JP4025977B2 - エンジンの吸気量算出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、過渡運転時等のエンジンの吸気量や吸気圧(以下、これらを吸気相関量と総称する)の変化を予測するエンジンの吸気量算出装置に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】
吸気管噴射型のガソリンエンジンでは、吸気行程又は排気行程で燃料噴射が実行されるため、実際に筒内に吸入される以前(例えば数行程前)の吸気量に基づいて燃料噴射量を決定しなければならない。又、筒内噴射型であっても、均一予混合燃焼させる場合には吸気行程中に燃料を噴射するため、吸気行程開始までの吸気量に基づいて噴射量を決定しなければならない。従って、定常走行や減速走行から加速等の過渡運転状態に移行した場合には、移行初期において加速前の吸気量に基づき燃料噴射量が決定されてしまうため、筒内に吸入される実際の吸気量に対して燃料量が不足して一時的なリーン状態に陥り、場合によっては失火や不安定な燃焼により加速不良を発生して、ドライバビリティを悪化させてしまう虞がある。
【0003】
上記問題に着目して、スロットルの開度変化に応じて燃料噴射量を増加したり、或いは特公平2−51052号公報に記載の技術のように、スロットル開度変化量に基づいて吸気量を補正したりする対策が実施されている。しかしながら、何れの対策も、スロットル開度変化量に応じて燃料噴射量や吸気量を一義的に補正するに過ぎないため、運転状態が変化すると、実際の吸気量とスロットル開度変化量から予測した吸気量とが一致しなくなるという問題があった。つまり、同一のスロットル開度変化量であっても、マニホールド圧や変化前のスロットル開度位置が異なると吸気量の変化も相違することになるため、結果として吸気量に予測誤差が生じてしまうのである。
【0004】
そこで、例えば特公平8−14262号公報に記載の技術では、スロットルを通過する吸気流速が異なると、スロットル開度を増加させたときの吸気量の増加状態が相違してくることに着目し、スロットル前後の圧力比に基づいて補正係数を算出し、この補正係数とスロットル開度変化量とに基づいて過渡運転時の燃料噴射量を補正している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、上記公報に記載の技術は、スロットルの開度変化に対する吸気量変化の相関を模擬することで、より現実に近い吸気量を予測可能ではある。しかしながら、当該技術は、スロットル開度自体に含まれる誤差、つまりセンサにて検出されるスロットル開度と実際のスロットルの有効開口面積との相違については何ら考慮していない。即ち、本発明者の研究によると、同一スロットル開度であってもスロットル前後差圧が異なると、スロットル開度及び前後差圧から予測された吸気量にはばらつきが生じることが確認されている。この現象は、スロットルバルブのエッジ部で吸気の剥離により乱流が形成されて、スロットルの有効開口面積に影響を及ぼすため、及び熱の移動による断熱指数の変化のためと推測されるが、上記公報に記載の技術では、この点の対策が講じられていないため、依然として吸気量の予測誤差を解消できなかった。
【0007】
そこで、請求項1の発明の目的は、スロットルのエッジ部に発生する乱流の影響を考慮した有効開口面積に基づいて、スロットルを通過する吸気量を高い精度で算出することができるエンジンの吸気量算出装置を提供することにある。
請求項2の発明の目的は、スロットルのエッジ部に発生する乱流の影響を考慮した有効開口面積に基づいて、スロットルを通過する吸気量を高い精度で算出でき、ひいては算出した吸気量を利用して所定行程数後の吸気相関量を正確に予測することができるエンジンの吸気量算出装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、エンジンの吸気管に配置されたスロットルの開度を検出若しくは推定するスロットル開度検出手段と、スロットル開度検出手段の出力からスロットル開口面積を算出する開口面積算出手段と、スロットル開度検出手段の出力に基づきスロットル下流側の吸気圧を推定する吸気圧推定手段と、大気圧を検出若しくは推定する大気圧検出手段と、吸気圧推定手段の出力と大気圧検出手段の出力とに応じてスロットル開口面積を補正して、スロットル有効開口面積を算出する有効開口面積算出手段と、吸気圧推定手段の出力と大気圧検出手段の出力とに基づき吸気流速を算出し、吸気流速と有効開口面積算出手段の算出結果とに基づいてスロットルを通過する吸気量を算出する通過吸気量算出手段とを備えたものである。
【0010】
従って、スロットル開度に基づいてスロットルの開口面積が算出され、スロットルの開度から推定されたスロットル下流側の吸気圧と大気圧とに応じてスロットル開口面積が補正されて有効開口面積が算出されると共に、この有効開口面積と吸気圧及び大気圧から求められた吸気流速とに基づきスロットルを通過する空気量が算出される。
スロットルを通過するときの吸気はスロットルのエッジ部で乱流を形成し、同一スロットル開口面積であっても、乱流の発生状態が異なれば有効開口面積も相違する。乱流の発生状態はスロットルを通過する吸気流速に応じて変化し、吸気流速はスロットルの前後圧力と相関することから、前後圧力に基づいてスロットル開口面積を補正すれば実質的な有効開口面積を算出でき、この有効開口面積に基づいて正確なスロットル通過空気量を算出して、種々の制御を適切に実施可能となる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1において、スロットルからの吸気状態と相関する吸気相関量を検出若しくは推定する吸気相関量検出手段と、吸気相関量検出手段の出力を平滑化する平滑化手段と、吸気圧推定手段が推定した吸気圧の所定期間の変化量に基づき、平滑化手段の出力を基準とした所定行程数後の吸気相関量を予測する吸気相関量予測手段とを備えたものである。
【0012】
従って、スロットルからの吸気状態と相関する吸気相関量、具体的には吸気圧や吸気量等が検出若しくは推定されて平滑化され、平滑後の吸気相関量を基準として、スロットル開度から推定された応答性の高い吸気圧の所定期間の変化量に基づいて、所定行程数後の吸気相関量が予測される。
そして、スロットル通過空気量の算出処理については、請求項1の記載とまったく同様のため重複する説明は省略するが、スロットルのエッジ部での乱流の発生状態を考慮した有効開口面積に基づいて、正確なスロットル通過空気量が算出されるため、結果として所定行程数後の吸気相関量を正確に予測可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化したエンジンの吸気量算出装置の一実施形態を説明する。本実施形態のエンジンは、マニ圧に基づいて燃料噴射を制御する所謂スピードデンシィティ方式を採用しており、吸気量算出装置は所定行程数後のマニ圧を吸気相関量として予測するものである。
【0017】
図1は本実施形態のエンジンの吸気量算出装置を示す全体構成図であり、エンジン1は吸気管噴射型の4サイクルガソリン機関として構成されている。エンジン1の吸気系はインテークマニホールド2、サージタンク3及び吸気通路4からなり、エアクリーナ5を経て吸気通路4内に導入された吸気は、スロットルバルブ6で流量調整された後にサージタンク3を経てインテークマニホールド2により各気筒に分配され、燃料噴射弁7から噴射された燃料と混合されて、吸気ポート8から各気筒の筒内に吸入される。
【0018】
エンジン1の排気系は排気通路9、図示しない触媒や消音器等からなり、点火プラグ10により点火されて燃焼後の排ガスは排気ポート11から排気通路9を経て排出される。
一方、車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子制御ユニット)21が設置されている。ECU21の入力側には、アクセル操作量APSを検出するアクセルセンサ22、車速Vを検出する車速センサ23、スロットル開度TPSを検出するスロットルセンサ24(スロットル開度検出手段)、大気圧P0を検出する大気圧センサ25(前後圧検出手段)、マニ圧Psを検出するマニ圧センサ26(前後圧検出手段、吸気相関量検出手段)、機関の回転に伴ってクランク角信号を出力するクランク角センサ27等の各種センサ類が接続され、出力側には上記燃料噴射弁7や点火プラグ10、スロットルバルブ6を開閉駆動するステップモータ28等の各種デバイス類が接続されている。
【0019】
ECU21は、例えばクランク角信号から求めたエンジン回転速度Neやマニ圧Ps等に基づいて点火プラグ10の点火時期を制御する一方、アクセル操作量APSや車速V等から求めた目標スロットル開度TPSobjと実スロットル開度TPSとに基づき、ステップモータ28によりスロットルバルブ6の開度を制御する。一方、ECU21は、マニ圧Psから算出した燃料噴射量に基づいて燃料噴射弁7の噴射量を制御しており、以下、この燃料噴射制御の詳細を説明する。
【0020】
ECU21は図2に示すマニ圧推定ルーチンを5msec毎に実行し、まず、ステップS2でスロットルセンサ24により検出されたスロットル開度TPS、大気圧センサ25により検出された大気圧P0、マニ圧センサ26により検出されたマニ圧Ps等のセンサ検出値を読み込む。次いで、ステップS4で今回のマニ圧Psの積算処理(Sp=Sp+Ps)を行うと共に、平均化カウンタCをインクリメント(C=C+1)する。続くステップS6ではスロットルバルブ6の基本開口面積S0を次式(0)より算出し(開口面積算出手段)、ステップS8でスロットルバルブ6の有効開口面積Sを次式(1)より算出する(有効面積算出手段)。
【0021】
S0=f[TPS] ……… (0)
S=(1+aX)×S0 ……… (1)
ここに、aは所定の補正定数、Xは大気圧P0と推定マニ圧Pm(n)との圧力比Pm(n)/P0であり、後述するステップS20で求められる。
続くステップS10では吸気流速Uを次式(2)より算出し、ステップS12でスロットル通過吸気量Qthを次式(3)より算出する(通過空気量算出手段)。
【0022】
U=f[X] ……… (2)
Qth=S×U ……… (3)
更にステップS14で今回の推定マニ圧Pm(n)を次式(4)より算出すると共に、推定マニ圧Pm(n)を前回値Pm(n-1)とする。
Pm(n)=Pm(n-1)+(Qth−Qe)/Vm ……… (4)
ここに、Vmは吸気管容積、Qeは筒内に吸入される推定吸気量であり、後述するステップS22で求められる。
【0023】
その後、ステップS16で推定マニ圧Pm(n)が大気圧P0に0.98を乗算した値以上か否かを判定し、NO(否定)のときにはステップS20に移行する。又、判定がYES(肯定)のときにはステップS18で推定マニ圧Pm(n)を大気圧P0に0.98を乗算した値とした後、ステップS20に移行する。
ステップS20では上記圧力比Xを次式(5)より算出し、続くステップS22では上記筒内吸入推定吸気量Qeを次式(6)より算出する(燃焼室吸気量算出手段)。
【0024】
X=Pm(n)/P0 ……… (5)
Qe=K[Ne]×Pm(n)×Vc ……… (6)
ここに、K[Ne]は体積効率係数、Vcは気筒容積である。更にステップS24で推定マニ圧Pm(n)に対して所定の遅れをもった遅れ推定マニ圧Psaを次式(7)より算出した後、ルーチンを終了する。
【0025】
Psa=K×Psa+(1−K)×Pm(n) ……… (7)
ここに、Kは遅れ補正係数である。
一方、ECU21は図3に示す噴射量設定ルーチンをクランク角センサ27からSGT信号が入力されるタイミング(BTDC5°CA)で実行する。まず、ステップS32で1ストローク間のマニ圧平均値Psave(=Sp/C)を求め、マニ圧Psの積算値Spをクリアすると共に、平均化カウンタCをクリアする。
【0026】
続くステップS34で1ストローク間の遅れ推定マニ圧平均値Psave’を次式(8)より算出すると共に、遅れ推定マニ圧Psaを前回値Psaoldとする。
Psave’=(Psa+Psaold)/2 ……… (8)
更にステップS36で推定マニ圧偏差dPを次式(9)より算出する。
dP=Pm(n)−Pm(n-1) ……… (9)
続くステップS38では、スロットル開度制御で設定されている目標スロットル開度TPSobjと実スロットル開度TPSとの差ΔTPSが正側の所定値ΔTPS0以上か否かを判定する。判定がNOのときにはステップS40で予測ゲインKgainを1.0に設定した後、ステップS44に移行する。又、例えば加速初期のようにアクセル操作に伴って目標スロットル開度TPSobjが急増すると、差ΔTPSが正側に急増してステップS38の判定がYESとなり、この場合のECU21はステップS40で予測ゲインKgainを2.0に設定した後、ステップS44に移行する。
【0027】
ステップS44では2ストローク間の圧力変化量ΔPを次式(10)より算出し、続くステップS46でセンサ応答遅れ量ΔPsを次式(11)より算出する。
ΔP=Kgain×dP(n)×2・Tsgt/5 ……… (10)
ΔPs=Pm(n)−Psave’ ……… (11)
ここに、Tsgtは1ストローク分の所要時間である。
【0028】
更にステップS48で推定マニ圧Pm(n)が所定値Pm0以上か否かを判定し、NOのときにはステップS50で補正後マニ圧P(n)を次式(12)より算出する(吸気相関量予測手段)。
P(n)=Psave+ΔP+ΔPs ……… (12)
又、ステップS48の判定がYESのときには、ステップS52で補正後マニ圧P(n)としてマニ圧平均値Psaveを設定する。その後、ステップS54で燃料噴射量Qinjを次式(13)より算出した後、ルーチンを終了する。
【0029】
Qinj=Kinj×K(Ne)×P(n) ……… (13)
ここに、Kinjは補正後マニ圧P(n)を燃料量に変換するための係数である。
以上のECU21の制御により、補正後マニ圧Pm(n)は以下のようにして予測される。
図4はスロットルバルブ6が急激に開操作されたときの各実測値及び推定値の変化状況を示すタイムチャートであり、横軸に示す機関の1ストローク毎にECU21により噴射量設定ルーチンが実行される一方、各ストローク間に複数回のマニ圧推定ルーチンが実行されている。
【0030】
マニ圧センサ26により検出されるマニ圧Psは機関のストロークに同期して変動しながらスロットル開度TPSと共に急増し、当該マニ圧Psを平滑化した仮想線上において、機関の吸気遅れに相当する2ストローク後の値(図中の補正後マニ圧P(n)に相当)を求めて、その値を燃料噴射量Qinjの設定に適用することが理想となる。
【0031】
これに対してマニ圧Psを平滑化するためのフィルタ処理として、5msec毎のマニ圧Psの積算値Spに基づいて1ストローク毎にマニ圧平均値Psaveが算出されるが、このときのマニ圧平均値Psaveは必然的にマニ圧Psに対して所定の遅れをもって追従することになる。
一方、スロットルバルブ6の有効開口面積Sから求めたスロットル通過吸気量Qth等に基づき、5msec毎に推定マニ圧Pm(n)が算出され、推定マニ圧Pm(n)に対して上記センサ遅れ特性を模擬した遅れを有する遅れ推定マニ圧Psaが算出され、この遅れ推定マニ圧Psaに基づき、1ストローク毎に遅れ推定マニ圧平均値Psave’が算出される。そして、5msec間の推定マニ圧偏差dPから2ストローク分に相当する圧力変化量ΔPが算出されると共に、センサ遅れに相当するセンサ応答遅れ量ΔPsが算出され、マニ圧平均値Psaveを基準として圧力変化量ΔP及びセンサ応答遅れ量ΔPsだけ経過後の値を補正後マニ圧P(n)として予測し、燃料噴射量Qinjの設定に適用する。
【0032】
つまり、スロットル開度TPSから求めた応答性の高い推定マニ圧Pm(n)に基づく2ストローク分の圧力変化量ΔPのみならず、センサ遅れに相当するセンサ応答遅れ量ΔPsも考慮して補正後マニ圧P(n)の予測処理が行われ、過渡運転時における燃料噴射制御の応答性向上が図られる。
そして、本実施形態では、スロットルバルブ6の基本開口面積S0をスロットル前後の圧力比Pm(n)/P0で補正し、得られた有効開口面積Sに基づいてスロットル通過吸気量Qthを算出している。即ち、図5の試験結果に示すように、スロットル開度TPSに対する有効開口面積Sの特性はスロットル前後差圧の影響を受け、例えばセンサ出力電圧1.2Vの同一スロットル開度であっても、前後差圧が100mmHgと500mmHgとでは有効開口面積Sがかなり相違する。本発明者の研究によると、この現象は、スロットルバルブ6のエッジ部で吸気の剥離により乱流が形成されて、有効開口面積S0に影響を及ぼすためと推測される。
【0033】
そして、このときの乱流はスロットルバルブ6を通過する吸気流速Uに応じて発生し、吸気流速Uはスロットル前後の圧力比Pm(n)/P0と相関することから、圧力比Pm(n)/P0を用いて実質的な有効開口面積Sを求めている。よって、有効開口面積Sに基づいて常に正確なスロットル通過吸気量Qthを算出でき、ひいては、補正後マニ圧P(n)を正確に予測して適切な燃料噴射量Qinjを設定できる。よって、不適切な燃料量に起因する加速不良等の不具合を未然に回避して、極めて良好なドライバビリティを実現することができる。
【0034】
一方、ステップS16で推定マニ圧Pm(n)が大気圧P0に0.98を乗算した値以上のときには、推定マニ圧Pm(n)を大気圧P0に0.98を乗算した値に制限し、この処理にも拘わらずステップS48で推定マニ圧Pm(n)が所定値Pm0以上と判定される場合には、ステップS50で補正後マニ圧P(n)を予測することなく、ステップS52で補正後マニ圧P(n)としてマニ圧平均値Psaveを設定している。
【0035】
即ち、このように推定マニ圧Pm(n)が大気圧付近のときには、圧力比Pm(n)/P0に基づいて算出されるスロットル通過吸気量QthがECU21のデジタル誤差の影響を受けてハンチングし易くなり、結果としてスロットル通過吸気量Qthを利用した補正後マニ圧P(n)の予測精度が大幅に低下する。そこで、このような場合には補正後マニ圧P(n)としてマニ圧平均値Psaveを設定することで、ハンチングに起因する補正後マニ圧P(n)の著しい誤差を抑制しており、これにより燃料噴射量Qinjを一層適切に制御することができる。
【0036】
一方、ステップS38で目標スロットル開度TPSobjと実スロットル開度TPSとの差ΔTPSが正側の所定値ΔTPS0以上のときには、ステップS40で予測ゲインKgainを2.0に増加補正しているため、続くステップS46では2ストローク分の圧力変化量ΔPとしてより大きな値が算出される。即ち、ステップS38の判定は加速初期等を想定したものであり、このような状況ではアクセル操作量の増加に伴って実スロットル開度TPSが急増しているため、スロットル開度TPSを読み込んだ時点(図2のステップS2)から補正後マニ圧P(n)を予測した時点(図3のステップS50)までの間にスロットル開度TPSが大きく変化する。これは補正後マニ圧P(n)の予測遅れの要因となり得るが、上記のように圧力変化量ΔPを増加補正することで、スロットル開度TPSの急増に追従した予測処理が可能となり、もって、補正後マニ圧P(n)の予測遅れを未然に防止して、より一層適切な燃料噴射制御を実現することができる。
【0037】
又、加速初期の実スロットル開度TPSの増加状況に比較して、減速時のスロットル開度TPSは緩やかに低下することから、比較的小さな予測ゲインKgainでも十分に補正後マニ圧P(n)の予測処理を追従させることができる上に、必要以上に大きな予測ゲインKgainを適用すると、却って予測精度を低下させる虞もある。減速時には通常の予測ゲインKgain=1.0を適用するため、結果として加減速に関わらず常に適切な予測ゲインKgainを適用して、適切な補正後マニ圧P(n)の予測処理を実現することができる。
【0038】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、マニ圧Psに基づいて燃料噴射を制御するスピードデンシィティ方式のエンジン1用の吸気量算出装置に具体化したが、エアフローセンサで検出した吸気量に基づいて燃料噴射を制御するエンジンに適用してもよい。この場合でも、有効開口面積Sから求めたスロットル通過吸気量Qthを利用して、吸気相関量としての吸気量を正確に予測することができる。
【0039】
又、上記実施形態では、補正後マニ圧P(n)を燃料噴射制御に利用したが、その用途はこれに限らず、例えば点火時期制御に利用してもよい。この場合には、適切な点火時期制御により過渡運転時のノックを抑制して、良好なトルク特性を実現することができる。
更に、上記実施形態では、スロットル通過吸気量Qthを補正後マニ圧P(n)の予測処理に利用したが、有効開口面積Sから求めたスロットル通過吸気量Qthは乱流の影響を受けない正確な吸気量であるため、例えばスロットル開度TPSの代替として補正後マニ圧P(n)の予測以外の種々の制御に利用することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明のエンジンの吸気量算出装置によれば、スロットルのエッジ部に発生する乱流の影響を考慮した有効開口面積に基づいて、スロットルを通過する吸気量を高い精度で算出することができる。
請求項2の発明のエンジンの吸気量算出装置によれば、スロットルのエッジ部に発生する乱流の影響を考慮した有効開口面積に基づいて、スロットルを通過する吸気量を高い精度で算出でき、ひいては算出した吸気量を利用して所定行程数後の吸気相関量を正確に予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のエンジンの吸気量算出装置を示す全体構成図である。
【図2】ECUが実行するマニ圧推定ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】ECUが実行する噴射量設定ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】スロットル開操作時の各実測値及び推定値の変化状況を示すタイムチャートである。
【図5】スロットル開口面積に対する前後差圧の影響を試験した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン
6 スロットルバルブ
21 ECU(開口面積算出手段、有効面積算出手段、通過空気量算出手段、燃焼室空気量算出手段、吸気相関量予測手段)
24 スロットルセンサ(スロットル開度検出手段)
25 大気圧センサ(前後圧検出手段)
26 マニ圧センサ(前後圧検出手段、吸気相関量検出手段)
TPS スロットル開度
Ps マニ圧(吸気相関量)
Pm(n) 推定マニ圧(吸気相関量)
P(n) 補正後マニ圧(吸気相関量)
ΔP 圧力変化量
S0 基本開口面積
S 有効開口面積
X 圧力比(前後圧力)
Qth スロットル通過吸気量
Qe 筒内吸入推定吸気量

Claims (2)

  1. エンジンの吸気管に配置されたスロットルの開度を検出若しくは推定するスロットル開度検出手段と
    記スロットル開度検出手段の出力からスロットル開口面積を算出する開口面積算出手段と、
    上記スロットル開度検出手段の出力に基づき上記スロットル下流側の吸気圧を推定する吸気圧推定手段と、
    大気圧を検出若しくは推定する大気圧検出手段と、
    上記吸気圧推定手段の出力と上記大気圧検出手段の出力とに応じて上記スロットル開口面積を補正して、スロットル有効開口面積を算出する有効開口面積算出手段と、
    上記吸気圧推定手段の出力と上記大気圧検出手段の出力とに基づき吸気流速を算出し、該吸気流速と上記有効開口面積算出手段の算出結果とに基づいてスロットルを通過する吸気量を算出する通過吸気量算出手段と
    を備えたことを特徴とするエンジンの吸気量算出装置。
  2. 上記スロットルからの吸気状態と相関する吸気相関量を検出若しくは推定する吸気相関量検出手段と、
    上記吸気相関量検出手段の出力を平滑化する平滑化手段と、
    上記吸気圧推定手段が推定した吸気圧の所定期間の変化量に基づき、上記平滑化手段の出力を基準とした所定行程数後の吸気相関量を予測する吸気相関量予測手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1記載のエンジンの吸気量算出装置。
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