JP4032050B2 - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は磁気記録媒体およびその製造方法に関する。
近年、画像、映像、音声などのデータのマルチメディア化が進み、1ユーザあたりの検索データの情報量が増大化している。このため、データベースの大容量化、高速化が要求されている。一方、HDD(Hard Disk Drive)の記録容量の増大に伴う磁気記録媒体の面記録密度の向上により、磁気記録媒体上の各記録ビットサイズは数10nm程度の極めて微細なものになってきている。このような微細な記録ビットから再生出力を得るには、各ビットに可能な限り大きい飽和磁化と膜厚の確保が必要となる。しかし、記録ビットの微細化は、1ビットあたりの磁化量を小さくし、「熱揺らぎ」による磁化反転で、磁化情報の消失という問題を生じている。
一般に、この「熱揺らぎ」は、Ku・V/(k・T)の値が小さい程影響が大きくなる。ここで、Kuは磁気異方性エネルギー密度、Vは磁化最小単位体積、kはボルツマン定数、Tは絶対温度を示す。経験的には、Ku・V/(k・T)が100未満になると、「熱揺らぎ」による磁化の反転が生じると言われている。すなわち、磁性粒子の磁化の向きを一方向に保つのに必要な磁気異方性エネルギーは、磁気異方性エネルギー密度Kuと磁性粒子の体積Vの積で表されるが、Ku・V/(k・T)が100未満になると、磁性粒子の磁化の向きを一方向に保つのに必要な磁気異方性エネルギーが室温の熱揺らぎエネルギー程度になってしまう。このため、時間とともに磁化が揺らぎ、記録した情報が消失するという現象を生じている。
長手磁気記録方式の磁気記録媒体では、記録密度の高い領域の記録ビット内の減磁界が強くなるため、磁性粒子径が比較的大きいうちから「熱揺らぎ」の影響を受けやすい。これに対し、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体では、膜厚方向に磁性粒子を成長させることで、媒体表面の粒径は小さいまま磁化最小単位体積Vを大きくできるため、「熱揺らぎ」の影響を抑制できる。しかし今後、磁気記録媒体の高密度化がさらに進めば、たとえ垂直磁気記録方式であっても熱揺らぎ耐性に限界がでてくる。
この熱揺らぎ耐性の問題を解決する媒体として、「パターンドメディア」と呼ばれる磁気記録媒体が注目されている(例えば、特許文献1参照)。パターンドメディアは、一般には、非磁性体層中に記録ビット単位となる磁性体領域を複数、それぞれ独立に形成した磁気記録媒体であるが、磁気的に連続した磁性薄膜を記録磁区の大きさに分断した媒体と言うことができる。一般のパターンドメディアでは、非磁性体層として、例えばSiO、Al、TiOなどの酸化物やSi3N4、AlN、TiNなどの窒化物、TiCなどの炭化物、BN等の硼化物が用いられ、これらの非磁性体層中に選択的に強磁性体領域が形成されている(例えば、特許文献2参照)。
一般的に、パターンドメディアの最表面には磁性体保護および潤滑剤の吸着の為に保護層が形成されている。保護層には、機械的強度、被覆率、潤滑剤の良好な濡れ性を満たす物質が好ましく、ダイヤモンドライクカーボン(以下、DLCという)が最もよく用いられている(例えば、特許文献1参照)。DLCの成膜はグラファイトターゲットを用いたスパッタリング法で形成される。この方法では、sp2結合炭素とsp3結合炭素が混在したアモルファスカーボンが形成される。sp3結合炭素の割合が大きいものがDLCと呼ばれる。耐久性、耐食性に優れ、アモルファスであることから表面平滑性にも優れるため、磁気記録媒体の表面保護膜として利用されている。CVD(Chemical vapor Deposition)法によるDLCの成膜は、原料ガスをプラズマ中で励起、分解し、化学反応によってDLCを生成させるため、条件を合わせることで、よりsp3結合炭素に富んだDLCを形成することができる。
パターンドメディアは、磁性薄膜を記録磁区の大きさに分断したものであるから、磁化最小単位体積Vを大きくでき、熱揺らぎの問題を回避することができる。従来の連続磁性薄膜では、1ビットあたり、磁性粒子数として1000グレイン程度までのものを用いているが、高記録密度化が進むにつれ、1ビットに対応するグレイン数が減少する。記録マークエッジはグレインの粒界で決まるので、S/N比を確保するにはグレインを極力小さくする必要がでてくる。従って従来の連続膜ではVを小さくせざるを得ない。しかし、パターンドメディアでは記録磁区のエッジを構造で規定できるため、Vを小さくすること無くS/N比の向上が期待できる。
パターンドメディアは、記録ビット単位である強磁性体領域が独立しているので、各々の記録ビット間の干渉を防止することができ、隣接ビットによる記録の消失や雑音の低減に効果がある。また、パターニングにより、磁壁移動抵抗が増大し、磁気特性の向上を狙うことができる。
一方、トラック密度の向上においては、隣接トラックとの干渉という問題が顕在化している。特に記録ヘッド磁界フリンジ効果による書きにじみの低減は重要な技術課題である。そこで、記録トラック間を物理的に分離するディスクリートトラック媒体が提案されている(例えば、特許文献3参照)。ディスクリートトラック媒体を用いた場合、記録時におけるサイドイレース現象、再生時に隣接トラックの情報が混合してしまうサイドリード現象などを低減できる。トラック方向の密度を大幅に高めることが可能であるため、高密度な磁気記録媒体を提供できる。
パターンドメディアは記録トラック方向、記録線方向ともに物理的に分離する必要があるため、高度なナノメーター加工技術が必要となる。ディスクリートトラック媒体は記録トラック方向のみを分離するので、パターンドメディアに比べるとパターン形成は楽である。
特開2001―176049号公報(第1図) 特許第3286291号 (段落番号(0025)) 特開平7―85406号公報(第1図)
上述するように、パターンドメディアは「熱揺らぎ」による磁化反転を抑制できるため、高密度磁気記録媒体として有効である。また、ディスクリートトラック媒体は、トラック方向密度を高めることができるため、高密度磁気記録媒体として有効である。
一方、高密度記録を行う為には、記録再生ヘッドと磁気記録媒体の磁気スペーシングを減ずる必要がある。現行の浮上方式の記録再生では、記録媒体の保護膜5nm、記録再生ヘッドのスライダー保護膜5nm、浮上量13nm、マージン4nm、計27nmの磁気スペーシングがある。200Gbpsiの記録密度では、磁気スペーシングを14nmまで減じる必要があるが、記録媒体およびスライダーの保護膜が現行通りであると仮定すると、浮上量が0nm、即ち接触記録を行わなくてはならない。接触記録では、ヘッドスライダーと記録媒体面との間に生ずる摩擦力や粘性流体力に対して十分な強度を得る必要があるため、記録媒体表面に形成される潤滑剤が重要になる。
現行の潤滑剤(一般的にはパーフルオロポリエーテル)は、磁気記録媒体表面に形成されたカーボンと化学的に結合する部分(吸着層)と、化学的な結合せず、自由に動くことができる部分(フリー層)からなる。吸着層は記録再生ヘッドの接触等で潤滑剤の減量・損失を抑えるために、また、ディスク回転時の遠心力によるスピンオフを防ぐために重要になる。フリー層は減量した部分に流動して、その部分を被覆する、自己修復を行うために重要になる。接触記録では、媒体表面の潤滑剤が枯渇しやすいため、フリー層からの補給が追いつかないという問題がある。
本発明は上記事情を考慮してなされたものであって、高密度記録が可能でかつ熱揺らぎ耐性に優れた磁気記録媒体およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様による磁気記録媒体は、非磁性基板上に形成された軟磁性層上に分離して設けられた凸形状の強磁性体からなる複数の記録トラックと、前記記録トラックの上面および側面ならびに前記記録トラック間に設けられた凹部の底面を覆う保護膜と、前記記録トラック間の凹部を充填するように前記凹部の保護膜上に設けられ前記保護膜の材料と組成が異なる材料からなる充填部と、を備えたことを特徴とする。
なお、前記記録トラックのそれぞれは、トラック幅方向の断面が凸形状の強磁性体からなるように構成してもよい。
なお、前記記録トラックのそれぞれは複数の強磁性体ドットからなり、各記録トラックにおける前記強磁性体ドットの上面および側面ならびに前記強磁性体ドット間の凹部にも前記保護膜が設けられているとともに前記強磁性体ドット間の前記凹部の保護膜上にも前記充填部が設けられるように構成してもよい。
なお、前記保護膜は炭素を主成分と材料から形成してもよい。この場合前記充填部はSiO、低温焼結したSOG、窒化物のいずれかから形成することが好ましい。
なお、前記保護膜はSiOから形成してもよい。この場合、前記充填部は低温焼結したSOG、窒化物のいずれかから形成することが好ましい。
また、本発明の第2の態様による磁気記録媒体の製造方法は、非磁性基板上に形成された軟磁性層上に分離して設けられた凸形状の強磁性体からなる記録トラックを形成するとともに前記強磁性体間に前記軟磁性層を露出させる工程と、前記強磁性体の上面および側面ならびに露出した前記軟磁性層を覆う保護膜を形成する工程と、露出した前記軟磁性層上の前記保護膜上にのみ前記保護膜の材料と組成が異なる材料からなる充填部を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、高密度記録が可能でかつ熱揺らぎ耐性に優れた磁気記録媒体およびその製造方法を得ることができる。
発明を実施する最良の形態
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による磁気記録媒体の構成を図1および図2を参照して説明する。本実施形態の磁気記録媒体は、ディスクリートトラック媒体であって、トラック領域およびサーボ領域を備えている。トラック領域の平面図とサーボ領域のバーストの平面図を図2(a)および図2(b)にそれぞれ示し、図2(a)に示す切断線A−Aで切断したときの断面図を図1に示す。
本実施形態の磁気記録媒体は、図1に示すように、非磁性基板2上に軟磁性下地層4が設けられ、トラック領域においてはこの軟磁性下地層4上に強磁性体からなるトラック幅方向の断面が凸形状の複数の記録トラック6が設けられた構成となっている。隣接する記録トラック6はトラック幅方向の断面が凹形状の凹部8によって分離されている。記録トラック6の上面および側面と、凹部8の底面は、膜厚の薄い保護膜10によって覆われている。また、サーボ領域のバーストは、軟磁性下地層4上に強磁性体ドットから構成されている。図2(b)に示すように、バーストの強磁性体ドットの上面および側面と、強磁性体ドット間も膜厚の薄い保護膜10によって覆われている。なお、サーボ領域はバーストの他に記録トラックのトラック方向と略直交する方向に延在する強磁性体からなるプリアンブルやアドレス部が存在するが、これらの強磁性体の上面および側面と、強磁性体間も同様に保護膜10で覆われている。そして、本実施形態においては、トラック領域では、凹部8には保護膜10と組成が異なる埋め込み材12が充填され、埋め込み材12が表面に露出するように構成されている。また、同様にサーボ領域においても強磁性体間には保護膜10と組成が異なる埋め込み材12が充填され、埋め込み材12が表面に露出するように構成されている(図2(b)参照)。
記録トラック6上面の保護膜10と、凹部8の埋め込み材12は、潤滑剤に対する濡れ性が異なる。凹部8の埋め込み材12として潤滑剤の濡れ性が良くなる化合物、例えばSiO、Al、TiC、BC、SiC等を用いることで、記録再生に関係の無い部位に潤滑剤を溜めておくことができる。特許文献1においては、パターンドメディアの最表面に平坦な保護膜が形成されているため、潤滑剤の濡れ性は記録トラックと凹部で同じになる。接触記録用に潤滑剤を多量に塗布した場合、磁気スペーシングが広がってしまうためにS/Nが低下し、高密度記録はできない。
これに対して、本実施形態による磁気記録媒体の構造は、記録再生に関わる記録トラック6の上面に最小限の潤滑剤(1nm以下が好ましい)が塗られるために、磁気スペーシングを広げることはない。このため、高密度記録が可能となる。また記録に関わらない凹部8に潤滑剤が多く塗ることができるために、接触記録で枯渇した記録トラック6の上面に潤滑剤を供給しやすくなり、接触記録で発生した熱を潤滑剤で吸収することが可能となり、熱揺らぎ耐性に優れたものとなる。記録トラック6の上面の保護膜10と、凹部8の埋め込み材12の高さは同一でも良いが、磁気スペーシングの観点からは埋め込み材12の高さが低いほうが好ましい。
本実施形態においては、保護膜10にカーボンが用いられる。カーボンは、sp2結合炭素(グラファイト)とsp3結合炭素(ダイヤモンド)に分類できる。耐久性、耐食性はsp3結合炭素のほうが優れるが、結晶質であることから表面平滑性はグラファイトに劣る。通常、カーボンの成膜はグラファイトターゲットを用いたスパッタリング法で形成される。この方法では、sp2結合炭素とsp3結合炭素が混在したアモルファスカーボンが形成される。sp3結合炭素の割合が大きいものはダイヤモンドライクカーボン(以下、DLCという)と呼ばれる。耐久性、耐食性に優れ、アモルファスであることから表面平滑性にも優れるため、磁気記録媒体の表面保護膜として利用されている。CVD(Chemical vapor Deposition)法によるDLCの成膜は、原料ガスをプラズマ中で励起、分解し、化学反応によってDLCを生成させるため、条件を合わせることで、よりsp3結合炭素に富んだDLCを形成することができる。
なお、本実施形態においては、埋め込み材12として潤滑剤の濡れ性が良くなる化合物、例えばSiO、Al、TiC、BC、SiC等を用いたが、保護膜10がDLC等のカーボンからなっている場合には、埋め込み材12に窒化物を用いることができる。凹部8の埋め込み材12に潤滑剤の濡れ性が非常に良くなる窒化物、例えば、CN、TiN、Si、BN等の窒化物を用いることで、凹部8に蓄えておける潤滑剤の選択範囲が広がる。
また、保護膜10がDLC等のカーボンからなっている場合には、埋め込み材12にSOG(Spin-On-Glass)を用いることができる。SOGはSiOを主成分とする薄膜を、塗布〜焼結で形成させるための塗布液である。主成分は例えばR Si(OH)4−nからなり、添加剤とともに有機溶媒に溶解したものである。末端にはCH等が用いられている場合もある。通常は600℃程度で焼結することで純粋なSiOに変化する。液体であるため、埋め込み材として使い勝手が良い。しかし、潤滑剤の濡れ性を増すのはOH末端やCH末端であるため、500℃以下の低温で焼結したSOGが埋め込み材として好適である。
なお、本実施形態においては、保護膜10はDLC等のカーボンから形成したが、高温焼結したSOG、SiO、酸窒化シリコン(SiON)、窒化シリコン(SiN(Si等))を用いることができる。保護膜10として高温焼結したSOGまたはSiOを用いた場合は、埋め込み材として、CN、TiN、TaN、BN、低温焼結したSOGのいずれかを用いることができる。また、保護膜10としてSiONを用いた場合は、埋め込み材として、SiO、高温焼結したSOG、CN、TiN、TaN、BN、低温焼結したSOGのいずれかを用いることができる。また、保護膜10としてSiNを用いた場合は、埋め込み材として、CN、TiN、TaN、BN、低温焼結したSOGのいずれかを用いることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による磁気記録媒体の製造方法を図3(a)乃至図4(c)を参照して説明する。図3(a)乃至図4(c)は、本実施形態による製造方法の製造工程を示す断面図である。
まず図3(a)に示すように、例えばSiO、Si等からなる非磁性基板2に軟磁性下地層4、磁性層6を順次成膜する。その上にレジスト20を塗布し、塗布したレジスト20上に、記録トラック、トラッキングサーボ信号、アドレス情報信号、再生クロック信号等に相当する凹凸が形成されたスタンパー30をプレスして凹凸を転写する。このようなスタンパーを用いたプレスによる形状転写法は、インプリント法と呼ばれる。
インプリント法による形状転写の問題点は、図3(b)に示すような残さ21が形成でされることである。このような残さ21のある状態で、RIE(Reactive ion etching)、Arイオンミリング等のドライエッチングで下の磁性層をエッチングした場合、形状が著しく悪くなる。残さ21は酸素プラズマで除去可能であるので、図3(b)に示すように例えば酸素プラズマを用いたRIEで異方性エッチングする。これにより、残さ21が完全に除去されたレジストパターン20aが形成される(図3(c)参照)。
次に、レジストパターン20aをマスクとしてArイオンミリング等のドライエッチングを用いて磁性層6をパターニングし(図3(c)参照)、上面および側面が磁性層からなる凸部6と、底面に軟磁性下地層が露出した凹部8を形成する(図3(d)参照)。磁性層6のパターニング後に酸素プラズマ処理等を用いてレジストパターン20aの剥離を行う(図3(d)参照)。
次に、スパッタ法もしくはCVD(Chemical vapor deposition)法を用いて凸部6の上面および側面と、凹部8の底面を覆うように例えばDLCからなる保護膜10を形成する(図4(a)参照)。続いて、バイアススパッタ法を用いて保護膜10と組成が異なり、潤滑剤に対する濡れ性が良い埋め込み材12を全面に形成する(図4(b)参照)。その後、IBE(Ion Beam Etching)もしくはArイオンミリング、RIE等のドライエッチングを用いて磁性層6の上部に形成された保護膜10が露出するまで埋め込み材12をエッチングし、凹部8にのみ埋め込み材12を充填させる(図4(c)参照)。これにより、第1実施形態の磁気記録媒体が製造される。
以上説明したように、本実施形態の製造方法によれば、第1実施形態の磁気記録媒体を製造することが可能となり、高密度記録が可能でかつ熱揺らぎ耐性に優れた磁気記録媒体を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態による磁気記録媒体の製造方法を図5を参照して説明する。本実施形態の製造方法は、埋め込み材として低温焼結のSOGを用いたものであり、第2実施形態の製造方法の図4(a)に示す工程まで、すなわち保護膜を形成する工程までは第2実施形態と同様にして行う。
例えばDLCからなる保護膜10が形成された後、図5(a)に示すように、保護膜10上にSOG24をスピンコート法で塗布する。続いて500℃を超えない温度で熱処理を行って低温焼結させ、低温焼結したSOG24aを得る(図5(b)参照)。その際、酸化によるダメージを防ぐために、真空もしくは還元雰囲気下、例えばフォーミングガス(窒素と水素の混合ガス)や水素ガス中での熱処理が好ましい。
次に、IBE(Ion Beam Etching)もしくはArイオンミリング、RIE等のドライエッチングを用いて、磁性層6の上面に形成された保護膜10が露出するように低温焼結したSOG24aをエッチングする(図5(c)参照)。これにより、凹部8にのみ低温焼結したSOG24aが充填される(図5(c)参照)。
以上説明したように、本実施形態の製造方法によれば、高密度記録が可能でかつ熱揺らぎ耐性に優れた磁気記録媒体を得ることができる。
上記第1実施形態の磁気記録媒体および第2乃至第3実施形態の製造方法によって製造された磁気記録媒体の構造は、図6に示したような、トラック幅方向の断面形状が凸形状の強磁性体からなる記録トラック6と、凹部8を備えたディスクリートトラック媒体についてであったが、本発明はこれに限定されない。例えば、図7に示すように、記録トラック6内に分離した強磁性体ドット7が配列された構造を持つパターンドメディアや、記録トラックのみの構造を持つ磁気記録媒体、分離した強磁性体ドットが配列した構造をもつ磁気記録媒体であってもよい。また、レジストパターン20aの凸部と凹部が逆転したパターンを用いて製造してもよい。なお、図6に示す切断線A−Aで切断したディスクリートトラック媒体の断面は図1に示すようになり、図7に示す切断線A−Aで切断したパターンドメディアの断面は図8に示すようになる。
上記実施形態の磁気記録媒体はディスクリートトラック媒体であって、トラック方向には溝が形成されているが、ビットは連続膜である。そのため、ビット方向の分解能は記録再生ヘッドと記録層強磁性体の性能で決まってしまう。そこで、配列制御された自己組織化マスクを用いた加工法(AASA法(Artificially Assisted Self Assembling))を用いて、記録トラックをビット方向にも分離孤立化する。このような構造をとることで、更なる高密度記録が達成できる。このAASA法を用いた磁気記録媒体の製造方法を第4実施形態として説明する。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態の磁気記録媒体の製造方法を図9(a)乃至図11(c)を参照して説明する。
まず、図9(a)に示すように、非磁性基板2上に軟磁性下地層4を形成し、この軟磁性下地層4上に磁気記録層となる強磁性層6を形成する。その後、強磁性層6上にレジスト20を塗布する。続いて、溝の形成されたスタンパー30を用いて、レジストを押圧することによりレジスト20に凹凸を転写する(図9(b)参照)。そして、この凹凸が転写されたレジスト20上に、例えばPS(ポリスチレン)−PMMA(ポリメチルメタクリレート)ジブロックポリマー40を有機溶剤に溶かしたものをスピンコート法で形成する(図9(c)参照)。なお、図9(c)は、後述する自己組織化現象を説明するために図9(b)に示す断面を横方向(紙面上で左右方向に伸ばした図となっている。
次に、図10(a)に示すように、140℃〜200℃程度の温度で熱処理をすることで、PS−PMMAジブロックコポリマー薄膜40は自己組織化による相分離が起こり、ナノメーターサイズの海島構造が得られる。この自己組織化現象を用いたナノパターン形成方法は、通常のパターン形成法、例えば、EB描画、フォトリソグラフィー、X線リソグラフィー、近接場光リソグラフィー、干渉露光法、FIB(Focused ion beam)などに比べると、安価で短時間に大面積のナノパターンを形成できる。ジブロックコポリマーは、欲しい構造(直径、ピッチ、エッチングレート)に応じて様々なポリマーを使用することができる。PS−PMMAジブロックコポリマーの自己組織化による相分離で、PMMAのナノメートルサイズのドット42が六方格子状に配列する。なお、図10(a)において、符号44はポリスチレンを示す。
その後、酸素プラズマ処理(例えば酸素ガスを用いたRIE)でPMMAのドット42のみ選択的に除去し(図10(b)参照)、PMMAの除去された穴46にSOG48を埋め込む(図10(c)参照)。続いて、酸素ガスを用いたRIEで、レジスト層20をパターニングする。このとき、SOG48で被覆されたレジスト以外のレジストが除去され、レジストパターン20a形成される(図10(d)参照)。このレジストパターン20aとSOG48からなるエッチングマスクを用いて、Oガスを用いたRIEで、強磁性層6をパターニングし、その後、レジストパターン56aとSOG48からなるエッチングマスクを除去する。すると、図10(e)に示すように、パターニングされた複数の強磁性層6が得られる。この後、第2実施形態で説明したと同様に、図11(a)に示すように保護膜10を形成し、埋め込み材12を全面に形成し(図11(b)参照)、強磁性層6上の保護膜10が露出まで埋め込み材12をエッチングし、強磁性層6間の凹部8,9に埋め込み材12を充填する(図11(c)参照)。なお、図11(c)においては、強磁性層6間の凹部9に充填された埋め込み材12の上面は強磁性層6上の保護膜10の上面よりも低いが、同一面上にあってもよい。なお、強磁性層6間の凹部8は記録トラック間の凹部であり、強磁性層6間の凹部9は、同一の記録トラック内における強磁性層6間の凹部を示すしている。
このようにすることにより、耐久性が大幅に増し、かつ安価で大面積にナノメーターサイズのパターンが形成可能となる。
なお、図9(a)に示す工程で用いたスタンパー30は、通常の光露光に加え、EB描画、Deep−UVカッティング等を用いることができる。
なお、AASA法で作成したパターンドメディアは、磁性ドットが孤立分離化して配列した構造を持つ。1記録に1つの磁性ドット(1ビット1セル)を用いても良いが、1つの記録が多数の磁性ドット(1ビット多セル)で形成されていても良い。磁性ドットの粒径が10nm程度のパターンドメディアを考えた場合、10nmの領域に正確にアクセスする現実的な手段がないため、1つの記録が多数の磁性ドット(1ビット多セル)で形成するほうが好ましい。例えば、200Gbpsiの面密度を考えた場合、1ビットの面積はトラック幅125nm×記録ビット長25nmとなる。磁性ドット粒径が9nmの場合、200Gbpsiの面密度では磁性ドット14個(トラック幅)×3個(トラック方向)で42個の磁性ドットで1ビットが形成される。
強磁性層6の代わりにSiO等を用いることで、スタンパー30を形成するための原盤とすることができる。図9(a)、(b)に示した工程でAASA法を用いて原盤を形成した後、原盤表面にNi導電化処理を行う。一般的にはスパッタ法でNiを10nm程度成膜する。その後、Ni電鋳を行い、AASA法を用いた構造を持つスタンパーを形成できる。
なお、上記実施形態においては、軟磁性下地層、強磁性層、カーボン、自己組織化ジブロックコポリマーが用いられているが、以下、これらの材料について説明する。
(軟磁性下地層)
軟磁性層としては、Fe,Ni,Coのいずれかの元素を組成に含んでいる軟磁性材料、例えば、CoFe、NiFe、CoZrNb、フェライト、珪素鉄、炭素鉄等が使用できる。
軟磁性層の微細構造は、強磁性層と同様な構造であれば、結晶性や微細構造制御の点で好ましいが、磁気特性を優先させる場合には敢えて別の構造とすることもできる。例えば、アモルファスの軟磁性層と結晶性の強磁性層、あるいはその逆が考えられる。また、軟磁性層は、軟磁性体微粒子が非磁性体マトリックス中に存在する、いわゆるグラニュラー構造であっても構わないし、磁気特性の異なる複数の層(例えば軟磁性層/非磁性層の多層膜)から構成されていても構わない。
なお、記録再生時以外の軟磁性層の磁気異方性の方向は膜面に垂直でも、面内周方向でも、面内半径方向でも、あるいはこれらの合成であっても構わない。
軟磁性層は、記録再生時に単磁極ヘッドの磁界によって磁気の向き(スピンの向き)が変化し閉じた磁気ループが形成される程度の保持力を有するものであればよい。一般的には数kOe以下であれば好ましく、1kOe以下であればさらに好ましく、50Oe以下であればなお好ましい。
(強磁性層)
強磁性層としては、現在の磁気記録媒体で一般的に用いられている強磁性材料を使用できる。すなわち、飽和磁化Isが大きくかつ磁気異方性が大きいものが適している。この観点から、例えばCo、Pt、Sm、Fe、Ni、Cr、Mn、Bi、およびAlならびにこれらの金属の合金からなる群より選択される少なくとも一種を使用することができる。これらのうちでは、結晶磁気異方性の大きいCo合金、特にCoPt、SmCo、CoCrをベースとしたものやFePt,CoPt等の規則合金がより好ましい。具体的には、Co−Cr,Co−Pt,Co−Cr−Ta,Co−Cr−Pt,Co−Cr−Ta−Pt、Fe50Pt50、Co50Pt50、Fe50Pd50、Co75Pt25などである。また、これらの他にも、Tb−Fe,Tb−Fe−Co,Tb−Co, Gd−Tb−Fe−Co,Gd−Dy−Fe−Co,Nd−Fe−Co,Nd−Tb−Fe−Co等の希土類−遷移金属合金、磁性層と貴金属層の多層膜(人工格子:Co/Pt、Co/Pdなど)、PtMnSb等の半金属、Coフェライト、Baフェライト等の磁性酸化物などから幅広く選択することができる。
強磁性層の磁気特性を制御する目的で、上記の磁性体と、磁性元素であるFe、Niから選ばれる少なくとも1つ以上の元素とを合金化させたものを強磁性層として使用してもよい。また、これらの金属または合金に、磁気特性を向上させるための添加物、例えばCr、Nb、V、Ta、Mo、Ti、W、Hf、Cr、V、In、Zn、Al、Mg、Si、B等、あるいはこれらの元素と、酸素、窒素、炭素、水素の中から選ばれる少なくとも一つの元素との化合物を加えても良い。
強磁性層の磁気異方性に関しては、垂直磁気異方性成分が主であれば面内磁気異方性成分があっても構わない。強磁性層の厚さに特に制限はないが、高密度記録を考えると100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、20nm以下が更に好ましい。なお、0.1nm以下になると連続した薄膜を構成するのが困難になるので好ましくない。
また、強磁性層は、磁性粒子とその間に存在する非磁性物質とから構成される複合材料であることが好ましい。磁性粒子を反転単位とした高密度磁気記録が可能となるからである。しかしながら、記録領域をパターン化する場合には、非磁性物質の存在は必ずしも必要ではなく、また、希土類―遷移金属合金のような連続的なアモルファス磁性体であっても構わない。
(自己組織化:ジブロックコポリマー)
ブロックコポリマーとは、複数の単独高分子を部分構成成分(ブロック)とする直鎖高分子からなるコポリマー(共重合体)である。たとえば、ポリマー鎖AとBが−(AA・・AA)−(BB・・BB)‐というような構造を持つ。ブロックコポリマーは、熱処理を加えることで、ポリマーAが凝集したA相とポリマーBが凝集した相分離構造をとる。例えば、A相とB相が交互に規則正しく現れる「ラメラ」構造、片方の相が棒状になる「シリンダー」構造、片方の相が球状に分布する「海島」構造がある。ブロックコポリマーでミクロ相分離構造を形成するには、2相の体積分率が重要である。ポリマーAとポリマーBはどのようなポリマーを選ぶことも可能であるが、リソグラフィーの観点からは、ドライエッチングレートの差が大きな物を選ぶのが好適である。比較的エッチング耐性のある芳香族ポリマー(例えばポリスチレン、ポリビニルナフタレン、ポリαメチルスチレン、ポリビニルピリジン等)と、ドライエッチングレートの速いアクリル系のポリマー(例えばPMMA、ポリtブチルメタクリレート等)などの組み合わせが良い。PS(ポリスチレン)とPMMAが結合したジブロックコポリマーの場合、大きなドライエッチング耐性の違いを利用して、PMMAのみ選択的に除去することが可能である。PSとポリビニルピリジンのジブロックコポリマーはきれいな海島構造に相分離するが、ドライエッチング耐性に違いがほとんど無いため、相分離構造をエッチングマスクにすることは難しい。相分離構造の大きさ(ドット直径、ピッチ)は、ポリマーAとポリマーBの分子量で制御できる。例えばPS−PMMAジブロックコポリマーの場合、PSの分子量を172000、PMMAの分子量を41500にすることで、PMMAドットの直径を40nm、ピッチを80nmにすることができる。分子量を減らすと構造も小さくなる。例えば、PSの分子量を43000、PMMAの分子量を10000にすることで、PMMAドットの直径を10nm、ピッチを29nmにすることができる。
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
電子ビーム露光によって、図6に示したようなパターンが100セクターあるディスク状スタンパーを形成した。その後、図3(a)乃至図4(c)に示した工程でディスクリート媒体を製作した。即ち、ガラス基板2上にCoZrNbからなる膜厚200nmの軟磁性下地層4を形成した。続いて、スパッタ蒸着法を用いて、配向制御目的でRuを20nm、強磁性層6としてCoCrPt−SiO合金を20nmを順次成膜した。
その後、レジスト20を膜厚100nmで形成した。続けてサーボ情報と記録トラックが混在したスタンパー30を用いてインプリントによるパターン形成を行い、酸素RIEでインプリント残さを除去した。その際、残さ除去条件は酸素RIE時間を30秒とした。 その後、Arイオンミリングで膜厚20nmの強磁性層6をエッチングした後、レジストの剥離を行い、カーボン保護膜10を5nm形成した。その後、埋め込み材12としてSiOをバイアススパッタ法で150nm堆積させた。
SEM(走査型電子顕微鏡)で断面形状を観察した所、表面の凹凸は殆どなかった。続けてIBEで15分エッチバックし、強磁性層6の上部に形成された保護膜10を露出させた。保護膜10であるカーボンはsp3結合炭素の割合が多く、機械的強度に優れるDLCであったため、埋め込み材12であるSiOと比べてIBEレートが遅かった。そのため、図1に示したように、記録トラック6の上部の保護膜10のほうが埋め込み材12よりも高さが高かった。このようにして断面形状が図1に示すようなディスクリートトラック媒体を作成した。
潤滑剤を塗布し、接触型記録再生ヘッドによる耐久性試験を行った所、1週間経っても再生波形が明瞭に観察できた。
続けて、ディスク半径方向の潤滑剤膜厚変動をOSA(Optical Surface Analyzer)で評価した。記録再生ヘッドを10分間摺動させた直後の膜厚変動は2Åであった。3時間放置後の膜厚変動は0.3Å以下であった。潤滑剤の自己修復が機能していることが判った。
(比較例1)
一般的な方法でディスクリートトラック媒体を製作した。即ち、サーボ情報と記録トラックが混在したスタンパーを用いてインプリント法によるパターン形成を行い、酸素RIEでインプリント残さを除去し、Arイオンミリングで磁性層20nmをエッチングした後、SiOをバイアススパッタ法で150nm堆積させた。IBEで15分エッチバックし、強磁性体上部が露出後、カーボン保護膜を5nm形成した。
潤滑剤を塗布し、接触型記録再生ヘッドによる耐久性試験を行った所、最初の2日間は良好な再生波形が得られたが、徐々に信号強度が減衰し、1週間後にはS/N比が半分程度まで減少した。
従来方式の、記録媒体表面に一様に保護膜が存在するディスクリート媒体では、潤滑剤のフリー層が少なくなり、接触型記録再生ヘッドの摺動による潤滑剤の枯渇に対応ができないことがわかった。
(実施例2)
埋め込み材をTiNにする以外は実施例1と同じ方法を用いてディスクリートトラック媒体を作成した。
潤滑剤を塗布し、接触型記録再生ヘッドによる耐久性試験を行った所、1週間経っても再生波形が明瞭に観察できた。
続けて、ディスク半径方向の潤滑剤膜厚変動をOSAで評価した。記録再生ヘッドを10分間摺動させた直後の膜厚変動は0.5Åであった。3時間放置後の膜厚変動は0.3Å以下であった。実施例1で示したSiOで埋め込んだ試料と比べて、膜厚変動が少ないことが判った。窒化物を埋め込み剤に用いることで、より潤滑剤の自己修復性が向上することがわかった。
(実施例3)
実施例1と同じ方法でカーボンからなる保護膜までを形成したディスクリートトラック媒体を作成した。その後、SOGを4000rpmスピンコートで回転塗布し、フォーミングガス雰囲気下450℃で1時間アニールした。SEMで断面形状を観察した所、表面の凹凸は殆どなかった。バイアススパッタ法で埋め込み剤を堆積させた場合、表面の凹凸を完全に埋め込む為には150nm程度の膜厚が必要であったが、SOGの場合は80nm程度の膜厚でも十分凹凸を埋め込むことができた。続けてIBEで8分エッチバックし、強磁性体上部に形成された保護膜を露出させた。埋め込み剤であるSOGはIBEレートが早かったため、図1に示したような、記録トラック上部の保護膜のほうが埋め込み剤よりも高いディスクリートトラック媒体が完成した。
潤滑剤を塗布し、接触型記録再生ヘッドによる耐久性試験を行った所、1週間経っても再生波形が明瞭に観察できた。
続けて、ディスク半径方向の潤滑剤膜厚変動をOSAで評価した。記録再生ヘッドを10分間摺動させた直後の膜厚変動は0.5Åであった。3時間放置後の膜厚変動は0.3Å以下であった。実施例2で示した窒化物で埋め込んだ試料と同等の自己修復性があることがわかった。また、埋め込み剤の膜厚が80nm程度と少ないため、IBEエッチバック時間が短くてよいため、量産性に優れる。
(比較例2)
フォーミングガス雰囲気下600℃で1時間アニールしたことを以外は実施例3で製作した方法と同様でSOGを埋め込み剤としたディスクリートトラック媒体を作成した。
潤滑剤を塗布し、接触型記録再生ヘッドによる耐久性試験を行った所、1週間経っても再生波形が明瞭に観察できた。
続けて、ディスク半径方向の潤滑剤膜厚変動をOSAで評価した。記録再生ヘッドを10分間摺動させた直後の膜厚変動は2Åであった。3時間放置後の膜厚変動は0.3Å以下であった。潤滑剤の自己修復が機能していることが判った。しかしながら、SOGを高温で焼結したため、SOGがSiOに変化してしまい、潤滑剤の自己修復性は低温焼結SOGには劣ることがわかった。
以上に説明したように、本発明の各実施形態によれば、高密度記録に対応したパターンド媒体とその製造方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態による磁気記録媒体の構成を示す断面図。 本発明の第1実施形態による磁気記録媒体の構成を示す平面図。 本発明の第2実施形態による磁気記録媒体の製造方法の製造工程を示す断面図。 本発明の第2実施形態による磁気記録媒体の製造方法の製造工程を示す断面図。 本発明の第3実施形態による磁気記録媒体の製造方法の製造工程を示す断面図。 本発明の一実施形態によるディスクリートトラック媒体の構成を示す平面図。 本発明の一実施形態によるパターンドメディアの構成を示す平面図。 図7に示す切断線A−Aで切断した断面図。 本発明の第4実施形態による磁気記録媒体の製造方法の製造工程を示す断面図。 本発明の第4実施形態による磁気記録媒体の製造方法の製造工程を示す断面図。 本発明の第4実施形態による磁気記録媒体の製造方法の製造工程を示す断面図。
符号の説明
2 非磁性基板
4 軟磁性下地層
6 強磁性層(記録トラック)
8 凹部
10 保護膜
12 埋め込み材

Claims (8)

  1. 非磁性基板上に形成された軟磁性層上に分離して設けられた凸形状の強磁性体からなる複数の記録トラックと、
    前記記録トラックの上面および側面ならびに前記記録トラック間に設けられた凹部の底面を覆う保護膜と、
    前記記録トラック間の凹部を充填するように前記凹部の保護膜上にのみ設けられ前記保護膜の材料と組成が異なる材料からなる充填部と、
    を備え、
    前記保護膜と前記充填部の上に潤滑剤が塗布され、前記充填部の材料は、前記保護膜の材料に比べて前記潤滑剤の濡れ性が良いことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記記録トラックのそれぞれは、トラック幅方向の断面が凸形状の強磁性体からなることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 前記記録トラックのそれぞれは複数の強磁性体ドットからなり、各記録トラックにおける前記強磁性体ドットの上面および側面ならびに前記強磁性体ドット間の凹部にも前記保護膜が設けられているとともに前記強磁性体ドット間の前記凹部の保護膜上にも前記充填部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 前記保護膜は炭素を主成分と材料から形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  5. 前記充填部はSiO、低温焼結したSOG、窒化物のいずれかから形成されることを特徴とする請求項4記載の磁気記録媒体。
  6. 前記保護膜はSiOから形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  7. 前記充填部は低温焼結したSOG、窒化物のいずれかから形成されることを特徴とする請求項6記載の磁気記録媒体。
  8. 非磁性基板上に形成された軟磁性層上に分離して設けられた凸形状の強磁性体からなる記録トラックを形成するとともに前記強磁性体間に前記軟磁性層を露出させる工程と、
    前記強磁性体の上面および側面ならびに露出した前記軟磁性層を覆う保護膜を形成する工程と、
    露出した前記軟磁性層上の前記保護膜上にのみ前記保護膜の材料と組成が異なる材料からなる充填部を形成する工程と、
    前記保護膜と前記充填部の上に潤滑剤を塗布する工程と、
    を備え、
    前記充填部の材料は、前記保護膜の材料に比べて前記潤滑剤の濡れ性が良い
    ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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