JP4030707B2 - 画像転送方法および画像転送システム並びにそれに使用する画像信号出力装置および端末 - Google Patents

画像転送方法および画像転送システム並びにそれに使用する画像信号出力装置および端末 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像転送方法および画像転送システム並びにそれに使用する画像信号出力装置および端末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、蓄積性蛍光体シートやフイルムに記録された被写体の放射線画像情報を読み取って画像データを得、この画像データに所定の画像処理を施した後、画像をCRTディスプレイなどの画像表示装置に表示したり、またはLP(レーザープリンタ)などのプリンタによりフイルムに出力することが医療分野などの種々の分野で行われている。
【0003】
特に近年、コンピューターとの組合わせによるデジタル画像処理技術が開発され、該デジタル画像処理技術を利用したCT(Computed Tomography )装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、CR(Computed Radiography)装置など各種の画像生成装置(画像形成モダリティ)が、診断用画像などを形成する装置として普及し、医療現場において、病巣や傷害の有無、その内容の把握などの診断に利用されている。
【0004】
ここで、CR装置とは、放射線を照射すると、この放射線エネルギの一部が蓄積され、その後、可視光や赤外光などの励起光を照射すると蓄積された放射線エネルギに応じて輝尽発光を示す蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、人体などの被写体の放射線画像情報を一旦シート状の蓄積性蛍光体(蓄積性蛍光体シート)に記録し、この蓄積性蛍光体シートを励起光で走査して輝尽発光光を発生させ、発生した輝尽発光光をフォトマルなどの光電読取手段により光電的に読み取って画像信号を得る放射線画像記録読取装置を意味し、近年は広く普及し、実用に供されている(例えば、本願出願人による特開昭55-12429号,同56-11395号,同55-163472 号,同56-104645 号,同55- 116340号など)。
【0005】
また、本願出願人は、上述した輝尽発光光を光電的に読み取る方法として、蓄積性蛍光体シートの両側に上述した光電読取手段を配して、蓄積性蛍光体シートの両面または片面にのみ励起光を走査し、この励起光走査により発せられた輝尽発光光を蓄積性蛍光体シートの両面から光電的に読み取る両面集光読取方法を提案している(例えば、特開昭55-87970号、特開平8-116435号など)。
【0006】
この両面集光読取方法においては、透明支持体の表面に蓄積性蛍光体を積層することにより蓄積性蛍光体シートを形成し、透明なホルダー上に放射線画像が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートを装着し、その上下に光電読取手段を配置している。すなわち、ホルダーの上に配置された光電読取手段では、蓄積性蛍光体シートの表面から射出した輝尽発光光を読み取り、ホルダーの下に配置された光電読取手段では、蓄積性蛍光体シートの裏面から射出した輝尽発光光を読み取ることとなる。
【0007】
このように両面から夫々読み取られた画像信号(表面画像信号と裏面画像信号)は、互いに異なる周波数特性のフィルタリング処理が施された後、対応する画素ごとに夫々加算演算されて加算画像信号(重合せ画像信号)が求められる。この加算画像信号によれば、表面および裏面の各画像信号にランダムに発生していた高周波ノイズが加算演算によって平滑化され、また蓄積性蛍光体シートの両面から輝尽発光光を集光するようにしたものであるので集光効率が向上し、加算画像信号に基づいて表示された重合せ画像は、S/N比が改善され、見易い画像となる。
【0008】
更に、上述した蓄積性蛍光体シートなどを用いて放射線画像情報を得る方法として、互いに異なった条件で撮影・記録された複数の放射線画像を読み取って複数の画像信号を得た後、これらの複数の画像信号に基づいてサブトラクション演算を施してサブトラクション画像信号を求めることにより、上記複数の放射線画像の差に対応する画像、即ち、放射線画像中の特定の被写体部分(以下、組織または構造物などの陰影とも称する)のみを強調または抽出した放射線画像を得る方法が知られている。このサブトラクション処理(演算)としては、基本的には、例えば特開平7-3704号、同 8-76741号などに開示されている経時サブトラクション処理(時間サブトラクション処理)と、エネルギサブトラクション処理とがあり、本願出願人も蓄積性蛍光体シートを用いた経時サブトラクション処理を特開昭 60-206392号などに、同じく蓄積性蛍光体シートを用いたエネルギサブトラクション処理を特開昭59-83486号や特開昭60-225541 号などに提案している。
【0009】
一方、近年の通信技術やコンピューター技術の高度化に伴うネットワーク技術の普及進展により、例えば医療分野においては、病院内の検査室などに設置された各種の画像生成装置と、診療室や研究室などに配置された画像表示装置やプリンタなどの画像出力装置とをネットワークで接続し、検査室の画像生成装置で取得された診断用の画像情報を診療室に居ながらにして入手することを可能にする画像転送システムとしての診断用医療画像ネットワークの構築が実現している。
【0010】
このようなネットワークなどを利用した画像転送システムにおいて、上述した加算演算やサブトラクション演算後の演算済画像を画像出力装置に出力させる場合、従来は演算処理後の加算画像信号やサブトラクション画像信号を画像生成装置から画像出力装置に転送し、画像出力装置においては、転送された各画像信号に基づいて画像出力するようにしていた。
【0011】
しかしながらこの方法では、出力された画像を確認後に加算演算やサブトラクション演算のパラメータを変更して再演算を行い、変更後の画像を再出力させるということは困難である。
【0012】
そこで、この困難さを解決するために、画像生成装置において取得された複数の画像信号即ち原画像信号をそのまま画像生成装置から画像出力装置に転送し、画像出力装置においては、転送された複数の原画像信号を使用して所定のパラメータに基づいて、その都度、上述した加算演算やサブトラクション演算を行い、該演算によって得られた演算済画像信号に基づいて画像出力する方法が考えられる。或いは、演算処理後の加算画像信号やサブトラクション画像信号と共に、原画像信号を転送し、通常は加算画像信号やサブトラクション画像信号に基づいて画像表示し、パラメータ変更を必要とする場合には、原画像信号を用いて再演算を行った後に再演算の信号に基づいて画像表示する方法も考えられる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1つの画像に対して複数の画像信号を転送するものとすると、転送のデータ量がその分だけ多くなり、転送に時間を要したり、この大量のデータを格納するための大容量の記憶装置を必要とするなどの問題を生じる。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、画像出力装置側において加算演算やサブトラクション演算のパラメータを変更して、変更後の画像を再出力させることができるように複数の画像信号を転送する場合において、転送のデータ量を削減することができる画像転送方法および画像転送システム並びにそれに使用する画像信号出力装置および端末を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明による画像転送方法は、上述した放射線画像情報読取装置において取得される複数の原画像信号の間には、周波数特性やノイズ特性などに違いがあるものの、非常に似通った値を呈するものであり、差分信号のデータ量は原画像信号のデータ量よりも少なくなるという性質に着目してなされたものである。
【0016】
即ち、本発明による第1の画像転送方法は、放射線画像を担持する画像信号を出力する画像信号出力装置と、転送された画像信号を受信する端末と、画像信号出力装置から出力された画像信号を端末に転送する転送手段とからなる画像転送システムにおける画像転送方法であって、放射線画像を担持する2つの画像信号の差分信号を求め、該差分信号を2つの画像信号の内の何れか一方の信号と共に画像信号出力装置から端末に転送し、転送された差分信号と前記何れか一方の信号とを使用して2つの画像信号の内の転送されていない方の信号を復元することを特徴とするものである。
【0017】
ここで、「2つの画像信号の内の転送されていない方の信号を復元する」とは、例えば、2つの画像信号の内の一方の信号をA、他方の信号をB、差分信号を(但しD=A−B)とした場合において、信号Aと差分信号D(但しD=A−B)とを転送する場合には、A−D=A−(A−B)=Bなる演算を行って信号Bを復元することを意味する。または、信号Bと差分信号Dとを転送する場合には、B+D=B+(A−B)=Aなる演算を行って信号Aを復元することを意味する。
【0018】
本発明による第2の画像転送方法は、放射線画像を担持する画像信号を出力する画像信号出力装置と、転送された画像信号を受信する端末と、画像信号出力装置から出力された画像信号を端末に転送する転送手段とからなる画像転送システムにおける画像転送方法であって、放射線画像を担持する2つの画像信号に対して互いに異なる周波数特性のフィルタリング処理を施し、該フィルタリング処理が施された2つの処理済画像信号を使用して演算することによって演算済画像信号を求め、該演算済画像信号と2つの画像信号それぞれとの差分信号を求め、該2つの差分信号と演算済画像信号とを画像信号出力装置から端末に転送し、転送された2つの差分信号と演算済画像信号とを使用して、転送されていない2つの画像信号を復元することを特徴とするものである。
【0019】
ここで、「演算済画像信号と2つの画像信号それぞれとの差分信号を求める」とは、上記第1の方法における例と同様に、2つの画像信号の内の一方の信号をA、他方の信号をB、演算済画像信号を加算画像信号Cとした場合には、A−C=Eなる演算を行って差分信号Eを求めると共に、B−C=Fなる演算を行って差分信号Fを求めることを意味する。また、「転送されていない2つの画像信号を復元する」とは、C+E=C+(A−C)=Aなる演算を行って信号Aを復元すると共に、C+F=C+(B−C)=Bなる演算を行って信号Bを復元することを意味する。
【0020】
上記において「転送する」とは、画像信号出力装置側から端末側に少なくとも2つの画像信号を伝達(受け渡し)することを意味し、その手段としてはどのような方法を用いるものであってもよく、上述したネットワークを用いるものに限定されず、例えばCD−ROMやMOなどの媒体を介して伝達するものであってもよい。この場合、画像信号出力装置を媒体に画像データ(画像信号)を格納するものとし、端末を媒体から画像データを読み出すものとするのは言うまでもない。
【0021】
本発明による第1および第2の画像転送方法においては、放射線画像を担持する2つの画像信号を、同一被写体についての同時撮影によって得られた各画像を表すものであることが望ましい。
【0022】
同時撮影によって得られた各画像としては、例えば、放射線画像を担持する2つの画像信号のうちの一方が蓄積性蛍光体を有する画像記録媒体に蓄積記録された放射線画像を該画像記録媒体の表面から発せられる輝尽発光光を検出することにより得た表面画像を表すものであり、他方が画像記録媒体の裏面から発せられる輝尽発光光を検出することにより得た裏面画像を表すものがある。
【0023】
この場合、表面画像および裏面画像のうちの一方が重合せ処理に用いられる第1の画像であり、他方が重合せ処理に用いられる第2の画像であるものとすることができる。
【0024】
あるいは、表面画像および裏面画像のうちの一方がエネルギサブトラクション処理に用いられる低圧画像を表すものであり、他方がエネルギサブトラクション処理に用いられる高圧画像を表すものとすることもできる。
【0025】
上記において表面あるいは裏面と称しているのは、画像記録媒体の絶対的な面を意味するものではなく、画像記録媒体の一方の面を表面と称したときにはその反対側の面を裏面と称するように相対的なものである。なお、通常は、励起光により走査される側の面を表面と称する場合が多い。
【0026】
また、本発明による第1および第2の画像転送方法においては、放射線画像を担持する2つの画像信号を、同一被写体について異なる時間に撮影されることによって得られた各画像を表すものとすることもできる。
【0027】
この場合、放射線画像を担持する2つの画像信号は、同一被写体について異なる時間に撮影されることによって得られた各画像の位置合わせ処理が施された後の各画像を表すものとすることが望ましい。
【0028】
また、位置合わせ処理が施された後の各画像のうちの一方を経時サブトラクション処理に用いられる現在画像とし、他方を過去画像とすることができる。
【0029】
上記において現在あるいは過去と称しているのは撮影時間の新旧を表したものであり必ずしも絶対的なものではない。すなわち、現在画像とは異なる時間に撮影された各画像のうちの比較的遅い時刻(現在に近い時刻)に撮影された画像を意味し、過去画像とは異なる時間に撮影された各画像のうちの比較的早い時刻(より過去に近い時刻)に撮影された画像を意味する。
【0030】
本発明による第1の画像転送システムは、上記第1の画像転送方法を実現するシステム、即ち、放射線画像を担持する画像信号を出力する画像信号出力装置と、転送された画像信号を受信する端末と、画像信号出力装置から出力された画像信号を端末に転送する転送手段とからなる画像転送システムであって、
画像信号出力装置を、放射線画像を担持する2つの画像信号の差分信号を生成する差分信号生成手段を有すると共に、該差分信号と2つの画像信号の内の何れか一方の信号とを出力するものとし、且つ、
端末を、転送された差分信号と前記何れか一方の信号とを使用して2つの画像信号の内の転送されていない方の信号を復元する復元手段を有するものとしたことを特徴とするものである。
【0031】
本発明による第2の画像転送システムは、上記第2の画像転送方法を実現するシステム、即ち、放射線画像を担持する画像信号を出力する画像信号出力装置と、転送された画像信号を受信する端末と、画像信号出力装置から出力された画像信号を端末に転送する転送手段とからなる画像転送システムであって、
画像信号出力装置を、放射線画像を担持する2つの画像信号に対して互いに異なる周波数特性のフィルタリング処理を施す信号処理手段と、該フィルタリング処理が施された2つの処理済画像信号を使用して得られる演算済画像信号を生成する演算済画像信号生成手段と、該演算済画像信号と2つの画像信号それぞれとの差分信号を生成する差分信号生成手段とを有すると共に、該2つの差分信号と演算済画像信号とを出力するものとし、且つ、
端末を、転送された2つの差分信号と演算済画像信号とを使用して、転送されていない2つの画像信号を復元する復元手段を有するものとしたことを特徴とするものである。
【0032】
本発明による画像転送システムにおいては、放射線画像を担持する2つの画像信号を、同一被写体についての同時撮影によって得られた各画像を表すものであることが望ましい。
【0033】
同時撮影によって得られた各画像としては、例えば、放射線画像を担持する2つの画像信号のうちの一方が蓄積性蛍光体を有する画像記録媒体に蓄積記録された放射線画像を該画像記録媒体の表面から発せられる輝尽発光光を検出することにより得た表面画像を表すものであり、他方が画像記録媒体の裏面から発せられる輝尽発光光を検出することにより得た裏面画像を表すものがある。
【0034】
この場合、表面画像および裏面画像のうちの一方が重合せ処理に用いられる第1の画像であり、他方が重合せ処理に用いられる第2の画像であるものとすることができる。
【0035】
あるいは、表面画像および裏面画像のうちの一方がエネルギサブトラクション処理に用いられる低圧画像を表すものであり、他方がエネルギサブトラクション処理に用いられる高圧画像を表すものとすることもできる。
【0036】
また、本発明による画像転送システムにおいては、放射線画像を担持する2つの画像信号を、同一被写体について異なる時間に撮影されることによって得られた各画像を表すものとすることもできる。
【0037】
この場合、放射線画像を担持する2つの画像信号は、同一被写体について異なる時間に撮影されることによって得られた各画像の位置合わせ処理が施された後の各画像を表すものであることが望ましい。
【0038】
また位置合わせ処理が施された後の各画像のうちの一方を経時サブトラクション処理に用いられる現在画像であり、他方を過去画像ものとすることができる。
【0039】
本発明による第1の画像信号出力装置は、上述した第1の画像転送方法およびシステムに使用される装置であって、放射線画像を担持する2つの画像信号の差分信号を生成する差分信号生成手段を有すると共に、該差分信号と2つの画像信号の内の何れか一方の信号とを出力するものであることを特徴とするものである。
【0040】
本発明による第2の画像信号出力装置は、上述した第2の画像転送方法およびシステムに使用される装置であって、放射線画像を担持する2つの画像信号に対して互いに異なる周波数特性のフィルタリング処理を施す信号処理手段と、該フィルタリング処理が施された2つの処理済画像信号を使用して得られる演算済画像信号を生成する演算済画像信号生成手段と、該演算済画像信号と2つの画像信号それぞれとの差分信号を生成する差分信号生成手段とを有すると共に、該2つの差分信号と演算済画像信号とを出力するものであることを特徴とするものである。
【0041】
本発明による第1の端末は、上記第1の画像転送方法およびシステムに使用される端末であって、放射線画像を担持する2つの画像信号の差分信号と2つの画像信号の内の何れか一方の信号とを使用して、2つの画像信号の内の転送されていない方の信号を復元する復元手段を有するものであることを特徴とするものである。
【0042】
本発明による第2の端末は、上記第2の画像転送方法およびシステムに使用される端末であって、放射線画像を担持する2つの画像信号に対して互いに異なる周波数特性のフィルタリング処理が施された後の処理済画像信号を使用して演算することによって得られた演算済画像信号と、該演算済画像信号と2つの画像信号それぞれとの差を表す2つの差分信号とを使用して、転送されていない2つの画像信号を復元する復元手段を有するものであることを特徴とするものである。
【0043】
なお、上記画像信号出力装置および端末においても、上記画像転送方法あるいはシステムと同様に、放射線画像を担持する2つの画像信号は、表面画像あるいは裏面画像といった、同一被写体についての同時撮影によって得られた各画像を表すものであるのが望ましく、この場合、重合せ処理に用いられる第1および第2の画像あるいはエネルギサブトラクション処理に用いられる低圧画像および高圧画像とすることができる。
【0044】
あるいはまた、上記画像転送方法あるいはシステムと同様に、放射線画像を担持する2つの画像信号は、同一被写体について異なる時間に撮影されることによって得られた各画像を表すものとすることもでき、この場合、各画像の位置合わせ処理が施された後の各画像を表すものであることが望ましく、経時サブトラクション処理に用いられる現在画像および過去画像とすることもできる。
【0045】
【発明の効果】
本発明による第1の画像転送方法およびシステムにおいては、互いに似通った2つの画像信号の差分信号を画像信号出力装置において生成し、生成した差分信号と共に、2つの画像信号の内の何れか一方の信号を、画像信号出力装置から端末に転送するようにしている。差分信号のデータ量は、少なくとも、表面画像信号および裏面画像信号の各データ量よりも少なくなるので、単純に表面画像信号、裏面画像信号、および演算済画像信号の内の何れか2つの画像信号を纏めて転送する場合よりも、本発明の方が、転送の総データ量が少なくなる。
【0046】
一方、本発明による第2の画像転送方法およびシステムにおいては、互いに似通った2つの画像信号に対して互いに異なる周波数特性のフィルタリング処理が施された2つの処理済画像信号を使用して得た演算済画像信号と共に、該演算済画像信号と前記2つの画像信号それぞれとの差を表す2つの差分信号を、画像信号出力装置から端末に転送するようにしており、第1の画像転送方法およびシステムと同様に、転送の総データ量が少なくなる。
【0047】
したがって、本発明による画像転送方法およびシステムによれば、重合せ処理に用いられる第1および第2の画像あるいはエネルギサブトラクション処理に用いられる低圧画像および高圧画像などの同一被写体について同時撮影により得られた画像、さらには経時サブトラクション処理に用いられる現在画像および過去画像などの同一被写体について異なる時間に撮影されることによって得られた画像を転送するに際して、画像1枚分の総転送時間を短くすることができ、転送の高速化を図ることができると共に、データ記憶用の記憶装置の容量を小さくすることができる、換言すれば、画像保存枚数を増やすことができるようになる。
【0048】
また、第1の画像転送方法およびシステムによれば、端末側において、転送された差分信号と2つの画像信号の内の何れか一方の信号とを使用して、2つの画像信号の内の転送されていない方の信号を復元するようにしているので、復元された信号を使用して、演算済画像信号を生成することが可能となり、加算演算やサブトラクション演算のパラメータを変更し、変更後の画像を出力させることもできる。
【0049】
また、第2の画像転送方法およびシステムによれば、端末側において、転送された演算済画像信号と2つの差分信号とを使用して、転送されていない2つの画像信号を復元するようにしているので、第1の画像転送方法およびシステムと同様に、復元された信号を使用して、演算済画像信号を生成することが可能となり、加算演算やサブトラクション演算のパラメータを変更し、変更後の画像を出力させることもできる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0051】
図1は本発明による第1の画像転送方法を実現する画像転送システムの構成を表すブロック図である。図1に示すように、この画像転送システムは、差分信号生成手段110、および出力切替手段130を有する画像信号出力装置100と、転送手段としてのネットワーク200と、復元手段301、演算手段310および画像表示手段320を有する演算表示端末300とから構成されている。この画像転送システムは、例えば病院内におけるメディカルネットワークシステムとして利用することができる。
【0052】
画像信号出力装置100としては、複数の画像信号に基づいて差分信号を生成する差分信号生成手段110を有すると共に、生成した差分信号と、差分信号を生成するに際して用いた画像信号の一方の信号とを出力するものであれば良く、例えば、複数の画像信号を取得する部分を構成するものとして、上述したCT装置,CR装置などの画像生成装置を利用することができる。
【0053】
図2は、画像信号出力装置100における画像信号を取得する部分として利用される、両面集光型の放射線画像情報読取装置の構成を示す概略図である。
【0054】
図2に示すように、この放射線画像情報読取装置においては、蓄積性蛍光体シート1が、図示しないモーターにより回転せしめられるエンドレスベルト9a,9b上に配置される。シート1の上方には、励起光である光ビーム11を発するレーザ光源10と、その光ビーム11を反射偏向し、シート1を主走査する不図示のモータにより回転される回転多面鏡12および反射偏向された光ビーム11をシート1上に収束させ、かつ等速度で走査させるための走査レンズ19が配されている。さらに、光ビーム11が走査される位置の上方には、その光ビーム11の走査により発せられる輝尽発光光を上方より集光する集光ガイド14aが近接して配置され、その位置の下方には、輝尽発光光を下方より集光する集光ガイド14bがシート1と垂直に配置されている。各集光ガイド14a,14bには、輝尽発光光を光電的に検出するフォトマル(光電子増倍管)15a,15bが夫々対応して接続されている。このフォトマル15a,15bは不図示の対数増幅器に接続されている。
【0055】
この放射線画像情報読取装置を使用して、放射線画像信号を得るに際しては、先ず、被写体の放射線画像が蓄積記録された蓄積性蛍光体シート1がエンドレスベルト9a,9b上にセットされる。この所定位置にセットされた蓄積性蛍光体シート1は、エンドレスベルト9a,9bにより、矢印Y方向に搬送(副走査)される。一方、レーザ光源10から発せられた光ビーム11は不図示のモータにより駆動され矢印方向に高速回転する回転多面鏡12によって反射偏向され、シート1に入射し副走査の方向(矢印Y方向)と略垂直な矢印X方向に主走査する。この光ビーム11が照射されたシート1の箇所からは、蓄積記録されている放射線画像情報に応じて、シート1の上方側から輝尽発光光13aが、シート1の下方側から輝尽発光光13bが、夫々発光される。
【0056】
シート1の上方側から発光した輝尽発光光13aは集光ガイド14aの入射端面に入射し、入射した輝尽発光光13aは、集光ガイド14aの内部を全反射を繰り返して進み、出射端面から出射してフォトマル15aに受光され、放射線画像を表す輝尽発光光13aの光量に応じたアナログの電気信号Sに変換される。同様に、シート1の下方側から発光した輝尽発光光13bは集光ガイド14bによって導かれ、フォトマル15bによって光電的に検出され、アナログの電気信号Sに変換される。これにより、放射線画像を担持する2つの画像信号が得られる。
【0057】
フォトマル15aから出力された電気信号Sおよびフォトマル15bから出力された電気信号Sは、不図示の対数増幅器に入力され、更に不図示の画像処理手段に入力され、最終的には電気信号Sが画像信号S1に変換され、電気信号Sが画像信号S2に変換される。ここで、光ビーム11が照射(走査)される側すなわちシート1の上方側から発光した輝尽発光光13aに基づく画像信号S1を、以下、表面画像信号S1といい、シート1の下方側から発光した輝尽発光光13bに基づく画像信号S2を、以下、裏面画像信号S2という。また、表面画像信号S1が表す(担持する)画像を表面画像、裏面画像信号S2が表す(担持する)画像を裏面画像という。なお、表面画像および裏面画像は共に同一被写体についての同時撮影によって得られた画像である。
【0058】
従来の画像転送システムにおいては、表面画像を表す表面画像信号S1および裏面画像を表す裏面画像信号S2に対して互いに異なる周波数特性のフィルタリング処理を施し、該フィルタリング処理が施された2つの処理済画像信号を使用して加算演算することにより、演算済画像信号としての加算画像信号を得、この加算画像信号のみを、ネットワーク200に向けて出力していた。しかしながら、この場合には、出力された画像を確認後に加算演算のパラメータを変更して再演算を行い、変更後の画像を再出力させるということは困難である。この問題の対策としては、例えば、表面画像信号S1と裏面画像信号S2とを纏めて転送するという方法が考えられる。しかしながら、1つの画像に対して、表面画像信号S1と裏面画像信号S2という2つの画像信号を転送すると、転送のデータ量が従来の約2倍になり、転送に時間を要したり、この大量のデータを格納するための大容量の記憶装置を必要とするなどの問題を生じる。
【0059】
一方、上記構成の本発明による画像転送システムは、複数の画像信号を転送するものでありながら、転送の総データ量を削減することができるものである。即ち、本発明による画像転送システムにおいては、両面集光型の放射線画像情報読取装置において取得された、表面画像信号S1と裏面画像信号S2との間には、周波数特性やノイズ特性などに違いがあるものの、非常に似通った値を呈し、この表面画像信号S1と裏面画像信号S2とを加算して得られる加算画像信号S3も、表面画像信号S1および裏面画像信号S2と似通った値を呈するという性質があり、2つの画像信号の差である差分信号S4を生成すると、この差分信号S4のデータ量は非常に少ないものとなり、必要ビット数を少なくすることができるという点に着目して、差分信号S4と共に、表面画像信号S1および裏面画像信号S2の内の何れか一方の信号とを転送することによって、単純に表面画像信号S1、裏面画像信号S2、および加算画像信号S3の内の何れか2つの画像信号を纏めて転送する場合よりも、転送の総データ量を少なくするようにしている。以下、具体的に説明する。
【0060】
先ず、画像信号出力装置100において、差分信号生成手段110により、表面画像信号S1と裏面画像信号S2とを使用して、S1−S2=S4なる演算を行って差分信号S4を生成し、生成した差分信号S4と共に、表面画像信号S1および裏面画像信号S2の内の何れか一方の信号をネットワーク200に向けて出力する。ここでは、例えば、出力切替手段130が、入力された表面画像信号S1および裏面画像信号S2の中から表面画像信号S1を選択して出力するものとし、結果的に、画像信号出力装置100が、差分信号S4と表面画像信号S1とを出力するものとする。
【0061】
出力された表面画像信号S1および差分信号S4は、ネットワーク200を介して、演算表示端末300まで転送される。なお、加算演算のための演算パラメータを画像信号S1,S4に付帯して転送するようにしてもよい。
【0062】
表面画像信号S1および差分信号S4を受信した演算表示端末300においては、先ず、復元手段301により、表面画像信号S1および差分信号S4を用いてS1−S4=S1−(S1−S2)=S2なる演算を行って、転送されていない裏面画像信号S2を復元する。なお、この復元処理と平行して、画像表示手段320により表面画像信号S1に基づいて表面画像を表示しておくとよい。この際、加算演算済の重合せ画像ではないことが判るように、所定のマークを表示するのが好ましい。
【0063】
次に、演算手段310により、転送された表面画像信号S1と復元した裏面画像信号S2に対して互いに異なる周波数特性のフィルタリング処理を施し、該フィルタリング処理が施された2つの処理済画像信号を使用して加算演算を行って重合せ画像を表す加算画像信号S3を生成する。
【0064】
ここで、演算手段310は、その詳細を図3に示すように、表面画像信号S1に対してフィルタリング処理としてのマスク演算を施すマスク演算手段311、裏面画像信号S2に対して前記マスク演算を施すマスク演算手段312、およびマスク演算が施された表面画像信号S1’とマスク演算が施された裏面画像信号S2’とを使用して、S1’+S2’=S3なる加算演算を行って重合せ画像を表す加算画像信号S3を生成する演算済画像信号生成手段としての加算手段313を有している。加算演算の際には、所定の係数を掛けて、α×S1’+β×S2’=S3なる演算を行ってもよい。
【0065】
マスク演算によるフィルタリング処理としては、例えば特開平7-319092号に開示されているように、画像信号をウェーブレット変換して各周波数帯域ごとの係数信号を求める処理など、周知の何れの方法を用いてもよい。なお、特開平7-319092号に開示されている方法を用いる場合には、加算手段313は、同公報に記載のように、表裏各面ごと且つ各周波数帯域ごとに最適な重み付け係数を用いて加算演算を行なうようにする。
【0066】
次に、演算手段310によって加算画像信号S3が生成された後には、画像表示手段320により、表面画像を重合せ画像に切り替えて表示する。或いは、画面の左半面に表面画像を表示し、右半面に重合せ画像を表示する。
【0067】
ここで、演算手段310におけるマスク演算の際には、任意のパラメータを使用できるので、結果として、画像表示手段320により、パラメータ変更後の重合せ画像を出力させることができるようになる。
【0068】
上述の説明は、差分信号S4と共に表面画像信号S1を画像信号出力装置100側から演算表示端末300側に転送するものとして説明したものであるが、表面画像信号S1に代えて、裏面画像信号S2を転送するようにしてもよいのはいうまでもない。
【0069】
次に、本発明による第2の画像転送方法を実現する画像転送システムの構成を表すブロック図を図4に示す。図4に示すように、この画像転送システムは、差分信号生成手段110および演算手段120を有する画像信号出力装置100と、転送手段としてのネットワーク200と、復元手段301、演算手段310および画像表示手段320を有する演算表示端末300とから構成されている。
【0070】
この画像転送システムにおいては、先ず、画像信号出力装置100において、演算手段120により、表面画像信号S1と裏面画像信号S2に対して互いに異なる周波数特性のフィルタリング処理を施し、該フィルタリング処理が施された2つの処理済画像信号S1’,S2’を使用して加算演算を行って重合せ画像を表す加算画像信号S3’を生成する。なお、演算手段120としては、上述した演算手段310と同様のものを使用することができる。
【0071】
次に、差分信号生成手段110により、加算画像信号S3’と表面画像信号S1と裏面画像信号S2とを使用して、S1−S3’=S5なる演算を行って差分信号S5を生成すると共に、S2−S3’=S6なる演算を行って差分信号S6を生成し、生成した差分信号S5,S6と共に、加算画像信号S3’をネットワーク200に向けて出力する。出力された2つの差分信号S5,S6と加算画像信号S3’は、ネットワーク200を介して、演算表示端末300まで転送される。
【0072】
転送された2つの差分信号S5,S6と加算画像信号S3’を受信した演算表示端末300においては、先ず、画像表示手段320により、転送された加算画像信号S3’に基づいて重合せ画像を表示する。そして、この重合せ画像の表示に平行して、復元手段301により、差分信号S5と加算画像信号S3’を用いてS3’+S5=S3’+(S1−S3’)=S1なる演算を行って、転送されていない表面画像信号S1を復元すると共に、差分信号S6と加算画像信号S3’を用いてS3’+S6=S3’+(S2−S3’)=S2なる演算を行って転送されていない裏面画像信号S2復元する。
【0073】
次に、演算手段310により、復元した表面画像信号S1と復元した裏面画像信号S2に対して互いに異なる周波数特性のフィルタリング処理を施し、該フィルタリング処理が施された2つの処理済画像信号S1’,S2’を使用して加算演算を行って重合せ画像を表す加算画像信号S3を生成する。
【0074】
ここで、演算手段310におけるマスク演算の際には、画像信号出力装置100側の演算手段120において使用したパラメータと異なるパラメータを使用することにより、パラメータが変更された加算画像信号S3が得られるので、加算演算のパラメータの変更の必要があるときには、画像表示手段320が加算画像信号S3’を加算画像信号S3に切り替えて表示するようにすれば、パラメータ変更後の重合せ画像を出力させることができるようになる。
【0075】
以上詳細に説明したように、本発明による上記画像転送方法およびシステム並びに画像信号出力装置および演算表示端末によれば、表面画像信号S1と裏面画像信号S2の差分信号、或いは加算画像信号と、該加算画像信号と前記2つの画像信号それぞれとの差を表す2つの差分信号とを纏めて転送するものとしたので、単純に表面画像信号S1、裏面画像信号S2、および加算画像信号S3の内の何れか2つの画像信号を転送する場合よりも、転送データ量を削減することが可能となり、画像1枚分の総転送時間を短くすることができ、転送の高速化を図ることができると共に、データ記憶用の記憶装置の容量を小さくする、換言すれば、画像保存枚数を増やすことができるようになる。また、加算演算のパラメータを変更して演算を行い、その結果に基づいて画像を表示することもできるので便利である。
【0076】
なお、上述の説明は、同一の被写体について同時撮影によって得られる画像を得る画像信号出力装置100として両面集光型の放射線画像情報読取装置を使用すると共に、演算手段310が加算画像信号S3を生成するものとして説明したものであるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0077】
例えば、画像信号出力装置として、エネルギサブトラクション処理用の高圧画像を表す高圧画像信号と低圧画像を表す低圧画像信号とを取得することができる装置を使用すると共に、演算手段がエネルギサブトラクション画像を表す画像信号を生成するものとすることができる。以下この態様について簡単に説明する。
【0078】
図5は、同一の被写体90について同時撮影によって得られる画像である、エネルギサブトラクション処理用の高圧画像と低圧画像とを2枚の蓄積性蛍光体シート1A,1Bに記録する状態を示す。シート1としては、2つの蛍光体層1A,1Bとエネルギ吸収部材1Cとからなるエネルギサブトラクション用のものが用いられる。図において、被写体90に近い側には比較的エネルギレベルの低いX線を効率よく吸収する蓄積性蛍光体を有する蛍光体層1Aが配され、被写体90と離れる側には比較的エネルギレベルの高いX線を効率よく吸収する蓄積性蛍光体を有する蛍光体層1Bが配され、2つの蛍光体層1A,1Bの間にはエネルギ吸収部材1Cが配される。この場合、低圧画像がシート1Aに記録され、高圧画像がシート1Bに記録される。
【0079】
次に、2枚のシート1A,1BからX線画像をそれぞれ読取り、画像信号S1,S2を得る。なお、この読取りに際して用いられる読取装置は、図2に示した両面集光型のものではなく、集光ガイド14bおよびフォトマル15bを取り除いた片面読取用のものであってよい。ここでは、シート1Aを読み取った際のフォトマル15aから出力された画像信号を画像信号S1、シートBを読み取った際のフォトマル15aから出力された画像信号を画像信号S2とする。したがって、シート1A,1Bの読取りの順序に拘わらず、画像信号S1が低圧画像を表し、画像信号S2が高圧画像を表す。
【0080】
ここで、低圧画像を表す画像信号S1と高圧画像を表す画像信号S2との間には、X線エネルギ情報に違いがあるものの非常に似通った値を呈し、2つの画像信号の差すなわちサブトラクション処理により得られる差分信号S4のデータ量は上記実施形態と同様に非常に少ないものとなり、必要ビット数を少なくすることができる。なお、この場合、差分信号生成手段110がサブトラクション処理を行なう演算手段として機能する。
【0081】
したがって、前述の実施形態と同様に、この差分信号S4と共に、低圧画像を表す画像信号S1および高圧画像を表す画像信号S2の内の何れか一方の信号を転送することによって、単純に画像信号S1および画像信号S2の2つの画像信号を纏めて転送する場合よりも、転送の総データ量を少なくすることができる。
【0082】
また、本発明は、同一の被写体について同時撮影によって得られる画像に限らず、同一被写体について異なる時間に撮影されることによって得らる画像を転送する際にも適用可能である。
【0083】
例えば、画像信号出力装置として、経時サブトラクション処理用の過去画像を表す過去画像信号と現在画像を表す現在画像信号とを取得することができる装置を使用すると共に、演算手段が経時サブトラクション画像を表す差分信号を生成するものとすることができる。以下この態様について簡単に説明する。
【0084】
図6は、異なった条件、つまり一方は被写体90の特定構造物に造影剤が注入された条件、他方は注入されないあるいは異なる構造物に造影剤が注入された条件の下に、それぞれ同一被写体90を透過したX線92を2枚の蓄積性蛍光体シート1に***する状態を示す。シート1としては、同様の特性を示す2つのシート1A,1Bが用いられる。このとき、各状態における線源93の管電圧は同じとし、さらに被写体90とシート1A,1Bとの位置関係も同じとし、造影剤の注入状態以外には全く差がないような2つのX線画像をシート1A,1Bに蓄積記録するようにする。なお、ここではX線画像を最初にシート1Aに記録し、シート交換後に、シート1Bに記録するものとする。この場合、時間的に古い過去画像がシート1Aに記録され、時間的に新しい現在画像がシート1Bに記録される。
【0085】
次に、2枚のシート1A,1BからX線画像をそれぞれ読取り、画像信号S1,S2を得る。なお、この読取りに際して用いられる読取装置は、エネルギサブトラクション処理の態様と同様に片面読取用のものであってよい。ここでは、シート1Aを読み取った際のフォトマル15aから出力された画像信号を画像信号S1、シートBを読み取った際のフォトマル15aから出力された画像信号を画像信号S2とする。したがって、シート1A,1Bの読取りの順序に拘わらず、画像信号S1が過去画像を表し、画像信号S2が現在画像を表す。
【0086】
ここで、過去画像を表す画像信号S1と現在画像を表す画像信号S2との間には、造影剤の注入状態に違いがあるものの非常に似通った値を呈し、2つの画像信号の差、すなわちサブトラクション処理により得られる差分信号S4は、エネルギサブトラクション処置と同様に、2つの画像信号の差である差分信号S4のデータ量は非常に少ないものとなり、必要ビット数を少なくすることができる。
【0087】
したがって、前述のエネルギサブトラクション処理と同様に、この差分信号S4と共に、過去画像を表す画像信号S1および現在画像を表す画像信号S2の内の何れか一方の信号を転送することによって、単純に画像信号S1および画像信号S2の2つの画像信号を纏めて転送する場合よりも、転送の総データ量を少なくすることができる。
【0088】
なお、経時サブトラクション処理に用いられる画像は、被写体90とシート1A,1Bとの位置関係を同じとしても、実際には心臓の鼓動などの体動や被写体の傾きを皆無にすることは難しく、2画像間に位置ズレを生じやすく、出力画像(差分画像)にアーチファクトを生ずる虞れがある。この位置ズレに起因するアーチファクトを低減するには、例えば特開平7-3704号や同 8-76741号などに開示されている位置ズレ補正方法あるいはその他の公知の位置ズレ補正方法を用いて2画像間の位置合わせ処理を施し、この位置合わせ処理が施された後の現在画像と過去画像とを用いるようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による第1の画像転送方法を実現する画像転送システムの構成を表すブロック図
【図2】 画像転送システムを構成する画像信号出力装置としての両面集光型の放射線画像情報読取装置の構成を示す概略図
【図3】 画像転送システムを構成する演算表示端末の画演算手段の詳細を示す図
【図4】 本発明による第2の画像転送方法を実現する画像転送システムの構成を表すブロック図
【図5】 エネルギサブトラクション処理用の高圧画像と低圧画像とを2枚の蓄積性蛍光体シートに記録する状態を示した図
【図6】 経時サブトラクション処理用の過去画像と現在画像とを2枚の蓄積性蛍光体シートに記録する状態を示した図
【符号の説明】
100 画像信号出力装置
110 差分信号生成手段
120 演算手段
200 転送手段としてのネットワーク
300 演算表示端末
301 復元手段
310 演算手段
311 マスク演算手段
312 マスク演算手段
313 加算手段
320 画像表示手段

Claims (18)

  1. 放射線画像を担持する画像信号を出力する画像信号出力装置と、転送された前記画像信号を受信する端末と、前記画像信号出力装置から出力された前記画像信号を前記端末に転送する転送手段とからなる画像転送システムにおける画像転送方法において、
    前記放射線画像を担持する2つの画像信号に対して互いに異なる周波数特性のフィルタリング処理を施し、該フィルタリング処理が施された2つの処理済画像信号を使用して演算することによって演算済画像信号を求め、該演算済画像信号と前記2つの画像信号それぞれとの差分信号を求め、該2つの差分信号と前記演算済画像信号とを前記画像信号出力装置から前記端末に転送し、転送された前記2つの差分信号と前記演算済画像信号とを使用して、転送されていない前記2つの画像信号を復元することを特徴とする画像転送方法。
  2. 前記放射線画像を担持する2つの画像信号が、同一被写体についての同時撮影によって得られた各画像を表すものであることを特徴とする請求項1記載の画像転送方法。
  3. 前記放射線画像を担持する2つの画像信号のうちの一方が蓄積性蛍光体を有する画像記録媒体に蓄積記録された放射線画像を該画像記録媒体の表面から発せられる輝尽発光光を検出することにより得た表面画像を表すものであり、他方が前記画像記録媒体の裏面から発せられる輝尽発光光を検出することにより得た裏面画像を表すものであることを特徴とする請求項記載の画像転送方法。
  4. 前記表面画像および前記裏面画像のうちの一方が重合せ処理に用いられる第1の画像であり、他方が前記重合せ処理に用いられる第2の画像であることを特徴とする請求項記載の画像転送方法。
  5. 前記表面画像および前記裏面画像のうちの一方がエネルギサブトラクション処理に用いられる低圧画像であり、他方が前記エネルギサブトラクション処理に用いられる高圧画像であることを特徴とする請求項記載の画像転送方法。
  6. 前記放射線画像を担持する2つの画像信号が、同一被写体について異なる時間に撮影されることによって得られた各画像を表すものであることを特徴とする請求項1記載の画像転送方法。
  7. 前記放射線画像を担持する2つの画像信号が、前記同一被写体について異なる時間に撮影されることによって得られた各画像の位置合わせ処理が施された後の各画像を表すものであることを特徴とする請求項記載の画像転送方法。
  8. 前記位置合わせ処理が施された後の各画像のうちの一方が経時サブトラクション処理に用いられる現在画像であり、他方が過去画像であることを特徴とする請求項記載の画像転送方法。
  9. 放射線画像を担持する画像信号を出力する画像信号出力装置と、転送された前記画像信号を受信する端末と、前記画像信号出力装置から出力された前記画像信号を前記端末に転送する転送手段とからなる画像転送システムにおいて、
    前記画像信号出力装置が、前記放射線画像を担持する2つの画像信号に対して互いに異なる周波数特性のフィルタリング処理を施す信号処理手段と、該フィルタリング処理が施された2つの処理済画像信号を使用して得られる演算済画像信号を生成する演算済画像信号生成手段と、該演算済画像信号と前記2つの画像信号それぞれとの差分信号を生成する差分信号生成手段とを有すると共に、該2つの差分信号と前記演算済画像信号とを出力するものであり、
    前記端末が、転送された前記2つの差分信号と前記演算済画像信号とを使用して、転送されていない前記2つの画像信号を復元する復元手段を有するものであることを特徴とする画像転送システム。
  10. 前記放射線画像を担持する2つの画像信号が、同一被写体についての同時撮影によって得られた各画像を表すものであることを特徴とする請求項記載の画像転送システム。
  11. 前記放射線画像を担持する2つの画像信号のうちの一方が蓄積性蛍光体を有する画像記録媒体に蓄積記録された放射線画像を該画像記録媒体の表面から発せられる輝尽発光光を検出することにより得た表面画像を表すものであり、他方が前記画像記録媒体の裏面から発せられる輝尽発光光を検出することにより得た裏面画像を表すものであることを特徴とする請求項10記載の画像転送システム。
  12. 前記表面画像および前記裏面画像のうちの一方が重合せ処理に用いられる第1の画像であり、他方が前記重合せ処理に用いられる第2の画像であることを特徴とする請求項11記載の画像転送システム。
  13. 前記表面画像および前記裏面画像のうちの一方がエネルギサブトラクション処理に用いられる低圧画像であり、他方が前記エネルギサブトラクション処理に用いられる高圧画像であることを特徴とする請求項11記載の画像転送システム。
  14. 前記放射線画像を担持する2つの画像信号が、同一被写体について異なる時間に撮影されることによって得られた各画像を表すものであることを特徴とする請求項記載の画像転送システム。
  15. 前記放射線画像を担持する2つの画像信号が、前記同一被写体について異なる時間に撮影されることによって得られた各画像の位置合わせ処理が施された後の各画像を表すものであることを特徴とする請求項14記載の画像転送システム。
  16. 前記位置合わせ処理が施された後の各画像のうちの一方が経時サブトラクション処理に用いられる現在画像であり、他方が過去画像であることを特徴とする請求項15記載の画像転送システム。
  17. 放射線画像を担持する2つの画像信号に対して互いに異なる周波数特性のフィルタリング処理を施す信号処理手段と、該フィルタリング処理が施された2つの処理済画像信号を使用して得られる演算済画像信号を生成する演算済画像信号生成手段と、該演算済画像信号と前記2つの画像信号それぞれとの差分信号を生成する差分信号生成手段とを有すると共に、該2つの差分信号と前記演算済画像信号とを出力するものであることを特徴とする画像転送システム用の画像信号出力装置。
  18. 放射線画像を担持する2つの画像信号に対して互いに異なる周波数特性のフィルタリング処理が施された後の処理済画像信号を使用して演算することによって得られた演算済画像信号と、該演算済画像信号と前記2つの画像信号それぞれとの差を表す2つの差分信号とを使用して、転送されていない前記2つの画像信号を復元する復元手段を有するものであることを特徴とする画像転送システム用の端末。
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