JP4029590B2 - 電子レンジ用包装袋 - Google Patents
電子レンジ用包装袋 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4029590B2 JP4029590B2 JP2001254521A JP2001254521A JP4029590B2 JP 4029590 B2 JP4029590 B2 JP 4029590B2 JP 2001254521 A JP2001254521 A JP 2001254521A JP 2001254521 A JP2001254521 A JP 2001254521A JP 4029590 B2 JP4029590 B2 JP 4029590B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- packaging bag
- seal portion
- microwave oven
- steam
- peripheral
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Package Specialized In Special Use (AREA)
- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状物、固形物、あるいはこれらの混合物からなるレトルト食品等の内容物を充填した包装袋を電子レンジで加熱した際に、包装袋内部に発生する蒸気等を自動的に逃がし、包装袋の破裂、変形や内容物の飛散を防止することができる電子レンジ用包装袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
レトルト食品、冷凍食品などを密封充填した包装袋を電子レンジで加熱すると、加熱に伴って内容物から発生する水蒸気等により袋内部の圧力が上昇し、包装袋が破裂して内容物が飛散するとともに、電子レンジ内を汚したり、人体に対してやけど等の危害を与えるおそれがある。
【0003】
このため、このような包装袋を電子レンジで加熱調理する前に、包装袋を予め部分的に開封しておいたり、包装袋本体に孔を開けることにより包装袋内で発生する水蒸気等を外部に排出し、包装袋の破袋を防止する方法がとられている。
しかしながら、このような方法は一般消費者にとっては手間のかかるものであるとともに、電子レンジ加熱により発生した水蒸気が直ちに包装袋外へ排出されるために、水蒸気による加熱蒸らし効果が低減し、食味が落ちるという欠点がある。
【0004】
また、電子レンジ加熱時における包装袋の内圧上昇を自動的に逃がすために、(1)ヒートシール部の一部に薄膜を介して弱シール部を形成し、この弱シール部の一部にヒートシール巾の狭い巾狭シール部を設けた包装袋(特開平10−59433号公報)、(2)ヒートシール部の一部に弱接着部を設け、該弱接着部の外縁から内部に向かって弱接着部の巾を狭くする非シール部を形成した包装袋(特開平10−95471号公報)、(3)シール部の一部にシール巾を局所的に狭くした非シール部とこれに対応する内方膨出シール部を設けた包装袋(特開平10−101154号公報)、(4)開封部の一部に加熱時に開口を形成する熱収縮性フイルムを挟着した包装袋(特開平10−95470号公報)等が提案されている。
【0005】
しかしながら、これら従来の包装袋では開封部を形成するために複雑な工程を必要としコストアップを招くとともに、開封部のシール強度が小さくなるために、レトルト食品用包装袋に必要とされるシール強度(2.3kg/15mm巾以上)が得られず、レトルト時に開口予定部や周縁シール部が破袋したり、充填する内容物が制限されるという問題点があった。また、充填後の輸送、保管時に破袋が生じ密封性が保てなくなるという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術における問題点を解消し、内容物を充填した包装袋をレトルト加熱処理することができるともに、包装袋に必要とされるシール強度を確保し、電子レンジで加熱した際に包装袋内部の圧力を自動的に逃がすことのできる電子レンジ用包装袋を、安価に提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、先に上記課題を解決する電子レンジ用包装袋を発明し、特願2000−385109号として出願した。本発明者等は、内容物を充填した包装袋を電子レンジで加熱した際に、包装袋内で内圧が上昇したときの応力集中の発生状態についてさらに検討した結果、包装袋の中心点から包装袋の短辺の周縁シール部内端までの距離を半形とした円状に応力集中が発生すること、ならびに、この円周上又はその内側に弱化部を有する蒸気抜きシール部の初期破断点を配置することによって、包装袋が確実に自動開口することを見出し、本発明を完成したものである。
【0008】
すなわち、本発明では上記課題を解決するために、つぎのような構成を採用する。
1.プラスチックフイルムをヒートシールすることにより密封した後にレトルト加熱処理される包装袋のコーナー部近傍に、少なくとも1個の弱化部を有する蒸気抜きシール部を設けるとともに、該蒸気抜きシール部の初期破断点を、包装袋の2つの短辺の周縁シール部内端中央に内接する円の円周上またはその内側に設け、かつ、周縁シール部及び該蒸気抜きシール部のシール強度が略同等で2.3kg/15mm以上であることを特徴とする電子レンジ用包装袋。
2.包装袋の2つの短辺の周縁シール部内端中央に内接する円の中心点から蒸気抜きシール部の初期破断点までの距離を、該中心点から包装袋の長辺の周縁シール部内端までの距離以下としたことを特徴とする1に記載の電子レンジ用包装袋。
3.蒸気抜きシール部が包装袋の周縁シール部から分離して設けられたものであることを特徴とする1又は2に記載の電子レンジ用包装袋。
4.蒸気抜きシール部が包装袋の周縁シール部に接続して設けられたものであることを特徴とする1又は2に記載の電子レンジ用包装袋。
5.蒸気抜きシール部に貫通孔、半貫通孔又はスリットを設けることにより弱化部を形成したことを特徴とする1〜4のいずれかに記載の電子レンジ用包装袋。
6.蒸気抜きシール部近傍に注出口形成手段を設けたことを特徴とする1〜5のいずれかに記載の電子レンジ用包装袋。
7.包装袋がスタンディングパウチであることを特徴とする1〜6のいずれかに記載の電子レンジ用包装袋。
8.包装袋の開封予定位置にレーザー加工を施したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電子レンジ用包装袋。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で電子レンジ用包装袋を構成するプラスチックフイルムとしては、通常包装袋の製造に用いられるヒートシール性を有するプラスチック材料が使用される。このようなプラスチック材料としては、例えばヒートシール性を有する熱可塑性樹脂からなる単層のフイルム、シート類や、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂を他の熱可塑性樹脂等と積層した多層フイルム等が挙げられる。
【0010】
このようなヒートシール性を有するプラスチック材料としては、例えば公知の低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン系不飽和カルボン酸乃至その無水物でグラフト変性されたオレフィン樹脂等のオレフィン系樹脂、比較的低融点乃至低軟化点のポリアミド乃至コポリアミド樹脂、ポリエステル乃至コポリエステル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等が使用される。
【0011】
また、ヒートシール性を有するプラスチック材料と積層する他のプラスチック材料としては、ヒートシール性を有し又は有さない熱可塑性樹脂を使用することができる。
このような熱可塑性樹脂としては、例えば結晶性ポリプロピレン、結晶性プロピレン−エチレン共重合体、結晶性ポリブテン−1、結晶性ポリ4−メチルペンテン−1、低−、中−、或いは高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、EVAケン化物、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)等のポリオレフィン類;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体等の芳香族ビニル共重合体;ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン樹脂等のハロゲン化ビニル重合体;ポリアクリル系樹脂;アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体の如きニトリル重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート等のポリエステル類;各種ポリカーボネート;フッ素系樹脂;ポリオキシメチレン等のポリアセタール類等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂は単独で又は二種以上をブレンドして使用することができ、また、各種の添加剤を配合して使用してもよい。
【0012】
本発明では、上記プラスチック材料により構成された未延伸の、或いは一軸又は二軸延伸したフイルムを、常法によりヒートシールすることにより電子レンジ用包装袋を構成する。フイルムがヒートシール性を有する熱可塑性樹脂とヒートシール性を有さない熱可塑性樹脂との積層フイルムである場合には、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂層同士が内面となるようにヒートシールする。
【0013】
以下、図面に基づいて本発明の電子レンジ用包装袋の構成について説明する。本発明の包装袋は、図1にみられるように、包装袋の2つの短辺の周縁シール部内端中央に内接する円の中心点P(以下、単に「中心点P」という)を起点とし、包装袋の中心点Pから短辺の周縁シール部内端中央までの距離PAを半径とする円R上またはその内側に、少なくとも1個の、弱化部を有する蒸気抜きシール部の初期破断点Bを設けたことを特徴とする。
以下、本発明において、蒸気抜きシール部3の初期破断点Bとは、包装袋を電子レンジで加熱した際に、蒸気抜きシール部3においてシール部の開口が開始する点を意味する。
【0014】
図1は、本発明の電子レンジ用包装袋の1例を表す平面図であり、図2及び図3は図1の包装袋を電子レンジで加熱したときの、内圧の上昇による応力集中の状態を説明するための図である。これらの図において、符号1は包装袋、そして符号2は周縁シール部を表す。
包装袋1の加熱時には、内容物から発生する水蒸気等により、包装袋1は中心点Pから周縁シール部2に向かって膨張し、図2にみられるように短辺の周縁シール部内端までの距離PAを半径とする円R状に応力集中が発生する。この応力集中により蒸気抜きシール部3では、中心点Pに最も近い部分Bからシール部3の破断開口が開始するので、この初期破断点Bは、蒸気抜きシール部3において中心点Pに最も近い地点となる。
【0015】
この包装袋1では、コーナー部に円形状の蒸気抜きシール部3を周縁シール部2から分離して設け、蒸気抜きシール部3には貫通孔を設けることによって、弱化部4を形成してある。包装袋の加熱時には、図3にみられるように、蒸気抜きシール部3では初期破断点Bからシール部の破断が始まり、袋の内圧上昇による応力集中によりシール部が後退し、剥離が弱化部4に到達すると包装袋1が部分的に開口されて、水蒸気等が外部に排出されるので破袋を防止することができる。また、蒸気抜きシール部3を周縁シール部2から分離して設けることによって、包装袋の内容積をより大きくすることができるとともに、加熱後の開封性が向上する。蒸気抜きシール部3はヒートシールのほか、インパルスシール、超音波シール、接着剤等による接着等のいずれの方法によっても形成することができる。
弱化部4は、貫通孔のほか半貫通孔やスリットを設けることにより形成することができ、またレーザー加工、機械加工などによって、蒸気抜きシール部3を部分的に弱化させることにより、形成しても良い。蒸気抜きシール部3及び弱化部4の形状は、円形、長円形、三角形、四角形、台形、おにぎり形等任意であり、その寸法も適宜選択することができる。また、周縁シール部2の開封予定位置には、包装袋の加熱終了後の開封を容易にするために、ノッチ5を設けてある。
【0016】
図4は、本発明の電子レンジ用包装袋の他の例を表す図である。この包装袋1では、蒸気抜きシール部3を包装袋1のコーナー部近傍に形成し、包装袋の中心点Pから蒸気抜きシール部3の初期破断点Bまでの距離PBを、包装袋の中心点Pから包装袋の長辺の周縁シール部2の内端Cまでの距離PC以下とした。
ここで、包装袋のコーナー部近傍とは、図5において中心点P、周縁シール部2の長辺上の点E、コーナーD、周縁シール部2の短辺上の点Fに囲まれた部分を意味し、その際に角αと角βが次の範囲にあるものをいう。
α≦30゜、好ましくはα≦20゜
β≦20゜、好ましくはβ≦10゜
【0017】
図6は、本発明の電子レンジ用包装袋をスタンディングパウチに適用した例を表す図である。この包装袋1では、コーナー部に設ける蒸気抜きシール部3の形状をおにぎり形とし、周縁シール部2に接続して設けた。また、底部に底折込み部7を設けたほかは、図4の包装袋と同様の構成を有する。
【0018】
図7は、本発明の電子レンジ用包装袋をスタンディングパウチに適用した他の例を表す図である。この包装袋1は、コーナー部に周縁シール部2に連続して略菱形の蒸気抜きシール部3を設けたものである。蒸気抜きシール部3には、ノッチ5、ミシン目6が設けられ、包装袋1の加熱終了後にノッチ5からミシン目6に沿って包装袋1を開封する。包装袋1の他の構成は、図6の包装袋と同様である。
ノッチ5やミシン目6に代えて、開封予定位置にレーザー加工を施すようにしてもよい。
【0019】
図8は、本発明の電子レンジ用包装袋の他の例を表す図である。この包装袋1では、包装袋1のコーナー部近傍に袋の内方に向けて弱化部となる切欠き14を設け、該切欠き14の周縁部をヒートシールすることにより弱化部を有する蒸気抜きシール部13を形成したものである。包装袋1で切欠き14により袋本体から区分された部分には、ミシン目やレーザー加工等の易開封手段6が、また周縁シール部2にはノッチ5が設けられている。この包装袋1では、加熱終了後にノッチ5から易開封手段6に沿って袋1を開封して、注出口(図示せず)を形成することができる。
【0020】
本発明の電子レンジ用包装袋の周縁シール部及び蒸気抜きシール部のシール強度は、2.3kg/15mm巾以上とすることが可能となる。
従来の電子レンジ加熱時に自動開封する包装袋では、加熱時に開封部のシール強度が著るしく低下し、レトルト食品用包装袋に必要とされる2.3kg/15mm巾以上のシール強度を得ることができなかった。本発明の電子レンジ用包装袋では、周縁シール部や蒸気抜きシール部のシール部自体には、加熱時にシール強度が低下する材料の使用や加工処理をしないために、上記シール強度を維持することが可能となる。
【0021】
その結果、包装袋に内容物を充填した後にレトルト処理する際に、蒸気抜きシール部や周縁シール部から破袋することがなく、また輸送や保管時の破袋を防止することができる。
また、電子レンジで加熱する際にも、蒸気抜きシール部が一定時間シール強度を維持し、包装袋内の内圧が水蒸気により高められた状態に保たれ、加熱蒸らし効果が得られるので内容物の食味が向上するとともに、調理時間を短縮することができるという顕著な効果を奏する。
【0022】
【実施例】
つぎに、実施例により本発明をさらに説明するが、以下の具体例は本発明を限定するものではない。
以下の実施例では、図9に示す形状の底部に底折込み部7を有するスタンディングパウチ1を作製し、パウチ1に設ける蒸気抜きシール部3の位置を変化させて、電子レンジで加熱した際の蒸気抜きシール部3の開口状態を検討した。
【0023】
(実施例1〜12、比較例1〜3)
外層から順に、12μmのシリカ蒸着2軸延伸ポリエステルフィルム、15μmの2軸延伸ナイロンフィルム、及び70μmのポリプロピレンフィルム(ブロックタイプ)とを、ポリウレタン系接着剤を使用してドライラミネーションによりロール状の積層体を作製した。
この積層体を製袋機に取り付け、ポリプロピレン層を内側にして積層体同士を重ね合わせてパウチ短辺側周縁部をヒートシールした後、パウチ長辺側周縁部をシールすると同時に、所定位置に蒸気抜きシールを施した。蒸気抜きシール部3の形状は円形(径12mm)とし、シール位置は、図9に示すようにパウチ1の中心点Pから短辺の周縁シール部2の内端に直交する直線PAと、パウチ1の中心点Pと初期破断点Bを結ぶ直線PBとのなす角度θと、Pから初期破断点Bまでの距離Lを変化させることにより、15カ所を選定した。
【0024】
次に、パンチ&ダイを用いて蒸気抜きシール部3の中央に貫通孔(径4mm)を設けることにより弱化部4を形成した。さらに、開封部に当たる部分の表裏にレーザ加工(図示せず)を施し、レーザ加工両端にI型ノッチ加工5,5を施した。この方法により、短辺130mm×長辺170mm×底折込み幅36mm(内寸:118mm×155mm)のスタンディングパウチ1を、蒸気抜きシール部3の位置毎に各1,000袋作製した。
このスタンディングパウチ1にカレーを220gを充填・シールし、120℃で30分レトルト殺菌したものを、各蒸気抜きシール部3の位置毎に20袋ずつ作製した。得られたカレー充てんパウチを定格出力600Wの電子レンジで加熱し、蒸気抜きシール部3の自動開口の有無および周縁シール部2の状態を観察した。結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
上記表1によれば、蒸気抜きシール部3の初期破断点Bの位置が本発明の範囲内のものは(実施例1〜12)、電子レンジ加熱で内圧が高まり袋が膨らんだ後、周縁シール部2の後退もなく蒸気抜きシール部3から内部圧力が抜け、破袋することなく内容品の調理が行えた。
また、蒸気抜きシール部3のシール強度が高いため、パウチ内の圧力が保たれ、自動開口機能のないパウチにくらべ短時間で内容品が加熱され、蒸らし効果により食味の良いものが得られた。
一方、本発明以外のものは(比較例1〜3)、蒸気抜きシール部3から内部圧力が抜ける前に、周縁シール部2の後退や破袋がみられた。なお、シール強度は周縁シール部2および蒸気抜きシール部3ともに平均4.2Kg/15mmであった。
また、従来の製袋機を使用して、本発明のパウチが速度を落とすことなく問題なく生産できることが確認できた。
【0027】
(実施例13〜24、比較例4〜6)
実施例1〜12と同様な方法で、蒸気抜きシール部3および弱化部4(貫通孔)の位置を変えて、短辺100mm×長辺160mm×底折り込み幅29mm(内寸:短辺90mm×長辺135mm)のスタンディングパウチ1を作製した。このスタンディングパウチ1にコーンスープを120g充填・シールし、120℃で30分レトルト殺菌したものを、各蒸気抜きシール部3の位置毎に各20袋作製した。得られたコーンスープ充填パウチを定格出力600Wの電子レンジで加熱し、蒸気抜きシール部3の自動開口の有無および周縁シール部2の状態を観察するとともに、開封し易さおよび注ぎ易さについても評価した。結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
表2の開封性において、○は開封し易い、△はやや開封しにくい、×は手が熱く開封しにくいことを意味する。
また、注出性において、○は注出し易い、△はやや注出しにくい、×は液もれして注出しにくいことを意味する。
【0030】
上記表2によれば、実施例1〜12と同様に蒸気抜きシール部3の先端位置Bが本発明の範囲内のものは(実施例13〜24)、加熱して内圧が高まり袋が膨らんだ後、周縁シール部2の後退もなく蒸気抜きシール部3から内部圧力が抜け、破袋することなく内容品の調理が行えた。また、蒸気抜きシール部3のシール強度が高いため、パウチ内の圧力が保たれ、短時間で内容品が加熱され、蒸らし効果により食味の良いものが得られた。また、蒸気抜きシール部3が包装袋のコーナー付近にある方が、開封性および注ぎ性が有利なことが確認された。
一方、本発明以外のものは(比較例4〜6)、蒸気抜きシール部3から内部圧力が抜ける前に周縁シール部2の後退や破袋がみられた。なお、シール強度は周縁シール部2で平均4.0Kg/15mm、蒸気抜きシール部3で平均4.2kg/15mmであった。
【0031】
上記の各例では、本発明をスタンディングパウチに適用した例について説明したが、本発明が平パウチ、三方シールタイプ、ピロータイプ、ガセットタイプ等他のタイプの包装袋にも適用できるものであることは、言うまでもない。特に、スタンディングパウチに適用した場合には、電子レンジ内で袋を自立させて加熱することができ、加熱後袋を開封して内容物をこぼさずに取り出すことが可能となるので好ましい。
本発明の包装袋は、カレー、シチュー、肉団子、スープ、ぜんざい等の各種のレトルト食品、餃子、焼売、ピラフ等のチルド食品及び冷凍食品等の電子レンジ、又は湯煎により加熱される食品用の包装袋として好適に用いられる。
【0032】
本発明の電子レンジ用包装袋に各種食品類を充填した包装体を製造する方法としては、包装袋の製袋と内容物の充填を連続して行なう、いわゆるインラインシール方式を採用することができる。この方式では、通常は周縁シール部と蒸気抜きシール部のヒートシールは同時に行なわれるが、蒸気抜きシール部に設ける弱化部は、ヒートシール後に孔加工する等の方法により形成することができる。また、あらかじめ包装袋を構成するフイルム原反に弱化部を形成しておき、この原反フイルムをヒートシールして製袋するようにしてもよい。
【0033】
包装袋に内容物を充填した包装体を製造する他の方法としては、あらかじめ包装袋を製袋した後に、製袋機とは別の充填機又は別機械を使用し、内容物を充填後充填口をシールする、いわゆるオフライン方式を採用してもよい。蒸気抜きシール部のヒートシールは、充填口のシールと同時に行うことができ、あるいはあらかじめ充填前に行うようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】
上記構成をとることによって、本発明の電子レンジ用包装袋は、次のような顕著な効果を奏する。
(1)周縁シール部の破断が生じる前に蒸気抜きシール部での破断が生じ、袋が予め定められた弱化部で確実に自動的に開封して破袋を防止することができる。
(2)開封部を袋のコーナー部に設けた場合には、内容物の充填性が良好で効率良く内容物を収容することができる。
(3)特殊な材料や複雑な工程を使用せず、製袋時に通常のヒートシール装置によって、周縁シール部と蒸気抜きシール部の形成を同時に行うことができるので、コストアップを防止することができる。また、内容物充填後にレトルト殺菌を行うのに必要なシール強度(2.3kg/15mm巾以上)を確保することができる。
(4)電子レンジで加熱する際に、蒸気抜きシール部が一定時間シール強度を維持し、包装袋内の内圧が水蒸気により高められた状態に保たれ、加熱蒸らし効果が得られるので内容物の食味が向上するとともに、調理時間を短縮することができる。
(5)コーナー部に蒸気抜きシール部を設けた場合には、袋を加熱して開封する際、蒸気抜きシール部から離れた位置を開封することができ、手が熱くならず開封を容易に行うことができる。また、上記(1)に記載した理由により、内容物をこぼすことなく袋から取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子レンジ用包装袋の1例を示す図である。
【図2】図1の包装袋の加熱時の応力集中の状態を説明する図である。
【図3】図1の包装袋の蒸気抜きシール部の破断開封の状況を説明する断面模式図である。
【図4】本発明の電子レンジ用包装袋の他の例を示す図である。
【図5】図4の電子レンジ用包装袋の蒸気抜きシール部の初期破断点の位置関係を説明する図である。
【図6】本発明の電子レンジ用包装袋の他の例を示す図である。
【図7】本発明の電子レンジ用包装袋の他の例を示す図である。
【図8】本発明の電子レンジ用包装袋の他の例を示す図である。
【図9】本発明の実施例で作製した電子レンジ用包装袋を示す図である。
【符号の説明】
1 包装袋
2 周縁シール部
3、13 蒸気抜きシール部
4 弱化部
5 ノッチ
6 ミシン目
7 底折込み部
14 切欠き
Claims (8)
- プラスチックフイルムをヒートシールすることにより密封した後にレトルト加熱処理される包装袋のコーナー部近傍に、少なくとも1個の弱化部を有する蒸気抜きシール部を設けるとともに、該蒸気抜きシール部の初期破断点を、包装袋の2つの短辺の周縁シール部内端中央に内接する円の円周上またはその内側に設け、かつ、周縁シール部及び該蒸気抜きシール部のシール強度が略同等で2.3kg/15mm以上であることを特徴とする電子レンジ用包装袋。
- 包装袋の2つの短辺の周縁シール部内端中央に内接する円の中心点から蒸気抜きシール部の初期破断点までの距離を、該中心点から包装袋の長辺の周縁シール部内端までの距離以下としたことを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ用包装袋。
- 蒸気抜きシール部が包装袋の周縁シール部から分離して設けられたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子レンジ用包装袋。
- 蒸気抜きシール部が包装袋の周縁シール部に接続して設けられたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子レンジ用包装袋。
- 蒸気抜きシール部に貫通孔、半貫通孔又はスリットを設けることにより弱化部を形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子レンジ用包装袋。
- 蒸気抜きシール部近傍に注出口形成手段を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子レンジ用包装袋。
- 包装袋がスタンディングパウチであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子レンジ用包装袋。
- 包装袋の開封予定位置にレーザー加工を施したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電子レンジ用包装袋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001254521A JP4029590B2 (ja) | 2000-12-19 | 2001-08-24 | 電子レンジ用包装袋 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000385109 | 2000-12-19 | ||
JP2000-385109 | 2000-12-19 | ||
JP2001254521A JP4029590B2 (ja) | 2000-12-19 | 2001-08-24 | 電子レンジ用包装袋 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002249176A JP2002249176A (ja) | 2002-09-03 |
JP4029590B2 true JP4029590B2 (ja) | 2008-01-09 |
Family
ID=26606084
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001254521A Expired - Lifetime JP4029590B2 (ja) | 2000-12-19 | 2001-08-24 | 電子レンジ用包装袋 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4029590B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022130862A1 (ja) | 2020-12-14 | 2022-06-23 | 東洋製罐株式会社 | 電子レンジ用パウチ |
Families Citing this family (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20070071855A1 (en) * | 2003-11-28 | 2007-03-29 | Toyo Seikan Kaisha, Ltd. | Packaging container for microwave oven |
JP4627450B2 (ja) * | 2004-05-06 | 2011-02-09 | 気仙沼ほてい株式会社 | 電子レンジ調理対応の容器入りお粥 |
JP4647945B2 (ja) * | 2004-07-14 | 2011-03-09 | 大日本印刷株式会社 | 電子レンジ用米飯包装体およびその製造方法 |
EP1783064B1 (en) * | 2004-08-25 | 2014-11-19 | Toyo Seikan Kaisha, Ltd. | Plastic pouch and method of producing the same |
JP4258455B2 (ja) * | 2004-08-25 | 2009-04-30 | 東洋製罐株式会社 | プラスチックパウチ |
JP4645888B2 (ja) * | 2004-11-08 | 2011-03-09 | 東洋製罐株式会社 | 容器詰め食品の製造方法 |
JP4872237B2 (ja) | 2005-05-02 | 2012-02-08 | 東洋製罐株式会社 | 電子レンジ用包装袋 |
JP4720623B2 (ja) * | 2005-06-02 | 2011-07-13 | 東洋製罐株式会社 | 電子レンジ加熱調理対応容器入り白粥 |
JP2006347602A (ja) * | 2005-06-17 | 2006-12-28 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 加熱調理時に立体化可能な電子レンジ用平袋 |
JP4902604B2 (ja) * | 2008-07-10 | 2012-03-21 | キユーピー株式会社 | 電子レンジ調理用容器詰液状食品及びこれを用いた加熱料理の製造方法 |
JP4420255B2 (ja) * | 2008-09-12 | 2010-02-24 | 東洋製罐株式会社 | プラスチックパウチ |
JP5686565B2 (ja) * | 2010-09-30 | 2015-03-18 | 大日本印刷株式会社 | 喫食用容器を兼ねた包装袋 |
JP6699282B2 (ja) * | 2015-03-26 | 2020-05-27 | 東洋製罐株式会社 | 電子レンジ用パウチ |
US9790016B2 (en) | 2015-07-28 | 2017-10-17 | Hosokawa Yoko Co., Ltd. | Packaging bag for microwave ovens |
WO2018055989A1 (ja) | 2016-09-23 | 2018-03-29 | 東洋製罐株式会社 | 電子レンジ加熱用包装袋 |
KR20200142592A (ko) | 2019-05-30 | 2020-12-22 | 가부시키가이샤 쿠마가이 | 도전성 발열층을 구비한 전자레인지 가열용 포장체 및 이것에 봉입된 식재의 가열방법 |
JP7404754B2 (ja) | 2019-10-08 | 2023-12-26 | 東洋製罐株式会社 | 電子レンジ加熱用包装袋 |
JP2021075289A (ja) | 2019-11-06 | 2021-05-20 | 東洋製罐株式会社 | 電子レンジ用パウチ |
-
2001
- 2001-08-24 JP JP2001254521A patent/JP4029590B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022130862A1 (ja) | 2020-12-14 | 2022-06-23 | 東洋製罐株式会社 | 電子レンジ用パウチ |
KR20230106175A (ko) | 2020-12-14 | 2023-07-12 | 토요 세이칸 가부시키가이샤 | 전자레인지용 파우치 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002249176A (ja) | 2002-09-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4029590B2 (ja) | 電子レンジ用包装袋 | |
JP3675399B2 (ja) | 電子レンジ用包装袋及び該電子レンジ用包装袋に内容物を充填した包装体の製造方法 | |
EP1880954B1 (en) | Packaging pouch for microwave oven | |
JP2005187079A (ja) | 電子レンジ用包装袋及び該電子レンジ用包装袋に内容物を充填した包装体の製造方法 | |
JP4569249B2 (ja) | 電子レンジ用包装容器 | |
JP4265348B2 (ja) | 電子レンジ用包装袋 | |
JP2008081191A (ja) | 加熱調理用食品包装袋 | |
JP5686565B2 (ja) | 喫食用容器を兼ねた包装袋 | |
JP2005320023A (ja) | 平置き型の電子レンジ用包装袋 | |
JP4366772B2 (ja) | 電子レンジ用包装体 | |
JP4231988B2 (ja) | 電子レンジ用包装袋及び該包装袋内に内容物を充填した包装体の製造方法 | |
JP3745072B2 (ja) | 電子レンジ用包装袋 | |
JP4524884B2 (ja) | 電子レンジ加熱用包装体 | |
JP4929550B2 (ja) | 電子レンジ用包装袋及び該包装袋内に内容物を充填した包装体の製造方法 | |
JP7003472B2 (ja) | 包装袋 | |
JP4582077B2 (ja) | 電子レンジ用包装容器 | |
JP4606716B2 (ja) | 開口時に発音する自動開口電子レンジ用包装袋 | |
JP4147774B2 (ja) | 包装袋 | |
JP2001206458A (ja) | 加熱調理用包装体 | |
WO2022085558A1 (ja) | 冷凍食品用包装容器の製造方法 | |
JP2001240150A (ja) | 電子レンジ加熱用包装体 | |
JP2008201477A (ja) | 剥離性シール部を有するプラスチックパウチ | |
JP7197877B2 (ja) | 包装袋 | |
JP2004168429A (ja) | 包装体 | |
JP2004210407A (ja) | 包装体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040402 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061116 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061128 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070126 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070515 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070703 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20070718 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070925 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071008 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4029590 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101026 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101026 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111026 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121026 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121026 Year of fee payment: 5 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121026 Year of fee payment: 5 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121026 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131026 Year of fee payment: 6 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131026 Year of fee payment: 6 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |