JP4033610B2 - 湿潤燃料ガス化システム及びガス化方法 - Google Patents

湿潤燃料ガス化システム及びガス化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、湿潤燃料ガス化システム及びガス化方法に関するものであり、より詳細には、比較的多量の水分を含む湿潤廃棄物等の湿潤燃料を熱分解反応によりガス化し、比較的良質の燃料ガスを生成する湿潤燃料ガス化システム及びガス化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
廃プラスチック、汚泥、シュレッダダスト又は都市ゴミ等の廃棄物、或いは、石炭等の固体又は半固体燃料を熱分解炉に導入し、無酸素又は低酸素状態の高温還元性雰囲気において燃料を熱分解して熱分解ガスを生成する有形燃料のガス化システムが知られている。熱分解炉として、廃棄物ガス化溶融炉、石炭ガス化炉、ロータリーキルン式熱分解炉(外部加熱式熱分解炉)又はー括投入型熱分解炉(自燃式熱分解炉) などの様々な形式の燃焼炉又は焼成炉が、一般に使用される。
【0003】
本発明者等は、800℃を超える高温の空気を連続的に供給可能な高温空気発生装置と、多数の球形セラミックスを内蔵した廃棄物ガス化溶融炉とを含む廃棄物ガス化溶融システムを近年において開発している。高温空気発生装置の高温空気は、廃棄物ガス化炉に導入され、球形セラミックス(ペブル)上の廃棄物は、溶融スラグ化する。廃棄物の熱分解により生成した熱分解ガスは、炉外に導出され、洗浄・浄化装置に導入される。洗浄・浄化装置は、熱分解ガスの塩素分、硫黄分、重金属又は微量残留物等の環境汚染物質を除去するとともに、熱分解ガスを急冷し、ダイオキシンの再合成等を防止する。洗浄・浄化され且つ冷却した熱分解ガスは、比較的良質の燃料ガスとしてボイラ又は工業炉等の加熱炉、ガスエンジン、ガスタービン又はディーゼルエンジン等の内燃機関、或いは、各種の熱サイクル機関等の如く、任意の燃焼設備又は熱機関に供給される。
【0004】
また、近年の熱分解ガス化システムとして、例えば、熱分解ガスを生成する熱分解炉と、クラッキング装置等の高温分解処理装置と、熱分解ガスを洗浄・冷却するガス洗浄装置とを備えた構成のものが知られている。熱分解炉は、廃棄物又は石炭等の有形燃料を低酸素又は無酸素状態の炉内焼成雰囲気において熱分解する。高温分解処理装置は、熱分解ガスのタール分及びオイル分等を高温分解し、ガス洗浄装置は、熱分解ガスの硫黄分、ダスト、塩素分等を除去するとともに、熱分解ガスを急冷する。高温分解処理及び洗浄・冷却処理を受けた熱分解ガスは、精製燃料ガスとして各種の燃焼設備又は熱機関に供給される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、一般生ゴミ等の生活廃棄物、食品工場等の湿潤な産業廃棄物、或いは、下水汚泥等の比較的湿潤な廃棄物を燃料として、この種のガス化システムを運転する場合、廃棄物中の水分の気化熱による熱損失が比較的大きく、これに伴う熱効率の低下は、システム全体のランニングコストを増大する要因となる。しかも、廃棄物中の水分が高温の炉内雰囲気により急激に気化し且つ容積変動するので、適正な炉圧制御を実行し難いという問題が生じる。このため、このような湿潤廃棄物の前処理工程を実施することが一般に望ましく、湿潤廃棄物を乾燥処理する前処理装置として、各種形式のものが、近年提案されている(特開2000−146442号公報、特開2000−97567号公報、特開平10−103861号公報、特開平10−311677号公報等)。
【0006】
しかしながら、この種の前処理装置(乾燥装置)には、液体燃料又は気体燃料等の補助燃料を補給せざるを得ず、これは、上記ガス化システムが意図するもの、即ち、外部エネルギーを極力消費せずに廃棄物等のガス化により有用な燃料ガスを系外の設備又は装置に供給するというガス化システム本来の目的とは相応し難く、しかも、このような乾燥装置を使用した場合、ガス化システムの熱効率が低下する事態が懸念される。
【0007】
また、このような乾燥装置を上記ガス化システムに仮に採用し得たとしても、加熱・乾燥時に湿潤廃棄物から発生する水蒸気は、異臭を伴う多量の臭気成分を含有するので、水蒸気の臭気を効果的に除去する脱臭装置等を付加的にシステムに配設する必要が生じる。しかしながら、水蒸気の脱臭は、必ずしも容易ではなく、仮に臭気成分を水蒸気凝縮等により除去し得たとしても、これは、水蒸気が保有する潜熱の逸失等を伴うので、かなりの熱損失を結果的に生じさせてしまう。即ち、システム全体の熱効率低下を回避した上で水蒸気中の臭気成分を脱臭することは、実際には、極めて困難である。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、湿潤燃料を系内の熱エネルギーにより加熱・乾燥するとともに、加熱・乾燥時に生成した水蒸気の熱量を有効利用し、しかも、水蒸気の臭気成分を確実に除去することができる湿潤燃料ガス化システム及びガス化方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ガス化設備の熱分解ガスが保有する顕熱を有効利用することにより、湿潤燃料を効果的に加熱・乾燥し得るとともに、加熱・乾燥時に生成した臭気性水蒸気を系内に循環することにより、システム全体の熱バランスを維持しつつ、臭気性水蒸気を確実に脱臭処理し得るとの見解に達し、かかる観点より、本願発明を達成したものである。
【0010】
即ち、本発明に係る湿潤燃料ガス化システムは、水分を含む湿潤な燃料が供給され、該燃料の熱分解反応により熱分解ガスを生成するガス化炉又は熱分解炉を備えるとともに、湿潤燃料を加熱・乾燥する乾燥装置と、低温水蒸気を600℃以上の高温水蒸気に加熱する水蒸気加熱装置と、乾燥装置により乾燥した乾燥燃料が供給されるガス化炉又は熱分解炉の熱分解反応領域(以下、「熱分解域」という。)と、熱分解域に生成した熱分解ガスを高温粗ガスに改質する改質器、ガス化炉又は熱分解炉の改質反応領域(以下、「改質域」という。)とを備える。乾燥装置は、熱交換手段及び水蒸気導出手段を有し、熱交換手段は、高温粗ガスが保有する顕熱により湿潤燃料を加熱し、水蒸気導出手段は、湿潤燃料中の水分の気化により生成した臭気性水蒸気を乾燥装置から導出するとともに、臭気性水蒸気を上記低温水蒸気として水蒸気加熱装置に供給し、或いは、臭気性水蒸気を高温粗ガスに混合する。なお、上記熱分解域及び改質域は、単一の反応領域であっても良い。
【0011】
また、本発明に係る湿潤燃料ガス化方法は、水分を含む湿潤な燃料をガス化システムに供給する工程と、該燃料の熱分解反応により熱分解ガスを生成する工程とを含み、湿潤燃料は、ガス化炉又は熱分解炉に供給される前に加熱・乾燥され、乾燥燃料は、ガス化炉又は熱分解炉の熱分解域に導入される。乾燥燃料の熱分解により熱分解域に生成した熱分解ガスは、600℃以上の高温水蒸気を用いた水蒸気改質反応により高温粗ガスに改質される。湿潤燃料は、高温粗ガスが保有する顕熱により加熱・乾燥される。湿潤燃料中の水分の気化により生成した臭気性水蒸気は、上記高温水蒸気に加熱された後、上記熱分解ガスと水蒸気改質反応するか、或いは、高温粗ガスに混合され、所望により、高温粗ガスと一緒に上記湿潤燃料と熱交換する。
【0012】
本発明の上記構成によれば、熱分解域に生成した高温粗ガスは、高温水蒸気と反応し、高温水蒸気により比較的高カロリーの高温粗ガスに改質される。高温粗ガスの顕熱は、高温粗ガスを導入可能な熱交換器により湿潤燃料に直接的に伝熱し、或いは、水蒸気等の熱媒体を介して湿潤燃料に間接的に伝熱し、湿潤燃料を加熱・乾燥する。湿潤燃料中の水分は、加熱・乾燥時に比較的低温の水蒸気に気化し、乾燥燃料は、熱分解域に供給され、熱分解反応により熱分解ガスを生成する。加熱・乾燥時に発生する水蒸気は、比較的多量の臭気成分を含有するが、この臭気性水蒸気は、該水蒸気を高温水蒸気に加熱する際に脱臭され、或いは、高温粗ガスに混合し、高温粗ガスの洗浄・浄化処理等により脱臭される。
【0013】
また、上記構成のガス化システム及びガス化方法によれば、湿潤燃料は、高温粗ガスの顕熱により加熱・乾燥される。従って、湿潤燃料の加熱・乾燥のために外部より補助燃料等を供給することなく、系内の熱エネルギーの有効利用により湿潤燃料を乾燥することができる。
【0014】
他の観点より、本発明の湿潤燃料ガス化システムは、水分を含む湿潤な燃料が供給され、該燃料の熱分解反応により熱分解ガスを生成するガス化炉又は熱分解炉を備えたガス化システムにおいて、湿潤燃料を加熱・乾燥する乾燥装置と、低温水蒸気を600℃以上の高温水蒸気に加熱する水蒸気加熱装置と、乾燥装置により乾燥した乾燥燃料が供給されるガス化炉又は熱分解炉の熱分解域と、熱分解域に生成した熱分解ガスを高温水蒸気により高温粗ガスに改質する改質域と、高温粗ガスを精製した燃料ガスにより作動可能な熱機関又は燃焼設備等の熱源機器とを備える。乾燥装置は、熱交換手段及び水蒸気導出手段を備える。熱交換手段は、熱源機器の廃熱を有する高温熱媒体により湿潤燃料を加熱する。水蒸気導出手段は、湿潤燃料中の水分の気化により生成した臭気性水蒸気を乾燥装置から導出するとともに、臭気性水蒸気を低温水蒸気として水蒸気加熱装置に供給し、或いは、臭気性水蒸気を高温粗ガスに混合する。
【0015】
同様な観点より、本発明の湿潤燃料ガス化方法によれば、水分を含む湿潤な燃料をガス化システムに供給する工程と、該燃料の熱分解反応により熱分解ガスを生成する工程とを含むガス化方法において、湿潤燃料は、ガス化炉又は熱分解炉に供給される前に加熱・乾燥され、乾燥燃料は、ガス化炉又は熱分解炉の熱分解域に導入され、乾燥燃料の熱分解により熱分解域に生成した熱分解ガスは、600℃以上の高温水蒸気を用いた水蒸気改質反応により高温粗ガスに改質され、高温粗ガスは、燃料ガスに精製された後、熱機関又は燃焼設備等の熱源機器に作動燃料として供給される。湿潤燃料は、熱源機器の廃熱を有する高温熱媒体との熱交換により加熱・乾燥される。湿潤燃料中の水分の気化により生成した臭気性水蒸気は、高温に加熱された後、高温水蒸気として熱分解ガスと水蒸気改質反応するか、或いは、高温粗ガスに混合される。
【0016】
好ましくは、上記熱源機器の燃焼排ガス、或いは、熱源機器の廃熱により生成した水蒸気が、乾燥装置の熱交換器に導入され、湿潤燃料は、燃焼排ガス及び湿潤燃料の熱交換、或いは、水蒸気及び湿潤燃料の熱交換により加熱・乾燥される。また、上記熱源機器としては、ボイラ又は工業炉等の加熱炉、ガスエンジン、ガスタービン又はディーゼルエンジン等の内燃機関、或いは、各種の熱サイクル機関等の如く、任意の燃焼設備又は熱機関を使用し得る。
【0017】
なお、本明細書において、「燃料」は、炭素化合物を含む廃棄物、石炭、バイオマス燃料、重質油等の固体、半固体又は液体の燃料を意味し、「低温水蒸気」は、従来の水蒸気生成技術によって供給可能な範囲の温度(600℃未満の温度範囲)及び圧力を有する水蒸気又は過熱水蒸気を意味する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施形態において、上記熱交換手段は、高温粗ガスを導入可能な熱交換器からなり、熱交換器は、高温粗ガスの顕熱を湿潤燃料に伝熱する。本発明の他の好適な実施形態では、熱媒体として機能する水蒸気が、高温粗ガスの顕熱により生成又は加熱される。該水蒸気は、熱交換器に導入され、湿潤燃料と熱交換し、湿潤燃料を加熱・乾燥する。
【0019】
本発明の好適な実施形態によれば、上記低温水蒸気は、低温空気と混合した後、水蒸気・空気加熱装置によって700℃以上の高温に加熱され、熱分解域又は改質域に供給される。好ましくは、低温水蒸気及び低温空気は、混合制御装置の制御下に混合し、適切な重量比の低温水蒸気を含有する低温混合気として水蒸気・空気加熱装置に供給される。
【0020】
本発明の他の好適な実施形態によれば、上記低温水蒸気は、水蒸気加熱装置によって700℃以上の高温に加熱され、同様に700℃以上の高温に加熱された高温空気と混合し、高温水蒸気及び高温空気の混合気として熱分解域又は改質域に供給される。
【0021】
本発明の更に他の好適な実施形態において、上記低温水蒸気は、水蒸気加熱装置によって700℃以上の高温に加熱され、同様に、低温空気が、空気加熱装置によって700℃以上の高温に加熱される。加熱後の高温水蒸気及び高温空気は、水蒸気供給路及び空気供給路を介して熱分解域又は改質域に夫々導入され、熱分解域又は改質域において混合する。
【0022】
上記高温混合気、或いは、高温水蒸気及び高温空気は、熱分解域、改質域、或いは、熱分解域及び改質域の双方に導入される。高温水蒸気及び高温空気は、熱分解ガス中の炭化水素と反応し、熱分解ガスは、炭化水素、水素及び一酸化炭素を含む改質ガスに改質され、高温の粗燃料ガスとして乾燥装置の熱交換手段に供給される。
【0023】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記水蒸気加熱装置は、低温水蒸気に伝熱接触可能な蓄熱型熱交換装置と、該熱交換装置との伝熱接触により加熱された高温水蒸気を第1及び第2給気分流に分流する分流域と、可燃性物質を導入可能な燃焼域とを有する。第2給気分流は、上記熱分解域及び/又は改質域に供給され、第1給気分流は、燃焼域に流入する。熱交換装置、燃焼域及び分流域は、相互連通し、燃焼域の燃焼反応により生成した高温燃焼ガスは、熱交換装置を介して排気される。熱交換装置は、高温燃焼ガスに伝熱接触して蓄熱し、上記低温水蒸気に伝熱接触して放熱する。低温水蒸気中の臭気成分は、熱交換装置の加熱作用および燃焼域の燃焼反応により熱分解する。好ましくは、熱交換装置は、燃焼ガスと低温水蒸気とが交互に流通可能な多数の狭小流路を備えたハニカム型蓄熱体からなる。このような形式の加熱装置及びハニカム型蓄熱体の詳細は、例えば、特願平10−189号(特開平10−246428号公報)及び特願平5−6911号(特開平6−213585号公報))等に開示されている。なお、熱交換装置として、例えば、多数のペレット、ペブル又はボール形蓄熱体を収容した形式の蓄熱型熱交換装置を使用しても良い。
【0024】
本発明によるガス化システムの精製燃料ガスは、例えば、燃焼設備又は熱機関の燃焼装置に主燃料として供給される。燃焼装置として、任意の燃焼設備又は熱機関のバーナー又は燃焼器等を例示し得る。また、燃焼装置の熱エネルギーにより発電機を駆動することにより、電気エネルギーを系外の機器又は設備に供給することができる。従って、例えば、施設内で発生した廃棄物を上記湿潤燃料として使用するとともに、上記ガス化システムにガスタービン装置及び発電機を組合せることにより、比較的小型のコジェネレーションシステムを提供することができる。
【0025】
図1は、本発明の第1実施形態に係る湿潤燃料ガス化システムのシステム・フロー図である。
湿潤燃料ガス化システムは、湿潤廃棄物等の湿潤燃料を乾燥する乾燥装置と、湿潤燃料を熱分解するガス化装置と、冷却した粗燃料ガスを精製するガス洗浄・浄化装置と、高温水蒸気及び高温空気をガス化装置に供給する水蒸気・空気加熱装置とを備える。比較的多量の水分を含有する湿潤燃料が、燃料供給手段WTによって乾燥装置に供給される。乾燥装置には、ガス化装置の高温粗ガスが供給され、高温粗ガスは、乾燥装置内の湿潤燃料を間接加熱する。
【0026】
湿潤燃料中の水分は、高温粗ガスより受熱し、臭気成分を多量に含む比較的低温の臭気性水蒸気として気化する。乾燥装置内に生成した臭気性水蒸気は、水蒸気送出路OSに送出され、所望により低温水蒸気供給路LSの低温水蒸気と混合した後、水蒸気・空気加熱装置に供給される。同時に、外気温相当温度の低温空気が、低温空気供給路LAを介して水蒸気・空気加熱装置に供給される。水蒸気・空気加熱装置は、低温水蒸気及び低温空気を700℃以上、好適には、800℃以上の温度に加熱した後、これを高温水蒸気及び高温空気としてガス供給路MGからガス化装置に導入する。
【0027】
乾燥装置の加熱・乾燥工程により乾燥した燃料は、燃料移送路WSを介してガス化装置に供給される。700℃〜800℃以上の高温空気は、主として、乾燥燃料を熱分解し且つガス化するガス化材として働き、乾燥燃料は、ガス化装置において熱分解ガス及び残渣に熱分解する。また、700℃〜800℃以上の高温水蒸気は、主として、熱分解ガスの改質材として熱分解ガスに作用する。熱分解ガス中の炭化水素は、高温水蒸気及び高温空気と反応し、熱分解ガスは、炭化水素、一酸化炭素及び水素を含む粗燃料ガスに改質される。なお、炭化水素及び高温水蒸気の反応は、一般に下式(1) で示される吸熱反応であり、炭化水素及び高温空気の反応は、一般に下式(2) で示される発熱反応である。
【0028】
CxHx+H2 O→CO +H2 +H2 O・・・・(1)
CxHx+O2 +N2 →CO +CO2 +H2 +H2 O+N2 ・・・・(2)
【0029】
高温水蒸気は、乾燥燃料の熱分解により生成した熱分解ガスと改質反応し、熱分解ガスは、比較的多量の一酸化炭素及び水素を含有する高温の改質ガス(高温粗ガス)に改質される。炭化水素及び高温空気の発熱反応によって発生した熱は、炭化水素及び高温水蒸気の吸熱改質反応に要する熱として消費される。
【0030】
高温粗ガスは、高温ガス給送路HGを介して乾燥装置に供給される。高温粗ガスは、800℃乃至900℃以上の温度を有し、乾燥装置の熱交換器を流通する間に湿潤燃料と熱交換して湿潤燃料を間接加熱し、かくして温度降下した粗ガスは、低温粗ガスとして、低温ガス給送路LGに送出される。
【0031】
低温ガス給送路LGには、水蒸気発生器が介装され、水蒸気発生器は、低温粗ガスの顕熱により低温水蒸気を生成する。水蒸気発生器の熱交換器を流通した低温粗ガスは、ガス洗浄・浄化装置に導入される。ガス洗浄・浄化装置は、低温粗ガス中の煤塵、硫黄、塩素及び重金属等の環境汚染物質を除去する除塵装置、脱硫装置、脱塩装置及び重金属除去装置等の各種洗浄・浄化装置を含み、低温粗ガスを比較的良質の燃料ガスに精製する。ガス浄化装置の精製ガス(燃料ガス)は、燃料ガス給送路FGを介してエネルギー利用設備に供給される。エネルギー利用設備として、ガスタービン装置、ガスエンジン装置、ボイラー、工業炉又はディーゼルエンジン等の各種内燃機関又は燃焼設備を例示し得る。例えば、燃料ガス給送路FGは、ガスタービン発電装置の内燃機関に接続され、ガスタービン装置の発電機は、内燃機関の燃焼作動により発電し、系外の設備又は機器に給電する。
【0032】
燃料ガスの少なくとも一部は、燃料ガス給送路RGを介して水蒸気・空気加熱装置に供給され、燃焼する。後述する如く、水蒸気・空気加熱装置は、蓄熱型熱交換装置(図示せず)を介して燃料ガスの燃焼熱を上記低温水蒸気及び低温空気に伝熱し、該水蒸気及び空気を上記の如く高温に加熱する。
【0033】
図2は、図1に示すガス化装置の構成を例示するブロックフロー図である。
図2に示すガス化装置は、熱分解ガス化炉とガス改質器とを備えており、水蒸気・空気加熱装置は、ガス供給路MG1、MG2を介して高温水蒸気及び高温空気を熱分解ガス化炉及びガス改質器に導入する。高温水蒸気及び高温空気は、混合気として熱分解ガス化炉及びガス改質器に供給され、或いは、独立した流路を介して熱分解ガス化炉及びガス改質器に夫々供給され、熱分解域及び改質域において混合する。好ましくは、高温空気及び高温水蒸気の混合比又は流量比(重量比)は、2:8〜5:5の範囲に設定される。
【0034】
熱分解ガス化炉に導入された高温空気及び高温水蒸気は、熱分解ガス化炉の炉内領域に低酸素濃度の焼成雰囲気を形成するとともに、乾燥燃料の蒸し焼きに要する顕熱を炉内雰囲気に供給する。乾燥燃料は、高温且つ低酸素濃度の炉内焼成雰囲気により蒸し焼きされ、熱分解ガス及び残渣に熱分解し、炭化水素を主成分とする熱分解ガスを生成する。ガス化炉の熱分解ガスは、熱分解ガス給送路TGを介してガス改質器の改質域に導入される。他方、残渣は、燃焼作動中に炉外に連続的に搬出され、或いは、作動停止により冷却した後に水蒸気の凝縮水と一緒に炉外に排出される。
【0035】
ガス改質器の改質域に導入された熱分解ガスは、高温空気及び高温水蒸気と混合し、この結果、改質域において、熱分解ガス中の炭化水素と高温空気との発熱反応が進行するとともに、熱分解ガス中の炭化水素と高温水蒸気との吸熱改質反応が進行する。水蒸気による炭化水素の改質反応に要する熱は、高温水蒸気自体が保有する顕熱によって供給されるばかりでなく、炭化水素及び高温空気の反応により発生する反応熱によって供給される。改質域に生成した改質ガスは、高温粗ガスとして高温ガス給送路HGから乾燥装置の熱交換器に導入され、湿潤燃料と熱交換し、しかる後、低温粗ガスとして、低温ガス給送路LGに送出される。
【0036】
図3は、図2に示すガス化装置の変形例を示すブロックフロー図である。
図3に示すガス化装置は、実質的に単体のガス化炉を備えており、水蒸気・空気加熱装置は、ガス供給路MGを介して高温空気及び高温水蒸気をガス化炉に供給する。高温空気及び高温水蒸気は、混合気としてガス供給路MGからガス化炉に供給され、或いは、複数のガス供給路MGを介してガス化炉に夫々供給され、ガス化炉の炉内領域で混合する。好適には、高温水蒸気及び高温空気の混合比又は流量比(重量比)は、2:8〜5:5の範囲に調整される。
【0037】
ガス化炉の炉内に導入された高温空気は、乾燥燃料のガス化材として働き、乾燥燃料は、高温の空気に接触し、酸化発熱反応により溶融するとともに、熱分解ガスを生成する。溶融した灰分又は残渣は、ガス化炉の作動中又は停止後に炉外に搬出される。炉内に導入された高温水蒸気は、乾燥燃料のガス化溶融により多量の煤が発生するのを抑制するとともに、熱分解ガス中の炭化水素と水蒸気改質反応し、熱分解ガスを改質する。ガス化炉の炉内領域に生成した改質ガスは、高温の粗燃料ガスとして高温ガス給送路HGに送出され、高温ガス給送路HGを介して乾燥装置の熱交換器に導入される。高温粗ガスは、湿潤燃料と熱交換して冷却した後、低温粗ガスとして、低温ガス給送路LGに送出される。
【0038】
図4は、図2に示すガス化装置の更なる変形例を示すブロックフロー図である。
図4に示すガス化装置は、外部加熱式の熱分解ガス化炉と、改質域を有するガス改質器とを備える。水蒸気・空気加熱装置は、高温空気及び高温水蒸気をガス改質器に導入する。高温空気及び高温水蒸気は、混合気としてガス供給路MGからガス改質器に供給され、或いは、複数のガス供給路MGを介してガス改質器に夫々供給され、ガス改質器の改質域で混合する。好適には、高温空気及び高温水蒸気の混合比又は流量比(重量比)は、2:8〜5:5の範囲に調整される。
【0039】
熱分解ガス化炉に導入された乾燥燃料は、熱分解ガス化炉の炉内領域において熱分解ガス及び残渣に熱分解し、熱分解ガスは、熱分解ガス給送路TGを介してガス改質器に導入される。熱分解ガスは、ガス改質器の改質域において高温水蒸気及び高温空気と混合し、熱分解ガス中の炭化水素の水蒸気改質反応が改質域に生起し且つ進行する。炭化水素の水蒸気改質反応に要する熱は、高温水蒸気が保有する顕熱により供給されるとともに、高温空気及び炭化水素の反応熱により供給される。この結果、熱分解ガスは、比較的多量の一酸化炭素及び水素を含む高温の粗燃料ガスとして高温ガス給送路HGに送出される。高温粗ガスは、乾燥装置の熱交換器に導入され、湿潤燃料と熱交換して冷却した後、低温粗ガスとして、低温ガス給送路LGに送出される。
【0040】
このような構成のガス化システムによれば、乾燥燃料の熱分解により得られた熱分解ガスは、高温空気及び高温水蒸気によって高温の粗燃料ガスに改質され、高温粗ガスは、湿潤燃料の乾燥装置を介してガス洗浄・浄化装置に給送される。高温粗ガスが保有する顕熱は、湿潤燃料を加熱・乾燥し且つ燃料中の水分を気化するために利用される。臭気性水蒸気として気化した廃棄物中の水分は、所望により低温水蒸気と混合した後、水蒸気・空気加熱装置によって高温水蒸気に加熱され、ガス化装置に導入される。かくして、上記構成のガス化システムは、補助燃料等の供給を要することなく、系内の熱エネルギーを利用して湿潤燃料を乾燥するので、極めて熱効率が高く、しかも、湿潤燃料の加熱・乾燥時に発生する臭気性水蒸気は、水蒸気・空気加熱装置の加熱工程、ガス化装置の改質工程、更には、ガス洗浄・浄化装置の洗浄・浄化工程により確実に脱臭され、実質的に無臭の排ガスとして系外に排気される。なお、このようなシステム構成は、湿潤廃棄物を燃料として良質の燃料ガスを生成し且つ燃料ガスの燃焼反応により発電する廃棄物ガス化発電システム等に好ましく適用することができる。
【0041】
図5は、本発明の第2実施形態に係る湿潤燃料ガス化システムのシステム・フロー図である。
本実施形態によれば、湿潤燃料ガス化システムは、図1に示す実施形態と同様、乾燥装置、ガス化装置、ガス洗浄・浄化装置及び水蒸気・空気加熱装置を備える。湿潤燃料は、高温粗ガスが保有する顕熱を受熱し、加熱・乾燥される。ガス化装置は、乾燥燃料をガス化するとともに、高温水蒸気及び高温空気により熱分解ガスを改質し、かくして得られた高温粗ガスを乾燥装置の熱交換器に導入する。
【0042】
本実施形態のガス化システムでは、加熱・乾燥時に乾燥装置内に生成した臭気性水蒸気は、水蒸気送出路OSを介して高温ガス給送路HGに導入され、高温粗ガスに混合する。ここに、高温粗ガスは、臭気性水蒸気と混合して温度降下するが、高温粗ガスの流量は、臭気性水蒸気の流量に比べて遥かに大きく、従って、高温粗ガスは、湿潤燃料を加熱・乾燥するのに十分な温度差及び熱量を依然として保有する。
【0043】
高温粗ガス及び臭気性水蒸気の混合気は、乾燥装置にて湿潤燃料と熱交換し、冷却した後、ガス洗浄・浄化装置に導入される。洗浄・浄化工程により精製された比較的良質の燃料ガスは、燃料ガス給送路FGを介してエネルギー利用設備に供給されるとともに、燃料ガス給送路RGを介して水蒸気・空気加熱装置に供給され、燃焼する。水蒸気・空気加熱装置は、燃料ガスの燃焼熱により低温水蒸気及び低温空気を700℃以上、好適には、800℃以上の温度に加熱した後、これを高温水蒸気及び高温空気としてガス供給路MGからガス化装置に導入する。なお、図5に示すガス化システムでは、系外の水蒸気発生器(図示せず)にて生成したプロセス蒸気(低温水蒸気)が水蒸気・空気加熱装置に供給される。好ましくは、水蒸気発生器の熱源として、燃料ガス給送路RGの燃料ガスの一部が利用され、或いは、エネルギー利用設備で発電した電気エネルギーが利用される。また、プロセス蒸気は、低温粗ガスが保有する顕熱等の系内の熱エネルギーを利用して生成しても良い。
【0044】
図6は、図5に示すガス化装置の構成を例示するブロックフロー図である。ガス化装置は、図2に示すガス化装置と実質的に同じ基本構成を備えており、熱分解ガス化炉及びガス改質器を有する。水蒸気・空気加熱装置の高温水蒸気及び高温空気は、ガス供給路MG1、MG2を介して熱分解ガス化炉及びガス改質器に導入される。
【0045】
水蒸気送出路OSの下流端が高温ガス給送路HGに接続される。乾燥装置内で生成した低温の臭気性水蒸気は、水蒸気送出路OSに送出され、高温ガス給送路HGの高温粗ガス流に混合する。高温粗ガス及び臭気性水蒸気の混合気は、乾燥装置の熱交換器に導入され、湿潤燃料と熱交換する。
【0046】
図7は、図6に示すガス化装置の変形例を示すブロックフロー図である。ガス化装置は、図3に示すガス化装置と実質的に同じ基本構成を備えており、実質的に単体のガス化炉から構成される。水蒸気・空気加熱装置は、ガス供給路MGを介して高温空気及び高温水蒸気をガス化炉に供給する。乾燥装置内に生成した低温の臭気性水蒸気は、水蒸気送出路OSを介して高温ガス給送路HGの高温ガス流に導入され、高温粗ガスと混合し、湿潤燃料と熱交換する。
【0047】
図8は、図6に示すガス化装置の更なる変形例を示すブロックフロー図である。ガス化装置は、図4に示すガス化装置と実質的に同じ基本構成を備えており、外部加熱式の熱分解ガス化炉と、ガス改質器とを有する。水蒸気・空気加熱装置は、高温空気及び高温水蒸気をガス改質器に導入する。ガス改質器の高温粗ガスは、高温ガス給送路HGに送出され、乾燥装置の臭気性水蒸気と混合した後、乾燥装置の熱交換器に導入され、湿潤燃料と熱交換する。
【0048】
本実施形態のガス化システムも又、上記第1実施形態と同じく、高温粗ガスが保有する顕熱を湿潤燃料の加熱・乾燥および水分気化に利用しており、湿潤燃料は、系内の熱エネルギーを有効利用した効率的な加熱工程により乾燥する。しかも、湿潤燃料の加熱・乾燥時に発生する臭気性水蒸気は、高温粗ガスと混合し、後続の洗浄・浄化工程により確実に脱臭され、実質的に無臭の排ガスとして系外に排気され、或いは、精製後の燃料ガスと一緒に燃焼し、燃焼排ガスとして排気される。このようなシステム構成も又、湿潤廃棄物を燃料として良質の燃料ガスを生成し且つ燃料ガスの燃焼反応により発電する廃棄物ガス化発電システム等に好ましく適用し得る。
【0049】
図9は、本発明の第3実施形態に係る湿潤燃料ガス化システムのシステム・フロー図である。
本実施形態に係る湿潤燃料ガス化システムは、図1及び図5に示す実施形態と同様、乾燥装置、ガス化装置、ガス洗浄・浄化装置及び水蒸気・空気加熱装置を有する。本実施形態では、ガス化装置とガス洗浄・浄化装置との間に冷却装置が介装される。
【0050】
冷却装置は、水蒸気を生成する水蒸気発生用熱交換器を備える。熱交換器に導入された水は、高温粗ガスと熱交換し、低温水蒸気として気化する。低温水蒸気の一部は、低温水蒸気供給路LS2を介して水蒸気・空気加熱装置に導入され、高温水蒸気に加熱された後、ガス化装置に導入される。
【0051】
低温水蒸気の残部は、低温水蒸気供給路LS1を介して乾燥装置の熱交換器に導入され、湿潤燃料と熱交換し、湿潤燃料を加熱・乾燥する。冷却した水蒸気又はその凝縮水は、系外に排出される。加熱・乾燥時に乾燥装置内に生成した比較的低温の臭気性水蒸気は、水蒸気送出路OSに送出され、低温水蒸気供給路LS2の低温水蒸気と混合する。
【0052】
なお、水蒸気送出路OSの下流端を高温ガス給送路HGに接続し、臭気性水蒸気を高温粗ガスに混合しても良い。
図10は、図9に示すガス化装置の構成を例示するブロックフロー図である。
【0053】
ガス化装置は、図2及び図6に示すガス化装置と同様、熱分解ガス化炉及びガス改質器を有する。冷却装置は、高温粗ガスの熱によって、水を低温水蒸気に気化し、低温水蒸気を供給路LS:LS1:LS2に給送する。供給路LS1の低温水蒸気は乾燥装置の熱交換器に導入され、湿潤燃料と熱交換して冷却又は凝縮する。乾燥装置の臭気性水蒸気は、水蒸気送出路OSを介して供給路LS2に導入され、低温水蒸気と混合した後、水蒸気・空気加熱装置に供給される。
【0054】
図11は、図10に示すガス化装置の変形例を示すブロックフロー図である。
ガス化装置は、図3及び図7に示すガス化装置と同様、実質的に単体のガス化炉から構成される。高温粗ガスが保有する顕熱は、低温水蒸気の生成に使用される。冷却装置の低温水蒸気は、供給路LS:LS1:LS2を介して乾燥装置及び水蒸気・空気加熱装置に供給される。乾燥装置の臭気性水蒸気は、水蒸気送出路OSを介して供給路LS2に導入される。
【0055】
図12は、図10に示すガス化装置の更なる変形例を示すブロックフロー図である。
ガス化装置は、図4及び図8に示すガス化装置と同様、外部加熱式の熱分解ガス化炉と、ガス改質器とを有する。冷却装置は、低温水蒸気を生成し、低温水蒸気は、供給路LS:LS1:LS2を介して乾燥装置及び水蒸気・空気加熱装置に供給される。
【0056】
乾燥装置の熱交換器に供給された低温水蒸気は、湿潤燃料を加熱・乾燥し、冷却又は凝縮する。乾燥装置の臭気性水蒸気は、水蒸気送出路OSを介して低温水蒸気供給路LS2に導入され、低温水蒸気と混合した後、水蒸気・空気加熱装置に供給される。
【0057】
図13は、本発明の第4実施形態に係る湿潤燃料ガス化システムのシステム・フロー図である。
本実施形態による湿潤燃料ガス化システムは、上記第3実施形態と同じく、乾燥装置、ガス化装置、冷却装置及びガス洗浄・浄化装置を有し、冷却装置の低温水蒸気は、低温水蒸気供給路LS1を介して乾燥装置の熱交換器に導入される。しかしながら、本実施形態では、ガス化システムは、水蒸気・空気加熱装置を備えておらず、冷却装置には、空気加熱用熱交換器が,水蒸気発生用熱交換器の上流側(高温側)に配設される。水蒸気加熱用熱交換器に導入された水は、高温粗ガスと熱交換し、低温水蒸気として気化し、低温水蒸気の一部は、低温水蒸気供給路LS2を介して低温空気供給路LAに導入され、低温空気と混合する。低温水蒸気の残部は、低温水蒸気供給路LS1を介して乾燥装置の熱交換器に導入され、湿潤燃料と熱交換し、湿潤燃料を加熱・乾燥する。冷却した水蒸気又はその凝縮水は、系外に排出される。
【0058】
加熱・乾燥時に乾燥装置内に生成した比較的低温の臭気性水蒸気は、水蒸気送出路OSを介して低温空気供給路LAに導入され、低温空気と混合する。臭気性水蒸気、低温水蒸気及び低温空気の混合気は、冷却装置の空気加熱用熱交換器に導入され、600℃以上、好適には700℃以上の高温に加熱された後、ガス化装置に導入される。
【0059】
なお、図13に示すガス化装置として、図10乃至図12に示すような各種構成のガス化装置、即ち、熱分解ガス化炉及びガス改質器を備えたガス化装置、実質的に単体のガス化炉からなるガス化装置、或いは、外部加熱式熱分解ガス化炉及びガス改質器を有するガス化装置を採用することができる。
また、上記各実施形態の変形例として、図13に破線で示す如く、エネルギー利用設備の熱媒体送出路EHを乾燥装置の熱交換器に接続しても良い。この場合、エネルギー利用設備を構成する熱機関又は燃焼設備の燃焼排ガスや、熱機関又は燃焼設備の廃熱を利用して生成した水蒸気等の熱媒体が,送出路EHを介して熱交換器に導入される。湿潤燃料は、このようなエネルギー利用設備の高温熱媒体との熱交換により、加熱・乾燥される。
【0060】
【実施例】
以下、図14乃至図26を参照して、本発明に係るガス化装置及びガス化方法の実施例について詳細に説明する。
図14は、本発明の第1実施例に係る廃棄物ガス化システムの全体構成を示すシステム・フロー図である。
【0061】
図14に示す廃棄物ガス化システムは、第1実施形態(図1)の構成に対応しており、比較的多量の水分を含む生ゴミ等の湿潤廃棄物が、上記湿潤燃料として使用される。また、図14に示すガス化装置1は、熱分解ガス化炉2及び改質器3を備えており、図2に示すガス化装置と実質的に同一の構成を有する。
【0062】
熱分解ガス化炉2は、ー括投入型のバッチ式熱分解炉からなり、廃棄物を蒸し焼き可能な炉内領域(熱分解域)を有する。熱分解ガス化炉2は、乾燥廃棄物を熱分解域に投入可能な廃棄物投入口2aと、高温混合気供給路MG1の下流端に接続された高温混合気導入口2bと、熱分解ガス給送路TGの上流端に接続された熱分解ガス導出口2cとを備える。熱分解ガス給送路TGの下流端は、改質器3の熱分解ガス導入口3cに接続される。
【0063】
改質器3は、熱分解ガス化炉2の上部に配置された中空構造体からなり、高温混合気供給路MG2の下流端が、改質器3の高温混合気導入口3aに接続され、高温ガス給送路HGの上流端が、改質器3の高温粗ガス送出口3bに接続される。高温ガス給送路HGの下流端は、熱交換器65の流入ポート66に接続され、改質器3の改質域は、熱交換器65と連通する。熱交換器65は、乾燥装置6の加熱・乾燥室60内に配置され、熱交換器65の流出ポート67が、低温ガス給送路LGの上流端に接続される。低温ガス給送路LGは、水蒸気発生器4を介してガス洗浄・浄化装置7に接続される。ガス洗浄・浄化装置7は、燃料ガス給送路FGによってガスタービン装置等のエネルギー利用設備(図示せず)に接続される。
【0064】
乾燥装置6の上部構造体には、湿潤廃棄物の投入口61が配設され、廃棄物供給手段WTの湿潤廃棄物は、投入口61から加熱・乾燥室60内に投入される。改質器3の高温粗ガスが、高温ガス給送路HGから熱交換器65に導入され、加熱・乾燥室60内の湿潤廃棄物と熱交換し、湿潤廃棄物を間接加熱する。加熱・乾燥室60の下部構造体には、乾燥廃棄物を送出可能な送出口62が配設され、送出口62は、廃棄物移送路WSを介して熱分解ガス化炉2の廃棄物投入口2aと連通する。
【0065】
加熱・乾燥室60に生成した水蒸気を導出可能な水蒸気導出口63が、乾燥装置6の上部構造体に配設される。水蒸気導出口63には、臭気性水蒸気送出路OSの上流端が接続される。臭気性水蒸気送出路OSの下流端は、低温水蒸気供給路LSに接続される。水蒸気発生器4が生成した低温水蒸気は、低温水蒸気供給路LSに送出され、臭気性水蒸気と混合する。低温水蒸気供給路LSは、第1及び第2水蒸気流路LS1、LS2に分岐し、流路LS1、LS2の下流端は、混合制御弁51、52に夫々接続される。外界雰囲気の空気を供給可能な給気ファン90が、低温空気供給路LAに介装され、低温空気供給路LAは、第1及び第2空気流路LA1、LA2に分岐する。流路LA1、LA2の下流端は、混合制御弁51、52に夫々接続される。混合制御弁51、52は、低温空気及び低温水蒸気を2:8〜5:5の範囲内の混合比(重量比)に混合する。
【0066】
混合制御弁51、52の各吐出口は、低温混合気供給路SA1 、SA2の上流端に接続される。供給路SA1 、SA2の下流端は、水蒸気・空気加熱装置10、10の各流路切換装置20に接続される。水蒸気・空気加熱装置10、10は、高温混合気供給路MG1、MG2の上流端に接続され、供給路MG1、MG2の下流端は、熱分解ガス化炉2及び改質器3の高温混合気導入口2b、3aに夫々接続される。
【0067】
図15は、水蒸気・空気加熱装置10の全体構造及び作動態様を示す概略断面図である。図15(A)は、水蒸気・空気加熱装置10の第1加熱工程を示し、図15(B)は、水蒸気・空気加熱装置10の第2加熱工程を示す。
【0068】
図15に示す如く、水蒸気・空気加熱装置10は、対をなす第1及び第2加熱部10A、10Bと、各加熱部を相互連通する連通部10Cとから構成される。加熱部10Aは、第1熱交換装置11及び第1燃焼域13を有し、加熱部10Bは、第2熱交換装置12及び第2燃焼域14を有する。第1及び第2燃焼域13、14は、熱交換装置11、12及び流路切換装置20を介して低温混合気供給路SAに交互に連通する。連通部10Cは、水蒸気・空気加熱装置10の中心軸線に対して対称の構造に形成され、突出部16が、該中心軸線上において流路内方に突出する。燃料供給口43、44及び酸化剤吐出口83、84が、第1及び第2加熱部10A、10Bに夫々配設される。燃料供給口43、44は、燃料供給路F1、F2を介して燃料ガス給送路RG(図14)に接続され、燃料ガスを燃焼域13、14内に交互に吐出ないし噴射する。酸化剤吐出口83、84は、酸化剤供給路OX1、OX2を介して酸化剤供給路OXG に接続され、所望により、酸化剤を燃焼域13、14に交互に供給する。
【0069】
水蒸気・空気加熱装置10は更に、燃料供給口43、44の燃料ガス吹込み量及び吹込み時期を制御する燃料供給制御装置40と、酸化剤吐出口83、84の酸化剤供給量及び供給時期を制御する酸化剤供給制御装置80とを有する。制御装置40は、燃料供給路F1、F2に夫々介装された第1及び第2燃料供給制御弁41、42を備え、制御装置80は、酸化剤供給路OX1、OX2に夫々介装された第1及び第2流量制御弁81、82を備える。酸化剤として、酸素濃度を調整した空気、或いは、酸素が一般に使用される。
【0070】
第1及び第2熱交換器11、12は、多数のセル孔(狭小流路)を備えたハニカム構造のセラミックス製又は金属製蓄熱体からなり、各セル孔は、水蒸気及び燃焼排ガスが交互に通過可能な小寸法断面の流路を構成する。蓄熱体は、加熱部10A、10Bの内部に組込み可能な全体形状及び寸法を有し、セル壁の壁厚及び各セル壁のピッチ(壁体間隔)は、好ましくは、蓄熱体の容積効率の最大値に相応し且つ0.7乃至1.0の範囲内の熱交換装置11、12の温度効率を確保し得る所望の壁厚及びピッチに設定される。更に好ましくは、セル壁の壁厚は、1.6mm以下の所定厚に設定され、セル壁ピッチは、5.0mm以下の所定値に設定される。
【0071】
第1及び第2燃焼域13、14の間に位置する分流域15は、高温混合気供給路MG1、MG2の上流端に接続され、第1及び第2熱交換装置11、12の各基端部は、流路切換装置20を介して、低温混合気供給路SA1、SA2及び排気導出路EXに接続される。流路切換装置20は、第1給気開閉弁21、第2給気開閉弁22、第1排気開閉弁23及び第2排気開閉弁24を備える。給気開閉弁21、22は、給送路SA1、SA2の分岐連通管路25を介して相互連通し、排気開閉弁23、24は、排気導出路EXの分岐連通管路26を介して相互連通する。
【0072】
第1給気開閉弁21及び第1排気開閉弁23は、同時に開放し且つ同時に閉塞するように連動し、第2給気開閉弁22及び第2排気開閉弁24は、同時に開放し且つ同時に閉塞するように連動する。水蒸気・空気加熱装置10の制御装置(図示せず)は、図15(A)に示す第1加熱工程において、第1給気開閉弁21及び第1排気開閉弁23を開放し且つ第2給気開閉弁22及び第2排気開閉弁24を閉塞する。他方、水蒸気・空気加熱装置10の制御装置は、図15(B)に示す第2加熱工程において、第1給気開閉弁21及び第1排気開閉弁23を閉塞し且つ第2給気開閉弁22及び第2排気開閉弁24を開放する。
【0073】
ハニカム型蓄熱体及び水蒸気・空気加熱装置の各部構成は、特願平5−6911号(特開平6−213585号公報)及び特願平10−189号(特開平10−246428号公報)等に詳細に記載されているので、更なる詳細な説明は、省略する。
【0074】
次に、上記構成の廃棄物ガス化システムの作動について説明する。
図14に示す如く、燃料供給手段WTは、比較的多量の水分を含む湿潤廃棄物を投入口61から加熱・乾燥室60内に投入する。湿潤燃料は、熱交換器65より受熱して加熱・乾燥し、乾燥した廃棄物は、送出口62、廃棄物移送路WS及び廃棄物投入口2aを介して、熱分解ガス化炉2の熱分解域に投入される。高温混合気供給路MG1の高温混合気が、導入口2bから炉内に導入され、廃棄物を蒸し焼き可能な低酸素濃度の高温焼成雰囲気が、熱分解域に形成される。廃棄物は、残渣及び熱分解ガスに熱分解し、炉底部に堆積した廃棄物の焼却残渣は、ガス化炉2の作動中又は冷却後に炉外に搬出される。
【0075】
熱分解ガスは、導出口2c及び給送路TGを介して改質器3の改質域に流入し、高温混合気供給路MG2の高温混合気が、導入口3aから改質域に導入される。改質域の熱分解ガスは、高温混合気と混合し、この結果、熱分解ガス中の炭化水素と高温空気との発熱反応が進行するとともに、熱分解ガス中の炭化水素と高温水蒸気との吸熱改質反応が進行する。改質域に生成した改質ガスは、高温の粗燃料ガスとして高温ガス給送路HGから熱交換器65に導入される。
【0076】
熱交換器65を流通する高温粗ガスは、熱交換器65の伝熱壁を介して湿潤廃棄物と熱交換する。熱交換器65において冷却した低温の粗燃料ガスは、低温ガス給送路LGを介して水蒸気発生器4に導入され、更に冷却した後、ガス洗浄・浄化装置7に導入される。低温粗ガスは、ガス洗浄・浄化装置7において、除塵、脱硫、脱塩及び重金属除去等の洗浄・浄化処理を受けた後、精製燃料ガスとして燃料ガス給送路FG、RGに送出される。例えば、60乃至80%の重量比の燃料ガスは、燃料ガス給送路FGを介して後続のエネルギー利用設備に供給され、40乃至20%の重量比の燃料ガスは、混合気加熱用燃料として燃料ガス給送路RGから水蒸気・空気加熱装置10に供給される。
【0077】
他方、熱交換器65より受熱した湿潤燃料中の水分は、加熱・乾燥室60内で気化し、比較的低温の臭気性水蒸気が、加熱・乾燥室60内に発生する。臭気性水蒸気は、水蒸気導出口63から臭気性水蒸気送出路OSに導出され、低温水蒸気供給路LSに導入される。臭気性水蒸気は、低温水蒸気と混合し、低温水蒸気は更に、混合制御弁51、52によって低温空気供給路LAの低温空気と混合した後、低温混合気供給路SA1、SA2を介して各水蒸気・空気加熱装置10に供給される。
【0078】
流路切換装置20は、上記第1加熱工程において、低温混合気を第1燃焼域13に導入し且つ第2燃焼域14の燃焼排ガスを排気導出路EXに導出し(図15A)、第2加熱工程において、低温混合気を第2燃焼域14に導入し且つ第1燃焼域13の燃焼排ガスを排気導出路EXに導出する(図15B)。
【0079】
第1加熱工程(図15A)において、燃料供給制御装置40は、燃料ガス給送路RGの燃料ガスを第2燃焼域14に吹込む。所望により、酸化剤供給制御装置80は、酸化剤を第2燃焼域14に供給する。低温混合気は、第1熱交換装置11を流通する間に700℃以上、好適には、800℃以上に加熱される。高温の混合気流Hは、分流域15に流入し、分流域15において、第1及び第2分流H1:H2に分流する。第2分流H2は、高温混合気供給路MGに送出され、第1分流H1は、第2燃焼域14に流入し、燃料ガスと混合して燃焼反応し、高温の燃焼排ガスを第2燃焼域14に生成する。燃焼排ガスは、第2熱交換装置12、第2給排路L2及び第1排気開閉弁23を介して排気ファン30(図14)に誘引され、排気路EG及び排気口31から系外に排気される。燃焼排ガスは、第2熱交換装置12を通過する際に第2熱交換装置12の蓄熱体と伝熱接触し、燃焼排ガス流が保有する顕熱は、該蓄熱体に蓄熱される。
【0080】
第2加熱工程(図15B)において、制御装置40、80は、燃料ガスを第1燃焼域13に供給する。低温混合気は、第2熱交換装置12を流通する間に上記高温域に加熱される。高温混合気流Hは、分流域15に流入し、分流域15において、第1及び第2分流H1:H2に分流する。第2分流H2は、高温混合気供給路MGに送出され、第1分流H1は、第1燃焼域13に流入し、燃料ガスと混合し、高温の燃焼排ガスを第1燃焼域13に生成する。燃焼排ガスは、第1熱交換装置11、第1給排路L1及び第2排気開閉弁24を介して排気ファン30(図14)に誘引され、排気路EG及び排気口31から系外に排気される。燃焼排ガスは、第1熱交換装置11を通過する際に第1熱交換装置11の蓄熱体と伝熱接触し、燃焼排ガス流が保有する顕熱は、該蓄熱体に蓄熱される。
【0081】
水蒸気・空気加熱装置10は、120秒以下、好適には、60秒以下、更に好適には30秒以下の所定時間に設定された所定の時間間隔で交互に第1又は第2加熱工程に切換えられる。第2分流H2は、連続的に高温混合気供給路MGに送出され、図14に示す如く、高温混合気供給路MG1、MG2を介して熱分解ガス化炉2及び改質器3に夫々供給される。
【0082】
かくして、上記低温水蒸気の一部は、燃焼域13、14において燃焼し、燃焼排ガスとして系外に排気され、低温水蒸気の残部は、高温混合気供給路MGに送出され、系内を再循環する。
【0083】
図16は、本発明の第2実施例に係る廃棄物ガス化システムの全体構成を示すシステム・フロー図である。図16において、上記第1実施例の各構成要素と実質的に同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号が付されている。
【0084】
図16に示す廃棄物ガス化システムは、第1実施形態(図1)の構成に対応しており、上記第1実施例と同様、上記湿潤燃料として湿潤廃棄物を使用した構成のものである。また、図1に示すガス化装置1は、ペブル床ガス化炉2からなり、図3に示すガス化装置の構成を具現化したものである。
【0085】
ガス化装置1を構成するペブル床ガス化炉2は、多数の球形セラミックス( ペブル) により構成されるペブル床8を備える。ペブル床8は、例えば、直径20〜50mm程度のアルミナボールの充填層又は積層体からなり、ペブル床8の上方には、乾燥廃棄物を熱分解可能な熱分解域が画成される。熱分解域は、熱分解ガスの改質域としても機能する。ガス化装置1は、湿潤廃棄物を装入可能な燃料供給手段WTと、熱交換器65を内蔵した乾燥装置6とを備えており、所望により適当な寸法又は粒度に粉砕された湿潤廃棄物が、供給手段WTによって乾燥装置3内に投入される。
【0086】
1000℃以上の高温空気及び高温水蒸気が、高温空気供給路HA及び高温水蒸気供給路HSを介して熱分解域に導入される。高温空気及び高温水蒸気の割合は、8:2〜5:5の範囲内の流量比(重量比)に設定される。高温空気及び高温水蒸気は、熱分解域において混合するとともに、廃棄物を熱分解し、溶融する。球形セラミックスは、高温混合気によって加熱され且つ高温混合気の顕熱を蓄熱し、廃棄物に伝熱接触して廃棄物の溶融ガス化反応を促進する。廃棄物の溶融スラグは、球形セラミックスの間隙を流下してスラグ・ガス分離域9に流入する。分離域9の底部に滞留した溶融スラグは、炉外に抽出され、冷却・固化し、路盤材等の建築材料又は土木材料等として再利用される。
【0087】
高温空気は、主として、熱分解域の廃棄物をガス化溶融し、廃棄物を溶融スラグと熱分解ガスとに熱分解し、また、高温水蒸気は、主として、廃棄物のガス化溶融により多量の煤が発生するのを抑制するとともに、熱分解ガス中の炭化水素と水蒸気改質反応し、熱分解ガスを改質する。熱分解域に生成した熱分解ガスは、ペブル床8のセラミックス球の間隙を通過し、分離域9の高温粗ガス導出口9aから高温ガス給送路HGに送出される。給送路HGの高温粗ガスは、熱交換器65を流通し、湿潤廃棄物と熱交換して冷却した後、低温粗ガスとして低温ガス給送路LGから水蒸気発生器4及びガス洗浄・浄化装置7に送出される。低温粗ガスは、水蒸気発生器4において放熱した後、ガス洗浄・浄化装置7において除塵、脱硫、脱塩及び重金属除去等の洗浄・浄化処理を受け、低温の精製燃料ガスとして燃料ガス給送路FG、RGに給送される。給送路FGの燃料ガスは、ガスタービン装置等のエネルギー利用設備に供給され、給送路RGの燃料ガスは、水蒸気・空気加熱装置10に供給される。
【0088】
他方、加熱・乾燥室60内の湿潤廃棄物は、高温粗ガスの顕熱を熱交換器65より受熱し、加熱・乾燥し、湿潤燃料中の水分は気化し、比較的低温の臭気性水蒸気を加熱・乾燥室60内に生成する。臭気性水蒸気は、水蒸気導出口63から臭気性水蒸気送出路OSに送出され、低温水蒸気供給路LSの低温水蒸気と混合した後、水蒸気加熱装置10Bに供給される。
【0089】
なお、本例の廃棄物ガス化システムは、低温空気を加熱する空気加熱装置10Aと、低温水蒸気を加熱する水蒸気加熱装置10Bとを備える。空気加熱装置10A及び水蒸気加熱装置10Bの各構成は、上記第1実施例の水蒸気・空気加熱装置10の構成と実質的に同一であり、第1加熱工程(図15A)及び2加熱工程(図15B)を所定時間毎、例えば、60秒以下の時間間隔で交互に反復実施し、これにより、低温空気又は低温水蒸気を1000℃以上の高温に連続加熱する。高温空気流路及び高温水蒸気流路HA、HSは、熱分解ガス化炉2の導入口2d:2eに夫々接続され、高温空気及び高温水蒸気は、熱分解域に夫々導入され、熱分解域において混合する。
【0090】
図17は、本発明の第3実施例に係る廃棄物ガス化システムの全体構成を示すシステム・フロー図である。図17において、上記各実施例の各構成要素と実質的に同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号が付されている。
【0091】
図17に示す廃棄物ガス化システムは、第1実施形態(図1)の構成に対応しており、上記第1及び第2実施例と同様、湿潤燃料として湿潤廃棄物を使用した構成のものである。また、図17に示すガス化装置1は、外部加熱式の熱分解ガス化炉2を備えており、図4に示すガス化装置の構成を具現化したものである。
【0092】
本実施例において、廃棄物ガス化システムは、熱分解炉2及び改質器3を含むガス化装置1を備えるとともに、乾燥装置6、ガス洗浄・浄化装置7及び水蒸気・空気加熱装置10を備える。乾燥装置6は、湿潤燃料を加熱・乾燥可能な熱交換器65を備える。熱分解炉2は、酸素濃度制御手段(図示せず)を備えた外部加熱式ロータリーキルンからなり、ロータリーキルンの熱分解域は、酸素濃度制御手段の制御下に低酸素状態又は無酸素状態の炉内焼成雰囲気に維持・管理される。乾燥装置6を介して熱分解域に投入された乾燥廃棄物は、所謂蒸し焼き状態の炉内焼成雰囲気にて約500〜600℃程度に加熱され、熱分解反応の進行により熱分解ガス及び残渣に分解する。熱分解ガス及び残渣は、分離部において相互分離し、残渣は、残渣取出装置、有価金属選別装置、溶融炉等(図示せず)に導入され、他方、熱分解ガスは、改質器3の改質域に導入される。
【0093】
改質器3の改質域は、高温ガス給送路HGを介して熱交換器65の流入ポート66に接続され、熱交換器65の流出ポート67は、低温ガス給送路LGを介して水蒸気発生器4及びガス洗浄・浄化装置7に接続される。ガス洗浄・浄化装置7は、燃料ガス給送路RGに接続されるとともに、燃料ガス給送路FGを介してガスタービン装置等のエネルギー利用設備に接続される。
【0094】
湿潤廃棄物は、熱分解効率を向上すべく適当な寸法に破砕された後、供給手段WTによって乾燥装置6の加熱・乾燥室60に投入される。加熱・乾燥室60内の湿潤廃棄物は、高温粗ガスの顕熱を熱交換器65より受熱し、加熱・乾燥し、湿潤燃料中の水分は気化し、比較的低温の臭気性水蒸気を加熱・乾燥室60内に生成する。臭気性水蒸気は、臭気性水蒸気送出路OS及び低温水蒸気供給路LSを介して混合制御弁50に供給される。低温水蒸気は、混合制御弁50において低温空気供給路LAの低温空気と混合した後、水蒸気・空気加熱装置10に供給される。混合制御弁50は、低温空気及び低温水蒸気を2:8〜5:5の範囲内の混合比(重量比)に混合し、低温空気及び低温水蒸気の混合気を水蒸気・空気加熱装置10に供給する。
【0095】
水蒸気・空気加熱装置10は、上記各実施例の水蒸気・空気加熱装置と実質的に同一の構造を有し、第1加熱工程(図15A)及び2加熱工程(図15B)を所定時間毎、例えば、60秒以下の時間間隔で交互に反復実施することにより、低温混合気供給路SAの低温混合気を700℃以上、好適には、800℃以上の高温に連続加熱し、高温混合気供給路MGに送出する。供給路MGは、高温混合気を改質器3に導入し、高温混合気は、改質域の熱分解ガスと混合する。この結果、熱分解ガス中の炭化水素と高温空気との発熱反応が進行するとともに、熱分解ガス中の炭化水素と高温水蒸気との吸熱改質反応が進行する。改質域に生成した改質ガスは、高温の粗燃料ガスとして高温ガス給送路HGから熱交換器65に導入される。その他のシステム構成は、前述の各実施例と実質的に同一であるので、更なる詳細な説明は、省略する。
【0096】
図18乃至図20は、本発明の第4乃至第6実施例に係る廃棄物ガス化システムの全体構成を示すシステム・フロー図である。各図において、上記各実施例の各構成要素と実質的に同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号が付されている。
【0097】
図18乃至図20に示す廃棄物ガス化システムは、本発明の第2実施形態(図5)の構成に対応しており、第4乃至第6実施例の各システムは、上記第1乃至第3実施例と同様、湿潤な廃棄物を湿潤燃料として使用する。なお、第4実施例(図18)のガス化装置1は、前述の第1実施例と同様、高温の空気及び水蒸気を導入可能な熱分解ガス化炉2及び改質器3を備えており、これは、図6に示すガス化装置の構成を具現化した構成のものであり、第5実施例(図19)のガス化装置1は、前述の第2実施例と同様、ペブル床ガス化炉2からなり、図7に示すガス化装置の構成を具現化した構成のものである。また、第6実施例(図20)のガス化装置1は、前述の第3実施例と同様、外部加熱式の熱分解ガス化炉2を備えており、図8に示すガス化装置の構成を具現化した構成のものである。
【0098】
第4乃至第6実施例において、乾燥装置6の水蒸気導出口63は、臭気性水蒸気送出路OSを介して、高温ガス給送路HGに接続され、加熱・乾燥室60に生成した臭気性水蒸気は、高温ガス給送路HGの高温粗ガスに混合する。臭気性水蒸気を混合した高温粗ガスは、熱交換器65を流通し、湿潤廃棄物を加熱・乾燥して冷却した後、低温粗ガスとして低温ガス給送路LGに送出され、ガス洗浄・浄化装置7に導入される。低温粗ガスは、ガス洗浄・浄化装置7において除塵、脱硫、脱塩及び重金属除去等の洗浄・浄化処理を受け、低温の精製燃料ガスとして燃料ガス給送路FG、RGに給送される。なお、第4乃至第6実施例では、低温水蒸気供給路LSは、一般的な水蒸気発生装置(図示せず)に接続される。水蒸気発生装置の熱源として、系外の熱エネルギー、或いは、精製燃料ガスを使用して発電した電力等を使用し得る。
【0099】
第4乃至第6実施例の廃棄物ガス化システムによれば、高温粗ガスが保有する顕熱を有効利用して効率的に湿潤廃棄物を乾燥するとともに、湿潤廃棄物の加熱・乾燥時に発生する臭気性水蒸気をガス洗浄・浄化装置7の洗浄・浄化工程により確実に脱臭するとともに、これを最終的に燃焼排ガスとして系外に排気することができる。
【0100】
図21乃至図23は、本発明の第7乃至第9実施例に係る廃棄物ガス化システムの全体構成を示すシステム・フロー図である。各図において、上記各実施例の各構成要素と実質的に同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号が付されている。
【0101】
図21乃至図23に示す廃棄物ガス化システムは、本発明の第3実施形態(図9)の構成に対応しており、第7乃至第9実施例の各システムは、上記第1乃至第6実施例と同様、湿潤な廃棄物を湿潤燃料として使用する。
【0102】
第7実施例(図21)のガス化装置1は、前述の第1及び第4実施例と同様、高温の空気及び水蒸気を導入可能な熱分解ガス化炉2及び改質器3を備えており、図10に示すガス化装置の構成を具現化した構成のものである。第8実施例(図22)のガス化装置1は、前述の第2及び第5実施例と同様、ペブル床ガス化炉2からなり、図11に示すガス化装置の構成を具現化した構成のものである。また、第9実施例(図23)のガス化装置1は、前述の第3及び第7実施例と同様、外部加熱式の熱分解ガス化炉2を備えており、図12に示すガス化装置の構成を具現化した構成のものである。
【0103】
第7乃至第9実施例では、冷却装置5が、高温ガス給送路HGの下流端に接続される。冷却装置5は、水蒸気生成用熱交換器5aを備える。熱交換器5aは、水を気化し、低温水蒸気を生成する。冷却装置5により冷却した粗ガスは、低温ガス給送路LGに送出され、ガス洗浄・浄化装置7に導入される。
【0104】
熱交換器5aの低温水蒸気は、低温水蒸気供給路LS:LS1:LS2を介して乾燥装置6及び水蒸気・空気加熱装置10に供給される。乾燥装置6に供給された低温水蒸気は、熱交換器65を流通し、湿潤廃棄物を加熱・乾燥する。乾燥装置6の水蒸気導出口63は、臭気性水蒸気送出路OSを介して低温水蒸気供給路LS2に接続される。臭気性水蒸気は、供給路LS2の低温水蒸気と混合し、低温空気供給路LAの低温空気と更に混合した後、水蒸気・空気加熱装置10に導入される。混合気の一部は、水蒸気・空気加熱装置10の燃焼域13、14(図15)において燃焼し、燃焼排ガスとして系外に排気され、混合気の残部は、高温混合気として、ガス供給路MGに送出され、系内を再循環する。
【0105】
図24乃至図26は、本発明の第10乃至第12実施例に係る廃棄物ガス化システムの全体構成を示すシステム・フロー図であり、各図に示す廃棄物ガス化システムは、本発明の第4実施形態(図13)の構成を具現化したものである。なお、各図において、上記各実施例の各構成要素と実質的に同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号が付されている。
【0106】
第10実施例(図24)のガス化装置1は、高温の空気及び水蒸気を導入可能な熱分解ガス化炉2及び改質器3を備えており、第11実施例(図25)のガス化装置1は、ペブル床ガス化炉2からなり、また、第12実施例(図26)のガス化装置1は、外部加熱式の熱分解ガス化炉2を備える。
【0107】
第10乃至第12実施例のガス化システムは、第7乃至第9実施例と類似した構成を有しており、高温ガス給送路HGの下流端に接続された冷却装置5を備える。冷却装置5の熱交換器5aは、高温粗ガスが保有する顕熱により低温水蒸気を生成し、低温水蒸気は、低温水蒸気供給路LS1を介して乾燥装置6の熱交換器65に供給される。低温水蒸気は、熱交換器65を流通し、湿潤廃棄物を加熱・乾燥する。なお、冷却装置5により冷却した粗ガスは、低温ガス給送路LGに送出され、ガス洗浄・浄化装置7に導入される。
【0108】
冷却装置5は又、空気加熱用熱交換器5bを高温側に備える。熱交換器5bと連通する低温空気供給路LAには、低温水蒸気供給路LS2及び臭気性水蒸気送出路OSが接続される。低温水蒸気の一部が、供給路LS2を介して供給路LAに導入されるとともに、加熱・乾燥室60に生成した臭気性水蒸気が、送出路OSを介して供給路LAに導入される。低温水蒸気及び臭気性水蒸気は、低温空気と混合し、混合気は、熱交換器5bを流通し、高温に加熱される。熱交換器5bの高温混合気は、ガス供給路MG:MG1:MG2を介してガス化炉2及び改質器3に導入される。
なお、ガス化炉2は、初期燃焼装置又は補助燃焼装置を備えるが、これらの燃焼装置の図示は、図を簡略化するために省略されている。
【0109】
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能である。
【0110】
例えば、上記各実施例は、廃棄物ガス化システムに関するものであるが、本発明は、比較的多量の水分を含む炭化水素系燃料をガス化するガス化システム一般に広く適用し得るものである。
【0111】
また、水蒸気又は空気加熱装置の構造は、上記各実施例において開示した構造の装置に限定されるものではなく、同等の温度効率を発揮し得る他の構造の加熱装置を水蒸気又は空気加熱装置として採用しても良い。
【0112】
更には、上記乾燥装置6の熱交換器65に供給すべき高温熱媒体として、エネルギー利用設備を構成するガスタービン装置、ガスエンジン装置等の各種内燃機関又は燃焼設備の燃焼排ガス又は水蒸気を使用しても良い。
【0113】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明の上記構成によれば、湿潤燃料を系内の熱エネルギーにより加熱・乾燥するとともに、加熱・乾燥時に生成した水蒸気の熱量を有効利用し、しかも、水蒸気の臭気成分を確実に除去することができる湿潤燃料ガス化システム及びガス化方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る湿潤燃料ガス化システムのシステム・フロー図である。
【図2】図1に示すガス化装置の構成を例示するブロックフロー図である。
【図3】図1に示すガス化装置の変形例を示すブロックフロー図である。
【図4】図1に示すガス化装置の更なる変形例を示すブロックフロー図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る湿潤燃料ガス化システムのシステム・フロー図である。
【図6】図5に示すガス化装置の構成を例示するブロックフロー図である。
【図7】図5に示すガス化装置の変形例を示すブロックフロー図である。
【図8】図5に示すガス化装置の更なる変形例を示すブロックフロー図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る湿潤燃料ガス化システムのシステム・フロー図である。
【図10】図9に示すガス化装置の構成を例示するブロックフロー図である。
【図11】図9に示すガス化装置の変形例を示すブロックフロー図である。
【図12】図9に示すガス化装置の更なる変形例を示すブロックフロー図である。
【図13】本発明の第4実施形態に係る湿潤燃料ガス化システムのシステム・フロー図である。
【図14】本発明の第1実施例に係る廃棄物ガス化システムの全体構成を示すシステム・フロー図である。
【図15】図14に示す水蒸気・空気加熱装置の全体構造及び作動態様を示す概略断面図であり、図15(A)は、水蒸気・空気加熱装置の第1加熱工程を示し、図15(B)は、水蒸気・空気加熱装置の第2加熱工程を示す。
【図16】本発明の第2実施例に係る廃棄物ガス化システムの全体構成を示すシステム・フロー図である。
【図17】本発明の第3実施例に係る廃棄物ガス化システムの全体構成を示すシステム・フロー図である。
【図18】本発明の第4実施例に係る廃棄物ガス化システムの全体構成を示すシステム・フロー図である。
【図19】本発明の第5実施例に係る廃棄物ガス化システムの全体構成を示すシステム・フロー図である。
【図20】本発明の第6実施例に係る廃棄物ガス化システムの全体構成を示すシステム・フロー図である。
【図21】本発明の第7実施例に係る廃棄物ガス化システムの全体構成を示すシステム・フロー図である。
【図22】本発明の第8実施例に係る廃棄物ガス化システムの全体構成を示すシステム・フロー図である。
【図23】本発明の第9実施例に係る廃棄物ガス化システムの全体構成を示すシステム・フロー図である。
【図24】本発明の第10実施例に係る廃棄物ガス化システムの全体構成を示すシステム・フロー図である。
【図25】本発明の第11実施例に係る廃棄物ガス化システムの全体構成を示すシステム・フロー図である。
【図26】本発明の第12実施例に係る廃棄物ガス化システムの全体構成を示すシステム・フロー図である。
【符号の説明】
1 ガス化装置
2 熱分解ガス化炉、ガス化炉、熱分解炉
3 改質器
4 水蒸気発生器
5 冷却装置
6 乾燥装置
7 ガス洗浄・浄化装置
10 水蒸気・空気加熱装置
65 熱交換器
WT 燃料(廃棄物)供給手段
WS 燃料(廃棄物)移送路
OS 臭気性水蒸気送出路
LA 低温空気供給路
LS 低温水蒸気供給路
SA 低温混合気供給路
MG ガス供給路、高温混合気供給路
HA ガス供給路、高温空気供給路
HS ガス供給路、高温水蒸気供給路
TG 熱分解ガス給送路
HG 高温ガス給送路
LG 低温ガス給送路
RG:FG 燃料ガス給送路

Claims (22)

  1. 水分を含む湿潤な燃料が供給され、該燃料の熱分解反応により熱分解ガスを生成するガス化炉又は熱分解炉を備えた湿潤燃料ガス化システムにおいて、
    前記湿潤燃料を加熱・乾燥する乾燥装置と、
    低温水蒸気を600℃以上の高温水蒸気に加熱する水蒸気加熱装置と、
    乾燥装置により乾燥した乾燥燃料が供給されるガス化炉又は熱分解炉の熱分解反応領域と、
    前記熱分解反応領域に生成した熱分解ガスを前記高温水蒸気により高温粗ガスに改質する改質器、ガス化炉又は熱分解炉の改質反応領域とを備え、
    前記乾燥装置は、前記高温粗ガスが保有する顕熱により前記湿潤燃料を加熱する熱交換手段と、該湿潤燃料中の水分の気化により生成した臭気性水蒸気を乾燥装置から導出し且つ該臭気性水蒸気を前記低温水蒸気として前記水蒸気加熱装置に供給する水蒸気導出手段とを備えることを特徴とする湿潤燃料ガス化システム。
  2. 水分を含む湿潤な燃料が供給され、該燃料の熱分解反応により熱分解ガスを生成するガス化炉又は熱分解炉を備えた湿潤燃料ガス化システムにおいて、
    前記湿潤燃料を加熱・乾燥する乾燥装置と、
    低温水蒸気を600℃以上の高温水蒸気に加熱する水蒸気加熱装置と、
    乾燥装置により乾燥した乾燥燃料が供給されるガス化炉又は熱分解炉の熱分解反応領域と、
    前記熱分解反応領域に生成した熱分解ガスを前記高温水蒸気により高温粗ガスに改質する改質器、ガス化炉又は熱分解炉の改質反応領域とを備え、
    前記乾燥装置は、前記高温粗ガスが保有する顕熱により前記湿潤燃料を加熱する熱交換手段と、該湿潤燃料中の水分の気化により生成した臭気性水蒸気を乾燥装置から導出し且つ該臭気性水蒸気を前記高温粗ガスに混合する水蒸気導出手段とを備えることを特徴とする湿潤燃料ガス化システム。
  3. 前記熱交換手段は、前記高温粗ガスが導入される熱交換器を含み、該熱交換器は、前記高温粗ガスの顕熱を前記湿潤燃料に伝熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の湿潤燃料ガス化システム。
  4. 前記熱交換手段は、前記高温粗ガスの顕熱により生成又は加熱した水蒸気が導入される熱交換器を含み、該熱交換器は、該水蒸気の熱を前記湿潤燃料に伝熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の湿潤燃料ガス化システム。
  5. 前記高温粗ガスを燃料ガスに精製するガス精製装置が設けられ、前記水蒸気加熱装置は、前記燃料ガスの燃焼熱により前記低温水蒸気を加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の湿潤燃料ガス化システム。
  6. 前記低温水蒸気は、低温空気と混合した後、前記水蒸気加熱装置に供給されることを特徴とする請求項1に記載の湿潤燃料ガス化システム。
  7. 前記水蒸気導出手段は、前記熱交換手段の上流側において前記臭気性水蒸気を前記高温粗ガスに混合し、該水蒸気及び高温粗ガスの混合気が、前記熱交換手段に供給されることを特徴とする請求項2に記載の湿潤燃料ガス化システム。
  8. 水分を含む湿潤な燃料をガス化システムに供給する工程と、該燃料の熱分解反応により熱分解ガスを生成する工程とを含む湿潤燃料ガス化方法において、
    前記湿潤燃料は、ガス化炉又は熱分解炉に供給される前に加熱・乾燥され、乾燥燃料は、前記ガス化炉又は熱分解炉の熱分解反応領域に導入され、
    前記乾燥燃料の熱分解により前記熱分解反応領域に生成した熱分解ガスは、600℃以上の高温水蒸気を用いた水蒸気改質反応により高温粗ガスに改質され、
    前記湿潤燃料は、前記高温粗ガスが保有する顕熱により加熱・乾燥され、
    前記湿潤燃料中の水分の気化により生成した臭気性水蒸気は、高温に加熱された後、前記高温水蒸気として前記熱分解ガスと水蒸気改質反応することを特徴とする湿潤燃料ガス化方法。
  9. 水分を含む湿潤な燃料をガス化システムに供給する工程と、該燃料の熱分解反応により熱分解ガスを生成する工程とを含む湿潤燃料ガス化方法において、
    前記湿潤燃料は、ガス化炉又は熱分解炉に供給される前に加熱・乾燥され、乾燥燃料は、前記ガス化炉又は熱分解炉の熱分解反応領域に導入され、
    前記乾燥燃料の熱分解により前記熱分解反応領域に生成した熱分解ガスは、600℃以上の高温水蒸気を用いた水蒸気改質反応により高温粗ガスに改質され、
    前記湿潤燃料は、前記高温粗ガスが保有する顕熱により加熱・乾燥され、
    前記湿潤燃料中の水分の気化により生成した臭気性水蒸気は、前記高温粗ガスに混合されることを特徴とする湿潤燃料ガス化方法。
  10. 前記高温粗ガスは、前記湿潤燃料と熱交換して該湿潤燃料を加熱することを特徴とする請求項8又は9に記載の湿潤燃料ガス化方法
  11. 前記高温粗ガスは、水蒸気を生成又は加熱し、該水蒸気は、前記湿潤燃料と熱交換して該湿潤燃料を加熱することを特徴とする請求項8又は9に記載の湿潤燃料ガス化方法
  12. 前記高温粗ガスを燃料ガスに精製するガス精製装置が設けられ、前記水蒸気加熱装置は、前記燃料ガスの燃焼熱により前記低温水蒸気を加熱することを特徴とする請求項8又は9に記載の湿潤燃料ガス化方法
  13. 前記高温粗ガスを燃料ガスに精製し、該燃料ガスの燃焼熱により前記高温水蒸気を得ることを特徴とする請求項8又は9に記載の湿潤燃料ガス化方法。
  14. 前記臭気性水蒸気は、低温空気と混合した後、前記高温水蒸気及び高温空気の混合気に加熱されることを特徴とする請求項8に記載の湿潤燃料ガス化方法。
  15. 前記高温粗ガスは、前記臭気性水蒸気と混合した後、前記湿潤燃料と熱交換することを特徴とする請求項9に記載の湿潤燃料ガス化方法。
  16. 水分を含む湿潤な燃料が供給され、該燃料の熱分解反応により熱分解ガスを生成するガス化炉又は熱分解炉を備えた湿潤燃料ガス化システムにおいて、
    前記湿潤燃料を加熱・乾燥する乾燥装置と、
    低温水蒸気を600℃以上の高温水蒸気に加熱する水蒸気加熱装置と、
    乾燥装置により乾燥した乾燥燃料が供給されるガス化炉又は熱分解炉の熱分解反応領域と、
    前記熱分解反応領域に生成した熱分解ガスを前記高温水蒸気により高温粗ガスに改質する改質器、ガス化炉又は熱分解炉の改質反応領域と、
    前記高温粗ガスを精製した燃料ガスにより作動する熱機関又は燃焼設備等の熱源機器とを備え、
    前記乾燥装置は、前記熱源機器の廃熱を有する高温熱媒体により前記湿潤燃料を加熱する熱交換手段と、該湿潤燃料中の水分の気化により生成した臭気性水蒸気を前記乾燥装置から導出し且つ該臭気性水蒸気を前記低温水蒸気として前記水蒸気加熱装置に供給する水蒸気導出手段とを備えることを特徴とする湿潤燃料ガス化システム。
  17. 水分を含む湿潤な燃料が供給され、該燃料の熱分解反応により熱分解ガスを生成するガス化炉又は熱分解炉を備えた湿潤燃料ガス化システムにおいて、
    前記湿潤燃料を加熱・乾燥する乾燥装置と、
    低温水蒸気を600℃以上の高温水蒸気に加熱する水蒸気加熱装置と、
    乾燥装置により乾燥した乾燥燃料が供給されるガス化炉又は熱分解炉の熱分解反応領域と、
    前記熱分解反応領域に生成した熱分解ガスを前記高温水蒸気により高温粗ガスに改質する改質器、ガス化炉又は熱分解炉の改質反応領域と
    前記高温粗ガスを精製した燃料ガスにより作動する熱機関又は燃焼設備等の熱源機器とを備え、
    前記乾燥装置は、前記熱源機器の廃熱を有する高温熱媒体により前記湿潤燃料を加熱する熱交換手段と、該湿潤燃料中の水分の気化により生成した臭気性水蒸気を前記乾燥装置から導出し且つ該臭気性水蒸気を前記高温粗ガスに混合する水蒸気導出手段とを備えることを特徴とする湿潤燃料ガス化システム。
  18. 前記高温熱媒体は、前記熱源機器の燃焼排ガス又は水蒸気からなることを特徴とする請求項16又は17に記載の湿潤燃料ガス化システム。
  19. 水分を含む湿潤な燃料をガス化システムに供給する工程と、該燃料の熱分解反応により熱分解ガスを生成する工程とを含む湿潤燃料ガス化方法において、
    前記湿潤燃料は、ガス化炉又は熱分解炉に供給される前に加熱・乾燥され、乾燥燃料は、前記ガス化炉又は熱分解炉の熱分解反応領域に導入され、
    前記乾燥燃料の熱分解により前記熱分解反応領域に生成した熱分解ガスは、600℃以上の高温水蒸気を用いた水蒸気改質反応により高温粗ガスに改質され、
    前記高温粗ガスは、燃料ガスに精製された後、熱機関又は燃焼設備等の熱源機器に対して作動燃料として供給され、
    前記湿潤燃料は、前記熱源機器の廃熱を有する高温熱媒体との熱交換により加熱・乾燥され、
    前記湿潤燃料中の水分の気化により生成した臭気性水蒸気は、高温に加熱された後、前記高温水蒸気として前記熱分解ガスと水蒸気改質反応することを特徴とする湿潤燃料ガス化方法。
  20. 水分を含む湿潤な燃料をガス化システムに供給する工程と、該燃料の熱分解反応により熱分解ガスを生成する工程とを含む湿潤燃料ガス化方法において、
    前記湿潤燃料は、ガス化炉又は熱分解炉に供給される前に加熱・乾燥され、乾燥燃料は、前記ガス化炉又は熱分解炉の熱分解反応領域に導入され、
    前記乾燥燃料の熱分解により前記熱分解反応領域に生成した熱分解ガスは、600℃以上の高温水蒸気を用いた水蒸気改質反応により高温粗ガスに改質され、
    前記高温粗ガスは、燃料ガスに精製された後、熱機関又は燃焼設備等の熱源機器に対して作動燃料として供給され、
    前記湿潤燃料は、前記熱源機器の廃熱を有する高温熱媒体との熱交換により加熱・乾燥され、
    前記湿潤燃料中の水分の気化により生成した臭気性水蒸気は、前記高温粗ガスに混合されることを特徴とする湿潤燃料ガス化方法。
  21. 前記熱源機器の燃焼排ガスを前記高温熱媒体として乾燥装置の熱交換器に導入し、前記燃焼排ガス及び湿潤燃料の熱交換により該湿潤燃料を加熱・乾燥させることを特徴とする請求項19又は20に記載の湿潤燃料ガス化方法。
  22. 前記熱源機器の廃熱により水蒸気を生成し、該水蒸気を前記高温熱媒体として乾燥装置の熱交換器に導入し、水蒸気及び湿潤燃料の熱交換により該湿潤燃料を加熱・乾燥させることを特徴とする請求項19又は20に記載の湿潤燃料ガス化方法。
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