JP4018791B2 - 電子写真装置および電子写真方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置および電子写真方法に関するものであり、詳しくは、複写機、プリンター等に使用される電子写真装置および電子写真方法に関するものである。なお、電子写真装置に使用される電子写真用感光体を単に感光体と略記する。
【0002】
【従来の技術】
C.F.カールソンの発明による電子写真技術は、即時性、高品質かつ保存性の高い画像が得られることから、近年では複写機の分野にとどまらず、各種プリンターやファクシミリの分野でも広く使用されている。この電子写真プロセスは、基本的には、感光体の均一な帯電および像露光による静電潜像の形成、当該静電潜像のトナーによる現像、当該トナー像の紙への転写(中間に転写体を経由する場合もある)及び定着による画像形成プロセスから成り立っている。
【0003】
電子写真技術の中核となる感光体については、その光導電材料として、従来からのセレニウム、ヒ素−セレニウム合金、硫化カドミウム、酸化亜鉛などの無機系光導電体から、最近では、無公害で成膜が容易で製造が容易である等の利点を有する、有機系光導電材料を使用した感光体が開発されている。
【0004】
特に、電荷発生層(CGL)及び電荷輸送層(CTL)を積層した、いわゆる積層型感光体は、より高感度な感光体が得られること、材料の選択範囲が広く且つ安全性の高い感光体が得られること、また、塗布の生産性が高く且つ比較的コスト面でも有利であることから、現在では、感光体の主流として大量に生産されている。
【0005】
一方、最近、より高画質な画像を得るため、または、入力画像を記憶し或いは自由に編集するため、画像形成のためのデジタル化が急速に進行している。すなわち、これまで、デジタル的に画像形成する手段は、ワープロやパソコンの出力機器であるレーザープリンター、LEDプリンター又は一部のカラーレーザーコピア等に限られていたが、従来アナログ的な画像形成が主流であった普通の複写機の分野にも益々デジタル化が進行している。
【0006】
上記の様なデジタル的画像形成において、コンピュータ情報を直接扱う場合は、その電気信号を光信号に変換し、また、原稿からの情報入力の場合は、原稿情報を光情報として読み取って一度デジタル電気信号に変換した後、再度光信号に変換して感光体に入力する。すなわち、感光体に対して光信号が入力されるが、斯かるデジタル信号の光入力には、主として、レーザーやLEDを光源とする単色光が使用されている。現在最もよく使用され、今後とも広く使用されると判断される入力光の波長は、近赤外光やそれに近い長波長光(600〜850nmの範囲、具体的には、780nm、660nm、630nm付近)である。
【0007】
従って、デジタル的画像形成に使用される感光体にとって、先ず、第一に要求される性能は、上記の長波長光に対する感度であり、これまでにも多種多様な材料が検討されている。なかでも、フタロシアニン化合物は、合成が比較的簡単であり、長波長光に感度を示す化合物が多いことから、幅広く検討されて実用にも供されている。例えば、特公平5−55860号公報にはチタニルフタロシアニン、特開昭59−155851号公報にはβ型インジウムフタロシアニン、特開平2−233769号公報にはX型無金属フタロシアニン、特開昭61−28557号公報にはバナジルフタロシアニンがそれぞれ感光体材料として開示されている。
【0008】
ところが、電荷発生物質として上記の様なフタロシアニン化合物を使用した感光体は、長波長において高感度であるものの、一回転目の帯電電位が低く、二回転目以降でなければ帯電電位が安定しないという欠点がある。この現象は、帯電および露光といった画像形成プロセス後の放置時間と関係しており、放置時間が30〜60分と長い場合に一回転目の帯電電位が低い傾向がある。従って、上記の現象には、放置中のフタロシアニン化合物による暗電荷の発生とその感光層中(特に電荷発生層中)への蓄積、または、導電性支持体から感光層へ注入された電荷の蓄積という現象が関係していると考えられる。
【0009】
一方、デジタル的画像を形成する場合は、光の有効利用あるいは解像力を上げるとの観点から、光を照射した部分にトナーを付着させて画像を形成する、いわゆる反転現像方式を採用することが多い。斯かる反転現像プロセスにおいては、未露光部分(暗部電位)が白地となり、露光部(明部電位)が黒地部(画線部)となる。従って、反転現像プロセスにおいては、正規現像プロセスの様に明部電位が上昇してもカブリ(白地部に黒点が生じる現象)は発生しないが、暗部電位が低下するとカブリが発生する。そのため、多くの場合、暗部電位を一定に保持するため、帯電器としてスコロトロンチャージャーが使用される。しかしながら、この様な手段を施しても、なお、帯電電位が低下する場合があり、その場合には暗部電位が低下するためにカブリが発生する。
【0010】
そこで、従来より、電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を使用した感光体が搭載された電子写真装置、特に反転現像方式による電子写真装置の場合は、一回転目の帯電電位が低く、従って、カブリが発生し易いという欠点に対処するため、ウォーミングアップとして、一回転以上の前回転が採用されている。このことは、電子写真装置が駆動を始めてから画像が形成されるまでに多くの時間が必要であることを意味する。もっとも、従来はコンピュータからプリンターへのデータ転送が遅く、また、デジタル複写機においても画像処理に時間がかかる等の要因があり、前回転に要する時間は特に問題とはならなかった。しかしながら、近年、マイクロコンピュータの性能向上が著しく、データ転送時間や画像処理時間が充分に速くなってきたため、感光体の一回転目から画像が形成でき、一枚目のコピーやプリントを速く行いたいという要求が高まっている。
【0011】
電荷発生物質として、特開昭57−196244号公報に示される様なアゾ系化合物を使用した感光体は、一回転目より比較的良好な帯電性を示し、一回転目より画像を形成することが出来る。しかしながら、上記の様な感光体は、感度が低いために高速化できず、結局、一枚目のコピーを速くすることは出来ない。
【0012】
特開平3−37667号公報には、電荷発生物質としてアゾ化合物とチタニルフタロシアニンとを併用し、両者の分光感度の不足する範囲を相互に補完し、広い波長範囲にわたってパンクロマチックな感光体を製造する技術が開示されている。また、この様な感光体によって、白色光露光でのアナログ複写機としての機能と半導体レーザー光露光によるプリンター機能を1つの装置で実現できることも示されている。しかしながら、上記の公開公報には、感光体の一回転目からの良好な画像形成については何ら開示されていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、感光体の一回転目から画像形成を行なうことが出来る電子写真装置および電子写真方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、次の様な知見を得た。すなわち、下引き層とフタロシアニン化合物およびアゾ化合物を含有する感光層とを有する感光体において、下引き層に特定の物質を含有させるならば、長波長の光の露光により、実質的にフタロシアニンのみを電荷発生物質として利用でき、一方、アゾ化合物を感光体の一回転目からの良質な画像形成に利用することが出来る。
【0015】
本発明は、上記の知見を基に完成されたものであり、その第1の要旨は、電子写真用感光体を使用し、少なくとも、帯電、露光、現像、転写の各プロセスを行い、感光体の一回転目から画像形成を行なう電子写真装置であって、電子写真用感光体として、導電性支持体上に少なくとも下引き層および感光層を有して成り、上記の感光層は電荷発生層と電荷輸送層とに区分され、当該電荷発生層がフタロシアニン化合物およびアゾ化合物を含有し、上記の下引き層は酸化チタン粒子およびバインダー樹脂を含有し、当該バインダー樹脂がポリアミドである感光体を使用することを特徴とする電子写真装置に存する。
【0016】
そして、本発明の第2の要旨は、電子写真用感光体を使用し、少なくとも、帯電、露光、現像、転写の各プロセスを行い、感光体の一回転目から画像形成を行なう電子写真方法であって、電子写真用感光体として、導電性支持体上に少なくとも下引き層および感光層を有して成り、上記の感光層は電荷発生層と電荷輸送層とに区分され、当該電荷発生層がフタロシアニン化合物およびアゾ化合物を含有し、上記の下引き層は酸化チタン粒子およびバインダー樹脂を含有し、当該バインダー樹脂がポリアミドである感光体を使用することを特徴とする電子写真方法に存する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。先ず、本発明の電子写真装置および電子写真方法で使用する感光体について説明する。本発明で使用する感光体は、導電性支持体上に少なくとも下引き層および感光層を有して成る。
【0018】
導電性支持体としては、例えば、(1)アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料、(2)金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料、(3)アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着または塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などが挙げられる。
【0019】
アルミニウム合金などの金属材料の場合は、陽極酸化処理、化成被膜処理などを施してから使用してもよい。また、導電性支持体の表面は、平滑であってもよいし、特別な切削方法や研磨処理により、粗面化されていてもよい。
【0020】
本発明で使用する感光体の下引き層には金属酸化物粒子が含有される。金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄などの1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が知られている。
【0021】
本発明においては、上記の金属酸化物粒子の中酸化チタンを使用する。酸化チタン粒子は、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素などの無機物、または、ステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による表面処理を施して使用してもよい。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルックカイト、アモルファスの何れであってもよい。また、結晶型の異なる酸化チタン粒子を併用してもよい。
【0022】
金属酸化物粒子の粒径は、広範囲から選択し得るが、下引き層としての特性および下引き層用塗布液の安定性の面から、平均一次粒径として10〜100nmの範囲が好ましく、10〜25nmの範囲が特に好ましい。
【0023】
下引き層用塗布液は、通常、バインダー樹脂に金属酸化物粒子を分散して調製される。バインダー樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が知られている。本発明においては、下記一般式(・)で示されるジアミン成分を構成成分として有する共重合ポリアミドを使用する。斯かる共重合ポリアミドは、特性および液安定性の面から好ましい。このポリアミドの数平均分子量は、5000〜30万程度が好ましい。一般式(・)中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す。
【0024】
【化1】
Figure 0004018791
【0025】
バインダー樹脂に対する金属酸化物粒子の割合は、特に制限されないが、分散液の安定性および塗布性の観点から、10〜500重量%の範囲が好ましい。特に、一回転目の帯電性を向上させるため、無機粒子が酸化チタン粒子の場合は140〜500重量%の範囲が好ましい。下引き層の膜厚は、特に制限されないが、塗布性および感光体特性の観点から、0.1〜20μmの範囲が好ましい。なお、下引き層には、公知の酸化防止剤などを含有させてもよい。
【0026】
本発明で使用する感光体の感光層は電荷発生層と電荷輸送層から構成される
【0027】
本発明においては、感光層に含まれる電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を使用する。具体的には、無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム等の金属、その酸化物、または、ハロゲン化物などの配位したフタロシアニン類が使用される。3価以上の金属原子への配位子の例としては、上記の酸素原子や塩素原子の他、水酸基、アルコキシ基などが挙げられる。特に、感度の高いX型、τ型無金属フタロシアニン、A型、B型、D型などのチタニルフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン等が好適である。なお、ここで挙げたチタニルフタロシアニンの結晶型のうち、A型およびB型については、W.Heller等によってそれぞれ。相および「相として示されており(Zeit. Kristallogr. 159(1982) 173)、A型は、安定型として知られている。D型は、CuKα線を使用した粉末X線回折において、回折角2θ±0.2゜が27.3゜に明瞭なピークを示すことを特徴とする結晶型である。
【0028】
フタロシアニン化合物は、単一の化合物を使用してもよく、幾つかの混合物として使用してもよい。使用時の状態は、特定の結晶状態、アモルファス状態、幾つかの混合状態でもよい。これらの状態は、それぞれの構成要素を混合した後に形成してもよく、合成、顔料化、結晶化などのフタロシアニン化合物の製造・処理工程において形成してもよい。この様な処理としては、酸ペースト処理、磨砕処理、溶剤処理などが知られている。
【0029】
本発明で使用する感光体の感光層は、フタロシアニン化合物と共にアゾ化合物を含有する。アゾ化合物は、露光用レーザー光やLED光の波長域に吸収を持っていてもよい。しかしながら、感度の点からは、吸収が小さいアゾ化合物が好ましく、吸収を持たないアゾ化合物が更に好ましい。本発明においては、下記一般式(II)で示されるアゾ化合物が好適に使用される。
【0030】
【化2】
Figure 0004018791
【0031】
一般式(II)中、Zは1〜4価の有機性残基、nは1〜4の整数、Cpはアゾカップリング成分を示し、nが2以上の場合、Cpは同一でも異なっていてもよい。nは2〜3が好ましく、特に、nが2のアゾ化合物、すなわち、下記一般式(III)で示されるアゾ化合物が好ましい。式中、Cp1及びCp2は同じでも異なっていてもよいアゾカップリング成分を示す。
【0032】
【化3】
Cp1−N=N−Z−N=N−Cp2 (III)
【0033】
なお、本発明においては、単一のアゾ化合物を使用してもよいが、複数のアゾ化合物を混合して使用してもよい。
【0034】
前記一般式(II)におけるアゾカップリング成分Cpとしては、それ自体公知の任意の芳香族炭化水素環ないし芳香族複素環を有するアゾカップリング成分が使用されるが、残留電位などの電気特性の点で下記一般式(IV)〜(VI)で示されるアゾカップリング成分が好ましい。
【0035】
【化4】
Figure 0004018791
【0036】
一般式(IV)中、Xは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素または複素環の2価の基を示し、その具体例としては、o−フェニレン基、o−ナフチレン基、1,8−ナフチレン基、1,2−アントラキノニレン基、9,10−フェナントリレン基、3,4−ピラゾールジイル基、2,3−ピリジンジイル基、4,5−ピリミジンジイル基、6,7−インダゾールジイル基、5,6−ベンズイミダゾールジイル基、5,6−キノリンジイル基などが挙げられる。
【0037】
一般式(V)中、R7は、置換基を有していてもよい飽和アルキル基もしくは不飽和アルキル基またはアリール基を示す。
【0038】
一般式(VI)中、R8は、置換基を有していてもよいアミノ基、低級アルキル基アリール基または複素環基を示す。R8としては、下記一般式(VII)で示される、置換されたアミノ基が好ましい。
【0039】
【化5】
Figure 0004018791
【0040】
ここで、R9とR10は互いに結合して環を形成していてもよい。上記のR8を形成する置換基の例としては、水素原子、アルキル基、不飽和アルキル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、カルバモイル基、−N=CH2基などが挙げられ、これらには更に置換基が導入されていてもよい。
【0041】
一般式(VI)中、Yはベンゼン環と縮合して、芳香族炭化水素環または複素環を形成する2価の有機基を示し、その具体例としては、ベンゼン環と縮合してナフタレン環、カルバゾール環、ベンゾカルバゾール環、ジベンゾフラン環、フルオレン環、フルオレノン環を形成する有機基が挙げられる。これらの有機基は、更に置換基が導入されていてもよい。また、縮合環を形成するCHがNで置き換えられていてもよい。
【0042】
一般式(IV)、(V)、(VI)で表されるカップリング成分の具体例としてはは、例えば、後述の化学式(1)〜(103)で表される化合物群が挙げられる。これらの化合物群の中には、例えば、化学式(1)で表される化合物と化学式(2)で表される化合物の様に異性体の関係にある化合物が存在するが、後述の化合物群は、一部の異性体を記載し、他の異性体の記載は省略してある。また、本発明においては、一般式(IV)、(V)、(VI)で表されるカップリング成分の他、後述の化学式(104)〜(107)で表される化合物もカップリング成分として好適に使用し得る。本発明においては、上記の様な異性体のうち一つのみを選択的に使用してもよいし、幾つかを混合した形で使用してもよい。
【0043】
また、カップリング成分として複数の異性体を混合して使用した場合には、式(II)で示されるアゾ化合物も対応する異性体の混合物となる。後述の実施例において使用したアゾ顔料においても、この様な異性体が含まれているが、そのうちのひとつの構造式を代表として示してある。
【0044】
一般式(II)におけるZは、それ自体公知の任意の芳香族炭化水素環ないし芳香族複素環を有する1〜4価の有機性残基である。Zは、単一の芳香族環からなっていてもよいし、同じでも異なっていてもよい複数の芳香族環が直接または他の任意の結合基を介して結合されたものでもよい。また、複数の環が縮合した縮合環が含まれていてもよい。なお、アゾ基(−N=N−)は、これらの芳香族環に直接結合される。Zが複数の芳香族環を含み、nが2以上の場合、複数のアゾ基は、同じ芳香族環に結合されていてもよいが、別の芳香族環に結合されている方がより好ましい。
【0045】
芳香族環の例としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、フラン、フルオレン、アセナフテン、フルオレノン、アントラキノン、フェナントレン、ビフェニレン、トリフェニレン、ペリレン、オキサゾール、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、クマリン、キノリン、キサントン、フェナジン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、ピロール、チオフェン等が挙げられる。これらの芳香族環は置換基を有していてもよい。
【0046】
上記の結合基の例としては、−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−SO2−、−SO2NH−、−CH2−、−NH−、−CO2−、−CONH−、−CH=CH−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−、カルボニル基、アゾキシ基などが挙げられる。これらの中のHは、アルキル、アリール、ハロゲン、CN等に置換されていてもよい。また、これらの中の幾つかが連結された結合基でもよい。
【0047】
Zは、前記の芳香環と上記の結合基を組み合わせて得ることが出来る。Zの具体例としては、後述の化学式(201)〜(266)で表される化合物群が挙げられる。その他、後述の化学式で表される各化合物の置換基の位置や結合位置などの異なる異性体も好適である。後述の化学式中、Rは水素原子または低級アルキル基を示す。
【0048】
次に、積層型感光層の場合の電荷発生層について説明する。電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質としてのフタロシアニン化合物を含有し、更に、アゾ化合物を含有する。電荷発生層は、これらの物質の蒸着や塗布によって形成されるが、製造上、塗布によって形成するのが好ましい。
【0049】
電荷発生層用塗布液は、フタロシアニン化合物およびアゾ化合物の微粒子をバインダー樹脂に分散させて調製される。この際、上記の各化合物の平均一次粒径は、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下、更に好ましくは0.3μm以下の範囲である。そして、バインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテル等が使用される。
【0050】
フタロシアニン化合物およびアゾ化合物の分散処理は、ボールミル、サンドミル、超音波処理などの公知の方法で行うことが出来、フタロシアニン化合物とアゾ化合物は、初めから混合して分散処理を行ってもよいし、それぞれ単独で分散処理を行った後で混合してもよい。
【0051】
フタロシアニン化合物とアゾ化合物の比率は、フタロシアニン化合物に対するアゾ化合物の重量比として、通常0.1〜2、好ましくは0.1〜1の範囲である。また、これらの化合物に対するバインダー樹脂の比率(重量比)は、0.2〜5の範囲が好ましい。そして、電荷発生層の膜厚は、通常0.1〜2μm、好ましくは0.1〜0.8μmの範囲である。なお、電荷発生層用塗布液には、塗布性を改善するためのレベリング剤の他、酸化防止剤、増感剤などの各種添加剤を含有させてもよい。
【0052】
一方、電荷輸送層は、主に電荷輸送材料とバインダー樹脂から成る。電荷輸送材料としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン類などの電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、チアジアゾール誘導体などの複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン化合物、これらの化合物が複数結合された化合物、これらの化合物から成る基を主鎖または側鎖に有する重合体などの電子供与性物質が挙げられる。
【0053】
上記の電荷輸送材料は2種以上を併用してもよい。電荷輸送物質の好ましい具体例としては、後述の化学式(301)〜(336)で表される化合物群が挙げられる。後述の化学式中、Rは水素原子または低級アルキル基を示す。これらの他、これらと同じ骨格に置換基を導入した化合物も電荷輸送物質として好適である。
【0054】
電荷輸送層は、上記の電荷輸送材料がバインダー樹脂に結着した形で形成される。そして、電荷輸送層に使用されるバインダー樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、およびその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂などが挙げられる。また、これらの部分的架橋硬化物も使用できる。中でも、種々のビスフェノール類を原料とするポリカーボネート樹脂は、電気的特性、機械的特性の両者に優れて好適である。バインダー樹脂は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0055】
電荷輸送物質の使用割合は、通常、バインダー樹脂100重量部に対して30〜200重量部、好ましくは40〜150重量部の範囲である。また膜厚は一般に5〜50μm、好ましくは10〜45μmがよい。なお電荷輸送層には、成膜性、可とう性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させるため、周知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤などの添加物を含有させてもよい。例えば、酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
【0056】
電荷輸送層は、単一の層から成っていてもよいし、構成成分または組成比の異なる複数の層を重ねたものでもよい。また、感光体の損耗を防止したり、帯電器などから発生する放電生成物などによる感光層の劣化を防止・軽減するため、感光層の上に保護層を設けてもよい。また、感光体表面の摩擦抵抗や磨耗を軽減させるため、表面の層にフッ素系樹脂やシリコーン樹脂などを含有させてもよい。また、これらの樹脂から成る粒子や無機化合物の粒子を含有させてもよい。
【0057】
なお、感光体を構成する上記の各層は、浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、ブレード塗布などにより、支持体上に塗布液を塗布して形成される。
【0058】
本発明で使用する感光体は、長波長の光(例えば波長600〜850nmの光)に対して感度が高く且つ一回転目より充分に帯電する。従って、本発明で使用する感光体によれば、感光体の一回転目から画像形成を行なう電子写真プロセスを構成することが出来、一枚目のコピー又はプリント出力の速い電子写真装置を構成できる。
【0059】
次に、本発明の電子写真装置および電子写真方法について説明する。本発明においては、前記の感光体を使用し、少なくとも、帯電、露光、現像、転写の各プロセスを行い、感光体の一回転目から画像形成を行なう。上記の各プロセスは、何れも、電子写真装置および電子写真方法における通常のプロセスを採用することが出来る。
【0060】
帯電方法(帯電器)としては、例えば、コロナ放電を利用したコロトロン(又はスコロトロン)帯電、導電性ローラー、ブラシ、フィルム等による接触帯電などが挙げられる。コロナ放電を利用した帯電方法の多くの場合、暗部電位を一定に保つためにスコロトロン帯電が使用される。現像方法は、磁性または非磁性の一成分現像剤、二成分現像剤などを接触または非接触方式で使用して現像する一般的な方法を採用し得るが、主として、明部電位を現像する反転現像方式が採用される。転写方法は、コロナ放電による方法、転写ローラー又は転写ベルトを使用した方法などの何れでもよい。
【0061】
転写は、紙やOHP用フィルム等に対して直接行ってもよいし、一旦中間転写体(ベルト状またはドラム状)に転写した後に紙やOHP用フィルム上に転写してもよい。通常、転写の後、現像剤を紙などに定着させる定着プロセスが採用される。定着手段としては、一般的な熱定着や圧力定着などを採用することが出来る。これらのプロセスの他に、クリーニング、除電などのプロセスを採用してもよい。
【0062】
本発明の電子写真装置および電子写真方法において、画像形成は、感光体の一回転目から行われるが、前述の本発明で使用する感光体は、感光体の二回転目以降から画像形成が行なわれるプロセスにおいても有用である。すなわち、電荷発生物質としてフタロシアニンを含有する従来の感光体では、一回転目の帯電電位が低すぎるため、反転現像で使用した場合、画像形成を行なっていないにも拘わらず現像が行なわれ、それが二回転目以降に行なわれる画像形成に悪影響を及ぼす場合があった。本発明の前記した感光体では、一回転目より充分帯電するため、上記の様な現象を回避することが出来る。
【0063】
【化6】
Figure 0004018791
【0064】
【化7】
Figure 0004018791
【0065】
【化8】
Figure 0004018791
【0066】
【化9】
Figure 0004018791
【0067】
【化10】
Figure 0004018791
【0068】
【化11】
Figure 0004018791
【0069】
【化12】
Figure 0004018791
【0070】
【化13】
Figure 0004018791
【0071】
【化14】
Figure 0004018791
【0072】
【化15】
Figure 0004018791
【0073】
【化16】
Figure 0004018791
【0074】
【化17】
Figure 0004018791
【0075】
【化18】
Figure 0004018791
【0076】
【化19】
Figure 0004018791
【0077】
【化20】
Figure 0004018791
【0078】
【化21】
Figure 0004018791
【0079】
【化22】
Figure 0004018791
【0080】
【化23】
Figure 0004018791
【0081】
【化24】
Figure 0004018791
【0082】
【化25】
Figure 0004018791
【0083】
【化26】
Figure 0004018791
【0084】
【化27】
Figure 0004018791
【0085】
【化28】
Figure 0004018791
【0086】
【化29】
Figure 0004018791
【0087】
【化30】
Figure 0004018791
【0088】
【化31】
Figure 0004018791
【0089】
【化32】
Figure 0004018791
【0090】
【化33】
Figure 0004018791
【0091】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0092】
実施例1
下記の化学式(A)で表される共重合ポリアミド樹脂(共重合ポリアミドA)を溶解した混合アルコール(メタノール/プロパノール=7/3)溶液に、予めボールミルによって混合アルコール中に分散したチタニア(石原産業(株)製「TTO55N」、ルチル型、平均一次粒子径35nm)の分散液を良く混合し、更に、超音波による分散処理を行い、チタニア/ポリアミドA:1/1(重量比)組成の下引き層用塗布液を調製した。
【0093】
【化34】
Figure 0004018791
【0094】
次いで、75μmの膜厚のポリエステルフィルムに蒸着されたアルミニウム蒸着膜の上に乾燥後の膜厚が0.75μmとなる様に、上記の下引き層用塗布液をワイヤーバーで塗布した後、乾燥して下引き層(a)を形成した。
【0095】
粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2゜)27.3゜に最大回折ピークを示し、7.4゜、9.7゜及び24.2゜に回折ピークを示す結晶系のオキシチタニウムフタロシアニン10重量部と、下記の化学式(B)で表されるアゾ化合物(A1)5重量部とを4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2 200重量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行ない、顔料分散予備液を調製した。
【0096】
【化35】
Figure 0004018791
【0097】
一方、ポリビニルブチラール(積水化学工業(株)製「エスレックBH−3」)の4重量%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部およびフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製「PKHH」)の4重量%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部を混合してバインダー溶液を作製した。
【0098】
次いで、前記の顔料分散予備液215重量部に、バインダー溶液375重量部、1,2−ジメトキシエタン160重量部を加え、最終的に固形分濃度4.0重量%の顔料分散液を調製した。
【0099】
次いで、前記の下引き層(a)の上に、乾燥後の膜厚が0.5μmとなる様に、ワイヤーバーで上記の顔料分散液を塗布した後、乾燥して電荷発生層を形成した。
【0100】
次いで、下記の化学式(C)で表されるヒドラゾン化合物70重量部および下記の化学式(D)で表される共重合ポリカーボネート樹脂(モノマーモル比1:1)100重量部をテトラヒドロフラン1000重量部に溶解させて電荷輸送層用塗布液を調製した。
【0101】
【化36】
Figure 0004018791
【0102】
次いで、前記の電荷発生層の上に、乾燥後の膜厚が25μmとなる様に、アプリケーターで上記の電荷輸送層用塗布液を塗布した後、乾燥して電荷輸送層を形成し、感光体フィルムを得た。そして、外径65mm、長さ348mmのアルミニウムシリンダーに感光体フィルムを巻き付けて感光体ドラムとした。得られた感光体を感光体Aとする。
【0103】
比較例1
実施例1において、下引き層を設けずにアルミニウム蒸着ポリエステルフィルム上に直接電荷発生層を設けたこと以外は、実施例1と同様にして感光体Bを得た。
【0104】
比較例2
実施例1で使用したのと同様のオキシチタニウムフタロシアニン10重量部を200重量部の4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行ない、顔料分散予備液を調製した。一方、ポリビニルブチラール(積水化学工業(株)製「エスレックBH−3」)の4重量%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部およびフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製「PKHH」)の4重量%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部を混合してバインダー溶液を調製した。
【0105】
次いで、前記の顔料分散予備液215重量部に、バインダー溶液375重量部、1,2−ジメトキシエタン160重量部を加え、最終的に固形分濃度4.0重量%の顔料分散液を調製した。
【0106】
次いで75μmの膜厚のポリエステルフィルムに蒸着されたアルミ蒸着膜の上に、乾燥後の膜厚が0.5μmとなる様に、上記の顔料分散液をワイヤーバーで塗布した後、乾燥して電荷発生層を形成した。そして、その他の操作は、実施例1と同様に行い、感光体Cを得た。
【0107】
比較例3
比較例2において、下引き層を設けないこと以外は、比較例2と同様にして感光体Dを得た。
【0108】
そして、感光体の一回転目からコピープロセスが行なわれる複写機(プロセス速度190mm/sec)を反転現像用に改造し、前記の感光体A、B、C、Dをそれぞれ装着し、感光体表面電位測定装置を取り付けて、帯電、露光、除電のみのプロセスを50000コピープロセス(A4横送りで5万枚コピー相当)繰り返した。ウォーミングアップ動作(画像形成に先立つ感光体前回転など)を行なわせないため複写機の電源を投入したまま1時間放置後、コピーボタンを押して黒地部とハーフトーン部を持った原稿に対してコピープロセスを行なわせ、このときの感光体の未露光部(黒地部)の表面電位V0及びハーフトーン部の表面電位VHを測定した。1時間放置後の最初の一回転目と二回転目との差をそれぞれΔV0及びΔVHで表すこととする。この測定の結果を表1に示す。
【0109】
【表1】
<50000コピープロセスの後、1時間放置後の、最初の一回転目と二回転目との黒地部電位の差およびハーフトーン部電位の差(感光体A〜D)>
Figure 0004018791
【0110】
実施例1の感光体Aにおいては、一回転目と二回転目の電位の差は、未露光部(黒地部)では60V、ハーフトーン部では20Vと小さいのに対し、下引き層を持たない比較例2の感光体B及び感光層中にアゾ化合物を含まない比較例3の感光体Cにおいては、共に、それぞれの電位が115V、40Vとなっている。更に、下引き層も持たず、アゾ化合物も含まない比較例3の感光体Dでは、それぞれの電位が140V、50Vにもなっており、一回転目での大きな帯電性の低下を示している。つまり、従来広くデジタル複写機やプリンターに使用されてきた公知の技術に基づく比較例3の感光体Dの電位差は、画像上、反転現像ゆえの一回転目部分での白地画像のカブリ、または、一回転目部分と二回転目部分でのハーフトーン画像の濃度差を引き起こし、使用に適さないものとなる。従って、実用上、比較例3の感光体Dは、一回転目から使用するプロセスに使用することが出来ない。
【0111】
一方、感光体B、Cについては、感光体Dに比べ、かなりの改良効果が認められ、それほど高い画質が要求されない場合には実用に供しうるものの、近時求められているより高い画質を得るためには未だ充分なレベルではない。これに対し、本発明で使用する感光体Aは、上記の様な問題がなく、感光体の一回転目から画像形成を行う電子写真プロセスにおいて非常に良好な画像を得ることが出来る。
【0112】
実施例2
実施例1において、下引き層の組成比(チタニア/ポリアミド)を2/1(下引き層(b))とすること以外は、実施例1と同様にして感光体Eを得た。
【0113】
実施例3
実施例1において、下引き層の組成比(チタニア/ポリアミド)を3/1(下引き層(c))とすること以外は、実施例1と同様にして感光体Fを得た。
【0114】
比較例4
実施例2において、電荷発生層(CGL)としてアゾ化合物を含まない比較例1と同じCGLを使用すること以外は、実施例2と同様にして感光体Gを得た。
【0115】
実施例4
実施例1において、アゾ化合物として下記の化学式(E)で表されるアゾ化合物(A2)を使用すること以外は、実施例1と同様にして感光体Hを得た。
【0116】
【化37】
Figure 0004018791
【0117】
実施例5
実施例1において、共重合ポリアミドAを溶解した混合アルコール(メタノール/プロパノール=7/3)溶液に、予めボールミルによって混合アルコール中に分散したアルミナ(昭和電工(株)製「UA-5305」)の分散液を良く混合し、更に、超音波による分散処理を行い、アルミナ/ポリアミドA=2/1(重量比)組成の下引き層用塗布液を調製した。そして、この塗布液を乾燥後の膜厚が1μmになる様に塗布して下引き層(d)を実施例1と同様に形成し、その後は実施例1と同様にして感光体Iを得た。
【0118】
実施例6
実施例5において、アゾ化合物として(A2)を使用すること以外は、実施例5と同様にして感光体Jを得た。
【0119】
比較例5
実施例5において、CGLとしてアゾ化合物を含まない比較例1と同じCGLを使用すること以外は、実施例5と同様にして感光体Kを得た。
【0120】
感光体E〜Kに対し、前記と同じ評価を行った。結果を表2に示す。
【0121】
【表2】
<50000コピープロセスの後、1時間放置後の、最初の一回転目と二回転目との黒地部電位の差およびハーフトーン部電位の差(感光体E〜K)>
Figure 0004018791
【0122】
下引き層(b)を使用した感光体G(比較例4)においては、一回転目の電位低下は比較例3の感光体Dの結果に対してかなり改善されているが、電荷発生層にアゾ化合物(A1)を含有する感光体E(実施例2)においては、非常に電位低下が小さくなっている。更に、下引き層(c)と組み合わせた感光体Fでは、中間調域の電位低下が、写真などの微妙な階調をもった画像を忠実に再現させたい場合においても画像上全く問題とならないレベルまで改善されている。アゾ顔料(A2)を含有する感光体H(実施例4)においても、実施例1とほぼ同様な改善効果が得られる。アルミナを含有する下引き層(d)を使用した実施例5、6の場合は、感光層にアゾ顔料を含有させることによって大きな改善効果が得られる。
【0123】
【発明の効果】
以上の通り、感光層が電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を含有することにより、長波長光、特に波長600〜850nmの光に対して感度が高く、更に、感光層がアゾ化合物を含有し且つ金属酸化物粒子を含有する下引き層を有することにより、一回転目より充分帯電する感光体が得られる。そして、この感光体を使用することにより、感光体の一回転目から画像形成を行なう電子写真プロセスを構成することが出来、一枚目のコピー又はプリント出力の速い電子写真装置を構成できる。

Claims (5)

  1. 電子写真用感光体を使用し、少なくとも、帯電、露光、現像、転写の各プロセスを行い、感光体の一回転目から画像形成を行なう電子写真装置であって、電子写真用感光体として、導電性支持体上に少なくとも下引き層および感光層を有して成り、上記の感光層は電荷発生層と電荷輸送層とに区分され、当該電荷発生層がフタロシアニン化合物およびアゾ化合物を含有し、上記の下引き層は酸化チタン粒子およびバインダー樹脂を含有し、当該バインダー樹脂がポリアミドである感光体を使用することを特徴とする電子写真装置
  2. ポリアミドが下記一般式(I)で示されるジアミン成分を構成成分として有する共重合ポリアミドである請求項1に記載の電子写真装置
    Figure 0004018791
  3. 酸化チタン粒子の割合がバインダー樹脂に対して140〜500重量%である請求項1又は2に記載の電子写真装置。
  4. 電子写真用感光体を使用し、少なくとも、帯電、露光、現像、転写の各プロセスを行い、感光体の一回転目から画像形成を行なう電子写真方法であって、電子写真用感光体として、導電性支持体上に少なくとも下引き層および感光層を有して成り、上記の感光層は電荷発生層と電荷輸送層とに区分され、当該電荷発生層がフタロシアニン化合物およびアゾ化合物を含有し、上記の下引き層は酸化チタン粒子およびバインダー樹脂を含有し、当該バインダー樹脂がポリアミドである感光体を使用することを特徴とする電子写真方法。
  5. ポリアミドが前記一般式(I)で示されるジアミン成分を構成成分として有する共重合ポリアミドである請求項4に記載の電子写真方法。
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