JP4026970B2 - 発光ダイオードの駆動方法およびそれを用いた光伝送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光通信等に使われる発光素子を駆動する発光ダイオードの駆動方法およびそれを用いた光伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
AlGaInP系材料は、窒化物を除III‐V族化合物半導体材料の中で最大の直接遷移型バンドギャップを有し、波長が0.5〜0.6μm帯の高効率発光素子材料として注目されている。特に、GaAsに格子整合するAlGaInP系材料による発光部(活性層を含む積層構造)がGaAs基板上に形成されたpn接合型発光ダイオード(LED)は、従来のGaPやAlGaInPなどの材料を用いたものに比べて、赤色から緑色に相当する波長域で、より高輝度の発光が可能であり、また直接遷移型であるのでより高速応答が可能である。
【0003】
近年、AlGaInP系発光ダイオードを送信用光源として用いた光ファイバ通信が盛んになりつつある。特にプラスチックファイバを用いた光通信において、ファイバとして使用するプラスチックの透過率が波長650nmと570nmでほぼ最小になり、AlGaInP系発光ダイオードが最も高効率で発光することができる波長帯であるため、より高速で駆動可能なAlGaInP系発光ダイオードが望まれている。
【0004】
以下、発光ダイオードの通常の駆動方法を図9(a),(b)を用いて説明する。図9(a)はデジタル変調時に発光ダイオードに注入する矩形波状の電流波形を示し、図9(b)は図9(a)の電流を注入された発光ダイオードの光出力P(t)の過渡応答波形を示している。図9(a),(b)に示すように、光出力P(t)は、駆動電流I(t)によって注入されたキャリア密度に比例して変化する。なお、光出力P(t)の矩形波パルスの立ち上がり時間trを定常値の10%(0.1P1)から90%(0.9P1)になるまでの時間、立ち下がり時間tfを定常値の90%(0.9P1)から10%(0.1P1)になるまでの時間とする。
【0005】
図11に通信用の高速発光ダイオードの駆動におけるバイアス電流,電圧の条件について述べる。図11において、オン時のバイアス電圧V1,バイアス電流I1、オフ時のバイアス電圧V2,バイアス電流I2である。オフ時の光出力P2は、オン時の光出力P1と比較して消光比が50程度とれば許容されるため、オフ時のバイアス電流I2を例えばI2=3mA程度の値に設定する。その場合、駆動電圧でみると、オフ時のバイアス電圧V2は、図11のように発光ダイオードのビルトイン電圧Vbより少し高めの値になる。
【0006】
この光出力の立ち上がり,立ち下がり時間を短縮し、高速で直接駆動するために、従来から2つの方法が使用されている。これを図10(a),(b)を用いて説明する。図10(a)に高速駆動のための駆動電流波形を示している。立ち上がり時間を改善するために用いられるのが“ピーキング”と呼ばれる手法で、立ち上がり時のみ、設定光出力に相当する駆動電流値より大きい駆動電流を流し、注入キャリアを増大させるものである。この場合、注入キャリア密度が大きくなるために発光再結合速度も速くなり、ピーキングを行わない場合より立ち上がり特性を約1.5倍改善することができる。
【0007】
もう一つは立ち下がり時間を改善するために用いられる“バックシュート”と呼ばれる手法で、矩形はパルスの終端時に、逆バイアスを加えて発光ダイオードの活性層に逆電界を与えるものである。図12の逆バイアス印加時の発光ダイオードのバンド図に示すように、電流の立ち下がり後に逆バイアスを印加すると、活性層に残留している電子が第1クラッド層に掃き出され、ホールが第2クラッド層に掃き出されてしまうために活性層内に残留キャリアが存在せず、これによって立ち下がり時間が速くなる。この手法によって同じく立ち下がり時間を約1/1.5に低減することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記バックシュートという手法は、立ち下がり特性を改善するために有用であるが、発光デバイスに対して逆バイアスをかけなければならず、そのために回路上の制約があった。すなわち、発光ダイオードに対してバックシュートの時のみ逆バイアスをかけるには、発光ダイオードを駆動するための電源だけでなく、駆動電源と逆極性の電源が新たに必要になる。したがって、このためだけに負電圧の電源を新たに用意する必要が有り、駆動回路用電源が2つ必要になり、大幅なコストアップになると共に、これによって光ファイバモジュールの小型化,軽量化が困難になる。なお、マイナス電源を使わずに逆バイアスをかける手段として、CRの並列微分回路を発光ダイオードに直列に入れて、立ち下がり時のみ逆バイアスをかける方法もあるが、必要とされるコンデンサの容量が大きくなり、駆動回路が集積化できなくなるために量産性が乏しい。したがって、立ち下がり特性の改善のためにバックシュートを用いることは実用性の点で困難であった。
【0009】
そこで、この発明の目的は、バックシュートのための逆電圧をかける電源等なしに光出力の立ち下がり特性を改善でき、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法およびそれを用いた光伝送装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発光ダイオードの駆動方法は、発光ダイオードの駆動電流を高速に変調させて光出力のオンオフを繰り返す発光ダイオードの駆動方法において、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電圧を上記発光ダイオードのビルトイン電圧より低くかつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧に設定すると共に、上記光出力のオフ時にバイアス電圧を2段階以上に調節して、光出力のオフ時に、上記発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて、残留キャリアを再結合させて、光出力の立ち下がり時間を短縮したことを特徴としている。
【0011】
上記請求項1の発光ダイオードの駆動方法によれば、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電圧を発光ダイオードのビルトイン電圧より低くかつ光出力のオン時のバイアス電圧と同極性の電圧にすることによって、光出力のオフ時に残留するキャリアを発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて再結合させるので、光出力のオフ時の活性層内の残留キャリアを低減でき、光出力の立ち下がり時間を短縮できる。したがって、バックシュートのための逆電圧をかける電源等を用いることなく、光出力の立ち下がり特性を改善でき、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法を提供できる。なお、上記光出力のオフ時とは、光出力がゼロの場合に限らず、光出力が大小に変調されてオンオフする場合における光出力が小さい状態のときも含まれる。また、光出力のオフ時にバイアス電圧をビルトイン電圧よりも小さくして、光出力の立ち下がり時間を短縮した後、例えば次の光出力のオン開始前にバイアス電圧をビルトイン電圧よりも大きくすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮する。したがって、発光の立ち下がり,立ち上がり特性の両方を改善できる。
【0012】
また、請求項2の発光ダイオードの駆動方法は、請求項1の発光ダイオードの駆動方法において、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧を上記発光ダイオードのビルトイン電圧以上に設定することを特徴としている。
【0013】
上記請求項2の発光ダイオードの駆動方法によれば、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧を発光ダイオードのビルトイン電圧以上にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できる。したがって、発光の立ち下がり,立ち上がり特性を改善できる。
【0014】
また、請求項3の発光ダイオードの駆動方法は、請求項1の発光ダイオードの駆動方法において、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始前の所定の期間、バイアス電流を上記発光ダイオードの拡散電流領域の範囲内に設定することを特徴としている。
【0015】
上記請求項3の発光ダイオードの駆動方法によれば、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始前の所定の期間、バイアス電流を発光ダイオードの拡散電流領域の範囲内にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できる。したがって、発光の立ち下がり,立ち上がり特性を改善できる。
【0016】
また、請求項4の発光ダイオードの駆動方法は、発光ダイオードの駆動電流を高速に変調させて光出力のオンオフを繰り返す発光ダイオードの駆動方法において、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電圧を上記発光ダイオードのビルトイン電圧より低くかつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧に設定すると共に、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧を上記発光ダイオードのビルトイン電圧以上に設定して、光出力のオフ時に、上記発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて、残留キャリアを再結合させて、光出力の立ち下がり時間を短縮したことを特徴としている。
【0017】
上記請求項4の発光ダイオードの駆動方法によれば、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電圧を発光ダイオードのビルトイン電圧より低くかつ光出力のオン時のバイアス電圧と同極性の電圧にすることによって、光出力のオフ時に残留するキャリアを発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて再結合させるので、光出力のオフ時の活性層内の残留キャリアを低減でき、光出力の立ち下がり時間を短縮できる。したがって、バックシュートのための逆電圧をかける電源等を用いることなく、光出力の立ち下がり特性を改善でき、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法を提供できる。なお、上記光出力のオフ時とは、光出力がゼロの場合に限らず、光出力が大小に変調されてオンオフする場合における光出力が小さい状態のときも含まれる。また、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧を発光ダイオードのビルトイン電圧以上にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できるので、発光の立ち下がり,立ち上がり特性を改善できる。
【0018】
また、請求項5の発光ダイオードの駆動方法は、発光ダイオードの駆動電流を高速に変調させて光出力のオンオフを繰り返す発光ダイオードの駆動方法において、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流を上記発光ダイオードの再結合電流領域内に設定すると共に、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧を上記発光ダイオードのビルトイン電圧以上かつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧に設定して、光出力のオフ時に、上記発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて、残留キャリアを再結合させて、光出力の立ち下がり時間を短縮したことを特徴としている。
【0019】
上記請求項5の発光ダイオードの駆動方法によれば、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流を発光ダイオードの再結合電流領域内に設定することによって、光出力のオフ時に残留するキャリアを発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて再結合させて、活性層内の残留キャリアを低減でき、光出力の立ち下がり時間を短縮できる。したがって、バックシュートのための逆電圧をかける電源等を用いることなく、光出力の立ち下がり特性を改善でき、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法を提供できる。また、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧を発光ダイオードのビルトイン電圧以上かつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できるので、発光の立ち下がり,立ち上がり特性を改善できる。
【0020】
また、請求項6の発光ダイオードの駆動方法は、発光ダイオードの駆動電流を高速に変調させて光出力のオンオフを繰り返す発光ダイオードの駆動方法において、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流またはバイアス電圧を上記発光ダイオードの電流−電圧特性曲線における下側の変曲点の値よりも小さい値に設定すると共に、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧を上記発光ダイオードのビルトイン電圧以上かつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧に設定して、光出力のオフ時に、上記発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて、残留キャリアを再結合させて、光出力の立ち下がり時間を短縮したことを特徴としている。
【0021】
上記請求項6の発光ダイオードの駆動方法によれば、上記発光ダイオードの電流−電圧特性において、バイアス電圧が大きくなるに従って再結合電流領域から拡散電流領域となり、その再結合電流領域と拡散電流領域との間に存在する変曲点の電流値または電圧値よりも低い領域が再結合電流領域となる。したがって、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流またはバイアス電圧を発光ダイオードの電流−電圧特性曲線における下側の変曲点の値よりも小さい値に設定することによって、バイアス電流が再結合電流領域となる。そうすると、光出力のオフ時、残留するキャリアを発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて再結合するので、活性層内の残留キャリアを低減でき、光出力の立ち下がり時間を短縮できる。したがって、バックシュートのための逆電圧をかける電源等を用いることなく、光出力の立ち下がり特性を改善でき、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法を提供できる。また、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧を発光ダイオードのビルトイン電圧以上かつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できるので、発光の立ち下がり,立ち上がり特性を改善できる。
【0022】
また、請求項7の発光ダイオードの駆動方法は、発光ダイオードの駆動電流を高速に変調させて光出力のオンオフを繰り返す発光ダイオードの駆動方法において、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流を10μA以下にすると共に、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧を上記発光ダイオードのビルトイン電圧以上かつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧に設定して、光出力のオフ時に、上記発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて、残留キャリアを再結合させて、光出力の立ち下がり時間を短縮したことを特徴としている。
【0023】
上記請求項7の発光ダイオードの駆動方法によれば、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流を10μA以下にすることによって、活性層の非発光準位によって残留キャリアが高速で再結合するので、活性層内の残留キャリアを低減でき、光出力の立ち下がり時間を短縮できる。したがって、バックシュートのための逆電圧をかける電源等を用いることなく、光出力の立ち下がり特性を改善でき、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法を提供できる。また、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧を発光ダイオードのビルトイン電圧以上かつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できるので、発光の立ち下がり,立ち上がり特性を改善できる。
【0024】
また、請求項8の発光ダイオードの駆動方法は、発光ダイオードの駆動電流を高速に変調させて光出力のオンオフを繰り返す発光ダイオードの駆動方法において、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電圧を上記発光ダイオードのビルトイン電圧より低くかつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧に設定すると共に、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始前の所定の期間、バイアス電流を上記発光ダイオードの拡散電流領域の範囲内に設定して、光出力のオフ時に、上記発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて、残留キャリアを再結合させて、光出力の立ち下がり時間を短縮したことを特徴としている。
【0025】
上記請求項8の発光ダイオードの駆動方法によれば、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電圧を発光ダイオードのビルトイン電圧より低くかつ光出力のオン時のバイアス電圧と同極性の電圧にすることによって、光出力のオフ時に残留するキャリアを発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて再結合させるので、光出力のオフ時の活性層内の残留キャリアを低減でき、光出力の立ち下がり時間を短縮できる。したがって、バックシュートのための逆電圧をかける電源等を用いることなく、光出力の立ち下がり特性を改善でき、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法を提供できる。なお、上記光出力のオフ時とは、光出力がゼロの場合に限らず、光出力が大小に変調されてオンオフする場合における光出力が小さい状態のときも含まれる。また、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始前の所定の期間、バイアス電流を発光ダイオードの拡散電流領域の範囲内にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できるので、発光の立ち下がり,立ち上がり特性を改善できる。
【0026】
また、請求項9の発光ダイオードの駆動方法は、発光ダイオードの駆動電流を高速に変調させて光出力のオンオフを繰り返す発光ダイオードの駆動方法において、バイアス電圧を光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧とし、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流を上記発光ダイオードの再結合電流領域内に設定すると共に、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始前の所定の期間、バイアス電流を上記発光ダイオードの拡散電流領域の範囲内に設定して、光出力のオフ時に、上記発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて、残留キャリアを再結合させて、光出力の立ち下がり時間を短縮したことを特徴としている。
【0027】
上記請求項9の発光ダイオードの駆動方法によれば、バイアス電圧を光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧とし、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流を発光ダイオードの再結合電流領域内に設定することによって、光出力のオフ時に残留するキャリアを発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて再結合させて、活性層内の残留キャリアを低減でき、光出力の立ち下がり時間を短縮できる。したがって、バックシュートのための逆電圧をかける電源等を用いることなく、光出力の立ち下がり特性を改善でき、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法を提供できる。また、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始前の所定の期間、バイアス電流を発光ダイオードの拡散電流領域の範囲内にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できるので、発光の立ち下がり,立ち上がり特性を改善できる。
【0028】
また、請求項10の発光ダイオードの駆動方法は、発光ダイオードの駆動電流を高速に変調させて光出力のオンオフを繰り返す発光ダイオードの駆動方法において、バイアス電圧を光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧とし、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流またはバイアス電圧を上記発光ダイオードの電流−電圧特性曲線における下側の変曲点の値よりも小さい値に設定すると共に、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始前の所定の期間、バイアス電流を上記発光ダイオードの拡散電流領域の範囲内に設定して、光出力のオフ時に、上記発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて、残留キャリアを再結合させて、光出力の立ち下がり時間を短縮したことを特徴としている。
【0029】
上記請求項10の発光ダイオードの駆動方法によれば、上記発光ダイオードの電流−電圧特性において、バイアス電圧が大きくなるに従って再結合電流領域から拡散電流領域となり、その再結合電流領域と拡散電流領域との間に存在する変曲点の電流値または電圧値よりも低い領域が再結合電流領域となる。したがって、バイアス電圧を光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧とし、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流またはバイアス電圧を発光ダイオードの電流−電圧特性曲線における下側の変曲点の値よりも小さい値に設定することによって、バイアス電流が再結合電流領域となる。そうすると、光出力のオフ時、残留するキャリアを発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて再結合するので、活性層内の残留キャリアを低減でき、光出力の立ち下がり時間を短縮できる。したがって、バックシュートのための逆電圧をかける電源等を用いることなく、光出力の立ち下がり特性を改善でき、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法を提供できる。また、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始前の所定の期間、バイアス電流を発光ダイオードの拡散電流領域の範囲内にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できるので、発光の立ち下がり,立ち上がり特性を改善できる。
【0030】
また、請求項11の発光ダイオードの駆動方法は、発光ダイオードの駆動電流を高速に変調させて光出力のオンオフを繰り返す発光ダイオードの駆動方法において、バイアス電圧を光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧とし、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流を10μA以下にすると共に、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始前の所定の期間、バイアス電流を上記発光ダイオードの拡散電流領域の範囲内に設定して、光出力のオフ時に、上記発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて、残留キャリアを再結合させて、光出力の立ち下がり時間を短縮したことを特徴としている。
【0031】
上記請求項11の発光ダイオードの駆動方法によれば、バイアス電圧を光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧とし、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流を10μA以下にすることによって、活性層の非発光準位によって残留キャリアが高速で再結合するので、活性層内の残留キャリアを低減でき、光出力の立ち下がり時間を短縮できる。したがって、バックシュートのための逆電圧をかける電源等を用いることなく、光出力の立ち下がり特性を改善でき、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法を提供できる。また、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始前の所定の期間、バイアス電流を発光ダイオードの拡散電流領域の範囲内にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できるので、発光の立ち下がり,立ち上がり特性を改善できる。
【0032】
また、請求項12の発光ダイオードの駆動方法は、GayIn1-yP系または(AlxGa1-x)yIn1-yP系材料を使用した発光ダイオードの駆動方法において、請求項1乃至11のいずれか1つの発光ダイオードの駆動方法を採用することを特徴としている。
【0033】
上記請求項12の発光ダイオードの駆動方法によれば、GayIn1-yP系または(AlxGa1-x)yIn1-yP系材料を使用した高速な発光ダイオードを実現できる。
【0034】
また、請求項13の発光ダイオードの駆動方法は、AlxGa1-xAs系材料を使用した発光ダイオードの駆動方法において、請求項1乃至11のいずれか1つの発光ダイオードの駆動方法を採用することを特徴としている。
【0035】
上記請求項13の発光ダイオードの駆動方法によれば、AlxGa1-xAs系材料を使用した高速な発光ダイオードを実現できる。
【0036】
また、請求項14の発光ダイオードの駆動方法は、InxGa1-xAsyP1-y系材料を使用した発光ダイオードの駆動方法において、請求項1乃至11のいずれか1つの発光ダイオードの駆動方法を採用することを特徴としている。
【0037】
上記請求項14の発光ダイオードの駆動方法によれば、InxGa1-xAsyP1-y系材料を使用した高速な発光ダイオードを実現できる。
【0038】
また、請求項15の光伝送装置、光ファイバー通信用の発光ダイオードの駆動回路を有する光伝送装置において、請求項1乃至14のいずれか1つの発光ダイオードの駆動方法を採用したことを特徴としている。
【0039】
上記請求項15の光伝送装置によれば、光ファイバー通信用の高速な光伝送装置を実現できる。
【0040】
また、請求項16の光伝送装置は、空間光伝送通信用の発光ダイオードの駆動回路を有する光伝送装置において、請求項1乃至14のいずれか1つの発光ダイオードの駆動方法を採用したことを特徴としている。
【0041】
上記請求項16の光伝送装置によれば、空間光伝送通信用の高速な光伝送装置を実現できる。
【0042】
【発明の実施の形態】
光通信用に使用されるような高速変調が可能である半導体発光素子としては、直接遷移型のダブルヘテロ構造が主体であり、代表的な材料としてGaAs/AlxGa1-xAs系の発光ダイオードと、GaAsと格子整合する(AlxGa1-x)yIn1-yP系(y=0.51、x=0〜0.05)の発光ダイオードとがある。これらの発光ダイオードは、p型活性層に隣接するAl混晶比の高いクラッド層を有し、また高速応答を確保するためにp型活性層厚を約1μm以下に薄くしているため、p型活性層とp型活性層/クラッド層界面に非発光準位濃度が多く存在する。この非発光準位は、図13(a)に示すように、p型活性層のバンド内に存在し、p型活性層に注入されたキャリアは、非発光準位を通じて常に非発光再結合しており、キャリアの注入が停止すると、すぐに非発光準位によって再結合してしまうために立ち下がり時間は非常に短いはずだが、通常の駆動方法では、立ち下がり時間が遅い。これは、図13(b)のように、通常の駆動方法では、発光停止時でも1〜3mA前後の微小電流が流れるために、バイアス電圧が発光ダイオードのビルトイン電圧より高くなってしまい、活性層に常に微小電流分のバイアス電圧がかかっていて、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になっているためである。そのため、注入キャリアは非発光準位を通して再結合することができないので、バンド端で発光再結合するので、再結合時間が長くなり、結果として立ち下がり特性を悪化させている。
【0043】
この発明では、発光停止時(光出力が小さいオフ状態のとき)の立ち下がり特性を改善するために、図1に示すように、発光停止時のバイアス電圧V2をビルトイン電圧Vb以下にするか、または駆動電流IFを10μA以下にすることによって、バックシュートのような逆電圧をかけることなしに立ち下がり特性を改善する。
【0044】
その原理を図2(a),(b)を用いて説明する。図2(a)は図1(a)と同様に発光状態のバンド図であって、このように電流注入時のバンド図は従来と変わる所はない。図2(b)は発光停止時(オフ時)のバンド図であって、オフ時に発光ダイオードにかかる電圧をビルトイン電圧以下に設定するか、または駆動電流が10μA以下になるように設定するので、バンド図においてp型活性層とn型クラッド層のフェルミ準位の差Vbは、図2(a)に比べて小さい。
【0045】
このように、オフ時では、活性層に対してキャリアが注入できないので、活性層内に存在する非発光準位にキャリアが充満せず、空状態になっている。したがって、電流停止時になって活性層に存在する残留キャリアが発光,非発光過程によってより速く再結合することが可能である。このように、駆動する順バイアス電圧が、発光ダイオードのビルトイン電圧(拡散電位)より十分低い電圧で駆動して、活性層内の非発光準位を利用することによって、バックシュート等の逆バイアスをかける手法を用いずに、立ち下がり時間の改善を図ることができる。
【0046】
また、バイアス電流,バイアス電圧の範囲を決定するのに別の手法を用いることもできる。図3(a)は半導体発光素子の電流-電圧特性を示し、図3(b)は理想係数-電圧特性を示し、図3(c)は電圧変調幅を示している。図3(a)〜(c)に従って発光停止時のバイアス電流の設定方法について説明する。
【0047】
図3(a)に示すように、0〜1.5Vの低電圧領域と約1.5V以上の高電圧領域とにおいて傾きが異なる。これは通常、半導体発光素子に注入された電流Iは拡散電流Irと再結合電流Inrの2つに分けられるためである。上記半導体発光素子に注入された電流Iは、
I=Ir+Inr ……… (式1)
で表現され、拡散電流Irと再結合電流Inrの電圧依存性は、
Ir = A×exp(eV/(kT)) ……… (式2)
Inr = B×exp(eV/(2kT)) ……… (式3)
で表される。なお、kはボルツマン定数、Tは絶対零度、A,Bは比例定数である。図3(a)の電流-電圧特性の傾きの逆数を発光ダイオードの理想係数nとして、電圧Vに対する理想係数nをプロットしたのが図3(b)である。上記(式2),(式3)で表されるように、半導体発光素子に注入された電流には、電圧Vに対して依存性の異なるIrとInrの2つの成分があり、低電流領域(1pA〜10μA)では、再結合電流Inrが主成分となって傾きは1/2になるが、高電流領域(10μ〜10mA)では、拡散電流Irが主成分となって傾きは1になる。さらに、注入電流を上げていくと(>10mA)、直列抵抗による電圧降下が大きくなり、また注入した少数キャリア濃度が多数キャリア濃度と同程度になるため、理想係数nの値が2以上に上がってしまうが、この領域では拡散電流が注入電流の主成分を占める。電圧Vに対する理想係数nが1から2に移る変曲点の電流,電圧をそれぞれIa,Vaとすると、再結合電流領域であるIa以下のバイアス電流,Va以下のバイアス電圧に設定することによって、活性層の非発光準位によって残留キャリアが高速で再結合することが可能になる。このように半導体発光素子の電流−電圧特性の理想係数の範囲によって、バイアス電流,バイアス電圧の範囲を設定できる。
【0048】
図4は半導体発光ダイオードの発光の立ち下がり時間tfに対する発光停止時のバイアス電圧の依存性を実験により調べた結果を示している。この実験で用いた半導体発光ダイオードは(AlxGa1-x)yIn1-yP系材料のもので、素子のビルトイン電圧は常温で1.9〜2.2Vである。このように立ち下がり時間tfは、バイアス電圧が発光ダイオードの立ち上がり電圧すなわちビルトイン電圧Vb以下になると急激に下がる。このように、発光停止時のバイアス電圧を、(AlxGa1-x)yIn1-yP系発光ダイオードの場合では、ビルトイン電圧1.9V以下にすることによって、立ち下がり時間tfを大幅に短縮することができる。
【0049】
また、図5は同様に発光の立ち下がり時間tfに対する発光停止時のバイアス電流の依存性を実験により調べた結果を示している。図5より明らかなように、立ち下がり時間tfは、バイアス電流が10μA以下になると10nsよりも短くなる。このように、発光停止時のバイアス電圧を、(AlxGa1-x)yIn1-yP系発光ダイオードの場合では、バイアス電流をキャリアが注入されない10μA以下にすることによって、立ち下がり時間tfを大幅に短縮することができる。
【0050】
以下、この発明の発光ダイオードの駆動方法およびそれを用いた光伝送装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0051】
(第1実施形態)
この発明の第1実施形態の発光ダイオードの駆動方法を図6(a)〜(c)を用いて説明する。なお、この第1実施形態では、(AlxGa1-x)yIn1-yP系半導体発光ダイオード(LED)を用いている。図6(a)は上記LEDを駆動する駆動電圧V(t)の波形を示し、図6(b)は駆動電流I(t)の波形を示し、図6(c)は光出力P(t)の波形を示している。
【0052】
いま、(AlxGa1-x)yIn1-yP系LEDの場合、光出力オン時の駆動電流I1は15mA〜60mAなので、駆動電圧V1としては1.9〜2.7Vになる。光出力オフ時には、駆動電圧V2を(AlxGa1-x)yIn1-yP系LEDのビルトイン電圧1.8〜2.0Vより十分低い電圧値、例えば1.5V以下に設定しておく。次に、駆動電流を図6(b)で説明する。上述のように光出力オン時の駆動電流I1は15〜60mAで、光出力オフ時の駆動電流I2は、注入キャリアがクラッド,活性層間のヘテロバリアを越えないような微小電流値、例えば10μA以下に設定する。
【0053】
そうすることによって、光出力のオフ時に残留するキャリアをLEDの活性層の非発光準位を通じて再結合させるので、光出力のオフ時の活性層内の残留キャリアを低減でき、光出力の立ち下がり時間を短縮することができる。したがって、バックシュートのための逆電圧をかける電源等を用いることなく、光出力の立ち下がり特性を改善でき、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法を提供することができる。
【0054】
なお、上記駆動電圧V(t)と駆動電流I(t)は独立に設定することはできないが、駆動回路上、電圧制御と電流制御の両方の場合が考えられるので、電圧値,電流値両方について記述しており、どちらで制御しても同様の効果が得られる。
【0055】
上記のような駆動条件で(AlxGa1-x)yIn1-yP系LEDを駆動したところ、立ち上がり時間trが8〜10ns,立ち下がり時間tfが15〜18nsに比べて、立ち上がり時間は変わらないものの、立ち下がり時間では約2倍速くなり、応答特性としては従来75Mbpsの伝送速度であったものが、100Mbpsの伝送速度が可能になった。
【0056】
(第2実施形態)
この発明の第2実施形態における駆動方法を図7(a)〜(c)を用いて説明する。なお、この第2実施形態では、第1実施形態と同様に(AlxGa1-x)yIn1-yP系半導体発光ダイオード(LED)を用いている。また、このLEDの立ち上がり時間を短縮するために、電流立ち上げ時にピーキングを用いている。図7(a)はLEDを駆動する駆動電圧V(t)の波形を示し、図7(b)は駆動電流I(t)の波形を示し、図7(c)は光出力P(t)の波形を示している。
【0057】
このように光出力オフ時の最初T2において、駆動電圧値は発光ダイオードのビルトイン電圧Vbより低い電圧値V2に設定している。この電圧V2を第1実施形態と同様に1.5V以下に設定し、図7(b)の駆動電流値I2をやはり10μA以下に設定している。この状態では活性層にキャリアは注入していないが、光出力がオンになる少し前の時間T3において、一旦ビルトイン電圧Vbより少し高い電圧V3に上げる。このときの電圧値は、(AlxGa1-x)yIn1-yP系LEDのビルトイン電圧1.8〜2.0Vより約0.1〜0.2V高い電圧1.9〜2.0Vに設定される。この状態では、活性層に対して約1〜3mAの電流が注入されるために活性層内の非発光準位が充満され、次に発光オン時の立ち上がり時間を短くするのに有効である。その後、光出力オンにする時間T1において瞬時的に駆動電流にピーキングをかける。すなわち、発光オン時の定常状態の駆動電流I1に比べ、瞬間的に約30〜100%大きくする。具体的には、駆動電流に対して瞬間的に80〜120mAに、駆動電圧にして2.2〜3.0Vになるようにピーキングを調整する。その次に、光出力オフ時には再び駆動電圧値をV2、駆動電流値をI2まで下げる。
【0058】
そうすることによって、光出力のオフ時に残留するキャリアをLEDの活性層の非発光準位を通じて再結合させるので、光出力のオフ時の活性層内の残留キャリアを低減でき、光出力の立ち下がり時間を短縮することができる。したがって、バックシュートのための逆電圧をかける電源等を用いることなく、光出力の立ち下がり特性を改善でき、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法を提供することができる。
【0059】
また、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧をLEDのビルトイン電圧以上にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できる。したがって、発光の立ち下がり,立ち上がり特性の両方を改善することができる。
【0060】
なお、第1実施形態と同様に、駆動電圧と駆動電流は独立に設定することはできないが、駆動回路上、電圧制御と電流制御両方の場合が考えられるので、電圧値,電流値両方について記述しており、電圧値,電流値のどちらで制御しても同様の効果が得られる。
【0061】
上記のような駆動条件で(AlxGa1-x)yIn1-yP系LEDを駆動したところ、立ち上がり時間trが4〜5ns,立ち下がり時間tfが7〜9nsであり、従来オフ時に3mAの電流が流れていた時の立ち上がり時間trが8〜10ns,立ち下がり時間tfが15〜18nsに比べて、立ち上がり時間、立ち下がり時間ともに約2倍速くなり、応答特性としては従来75Mbpsの伝送速度であったものが、150Mbpsの伝送速度が可能になった。
【0062】
図8はこの第2実施形態による発光ダイオードの駆動方法を採用した光伝送装置のブロック図を示している。図8において、1はアノードがグランドに接続された発光ダイオード、2は上記発光ダイオード1のカソードが出力端子に接続され、駆動パルス入力信号が入力された駆動回路、3は上記駆動回路2のバイアス入力端子に出力端子が接続されたバイアス電圧設定回路、4は駆動パルス入力信号を分周する分周回路、5は上記駆動パルス入力信号を反転させて、反転した駆動パルス入力信号を上記駆動回路2に入力するインバータである。上記バイアス電圧設定回路3には、バイアス電圧V1,V2を設定する半固定抵抗VR1,VR2を設けている。図8に示すように、半導体素子を直接駆動する駆動回路2に対してバイアス電圧を設定するバイアス電圧設定回路3が付随するが、発光停止時のバイアス電圧を時間的に変化させるため、駆動パルス入力信号が分周回路4を経てバイアス電圧設定回路3に入力される構成になっている。この光伝送装置によって、光ファイバ通信用,空間光伝送用等の光通信モジュールを用いた光伝送が実現可能である。
【0063】
上記第1,第2実施形態では、(AlxGa1-x)yIn1-yP系LEDについて説明したが、他のLED(例えばAlGaAs系,InGaAsP系,ZnSe系およびGaInN系の発光ダイオード)についてもこの発明を適用して同様の効果を得ることができる。また、駆動条件についても上述の電流値,電圧値に限ったものではなく、発光ダイオードのビルトイン電圧や活性層の非発光準位の濃度等の条件に応じて適宜設定することにより、同様の効果が得られるものである。
【0064】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1の発明の発光ダイオードの駆動方法によれば、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電圧を発光ダイオードのビルトイン電圧より低くかつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧に設定することによって、光出力のオフ時における発光ダイオードの活性層に、キャリアを注入しないようにすると共に、残留キャリアが活性層内で非発光準位を通じて速く再結合するために、光出力の立ち下がり時間を従来の駆動方法に比べ2倍以上短縮することができる。この駆動方法によって、従来駆動電圧と逆極性の電源が必要であったバックシュート等の技法を用いることなしに、発光ダイオードの高速駆動が可能になる。したがって、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法を提供できる。
【0065】
また、光出力のオフ時にバイアス電圧をビルトイン電圧よりも小さくして、光出力の立ち下がり時間を短縮した後、次の発光開始前にバイアス電圧をビルトイン電圧よりも大きくすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮する。したがって、光出力のオフ時にバイアス電圧を2段階以上設定可能にすることによって、発光の立ち下がり,立ち上がり特性を改善できる。
【0066】
また、請求項2の発明の発光ダイオードの駆動方法によれば、請求項1の発光ダイオードの駆動方法において、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧を発光ダイオードのビルトイン電圧以上にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できる。したがって、発光の立ち下がり,立ち上がり特性の両方を改善できる。
【0067】
また、請求項3の発明の発光ダイオードの駆動方法によれば、請求項1の発光ダイオードの駆動方法において、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電流を発光ダイオードの拡散電流領域の範囲内にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できる。したがって、発光の立ち下がり,立ち上がり特性の両方を改善できる。
【0068】
また、請求項4の発明の発光ダイオードの駆動方法によれば、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電圧を発光ダイオードのビルトイン電圧より低くかつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧に設定することによって、光出力のオフ時における発光ダイオードの活性層に、キャリアを注入しないようにすると共に、残留キャリアが活性層内で非発光準位を通じて速く再結合するために、光出力の立ち下がり時間を従来の駆動方法に比べ2倍以上短縮することができる。この駆動方法によって、従来駆動電圧と逆極性の電源が必要であったバックシュート等の技法を用いることなしに、発光ダイオードの高速駆動が可能になる。したがって、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法を提供できる。また、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧を発光ダイオードのビルトイン電圧以上にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できるので、発光の立ち下がり,立ち上がり特性の両方を改善できる。
【0069】
また、請求項5の発明の発光ダイオードの駆動方法によれば、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流を再結合電流領域の範囲内に設定することによって、発光ダイオードの活性層に、キャリアを注入しないようにすると共に、残留キャリアが活性層内で非発光準位を通じて速く再結合するために、光出力の立ち下がり時間を従来の駆動方法に比べ2倍以上短縮することができる。この駆動方法によって、従来駆動電圧と逆極性の電源が必要であったバックシュート等の技法を用いることなしに、発光ダイオードの高速駆動が可能になる。したがって、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法を提供できる。また、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧を発光ダイオードのビルトイン電圧以上かつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できるので、発光の立ち下がり,立ち上がり特性の両方を改善できる。
【0070】
また、請求項6の発明の発光ダイオードの駆動方法によれば、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流またはバイアス電圧を発光ダイオードの電流−電圧特性曲線における下側の変曲点の値よりも小さい値に設定することによって、光出力のオフ時に残留するキャリアを発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて再結合するので、活性層内の残留キャリアを低減でき、光出力の立ち下がり時間を短縮できる。したがって、従来駆動電圧と逆極性の電源が必要であったバックシュート等の技法を用いることなしに、発光ダイオードの高速駆動が可能になり、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法を提供できる。また、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧を発光ダイオードのビルトイン電圧以上かつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できるので、発光の立ち下がり,立ち上がり特性の両方を改善できる。
【0071】
また、請求項7の発明の発光ダイオードの駆動方法によれば、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流を10μA以下に抑制することによって、発光ダイオードの活性層に、キャリアを注入しないようにすると共に、残留キャリアが活性層内で非発光準位を通じて速く再結合するために、光出力の立ち下がり時間を従来の駆動方法に比べ2倍以上短縮することができる。したがって、従来駆動電圧と逆極性の電源が必要であったバックシュート等の技法を用いることなしに、発光ダイオードの高速駆動が可能になり、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法を提供できる。また、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧を発光ダイオードのビルトイン電圧以上かつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できるので、発光の立ち下がり,立ち上がり特性の両方を改善できる。
【0072】
また、請求項8の発明の発光ダイオードの駆動方法によれば、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電圧を発光ダイオードのビルトイン電圧より低くかつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧に設定することによって、光出力のオフ時における発光ダイオードの活性層に、キャリアを注入しないようにすると共に、残留キャリアが活性層内で非発光準位を通じて速く再結合するために、光出力の立ち下がり時間を従来の駆動方法に比べ2倍以上短縮することができる。この駆動方法によって、従来駆動電圧と逆極性の電源が必要であったバックシュート等の技法を用いることなしに、発光ダイオードの高速駆動が可能になる。したがって、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法を提供できる。また、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電流を発光ダイオードの拡散電流領域の範囲内にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できるので、発光の立ち下がり,立ち上がり特性の両方を改善できる。
【0073】
また、請求項9の発明の発光ダイオードの駆動方法によれば、バイアス電圧を光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧とし、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流を再結合電流領域の範囲内に設定することによって、発光ダイオードの活性層に、キャリアを注入しないようにすると共に、残留キャリアが活性層内で非発光準位を通じて速く再結合するために、光出力の立ち下がり時間を従来の駆動方法に比べ2倍以上短縮することができる。この駆動方法によって、従来駆動電圧と逆極性の電源が必要であったバックシュート等の技法を用いることなしに、発光ダイオードの高速駆動が可能になる。したがって、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法を提供できる。また、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電流を発光ダイオードの拡散電流領域の範囲内にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できるので、発光の立ち下がり,立ち上がり特性の両方を改善できる。
【0074】
また、請求項10の発明の発光ダイオードの駆動方法によれば、バイアス電圧を光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧とし、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流またはバイアス電圧を発光ダイオードの電流−電圧特性曲線における下側の変曲点の値よりも小さい値に設定することによって、光出力のオフ時に残留するキャリアを発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて再結合するので、活性層内の残留キャリアを低減でき、光出力の立ち下がり時間を短縮できる。したがって、従来駆動電圧と逆極性の電源が必要であったバックシュート等の技法を用いることなしに、発光ダイオードの高速駆動が可能になり、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法を提供できる。また、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電流を発光ダイオードの拡散電流領域の範囲内にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できるので、発光の立ち下がり,立ち上がり特性の両方を改善できる。
【0075】
また、請求項11の発明の発光ダイオードの駆動方法によれば、バイアス電圧を光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧とし、光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流を10μA以下に抑制することによって、発光ダイオードの活性層に、キャリアを注入しないようにすると共に、残留キャリアが活性層内で非発光準位を通じて速く再結合するために、光出力の立ち下がり時間を従来の駆動方法に比べ2倍以上短縮することができる。したがって、従来駆動電圧と逆極性の電源が必要であったバックシュート等の技法を用いることなしに、発光ダイオードの高速駆動が可能になり、小型化,軽量化および量産化に適した高速な発光ダイオードの駆動方法を提供できる。また、光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電流を発光ダイオードの拡散電流領域の範囲内にすることによって、活性層内の非発光準位にキャリアが充満された状態になって、立ち上がり時間を短縮できるので、発光の立ち下がり,立ち上がり特性の両方を改善できる。
【0076】
また、請求項12の発明の発光ダイオードの駆動方法によれば、請求項1乃至11のいずれか1つの発光ダイオードの駆動方法を採用することによって、GayIn1-yP系または(AlxGa1-x)yIn1-yP系材料を使用した高速な発光ダイオードを実現できる。
【0077】
また、請求項13の発明の発光ダイオードの駆動方法によれば、請求項1乃至11のいずれか1つの発光ダイオードの駆動方法を採用することによって、AlxGa1-xAs系材料を使用した高速な発光ダイオードを実現できる。
【0078】
また、請求項14の発明の発光ダイオードの駆動方法によれば、請求項1乃至11のいずれか1つの発光ダイオードの駆動方法を採用することによって、InxGa1-xAsyP1-y系材料を使用した高速な発光ダイオードを実現できる。
【0079】
また、請求項15の発明の光伝送装置によれば、光ファイバー通信用の発光ダイオードの駆動回路を有する光伝送装置において、請求項1乃至14のいずれか1つの発光ダイオードの駆動方法を採用することによって、光ファイバー通信用の高速な光伝送装置を実現できる。
【0080】
また、請求項16の発明の光伝送装置によれば、空間光伝送通信用の発光ダイオードの駆動回路を有する光伝送装置において、請求項1乃至14のいずれか1つの発光ダイオードの駆動方法を採用することによって、空間光伝送通信用の高速な光伝送装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の発光ダイオードの駆動方法における駆動電流−光出力−駆動電圧図によるバイアス電圧の設定を示す図である。
【図2】 図2(a)はこの発明による発光ダイオードの発光状態でのバンド図と注入キャリアの状態を示す図であり、図2(b)は発光停止状態でのバンド図と注入キャリアの状態を示す図である。
【図3】 図3(a)はこの発明による発光ダイオードの駆動方法における電流−電圧−理想係数図によるバイアス電流,バイアス電圧の設定方法の電流,電圧特性を示す図であり、図3(b)は理想係数−電圧特性を示す図であり、図3(c)はバイアス電圧の変調幅を示す。
【図4】 図4はこの発明による発光ダイオードの立ち下がり時間のバイアス電圧依存性を示すグラフである。
【図5】 図5は上記発光ダイオードの立ち下がり時間のバイアス電流依存性を示すグラフである。
【図6】 図6(a)はこの発明による第1実施形態による発光ダイオードの駆動方法の駆動電圧波形を示す図であり、図6(b)は駆動電流波形を示す図であり、図6(c)は光出力波形を示す図である。
【図7】 図7(a)はこの発明による第2実施形態による発光ダイオードの駆動方法の駆動電圧波形を示す図であり、図7(b)は駆動電流波形を示す図であり、図7(c)は光出力波形を示す図である。
【図8】 図8は第2実施形態による発光ダイオードの駆動方法を用いた光伝送装置のブロック図を示す図である。
【図9】 図9(a)は従来の発光ダイオードの駆動方法において駆動電圧波形を示す図であり、図9(b)は駆動電流の時間的変化(波形)を示す図であり、図9(c)は図9(b)の駆動電流による光出力の時間的変化(波形)を示す図であり、
【図10】 図10(a)は上記発光ダイオードの駆動方法におけるピーキングとバックシュートをかけた場合の駆動電圧波形を示す図であり、図10(b)は駆動電流波形を示す図であり、図10(c)は光出力波形を示す図である。
【図11】 図11は従来の発光ダイオードの駆動方法における駆動電流−光出力−駆動電圧図によるバイアス電圧の設定を示す図である。
【図12】 図12は従来のバックシュートによる発光ダイオードのバンド図と注入キャリアの状態を示す図である。
【図13】 図13(a)は従来例による発光ダイオードの発光状態でのバンド図と注入キャリアの状態を示す図であり、図13(b)は発光停止状態でのバンド図と注入キャリアの状態を示す図である。
【符号の説明】
1…発光ダイオード、
2…駆動回路、
3…バイアス電圧設定回路、
4…分周回路、
5…インバータ。
Claims (16)
- 発光ダイオードの駆動電流を高速に変調させて光出力のオンオフを繰り返す発光ダイオードの駆動方法において、
光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電圧を上記発光ダイオードのビルトイン電圧より低くかつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧に設定すると共に、
上記光出力のオフ時にバイアス電圧を2段階以上に調節して、
光出力のオフ時に、上記発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて、残留キャリアを再結合させて、光出力の立ち下がり時間を短縮したことを特徴とする発光ダイオードの駆動方法。 - 請求項1に記載の発光ダイオードの駆動方法において、
光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧を上記発光ダイオードのビルトイン電圧以上に設定することを特徴とする発光ダイオードの駆動方法。 - 請求項1に記載の発光ダイオードの駆動方法において、
光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始前の所定の期間、バイアス電流を上記発光ダイオードの拡散電流領域の範囲内に設定することを特徴とする発光ダイオードの駆動方法。 - 発光ダイオードの駆動電流を高速に変調させて光出力のオンオフを繰り返す発光ダイオードの駆動方法において、
光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電圧を上記発光ダイオードのビルトイン電圧より低くかつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧に設定すると共に、
光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧を上記発光ダイオードのビルトイン電圧以上に設定して、
光出力のオフ時に、上記発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて、残留キャリアを再結合させて、光出力の立ち下がり時間を短縮したことを特徴とする発光ダイオードの駆動方法。 - 発光ダイオードの駆動電流を高速に変調させて光出力のオンオフを繰り返す発光ダイオードの駆動方法において、
光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流を上記発光ダイオードの再結合電流領域内に設定すると共に、
光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧を上記発光ダイオードのビルトイン電圧以上かつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧に設定して、
光出力のオフ時に、上記発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて、残留キャリアを再結合させて、光出力の立ち下がり時間を短縮したことを特徴とする発光ダイオードの駆動方法。 - 発光ダイオードの駆動電流を高速に変調させて光出力のオンオフを繰り返す発光ダイオードの駆動方法において、
光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流またはバイアス電圧を上記発光ダイオードの電流−電圧特性曲線における下側の変曲点の値よりも小さい値に設定すると共に、
光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧を上記発光ダイオードのビルトイン電圧以上かつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧に設定して、
光出力のオフ時に、上記発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて、残留キャリアを再結合させて、光出力の立ち下がり時間を短縮したことを特徴とする発光ダイオードの駆動方法。 - 発光ダイオードの駆動電流を高速に変調させて光出力のオンオフを繰り返す発光ダイオードの駆動方法において、
光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流を10μA以下にすると共に、
光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始の前の所定の期間、バイアス電圧を上記発光ダイオードのビルトイン電圧以上かつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧に設定して、
光出力のオフ時に、上記発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて、残留キャリアを再結合させて、光出力の立ち下がり時間を短縮したことを特徴とする発光ダイオードの駆動方法。 - 発光ダイオードの駆動電流を高速に変調させて光出力のオンオフを繰り返す発光ダイオードの駆動方法において、
光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電圧を上記発光ダイオードのビルトイン電圧より低くかつ光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧に設定すると共に、
光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始前の所定の期間、バイアス電流を上記発光ダイオードの拡散電流領域の範囲内に設定して、
光出力のオフ時に、上記発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて、残留キャリアを再結合させて、光出力の立ち下がり時間を短縮したことを特徴とする発光ダイオードの駆動方法。 - 発光ダイオードの駆動電流を高速に変調させて光出力のオンオフを繰り返す発光ダイオードの駆動方法において、
バイアス電圧を光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧とし、
光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流を上記発光ダイオードの再結合電流領域内に設定すると共に、
光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始前の所定の期間、バイアス電流を上記発光ダイオードの拡散電流領域の範囲内に設定して、
光出力のオフ時に、上記発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて、残留キャリアを再結合させて、光出力の立ち下がり時間を短縮したことを特徴とする発光ダイオードの駆動方法。 - 発光ダイオードの駆動電流を高速に変調させて光出力のオンオフを繰り返す発光ダイオードの駆動方法において、
バイアス電圧を光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧とし、
光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流またはバイアス電圧を上記発光ダイオードの電流−電圧特性曲線における下側の変曲点の値よりも小さい値に設定すると共に、
光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始前の所定の期間、バイアス電流を上記発光ダイオードの拡散電流領域の範囲内に設定して、
光出力のオフ時に、上記発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて、残留キャリアを再結合させて、光出力の立ち下がり時間を短縮したことを特徴とする発光ダイオードの駆動方法。 - 発光ダイオードの駆動電流を高速に変調させて光出力のオンオフを繰り返す発光ダイオードの駆動方法において、
バイアス電圧を光出力のオン時の駆動電圧と同極性の電圧とし、
光出力のオフ時の少なくともオフ開始から所定の期間、バイアス電流を10μA以下にすると共に、
光出力のオフ時でかつ光出力のオン開始前の所定の期間、バイアス電流を上記発光ダイオードの拡散電流領域の範囲内に設定して、
光出力のオフ時に、上記発光ダイオードの活性層の非発光準位を通じて、残留キャリアを再結合させて、光出力の立ち下がり時間を短縮したことを特徴とする発光ダイオードの駆動方法。 - GayIn1-yP系または(AlxGa1-x)yIn1-yP系材料を使用した発光ダイオードの駆動方法において、
請求項1乃至11のいずれか1つに記載の発光ダイオードの駆動方法を採用することを特徴とする発光ダイオードの駆動方法。 - AlxGa1-xAs系材料を使用した発光ダイオードの駆動方法において、
請求項1乃至11のいずれか1つに記載の発光ダイオードの駆動方法を採用することを特徴とする発光ダイオードの駆動方法。 - InxGa1-xAsyP1-y系材料を使用した発光ダイオードの駆動方法において、
請求項1乃至11のいずれか1つに記載の発光ダイオードの駆動方法を採用することを特徴とする発光ダイオードの駆動方法。 - 光ファイバー通信用の発光ダイオードの駆動回路を有する光伝送装置において、
請求項1乃至14のいずれか1つに記載の発光ダイオードの駆動方法を採用したことを特徴とする光伝送装置。 - 空間光伝送通信用の発光ダイオードの駆動回路を有する光伝送装置において、
請求項1乃至14のいずれか1つに記載の発光ダイオードの駆動方法を採用したことを特徴とする光伝送装置。
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