JP4032239B2 - 自動車用ウエザストリップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の開口部とその開口部を開閉する開閉部材との間をシールするウエザストリップ、例えば自動車のスライディングルーフと、車体のルーフパネル開口縁との間、車体とドアの間、トランクとトランクリッドとの間等をシールする自動車用ウエザストリップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車の開口部とその開口部を開閉する開閉部材との間をシールする自動車用ウエザストリップとしては、例えば自動車のスライディングルーフと、車体のルーフパネル開口縁との間をシールするスライディングルーフウエザストリップがある。この種のスライディングルーフウエザストリップでは、図9に示すように取付基部52と中空シール部52から形成される。取付基部52は、断面略U字状のトリムとして形成され、取付基部52の外壁に中空シール部52が一体に形成されている。なお、図9は、図8のA−A線に沿った部分断面図である。また、取付基部としては、断面略U字状のトリムの嵌着を使用したものの他に、断面略板状とし、両面接着テープを使用してスライディングルーフに取付けるものもある。
【0003】
上記スライディングルーフウエザストリップ50は、スライディングルーフ110に取付けられる取付基部52と、取付基部52の側面に形成され中空状でシール作用をする中空シール部51からなり、ゴムまたは熱可塑性エラストマーで形成されている。このスライディングルーフウエザストリップ50の装着は、スライディングルーフ110の周囲に設けられた合成樹脂製のモールド部53のフランジにウエザストリップ50の取付基部52が嵌め込まれてなされている。
【0004】
スライディングルーフ110が閉じられたときは、ウエザストリップ50の中空シール部51はルーフパネル開口縁2に設けられた立壁状の壁面に当接してシールをする。しかし、スライディングルーフ110のスライド時のバラツキや車体の組み付け時のバラツキにより必ずしも一定の寸法で当接しない場合もあり、中空部51が壁面を押すときの押圧力が小さいと、中空シール部51と壁面との間から雨水等がスライディングルーフ110の内側に侵入する場合がある。
このような雨水等は上記のウエザストリップ50の中空シール部51の表面を伝わって、ルーフパネル開口縁2の周囲に設けられたドリップチャンネル60に落下して受け止められている(例えば、特許文献1参照。)。このため、ドリップチャンネル60を設けるスペースが必要となり、スライディングルーフ110の全体の機構が大きくなっていた。
【0005】
そこで、スライディングルーフ110の周囲の下面に当接するウエザストリップをルーフパネル開口縁2に取付け、シールすることも試みられている。
しかしながら、スライディングルーフ110の下面に当接するウエザストリップは、略四角形のスライディングルーフ110の周囲を漏れなくカバーするために、略四角形の環状で形成されなければならない。また、十分なシール性を得るためにはルーフパネル開口縁2に確実に取付けられていることが必要である。そのため、上記の試行のウエザストリップは、ルーフパネル開口縁2にクリップで取付けられるとともに、両面接着テープを用いて取付けられている。
通常両面接着テープは、長い直線状のテープであるため、略四角形でコーナー部が丸みを帯びたウエザストリップに貼りつける場合には、そのコーナー部に沿って直線状のテープを曲げながら貼りつけるために、両面接着テープが皺になり、貼着部分が凹凸ができて、接着性が損なわれることがあった。また、両面接着テープは、柔軟性があり伸縮可能であるため、直線状においてもテープを垂直に貼ることは難しく、さらにテープとテープの接続部分で貼り合わせるときに一方が伸ばされて、重なり合ったりして、接着性やシール性が損なわれる恐れがあった。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−207580号公報(第2−3頁、第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、自動車の開口部とその開口部を開閉する開閉部材との間をシールするウエザストリップ、例えば自動車のスライディングルーフと、車体のルーフパネル開口縁との間、車体とドアの間、トランクとトランクリッドとの間等をシールする自動車用ウエザストリップにおいて、開口縁に確実に、安定して取付けることができ、シール性と取付けが容易な自動車用ウエザストリップを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の本発明は、自動車車体の開口部と開口部を開閉する開閉部材との間をシールするウエザストリップであって、ウエザストリップは、開口部の開口縁に取付けられる取付基部と、取付基部に一体に形成されたシール部を有し、取付基部は、断面略平板状をなし、取付基部のシール部が形成された面と反対側の面に両面接着テープが貼着され、両面接着テープにより開口縁に取付けられるウエザストリップにおいて、両面接着テープのうち、ウエザストリップのコーナー部に貼着され、開口縁のコーナー部に取付けるコーナー部両面接着テープは、開口縁のコーナー部の曲率と同じ曲率で予め形成されてウエザストリップのコーナー部に貼着されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項1の本発明では、取付基部における中空シール部が形成された面とは反対側の面に、上記開口縁にウエザストリップを取付けるための両面接着テープを貼着する。この両面接着テープは開口縁のコーナー部に取付けられるコーナー部両面接着テープを備え、コーナー部の曲率と同じ曲率で湾曲して予め形成されている。この、湾曲して予め形成された両面接着テープをそのままウエザストリップのコーナー部に貼着する。
従って、コーナー部の曲がりに合わせて直線状のテープを曲げる必要がなく、テープの貼着作業が早くできるとともに、コーナー部で皺が寄らないためテープに凹凸が生じることがなく、コーナー部両面接着テープと開口縁との接着が均一になり接着力が強くなるとともに、コーナー部両面接着テープと開口縁とのシール性を良好にすることができる。
【0010】
請求項2の本発明は、上記の開口縁が、ルーフパネルのルーフパネル開口縁であり、開閉部材が、スライディングルーフであるものである。
【0011】
請求項2の本発明では、ルーフパネル開口縁とスライディングルーフの間をシールするウエザストリップに関するものである。スライディングルーフの前後方向の移動や、チルトアップ、チルトダウンによる上下方向の移動によりウエザストリップが引っ張られたり圧縮されたりしても、両面接着テープが均一にかつ十分に接着しているため、ウエザストリップが外れたり、シール性が低下したりすることがない。
【0012】
請求項3の本発明は、開口縁のコーナー部に取付けられるコーナー部両面接着テープと開口縁の直線部分に取付けられる直線部両面接着テープとを備え、両面接着テープの接続部分では、少なくとも一方の端部が他方のテープの端部の側縁に接するように取付けられているものである。
【0013】
請求項3の本発明では、開口縁のコーナー部に取付けられるコーナー部両面接着テープと開口縁の直線部分に取付けられる直線部両面接着テープとを備え、両面接着テープの接続部分では、少なくとも一方のテープの端部が他方のテープの端部の側縁に接するように取付けられているため、それぞれの両面接着テープをウエザストリップに添付するときに両面接着テープの伸びを調整することができる。
また、両面接着テープの端部は幅方向にズラされて取付けられ、かつ、長手方向にオバーラップしているので端部から回りこむような雨水等の侵入を防止することができる。
【0014】
請求項4の本発明は、開口縁のコーナー部に取付けられるコーナー部両面接着テープと開口縁の直線部分に取付けられる直線部両面接着テープとを備え、両面接着テープの接続部分の両端部間に隙間を設け、隙間を覆いコーナー部両面接着テープと直線部両面接着テープの両端部に隣接して長手方向に平行に延びる短い接続部両面接着テープを取付けたものである。
【0015】
請求項4の本発明では、上記した構成のように両両面接着テープの接続部分の隙間に、隙間を覆い、両両面接着テープの端部に隣接して長手方向に平行に延びる短い接続部両面接着テープを取付けたため、接続部両面接着テープを曲げる必要がなく、直線状の短いテープを単に平行に並んで取付けるのみであるから取付けが容易である。しかも、この短い接続部両面接着テープは、上記の隙間に対応するぶいで幅方向にオフセットされ、さらに両端末にたいして、長手方向にオーバーラップしているので、上記の隙間を完全に覆い、この隙間から雨水等が侵入することができる。
【0016】
請求項5の本発明は、開口縁のコーナー部に取付けられるコーナー部両面接着テープと開口縁の直線部分に取付けられる直線部両面接着テープとを備え、両面接着テープの接続部分の隙間に1段の階段状の接続部両面接着テープを取付け、接続部両面接着テープの一方の端面はコーナー部あるいは直線部の両面接着テープの端面に接して取付け、接続部両面接着テープの階段状の他方の端の階段状に屈曲した部分に他方の直線部あるいはコーナー部の両面接着テープの端部が入り込むとともに、階段状の側縁が直線部あるいはコーナー部の両面接着テープの側縁に接するように取付けられているものである。
【0017】
請求項5の本発明では、開口縁のコーナー部に取付けられる両面接着テープと開口縁の直線部分に取付けられる両面接着テープとを備え両両面接着テープの接続部分に、1段の階段状の接続部両面接着テープを取付けた。また、接続部両面接着テープの一方の端面はコーナー部あるいは直線部の両面接着テープの端面に接して取付け、接続部両面接着テープの階段状の他方の端の屈曲した部分に直線部あるいはコーナー部の両面接着テープの端部が入り込むとともに該階段状の側縁が直線部あるいはコーナー部の両面接着テープの側縁に平行に接するように取付けた。そのため、コーナー部と直線部の両面接着テープの間の隙間を接続部両面接着テープで覆うことができるとともに、このテープを曲げる必要がなく、貼着が容易である。
さらに、階段状に設けられた一方の両面接着テープの端部に他方の両面接着テープの端部が入り込むようにして取付けられるのでそのシール性が向上する。特に、両両面接着テープ同志の端縁での突合せによる取付において、若干ズレて隙間が生じたとしても、その隙間から水等の進入を防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1〜図8に基づき説明する。
本発明の実施の形態をスライディングルーフ10とルーフパネル開口縁2の間をシールするためにのルーフパネルメインウエザストリップ20を例に取り説明する。
ルーフパネルメインウエザストリップ20を例に取り説明するが、これに限定されることなく、本発明は、自動車の開口部とその開口部を開閉する開閉部材との間をシールするウエザストリップ、例えば、車体とドアとの間、トランクとトランクリッドとの間等をシールする自動車用ウエザストリップ等においても適用することができる。
【0019】
図1は、ルーフパネルメインウエザストリップ20のコーナー部を示す一部底面図である。また、図3は、クリップで取付けた状態を示す断面図である。
図3に示すように、ルーフパネルメインウエザストリップ20は、取付基部21と中空シール部22からなり、スポンジ材から形成されている。ルーフパネルメインウエザストリップ20の材料は、EPDM等の合成ゴムあるいは、熱可塑性エラストマーであり、押出成形により略直線状に押出成形される。合成ゴムの場合は、押出成形の後に加硫槽で加硫される。
【0020】
ルーフパネルメインウエザストリップ20の取付基部21は、断面略長方形の板状であり、取付基部21の下面には、両端に突部21c、21cが設けられている。この突部21c、21cはルーフパネル開口縁2に取付けられるベース部材3に圧接して、ルーフパネルメインウエザストリップ20とベース部材3との間をシールする。
なお、中空シール部22は、本発明においては、中空状に限定されるのではなく、リップ状のシール部であってもよい。
さらに、取付基部21の下面には、両面接着テープ23を貼付し、この両面接着テープでルーフパネルメインウエザストリップ20がベース部材3に取付けられている。
【0021】
取付基部21には、図3に示すように、さらに適宜一定の間隔をおいて、クリップ取付孔21bが設けられている。このクリップ取付孔21bにクリップ21dの頭部を挿入し、クリップ21dの脚部をベース部材3に設けた孔に挿入することによりルーフパネルメインウエザストリップ20を取付けることができる。このように取付基部21の裏面に両面接着テープ23と併せてクリップ21dを使用したため、より確実に安定した取付けができる。さらに、ルーフパネルメインウエザストリップ20とベース部材3との間のシール性も向上する。
【0022】
中空シール部22は、断面が横長の略菱形に形成しスポンジ材からなる中空のシール壁を備えている。このため、上方向から中空シール部22が圧縮されたときは、断面横方向に変形する。
したがって、中空シール部22の上下方向の変形がスムースに行われるとともに、変形量が大きくても小さくても略一定の弾性力を有するため、スライディングルーフ10とのシール性を略一定に保つことができる。
また、中空シール部22の突出端である中央部が円弧状であるので、スライディングルーフ10の下面に当接したときに、当接力が大きくシール性に優れるとともに、中空シール部22が圧縮されたときも、圧縮力をシール壁全体に分散することができる。
【0023】
次に、ルーフパネルメインウエザストリップ20の取付基部21の底面に取付ける両面接着テープについて説明する。
ルーフパネルメインウエザストリップ20は、平面的には図7に示すようにルーフパネル開口縁2に沿った略四角形状をなしている。そのコーナー部は円弧状に曲がっており、各辺の直線部分を連結している。
ルーフパネルメインウエザストリップ20の取付基部21の底面には略全周にわたり両面接着テープが貼着されている。
【0024】
図1に示すように、ルーフパネルメインウエザストリップ20は、直線状に押出成形により形成した直線部20bと、型成形により形成したコーナー部20cとからなり、コーナー部20cの型成形時に直線部20bとコーナー部20cは一体的に加硫接着される。コーナー部20cの取付基部21の底面には、型成形時に中子を取り出す取り出し孔21jが設けられている。
コーナー部20cの取付基部21の底面には、コーナー部20cの曲率に合わせて同じ曲率で形成されたコーナー部両面接着テープ23bが貼付されている。
【0025】
このコーナー部両面接着テープ23bは、平面状の両面接着テープから、コーナー部20cの曲率に合わせて同じ曲率で湾曲させられた打ち抜き型で打ち抜くことにより形成することができる。
コーナー部両面接着テープ23bの両端部はルーフパネルメインウエザストリップ20の直線部20bとコーナー部20cの接続部分Sを大きく越えて直線部20bの方まで延びている。これにより、直線部20bとコーナー部20cの接続部分に両面接着テープを円滑に貼付することができる。直線部両面接着テープ23cが接続部分Sまで直線部20bに貼付されていると、型成形時の熱で溶ける等の不具合があるためである。
なお、図1、図2(a)に示すようにコーナー部両面接着テープ23bの両端部との端末側縁は、ルーフパネルメインウエザストリップ20の直線部20bの底面において直線部両面接着テープ23cの端末の側縁に接するように貼付されている。
【0026】
この隙間すなわち、両両面接着テープ23b、23cのたんぶでは幅方向にズラされて取付けられ、かつ長手方向にオーバーラップして取付けられているので、両両面接着テープ23b、23cをそれぞれ取付基部21の底面に貼付するときに生じるテープの伸縮を調整することができ、貼付作業が容易になる。
なお、図1に示す実施態様では、直線部20bとコーナー部20cの接続部分Sを越えて延びる両面接着テープの部分23fと一体に形成したものを示したが、この延長部分を図2(a)に示すように別体で形成し、短い接続部両面接着テープ23fとして使用することもできる。その接続部両面接着テープ23fの拡大図を図2(a)に示す。
【0027】
接続部両面接着テープ23fの一方の端部23gは、コーナー部両面接着テープ23bの端部と端面が突き合わされるように接して貼付され、その後接続部両面接着テープ23fは若干折曲されて図2(a)における斜め上方に延ばして取付けられ、直線部両面接着テープ23cの端部で、その端部に沿って長手方向に平行にかつ、その側縁が接するようにして接続部両面接着テープ23fの他方の端部23hが貼付される。
この接続部両面接着テープ23fにより、上記両両面接着テープ23b、23c間を完全にカバーすることができ、この間から雨水等が侵入することを防止できる。また、この接続部両面接着テープ23fは、短いので、シワの発生がなく斜めに折曲して貼付することができる。また、一方の端部が端面を突き合わせるように接続しても、他方の端部がその側縁が接するように平行に貼付されるので、この部分でバラツキを吸収することができる。
なお、上記の態様とは逆にこの接続部両面接着テープ23fの端部23gを直線部両面接着テープ23cの端部と端面が突き合わせるように接続し、他方の端部23hをコーナー部両面接着テープ23bの端部に沿って長手方向に平行にかつその側縁が接するように貼付してもよい。
【0028】
コーナー部両面接着テープ23bと直線部両面接着テープ23cの隙間23aをカバーする他の実施態様を図2(b)と(c)に示す。
図2(b)の実施の形態は、隙間23aを覆うために、短い直線状の接続部両面接着テープ23jを使用する。この隙間23aは図2(a)の実施態様よりも小さくすることができる。
接続部両面接着テープ23jは、コーナー部両面接着テープ23bと直線部両面接着テープ23cの両方の端部に跨ってその隙間23aを覆い、その両方の端部に隣接して長手方向に平行にかつその側縁に接して貼付したものである。
この接続部両面接着テープ23jにより隙間23aを覆うことができ、隙間23aから雨水等が侵入することを防止できる。
【0029】
図2(c)の実施の形態は、上記の隙間23aを覆うために、1段の階段状の接続部両面接着テープ23kを使用するものである。階段状の接続部両面接着テープ23kは平面状の両面接着テープを階段状に打ち抜いて作成することができる。
接続部両面接着テープ23kの一方の端部23mは、コーナー部両面接着テープ23bの端部の端部と接して貼付され、他方の端部23nは、接続部両面接着テープの階段状に屈曲した部分の図2(c)における下の部分に直線部両面接着テープの端部が入り込み、階段状の他方の端23nと直線部両面接着テープの端部が若干長手方向に平行かつその側縁に接するように取付けたものである。
この階段状に屈曲した接続部両面接着テープ23kの階段状の屈曲部により直線部両面接着テープ23cの端部を覆うことができるため、隙間23aから雨水等が侵入することがない。
【0030】
次にこのルーフパネルメインウエザストリップ20のルーフパネル開口縁2への取付け状態と、図8に示すようにスライディングルーフ10とルーフパネル開口縁2との間のシール状態を説明する。
図6に示すように車両のルーフパネル1のルーフパネル開口縁2に装着されるベース部材3は、図4に示すように枠状に形成されている。なお、図4はベース部材3に取付けられるルーフパネルメインウエザストリップ20及びルーフパネルサブウエザストリップ30、さらにルーフパネル開口縁2を閉じるスライディングルーフ10を斜め上方から見た斜視図である。ルーフパネルメインウエザストリップ20はスライディングルーフ10の外周辺をシールするように四辺形の環状をなしており、ルーフパネルサブウエザストリップ30は、スライディングルーフ10の両側部をシールするようにルーフパネルメインウエザストリップ20の側部に沿って略平行で直線状に設けられている。
【0031】
スライディングルーフ10は本実施の形態では3枚に分割されたものを示すが、分割されずに1枚のルーフパネル1でもよい。また、スライディングルーフ10はガラスパネルまたは透光性合成樹脂パネルで製造されると、採光性に優れ、デザイン的にも好ましい。
図5に示すようにスライディングルーフ10は3分割された場合は、車両のフロント側から第1スライディングルーフ11、第2スライディングルーフ12と第3スライディングルーフ13からなる。
【0032】
このスライディングルーフ10は、図5に示すようにベース部材3の上に第1スライディングルーフ11では、前側の先端部を回転中心にして後部が上がるように取付けられており、第2スライディングルーフ12と第3スライディングルーフ13は前側の先端部を回転中心に後部が上がるとともに車両の前後方向にスライド移動可能に取付けられている。
【0033】
スライディングルーフ10を開けるときは、駆動装置(図示せず)によってまず、第1スライディングルーフ11が前側の先端部を回転中心として回転し、後部が上がるように作動するいわゆるチルトアップをする。さらに、第2スライディングルーフ12と第3スライディングルーフ13もその前側の先端部を回転中心として回転し後部が上がるようにチルトアップするとともに、後方にスライドする。そして、第2スライディングルーフ12はさらに後方にスライドして、第3スライディングルーフ13の上までスライドして、ルーフパネル開口が全開する。
このため、ルーフパネル開口は第2・第3スライディングルーフ12、13が重なった状態で開くため、スライディングルーフが後方に突出することなく、開口部を最大限大きく開くことが出来る。
【0034】
スライディングルーフ10を閉じるときは、上記の逆の動きをする。スライディングルーフ10が、1枚で構成されても、2枚あるいは3枚に分割されてもルーフパネルメインウエザストリップ20とルーフパネルサブウエザストリップ30によるシールの形態は同様である。
さらに第1スライディングルーフ11と第2スライディングルーフ12の間及び第2スライディングルーフ12と第3スライディングルーフ13の間のシールは、それぞれ第2スライディングルーフ12と第3スライディングルーフ13の前側先端に取付けられた第2スライディングルーフサブシール15と第3スライディングルーフサブシールによってなされている。
【0035】
次に、スライディングルーフ10とルーフパネル開口縁2との間のシールを詳述する。
図6は、スライディングルーフが閉じたときのルーフパネル開口縁の車体側部を示す部分断面図である。ルーフパネル開口縁2には、その全周囲にベース部材3が取付けられている。図4に示すように、そのベース部材3に環状のルーフパネルメインウエザストリップ20が取付けられている。ルーフパネル開口縁2の両側部、即ちルーフパネルメインウエザストリップ20の車外側の側部には後述する直線状のルーフパネルサブウエザストリップ30が取付けられており、2重のシール構造を形成している。
ベース部材3は、ルーフパネルメインウエザストリップ20を取付けるルーフパネル開口の内側に張り出した張出し部分3bと、ルーフパネル1に取付けられる取付部分3cと、後述するようにその取付部分3cから上方に延設されたルーフパネルサブウエザストリップ30を取付ける立壁部分3dからなる。
このベース部材3の張出し部分3bに両面接着テープによりルーフパネルメインウエザストリップ20の取付基部21が取付けられる。
両面接着テープをベース部材3に取付けるときは、両面接着テープの端部に取付けられたタブテープ23d、23eを引っ張り表面の保護テープを剥がして取付ける。
【0036】
図7は、ルーフパネルメインウエザストリップ20の平面図である。
ルーフパネルメインウエザストリップ20は、ルーフパネル開口縁2の形状に略沿った略四角の環状をなしている。即ち、ルーフパネルメインウエザストリップ20は、フロント側の1辺を構成するメインシール前部25、リヤ側の1辺を構成するメインシール後部26と両側部の各々1辺を構成するメインシール側部20b、20bよりなり、四角のそれぞれのコーナー部のうち、フロント側の2箇所のコーナー接続部20c、20cは型成形により接続されている。即ち、メインシール前部25と残りの3辺を構成するメインシール後部26とメインシール側部27、27は、全体として1本の押出成形品により構成される。リヤ側のコーナー曲り部24、24はコーナーの曲がり部分の中空シール部22に棒状のスポンジからなるコーナーパッド24bを詰めて、中空シール部22が潰れることを防止している。
このフロント側の2箇所のコーナー接続部20c、20cとリヤ側の2箇所のコーナー曲り部24、24はいずれも底面にコーナー部の曲率と同じ曲率の両面接着テープが貼付されている。
【0037】
また、ルーフパネルメインウエザストリップ20は両面接着テープで強固にベース部材3に取付けられているため、中空シール部22は安定して取付けられている。
ルーフパネルメインウエザストリップ20がベース部材3に取付けられると、図6に示すように、中空シール部22は上方を向き、スライディングルーフ10が閉じられたときに、中空シール部22はスライディングルーフ10の下面に当接する。中空シール部22は、中空で断面円弧状をなしているため撓みやすく、スライディングルーフ10とのラップ量が変動しても中空シール部22が変形して当接力が大きく変動することがないため、安定したシール力を得ることが出来る。
また、スライディングルーフ10の開閉時にチルトアップやチルトダウンしても、ルーフパネルメインウエザストリップ20がスライディングルーフ10の下面方向に設けられているので、中空シール部22が変形することで上下方向の移動を容易に吸収することができ、シール性も維持できるとともに、磨耗も少なく、耐久性に優れている。
【0038】
ルーフパネルサブウエザストリップ30とルーフパネルメインウエザストリップ20により車体の両側部は、二重にシールされ車室内に雨水が浸入することがなく、シール性が向上するとともに、ルーフパネルメインウエザストリップ20は両面接着テープで全周にわたり取りつけられているので、ベース部材3の間のシール性もよい。ルーフパネルサブウエザストリップ30を漏れ出した雨水は、ベース部材3の張り出し部分3bに設けられてた凹溝から車外に排出される。このため、ルーフパネルサブウエザストリップ30の下方にドリップチャンネル60を設ける必要がなく、ルーフパネル1の構造をコンパクトにすることができる。
なお、ルーフパネル1のアウターパネル1cとルーフパネルサブウエザストリップ30との間の隙間には、ルーフモール4が取付けられている。このルーフモール4により、その隙間をカバーして美観を向上させることができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、自動車の開口部とその開口部を開閉する開閉部材の間をシールするウエザストリップの取付基部の底面に両面接着テープを設け、その取付基部のコーナー部にコーナー部と同じ曲率を有する両面接着テープを貼付したため、ウエザストリップを確実に開口縁に取付けることができ、取付けが容易で、良好なシール性を有するウエザストリップを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すもので、ルーフパネルメインウエザストリップのコーナー部の底面図である。
【図2】本発明の実施の形態を示すもので、ルーフパネルメインウエザストリップのコーナー部の底面図において、両面接着テープの接続部を示す一部拡大図である。(a)は、本発明の実施の形態を示すものである。(b)は、本発明の他の実施の形態を示すものである。(c)は、本発明のさらに他の実施の形態を示すものである。
【図3】本発明の実施の形態を示すもので、ルーフパネルメインウエザストリップをクリップで取付けた状態の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態を示すもので、車体のルーフパネル開口縁に取付けられるベース部材と、ルーフパネルの開口を開閉自在に塞ぐスライディングルーフの斜め上方から見た斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態の3枚に分割されたスライディングルーフがリヤ側にスライドしたときのルーフパネルの開口部の斜め上方から見た斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態のスライディングルーフが閉じたときのルーフパネル開口縁の車体側部の部分断面図である。
【図7】本発明の実施の形態のルーフパネルメインシールの平面図である。
【図8】車体のルーフパネルの部分平面図である。
【図9】従来のスライディングルーフが閉じたときのルーフパネル開口縁の車体側部の部分断面図である。
【符号の説明】
1 ルーフパネル
2 ルーフパネル開口縁
10 スライディングルーフ
20 ルーフパネルメインシール
21 取付基部
22 中空シール部
23 両面接着テープ
23a 隙間
23b コーナー部両面接着テープ
23c 直線部両面接着テープ
23f、23j、23k 接続部両面接着テープ
Claims (5)
- 自動車車体の開口部と該開口部を開閉する開閉部材との間をシールするウエザストリップであって、
上記ウエザストリップは、上記開口部の開口縁に取付けられる取付基部と、該取付基部に一体に形成されたシール部を有し、
上記取付基部は、断面略平板状をなし、該取付基部の上記シール部が形成された面と反対側の面に両面接着テープが貼着され、該両面接着テープにより上記開口縁に取付けられるウエザストリップにおいて、
上記両面接着テープのうち、上記ウエザストリップのコーナー部に貼着され、上記開口縁のコーナー部に取付けるコーナー部両面接着テープは、上記開口縁のコーナー部の曲率と同じ曲率で予め形成されて、上記ウエザストリップのコーナー部に貼着されていることを特徴とする自動車用ウエザストリップ。 - 上記開口縁は、ルーフパネルのルーフパネル開口縁であり、上記開閉部材は、ルーフパネルに装着されるスライディングルーフである請求項1記載の自動車用ウエザストリップ。
- 上記開口縁のコーナー部に取付けられるコーナー部両面接着テープと上記開口縁の直線部分に取付けられる直線部両面接着テープとを備え、両面接着テープの接続部分では、少なくとも一方の端部が他方のテープの端部の側縁に接するように取付けられている請求項1または2記載の自動車用ウエザストリップ。
- 上記開口縁のコーナー部に取付けられる上記コーナー部両面接着テープと上記開口縁の直線部分に取付けられる直線部両面接着テープとを備え、部両面接着テープの接続部分の両端部間に隙間を設け、該隙間を覆い上記コーナー部両面接着テープと上記直線部両面接着テープの両端部に隣接して長手方向に平行に延びる短い接続部両面接着テープを取付けた請求項1、または2記載の自動車用ウエザストリップ。
- 上記開口縁のコーナー部に取付けられる上記コーナー部両面接着テープと上記開口縁の直線部分に取付けられる上記直線部両面接着テープとを備え、両面接着テープの接続部分の隙間に1段の階段状の接続部両面接着テープを取付け、該接続部両面接着テープの一方の端面は上記コーナー部あるいは直線部の両面接着テープの端面に接して取付け、該接続部両面接着テープの階段状の他方の端の階段状に屈曲した部分に他方の上記直線部あるいはコーナー部の上記両面接着テープの端部が入り込むとともに、該階段状の側縁が上記直線部あるいはコーナー部の両面接着テープの側縁に接するように取付けられている請求項1または2記載の自動車用ウエザストリップ
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