JP4035024B2 - 誘電定数測定法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は誘電定数測定法に関し、特に高周波周波数領域で使用される誘電体基板の誘電定数測定法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年においては、移動体通信技術の発展、普及に伴い、マイクロ波回路構成用の誘電体基板の誘電定数測定法が強く求められている。誘電体基板のマイクロ波における誘電定数測定法は種々提案されているが、その中でも空洞共振器法は高精度測定法として認知されている。この空洞共振器法では基板の面内方向の誘電定数が測定される。
【0003】
一方、基板に垂直方向の誘電定数測定法としては平衡形円板共振器法が知られている。平衡形円板共振器法の励振はストリップラインにより円板状の内部導体の側面から行われることが多い。この平衡形円板共振器法では、測定系との整合性を得るためにストリップラインの特性インピーダンスを50Ωにする必要があるが、薄い誘電体基板では50Ωのインピーダンスを実現するためにストリップライン線路を極めて細くする必要がある。
【0004】
例えば同時焼成で、50Ωのインピーダンスを持つストリップライン線路を実現するためには、厚みが200μmの誘電体層が限界である。仮に50Ωから外れたインピーダンスのストリップラインで共振器を励振した場合、コネクタ等で反射が起こり、共振特性の測定精度、従って誘電特性の測定精度が劣化するという問題があった。
【0005】
このような問題点を解決するため、近年においては、平衡形円板共振器の上下面の中心から、同軸ケーブルにより共振器を励振する方法が提案されている。図6は、この誘電定数測定法を示すもので、円形内部導体31を有機樹脂からなる測定試料33で挟持し、これらの測定試料33の表面にそれぞれ外部導体35を形成して円板共振器Aを構成し、円形内部導体31の中心に該当する外部導体35に励振口をそれぞれ形成し、これらの励振口に同軸ケーブル37を挿入し、電界により共振器Aを励振させ、共振器Aの共振周波数と無負荷Qの測定値から、測定試料33の比誘電率及び誘電正接を求めていた(非特許文献1参照)。
【非特許文献1】
「電子情報通信学技術研究報告、信学技法vol.91、No.52」社団法人電子情報通信学会、1991年5月23日、p.17−22
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6に示す誘電定数測定法では、平衡形円板共振器Aの両側の励振口に同軸ケーブル37を挿入し、測定する必要があったため、支持基板の上に平衡形円板共振器Aを作製することができず、極めて薄い誘電体層(測定試料)でかつ導体層と同時焼成されたセラミック基板、又は極めて薄い誘電体層(測定試料)でかつ導体層と一体成形された有機系誘電体基板の測定においては、測定試料の反りが生じたり、破壊が起こったりするため、実質的に薄層の測定試料作製が困難であった。
【0007】
従って、薄層の誘電体層を有するセラミック基板や有機系誘電体基板の前記誘電体層の正確な誘電定数を求めることができず、基板作製後に誘電体層を利用して実際に回路を組んで確認する方法しかなく、回路設計が困難であった。
【0008】
本発明は、薄層の測定試料の誘電定数をも測定できる誘電定数測定法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の誘電定数測定法は、表面円形導体と下部導体層で測定試料が挟持された円板共振器と、該円板共振器からの電磁界の漏洩を防ぐシールド体とを有し、該シールド体は、前記円板共振器の前記表面円形導体と所定間隔をおいて天板を有しており、前記表面円形導体の中心位置に対応する前記シールド体の前記天板の位置に設けられた1個の励振口と、前記表面円形導体の端の位置に対応する前記シールド体の前記天板の位置に設けられた1個の励振口とに同軸ケーブルを挿入し、電界により前記円板共振器のTM0m0モード(m=1、2・・・)を励振させ、その共振周波数と無負荷Qの測定値から、前記測定試料の比誘電率及び/又は誘電正接を求めることを特徴とする。
また、本発明の誘電定数測定法は、表面円形導体と下部導体層で測定試料が挟持された円板共振器と、該円板共振器からの電磁界の漏洩を防ぐシールド体とを有し、該シールド体は、前記円板共振器の前記表面円形導体と所定間隔をおいて形成され、前記表面円形導体の半径よりも小さい半径を有する前記表面円形導体の同心円に対応する位置に2個の励振口が設けられた天板を有しており、該天板の2個の励振口にループアンテナを挿入し、磁界により前記円板共振器のTM 0m0 モード(m=1、2・・・)を励振させ、その共振周波数と無負荷Qの測定値から、前記測定試料の比誘電率及び/又は誘電正接を求めることを特徴とする。
【0010】
このような誘電定数測定法では、電磁界の漏洩を防ぐシールド体に磁界や電界の入力用、出力用の励振口を形成し、この励振口を介して円板共振器を励振させ、共振器の共振周波数と無負荷Qの測定値から、測定試料の比誘電率及び/又は誘電正接を求めることができるため、例えば、支持基板上に導体層と同時焼成あるいは一体成形した円板共振器の誘電定数を測定でき、従来測定が困難であった導体層と同時焼成あるいは一体成形された薄層の測定試料の比誘電率及び/又は誘電正接を容易に求めることができる。
【0011】
また、本発明では、円板共振器の片面側から磁界や電界を印加して円板共振器を励振させ、測定試料の誘電定数を測定できるため、例えば、円板共振器を平坦な部分に載置して誘電定数を測定でき、従来のように、円板共振器を立てて測定する等、円板共振器の両側から電界を印加するための保持に注意する必要がなく、また、円板共振器が薄くなったとしても円板共振器を支持基板上に形成することにより、取り扱いも容易となる。
【0012】
本発明では、シールド体に磁界の入力用、出力用の励振口を形成し、この励振口を介して磁界により共振器を励振させ、共振器の共振周波数と無負荷Qの測定値から、測定試料の比誘電率及び/又は誘電正接を求めることにより、測定試料が薄くなった場合でも、電界強度がゼロ、あるいは小さい位置に設けた励振口を用いて、磁界により共振器を励振させることにより、励振口の影響を受けないため、測定精度を高くできる。
【0013】
非平衡型共振器では、その構造のためにエネルギーが共振器から漏れることが予想されるが、本発明では、シールド体内に円板共振器を収納し、シールド体により円板共振器からの電磁界の漏洩を防止して誘電定数が測定されるため、円板共振器からの電磁界の漏洩を防止、即ちQ値の低下を防止し、正確な誘電定数測定が可能となる。
【0014】
本発明の誘電定数測定法は、支持基板上に形成された円板共振器の測定試料の厚みが0.2mm以下であることを特徴とする。また、測定試料がセラミックス又はガラスセラミックスからなり、支持基板及び円板共振器が同時焼成され、一体化されていることを特徴とする。
【0015】
一般に、マイクロ波領域で使用される配線基板の絶縁層の誘電定数を確認できれば、配線基板の設計に活かすことができる。ところで、セラミックスやガラスセラミックスからなる絶縁層と内部配線を同時焼成して形成される配線基板では、焼成時に内部配線を形成する金属材料が絶縁層に拡散して絶縁層の誘電定数が変化する可能性が指摘されている。このような実際の絶縁層の誘電定数を確認することにより、回路設計に最大限に活かすことができる。
【0016】
しかしながら、近年においては、配線基板の薄層化が進み、現実の絶縁層の厚みが0.2mm以下、特には0.05mm以下と薄くなり、このような配線基板の絶縁層の誘電定数を測定するため、現実の厚みを反映した、従来の図6に示すような共振器を作製しようとすると、測定試料が薄いため作製が困難であり、測定することができなかった。
【0017】
本発明では、測定試料がセラミックス又はガラスセラミックスからなり、支持基板及び円板共振器が同時焼成されて一体化され、支持基板上に円板共振器が形成されているため、共振器の測定試料を薄くしても、支持基板により共振器の強度を向上できるため、共振器を容易に形成でき、しかも、シールド体に形成された励振口を用いて誘電定数を測定できるため、測定試料の厚みが0.2mm以下と薄い場合であっても誘電定数を容易に測定できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の誘電定数測定法を図1を用いて説明する。先ず、測定に用いる円板共振器Aを作製する。
【0021】
円板共振器Aは、1層の測定試料(誘電体層)1の上面に測定試料よりも面積の小さい表面円形導体2を配置し、かつ、測定試料1の下面に、表面円形導体2よりも面積の大きい下部導体層3を形成して構成されている。即ち、円板共振器Aは、測定試料1を表面円形導体2と下部導体層3で挟持して構成されている。
【0022】
表面円形導体2、下部導体層3は導体材料から形成すればよいが、電磁界が透過しないように、又電磁界の放射を防ぐ点から、導体の厚みは少なくとも5μm以上、特に10μm以上であることが望ましい。
【0023】
測定試料1は、セラミックス、ガラスセラミックス、有機樹脂等の絶縁材料からなるものであるが、特に測定試料1の形成が容易という点からは、測定試料1の厚みは200μm以上であることが望ましい。尚、下部導体層3の厚みを厚くすることにより、測定試料1の厚みを0.2mm以下とすることもできる。この場合、下部導体層3が支持部材となる。
【0024】
測定試料1がセラミックス、ガラスセラミックスの場合には、円板共振器Aは測定試料1、表面円形導体2、下部導体層3が同時焼成して形成されており、また、測定試料1が有機樹脂の場合には、円板共振器Aは測定試料1、表面円形導体2、下部導体層3が接合、または圧着されて形成されている。
【0025】
また、円板共振器Aは電磁界の漏洩を防ぐためシールド体4で遮蔽されている。即ち、円板共振器Aは、密封可能な金属製等の収納容器からなるシールド体4内に収容されており、シールド体4は、底板4aと天板4bと側板4cとから構成されており、底板4a上には円板共振器Aが載置され、底板4aに下部導体層3が当接し、天板4bと円板共振器Aの表面円形導体2との間には所定間隔が設けられている。
【0026】
尚、円板共振器Aの下部導体層3が、シールド体4の底板4aを兼用しても良い。この場合には、円板共振器Aに、底板4aを有しないシールド体4を取り付けた構成となる。
【0027】
シールド体4の天板4bは、表面円形導体2と所定間隔をおいて対向配置されており、表面円形導体2の中心に対応するシールド体4の天板4b位置には励振口6が形成され、表面円形導体2の端に対応するシールド体4の天板4b位置には励振口7が形成されている。これらの励振口6、7には同軸ケーブル8、9が挿入され、TM0m0共振モード(m=1、2・・・)が励振されるようになっている。励振口6、7間の距離Rは、表面円形導体2の直径Dの1/2とされている。
【0028】
以上のように構成されたシールド体4の励振口6から同軸ケーブル8により電界を印加し電界励振すると、共振器Aが電界により励振され、TM0m0共振モード(m=1、2・・・)、特にTM010共振モードを、円板共振器Aの片面から効率的に励振できる。このTM010共振モードの電界は、図2に示すように、表面円形導体2の中心と、表面円形導体2の端の円周部で強く分布する。そして、励振口7から同軸ケーブル9を介して電界が取り出され、これにより円板共振器Aの共振周波数と無負荷Qが測定される。尚、励振口7から電界を印加し、励振口6から取り出しても良い。
【0029】
この円板共振器AのTM0m0モードの共振周波数f0と無負荷Q(Qu)から、測定試料1の比誘電率ε’と誘電正接tanδを算出することができる。算出方法は、通常、電磁界解析ソフトを用いて行われる。その電磁界解析の手法にも様々あるが代表的な例として有限要素法やモード整合法が挙げられる。このような非対称な構造の共振器には、比誘電率と誘電正接を求める簡易な方程式は存在しないため、解析の計算結果に基づいて作成されたチャートなどを利用して求める必要がある。
【0030】
比誘電率を決定する際に必要な表面円形導体2の直径は、ノギス、光学顕微鏡などを用いて測定される。また、誘電正接の決定に必要な導体の実効導電率σは、JISR1627に規定された、表面抵抗あるいは比導電率の測定法により決定される。同時焼成導体の実効導電率σは特開2000−46756号公報に開示された界面導電率の測定法により決定される。
【0031】
図3は、本発明の他の誘電定数測定法を説明するためのもので、図3の円板共振器Aは支持基板5上に形成されている。即ち、支持基板5上に、下部導体層3、測定試料1、表面円形導体2を順次積層して構成されており、これらが支持基板5と同時に焼成され、一体となっている。測定試料1はセラミックス又はガラスセラミックスから構成されている。
【0032】
共振器Aの測定試料1は、配線基板の絶縁層材料と同一で、同一厚みとされ、表面円形導体2、下部導体層3は配線基板の内部配線材料と同一で、同一厚みとされ、焼成などの製法も同一とされている。従って、測定試料1への表面円形導体2、下部導体層3材料の拡散状態は、配線基板と同一とされている。
【0033】
このような共振器Aは、厚い支持基板5上に一体に形成されているため、共振器Aの測定試料1の厚みを0.2mm以下、特には0.05mm以下と薄くしても共振器Aを容易に形成することができ、共振器Aをシールド体4で遮蔽することで上記した図1の形態と同様な測定が可能である。
【0034】
図4は、本発明のさらに他の誘電定数測定法を説明するためのもので、図4の円板共振器Aは、図3に示した円板共振器Aと同様に、支持基板5上に、下部導体層3、測定試料1、表面円形導体2を順次積層して構成されており、これらが支持基板5と同時に焼成され、一体となっている。測定試料1はセラミックス又はガラスセラミックスから構成されている。
【0035】
そして、円板共振器Aは電磁界の漏洩を防ぐためシールド体4で遮蔽されており、表面円形導体2の半径Rに対して、0.4〜0.6倍の半径を有する同心円上のシールド体4の天板4bの位置に入出力用の励振口6、7を設け、これらの励振口6、7にループアンテナ10、11を挿入し、磁界励振によってTM010共振モードを励振する。
【0036】
TM010共振モードの磁界は、図5に示すように表面円形導体2に対して半径が約1/2の同心円周の位置で強く分布する。これにより、励振口6、7を介して同軸ケーブル8、9先端のループアンテナ10、11で磁界励振すると、TM010共振モードを片面から効率的に励振できる。これを用い、円板共振器Aの共振周波数と無負荷Qを測定し、測定試料1の比誘電率と誘電正接を算出することができる。
【0037】
尚、表面円形導体2の半径Rに対して、0.25倍、又は0.75倍の半径を有する同心円上のシールド体4の天板4bの位置に励振口6、7を設け、これらの励振口6、7にループアンテナ10、11を挿入し、磁界励振によってTM020共振モードを励振させても良い。
【0038】
また、表面円形導体2の半径Rに対して、1/6倍、又は1/2倍、或いは5/6倍の半径を有する同心円上のシールド体4の上側導体の位置に励振口6、7を設け、これらの励振口6、7にループアンテナ10、11を挿入し、磁界励振によってTM030共振モードを励振させても良い。
【0039】
尚、磁界を印可して円板共振器Aを励振する図4の場合に、図1に示したように支持基板5を形成しなくても、図1に示した場合と同様にして、測定試料1の比誘電率と誘電正接を算出することができる。
【0040】
【実施例】
本発明の誘電定数測定法の有効性を実証するため、比誘電率が一般に良く知られているテフロン(R)基板(文献値:比誘電率=2.03〜2.05)の測定を行った。それぞれ表1に示す厚みを有する、30mm直径のテフロン(R)基板を測定試料1とし、表面円形導体2としては23.5mmの直径(2R)を有する0.05mm厚の銅箔、下部導体層3としては30mmの直径を有する6mm厚の銅板を使用した。シールド体4としては内径30mmの銅製有底円筒を使用した。尚、下部導体層3は円筒形のシールド体4の底板を兼ねている。結果として、図1に示される構造を構成した。
【0041】
又、図4に示す磁界結合を行うために、励振口6、7の間隔が0.6×23.5mm、直径を1.8mmとし、1.2mm径の同軸ケーブル8、9先端に作製した約1.5mm径のループアンテナ10、11を挿入し、円板共振器Aを磁界励振し、円板共振器Aの共振周波数f0、無負荷Qを求めた。この結果から、有限要素法を用いて形状因子を算出し、測定試料1の比誘電率ε’を下記のようにして求めた。
【0042】
まず共振周波数f0のe'f依存性、即ちf0−e'f曲線を軸対称有限要素法による解析で求め、次に共振周波数f0の測定値から、このf0−e'f曲線を用いて比誘電率ε’を求めた。
【0043】
また、無負荷Qの逆数は、それぞれの誘電正接tandsによる誘電体損と共振器の表面抵抗Rsによる導体損の和として、1/Qu=Pes・tanδs+Rs/Gのように表現される。ここで、係数PesおよびGもまた、軸対称有限要素法による解析によりf0−Pes,f0−G曲線を求め、それより決定し、測定試料1の誘電正接を求めた。これらの結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
この表1から、本発明の誘電定数測定法により測定された比誘電率ε’は、文献値の比誘電率(2.03〜2.05)と良く一致していることが判る。
【0046】
【発明の効果】
以上、詳述した通り、本発明の誘電定数測定法によれば、円板共振器のシールド体に磁界や電界の入力用、出力用の励振口を形成し、この励振口を介して円板共振器を励振させ、共振器の共振周波数と無負荷Qの測定値から、測定試料の比誘電率及び/又は誘電正接を求めることができるため、支持基板の上に導体層と同時焼成あるいは一体成形した円板共振器の誘電定数を測定でき、従来測定が困難であった導体層と同時焼成、あるいは一体成形された薄層の測定試料の比誘電率及び/又は誘電正接を容易に求めることができる。
【0047】
これによりマイクロ波用途の同時焼成用、或いは一体成形用の誘電体材料の開発が容易になるとともに、これらの材料を用いた回路基板や、半導体パッケージの設計がより高精度に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電定数測定法に用いられる円板共振器及びシールド体の一例を示すもので、(a)は平面図、(b)は概略断面図である。
【図2】図1の円板共振器におけるTM010モードの電界分布を説明するもので、(a)は平面図、(b)は概略断面図である。
【図3】本発明の誘電定数測定法の他の例を示すもので、(a)は平面図、(b)は概略断面図である。
【図4】本発明の誘電定数測定法のさらに他の例を示すもので、(a)は平面図、(b)は概略断面図である。
【図5】図4の円板共振器におけるTM010モードの磁界分布を説明するもので、(a)は平面図、(b)は概略断面図である。
【図6】従来の誘電定数測定法に用いられる平衡形円板共振器を示すもので、(a)は平面図、(b)は概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・測定試料
2・・・表面円形導体
3・・・下部導体層
4・・・シールド体
5・・・支持基板
6、7・・・励振口
8、9・・・同軸ケーブル
10、11・・・ループアンテナ
A・・・円板共振器
Claims (6)
- 表面円形導体と下部導体層で測定試料が挟持された円板共振器と、該円板共振器からの電磁界の漏洩を防ぐシールド体とを有し、該シールド体は、前記円板共振器の前記表面円形導体と所定間隔をおいて天板を有しており、前記表面円形導体の中心位置に対応する前記シールド体の前記天板の位置に設けられた1個の励振口と、前記表面円形導体の端の位置に対応する前記シールド体の前記天板の位置に設けられた1個の励振口とに同軸ケーブルを挿入し、電界により前記円板共振器のTM0m0モード(m=1、2・・・)を励振させ、その共振周波数と無負荷Qの測定値から、前記測定試料の比誘電率及び/又は誘電正接を求めることを特徴とする誘電定数測定法。
- 表面円形導体と下部導体層で測定試料が挟持された円板共振器と、該円板共振器からの電磁界の漏洩を防ぐシールド体とを有し、該シールド体は、前記円板共振器の前記表面円形導体と所定間隔をおいて形成され、前記表面円形導体の半径よりも小さい半径を有する前記表面円形導体の同心円に対応する位置に2個の励振口が設けられた天板を有しており、該天板の2個の励振口にループアンテナを挿入し、磁界により前記円板共振器のTM 0m0 モード(m=1、2・・・)を励振させ、その共振周波数と無負荷Qの測定値から、前記測定試料の比誘電率及び/又は誘電正接を求めることを特徴とする誘電定数測定法。
- 前記シールド体内に前記円板共振器が収納されていることを特徴とする請求項1又は2記載の誘電定数測定法。
- 支持基板上に前記円板共振器が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の誘電定数測定法。
- 前記測定試料の厚みが0.2mm以下であることを特徴とする請求項4記載の誘電定数測定法。
- 前記測定試料がセラミックス又はガラスセラミックスからなり、前記支持基板及び前記円板共振器が同時焼成され、一体化されていることを特徴とする請求項4又は5記載の誘電定数測定法。
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