JP4030644B2 - 超音波撮像装置 - Google Patents

超音波撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4030644B2
JP4030644B2 JP4038798A JP4038798A JP4030644B2 JP 4030644 B2 JP4030644 B2 JP 4030644B2 JP 4038798 A JP4038798 A JP 4038798A JP 4038798 A JP4038798 A JP 4038798A JP 4030644 B2 JP4030644 B2 JP 4030644B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrasonic
image
doppler
reception
transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4038798A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11235340A (ja
Inventor
康人 竹内
Original Assignee
ジーイー横河メディカルシステム株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ジーイー横河メディカルシステム株式会社 filed Critical ジーイー横河メディカルシステム株式会社
Priority to JP4038798A priority Critical patent/JP4030644B2/ja
Publication of JPH11235340A publication Critical patent/JPH11235340A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4030644B2 publication Critical patent/JP4030644B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波撮像方法および装置に関し、特に、被検体に穿刺した穿刺針の像を可視化する超音波撮像方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被検体に穿刺した穿刺針を超音波撮像によって可視化する装置として、例えば特表平8−506979号公報に記載されたようなものが知られている。これは、穿刺針を被検体内でたわみ振動させ、穿刺針からの超音波エコーのドップラ信号に基づいて穿刺針の画像を生成するようにしたものである。
【0003】
この装置では、ドップラ信号に基づく穿刺針の画像化に、血流等の動態を画像化するCFM(color flow mapping)の技法をそのまま転用している。CFMにおいては、動態信号すなわちドップラ信号を得るために、MTI(moving target indication)処理が行なわれる。MTI処理には、1音線当たり複数回の超音波送受信で得たパケット(packet)の長いエコー信号を用いる。パケット長は4〜16に選ぶのが普通であり、パケット長を多くするほど速度検出範囲が低速まで拡大する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ドップラ信号に基づく穿刺針の画像化に、血流等の動態を画像化するCFMの技法をそのまま転用した場合、MTI処理にかけるエコー信号のパケット長を4〜16とすると、1音線当たりの超音波送受信回数を4〜16にしなければならないので、パケット長が多いほど撮像速度が遅くなる。また、一定時間内に音線走査可能な範囲が狭くなるので撮像視野が減少し、長い穿刺針を用いた場合等は全長を視野に収めることができなくなる。
【0005】
すなわち、血流動態の画像化に適合した上記CFMの技法は、必ずしも穿刺針の画像化には最適でないという問題があった。
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、穿刺針を画像化するのに好適な超音波撮像方法および装置を実現することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)上記の課題を解決する第1の発明は、振動する穿刺針からの超音波エコーのドップラ信号に基づいて前記穿刺針の画像を生成する超音波撮像方法であって、1音線当たり2回の超音波送受信で得たパケット長が2のエコー信号に関するMTI処理により前記ドップラ信号を求めることを特徴とする超音波撮像方法である。
【0007】
(2)上記の課題を解決する第2の発明は、振動する穿刺針からの超音波エコーのドップラ信号に基づいて前記穿刺針の画像を生成する超音波撮像装置であって、1音線当たり超音波送受信を2回ずつ行なう超音波送受信手段と、前記超音波送受信手段で得たパケット長が2のエコー信号に関するMTI処理により前記ドップラ信号を求めるドップラ信号抽出手段と、を具備することを特徴とする超音波撮像装置である。
【0008】
(作用)
本発明では、1音線当たり2回の超音波送受信で得たパケット長が2のエコー信号間でMTI処理を行なってドプラシフトを求める。これにより、1音線当たり最小限の超音波送受信回数でドプラシフトが求まり、撮像が高速化し、また、撮像視野が広がる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。図1に超音波撮像装置のブロック(block) 図を示す。本装置は本発明の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。本装置の動作によって、本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。
【0010】
(構成)
図1に示すように、本装置は超音波プローブ2を有する。超音波プローブ2は、図示しない複数の超音波トランスデューサ(transducer)のアレイ(array) を有する。アレイは、例えば前方に張り出した円弧に沿って1次元的に配列された128個の超音波トランスデューサによって構成される。すなわち、超音波プローブ2はコンベックスプローブ(convex probe)となっている。
【0011】
個々の超音波トランスデューサは例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)セラミックス(ceramics)等の圧電材料によって構成される。超音波プローブ2は、図示しない操作者により、被検体4に当接されて使用される。
【0012】
超音波プローブ2は送受信部6に接続されている。超音波プローブ2と送受信部6からなる部分は、本発明における超音波受信手段の実施の形態の一例である。送受信部6は、超音波プローブ2に駆動信号を与えて被検体4内に超音波を送波させるようになっている。送受信部6は、また、超音波プローブ2が受波した被検体4からのエコー信号を受信するようになっている。
【0013】
送受信部6のブロック図を図2に示す。同図において、送波タイミング(timing)発生回路602は、送波タイミング信号を周期的に発生して送波ビームフォーマ(beamformer)604に入力するようになっている。
【0014】
送波ビームフォーマ604は、送波タイミング信号に基づいて、送波ビームフォーミング(beamforming) 信号、すなわち、複数の超音波トランスデューサを時間差をもって駆動する複数の駆動信号を発生し、送受切換回路606に入力するようになっている。
【0015】
送受切換回路606は、複数の駆動信号をセレクタ(selector)608に入力するようになっている。セレクタ608は、超音波トランスデューサのアレイの中から送波アパーチャ(aperture)を構成する複数の超音波トランスデューサを選択し、それらに複数の駆動信号をそれぞれ与えるようになっている。
【0016】
複数の超音波トランスデューサは、複数の駆動信号の時間差に対応した位相差を持つ複数の超音波をぞれぞれ発生する。それら超音波の波面合成によって超音波ビームが形成される。超音波ビームの送波方向は、セレクタ608が選択する送波アパーチャによって定まる。
【0017】
超音波ビームの送波は、送波タイミング発生回路602が発生する送波タイミング信号により、一定の時間間隔で繰り返し行われる。超音波ビームの送波方向は、セレクタ608で送波アパーチャを切り換えることにより順次変更される。それによって、被検体4の内部が、超音波ビームが形成する音線によって走査される。すなわち被検体4の内部が音線順次で走査される。
【0018】
セレクタ608は、また、超音波トランスデューサのアレイの中から受波アパーチャを構成する複数の超音波トランスデューサを選択し、それら超音波トランスデューサが受信した複数のエコー信号を送受切換回路606に入力するようになっている。
【0019】
送受切換回路606は、複数のエコー信号を受波ビームフォーマ610に入力するようになっている。受波ビームフォーマ610は、複数のエコー受信信号に時間差を付与して位相を調整し、次いでそれら加算して受波のビームフォーミング、すなわち、受波音線上のエコー受信信号を形成するようになっている。セレクタ608により、受波の音線も送波に合わせて走査される。
【0020】
超音波プローブ2および送受信部6によって、例えば図3に示すような走査が行われる。同図に示すように、放射点200から発する音線202が円弧204上を移動することにより、扇面状の2次元領域206が走査され、いわゆるコンベックススキャン(convex scan) が行なわれる。音線202を超音波の送波方向とは反対方向に延長したとき、全ての音線が一点208で交わるようになっている。点208は全ての音線の発散点となる。
【0021】
送受信部6はBモード処理部10およびドップラ処理部12に接続されている。送受信部6から出力される音線毎のエコー受信信号は、Bモード処理部10およびドップラ処理部12に入力される。
【0022】
Bモード処理部10はBモード画像データを形成するものである。Bモード処理部10は、図4に示すように対数増幅回路102と包絡線検波回路104を備えている。Bモード処理部10は、対数増幅回路102でエコー受信信号を対数増幅し、包絡線検波回路104で包絡線検波して音線上の個々の反射点でのエコーの強度を表す信号、すなわちAスコープ(scope) 信号を得て、このAスコープ信号の各瞬時の振幅をそれぞれ輝度値として、Bモード画像データを形成するようになっている。
【0023】
ドップラ処理部12はドップラ画像データを形成するものである。ドップラ処理部12は、図5に示すように直交検波回路120、MTIフィルタ(moving target indication filter) 122、自己相関回路124、平均流速演算回路126、分散演算回路128およびパワー演算回路130を備えている。MTIフィルタ122は、本発明におけるドップラ信号抽出手段の実施の形態の一例である。
【0024】
ドップラ処理部12は、直交検波回路120でエコー受信信号を直交検波し、MTIフィルタ122でMTI処理してドップラ信号を抽出し、自己相関回路124でドップラ信号について自己相関演算を行い、平均流速演算回路126で自己相関演算結果から平均流速を求め、分散演算回路128で自己相関演算結果から流速の分散を求め、パワー演算回路130で自己相関演算結果からドプラ信号のパワーを求めるようになっている。
【0025】
これによって、被検体4内の血流やその他のドップラ信号源(以下、血流等という)の平均流速とその分散およびドプラ信号のパワーを表すそれぞれのデータ、すなわち、ドップラ画像データが音線毎に得られる。なお、流速は音線方向の成分として得られる。流れの方向は、近づく方向と遠ざかる方向とが区別される。
【0026】
Bモード処理部10およびドップラ処理部12は画像処理部14に接続されている。ドップラ処理部12および画像処理部14は、本発明における画像生成手段の実施の形態の一例である。画像処理部14は、Bモード処理部10およびドップラ処理部12からそれぞれ入力されるデータに基づいて、それぞれBモード画像およびドップラ画像を構成するものである。
【0027】
画像処理部14は、図6に示すように、バス(bus) 140によって接続された音線データメモリ(data memory) 142、ディジタル・スキャンコンバータ(digital scan converter)144、画像メモリ146および画像処理プロセッサ(prosessor) 148を備えている。
【0028】
Bモード処理部10およびドップラ処理部12から音線毎に入力されたBモード画像データおよびドップラ画像データは、音線データメモリ142にそれぞれ記憶される。これによって、音線データメモリ142内に音線データ空間が形成される。
【0029】
ディジタル・スキャンコンバータ144は、走査変換により音線データ空間のデータを物理空間のデータに変換するものである。ディジタル・スキャンコンバータ144によって変換された画像データは、画像メモリ146に記憶される。すなわち、画像メモリ146は物理空間の画像データを記憶する。画像処理プロセッサ148は、音線データメモリ142および画像メモリ146のデータについてそれぞれ適宜のデータ処理を施すものである。
【0030】
画像処理部14には表示部16が接続されている。表示部16は、画像処理部14から画像信号が与えられ、それに基づいて画像を表示するようになっている。なお、表示部16は、カラー(color)画像が表示可能なものとなっている。
【0031】
以上の送受信部6、Bモード処理部10、ドップラ処理部12、画像処理部14および表示部16は制御部18に接続されている。制御部18は、それら各部に制御信号を与えてその動作を制御するようになっている。また、被制御の各部から各種の報知信号が入力されるようになっている。制御部18の制御の下で、Bモード動作およびドップラモード動作が実行される。
【0032】
制御部18には操作部20が接続されている。操作部20は操作者によって操作され、制御部18に所望の指令や情報を入力するようになっている。操作部20は、例えばキーボード(keyboard)やその他の操作具を備えた操作パネル(panel) で構成される。
【0033】
被検体4には、穿刺針8が操作者によって穿刺される。穿刺針8は、本発明における穿刺針の実施の形態の一例である。穿刺針8は、例えば被検体4から病理組織の一部を採取すること等のために用いられる。穿刺針8は、駆動部22により駆動されて振動するようになっている。駆動部22は制御部18によって制御されるようになっている。
【0034】
図7に、穿刺針8の模式的構成を示す。同図に示すように、穿刺針8は針部材82を有する。針部材82は中空の針であり、中空部には中針部材84が挿入されている。針部材82は一端に操作用の把持部822を有する。中針部材84も同様な把持部842を有する。
【0035】
針部材82には、起振部材86が取り付けられている。起振部材86は、把持部822の近傍において針部材82に取り付けられている。起振部材86は、例えば円板(ディスク(disk))状をなし、中心部に貫通孔を有する。針部材82は起振部材86の貫通孔を貫通している。針部材82は、起振部材取り付け部にネジ部824を有し、このネジ部824に螺合する1対のナット(nut) 826,828で起振部材86を両側から挟み付け、針部材82と起振部材86とを緊密に結合するようになっている。なお、起振部材86と針部材82の間には、図示しない適宜の電気的絶縁手段が設けられている。
【0036】
図8に、起振部材86の一例の模式的構成を示す。同図の(a)は正面図、(b)はA−A断面図、(c)は背面図である。起振部材86は、2つの圧電セラミックス板862,864を、例えばアルミニウム等の金属板868を挟んで積層した一体構造を有する。
【0037】
圧電セラミックス板862,864はそれらの表面に、図示しない電極板をそれぞれ有する。圧電セラミックス板862,864および金属板868の積層体は中心に貫通孔870を有する。
【0038】
圧電セラミックス板862は、例えば図における水平方向の直径を境とし上下の半分ずつが、厚み方向に互いに逆極性に分極されている。この分極状態を圧電セラミックス板862上に付した符号+,−で示す。
【0039】
圧電セラミックス板864は、例えば図における垂直方向の直径を境とし左右の半分ずつが、厚み方向に互いに逆極性に分極されている。この分極状態を、圧電セラミックス板864上に付した符号+,−で示す。
【0040】
圧電セラミックス板862,864の表面電極には、金属板868をコモン(common)とする駆動電圧がそれぞれ与えられるようになっている。駆動電圧は、駆動部22から交流電圧として与えられる。
【0041】
圧電セラミックス板862に与えられる電圧と、圧電セラミックス板864に与えられる電圧の間に90°の位相差が付与されている。すなわち、例えば、圧電セラミックス板862にsinωtで変化する駆動電圧が与えられるとき、圧電セラミックス板864にはcosωtで変化する駆動電圧が与えられる。
【0042】
駆動電圧の周波数は、例えば、圧電セラミックス板862,864を節円1、節線1のいわゆるB11モードで振動させる周波数に選ばれる。これによって、図9に示すように、圧電セラミックス板862は、1つの同心円を節円とし水平方向の直径を節線とする屈曲振動を行い、圧電セラミックス板864は、1つの同心円を節円とし垂直方向の直径を節線とする屈曲振動を行う。
【0043】
圧電セラミックス板862と864とで屈曲振動の方向が90°異なるので、起振部材86は2つの屈曲振動の合成によって振動する。ここで、2つの駆動電圧の間に90°の位相差が設けられているので、合成振動は、最大屈曲方向が起振部材86の中心の周りを角速度ωで回転するようなものとなる。
【0044】
針部材82は、起振部材86の中心を貫通して取り付けられているので、このような回転を伴う屈曲振動で直接的に加振されてたわみ振動する。このため、針部材82上に発生する定在波は、例えば図9に示すように、振幅の腹の部分が針部材82の中心軸の周りを角速度ωで回転するものとなる。
【0045】
このような定在波が得られることにより、針部材82のたわみ振動の振幅は、例えば図10に実測値の一例を示すように、針部材82の軸の周りの全方位において均一になる。これによって、針部材82の軸の周りのどの方向からの超音波ビームに対しても、ドップラ信号の発生能率を一様にすることができる。
【0046】
(動作)
本装置の動作を説明する。操作者は超音波プローブ2を被検体4の所望の個所に当接し、操作部20を操作して、例えばBモードとドップラモードを併用した撮像を行う。撮像は、穿刺針8を被検体4に穿刺しない状態で開始する。
【0047】
撮像は、制御部18による制御の下で、Bモードとドップラモードの時分割動作で行われる。すなわち、例えばドップラモードのスキャンを数回行う度にBモードのスキャンを1回行う割合で、Bモードとドップラモードの混合スキャンを行う。
【0048】
Bモードにおいては、送受信部6は、超音波プローブ2を通じて音線順次で被検体4の内部を走査して逐一そのエコーを受信する。Bモード処理部10は、送受信部6から入力されるエコー受信信号を対数増幅回路102で対数増幅し包絡線検波回路104で包絡線検波してAスコープ信号を求め、それに基づいて音線毎のBモード画像データを形成する。
【0049】
画像処理部14は、Bモード処理部10から入力される音線毎のBモード画像データを音線データメモリ142に記憶する。これによって、音線データメモリ142内に、Bモード画像データについての音線データ空間が形成される。
【0050】
ドップラモードにおいては、送受信部6は超音波プローブ2を通じて音線順次で被検体4の内部を走査して逐一そのエコーを受信する。その際、1音線当たり複数回の超音波の送波とエコーの受信が行われる。
【0051】
ドップラ処理部12は、エコー受信信号を直交検波回路120で直交検波し、MTIフィルタ122でMTI処理し、自己相関回路124で自己相関を求め、自己相関結果から、平均流速演算回路126で平均流速を求め、分散演算回路128で分散を求め、パワー演算回路130でパワーを求める。これらの算出値は、それぞれ、例えば血流等の平均流速とその分散およびドップラ信号のパワーを音線毎に表すドップラ画像データとなる。
【0052】
MTIフィルタ122でのMTI処理は、1音線当たり例えば16回の超音波送受信で得たパケット長が16のエコー受信信号を用いて行われる。すなわち、図11に概念的に示すように、第1回〜第16回の超音波送受信によって得た同一音線についての16個のエコー受信信号p1〜p16(直交検波後のもの)に基づいてMTI処理を行なう。
【0053】
エコー受信信号p1〜p16における同一深さ位置のデータ、すなわち、例えばデータd1〜d16は、その深さ位置でのそれぞれの時相を示しているので、MTI処理によりその位置での動態信号を得ることができる。他の全ての深さ位置についても同様である。MTI処理にかけるエコー受信信号のパケット長を16としたことにより、動態検出の範囲を所望の低速域まで延ばすとともに低域遮断特性を急峻にすることができ、これによって、血流等を低流速まで精度良く検出できるようになる。
【0054】
画像処理部14は、ドップラ処理部12から入力される音線毎のドップラ画像データを音線データメモリ142に記憶する。これによって、音線データメモリ142内に、ドップラ画像データについての音線データ空間が形成される。
【0055】
画像処理プロセッサ148は、音線データメモリ142のBモード画像データとドップラ画像データをディジタル・スキャンコンバータ144でぞれぞれ走査変換して画像メモリ146に書き込む。その際、ドップラ画像データを、流速に分散を加えたCFM画像用の画像データおよびパワードップラ画像用の画像データとしてそれぞれ書き込む。
【0056】
画像処理プロセッサ148は、Bモード画像、CFM画像およびパワードップラ画像を別々な領域に書き込む。Bモード画像は、走査面における体内組織の断層像を示すものとなる。CFM画像は、走査面における血流等の速度の2次元分布を示す画像となる。パワードップラ画像は、走査面における血流等の所在を示す画像となる。
【0057】
操作者は、操作部20を操作して、例えばBモード画像とCFM画像の重畳画像を表示部16に表示させる。これによって、Bモード画像で示される体内組織断層像を背景とし、血流等のCFM画像がカラー表示される。
【0058】
操作者は、表示画像を観察しながら超音波プローブ2を操作して、穿刺対象の病変部等を探索する。撮像視野内に病変部等の関心領域を捉えたら、穿刺作業を開始する。
【0059】
穿刺作業に当たり、ドップラモードにおける1音線当たりの送受信回数を2に設定する。また、駆動部22を作動させる。これによって穿刺針8の起振部材86が駆動され、針部材82が、例えば図9に示したように、回転を伴うたわみ振動を開始する。操作者は、このような振動をする針部材82を被検体4内の関心領域を狙って穿刺する。なお、振動の振幅は微小であり、穿刺の妨げになることはない。
【0060】
針部材82が、超音波撮像の視野内に進入すると、針部材82からのエコーのドップラ信号が発生する。このドップラ信号に基づいて、ドップラ処理部12により、血流等の場合と同様にして、針部材82のCFM画像およびパワードップラ画像が生成される。ただし、MTI処理は1音線当たり2回の超音波送受信によるパケット長が2のエコー受信信号間で行なわれる。
【0061】
すなわち、図12に概念的に示すように、第1回および第2回の超音波送受信によって得た同一音線上の2個のエコー受信信号p1,p2(直交検波後のもの)に基づいてMTI処理を行なう。これによって、エコー受信信号p1,p2における同一深さ位置でのデータ、すなわち、例えばデータd1,d2の時相差に基づく動態検出が行なわれる。他の全ての深さ位置についても同様である。
【0062】
MTI処理にかけるエコー受信信号のパケット長を2としたことにより、パケット長はMTI処理を行なう必要最小限の単位となり、最小の時間でMTI処理を行なうことができる。これにより、処理能率をパケット長が4〜16の場合の2〜8倍に向上させることができる。また、高速の撮像を行なうことができ、さらに、1音線当たり2回の超音波送受信で音線走査を行なうので、一定時間当たりの音線走査範囲を広くすることができる。
【0063】
なお、MTI処理にかけるエコー受信信号のパケット長を2とした場合は、低速動態についての検出感度が低下するので、血流等の検出には実用性がないが、針部材82の動態検出には励振周波数および振動強度を適宜に設定すれば問題がない。むしろ、低速動態に対する感度低下により血流等の信号強度が弱くなり、針部材82の像に対する妨害が減少する点で好都合である。例えば、励振周波数を22KHz、駆動パワー(power) を400mWとすることにより、十分に明瞭な針部材82の像を得ることができる。
【0064】
操作者は、CFM画像またはパワードップラ画像のいずれかを選択して表示部16に表示させる。これによって、例えば図13に示すように、体内における針部材82の像が表示される。同図における右上から左下に連なる輝点が針部材82の像を示す。
【0065】
針部材82が回転を伴うたわみ振動を行い、図10に示したように、針部材82の軸の周りで一様な振幅が得られるので、針部材82の軸の周りにおける送波超音波ビームの角度の如何に関わらず、一様な感度のドップラ信号を得ることができる。すなわち、針部材82に対する送波音線の角度に影響されない明瞭な針部材82の像を得ることができる。このような画像に基づいて、操作者は体内での針部材82の位置を常時確認しながら穿刺作業を遂行し、針先を所望の関心領域に到達させる。
【0066】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、穿刺針を画像化するのに好適な超音波撮像方法および装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態の一例の装置における送受信部のブロック図である。
【図3】 本発明の実施の形態の一例の装置による音線走査の概念図である。
【図4】 本発明の実施の形態の一例の装置におけるBモード処理部のブロック図である。
【図5】 本発明の実施の形態の一例の装置におけるドップラ処理部のブロック図である。
【図6】 本発明の実施の形態の一例の装置における画像処理部のブロック図である。
【図7】 本発明の実施の形態の一例の装置における穿刺針の模式的構成図である。
【図8】 本発明の実施の形態の一例の装置における穿刺針の起振部材の模式的構成図である。
【図9】 本発明の実施の形態の一例の装置における穿刺針の振動状態を示す模式図である。
【図10】 本発明の実施の形態の一例の装置における穿刺針の振動特性を示すグラフである。
【図11】 本発明の実施の形態の一例の装置におけるエコー受信信号のパケット長の概念図である。
【図12】 本発明の実施の形態の一例の装置におけるエコー受信信号のパケット長の概念図である。
【図13】 本発明の実施の形態の一例の装置における表示部の表示画面の一例を中間調の写真で示す図である。
【符号の説明】
2 超音波プローブ
4 被検体
6 送受信部
8 穿刺針
10 Bモード処理部
12 ドップラ処理部
14 画像処理部
16 表示部
18 制御部
20 操作部
120 直交検波回路
122 MTIフィルタ
124 自己相関回路
126 平均流速演算回路
128 分散演算回路
130 パワー演算回路
82 針部材
822 把持部
824 ネジ部
826,828 ナット
84 中針部材
842 把持部
86 起振部材
862,864 圧電セラミックス板
868 金属板
870 貫通孔

Claims (1)

  1. 血流やその他穿刺針以外のドップラ信号源からの超音波エコーのドップラ信号に基づいて前記ドップラ信号源の動態を画像化し、また振動する穿刺針からの超音波エコーのドップラ信号に基づいて前記穿刺針の画像も生成する超音波撮像装置であって、
    前記穿刺針の画像を生成するときに、前記穿刺針を除く前記ドップラ信号源の動態を画像化するための超音波送受信とは異なる超音波送受信として、1音線あたり2回ずつの超音波送受信を行う超音波送受信手段と、
    前記超音波送受信手段で得たパケット長が2のエコー信号に関するMTI処理により前記ドップラ信号を求めるドップラ信号抽出手段と、
    を具備することを特徴とする超音波撮像装置。
JP4038798A 1998-02-23 1998-02-23 超音波撮像装置 Expired - Fee Related JP4030644B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4038798A JP4030644B2 (ja) 1998-02-23 1998-02-23 超音波撮像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4038798A JP4030644B2 (ja) 1998-02-23 1998-02-23 超音波撮像装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11235340A JPH11235340A (ja) 1999-08-31
JP4030644B2 true JP4030644B2 (ja) 2008-01-09

Family

ID=12579254

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4038798A Expired - Fee Related JP4030644B2 (ja) 1998-02-23 1998-02-23 超音波撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4030644B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9226729B2 (en) 2010-09-28 2016-01-05 Fujifilm Corporation Ultrasound diagnostic system, ultrasound image generation apparatus, and ultrasound image generation method

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4280098B2 (ja) * 2003-03-31 2009-06-17 株式会社東芝 超音波診断装置及び穿刺治療支援プログラム
JP4938760B2 (ja) * 2005-03-31 2012-05-23 クゥアルコム・インコーポレイテッド 多重署名−強力な多者ディジタル署名のためのプロトコル
CN110236652B (zh) * 2019-07-16 2020-12-22 无锡祥生医疗科技股份有限公司 穿刺针增强显示装置、方法及存储介质
CN113040878B (zh) * 2021-03-25 2022-08-02 青岛海信医疗设备股份有限公司 超声穿刺针的位置信息处理方法、超声设备及存储介质

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9226729B2 (en) 2010-09-28 2016-01-05 Fujifilm Corporation Ultrasound diagnostic system, ultrasound image generation apparatus, and ultrasound image generation method
US11786210B2 (en) 2010-09-28 2023-10-17 Fujifilm Corporation Ultrasound diagnostic system, ultrasound image generation apparatus, and ultrasound image generation method

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11235340A (ja) 1999-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5575554B2 (ja) 超音波診断装置
JP4582827B2 (ja) 超音波診断装置
US20050165306A1 (en) Detection of motion in vibro-acoustography
JPH0221258B2 (ja)
JP6114663B2 (ja) 超音波診断装置および超音波画像生成方法
JP2008073391A (ja) 超音波診断装置
JP4030644B2 (ja) 超音波撮像装置
US11766241B2 (en) Ultrasound system in which an ultrasound probe and a display device are wirelessly connected with each other and method for controlling ultrasound system in which an ultrasound probe and a display device are wirelessly connected with each other
JP3382831B2 (ja) 超音波振動子アレイの製造方法、超音波振動子アレイ、超音波プローブおよび超音波撮像装置
US11364521B2 (en) Ultrasonic transducer and ultrasonic probe
JP4090370B2 (ja) 超音波撮像装置及び超音波撮像方法
JPH1189840A (ja) 穿刺針並びに超音波撮像方法および装置
JP7293104B2 (ja) 超音波診断装置及び超音波プローブ
JP2010110642A (ja) 超音波診断装置
JP2580090B2 (ja) 超音波診断装置
JP2002301072A (ja) 超音波撮像方法及び装置
JP2001017427A (ja) 超音波撮像装置
JP2633576B2 (ja) 超音波診断装置
JP2004113694A (ja) 超音波撮像装置及び超音波撮像方法
JPS63154167A (ja) 超音波診断装置
JPH10305032A (ja) 超音波診断装置
JPH0467857A (ja) 超音波診断装置
JP4564544B2 (ja) 超音波診断装置
JP3659604B2 (ja) 超音波診断装置
JP2763140B2 (ja) 超音波診断装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040714

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071009

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071017

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101026

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101026

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101026

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101026

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101026

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees