JP4020202B2 - 縞状パターン抽出システムおよび縞状パターン抽出方法 - Google Patents

縞状パターン抽出システムおよび縞状パターン抽出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は縞状パターン抽出システムおよび縞状パターン抽出方法に関し、特に、指紋・掌紋の照合や、線材や畳表の乱れや異物の検出、あるいは、罫線紙・方眼紙の印刷物の欠陥検査などのために、縞状パターンを抽出する縞状パターン抽出システムおよび縞状パターン抽出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の指紋の隆線方向パターン平滑化方法として、方向角の評価を初期値との差と近傍との差が最小になるような評価式を用いて調整する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、従来の指紋隆線抽出法として、隆線の接続性を評価することによって方向角をクラスタリングし、クラスターを評価することによって最適候補を選択することによって擬似隆線を削減する手法がある(特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−181956号公報(特に、図1)
【特許文献2】
特開平9−167230号公報(特に、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1に記載されている方向パターン平滑化法では近傍の方向角と近くなるように修正するため、隣り合った領域でも誤った初期方向が算出された場合には修正が不可能であるという問題点があった。
【0006】
また、上記の特許文献2に記載されている隆線抽出法では、第1隆線候補がその方向に隆線が存在することを確認しているので、隣接した領域に正しい隆線方向が抽出されている必要があり、ノイズによって隣接する領域の方向角が誤っていた場合には、正しく修正することができないという問題点があった。
【0007】
すなわち、指紋の隆線抽出という意味では短いしわの除去はできるが、一定の長さを持つしわは残ってしまっていた。また、かすれ指やベタ指のようにある一定の広さをもつ領域において隆線の形状がつぶれている場合には、隆線の修復はできなかった。
【0008】
この発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、主信号が並行成分で表される縞状パターンの入力画像から、非並行ノイズを除去して高精度に並行成分を抽出するとともに、かすれ・ベタ等による曖昧な隆線の補正を行うことが可能な縞状パターン抽出システムおよび縞状パターン抽出方法を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、縞状パターンを含み得る処理対象となる画像が入力される画像入力手段と、上記画像から縞状パターンを構成する線要素の局所的な方向角を所定数抽出する方向角抽出手段と、上記方向角抽出手段が抽出した上記方向角の信頼性評価値を算出する信頼性評価値算出手段と、上記信頼性評価値算出手段が算出した上記信頼性評価値のうち、並行な線が所定の条件より多く存在しない画素の信頼性評価値を抑制することにより、偽方向角の除去を行う並行成分制約手段とを備え、上記並行成分制約手段により偽方向角の信頼性評価値が抑制された方向角を、その信頼性評価値とともに方向角データとして出力する縞状パターン抽出システムである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
本実施の形態では指紋の隆線抽出を例に挙げて説明するが、その場合に限らず、掌紋照合、年輪や線材または畳表を撮像した画像からそれらの隆線の乱れや異物の検出、あるいは、罫線紙・方眼紙の印刷物の欠陥検査など、主たる周波数帯域の狭い画像における線領域抽出・補正にも、本発明は適用できるものとする。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態1に係る縞状パターン抽出システムの構成を示した構成図であり、本発明における指紋隆線抽出方式を示している。
【0012】
図1に示すように、本実施の形態に係る縞状パターン抽出システムには、縞状パターンを含み得る処理対象となる画像を入力する画像入力部1と、入力された画像から縞状パターンを構成する線要素の局所的な方向角を所定数抽出すると同時にその方向角の信頼性評価値を算出する方向角・信頼性評価値抽出処理部2と、当該信頼性評価値のうち、並行な線要素が所定の条件より多く存在しない画素の信頼性評価値を抑制することにより、偽方向角の除去を行う並行成分制約フィルタ3と、並行成分制約フィルタ3により偽方向角の信頼性評価値が抑制された方向角を、その信頼性評価値とともに方向角データとして出力する方向角画像出力部6とが設けられている。
【0013】
また、並行成分制約フィルタ3には、図1に示すように、方向角・信頼性評価値抽出処理部2によって算出される初期方向角データと予め設定した抽出参照領域設定ルールとに基づいて抽出参照領域を設定する抽出参照領域設定部31と、設定された抽出参照領域内において初期方向角データの並行成分を抽出する並行成分抽出部32と、あらかじめ設定した判定基準に基づき並行成分の有無判定を行い方向角データと信頼性評価値とを更新する並行成分有無判定部33とが設けられている。
【0014】
次に、本発明の縞状パターン抽出システムの動作について説明する。
【0015】
(1)画像入力部
まず、はじめに、画像入力部1について説明する。画像入力部1においては、指紋をセンサで撮像しその画像を入力するか、または、指紋画像が保存された記憶装置などから入力する。
【0016】
(2)方向角・信頼性評価値抽出処理部
次に、方向角・信頼性評価値抽出処理部2について説明する。方向角・信頼性評価値抽出処理部2においては、画像入力部1に入力された画像から隆線の局所的な方向を抽出すると同時にその信頼性を評価した信頼性評価値を算出する。
【0017】
方向角および信頼性の抽出方法としてはフーリエ変換による方向角抽出およびその信号強度を用いた信頼性評価法、ラプラシアンフィルタやソーベルフィルタのようにエッジ強度による方向角抽出および信頼性評価法、2値画像に施した方向別フィルタの結果により得られる局所的方向角の出現頻度による方向角抽出および信頼性評価法などがあるが、ここではGaborフィルタを用いる方法で説明する。
【0018】
Gaborフィルタは指紋などの方向性を持ったパターンの抽出法として良く用いられるフィルタである(例えば、文献 Lin Hongら、"Fingerprint Image Enhancement:Algorithm and Performance Evaluation", IEEE transactions on pattern analysis and intelligence, Vol.20, No.8, August 1998)。
【0019】
Gaborフィルタはフーリエ変換と同じく、sin波とcos波に対応する計算式が存在するが、ここでは隆線の中央部の出力信号が高くなるように、cos波成分のみのフィルタを用いる。また、波の周期は1種類、方向θを16方向に限定して説明するが、いずれも数が多い方が精度は向上する。
【0020】
Gaborフィルタの計算式を式(1)に示す。
【0021】
【数1】
Figure 0004020202
【0022】
具体的には、式(1)の関数値をセットした16方向のフィルタマスクを用意して、入力画像と積和演算する。なお、関数は無限の広がりを持つが、フィルタカーネルの大きさを有限にするため、gauss関数の値が十分小さくなる所で切り捨ててもかまわない。
【0023】
出力値outputは、下記の式(a)もしくは例えば式(b)〜式(d)にようにして与えられる。
【0024】
【数2】
Figure 0004020202
【0025】
例えば、式(a)もしくは式(b)を用いる場合は、その符号(正か負か)に応じて隆線または谷線が抽出対象となる。また、式(c)を用いる場合は、隆線と谷線の両方が抽出され、隆線と谷線の中間が除去の対象となる。また、そのような変換のほか、例えば出力の丸め処理やテーブル変換関数、しきい値処理の組み込みなどのように初等関数で表されない複雑な変換も含めれば、式(d)のように表される。以降は簡単のため式(a)または式(b)として説明する。
【0026】
次に各画素において、式(a)または式(b)によって得られた16の出力値が、たとえば隣接方向と比較して極大となっているような方向角を大きい順にN個選択し、その位置の初期方向角と初期評価値とする。そして、信頼性評価値はたとえば単純に初期評価値がしきい値を超えていれば1もしくは初期評価値そのもの、さもなくば0のようにするか、もしくは隣接方向や隣接領域における初期方向角および初期評価値との比較処理を行って、初期方向角の分散値が小さく初期評価値のコントラスト値が大きな場合ほど大きな点数を与えるような複雑な処理を行っても良い。以下では、説明を単純にするため、N=1とするが、複数個持つことが望ましい。なお、しきい値を±0(事実上しきい値無し)としても動作するが、微小なノイズが持つランダムな方向角のすべてに対しても無意味な処理がなされてしまう。
【0027】
また、方向角は必ずしも16段階の離散値として保持する必要はなく、例えば近傍領域における方向角との間で適宜平滑化などの処理を行って方向角の分解能を上げておくことにより、性能を向上することもできる。
【0028】
(3)並行成分制約フィルタ
次に、並行成分制約フィルタ3による偽方向角除去処理について説明する。たとえば溝の深いしわでは、正しい隆線(または谷線)よりも画像のコントラストが高いために、誤って大きな信頼性評価値が算出されてしまっており、単純に値の大小で正しい隆線(または谷線)を判定することはできない。しかしながら、縞状パターンにおける正しい隆線(または谷線)は、並行している線が数多く存在するが、しわにおいては並行している線はほとんどない。そこで、所定の線と並行な線が存在する画素のみについての信頼性評価値は残し、そうでない画素の信頼性評価値を下げる。並行成分制約処理は次のようになる。
【0029】
(i)抽出参照領域設定部31
注目画素における方向角θの法線方向(θ±90度)に、計n個の並行線抽出参照領域を設定するという抽出参照領域設定ルールを予め定めておく。当該ルールと初期方向角データとに基づいて、図2に示すように、注目画素100における基準線101に対して傾きθの方向角θ(符号102)の法線方向(θ±90度)103に、計n個の並行線抽出参照領域104を設定する。
【0030】
なお、ここでは、方向角θ(符号102)の両側に抽出参照領域104を設定したが、どちらか片側のみに設定しても良い。また、抽出参照領域104は図2に示す矩形に限らず、幅や形状を変えても良い。このように、いずれのように設定してもよいが、いずれにおいても所定の抽出参照領域設定ルールを設定しておいて、抽出参照領域を初期方向角データと当該所定の抽出参照領域設定ルールとに基づいて設定する。
【0031】
また、抽出参照領域104を1ウインドウあたり1つとして設定せずに大きな複数本抽出用のウインドウ状にしておき、法線103方向に参照画素をずらしながら並行成分を複数抽出することも可能である。その際には抽出された並行成分同士が一定間隔以上の距離を持つように参照画素の位置を順次設定すると狭い間隔で存在するノイズ成分を誤って数えることを避けることができる。
【0032】
(ii)並行成分抽出部32
各抽出領域Wiについて、Wiに属するすべての領域(x,y)について、θ±thθにおける信頼性評価値のうち、最大値をとる領域(x,y)・角度・信頼性評価値をその参照領域Wiの代表値とする。なお、定数thθ はあらかじめ設定しておく。
【0033】
また、このときθにおける信頼性評価値を例えば103に沿った方向の座標順に並べ、隣接する評価値より高い値をとり、かつ最大値をとる領域(x,y)・角度・信頼性評価値を代表とするように制約を強めることも可能である。この場合、該当画素がない場合もありえるので、その場合は信頼性評価値=0とする。
【0034】
(iii)並行成分有無判定部33
次に各参照領域の信頼性評価値を大きい順に並べ替え、上からm番目の値と注目画素における初期信頼性評価値を比較し、小さい方を注目画素の信頼性評価値として更新する。線の横に信頼性評価値の大きな並行成分がm本以上あれば、もとの信頼性評価値が残る。 逆に並行成分がm本以上存在してもその信頼性評価値が注目画素よりも小さい場合には注目画素における信頼性評価値は下がる。並行成分がm本以上存在しない場合には信頼性評価値は0とする。
【0035】
上記の処理により、大きな信頼性評価値の並行線のない画素の信頼性評価値は、さらに小さく抑制される。また、指紋のコア付近や指紋領域の端付近のように線の片側にしか並行線がない領域も存在するが、例えば、m≦n/2と選べば、少なくとも片側に必要数の線があれば隆線として残るため、誤って正しい隆線を抑制することを防げる。また、別の方法として、例えば方向角の右側と左側で独立に、片側のみの抽出参照領域を設定してそれぞれで偽方向角除去処理を行い、その2つの結果をOR演算するようにしても、片側に必要数の線があれば隆線の信頼性評価値が残る。また、本例のように1抽出領域につき1本抽出とすると、短いノイズの線が並行して集中する傾向のあるノイズ領域でも、不当に多くの並行線を数えすぎてしまうことを防ぐことができる。図4の例ではn=6、m=3の場合を示している。
【0036】
また、この偽方向角除去の処理は複数回繰り返すことも可能で、そのようにすると信頼性の低い方向角の信頼性評価値は徐々に削除され、ノイズ除去効果がさらに高くなる。
【0037】
この並行成分制約フィルタ3により、正しい線分上の画素では信頼性評価値は高くなる一方、ノイズ線分上の画素では信頼性評価値が低く抑えられるため、非並行でコントラストの大きなノイズ線分が多く含まれた入力画像に対しても信頼性の高い方向角画像が得られる。
【0038】
以上のように、本実施の形態においては、並行成分制約フィルタ3を用いて、すべての領域での方向角とその信頼性を評価した信頼性評価値からその領域の方向の垂直方向に並行な成分が存在することを調べ、存在する場合のみ、その領域の方向角と信頼性評価値を残すので、指紋におけるしわや畳表の上の草の切り屑など並行成分が複数存在しないノイズによる誤まった方向角を持つ線成分や、かすれ・べたなどの領域で発生しやすい並行成分が少ないか、あるいは、並行成分が存在しても信頼性が低いようなノイズによる誤った方向角を除去することができる。
【0039】
実施の形態2.
本実施の形態では、実施の形態1で得られるような方向角画像を入力として、非並行で信頼性評価値の大きなノイズ線分が除去された縞状パターン画像を再構成する方法について述べる。簡単な再構成方法の一例としては、例えば上述の実施の形態1で得られた方向角画像の信頼性評価値をそのまま画素値として出力すればよい(なお、N>1の場合は、複数の信頼性評価値のうち、例えば最大値を選択する。)。このようにして得られた縞状パターン画像は、例えばパターンマッチングのような方法による指紋照合処理に用いることができる。ただし、実施の形態1で得られた方向角画像には、ノイズが極度に多い場合に微小な隆線の途切れやノイズ画素の残留が含まれたままとなっているため、例えば、この方法で得られた縞状パターン画像に細線化処理を施すことが必要な用途などにおいては、さらに微小ノイズまで取り除くほうが望ましい。以下では、このような用途の存在を考慮して、微小ノイズまで取り除かれた縞状パターン画像を得る方法について説明する。
【0040】
図3に、本実施の形態2に係る縞状パターン抽出システムの構成を示す。なお、本実施の形態2では、画像入力部1から並行成分制約フィルタ3までの構成については、上述の実施の形態1と同一のものを用いるものとし、ここでは、それらの説明を省略する。方向角決定処理部4は、並行成分制約フィルタ3により得られる方向角データに基づいて、偽方向角の信頼性評価値の抑制された方向角画像を出力するとともに、修正参照領域を設定して当該修正参照領域内に存在する方向角につき、所定のしきい値以上の信頼性評価値を持つ方向角のうち最多の方向角を選択して、当該画素の修正された方向角とする。隆線抽出画像部(縞状パターン画像再構成手段)5は、決定された当該方向角に対応する信頼性評価値を取り出して、縞状パターンが再構成された画像を生成する。
【0041】
方向角決定処理部4には、図3に示すように、予め設定したパラメータに従い修正参照領域を設定する修正参照領域設定部41と、修正参照領域内の方向角データおよび信頼性評価値に基づき最適方向角を決定する方向角決定部42とが設けられている。以下、本実施の形態における縞状パターン抽出システムにおける方向角決定処理部4以降の処理について説明する。
【0042】
(1)方向角決定処理部
方向角決定処理部4において、方向角決定処理を次の手順で行う。
【0043】
(i)修正参照領域設定部41
対象とする画素に対して修正参照領域を設定する。本実施の形態においては、図4に示すように、各画素200において、半径r画素の範囲を修正参照領域202として設定する。半径r(符号201)は、大きいほど平滑化されノイズ除去効果が大きいが、平滑化されすぎたり端領域を除去してしまう可能性も高くなるため、適宜、調整が必要である。
【0044】
修正参照領域202の形状は、図4に示すような円形だけでなく、楕円、矩形、短冊状など他の形状でも良い。縞状パターンの直線性が強い場合には矩形、指紋のように緩やかなカーブを持つ場合には円形や楕円形・扇形が適している。
【0045】
また、修正参照領域202は隆線のピッチや形状にあわせて注目画素から離れたところに複数設定しても良い。
【0046】
もしくは、参照領域202をガウス関数のような重み付け窓にすれば、参照領域の中心値から大きく離れた画素の方向角が選択されることを防いだり、参照領域の境界部で発生しやすい打ち切りノイズが発生しないようにできる。
【0047】
(ii)方向角決定部42
参照領域202内に存在する上記の方向角について、しきい値以上の信頼性評価値を持つ方向角のうち最多の方向角を選択し、その画素の方向角とする。ただしその方向角の頻度がしきい値に満たない場合は、方向角不定とする。
【0048】
これにより、方向角が平滑化されるとともに、隆線など並行成分制約フィルタ3の処理で一度抑制された画素に対しても、そこから一定距離内に隆線があれば、その方向角で補間される。さらに、背景領域と、隆線パターンのつぶれがひどいために明確な方向角のピークがない領域ではスコアがしきい値に満たないことから方向角不定と判定されるため、マスク領域とする。
【0049】
ここでは方向角は最多方向角によって決定したが、信頼性評価値や窓関数の重みを重みとした重みつきヒストグラムをとり、最も重み付き出現頻度の高い方向角を求めて、その画素の方向角とする決定することも可能である。
【0050】
また、最大値1つではなく最大のものから複数個を残しておき、同じ方向角を持つ領域ごと分割し、その中でもっとも大きな面積をもつ方向角を選択するといった方法によって決定することもできる。もしくはその領域の重心が注目画素に最も近い方向角を選択することによって決定することもできる。
【0051】
また、この処理を複数回おこなうことによって方向角不定領域を減らし、より滑らかな方向角に修正することも可能である。
【0052】
(2)隆線抽出画像部
最後に各画素において、上記の(1)式で計算された16方向のフィルタリング結果から、上記で求めた方向角に対応する信頼性評価値を抜き出して、隆線抽出画像を作る。なお、方向角不定の領域はマスクする。
【0053】
以上の処理により、最終的に並行な隆線のない領域が除外され、信頼性の高い領域だけで構成され、補正された隆線抽出画像が得られる。
【0054】
ここで得られた隆線画像をもとに隆線形状の抽出、分岐点・端点などの特徴点の抽出などを行い、指紋情報を登録・照合する。または、これをテンプレートとして直接照合する。
【0055】
このように、並行成分抽出フィルタと方向角補間修正処理機能を設けたことにより、しわ・かすれ・ベタ指などのノイズを多く含んだ指紋についても隆線の抽出が可能となり指紋の登録・照合処理の精度が向上する。
【0056】
また、ここでは1画素ごとに方向角を抽出する処理を示したが、これは複数画素を1領域として領域ごとに方向角を求める処理にも適用可能である。
【0057】
以上のように、本実施の形態においては、上述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、方向角決定処理部4による方向角補間修正処理によって、近傍の方向角ごとの信頼性評価値の和によって、その和が最大となる方向角を選択し、その位置の最終的な方向角として決定するので、信頼性の高い正しい方向角を補間することができる。
【0058】
また、補間によっても信頼性が高い方向角が得られない領域は並行線が存在しない領域、すなわち、背景領域として切り出すことができるので、指紋領域と背景領域をわけることができる。
【0059】
また、指紋領域内でも並行線が存在せず補間によっても方向角不定となる領域はマスク領域として、その後の処理から除かれるので信頼性の低い領域で誤った隆線を抽出することがない。
【0060】
この2つの処理を組み合わせることによって確実に正しい信号のみを用いて補間できるため、ノイズが多い画像に対しても高いノイズ除去効果を持ちながら高信頼度の信号を抽出できるという相反する要求を満たす相乗効果がある。
【0061】
これらの作用によって主信号が並行成分で表される縞状パターンの入力画像から高精度で非並行ノイズを除去して並行成分を抽出でき、画質を改善したり並行でない物体や成分を精度よく検出できる。
【0062】
例えば、指紋の隆線抽出に適用した場合は、しわや汗腺による誤った隆線を削除し、かすれ・べたのあいまいな隆線を補正することが可能となり、全体として高精度の隆線抽出および指紋の照合が可能となる。
【0063】
また、線材や畳表の乱れや異物の検出、罫線紙・方眼紙の印刷物の欠陥検査などを高精度に行うことができる。
【0064】
【発明の効果】
この発明は、縞状パターンを含み得る処理対象となる画像が入力される画像入力手段と、上記画像から縞状パターンを構成する線要素の局所的な方向角を所定数抽出する方向角抽出手段と、上記方向角抽出手段が抽出した上記方向角の信頼性評価値を算出する信頼性評価値算出手段と、上記信頼性評価値算出手段が算出した上記信頼性評価値のうち、並行な線が所定の条件より多く存在しない画素の信頼性評価値を抑制することにより、偽方向角の除去を行う並行成分制約手段とを備え、上記並行成分制約手段により偽方向角の信頼性評価値が抑制された方向角を、その信頼性評価値とともに方向角データとして出力する縞状パターン抽出システムであるので、主信号が並行成分で表される縞状パターンの入力画像から、非並行ノイズを除去して高精度に並行成分を抽出するとともに、かすれ・ベタ等による曖昧な隆線による誤った方向角を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る縞状パターン抽出システムの構成を示したブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係る縞状パターン抽出システムにおける抽出参照領域の設定方法を示した説明図である。
【図3】 本発明の実施の形態2に係る縞状パターン抽出システムの構成を示したブロック図である。
【図4】 本発明の実施の形態2に係る縞状パターン抽出システムにおける修正参照領域の設定方法を示した説明図である。
【符号の説明】
1 画像入力部、2 方向角・信頼性評価値抽出処理部、3 並行成分制約フィルタ、4 方向角決定処理部、5 隆線抽出画像部、31 抽出参照領域設定部、32 並行成分抽出部、33 並行成分有無判定部、41 修正参照領域設定部、42 方向角決定部。

Claims (6)

  1. 縞状パターンを含み得る処理対象となる画像が入力される画像入力手段と、
    上記画像から縞状パターンを構成する線要素の局所的な方向角を所定数抽出する方向角抽出手段と、
    上記方向角抽出手段が抽出した上記方向角の信頼性評価値を算出する信頼性評価値算出手段と、
    上記信頼性評価値算出手段が算出した上記信頼性評価値のうち、並行な線が所定の条件より多く存在しない画素の信頼性評価値を抑制することにより、偽方向角の除去を行う並行成分制約手段と
    を備え、
    上記並行成分制約手段により偽方向角の信頼性評価値が抑制された方向角を、その信頼性評価値とともに方向角データとして出力する
    ことを特徴とする縞状パターン抽出システム。
  2. 上記方向角データに基づいて最適方向角を決定する方向角決定処理手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の縞状パターン抽出システム。
  3. 上記方向角決定処理手段は、
    予め設定した条件により修正参照領域を設定する修正参照領域設定手段と、
    上記修正参照領域設定手段が設定した修正参照領域内の方向角データおよび信頼性評価値に基づいて最適方向角を決定する方向角補間修正手段と
    を含むことを特徴とする請求項2に記載の縞状パターン抽出システム。
  4. 上記方向角決定処理手段による上記最適方向角に対応する上記信頼性評価値を取り出して、縞状パターンが再構成された画像を生成する縞状パターン画像再構成手段
    をさらに備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の縞状パターン抽出システム。
  5. 上記方向角抽出手段は、上記画像入力手段から入力された画像から方向ごとの初期評価値を算出し、初期評価値が最大または極大となる方向を、初期方向角データとして、少なくとも1つ抽出する初期方向角データ抽出部を備え、
    上記信頼性評価値算出手段は少なくとも上記初期評価値を用いて信頼性評価値を求め、
    上記並行成分制約手段は、
    上記初期方向角データと予め設定されている所定の抽出参照領域設定ルールとに基づいて、抽出参照領域を設定する抽出参照領域設定部と、
    上記抽出参照領域設定部が設定した上記抽出参照領域内において初期方向角データの並行成分を抽出する並行成分抽出部と、
    あらかじめ設定した判定基準に基づき、並行成分の有無判定を行い、方向角データと信頼性評価値とを更新する並行成分有無判定部と
    を備えている
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の縞状パターン抽出システム。
  6. 画像入力手段が、縞状パターンを含み得る処理対象となる画像入力するステップと、
    方向角抽出手段が、入力された上記画像から縞状パターンを構成する線要素の局所的な方向角を所定数抽出するステップと、
    信頼性評価値算出手段が、上記方向角抽出手段が抽出した上記方向角の信頼性評価値を算出するステップと、
    並行成分制約手段が、上記信頼性評価値算出手段が算出た上記信頼性評価値のうち、並行な線が所定の条件より多く存在しない画素の信頼性評価値を抑制することにより、偽方向角の除去を行うステップと
    を備え、
    上記並行成分制約手段により偽方向角の信頼性評価値が抑制された方向角を、その信頼性評価値とともに方向角データとして出力する
    ことを特徴とする縞状パターン抽出方法。
JP2003170890A 2003-06-16 2003-06-16 縞状パターン抽出システムおよび縞状パターン抽出方法 Expired - Fee Related JP4020202B2 (ja)

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