JP4022844B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヨークの内周面に永久磁石から成る複数の磁極を配置した固定子を有する回転電機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、磁極として永久磁石を用いた固定子では、巻線式より鋼板製ヨークの板厚を薄くできるため、小型軽量化に好適である。しかし、ヨークの板厚が薄くなると、高振動下において使用されるスタータに用いた場合、ヨークの剛性が低いために、エンジン等の外部からの振動と共振することがある。この場合、締結部材である通しボルトに緩みが生じ、その結果、各部品同士間の異常摩耗等が発生することが考えられる。この解決策として、特開平8−163798号公報では、周方向に隣合う磁極(永久磁石)間において、ヨークの円筒壁部に外周側から内周側へ向けて窪んだ凹部を設け、この凹部に通しボルトを配設した回転電機が記載されている(図4参照)。この場合、凹部がリブの作用を果たし、通しボルトの締め付け力を凹部の端面によって受けることができるため、ヨークの板厚を薄くしても十分な剛性を確保できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の様にヨークの円筒壁部に凹部を設けると、その凹部が周方向に隣合う磁極間に入り込んでくるため、ヨークの円筒壁部に凹部を設けていない場合より、磁極側面とヨーク(凹部)との距離が小さくなる。その結果、磁極側面とヨーク(凹部)との間の磁気洩れが増加して、回転電機の性能が低下するという問題があった。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、ヨークの内周面に永久磁石から成る磁極を備えた回転電機において、磁極側面からヨークへの磁気洩れを低減でき、且つ剛性に優れた回転電機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の手段)
ヨークには、周方向に隣合う磁極間に、ヨーク内周面と磁極側面との交点付近を起点として内周側から外周側へ向かって膨らむ膨出部が軸方向に沿って設けられている。この場合、磁極側面とヨーク内周面との交点において磁極側面とヨーク内周面の接線とが成す角度より、磁極側面と膨出部の起点から外周側へ伸びる膨出部内周面との成す角度の方が大きくなる。これにより、従来の様に磁極間のヨークに内周側へ窪む凹部を設けた場合より、磁極側面とヨーク(膨出部)との距離を大きくできるため、磁極側面からヨークへの磁気洩れを低減でき、その結果、回転電機の性能向上を達成できる。
また、通しボルトが膨出部の内周側を通って配設されると共に、その通しボルトの中心からヨークの内周面に接する2本の接線間の角度の内、膨出部を含む側の角度(α)が180度より大きいことを特徴とする。この場合、従来の様にヨークに凹部を設けて、その凹部に通しボルトを配設した場合より、通しボルトの締め付け力を受けるヨーク端面(座面)の面積を大きく確保できるため、座面の座乗性(座りの良さ)を向上できる。また、座面の座乗性向上により、ヨークの開口端部を閉塞する閉塞部材の剛性を高める必要がなくなるため、従来の鋼板やアルミダイカスト等の金属に代えて、例えば樹脂製とすることも可能となる。その結果、更なる軽量化、低コスト化を図ることができる。
【0005】
(請求項の手段)
周方向に隣合う磁極間に補助磁極を配置したことにより、補助磁極の減磁性能を向上できる。つまり、ヨークの筒状壁部に設けた膨出部の内周側に補助磁極が配置されるため、ヨークに膨出部がない場合よりヨークの内周面(膨出部の内周面)と補助磁極との距離を大きくすることができる。これにより、補助磁極を含む磁気回路の磁気抵抗が大きくなるため、結果的に補助磁極の減磁性能を向上できることになる。
【0007】
(請求項の手段)
電磁スイッチの駆動力を受けて回転規制部材を作動させるレバーは、アーマチャの径方向外側を通って直線状に延びる棒状部を有し、この棒状部が膨出部の内周側に配設されている。この場合、ヨークの膨出部をレバーの棒状部を収納する収納スペースとして利用できるため、新たにレバーの棒状部を収納するための収納スペースを設ける必要がない。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の回転電機を図面に基づいて説明する。
図1は固定子1の径方向断面図である。
本実施例の回転電機は、例えば自動車用スタータに用いられる直流モータであり、図1に示す様に、ヨーク2の内周面に複数の磁極3を有する固定子1(界磁)を備える。
ヨーク2は、磁性体である軟鋼板製で略円筒状に形成され、少なくとも軸方向一端側の開口端部が図示しないエンドカバー(本発明の閉塞部材)によって閉塞されて、複数本(図1では2本)の通しボルト4により締め付け固定されている。
磁極3は、フェライト等の永久磁石から成り、略直方体形状に設けられてヨーク2の周方向に等間隔に配置され、径方向にS極とN極が現れる様に着磁されている。但し、周方向に隣合う磁極3同士は、図1に示す様に、互いの磁極3が異なる様に(つまり、各磁極3が周方向に交互にS極、N極となる様に)着磁されている。
【0009】
また、ヨーク2には、周方向に隣合う磁極3間に、ヨーク2内周面と磁極側面3aとの交点付近を起点として内周側から外周側へ向かって膨らむ膨出部5が軸方向に沿って設けられている。この膨出部5は、図1に示す様に、その断面形状が半円形状に形成され、且つヨーク2の円筒壁部2aとアール5aによって結ばれている。ここで、磁極側面3aと膨出部5の内周面との成す角度θ2 は、磁極側面3aとヨーク2の円筒壁部2aの内周面との成す角度θ1 に対し、以下の関係(数1)が成り立つ様に構成されている。
【数1】
θ2 >θ1
なお、通しボルト4は、図1に示す様に、それぞれ膨出部5の内周に近接して配設されている。
【0010】
本実施例の様に、固定子1の磁極3として永久磁石を用いた場合、特に多用されるフェライト磁石と空気との透磁率が略等しいため、磁極側面3aからの磁気洩れが性能に影響する。この磁気洩れは、下記の数式(数2)で求められる洩れパーミアンス係数Peで表される。
【数2】
Pe=(180/π・θ)×(Lm/Am)×Wm
なお、Lm:磁石(磁極3)の径方向厚さ、Am:磁石(磁極3)の断面積、Wm:磁石(磁極3)の軸方向幅、θ:磁石側面(磁極側面3a)とヨーク2内周面との成す角度(図2参照)。
また、磁極3の有効磁束量Φmは、下記の数式(数3)により求められる。
【数3】
Φm=(Bd−2Pe・Hd)×Am
上記の関係により、洩れパーミアンス係数Peで表される磁気洩れを小さくするためには、θをできる限り大きくとることが有効であり、その結果、有効磁束量Φmが増加して回転電機の出力が向上することが分かる。
【0011】
(本実施例の効果)
本実施例によれば、ヨーク2の磁極3間に内周側から外周側へ向かって膨らむ膨出部5を設けたことにより、磁極側面3aと膨出部5の内周面との成す角度θ2 を磁極側面3aとヨーク2の円筒壁部2aの内周面との成す角度θ1 より大きく取れるため、上述の関係(数2及び数3)からも分かる様に、磁極側面3aからの磁気洩れを小さくできる。その結果、有効磁束量Φmが増加して回転電機の出力を向上できる。
また、通しボルト4を膨出部5の内側に通し、且つ膨出部5の内周面に近接して配設したことにより、膨出部5がない場合(周方向に隣合う磁極3間に通しボルト4を配設している)と比較して、通しボルト4と磁極側面3a間の距離を大きく取ることができる。その結果、隣接する磁極3間の磁気洩れを低減できる効果がある。これは、耐振性を高めるために通しボルト4を多く(3本以上)使用した時(但し、最大極数分)に、特に効果が大である。
【0012】
更に、本実施例では、通しボルト4の締め付け力を受けるヨーク2端面(座面)の座乗性を向上させることができる。つまり、図3に示す様に、通しボルト4の中心Oからヨーク2の内周面に接する2本の接線Xを引いた場合、膨出部5を含む2本の接線Xの成す角度αは180度より大きくなる。一方、従来技術で説明した様に、ヨーク2の磁極3間に凹部6を形成した場合は、図4に示す様に、通しボルト4の中心Oからヨーク2の外周面に接する2本の接線Yを引くと、凹部6を含む2本の接線Yの成す角度βは180度より小さくなる。なお、図3及び図4において一点鎖線で示す円4aは、通しボルト4の頭部直径を表す想像線である。また、図中のφDは、径方向の対向位置に配設された通しボルト4間の直径である。
【0013】
以上により、本実施例の方が従来の場合より通しボルト4の締め付け力を受ける座面の面積を大きく取ることができるため、座面の座乗性が向上し、通しボルト4を強く締め付けた場合でも座面が傾くことがなく、より強い締め付け力を確保することができる。これにより、ヨーク2の開口端部を塞ぐエンドカバーの剛性を高める必要がないため、エンドカバーを従来の鋼板やアルミダイカスト等の金属に代えて、例えば樹脂製とすることも可能となり、更なる軽量化、低コスト化を図ることができる。
上述の様に、本発明によれば、従来より性能を向上できるとともに、軽量且つ低コストの回転電機を提供できる。これは、軽量で高出力が要求され、且つ高振動下で使用されるスタータモータとして好適である。
【0014】
(第2実施例)
図5は固定子1の径方向断面図である。
本実施例は、ヨーク2の磁極3間に設けた膨出部5の形状を変更して更なる出力向上を図った一例を示すものである。
膨出部5は、図5に示す様に、ヨーク2の円筒壁部2aに対して略直線状に結ばれている。この場合、磁極側面3aと膨出部5の略直線部5bとの成す角度θ3 は、第1実施例に示したθ2 より大きく(θ3 >θ2 )することができるため、磁極側面3aからの磁気洩れを更に小さくでき、より大きな効果(磁気洩れ低減による出力向上)を得ることができる。
【0015】
(第3実施例)
図6は回転電機の径方向断面図である。
本実施例では、周方向に隣合う磁極3(以下、主磁極3と呼ぶ)間に補助磁極7を配設した一例を示す。
補助磁極7は、主磁極3と同様にフェライト等の永久磁石から成り、周方向にS極とN極が現れる様に着磁されている。但し、隣接する主磁極3の内面側と極性が同一となる様に着磁されている。
この補助磁極7は、図7に示す様に、主磁極3間の電機子起磁力の最大点に位置するため、補助磁極7の減磁性能は、補助磁極7を含む磁気回路(図6に破線で示す)の磁気抵抗が大きく影響する。つまり、磁気回路の磁気抵抗が大きくなる程、補助磁極7の減磁性能が向上する。なお、図6及び図7において、電機子(アーマチャ)を符号8で示す。
【0016】
ここで、磁気抵抗Rは、下記の数式(数4)により求められる。
【数4】
R=L/μ・A
L:補助磁極7とヨーク2内周面との距離
A:補助磁極7の断面積
μ:空気の透磁率
この数式より、補助磁極7とヨーク2内周面との距離Lが大きくなる程、磁気抵抗Rも大きくなることが分かる。
本実施例では、周方向に隣合う主磁極3間に補助磁極7を配置しているため、図6に示す様に、補助磁極7とヨーク2内周面との距離Lは、補助磁極7と膨出部5の内周面との距離L2 となり、膨出部5がない時の距離L1 より大きくなる。この結果、膨出部5がない時より磁気抵抗が大きくなり、補助磁極7の減磁性能が向上するため、主磁極3間の漏洩磁束が更に低減されて出力向上を図ることができる。
【0017】
(第4実施例)
次に、本発明の固定子を具備するスタータの実施例を図8〜図12に基づいて説明する。
図8はスタータ10の全体断面図である。
なお、第1〜第3実施例に記載した同一名称の部品(ヨーク2、磁極3、通しボルト4、膨出部5、アーマチャ8)については、そのまま同一符号を付けて説明する。
スタータ10は、通電を受けて回転力を発生するスタータモータ11、このスタータモータ11の回転軸と同軸に配された出力軸12、スタータモータ11の回転力を出力軸12へ伝達する回転力伝達手段(後述する)、出力軸12の外周に嵌め合されたピニオン13、このピニオン13をエンジンのリングギヤ(図示しない)に噛み合わせる際に、ピニオン13が出力軸12上を移動する推力を得るためにピニオン13の回転を規制する回転規制部材14、ピニオン13がリングギヤと噛み合った後にピニオン13の後退を規制する後退規制部材15、スタータモータ11の後方に配置されたマグネットスイッチ16等より構成されている。
【0018】
(スタータモータ11の説明)
スタータモータ11は、ヨーク2、磁極3、アーマチャ8、ブラシ17等より構成されている。
ヨーク2は、円筒状に設けられ、その後端側(図8の右端側)に配置される軸受保持板18とともにハウジング19とエンドカバー20との間に挟持されている。
アーマチャ8は、回転軸を成すシャフト21、このシャフト21の外周に設けられたコア22、このコア22に巻装されたコイル23等より構成され、コイル23の後端面をコンミテータとして形成している。このアーマチャ8は、出力軸12の後方でシャフト21が出力軸12と同軸に配され、シャフト21の一端側が隔壁部24に配設された軸受25を介して回転自在に支持され、シャフト21の他端側が軸受保持板18に保持された軸受26を介して回転自在に支持されている。隔壁部24は、アーマチャ8と遊星歯車減速装置(後述する)とを区画するもので、ヨーク2の前端側にヨーク2と一体に設けられている。
ブラシ17は、軸受保持板18に係合したホルダ27に保持され、エンドカバー20に組み込まれたスプリング(図示しない)によりコンミテータ(コイル23の後端面)に押圧されている。
【0019】
(出力軸12の説明)
出力軸12は、その先端が軸受28を介してハウジング19の先端部に回転自在に支持され、後端部が軸受29を介してセンタケース30に回転自在に支持されている。
センタケース30は、ハウジング19の後端側内周に固定されて、回転力伝達手段の外周を覆っている。
【0020】
(回転力伝達手段の説明)
回転力伝達手段は、遊星歯車減速装置と一方向クラッチとから構成される。
遊星歯車減速装置は、スタータモータ11の回転速度を減速して、スタータモータ11の出力トルクを増大する減速装置であり、シャフト21の先端外周に形成されたサンギヤ31、このサンギヤ31の外周に噛み合う3個の遊星ギヤ32、各遊星ギヤ32と噛み合うインターナルギヤ33、及び出力軸12の後端に装着されたプラネットキャリア34より構成される。3個の遊星ギヤ32は、それぞれプラネットキャリア34に固定されたピン35に軸受36を介して回転自在に支持されている。
一方向クラッチは、周知の機能を有するもので、プラネットキャリア34が兼ねるクラッチアウタ、出力軸12に設けられたクラッチインナ37、及びローラ38等により構成されている。
【0021】
(ピニオン13の説明)
ピニオン13は、ハウジング19の内部で出力軸12の先端寄り外周にヘリカルスプライン嵌合されて、ピニオン13の先端側に配されたスプリング39により常時出力軸12の後方(図8の右方向)へ付勢されている。
スプリング39は、ピニオン13の前方で出力軸12の外周に嵌め合わされたシャッタ40を介してピニオン13を付勢している。シャッタ40は、ピニオン13の移動に連動してハウジング19のリングギヤ側に開口する開口部(図示しない)を開閉するものである。
ピニオン13の後端側には、ピニオン13より外径寸法が大径で、その外周に多数の凹部41aが形成されたフランジ41が一体に設けられている。なお、凹部41aは、ピニオン13の外歯枚数より多く形成されている。また、フランジ41の後端側には、スラストベアリング42を介してピニオン13の回転方向に回転自在なスラストリング43が組付けられている。
【0022】
(後退規制部材15の説明)
後退規制部材15は、図9(回転規制部材14と後退規制部材15とを図8のA方向から見た矢視図)に示すように、プレート44に設けられた2つのプレート突起部44a、44bにそれぞれ配設された穴(図示しない)に係合する接続部15aと、回転規制部材14の第1の突起部14aに当接する当接部15bとから構成されている。後退規制部材15の外周の一部は、スラストリング43に設けられた2つの爪部(図示しない)によって係合され、ピニオン13とともに、前記穴を支点として後退規制部材15が揺動する。
プレート44は、ハウジング19とセンタケース30との間に挟持され、外周に設けられた突起44c(図9参照)がハウジング19に設けられた溝(図示しない)に係合して回転方向の位置決めがされている。
【0023】
(回転規制部材14の説明)
回転規制部材14は、棒状の金属材を巻回して形成され、それぞれの先端部には、後退規制部材15の当接部15bに当接する第1の突起部14aと、レバー45(後述する)に設けられた作動部45aに当接する第2の突起部14bとが設けられるとともに、この第1、第2の突起部14a、14bが径方向の対向位置で同一方向へ直角に曲げ起こされて突出している。
この回転規制部材14は、センタケース30とプレート44との間の空間部に収納され、第1、第2の突起部14a、14bがプレート44から前方に取り出されており、空間部を図9のB−C方向に移動可能に配置されている。また、回転規制部材14は、プレート44に取り付けられたリターンスプリング46によって常時図9のB方向へ付勢されており、レバー45を介してマグネットスイッチ16の吸引力が第2の突起部14bに伝達されると、回転規制部材14全体がリターンスプリング46の付勢力に抗して図9のC方向へ移動し、マグネットスイッチ16がオフされて吸引力が消滅すると、リターンスプリング46の付勢力により図9のB方向へ移動して初期位置へ復帰する。
【0024】
(マグネットスイッチ16の説明)
マグネットスイッチ16は、図8に示すように、軸受保持板18の後端側に保持されて、エンドカバー20の内側に配され、スタータモータ11のシャフト21に対して動作方向が交差するように固定されている。
このマグネットスイッチ16は、スイッチカバー47、コイル48、固定鉄心49、プランジャ50、スプリング51、及びロッド52等により構成されている。
スイッチカバー47は、磁性体製(例えば鉄製)でカップ状にプレス成形され、カバー底面(図8の下面)の中央部に、プランジャ50を摺動自在に挿通する挿通穴が空けられている。
コイル48は、車両の始動スイッチ(イグニッションスイッチ/図示しない)を介して車載バッテリ(図示しない)に接続され、始動スイッチがオンされて通電されることにより磁力を発生する。
【0025】
固定鉄心49は、コイル48の上端側に配されて、スイッチカバー47の開口部にかしめ固定されている。
プランジャ50は、磁性体製(例えば鉄製)で略円柱形状を呈し、コイル48の中空内部に固定鉄心49と対向して配置され、コイル48への通電時に磁化された固定鉄心49側(図8の上方)へ吸引される。なお、プランジャ50の底部には、レバー45の移動部45bが係合されている。
スプリング51は、コイル48の内周でプランジャ50と固定鉄心49との間に介在され、固定鉄心49に対してプランジャ50を図8の下方へ付勢している。即ち、コイル48への通電が停止された時に、それまでスプリング51の付勢力に抗して固定鉄心49側へ吸引されていたプランジャ50を初期位置へ復帰させる。
ロッド52は、プランジャ50の上部側に固定されて、コイル48の中空内部を通り、固定鉄心49の中央部に空けられた貫通穴を摺動自在に貫通して上方へ突出されている。
【0026】
マグネットスイッチ16の接点構造は、エンドカバー20に取り付けられた端子ボルト53、この端子ボルト53の頭部53aに固定され、起動抵抗体54が接続された固定接点55、正極側ブラシのリード線(図示しない)に接続される主可動接点56、この主可動接点56に銅板を介して接続される副可動接点57より構成される。
端子ボルト53は、エンドカバー20の底壁を貫通して先端側がエンドカバー20の外部に露出した状態で取付けられ、ワッシャ58の締め付けによりエンドカバー20に固定されている。この端子ボルト53は、給電線(図示しない)により車載バッテリの正極に接続されている。
固定接点55は、エンドカバー20の内部で端子ボルト53の頭部53aに溶接等により固定されている。
主可動接点56は、固定接点55に対向して配置され、マグネットスイッチ16のロッド52に摺動自在に嵌め合わされている。
【0027】
起動抵抗体54は、例えばニッケル線をコイル状に巻回して設けられ、一端が固定接点55に接続され、他端が副可動接点57に対向して配置される。
副可動接点57は、起動抵抗体54に対向して配置され、マグネットスイッチ16がオンされてプランジャ50が吸引されると、ロッド52の移動に伴って端子ボルト53に電気的に接続される起動抵抗体54に当接し、マグネットスイッチ16がオフされると、固定鉄心49の外側端面に当接して電気的に導通状態となっている。
なお、主可動接点56と固定接点55との間隔より副可動接点57と起動抵抗体54との間隔の方が小さく設定されており、マグネットスイッチ16がオンされてプランジャ50が固定鉄心49側へ吸引された時は、主可動接点56が固定接点55に当接する前に副可動接点57が端子ボルト53に電気的に接続される起動抵抗体54に当接して、バッテリ電圧が起動抵抗体54を介してスタータモータ11のアーマチャ8に印加される。
【0028】
(レバー45の説明)
レバー45は、適度な弾性を有する材料、例えば鉄から形成されている。このレバー45は、プランジャ50に係合し、プランジャ50に連動して移動する移動部45b(図10参照)と、回転規制部材14の第2の突起部14bに当接して回転規制部材14を作動させる作動部45a(図9参照)と、移動部45bと作動部45aとを連結する直線棒状の棒状部45cとから構成される。この棒状部45cは、図11(固定子1の断面図)に示すように、ヨーク2の膨出部5内に配置され、アーマチャ8のシャフト21と略平行に延びている。
移動部45bと作動部45aは、棒状部45cの軸を中心に径方向外側に向かって棒状部45cの両端からそれぞれ延びており、棒状部45cの軸を中心として移動部45bと作動部45aとの成す角度は、所定の角度(例えば60度程度)である。棒状部45cは、2つの樹脂から成る軸受59、60によって軸支されている。一方の軸受59はハウジング19とセンタケース30との間で挟持され、他方の軸受60はエンドカバー20と軸受保持板18との間で挟持されている。
【0029】
エンドカバー20には、図12に示すように、通しボルト4(本実施例では2本)が挿入され、且つ頭部4aが当接する貫通穴20aが形成されている。そして、通しボルト4の先端の雄ネジ部4bをエンドカバー20の貫通穴20aに貫通させて、ハウジング19の雌ネジ部19aに螺合させ、エンドカバー20とハウジング19とを強固に固定している。なお、2本の通しボルト4は、図11に示すように、径方向に対向するヨーク2の膨出部5内に収納されている。
また、通しボルト4及びレバー45の棒状部45cが収納されていないヨーク2の膨出部5は、ヨーク2内の空気通路を形成している。
【0030】
次に、本実施例の作動を説明する。
乗員により始動スイッチがオンされて、マグネットスイッチ16のコイル48が通電されると、プランジャ50がスプリング51の付勢力に抗して、磁化された固定鉄心49側へ吸引される。このプランジャ50の移動に伴ってレバー45の移動部45bが棒状部45cの軸を中心に回動し、さらに棒状部45cの軸を中心にして作動部45aが回動することにより、作動部45aが回転規制部材14の第2の突起部14bに当接しながら、その回転規制部材14が図9のC方向へ所定量移動して、第1の突起部14aがフランジ41の外周に設けられた凹部41aに係合することにより、ピニオン13の回転が規制される。
【0031】
一方、プランジャ50の上昇に伴って副可動接点57が端子ボルト53に電気的に接続されている起動抵抗体54に当接し、起動抵抗体54を介して正極側ブラシに通電されることによりスタータモータ11が起動されてアーマチャ8が低電圧で印加された状態で回転する。アーマチャ8の回転は、遊星歯車減速装置で減速されて出力軸12に伝達され、出力軸12が回転する。この出力軸12の回転によってピニオン13も回転しようとするが、ピニオン13は第1の突起部14aにより回転規制されていることから、出力軸12の回転力は、ピニオン13に対して軸方向に押し出す推力として作用する。この結果、ピニオン13は、出力軸12上をヘリカルスプラインに沿って前進してリングギヤと噛み合うことができる。
後退規制部材15は、プレート44に設けられた2つのプレート突起部44a、44bの穴を支点として、ピニオン13の前進に伴ってスラストリング43に引っ張られ、ピニオン13とともに揺動する。また、回転規制部材14は、ピニオン13が完全にリングギヤに噛み合うと、第1の突起部14aの先端がフランジ41の凹部41aから外れて、後退規制部材15の後端側に落ち込むことにより、ピニオン13の回転規制を解除する。
【0032】
その後、主可動接点56が固定接点55に当接すると、起動抵抗体54が短絡されてスタータモータ11に定格電圧が印加され、アーマチャ8が高速で回転する。これにより、アーマチャ8の回転が遊星歯車減速装置を介して出力軸12に伝達され、回転規制が解除されたピニオン13が出力軸12と共に回転してリングギヤを回転することによりエンジンを始動することができる。
ピニオン13が前進してリングギヤと噛み合った状態では、ピニオン13の先端側に配されたスプリング39の付勢力が大きくなる。また、エンジン始動後、ピニオン13がリングギヤによって回転されると、エンジンの回転力がヘリカルスプラインの作用によってピニオン13を後退させる方向へ作用する。これらの力により、ピニオン13は出力軸12上を後退しようとするが、回転規制部材14の第1の突起部14aが後退規制部材15の当接部15bに当接することによってピニオン13の後退が規制され、ピニオン13がアーマチャ8側に後退することを阻止できる。
【0033】
その後、始動スイッチがオフされて、マグネットスイッチ16のコイル48への通電が停止されると、コイル48の磁力が消滅することで、それまで固定鉄心49側へ吸引されていたプランジャ50がスプリング51の付勢力によって初期位置へ戻される(図8で下方へ移動する)。このプランジャ50が初期位置へ戻ることにより、レバー45を介して回転規制部材14の第2の突起部14bに当接し下方へ押圧した力が消滅することから、回転規制部材14はリターンスプリング46のバネ力によって初期位置へ復帰する。この時、後退規制部材15は、回転規制部材14の第1の突起部14aが係合凹部から外れて係合状態が解除されるとともに、レバー45の作動部45aが回転規制部材14の第2の突起部14bから離脱し、当接が解除される。この結果、リングギヤから後退力を受けるピニオン13が静止位置に戻される。
以上のように、本実施例では、レバー45の棒状部45cが膨出部5の内周側に配設されている。この場合、ヨーク2の膨出部5をレバー45の棒状部45cを収納する収納スペースとして利用できるため、新たにレバー45の棒状部45cを収納するための収納スペースを設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】固定子の径方向断面図である(第1実施例)。
【図2】永久磁石の斜視図である。
【図3】ヨークの膨出部近傍の断面図である。
【図4】ヨークの凹部近傍の断面図である(従来例)。
【図5】固定子の径方向断面図である(第2実施例)。
【図6】回転電機の径方向断面図である(第3実施例)。
【図7】電機子起磁力と補助磁極との位置関係を示す回転子と固定子の一部展開図である(第3実施例)。
【図8】スタータの全体断面図である(第4実施例)。
【図9】回転規制部材と後退規制部材とを図8のA方向から見た平面図である(第4実施例)。
【図10】エンドカバーの内部構造を示す断面図である(第4実施例)。
【図11】固定子の開口部を軸方向から見た正面図である(第4実施例)。
【図12】通しボルトの締結状態を示すスタータの全体図である(第4実施例)。
【符号の説明】
1 固定子
2 ヨーク
3 磁極(永久磁石)
4 通しボルト
5 膨出部
7 補助磁極
8 アーマチャ
12 出力軸
13 ピニオン
14 回転規制部材
16 マグネットスイッチ(電磁スイッチ)
45 レバー
45c 棒状部

Claims (3)

  1. 筒状ヨークの内周面周方向に永久磁石から成る複数の磁極を略等間隔に配置した固定子と、
    少なくとも前記ヨークの軸方向一端側の開口端部を閉塞する閉塞部材と、
    この閉塞部材を前記ヨークに固定するための通しボルトとを備える回転電機において、
    前記ヨークには、周方向に隣合う前記磁極間に、前記ヨーク内周面と磁極側面との交点付近を起点として内周側から外周側へ向かって膨らむ膨出部が軸方向に沿って設けられており、
    前記通しボルトが前記膨出部の内周側を通って配設されると共に、その通しボルトの中心から前記ヨークの内周面に接する2本の接線間の角度の内、前記膨出部を含む側の角度(α)が180度より大きいことを特徴とする回転電機。
  2. 周方向に隣合う前記磁極間に補助磁極を配置したことを特徴とする請求項1に記載した回転電機。
  3. 回転力を発生するアーマチャと、
    このアーマチャの回転力が伝達されて回転する出力軸と、
    この出力軸上にヘリカルスプライン結合され、前記出力軸上を移動してエンジンのリングギヤに噛み合うことができるピニオンと、
    前記出力軸上を前記ピニオンを移動させるために前記ピニオンの回転を規制する回転規制部材と、
    この回転規制部材を作動させるための駆動力を発生する電磁スイッチと、
    この電磁スイッチの駆動力を受けて前記回転規制部材を作動させるレバーと
    を備え、
    前記レバーは、前記アーマチャの径方向外側を通って直線状に延びる棒状部を有し、この棒状部が前記膨出部の内周側に配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載した回転電機。
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