JP4026950B2 - 空間仕切り装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空間を仕切るシャッターカーテン、パネルカーテン、ドアパネル、間仕切り、オーバーヘッドドア又は建造物の壁等に防火、遮熱、冷房又は暖房の機能を設けた空間仕切り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、熱処理機能を備えた板状部材及び防火システムとしては、防火シャッターが知られている。この防火シャッターは、多数のスラットを回動可能に連結したシャッターカーテンを備えて構成されている。各スラットには耐火性が持たされている。このスラットにより構成されるシャッターカーテンが通路を遮断することにより、火災の際の煙や炎を遮断するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記構成の防火シャッターでは、火災の際の煙や炎を遮断することはできるが、火災に伴う熱を完全に遮断することは難しい。即ち、防火シャッターの一側面が火災の炎に晒されると、防火シャッター全体が高温になってしまう。これにより、防火シャッターの他側面も高温になって輻射熱を出し、その防火シャッターの他側面の近傍が輻射熱による弊害を受けてしまう。例えば、防火シャッターに近づくと輻射熱によって熱いので、避難者が避難するときに、防火シャッターの近傍を通過しにくいという問題点がある。
【0004】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、輻射熱による弊害を低減した空間仕切り装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る空間仕切り装置は、複数の板片を連続的に組み合わせて空間を仕切ると共に、内部に、防火、遮熱、冷房又は暖房用の流体の通路が設けられた空間仕切り装置において、前記複数の板片のうち最下端の板片に、この板片が床に接地したときに開いて内部の流体を流出させる開放弁を設けたことを特徴とする。
前記構成により、火災の場合には、内部の流体通路に防火、遮熱用の流体が通される。これにより、板状部材自体が煙及び炎を防ぐと共に、内部に通された流体が炎に伴う熱を吸収して外部へ排出する。この結果、板状部材で仕切られた2つの空間の間での熱の伝達を遮断する。このとき、最下端の板片が床部に接地されると、開放弁が開いて熱を吸収した板片内の流体が外部に排出される。
第2の発明に係る空間仕切り装置は、第1の発明に係る空間仕切り装置において、前記開放弁が、前記板片の側壁から横方向に突出した排出管と、この排出管に装着された閉塞栓と、前記板片が床に接地した状態で前記閉塞栓の直下の床に埋設されて前記閉塞栓を下側から押し上げて上方へ抜く栓抜き棒とを備えて構成されたことを特徴とする。
前記構成により、最下端の板片が床部に接地されると、排出管に装着された閉塞栓が、栓抜き棒で下側から押し上げられる。これにより、閉塞栓は上方へ抜け、最下端の板片内の流体が外部に排出される。
第3の発明に係る空間仕切り装置は、第2の発明に係る空間仕切り装置おいて、前記栓抜き棒が埋設される位置に、前記板片から流出する流体を外部に排出する排水マスが設けられたことを特徴とする。
前記構成により、最下端の板片が床部に接地されると、排出管に装着された閉塞栓が抜けて板片内の流体が排水マスに流出して外部に排出される。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る空間仕切り装置等について、添付図面を参照しながら説明する。
【0007】
[第1実施形態]
本実施形態では熱処理機能を備えた板状部材として、パネルシャッター1を例に説明する。このパネルシャッター1は、図2に示すように主に、パネル2と、ガイドレール3と、引き上げ機構4と、制御盤5とから構成されている。
【0008】
パネル2は長方形状の平板によって構成されている。このパネル2は、複数枚(本実施形態では3枚)配設され、これらが組み合わさって、空間を仕切る板状部材が構成されている。各パネル2の長手方向両端面には、後述する引き上げチェーン22に係止する係止片6と、ガイドレール3にはまり込んでパネル2の上下動が案内されるガイドローラ7とが設けられている。
【0009】
パネル2の上下端部には、図1(B)に示すように、前後を逆にした段差部2A,2Bが形成されている。パネル2の上端部の段差部2Aは外側が上方にせり出して形成されている。パネル2の下端部の段差部2Bは内側が下方にせり出して形成されている。これにより、上下2つのパネル2がガイドレール3内で二段に重なったとき、上側のパネル2の段差部2Bと下側のパネル2の段差部2Aとが互いに噛み合って板状部材を構成する。
【0010】
3枚のパネル2のうちの下端のパネル2には、図2に示すように、座板8が取り付けられている。なお、床面には、座板8を受ける下枠9が設けられる。
【0011】
パネル2は、図3及び図4に示すように、互いに対向する表側板部2C及び裏側板部2Dによって、内部が密閉された空洞の板材として構成されている。パネル2の内部には、左右両端の側壁2E,2Fまで延びる複数の横板11が上端から下端まで全域に亘って設けられている。各横板11の左右の端部は、交互に側壁2E,2Fとの間が開いている。これにより、注入された流体は一端の側壁2Eにまで流れた後、下段の横板11に落ちて他端の側壁2Fまで流れる。これにより流体は、パネル2内を左右に流れて、表側板部2C及び裏側板部2Dの内側壁全面に接触するようになっている。裏側板部2Dの一側上端部(図においては右側上端部)には注入口12が、他側下端部(図においては左側下端部)には排出口13が設けられている。このパネル2は、アルミニウム、ステンレス鋼、鉄、耐熱性に優れた合成樹脂等によって構成されている。
【0012】
ガイドレール3は、図3に示すように、パネル2を挟んで両側に配設され、その左右両側からパネル2を支持している。ガイドレール3の断面形状はほぼコの字型になっており、パネル2の左右両端がこのガイドレール3にはまり込んで支持される。ガイドレール3は、出入口や通路の両側壁に埋設されている。
【0013】
ガイドレール3の近傍であって、空間を仕切るために下ろされた状態のパネル2に面する位置には、図1及び図3に示すように、冷却水供給配管15が配設されている。冷却水供給配管15は、下ろされた状態の各パネル2及びガイドレール3に沿って縦方向に配設されている。冷却水供給配管15には、内部を流れる冷却水を横方向に流出させるための分岐管部16が設けられている。この分岐管部16は、下ろされた状態の各パネル2の注入口12に対応して3カ所に設けられている。各分岐管部16の先端部は、下ろされた状態の各パネル2の注入口12に面する位置に設けられ、その先端部から流出した冷却水がこの注入口12からパネル2内に流入するようになっている。
【0014】
この冷却水供給配管15は冷却水供給系(図示せず)に接続されている。この冷却水供給系は制御盤5で制御され、火災発生により冷却水が供給されるようになっている。さらに、冷却水供給系は、スプリンクラー又はウォーターミスト噴霧装置の給水設備を兼ねており、スプリンクラー等の作動と、パネル2への冷却水の供給が連動するようになっている。なお、ウォーターミストとは、スプリンクラーのような放水粒に比較して粒子径が微小な水粒子をいう。例えば、ザウター平均粒子径が1000μm以下、望ましくは40〜400μmの水粒子をいう。
【0015】
また、ガイドレール3に沿って下ろされた状態の各パネル2の排出口13に面する位置には、図5に示すように、排水マス18がそれぞれ設けられている。なお、図5では最下端のパネル2に対応する排水マス18のみを示す。各排水マス18には外部にまで延ばして配設された排水パイプ19が接続されている。これにより、排水マス18は排出口13から流出する冷却水を受け取り、排水パイプ19によって外部に排水されるようになっている。
【0016】
引き上げ機構4は、図2に示すように、駆動モータからなる開閉機21、各パネル2の係止片6に係止した状態で引き上げられる引き上げチェーン22、この引き上げチェーン22を支持する引き上げスプロケット23、水平案内レール24等を備えて構成されている。引き上げチェーン22には、一定間隔(ガイドレール3に沿って下ろされた各パネル2の隣接する係止片6の間隔よりも多少広い程度の間隔)をおいて係止片6が係止されている。これにより、引き上げチェーン22が開閉機21で引き上げられ、又は繰り出されることで、ガイドレール3、水平案内レール24に沿って、各パネル2が引き上げられ、又は繰り出されるようになっている。
【0017】
制御盤5は、パネル2の上げ下げ、火災発生に伴う冷却水供給等の動作を制御する。火災発生の検知は、独自に設けたセンサや、他の火災検知装置からの通知等によって行われる。また、ガイドレール3の近傍には、押しボタンスイッチ25が設けられている。この押しボタンスイッチ25によって、パネル2の上げ下げが操作できるようになっている。
【0018】
なお、パネル2の表側板部2Cと裏側板部2Dとの両方に直接に接触されている横板11等は通常ヒートブリッジになってしまうが、ここでは、横板11等の表側板部2Cと裏側板部2Dとに直接に接触する部材を流体通路内の冷却水に接触するようにしているので、ヒートブリッジになるのを防止して、表側板部2Cと裏側板部2Dとの間で熱が直接に伝達するのを防止している。この構成は、後述する他の実施形態及び変形例においても同様である。
【0019】
[動作]
以上のように構成されたパネルシャッター1は、制御盤5による制御で、引き上げ及び繰り出しが行われる。
【0020】
防火用として用いるパネルシャッター1の場合は、通常開かれており、火災検知によって閉じられる。
【0021】
火災が発生した場合には、センサや火災検知装置等からの信号に基づいて制御盤5が作動し、パネル2を繰り出す。このパネル2の繰り出し動作は、図6(D)から図6(A)に示すようにして行われる。具体的には、開閉機21によって引き上げチェーン22が繰り出され、これに係止された各パネル2がその繰り出される。このときパネル2は、順次水平案内レール24に沿ってガイドレール3側に移動し、このガイドレール3に導入された後は、最下端のパネル2の座板8が下枠9に当接するまで下ろされる。次のパネル2は、その下部の段差部2Bが、最下端のパネル2の上部の段差部2Aと嵌合するまで下ろされる。次のパネル2も同様にして、通路等が遮蔽される。これにより、炎及び煙が通路に沿って広がるのを防止する。
【0022】
さらに、冷却水供給系が作動されて、冷却水供給配管15に冷却水が供給される。冷却水供給配管15に供給された冷却水は、各分岐管部16から横方向に流出して、各パネル2の注入口12から内部に注がれる。内部に流入した冷却水は、各横板11に沿って左右端まで流れながら往復し、次第にパネル2の下端部まで流れる。そして、最終的に排出口13から外部に流出する。流出した冷却水は、排水マス18に流入して排水パイプ19を介して外部に排出される。これにより、各パネル2の内部には、その全域に冷却水が常時流れることになり、火災に伴う熱で各パネル2が加熱されても、内部を流れる冷却水がその熱を吸収して、パネル2が冷やされる。特に、冷却水はパネル2内を常時流れているため、炎でパネル2が加熱されても、その熱は冷却水に吸収されてこの冷却水と共に外部に排出される。この結果、炎による高熱に晒されるパネル2を効率的に冷却することができ、輻射熱がパネル2の反対側に伝わることがなくなる。
【0023】
なお、パネル2を引き上げる場合には、押しボタンスイッチ25を押す。これにより、図6(A)から図6(D)に示すように、引き上げチェーン22が引き上げスプロケット23等に支持されて開閉機21で引き上げられると、引き上げチェーン22に係止された各パネル2が、ガイドレール3に沿って引き上げられ、水平案内レール24に沿って水平方向に1枚ずつ支持されて、コンパクトに収納される。
【0024】
[効果]
以上のように、各パネル2の内部に、冷却水を流すための冷却水流路を形成したので、火災に伴う炎、煙と共に、熱も遮断することができるようになる。
【0025】
この結果、パネル2の反対側に伝わる輻射熱による弊害を防止できる。
【0026】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図7から図10に基づいて説明する。
【0027】
本実施形態のパネルシャッターの全体構成は前記第1実施形態と同様であるので、同一部材には同一符号を付してその説明を省略する。
【0028】
本実施形態は、パネルシャッターが大型化した場合の例である。パネルシャッターが大型化すると、パネルも大型化する。このため、パネルの横方向の寸法が大きくなると共に、縦方向の寸法が大きくなったり設置枚数が増えたりする。このため、前記第1実施形態のパネル2の構成では強度が不十分な場合がある。この強度不足を解消するため、図7に示すように、横長になったパネル30の途中(図においては中央部)に、補強板31が設けられている。この補強板31は、図8及び図9に示すように、断面L字型に形成され、パネル30内に縦方向に配設されている。この補強板31がパネル30内に設けられることにより、パネル30内が左右に分断されてしまう。このようにパネル30内が補強板31で分断されると、冷却水の流路も補強板31で遮られるため、分断された内部空間毎に冷却水の流路が形成されることになる。
【0029】
補強板31で分断された各空間の冷却水流路の出入口には、注入口32と排出口33がそれぞれ形成されている。即ち、各パネル30の上側部には、補強板31で分断された各空間毎に注入口32が設けられている。パネル30の下側部には、前記注入口32と整合する位置に排出口33が設けられている。これら注入口32と排出口33とが互いに整合する位置に設けられることで、パネル30が重ねられたときにこれらが互いに嵌合するようになっている。即ち、複数のパネル30がガイドレール3内で積み重なると、上側のパネル30の注入口32が下側のパネル30の排出口33内に挿入されて嵌合し、上下のパネル30間の位置決めがされると共に、上下のパネル30内の冷却水流路が接続されるようになっている。これにより、注入口32等の設置数の増加に伴う冷却水供給配管15等の増加を抑えている。
【0030】
最下端のパネル30の排出口33は、図10に示すように、下側面ではなく、横壁面に設けられている。ガイドレール3内の底部であってこの排出口33に面する位置には、排水マス34及び排水管35が設けられている。パネル30の内部空間は補強板31で左右に分割されているため、排出口33、排水マス34及び排水管35は、左右両壁面にそれぞれ設けられている。
【0031】
補強板31で分断されたパネル30内には、図8及び図9に示すように、前記第1実施形態の横板11と同様の横板36が設けられ、冷却水が左右の端部まで往復しながら、空間全域に流れるようになっている。
【0032】
冷却水供給配管(図示せず)は、前記第1実施形態の分岐管部16のようなものを有さず、ガイドレール3にも通されない。ガイドレール3の上部において、最上端のパネル30の上側面の2つの注入口32に臨ませて設けられている。
【0033】
[動作]
以上のように構成されたパネルシャッターは、次のように動作する。
【0034】
本実施形態のパネルシャッターの全体的な動作は前記第1実施形態のパネルシャッター1の動作とほぼ同様であるので、ここでは本願の特徴部分の動作のみを説明する。
【0035】
火災が発生すると、制御盤5の制御により各パネル30が下ろされる。各パネル30のうち、最下端のパネル30は下枠9に当接するまで下ろされる。これにより、その両側の排出口33がガイドレール3内の排水マス34に面して位置される。
【0036】
次に、前記最下端のパネル30の上に、次のパネル30がガイドレール3に沿って連続的に下ろされる。このパネル30は下側のパネル30に重なるが、その際に上側のパネル30の排出口33が、下方のパネル30の注入口32内に挿入されて嵌合する。これにより、各パネル30が互いに位置決めされて所定の位置に設置されると共に、上下の2つのパネル30内の冷却水流路が連結される。さらに、その上のパネル30が重畳的に重ねられ、排出口33が注入口32内に挿入され、全てのパネル30が互いに位置決めされて所定の位置に設置されると共に、上端から下端まで全てのパネル30内の冷却水流路が連結される。これと同時に空間が仕切られる(通路が塞がれる)。
【0037】
次いで、冷却水供給系が作動されて冷却水供給配管に冷却水が供給され、最上端のパネル30の注入口32からパネル30に注入される。注入された冷却水は、パネル30内の冷却水流路を左右に流れてパネル30の全面を冷却しながら下部まで達し、排出口33から排水される。排出口33から排水された冷却水は、その排出口33が嵌合された注入口32から下側のパネル30内に注入される。
【0038】
この動作を、最下端のパネル30まで繰り返し、この最下端のパネル30の下部横側の排出口33から排水マス34に排水される。排水マス34に流入した冷却水は、排水管35を介して外部に排水される。
【0039】
これにより、冷却水供給配管から供給された冷却水は、全てのパネル30内を左右に流れながらパネル30全体を冷却して排水される。この状態で、パネル30の一側面が火災による炎で高温に加熱されると、パネル30内を常時流れている冷却水がその熱を吸収して外部に排出する。この結果、パネル30を効率的に冷却することができ、輻射熱がパネル30の反対側に伝わることがなくなる。
【0040】
[効果]
これによっても、前記第1実施形態と同様に、火災に伴う炎、煙と共に、熱も遮断することができるようになる。
【0041】
この結果、パネル30の反対側に伝わる輻射熱による弊害を防止できる。
【0042】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0043】
本実施形態は、建造物の扉に適用した例である。図11及び図12に示すように、扉41は主に、建造物の出入口や通路等にはめ込まれたドア枠42と、このドア枠42に蝶番43で開閉可能に取り付けられたドア板44とから構成されている。
【0044】
ドア板44は主に、表側全面を覆う表面材45と、裏側全面を覆う裏面材46と、外周縁全域を覆う側面材47と、この側面材47の内側に形成される力骨48と、横方向に多段に設けられた隔て板49とから構成されている。これらは、アルミニウム、ステンレス鋼、耐熱性に優れた合成樹脂等によって構成されている。
【0045】
隔て板49は、前記第1実施形態の横板11と同様に構成されている。即ち、隔て板49は、ドア板44の内部に、その上端から下端まで全域に亘って複数段設けられている。各隔て板49の左右端部は、交互に側面材47との間が空いており、注入された流体が左右に流れてドア板44全体を冷却するようになっている。
【0046】
ドア板44の一方の上側面(図においては右側の上側面)には注入口51が、他方の下側面(図においては左側の下側面)には排出口52が設けられている。
【0047】
注入口51は、ドア板44の上側面に上方に向けて形成された開口によって構成されている。この注入口51に面したドア枠42には、冷却水供給配管53が接続され、その先端の冷却水の流出口が注入口51に臨ませて設けられている。
【0048】
ドア枠42の下枠部42Aのうち、前記ドア板44の下部の排出口52に面する位置には、排水マス54及びそれに接続された排水管55が設けられている。ドア板44の左側の上下方向中央部には、ドア板44を開け閉めするときに手で持つ把手56が設けられている。
【0049】
この扉41の近傍には、火災の発生を検知して、冷却水供給系を作動させる制御盤(図示せず)が設けられている。
【0050】
[動作]
以上のように構成された扉41は、次のように動作する。
【0051】
通常の使用においては、把手56を手でもって開き、通り抜けた後に把手56を持って閉める。
【0052】
火災が発生すると、制御盤によって冷却水供給系が作動され、冷却水供給配管53を介して冷却水がドア板44に供給される。冷却水は、冷却水供給配管53の先端から流出してドア板44の注入口51に落下し、ドア板44内に流入する。ドア板44の内部では、注入口51から流入した冷却水が隔て板49によって左右に流れながら、表面材45及び裏面材46の内側面全体に接触し、ドア全体を冷却する。
【0053】
ドア板44の下部まで流れた冷却水は、排出口52から流出して排水マス54内に落下し、排水管55を介して外部に排水される。
【0054】
なおこのとき、ドア板44が閉まっているか否かを検知するセンサを設けてもよい。ドア板44が閉まっていない場合には、冷却水が周囲にこぼれ落ちてしまうおそれがあるためである。
【0055】
[効果]
以上のように、各扉41の内部に冷却水流路を形成して冷却水を流すようにしたので、前記第1実施形態と同様に、火災に伴う炎、煙と共に、熱を遮断することができる。
【0056】
この結果、ドア板44の反対側に伝わる輻射熱による弊害を防止できる。
【0057】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
【0058】
本実施形態は、柔軟に変形すると共に空間を仕切るシートに適用した例である。このシートとしては、通路を塞ぐもの(例えば図11のドアの代わりに用いる)や、窓を塞ぐカーテンや、空間を仕切る間仕切り等がある。このシートは、通路等を塞いだ状態で、その上端及び下端が固定される。具体的には、通路や窓等の上部にシートの巻き取り装置が設けられ、通路等が開かれた状態でシートが巻き取り装置に巻き取られている。シートの下端部には金属等で構成された横木が設けられ、この横木が通路や窓の下端部に係止して、可撓性のあるシートで通路等が塞がれるようになっている。
【0059】
このシートは、耐火耐熱性に優れたシリカクロス、ガラスクロス、カーボン繊維又は耐熱性合成樹脂等で構成し、柔軟に撓み得るようにする。なお、耐熱性合成樹脂としては、合成樹脂自体に耐熱性を有するものでも、合成樹脂に耐熱材をコーティングしたものでもよい。
【0060】
この耐火耐熱性のシリカクロス等を2枚重ねて袋状にし、内部に、防火、遮熱、冷房又は暖房用の流体の通路を設けて耐火耐熱シートを構成する。流体通路は、上下、左右又は環状に蛇行して配設し、内部全域に流体を流すことができるようにする。具体的には、例えば図11及び図12の表面材45、裏面材46、側面材47及び隔て板49と同様の構成を前記シリカクロス等で作る。流体通路は、防水塗料の塗布等によって防水処理を施す。
【0061】
また、前記各実施形態同様に、耐火耐熱シートの上部に冷却水の供給系を、下部に排出系を設ける。
【0062】
以上のように構成された耐火耐熱シートの場合も、前記各実施形態同様の作用により、火災の発生が検知されると、流体供給手段が作動されて、耐火耐熱シート内に流体が供給される。この耐火耐熱シート内に供給された流体は、火災による熱を吸収して外部に排出され、熱の伝達を遮断する。
【0063】
また、耐火耐熱シートに、その内部に通された冷却水を外部に放出するための流出穴(図21の冷却水流出穴101,102と同様の穴)を1又は複数設けてもよい。この流出穴の径は、大きく設定したり、小さく設定したりする。
【0064】
この流出穴の径を小さくする場合は、ある程度遠方まで冷却水が飛ぶようになる。これにより、流出穴から流出した冷却水が、その周囲を消火する。この結果、耐火耐熱シート内の冷却水が、熱を吸収して外部に排出すると共に、耐火耐熱シートの周囲の延焼を防止する。
【0065】
流出穴の径を大きくする場合は、冷却水が耐火耐熱シートの表面に沿って流れるようになる。これにより、流出穴から流出した冷却水は、耐火耐熱シートの表面を濡らす。この結果、耐火耐熱シートの表面の冷却水が蒸発して気化熱を奪い、耐火耐熱シートを積極的に冷却して、熱の伝達を遮る。
【0066】
また、耐火耐熱シートを耐熱性繊維で構成する場合は、流体通路に施す防水処理を耐熱性のないものにしたり、防水処理を施さないようにしてもよい。これにより、耐火耐熱シートが火災で加熱されている状態で冷却水が流体通路に通されると、熱で防水機能が低下して、または防水処理が施されていないため、流体通路内の冷却水が繊維の隙間から耐火耐熱シートの表面に滲み出してくる。耐火耐熱シートの表面に滲み出た冷却水は、その表面全体を濡らして熱で蒸発し、気化熱を奪って熱の伝達を遮断する。
【0067】
この結果、耐火耐熱シートの反対側に伝わる輻射熱による弊害を防止できる。
【0068】
[第1変形例]
前記各実施形態では、空間を仕切る板状部材としてパネルシャッター1等を用いたが、図13に示すように、多数のスラット61を組み合わせたシャッターカーテン62を用いてもよい。この場合、1つのスラット61が1つの通路となる。そして、各スラット61は、冷却水を上側のスラット61から下側のスラット61に流す導水管63によって接続されている。この導水管63はスラット61の左右交互に接続される。具体的には、最上端のスラット61とその下側の第2のスラット61とをその一側面で導水管63によって接続すると、この第2のスラット61と次の第3のスラット61とは、他側面で導水管63によって接続される。これが繰り返されて、各スラット61が左右交互に導水管63によって接続され、冷却水は各スラット61内を左右に流れながら、シャッターカーテン62全体を冷却する。
【0069】
以上のように、各スラット61の内部を、冷却水を流すための流路として、シャッターカーテン62全体を冷却水で冷却するようにしたので、前記第1実施形態と同様に、火災に伴う炎、煙と共に、熱を遮断することができるようになる。
【0070】
[第2変形例]
前記第1変形例では、各スラット61をその側端部で導水管63によって接続するようにしたが、端部に限らず、各スラット61の途中の表側又は裏側で導水管63によって接続するようにしてもよい。
【0071】
[第3変形例]
前記第1変形例では、各スラット61の流路を導水管63で接続するようにしたが、各スラット61同士の接続部分で冷却水流路を接続してもよい。このスラット61の係合部65は、図14に示すように構成されている。スラット61の上端部にはフック状の嵌合爪66が形成されている。スラット61の下端部には前記嵌合爪66が嵌合する被嵌合爪67が形成されている。
【0072】
嵌合爪66は、スラット61の上端部で表面材68と裏面材69とを当接させて、左巻きのフック状に折り曲げて形成されている。スラット61の上側面61Aは湾曲状に窪ませて形成されている。この上側面61Aの窪んだ底部には注入口71が設けられている。注入口71の設置個数、即ちスラット61の長手方向に設けられる位置及び個数は任意である。また、注入口71が設けられる位置は、スラット61の長手方向の端部でも中央部でもよい。注入口71の個数も1個でも2個以上でもよい。
【0073】
被嵌合爪67は、スラット61の下端部において、表面材68と裏面材69との間に一定間隔を保った状態で、左巻きのフック状に折り曲げて形成されている。このフック状の被嵌合爪67の内部には円筒状の保持空間67Aが形成される。この保持空間67Aは、嵌合爪66を包み込んで、回動可能で抜け落ちないように保持している。この被嵌合爪67の下側部には排出口72が設けられている。この排出口72は、嵌合爪66が被嵌合爪67に嵌合した状態で、嵌合爪66の注入口71に対向する位置に設けられ、排出口72から流出した冷却水が、その真下の注入口71に落下して下側のスラット61に流入するようになっている。なお、これら注入口71及び排出口72は、丸穴や長穴等、各種の形状に適宜形成される。
【0074】
これによっても、前記第1実施形態同様の作用、効果を奏することができる。
【0075】
[第4変形例]
前記第2実施形態では、上下のパネル30のそれぞれの冷却水流路を接続する手段として、上側のパネル30の排出口33を下側のパネル30の注入口32に挿入するだけの構成としたが、これらの間に開閉弁を設けるようにしてもよい。この場合、図15及び図16に示すように、排出口75の管内に、開閉弁76が設けられ、この排出口75が挿入される注入口77内に開弁機構78が設けられる。開閉弁76は、内側(上側)に開くと共にパネル79内に貯えられた水の重みで閉じられて水の流出を防止する内開き式の弁板81と、この弁板81の一端部を回動可能に支持するヒンジ棒82とから構成されている。開弁機構78は、注入口77の管内に設けられた開弁棒84と、この開弁棒84を支持して冷却水の流れを許容する十字状の開弁棒支持部85とから構成されている。
【0076】
以上のように構成された排出口75及び注入口77においては、ガイドレール3に案内された各パネル79が積層されていくと、図17に示すように、各パネル79の排出口75が注入口77内に挿入される。これにより、排出口75の開閉弁76の弁板81が開弁機構78の開弁棒84で押し上げられて開かれ、上下のパネル79間で冷却水流路が接続される。
【0077】
パネル2内には、予め水が貯められている場合と空の場合がある。パネル2内に水が貯められている場合には、開閉弁76が開かれることで、パネル79内の冷却水が排出口75から流出して、注入口77を介して下部のパネル79内に注入される。
【0078】
パネル79を引き上げると、排出口75が注入口77から抜けて、弁板81を押し開いて支えていた開弁棒84が抜ける。これにより、開閉弁76が閉じられ、パネル79の内部に冷却水が貯えられた状態に保持される。
【0079】
この結果、各パネル79内に常時冷却水を貯めておくことができ、急激に延焼する火災に対して有効である。
【0080】
[第5変形例]
前記第1及び第2実施形態において、図18から図20に示すように、最下端のパネル79に、このパネル79が床に接地したときに開く開放弁91を設けてもよい。この開放弁91は、パネル79の側壁から横方向に突出した排出管92と、この排出管92の先端に装着された閉塞栓93と、床側に設けられた栓抜き棒94とから構成されている。
【0081】
排出管92の内部には先端部まで延びる冷却水流路95が形成されている。排出管92の先端部には閉塞栓93を支持する支持部96が形成されている。この支持部96は排出管92の先端で閉塞栓93を支持し、閉塞栓93は支持部96で支持されることによって冷却水流路95の先端開口を塞ぐようになっている。この支持部96は、排出管92の先端部においてその両側から板状に延びて、閉塞栓93を両側から挟持する2つの支持爪97で構成されている。各支持爪97の先端部は、内側に折れ曲がり、閉塞栓93を抱え込むようにして支持し、冷却水流路95の先端開口を塞ぐようになっている。これにより、閉塞栓93は、支持部96の各支持爪97で左右からのみ支持され、上下方向に容易に抜けるようになっている。
【0082】
閉塞栓93は、ゴム等の弾性部材で形成され、支持部96の寸法よりも僅かに大きく形成されている。
【0083】
栓抜き棒94は、その基端部が床部に埋設され、棒部が上方に延びている。この栓抜き棒94は、パネル79が床に接地した状態で、前記棒部が支持爪97に支持された閉塞栓93の直下に位置するように埋設されている。
【0084】
栓抜き棒94が埋設される位置には、排水マス(図示せず)が設けられ、パネル79から流出した冷却水を受け取って外部に排出するようになっている。
【0085】
前記構成により、パネル79が床部に接地されると、排出管92に支持された閉塞栓93が栓抜き棒94に接触し、その状態で排出管92が下方へ押し下げられる。これにより、図20に示すように、閉塞栓93が栓抜き棒94に下側から押し上げられて抜け落ち、内部に流体が外部に流出する。
【0086】
[第6変形例]
前記第1変形例では、シャッターカーテン62のスラット61内に、閉塞した冷却水流路を形成したが、図21に示すように、スラット100に冷却水流出穴101,102を設けてもよい。冷却水流出穴101は、穴の径を小さくして、ある程度遠方まで冷却水が飛ぶようになっている。これにより、冷却水流出穴101から流出した冷却水が、その周囲を消火する。この結果、スラット100内の冷却水が、熱を吸収して外部に排出すると共に、シャッターカーテン62の周囲の延焼を防止する。
【0087】
冷却水流出穴102は、穴の径を大きくして、冷却水がスラット100の表面に沿って流れるようになっている。これにより、冷却水流出穴102から流出した冷却水は、スラット100の表面を濡らす。この結果、スラット100の冷却水が蒸発して気化熱を奪い、スラット100を積極的に冷却して、熱の伝達を遮る。
【0088】
[第7変形例]
図22及び図23に示すように、シャッターカーテンのスラット105に保水部106を設けてもよい。この保水部106は、保水板材107と、支持爪108と、冷却水供給穴109とから構成されている。
【0089】
保水板材107は、冷却用流体としての冷却水を保持する保持部材である。この保水板材107は、スラット105と同じように、細長い板状に形成され、スラット105の表面全域を覆うように取り付けられている。この保水板材107としては、吸水性に優れた高分子ポリマーや、綿や、セラミックウールや、ロックウール等が用いられる。吸水性と共に耐熱性にも優れた材料を使用することが望ましい。
【0090】
支持爪108は、スラット105の表面にその全長に亘って形成されている。この支持爪108は、断面Cの字型に形成され、保水板材107をその全長に亘って上下から回り込んで支持するようになっている。支持爪108に支持された状態の保水板材107の表面には、冷却水が蒸発しないように、全面を覆う合成樹脂膜(図示せず)が設けられている。この合成樹脂膜は、火災による熱で容易に溶けて、保水板材107の表面が確実に露出するようになっている。
【0091】
冷却水供給穴109は、スラット105内に流れている冷却水を保水板材107に供給するための穴で、スラット105の表面(支持爪108側の面)に、その全域に亘って多数設けられている。
【0092】
なお、この保水板材107は、スラット105の一側面だけでなく、他側面又は両側面に設けてもよい。また、保水板材107は、シャッターカーテンのスラット105だけでなく、他のパネルシャッター等に用いてもよい。
【0093】
前記構成により、スラット105内に供給された冷却水は、冷却水供給穴109から外部に流出し、保水板材107に吸い取られる。これにより、保水板材107は冷却水で濡れた状態に維持される。
【0094】
この状態で火災が発生して、スラット105が炎に晒されると、このスラット105の全面を占める保水板材107が熱せられることになる。熱せられた冷却水は蒸発して気化熱を奪う。これにより、スラット105はあまり加熱されず、熱の伝達が遮断される。
【0095】
[第8変形例]
前記各実施形態及び変形例では、防火、遮熱用の冷却水をパネル2等に流すようにしたが、暖房用の温水を流すようにしてもよい。また、冷房用の冷却水を流すようにしてもよい。この場合、パネル2等は通常の使用においては冷暖房機器となり、火災発生によって防火、遮熱用の板状部材となる。
【0096】
[その他の変形例]
(1) 前記第1実施形態では、冷却水供給配管15をガイドレール3の近傍に設けたが、ガイドレール3内に設けてもよい。この場合、パネル2の注入口12もガイドレール3内に位置するように形成される。
【0097】
(2) 前記第1実施形態では、冷却水供給配管15からの冷却水を各パネル2の上方から注入して下方から流出させるようにしたが、下方から注入して上方から流出させるようにしてもよい。この場合、冷却水をパネル2内に注入する際にある程度の圧力を加える必要があるため、冷却水供給配管15とパネル2の注入口12とを液密に接合する必要がある。
【0098】
(3) 前記各実施形態では、パネル2等の全域に冷却水を流すために横板11等を横方向に配設したが、図24に示すように、縦方向に縦板110を配設してもよい。この場合冷却水は、パネル2等の内部において、上下方向に流れることになる。
【0099】
(4) 前記各実施形態では、パネル2等の内部の横板11等の先端部を平坦な状態に形成したが、図25に示すように、先端部に立上げ部111を形成して皿状にし、冷却水が常時溜まるようにしてもよい。これにより、少ない冷却水の量で、効率的に熱の遮断を行うことができるようになる。
【0100】
(5) 前記第3実施形態では、冷却水の注入口51をドア板44の上側面に設けたが、蝶番43側の横面に設けてもよい。また、排出口52等を蝶番43側に設けてもよい。
【0101】
(6) 各変形例におけるシャッターパネルにおいては、最下端から数枚のスラットに冷却水を供給するようにしてもよい。この場合、巻き取られたシャッターパネルが繰り出される際に、その先頭の数枚である冷却水が入った最下端から数枚のスラットが重りとなる。これにより、シャッターパネルがスムーズに繰り出される。
【0102】
(7) 前記第4変形例では開閉弁76を設けたが、1度の使用に限定する場合には、開閉弁76の代わりに止水膜(図示せず)を設けてもよい。この止水膜は、パネル79内に冷却水が溜まった状態で、排出口を塞いで内部の冷却水が流出しないようにする膜である。排出口は、パネル79の下側端に設けられ、そのパネルが積層されたとき等に棒部材(前記開弁棒84のような棒部材)によって止水膜が突き破られて、パネル79内の冷却水が外部に流出するようになっている。
【0103】
(8) 前記各実施形態及び変形例では、シャッターカーテン、パネルカーテン又はドアパネルを例に説明したが、間仕切り、オーバーヘッドドア又は建造物の壁等においても、本発明を適用することができ、前記同様の作用、効果を奏することができる。
【0104】
(9) 前記第4変形例では、排出口75及び注入口77をその上下で内径が同一の筒状に形成したが、これらをテーパ状に形成してもよい。これにより、排出口75が注入口77に嵌合して冷却水流路が確実に形成される共に、嵌合する2つのパネル79が互いに確実に位置決めされるようになる。
【0105】
(10) 前記各実施形態等では、流体として冷却水を使用したが、他の流体、例えば、沸点を高めるために水に水溶性物質を添加した溶液や、気体や、液体と気体の混合物を使用してもよい。また、気体としては、空気、窒素や二酸化炭素等の不活性ガスを使用する。
【0106】
(11) 前記各実施形態等では、シャッターカーテン、パネルカーテン、ドアパネル、間仕切り、オーバーヘッドドア又は建造物の壁等を単体に部材として構成したが、これらの部材の一部を前記耐火耐熱シートで構成してもよい。例えば、シャッターカーテンのうち、上半分をスラットに、下半分を耐火耐熱シートにしたり、その逆に下半分をスラットに、上半分を耐火耐熱シートにしたりしてもよい。また、シャッターカーテンの一部に窓状の開口を設けて、その部分に耐火耐熱シートを設けてもよい。
【0107】
また、パネルカーテン等においても同様に、上下半分や窓状の開口に耐火耐熱シートを取り付けるようにしてもよい。
【0108】
このように、シャッターカーテン等の上下半分や窓状の開口に耐火耐熱シートを設ける場合には、耐火耐熱シート内の流体通路は、シャッターカーテン等の流体通路と接続される。なお、耐火耐熱シート内に通す流体の供給系及び排出系を、シャッターカーテン等と別に、独立して設けてもよい。
【0109】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明によれば、次のような効果を奏する。
【0110】
シャッターカーテン、パネルカーテン、ドアパネル、間仕切り、オーバーヘッドドア、建造物の壁又は耐火耐熱シート等の板状部材の内部に、防火、遮熱用の流体の通路を設けて板状部材全体に流体を流すようにしたので、火災に伴う熱による弊害を低減することができるようになる。
【0111】
また、板状部材の内部に、冷房又は暖房用の流体の通路を設けたので、冷暖房の際に、外気の冷気又は熱気を遮断して、冷暖房効率を向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係るパネルシャッターの要部を示す概略正面図及び概略側面図である。
【図2】 第1実施形態に係るパネルシャッターの全体構成を示す斜視図である。
【図3】 図1に記載のパネルシャッターの要部の平面図である。
【図4】 第1実施形態に係るパネルシャッターのパネルの構成を示す正面図である。
【図5】 第1実施形態に係るパネルシャッターのパネルがガイドレールに嵌合して接地している状態を示す正面図である。
【図6】 第1実施形態に係るパネルシャッターのパネルの出し入れ動作を示す模式図である。
【図7】 本発明の第2実施形態に係るパネルシャッターを示す正面図である。
【図8】 第2実施形態に係るパネルシャッターのパネルを示す要部拡大図である。
【図9】 図8に示すパネルの平面図である。
【図10】 排水マス及び排水管を示す正面図である。
【図11】 本発明の第3実施形態に係る扉を示す正面図である。
【図12】 図11の扉の要部断面図である。
【図13】 第1変形例を示す要部斜視図である。
【図14】 第3変形例を示す要部断面図である。
【図15】 第4変形例を示す要部斜視図である。
【図16】 図15に示す注入口の平面断面図である。
【図17】 図15の開閉弁の開閉動作を示す側面断面図である。
【図18】 第5変形例を示す要部断面図である。
【図19】 図18の平面断面図である。
【図20】 第5変形例に係る開放弁の動作を示す側面断面図である。
【図21】 第6変形例に係るスラットを示す斜視図である。
【図22】 第7変形例に係るスラットを示す斜視図である。
【図23】 第7変形例に係るスラットを示す断面図である。
【図24】 その他の変形例に係るパネルを示す正面図である。
【図25】 その他の変形例に係るパネルを示す正面図である。
【符号の説明】
1:パネルシャッター、2:パネル、3:ガイドレール、4:引き上げ機構、5:制御盤、11:横板、12:注入口、13:排出口、14:接続管、15:冷却水供給配管、16:分岐管部、18:排水マス、19:排水パイプ、31:補強板、32:注入口、33:排出口、34:排水マス、35:排水管、36:横板、41:扉、42:ドア枠、43:蝶番、44:ドア板、45:表面材、46:裏面材、47:側面材、48:力骨、49:隔て板、51:注入口、52:排出口、53:冷却水供給配管、54排水マス、55:排水管、56:把手、61:スラット、62:シャッターカーテン、63:導水管、65:接続部、66:嵌合部、67:被嵌合部、68:表面材、69:裏面材、71:注入口、72:排出口、75:排水口、76:開閉弁、77:注入口、78:開弁機構、79:パネル、81:弁板、82:ヒンジ棒、84:開弁棒、85:開弁棒支持部、91:開放弁、92:排出管、93:閉塞栓、94:栓抜き棒、95:冷却水流路、96:支持部、97:支持爪、100:スラット、101,102:冷却水流出穴、105:スラット、106:保水部、107:保水板材、108:支持爪、109:冷却水供給穴、110:縦板、111:立上げ部。

Claims (3)

  1. 複数の板片を連続的に組み合わせて空間を仕切ると共に、内部に、防火、遮熱、冷房又は暖房用の流体の通路が設けられた空間仕切り装置において、
    前記複数の板片のうち最下端の板片に、この板片が床に接地したときに開いて内部の流体を流出させる開放弁を設けたことを特徴とする空間仕切り装置。
  2. 請求項1に記載の空間仕切り装置において、
    前記開放弁が、前記板片の側壁から横方向に突出した排出管と、この排出管に装着された閉塞栓と、前記板片が床に接地した状態で前記閉塞栓の直下の床に埋設されて前記閉塞栓を下側から押し上げて上方へ抜く栓抜き棒とを備えて構成されたことを特徴とする空間仕切り装置。
  3. 請求項2に記載の空間仕切り装置において、
    前記栓抜き棒が埋設される位置に、前記板片から流出する流体を外部に排出する排水マスが設けられたことを特徴とする空間仕切り装置。
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