JP4016588B2 - センサ装置並びにセンサ装置の特性測定方法及び特性調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、センサ装置並びにセンサ装置の特性測定方法及び特性調整方法に係り、特に、記憶手段に記憶されたトリミングデータに従ってセンサ素子の出力信号を調整するうえで好適なセンサ装置並びにセンサ装置の特性測定方法及び特性調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特開平6−29555号公報に開示される如く、センサ素子の出力信号が電気的にトリミングされるセンサ装置が知られている。このセンサ装置においては、電気的トリミングを行うのに必要なトリミングデータがEPROM等の記憶手段に書き込まれ、この記憶手段に書き込まれたトリミングデータに従ってセンサ素子の出力信号が調整される。このため、かかる手法によれば、トリミングを実現すべくレーザ光の照射により抵抗体をカットするレーザトリミングとは異なり、センサ素子をハウジング内に実装した状態で外部端子を用いてセンサ素子の出力信号をトリミングすることが可能となる。
【0003】
しかしながら、電気的トリミングにおいてトリミングデータを記憶手段に書き込むためには、一般に多くの端子(例えば6端子)が必要である。このため、これらの端子のすべてが外部端子としてセンサ装置の外部と接続可能に設定されるものとすると、センサ装置の外部端子が増加することにより、製造コストの上昇や製造工程の複雑化が招来すると共に、センサ装置の小型化を図ることができない事態が生ずる。
【0004】
そこで、上記従来の装置においては、トリミングデータを記憶手段に書き込むのに必要な外部端子が3端子に制限されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のセンサ装置においても、トリミングデータを記憶手段に書き込むのに外部端子が3端子も必要となる。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、外部端子数を削減して、電気的トリミング機能を実現することが可能なセンサ装置並びにセンサ装置の特性測定方法及び特性調整方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、請求項1に記載する如く、物理量に応じた信号を出力するセンサ素子と、前記センサ素子の出力信号を調整するためのトリミングデータがセンサ装置の外部からは接続不可能な所定の内部端子を介して記憶される記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記トリミングデータに従って前記センサ素子の出力信号を調整し得る調整手段と、前記調整手段により調整された前記センサ素子の出力信号を外部へ出力する外部出力端子と、を備えるセンサ装置であって、
前記所定の内部端子とは非接続でありかつセンサ装置の外部からは接続可能な、前記センサ素子を含む回路部の特性を測定するための測定用信号が入力される外部入力端子と、
前記外部入力端子に接続され、該外部入力端子に前記測定用信号が入力されることにより変更される、前記記憶手段に記憶される前記トリミングデータに比して離散的な粗調トリミングデータを記憶する一時記憶手段と、を備え、
前記調整手段は、前記記憶手段に前記トリミングデータが記憶される前は、前記一時記憶手段に書き込まれる粗調トリミングデータに従って前記センサ素子の出力信号を調整することを特徴とするセンサ装置により達成される。
【0008】
この態様の発明において、センサ素子の出力信号は、記憶手段にトリミングデータが記憶されている場合はそのトリミングデータに従って調整される一方、記憶手段にトリミングデータが記憶される前は、記憶手段へのデータ記憶に用いられる所定の内部端子とは非接続の外部入力端子へのセンサ素子を含む回路部の特性を測定するための測定用信号の入力により変更される離散的な粗調トリミングデータに従って調整される。このように調整されるセンサ素子の出力信号を検出すれば、記憶手段にトリミングデータを書き込むことなく、そのセンサ素子を含む回路部の特性を測定することが可能となる。従って、本発明によれば、記憶手段にトリミングデータを書き込むための外部からの接続可能な外部端子が不要となるので、外部端子数を削減して、電気的トリミング機能を実現することができる。
【0009】
尚、本発明において、「内部端子」とは、センサ装置の外部からは接続不可能な端子のことであり、「外部出力端子」及び「外部入力端子」とは、センサ装置の外部から接続可能な端子のことである。
【0011】
また、請求項2に記載する如く、請求項1記載のセンサ装置において、
前記外部入力端子が、該外部入力端子を用いて前記一時記憶手段に書き込まれる前記粗調トリミングデータを制御できるか否かを示すトリミングモードを切り替えるためのモード切替信号が入力される第1の入力端子と、前記一時記憶手段に書き込まれる前記粗調トリミングデータを切り替えるためのデータ切替信号が入力される第2の入力端子と、により構成されることを特徴とするセンサ装置は、トリミングのための外部からの接続可能な外部入力端子を2端子に制限するうえで有効である。
【0012】
この態様の発明において、センサ素子の出力信号は、記憶手段にトリミングデータが記憶される前は、第2の入力端子へのデータ切替信号の入力により変更される離散的な粗調トリミングデータに従って調整される。この場合、記憶手段にトリミングデータを書き込むことなく、センサ素子を含む回路部の特性を測定することが可能となる。このため、記憶手段にトリミングデータを書き込むための外部からの接続可能な外部端子は不要となる。従って、本発明によれば、2つの外部入力端子で電気的トリミング機能を実現することができる。
【0013】
尚、本発明において、「トリミングモード」とは、外部入力端子を用いてトリミングデータを制御できるか否かを示すモードである。
【0014】
また、請求項3に記載する如く、請求項1記載のセンサ装置において、
前記外部入力端子には、該外部入力端子を用いて前記一時記憶手段に書き込まれる前記粗調トリミングデータを制御できるか否かを示すトリミングモードを切り替えるためのモード切替信号と前記一時記憶手段に書き込まれる前記粗調トリミングデータを切り替えるためのデータ切替信号とが重畳される信号が前記測定用信号として入力されることを特徴とするセンサ装置は、トリミングのための外部からの接続可能な外部入力端子を1端子に制限するうえで有効である。
【0015】
請求項4記載の発明において、センサ素子の出力信号は、記憶手段にトリミングデータが記憶される前は、外部入力端子に入力されるモード切替信号とデータ切替信号とが重畳される信号により切り替えられるトリミングデータに従って調整される。従って、本発明によれば、1つの外部入力端子で電気的トリミング機能を実現することができる。
【0016】
ところで、センサ装置には、自己が正常であるか、あるいは、異常であるかを診断し、その診断結果を外部へ出力するものがある。かかる場合に用いられる外部出力端子は、センサ装置が完成品として出荷される前は使用されない。従って、この外部出力端子をトリミングを行う際に用いれば、トリミングを行うことに起因する外部入力端子の増加を抑制することができる。
【0017】
従って、請求項4に記載する如く、請求項2記載のセンサ装置において、
前記第1及び第2の入力端子のうち何れか一方は、前記記憶手段に前記トリミングデータが記憶された後は、正常・異常を示す自己診断結果に応じた信号を出力するダイアグ出力端子として機能することとしてもよいし、
また、請求項5に記載する如く、請求項3記載のセンサ装置において、
前記外部入力端子は、前記記憶手段に前記トリミングデータが記憶された後は、正常・異常を示す自己診断結果に応じた信号を出力するダイアグ出力端子として機能することとしてもよい。
【0018】
上記の目的は、請求項6に記載する如く、物理量に応じた信号を出力するセンサ素子と、前記センサ素子の出力信号を調整するためのトリミングデータがセンサ装置の外部からは接続不可能な所定の内部端子を介して記憶される記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記トリミングデータに従って前記センサ素子の出力信号を調整し得る調整手段と、前記調整手段により調整された前記センサ素子の出力信号を外部へ出力する外部出力端子と、を備えるセンサ装置の特性を測定する特性測定方法であって、
センサ装置は、前記所定の内部端子とは非接続でありかつセンサ装置の外部からは接続可能な、前記センサ素子を含む回路部の特性を測定するための測定用信号が入力される外部入力端子と、前記外部入力端子に接続され、該外部入力端子に前記測定用信号が入力されることにより変更される、前記記憶手段に記憶される前記トリミングデータに比して離散的な粗調トリミングデータを記憶する一時記憶手段と、を備えると共に、
前記記憶手段に前記トリミングデータが記憶される前、前記一時記憶手段に書き込まれる粗調トリミングデータに従って前記センサ素子の出力信号を調整する第1の工程と、
前記第1の工程において調整された結果として前記外部出力端子から出力された前記センサ素子の出力信号に基づいて、該センサ素子を含む回路部の特性を測定する第2の工程と、
を備えることを特徴とするセンサ装置の特性測定方法により達成される。
【0019】
この態様の発明において、記憶手段にトリミングデータが記憶される前は、記憶手段へのデータ記憶に用いられる所定の内部端子とは非接続の外部入力端子に、センサ素子を含む回路部の特性を測定するための測定用信号が入力されることにより変更される離散的な粗調トリミングデータに従って、センサ素子の出力信号が調整される。そして、その調整されたセンサ素子の出力信号に基づいて、センサ素子を含む回路部の特性が測定される。従って、本発明においては、センサ素子を含む回路部の特性を測定するうえで、記憶手段にトリミングデータを書き込む必要はない。このため、本発明によれば、少ない外部端子数で、センサ素子を含む回路部の特性を測定することができる。
【0020】
また、上記の目的は、請求項7に記載する如く、物理量に応じた信号を出力するセンサ素子と、前記センサ素子の出力信号を調整するためのトリミングデータがセンサ装置の外部からは接続不可能な所定の内部端子を介して記憶される記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記トリミングデータに従って前記センサ素子の出力信号を調整し得る調整手段と、前記調整手段により調整された前記センサ素子の出力信号を外部へ出力する外部出力端子と、を備えるセンサ装置の特性を調整する特性調整方法であって、
センサ装置は、前記所定の内部端子とは非接続でありかつセンサ装置の外部からは接続可能な、前記センサ素子を含む回路部の特性を測定するための測定用信号が入力される外部入力端子と、前記外部入力端子に接続され、該外部入力端子に前記測定用信号が入力されることにより変更される、前記記憶手段に記憶される前記トリミングデータに比して離散的な粗調トリミングデータを記憶する一時記憶手段と、を備えると共に、
前記記憶手段に前記トリミングデータが記憶される前、前記一時記憶手段に書き込まれる粗調トリミングデータに従って前記センサ素子の出力信号を調整する第1の工程と、
前記第1の工程において調整された結果として前記外部出力端子から出力された前記センサ素子の出力信号に基づいて、該センサ素子を含む回路部の特性を測定する第2の工程と、
前記第2の工程の測定結果に応じた前記トリミングデータを前記所定の内部端子を介して前記記憶手段に書き込み、該記憶手段をセンサ装置に組み付ける第3の工程と、
を備えることを特徴とするセンサ装置の特性調整方法により達成される。
【0021】
この態様の発明において、センサ素子を含む回路部の特性が測定された後には、その測定結果に応じた、センサ素子の出力信号を調整するためのトリミングデータが所定の内部端子を介して記憶手段に書き込まれる。すなわち、本発明においては、記憶手段はセンサ装置の外部からは接続不可能な所定の内部端子を介してトリミングデータを記憶する。このため、外部から誤って記憶手段にトリミングデータが書き込まれる事態を回避することが可能となっている。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1実施例であるセンサ装置10のブロック構成図を示す。図1に示す如く、センサ装置10は、外部の直流電源VCCに接続する電源端子12、及び、接地されるGND端子14を有している。
【0023】
本実施例において、センサ装置10は、例えば車両の重心回りの回転角速度(ヨーレート)に応じたアナログ信号を出力するセンサ素子16を内蔵している。センサ素子16の出力端子16aには、IC18の入力端子18aが接続されている。IC18は、信号処理部20と、トリミングデータ制御部22と、D/A変換器24と、特性調整部26と、を有している。信号処理部20は、センサ素子16の出力信号を増幅し出力する。トリミングデータ制御部22は、センサ素子16の出力信号を電気的にトリミングするためのディジタルデータ(以下、トリミングデータと称す)を記憶する。D/A変換器24は、トリミングデータ制御部22に記憶されたディジタルのトリミングデータをアナログ変換する。また、特性調整部26は、D/A変換器24でアナログ変換されたトリミングデータに従って、信号処理部20から出力されたセンサ素子16の出力信号をトリミングする。
【0024】
トリミングデータ制御部22は、トリミングデータを記憶可能なEPROM30と、一時的に記憶可能な一時記憶用RAM32とを備えている。EPROM30は、トリミングデータ制御部22が外部端子として有する、MD端子、PROG端子、W/R端子、CLK端子、Data端子、及びVpp端子の6つの端子に接続されている。
【0025】
MD端子、PROG端子、W/R端子、CLK端子、Data端子、及びVpp端子は、IC18の外部端子として機能する6つの端子34〜39に接続している。端子34〜39は、IC18がセンサ装置10に装着された後にはセンサ装置10の内部に収まるように、すなわち、その外部に現れないように配置され、センサ装置10の外部と接続不可能になる。EPROM30へのトリミングデータの書き込みは、トリミングデータ制御部22及びIC18がセンサ装置10に組み付けられていない状態で外部から端子34〜39を介して所定の信号が入力することにより行われる。
【0026】
また、一時記憶用RAM32は、トリミングデータ制御部22が外部端子として更に有するCONT1端子及びCONT2端子に接続されている。CONT1端子及びCONT2端子は、IC18の外部端子として機能する2つの端子40,41に接続している。端子40,41も、トリミングデータ制御部22がセンサ装置10に装着された後にはセンサ装置10の内部に収まるように、すなわち、その外部に現れないように配置される。
【0027】
また、端子40,41は、センサ装置10の外部端子としての外部入力端子42,44に接続している。このため、端子40,41は、IC18がセンサ装置10に装着されても、外部入力端子42,44を介してセンサ装置10の外部と接続可能になっている。一時記憶用RAM32へのトリミングデータの書き込みは、トリミングデータ制御部22及びIC18がセンサ装置10に組み付けられた状態で外部から外部入力端子42,44及び端子40,41を介して所定の信号が入力することにより、後述の如き所定の規則に従って行われる。尚、一時記憶用RAM32に記憶されるトリミングデータは、EPROM30に記憶されるものに比して離散的にラフなデータである。以下、このデータを粗調トリミングデータと称す。
【0028】
トリミングデータ制御部22のEPROM30及び一時記憶用RAM32には、スイッチ50を介して上記したD/A変換器24が接続されている。スイッチ50は、モード切替制御部52に接続されており、モード切替制御部52の指示により、D/A変換器24への接続をEPROM30及び一時記憶用RAM32の何れかに選択的に切り替える。モード切替制御部52は、6つの端子34〜39を用いてEPROM30にトリミングデータが書き込まれる前は一時記憶用RAM32とD/A変換器24とを接続させ、EPROM30にトリミングデータが書き込まれた後はEPROM30とD/A変換器24とを接続させる。D/A変換器24は、一時記憶用RAM32と接続されている際は一時記憶用RAM32に記憶されている粗調トリミングデータをアナログ変換し、EPROM30と接続されている際はEPROM32に記憶されているトリミングデータをアナログ変換する。
【0029】
本実施例において、センサ素子16の出力信号のトリミングは、▲1▼0点、▲2▼0点温度特性、▲3▼0点温度非線形折線補償、▲4▼感度、及び▲5▼感度温度特性についてそれぞれ行われる。D/A変換器24及び特性調整部26は、上記▲1▼〜▲5▼に対応してそれぞれ設けられている。以下、それらを個別に表す場合はD/A変換器24−1〜24−5及び特性調整部26−1〜26−5と称す。D/A変換器24−1〜24−5は、それぞれ、一時記憶用RAM32又はEPROM30に記憶されているトリミングデータのうち上記▲1▼〜▲5▼に対応するデータのみをアナログ変換する。また、特性調整部26−1〜26−5は、それぞれ、D/A変換器24−1〜24−5で変換されたデータに従ってセンサ素子16の出力信号をトリミングする。特性調整部26−1〜26−5でそれぞれトリミングされた信号は、適当に加算される。
【0030】
特性調整部26の出力端子は、IC18の外部端子として機能する端子54を介して、センサ装置10の外部端子として機能する外部出力端子56に接続されている。センサ装置10は、IC18でトリミングされたセンサ素子16の出力信号(以下、トリミング信号と称す)VOUTを、外部出力端子56から外部へ出力する。
【0031】
IC18は、また、センサ装置10自体の正常・異常を自己診断するダイアグノーシス回路(以下、単にダイアグ回路と称す)60を備えている。ダイアグ回路60の出力端子は、IC18の外部端子として機能する端子62を介して、センサ装置10の外部端子として機能する外部出力端子64に接続されている。センサ装置10は、ダイアグ回路60において異常が検知されない場合は外部出力端子64からハイ信号を出力し、一方、異常が検知された場合は外部出力端子64の抵抗をプルダウンする。外部出力端子64の抵抗がプルダウンされると、その外部出力端子64に接続された制御装置(図示せず)は、センサ装置10の異常として所定の処理を実行する。
【0032】
本実施例において、外部出力端子64と上記した外部入力端子44とは同一端子である。以下、この端子を外部入出力端子44とする。このため、外部入出力端子44は、EPROM30にトリミングデータが記憶された後はダイアグ出力端子として機能する一方、EPROM30にトリミングデータが記憶される前は一時記憶用RAM32内のデータを制御するための制御端子として機能する。
【0033】
ところで、センサ装置10が正常に機能する、すなわち、センサ装置10が車両のヨーレートに応じた信号を正確に外部出力端子56から出力するためには、センサ装置10の回路特性を測定し、その結果に応じたトリミングデータをEPROM30に書き込むことが必要である。そこで、本実施例では、センサ装置10の製造工程においてその回路特性を測定し、その結果に応じたトリミングデータをEPROM30に書き込むこととしている。
【0034】
図2は、上記の機能を実現するためのブロック構成図を示す。センサ装置10は、製造工程において、まず、EPROM30にトリミングデータが何ら記憶されていない状態でIC18等の各部品を仮組み付けされる。そして、その回路特性を測定すべく、図2(A)に示す如く外部入力端子42、外部入出力端子44、及び外部出力端子56において特性測定装置70に接続される。
【0035】
図3及び図4は、センサ装置10の回路特性を測定する際のタイムチャートの一例を示す。尚、以下では、特性測定装置70からセンサ装置10の外部入力端子42に入力される信号を「CONT1信号」と、外部入出力端子44に入力される信号を「CONT2信号」と、それぞれ称す。センサ装置10と特性測定装置70とが接続された状態において、図3に示す如く、CONT2信号がハイ信号である状況下でCONT1信号としてハイ信号が立ち上がると、トリミングデータ制御部22の一時記憶用RAM32内の内部レジスタをリセットする処理が実行される。
【0036】
本実施例において、一時記憶用RAM32内の内部レジスタがリセットされた後に、CONT1信号がロー信号からハイ信号へ切り替わると、以後、0点についての回路特性を測定すべく、トリミング信号VOUTがカウントアップするようにセンサ素子16の出力信号を調整するモード(以下、0点カウントアップ(粗調1)モードと称す)が実現される。具体的には、図4(A)に示す如く、CONT1信号がハイ信号である状況下でCONT2信号がロー信号である場合には、一時記憶用RAM32内の0点に対応する内部レジスタは例えば“000”であり、トリミング信号VOUTとしてはセンサ素子16の出力信号が調整されずにそのままの値が現れる。
【0037】
そして、かかる状態でCONT2信号がロー信号からハイ信号へ切り替わると、一時記憶用RAM32の0点に対応する内部レジスタは“001”となる。この場合には、粗調トリミングデータ“001”がD/A変換器24でアナログ変換され、その粗調トリミングデータ“001”に応じた量だけセンサ素子16の出力信号が粗調トリミングされ、その値がトリミング信号VOUTとして外部出力端子56に現れる。以後、CONT1信号がハイ信号に維持されている状況下でCONT2信号がロー信号からハイ信号へ切り替わる毎に一時記憶用RAM32の0点に対応する内部レジスタが“1”ずつカウントアップされ、これにより、その粗調トリミングデータに応じた量だけセンサ素子16の出力信号がトリミングされ、その値がトリミング信号VOUTとして外部出力端子56に現れる。
【0038】
本実施例において、一時記憶用RAM32の内部レジスタのカウントアップにより粗調トリミングデータが“011”となり、その結果、そのデータに応じた量だけトリミングされたセンサ素子16の出力信号がトリミング信号VOUTとして現れた後は、CONT1信号がハイ信号からロー信号へ切り替わる。この場合には、0点カウントアップモードが終了し、EPROM30に記憶されているトリミングデータに応じた量だけセンサ素子16の出力信号がトリミングされる。尚、この際、EPROM30には未だトリミングデータが記憶されていないので、トリミング信号VOUTとしてはセンサ素子16の出力信号が調整されずそのままの値が現れる。
【0039】
そして、かかる状態でCONT1信号がロー信号からハイ信号へ切り替わると、以後、トリミング信号VOUTがカウントダウンするようにセンサ素子16の出力信号を調整するモード(以下、0点カウントダウン(粗調2)モードと称す)が実現される。0点カウントダウンモードが開始された直後は、図4(B)に示す如く、0点カウントアップモードの終了時に一時記憶用RAM32の内部レジスタに記憶されていた粗調トリミングデータ“011”に応じた量だけセンサ素子16の出力信号が粗調トリミングされ、その値がトリミング信号VOUTとして現れる。そして、CONT1信号がハイ信号に維持されている状況下でCONT2信号がロー信号からハイ信号へ切り替わる毎に一時記憶用RAM32の内部レジスタが“1”ずつカウントダウンされる。この場合には、その粗調トリミングデータに応じた量だけセンサ素子16の出力信号が粗調トリミングされ、その値がトリミング信号VOUTとして外部出力端子56に現れる。
【0040】
本実施例において、一時記憶用RAM32の内部レジスタのカウントダウンにより粗調トリミングデータが“110”となり、その結果、そのデータに応じた量だけトリミングされたセンサ素子16の出力信号がトリミング信号VOUTとして現れた後は、CONT1信号がハイ信号からロー信号へ切り替わる。この場合、0点カウントダウンモードは終了する。
【0041】
このように0点カウントアップモード及び0点カウントダウンモードの実行中にセンサ装置10の外部出力端子56に現れるトリミング信号VOUTをそれぞれ、センサ装置10に接続された特性測定装置70に測定させることとすれば、センサ素子16の基準状態(0点)におけるセンサ装置10の回路特性を測定することが可能となる。
【0042】
本実施例において、0点カウントダウンモードが終了した後にCONT1信号がロー信号からハイ信号へ切り替わると、以後、0点温度特性を測定すべく、センサ素子16の出力信号を調整するモード(以下、0点温特(粗調3)モードと称す)が実現される。具体的には、CONT1信号がハイ信号に維持されている状況下でCONT2信号がロー信号からハイ信号へ切り替わる毎に、一時記憶用RAM32の0点温度特性に対応する内部レジスタが“00”から“1”ずつカウントアップされる。この場合には、その粗調トリミングデータに応じた量だけセンサ素子16の出力信号が粗調トリミングされ、その値がトリミング信号VOUTとして外部出力端子56に現れる。
【0043】
図5は、0点温特用粗調トリミングデータに応じて変化するトリミング信号VOUTの温度変化の一例を示す。0点温特モードが実現されると、例えば図5に示す如く、−30℃〜+85℃の任意の複数点間でのセンサ素子16の0点における出力信号の変化が変化する。かかる変化が実現された後は、CONT1信号がハイ信号からロー信号へ切り替わり、0点温特モードが終了する。
【0044】
このように0点温特モードの実行中にセンサ装置10の外部出力端子56に現れるトリミング信号VOUTをそれぞれ特性測定装置70に測定させることとすれば、センサ素子16の0点におけるセンサ装置10の温度特性を測定することが可能となる。
【0045】
本実施例において、0点温特モードが終了した後にCONT1信号がロー信号からハイ信号へ切り替わると、次に、0点温度非線形折線特性を測定すべく、センサ素子16の出力信号を調整するモード(以下、0点温度非線形折線補償(粗調4)モードと称す)が実現される。具体的には、CONT1信号がハイ信号に維持されている状況下でCONT2信号がロー信号からハイ信号へ切り替わる毎に、一時記憶用RAM32の0点温度非線形折線特性に対応する内部レジスタが“00”から“1”ずつカウントアップされる。この場合には、その粗調トリミングデータに応じた量だけセンサ素子16の出力信号が粗調トリミングされ、その値がトリミング信号VOUTとして外部出力端子56に現れる。
【0046】
図6は、0点温度非線形折線特性用トリミングデータに応じて変化するトリミング信号VOUTの温度変化の一例を示す。0点温度非線形折線補償モードが実現されると、例えば図6に示す如く、30℃〜+85℃の任意の複数点間でのセンサ素子16の0点における出力信号の非線形変化が変化する。かかる変化が実現された後は、CONT1信号がハイ信号からロー信号へ切り替わり、0点温度非線形折線補償モードが終了する。
【0047】
このように0点温度非線形折線補償モードの実行中にセンサ装置10の外部出力端子56に現れるトリミング信号VOUTをそれぞれ特性測定装置70に測定させることとすれば、センサ素子16の0点におけるセンサ装置10の温度についての非線形折線特性を測定することが可能となる。
【0048】
本実施例において、0点温度非線形折線補償モードが終了した後にCONT1信号がロー信号からハイ信号へ切り替わると、次に、感度特性を測定すべく、センサ素子16の出力信号を調整するモード(以下、感度特性(粗調5)モードと称す)が実現される。具体的には、CONT1信号がハイ信号に維持されている状況下でCONT2信号がロー信号からハイ信号へ切り替わる毎に、一時記憶用RAM32の感度特性に対応する内部レジスタが“00”から“1”ずつカウントアップされる。この場合には、その粗調トリミングデータに応じた量だけセンサ素子16の出力信号の感度が変化する。このように感度特性モードの実行中にセンサ装置10の外部出力端子56に現れるトリミング信号VOUTをそれぞれ特性測定装置70に測定させることとすれば、センサ装置10の感度特性を測定することが可能となる。
【0049】
また、本実施例において、感度特性モードが終了した後にCONT1信号がロー信号からハイ信号へ切り替わると、次に、感度の温度特性を測定すべく、センサ素子16の出力信号を調整するモード(以下、感度温特(粗調6)モードと称す)が実現される。具体的には、CONT1信号がハイ信号に維持されている状況下でCONT2信号がロー信号からハイ信号へ切り替わる毎に、一時記憶用RAM32の感度温度特性に対応する内部レジスタが“0”と“1”との間で切り替わる。この場合には、その粗調トリミングデータに応じた量だけ、−30℃〜+85℃の任意の複数点間でのセンサ素子16の出力信号の感度変化が変化する。かかる変化が実現された後は、CONT1信号がハイ信号からロー信号へ切り替わり、感度温特モードが終了する。このように感度温特モードの実行中にセンサ装置10の外部出力端子56に現れるトリミング信号VOUTをそれぞれ特性測定装置70に測定させることとすれば、センサ装置10の感度の温度特性を測定することが可能となる。
【0050】
このように、本実施例においては、センサ装置10に2つの外部入力端子42,44を介して制御信号(CONT1及びCONT2)を適当に供給することにより、センサ装置10に予め定められた順序に従って、▲1▼0点、▲2▼0点温度特性、▲3▼0点温度非線形折線補償、▲4▼感度、及び▲5▼感度温度特性についてそれぞれ、センサ素子16の出力信号を粗調トリミングすることができる。この際、特性測定装置70は、外部出力端子56に現れたトリミング信号VOUTを測定することで、センサ装置10の上記▲1▼〜▲5▼についての回路特性を測定することが可能となる。
【0051】
特性測定装置70は、センサ装置10の回路特性を測定した後、それらの測定結果に基づいて、センサ装置10を所望の状態にするのに必要なトリミングデータを算出する。センサ装置10は、回路特性が測定された後、特性測定装置70との接続が解除される。そして、センサ装置10内からIC18が取り出され、その後、IC18は、図2(B)に示す如く端子34〜39において特性書込装置80に接続される。かかる状態で、特性書込装置80は、特性測定装置70の算出したトリミングデータを端子34〜39を介してIC18内のEPROM30に書き込む。
【0052】
EPROM30にトリミングデータが書き込まれ後、そのEPROM30を有するIC18はセンサ装置10に組み付けられ、センサ装置10は完成品として最終テストされた後に出荷される。尚、EPROM30にトリミングデータが書き込まれた後は、IC18内のモード切替制御部52は、スイッチ50を駆動することにより、D/A変換器24と一時記憶用RAM32との接続に代えて、D/A変換器24とEPROM30との接続に切り替える。この場合、センサ素子16の出力信号が一時記憶用RAM32の内部レジスタによるトリミングデータに従ってトリミングされることは防止される。
【0053】
このように、本実施例によれば、2つの外部入力端子42,44を介して入力される信号に基づいてセンサ素子16の出力信号を粗調トリミングすることで、センサ装置10の回路特性を測定することができると共に、その測定結果に基づいてセンサ素子16の出力信号をトリミングすべきトリミングデータを6つの端子34〜39を介してIC18内のEPROM30に書き込むことができる。この場合、EPROM30にトリミングデータを書き込むための外部入力端子は不要となる。従って、本実施例のセンサ装置10によれば、外部入力端子を6つも設けることなく、2つの外部入力端子でセンサ素子16を含む回路部の特性を測定することができると共に、電気的トリミング機能を実現することができる。このため、本実施例のセンサ装置10によれば、製造コストの上昇や製造工程の複雑化を回避できると共に、小型化を図ることが可能となる。
【0054】
ところで、上述の如く、外部入力端子44は、EPROM30にトリミングデータが記憶された後は、センサ装置10の自己診断結果に応じた信号を出力するダイアグ端子として機能する。従って、本実施例において、センサ装置10の回路特性を測定し、その測定結果に応じたトリミングデータをEPROM30に書き込むために必要なセンサ装置10の外部入力端子の増加数は、実質的に一端子である。このため、本実施例のセンサ装置10によれば、電気的トリミングを行うことに起因する外部入力端子の増加を抑制することが可能となる。これにより、センサ装置10の製造コストの低減や製造工程の簡素化、及び、その小型化を更に向上させることが可能となっている。
【0055】
上述の如く、EPROM30へのトリミングデータの書き込みは、IC18の端子34〜39を介して行われる。また、これらの端子34〜39は、IC18がセンサ装置10に装着された後にはセンサ装置10の外部に現れないように配置される。このため、本実施例のセンサ装置10においては、外部から誤ってEPROM30にデータが書き込まれる事態は回避されるので、トリミング信号VOUTの信頼性の向上が図られることとなる。
【0056】
尚、上記の第1実施例においては、端子34〜39が特許請求の範囲に記載した「所定の内部端子」に、EPROM30が特許請求の範囲に記載した「記憶手段」に、特性調整部26が特許請求の範囲に記載した「調整手段」に、外部出力端子56が特許請求の範囲に記載した「外部出力端子」に、CONT1信号及びCONT2信号が請求項1、2、6、及び7に記載した「測定用信号」に、外部入力端子42及び外部入出力端子44が特許請求の範囲に記載した「外部入力端子」に、一時記憶用RAM32が特許請求の範囲に記載した「補助記憶手段」に、外部入力端子42及び外部入出力端子44が特許請求の範囲に記載した「第1の入力端子」及び「第2の入力端子」に、CONT1信号が請求項3に記載した「モード切替信号」に、CONT2信号が請求項3に記載した「データ切替信号」に、それぞれ相当している。
【0057】
次に、上記図1と共に、図7及び図8を参照して、本発明の第2実施例について説明する。
【0058】
図7は、本実施例のセンサ装置100のブロック構成図を示す。尚、図7において、上記図1に示す構成部分と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0059】
すなわち、センサ装置100には、外部端子として、ダイアグ端子としての機能も有する外部入出力端子44は設けられている一方、上記第1実施例の外部入力端子42が設けられていない。また、センサ装置100に内蔵されるIC102には、外部端子として、外部入出力端子44が接続する端子41は設けられている一方、外部入力端子42が接続すべき端子40が設けられていない。更に、IC102が有するトリミングデータ制御部104にも、外部端子として、端子41が接続すべきCONT2端子(以下、この端子をCONT端子と称す)は設けられている一方、端子40が接続すべきCONT1端子が設けられていない。上記した一時記憶用RAM32は、トリミングデータ制御部104のCONT端子に接続されている。
【0060】
本実施例において、センサ装置100は、製造工程において、まず、EPROM30にトリミングデータが記憶されていない状態でIC102等の各部品を仮組み付けされる。そして、その回路特性を測定すべく、外部入出力端子44及び外部出力端子56において特性測定装置に接続される。
【0061】
図8は、センサ装置100の回路特性を測定する際のタイムチャートの一例を示す。尚、以下では、特性測定装置からセンサ装置100の外部入力端子44に入力される信号を「CONT信号」と称す。このCONT信号としては、ロー信号、ハイ信号、及び、それらの中間的な信号としてのミドル信号の3値のうち何れかが現れる。センサ装置100と特性測定装置とが接続された状態において一時記憶用RAM32内の内部レジスタがリセットされた後に、CONT信号がロー信号からミドル信号へ切り替わると、以後、0点についての回路特性を測定すべく0点カウントアップモードが実現される。
【0062】
具体的には、図8(A)に示す如く、CONT信号がミドル信号に維持されている場合には、一時記憶用RAM32内の0点に対応する内部レジスタは例えば“000”であり、トリミング信号VOUTとしてはセンサ素子16の出力信号が調整されずにそのままの値が現れる。そして、かかる状態でCONT信号がミドル信号からハイ信号へ切り替わると、一時記憶用RAM32の0点に対応する内部レジスタは“001”となる。この場合には、粗調トリミングデータ“001”がD/A変換器24でアナログ変換され、その粗調トリミングデータ“001”に応じた量だけセンサ素子16の出力信号が粗調トリミングされ、その値がトリミング信号VOUTとして外部出力端子56に現れる。
【0063】
以後、CONT信号がミドル信号からハイ信号へ切り替わる毎に一時記憶用RAM32の0点に対応する内部レジスタが“1”ずつカウントアップされ、これにより、その粗調トリミングデータに応じた量だけセンサ素子16の出力信号がトリミングされ、その値がトリミング信号VOUTとして外部出力端子56に現れる。
【0064】
本実施例において、一時記憶用RAM32の内部レジスタのカウントアップにより粗調トリミングデータが“011”となり、その結果、そのデータに応じた量だけトリミングされたセンサ素子16の出力信号がトリミング信号VOUTとして現れた後は、CONT信号がロー信号へ切り替わる。この場合、0点カウントアップモードは終了する。
【0065】
そして、かかる状態でCONT信号がロー信号からミドル信号へ切り替わると、以後、0点カウントダウンモードが実現される。0点カウントダウンモードが開始された直後は、図8(B)に示す如く、0点カウントアップモードの終了時に一時記憶用RAM32の内部レジスタに記憶されていた粗調トリミングデータ“011”に応じた量だけセンサ素子16の出力信号が粗調トリミングされ、その値がトリミング信号VOUTとして現れる。そして、CONT信号がミドル信号からハイ信号へ切り替わる毎に一時記憶用RAM32の内部レジスタが“1”ずつカウントダウンされる。この場合には、その粗調トリミングデータに応じた量だけセンサ素子16の出力信号が粗調トリミングされ、その値がトリミング信号VOUTとして外部出力端子56に現れる。
【0066】
本実施例において、一時記憶用RAM32の内部レジスタのカウントダウンにより粗調トリミングデータが“110”となり、その結果、そのデータに応じた量だけトリミングされたセンサ素子16の出力信号がトリミング信号VOUTとして現れた後は、CONT信号がロー信号へ切り替わる。この場合、0点カウントダウンモードは終了する。
【0067】
以後、CONT信号がロー信号からミドル信号へ切り替わる毎に、上記第1実施例と同様に、0点温特モード、0点温度非線形折線補償モード、感度特性モード、及び、感度温特モードが実現される。この場合、センサ装置100の外部出力端子56に現れるトリミング信号VOUTをそれぞれ特性測定装置に測定させることとすれば、センサ装置100の上記▲1▼〜▲5▼についての回路特性を測定することが可能となる。
【0068】
このように、本実施例においては、センサ装置100に1つの外部入力端子44を介して制御信号(CONT信号)を適当に供給することにより、センサ装置100に予め定められた順序に従って、▲1▼0点、▲2▼0点温度特性、▲3▼0点温度非線形折線補償、▲4▼感度、及び▲5▼感度温度特性についてそれぞれ、センサ素子16の出力信号を粗調トリミングすることができる。この際、センサ装置100に接続された特性測定装置は、外部出力端子56に現れたトリミング信号VOUTを測定することで、センサ装置100の上記▲1▼〜▲5▼についての回路特性を測定することが可能となる。
【0069】
この特性測定装置は、センサ装置100の回路特性を測定した後、それらの測定結果に基づいて、センサ装置10を所望の状態にするのに必要なトリミングデータを算出する。そして、センサ装置100と特性測定装置との接続が解除され、センサ装置100内からIC102が取り出された後、IC102は、端子34〜39において特性書込装置に接続される。かかる状態で、この特性書込装置は、特性測定装置の算出したトリミングデータを端子34〜39を介してIC102内のEPROM30へ書き込む。
【0070】
このように、本実施例によれば、1つの外部入力端子44を介して入力されるCONT信号に基づいてセンサ素子16の出力信号を粗調トリミングすることで、センサ装置100の回路特性を測定することができると共に、その測定結果にに基づいてセンサ素子16の出力信号をトリミングすべきトリミングデータを6つの端子34〜39を介してIC102内のEPROM30に書き込むことができる。従って、本実施例のセンサ装置100によれば、外部入力端子を6つも設ける必要はなく、1つの外部入力端子でセンサ素子16を含む回路部の特性を測定することができると共に、電気的トリミング機能を実現することができる。このため、本実施例のセンサ装置100によれば、製造コストの上昇や製造工程の複雑化を回避できると共に、小型化を図ることが可能となる。
【0071】
上述の如く、外部入力端子44は、EPROM30にトリミングデータが記憶された後は、センサ装置10の自己診断結果に応じた信号を出力するダイアグ端子として機能する。このため、本実施例においては、センサ装置10の回路特性を測定し、その測定結果に応じたトリミングデータをEPROM30に書き込むために別途にセンサ装置100の外部入力端子を設けることが不要となる。従って、本実施例のセンサ装置100によれば、極めて簡素な構成で電気的トリミング機能を実現することが可能となっている。これにより、センサ装置10の製造コストの低減や製造工程の簡素化、及び、その小型化を更に向上させることが可能となっている。
【0072】
尚、上記の第2実施例においては、CONT信号が請求項1、2、4、6、及び7に記載した「測定用信号」に、外部入出力端子44が特許請求の範囲に記載した「外部入力端子」に、それぞれ相当している。
【0073】
ところで、上記の第1及び第2実施例においては、外部入力端子42又は44に入力される信号を図3及び図4や図8に示す如く変化させ、センサ素子16の出力信号を、▲1▼0点、▲2▼0点温度特性、▲3▼0点温度非線形折線補償、▲4▼感度、及び▲5▼感度温度特性についてそれぞれ粗調トリミングすることにより、センサ装置10の回路特性を測定することとしているが、予め定められた順序に従ってセンサ素子16の出力信号を粗調トリミングすることとすればよい。
【0074】
また、上記の第1及び第2実施例においては、一時記憶用RAM32内の内部レジスタに記憶されるトリミングデータを制御する手法として粗調モードを切り替えることとしたが、外部制御端子が2端子ある場合には、一方の端子をクロック信号として、他方の端子をデータ信号としてシリアル通信を行うことによりトリミングデータを制御することとしてもよい。
【発明の効果】
上述の如く、請求項1及び2記載の発明によれば、外部端子数を削減して、電気的トリミング機能を実現することができる。
【0075】
請求項3記載の発明によれば、2つの外部入力端子で電気的トリミング機能を実現することができる。
【0076】
請求項4記載の発明によれば、一つの外部入力端子で電気的トリミング機能を実現することができる。
【0077】
請求項5記載の発明によれば、トリミングを行うことに起因する外部入力端子の増加を抑制することができる。
【0078】
請求項6記載の発明によれば、少ない外部端子数で、センサ素子を含む回路部の特性を測定することができる。
【0079】
また、請求項7記載の発明によれば、外部から誤って記憶手段にトリミングデータが書き込まれる事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるセンサ装置のブロック構成図である。
【図2】本実施例において、センサ装置の回路特性を測定すると共に、トリミングデータをセンサ装置に書き込むためのブロック構成図である。
【図3】本実施例において、センサ装置の回路特性を測定する際のタイムチャートの一例である。
【図4】本実施例において、センサ装置の回路特性を測定する際のタイムチャートの一例である。
【図5】本実施例において、0点温特用粗調トリミングデータに応じて変化するトリミング信号VOUTの温度変化の一例である。
【図6】本実施例において、0点温度非線形折線特性用トリミングデータに応じて変化するトリミング信号VOUTの温度変化の一例である。
【図7】本発明の第2実施例であるセンサ装置のブロック構成図である。
【図8】本実施例において、センサ装置の回路特性を測定する際のタイムチャートの一例である。
【符号の説明】
10,100 センサ装置
16 センサ素子
26 特性調整部
30 EPROM
32 一時記憶用RAM
34〜41 端子
42 外部入力端子
44 外部入出力端子
56 外部出力端子
Claims (7)
- 物理量に応じた信号を出力するセンサ素子と、前記センサ素子の出力信号を調整するためのトリミングデータがセンサ装置の外部からは接続不可能な所定の内部端子を介して記憶される記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記トリミングデータに従って前記センサ素子の出力信号を調整し得る調整手段と、前記調整手段により調整された前記センサ素子の出力信号を外部へ出力する外部出力端子と、を備えるセンサ装置であって、
前記所定の内部端子とは非接続でありかつセンサ装置の外部からは接続可能な、前記センサ素子を含む回路部の特性を測定するための測定用信号が入力される外部入力端子と、
前記外部入力端子に接続され、該外部入力端子に前記測定用信号が入力されることにより変更される、前記記憶手段に記憶される前記トリミングデータに比して離散的な粗調トリミングデータを記憶する一時記憶手段と、を備え、
前記調整手段は、前記記憶手段に前記トリミングデータが記憶される前は、前記一時記憶手段に書き込まれる粗調トリミングデータに従って前記センサ素子の出力信号を調整することを特徴とするセンサ装置。 - 請求項1記載のセンサ装置において、
前記外部入力端子が、該外部入力端子を用いて前記一時記憶手段に書き込まれる前記粗調トリミングデータを制御できるか否かを示すトリミングモードを切り替えるためのモード切替信号が入力される第1の入力端子と、前記一時記憶手段に書き込まれる前記粗調トリミングデータを切り替えるためのデータ切替信号が入力される第2の入力端子と、により構成されることを特徴とするセンサ装置。 - 請求項1記載のセンサ装置において、
前記外部入力端子には、該外部入力端子を用いて前記一時記憶手段に書き込まれる前記粗調トリミングデータを制御できるか否かを示すトリミングモードを切り替えるためのモード切替信号と前記一時記憶手段に書き込まれる前記粗調トリミングデータを切り替えるためのデータ切替信号とが重畳される信号が前記測定用信号として入力されることを特徴とするセンサ装置。 - 請求項2記載のセンサ装置において、
前記第1及び第2の入力端子のうち何れか一方は、前記記憶手段に前記トリミングデータが記憶された後は、正常・異常を示す自己診断結果に応じた信号を出力するダイアグ出力端子として機能することを特徴とするセンサ装置。 - 請求項3記載のセンサ装置において、
前記外部入力端子は、前記記憶手段に前記トリミングデータが記憶された後は、正常・異常を示す自己診断結果に応じた信号を出力するダイアグ出力端子として機能することを特徴とするセンサ装置。 - 物理量に応じた信号を出力するセンサ素子と、前記センサ素子の出力信号を調整するためのトリミングデータがセンサ装置の外部からは接続不可能な所定の内部端子を介して記憶される記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記トリミングデータに従って前記センサ素子の出力信号を調整し得る調整手段と、前記調整手段により調整された前記センサ素子の出力信号を外部へ出力する外部出力端子と、を備えるセンサ装置の特性を測定する特性測定方法であって、
センサ装置は、前記所定の内部端子とは非接続でありかつセンサ装置の外部からは接続可能な、前記センサ素子を含む回路部の特性を測定するための測定用信号が入力される外部入力端子と、前記外部入力端子に接続され、該外部入力端子に前記測定用信号が入力されることにより変更される、前記記憶手段に記憶される前記トリミングデータに比して離散的な粗調トリミングデータを記憶する一時記憶手段と、を備えると共に、
前記記憶手段に前記トリミングデータが記憶される前、前記一時記憶手段に書き込まれる粗調トリミングデータに従って前記センサ素子の出力信号を調整する第1の工程と、
前記第1の工程において調整された結果として前記外部出力端子から出力された前記センサ素子の出力信号に基づいて、該センサ素子を含む回路部の特性を測定する第2の工程と、
を備えることを特徴とするセンサ装置の特性測定方法。 - 物理量に応じた信号を出力するセンサ素子と、前記センサ素子の出力信号を調整するためのトリミングデータがセンサ装置の外部からは接続不可能な所定の内部端子を介して記憶される記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記トリミングデータに従って前記センサ素子の出力信号を調整し得る調整手段と、前記調整手段により調整された前記センサ素子の出力信号を外部へ出力する外部出力端子と、を備えるセンサ装置の特性を調整する特性調整方法であって、
センサ装置は、前記所定の内部端子とは非接続でありかつセンサ装置の外部からは接続可能な、前記センサ素子を含む回路部の特性を測定するための測定用信号が入力される外部入力端子と、前記外部入力端子に接続され、該外部入力端子に前記測定用信号が入力されることにより変更される、前記記憶手段に記憶される前記トリミングデータに比して離散的な粗調トリミングデータを記憶する一時記憶手段と、を備えると共に、
前記記憶手段に前記トリミングデータが記憶される前、前記一時記憶手段に書き込まれる粗調トリミングデータに従って前記センサ素子の出力信号を調整する第1の工程と、
前記第1の工程において調整された結果として前記外部出力端子から出力された前記センサ素子の出力信号に基づいて、該センサ素子を含む回路部の特性を測定する第2の工程と、
前記第2の工程の測定結果に応じた前記トリミングデータを前記所定の内部端子を介して前記記憶手段に書き込み、該記憶手段をセンサ装置に組み付ける第3の工程と、
を備えることを特徴とするセンサ装置の特性調整方法。
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