JP4023342B2 - フィールドバスシステムにおける二重アドレス検知方法及びスレーブ並びにマスタ及びフィールドバス - Google Patents

フィールドバスシステムにおける二重アドレス検知方法及びスレーブ並びにマスタ及びフィールドバス Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、フィールドバスシステムにおける二重アドレス検知方法及びスレーブ並びにマスタ及びフィールドバスに関するもので、フィールドバスシステムで、マルチドロップの配線形態におけるノードの二重アドレス検知を行うものに関する。
【0002】
【従来の技術】
FA(ファクトリーオートメーション)で用いられるPLC(プログラマブルコントローラ)は、スイッチやセンサなどの入力機器のON/OFF情報を入力し、ラダー言語などで書かれたシーケンスプログラム(ユーザプログラム)に沿って論理演算を実行する。そして、PLCは、得られた演算結果にしたがって、リレー,バルブ,アクチュエータなどの出力機器に対し、ON/OFF情報の信号を出力することで制御が実行される。
【0003】
係るPLCの一形態として、各機能ごとに生成されたユニットを複数用意し、電気,機械的に連結して構成するものがある。係るタイプを構成するためのユニットとしては、電源ユニット,CPUユニット,I/Oユニット,マスタユニット等各種のものがある。PLCを構成するI/Oユニットが有する接続端子には、PLCの近くの場所に存在する入力機器や出力機器の接続線をつなぐ。
【0004】
そして、上記したマスタユニットのほうは、フィールドバス等の制御系ネットワークに接続され、その制御系ネットワークに接続された各種のスレーブと制御系ネットワークを介して通信可能となっている。このフィールドバスにおける配線は、マルチドロップ配線になっていて、ひとつのフィールドバスにマスタユニットと複数のスレーブとが接続できるようになっている。各スレーブは接続端子を有していて、その接続端子には、PLCから比較的に遠い場所に存在する入力機器や出力機器がつながれる。そしてマスタユニットは、各スレーブとの間でフィールドバス通信をしてフレームを送受信することにより、各スレーブにつながれている入力機器の入力信号(INデータ)を受け取るとともに、出力信号(OUTデータ)を各スレーブに対して送信する。通信の詳細を説明すると、マスタユニットから出力された送信フレームは、フィールドバスに接続された全てのスレーブ(ノード)に対して一度に到達する。そして、各スレーブには個々にノードアドレスが設定されており、送信フレームには宛先のノードアドレスを含む宛先データを付加しておく。これにより、各スレーブは、受信した送信フレームの宛先データを抽出し、自己宛の送信フレームか否かを判断し自己宛の場合にはその送信フレームを取り込み、自己宛でない場合には破棄するようになる。
【0005】
なお、スレーブからマスタユニットへ向けて出力されるフレームも、同様に送信アドレスにマスタユニットのノードアドレスが付加されることにより、宛先のマスタユニットのみが受信することができる。そして、係るスレーブからマスタユニットに向けて出力されるフレームの送信タイミングであるが、各スレーブが一斉に送信すると、フィールドバス上で衝突が生じて通信不能となるので、予め指定された送信タイミングで、各スレーブが順次フレームを送信するような通信プロトコルをとっている。
【0006】
そして、この種の通信プロトコルにおけるマスタとスレーブのデータの送受は、マスタユニットから一括送受信方式によりOUTフレームを送信する。このOUTフレーム中にはOUTデータが含まれていて、所定のOUTスレーブに受信される。なお、1つのOUTフレーム中のOUTデータ領域には、複数のOUTスレーブ用のOUTデータが格納されており、各OUTフレームは、OUTデータ領域中の自己用のOUTデータの格納位置が予めわかっているため、当該格納位置のOUTデータを取得する。
【0007】
一方、各INスレーブは、マスタユニットからOUTフレームを正常に受信すると、その受信完了をきっかけにして時間管理を始める。そして各INスレーブが出力するフレーム同士が重ならないような基本アイドルタイム毎に、各INスレーブは各々決められたタイミングで、INフレームIF0〜IF2をマスタユニットに送信する。
【0008】
マスタユニットでは、基本アイドルタイムに基づく各スレーブ毎のタイムスロット内でINフレームIF0〜IF2を受信し、各INフレームIF0〜IF2のヘッダであるスタートビットに基づいてINフレーム中のINデータIN0〜IN2を取込む。基本アイドルタイムを適切に設定することにより、各INスレーブからのINフレームの重なりを防止して、確実にINデータを送受することができる。
【0009】
このマルチドロップ方式では、マスタユニットが出力する送信フレームの宛先データを全てのスレーブとすれば、一度に全てのスレーブに送信フレームを送ることができるメリットがある。この種のシステムは、例えば特許文献1などに開示されている。
【0010】
また、各スレーブのノードアドレスの設定は、例えば、スレーブに設けられたディップスイッチ等のメカ的な設定スイッチをユーザが操作してアドレスを割り付ける。
【0011】
【特許文献1】
特開平09−128019
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のマルチドロップ方式のネットワークの場合、以下に示す問題がある。すなわち、ノードアドレスの設定が個々のスレーブに対してユーザがマニュアル操作で設定するため、誤って異なるスレーブに同一のノードアドレスを設定してしまうおそれがある。そして、そのように二重アドレスを設定してしまうと、マスタユニットからの送信フレームが一度に全ノードに到達するため、その二重アドレスに対して送信フレームを送ると、二重アドレスが割り付けられた複数のスレーブ(ノード)が同時に送信フレームを受信し、それぞれがレスポンスを返信する。すると、フィールドバス上では伝送フレームの衝突が発生し、不安定な通信回線となる。
【0013】
さらに、上記したように、二重アドレスが発生している場合に、複数のスレーブからの送信フレームが衝突してマスタ側に到達しない場合には、そのノードアドレスのスレーブがフィールドバス上に存在していないと認識し、一方のスレーブからの送信フレームを受信した場合には、受信できたスレーブは存在していることが認識できるものの、ネットワークに加入できないスレーブの存在は認識することができない。従って、マスタユニット側では、二重アドレス状態が発生していることを認識することができなかった。
【0014】
しかも、一方のスレーブからのレスポンスを正常に受信すると、マスタユニットはそのノードアドレスのスレーブが存在していると認識し、その後、レスポンスを正常に受信したスレーブと通信すべくマスタユニットがその二重アドレスが発生しているノードアドレスに向けて送信フレームを送った場合、前回のレスポンスが受信されなかったスレーブがその送信フレームを受信しレスポンスを返すおそれもある。
【0015】
この発明は、マルチドロップの配線形態をとっているフィールドバスシステムであっても、ノードの二重アドレスが発生していることをスレーブやマスタ側で認識することができるフィールドバスシステムにおける二重アドレス検知方法及びスレーブ並びにマスタ及びフィールドバスを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明によるフィールドバスシステムにおける二重アドレス検知方法は、マスタと、スレーブが、フィールドバスに接続されて構成されるフィールドバスシステムにおける二重アドレス検知方法である。そして、まず前記スレーブは、設定された乱数を記憶保持する。そして、前記マスタは、前記フィールドバスに接続されたスレーブに対し、ノードアドレスを指定してステータスリード要求を発行する。また、前記指定されたノードアドレスを持つスレーブは、前記ステータスリード要求を受信すると、自己のノードアドレスとともに前記乱数を前記ステータスリード要求に対するレスポンスとして返送する。前記マスタは、前記レスポンスを受信すると、受信したノードアドレスのスレーブに対し、前記乱数を含むステータスライトを発行する。そして、前記ステータスライトの送信アドレスを持つスレーブは、受信した前記ステータスライトとともに送られてきた乱数と、自己が記憶保持する乱数を比較し、一致しない場合には、同一のノードアドレスを持つ他のスレーブが存在する二重アドレス状態であることを検知し、自己は待機状態になるようにした。
【0017】
ここで、乱数の設定は、実施の形態では、乱数設定手段を設け、スレーブ側にて所定のタイミングで乱数を設定するようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、例えばツールその他の外部から乱数を与え、それを記憶保持するようにしてもよい。
【0018】
また、上記した検知方法の発明を実施するために適した本発明に係るスレーブは、フィールドバスに接続可能なスレーブであって、前記フィールドバスを介してマスタと通信する通信手段と、設定された乱数を記憶する乱数記憶手段と、前記マスタから送られてきた自己のノードアドレス宛のステータスリード要求を受信した際に、自己のノードアドレスとともに前記乱数記憶手段に記憶された乱数を前記ステータスリード要求に対するレスポンスとして返送する機能と、前記マスタから送られてきた自己のノードアドレス宛の乱数を含むステータスライトを受信した際に、そのステータスライトとともに送られてきた乱数と、自己が記憶保持する乱数を比較し、一致しない場合には、同一のノードアドレスを持つ他のスレーブが存在する二重アドレス状態であることを検知し、自己のステータスを待機状態にする機能を備えるようにした。
【0019】
また、上記した検知方法の発明を実施するために適した本発明に係るマスタは、フィールドバスに接続可能なマスタであって、前記フィールドバスを介してスレーブと通信する通信手段と、前記フィールドバスに接続されたスレーブに対し、ノードアドレスを指定してステータスリード要求を発行する機能と、そのステータスリード要求に対するスレーブからの乱数付きのレスポンスを受信した際に、その受信したノードアドレスのスレーブに対し、受信した乱数を含むステータスライトを発行する機能を備えるようにした。
【0020】
さらに、上記した検知方法の発明を実施するために適した本発明に係るフィールドバスシステムとしては、上記した構成のマスタと、スレーブが、フィールドバスに接続されて構成される。そして、前記マスタは、前記フィールドバスに接続されたスレーブに対し、ノードアドレスを指定してステータスリード要求を発行し、前記指定されたノードアドレスを持つスレーブは、前記ステータスリード要求を受信すると、自己のノードアドレスとともに前記乱数を前記ステータスリード要求に対するレスポンスとして返送し、前記マスタは、前記レスポンスを受信すると、受信したノードアドレスのスレーブに対し、前記乱数を含むステータスライトを発行し、前記ステータスライトの送信アドレスを持つスレーブは、受信した前記ステータスライトとともに送られてきた乱数と、自己が記憶保持する乱数を比較し、一致しない場合には、同一のノードアドレスを持つ他のスレーブが存在する二重アドレス状態であることを検知し、自己は待機状態に設定されるようにした。
【0021】
本発明が適用されるフィールドバスシステムは、例えばマルチドロップの配線形態と称されるもので、通常状態では、マスタからはOUTデータを一括してスレーブへ転送し、スレーブ側では自局の決められた時間帯にINデータを返送する通信プロトコルをとる。このシステムでは、各スレーブに設定されるノードアドレスは、そのフィールドバスシステムにおいてユニークである必要があるが、誤って同一のノードアドレスを複数のスレーブに設定し、二重アドレスを生じてしまうことがある。本発明は、係る二重アドレスが発生していることを検知するものである。
【0022】
すなわち、本発明では、スレーブに乱数を持たせ、マスタからのステータスリード要求に対してその乱数付きのレスポンスを返送し、そのレスポンスを受信したマスタは、受信した乱数を付加したステータスライト要求を発行する。従って、スレーブは、自己のノードアドレス宛のステータスライト要求に付加された乱数と自己の乱数を比較することにより、二重アドレスが発生しているか否かを判断できる。つまり、自己のノードアドレス宛のステータスライト要求に付加された乱数と自己の乱数が一致した場合には、その前に返送したステータスリード要求に対する乱数付きレスポンスがマスタに受信されたとみなせるので、そのまま加入する。一方、一致しなかった場合には、同一のノードアドレスを持つ他のスレーブからのレスポンスがマスタに受信され自己が発したレスポンスは受信されなかったといえる。従って、同一のノードアドレスを持つスレーブが少なくともほかに1つ存在し、二重アドレスが発生していることを認識できる。さらに、自己はマスタに認識されなかったので、待機状態になる。これにより、二重アドレスとなった複数のスレーブが同時にフレームを送信することがなくなり、通信の安定化が図れる。
【0023】
また、本発明に係る二重アドレス検知方法では、上記した発明を前提とし、前記マスタは、前記待機状態になっているスレーブのノードアドレスを取得することにより、二重アドレスが発生していることを認識するようにした。そして、この方法を実施するのに適した本発明にかかるマスタとしては、前記ステータスライトに基づいて待機状態に設定されたスレーブのノードアドレスを取得することにより、二重アドレスが発生しているスレーブを認識する機能を備えることである。これにより、本発明では、二重アドレスが発生していることをマスタも認識できる。
【0024】
さらにまた本発明に係る二重アドレス検知方法では、前記スレーブが前記マスタに返すレスポンスの送信に確率を設定し、送信タイミングに来ても所定の割合で前記レスポンスを送信しないように制御するようにすることができる。そして、かかる方法を実施するのに適した本発明に係るスレーブでは、マスタに返すレスポンスの送信に確率を設定し、送信タイミングに来ても所定の割合で前記レスポンスを送信しないように制御する機能を備えることである。
【0025】
すなわち、二重アドレスが発生している場合に、タイミングよくいずれか1つのスレーブから発せられたステータスリードに対するレスポンスがマスタに受信されると、上記したように二重アドレスを検知することができる。しかし、複数のレスポンスが衝突していずれもマスタに受信されないおそれもある。これに対し、本発明では、所定の割合でレスポンスが送信されないので、そのとき他のスレーブからレスポンスが送信されると、衝突することなくマスタユニットに到達する(二重アドレスを発生したスレーブが2つの場合)。また、3つ以上のスレーブが二重アドレスとなっていても、確実に衝突が回避されるとはいえないが、レスポンスを送信するスレーブの数が少ないほど、マスタに到達する可能性が高くなる。これにより、確率付きで複数回レスポンスを送信することにより、いずれかのスレーブからのレスポンスをマスタが認識し、認識されなかった他のスレーブは二重アドレスによる待機状態になる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の好適な一実施の形態を実現するシステム全体を示している。図1に示すように、PLC10と各種のスレーブ20が、フィールドバス30を介して接続されネットワークシステムを構築している。ノードとなるスレーブ20としては、リモートIOその他の機器がある。
【0027】
PLC10は、CPUユニット11やマスタユニット12などの各機能ごとに生成されたユニットを連結することにより構成されている。その各ユニットはPLCバス(内部バスとも言う。図示せず)につながれていて、PLCの各ユニット間でバス通信をしてデータ通信ができるようになっている。そして、このマスタユニット12にはフィールドバス30がに接続され、そのフィールドバス30に複数台の各スレーブ20がマルチドロップ接続によってつながれていて、マスタユニットと各スレーブとの間で通信が行われるようになっている。さらに、マスタユニット12は、PLC10の内部バスを介してCPUユニット11内のIOメモリにアクセスし、IOデータ等の読み書きを行うようになっている。もう少し説明すると、マスタユニット12がスレーブ20の接続端子につながれた入力機器からの入力信号(オン/オフ状態)をフィールドバス通信によって取り込んで、マスタユニット12が取り込んだ入力信号(入力データ)を内部バス通信によってCPUユニット11に送信し、CPUユニット11が入力信号を受け取る。CPUユニット11は、その入力信号に基づいてユーザプログラムによって予め定められた論理演算をし、その演算結果を含んだ出力信号(出力データ)を内部バスを介してマスタユニット12に送信する。マスタユニットはその出力信号をフィールドバス通信によってスレーブに送信する。各ユニットでは受信した出力信号を接続端子に接続された出力機器に対して出力する。なお、入力信号と出力信号をあわせてI/Oデータと呼ぶことがある。つまり、INデータは入力機器からスレーブへ、スレーブからマスタユニットへ、マスタユニットからCPUユニットへと伝わる。また、OUTデータはCPUユニットからマスタユニットへ、マスタユニットからスレーブへ、スレーブから出力機器へと伝わる。
【0028】
マスタユニット12は、図2に示すように、フィールドバスに接続され、実際にデータの送受を行う通信インタフェース12aと、その通信インタフェース12aを介してマスタ−スレーブ間通信をし、スレーブ20との間でI/Oデータの送受を行ったり、所定のコマンドの送信並びにそれに基づくレスポンスの受信を行うマスタ用ASIC12bと、各種の制御を行うMPU12dと、各種の制御実行時にワークエリア等として使用されるRAM12cと、上記制御を行うプログラムや、各種の設定データ等が格納されたEEPROM12eと、CPUユニットなどと内部バス通信を行うためのインタフェース12hと、動作状態(通信状態)や異常/正常などを示すLED表示部12f並びにアドレスの設定などを行うための設定スイッチ12gを備えている。
【0029】
MPU12dが行う制御としては、CPUユニット11その他のユニット等と通信したり、マスタ用ASIC12bを動作させたりするようになっている。特に本発明との関係でいうと、フィールドバス30に接続されたスレーブ20と通信をし、二重アドレスが発生していないかをチェックするようになっている。具体的な処理機能は後述する。
【0030】
スレーブ20は、図3に示すように、フィールドバスに接続され、実際にマスタユニット12との間でI/Oデータや各種メッセージ等の送受を行う通信インタフェース20aと、その通信インタフェース20aを介して取得したマスタ−スレーブ間通信をし、I/Oデータの送受を行ったり、マスタユニット12からの所定のコマンドの受信並びにそれに基づくレスポンスの送信を行うスレーブ用ASIC20bと、各種の制御を行うMPU20dと、上記制御を行うプログラムや、各種の設定データ,IOデータ等が格納されたEEPROM20eと、端子台の構造となっていて入力機器または出力機器の配線を接続してI/Oデータの送受を行うI/O部20jと、動作状態(通信状態)や異常/正常などを示すLED表示部20f並びにノードアドレスの設定などを行うための設定スイッチ20gを備えている。さらに、入力電圧(24V)を5Vに降圧し、スレーブ20内の各素子に電源供給する電源部20iを備えている。なお、スレーブには3種類あって、それぞれ入力スレーブ、出力スレーブ、入出力スレーブがある。例えば入力スレーブは、入力機器を接続するのみであり、INデータを格納しINデータを送信する構成となっている。
【0031】
このスレーブ20は、本発明との関係でいうと、MPU20d内に乱数生成手段を備え、この乱数生成手段は、最初のフィールドバス上のキャリア検知のタイミングで値(乱数)を決定し、決定した乱数は、リセットされるまでその値をホールドする。この乱数の値をホールドするのは、ソフトウエア上のバッファに保持しても良いし、EEPROM20eに格納するようにしても良い。したがって、仮に異なるスレーブ20に同一のノードアドレスを設定する二重アドレス状態が発生しても、その二重アドレスとなった複数のスレーブの乱数の値が一致する可能性はきわめて低くなる。
【0032】
さらに、マスタユニット12から送られてくる自己宛てのステータスリードを受け取ると、自己のノードアドレスとともに上記ホールドしている乱数を含むステータスリードレスポンスを発行し、マスタユニット12に返送する機能を有する。
【0033】
さらにまた、ステータスリードレスポンスを受信したマスタユニット12は、後述するように、取得したステータスリードレスポンスに書き込まれた乱数を含むステータスライトを、ステータスリードレスポンスを発行したスレーブのノードアドレスに向けて出力するので、そのレスポンスの送信先ノードアドレスを持つスレーブは、係るステータスライトを受信し、それに含まれている乱数と自己が保有している乱数をチェックする。
【0034】
そして、スレーブ20は、受信した送信フレームの内容からフィールドバスに対する加入状態(加入ステータス)を判断し、その判断した加入ステータスを記憶保持する機能を有する。すなわち、ステータスリードレスポンスを送信にもかかわらず、自己宛のノードアドレスのステータスライトが受信できなかった場合には、マスタユニット12がそのノードアドレスのスレーブを認識していないと判断できるので、加入ステータスは「未加入ノード」となる。なお、この加入ステータスの初期値は、「未加入ノード」である。
【0035】
このように「未加入ノード」となった場合、単に通信エラーによりマスタユニット12がスレーブを認識できない可能性もあるが、複数回ステータスリードレスポンスを発行しても「未加入ノード」の状態のままであると、複数のスレーブが同時にステータスリードレスポンスを発行したことによりマスタユニット12がステータリードレスポンスを認識できない、つまり、二重アドレスが発生している可能性があるといえる。
【0036】
また、自己宛のノードアドレスのステータスライトを受信し、それに含まれている乱数が自己が保有するものと一致する場合には、マスタユニット12が自己を認識したと判断できるので、加入ステータスは「加入済みノード」となる。これにより、このスレーブは、フィールドバスに正式に加入でき、以降マスタユニット12とI/Oデータの送受が可能となる。
【0037】
そして、自己宛のノードアドレスのステータスライトを受信し、それに含まれている乱数が自己が保有するものと一致しなかった場合には、二重アドレスを生じているとともにマスタユニット12が同一のノードアドレスを持つ他のスレーブを認識し、自己を認識しなかったと判断できるので、加入ステータスは「二重アドレスで待機中」となる。
【0038】
このように、各スレーブ20は、自己の加入ステータスを保持しているので、マスタユニット12は、各スレーブ20が持つ加入ステータスを認識することにより、二重アドレスの発生の有無並びにどのノードアドレスが二重アドレスを発生しているかを検出することができる。
【0039】
次に、上記した処理を実行するためのマスタユニット12並びにスレーブ20の具体的な処理機能を説明する。まず、マスタユニット12並びにスレーブ20が発行するコマンドは、以下のようになっている。
【0040】
図4に示すように、本プロトコルの通信サイクルの開始タイミングはマスタ局であるマスタユニット12が管理する。そして、通信サイクルはOUT_frameから始まり,複数のCN_frame,EVE_frame,IN_frameとつづく。マスタユニットと各スレーブとの間の通信サイクルの開始タイミングは、OUT_frameの正常受信完了をもって合わせられる。つまり通信同期のタイミングをOUT_frameの正常受信完了タイミングとしているわけである。そして、それにつづくCN_frame,EVE_frame,IN_frameのそれぞれのフレーム内容(通信データサイズ、通信タイミング、通信サイクルなど)は常に固定になっているので、各フレームの送信タイミングは、OUT_frameの正常受信完了を開始タイミングとして予め定められた時間監視により行う。
【0041】
ここで、OUT_frameは、マスタユニット12からスレーブ20へのOUTデータ転送用フレームであって、このOUT_frameに各スレーブに対して送信するOUTデータが含まれている。また受信する側の各スレーブ20にとっては、このOUT_frameが通信サイクルの開始を表すフレームとなる。つまり、各スレーブ20はこのOUT_frameの受信完了時点から計時を開始すべく内部カウンタを起動(タイマ起動)し、予め設定したそれぞれの送信タイミングで所定のフレームをマスタユニット12に対して送信する。
【0042】
そして、OUT_frameのデータ構造は、図5に示すようになっている。すなわち、OUT_frameは、「フレームヘッダ」と、マスタユニット12から所定のスレーブ(OUTスレーブ)20へ送る出力データである「OUTデータ」と、フレームチェックシーケンスである「CRC」からなる。さらに、フレームヘッダは、フレームの開始を示す「スタート」と、フレームの識別コード(プロトコル制御コード)を示す「コマンド」と、接続確認したいスレーブのノードアドレス(CN_frameの要求)を登録する「CN_frame送信要求アドレス」と、イベントフレームを送信許可するノードアドレスを登録する「EVENT送信許可アドレス」と、各スレーブでのOUTデータ位置とINフレーム送出位置の登録バージョンを登録する「ドメインバージョン」と、OUTデータのデータ長を登録する「レングス」とを備えている。
【0043】
さらに、「コマンド」には、本発明との関係で言うと、OUTデータのリフレッシュの許可/禁止を指示するコマンドがある。また、接続確認フレーム送信要求モードと、ステータスリード強制要求モードと、接続確認フレームの送信確率(スレーブ側レスポンスが75%)と、ステータスリード強制要求のレスポンス送信確率(スレーブ側レスポンスが75%)設定有効フラグがある。
【0044】
接続確認フレーム送信要求モードは、加入ステータスに対応して「加入済みスレーブへの要求」,「未加入スレーブへの要求」,「二重アドレス検知スレーブへの要求」の3種類を識別するコードである。また、ステータス強制要求モードは、スレーブに対してEVE_flameの発行を要求するもので、「加入済みスレーブへの要求」,「二重アドレス検知スレーブへの要求」の2種類を識別するコードである。さらに、接続確認フレームの送信確率(スレーブ側レスポンスが75%)設定有効フラグ(1/0)と、ステータスリード強制要求のレスポンス送信確率(スレーブ側レスポンスが75%)設定有効フラグ(1/0)がある。なお、この各送信確率の設定有効フラグは、スレーブがレスポンスを送信する確率を設定するもので、有効フラグが1の時は、75%の確率でレスポンスを返し、有効フラグが0の時は、100%の確率でレスポンスを返すようになる。
【0045】
CN_frameは、ネットワークに接続されているかどうかを確認するための接続確認用フレームである。すなわち、OUT_frame中のCN_frame送信要求アドレスで指定されたスレーブが、レスポンスして返送するフレームであり、図6に示すようなデータ構造をとっている。ここで、「スタート」はフレームの開始を示すもので、「コマンド」はフレーム識別コード,プロトコル制御コードであり、「送信元アドレス」はこのCN_frameを送信したスレーブに設定された送信元アドレスであり、「CRC」はフレームチェックシーケンスである。そして、「コマンド」には、加入ステータスの3つの状態のどれかを特定する2ビットのコードが格納される。
【0046】
EVE_frameは、通信サイクル中のメッセージデータ転送フレームである。いつどのノードが転送するかはマスタが決定し、OUT_frame中のEVENT送信許可アドレスに格納するノードアドレスで通知する。このフレームのデータ構造は、図7に示すようになっている。ここで、「スタート」はフレームの開始を示すもので、「コマンド」はフレーム識別コード,プロトコル制御コードであり、「宛先アドレス」はこのイベントデータを送信する宛先アドレスであり、「送信元アドレス」はこのイベントデータを送信したノードに設定された送信元アドレスであり、「レングス」は送信するイベントデータのデータ長であり、「イベントデータ」は送信する内容であるイベントデータであり、「CRC」はフレームチェックシーケンスである。
【0047】
さらに、「コマンド」には、本発明との関係で言うと、マスタユニットが使用する「ステータスライト要求」と、そのステータスライト要求に対する「ACKレスポンス」や「BUSY」(スレーブのみ使用)がある。また、「加入済スレーブへのステータスリード要求」と、「未加入スレーブへのステータスリード要求」と、「二重アドレス検知スレーブへのステータスリード要求」がある。これらのステータスリード要求は、いずれもマスタユニットのみが使用する。
【0048】
さらに、「レスポンス確率設定有効での未加入スレーブへのステータスリード要求」と、「レスポンス確率設定有効での二重アドレス検知スレーブへのステータス情報読出し要求」がある。これらの読み出し要求は、いずれもマスタユニットのみが使用する。
【0049】
さらにまた、上記以外のコマンドとして、スレーブのみが使用するものとしては、上記した各ステータスリードに対する「ACKレスポンス」な「BUSYレスポンス」がある。
【0050】
IN_frameは、スレーブからマスタへのINデータ転送用フレームである。どのスレーブがいつIN_frameを転送するかは、バスイニシャライズ時にマスタが設定する。なお、このIN_frameは、実際のIOデータの送受の際に利用するもので、従来と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0051】
そして、本実施の形態では、マスタユニット12とスレーブ20の間で上記した各種のフレームを送受することにより、二重アドレス発生を検知する。すなわち、図8に示すように、マスタユニット12は、EVE_frameにより、アドレスを順次変えながらステータスリード要求をする(▲1▼)。このとき、全ての加入ステータスに対して逐次ステータスリード要求を発行するようにしても良いし、未加入スレーブに対してのみステータスリード要求をするようにしても良い。
【0052】
このステータスリード要求を受けた該当するノードアドレス(例えば#0)のスレーブは、ステータスリードに対するレスポンスを返すが、このとき、自己のアドレスとともにスレーブ20が持つ乱数を付加する(▲2▼)。すると、二重アドレスを生じている場合には、複数のレスポンスがネットワーク(フィールドバス)上を伝送されるため衝突を生じる。そのため、いずれか1つのレスポンスのみがマスタユニット12に受信されるか、或いは全てのレスポンスが受信されない。
【0053】
マスタユニット12がレスポンスを受信すると、マスタユニット12は、EVE_frameにより、受信したアドレスを送信先アドレスとし、ステータスライトのコマンドを発行する(▲3▼)。このとき、受信した乱数も付加する。このステータスライトは、送信先アドレスと一致するノードアドレスのスレーブ20が受信する。図示の場合にはノードアドレス#0を持つ2つのスレーブ20がそれぞれ受信する。
【0054】
そして、乱数が一致するスレーブ20は、EVE_frameを用いてマスタユニット12に対してステータスライトに対するレスポンスを返す(▲4▼)。このレスポンスも乱数付きである。そして、このレスポンスをマスタユニットが受信することにより、ノードアドレス#0が存在し、ネットワークに加入していることが確認できる。また、スレーブ20は、上記したレスポンスを返すとともに、ステータスライト要求に伴い初期値が未加入スレーブの加入ステータスを加入済みスレーブに変更する。
【0055】
また、乱数が一致しないスレーブ20は、二重アドレスが発生しているとともに、他のスレーブがマスタユニット12に認識されたことが理解できる。よって、内部初期化をするとともに二重アドレス異常状態になる。つまり、初期値が未加入スレーブの加入ステータスを二重アドレスで待機中に変更する。また、ネットワークへは加入できず、ステータスライトレスポンスも返さない。また、異常状態であるので、LED表示部20Fを点灯させ、二重アドレスにより待機中であることを周囲に知らせるようにする。
【0056】
なお、加入ステータスが加入状態となったスレーブ20は、実際には、そのスレーブ20のステータス情報/INデータリフレッシュ許可をイネーブルにすることでINリフレッシュが開始され、OUT_frameのコマンドによってOUTデータのリフレッシュが開始される。これにより、通常のI/Oデータの送受が行われる。
【0057】
一方、マスタユニット12がステータスリードに対してレスポンスがない場合、そのステータスリードを発したノードアドレスのスレーブが存在していない場合と、二重アドレスが発生しており、しかも、複数のスレーブから発せられるレスポンスが衝突し、いずれのレスポンスもマスタユニット12に受信できなかった場合の両方がある。二重アドレスが発生している場合には、以下に示す処理を行うことにより、未加入のスレーブからのレスポンスを受信することが可能となる。
【0058】
すなわち、OUT_frameを使ったCN_frame送信確率付きの接続確認要求を行うか、EVE_frameを使ったステータスリードでレスポンス確率付きとすることで、未加入のスレーブからのレスポンスが受信できる可能性がある。つまり、スレーブ側でのCN_frame送信確率とEVE_frameを使ったステータスリード要求でのスレーブ側でのレスポンス送信確率を75%とすることができる。そこで、75%の確率付きとすることで、25%の確率でスレーブはフレームを送信しないので、数回のステータスリード要求再送を行うなかで1つのノードだけがレスポンスを返す確率が高くなり、検出確率を向上させることができる。
【0059】
そして、二重アドレスを発生している複数のスレーブの中の1つのみがフレームを送信する状態が発生した場合には、確実にその送信したフレームがマスタユニット12に受信される。すると、上記した図8中(b)に示すように、受信されなかった他のスレーブ20は、二重アドレスによる待機状態となる。
【0060】
次に、マスタ側での二重アドレス異常検知スレーブの認識手順について説明する。図9に示すように、まず、マスタユニット12は、OUT_frameの接続確認フレーム送信要求モード(二重アドレス検知スレーブに対する要求)を発行する(▲1▼)。すると、該当スレーブ、つまり加入ステータスが二重アドレスで待機中のスレーブがCN_frameにより応答を返す。このCN_frameを受信することにより、マスタユニット12は、該当アドレスで二重アドレスが発生していることを認識できる。
【0061】
また、別の認識手順としては、図10に示すように、マスタユニット12は、OUT_frameの二重アドレス検知スレーブに対するステータスリード強制要求有りコマンドを発行する(▲1▼)。これにより、該当スレーブのステータス情報を得ることもできる(▲2▼)。
【0062】
上記した二重アドレスの検知処理は、例えば図11に示すフローチャートを実行することにより実施される。まず、ネットワーク初期化処理開始に伴い、ネットワークに存在しうる全てのスレーブに対し、確率付き接続確認フレーム送信要求をかける(ST1)。このとき、コマンドオプションとして「未加入ノードアドレスのみ応答」を付加することもできる。
【0063】
この確率付き接続確認フレーム送信要求に対して応答のなかったスレーブは、(1)確率付きのシーケンスで応答となったが、他にも同じアドレスのスレーブからの応答があったため、フレームが衝突しフレームエラー;
(2)確率付きのシーケンスで無応答となった;
(3)ネットワークに存在しない;
(4)ノイズでフレームエラー:
(5)確率付きのシーケンスで無応答となった;
の可能性がある。
【0064】
そこで、リカバリ手順として、応答のなかったノード全てに確率付き接続確認フレーム送信要求をかける(ST2)。このとき、「コマンドオプションとして未加入ノードアドレスのみ応答」を付加するとよい。確率付きにすることにより、マスタユニット12がレスポンスを受信する可能性が高くなる。そして、応答のなかったノードの全てが応答するまで、このステップ2を繰り返し実行する。
【0065】
全てが応答したならば、応答のあったスレーブに確率付きステータス読み出しコマンドを発行する(ST3)。「コマンドオプションとして未加入ノードアドレスのみ応答」を付加するとよい。
【0066】
このステップ3の処理で応答のなかったスレーブは、
(1)確率付きのシーケンスで応答となったが、他にも同じアドレスのスレーブからの応答があったため、フレームが衝突しフレームエラー;
(2)ノイズでフレームエラー;
の可能性がある。
【0067】
そこで、リカバリ手順として、このステップ3で応答のなかったノード全てに確率付きステータス読み出しコマンドを発行する(ST4)。このとき「コマンドオプションとして未加入ノードアドレスのみ応答」を付加するとよい。そして、応答のなかったノードの全てが応答するまで、このステップ4を繰り返し実行する。
【0068】
全てが応答したならば、ST3で応答のあったスレーブの属性(in,out,点数,スレーブ固有の乱数を記録)を記録する(ST5)。次いで、ステップ3で応答のあったノード全てにステータス書き込みコマンドを乱数付きで発行する(ST6)。
【0069】
そして、ステップ3で応答のあったノード全てに確率付きステータス読み出しコマンドを発行する(ST7)。このとき、「コマンドオプションとして二重アドレス検知スレーブのみ」とする。
【0070】
このステップ7で応答のなかったスレーブは、
(1)ノイズでフレームエラー;
(2)二重アドレスノードが2つ以上存在する;
(3)確率付きのシーケンスで無応答となった;
の可能性がある。
【0071】
そこで、ステップ7で応答のなかったノード全てに確率付きステータス読み出しコマンドを発行する(ST8)。このとき、「コマンドオプションとして二重アドレス検知スレーブのみ」とする。そして、応答のなかったノードの全てが応答するまで、このステップ7を繰り返し実行する。
【0072】
全てが応答したならば、ステップ3で応答のあったノード全てにステータス読み出しコマンド発行(「コマンドオプションとして二重アドレス検知スレーブのみ応答」を付加)する(ST9)。そして、このステップ8で応答のあったノードを二重アドレス異常のノードとして記録する(ST10)。
【0073】
このようにして、乱数折り返しを使ったステータスリード→ステータスライトを行うことで、スレーブ側での二重アドレス検知が可能である。二重アドレス異常状態に遷移したスレーブは、二重アドレス異常検知スレーブ向けのステータスリードとCN_frameのみにレスポンスを返すだけで、IOリフレッシュや他のイベント通信等は一切行わない。これにより、二重アドレスが設定された複数のスレーブの1つのみが正規に加入するため、安定した通信が行える。
【0074】
また、スレーブは、マスタユニット12からのステータス情報の読み出し、書き込みが終了するまでIOリフレッシュを実行しない。具体的には、INデータについては、スレーブ20のステータス情報/INデータリフレッシュ許可がアサートされた時点でリフレッシュを開始し、IN_frameを送出することが出来るようになる。また、OUTデータについては、OUT_frame中のOUTデータのリフレッシュ許可フラグによって、スレーブでのOUTデータのリフレッシュ開始が許可される。
【0075】
また、このようにしてマスタユニット12は、二重アドレスの有無を含めたネットワーク構成を認識することができる。そして、以後通常のIO情報の送受等を行うが、適宜のタイミングで、ネットワークの状態(加入ステータスの変更の有無等)を監視することができる。すなわち、マスタユニット12は、▲1▼加入済みのスレーブが接続し続けているか,▲2▼新たなスレーブが接続されていないか等を監視する。
【0076】
▲1▼加入済みのノードが接続し続けているか
マスタユニット12から加入済みスレーブに対してだけに、加入済みスレーブに対する要求モードによる定期的なポーリング(OUT_frameにて)をかける。ポーリングを受けた加入済みのスレーブはCN_frame(加入済みステータスを付加)をマスタに向け返送する。これにより、加入済みのノードが接続し続けているかを判定する。
【0077】
▲2▼新たなノードが接続されていないか
電源立ち後れなどで諸記事にネットワークに加入できなかったスレーブが後から加入することがある。従って、マスタユニット12から全スレーブに向け、未加入スレーブに対する要求モードによる定期的なポーリング(OUT_frameにて)をかける。ポーリングを受けたスレーブ(加入ステータスが「未加入スレーブ」)は、CN_frame(未加入ステータスを付加)をマスタに向けて返送する。
【0078】
新たなスレーブの接続を検知したマスタは、そのスレーブに対してEVE_frameによる加入勧誘を行い、電源投入時の初期処理と同様に、スレーブとの間で所定のフレームの送受を行う。そして、新たなスレーブは、加入ステータスが加入済みとなり、マスタユニット側ではメモリ割付けを行い、以後、通常のIO情報の送受等が行われる。
【0079】
【発明の効果】
以上のように、この発明では、スレーブに乱数を持たせ、マスタからのステータスリード要求に対してその乱数付きのレスポンスを返送し、そのレスポンスを受信したマスタは、受信した乱数を付加したステータスライト要求を発行するようにしたため、スレーブは、ステータスライト要求に付加された乱数と自己の乱数を比較することにより、二重アドレスが発生しているか否かを判断できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図である。
【図2】マスタユニットの内部構造を示すブロック図である。
【図3】スレーブの内部構造を示すブロック図である。
【図4】通信サイクルにおいて送受されるフレームを示すフレームを示す図である。
【図5】OUT_frameのデータ構造を示す図である。
【図6】CN_frameのデータ構造を示す図である。
【図7】EVE_frameのデータ構造を示す図である。
【図8】二重アドレス検知方法の一例を説明する図である。
【図9】二重アドレス検知方法の一例を説明する図である。
【図10】二重アドレス検知方法の一例を説明する図である。
【図11】二重アドレス検知方法の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 PLC
11 CPUユニット
12 マスタユニット
12a 通信インタフェース
12b マスタ用ASIC
12c RAM
12d MPU
12e EEPROM
12f LED表示部
12g 設定スイッチ
12h インタフェース
20 スレーブ
20a 通信インタフェース
20b スレーブ用ASIC
20d MPU
20e EEPROM
20f LED表示部
20g 設定スイッチ
20i 電源部
20j I/O部
30 フィールドバス

Claims (9)

  1. マスタと、スレーブが、フィールドバスに接続されて構成されるフィールドバスシステムにおける二重アドレス検知方法であって、
    前記スレーブは、設定された乱数を記憶保持し、
    前記マスタは、前記フィールドバスに接続されたスレーブに対し、ノードアドレスを指定してステータスリード要求を発行し、
    前記指定されたノードアドレスを持つスレーブは、前記ステータスリード要求を受信すると、自己のノードアドレスとともに前記乱数を前記ステータスリード要求に対するレスポンスとして返送し、
    前記マスタは、前記レスポンスを受信すると、受信したノードアドレスのスレーブに対し、前記乱数を含むステータスライトを発行し、
    前記ステータスライトの送信アドレスを持つスレーブは、受信した前記ステータスライトとともに送られてきた乱数と、自己が記憶保持する乱数を比較し、一致しない場合には、同一のノードアドレスを持つ他のスレーブが存在する二重アドレス状態であることを検知し、自己は待機状態になることを特徴とするフィールドバスシステムにおける二重アドレス検知方法。
  2. 前記マスタは、前記待機状態になっているスレーブのノードアドレスを取得することにより、二重アドレスが発生していることを認識することを特徴とする請求項1に記載のフィールドバスシステムにおける二重アドレス検知方法。
  3. 前記スレーブが前記マスタに返すレスポンスの送信に確率を設定し、送信タイミングにきても所定の割合で前記レスポンスを送信しないように制御することを特徴とする請求項1または2に記載のフィールドバスシステムにおける二重アドレス検知方法。
  4. フィールドバスに接続可能なスレーブであって、
    前記フィールドバスを介してマスタと通信する通信手段と、
    設定された乱数を記憶する乱数記憶手段と、
    前記マスタから送られてきた自己のノードアドレス宛のステータスリード要求を受信した際に、自己のノードアドレスとともに前記乱数記憶手段に記憶された乱数を前記ステータスリード要求に対するレスポンスとして返送する機能と、
    前記マスタから送られてきた自己のノードアドレス宛の乱数を含むステータスライトを受信した際に、そのステータスライトとともに送られてきた乱数と、自己が記憶保持する乱数を比較し、一致しない場合には、同一のノードアドレスを持つ他のスレーブが存在する二重アドレス状態であることを検知し、自己のステータスを待機状態にする機能を備えたことを特徴とするスレーブ。
  5. 前記マスタに返すレスポンスの送信に確率を設定し、送信タイミングにきても所定の割合で前記レスポンスを送信しないように制御する機能を備えたことを特徴とする請求項4に記載のスレーブ。
  6. フィールドバスに接続可能なマスタであって、
    前記フィールドバスを介してスレーブと通信する通信手段と、
    前記フィールドバスに接続されたスレーブに対し、ノードアドレスを指定してステータスリード要求を発行する機能と、
    そのステータスリード要求に対するスレーブからの乱数付きのレスポンスを受信した際に、その受信したノードアドレスのスレーブに対し、受信した乱数を含むステータスライトを発行する機能を備えたことを特徴とするマスタ。
  7. 前記ステータスライトに基づいて待機状態に設定されたスレーブのノードアドレスを取得することにより、二重アドレスが発生しているスレーブを認識する機能を備えたことを特徴とする請求項6に記載のマスタ。
  8. 請求項6に記載のマスタと、請求項4に記載のスレーブが、フィールドバスに接続されて構成されるフィールドバスシステムであって、
    前記マスタは、前記フィールドバスに接続されたスレーブに対し、ノードアドレスを指定してステータスリード要求を発行し、
    前記指定されたノードアドレスを持つスレーブは、前記ステータスリード要求を受信すると、自己のノードアドレスとともに前記乱数を前記ステータスリード要求に対するレスポンスとして返送し、
    前記マスタは、前記レスポンスを受信すると、受信したノードアドレスのスレーブに対し、前記乱数を含むステータスライトを発行し、
    前記ステータスライトの送信アドレスを持つスレーブは、受信した前記ステータスライトとともに送られてきた乱数と、自己が記憶保持する乱数を比較し、一致しない場合には、同一のノードアドレスを持つ他のスレーブが存在する二重アドレス状態であることを検知し、自己は待機状態に設定されるようにしたことを特徴とするフィールドバスシステム。
  9. 前記マスタが、前記待機状態に設定されたスレーブのノードアドレスを取得することにより、二重アドレスが発生しているスレーブを認識することができる請求項8に記載のフィールドバスシステム。
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