JP4035697B2 - 酸化物セラミックス焼結体の製造方法 - Google Patents

酸化物セラミックス焼結体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は酸化物セラミック焼結体(以下、単に「セラミック焼結体」という)の製造方法に関し、特に高周波用誘電体材料に好適したセラミックス焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
セラミックス焼結体は各種電子部品の素材に広く使用されているが、斯かるセラミック焼結体は、一般に、粉末状のセラミック材料を加圧して成形した後、該成形体をセラミック材料の融点以下の所定温度で焼成することにより製造される。そして、斯かるセラミック焼結体の製造過程においては、結晶内部、特に結晶粒界に不可避的に気孔が形成されるが、安定した良好な電気的特性を得るためには、気孔の形成を可能な限り低減させて緻密な焼結体を製造するのが望ましい。
【0003】
そして、従来より、気孔の少ない焼結体を得るためには酸素雰囲気中で焼成処理を行なうのが効果的であるとされており、例えば、炉内に酸素ガスを供給して焼成処理を開始し、全ての気孔が閉気孔となった時点で焼成雰囲気を低酸素分圧に切り換え、これにより緻密化されたセラミック焼結体を得ることができる(白崎信一著、スーパーファインセラミック制御技術ハンドブックp101、サイエンスフォーラム社(1990);以下、「第1の従来技術」という)。
【0004】
該第1の従来技術では、気孔が結晶体内部に閉じ込められ、閉気孔を形成するまでは炉内に酸素ガスのみを供給し、前記閉気孔が形成された後は焼成雰囲気の酸素分圧を低下させて二酸化炭素や窒素ガスを酸素ガスと共に炉内に供給し、これにより気孔内の酸素が除去され易くなり、緻密化したセラミック焼結体を製造することができる。
【0005】
また、その他の従来技術としては、焼成雰囲気の酸素分圧を3段階に分けて焼成処理を行ない、これにより気孔の少ないセラミック焼結体を製造する技術が知られている(特開平10−182244号公報;以下「第2の従来技術」という)。
【0006】
該第2の従来技術は、PbOを主成分とする圧電体を製造する場合に、セラミック収縮率が5%以下の第1段階では窒素と酸素の混合ガス(空気)を炉内に供給して焼成を行ない、その後閉気孔が形成されるまでの第2段階では酸素ガスのみを炉内に供給して焼成を続行し、閉気孔が形成された第3段階では再び窒素と酸素の混合ガス(空気)を炉内に供給して焼成を続行し、これによりPbOの揮散を抑制し、気孔の少ない緻密な圧電セラミックを得ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種のセラミック焼結体は、一般にアルミナ等で形成された匣(さや)内にセラミック成形体を収容し、これら匣を数段に積層した複数組の匣組みを炉内に配置して該炉内にガスを供給し、炉内雰囲気を昇温して焼成処理を施すことにより製造される。すなわち、従来の製造方法では、炉の壁面部に設けられたガス供給口から炉内に焼成ガスを供給し、炉を加熱昇温してセラミック成形体に焼成処理を施している。
【0008】
そして、上記第1及び第2の従来技術では、全ての気孔が閉気孔となった後も空気や二酸化炭素、窒素等のガスを炉内に供給して焼成処理を続行しているため、炉内の温度分布にバラツキが存在する状態で焼結が完了することとなる。すなわち、炉内にガスを導入するためのガス供給口は、炉の壁面部の所定箇所に設けられているため、ガス供給口に近い箇所とガス供給口から遠い箇所とでは温度差が生じ、斯かる温度差の生じている状態で焼成処理が進行する。そして、このように炉内温度にバラツキが生じている状態で焼成処理が進行するため、同一の焼成ロッド内でも焼結状態が一様とはならず、したがって電気的特性の均質な焼結体を得ることができず、このため製品化された電子部品間で電気的特性にバラツキが生じ、製品歩留まりも低下するという問題点があった。
【0009】
斯かる事態が生じるのを回避すべくガス供給口の個数を増設したりガス供給口の配設位置を工夫して対処することも考えられるが、斯かる対処では装置が煩雑化し、生産コストの高騰を招来する虞がある。
【0010】
しかも、上記第1の従来技術では、閉気孔が形成された後は焼成雰囲気の酸素分圧を低下させて二酸化炭素や窒素ガスを供給しているため、セラミック材料が長時間に亙って還元雰囲気に曝されることとなり、このためマイクロ波誘電体のような低損失材料用の場合は比誘電率εrや共振周波数の温度係数差Δτf等の電気的特性が低下するという問題点もあり、また、上記第2の従来技術は、セラミック組成の変動を防止すべくPbOの揮散抑制を主目的としたものであり、Pbを含まないBaTiO等、その他のセラミック材料には対処しきれないという問題点もある。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、電気的特性が均質であって気孔の少ない緻密なセラミック焼結体を簡単な工夫で容易に得ることのできるセラミック焼結体の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、比誘電率εrや共振周波数の温度係数差Δτf等、電気的特性が均質で気孔の少ないセラミック焼結体を得るべく鋭意研究した結果、結晶体内に残存する全ての気孔が閉気孔となる所定温度に達した後、一定時間経過後には炉内へのガス供給を停止させて炉内の温度分布を均一化させることにより、前記電気的特性が均質で気孔の少ないセラミック焼結体を容易に製造することができるという知見を得た。
【0013】
本発明は斯かる知見に基づきなされたものであって、本発明に係るセラミック焼結体の製造方法は、セラミック成形体が収容された炉内に酸素ガス又は大気より酸素濃度の高いガスを供給して加熱し、前記セラミック成形体に焼成処理を施して焼結体を製造する酸化物セラミック焼結体の製造方法において、前記炉内の焼成雰囲気が結晶体内に残存する全気孔が閉気孔状態となる所定温度に達した後、一定時間経過後に前記ガスの供給を停止させて焼成処理を続行することを特徴としている。
【0014】
上記製造方法によれば、全ての気孔が閉気孔となる所定温度までは炉内に酸素ガス又は大気より酸素濃度の高いガスを供給し、一定時間経過後に前記ガスの供給を停止するので、焼成雰囲気が安定化してからガスの供給は停止することになる。そしてその後は炉内へのガス供給を停止させて焼成処理を続行しているので、ガス供給の停止後は炉内の気流の乱れが防止され、炉内の温度分布のバラツキを低減させた状態で焼成処理が進行する。そしてこのように温度分布のバラツキを低減させることにより焼結作用が均一に進行し、これにより焼結状態の均質なセラミック焼結体を製造することができる。
【0015】
また、ガスの供給停止により炉内の酸素濃度が低下し、セラミック材料の表面層における酸素空孔濃度が増加するが、気孔近傍の酸素濃度は表面層の酸素濃度よりも高いため、空孔濃度の濃度差が駆動力となって空孔中のガスの拡散が促進され、気孔内の酸素が除去されて該気孔が消滅し易くなる。そしてその結果結晶内の気孔含有率の低下を促し、より緻密化したセラミック焼結体が得られる。
【0016】
しかも、炉内は還元雰囲気となることもなく、焼結体の気孔含有率を効率よく低減させることができることから、所望の電気的特性を維持した状態でより緻密なセラミック焼結体を製造することが可能となる。
【0017】
また、上記製造方法では、炉内が所定温度に達した後、一定時間経過後にガスの供給を停止しているが、ガス供給の停止に代えて、ガスの供給量を0.05×10 -5 /s以下に大幅に減量しても上述と同様の作用・効果を奏することができる。
【0018】
すなわち、本発明に係るセラミック焼結体の製造方法は、セラミック成形体が収容された炉内に酸素ガス又は大気より酸素濃度の高いガスを供給して加熱し、前記セラミック成形体に焼成処理を施して焼結体を製造する酸化物セラミック焼結体の製造方法において、前記炉内の焼成雰囲気が結晶体内に残存する全気孔が閉気孔状態となる所定温度に達した後、一定時間経過後に前記ガスの供給量を0.05×10 -5 /s以下に低減させて焼成処理を続行することを特徴としている。
【0021】
また、本発明は、前記セラミック成形体が誘電体材料で形成されていることを特徴とするのも好ましく、これにより比誘電率εrや共振周波数の温度係数差Δτf等、製品間で電気的特性のバラツキが少ない高周波用誘電体を得ることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳説する。
【0023】
図1は本発明に係るセラミック焼結体の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図であって、本実施の形態では単層タイプの高周波用誘電体に好適したセラミック焼結体を製造している。
【0024】
まず、スラリー作製工程1ではセラミック材料、純水、分散剤、及びバインダをジルコニア等の粉砕媒体が内有されたボールミルに投入し、所定の回転速度で前記ボールミルを回転させ、粉砕しながら混練し、スラリーを作製する。
【0025】
ここで、セラミック材料としては、BaTiOやSrTiO等、誘電性を有する複合酸化物系のセラミック焼結体が製造されるのであれば特に限定されるものではなく、例えばBaCOやSrCO、TiOにSm、La、Ce等の希土類元素を添加したものを使用することができる。
【0026】
また、分散剤及びバインダも特に限定されるものではなく、例えば分散剤としてはポリカルボン酸アンモニウム塩、バインダとしてはポリビニルアルコールを使用することができる。
【0027】
次に、成形工程2に進み、鋳込み成形を行なってセラミック成形体を作製する。すなわち、スラリー作製工程1で作製されたスラリーを石膏等の吸水性材料で形成された鋳型に流し込み、液体を鋳型に吸収させて固体層を形成し、乾燥処理を行なった後、型抜きを行なって所定寸法のセラミック成形体を作製する。
【0028】
次に、焼成工程3に進み、焼成処理を行なう。
【0029】
該焼成工程は3段階に区分されており、まず、第1の焼成処理3aでは所定寸法に形成された多数の前記セラミック成形体をアルミナ製の匣に収容し、斯かる匣を数段に積み重ねた適数組の匣組みを炉内適所に配置する。そして所定流量(例えば、1.66×10−5/s(=10l/min))でもって炉内に空気を供給しながら炉内温度が約600℃に達するまで昇温させ、焼成処理を開始する。
【0030】
そして、炉内温度が約600℃を超えると第2の焼成処理3bに進む。すなわち炉内への供給ガスを空気から酸素ガスに切り換え、結晶体内部(結晶粒界)に形成される全ての気孔が閉気孔状態となる所定温度(例えば、1360℃)に達するまで焼成を続行する。すなわち、第2の焼成処理3bでは酸素雰囲気中で炉内が前記所定温度に達するまで焼成を続行し、外部に通じる開気孔を完全に消滅させ、結晶体内に残存している全ての気孔が結晶体の内部に閉じ込められた閉気孔となるようにする。
【0031】
続く第3の焼成処理3cでは一定時間(例えば、約1時間)前記所定温度で酸素ガスを供給し続けた後、酸素ガスを含む全てのガスの炉内への供給を停止し、前記所定温度を維持しながら所定時間(例えば、3時間)焼成処理を続行し、これによりセラミック焼結体が製造される。
【0032】
このように本実施の形態では、全ての気孔が閉気孔となる所定温度に到達した後は、炉内へのガスの供給を停止して焼成処理を続行しているので、炉内の気流の乱れが防止されることとなり、したがって炉内の温度分布のバラツキを低減させた状態で焼成が行なわれ、これにより焼結が均一に進行し、同一の焼成ロッド内で均質なセラミック焼結体を得ることができる。
【0033】
また、酸素ガスの供給を停止した場合、炉内の酸素濃度が低下するため、結晶構造中の酸素が格子サイトから抜けて空孔が形成され易くなり、したがってセラミック材料の表面層における酸素空孔濃度が増加するが、気孔近傍の酸素空孔濃度は前記表面層の酸素空孔濃度よりも高いため、斯かる空孔の濃度差が駆動力となって空孔への酸素の拡散が促進され、空孔が容易に消滅し易くなる。その結果、気孔内の酸素が除去され易くなって気孔の消滅が促進され、気孔部分の体積占有率、すなわち気孔含有率が低下し、したがって気孔含有率のバラツキも低減し、より緻密化したセラミックス焼結体を得ることができる。
【0034】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態では、所定温度に到達した後、一定時間経過後に酸素ガスの炉内への供給を停止しているが、炉内への酸素ガスの供給0.05×10 -5 /s以下に大幅に低減させることによっても上記実施の形態と略同等の作用効果を奏することができる。すなわち、酸素ガスの炉内への供給量を0.05×10 -5 /s以下に低減させることによっても、炉内の気流の乱れが抑制されて炉内の温度分布の均一化が促進され、上記実施の形態と同様、焼結が均一に進行して同一の焼成ロッド内で均質且つ緻密なセラミック焼結体が製造される。
【0036】
さらに、本実施の形態のように酸素雰囲気又は大気より酸素濃度の高いガスを焼成工程の途中から供給せずに、焼成工程の最初から供給するようにしてもよいが、セラミック成形体中のバインダ成分が飛散するまでの温度域においては、セラミック成形体の割れの発生を防止するために大気中で焼成するのが好ましい。
【0037】
また、上記実施の形態では、成形工程2で鋳込み成形を行なっているが、鋳込み成形以外の成形方法、例えばプレス成形や加圧鋳込み成形で成形体を製造しても良いことはいうまでもない。
【0038】
尚、上記実施の形態では、スラリー作製工程でバインダを添加しているが、鋳込み成形(或いは加圧鋳込み成形)で成形体を作製する場合は、成形体強度を確保することができるのであれば、バインダの添加を省略してもよい。
【0039】
また、上記実施の形態では、Pbを含有していないBaTiO 等の誘電体材料を例示して説明したが、Pbを含有したPbTiOやPb(Zr,Ti)Oにも適用できるのはいうまでもない。
【0040】
【実施例】
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0041】
〔焼成温度の決定〕
本発明者らは、まず、焼成温度と焼結体の開気孔率(材料の体積中に占める開気孔の割合)との関係を測定し、適切な焼成温度を決定した。
【0042】
すなわち、本発明者らは、高周波用誘電体に好適したセラミック素材を出発原料としてセラミック成形体を作製した後、異なる最高焼成温度で前記セラミック成形体に焼成処理を施し、焼成温度と焼結体の開気孔率(材料の体積中に占める開気孔の割合)との関係を測定した。
【0043】
具体的には、まず、出発原料として炭酸バリウム(BaCO)、酸化チタン(TiO)及び酸化サマリウム(Sm)を準備し、金属元素の比率がBa:Ti:Sm=1:4:2となるように調合し、ボールミルに投入して湿式混合した後、脱水、乾燥し、その後温度1000℃〜1200℃下、大気中で1時間以上仮焼し、仮焼粉末を得た。そしてその後、この仮焼粉末を6kg、純水を1.8kg、及び分散剤としてのポリカルボン酸アンモニウム塩を0.03kg、夫々秤量し、ジルコニア製の粉砕媒体10kgを内有した内容積が9.0×10−2のボールミルに前記秤量物を投入し、24時間湿式粉砕してスラリーを作製した(スラリー作製工程)。
【0044】
次いで、このようにして作製したスラリーを、石膏で形成された鋳型に流し込んで鋳込み成形を行い、材料組成式がBaSmTi16で示される60mm×60mm×20mmの成形体を作製した(成形工程)。
【0045】
次に、このようにして作製された多数の成形体を匣に収容した後、該匣を炉内に配置し、次いで最高焼成温度を種々変えて焼成処理を行ない、外部に通じている開気孔の気孔率、すなわち開気孔率を各々測定した。
【0046】
すなわち、約15時間をかけて600℃まで炉内温度を昇温させると共に、流量1.66×10−5/s(=10l/min)で空気を炉内に供給し、炉内温度が600℃に到達した後は供給ガスを空気から酸素に切り換えると共に流量を4.98×10−5/s(=30l/min)に増加させ、図2に示すように、最高焼成温度を1320℃、1340℃とした場合(No.1、No.2)、最高焼成温度を1360℃とした場合(No.3)、及び最高焼成温度1360℃として1時間保持した場合(No.4)の各焼結体の開気孔率を水銀ポロシメータ(CEINSTRUMENT社製)で測定した。すなわち、各試験片を水銀中に浸漬して周囲から圧力を負荷し、水銀の焼結体内への浸入状態を計測し、焼結体内部に浸入した水銀量から開気孔率を測定した。
【0047】
表1は各焼成温度における開気孔率の測定結果を示している。
【0048】
【表1】
Figure 0004035697
この表1から明らかなように、No.1及びNo.2は焼成温度が夫々1320℃、1340℃と十分な高温でないため、開気孔が完全には消滅せず、結晶中の開気孔率が夫々10.7%及び1.3%であった。
【0049】
これに対してNo.3及びNo.4は焼成温度が1360℃であり、十分に高温であるため、水銀の焼結体への浸入も認められず、開気孔率は「0」となって開気孔が完全に消滅し、結晶体内に残存している気孔は全て閉気孔になっていることが確認された。
【0050】
以上より開気孔を完全に消滅させるためには、焼成温度は少なくとも1360℃に設定する必要があることが分かった。
【0051】
〔実施例1〕
次に、本発明者らは、上述のようにして作製されたセラミック成形体を、図3に示すようなアルミナ製の匣10に収容し、各匣10…を3段に積層して匣組みを行い、6組の匣組みを酸素雰囲気対応の大型バッチ炉内に配置し、図4に示すような焼成プロファイルに基づいて焼成処理を行った。
【0052】
すなわち、15時間を要して炉内温度を600℃まで昇温させると共に炉に付設されたセラミック製パイプを介して流量1.66×10−5/sで炉内に空気を供給し、焼成処理を開始した(第1の焼成処理)。
【0053】
次いで、9時間を要して炉内温度を1360℃まで昇温させると共に炉内への供給ガスを空気から酸素ガスに切り換え、流量4.98×10−5/sでもって炉内に酸素ガスを供給し、さらに焼成温度1360℃に保持して炉内への酸素ガスの供給を1時間続行した(第2の焼成処理)。
【0054】
次いで、マスフローコントローラを使用し、5分間をかけて炉内への酸素ガスの供給を徐々に減らしながら酸素ガスの供給を停止し、斯かる酸素ガスの供給を停止した状態で焼成処理を続行した。すなわち、酸素ガスの供給停止により生じる炉内温度の上昇を回避すべく酸素ガスの供給を徐々に低減させ、最終的に酸素ガスの供給を停止させた。そして、酸素ガスを含む全てのガスの供給を停止した後、焼成温度1360℃で3時間焼成処理を続行し(図4中、斜線部で示す)、18個(=3段×6組)のセラミック焼結体を作製した(第3の焼成処理)。
【0055】
〔実施例2〕
実施例1と同様、第1及び第2の焼成処理を行った後、マスフローコントローラを使用し、5分間をかけて炉内への酸素ガスの供給を酸素ガスの流量が0.05×10−5/sとなるまで減少させ、斯かる酸素ガスの流量で焼成処理を続行した。すなわち、酸素ガスの流量減少により生じる炉内温度の上昇を回避すべく酸素ガスの供給を徐々に低減させ、最終的に酸素ガスの流量を0.05×10−5/sとした。そして、流量0.05×10−5/sの酸素ガスを炉内に供給し続けながら焼成温度1360℃で3時間焼成処理を続行し(図4中、斜線部で示す)、18個(=3段×6組)のセラミック焼結体を作製した(第3の焼成処理)。
【0056】
〔比較例1〕
本発明者らは、上記実施例1と同様、焼成温度1360℃下、流量4.98×10−5/sでもって炉内に酸素ガスを供給し、結晶内に残存する全ての気孔が閉気孔となる焼成温度1360℃で1時間保持しながら炉内に酸素ガスを供給し続け、その後斯かる焼成温度下、流量1.66×10−5/sでもって炉内に空気を3時間供給し続けて焼成処理を続行し(図4中、斜線部で示す)、18個(=3段×6組)のセラミック焼結体を作製した。
【0057】
〔比較例2〕
本発明者らは、上記実施例1と同様、焼成温度1360℃下、流量4.98×10−5/sでもって炉内に酸素ガスを供給し、結晶内に残存する全ての気孔が閉気孔となる焼成温度1360℃で1時間保持しながら炉内に酸素ガスを供給し続け、その後斯かる焼成温度下、流量4.98×10−5/sの空気を炉内に3時間供給し続けて焼成処理を続行し(図4中、斜線部で示す)、18個(=3段×6組)のセラミック焼結体を作製した。
【0058】
そして、本発明者らは、各々18個の匣10…内に熱履歴センサ((財)ファインセラミックセンター製リファサーモ)を投入し、焼成物と同時に焼成して焼成後の寸法を測定し、各実施例及び比較例について前記熱履歴センサーの測定寸法から各匣10…内の実際の焼成温度(実焼成温度)を算出した。
【0059】
表2は実焼成温度の算出結果を示している。
【0060】
【表2】
Figure 0004035697
この表2から明らかなように比較例1は、焼成温度が1360℃に到達して1時間経過した後も1.66×10−5/sの空気を炉内に供給しているので、炉内の気流が乱れて温度分布にバラツキが生じており、このため各匣10…間で最高温度が1410℃、最低温度が1385℃となり、各匣10…間での温度差ΔTが25℃もあった。
【0061】
また、比較例2は、焼成温度が1360℃に到達して1時間経過した後も酸素ガスの流量を減少させることなく、4.98×10−5/sの流量で炉内に供給し続けているので、炉内の気流が乱れて温度分布にバラツキが生じており、このため各匣10…間で最高温度が1409℃、最低温度が1382℃となり、各匣10…間での温度差ΔTが27℃もあった。
【0062】
これに対し実施例1、2は第3の焼成処理で炉内へのガスの供給を停止又は0.05×10 -5 /sに低減しているので、炉内の気流に乱れが生じることもなく、最高温度が1394℃〜1395℃、最低温度が1389℃〜1390℃となって各匣10…間での温度差ΔTが5℃と小さくなり、炉内の焼成温度のバラツキが大幅に低減され、略均一な焼成雰囲気で焼成処理が進行することが確認された。
【0063】
次に、本発明者らは、各匣10…内のセラミック焼結体から直径10mmφ、厚さ5mmのディスク状試験片を切り出し、比誘電率εr及び共振周波数の温度係数τfを測定し、比誘電率差Δεr及び温度係数差Δτfを求めた。
【0064】
尚、比誘電率εrは測定周波数3〜4GHzにおいて両端短絡型誘電体共振周波数で測定し、共振周波数の温度係数τfはTE01δモード共振器を用い、25〜55℃間における共振周波数から測定した。また、これら比誘電率εr及び共振周波数は、いずれもネットワークアナライザ(アジレントテクノロジー社製8720,8510)を使用して測定した。
【0065】
表3はその測定結果を示している。
【0066】
【表3】
Figure 0004035697
この表3から明らかなように比較例1及び比較例2は、上述したように匣10…間での温度バラツキ(温度差ΔT)が大きく、同一の焼成ロッドでも均質な焼結体を得ることができず、このため比誘電率εrの最大値は「82.50」、最小値は「82.27」又は「82.26」となり、比誘電率εrのバラツキ、すなわち比誘電率差Δεrが「0.23」又は「0.24」と大きくなることが分かった。
【0067】
これに対し実施例1、2は、匣10…間での温度バラツキ(温度差ΔT)が小さく、焼結も同一の焼成ロッド内で均一に進行するため、比誘電率εrの最大値は「82.51」、最小値は「82.44」又は「82.45」となって比誘電率差Δεrが「0.07」又は「0.06」となり、比誘電率εrのバラツキが大幅に低減することが確認された。
【0068】
また、共振周波数の温度係数差Δτfについても、比較例1では焼結が均一に進行しないため、共振周波数の温度係数差Δτfが「4.4ppm/℃〜−3.5ppm/℃」の間でバラツキ、温度係数差Δτfが「7.9ppm/℃」と大きいことが分かった。
【0069】
また、比較例2も、比較例1と同様、焼結が均一に進行しないため、共振周波数の温度係数差Δτfが「4.3ppm/℃〜−3.0ppm/℃」の間でバラツキ、温度係数差Δτfが「7.3ppm/℃」と大きいことが分かった。
【0070】
これに対し実施例1,2は第3の焼成処理で炉内へのガスの供給を停止又は0.05×10−5/sと大幅に減量しているため焼結が均一に進行し、このため共振周波数の温度係数差Δτfが「0.4ppm/℃〜−1.1ppm/℃」の間でしかバラツキが生じず、温度係数差Δτfが「1.5ppm/℃」と大幅に低減することが確認された。
【0071】
このように実施例1、2は比較例1、2に比べ、比誘電率εrや共振周波数の温度係数差Δτfのバラツキが抑制され、同一ロッド内での電気的特性が均質化することが確認された。
【0072】
さらに、本発明者らは、上記切り出した試験片を鏡面研磨し、表面の拡大画像を画像処理して気孔部分と結晶部分とに区分し、気孔含有率を示す気孔部分の面積占有率を測定した。
【0073】
表4はその測定結果を示している。
【0074】
【表4】
Figure 0004035697
この表4から明らかなように比較例1は、気孔が閉気孔状態となった後も空気を炉内に供給しているため、気孔内の酸素が除去されにくくなって気孔含有率が均一化せず、気孔部分の面積占有率Aも「0.218%〜0.039%」の間でバラツキ、面積占有率差ΔAが匣10…間で「0.179%」と大きくなることが確認された。
【0075】
また、比較例2も、気孔が閉気孔状態となった後も流量を変えることなく空気を炉内に供給しているため、気孔内の酸素が除去されにくくなって気孔含有率が均一化せず、気孔部分の面積占有率Aも「0.285%〜0.045%」の間でバラツキ、面積占有率差ΔAが匣10…間で「0.250%」と大きくなることが確認された。
【0076】
これに対し実施例1、2は、第3の焼成処理で炉内へのガスの供給を停止又はガスの供給を0.05×10−5/sと大幅に減量しているので、気孔内の酸素が容易に除去されて気孔含有率の均一化が促進され、気孔部分の面積面積占有率も「0.043%〜0.059%」となり、面積占有率差ΔAも「0.016%」と匣10…間でのバラツキが大幅に低減することが確認された。
【0077】
以上詳述したように本発明に係るセラミック焼結体の製造方法は、セラミック成形体が収容された炉内に酸素ガス又は大気より酸素濃度の高いガスを供給して加熱し、前記セラミック成形体に焼成処理を施してセラミック焼結体を製造するセラミック焼結体の製造方法において、前記炉内の焼成雰囲気が結晶体内に残存する全気孔が閉気孔状態となる所定温度に達した後、一定時間経過後に前記ガスの供給を停止又は前記ガスの供給量を0.05×10 -5 /s以下に低減して前記焼成処理を続行しているので、炉内が所定温度に達し炉内の焼成雰囲気が安定化した後は炉内温度分布を均一に保ちながら焼成処理が行なわれ、これにより均質化されたセラミック焼結体を製造することができる。したがって、製品化された電子部品間で電気的特性均質化することが可能となり、製品歩留りの向上を図ることができ、製品コストの低廉化が可能となる。
【0078】
また、前記所定温度に達してから一定時間経過後に前記ガスの供給を停止又は0.05×10 -5 /s以下に低減しているので、焼成温度が確実に所定温度に到達した後にガス供給の停止又低減が行なわれることとなり、安定した焼成処理が遂行され、所望の均質で緻密な焼結体を得ることができる。
【0080】
また、供給ガスとして酸素ガス又は大気より酸素濃度の高いガス酸素ガスを使用しているので、炉内が還元雰囲気となることもなく、所望の電気的特性を維持した状態で緻密な焼結体を製造することが可能となり、マイクロ波誘電体のような低損失材料にも好適した焼結体を得ることができる。
【0081】
また、前記セラミック成形体は誘電体材料で形成されることにより、製品化された誘電体部品は比誘電率εrや共振周波数の温度係数差Δτf等の電気的特性に優れ、しかも製品間でのバラツキも小さなものとなる。
【0082】
さらに、本発明によれば、上述したように緻密化、均質化させて気孔含有率も低減させることができるため、透光性を有するセラミック部品の製造も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミック焼結体の製造方法を示す製造工程図である。
【図2】閉気孔状態となる所定温度を決定するための焼成温度の測定点を示す図である。
【図3】焼成処理が施される匣組みの一例を示した図である。
【図4】焼成プロファイルの一実施例を示す図である。

Claims (3)

  1. セラミック成形体が収容された炉内に酸素ガス又は大気より酸素濃度の高いガスを供給して加熱し、前記セラミック成形体に焼成処理を施して焼結体を製造する酸化物セラミック焼結体の製造方法において、
    前記炉内の焼成雰囲気が結晶体内に残存する全気孔が閉気孔状態となる所定温度に達した後、一定時間経過後に前記ガスの供給を停止させて焼成処理を続行することを特徴とする酸化物セラミック焼結体の製造方法。
  2. セラミック成形体が収容された炉内に酸素ガス又は大気より酸素濃度の高いガスを供給して加熱し、前記セラミック成形体に焼成処理を施して焼結体を製造する酸化物セラミック焼結体の製造方法において、
    前記炉内の焼成雰囲気が結晶体内に残存する全気孔が閉気孔状態となる所定温度に達した後、一定時間経過後に前記ガスの供給量を0.05×10 -5 /s以下に低減させて焼成処理を続行することを特徴とする酸化物セラミック焼結体の製造方法。
  3. 前記セラミック成形体は誘電体材料で形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の酸化物セラミック焼結体の製造方法。
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