JP4029621B2 - 顔料組成物および顔料分散体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用適性、特に非集合性、流動性に優れた顔料組成物および顔料分散体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、顔料の微細な粒子をオフセットインキ、グラビアインキおよび塗料のようなビヒクルに分散する場合、安定な分散体を得ることが難しく、製造作業上および得られる製品の価値に種々の問題を引き起こすことが知られている。
例えば、微細な粒子からなる顔料を含む分散体は、往々にして高粘度を示し、製品の分散機からの取り出し、輸送が困難となるばかりでなく、更に悪い場合は貯蔵中にゲル化を起こし使用困難となることがある。さらに、展色物の塗膜表面に関しては、光沢の低下、レベリング不良等の状態不良を生じることがある。また、異種の顔料を混合して使用する場合、凝集による色別れや、沈降などの現象により展色物に色むらや著しい着色力の低下が現れることがある。
【0003】
以上のような種々の問題点を解決するために、有機顔料を母体骨格として側鎖に酸性基や塩基性基を置換基として有する顔料誘導体を分散剤として混合する方法が、特公昭41−2466号公報、USP2855403号公報、特開昭63−305173号公報、特開平1−247468号公報、特開平3−26767号公報等に開示されている。また、無機材料に対する使用が、特開平11−104479号公報、特開平11−116238号公報等に開示されている。
しかし、塗料、インキ等には非常に多くのワニス系が存在するため、これらの方法を用いても一部のワニス系を除いては満足な効果が得られていないのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、オフッセトインキ、グラビアインキ、塗料、インキジェットインキ等に適する非集合性、流動性に優れた安定な顔料組成物および顔料分散体の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、塩基性基を有する、顔料誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体または塩基性基を有するトリアジン誘導体と、スルホン酸基を有する単量体およびアルキレンオキサイド鎖を有する単量体を共重合成分として含む共重合体とを併用することにより、顔料分散性が飛躍的に向上することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体または塩基性基を有するトリアジン誘導体から選ばれる少なくとも一種、スルホン基を有するエチレン性不飽和単量体と下記式(1)で示されるエチレン性不飽和単量体とを共重合成分として含む共重合体、及び顔料を含んでなることを特徴とする顔料組成物に関する。
また、本発明は、前記顔料組成物をワニスに分散せしめてなる顔料分散体に関する。
【0006】
式(1)
【化8】
R1 : 水素原子またはメチル基を表す。
R2 : 炭素数2〜4アルキレン基を表す。
R3 : 水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、-CH2-CH=CH2 、置換基を有していてもよいフェニル基または-C(=0)-C(R1)=CH2 を表す。
n : 2〜 100の整数を表す。
【0007】
本発明のスルホン酸基を有するエチレン性不飽和単量体と式(1)で示されるエチレン性不飽和単量体とを共重合成分として含む共重合体は、スルホン酸基を有するエチレン性不飽和単量体、式(1)で示されるエチレン性不飽和単量体、および必要に応じて前記単量体以外のエチレン性不飽和単量体をラジカル重合することにより得られる共重合体である。
【0008】
本発明の共重合体に含まれるスルホン酸基は、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛等の多価金属、ジエチルアミン、ジブチルアミン、トリエタノールアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ジステアリルアミン等の有機アミン、またはアンモニアと塩を形成していてもよい。
【0009】
スルホン酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、4−スルホブチルメタクリレート、およびこれらのアルカリ金属塩、多価金属塩、アミン塩及びアンモニウム塩が挙げられる。
【0010】
これらのスルホン酸基を有するエチレン性不飽和単量体は、単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。また、共重合体におけるスルホン酸基を有する単量体の共重合比は、共重合体を構成する全ての単量体の合計100重量部に対して、0.1〜30重量部であることが好ましく、0.1〜5重量部であることが更に好ましい。
【0011】
また、式(1)で示されるエチレン性不飽和単量体のうち、R3 が水素原子である水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノメタクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノアクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノメタアクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノアクリレート、プロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、プロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノアクリレートが挙げられる。
【0012】
R3が炭素数1〜30のアルキル基であるアルキル基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、オクトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノアクリレート等が挙げられる。
【0013】
R3が-CH2-CH=CH2 である、アリル基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、アリロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、アリロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート等が挙げられる。
R3 が置換基を有していてもよいフェニル基である、フェニル基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリ(エチレングリコール-プロピレングリコール)モノアクリレート、フェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート等が挙げられる。
【0014】
R3 が-C(=0)-C(R1)=CH2 である、両末端(メタ)アクリロイル基のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)ジアクリレート、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールジアクリレート等が挙げられる。
【0015】
これらの単量体は、例えば日本油脂株式会社よりブレンマーシリーズや東亜合成株式会社よりアロニックスシリーズとして市販されている。
式(1)で示されるエチレン性不飽和単量体は、単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。また、共重合体における式(1)で示されるエチレン性不飽和単量体の共重合比は、共重合体を構成する全ての単量体の合計100重量部に対して、0.1〜50重量部であることが好ましい。
【0016】
スルホン酸基を有するエチレン性不飽和単量体または式(1)で示されるエチレン性不飽和単量体以外の(他の)エチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類や、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルアクリル酸、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(n=1〜6)、エポキシ(メタ)アクリレート、水酸基末端ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0017】
また、他のエチレン性不飽和単量体は、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体であってもよく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、2−カルボキシエチルアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、グルタコン酸、テトラヒドロフタル酸等が挙げられる。これらは、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。なお、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体を共重合成分として含む場合は、該単量体の共重合比は、共重合体を構成する全ての単量体100重量部に対して、1〜50重量部であることが好ましい。
【0018】
本発明の共重合体の重量平均分子量(Mw)は、分散性が良好なことから、好ましくは1000〜100000であり、更に好ましくは5000〜30000である。
本発明の共重合体の合成は、開始剤の存在下、不活性ガス気流下、50〜150℃で2〜10時間かけて行われる。必要に応じて、溶剤の存在下で行っても差し支えない。
【0019】
開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。開始剤は、エチレン性不飽和単量体の合計100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部使用される。
【0020】
溶剤としては、水および/または水混和性有機溶剤またはエチルセルソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル;シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;キシレン、エチルベンゼンなどを用いることができる。水混和性有機溶剤としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール等のアルコール系溶剤や、エチレングリコールまたはジエチレングリコールのモノまたはジアルキルエーテル等が挙げられる。
【0021】
本発明を構成する、塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体または塩基性基を有するトリアジン誘導体は、下記式(2)、式(3)、式(4)および式(5)で示される群から選ばれる少なくとも1つの塩基性置換基を有するものである。
式(2)
【化9】
【0022】
式(3)
【化10】
式(4)
【化11】
式(5)
【化12】
【0023】
X:−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または直接結合を表す。
m:1〜10の整数を表す。
R4 、R5 :それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR4 とR5 とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。R6 :置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
R7 、R8 、R9 、R10:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
【0024】
Y:−NR11−Z−NR12−または直接結合を表す。
R11、R12:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
Z:置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアルケニレン基または置換されていてもよいフェニレン基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜8が好ましい。
P:式(6)で示される置換基または式(7)で示される置換基を表す。
Q:水酸基、アルコキシル基、式(6)で示される置換基または式(7)で示される置換基を表す。
【0025】
式(6)
【化13】
式(7)
【化14】
【0026】
式(2)〜式(7)で示される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジーsec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
【0027】
塩基性基を有する顔料誘導体を構成する有機色素は、例えば、ジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、金属錯体系色素等の色素である。
また、塩基性基を有するアントラキノン誘導体および塩基性基を有するアクリドン誘導体は、メチル基、エチル基等のアルキル基、アミノ基、ニトロ基、水酸基またはメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基または塩素等のハロゲン等の置換基を有していてもよい。
【0028】
また、塩基性基を有するトリアジン誘導体は、メチル基、エチル基等のアルキル基、アミノ基またはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基等のアルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基またはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、塩素等のハロゲン、またはメチル基、メトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、水酸基等で置換されていてもよいフェニル基、またはメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、水酸基等で置換されていてもよいフェニルアミノ基等の置換基を有していてもよい1,3,5−トリアジンである。
【0029】
本発明の塩基性基を有する顔料誘導体およびアントラキノン誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、有機色素もしくはアントラキノンに式(11)〜式(14)で示される置換基を導入した後、上記置換基と反応して式(2)〜式(5)で示される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N−メチルピペラジン、ジエチルアミンまたは4−[4−ヒドロキシ−6−[3−(ジブチルアミノ)プロピルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ]アニリン等を反応させることによって得られる。
【0030】
式(11) −SO2Cl
式(12) −COCl
式(13) −CH2NHCOCH2Cl
式(14) −CH2Cl
また、有機色素がアゾ系色素である場合は、式(2)〜式(5)で示される置換基をあらかじめジアゾ成分またはカップリング成分に導入し、その後カップリング反応を行うことによってアゾ系顔料誘導体を製造することもできる。
【0031】
本発明の塩基性基を有するトリアジン誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、塩化シアヌルを出発原料とし、塩化シアヌルの少なくとも1つの塩素に式(2)〜式(5)で示される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンまたはN−メチルピペラジン等を反応させ、次いで塩化シアヌルの残りの塩素と種々のアミンまたはアルコール等を反応させることによって得られる。
【0032】
本発明を構成する顔料は、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等の有機顔料、または、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、黒色酸化鉄、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、モリブデートオレンジ、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン、群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛シリカブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機顔料、または、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックである。
【0033】
本発明の顔料組成物において、スルホン酸基を有するエチレン性不飽和単量体と式(1)で示されるエチレン性不飽和単量体とを共重合成分として含む共重合体の配合量は、顔料100重量部に対し好ましくは0.1〜50重量部である。また、塩基性基を有する顔料誘導体の配合量は、顔料100重量部に対して、好ましくは1〜30重量部、更に好ましくは5〜20重量部である。
【0034】
本発明の顔料組成物は、必要により各種溶剤、樹脂、添加剤、市販分散剤等と混合して、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、アトライター等で分散することにより、顔料組成物をワニスに分散せしめてなる顔料分散体を製造することができる。共重合体、塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体または塩基性基を有するトリアジン誘導体(以下、塩基性基を有する顔料誘導体等という。)、顔料、その他の樹脂、添加剤は、すべての成分を混合してから分散してもよいが、初めに共重合体と塩基性基を有する顔料誘導体等と顔料のみ、あるいは、共重合体と塩基性基を有する顔料誘導体等のみを分散し、次いで、順次他の成分を添加して再度分散を行ってもよい。
【0035】
また、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、アトライター等で分散を行う前に、ニーダー、3本ロールミル等の練肉混合機を使用した前分散、2本ロールミル等による固形分散、または顔料への共重合体と塩基性基を有する顔料誘導体等の処理を行ってもよい。また、ハイスピードミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ロールミル、石臼式ミル、超音波分散機等のあらゆる分散機や混合機が本発明の分散体を製造するために利用できる。
本発明の顔料分散体に用いることができる各種溶剤としては、有機溶剤、水等が挙げられる。
【0036】
また、本発明の顔料分散体に用いることができる樹脂の例としては、石油樹脂、カゼイン、セラック、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、酸化ゴム、塩酸ゴム、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、乾性油、合成乾性油、スチレン変性マレイン酸、ポリアミド樹脂、塩素化ポリプロピレン、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。
【0037】
本発明の顔料分散体は、市販の分散剤、各種添加剤を含有することができる。本発明の顔料分散体は、非水系または水系の塗料、グラビアインキ、オフセットインキ、インキジェットインキ、プラスチック着色等に利用できる。
本発明の共重合体がカルボキシル基を有する場合には、親水性有機溶剤を含んでいてもよい水を溶媒として、共重合体中のカルボキシル基をトリエチルアミン、ジメチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、アンモニア等の有機アミンまたは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の無機アルカリで中和することにより、水性インキ、水性塗料等のワニスとして使用することができる。
【0038】
【実施例】
以下に、本発明に関わる共重合体、塩基性基を有する顔料誘導体等の製造例、および実施例を示す。以下の「部」とは「重量部」を、「%」とは「重量%」を表す。共重合体の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
[共重合体製造例1]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてイソプロピルアルコール460部、イオン交換水112部を仕込み、76℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりメチルメタクリレート30部、n−ブチルメタクリレート160部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート45部、メタクリル酸60部、ポリプロピレングリコールモノアクリレート(日本油脂製「ブレンマーAP−550」、式(1)におけるn=9)90部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3.9部の混合溶液を、同時に別の滴下管より2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の水溶液(25%濃度)38部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分40%、重量平均分子量22000の共重合体(1)を得た。
【0039】
[共重合体製造例2]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてイソプロピルアルコール460部、イオン交換水112部を仕込み、76℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりメチルメタクリレート30部、n−ブチルメタクリレート160部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート45部、メタクリル酸60部、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂製「ブレンマーPP−500」、式(1)におけるn=9)90部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3.9部の混合溶液を、同時に別の滴下管より2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の水溶液(25%濃度)38部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分40%、重量平均分子量25000の共重合体(2)を得た。
【0040】
[共重合体製造例3]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてイソプロピルアルコール460部、イオン交換水112部を仕込み、76℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりメチルメタクリレート30部、n−ブチルメタクリレート160部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート45部、メタクリル酸60部、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂製「ブレンマーPME−400」、式(1)におけるn=9)90部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3.9部の混合溶液を、同時に別の滴下管より2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の水溶液(25%濃度) 部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分40%、重量平均分子量20000の共重合体(3)を得た。
【0041】
[共重合体製造例4](比較例)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてメタノール547部を仕込み、65℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりメチルメタクリレート45部、n−ブチルメタクリレート247部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート90部、メタクリル酸67部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部から成る混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分45%、重量平均分子量77000の共重合体(4)を得た。
【0042】
[共重合体製造例5](比較例)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてメタノール485部を仕込み、65℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりメチルメタクリレート30部、n−ブチルメタクリレート167部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート45部、メタクリル酸61部、ポリプロピレングリコールモノアクリレート(日本油脂製「ブレンマーAP−550」)91部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4部から成る混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分40%、重量平均分子量25000の共重合体(5)を得た。
【0043】
[塩基性基を有する顔料誘導体等の製造例1]
色素成分である銅フタロシアニン50部をクロロスルホン化した後、アミン成分であるN,N−ジメチルアミノプロピルアミン14部と反応させて顔料誘導体(1)62部を得た。
顔料誘導体(1)
【化15】
CuPcは、銅フタロシアニン残基を表す。
【0044】
[塩基性基を有する顔料誘導体等の製造例2]
色素成分である銅フタロシアニン50部をクロロメチル化した後、アミン成分であるジブチルアミン40部と反応させて顔料誘導体(2)95部を得た。
顔料誘導体(2)
【化16】
CuPcは、銅フタロシアニン残基を表す。
【0045】
[塩基性基を有する顔料誘導体等の製造例3]
色素成分であるキナクリドン50部をクロロアセトアミドメチル化した後、アミン成分であるN−メチルピペラジン40部と反応させて顔料誘導体(3)103部を得た。
顔料誘導体(3)
【化17】
【0046】
[塩基性基を有する顔料誘導体等の製造例4]
色素成分としてジフェニルジケトピロロピロールを、アミン成分としてN−アミノプロピルモルホリンを使用し、製造例1と同様の方法により、顔料誘導体(4)を得た。
顔料誘導体(4)
【化18】
【0047】
[塩基性基を有する顔料誘導体等の製造例5]
アントラキノン−β−カルボン酸クロリド50部と、アミン成分N,N−ジエチルアミノプロピルアミン36部を反応させて、アントラキノン誘導体(5)66部を得た。
アントラキノン誘導体(5)
【化19】
【0048】
[塩基性基を有する顔料誘導体等の製造例6]
色素成分としてジオキサジンバイオレット(Pigment Violet23)を、アミン成分として式(15)で示される化合物を使用し、製造例1と同様の方法により、顔料誘導体(6)を得た。
式(15)
【化20】
顔料誘導体(6)
【化21】
【0049】
[塩基性基を有する顔料誘導体等の製造例7]
ジアゾ成分p−ニトロアニリン50部と、式(16)で表されるアミン成分を有するカップラー109部をジアゾカップリング反応させることにより、顔料誘導体(7)160部を得た。
式(16)
【化22】
顔料誘導体(7)
【化23】
【0050】
[塩基性基を有する顔料誘導体等の製造例8]
テトラゾ成分ジクロロベンジジン50部と、式(17)で表されるアミン成分を有するカップラー212部をジアゾカップリング反応させることにより、顔料誘導体(8)263部を得た。
式(17)
【化24】
顔料誘導体(8)
【化25】
【0051】
[塩基性基を有する顔料誘導体等の製造例9]
9−アクリドン50部をクロロスルホン化した後、アミン成分N,N−ジメチルアミノプロピルアミン46部を反応させて、アクリドン誘導体(9)76部を得た。
アクリドン誘導体(9)
【化26】
【0052】
[塩基性基を有する顔料誘導体等の製造例10]
アニリン50部、塩化シアヌル99部、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン55部をメタノール中で反応させることにより、トリアジン誘導体(10)168部を得た。
トリアジン誘導体(10)
【化27】
【0053】
塩基性基を有する顔料誘導体等の製造例1〜10と同様の方法で、色素成分、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンと、アミン成分を反応することにより、または、アミン成分を有する化合物をカップリング反応して色素を合成することにより、本発明を構成する種々の顔料誘導体を製造することができる。
【0054】
(分散体の製造と評価)
本発明の顔料分散体の性能を評価するために、表1に示す組成の塗料を作成した。なお、シンナーとしては、シクロヘキサノン/キシレン/n−ブタノール=6/2/2(重量比)からなる混合溶剤を使用した。また、分散はスチールボールを使用し、ペイントシェイカーにて行った。得られた塗料の粘度をB型粘度計で測定し、粘度およびTI値で分散体の性能を評価した(粘度は低いほど良好。TI値は1に近いほど良好。)。結果を表1に示す。
本発明の分散体は、比較例に比べ、良好な粘度、TI値を示した。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】
本発明の顔料組成物を各種ビヒクルに分散した場合、塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体または塩基性基を有するトリアジン誘導体と、スルホン酸基およびアルキレンオキサイド鎖を有する共重合体の相乗効果により顔料分散性が飛躍的に改善され、安定な顔料分散体が得られる。
そのため、本発明の顔料組成物を使用すれば、ビヒクルに含まれる樹脂の顔料分散性が悪い場合でも、常に安定な顔料分散体を製造することができる。
Claims (3)
- 塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体または塩基性基を有するトリアジン誘導体から選ばれる少なくとも一種、スルホン基を有するエチレン性不飽和単量体と下記式(1)で示されるエチレン性不飽和単量体とを共重合成分として含む共重合体、及び顔料を含んでなることを特徴とする顔料組成物。
式(1)
R2 : 炭素数2〜4アルキレン基を表す。
R3 : 水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、-CH2-CH=CH2、置換基を有していてもよいフェニル基または-C(=0)-C(R1)=CH2 を表す。
n : 2〜 100の整数を表す。 - 塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体または塩基性基を有するトリアジン誘導体が、下記式(2)、式(3)、式(4)および式(5)で示される群から選ばれる少なくとも1つの塩基性置換基を有することを特徴とする請求項1記載の顔料組成物。
式(2)
m:1〜10の整数を表す。
R4 、R5 :それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR4 とR5 とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。
R6 :置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
R7 、R8 、R9 、R10:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Y:−NR11−Z−NR12−または直接結合を表す。
R11、R12:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Z:置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアルケニレン基、または置換されていてもよいフェニレン基を表す。
P:式(6)で示される置換基または式(7)で示される置換基を表す。
Q:水酸基、アルコキシル基、式(6)で示される置換基または式(7)で示される置換基を表す。
式(6)
- 請求項1または2記載の顔料組成物をワニスに分散せしめてなる顔料分散体。
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