澱してきた樹脂により詰まっていることが判る。
【0038】
【発明の効果】
以上、かかる構成よりなる本発明装置を用い、本発明方法を採用することにより、現像液廃液の量を減らすことができ、凝集処理などの作業も容易でかつ薬剤の使用量も少なくて済みコスト的にも有利となる。さらには、排水として排出する総量も少ないため、低公害、地域環境保全に大きく貢献することが出来る。また、通常運転中は濾過流量を高く確保できるため、安定して長期間、多数枚の感光性樹脂版の現像作業が可能である等、産業界に寄与すること大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像液の処理方法における一実施形態例の工程図である。
【図2】本発明の現像装置の一実施形態例の斜視図である。
【符号の説明】
1.濃縮タンク
2.メンブレンフィルターモジュール
3.循環ポンプ
4.現像装置から濃縮タンクへの配管
5、6.配管(廃液貯蔵タンクとメンブレンフィルター間の循環用)
7.メンブレンフィルターから現像装置への配管
8.圧力計
9.バルブ
10.濃縮液抜き出しバルブ
11.液面計
12.ポンプ制御装置
13.現像装置
14.通常運転時の液面位置

Claims (2)

  1. 現像装置と、濃縮用タンクとメンブレンフィルター間で循環運転することにより濾過を行う現像液再生装置からなる装置を用い、現像装置から濃縮タンクに現像液の一部を連続的または一定間隔ごとに移送し、濃縮用タンク内の樹脂含有現像液を濾過濃縮して、濾液は現像装置に戻し、濃縮タンク内の樹脂含有現像液は樹脂が高濃度になったときに廃棄する、感光性樹脂の現像液の処理方法において、濃縮タンク内の樹脂含有現像液を廃棄する直前に、現像装置から濃縮タンクへの現像液の移送を停止して濃縮タンク内の樹脂含有現像液量を少なくして樹脂含有率を上げた後、これを廃棄することを特徴とする感光性樹脂の現像液の処理方法。
  2. 少なくとも(1)濃縮タンク、(2)逆浸透膜、限外濾過膜、精密濾過膜、のいずれか1種類以上の濾過膜を具備したメンブレンフィルターモジュール、(3)濃縮タンクからメンブレンフィルターモジュールへ廃液を移送するための循環ポンプ、(4)メンブレンフィルターモジュールから出たクロスフローの循環廃液を濃縮タンクへ移送するための配管、(5)メンブレンフィルターモジュールから出た濾液を現像装置へ移送させるための配管、(6)現像装置から濃縮タンクへオーバーフローにより現像液を移送するための配管、(7)現像装置から濃縮タンクへ現像液を移送するための配管に設置された液の移送を中断するためのバルブ、(8)濃縮タンクに設置された液面計、(9)濃縮タンクの液面が液面計以下になったときに循環ポンプが停止する機能、(10)濃縮タンクから現像液を抜き出すための配管を備えたことを特徴とする感光性樹脂版用現像液の処理装置。
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