JP4032584B2 - スペクトル拡散復調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば移動通信システムの移動局および基地局に適用されるスペクトル拡散受信機に設けられ、受信されたスペクトル拡散信号を復調する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、スペクトル拡散通信の移動体通信への適用が盛んに検討されている。中でも、直接拡散方式を使った多元接続方式であるCDMA(Code Division Multiple Access)は、供給できるサービスの柔軟性、周波数帯域の有効利用性などの観点から利点があると考えられている。そのため、CDMAは、第3世代移動通信システムのアクセス方式の一つとして標準化されている。
【0003】
直接拡散スペクトル拡散通信においては、伝送すべき情報信号とは無関係でかつ情報信号よりも広い帯域幅を持つ拡散符号によりスペクトル拡散信号を作成し伝送する。このスペクトル拡散信号の復調に際しては、送信側における拡散符号と同じ参照符号を使用し、この参照符号を使ってスペクトル拡散信号を逆拡散する。
【0004】
スペクトル拡散信号の逆拡散処理は、いわゆる能動相関処理と受動相関処理とに大別される。能動相関処理は、受信されたスペクトル拡散信号に対して参照符号を時間的にずらしながら乗算するとともに、その乗算結果を参照符号の1周期にわたって積分することにより、相関値を求める。一方、受動相関処理は、マッチドフィルタを使用し、このマッチドフィルタに予め設定された拡散符号に相当するタップ係数とスペクトル拡散信号とを乗算することにより、相関値を求める。マッチドフィルタに代表される受動相関器は、一般に能動相関素子に比べて構造が複雑で、大規模化する。したがって、安価にスペクトル拡散受信機を構成する場合には、一般に、能動相関器が用いられる。
【0005】
図14は、能動相関器を適用した従来のスペクトル拡散復調装置の構成を示すブロック図である。受信されたスペクトル拡散信号に相当するアナログベースバンド信号は、図外のA/D(Analog/Digital)変換部においてディジタルベースバンド信号に変換された後、逆拡散部90に与えられる。逆拡散部90は、参照符号発生部91にて発生された参照符号に基づいて能動相関処理を実行することにより、スペクトル拡散信号から元のシンボルを含むシンボル信号を復元する。
【0006】
能動相関処理についてさらに詳述すると、能動相関処理は、狭帯域変調後の1単位である1シンボルごとに繰り返し行われる。すなわち、ある単位時間を1スロットとすると、能動相関処理は、1スロットを1スロットに含まれるシンボル数で割って得られる時間ごとに、受信信号と参照符号との乗算処理およびその結果の積分処理を繰り返し実行する。こうして、元の情報を1シンボルごとに復元していく。
【0007】
逆拡散部90により復元されたシンボル信号は、パイロット同期検波部92に与えられる。パイロット同期検波部92は、シンボル信号に含まれるパイロットシンボルに基づいてシンボル信号を同期検波するものである。すなわち、パイロット同期検波部92は、シンボル信号に含まれるパイロットシンボルをパイロットシンボル選択部93において抽出し、チャネル推定部94にて基準位相を求める。また、パイロット同期検波部92は、処理遅延部95にてシンボル信号を遅延させた後、複素乗算部96において上記基準位相に基づいてシンボル信号を検波する。こうして、元の情報を復元する。
【0008】
ところで、第3世代移動通信システムにおいては、様々な伝送速度の情報サービスおよびアプリケーションをユーザに提供するために、複数の拡散率(Spreading Factor ; SF)を必要に応じて選択的に使用することにより、ビットレートを変化できるようにしている。このことは、たとえば、第3世代移動通信の標準化機構である3GPP(3rd Generation Partnership Project)の標準化規格書"TS25.211 Ver.3.0.0(1997-0),p9 or p17"に開示されている。
【0009】
より詳述すれば、この規格書に開示された技術では、拡散率を2のべき乗値として複数設定している。拡散率とは、1周期の拡散符号のうち何チップを使って1シンボルを拡散したかを表すもので、チップレートをシンボルレートで割った値に相当する。一方、チップレートは伝送帯域幅を決定するものであるためむやみに変化させることは困難である。したがって、チップレートを一定とし拡散率を変化させると、シンボルレートが変化する。その結果、ビットレートが変化する。
【0010】
たとえば拡散率を相対的に小さな値にすると、1周期の拡散符号で拡散するシンボル数は相対的に多くなる。したがって、シンボルレートは相対的に速くなり、結果的にビットレートも速くなる。逆に、拡散率を相対的に大きな値にすると、1周期の拡散符号で拡散するシンボル数は相対的に少なくなる。したがって、シンボルレートは遅くなり、結果的にビットレートも遅くなる。
【0011】
そのため、たとえば、通常は拡散率の大きな参照符号を割り当てることとしておき、高速な情報サービス等が求められた場合に、その需要に応じて拡散率の小さな参照符号を割り当てるようにすることができる。こうすることにより、ユーザ数を確保しつつユーザへのサービス向上を図ることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、スペクトル拡散受信機を安価に製造するためには逆拡散器として能動相関器を用いることが望まれる。そこで、安価にスペクトル拡散復調装置を製造し、かつユーザへのサービス向上を図るため、能動相関器を用いたスペクトル拡散復調装置に対して上記規格書に開示された技術を適用することが考えられる。しかしながら、この場合、上記規格書に開示された技術は複数の拡散率を使用するから、スペクトル拡散復調装置の製造期間が長期化したり製造工程が複雑化したりする問題がある。
【0013】
より詳述すれば、上述のように、拡散率を変化させればシンボルレートが変化する。一方、能動相関処理は1スロットを1スロットに含まれるシンボル数で割ることで得られる時間ごとに行われるため、シンボルレートが変化すれば、能動相関処理の実行周期も変化させなければならなくなる。たとえば拡散率が16の場合には16チップの時間間隔で乗算処理および積分処理などを1スロット中に繰り返し実行するのに対して、拡散率が256の場合には256チップの時間間隔で乗算処理などを1スロット中に繰り返し実行しなければならなくなる。
【0014】
したがって、逆拡散処理を実行する間隔、すなわちパルスおよび制御信号の出力タイミングなどを拡散率に依存させなければならない。そのため、たとえば拡散率として8種類設定されていれば、逆拡散部90、パイロットシンボル選択部93、チャネル推定部94、処理遅延部95および複素乗算部96などの動作タイミングの設計および動作検証を8種類の拡散率ごとに行わなければならない。ゆえに、製造時間の長期化および製造工程の複雑化を招くことになる。
【0015】
そこで、この発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、能動相関処理を逆拡散処理として適用し、かつ複数の拡散率を変化できる場合に、製造時間の短縮を図ることができるスペクトル拡散復調装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためのこの発明は、予め設定された複数の拡散率のうちいずれかの拡散率の拡散符号に基づいて作成され、パイロットシンボルおよびデータシンボルを含むスペクトル拡散信号を復調するスペクトル拡散復調装置であって、複数のフィンガ部にそれぞれ備えられ、上記複数の拡散率のうち最短の拡散率に等しい長さ以下の長さを有する部分拡散率の参照符号に基づいて、上記スペクトル拡散信号に対して能動相関処理を施すことにより、1シンボル以下の長さの部分シンボルからなる部分シンボル信号を得る部分逆拡散部と、上記各フィンガ部から出力された部分シンボル信号を時分割多重化して出力するデータセレクタ部と、上記データセレクタ部から出力された各フィンガ部に対応する部分シンボル信号をそれぞれ時分割的に同期検波する上記各フィンガ部に対して共通のパイロット同期検波部と、このパイロット同期検波部による同期検波後の各フィンガ部に対応する部分シンボル信号をそれぞれ時分割的に積分することにより、各フィンガ部に対応するデータシンボルをそれぞれ復元するシンボル化積分部と、このシンボル化積分部にて復元される各フィンガ部に対応するデータシンボルをRAKE合成するRAKE合成部とを含むものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
実施形態1
図1は、この発明の実施形態1に係るスペクトル拡散復調装置が適用される移動通信システムの構成を示す概念図である。この移動通信システムは、いわゆる第3世代移動通信方式を適用するもので、通信アクセス方式としてCDMAを適用している。より詳述すれば、この移動通信システムは、基地局1および移動局2を有し、基地局1と移動局2との間でスペクトル拡散信号を無線通信することにより、移動通信を達成する。
【0019】
たとえば基地局1は、スペクトル拡散送信機3を備えている。スペクトル拡散送信機3は、通信データを狭帯域変調し、シンボル信号を作成する。具体的には、スペクトル拡散送信機3は、通信データ列にパイロットデータを挿入し、当該データをたとえばQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)で変調する。これにより、パイロットシンボルおよびデータシンボルからなるシンボル信号を得る。この場合の単位長は1シンボルである。また、スペクトル拡散送信機3は、このシンボル信号に対して拡散符号を乗じることによりスペクトル拡散信号を作成し、このスペクトル拡散信号を移動局2に対して送信する。
【0020】
また、移動局2は、スペクトル拡散受信機4を備えている。スペクトル拡散受信機4は、スペクトル拡散送信機3から送信されたスペクトル拡散信号を受信し、このスペクトル拡散信号を能動相関処理により逆拡散してシンボル信号を得るとともに、上記狭帯域変調とは逆の処理である狭帯域復調処理をシンボル信号に対して施し、元の通信データを得る。
【0021】
スペクトル拡散送信機3についてさらに詳述すれば、スペクトル拡散送信機3は、シンボル信号を拡散する場合、複数の拡散率SFの拡散符号に基づいてシンボル信号を拡散する。ここに、拡散率SFとは、1シンボルを何チップで拡散したかを表すもので、チップレートをシンボルレートで割った値に相当する。具体的には、拡散率SFは、2のべき乗値、すなわち2M(たとえばM=2、3、…、8)と表されるもので、4、8、16、…、256などの数値をとる。
【0022】
スペクトル拡散送信機3においては、この設定されている複数の拡散率SFを情報サービスおよびアプリケーションなどを提供するのに適した伝送速度に応じて使い分ける。より具体的には、相対的に低速の情報サービスなどを提供する場合、スペクトル拡散送信機3は、相対的に大きな拡散率SFで拡散信号を使用し、シンボルデータを拡散する。その結果、相対的に低速のシンボルレート、すなわち相対的に低速のビットレートのスペクトル拡散信号を得ることができる。一方、相対的に高速の情報サービスなどを提供する場合、スペクトル拡散送信機3は、相対的に小さな拡散率SFで拡散信号を使用し、シンボルデータを拡散する。その結果、相対的に高速のシンボルレート、すなわち相対的に高速のビットレートのスペクトル拡散信号を得ることができる。
【0023】
図2は、拡散率SFの違いによるシンボルレートの違いを説明するための図である。図2(a)ないし(e)は、それぞれ、拡散率SFを256、128、64、32および16に設定した場合の1スロットに含まれるシンボル数を示している。たとえば図2(a)に示すように拡散率SFを256とした場合に1スロットに含まれるシンボル数が10であるとするとき、拡散率SFをその半分の128に変化させると、図2(b)に示すようにシンボル数はその倍の20となる。また、拡散率SFを64、32および16と変化させると、図2(c)ないし(e)にそれぞれ示すように、シンボル数は40、80および160となる。すなわち、拡散率SFを小さくするほどシンボルレートは速くなる。
【0024】
図3は、スペクトル拡散受信機4の内部構成を示すブロック図である。スペクトル拡散受信機4は、受信部10を備えている。受信部10は、基地局1のスペクトル拡散送信機3から送信されてきたスペクトル拡散信号を受信し、当該スペクトル拡散信号をアナログ信号処理部11に与える。アナログ信号処理部11は、スペクトル拡散信号を搬送波帯域からベースバンド帯域に変換することにより、アナログベースバンド信号を作成する。アナログベースバンド信号は、A/D変換部12に与えられる。A/D変換部12は、アナログベースバンド信号をディジタルベースバンド信号に変換し、当該ディジタルベースバンド信号をスペクトル拡散復調部13に与える。
【0025】
スペクトル拡散復調部13は、ディジタルベースバンド信号を復調することにより元のデータシンボルを復元するものである。より具体的には、スペクトル拡散復調部13は、部分逆拡散部14を備えている。部分逆拡散部14は、ディジタルベースバンド信号を能動相関処理により部分逆拡散する。より具体的には、部分逆拡散処理14は、参照符号発生部15から発生される参照符号を使用してディジタルベースバンド信号を部分拡散率PSFに相当する時間ごとに部分逆拡散する。ここに、部分逆拡散とは、固定値である部分拡散率PSFの参照符号によりディジタルベースバンド信号を逆拡散する処理である。この実施形態1では、部分拡散率PSFは、スペクトル拡散送信機3おいて設定されている複数の拡散率SFのうち最短の拡散率SFに等しい長さを有し、2P(PはMよりも小さな自然数)と表される。これにより、送信時における1シンボルを1または複数に分割した部分シンボルからなる部分シンボル信号を得る。すなわち、部分シンボルは、1シンボル以下の長さを有している。部分シンボル信号は、パイロット同期検波部16に与えられる。
【0026】
なお、部分逆拡散部14は、ハードウエアまたはDSPなどによるソフトウエア処理により実現することができ、この場合、複数の拡散率SFに対応したソフトウエア移動局に適用することができるという効果がある。
【0027】
パイロット同期検波部16は、部分シンボル信号中のパイロットシンボルに基づいて同期検波することにより部分シンボル信号の狭帯域変調を解くものである。より詳述すれば、パイロット同期検波部16は、パイロットシンボル化積分部17、チャネル推定部18、処理遅延部19および複素乗算部20を備えている。部分シンボル信号は、パイロットシンボル化積分部17および処理遅延部19に与えられる。
【0028】
パイロットシンボル化積分部17は、部分シンボル信号に含まれているパイロットシンボルを復元するものである。より具体的には、パイロットシンボル化積分部17は、部分逆拡散部14から与えられる部分シンボル信号からパイロットシンボルに相当する個所を抽出する。その後、パイロットシンボル化積分部17は、この抽出されたパイロットシンボルに相当する個所を所定の複数回にわたって積分することにより、元の1シンボル長のパイロットシンボルを復元する。パイロットシンボル化積分部17は、復元された元のパイロットシンボルをチャネル推定部18に与える。
【0029】
チャネル推定部18は、復元されたパイロットシンボルの位相に基づいてチャネル推定を実行する。具体的には、チャネル推定部18は、パイロットシンボルの位相に基づいて基準位相を抽出し、この基準位相を複素乗算部20に与える。
【0030】
処理遅延部19は、部分逆拡散部14から与えられる部分シンボル信号を所定時間にわたって遅延させる。上記所定時間は、パイロットシンボルを復元し基準位相を抽出するのに要する時間に等しい時間に設定されている。処理遅延部19は、遅延させた部分シンボル信号を複素乗算部20に与える。
【0031】
複素乗算部20は、基準位相に基づいて部分シンボル信号を同期検波する。より具体的には、複素乗算部20は、部分シンボル信号から基準位相成分を除去することにより、部分シンボル信号を狭帯域復調する。これにより、変調が解かれた部分シンボル信号を得ることができる。復調後の部分シンボル信号は、パイロット同期検波部16の出力としてシンボル化積分部21に与えられる。
【0032】
シンボル化積分部21は、復調後の部分シンボル信号から元の1シンボル長のデータシンボルを復元する。上述のように、部分シンボル信号は、1シンボル長以下の長さの部分シンボルからなる信号である。したがって、シンボル化積分部21は、部分シンボル信号を1シンボルになるまで繰り返し積分することにより、元の1シンボル長のデータシンボルを復元する。
【0033】
図4は、部分シンボル信号の作成から元のデータシンボルの復元までの処理をより詳しく説明するための概念図である。上述のように、部分シンボル信号は、送信側において設定された複数の拡散率SFのうち最短の拡散率SFに等しい長さの部分拡散率PSFの参照符号を使用することにより作成される。すなわち、部分逆拡散部14は、ディジタルベースバンド信号と参照符号とを乗算し、その乗算結果を部分拡散率PSFである2Pチップに相当する時間にわたって積分した後放電する。
【0034】
その結果、2Mチップの拡散率SFの拡散符号で拡散された1シンボルを、2Pチップの部分拡散率PSFの参照符号で逆拡散した部分シンボルを得ることができる。言い換えれば、送信側において使用された拡散率SFと逆拡散率PSFとの比をRとすると、部分シンボル信号に含まれる部分シンボル長は、1シンボルの1/Rとなる。
【0035】
このように、1シンボルの1/Rの部分シンボルからなる部分シンボル信号はパイロット同期検波部16のパイロットシンボル化積分部17に与えられる。パイロットシンボル化積分部17は、部分シンボル信号からパイロットシンボルを抽出する。この場合、部分シンボルを1シンボル長に戻す必要がある。そこで、パイロットシンボル化積分部17は、部分シンボル信号に含まれるパイロットシンボルに相当する個所をR回にわたって積分する。こうすることにより、1シンボル長のパイロットシンボルを復元することができる。
【0036】
また、1シンボル長の1/Rの部分シンボルからなる部分シンボル信号は、同期検波を経た後、シンボル化積分部21に与えられる。この場合においても、部分シンボルを1シンボルに戻す必要があるから、シンボル化積分部21は、部分シンボル信号をR回にわたって積分する。こうすることにより、1シンボル長のデータシンボルを復元することができる。
【0037】
以上のようにこの実施形態1によれば、部分逆拡散部14は、複数の拡散率SFのうち最短の拡散率SFに相当する部分拡散率PSFで逆拡散を行えればよいので、その動作タイミングの設計および動作検証は1種類の部分拡散率PSFに基づくだけで済む。また、チャネル推定部18、処理遅延部19および複素乗算部20においても部分拡散率PSFに対する動作タイミングの設計等を行うだけで済む。複数の拡散率SFのすべてについて動作タイミングの設計等を行わなければならないのは、パイロットシンボル化積分部17およびシンボル化積分部21のみである。
【0038】
したがって、複数の拡散率SFのすべてにおいて各部すべてで動作タイミングの設計等を行わなければならなかった従来技術に比べて、動作タイミングの設計等の手間を大幅に軽減することができる。具体的には、動作タイミングの設計等の手間は大まかに言って半分程度で済む。そのため、スペクトル拡散復調部13の製造時間を大幅に短縮でき、また製造工程を大幅に簡素化することができる。ゆえに、スペクトル拡散復調部13の製造コストを低減できる。
【0039】
また、複数のスペクトル拡散復調部13を製造する場合であって、互いに異なる固定値としての拡散率SFの拡散符号に基づいて作成されたスペクトル拡散信号を復調する場合であっても、その複数の拡散率SFのうち最短の拡散率SFに等しい長さの部分拡散率PSFで逆拡散を実行するスペクトル拡散復調部13を製造することにより、これら複数のスペクトル拡散復調部13の製造時間を短縮することができる。
【0040】
より詳述すれば、たとえば高速データ通信用復調装置および音声専用復調装置の2種類の復調装置を製造する場合を考える。音声専用復調装置は、相対的に大きな拡散率SF、たとえば128の拡散符号に基づいて作成されたスペクトル拡散信号を復調するものとする。また、高速データ通信用復調装置は、相対的に小さな拡散率SF、たとえば32の拡散符号に基づいて作成されたスペクトル拡散信号を復調するものとする。この場合、128および32の2種類の拡散率SFが予め設定されていることになる。また、この場合の拡散率SFは2のべき乗値で表現され、相対的に小さな拡散率SFは相対的に大きな拡散率SFの2のべき乗分の1の長さとなっている。
【0041】
以上の場合において、部分拡散率PSFとして上記2種類の拡散率SFのうち最短の32の参照符号を使用して逆拡散処理を実行するスペクトル拡散復調部13を製造する。より具体的には、高速データ通信用復調装置に適用されるスペクトル拡散復調部13として、部分拡散率PSFとして32の参照符号で逆拡散処理を実行する部分逆拡散部14を備え、また、R=32/32=1の回数で積分処理を実行するパイロットシンボル化積分部17およびシンボル化積分部21を備えるものを製造する。また、音声専用復調装置に適用されるスペクトル拡散復調部13として、部分拡散率PSFとして32の参照符号で逆拡散処理を実行する部分逆拡散部14を備え、また、R=128/32=4の回数で積分処理を実行するパイロットシンボル化積分部17およびシンボル化積分部21を備えるものを製造する。
【0042】
こうすることにより、パイロットシンボル化積分部17およびシンボル化積分部21以外の部分の動作タイミングの設計および動作検証は、32という1種類の部分拡散率PSFに基づいて行うだけで済む。すなわち、高速データ通信用復調装置および音声専用復調装置の動作タイミングの設計等をある程度共通化できる。そのため、動作タイミングの設計等に要する手間を大幅に軽減できる。よって、これら複数の復調装置を製造する時間を全体として短縮することができ、また製造工程を大幅に簡単にすることができる。
【0043】
なお、上記説明では、部分拡散率PSFの長さとして複数の拡散率SFのうち最短の拡散率SFに等しい長さを設定している。しかし、たとえば、部分拡散率PSFの長さとしては、複数の拡散率SFのうち最短の拡散率SFの長さよりも短い長さを設定してもよい。より具体的には、部分拡散率PSFの長さとしては、たとえば、最短の拡散率SFの半分というように最短の拡散率SFの整数分の1の長さに設定する。こうすることによっても、上記説明と同様に、動作タイミングの設計等に要する手間を軽減できることにかわりはない。
【0044】
実施形態2
図5は、この発明の実施形態2に係るスペクトル拡散復調部13の構成を示すブロック図である。図5においては、図2と同じ機能部分については同一の参照符号を使用する。
【0045】
上記実施形態1では、パイロットデータをデータ列に時間多重して挿入する場合を例にとって説明している。これに対して、この実施形態2では、パイロットデータをデータ列とは異なるチャネルを使って伝送する場合を例にとっている。
【0046】
より詳述すれば、この実施形態2においては、スペクトル拡散送信機3は、パイロットシンボルを第1拡散符号で拡散するとともに、データシンボルを第1拡散符号とは異なる第2拡散符号で拡散し、上記パイロットシンボルをデータシンボルに符号多重することによりスペクトル拡散信号を作成する。このように、この実施形態2においては、パイロットシンボルをデータシンボルとは異なる拡散符号で拡散するから、受信側においてはパイロットシンボルとデータシンボルとを別個に逆拡散する必要がある。
【0047】
そのため、この実施形態2に係るスペクトル拡散受信機4は、パイロットシンボルを抽出するための構成としてパイロット同期検波部16から独立して設けられたパイロットチャネル逆拡散部25を備えている。パイロットチャネル逆拡散部25には、部分逆拡散部14と並列に、ディジタルベースバンド信号が与えられるようになっている。
【0048】
また、このスペクトル拡散受信機4に設けられた参照符号発生部15は、第1拡散符号と同じチップ列である第1参照符号および第2拡散符号と同じチップ列である第2参照符号を発生する。参照符号発生部15は、第1参照符号をパイロットチャネル逆拡散部25に与えるとともに、第2参照符号を部分逆拡散部14に与える。
【0049】
パイロットチャネル逆拡散部25は、ディジタルベースバンド信号に第1拡散符号を乗じることによりパイロットシンボルを復元する。この場合、ディジタルベースバンド信号は1シンボル長のパイロットシンボルを含むものである。したがって、実施形態1と異なりR回にわたる積分を行うことなく単に逆拡散を行うだけで、1シンボル長のパイロットシンボルを復元することができる。パイロットチャネル逆拡散部25は、復元されたパイロットシンボルをパイロット同期検波部16のチャネル推定部18に直接入力する。
【0050】
以上のようにこの実施形態2によれば、パイロットシンボルを符号多重によりスペクトル拡散信号に挿入する場合であっても、実施形態1と同様にスペクトル拡散復調部13のほとんどにおいて1種類の部分拡散率PSFについての動作タイミングの設計および動作検証を行うだけで済むので、動作タイミングの設計等に要する手間を大幅に軽減できる。
【0051】
実施形態3
図6は、この発明の実施形態3に係るスペクトル拡散復調部13の構成を示すブロック図である。図6において、図2と同じ機能部分については同一の参照符号を使用する。
【0052】
この実施形態3に係るスペクトル拡散復調部13は、上記実施形態1に係るスペクトル拡散復調部の構成をRAKE受信に適用したものである。より詳述すれば、このスペクトル拡散復調部13は、複数のフィンガ部30を備えている。各フィンガ部30は、参照符号発生部15から与えられる参照符号に基づいて、異なる伝播経路を通って伝播してきたスペクトル拡散信号をそれぞれ別個に逆拡散するものである。
【0053】
さらに詳述すれば、フィンガ部30は、それぞれ、部分逆拡散部14、パイロット同期検波部16およびシンボル化積分部21を備え、さらに、第1遅延部31および第2遅延部32を備えている。第1遅延部31は、伝播遅延時間に応じた時間にわたって参照符号を遅延させ、当該参照符号を部分逆拡散部14に入力するものである。第2遅延部32は、シンボル化積分部21から出力されたデータシンボルを第1遅延部31と同じ時間にわたって遅延させるものである。
【0054】
この構成において、参照符号発生部15にて発生された参照符号は、各フィンガ部30の第1遅延部31において遅延された後、部分逆拡散部14に与えられる。これにより、部分逆拡散部14は、伝播遅延時間に応じたタイミングでディジタルベースバンド信号を逆拡散することになる。
【0055】
逆拡散後に得られる部分シンボル信号は、パイロット同期検波部16において同期検波された後シンボル化積分部21において積分され、元のデータシンボルとなる。このデータシンボルは、第2遅延部32において遅延される。この遅延時間は、第1遅延部31における遅延時間と同じである。したがって、各フィンガ部30から出力されるデータシンボルは、互いにタイミングが合わされることになる。各フィンガ部30は、データシンボルをそれぞれRAKE合成部33に与える。
【0056】
RAKE合成部33は、各フィンガ部30に対応するデータシンボルをRAKE合成する。これにより、マルチパスフェージングの影響を除去したデータシンボルを得ることができる。
【0057】
以上にようにこの実施形態3によれば、RAKE受信を行うスペクトル拡散復調部13においても、実施形態1と同様にスペクトル拡散復調部13のほとんどにおいて1種類の部分拡散率PSFについての動作タイミングの設計および動作検証を行うだけで済むので、動作タイミングの設計等の手間を大幅に軽減することができる。
【0058】
なお、この実施形態3の構成に対して上記実施形態2の構成を組み合わせてもよい。図7は、実施形態3の構成に対して実施形態2の構成を組み合わせた場合のスペクトル拡散復調部13の構成を示すブロック図である。このスペクトル拡散復調部13は、パイロットシンボルを抽出する構成としてパイロット同期検波部16から独立して設けられたパイロットチャネル逆拡散部25を備えている。これに関連して、各フィンガ部30は、パイロットチャネル逆拡散部25に対して遅延させた参照符号を与えるための第3遅延部35を備えている。この第3遅延部35における遅延時間は、各フィンガ部30の第1遅延部31と同じ遅延時間である。
【0059】
この構成によれば、パイロットシンボルを符号多重して送信する場合であって、かつRAKE受信をする場合であっても、結局、スペクトル拡散復調部13のほとんどにおいて1種類の部分拡散率PSFについての動作タイミングの設計および動作検証を行うだけで済むので、動作タイミングの設計等の手間を大幅に軽減することができる。
【0060】
実施形態4
図8は、この発明の実施形態4に係るスペクトル拡散復調部13の構成を示すブロック図である。図8において、図6と同じ機能部分については同一の参照符号を使用する。
【0061】
上記実施形態3では、各フィンガ部30の動作タイミングをそれぞれ独立に設定している。これに対して、この実施形態4では、各フィンガ部30の動作タイミングを共通化している。
【0062】
より詳述すれば、このスペクトル拡散復調部13は、タップ付き遅延部40を備えている。タップ付き遅延部40は、A/D変換部12から出力されたディジタルベースバンド信号を伝播遅延時間に応じた時間にわたって遅延させたうえで所定のタップ位置から取り出すもので、ディジタルベースバンド信号を同じタイミングで各フィンガ部30に与える。これにより、各フィンガ部30においては、共通のタイミングで処理を実行することができる。
【0063】
以上のようにこの実施形態4によれば、フィンガ部30の動作タイミングを共通化している。実施形態3のようにフィンガ部30の動作タイミングをそれぞれ独立させると、各フィンガ部30を異なるテストパターンなどにより動作タイミングの設計および動作検証をする必要がある。しかし、この実施形態4のようにフィンガ部30の動作タイミングを共通化すると、各フィンガ部30を共通のテストパターンなどにより動作タイミングを設計したり動作検証をしたりするだけで済む。そのため、動作タイミングの設計等に要する手間を軽減できる。ゆえに、製造時間を短縮できるとともに、製造工程を簡単にすることができる。
【0064】
なお、この実施形態4の構成に対して上記実施形態2の構成を組み合わせてもよい。図9は、実施形態4の構成に対して実施形態2の構成を組み合わせた場合のスペクトル拡散復調部13の構成を示すブロック図である。このスペクトル拡散復調部13は、タップ付き遅延部40を備え、かつ、パイロットシンボルを抽出する構成としてパイロット同期検波部16から独立した設けられたパイロットチャネル逆拡散部25を備えている。これに関連して、タップ付き遅延部40から出力されるディジタルベースバンド信号は、各フィンガ部30内のパイロットチャネル逆拡散部25と部分逆拡散部14とに与えられるようになっている。一方、参照符号発生部15からは、各フィンガ部30のパイロットチャネル逆拡散部25に対して第1参照符号を与えるとともに、各フィンガ部30の部分逆拡散部14に対して第2参照符号を与える。
【0065】
この構成によれば、パイロットシンボルが符号多重により挿入されているスペクトル拡散信号をRAKE受信する場合であっても、各フィンガ部30の動作タイミングを共通化できるから、各フィンガ部30の動作タイミングを独立させる場合に比べて、動作タイミングの設計および動作検証に要する手間を一層大幅に軽減することができる。
【0066】
実施形態5
図10は、この発明の実施形態5に係るスペクトル拡散復調部13の構成を示すブロック図である。図10において、図6と同じ機能部分については同一の参照符号を使用する。
【0067】
上記実施形態3では、パイロット同期検波部16を各フィンガ部30ごとに設けている。これに対して、この実施形態5では、パイロット同期検波部16を各フィンガ部30に対して共通のものとし、このパイロット同期検波部16を各フィンガ部30ごとに時分割で使用するようにしている。
【0068】
より詳述すれば、このスペクトル拡散復調部13は、複数のフィンガ部30と、1つのデータセレクタ部45と、1つのパイロット同期検波部16を備えている。フィンガ部30は、第1遅延部31、部分逆拡散部14および第2遅延部32を備えている。第1遅延部31は、実施形態3と同様に、参照符号を伝播遅延時間に応じた時間だけ遅延させる。また、第2遅延部32は、部分逆拡散部14から出力された部分シンボル信号を第1遅延部31における遅延時間と同じ時間だけ遅延させる。この場合、第2遅延部32の段数は、第1遅延部31に比べてR倍となっている。これは、部分逆拡散部14では1シンボルがR個に分割されているためである。以上の構成により、各フィンガ部30からはタイミングを合わせた部分シンボル信号が出力されることになる。
【0069】
各フィンガ部30から出力された部分シンボル信号は、データセレクタ部45に与えられる。データセレクタ部45は、各部分シンボル信号を時分割多重化し、パイロット同期検波部16に与える。パイロット同期検波部16は、同期検波処理を各フィンガ部30に対応する部分シンボル信号に対して時分割で実行し、その結果である復調後の部分シンボル信号をシンボル化積分部21に順次与える。
【0070】
シンボル化積分部21は、部分シンボル信号をR回積分していく処理を時分割で実行する。こうすることにより、各フィンガ部30に対応するデータシンボルをそれぞれ得ることができる。各データシンボルは、RAKE合成部46に与えられ、RAKE合成される。こうして、元のデータシンボルが復元される。
【0071】
以上のようにこの実施形態5によれば、パイロット同期検波部16は1つで済むから、回路規模を削減できる。したがって、パイロット同期検波部16の動作検証としては1回で済む。そのため、複数のフィンガ部30ごとに各パイロット同期検波部16の動作タイミングの設計および動作検証を行わなければならない場合に比べて、動作タイミングの設計等に要する手間をより一層軽減することができる。ゆえに、製造時間をより一層大幅に短縮でき、また製造工程をより一層大幅に簡単にすることができる。
【0072】
なお、この実施形態5の構成に対して上記実施形態2の構成を組み合わせてもよい。図11は、実施形態5の構成に対して実施形態2の構成を組み合わせた場合のスペクトル拡散復調部13の構成を示すブロック図である。このスペクトル拡散復調部13は、1つパイロット同期検波部16を備え、かつ、各フィンガ部30内にパイロットチャネル逆拡散部25を備えている。また、各フィンガ部30は、パイロットチャネル逆拡散部25に与えるべき第1参照符号を遅延させる第3遅延部35を備えている。さらに、各フィンガ部30は、パイロットチャネル逆拡散部25から出力されるパイロットシンボルを遅延させる第4遅延部50を備えている。これにより、パイロットチャネル逆拡散部25は、伝播遅延時間にかかわらずにパイロットシンボルを確実に復元でき、かつこの復元されたパイロットシンボルをフィンガ部30からタイミングを合わせて出力することができる。
【0073】
さらにまた、このスペクトル拡散復調部13は、パイロットセレクタ部51を備えている。パイロットセレクタ部51は、各フィンガ部30から出力されたパイロットシンボルをパイロット同期検波部16内のチャネル推定部18に与える。より具体的には、パイロットセレクタ部51は、パイロット同期検波部16を時分割で使用するために、パイロットシンボルを時分割多重化してチャネル推定部18に与える。
【0074】
この構成によれば、パイロットシンボルが符号多重により挿入されているスペクトル拡散信号をRAKE受信する場合であっても、パイロット同期検波部16を複数のフィンガ部30に対して共通化している。したがって、上述の説明と同様に、パイロット同期検波部16の動作タイミングの設計および動作検証は1つの逆拡散動作についてのみで済むから、動作タイミングの設計等に要する手間をより一層軽減することができる。
【0075】
実施形態6
図12は、この発明の実施形態6に係るスペクトル拡散復調部13の構成を示すブロック図である。図12において、図8および図10と同じ機能部分については同一の参照符号を使用する。
【0076】
上記実施形態5では、各フィンガ部30はそれぞれ独立したタイミングで動作している。これに対して、この実施形態6では、各フィンガ部30の動作タイミングを共通化している。すなわち、この実施形態6に係るスペクトル拡散復調部13は、上記実施形態5におけるパイロット同期検波部16の共通化構成と実施形態4におけるフィンガ部30の動作タイミングの共通化構成とを組み合わせた構成となっている。
【0077】
より詳述すれば、このスペクトル拡散復調部13は、実施形態4と同様に、各フィンガ部30に対して同じタイミングでディジタルベースバンド信号を与えるタップ付き遅延部40を備えている。また、フィンガ部30の出力はデータセレクタ部45に与えられ、このデータセレクタ部45から部分シンボル信号が時分割で1つのパイロット同期検波部16に与えられる。パイロット同期検波部16は、各フィンガ部30ごとに部分シンボル信号の同期検波処理を施し、シンボル化積分部21に出力する。シンボル化積分部21は、各フィンガ部30に対応する部分シンボル信号を積分し、各フィンガ部30に対応するデータシンボルを復元する。その後、RAKE合成部46において各フィンガ部30ごとのデータシンボルをRAKE合成する。こうして、最終的なデータシンボルを得ることができる。
【0078】
以上のようにこの実施形態6によれば、パイロット同期検波部16を複数のフィンガ部30に対して共通化するとともに、フィンガ部30の動作タイミングを共通化しているから、実施形態4および5に比べて、動作タイミングの設計および動作検証に要する手間をより一層軽減することができる。
【0079】
なお、この実施形態6の構成に対して上記実施形態2の構成を組み合わせてもよい。図13は、実施形態6の構成に対して実施形態2の構成を組み合わせた場合のスペクトル拡散復調部13の構成を示すブロック図である。このスペクトル拡散復調部13は、パイロット同期検波部16を複数のフィンガ部30に対して共通化し、タップ付き遅延部40を備え、さらに、パイロットシンボルを抽出する構成としてパイロット同期検波部16から各フィンガ部30内に独立させたパイロットチャネル逆拡散部25を備えている。
【0080】
この構成によれば、パイロットシンボルを符号多重によりスペクトル拡散信号に挿入している場合であっても、各フィンガ部30の動作タイミングを共通化でき、かつパイロット同期検波部16を複数のフィンガ部30に対して共通化できるので、動作タイミングの設計および動作検証に要する手間を軽減することができる。
【0081】
他の実施形態
この発明の実施の形態の説明は以上のとおりであるが、この発明は上述の実施形態に限定されるものではない。たとえば上記実施形態では、スペクトル拡散受信機4を移動局2に設ける場合を例にとっているが、スペクトル拡散受信機4を基地局1に設けるようにしてもよいことはもちろんである。
【0082】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、複数の拡散率が予め設定され、かつ能動相関処理を実行するスペクトル拡散復調装置において、上記複数の拡散率のうち最短の拡散率の長さ以下の長さを有する部分拡散率の参照符号に基づいて能動相関処理を実行して部分シンボル信号を作成し、パイロット同期検波を行った後、部分シンボル信号を積分することにより、元のデータシンボルを復元している。
【0083】
したがって、使用する拡散率に依存するのは、パイロット同期検波のときのパイロットシンボルの抽出および部分シンボル信号の積分だけである。そのため、すべての部分において複数の拡散率に応じて動作タイミングを設計したり動作検証をしたりする場合に比べて、動作タイミングの設計等に要する手間を軽減することができる。ゆえに、スペクトル拡散復調装置の製造時間を短縮でき、またその製造工程を簡単にすることができる。
【0084】
また、上記部分逆拡散部、パイロット同期検波部およびシンボル化積分部を複数のフィンガ部にそれぞれ備える場合、すなわちRAKE受信をする場合、動作検証にかかる時間はフィンガ部の数に反比例して減少する。そのため、動作タイミングの設計および動作検証に要する手間を一層軽減でき、製造時間の簡素化を一層図ることができる。
【0085】
さらにまた、伝播遅延時間に応じたタイミングでフィンガ部にスペクトル拡散信号を入力させる場合には、各フィンガ部を独立したタイミングで動作させる必要がないので、各フィンガ部の動作タイミングの設計および動作検証を同一の動作タイミングチャートにより行うことができる。そのため、動作タイミングの設計等に要する手間をより一層軽減することができる。
【0086】
さらに、パイロットシンボルをデータシンボルと異なる拡散符号で拡散する場合であっても、使用する拡散率に依存するのはパイロット同期検波のときのパイロットシンボルの抽出および部分シンボル信号の積分だけであるから、動作タイミングの設計および動作検証に要する手間の軽減を図ることができる。
【0087】
さらにまた、パイロット同期検波部を複数のフィンガ部に対して共通化する場合には、パイロット同期検波部としての動作検証を各フィンガ部ごとに行う必要がないので、全体としての動作タイミングの設計および動作検証に要する手間をより一層軽減できる。ゆえに、製造時間の短縮および製造工程の簡素化をより一層図ることができる。
【0088】
さらに、この場合において伝播遅延時間に応じたタイミングでフィンガ部にスペクトル拡散信号を入力させる場合には、各フィンガ部の動作タイミングの設計および動作検証を同一の動作タイミングチャートにより行うことができるので、動作タイミングの設計等に要する手間をさらに軽減することができる。
【0089】
さらにまた、パイロットシンボルをデータシンボルと異なる拡散符号で拡散する場合であっても、上述と同様に、動作タイミングの設計および動作検証に要する手間の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態1に係るスペクトル拡散復調装置が適用された移動通信システムの構成を示す概念図である。
【図2】 拡散率の違いによるシンボル数の違いを説明するための図である。
【図3】 実施形態1に係るスペクトル拡散受信機の構成を示すブロック図である。
【図4】 部分シンボル化およびシンボル復元化を説明するための図である。
【図5】 この発明の実施形態2に係るスペクトル拡散復調部の構成を示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施形態3に係るスペクトル拡散復調部の構成を示すブロック図である。
【図7】 実施形態3に係るスペクトル拡散復調部においてデータシンボルおよびパイロットシンボルが符号多重されたスペクトル拡散信号を復調する場合の構成を示すブロック図である。
【図8】 この発明の実施形態4に係るスペクトル拡散復調部の構成を示すブロック図である。
【図9】 実施形態4に係るスペクトル拡散復調部においてデータシンボルおよびパイロットシンボルが符号多重されたスペクトル拡散信号を復調する場合の構成を示すブロック図である。
【図10】 この発明の実施形態5に係るスペクトル拡散復調部の構成を示すブロック図である。
【図11】 実施形態5に係るスペクトル拡散復調部においてデータシンボルおよびパイロットシンボルが符号多重されたスペクトル拡散信号を復調する場合の構成を示すブロック図である。
【図12】 この発明の実施形態6に係るスペクトル拡散復調部の構成を示すブロック図である。
【図13】 実施形態6に係るスペクトル拡散復調部においてデータシンボルおよびパイロットシンボルが符号多重されたスペクトル拡散信号を復調する場合の構成を示すブロック図である。
【図14】 従来のスペクトル拡散復調装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
13 スペクトル拡散復調部、14 部分逆拡散部、16 パイロット同期検波部、17 パイロットシンボル化積分部、21 シンボル化積分部、25 パイロットチャネル逆拡散部、30 フィンガ部、33 RAKE合成部、40 タップ付き遅延部、45 データセレクタ部、46 RAKE合成部、51 パイロットセレクタ部。

Claims (4)

  1. 予め設定された複数の拡散率のうちいずれかの拡散率の拡散符号に基づいて作成され、パイロットシンボルおよびデータシンボルを含むスペクトル拡散信号を復調するスペクトル拡散復調装置であって、
    複数のフィンガ部にそれぞれ備えられ、上記複数の拡散率のうち最短の拡散率の長さ以下の長さを有する部分拡散率の参照符号に基づいて、上記スペクトル拡散信号に対して能動相関処理を施すことにより、1シンボル以下の長さの部分シンボルからなる部分シンボル信号を得る部分逆拡散部と、
    上記各フィンガ部から出力された部分シンボル信号を時分割多重化して出力するデータセレクタ部と、
    上記データセレクタ部から出力された各フィンガ部に対応する部分シンボル信号をそれぞれ時分割的に同期検波する上記各フィンガ部に対して共通のパイロット同期検波部と、
    このパイロット同期検波部による同期検波後の各フィンガ部に対応する部分シンボル信号をそれぞれ時分割的に積分することにより、各フィンガ部に対応するデータシンボルをそれぞれ復元するシンボル化積分部と、
    このシンボル化積分部にて復元される各フィンガ部に対応するデータシンボルをRAKE合成するRAKE合成部と
    を含むことを特徴とするスペクトル拡散復調装置。
  2. 請求項1において、シンボル化積分部は、上記同期検波後の部分シンボル信号を上記拡散信号の拡散率と部分拡散率との比に相当する回数にわたって積分することにより、上記データシンボルを復元するものであることを特徴とするスペクトル拡散復調装置。
  3. 請求項1または2において、さらに、スペクトル拡散信号をその伝播遅延時間に応じたタイミングで上記各フィンガ部にそれぞれ出力する遅延部を含むことを特徴とするスペクトル拡散復調装置。
  4. 請求項1乃至のいずれかにおいて、各フィンガ部は、データシンボルと異なる拡散符号で拡散されたパイロットシンボルを上記スペクトル拡散信号から抽出するパイロットシンボル逆拡散部をさらに有するものであり、
    各フィンガ部のパイロットシンボル逆拡散部により抽出されたパイロットシンボルを時分割的に出力するパイロットセレクタ部をさらに含み、
    上記パイロット同期検波部は、上記パイロットセレクタ部から時分割的に出力された各フィンガ部に対応するパイロットシンボルに基づいて、各フィンガ部に対応する部分シンボル信号を同期検波するものであることを特徴とするスペクトル拡散復調装置。
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