JP4032551B2 - 波長多重伝送システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光増幅器を有し、多波長信号光を伝送する波長多重伝送システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、高度情報化社会の到来による社会的ニーズから、光ファイバ伝送路網を利用した画像通信などの大容量高速通信や、国際通信などの長距離通信に関する研究開発が盛んに行われている。ここで、波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)伝送システムは、光ファイバ線路に多波長の信号光(波長の異なる複数の信号光)を伝送させることにより高速・大容量の光通信を行うものであって、近年のインターネット等による通信需要の急増などに対応するものとして開発と導入が進められている。
【0003】
このような波長多重伝送システムにおいては、長距離にわたる多波長信号光の伝送の際に受ける伝送損失を補うため、Er(エルビウム)添加ファイバ増幅器(EDFA:Erbium-Doped Fiber Amplifier)などの光増幅器が用いられる。光増幅器とは、上記したErやPr、Ndなどの希土類元素が添加された石英系の光導波路(例えばEr添加光ファイバ、EDF:Erbium-Doped Fiber)に所定波長の励起光を供給し、この光導波路に入力した信号光を光増幅して、その光増幅された信号光を出力するものである。また、半導体光増幅器なども光増幅器として用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した光増幅器を備えた波長多重伝送システムにおいては、多波長信号光の信号光数が信号光の追加または除外等によって変動し切り替えられると、その切替時において追加または除外の後に光ファイバ線路上にある信号光に対して、信号光のチャネル相互間での影響(チャネル間干渉)により光増幅器での利得が過渡的に変動してしまうという問題を生じる。この信号光数切替は、その切替速度としてナノ秒(ns)オーダーが要求される場合があり、このようなとき特に上記した過渡的利得変動が問題となる。
【0005】
図8に、自動利得制御(AGC:Automatic Gain Control)されたEDFAにおける過渡的利得変動の発生を模式的に示す。AGC制御EDFAにおいては定常状態では各信号光の利得は一定であるが、信号光数の切替時に上記した利得変動を生じる。図8(a)は、信号光の除外・分岐によって信号光数が減少した場合の残留信号光利得変動であり、信号光数減少時にその利得が定常利得G0からΔG+だけ一時的に増加している。また、図8(b)は、信号光の追加・挿入によって信号光数が増加した場合の既存信号光利得変動であり、信号光数増加時にその利得が定常利得G0からΔG-だけ一時的に減少している。このような過渡的利得変動は、伝送システムにおける信号光の伝送特性劣化の原因となる。
【0006】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、信号光数切替時に光増幅器で生じる過渡的利得変動を低減させる信号光数切替制御が行われる波長多重伝送システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、このような目的を達成するため鋭意研究を行った結果、多波長信号光への各信号光の追加・挿入または除外・分岐時において光増幅器で発生する過渡的利得変動が、従来そのような信号光数切替において考慮されていなかった信号光の波長に大きく依存することを見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明による波長多重伝送システムは、光増幅器を備え、波長の異なる複数の信号光から所定の波長帯域に含まれる信号光を分岐して信号光数を減少させるときに、所定の波長帯域の除外可能な信号光のうち短波長側の信号光から順に分岐して除外するように構成されたことを特徴とする。
【0009】
送信される多波長信号光から信号光を除外して伝送される信号光数が減少した場合、その減少時に光増幅器において過渡的利得増加を生じる。これに対して、短波長側の信号光から優先的に除外するように信号光数切替が制御される構成とすることによって、切替時の過渡的利得増加を低減して、伝送特性の劣化を抑制することができる。このような信号光数切替方法は、特に、その切替速度としてナノ秒(ns)オーダーが要求されるときに好適である。
【0010】
ここで、光増幅器としては、例えばEr、Pr、Ndなどの希土類元素添加光ファイバを用いた光増幅器や、半導体光増幅器などが挙げられる。また、所定の信号光波長帯域としては、例えば1.55μm帯(パスバンド1530〜1565nm)、1.58μm帯(パスバンド1570〜1605nm)、1.3μm帯(パスバンド1270〜1330nm)、などが設定される。
【0011】
あるいは、光増幅器を備え、波長の異なる複数の信号光に所定の波長帯域に含まれる信号光を追加して信号光数を増加させるときに、所定の波長帯域の追加可能な信号光のうち長波長側の信号光から順に挿入して追加するように構成されたことを特徴とする。
【0012】
送信される多波長信号光に信号光を追加して伝送される信号光数が増加した場合には、減少時とは逆にその増加時に光増幅器において過渡的利得減少を生じる。これに対して、長波長側の信号光から優先的に追加するように信号光数切替を制御することによって、切替時の過渡的利得減少を低減して、伝送特性の劣化を抑制することができる。
【0013】
また、光増幅器と、信号光を分岐除外または追加挿入させる信号光数変更手段とを備え、波長の異なる複数の信号光から所定の波長帯域に含まれる信号光を信号光数変更手段によって分岐除外して信号光数を減少させるときに、所定の波長帯域の除外可能な信号光のうち短波長側の信号光から順に分岐して除外するように構成されたことを特徴とする。
【0014】
あるいは、光増幅器と、信号光を分岐除外または追加挿入させる信号光数変更手段とを備え、波長の異なる複数の信号光に所定の波長帯域に含まれる信号光を信号光数変更手段によって追加挿入して信号光数を増加させるときに、所定の波長帯域の追加可能な信号光のうち長波長側の信号光から順に挿入して追加するように構成されたことを特徴とする。
【0015】
光合分波器などの信号光数変更手段を有する伝送システムにおいて、信号光数変更手段での信号光の分岐による除外(分岐除外)・挿入による追加(追加挿入)による信号光数減少・増加時にも、送信時の信号光除外・追加の場合と同様の制御方法を用いることによって過渡的利得変動を低減することができる。
【0016】
なお、上記した条件を、信号光数切替後に伝送路上にあって過渡的利得変動を受ける信号光の側からみれば、信号光数減少時には、減少後に残留する信号光の波長が長波長側であることが好ましい。また、信号光数増加時には、増加前から既存である信号光の波長が長波長側であることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による波長多重伝送システムの好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0018】
図1は、本発明における波長多重伝送システムの一実施形態を示す構成図である。この波長多重伝送システムは、送信器11と受信器12との間が光ファイバ線路を用いた光伝送路によって接続されて構成されている。この光伝送路上には、伝送される多波長信号光がその際に受ける伝送損失を補うため、n個(nは1以上の整数)の光増幅器であるEDFA(Er添加ファイバ増幅器)21〜2nがカスケード接続されている。ここで、送信器11側の伝送路端を送信点P1、受信器12側の伝送路端を受信点P2とする。
【0019】
なお、以下においては、多波長信号光のチャネル数を8チャネルとし、それぞれの波長をλ1〜λ8とする。これらの波長については、i>jのときにλi≧λjとして、λ1からλ8へ順次長波長となるものとする。ただし、信号光数切替制御方法を適用する場合の多波長信号光のチャネル数については、8チャネルに限定されるものではなく、様々なチャネル数からなる多波長信号光が伝送される伝送システムに適用が可能である。
【0020】
図2は、図1に示した波長多重伝送システムに対して、光増幅器として用いられるEDFA2の一例を示す構成図である。なお、図2では図1に示されている光増幅器の1段について示している。
【0021】
このEDFA2は、EDF(Er添加光ファイバ)20、励起光源21、WDMカプラ22、及び2つの光アイソレータ23、24から構成されている。EDF20は、Er元素が添加された石英系の光ファイバであり、所定波長の励起光が供給されているときに、所定の光増幅波長帯域に含まれる入力光を光増幅して出力する。
【0022】
光アイソレータ23、24のそれぞれは、光を順方向へ通過させるが、逆方向へは通過させないものである。すなわち、光アイソレータ23は、光コネクタ11から到達した光をEDF20へ通過させるが、逆方向へは光を通過させない。また、光アイソレータ24は、EDF20から到達した光を光コネクタ12へ通過させるが、逆方向へは光を通過させない。
【0023】
EDF20への励起光は、励起光源21によって供給される。励起光源21はWDMカプラ22を介して光ファイバ線路に接続されている。ここで、WDMカプラ22は、励起光源21から出力されて到達した励起光をEDF20へ向けて通過させるとともに、光アイソレータ23から到達した信号光をEDF20へ向けて通過させる。これによって、EDFA2は前方励起(順方向励起)の構成による光増幅器となっている。
【0024】
このような光増幅器を備えた波長多重伝送システムにおいて、多波長信号光への信号光の追加または除外によって光増幅器で生じる過渡的な利得変動について、その発生条件等に関してシミュレーションによる検討を行った。その結果、以下に述べるように、発生する過渡的利得変動が信号光の波長に大きく依存していることがわかった。
【0025】
図3は、図2に示した前方励起EDFAの1段当たりでの過渡的利得変動の波長依存性について、そのシミュレーション結果を示すグラフである。なお、EDF20を励起する励起光源21は波長1.48μmの半導体レーザとした。
【0026】
シミュレーションでは、送信器11から入力される多波長信号光が、8ch(以下、chは多波長信号光のチャネル数、すなわち多波長信号光に含まれる信号光数を表す)から7chの信号光を除外して信号光数が1chに減少される場合について、その信号光数減少時に生じる過渡的利得変動を求めた。過渡的利得変動の大きさを評価するパラメータとしては、立ち上がりの微係数、すなわち、例えば図8(a)に信号光数減少時の利得変動について点線で示した立ち上がりの直線の傾きを用いた。
【0027】
また、多波長信号光の各信号光については、チャネル当たり−15dBm/chの入力レベルでの信号光数減少を想定するために、2つの信号光、7chに相当する除外信号光と1chに相当する残留信号光と、を用い、それぞれの信号光入力レベルを−6.55dBm、−15dBmとした。
【0028】
上記した条件において、波長1534nm、1544nm、及び1554nmの除外信号光に対して、残留信号光の波長を変化させて利得変動を求め、その波長依存性を調べた。図3のグラフでは、横軸は残留信号光の波長(nm)、縦軸は過渡的利得変動の速さに対応する立ち上がりの微係数(dB/μs)を示している。
【0029】
信号光数の増加または減少時における光増幅器の過渡的利得変動は、信号光数切替に直接関与していない信号光、すなわち信号光数切替の前後において継続的に伝送路に存在する信号光に対して各チャネルの信号光の相互間での影響によって発生し、波長多重伝送システムにおいて多波長信号光の伝送特性を劣化させる原因となる。その変動の大きさは、図3に示された結果によれば、残留信号光の波長が信号光波長帯域の短波長側にあるときに、特にその利得変動、この場合は図8(a)に示すような利得増加、が大きくなっており、残留信号光の波長が長波長になるとともに、その利得増加が小さくなっている。また、残留信号光の波長を一定とした場合には、除外信号光の波長が長波長になるとともに、その利得増加が大きくなっている。この残留信号光の波長範囲において、立ち上がりの微係数は最大で約2倍の差を生じている。
【0030】
すなわち、信号光の除外を行う場合には、除外信号光の波長を短波長とし、残留信号光の波長を長波長とすることによって、信号光数減少時の過渡的利得増加が低減される。また、ここでは信号光の除外について例示したが、信号光数切替に対する応答としては、信号光数増加時の過渡的利得減少についても同様の波長依存性を有する。したがって、信号光の追加を行う場合においても同様に、追加前から存在していた既存信号光の波長を長波長とし、追加される追加信号光の波長を既存信号光の波長よりも短波長とすることによって、信号光数増加時の過渡的利得減少が低減される。
【0031】
なお、上記した過渡的利得変動の発生とその波長依存性は、図2に示した形態のEDFA2に限った現象ではなく、他の形態による光増幅器においても同様である。したがって、波長多重伝送システムに用いられる光増幅器としては、図2に示した形態のEDFA2に限られず、他の構成による光増幅器を用いている場合においても同様に、後述する信号光数切替制御方法を適用することによって、過渡的利得変動の抑制を実現することができる。例えば、EDFAとして励起光源からの励起光をEDFの後段側から入力する後方励起(逆方向励起)の構成のものを用いても良い。励起波長を0.98μmなど他の波長としても良い。また、光増幅器としては、EDFA以外の光増幅器を用いていても良い。例えばEr、Pr、Ndなどの希土類元素添加光ファイバを用いた光増幅器や、半導体光増幅器などが挙げられる。
【0032】
また、多波長信号光による波長多重伝送に用いられる信号光波長帯域としては、例えば1.55μm帯(パスバンド1530〜1565nm)、1.58μm帯(パスバンド1570〜1605nm)、1.3μm帯(パスバンド1270〜1330nm)、などが設定される。
【0033】
以上に説明した事実に基づいて、本発明に係る波長多重伝送システムにおける信号光数切替制御方法について、その実施形態とともに説明する。
【0034】
図4は、図1に示したような波長多重伝送システム、すなわち光増幅器を備える波長多重伝送システムに適用される、送信される信号光の追加または除外による信号光数切替に関する信号光数切替制御方法の一実施例を示す説明図である。
【0035】
図4(a)及び(b)は、いずれも送信点P1における多波長信号光の波長(λ)分布と、それに対応する受信点P2における増幅後の多波長信号光の波長分布を示す。(a)においては、送信器11から波長λ8である1chの信号光が送信されている。一方(b)においては、(a)に示した多波長信号光に対して波長λ1〜λ7である7chの信号光が追加されて、波長λ1〜λ8である8chの信号光が送信されている。
【0036】
多波長信号光に信号光波長帯域に含まれる信号光を追加して信号光数を増加させる場合には、追加可能な信号光のうち長波長側の信号光から優先的に追加させるように信号光数切替を制御することによって、光増幅器の過渡的利得変動を低減することが可能となる。すなわち、過渡的利得変動(減少)の立ち下がりの微係数が小さくなるので、これによって過渡的利得変動の大きさ(絶対値)が低減される。この場合、このような過渡的応答を光増幅器に備えられた制御回路によって制御・抑制する場合に、制御回路に要求される反応速度が遅くなるために、過渡的利得変動の抑制がより容易化される。
【0037】
図4においては、信号光追加前の既存信号光((a)における波長λ8の信号光)を、信号光波長帯域の長波長側とする。この状態において、(b)に示すようにその短波長側に必要数の信号光を追加信号光として追加する。また、例えば追加される7chの信号光を1chずつ順次追加していく場合には、長波長側からλ7、λ6、・・・、λ1の順番でより長波長のものから追加する。
【0038】
また、逆に、多波長信号光が最初に(b)に示す信号光数であって、信号光を除外して信号光数を減少させる場合には、短波長側からλ1、λ2、・・・、λ7と順次除外していって、(a)に示すように長波長側の波長λ8の信号光が残留信号光となるように信号光の除外を行う。以上のように信号光数切替を行うことによって、その過渡的利得変動が抑制される。なお、順次追加・除外する場合等においては、必要に応じて任意のチャネル数(1chまたは複数ch)によって、上記と同様の波長順にしたがって追加・除外を行う。
【0039】
本実施例による効果について、より具体的に説明する。図1の伝送システムにおいてn=5に設定して5段のEDFA21〜25がカスケード接続されているものとする。各EDFA21〜25はいずれも図2に示したものと同様に1.48μm前方励起として、1.53μm帯の吸収条長積α1.53L=96.7dBのEDFを有して構成されたものとし、その励起パワーを1ch入力時において15mWとする。これらのEDFA21〜25はそれぞれ利得一定制御(AGC制御)されている。なお、AGC制御されている場合には、チャネル数が増加すると上記の励起パワーは変化する(他の実施例においても同様)。また、伝送される多波長信号光は、その信号光波長帯域を1.55μm波長帯とし、各信号光の入力レベルは−15dBm/chとする。
【0040】
まず、最初に波長1560nmの1chの信号光(入力レベル−15dBm)が既存信号光として伝送されているとし、ここに、信号光波長帯域に含まれる7chの信号光(入力レベル−6.55dBm)を追加信号光として追加する。このとき、既存信号光にはEDFA1段当たり約−0.06dB/μsの立ち下がり微係数で過渡的利得変動(この場合は減少)が生じ、したがって、5段目のEDFAの後では約−0.30dB/μs(−0.06dB/μs×5段)の過渡的利得変動となる。
【0041】
これに対して、上記において既存信号光の波長を1530nmとした場合、既存信号光にはEDFA1段当たり約−0.17dB/μsの立ち下がり微係数で過渡的利得変動が生じ、したがって、5段目のEDFAの後では約−0.85dB/μs(−0.17dB/μs×5段)の過渡的利得変動となる。
【0042】
ここで、各EDFAに備えられている制御回路の応答速度が2μsとすると、信号光の受信時における出力レベルの低下は、既存信号光が波長1560nmの場合には−0.6dB(−0.30dB/μs×2μs)、波長1530nmの場合には−1.7dB(−0.85dB/μs×2μs)となる。すなわち、既存信号光が短波長であるほど出力レベルの低下が激しく、受信時にエラーバーストを生じやすい。
【0043】
以上により、信号光の追加による信号光数増加時には、既存信号光が長波長側にあることによって、その過渡的利得変動が低減されるとともに制御回路等による抑制が容易となることがわかる。追加が複数回行われる場合には、その追加毎にこの効果が生じるので、したがって、信号光の追加による信号光数増加時においては、信号光波長帯域内の追加可能な信号光のうち長波長側の信号光から必要数だけ順次追加していくことによって、過渡的利得変動が最も抑制されることが結論される。また、信号光の除外による信号光数減少時においても、同様の効果により、信号光波長帯域内の除外可能な信号光のうち短波長側の信号光から必要数だけ順次除外していくことによって過渡的利得変動が最も抑制される。
【0044】
上記した実施形態は、光増幅器を備える波長多重伝送システムにおける、伝送路に送信される信号光の追加または除外による信号光数切替に関するものである。一方、波長多重伝送システムにおいては、信号光を挿入または分岐させて信号光を追加(追加挿入)または除外(分岐除外)する信号光数変更手段が伝送路に設けられ、この信号光数変更手段での信号光の追加挿入または分岐除外によって信号光数が切り替えられることがある。
【0045】
図5は、本発明における波長多重伝送システムの他の実施形態を示す構成図であり、図1に示した伝送システムに対してn個のEDFA21〜2nの前段に、さらに信号光数変更手段である光ADM(Add-Drop Multiplexer)3が接続されている。ここで、光ADM3前の点を中間点P3、光ADM3及びEDFA21の間の点を中間点P4、EDFA2n後の点を中間点P5とする。
【0046】
図6は、図5に示したような波長多重伝送システム、すなわち光増幅器及び信号光数変更手段を備える波長多重伝送システムに適用される、信号光数変更手段による信号光の分岐除外時の信号光数切替に関する信号光数切替制御方法の一実施例を示す説明図である。
【0047】
図6(a)及び(b)は、いずれも中間点P3における多波長信号光の波長分布、中間点P4における光ADM3通過後の多波長信号光の波長分布、及び中間点P5における増幅後の多波長信号光の波長分布を示す。(a)においては、送信器11から波長λ1〜λ8である8chの信号光が送信され、光ADM3では信号光の追加挿入または分岐による信号光数切替は行われていない。一方(b)においては、同様に8chの信号光が送信されているが、光ADM3において波長λ1〜λ7の7chの信号光が分岐され、除外されている。
【0048】
多波長信号光から信号光波長帯域に含まれる信号光を分岐除外して信号光数を減少させる場合には、除外可能な信号光のうち短波長側の信号光から優先的に分岐して除外させるように信号光数切替を制御することによって、図4に示す場合と同様に、光増幅器の過渡的利得変動の低減と制御回路等による抑制の容易化が実現される。
【0049】
図6においては、(b)に示すように信号光の分岐時に短波長側の信号光(波長λ1〜λ7)を分岐信号光として分岐除外し、残留信号光(波長λ8)を信号光波長帯域の長波長側とする。また、例えば分岐される7chの信号光を1chずつ順次分岐していく場合には、λ1、λ2、・・・、λ7の順番でより短波長のものから分岐除外する。以上のように信号光数切替を行うことによって、その過渡的利得変動が抑制される。
【0050】
本実施例による効果について、より具体的に説明する。図5の伝送システムにおいてn=5に設定して5段のEDFA21〜25がカスケード接続されているものとする。各EDFA21〜25はいずれも図2に示したものと同様に1.48μm前方励起として、1.53μm帯の吸収条長積α1.53L=96.7dBのEDFを有して構成されたものとし、その励起パワーを8ch入力時において83mWとする。これらのEDFA21〜25はそれぞれ利得一定制御(AGC制御)されている。また、伝送される多波長信号光は、その信号光波長帯域を1.55μm波長帯とし、各信号光の入力レベルは−15dBm/chとする。
【0051】
まず、最初に信号光波長帯域に含まれる8chの信号光が伝送されているとし、ここから、波長1560nmの1chの信号光(入力レベル−15dBm)を残留信号光として残留させ、7chの信号光(入力レベル−6.55dBm)を分岐信号光として分岐して除外する。このとき、残留信号光にはEDFA1段当たり約0.10dB/μsの立ち上がり微係数で過渡的利得変動(この場合は増加)が生じ、したがって、EDFAの制御回路の応答速度が2μsとすると、1段当たりの出力レベルの増加は0.20dB(0.10dB/μs×2μs)となる。
【0052】
これに対して、上記において残留信号光の波長を1530nmとした場合、残留信号光にはEDFA1段当たり約0.20dB/μsの立ち上がり微係数で過渡的利得変動が生じ、したがって、1段当たりの出力レベルの増加は0.40dB(0.20dB/μs×2μs)となる。すなわち、残留信号光が短波長であるほど出力レベルの増大が激しく、受信時にエラーバーストを生じやすい。
【0053】
例えば、光ADM3から4段目のEDFAの出力では、残留信号光が波長1560nmの場合には0.8dB(0.2dB×4段)、波長1530nmの場合には1.6dB(0.4dB×4段)となる。ここで、定常信号光レベルと非線形光学効果(自己位相変調や4波混合など)のしきい値とのマージンは一般には1dB程度なので、この場合、残留信号光が波長1560nmではエラーバーストを生じないが、波長1530nmではエラーバーストが発生し、伝送特性が劣化する。
【0054】
以上により、信号光の分岐による信号光数減少時には、残留信号光が長波長側にあることによって、その過渡的利得変動が低減されるとともに制御回路等による抑制が容易となることがわかる。分岐による除外が複数回行われる場合には、その分岐毎にこの効果が生じるので、したがって、信号光の分岐除外による信号光数減少時においては、信号光波長帯域内の分岐可能な信号光のうち短波長側の信号光から順次分岐して除外していくことによって、過渡的利得変動が最も抑制されることが結論される。
【0055】
図7は、図5に示したような波長多重伝送システム、すなわち光増幅器及び信号光数変更手段を備える波長多重伝送システムに適用される、信号光数変更手段による信号光の追加挿入時の信号光数切替に関する信号光数切替制御方法の他の実施例を示す説明図である。
【0056】
図7(a)及び(b)は、いずれも中間点P3における多波長信号光の波長分布、中間点P4における光ADM3通過後の多波長信号光の波長分布、及び中間点P5における増幅後の多波長信号光の波長分布を示す。(a)においては、送信器11から波長λ8である1chの信号光が送信され、光ADM3では信号光の追加挿入または分岐による信号光数切替は行われていない。一方(b)においては、同様に1chの信号光が送信されているが、光ADM3において波長λ1〜λ7の7chの信号光が挿入され、追加されている。
【0057】
多波長信号光に信号光波長帯域に含まれる信号光を追加挿入して信号光数を増加させる場合には、追加可能な信号光のうち長波長側の信号光から優先的に挿入して追加させるように信号光数切替を制御することによって、図4及び図6に示す場合と同様に、光増幅器の過渡的利得変動の低減と制御回路等による抑制の容易化が実現される。
【0058】
図7においては、(b)に示すように既存信号光(波長λ8)を信号光波長帯域の長波長側とし、信号光の追加挿入時に短波長側の信号光(波長λ1〜λ7)を挿入信号光として追加挿入する。また、例えば挿入される7chの信号光を1chずつ順次追加挿入していく場合には、λ7、λ6、・・・、λ1の順番でより長波長のものから追加挿入する。以上のように信号光数切替を行うことによって、その過渡的利得変動が抑制される。
【0059】
本実施例による効果について、より具体的に説明する。伝送システム及び伝送される多波長信号光の設定については、図6に示す実施例に対するものと同様とする。ただし、EDFAの励起パワーは1ch入力時において15mWとする。
【0060】
まず、最初に波長1560nmの1chの信号光(入力レベル−15dBm)が既存信号光として伝送されているとし、ここに、信号光波長帯域に含まれる7chの信号光(入力レベル−6.55dBm)を挿入信号光として挿入して追加する。このとき、既存信号光にはEDFA1段当たり約−0.06dB/μsの立ち下がり微係数で過渡的利得変動(この場合は減少)が生じ、したがって、EDFAの制御回路の応答速度が2μsとすると、1段当たりの出力レベルの低下は−0.12dB(−0.06dB/μs×2μs)、5段では−0.60dBとなる。
【0061】
これに対して、上記において既存信号光の波長を1530nmとした場合、既存信号光にはEDFA1段当たり約−0.17dB/μsの立ち下がり微係数で過渡的利得変動が生じ、したがって、1段当たりの出力レベルの低下は−0.34dB(−0.17dB/μs×2μs)、5段では−1.7dBとなる。すなわち、既存信号光が短波長であるほど出力レベルの低下が激しく、受信時にエラーバーストを生じやすい。
【0062】
以上により、信号光の挿入による信号光数増加時には、既存信号光が長波長側にあることによって、その過渡的利得変動が低減されるとともに制御回路等による抑制が容易となることがわかる。挿入による追加が複数回行われる場合には、その追加挿入毎にこの効果が生じるので、したがって、信号光の追加挿入による信号光数増加時においては、信号光波長帯域内の挿入可能な信号光のうち長波長側の信号光から順次挿入して追加していくことによって、過渡的利得変動が最も抑制されることが結論される。
【0063】
上記した各実施例の信号光数切替制御方法が適用される波長多重伝送システムは、図1及び図5に示したものに限られず、様々な波長多重伝送システムに対して適用することによって、光増幅器において生じる過渡的利得変動とその影響を低減させることができる。例えば、信号光数変更手段としては光ADM以外にも、光XC(Cross Connect)によるもの等様々なものを用いることができる。また、光増幅器または信号光数変更手段以外の光学要素等を備えていても良い。
【0064】
【発明の効果】
本発明による波長多重伝送システムは、以上詳細に説明したように、次のような効果を得る。すなわち、波長多重伝送システムにおいて、伝送される多波長信号光に対する信号光の追加・追加挿入または除外・分岐除外による信号光数切替時に他の信号光について光増幅器で生じる過渡的利得変動は、それらの信号光の波長に依存する。この波長依存性に関して、信号光数切替の前後に継続的に伝送路に存在する信号光(信号光数減少時の残留信号光、または信号光数増加時の既存信号光)の波長が長波長側にあることによって、発生する過渡的利得変動が低減され、利得変動による伝送特性の劣化が抑制される。
【0065】
すなわち、信号光の追加・追加挿入による信号光数増加時には、長波長側の信号光から優先的に追加・挿入させ、信号光の除外・分岐除外による信号光数減少時には、短波長側の信号光から優先的に除外・分岐させるようにその信号光数切替が制御される構成とすることによって、光増幅器における過渡的利得変動を低減させることができる。これによって、波長多重伝送システムにおける伝送特性の過渡的な劣化・変化が抑制され、信号光のより安定した伝送が可能となる。
【0066】
また、光増幅器の制御回路によってこのような利得変動をさらに抑制しようとする場合には、上記のように切替制御を行った場合に利得変動の過渡応答が遅くなるため、制御回路による過渡的利得変動の抑制が容易となり、これによっても、過渡的利得変動を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における波長多重伝送システムの一実施形態を示す構成図である。
【図2】光増幅器であるEr添加ファイバ増幅器の一例を示す構成図である。
【図3】過渡的利得変動の波長依存性を示すグラフである。
【図4】図1に示す波長多重伝送システムに適用される信号光数切替制御方法の一実施例を示す説明図である。
【図5】本発明における波長多重伝送システムの他の実施形態を示す構成図である。
【図6】図5に示す波長多重伝送システムに適用される信号光数切替制御方法の一実施例を示す説明図である。
【図7】図5に示す波長多重伝送システムに適用される信号光数切替制御方法の他の実施例を示す説明図である。
【図8】信号光数の(a)減少時または(b)増加時における過渡的利得変動を模式的に示すグラフである。
【符号の説明】
11…送信器、12受信器、2…EDFA、20…EDF、21…励起光源、22…WDMカプラ、23、24…光アイソレータ、3…光ADM。

Claims (4)

  1. 光増幅器を備え、
    波長の異なる複数の信号光から所定の波長帯域に含まれる信号光を分岐して信号光数を減少させるときに、前記所定の波長帯域の除外可能な信号光のうち短波長側の信号光から順に分岐して除外するように構成された波長多重伝送システム。
  2. 波長の異なる複数の信号光に所定の波長帯域に含まれる信号光を追加して信号光数を増加させるときに、前記所定の波長帯域の追加可能な信号光のうち長波長側の信号光から順に挿入して追加するように構成された請求項1記載の波長多重伝送システム。
  3. 光増幅器と、信号光を分岐除外または追加挿入させる信号光数変更手段とを備え、
    波長の異なる複数の信号光から所定の波長帯域に含まれる信号光を前記信号光数変更手段によって分岐除外して信号光数を減少させるときに、前記所定の波長帯域の除外可能な信号光のうち短波長側の信号光から順に分岐して除外するように構成された波長多重伝送システム。
  4. 波長の異なる複数の信号光に所定の波長帯域に含まれる信号光を前記信号光数変更手段によって追加挿入して信号光数を増加させるときに、前記所定の波長帯域の追加可能な信号光のうち長波長側の信号光から順に挿入して追加するように構成された請求項3記載の波長多重伝送システム。
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