JP4025097B2 - 露光装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光装置に係り、特に、走査露光によって記録媒体上に画像を形成する露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、外周面に感光材料(記録媒体)が装着されたドラムを主走査方向に回転させると共に、上記感光材料に記録すべき画像の画像データに応じて変調されたレーザビームを上記主走査方向と直交する副走査方向に走査させることで、2次元画像を上記感光材料に記録するようにした露光記録装置が用いられている。
【0003】
この種の露光記録装置において、解像度を低くして画像を記録するためには、感光材料表面におけるレーザビームのスポット径を拡大すると共に、副走査方向に対する記録ピッチを大きくするか、又はスポット径の大きさ及び記録ピッチは変更せずに、同一の画像データからなる画素を解像度を低くした分だけ繰り返し記録する方法が採られていた。一方、解像度を高くして画像を記録する場合は、これと逆の方法が採られていた。
【0004】
しかしながら、このようにしてレーザビームのスポット径を拡大、ないし縮小するためには、駆動機構を用いて光学系のレンズ等を駆動する必要があることから、装置が大型化すると共に、コストが上昇する、という問題点があった。また、同一の画像データからなる画素を解像度を低くした分だけ繰り返し記録することで解像度を低くする場合には、副走査方向に対する記録ピッチが一定であるため、記録速度を向上できない、という問題点があった。
【0005】
そこで、これらの問題点を解消するために、本発明の出願人による特開2000−284206号公報に記載の技術では、光源から射出された光を複数に分割し、集光光学系による記録媒体上での集光点を、当該記録媒体の副走査方向に対して複数生成する複数集光点生成手段と、解像度に応じて副走査方向の記録間隔を制御する副走査制御手段と、を備えておき、光源から射出された光を集光光学系を介して記録媒体上に集光させて画像を記録する際に、記録画像の解像度に応じて、複数集光点生成手段により副走査方向に分割して生成される集光点の数を制御することでビームスポットの大きさを調整すると共に、副走査方向のビームスポットの記録間隔を調整することにより、解像度に応じた画像を効率的に記録することを可能としていた。
【0006】
なお、この技術では、上記複数集光点生成手段として、一軸性結晶により構成された偏光光学素子、又は偏角プリズムを適用していた。
【0007】
しかしながら、上記特開2000−284206号公報に記載の技術において複数集光点生成手段として一軸性結晶により構成された偏光光学素子を適用した場合には、一軸性結晶は高価であるため高コストとなってしまう、という問題点があった。
【0008】
また、同公報に記載の技術において複数集光点生成手段として偏角プリズムを適用した場合には、記録画像の画質が悪くなる場合がある、という問題点があった。
【0009】
すなわち、同公報に記載の技術において複数集光点生成手段として偏角プリズムを適用した場合には、偏角プリズムで分割され集光レンズで集光されたレーザビームの焦点位置から光軸方向(深度方向)前後にずれた位置におけるレーザビームのボケ方が光軸方向に対して非対称となる。
【0010】
これは、偏角プリズムにより分割した光を各々焦点位置の分割方向における異なる位置に集光レンズによって集光しているため、焦点位置から光の入射側を見たときには分割された光が互いに離れていく状態となり、焦点位置から光の出射側を見たときには分割された光が接近して交差した後に離れていく状態となって生じる現象であり、この現象によって深度方向に対する記録媒体の配置位置の許容範囲が少なくなり、当該配置位置の深度方向へのずれが僅かであっても、記録媒体への記録画像の画質が悪化する場合があるのである。
【0011】
そこで、これらの問題点を解消するために、本発明の出願人による特願2001−310537号に記載の技術では、走査露光によって記録媒体上に画像を形成する露光装置であって、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、当該光源から射出された光ビームを上記記録媒体上に集光する集光光学系と、有する露光装置に、1本の光ビームを2つに分割する単位表面形状を有する屈折部材が対単位でアレイ状に並ぶように構成したアレイ屈折素子を、上記光ビームの分割方向が上記光源から射出された光ビームのブロードエリア方向と略平行となるように配置していた。
【0012】
これにより、アレイ屈折素子のアレイ対により2つに分割された光ビームは、各々アレイ対の数分の光で構成される。従って、アレイ対の数の集光ビームで1つの集光スポットを構成するので、分割された光ビームを集光レンズによって焦点位置で2つずつ集光スポットをずらして重ね合わせた場合、焦点位置から光ビームの入射側を見たときと、焦点位置から光ビームの出射側を見たときとで、各光ビームのボケ方が光軸方向に対して対称となり、この結果として記録画像の画質を向上することができる。
【0013】
また、このアレイ屈折素子は、光ビームを2つに分割することができるものであれば如何なる材質の材料でも構成することができるので、光ビームを偏光方向に応じて分離する場合に必要となる一軸性結晶を必ずしも用いる必要がなく、低コストに構成することができる。
【0014】
ところで、記録速度の向上を目的として、複数の光源から射出された各レーザビームを各々光ファイバーで単一の露光ヘッドに案内すると共に、当該露光ヘッドにおいて各光ファイバーにおけるレーザビームの出射口端部を副走査方向に並べて配置しておき、上記複数の光源から射出された複数のレーザビームによる露光を同時に行う露光記録装置がある。
【0015】
この種の露光記録装置に対して、前述の特開2000−284206号公報に記載の技術を適用した場合、1つのレーザビームを複数に分割して露光することができるため、記録速度の更なる向上が可能となる。
【0016】
しかしながら、このような光ファイバーを用いた露光記録装置では、光ファイバーに加えられる外力変位(振動変位、圧力変位、ねじれ変位、温度変位等)によって光ファイバーから出射されるレーザビームの偏光方向が時々刻々と変化する場合があり、この場合には複数に分割されたレーザビームの光量が競合してしまい、集光スポットが不安定な形状となってしまうため、記録画像の画質が劣化する、という問題点があった。
【0017】
そこで、この問題点を解消するために、本発明の出願人による特願2001−201407号に記載の技術では、光を射出する光源と、当該光源から射出された光を記録媒体上に集光する集光光学系と、上記光を偏光方向が互いに直交する2つの光に分離する偏光分離素子と、を備えた露光装置に、上記光源と上記偏光分離素子との間に、当該偏光分離素子により分離される光ビームの偏光方向に対して結晶光軸が45度を含む所定範囲の角度で傾斜するように複数の1/2波長板を上記光ビームの全入射領域において各々所定間隔毎に配置して構成した偏光方向制御素子を配置していた。
【0018】
なお、上記結晶光軸は「光学軸」とも呼ばれているものであるが、本明細書では、「結晶光軸」と統一して記載する。更に、上記45度を含む所定範囲の角度は、理想的には45度であるが、当該偏光方向制御素子の製造上許容される範囲内の角度、当該偏光方向制御素子が適用される装置において許容される範囲内の角度等の各種許容範囲内の角度を意味するものである。
【0019】
ここで、図28を参照して、本技術の原理について簡単に説明する。なお、ここでは、本技術の偏光方向制御素子を、1/2波長板と、透過する光の偏光方向に大きな影響を与えない透明平行板と、を組み合わせて構成した場合について説明する。同図に示すように、偏光分離素子により分離する光の偏光方向を(x,y)としたとき、偏光方向制御素子における1/2波長板の結晶光軸の方向が(x,y)に対して45度傾斜される方向となるように偏光方向制御素子を配置するものとする。なお、このときの1/2波長板における結晶光軸の座標系を(X,Y)とする。また、ここでは、偏光方向制御素子における透明平行板と1/2波長板の光透過率の差がないか、無視できるほど小さいことを前提として、1/2波長板に入射する光の光量と、入射しない光の光量との比が1:1となるように光量分配される位置に偏光方向制御素子を配置するものとする。
【0020】
偏光方向制御素子に入射される光の電界ベクトルαをα=(a,b)として、1/2波長板に入射する光を考えた場合、(x,y)座標系を45度回転させるための行列をA、Y座標の光を1/2波長位相を遅らせる行列をB、−45度回転させて元の(x,y)座標系に戻す行列をCとすると、それぞれは次のように表わされる。
【0021】
【数1】
Figure 0004025097
【0022】
従って、1/2波長板を通過した後の光の電界ベクトルβは次のように表わされる。
【0023】
【数2】
Figure 0004025097
【0024】
αとβは、光量分配として1:1に配分されるように設定されていることから、それぞれの光量Iα、Iβは次のように表わされる。
【0025】
【数3】
Figure 0004025097
【0026】
従って、それぞれの光を足し合わせたときの光量Iは次のようになる。
【0027】
【数4】
Figure 0004025097
【0028】
この結果は、1/2波長板を通過した光と、通過しなかった光とを足し合わせた場合、偏光分離素子でxとyの各偏光方向に分離された光は、等光量で分離されることを示している。
【0029】
なお、ここで偏光方向制御素子に設けた透明平行板は必ずしも必要なものではなく、入射された光の偏光方向に大きな影響を与えない他の部材(例えば、ND(Neutral Density)フィルタ)を透明平行板に代えて適用することもでき、これらの部材を設けずに、何もない素通しの状態とすることもできる。
【0030】
以上の原理に基づき、特願2001−201407号に記載の技術における偏光方向制御素子は、光を偏光方向が互いに直交する2つの光に分離する偏光分離素子の上記光の光軸方向上流側に設けられる偏光方向制御素子であって、上記偏光分離素子の光軸方向上流側に設けられた際に、上記光の一部が透過されると共に、上記偏光分離素子により分離される光の偏光方向に対して結晶光軸が45度を含む所定範囲の角度で傾斜するように1/2波長板を配置して構成しているので、偏光分離素子と組み合わせて用いた場合に当該偏光分離素子により光を等光量で分離することが可能となり、偏光分離素子を用いた露光記録装置における記録画像の画質を向上することができる。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特願2001−310537号の技術では、アレイ屈折素子における光ビームの分割部分において回折光が発生するため、この影響によって光ビームの記録媒体上における集光スポットの形状が悪くなり、この結果として記録媒体上に形成される画像の品質が悪化する、という問題点があった。
【0032】
また、上記特願2001−201407号の技術でも、偏光方向制御素子を構成する1/2波長板のエッジ部において回折光が発生するため、この影響によって光ビームの記録媒体上における集光スポットの形状が悪くなり、この結果として記録媒体上に形成される画像の品質が悪化する、という問題点があった。
【0033】
ここで、上記回折光の発生メカニズムについて説明する。なお、ここでは、光ビームを分割するための屈折部材対を複数周期的に並べた場合の回折光について説明する。
【0034】
この場合、複数対の屈折部材で光ビームは2方向に屈折されるので、このうちの一方向に出射される光ビームだけを考えると、屈折部材を透過する光ビームは図29に示すような周期的な開口格子を通過した場合と同様の特性を示す。
【0035】
従って、この周期開口格子を光が通過したときの回折式を解けばよいことになる。一様な光が周期開口格子に入射した場合の回折光の強度分布I(p)は次の(1)式で示される。また、n次回折光の回折角度pn(rad)は次の(2)式で示される。
【0036】
【数5】
Figure 0004025097
【0037】
【数6】
Figure 0004025097
【0038】
ただし、Nは周期開口格子(屈折部材)の数、kは光の波数、dは周期開口格子(屈折部材)の幅(mm)、sは開口幅(mm)、pは回折角度(rad)、nは回折光の次数、λは入射光の波長(mm)である。
【0039】
ここで、一例として、次の条件について解いた場合のグラフを図30に示す。なお、同図における横軸は回折角度pで、縦軸は光強度I(p)である。
【0040】
(条件)
周期開口格子の幅d=3(mm)、開口幅s=1.5(mm)、光の波長λ=0.83(μm)
また、このときの一次回折光の回折角度p1は次のようになる。
【0041】
p1=2.8×10-4(rad)
図30に示されるように、この場合の一次回折光の光強度Iは0次光に対して約40%もの大きさとなっており、他の次数の回折光に比較して集光スポットへの影響が著しく大きいことがわかる。従って、集光スポットと一次回折光との間のずれ量が大きい場合には、記録媒体上に形成される画像の品質が著しく悪化することになる。
【0042】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、記録媒体上に形成される画像の品質を向上することができる露光装置を提供することを目的とする。
【0043】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の露光装置は、走査露光によって記録媒体上に画像を形成する露光装置であり、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、前記光源と前記記録媒体との間に配置されると共に前記光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと前記記録媒体との間に配置されると共に前記光ビームを前記記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、1本の光ビームを2つに分割する単位表面形状を有する屈折部材が対単位でアレイ状に並ぶように構成すると共に、前記光ビームの分割方向が前記光源から射出された光ビームのブロードエリア方向と略平行となるように前記第1レンズと前記第2レンズとの間に配置されたアレイ屈折素子と、を備えた露光装置であって、前記第2レンズの焦点距離fと前記光ビームの波長λとの乗算値f×λを前記屈折部材における前記光ビームの分割領域の分割方向に対する幅dで除算して得られる値(f×λ)/dが後述する所定値以下となるように前記焦点距離f、前記波長λ、及び前記幅dを決定したことを特徴とする。
【0044】
ここで、図面を参照して、本発明の原理について説明する。図25には、ブロードな発光面を有する光源から射出された光ビームを前述の周期開口格子(図29も参照)を通した後に焦点距離がfとされた集光レンズで再結像した場合の概略図が示されている。この場合、同図に示すように、光ビームの集光スポットと一次回折光の各々の中心位置のずれ量はp1×fで表される。
【0045】
一次回折光の回折角度p1は上記(2)式から次の(3)式で表される。
【0046】
【数7】
Figure 0004025097
【0047】
従って、集光スポットと一次回折光の各々の中心位置のずれ量は次の(4)式で表される。
【0048】
【数8】
Figure 0004025097
【0049】
このずれ量が大きい場合には、一例として図26(A)に示されるように一次回折光の視認性が大きいため、記録媒体上に形成される画像の品質が著しく劣化することになり、逆に当該ずれ量が小さい場合には、一例として図26(B)に示されるように一次回折光の視認性が小さいため、上記ずれ量が大きい場合に比較して記録媒体上に形成される画像の品質を向上することができる。
【0050】
従って、集光スポットと一次回折光とのずれ量を小さくすることが画質の面では好ましいが、このためには(4)式の右辺で表される値が小さくなるように、焦点距離f、波長λ、及び周期開口格子の幅dを決定すればよい。なお、ここでいう周期開口格子の幅dは、本発明の屈折部材における光ビームの分割領域の分割方向に対する幅dに相当するものである。
【0051】
以上のような原理に基づき、請求項1に記載の露光装置によれば、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源から射出された光ビームが、集光光学系により、第1レンズによって略平行光束とされた後、第2レンズによって記録媒体上に集光される際に、1本の光ビームを2つに分割する単位表面形状を有する屈折部材が対単位でアレイ状に並ぶように構成されると共に光ビームの分割方向が光源から射出された光ビームのブロードエリア方向と略平行となるように上記第1レンズと上記第2レンズとの間に配置されたアレイ屈折素子によって当該光ビームのブロードエリア方向、すなわち副走査方向に分割される。なお、上記光源には、各種半導体レーザが含まれる。また、上記第1レンズには、各種コリメータレンズが、上記第2レンズには各種集光レンズが、各々含まれる。
【0052】
ここで、請求項1に記載の発明では、上記第2レンズの焦点距離fと上記光ビームの波長λとの乗算値f×λを、アレイ屈折素子を構成する屈折部材における光ビームの分割領域の分割方向に対する幅dで除算して得られる値(f×λ)/dが後述する所定値以下となるように焦点距離f、波長λ、及び幅dが決定される。
【0053】
このように、請求項1に記載の露光装置によれば、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、当該光源と記録媒体との間に配置されると共に当該光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと記録媒体との間に配置されると共に上記光ビームを記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、1本の光ビームを2つに分割する単位表面形状を有する屈折部材が対単位でアレイ状に並ぶように構成すると共に、光ビームの分割方向が光源から射出された光ビームのブロードエリア方向と略平行となるように第1レンズと第2レンズとの間に配置されたアレイ屈折素子と、を備えると共に、上記第2レンズの焦点距離fと上記光ビームの波長λとの乗算値f×λを上記屈折部材における光ビームの分割領域の分割方向に対する幅dで除算して得られる値(f×λ)/dが後述する所定値以下となるように焦点距離f、波長λ、及び幅dを決定しているので、上記光ビームの集光スポットと一次回折光との間のずれ量を小さくすることができ、この結果として記録媒体上に形成される画像の品質を向上することができる。
【0054】
一方、上記目的を達成するために、請求項2記載の露光装置は、走査露光によって記録媒体上に画像を形成する露光装置であり、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、前記光源と前記記録媒体との間に配置されると共に前記光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと前記記録媒体との間に配置されると共に前記光ビームを前記記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、1本の光ビームを2つに分割する単位表面形状を有する屈折部材が対単位でアレイ状に並ぶように構成すると共に、前記光ビームの分割方向が前記光源から射出された光ビームのブロードエリア方向と略平行となるように前記第2レンズと前記記録媒体との間に配置されたアレイ屈折素子と、を備えた露光装置であって、前記アレイ屈折素子と前記記録媒体との間の距離Rと前記光ビームの波長λとの乗算値R×λを前記屈折部材における前記光ビームの分割領域の分割方向に対する幅dで除算して得られる値(R×λ)/dが後述する所定値以下となるように前記距離R、前記波長λ、及び前記幅dを決定したことを特徴とする。
【0055】
すなわち、請求項2に記載の露光装置は、請求項1記載の露光装置と略同様の構成とされており、アレイ屈折素子が第2レンズと記録媒体との間に配置されている点のみが請求項1に記載の発明と異なっている。
【0056】
この場合、一次回折光の回折角度p1は(3)式と同様であるが、集光スポットと一次回折光の各々の中心位置のずれ量は次の(5)式で表される。
【0057】
【数9】
Figure 0004025097
【0058】
従って、集光スポットと一次回折光とのずれ量を小さくするためには、(5)式の右辺で表される値が小さくなるように、距離R、波長λ、及び幅dを決定すればよいことになり、請求項2に記載の露光装置では、距離Rと波長λとの乗算値R×λを幅dで除算して得られる値(R×λ)/dが後述する所定値以下となるように距離R、波長λ、及び幅dが決定される。
【0059】
なお、本発明の光源には各種半導体レーザが、本発明の第1レンズには各種コリメータレンズが、本発明の第2レンズには各種集光レンズが、各々含まれる。
【0060】
このように、請求項2に記載の露光装置によれば、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、当該光源と記録媒体との間に配置されると共に当該光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと記録媒体との間に配置されると共に上記光ビームを記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、1本の光ビームを2つに分割する単位表面形状を有する屈折部材が対単位でアレイ状に並ぶように構成すると共に、光ビームの分割方向が光源から射出された光ビームのブロードエリア方向と略平行となるように第2レンズと記録媒体との間に配置されたアレイ屈折素子と、を備えると共に、アレイ屈折素子と記録媒体との間の距離Rと上記光ビームの波長λとの乗算値R×λを上記屈折部材における光ビームの分割領域の分割方向に対する幅dで除算して得られる値(R×λ)/dが後述する所定値以下となるように距離R、波長λ、及び幅dを決定しているので、上記光ビームの集光スポットと一次回折光との間のずれ量を小さくすることができ、この結果として記録媒体上に形成される画像の品質を向上することができる。
【0061】
ところで、本発明の発明者による実験により、集光スポットと一次回折光のずれ量が、一例として図27に示される集光スポットの半値半幅を超えると一次回折光の集光スポットに対する影響が大きくなり、画質的にも問題となることが見出された。
【0062】
そこで、請求項1又は請求項2記載の発明における上記所定値は、前記光ビームの前記記録媒体上での集光スポットの半値半幅としている
【0063】
これによって、一次回折光の影響による画質の劣化を確実に防止することができる。
【0064】
なお、集光スポットと一次回折光のずれの画質に対する影響は、記録媒体上に形成される画像の解像度等によってもある程度左右されるし、要求される画質も一定とは限らないので、上記所定値は上記半値半幅とすることに限らず、当該半値半幅の近傍の値(例えば、当該半値半幅の±10%の値)とすることもできる。
【0065】
一方、上記目的を達成するために、請求項3記載の露光装置は、走査露光によって記録媒体上に画像を形成する露光装置であり、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、前記光源と前記記録媒体との間に配置されると共に前記光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと前記記録媒体との間に配置されると共に前記光ビームを前記記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、1本の光ビームを2つに分割する単位表面形状を有する屈折部材が対単位でアレイ状に並ぶように構成すると共に、前記光ビームの分割方向が前記光源から射出された光ビームのブロードエリア方向と略平行となるように前記光源と前記第1レンズとの間に配置されたアレイ屈折素子と、を備えた露光装置であって、前記光源と前記アレイ屈折素子との間の距離Sと前記光ビームの波長λとの乗算値S×λを前記屈折部材における前記光ビームの分割領域の分割方向に対する幅dで除算して得られる値(S×λ)/dが後述する所定値以下となるように前記距離S、前記波長λ、及び前記幅dを決定したことを特徴とする。
【0066】
すなわち、請求項3に記載の露光装置は、請求項1記載の露光装置と略同様の構成とされており、アレイ屈折素子が光源と第1レンズとの間に配置されている点のみが請求項1に記載の発明と異なっている。
【0067】
この場合、一次回折光の回折角度p1は(3)式と同様であるが、集光スポットと一次回折光の各々の中心位置のずれ量は次の(6)式で表される。
【0068】
【数10】
Figure 0004025097
【0069】
従って、集光スポットと一次回折光とのずれ量を小さくするためには、(6)式の右辺で表される値が小さくなるように、距離S、波長λ、及び幅dを決定すればよいことになり、請求項3に記載の露光装置では、距離Sと波長λとの乗算値S×λを幅dで除算して得られる値(S×λ)/dが後述する所定値以下となるように距離S、波長λ、及び幅dが決定される。
【0070】
なお、本発明の光源には各種半導体レーザが、本発明の第1レンズには各種コリメータレンズが、本発明の第2レンズには各種集光レンズが、各々含まれる。
【0071】
このように、請求項3に記載の露光装置によれば、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、当該光源と記録媒体との間に配置されると共に当該光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと記録媒体との間に配置されると共に上記光ビームを記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、1本の光ビームを2つに分割する単位表面形状を有する屈折部材が対単位でアレイ状に並ぶように構成すると共に、光ビームの分割方向が光源から射出された光ビームのブロードエリア方向と略平行となるように光源と第1レンズとの間に配置されたアレイ屈折素子と、を備えると共に、光源とアレイ屈折素子との間の距離Sと上記光ビームの波長λとの乗算値S×λを上記屈折部材における光ビームの分割領域の分割方向に対する幅dで除算して得られる値(S×λ)/dが後述する所定値以下となるように距離S、波長λ、及び幅dを決定しているので、上記光ビームの集光スポットと一次回折光との間のずれ量を小さくすることができ、この結果として記録媒体上に形成される画像の品質を向上することができる。
【0072】
ところで、本発明の発明者による実験により、集光スポットと一次回折光のずれ量が、光ビームの出射位置での半値半幅を超えると一次回折光の集光スポットに対する影響が大きくなり、画質的にも問題となることが見出された。
【0073】
そこで、請求項3記載の発明における上記所定値は、前記光ビームの出射位置での半値半幅としている
【0074】
これによって、一次回折光の影響による画質の劣化を確実に防止することができる。
【0075】
なお、集光スポットと一次回折光のずれの画質に対する影響は、記録媒体上に形成される画像の解像度等によってもある程度左右されるし、要求される画質も一定とは限らないので、上記所定値は上記半値半幅とすることに限らず、当該半値半幅の近傍の値(例えば、当該半値半幅の±10%の値)とすることもできる。
【0076】
なお、請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の露光装置は、走査露光によって前記記録媒体上に形成される画像の解像度を示す解像度情報を入力する入力手段と、前記解像度情報によって示される解像度が予め定められた第1解像度である場合に前記アレイ屈折素子が前記光源から射出された光ビームの光軸上から退避され、前記解像度情報によって示される解像度が前記第1解像度より低い第2解像度である場合に前記アレイ屈折素子が前記光軸上に位置されるように当該アレイ屈折素子を移動させる移動手段と、を更に備えることが好ましい。
【0077】
これにより、走査露光によって記録媒体上に形成される画像の解像度を示す解像度情報が入力手段によって入力され、当該解像度情報によって示される解像度が予め定められた第1解像度である場合に本発明のアレイ屈折素子が光源から射出された光ビームの光軸上から退避され、解像度情報によって示される解像度が第1解像度より低い第2解像度である場合にアレイ屈折素子が上記光軸上に位置されるように当該アレイ屈折素子が移動手段によって移動される。
【0078】
従って、このように、走査露光によって記録媒体上に形成される画像の解像度を示す解像度情報を入力し、当該解像度情報によって示される解像度が予め定められた第1解像度である場合にアレイ屈折素子が光源から射出された光ビームの光軸上から退避され、当該解像度情報によって示される解像度が第1解像度より低い第2解像度である場合にアレイ屈折素子が上記光軸上に位置されるように当該アレイ屈折素子を移動しているので、解像度情報を入力するのみによって、記録媒体に画像を記録する際の解像度を容易に変更することができる。
【0079】
更に、請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の露光装置は、前記光源を前記光ビームの分割方向に沿って複数配置し、各光源から射出された光ビームを各々アレイ屈折素子によって分割して記録媒体に導くように構成すれば、記録画像の画質を向上できるばかりでなく、画像を高速に記録することができる。
【0080】
一方、上記目的を達成するために、請求項4記載の露光装置は、走査露光によって記録媒体上に画像を形成する露光装置であり、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、前記光源と前記記録媒体との間に配置されると共に前記光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと前記記録媒体との間に配置されると共に前記光ビームを前記記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、前記第1レンズと前記第2レンズとの間に配置されると共に前記光ビームを偏光方向が互いに直交する2つの光に分離する偏光分離素子と、前記偏光分離素子により分離される光ビームの偏光方向に対して結晶光軸が45度を含む所定範囲の角度で傾斜するように複数の1/2波長板を前記光ビームの全入射領域において各々所定間隔cを1周期として配置して構成すると共に前記第1レンズと前記偏光分離素子との間に配置された偏光方向制御素子と、を備えた露光装置であって、前記第2レンズの焦点距離fと前記光ビームの波長λとの乗算値f×λを前記所定間隔cで除算して得られる値(f×λ)/cが後述する所定値以下となるように前記焦点距離f、前記波長λ、及び前記所定間隔cを決定したことを特徴とする。
【0081】
請求項4に記載の露光装置によれば、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源から射出された光ビームが、集光光学系により、第1レンズによって略平行光束とされた後、第2レンズによって記録媒体上に集光される際に、偏光分離素子によって偏光方向が互いに直交する2つの光に分離される。なお、本発明の光源には各種半導体レーザが、本発明の第1レンズには各種コリメータレンズが、本発明の第2レンズには各種集光レンズが、各々含まれる。また、上記偏光分離素子には、ローションプリズム(Rochon Prism)、ウォラストンプリズム(Wollaston Prism)等の各種プリズムが含まれる。
【0082】
ここで、請求項4に記載の発明では、上記偏光分離素子により分離される光ビームの偏光方向に対して結晶光軸が45度を含む所定範囲の角度で傾斜するように複数の1/2波長板を、上記光ビームの全入射領域において各々所定間隔cを1周期として配置して構成した偏光方向制御素子が、上記第1レンズと上記偏光分離素子との間に配置される。
【0083】
このように構成することにより、請求項4に記載の露光装置では、偏光分離素子により光を等光量で分離することが可能となり、分離された光により記録媒体に画像を記録する際の当該画像の品質を向上することができる。
【0084】
このように構成された露光装置の場合、図29に示される周期開口格子の幅dが本発明の所定間隔cに相当するため、偏光方向制御素子において発生する一次回折光の回折角度p1は上記(2)式から次の(7)式で表される。
【0085】
【数11】
Figure 0004025097
【0086】
従って、集光スポットと一次回折光の各々の中心位置のずれ量は次の(8)式で表される。
【0087】
【数12】
Figure 0004025097
【0088】
従って、集光スポットと一次回折光とのずれ量を小さくするためには、(8)式の右辺で表される値が小さくなるように、焦点距離f、波長λ、及び所定間隔cを決定すればよいことになり、請求項4に記載の露光装置では、焦点距離fと波長λとの乗算値f×λを所定間隔cで除算して得られる値(f×λ)/cが後述する所定値以下となるように焦点距離f、波長λ、及び所定間隔cが決定される。
【0089】
このように、請求項4に記載の露光装置によれば、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、当該光源と記録媒体との間に配置されると共に当該光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと記録媒体との間に配置されると共に上記光ビームを記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、上記光ビームを偏光方向が互いに直交する2つの光に分離する偏光分離素子と、当該偏光分離素子により分離される光ビームの偏光方向に対して結晶光軸が45度を含む所定範囲の角度で傾斜するように複数の1/2波長板を、上記光ビームの全入射領域において各々所定間隔cを1周期として配置して構成した偏光方向制御素子と、を備えると共に、上記第2レンズの焦点距離fと上記光ビームの波長λとの乗算値f×λを上記所定間隔cで除算して得られる値(f×λ)/cが後述する所定値以下となるように焦点距離f、波長λ、及び所定間隔cを決定しているので、上記光ビームの集光スポットと一次回折光との間のずれ量を小さくすることができ、この結果として記録媒体上に形成される画像の品質を向上することができる。
【0090】
一方、上記目的を達成するために、請求項5記載の露光装置は、走査露光によって記録媒体上に画像を形成する露光装置であり、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、前記光源と前記記録媒体との間に配置されると共に前記光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと前記記録媒体との間に配置されると共に前記光ビームを前記記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、前記第2レンズと前記記録媒体との間に配置されると共に前記光ビームを偏光方向が互いに直交する2つの光に分離する偏光分離素子と、前記偏光分離素子により分離される光ビームの偏光方向に対して結晶光軸が45度を含む所定範囲の角度で傾斜するように複数の1/2波長板を前記光ビームの全入射領域において各々所定間隔cを1周期として配置して構成すると共に前記第2レンズと前記偏光分離素子との間に配置された偏光方向制御素子と、を備えた露光装置であって、前記偏光方向制御素子と前記記録媒体との間の距離Qと前記光ビームの波長λとの乗算値Q×λを前記所定間隔cで除算して得られる値(Q×λ)/cが後述する所定値以下となるように前記距離Q、前記波長λ、及び前記所定間隔cを決定したことを特徴とする。
【0091】
すなわち、請求項5に記載の露光装置は、請求項4記載の露光装置と略同様の構成とされており、偏光方向制御素子及び偏光分離素子が第2レンズと記録媒体との間に配置されている点のみが請求項4に記載の発明と異なっている。
【0092】
この場合、一次回折光の回折角度p1は(7)式と同様であるが、集光スポットと一次回折光の各々の中心位置のずれ量は次の(9)式で表される。
【0093】
【数13】
Figure 0004025097
【0094】
従って、集光スポットと一次回折光とのずれ量を小さくするためには、(9)式の右辺で表される値が小さくなるように、距離Q、波長λ、及び所定間隔cを決定すればよいことになり、請求項5に記載の露光装置では、距離Qと波長λとの乗算値Q×λを所定間隔cで除算して得られる値(Q×λ)/cが後述する所定値以下となるように距離Q、波長λ、及び所定間隔cが決定される。
【0095】
なお、本発明の光源には各種半導体レーザが、本発明の第1レンズには各種コリメータレンズが、本発明の第2レンズには各種集光レンズが、各々含まれる。また、上記偏光分離素子には、ローションプリズム、ウォラストンプリズム等の各種プリズムが含まれる。
【0096】
このように、請求項5に記載の露光装置によれば、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、当該光源と記録媒体との間に配置されると共に当該光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと記録媒体との間に配置されると共に上記光ビームを記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、上記光ビームを偏光方向が互いに直交する2つの光に分離する偏光分離素子と、当該偏光分離素子により分離される光ビームの偏光方向に対して結晶光軸が45度を含む所定範囲の角度で傾斜するように複数の1/2波長板を、上記光ビームの全入射領域において各々所定間隔cを1周期として配置して構成した偏光方向制御素子と、を備えると共に、偏光方向制御素子と記録媒体との間の距離Qと上記光ビームの波長λとの乗算値Q×λを上記所定間隔cで除算して得られる値(Q×λ)/cが後述する所定値以下となるように距離Q、波長λ、及び所定間隔cを決定しているので、上記光ビームの集光スポットと一次回折光との間のずれ量を小さくすることができ、この結果として記録媒体上に形成される画像の品質を向上することができる。
【0097】
なお、前述のように、本発明の発明者による実験により、集光スポットと一次回折光のずれ量が集光スポットの半値半幅を超えると一次回折光の集光スポットに対する影響が大きくなり、画質的にも問題となることが見出されているので、請求項4又は請求項5記載の発明における上記所定値は、前記光ビームの前記記録媒体上での集光スポットの半値半幅としている
【0098】
これによって、一次回折光の影響による画質の劣化を確実に防止することができる。
【0099】
なお、この場合にも、集光スポットと一次回折光のずれの画質に対する影響は、記録媒体上に形成される画像の解像度等によってもある程度左右されるし、要求される画質も一定とは限らないので、上記所定値は上記半値半幅とすることに限らず、当該半値半幅の近傍の値(例えば、当該半値半幅の±10%の値)とすることもできる。
【0100】
一方、上記目的を達成するために、請求項6記載の露光装置は、走査露光によって記録媒体上に画像を形成する露光装置であり、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、前記光源と前記記録媒体との間に配置されると共に前記光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと前記記録媒体との間に配置されると共に前記光ビームを前記記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、前記光源と前記第1レンズとの間に配置されると共に前記光ビームを偏光方向が互いに直交する2つの光に分離する偏光分離素子と、前記偏光分離素子により分離される光ビームの偏光方向に対して結晶光軸が45度を含む所定範囲の角度で傾斜するように複数の1/2波長板を前記光ビームの全入射領域において各々所定間隔cを1周期として配置して構成すると共に前記光源と前記偏光分離素子との間に配置された偏光方向制御素子と、を備えた露光装置であって、前記光源と前記偏光方向制御素子との間の距離Tと前記光ビームの波長λとの乗算値T×λを前記所定間隔cで除算して得られる値(T×λ)/cが後述する所定値以下となるように前記距離T、前記波長λ、及び前記所定間隔cを決定したことを特徴とする。
【0101】
すなわち、請求項6に記載の露光装置は、請求項4記載の露光装置と略同様の構成とされており、偏光方向制御素子及び偏光分離素子が光源と第1レンズとの間に配置されている点のみが請求項4に記載の発明と異なっている。
【0102】
この場合、一次回折光の回折角度p1は(7)式と同様であるが、集光スポットと一次回折光の各々の中心位置のずれ量は次の(10)式で表される。
【0103】
【数14】
Figure 0004025097
【0104】
従って、集光スポットと一次回折光とのずれ量を小さくするためには、(10)式の右辺で表される値が小さくなるように、距離T、波長λ、及び所定間隔cを決定すればよいことになり、請求項6に記載の露光装置では、距離Tと波長λとの乗算値T×λを、所定間隔cで除算して得られる値(T×λ)/cが後述する所定値以下となるように距離T、波長λ、及び所定間隔cが決定される。
【0105】
なお、本発明の光源には各種半導体レーザが、本発明の第1レンズには各種コリメータレンズが、本発明の第2レンズには各種集光レンズが、各々含まれる。また、上記偏光分離素子には、ローションプリズム、ウォラストンプリズム等の各種プリズムが含まれる。
【0106】
このように、請求項6に記載の露光装置によれば、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、当該光源と記録媒体との間に配置されると共に当該光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと記録媒体との間に配置されると共に上記光ビームを記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、上記光ビームを偏光方向が互いに直交する2つの光に分離する偏光分離素子と、当該偏光分離素子により分離される光ビームの偏光方向に対して結晶光軸が45度を含む所定範囲の角度で傾斜するように複数の1/2波長板を上記光ビームの全入射領域において各々所定間隔cを1周期として配置して構成した偏光方向制御素子と、を備えると共に、上記光源と上記偏光方向制御素子との間の距離Tと上記光ビームの波長λとの乗算値T×λを上記所定間隔cで除算して得られる値(T×λ)/cが後述する所定値以下となるように距離T、波長λ、及び所定間隔cを決定しているので、上記光ビームの集光スポットと一次回折光との間のずれ量を小さくすることができ、この結果として記録媒体上に形成される画像の品質を向上することができる。
【0107】
なお、前述のように、本発明の発明者による実験により、集光スポットと一次回折光のずれ量が、光ビームの出射位置での半値半幅を超えると一次回折光の集光スポットに対する影響が大きくなり、画質的にも問題となることが見出されているので、請求項6記載の発明における上記所定値は、前記光ビームの出射位置での半値半幅としている
【0108】
これによって、一次回折光の影響による画質の劣化を確実に防止することができる。
【0109】
なお、この場合も、集光スポットと一次回折光のずれの画質に対する影響は、記録媒体上に形成される画像の解像度等によってもある程度左右されるし、要求される画質も一定とは限らないので、上記所定値は上記半値半幅とすることに限らず、当該半値半幅の近傍の値(例えば、当該半値半幅の±10%の値)とすることもできる。
【0110】
また、請求項4乃至請求項6の何れか1項記載の露光装置は、走査露光によって前記記録媒体上に形成される画像の解像度を示す解像度情報を入力する入力手段と、前記解像度情報によって示される解像度が予め定められた第1解像度である場合に前記偏光分離素子が前記光源から射出された光ビームの光軸上から退避され、前記解像度情報によって示される解像度が前記第1解像度より低い第2解像度である場合に前記偏光分離素子が前記光軸上に位置されるように当該偏光分離素子を移動させる移動手段と、を更に備えることが好ましい。
【0111】
これにより、走査露光によって記録媒体上に形成される画像の解像度を示す解像度情報が入力手段によって入力され、当該解像度情報によって示される解像度が予め定められた第1解像度である場合に本発明の偏光分離素子が光源から射出された光ビームの光軸上から退避され、解像度情報によって示される解像度が第1解像度より低い第2解像度である場合に偏光分離素子が上記光軸上に位置されるように当該偏光分離素子が移動手段によって移動される。
【0112】
従って、このように、走査露光によって記録媒体上に形成される画像の解像度を示す解像度情報を入力し、当該解像度情報によって示される解像度が予め定められた第1解像度である場合に偏光分離素子が光源から射出された光ビームの光軸上から退避され、当該解像度情報によって示される解像度が第1解像度より低い第2解像度である場合に偏光分離素子が上記光軸上に位置されるように当該偏光分離素子を移動しているので、解像度情報を入力するのみによって、記録媒体に画像を記録する際の解像度を容易に変更することができる。
【0113】
更に、請求項4乃至請求項6の何れか1項記載の露光装置は、前記光源を前記偏光分離素子による前記光ビームの分離方向に沿って複数配置し、各光源から射出された光ビームを各々偏光分離素子によって分離して記録媒体に導くように構成すれば、記録画像の画質を向上できるばかりでなく、画像を高速に記録することができる。
【0114】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下では、本発明の露光装置をレーザ記録装置に適用した場合について説明する。
【0115】
〔第1実施形態〕
まず、図1を参照して、本第1実施形態に係るレーザ記録装置10Aの構成について説明する。同図に示すように、本第1実施形態に係るレーザ記録装置10Aは、各々レーザビームを射出する3以上の奇数個(本実施の形態では、15個)の半導体レーザLDと、各半導体レーザLDから射出された各レーザビームを集光する露光ヘッド12と、画像が記録される記録フィルムFが装着されかつ当該記録フィルムFが主走査方向に移動するように回転駆動されるドラム14と、ボールネジ18を回転駆動させることによってボールネジ18上に配置された露光ヘッド12を上記主走査方向に直交する方向である副走査方向に移動させる副走査モータ16と、を含んで構成されている。なお、本実施の形態では、半導体レーザLDとして、図11(A)に示される強度分布からなる光ファイバーカップルド半導体レーザを適用している。
【0116】
一方、露光ヘッド12には、上記複数個の半導体レーザLDから導波された各レーザビームを取り纏めて出射する横多モードのファイバーアレイ部30が備えられており、各半導体レーザLDから射出されたレーザビームは、各々横多モードの光ファイバー20によってファイバーアレイ部30まで案内される。なお、本実施の形態では、レーザビームを高出力とするために、コア径の比較的大きな多モード光ファイバーを光ファイバー20として用いている。
【0117】
図2には、ファイバーアレイ部30の図1矢印B方向に見た場合の構成が示されている。同図に示すように、本実施の形態に係るファイバーアレイ部30には、対向する面に複数のV字溝が副走査方向に沿って隣接するように設けられた一対の基台30Aが備えられると共に、各V字溝に対して光ファイバー20が1本ずつ嵌め込まれて構成されている。従って、ファイバーアレイ部30からは、各半導体レーザLDから射出された複数のレーザビームLが、主走査方向に2列で、かつ副走査方向に沿った所定間隔毎に出射されることになる。
【0118】
なお、光源として各半導体レーザLDは一方向についてブロードバンドエリアで発光するものを用いてもよい。このときには、各半導体レーザLDから射出されたレーザビームLのブロードバンドエリア方向が副走査方向に一致するように配置する。
【0119】
また、図1に示すように、露光ヘッド12には、ファイバーアレイ部30側より、ファイバーアレイ部30から射出されたレーザビームLを略平行光束とするコリメータレンズ32、アレイ屈折素子36、及びレーザビームLを記録フィルムF上に集光する集光レンズ38が順に配列されている。
【0120】
更に、露光ヘッド12には、回転軸が図1矢印A方向に回転することにより、アレイ屈折素子36をレーザビームLの光路上に挿抜することができる素子移動モータ40が備えられている。
【0121】
本実施の形態に係るアレイ屈折素子36は、図3に示すように、各々入射されたレーザビームLを2つに分割する単位表面形状とされた凹レンズ状の偏角プリズム36A及び偏角プリズム36Bを、各々のレーザビームLの分割方向が一致し、かつ各々分割方向に沿うように直線状に一対配置して構成したものであり、レーザビームLの分割方向が副走査方向に一致し、かつコリメータレンズ32によるファーフィールドパターンができる位置に挿抜可能なように素子移動モータ40によって位置決めされる。
【0122】
図4(A)にはアレイ屈折素子36をレーザビームLの光路上に位置させない場合に記録フィルムF上に形成される集光スポットの状態が、図4(B)にはアレイ屈折素子36をレーザビームLの光路上に位置させた場合に記録フィルムF上に形成される集光スポットの状態が、各々示されている。
【0123】
図4(A)に示すように、アレイ屈折素子36をレーザビームLの光路上に位置させない場合には、各光ファイバー20から出射されたレーザビームLは各々分割されることなく記録フィルムF上に集光スポットを形成するが、アレイ屈折素子36をレーザビームLの光路上に位置させた場合には、図4(B)に示すように、各レーザビームLが副走査方向に沿って2つに分割されることになり、記録フィルムF上には各レーザビームL毎に2つの集光スポットを形成することになる。
【0124】
すなわち、本実施の形態に係るレーザ記録装置10Aでは、アレイ屈折素子36をレーザビームLの光路上に位置させるか否かを選択的に切り替えることによって、記録フィルムFに記録する画像を所定解像度とするか、当該所定解像度より高い解像度とするかを切り替えるようにしている。
【0125】
なお、本実施の形態では、図4(A)に示すように、アレイ屈折素子36をレーザビームLの光路上に位置させない場合の、すなわち、高解像度側で画像形成を行う場合の副走査方向に隣接する集光スポットの間隔を4・εとし、当該副走査方向に隣接する集光スポット間の副走査方向の中心位置に他列の集光スポットが形成されるように関係各部が構成されている。これにより、1回の主走査で走査線ピッチ間隔が2・εの画像を記録フィルムF上に記録することができる。
【0126】
また、図4(B)に示すように、本実施の形態では、アレイ屈折素子36により分離された2つのレーザビームに対応する記録フィルムF上の集光スポットのずらし量がεとなるように関係各部が設定されている。
【0127】
ところで、本実施の形態に係るレーザ記録装置10Aは、図5に示される集光レンズ38の焦点距離fとレーザビームLの波長λとの乗算値f×λを、アレイ屈折素子36を構成する屈折部材(偏角プリズム36A及び偏角プリズム36B)におけるレーザビームLの分割領域の分割方向に対する幅dで除算して得られる値(f×λ)/dが所定値(本実施の形態では、レーザビームLの記録フィルムF上での集光スポットの光強度の半値半幅(図27も参照))以下となるように焦点距離f、波長λ、及び幅dを決定している。
【0128】
なお、幅dはアレイ屈折素子を構成する屈折部材におけるレーザビームLの分割領域の分割方向に対する幅であるが、図5に示されるアレイ屈折素子の場合、屈折部材が一対しか存在せず、屈折部材の上記幅dが明確でないため、便宜上、各屈折部材の凹部頂点間の幅として決定している。
【0129】
本実施の形態では、レーザビームLの波長λと集光レンズ38の焦点距離fをレーザ記録装置10Aの製造コスト、寸法等の設計条件に応じて予め決定しておき、上記(f×λ)/dが集光スポットの光強度の半値半幅以下となるように幅dを決定してアレイ屈折素子36を作製するようにしているが、これに限らず、例えば、アレイ屈折素子36を製造コスト等の製造上の条件に応じて幅dを予め決定して作製し、上記(f×λ)/dが上記半値半幅以下となるようにレーザビームLの波長λと集光レンズ38の焦点距離fの少なくとも一方を決定する形態とすることもできる。
【0130】
次に、図6を参照して、本実施の形態に係るレーザ記録装置10Aの制御系の構成について説明する。同図に示すように、当該制御系は、画像データに応じて半導体レーザLDを駆動するLD駆動回路54と、素子移動モータ40を駆動する素子移動モータ駆動回路56と、副走査モータ16を駆動する副走査モータ駆動回路58と、LD駆動回路54、素子移動モータ駆動回路56及び副走査モータ駆動回路58を制御する制御回路52と、を備えている。ここで、制御回路52には、記録フィルムFに記録する画像を示す画像データ、及び画像記録の解像度を示す解像度データが供給される。
【0131】
アレイ屈折素子36が本発明のアレイ屈折素子に、半導体レーザLDが本発明の光源に、コリメータレンズ32が本発明の第1レンズに、集光レンズ38が本発明の第2レンズに、素子移動モータ40が「課題を解決するための手段」に記載の移動手段に、記録フィルムFが本発明の記録媒体に、各々相当する。
【0132】
次に、以上のように構成されたレーザ記録装置10Aの作用について、図7に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0133】
まず、作業者は、レーザ記録装置10Aに対して記録する画像の解像度Sを示す解像度データを入力する(ステップ100)。この解像度データ、及び記録すべき画像の画像データは制御回路52に供給され、制御回路52は、これらのデータに基づいて調整された信号をLD駆動回路54、素子移動モータ駆動回路56及び副走査モータ駆動回路58に供給する。なお、本実施の形態では、上記解像度SとしてK0(dpi)と2・K0(dpi)の2種類の解像度で画像を記録できるものとして以下の説明を行う。
【0134】
作業者によって入力された解像度が2・K0(dpi)である場合(ステップ102で肯定判定された場合)、素子移動モータ駆動回路56は素子移動モータ40を駆動し、アレイ屈折素子36がレーザビームLの光路上に位置しないようにアレイ屈折素子36を移動させる(ステップ104)。また、この場合、副走査モータ駆動回路58は副走査モータ16による露光ヘッド12の副走査方向に対する送り間隔Wを次のように設定する(ステップ106)。
【0135】
【数15】
Figure 0004025097
【0136】
但し、Nは半導体レーザLDの数(本実施の形態では‘15’)である。
【0137】
すなわち、解像度が2・K0(dpi)である場合、アレイ屈折素子36をレーザビームLの光路上から外すことによって、レーザビームLを副走査方向に分割しないようにしており、これによってレーザビームLを分割する場合の2倍の解像度を実現している。
【0138】
上述のようにアレイ屈折素子36の移動及び副走査方向に対する送り間隔の設定が終了すると、LD駆動回路54は、画像データに基づき、記録濃度に合わせて設定されたデータに応じた発光量となるように各半導体レーザLDの駆動を制御する(ステップ108)。
【0139】
各半導体レーザLDから射出されたレーザビームLは、コリメータレンズ32によって略平行光束とされた後、集光レンズ38を介してドラム14の記録フィルムFに集光される。
【0140】
この場合、記録フィルムF上には、各々図11(A)に示す強度分布からなるビームスポットS1〜S15(図8(A))が形成される。このビームスポットS1〜S15は、図8(A)に示すように、露光ヘッド12が副走査方向に送り間隔Wのピッチで送られると共に、ドラム14が主走査方向に回転されることにより、解像度が2・K0(dpi)となる2次元画像が記録フィルムF上に形成される(ステップ110)。
【0141】
次に、解像度が2・K0(dpi)からK0(dpi)に変更された場合(ステップ102で否定判定された場合)について説明する。この場合、素子移動モータ駆動回路56は素子移動モータ40を駆動し、アレイ屈折素子36がレーザビームLの光路上に位置するようにアレイ屈折素子36を移動させる(ステップ112)。また、この場合、副走査モータ駆動回路58は副走査モータ16による露光ヘッド12の副走査方向に対する送り間隔W’を次のように設定する(ステップ114)。
【0142】
【数16】
Figure 0004025097
【0143】
すなわち、解像度がK0(dpi)である場合、アレイ屈折素子36をレーザビームLの光路上に位置させることによって、アレイ屈折素子36に入射されたレーザビームLを副走査方向に複数(本実施の形態では‘2’)のレーザビームに分割するようにしており、これによってレーザビームLを分割しない場合の2分の1の解像度を実現している。
【0144】
上述のようにアレイ屈折素子36の移動及び副走査方向に対する送り間隔の設定が終了すると、LD駆動回路54は、画像データに基づき、記録濃度に合わせて設定されたデータに応じた発光量となるように各半導体レーザLDの駆動を制御する(ステップ116)。
【0145】
各半導体レーザLDから射出されたレーザビームLは、コリメータレンズ32によって略平行光束とされた後、アレイ屈折素子36に供給され、各レーザビームL毎に副走査方向に4つに分割(ビームシェアリング)される。そして、この4分割されたレーザビームは、集光レンズ38を介してドラム14の記録フィルムFに、各レーザビーム毎に2つに分割された状態で集光される。
【0146】
すなわち、図9(A)に示すように、各レーザビームLの光軸上のレーザビームLが略平行光束となる位置で、かつファーフィールドパターンのできる位置近傍にアレイ屈折素子36を配置した場合、図9(B)に示すように、各レーザビームLはアレイ屈折素子36によって一旦4つに分割され、図9(A)に示すように、アレイ屈折素子36により4つに分割された各レーザビームが集光レンズ38で集光されることによって、被走査面上で副走査方向に2つずつ重ね合わされ、結果的に2つに分割された状態になる。
【0147】
このとき、アレイ対の数の集光ビームで1つの集光スポットを構成するので、焦点位置からレーザビームの入射側を見たときと、焦点位置からレーザビームの出射側を見たときとで、各レーザビームのボケ方が光軸方向に対して対称となり、この結果としてレーザ記録装置10Aにおける記録画像の画質を向上することができる。
【0148】
この場合、記録フィルムF上には、図11(B)に示す2つの強度分布、すなわち2つに分割されたレーザビームの各強度分布が副走査方向に合成された状態の強度分布からなるビームスポットS1’〜S15’(図8(B))が形成される。
【0149】
このビームスポットS1’〜S15’は、図8(B)に示すように、露光ヘッド12が副走査方向に送り間隔W’のピッチで送られると共に、ドラム14が主走査方向に回転されることにより、解像度がK0(dpi)となる2次元画像が記録フィルムF上に形成される(ステップ110)。
【0150】
このように、記録画像の解像度を2・K0(dpi)からK0(dpi)に変更した場合、アレイ屈折素子36をレーザビームLの光路上に挿入するだけでビームスポットS1〜S15をビームスポットS1’〜S15’に容易に拡大することができ、しかも、副走査速度が高速化されるので、高速で画像記録を行うことが可能となる。
【0151】
同様にして、解像度をK0(dpi)から2・K0(dpi)に変更することができる。
【0152】
上記ステップ100の処理が「課題を解決するための手段」に記載の入力手段に相当する。
【0153】
以上詳細に説明したように、本第1実施形態に係るレーザ記録装置10Aでは、集光レンズ38の焦点距離fとレーザビームLの波長λとの乗算値f×λをアレイ屈折素子を構成する屈折部材におけるレーザビームLの分割領域の分割方向に対する幅dで除算して得られる値(f×λ)/dが所定値以下となるように焦点距離f、波長λ、及び幅dを決定しているので、レーザビームLの集光スポットと一次回折光との間のずれ量を小さくすることができ、この結果として記録フィルムF上に形成される画像の品質を向上することができる。
【0154】
また、本第1実施形態に係るレーザ記録装置10Aでは、上記所定値としてレーザビームLの記録フィルムF上での集光スポットの半値半幅としているので、一次回折光の影響による画質の劣化を確実に防止することができる。
【0155】
なお、本実施の形態では、アレイ屈折素子36として、各々凹レンズ状の偏角プリズム36A及び偏角プリズム36Bを配置して構成したものを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1本の光ビームを2つに分割する単位表面形状を有する屈折部材が対単位でアレイ状に並ぶような形状とされているものであれば、如何なるものも適用することができる。
【0156】
図10には、本実施の形態で示したアレイ屈折素子36以外の形状とされたアレイ屈折素子の形態例(平面図)が示されている。図10(A)に示したアレイ屈折素子は、レーザビームの出射側に対して凸形状となる単位表面形状を、副走査方向に沿った直線状に一対形成して構成したものである。また、図10(B)に示したアレイ屈折素子は、レーザビームの入射側に対してレーザビームの光軸方向に平行となるように形成された面と、当該面のレーザビーム入射側の一端部からレーザビームの光軸方向に対して傾斜するように形成された面と、の各面の組み合わせとされた単位表面形状を、副走査方向に沿った直線状に一対形成して構成したものである。更に、図10(C)に示したアレイ屈折素子は、レーザビームの出射側に対してレーザビームの光軸方向に平行となるように形成された面と、当該面のレーザビーム入射側の一端部からレーザビームの光軸方向に対して傾斜するように形成された面と、の各面の組み合わせとされた単位表面形状を、副走査方向に沿った直線状に一対形成して構成したものである。なお、図10(B)に示されるアレイ屈折素子では、上記単位表面形状がレーザビーム入射側に対して凸形状とされており、図10(C)に示されるアレイ屈折素子では、上記単位表面形状がレーザビーム出射側に対して凹形状とされている。
【0157】
図10(A)及び図10(B)に示すアレイ屈折素子では2つの凸部の頂点間の距離が、図10(C)に示すアレイ屈折素子では2つの凹部の頂点間の距離が、各々本発明の幅dに相当することになる。
【0158】
また、本実施の形態に係るアレイ屈折素子36と同様の形状となるように一体形成されたアレイ屈折素子も適用することができることは言うまでもない。
【0159】
これらのアレイ屈折素子を適用した場合も、本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0160】
更に、本実施の形態では、上記所定値としてレーザビームLの記録フィルムF上での集光スポットの半値半幅を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、集光スポットと一次回折光のずれの画質に対する影響は、記録フィルムF上に形成される画像の解像度等によってもある程度左右されるし、要求される画質も一定とは限らないので、上記所定値として上記半値半幅の近傍の値(例えば、当該半値半幅の±10%の値)を適用することもできる。この場合も、本実施の形態とほぼ同様の効果を奏することができる。
【0161】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、本発明のアレイ屈折素子を光が略平行光束となる部位に配設し、入射光を互いに異なる角度に分割して出射するものとした場合の形態について説明したが、本第2実施形態では、アレイ屈折素子を光が収束する部位に配設し、入射光を互いに略平行となるように分割して出射するものとした場合の形態について説明する。
【0162】
まず、図12を参照して、第2実施形態に係るレーザ記録装置10Bの構成について説明する。なお、同図における図1に示されるレーザ記録装置10Aと同一の構成要素には図1と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0163】
同図に示すように、本第2実施形態に係るレーザ記録装置10Bは、アレイ屈折素子36に代えてアレイ屈折素子36’を用いている点と、アレイ屈折素子36’を集光レンズ38と記録フィルムFとの間のレーザビームLの収束する部位に配設した点のみが、上記第1実施形態に係るレーザ記録装置10Aと相違している。
【0164】
本第2実施形態に係るアレイ屈折素子36’は、図13(B)に示すように、各々入射されたレーザビームLを2つに分割し、かつ分割された2つのレーザビームを互いに略平行となるように出射する単位表面形状を有する屈折部材を、各々のレーザビームLの分割方向が一致し、かつ各々当該分割方向に沿うように直線状に一対形成して構成したものであり、レーザビームLの分割方向が副走査方向に一致するように素子移動モータ40によって位置決めされる。
【0165】
また、本実施の形態に係るレーザ記録装置10Bは、図14に示されるアレイ屈折素子36’と記録フィルムFとの間の距離RとレーザビームLの波長λとの乗算値R×λを、アレイ屈折素子36’を構成する屈折部材におけるレーザビームLの分割領域の分割方向に対する幅dで除算して得られる値(R×λ)/dが所定値(本実施の形態では、レーザビームLの記録フィルムF上での集光スポットの光強度の半値半幅(図27も参照))以下となるように距離R、波長λ、及び幅dを決定している。
【0166】
なお、幅dはアレイ屈折素子を構成する屈折部材におけるレーザビームLの分割領域の分割方向に対する幅であるが、図14に示されるアレイ屈折素子の場合、屈折部材が一対しか存在せず、各屈折部材の上記幅dが明確でないため、便宜上、各屈折部材のレーザビーム入射面における凹部頂点間の幅として決定している。
【0167】
本実施の形態では、波長λと距離Rをレーザ記録装置10Bの製造コスト、寸法等の設計条件に応じて予め決定しておき、上記(R×λ)/dが集光スポットの光強度の半値半幅以下となるように幅dを決定してアレイ屈折素子36’を作製するようにしているが、これに限らず、例えば、アレイ屈折素子36’を製造コスト等の製造上の条件に応じて幅dを予め決定して作製し、上記(R×λ)/dが上記半値半幅以下となるように波長λと距離Rの少なくとも一方を決定する形態とすることもできる。
【0168】
解像度をK0(dpi)に設定した場合において、各半導体レーザLDから射出されたレーザビームLは、コリメータレンズ32によって略平行光束とされた後、図13(A)に示すように集光レンズ38に供給されて集光される。
【0169】
集光レンズ38によって集光されたレーザビームLは、各々アレイ屈折素子36’に供給され、図13(B)に示すように各レーザビームL毎に副走査方向に4つに分割(ビームシェアリング)されると共に、アレイ屈折素子36’の単位表面形状に対応する一対の部位の各々から、分割された2つのレーザビームが互いに平行となるように出射される。そして、この4分割されたレーザビームは、ドラム14に設けられた記録フィルムFの被走査面上で副走査方向に2つずつ重ね合わされ、結果的に各レーザビームL毎に2つに分割された状態で集光される。
【0170】
このとき、アレイ対の数の集光ビームで1つの集光スポットを構成するので、焦点位置からレーザビームの入射側を見たときと、焦点位置からレーザビームの出射側を見たときとで、各レーザビームのボケ方が光軸方向に対して対称となり、この結果としてレーザ記録装置10Bにおける記録画像の画質を向上することができる。
【0171】
この場合、記録フィルムF上には、図11(B)に示す2つの強度分布、すなわち2つに分割されたレーザビームの各強度分布が副走査方向に合成された状態の強度分布からなるビームスポットS1’〜S15’(図8(B))が形成される。
【0172】
このビームスポットS1’〜S15’は、図8(B)に示すように、露光ヘッド12が副走査方向に送り間隔W’のピッチで送られると共に、ドラム14が主走査方向に回転されることにより、解像度がK0(dpi)となる2次元画像が記録フィルムF上に形成される。
【0173】
一方、解像度が2・K0(dpi)の画像を形成する場合は、アレイ屈折素子36’をレーザビームLの光路上に位置しないように移動させ、図8(A)に示すビームスポットS1〜S15を得るように制御すればよい。
【0174】
以上詳細に説明したように、本第2実施形態に係るレーザ記録装置10Bでは、アレイ屈折素子36’と記録フィルムFとの間の距離RとレーザビームLの波長λとの乗算値R×λをアレイ屈折素子36’を構成する屈折部材におけるレーザビームLの分割領域の分割方向に対する幅dで除算して得られる値(R×λ)/dが所定値以下となるように距離R、波長λ、及び幅dを決定しているので、レーザビームLの集光スポットと一次回折光との間のずれ量を小さくすることができ、この結果として記録媒体上に形成される画像の品質を向上することができる。
【0175】
また、本第2実施形態に係るレーザ記録装置10Bでは、上記所定値としてレーザビームLの記録フィルムF上での集光スポットの半値半幅としているので、一次回折光の影響による画質の劣化を確実に防止することができる。
【0176】
一方、上記各実施形態に係るレーザ記録装置10A、10Bでは、アレイ屈折素子を、ファイバーアレイ部30と記録フィルムFとの間で、かつレーザビームの分割方向が当該レーザビームのブロードエリア方向と平行となるように配置しているので、当該レーザビームの焦点位置から光軸方向(深度方向)前後にずれた位置における当該レーザビームのボケ方が光軸方向に対して対称となるようにでき、この結果として記録画像の画質を向上することができると共に、アレイ屈折素子は、一軸性結晶を用いる場合に比較して低コストで構成することができるので、この結果として装置を低コストで構成することができる。
【0177】
また、上記各実施形態に係るレーザ記録装置10A、10Bでは、アレイ屈折素子を、レーザビームのファーフィールドパターンができる位置に配置しているので、各半導体レーザLDから射出されたレーザビームLの全てに対して、アレイ屈折素子を同様に作用させることができる。
【0178】
更に、上記各実施形態に係るレーザ記録装置10A、10Bでは、走査露光によって記録フィルムF上に形成される画像の解像度を示す解像度情報(上記各実施形態の「解像度データ」に相当。)を入力し、当該解像度情報によって示される解像度が予め定められた第1解像度(上記各実施形態では、2・K0(dpi))である場合にアレイ屈折素子が半導体レーザLDから射出されたレーザビームの光軸上から退避され、当該解像度情報によって示される解像度が第1解像度より低い第2解像度(上記各実施形態では、K0(dpi))である場合にアレイ屈折素子が上記光軸上に位置されるように当該アレイ屈折素子を移動しているので、解像度情報を入力するのみによって、記録フィルムFに画像を記録する際の解像度を容易に変更することができる。
【0179】
なお、上記第2実施形態では、アレイ屈折素子36’をレーザビームが集光する部位に配設した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、レーザビームが発散する部位、すなわち、ファイバーアレイ部30とコリメータレンズ32との間に配設する形態とすることもできる。
【0180】
図15には、この場合のレーザ記録装置の概略構成図(平面図)が示されている。この場合は、ファイバーアレイ部30のレーザビームLの出射位置とアレイ屈折素子36’との間の距離SとレーザビームLの波長λとの乗算値S×λを、アレイ屈折素子36’を構成する屈折部材におけるレーザビームLの分割領域の分割方向に対する幅dで除算して得られる値(S×λ)/dが所定値以下となるように距離S、波長λ、及び幅dを決定すればよい。
【0181】
このとき、上記所定値をレーザビームLの出射位置での光強度の半値半幅とすることにより、一次回折光の影響による画質の劣化を確実に防止することができる。
【0182】
また、この場合も、波長λと距離Sをレーザ記録装置の製造コスト、寸法等の設計条件に応じて予め決定しておき、上記(S×λ)/dがレーザビームLの出射位置での光強度の半値半幅以下となるように幅dを決定してアレイ屈折素子36’を作製する形態や、アレイ屈折素子36’を製造コスト等の製造上の条件に応じて幅dを予め決定して作製し、上記(S×λ)/dが上記半値半幅以下となるように波長λと距離Sの少なくとも一方を決定する形態等を適用することができる。
【0183】
この場合も、上記第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0184】
更に、本実施の形態では、上記所定値としてレーザビームLの記録フィルムF上での集光スポットの半値半幅を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、集光スポットと一次回折光のずれの画質に対する影響は、記録フィルムF上に形成される画像の解像度等によってもある程度左右されるし、要求される画質も一定とは限らないので、上記所定値として上記半値半幅の近傍の値(例えば、当該半値半幅の±10%の値)を適用することもできる。この場合も、本実施の形態とほぼ同様の効果を奏することができる。
【0185】
〔第3実施形態〕
まず、図16を参照して、第3実施形態に係るレーザ記録装置10Cの構成について説明する。なお、同図における図1に示されるレーザ記録装置10Aと同一の構成要素には図1と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0186】
同図に示すように、本第3実施形態に係るレーザ記録装置10Cは、アレイ屈折素子36に代えて偏光方向制御素子34及び偏光分離素子37を用いている点のみが、上記第1実施形態に係るレーザ記録装置10Aと相違している。
【0187】
本実施の形態に係る偏光分離素子37は、図17に示すように、結晶光軸が互いに直交する2つの一軸性結晶37A、37Bを張り合わせて構成した、レーザビームLを記録フィルムFの副走査方向に対して常光線及び異常光線に分離するローションプリズムであり、例えば、レーザビームLの入射側に配置される一軸性結晶37Aの結晶光軸がレーザビームLの光軸に平行に設定され、レーザビームLの出射側に配置される一軸性結晶37Bの結晶光軸がレーザビームLの光軸及び副走査方向と直交する方向に設定される。この場合、常光線は偏光分離素子37を直進し、異常光線は偏光分離素子37によって副走査方向に屈折される。
【0188】
なお、偏光分離素子37としては、一軸性結晶37Aの結晶光軸がレーザビームLの光軸に直交すると共に副走査方向に平行に設定され、一軸性結晶37Bの結晶光軸がレーザビームLの光軸及び副走査方向と直交する方向に設定されるウォラストンプリズムを適用してもよい。
【0189】
また、偏光分離素子37は、レーザビームLを必ずしも常光線と異常光線とに分離させる必要はなく、偏光方向の異なる2つの光に分離するものであればよい。
【0190】
一方、本実施の形態に係る偏光方向制御素子34は、図18(A)及び図18(B)に示すように、ガラス板34Bを基台とし、偏光分離素子37の光軸方向上流側に設けられた際に、レーザビームLの一部が透過されると共に、偏光分離素子37により分離される光の偏光方向に対して結晶光軸が略45度傾斜するように1/2波長板34Aを配置して構成したものである。また、ここでは、1/2波長板34A及びガラス板34Bの光が入射される領域の面積比が略1対1となるように、複数の1/2波長板34Aを、所定間隔D毎に各々の両端部(レーザビームLが通過しない部位)をガラス板34Bに接着して構成したものである。
【0191】
このように、本実施の形態に係る偏光方向制御素子34は、1/2波長板34AのレーザビームLが入射される領域と、当該1/2波長板34Aに入射されないレーザビームLの領域、すなわち、ガラス板34BのレーザビームLが入射される領域との面積比が略1対1となるように、複数の1/2波長板34AをレーザビームLの全入射領域において各々所定間隔D毎に配置して構成したものであるが、レーザ記録装置10Cの装置仕様等に基づいて、1/2波長板34A及びガラス板34BのレーザビームLが入射される領域の面積比が、偏光分離素子37によって得られる2つのレーザビームの各々の光量が略同一となるように構成するものとすることもできる。また、1/2波長板34Aを透過したレーザビームLと、透過しなかったレーザビームL(すなわち、ガラス板34Bのみを透過したレーザビームL)の光量が略同一となるように1/2波長板34Aの配置位置を調整して構成するものとすることもできる。なお、これらの偏光方向制御素子の構成は、図18に示されるものと略同一であるので、これらの偏光方向制御素子の他の図示は省略する。
【0192】
ここで、以上のように構成された偏光方向制御素子34を用いない場合と、偏光方向制御素子34を用いた場合の、偏光分離素子37によるレーザビームの分離状態について説明する。まず、図19を参照して、偏光方向制御素子34を用いない場合のレーザビームの分離状態について説明する。
【0193】
図19(A)に示すように、例えば、偏光がe1+e2のレーザビーム(偏光e1に対して45度傾斜した偏光のレーザビーム)が偏光分離素子37に入射した場合は、均等に2つの偏光e1及び偏光e2に分離される。
【0194】
一方、図19(B)に示すように、偏光e1のレーザビームが偏光分離素子37に入射した場合には、偏光e1のレーザビームしか偏光分離素子37から出射されない。従って、この場合は、均等に2つのレーザビームに分離することは困難である。
【0195】
次に、図20を参照して、偏光方向制御素子34を用いた場合のレーザビームの分離状態について説明する。
【0196】
図20(A)に示すように、偏光がe1+e2のレーザビーム(偏光e1に対して45度傾斜した偏光のレーザビーム)がガラス板34Bに入射した場合は、偏光方向が変化することなく透過し、このレーザビームが偏光分離素子37に入射して、均等に2つの偏光e1及び偏光e2に分離される。これに対し、偏光がe1+e2のレーザビームが1/2波長板34Aに入射した場合は、結晶光軸が偏光e1に対して45度傾斜しているため、偏光方向が変化することなく透過し、このレーザビームが偏光分離素子37に入射して、均等に2つの偏光e1及び偏光e2に分離される。
【0197】
一方、図20(B)に示すように、偏光e1のレーザビームがガラス板34Bに入射した場合は、偏光方向が変化することなく透過し、このレーザビームが偏光分離素子37に入射して、偏光e1のみのレーザビームを出射する。これに対し、偏光e1のレーザビームが1/2波長板34Aに入射した場合は、結晶光軸が偏光e1に対して45度傾斜しているため、偏光e1に直交する偏光e2となって出射され、このレーザビームが偏光分離素子37に入射して、偏光e2のみのレーザビームを出射する。従って、空間的には異なる位置となるが、総合的にみてレーザビームを均等に分割することができる。
【0198】
ところで、本実施の形態に係るレーザ記録装置10Cは、図16に示される集光レンズ38の焦点距離fとレーザビームLの波長λとの乗算値f×λを図18に示される間隔c(1/2波長板34Aの配置周期間隔)で除算して得られる値(f×λ)/cが所定値(本実施の形態では、レーザビームLの記録フィルムF上での集光スポットの光強度の半値半幅(図27も参照))以下となるように焦点距離f、波長λ、及び間隔cを決定している。
【0199】
本実施の形態では、レーザビームLの波長λと集光レンズ38の焦点距離fをレーザ記録装置10Cの製造コスト、寸法等の設計条件に応じて予め決定しておき、上記(f×λ)/cが集光スポットの光強度の半値半幅以下となるように間隔cを決定して偏光方向制御素子34を作製するようにしているが、これに限らず、例えば、偏光方向制御素子34を製造コスト等の製造上の条件に応じて間隔cを予め決定して作製し、上記(f×λ)/cが上記半値半幅以下となるようにレーザビームLの波長λと集光レンズ38の焦点距離fの少なくとも一方を決定する形態とすることもできる。
【0200】
なお、本実施の形態に係るレーザ記録装置10Cの制御系の構成は、上記第1実施形態に係るレーザ記録装置10Aと同様(図6参照)であるので、ここでの説明は省略する。
【0201】
次に、以上のように構成されたレーザ記録装置10Cの作用について、図21に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0202】
まず、作業者は、レーザ記録装置10Cに対して記録する画像の解像度を示す解像度データを入力する(ステップ200)。この解像度データ、及び記録すべき画像の画像データは制御回路52に供給され、制御回路52は、これらのデータに基づいて調整された信号をLD駆動回路54、素子移動モータ駆動回路56及び副走査モータ駆動回路58に供給する。なお、本実施の形態では、上記解像度としてR(dpi)と2・R(dpi)の2種類の解像度で画像を記録できるものとして以下の説明を行う。
【0203】
作業者によって入力された解像度が2・R(dpi)である場合(ステップ202で肯定判定された場合)、素子移動モータ駆動回路56は素子移動モータ40を駆動し、偏光分離素子37がレーザビームLの光路上に位置しないように偏光分離素子37を移動させる(ステップ204)。また、この場合、副走査モータ駆動回路58は副走査モータ16による露光ヘッド12の副走査方向に対する送り間隔Wを上記(11)式のように設定する(ステップ206)。
【0204】
すなわち、解像度が2・R(dpi)である場合、偏光分離素子37をレーザビームLの光路上から外すことによって、レーザビームLを副走査方向に2つのレーザビーム(常光線及び異常光線)に分離しないようにしており、これによってレーザビームLを分離する場合の2倍の解像度を実現している。
【0205】
上述のように偏光分離素子37の移動及び副走査方向に対する送り間隔の設定が終了すると、LD駆動回路54は、画像データに応じて各半導体レーザLDの駆動を制御する(ステップ208)。
【0206】
各半導体レーザLDから射出されたレーザビームLは、コリメータレンズ32によって略平行光束とされた後、偏光方向制御素子34に入射する。偏光方向制御素子34に入射したレーザビームLは、ガラス板34Bに入射したレーザビームについては偏光方向が変更されることなく出射される。また、1/2波長板34Aに入射したレーザビームについては、偏光方向が1/2波長板34Aの結晶光軸に一致する偏光は偏光方向が変更されることなく、偏光方向が上記結晶光軸に一致しない偏光は当該偏光方向と上記結晶光軸とのなす角度に応じた方向に偏光方向が変更されて出射される。
【0207】
そして、この偏光方向制御素子34から出射されたレーザビームLは、集光レンズ38を介してドラム14の記録フィルムFに集光される。
【0208】
この場合、記録フィルムF上には、各々図11(A)に示す強度分布からなるビームスポットS1〜S15(図8(A))が形成される。このビームスポットS1〜S15は、図8(A)に示すように、露光ヘッド12が副走査方向に送り間隔Wのピッチで送られると共に、ドラム14が主走査方向に回転されることにより、解像度が2・R(dpi)となる2次元画像が記録フィルムF上に形成される(ステップ210)。
【0209】
次に、解像度が2・R(dpi)からR(dpi)に変更された場合(ステップ202で否定判定された場合)について説明する。この場合、素子移動モータ駆動回路56は素子移動モータ40を駆動し、偏光分離素子37がレーザビームLの光路上に位置するように偏光分離素子37を移動させる(ステップ212)。また、この場合、副走査モータ駆動回路58は副走査モータ16による露光ヘッド12の副走査方向に対する送り間隔W’を上記(12)式のように設定する(ステップ214)。
【0210】
すなわち、解像度がR(dpi)である場合、偏光分離素子37をレーザビームLの光路上に位置させることによって、偏光分離素子37に入射されたレーザビームLを副走査方向に2つのレーザビーム(常光線及び異常光線)に分離するようにしており、これによってレーザビームLを分離しない場合の2分の1の解像度を実現している。
【0211】
上述のように偏光分離素子37の移動及び副走査方向に対する送り間隔の設定が終了すると、LD駆動回路54は、画像データに応じて各半導体レーザLDの駆動を制御する(ステップ208)。
【0212】
各半導体レーザLDから射出されたレーザビームLは、コリメータレンズ32によって略平行光束とされた後、偏光方向制御素子34に入射する。偏光方向制御素子34に入射したレーザビームLは、ガラス板34Bに入射したレーザビームについては偏光方向が変更されることなく出射される。また、1/2波長板34Aに入射したレーザビームについては、偏光方向が1/2波長板34Aの結晶光軸に一致する偏光は偏光方向が変更されることなく、偏光方向が上記結晶光軸に一致しない偏光は当該偏光方向と上記結晶光軸とのなす角度に応じた方向に偏光方向が変更されて出射される。
【0213】
偏光方向制御素子34から出射されたレーザビームLは偏光分離素子37に供給され、常光線及び異常光線の双方が透過する。そして、この常光線及び異常光線は、集光レンズ38を介してドラム14の記録フィルムFに集光される。
【0214】
この場合、記録フィルムF上には、図11(B)に示す2つの強度分布、すなわち常光線による強度分布と異常光線による強度分布とが副走査方向に合成された状態の強度分布からなるビームスポットS1’〜S15’(図8(B))が形成される。
【0215】
このビームスポットS1’〜S15’は、図8(B)に示すように、露光ヘッド12が副走査方向に送り間隔W’のピッチで送られると共に、ドラム14が主走査方向に回転されることにより、解像度がR(dpi)となる2次元画像が記録フィルムF上に形成される(ステップ210)。
【0216】
このように、記録画像の解像度を2・R(dpi)からR(dpi)に変更した場合、偏光分離素子37をレーザビームLの光路上に挿入するだけでビームスポットS1〜S15をビームスポットS1’〜S15’に容易に拡大することができ、しかも、副走査速度が高速化されるので、高速で画像記録を行うことが可能となる。
【0217】
同様にして、解像度をR(dpi)から2・R(dpi)に変更することができる。
【0218】
上記ステップ200の処理が「課題を解決するための手段」に記載の入力手段に相当する。
【0219】
以上詳細に説明したように、本第3実施形態に係るレーザ記録装置10Cでは、集光レンズ38の焦点距離fとレーザビームLの波長λとの乗算値f×λを間隔cで除算して得られる値(f×λ)/cが所定値以下となるように焦点距離f、波長λ、及び間隔cを決定しているので、レーザビームLの集光スポットと一次回折光との間のずれ量を小さくすることができ、この結果として記録フィルムF上に形成される画像の品質を向上することができる。
【0220】
また、本第3実施形態に係るレーザ記録装置10Cでは、上記所定値としてレーザビームLの記録フィルムF上での集光スポットの半値半幅としているので、一次回折光の影響による画質の劣化を確実に防止することができる。
【0221】
なお、本実施の形態では、上記所定値としてレーザビームLの記録フィルムF上での集光スポットの半値半幅を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、集光スポットと一次回折光のずれの画質に対する影響は、記録フィルムF上に形成される画像の解像度等によってもある程度左右されるし、要求される画質も一定とは限らないので、上記所定値として上記半値半幅の近傍の値(例えば、当該半値半幅の±10%の値)を適用することもできる。この場合も、本実施の形態とほぼ同様の効果を奏することができる。
【0222】
〔第4実施形態〕
上記第3実施形態では、本発明の偏光分離素子を光が略平行光束となる部位に配設し、2つの光を異なる角度で出射するものとした場合の一形態について説明したが、本第4実施形態では、偏光分離素子を光が発散する部位に配設し、2つの光を当該偏光分離素子による光の分離方向に対する異なる位置から出射するものとした場合の一形態について説明する。
【0223】
まず、図22を参照して、第4実施形態に係るレーザ記録装置10Dの構成について説明する。なお、同図における図16に示されるレーザ記録装置10Cと同一の構成要素には図16と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0224】
同図に示すように、本第4実施形態に係るレーザ記録装置10Dは、偏光分離素子37に代えて一軸性結晶からなる偏光分離素子37’を用いている点と、偏光方向制御素子34及び偏光分離素子37’をファイバーアレイ部30とコリメータレンズ32との間のレーザビームLの発散する部位に配設した点のみが、上記第3実施形態に係るレーザ記録装置10Cと相違している。この場合、偏光分離素子37’の結晶光軸の方向は、レーザビームLの光軸方向と副走査方向との間となるように設定される。
【0225】
本実施の形態に係るレーザ記録装置10Dでは、図22に示されるファイバーアレイ部30のレーザビームLの出射位置と偏光方向制御素子34との間の距離TとレーザビームLの波長λとの乗算値T×λを図18に示される間隔c(1/2波長板34Aの配置周期間隔)で除算して得られる値(T×λ)/cが所定値(本実施の形態では、ファイバーアレイ部30の出射位置でのレーザビームLの光強度の半値半幅)以下となるように距離T、波長λ、及び間隔cを決定している。
【0226】
本実施の形態では、レーザビームLの波長λと距離Tをレーザ記録装置10Dの製造コスト、寸法等の設計条件に応じて予め決定しておき、上記(T×λ)/cが上記半値半幅以下となるように間隔cを決定して偏光方向制御素子34を作製するようにしているが、これに限らず、例えば、偏光方向制御素子34を製造コスト等の製造上の条件に応じて間隔cを予め決定して作製し、上記(T×λ)/cが上記半値半幅以下となるようにレーザビームLの波長λと距離Tの少なくとも一方を決定する形態とすることもできる。
【0227】
解像度をR(dpi)に設定した場合において、偏光方向制御素子34により偏光方向が制御されたレーザビームLは、図23に示すように偏光分離素子37’によって常光線及び異常光線に分離される。この場合、常光線に対する偏光分離素子37’の屈折率は、結晶光軸の方向によらず一定であるため、レーザビームLの光軸上の仮想発光点Poから射出されてコリメータレンズ32に導かれる。一方、異常光線に対する偏光分離素子37’の屈折率は、レーザビームLの入射方向と結晶光軸の方向とによって異なり、結晶光軸がレーザビームLの光軸方向と副走査方向との間に設定されているため、レーザビームLの光軸から副走査方向に所定量変位した仮想発光点Peより射出されてコリメータレンズ32に導かれる。
【0228】
この結果、常光線及び異常光線はコリメータレンズ32、及び集光レンズ38を介して記録フィルムF上の副走査方向に所定量ずれた位置に各々集光されることにより、図8(B)に示すビームスポットS1’〜S15’が得られる。これによって、解像度がR(dpi)の画像を形成することができる。
【0229】
一方、解像度が2・R(dpi)の画像を形成する場合は、偏光分離素子37’をレーザビームLの光路上に位置しないように移動させ、図8(A)に示すビームスポットS1〜S15を得るように制御すればよい。
【0230】
以上詳細に説明したように、本第4実施形態に係るレーザ記録装置10Dでは、ファイバーアレイ部30と偏光方向制御素子34との間の距離TとレーザビームLの波長λとの乗算値T×λを間隔cで除算して得られる値(T×λ)/cが所定値以下となるように距離T、波長λ、及び間隔cを決定しているので、レーザビームLの集光スポットと一次回折光との間のずれ量を小さくすることができ、この結果として記録フィルムF上に形成される画像の画質を向上することができる。
【0231】
また、本第4実施形態に係るレーザ記録装置10Dでは、上記所定値をレーザビームLの出射位置での光強度の半値半幅としているので、一次回折光の影響による画質の劣化を確実に防止することができる。
【0232】
また、上記第3、第4実施形態に係る偏光方向制御素子34は、レーザビームLを偏光方向が互いに直交する2つのレーザビームに分離する偏光分離素子37のレーザビームLの光軸方向上流側に設けられる偏光方向制御素子であって、偏光分離素子37の光軸方向上流側に設けられた際に、レーザビームLの一部が透過されると共に、偏光分離素子37により分離される光の偏光方向に対して結晶光軸が略45度傾斜するように1/2波長板34Aを配置して構成しているので、偏光分離素子37と組み合わせて用いた場合に当該偏光分離素子37によりレーザビームLを等光量で分離することが可能となり、偏光分離素子37を用いたレーザ記録装置における記録画像の画質を向上することができる。
【0233】
また、上記第3、第4実施形態に係る偏光方向制御素子34は、1/2波長板34AのレーザビームLが入射される領域と、1/2波長板34Aに入射されないレーザビームLの領域、すなわち、ガラス板34BのレーザビームLが直接入射される領域との面積比が略1対1となるように構成されているので、分離されたレーザビームの強度分布を均一化することができる。
【0234】
また、上記第3、第4実施形態に係る偏光方向制御素子34は、複数の1/2波長板34AをレーザビームLの全入射領域において各々所定間隔毎に配置して構成しているので、容易に作成することができる。
【0235】
また、上記第3、第4実施形態に係るレーザ記録装置10C、10Dでは、以上のような偏光方向制御素子34を、半導体レーザLDと偏光分離素子37との間に、偏光分離素子37により分離されるレーザビームLの偏光方向に対して1/2波長板34Aの結晶光軸が略45度傾斜するように配置しているので、偏光分離素子37によりレーザビームLを等光量で分離することが可能となり、分離されたレーザビームLにより記録フィルムFに画像を記録する際の当該画像の画質を向上することができる。
【0236】
また、上記第3、第4実施形態に係るレーザ記録装置10C、10Dでは、偏光分離素子37がレーザビームLの光軸上に挿抜されるように当該偏光分離素子37を移動させる素子移動モータ40を備えているので、当該素子移動モータ40により偏光分離素子37を光路上に挿抜することによって、記録フィルムFに画像を記録する際の解像度を容易に変更することができる。
【0237】
更に、上記各実施形態に係るレーザ記録装置10A〜10Dでは、半導体レーザLDをアレイ屈折素子又は偏光分離素子によるレーザビームLの分割(分離)方向に沿って複数配置し、各半導体レーザLDから射出されたレーザビームLを各々アレイ屈折素子又は偏光分離素子によって分割(分離)して記録フィルムFに導くように構成しているので、画像を高速に記録することができる。
【0238】
なお、上記第4実施形態では、偏光方向制御素子34及び偏光分離素子37’をレーザビームが発散する部位に配設した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、レーザビームが収束する部位、すなわち、集光レンズ38と記録フィルムFとの間に配設する形態とすることもできる。
【0239】
図24には、この場合のレーザ記録装置の概略構成図(平面図)が示されている。この場合は、偏光方向制御素子34と記録フィルムFとの間の距離Qとレーザビームの波長λとの乗算値Q×λを間隔cで除算して得られる値(Q×λ)/cが所定値以下となるように距離Q、波長λ、及び間隔cを決定すればよい。
【0240】
このとき、上記所定値をレーザビームLの集光スポットでの光強度の半値半幅とすることにより、一次回折光の影響による画質の劣化を確実に防止することができる。
【0241】
また、この場合も、波長λと距離Qをレーザ記録装置の製造コスト、寸法等の設計条件に応じて予め決定しておき、上記(Q×λ)/cがレーザビームLの出射位置での光強度の半値半幅以下となるように間隔cを決定して偏光方向制御素子34を作製する形態や、偏光方向制御素子34を製造コスト等の製造上の条件に応じて間隔cを予め決定して作製し、上記(Q×λ)/cが上記半値半幅以下となるように波長λと距離Qの少なくとも一方を決定する形態等を適用することができる。
【0242】
この場合も、上記第4実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0243】
また、上記第4実施形態では、上記所定値としてレーザビームLの出射位置での光強度の半値半幅を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、集光スポットと一次回折光のずれの画質に対する影響は、記録フィルムF上に形成される画像の解像度等によってもある程度左右されるし、要求される画質も一定とは限らないので、上記所定値として上記半値半幅の近傍の値(例えば、当該半値半幅の±10%の値)を適用することもできる。この場合も、本実施の形態とほぼ同様の効果を奏することができる。
【0244】
また、上記第3、第4実施形態では、素子移動モータ40を偏光分離素子37のみをレーザビームLの光路上に挿抜することができるものとして構成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、素子移動モータ40を偏光方向制御素子34及び偏光分離素子37を同時にレーザビームLの光路上に挿抜することができるものとして構成することもできる。この場合も、上記第3、第4実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0245】
更に、上記各実施形態では、本発明をマルチビームスキャンを行うレーザ記録装置10A〜10Dに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、光源が1つの半導体レーザで構成されたシングルビームスキャンを行うレーザ記録装置に適用することもできる。この場合も、上記各実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0246】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1に記載の露光装置によれば、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、当該光源と記録媒体との間に配置されると共に当該光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと記録媒体との間に配置されると共に上記光ビームを記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、1本の光ビームを2つに分割する単位表面形状を有する屈折部材が対単位でアレイ状に並ぶように構成すると共に、光ビームの分割方向が光源から射出された光ビームのブロードエリア方向と略平行となるように第1レンズと第2レンズとの間に配置されたアレイ屈折素子と、を備えると共に、上記第2レンズの焦点距離fと上記光ビームの波長λとの乗算値f×λを上記屈折部材における光ビームの分割領域の分割方向に対する幅dで除算して得られる値(f×λ)/dが前記光ビームの前記記録媒体上での集光スポットの光強度の半値半幅以下となるように焦点距離f、波長λ、及び幅dを決定しているので、上記光ビームの集光スポットと一次回折光との間のずれ量を小さくすることができ、この結果として記録媒体上に形成される画像の品質を向上することができる、という効果が得られる。
【0247】
また、請求項2に記載の露光装置によれば、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、当該光源と記録媒体との間に配置されると共に当該光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと記録媒体との間に配置されると共に上記光ビームを記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、1本の光ビームを2つに分割する単位表面形状を有する屈折部材が対単位でアレイ状に並ぶように構成すると共に、光ビームの分割方向が光源から射出された光ビームのブロードエリア方向と略平行となるように第2レンズと記録媒体との間に配置されたアレイ屈折素子と、を備えると共に、アレイ屈折素子と記録媒体との間の距離Rと上記光ビームの波長λとの乗算値R×λを上記屈折部材における光ビームの分割領域の分割方向に対する幅dで除算して得られる値(R×λ)/dが前記光ビームの前記記録媒体上での集光スポットの光強度の半値半幅以下となるように距離R、波長λ、及び幅dを決定しているので、上記光ビームの集光スポットと一次回折光との間のずれ量を小さくすることができ、この結果として記録媒体上に形成される画像の品質を向上することができる、という効果が得られる。
【0248】
また、請求項3に記載の露光装置によれば、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、当該光源と記録媒体との間に配置されると共に当該光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと記録媒体との間に配置されると共に上記光ビームを記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、1本の光ビームを2つに分割する単位表面形状を有する屈折部材が対単位でアレイ状に並ぶように構成すると共に、光ビームの分割方向が光源から射出された光ビームのブロードエリア方向と略平行となるように光源と第1レンズとの間に配置されたアレイ屈折素子と、を備えると共に、光源とアレイ屈折素子との間の距離Sと上記光ビームの波長λとの乗算値S×λを上記屈折部材における光ビームの分割領域の分割方向に対する幅dで除算して得られる値(S×λ)/dが前記光ビームの出射位置での光強度の半値半幅以下となるように距離S、波長λ、及び幅dを決定しているので、上記光ビームの集光スポットと一次回折光との間のずれ量を小さくすることができ、この結果として記録媒体上に形成される画像の品質を向上することができる、という効果が得られる。
【0249】
また、請求項4に記載の露光装置によれば、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、当該光源と記録媒体との間に配置されると共に当該光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと記録媒体との間に配置されると共に上記光ビームを記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、上記光ビームを偏光方向が互いに直交する2つの光に分離する偏光分離素子と、当該偏光分離素子により分離される光ビームの偏光方向に対して結晶光軸が45度を含む所定範囲の角度で傾斜するように複数の1/2波長板を、上記光ビームの全入射領域において各々所定間隔cを1周期として配置して構成した偏光方向制御素子と、を備えると共に、上記第2レンズの焦点距離fと上記光ビームの波長λとの乗算値f×λを上記所定間隔cで除算して得られる値(f×λ)/cが前記光ビームの前記記録媒体上での集光スポットの光強度の半値半幅以下となるように焦点距離f、波長λ、及び所定間隔cを決定しているので、上記光ビームの集光スポットと一次回折光との間のずれ量を小さくすることができ、この結果として記録媒体上に形成される画像の品質を向上することができる、という効果が得られる。
【0250】
また、請求項5に記載の露光装置によれば、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、当該光源と記録媒体との間に配置されると共に当該光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと記録媒体との間に配置されると共に上記光ビームを記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、上記光ビームを偏光方向が互いに直交する2つの光に分離する偏光分離素子と、当該偏光分離素子により分離される光ビームの偏光方向に対して結晶光軸が45度を含む所定範囲の角度で傾斜するように複数の1/2波長板を、上記光ビームの全入射領域において各々所定間隔cを1周期として配置して構成した偏光方向制御素子と、を備えると共に、偏光方向制御素子と記録媒体との間の距離Qと上記光ビームの波長λとの乗算値Q×λを上記所定間隔cで除算して得られる値(Q×λ)/cが前記光ビームの集光スポットでの光強度の半値半幅以下となるように距離Q、波長λ、及び所定間隔cを決定しているので、上記光ビームの集光スポットと一次回折光との間のずれ量を小さくすることができ、この結果として記録媒体上に形成される画像の品質を向上することができる、という効果が得られる。
【0251】
更に、請求項6に記載の露光装置によれば、少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、当該光源と記録媒体との間に配置されると共に当該光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと記録媒体との間に配置されると共に上記光ビームを記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、上記光ビームを偏光方向が互いに直交する2つの光に分離する偏光分離素子と、当該偏光分離素子により分離される光ビームの偏光方向に対して結晶光軸が45度を含む所定範囲の角度で傾斜するように複数の1/2波長板を上記光ビームの全入射領域において各々所定間隔cを1周期として配置して構成した偏光方向制御素子と、を備えると共に、上記光源と上記偏光方向制御素子との間の距離Tと上記光ビームの波長λとの乗算値T×λを上記所定間隔cで除算して得られる値(T×λ)/cが前記光ビームの出射位置での光強度の半値半幅以下となるように距離T、波長λ、及び所定間隔cを決定しているので、上記光ビームの集光スポットと一次回折光との間のずれ量を小さくすることができ、この結果として記録媒体上に形成される画像の品質を向上することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るレーザ記録装置10Aの概略構成図(平面図)である。
【図2】実施の形態に係るファイバーアレイ部30の概略構成図(側面図)である。
【図3】第1実施形態に係るアレイ屈折素子36の構成を示す概略構成図(平面図)である。
【図4】実施の形態に係るレーザ記録装置における集光スポットの状態を示す図であり、(A)はアレイ屈折素子又は偏光分離素子をレーザビームLの光路上に位置させない場合に記録フィルムF上に形成される集光スポットの状態を、(B)はアレイ屈折素子又は偏光分離素子をレーザビームLの光路上に位置させた場合に記録フィルムF上に形成される集光スポットの状態を、各々示す概略図である。
【図5】第1実施形態に係るレーザ記録装置10Aの各種パラメータを示す概略図(平面図)である。
【図6】実施の形態に係るレーザ記録装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図7】第1、第2実施形態に係るレーザ記録装置において、解像度に応じて画像記録を行う場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】実施の形態に係るレーザ記録装置による記録フィルムF上でのビームスポットの状態を示す概略図である。
【図9】第1実施形態に係るレーザ記録装置10Aの作用の説明に供する概略図(平面図)である。
【図10】本発明のアレイ屈折素子の他の構成例を示す概略構成図(平面図)である。
【図11】集光点におけるレーザビームの強度分布の状態例を示すグラフである。
【図12】第2実施形態に係るレーザ記録装置10Bの概略構成図(平面図)である。
【図13】(A)は第2実施形態に係るレーザ記録装置10Bの作用の説明に供する概略図(平面図)であり、(B)は第2実施形態に係るアレイ屈折素子36’ の構成及び作用の説明に供する概略図(平面図)である。
【図14】第2実施形態に係るレーザ記録装置10Bの各種パラメータを示す概略図(平面図)である。
【図15】他のレーザ記録装置の構成及び各種パラメータを示す概略図(平面図)である。
【図16】第3実施形態に係るレーザ記録装置10Cの概略構成図(平面図)である。
【図17】第3実施形態に係る偏光分離素子37の構成及び作用の説明に供する概略図(平面図)である。
【図18】(A)は第3、第4実施形態に係る偏光方向制御素子34の概略構成図(正面図及び側面図)であり、(B)は偏光方向制御素子34の結晶光軸の方向を示す概略図である。
【図19】第3、第4実施形態に係るレーザ記録装置において偏光方向制御素子34を用いない場合の偏光分離素子37によるレーザビームの分離状態を示す概略図である。
【図20】第3、第4実施形態に係るレーザ記録装置において偏光方向制御素子34を用いた場合の偏光分離素子37によるレーザビームの分離状態を示す概略図である。
【図21】第3、第4実施形態に係るレーザ記録装置において、解像度に応じて画像記録を行う場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】第4実施形態に係るレーザ記録装置10Dの概略構成図(平面図)である。
【図23】第4実施形態に係る偏光分離素子37’の作用の説明に供する概略図(平面図)である。
【図24】他のレーザ記録装置の構成及び各種パラメータを示す概略図(平面図)である。
【図25】本発明の原理の説明に供する概略図である。
【図26】本発明の効果の説明に供する概略図である。
【図27】集光スポットの半値半幅を示すグラフである。
【図28】従来技術の原理の説明に供する概略図である。
【図29】回折光の発生メカニズムの説明に供する概略図である。
【図30】回折光の発生メカニズムの説明に供するグラフである。
【符号の説明】
10A、10B、10C、10D レーザ記録装置
12 露光ヘッド
14 ドラム
16 副走査モータ
20 光ファイバー
30 ファイバーアレイ部
32 コリメータレンズ(第1レンズ)
34 偏光方向制御素子
34A 1/2波長板
34B ガラス板
36 アレイ屈折素子
36A、36B 偏角プリズム
36’ アレイ屈折素子
37 偏光分離素子
37’ 偏光分離素子
38 集光レンズ(第2レンズ)
40 素子移動モータ(移動手段)
L レーザビーム
LD 半導体レーザ(光源)
F 記録フィルム(記録媒体)

Claims (6)

  1. 走査露光によって記録媒体上に画像を形成する露光装置であり、
    少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、
    前記光源と前記記録媒体との間に配置されると共に前記光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと前記記録媒体との間に配置されると共に前記光ビームを前記記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、
    1本の光ビームを2つに分割する単位表面形状を有する屈折部材が対単位でアレイ状に並ぶように構成すると共に、前記光ビームの分割方向が前記光源から射出された光ビームのブロードエリア方向と略平行となるように前記第1レンズと前記第2レンズとの間に配置されたアレイ屈折素子と、
    を備えた露光装置であって、
    前記第2レンズの焦点距離fと前記光ビームの波長λとの乗算値f×λを前記屈折部材における前記光ビームの分割領域の分割方向に対する幅dで除算して得られる値(f×λ)/dが前記光ビームの前記記録媒体上での集光スポットの光強度の半値半幅以下となるように前記焦点距離f、前記波長λ、及び前記幅dを決定した
    ことを特徴とする露光装置。
  2. 走査露光によって記録媒体上に画像を形成する露光装置であり、
    少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、
    前記光源と前記記録媒体との間に配置されると共に前記光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと前記記録媒体との間に配置されると共に前記光ビームを前記記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、
    1本の光ビームを2つに分割する単位表面形状を有する屈折部材が対単位でアレイ状に並ぶように構成すると共に、前記光ビームの分割方向が前記光源から射出された光ビームのブロードエリア方向と略平行となるように前記第2レンズと前記記録媒体との間に配置されたアレイ屈折素子と、
    を備えた露光装置であって、
    前記アレイ屈折素子と前記記録媒体との間の距離Rと前記光ビームの波長λとの乗算値R×λを前記屈折部材における前記光ビームの分割領域の分割方向に対する幅dで除算して得られる値(R×λ)/dが前記光ビームの前記記録媒体上での集光スポットの光強度の半値半幅以下となるように前記距離R、前記波長λ、及び前記幅dを決定した
    ことを特徴とする露光装置。
  3. 走査露光によって記録媒体上に画像を形成する露光装置であり、
    少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、
    前記光源と前記記録媒体との間に配置されると共に前記光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと前記記録媒体との間に配置されると共に前記光ビームを前記記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、
    1本の光ビームを2つに分割する単位表面形状を有する屈折部材が対単位でアレイ状に並ぶように構成すると共に、前記光ビームの分割方向が前記光源から射出された光ビームのブロードエリア方向と略平行となるように前記光源と前記第1レンズとの間に配置されたアレイ屈折素子と、
    を備えた露光装置であって、
    前記光源と前記アレイ屈折素子との間の距離Sと前記光ビームの波長λとの乗算値S×λを前記屈折部材における前記光ビームの分割領域の分割方向に対する幅dで除算して得られる値(S×λ)/dが前記光ビームの出射位置での光強度の半値半幅以下となるように前記距離S、前記波長λ、及び前記幅dを決定した
    ことを特徴とする露光装置。
  4. 走査露光によって記録媒体上に画像を形成する露光装置であり、
    少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、
    前記光源と前記記録媒体との間に配置されると共に前記光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと前記記録媒体との間に配置されると共に前記光ビームを前記記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、
    前記第1レンズと前記第2レンズとの間に配置されると共に前記光ビームを偏光方向が互いに直交する2つの光に分離する偏光分離素子と、
    前記偏光分離素子により分離される光ビームの偏光方向に対して結晶光軸が45度を含む所定範囲の角度で傾斜するように複数の1/2波長板を前記光ビームの全入射領域において各々所定間隔cを1周期として配置して構成すると共に前記第1レンズと前記偏光分離素子との間に配置された偏光方向制御素子と、
    を備えた露光装置であって、
    前記第2レンズの焦点距離fと前記光ビームの波長λとの乗算値f×λを前記所定間隔cで除算して得られる値(f×λ)/cが前記光ビームの前記記録媒体上での集光スポットの光強度の半値半幅以下となるように前記焦点距離f、前記波長λ、及び前記所定間隔cを決定した
    ことを特徴とする露光装置。
  5. 走査露光によって記録媒体上に画像を形成する露光装置であり、
    少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、
    前記光源と前記記録媒体との間に配置されると共に前記光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと前記記録媒体との間に配置されると共に前記光ビームを前記記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、
    前記第2レンズと前記記録媒体との間に配置されると共に前記光ビームを偏光方向が互いに直交する2つの光に分離する偏光分離素子と、
    前記偏光分離素子により分離される光ビームの偏光方向に対して結晶光軸が45度を含む所定範囲の角度で傾斜するように複数の1/2波長板を前記光ビームの全入射領域において各々所定間隔cを1周期として配置して構成すると共に前記第2レンズと前記偏光分離素子との間に配置された偏光方向制御素子と、
    を備えた露光装置であって、
    前記偏光方向制御素子と前記記録媒体との間の距離Qと前記光ビームの波長λとの乗算値Q×λを前記所定間隔cで除算して得られる値(Q×λ)/cが前記光ビームの集光スポットでの光強度の半値半幅以下となるように前記距離Q、前記波長λ、及び前記所定間隔cを決定した
    ことを特徴とする露光装置。
  6. 走査露光によって記録媒体上に画像を形成する露光装置であり、
    少なくとも副走査方向についてはブロードエリアで発光する光ビームを射出する光源と、
    前記光源と前記記録媒体との間に配置されると共に前記光源から射出された光ビームを略平行光束とする第1レンズ、及び該第1レンズと前記記録媒体との間に配置されると共に前記光ビームを前記記録媒体上に集光する第2レンズを含んで構成された集光光学系と、
    前記光源と前記第1レンズとの間に配置されると共に前記光ビームを偏光方向が互いに直交する2つの光に分離する偏光分離素子と、
    前記偏光分離素子により分離される光ビームの偏光方向に対して結晶光軸が45度を含む所定範囲の角度で傾斜するように複数の1/2波長板を前記光ビームの全入射領域において各々所定間隔cを1周期として配置して構成すると共に前記光源と前記偏光分離素子との間に配置された偏光方向制御素子と、
    を備えた露光装置であって、
    前記光源と前記偏光方向制御素子との間の距離Tと前記光ビームの波長λとの乗算値T×λを前記所定間隔cで除算して得られる値(T×λ)/cが前記光ビームの出射位置での光強度の半値半幅以下となるように前記距離T、前記波長λ、及び前記所定間隔cを決定した
    ことを特徴とする露光装置。
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