JP4029081B2 - 試料ホルダ用蓋、試料ホルダ及び蛍光x線測定装置 - Google Patents

試料ホルダ用蓋、試料ホルダ及び蛍光x線測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、蛍光X線測定装置などに用いられる試料ホルダ、試料ホルダに用いられる試料ホルダ用蓋、及び試料ホルダを用いる蛍光X線測定装置に関する。
元素分析や成分分析の手法として蛍光X線分析法が知られている。蛍光X線分析法は、X線を試料に照射して元素固有の蛍光X線を検出し、検出された蛍光X線に基づいて試料中に含まれている元素の分析を行うものであり、試料を破壊することなく分析できること、微量元素分析が可能であることからよく用いられている。
このような蛍光X線分析法は一般に、試料を試料ホルダに装着し、この試料ホルダを蛍光X線分析装置に導入し、試料ホルダに形成された開口を通して試料にX線を照射することにより行われる。
近年、蛍光X線測定装置において、試料中に含まれている微量成分を高精度に検出することが求められている。微量成分を高精度に検出するには、強い検出信号を得ることが重要である。このためには、例えば蛍光X線測定装置において、より強度の大きいX線を発生するX線源を用いるか、あるいは、X線の線源と試料との間の距離を近づければよい。
しかし、一般に強度が大きくなるほどX線源も大型化し、蛍光X線測定装置が大型化するおそれがある。
従って、小型化の観点からは、蛍光X線測定装置において、X線源と試料との間の距離を近づけることが望まれる。
蛍光X線測定装置としては、従来、例えば下記特許文献1に開示されるものが知られている。同文献1に記載の蛍光X線測定装置は、シャッタを有するシャッタ装置を備えており、シャッタ装置は、試料を装着した試料ホルダとX線源との間に配置されている。そして、真空排気を行うときに、シャッタ装置においてシャッタを開き、試料表面に付着した異物が除去されるようになっている。
また、分析装置に用いる試料ホルダとして、下記特許文献2に開示されるものが知られている。同文献2には、試料ホルダとしての試料容器の上に蓋をかぶせ、蓋開放装置によって試料が測定に供される直前に蓋が取り除かれるようになっている。また、この特許文献2には、試料を覆う蓋として、蝶番で試料ホルダと一体化した蓋も提案されている。
特開2004−117230号公報 特開2002−181830号公報
しかしながら、前述した特許文献1に記載の蛍光X線測定装置は、以下に示す課題を有していた。
すなわち上記蛍光X線測定装置は、シャッタ装置においてシャッタを開き、真空排気を行うことによって、試料表面に付着した異物を除去することが可能であるものの、真空排気によって除去可能な異物は、比較的軽量な粉体などに限られており、重量の大きい粉体や油等の高粘性液体等は除去することが困難であり、試料の元素分析を的確に行う観点からは未だ改良の余地を有していた。
また蛍光X線測定装置は、試料を装着した試料ホルダを、試料ホルダを収容する試料ホルダ台から蛍光X線測定部に導入するアームを備える場合がある。この場合、アームのギヤ部に塗布された潤滑剤等が、アームの作動時に、試料の表面に落下し、蛍光X線分析装置による試料の元素分析の測定を的確に行うことができなくなるおそれがある。
また特許文献2に記載の試料ホルダは、蓋により試料への異物の混入を防止できるものの、その上に単に蓋がかぶせられているにすぎないため、蓋を取り外すのに大掛かりな装置が必要になる。また蝶番で試料ホルダと一体化された蓋については、蓋を取り外したときに、蓋の収納に大きなスペースが必要になる。従って、上記のような蓋を試料ホルダにつける場合、上述した試料ホルダを蛍光X線装置で使用しようとすれば、蛍光X線装置が大型化することになる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、試料の元素分析を的確に行うことができ、且つ蛍光X線装置の小型化を実現できる試料ホルダ、試料ホルダ用蓋及び蛍光X線測定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明による試料ホルダ用蓋は、ホルダ本体部に連結されて試料ホルダを構成する試料ホルダ用蓋であって、開口及び前記開口を囲む包囲面を有する蓋本体部と、前記包囲面に対向する領域に収納可能であり、且つ前記包囲面に平行な方向に移動させることにより前記開口を覆うことが可能な少なくとも1つのカバー部材とを備えることを特徴とする。
この試料ホルダ用蓋によれば、ホルダ本体部に連結されると、試料ホルダが構成される。この試料ホルダにおいてカバー部材を包囲面に平行な方向に移動させることにより開口が覆われるようにすると、この試料ホルダを例えば蛍光X線分析装置のX線照射位置に配置するまでの間に、異物混入等による試料の汚染を十分に防止することが可能となる。また、カバー部材は、試料ホルダ用蓋において、包囲面に対向する領域に収納可能であり、且つ包囲面に平行な方向に移動される。このため、カバー部材の収納に必要なスペースを十分に小さくすることができる。一方、試料へのX線照射時にカバー部材を、蓋本体部における包囲面に対向する領域に配置すれば、試料がカバー部材で覆われなくなるため、試料に対してX線を照射することができる。
上記試料ホルダ用蓋は、前記蓋本体部に対して移動可能に設けられる突出部と、前記突出部の移動に連動して、前記カバー部材を、前記蓋本体部の前記開口を覆う位置又は覆わない位置に移動させるカバー移動機構と、を更に備えることが好ましい。
この場合、突出部を蓋本体部に対して移動させると、カバー移動機構により、カバー部材を、蓋本体部の開口を覆う位置に配置したり、蓋本体部の開口を覆わない位置に配置したりすることが可能となる。このため、カバー部材の配置変更を容易に行うことが可能となる。
また、本発明による試料ホルダは、ホルダ本体部と、前記ホルダ本体部に連結される蓋と、を備える試料ホルダであって、前記蓋が、開口及び前記開口を囲む包囲面を有する蓋本体部と、前記包囲面に対向する領域に収納可能であり、且つ前記包囲面に平行な方向に移動させることにより前記開口を覆うことが可能な少なくとも1つのカバー部材と、を備えることを特徴とする。
この試料ホルダによれば、カバー部材を包囲面に平行な方向に移動させることにより蓋本体部における開口が覆われるようにすると、この試料ホルダを例えば蛍光X線分析装置のX線照射位置に配置するまでの間に、異物混入等による試料の汚染を十分に防止することが可能となる。また、カバー部材は、蓋において、包囲面に対向する領域に収納可能であり、且つ包囲面に平行な方向に移動される。このため、カバー部材の収納に必要なスペースを十分に小さくすることができる。一方、試料へのX線照射時にカバー部材を、蓋本体部における包囲面に対向する領域に配置すれば、試料がカバー部材で覆われなくなるため、試料に対してX線を照射することができる。
上記試料ホルダは、前記蓋本体部又は前記ホルダ本体部に対して移動可能に設けられる突出部と、前記突出部の移動に連動して、前記カバー部材を、前記蓋本体部の前記開口を覆う位置又は覆わない位置に移動させるカバー移動機構と、を更に備えることが好ましい。
この場合、突出部を蓋本体部又はホルダ本体部に対して移動させると、カバー移動機構により、カバー部材を、蓋本体部の開口を覆う位置に配置したり、蓋本体部の開口を覆わない位置に配置したりすることが可能となる。このため、カバー部材の配置変更を容易に行うことが可能となる。
また本発明による試料ホルダは、ホルダ本体部と、前記ホルダ本体部に連結され、開口及び前記開口を囲む包囲面を有する蓋本体部を有する蓋と、を備える試料ホルダであって、前記開口を覆うことが可能なシート状カバー部材と、前記シート状カバー部材の少なくとも一部を、前記蓋本体部の前記開口を覆う位置又は覆わない位置に移動させるリールと、前記シート状カバー部材の少なくとも一部を前記開口を覆う位置に移動させる場合に前記シート状カバー部材が前記開口を覆うようにガイドするガイド部と、を備えることを特徴とする。
この試料ホルダによれば、リールによりシート状カバー部材の少なくとも一部が移動されると、シート状カバー部材の少なくとも一部が、ガイド部により蓋本体部の開口を覆うようにガイドされる。このようにカバー部材により蓋本体部の開口が覆われるようにすると、この試料ホルダを例えば蛍光X線分析装置のX線照射位置に配置するまでの間に、異物混入等による試料の汚染を十分に防止することが可能となる。また、リールによりシート状カバー部材を、開口が覆われなくなる位置に移動しても、蓋本体部における空間を有効に利用することで、カバー部材の収納に必要なスペースの拡張を十分に防止することができる。即ち、カバー部材の収納に必要なスペースを十分に小さくすることができる。一方、試料へのX線照射時に、リールによりシート状カバー部材の少なくとも一部が開口を覆わない位置に移動されると、試料がシート状カバー部材で覆われなくなるため、試料に対してX線を照射することができる。
本発明の蛍光X線測定装置は、X線を発生させるX線源と、前記X線源から照射されるX線により、試料ホルダに収容される試料から発生する蛍光X線を検出する蛍光X線検出部と、を備える蛍光X線測定装置であって、前記試料ホルダが、ホルダ本体部と、前記ホルダ本体部に連結され、前記試料を収容する試料収容室を形成する蓋とを有し、前記蓋が、開口及び前記開口を包囲する包囲面を有する蓋本体部と、前記包囲面に対向する領域に収納可能であり、且つ前記包囲面に平行な方向に移動させることにより前記開口を覆うことが可能な少なくとも1つのカバー部材とを有し、前記試料ホルダが、前記蓋本体部又は前記ホルダ本体部に対して移動可能に設けられる突出部と、前記突出部の移動に連動して、前記カバー部材を、前記蓋本体部の前記開口を覆う位置又は覆わない位置に移動させるカバー移動機構とを備えており、前記蛍光X線測定装置が、前記突出部を、前記試料ホルダに対して移動させることが可能な移動手段を備えることを特徴とする。
この蛍光X線測定装置によれば、試料ホルダにおいて、カバー部材が蓋本体部の包囲面に平行に移動されて蓋本体部の開口を覆う位置に配置され、試料ホルダがX線を照射する位置に配置され、この位置で、移動手段により試料ホルダに対して突出部が移動され、カバー移動機構により、カバー部材が、開口を覆わない位置に配置される。これにより試料ホルダに収容される試料に対してX線源によりX線を照射することができると共に、試料に対してX線を照射するまでの間に、異物混入等による試料の汚染を十分に防止することが可能となる。また、カバー部材は、蓋において、包囲面に対向する領域に収納可能であり、且つ包囲面に平行な方向に移動される。このため、カバー部材の収納に必要なスペースを十分に小さくすることができる。
また本発明の蛍光X線測定装置は、X線を発生させるX線源と、前記X線源から照射されるX線により、試料ホルダに収容される試料から発生する蛍光X線を検出する蛍光X線検出部と、を備える蛍光X線測定装置であって、前記試料ホルダが、ホルダ本体部と、前記ホルダ本体部に連結され、開口及び前記開口を囲む包囲面を有する蓋本体部を有する蓋とを有し、前記開口を覆うことが可能なシート状カバー部材と、前記シート状カバー部材の少なくとも一部を、前記蓋本体部の前記開口を覆う位置又は覆わない位置に移動させるリールと、前記前記シート状カバー部材の少なくとも一部を前記開口を覆う位置に移動させる場合に前記シート状カバー部材が前記開口を覆うようにガイドするガイド部と、前記蓋本体部又は前記ホルダ本体部に対して移動可能に且つ前記蓋本体部又は前記ホルダ本体部から外側に突出する突出部と、前記突出部の移動に連動し、前記リールによる前記シート状カバー部材の移動を可能とするリール駆動機構とを備えており、前記蛍光X線測定装置が、前記突出部を、前記試料ホルダに対して移動させることが可能な移動手段を備える、ことを特徴とする。
この蛍光X線測定装置によれば、試料ホルダにおいて、リールによりシート状カバー部材の少なくとも一部が移動されると、シート状カバー部材の少なくとも一部が、ガイド部により蓋本体部の開口を覆うようにガイドされる。そして、この試料ホルダがX線を照射する位置に配置され、この位置で、移動手段により試料ホルダに対して突出部が移動され、リール移動機構により、カバー部材が、開口を覆わない位置に配置される。これにより試料ホルダに収容される試料に対してX線源によりX線を照射することができると共に、試料ホルダを例えば蛍光X線分析装置のX線照射位置に配置するまでの間に、異物混入等による試料の汚染を十分に防止することが可能となる。また、リールによりシート状カバー部材を、開口が覆われなくなる位置に移動しても、蓋本体部における空間を有効に利用することで、シート状カバー部材の収納に必要なスペースの拡張を十分に防止することができる。即ち、シート状カバー部材の収納に必要なスペースを十分に小さくすることができる。
本発明による試料ホルダ用蓋、試料ホルダ及びこれを装着する蛍光X線測定装置によれば、外部からの異物等の混入による試料の汚染を十分に防止することができるため、試料の元素分析を的確に行うことができる。また、本発明による試料ホルダ用蓋、試料ホルダ及びこれを装着する蛍光X線測定装置によれば、カバー部材の収納に必要なスペースを十分に小さくすることができるので、蛍光X線装置の小型化を実現できる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の試料ホルダの好適な実施形態を示す断面図であり、図2は、図1の試料ホルダを示す平面図であり、図3及び図4はそれぞれ、試料ホルダを構成する蓋の部分断面図であり、図5は、図4の一部を拡大して示す部分断面図、図6は、図1の試料ホルダを示す平面図である。
図1に示すように、試料ホルダ100は、有底筒状のホルダ本体部1と、ホルダ本体部1に連結される蓋2とを備えている。ホルダ本体部1と蓋2とによって、試料が収容される試料収容室3が構成されている。
ホルダ本体部1は底面1cを有する底部1aと、底部1aの周縁部から底面1cに直交する方向に延びる側壁部1bとを有しており、側壁部1bの先端部における外周面にはネジが切られている。試料収容室3の内部には、底面から直交する方向に伸縮するスプリング10が設けられており、スプリング10には、試料Sを載せる試料台11が設けられている。また底部1aは、底面1cに直交する方向に延びる貫通孔1dを有している。ホルダ本体部1と蓋2は、それぞれに形成されたネジで連結されるようになっており、貫通孔1dに挿入される開閉駆動棒21は連結時にホルダ本体部1に対して弧を描くように移動する。したがって、貫通孔1dは円弧状に形成されていることが好ましい。
蓋2は、円盤状の蓋本体部4を有しており、蓋本体部4は、開口5と、開口5を包囲する平坦な環状の包囲面6とを有している。蓋本体部4は、包囲面6の反対側に平坦面7を有している。そして、蓋本体部4の外周縁からは、平坦面7から遠ざかる方向に環状の側壁部8が延びている。側壁部8の内周面にはネジが切られており、このネジと、ホルダ本体部1の側壁部1bに形成されたネジとで蓋2とホルダ本体部1とがしっかりと連結されるようになっている。なお、蓋2とホルダ本体部1とが接続されると、試料Sを収容するための試料収容室3が形成される。このため、蓋本体部4には、ホルダ本体部1の底部1a側に延び、試料Sを押さえる環状の試料押さえ部4aが設けられることが好ましい。
蓋本体部4及び側壁部8に用いられる材料は一般の容器等に用いられる材料から選択することができるが、加工性、強度、静電気による試料粉末の付着が発生しにくい等の点から金属が好適に用いられる。このような金属としては、一般の試料ホルダ用蓋に使用される金属を使用することができ、このような金属は、例えばステンレス、チタン、アルミニウム、ニッケル、銅、真鍮などから選択される。この金属の種類は、蓋2を備えた試料ホルダ100が使用される蛍光X線測定装置、試料Sの組成、測定の目的等に応じて選択される。蛍光X線測定装置において、試料Sに含まれる微量元素の検出を目的とする場合は、この目的とする微量元素が蓋本体部4の表面に存在しないことが好ましく、蓋本体部2の表面に沿って、上記微量元素以外の金属を配置できる構成を蓋本体部4が有していることが好ましい。具体的には、例えば蛍光X線測定装置において、試料Sに微量含まれる鉄の成分を検出する場合は、蓋本体部4の材料にステンレスを用いることは好ましくない。従って、この場合には、蓋本体部4全体を、鉄以外の金属を含む材料で構成するか、又は、ステンレスで構成される蓋本体部4の表面に沿って、鉄以外の金属を含む部材、例えば銅、アルミニウムのプレートを配置することが好ましい。
蓋本体部4の包囲面6には、6本の軸ピン9が開口5の周囲に沿って固定されており、各軸ピン9には、板状の覆い羽根(カバー部材)12が包囲面6に平行に且つ軸ピン9を中心として回転可能に設けられている。具体的には、覆い羽根12に開口が形成され、この開口に軸ピン9が差し込まれている。覆い羽根12の形状は、例えば三角形状となっており、覆い羽根12の大きさは、覆い羽根12を開口5から取り除いた場合に包囲面6に対向する領域に収納可能な大きさであればよい。また覆い羽根12の包囲面6と反対側には従動ピン13が設けられている。
ここで、覆い羽根12の材料は、蓋本体部4と同様、加工性、強度、静電気による試料粉末の付着が発生しにくい等の点から金属が好適に用いられる。覆い羽根12を構成する材料としては、蓋本体部4に使用した金属、具体的には、ステンレス、チタン、アルミニウム、ニッケル、銅、真鍮などを使用することができる。6枚の覆い羽根12は、試料Sを覆い、試料Sの上方で互いに重なり合うため、覆い羽根12の剥離片等が試料Sに混入することをより十分に防止する観点からは、覆い羽根12を構成する材料としては、耐磨耗性が高い材料、例えばステンレス、チタンが好適に使用される。
一方、蓋本体部4には、包囲面6側に、覆い羽根12を介して環状のカムリング14が設けられている。カムリング14は、開口5の周りに回転可能に設けられている。カムリング14は、6枚の覆い羽根12のそれぞれに設けられた従動ピン13が挿入されるカム溝15を有している。ここで、カム溝15は、カムリング14の回転に伴って従動ピン13の位置を規制し、6枚の覆い羽根12が開口5を覆う位置と、覆わない位置とに配置されるように形成されている。またカムリング14は、外方に向けて突出する突出部16を有している。
カムリング14に対して覆い羽根12と反対側には、環状の駆動リング17が、包囲面6に平行に、且つ蓋本体部4の開口5の周りに回転可能に設けられている。駆動リング17は、外周にギヤ部18を有している。また駆動リング17は突出部17aを有し、その裏面、すなわち包囲面6側の面からはピン19が垂下しており、このピン19は、駆動リング17の回転に伴い、カムリング14の突出部16に接触し、カムリング14を回転させることが可能となっている(図3参照)。
そして、カムリング14の突出部16は、蓋本体部4の周縁部近傍に設けられた固定点14aから延びる弾性部材14bの弾性力により駆動リング17の突起部17aに当接させられている。従って、駆動リング17が図2の矢印A方向に沿って回転すると、カムリング14の突出部16がそれに追従し、カムリング14が図2の矢印A方向に回転するようになる。
一方、蓋本体部4には、駆動リング17を回転させる円筒状の中間駆動部20と、中間駆動部20を回転させる開閉駆動棒21とが互いに平行に配置され、且つ包囲面6に直交する方向に延びている。中間駆動部20は、蓋本体部4に、包囲面6に直交する軸の周りに回転可能に設けられている。中間駆動部20は、抜止め20aによって蓋本体部4からの抜けが防止されるようになっている。また開閉駆動棒21は、その一端が中間駆動部20の内側に挿入されており、包囲面6に対して直交する方向に移動可能になっている。開閉駆動棒21の先端部21bは、ホルダ本体部1の底部1aに円弧状に形成された貫通孔1dを経てホルダ本体部1の外側に突出しており、突出部として機能している。開閉駆動棒21は、板状の止め具21c,21dを有しており、蓋本体部4において、開閉駆動棒21の外径よりも大きく、止め具21c,21dの外径よりも小さい内径を有する開口を貫通している。これにより、開閉駆動棒21の延び方向に沿った移動量が規制されるようになっている。更に、開閉駆動棒21には、止め具21cと蓋本体部4の平坦面7との間に、スプリング25が巻きつけられている。従って、開閉駆動棒21の先端部21bをホルダ本体部1の内側に押し込むと、スプリングの弾性反発力により先端部21bが押し戻されるようになっている。
図5は、中間駆動部20に対する開閉駆動棒21の取付け状態を示す部分断面図である。図5の破線で示されるように、開閉駆動棒21は、外周面に突起部21aを有している。中間駆動部20は、その外周面に、駆動リング17のギヤ部18と噛み合うギヤ部23を有し、その内周面に、開閉駆動棒21の突起部21aをガイドするガイド溝24を有している。ガイド溝24は、中間駆動部の内周面に、中間駆動部20の延び方向に沿って略らせん状に形成されている。なお、開閉駆動棒21の先端部21bは、自転を防止して中間駆動部20の回転を確実に行う観点からは、円柱状ではなく、角柱状(例えば四角柱状)であることが好ましい。
このため、開閉駆動棒21の先端部21bをホルダ本体部1の内側に押し込むと、開閉駆動棒21の突起部21aが、中間駆動部20のガイド溝24に沿って移動するようになり、その結果、中間駆動部20が回転する。これに伴い、ギヤ部23が回転して駆動リング17が図2の矢印A方向に回転する。駆動リング17が回転すると、その回転に伴って駆動リング17のピン19がカムリング14の突出部17aに回転力を伝達し、カムリング14が回転する。これにより、覆い羽根12の従動ピン13がカムリング14のカム溝15に沿って移動し、覆い羽根12が軸ピン9を中心として包囲面6に平行な方向に回転移動し、図6に示すように、包囲面6に対面する位置に配置されるようになる。その結果、蓋本体部4の開口5が現れ、試料Sが露出されるようになる。
逆に、開閉駆動棒21の先端部21bに加えられる押圧力が解除されると、スプリング25の弾性反発力により、開閉駆動棒21の先端部21bがホルダ本体部1の貫通孔1dからホルダ本体部1の外側に突出するようになる。このとき、開閉駆動棒21の突起部21aが、中間駆動部20のガイド溝24に沿って移動し、中間駆動部20が回転する。これに伴い、ギヤ部23が回転して駆動リング17が図6の矢印B方向に回転する。駆動リング17が回転すると、その回転に伴って駆動リング17のピン19がカムリング14の突出部17aに回転力を伝達し、カムリング14が回転する。これにより、覆い羽根12の従動ピン13がカムリング14のカム溝15に沿って移動し、覆い羽根12が軸ピン9を中心として包囲面6に平行な方向に回転移動し、図2に示すように、覆い羽根12が開口5側に現れ、最終的には、6枚の覆い羽根12により開口5が覆われ、試料Sが覆われるようになる。
なお、本実施形態では、軸ピン9、従動ピン13、カムリング14、駆動リング17、弾性部材14b、中間駆動部20、開閉駆動棒21によりカバー移動機構が構成されている。
次に、本発明の蛍光X線測定装置の実施形態について説明する。
本実施形態では、上述した試料ホルダ100を用いて蛍光X線測定を行う蛍光X線測定装置を例にして説明する。
図7は、本発明の蛍光X線測定装置の好適な実施形態を示す概略図であり、特に、蛍光X線測定装置を構成する蛍光X線測定部についてはその内部構成が示されている。
図7に示すように、蛍光X線測定装置200は、試料ホルダ100を複数載せる試料ホルダ台201と、試料ホルダ100の蛍光X線測定を行う蛍光X線測定部202と、試料ホルダ台201に載せられた試料ホルダ100を蛍光X線測定部202に装着する試料ホルダ運搬アーム203とを備えている。試料ホルダ台201においては、試料ホルダ100が配置される配置部201aには、環状の溝201bが形成されており、試料ホルダ100における開閉駆動棒21の先端部21bが環状の溝201bに入り込むようになっている。つまり、試料ホルダ100は、開口5を閉じた状態で配置することが可能である。
蛍光X線測定部202は、試料ホルダ100を導入するホルダ導入口203aを有するハウジング220を有しており、ハウジング220の内部空間は、主として、試料ホルダ100内の試料Sに対しX線照射が行われるX線照射室204と、X線照射室204で試料Sから発生した蛍光X線が検出される蛍光X線検出部205と、ホルダ導入口203aに連通し、次に測定される試料ホルダ100が待機する待機室206とで構成されている。X線照射室204と蛍光X線検出部205とは、仕切り壁207によって仕切られており、待機室206と、X線照射室204とは、開閉自在な仕切り壁208によって仕切られるようになっている。
X線照射室204及び待機室206にはそれぞれ排気ライン204a、206aが接続されており、これらはそれぞれ真空ポンプ209,219に接続されている。排気ライン204a,206aにはそれぞれバルブ204b,206bが設けられている。従って、仕切り壁208によってX線照射室204と待機室206とが仕切られると、バルブ204b,206bの開閉によりX線照射室204及び待機室206をそれぞれ独立に真空状態にすることが可能である。
また蛍光X線測定部202は、X線を発生させるX線管210と、試料ホルダ100内の試料Sから発生する蛍光X線を分光する分光結晶211と、分光結晶211で分光された蛍光X線を検出する蛍光X線検出器212とを備えている。X線管210は、ハウジング220の外側からX線照射室204に嵌め込まれており、分光結晶211及び蛍光X線検出器212は、蛍光X線検出部205内に配置されている。
また蛍光X線測定部202は、試料ホルダ100を待機室206からX線照射室204に配置する回転盤213を備えており、回転盤213の表面213a上には、試料ホルダ213を保持するホルダ保持部214が複数設けられている。ホルダ保持部214は、回転盤213の表面213aから延び、伸縮可能な支持部214aと、支持部214aに設けられ、試料ホルダ100を保持するホルダ保持トレイ214bと、支持部214aに設けられ、ホルダ保持トレイ214bから突出して試料ホルダ100を昇降させる昇降シリンダ(移動手段)214cとを備えている。なお、ホルダ保持トレイ214bは、試料ホルダ100の底部1aと接触する接触面を有している。
次に、上述した蛍光X線測定装置200を用い、試料ホルダ100について蛍光X線を測定する方法を説明する。
まず図1に示すように、ホルダ本体部1の試料台11上に試料Sを載置し、続いて蓋2をホルダ本体部1に連結させる。このとき、スプリング10により、試料台11を介して試料Sが蓋本体部4に押し付けられるため、試料Sが試料ホルダ100にしっかりと固定される。
こうして試料Sを装着した複数の試料ホルダ100を試料ホルダ台201に載置する。このとき、試料ホルダ台201において、試料ホルダ100が配置される配置部201aには、環状の溝201bが形成されており、試料ホルダ100における開閉駆動棒21の先端部21bが環状の溝201bに入り込むようになっている。従って、試料ホルダ100が試料ホルダ台201に配置されても、試料ホルダ100において、蓋本体部1の開口5は6枚の覆い羽根12によって覆われた状態のままとなる。
次に、試料ホルダ運搬アーム203により、試料ホルダ台201上の試料ホルダ100を掴み、蛍光X線測定部202のホルダ導入口203aまで運搬し、ホルダ導入口203aに試料ホルダ100を導入してホルダ保持部214に装着する。このとき、ホルダ保持部214において、昇降シリンダ214cをホルダ保持トレイ214bから突出させておく。これにより、開閉駆動棒21の先端部21bに押圧力が加えられないため、試料ホルダ100において、蓋本体部1の開口5は6枚の覆い羽根12によって覆われた状態のままとなる。
試料ホルダ100がホルダ保持部214の上に載置されると、ホルダ保持部214が回転盤213側に移動し、ホルダ導入口203aが閉じられ、待機室206が真空ポンプ209によって真空予備排気される。このとき、前の試料が真空状態で測定中の場合はX線照射室204と待機室206とを隔てる仕切り弁208は閉じられており、X線照射室204は、真空ポンプ219によって真空排気されている。前の試料の測定が終了すると、回転盤213は180°回転し、待機室206に準備されていた試料ホルダ100がX線照射室204に配置され、その後待機室206は大気圧状態に戻される。このときもX線照射室204は真空ポンプ219によって真空排気された状態のままである。このように、試料Sが真空状態で測定される場合には、運搬アーム203による試料交換のため、待機室206では真空状態及び大気圧状態が繰り返され、X線照射室204では仕切り弁208によって常時真空が保たれる。
試料ホルダ100がX線照射室204に配置されると、ホルダ保持部214がX線管210の方に移動される。このとき、試料ホルダ100における開閉駆動棒21の先端部21bには押圧力が加わらず、6枚の覆い羽根12によって蓋本体部1の開口5が覆われる状態が保持されている。
ここで、昇降シリンダ214cを下降させると、試料ホルダ100の底部1aは、ホルダ保持トレイ214bにおける接触面214dに接触する。このとき、開閉駆動棒21の先端部21bに押圧力が加えられる。これにより、開閉駆動棒21の先端部21bがホルダ本体部1の内側に押し込まれ、開閉駆動棒21の突起部21aが、中間駆動部20のガイド溝24に沿って移動し、その結果、中間駆動部20が回転する。これに伴い、ギヤ部23が回転して駆動リング17が図2の矢印A方向に回転する。駆動リング17が回転すると、その回転に伴って駆動リング17のピン19がカムリング14の突出部17aに回転力を伝達し、カムリング14が回転する。これにより、覆い羽根12の従動ピン13がカムリング14のカム溝15に沿って移動し、覆い羽根12が軸ピン9を中心として回転し、図6に示すように、包囲面6に対面する位置に配置されるようになる。その結果、試料SとX線管210との間から覆い羽根12が取り除かれ、蓋本体部4の開口5が現れ、試料Sが露出されるようになる。
こうして試料Sが露出されたならば、X線管210によりX線を発生させ、蓋本体部1の開口5を通して試料SにX線を照射する。そして、試料Sから発生する蛍光X線は、蛍光X線検出部205において、分光結晶211によって分光し、蛍光X線検出器212によって検出する。こうして、試料Sの元素分析が終了する。
試料Sの元素分析が終了するとホルダ保持部214がX線管210から離れる方向に移動される。このとき、昇降シリンダ214cをホルダ保持トレイ214bから突出させる。これにより、試料ホルダ100における開閉駆動棒21の先端部21bへの押圧力が解除され、覆い羽根12が開口5を覆い、試料Sが覆われるようになる。
そして、覆い羽根12で試料Sが覆われている状態で回転盤213が180°回転し、測定が終了した試料Sが装着されている試料ホルダ100は待機室206に搬送され、同時に次の測定に供される試料Sが装着された試料ホルダ100がX線照射室204に搬送される。
X線照射室204と待機室206が仕切り壁208によって隔てられた状態で、待機室206のみを大気圧状態にして、ホルダ導入口203aを開き、試料ホルダ運搬アーム203を用いて測定が終了した試料ホルダ100を取り出し、試料ホルダ台201の上に載置する。次の測定のための試料ホルダ100がある場合は、再び試料ホルダ運搬アーム203が試料ホルダ100を掴み、蛍光X線測定部202の待機室206に配置する。この操作を予め設定した回数だけ繰り返し行い、連続蛍光X線測定が終了する。測定が終了した試料ホルダ100は、覆い羽根12を閉じた状態で再び試料ホルダ台201上に並べられる。こうして蛍光X線の測定作業が終了する。
なお、蛍光X線測定が行われる雰囲気は、真空状態とは限らず、X線照射室204がガス(例えばHe)雰囲気置換された状態、又は大気中であってもよい。
上記のようにして試料Sの蛍光X線を測定すると、X線を試料Sに照射し試料Sから発生する蛍光X線を検出する直前まで、試料ホルダ100において蓋本体部4の開口5が覆い羽根12によって覆われているため、異物混入等による試料Sの汚染が十分に防止される。このため、試料Sの元素分析を的確に行うことができる。
また、試料ホルダ100によれば、蓋本体部4の開口5を覆うために複数枚の覆い羽根12が用いられているため、覆い羽根12を包囲面6に対向する領域に収納することが可能となる。加えて、覆い羽根12は、包囲面6に平行に移動される。このため、覆い羽根12の収納に必要なスペースを十分に小さくすることができ、蛍光X線装置200のX線照射室204を小さくすることができ、ひいては蛍光X線測定装置200の小型化を実現できる。
なお、上記実施形態において、蓋2とホルダ本体部1は、それぞれにネジ切を施し、回転させて連結されているが、蓋2とホルダ本体部1のそれぞれにネジを切らず、相互に嵌合させて連結してもよいし、ホルダ本体部1の上に蓋2を載置し、ホルダ本体部1と蓋2を止め具で固定して連結してもよい。
蓋本体部4に形成されている開口5については、測定時において試料Sの少なくとも一部が露出し、試料Sに対するX線の照射に支障がない限り、開口5の位置および形状は特に限定されない。しかし、蛍光X線測定装置200が、試料ホルダ100を保持しているホルダ保持部214を回転させ、測定対象となる試料Sをスピンさせながら測定を行う場合、また、自動的に蛍光X線測定装置200内に試料ホルダ100を装着して連続的に測定を行う場合は、開口5は対称性を有する形状で、蓋本体部4の所定位置に形成されていることが好ましく、具体的には、蓋本体部4の中心部に円形の開口5が形成されていることが好ましい。
更に、上記実施形態では、覆い羽根12に開口が形成され、この開口に、包囲面6に固定された軸ピン9が差し込まれているが、覆い羽根12が蓋本体部4に対して回転可能に設けられていればよく、覆い羽根12に軸ピン9が固定されていて、蓋本体部4の包囲面6に軸ピン9を差し込む開口が形成されていてもよい。
また、カムリング14に形成されているカム溝15は覆い羽根12に形成されていてもよく、この場合は、カムリング14にカム溝を移動可能な従動ピン13を設ければよい。
また、上記の実施形態では、試料ホルダ100における開閉駆動棒21の先端部21bに対して外部から操作が加えられた場合に、開口5が覆い羽根12によって覆われなくなる場合について説明したが、逆に、試料ホルダ100における開閉駆動棒21の先端部21bに対して外部から操作が加えられていない場合に、試料測定のための開口5が覆い羽根12によって覆われなくなり、試料ホルダ100における開閉駆動棒21の先端部21bに対して外部から操作が加えられた場合に、開口5が覆い羽根12によって覆われるようにしてもよい。
また蛍光X線測定装置200は、ホルダ保持部214を回転させることによって試料ホルダ100を回転させ、測定の対象となる試料をスピンさせながら測定を行う試料スピン機構を有していてもよい。
次に、本発明の試料ホルダの第2実施形態について説明する。
図8は、本発明の試料ホルダの第2実施形態を示す部分断面図である。図8に示すように、本実施形態の試料ホルダ300は、以下の点で試料ホルダ100と相違する。すなわち、本実施形態では、蓋本体部4の外周縁から張出し部302が設けられており、張出し部302には開口302aが形成され、この開口302aと、円筒状の中間駆動部20の貫通孔、包囲面6に形成された開口6aを開閉駆動棒301が貫通するようになっている。また開閉駆動棒301には、蓋本体部4の平坦面7側に止め具301aが設けられ、張出し部302に対して包囲面6と反対側に止め具301cが設けられている。そして、止め具301cと張出し部302との間には、スプリング303が設けられている。なお、開閉駆動棒301は、第1実施形態で用いた開閉駆動棒21と同様に、その外周に中間駆動部20のガイド溝24に沿って移動される突起部(図示せず)を有している。
従って、開閉駆動棒301の先端部301bに押圧力を加えると、スプリング303の弾性反発力に抗して開閉駆動棒301が押し込まれ、開閉駆動棒301の突起部が、中間駆動部20の内周面に形成されたガイド溝24に沿って移動し、中間駆動部20が回転する。これに伴い、ギヤ部23が回転して駆動リング17が回転し、その回転に伴って駆動リング17がカムリング14に回転力を伝達し、カムリング14が回転する。これにより、覆い羽根12が包囲面6に平行な方向に回転移動し、包囲面6に対面する位置に配置されるようになる。その結果、蓋本体部4の開口5が現れ、試料Sが露出されるようになる。
逆に、開閉駆動棒301の先端部301bに加えられる押圧力が解除されると、開閉駆動棒301の突起部が中間駆動部20のガイド溝24に沿って移動し、中間駆動部20が回転する。これに伴い、ギヤ部23が回転して駆動リング17が回転し、その回転に伴ってカムリング14が回転する。これにより、覆い羽根12が包囲面6に平行な方向に回転移動し、開口5側に現れ、最終的には、6枚の覆い羽根12により開口5が覆われ、試料Sが覆われるようになる。
なお、この試料ホルダ300を用いて、蛍光X線測定装置による試料Sの元素分析を行う場合、例えば蛍光X線測定装置200のX線照射室204において、昇降シリンダ214cに代えて、試料ホルダ300が所定位置に配置される場合に開閉駆動棒301の先端部301bと接触して押圧力を加える押圧部(図示せず)が固定される。この押圧部は、例えばハウジング220の内壁面に固定される。
次に、本発明の試料ホルダの第3実施形態について説明する。
図9は、本発明の試料ホルダの第3実施形態を示す平面図である。図9に示すように、本実施形態の試料ホルダ400は、カバー部材として、覆い羽根12に代えて、扇子状の形態をした覆い扇子401が用いられる点で、第1実施形態の試料ホルダ100と相違する。覆い扇子401は、固定バー402と可動バー403とを有しており、固定バー402および可動バー403には、折り畳み可能なシート(カバー部材)404が取り付けられている。可動バー403は、支点405を中心として回転するようになっている。可動バー403の支点405と反対側の端部には、ワイヤ406の一端が連結され、ワイヤ406の他端は、蓋本体部4の包囲面6上に設けられた巻取りリール407に巻き取られるようになっている。巻取りリール407の中心には貫通孔が形成され、巻取りリールの内周面には、ガイド溝(図示せず)が形成され、このガイド溝に沿って、開閉駆動棒21における突起部21aが移動するようになっている。
また可動バー403には、スプリング409の一端が固定され、スプリング409の他端は、蓋本体部4の包囲面6上の支点410に固定されている。
従って、覆い扇子401が開口5を覆っていないとした場合、覆い扇子401は、包囲面6に対向する領域に収納されているが、開閉駆動棒21を包囲面6に直交する方向に動かすと、開閉駆動棒21の突起部21aが巻取りリール407の内周面に形成されたガイド溝に沿って移動し、その結果、巻取りリール407が回転する。それに伴い、ワイヤ406が巻取りリール407に巻き取られる。これにより、可動バー403が支点405を中心として、包囲面6に平行な方向に回転移動する。可動バー403が図9の2点鎖線で示す位置に配置されるときには、開口5がシート404によって覆われるようになる。
逆に、開閉駆動棒21を逆方向に動かすと、リール407からワイヤ406が繰り出され、可動バー403が元に戻り、開口5がシート404によって覆われなくなる。このとき、可動バー403には、スプリング409による弾性力が加えられている。このため、可動バー403を容易に元の位置に戻すことができる。
なお、シート404は折り畳み可能な材質であればよく、このような材質としては、例えばアルミニウム、ステンレス、銅、プラスチックなどが挙げられる。
次に、本発明の試料ホルダの第4実施形態について説明する。
図10は、本発明の試料ホルダの第4実施形態を示す部分断面図である。図10に示すように、本実施形態の試料ホルダ500は、カバー部材として、覆い羽根12に代えて覆いシート(シート状カバー部材)501を用いている。この覆いシート501の基端は、ホルダ本体部1内に配置されたリール502に巻き取られており、シート501の先端は、蓋本体部4に形成されたスリット503を貫通し、包囲面6側に突出し、ガイドロール504によりガイドされるようになっている。
リール502にはこれと同軸上にギヤ部505が設けられており、ギヤ部505は、開閉駆動棒21に形成されたギヤ部521aと噛み合っている。
また包囲面6に対向する位置には、覆いシート501を挟むように、開口506aを有する押さえ板506が設けられており、押さえ板506により覆いシート501が、包囲面6に平行な方向に移動可能とされている。
従って、覆いシート501の先端が開口5を覆われている状態にある場合に、開閉駆動棒21の先端部21bに押圧力が加えられると、先端部21bがホルダ本体部1の内側に押し込まれる。これに伴い、ギヤ部505が回転し、リール502も回転する。これにより、覆いシート501がリール502に巻き取られ、覆いシート501の先端が開口5の上から退避し、開口5が覆いシート501によって覆われなくなり、試料Sが露出されるようになる。
逆に、開閉駆動棒21の先端部21bへの押圧力が解除されると、先端部21bがホルダ本体部1から外側に突出し、これに伴ってリール502が回転し、覆いシート501がリール502から繰り出される。これにより、覆いシート501の先端がガイドロール504を経て包囲面6に平行な方向に移動し、最終的に開口5が覆いシート501によって覆われるようになる。
なお、覆いシート501は金属箔、プラスチックフィルムなどで構成される。本実施形態では、開閉駆動棒21、ギヤ部505によりリール駆動機構が構成されている。
また、上記第4実施形態では、試料ホルダ500における開閉駆動棒21の先端部21bに対して外部から操作が加えられた場合に、開口5が覆いシート501によって覆われなくなる場合について説明したが、逆に、試料ホルダ500における開閉駆動棒21の先端部21bに対して外部から操作が加えられていない場合に、試料測定のための開口5が覆いシート501によって覆われなくなり、試料ホルダ500における開閉駆動棒21の先端部21bに対して外部から操作が加えられた場合に、開口5が覆いシート501によって覆われるようにしてもよい。
また上記第4実施形態では、リール502が、覆いシート501の巻取り及び繰出しを行っており、覆いシート501の一部を、蓋本体部の開口5を覆う位置に移動させているが、リール502は、覆いシート501に接続された糸状体等の巻取り及び繰出しを行うことにより、覆いシート501の全部を、蓋本体部の開口5を覆う位置に移動させるようにしてもよい。
上記第4実施形態にかかる試料ホルダ500に試料Sを装着すれば、上述した蛍光X線測定装置200を用いて試料Sについて元素分析を的確に行うことができる。また上記試料ホルダ500を用いても、蛍光X線測定装置200の小型化を実現することができる。
本発明の試料ホルダは、上述した実施形態に限定されない。例えば上記実施形態では、開閉駆動棒21の先端部21bがホルダ本体部1の底部から突出していたり、開閉駆動棒301の先端部301bが蓋本体部4から外側に突出しているが、突出部は、ホルダ本体部1又は蓋本体部4の外周面から外方に突出するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、蛍光X線測定装置に用いる試料ホルダが示されているが、試料ホルダは、蛍光X線測定装置に限らず、X線回折装置、X線反射率測定装置などの上面照射型の測定装置にも好適に用いることが可能である。
上記実施形態では、ガイド溝24を有する中間駆動部20と中間駆動部20の内側に一端が挿入され、突起部21aを有する開閉駆動棒21とによって開閉駆動棒21の直線運動が中間駆動部20の回転運動に変換されているが、ギアボックスを用いて開閉駆動棒21の直線運動を中間駆動部20の回転運動に変換してもよい。
本発明の試料ホルダの一実施形態を示す断面図である。 図1の試料ホルダを示す平面図である。 図1の試料ホルダ用蓋を示す部分断面図である。 図1の試料ホルダ用蓋のうち図3と異なる箇所を示す部分断面図である。 図4の一部を拡大して示す部分断面図である。 図2の試料ホルダにおける異なる状態を示す平面図である。 本発明の蛍光X線測定装置の好適な実施形態の構成を示す概略図である。 本発明の試料ホルダの他の実施形態を示す断面図である。 本発明の試料ホルダの更に他の実施形態を示す断面図である。 本発明の試料ホルダの他の実施形態を示す平面図である。
符号の説明
1…ホルダ本体部、2…試料ホルダ用蓋、4…蓋本体部、5…開口、6…包囲面、12…覆い羽根(カバー部材)、21b…先端部(突出部)、14…カムリング(カバー移動機構)、17…駆動リング(カバー移動機構)、20…中間駆動部(カバー移動機構)、21…開閉駆動棒(カバー移動機構)、24…ガイド溝(カバー移動機構)、100,300,400,500…試料ホルダ、200…蛍光X線測定装置、210…X線管(X線源)、211…分光結晶(蛍光X線検出部)、212…蛍光X線検出器(蛍光X線検出部)、214c…昇降シリンダ(移動手段)、501…覆いシート(シート状カバー部材)、502…リール、504…ガイドロール(ガイド部)、506…押さえ板(ガイド部)。

Claims (7)

  1. ホルダ本体部に連結されて試料ホルダを構成する試料ホルダ用蓋であって、
    開口及び前記開口を囲む包囲面を有する蓋本体部と、
    前記包囲面に対向する領域に収納可能であり、且つ前記包囲面に平行な方向に移動させることにより前記開口を覆うことが可能な少なくとも1つのカバー部材と、
    を備えることを特徴とする試料ホルダ用蓋。
  2. 前記蓋本体部に対して移動可能に設けられ且つ前記蓋本体部の外側に突出する突出部と、
    前記突出部の移動に連動して、前記カバー部材を、前記蓋本体部の前記開口を覆う位置又は覆わない位置に移動させるカバー移動機構と、
    を更に備える請求項1に記載の試料ホルダ用蓋。
  3. ホルダ本体部と、
    前記ホルダ本体部に連結される蓋と、
    を備える試料ホルダであって、
    前記蓋が、
    開口及び前記開口を囲む包囲面を有する蓋本体部と、
    前記包囲面に対向する領域に収納可能であり、且つ前記包囲面に平行な方向に移動させることにより前記開口を覆うことが可能な少なくとも1つのカバー部材と、
    を備えることを特徴とする試料ホルダ。
  4. 前記蓋本体部又は前記ホルダ本体部に対して移動可能に設けられ且つ前記蓋本体部又は前記ホルダ本体部から突出する突出部と、
    前記突出部の移動に連動して、前記カバー部材を、前記蓋本体部の前記開口を覆う位置又は覆わない位置に移動させるカバー移動機構と、
    を更に備える請求項3に記載の試料ホルダ。
  5. ホルダ本体部と、
    前記ホルダ本体部に連結され、開口及び前記開口を囲む包囲面を有する蓋本体部を有する蓋と、
    を備える試料ホルダであって、
    前記開口を覆うことが可能なシート状カバー部材と、
    前記シート状カバー部材の少なくとも一部を、前記蓋本体部の前記開口を覆う位置又は覆わない位置に移動させるリールと、
    前記シート状カバー部材の少なくとも一部を前記開口を覆う位置に移動させる場合に前記シート状カバー部材が前記開口を覆うようにガイドするガイド部と、
    を備えることを特徴とする試料ホルダ。
  6. X線を発生させるX線源と、
    前記X線源から照射されるX線により、試料ホルダに収容される試料から発生する蛍光X線を検出する蛍光X線検出部と、
    を備える蛍光X線測定装置であって、
    前記試料ホルダが、
    ホルダ本体部と、
    前記ホルダ本体部に連結され、前記試料を収容する試料収容室を形成する蓋とを有し、
    前記蓋が、
    開口及び前記開口を包囲する包囲面を有する蓋本体部と、
    前記包囲面に対向する領域に収納可能であり、且つ前記包囲面に平行な方向に移動させることにより前記開口を覆うことが可能な少なくとも1つのカバー部材とを有し、
    前記試料ホルダが、
    前記蓋本体部又は前記ホルダ本体部に対して移動可能に設けられる突出部と、
    前記突出部の移動に連動して、前記カバー部材を、前記蓋本体部の前記開口を覆う位置又は覆わない位置に移動させるカバー移動機構とを備えており、
    前記蛍光X線測定装置が、前記突出部を、前記試料ホルダに対して移動させることが可能な移動手段を備える、
    ことを特徴とする蛍光X線測定装置。
  7. X線を発生させるX線源と、
    前記X線源から照射されるX線により、試料ホルダに収容される試料から発生する蛍光X線を検出する蛍光X線検出部と、
    を備える蛍光X線測定装置であって、
    前記試料ホルダが、
    ホルダ本体部と、
    前記ホルダ本体部に連結され、開口及び前記開口を囲む包囲面を有する蓋本体部を有する蓋とを有し、
    前記開口を覆うことが可能なシート状カバー部材と、
    前記シート状カバー部材の少なくとも一部を、前記蓋本体部の前記開口を覆う位置又は覆わない位置に移動させるリールと、
    前記前記シート状カバー部材の少なくとも一部を前記開口を覆う位置に移動させる場合に前記シート状カバー部材が前記開口を覆うようにガイドするガイド部と、
    前記蓋本体部又は前記ホルダ本体部に対して移動可能に且つ前記蓋本体部又は前記ホルダ本体部から外側に突出する突出部と、
    前記突出部の移動に連動し、前記リールによる前記シート状カバー部材の移動を可能とするリール駆動機構とを備えており、
    前記蛍光X線測定装置が、前記突出部を、前記試料ホルダに対して移動させることが可能な移動手段を備える、
    ことを特徴とする蛍光X線測定装置。

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