JP4015227B2 - 磁性体粒子を用いた化学反応処理装置及びその方法 - Google Patents
磁性体粒子を用いた化学反応処理装置及びその方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は組合せを利用して多数の化合物群(ライブラリー)を効率的に合成し、それらの化合物をさまざまな目的に応じて活用するコンビナトリアル・ケミストリーに係り、特に、組合せによって多数の化合物群を一度に合成したり、活性試験を行ったり、構造決定等の種々の処理を行うために使用する磁性体粒子を用いた化学反応処理装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンビナトリアル合成が行われる反応場について、現在固相及び液相のどちらでも行われているが、コンビナトリアル合成を行う場合、迅速性と自動化の容易さを考慮すると固相法が液相法よりも優れており、現在では固相法が主流となっている。
【0003】
しかし、非磁性体ビーズ(樹脂)を用いた固相合成は反応の制御が液相合成に比べると困難である上に副生成物を除去することがきない。という問題点を有していた。
【0004】
また、非磁性体ビーズを用いた固相合成の場合にあっても、容器の自動装填や、取り出しの自動化が非常に難しく、さらに、上清、沈殿の分画を、機械的に行うことが非常に難しく、また、試薬の添加、攪拌、温度制御、透析、濾過等の処理を含めて、全自動による完全な処理を行うことが難しく、また汎用性に乏しいという問題点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、第1に、磁性体粒子を用いることによって、一連の化学反応処理を自動的に、且つ一貫して達成することができる磁性体粒子を用いた化学反応処理装置及びその方法を提供することを目的とする。
【0006】
第2には、この第1の原理と本出願人が先に提案した「分注機を利用した磁性体の脱着制御方法およびこの方法によって処理される各種装置」(特願平7−39425号)の原理とを組み合わせることで、効率的な化学反応処理を行うことができる磁性体粒子を用いた化学反応処理装置及びその方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
第3には、磁性体粒子を制御することで、試薬の添加、攪拌、温度制御、抽出、溶媒留去、濾過等、濃縮、分離、透析等の処理と同等の意味をもつ作業をも含め化学処理を一貫して行うことができるので、装置規模を縮小化しコストを削減することができる磁性体粒子を用いた化学反応処理装置及びその方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
第4には、規模が縮小化された装置を密閉空間に閉じ込めることによって、人体に有害な物質の拡散を防止して環境に悪影響を与えず、又は、空気を隔絶して種々の雰囲気で処理を行うことができる磁性体粒子を用いた化学反応処理装置及びその方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
第5には、非磁性体粒子を用いた固相法に比較してより一層効率的で、信頼性の高い、且つ迅速に処理を行うことができる多様性及び汎用性が高い磁性体粒子を用いた化学反応処理装置及びその方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
第6には、多数の容器群及び物質群をマトリクス状に配置及び配列し、転置移動又は並進移動を行い、且つ各容器内での移送対象を特定することにより、単純で無駄のない動作で効率良く、迅速に且つシステマティックに化学反応処理を行うことができる磁性体粒子を用いた化学反応処理装置及びその方法を提供することを目的とするものである。
第7には、少量だが多種類の物質群を効率良く扱って、多品種少量生産に対応することができる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、第一の発明は、液体の吸引及び吐出等が可能なマルチノズルを有するピペット手段と、容器がマトリクス状に配列された容器群が設けられた処理ステージと、前記ピペット手段又は処理ステージの容器群の一部又は全体に設けられピペット手段の液通路又は各容器内面での磁性体粒子の吸着及び脱着等が可能な磁力手段と、前記ピペット手段のノズル群又は前記処理ステージの容器群の一部又は全体について、行と列を入れ換えて移動する転置移動及び行と列を入れ換えずに移動する並進移動を可能とする移動手段と、コンビナトリアル合成等の化学反応処理の内容を指定する指定手段と、各手段の動作を制御する制御手段とを有するとともに、前記制御手段は、前記指定手段による指定に基づいて、磁性体粒子を含む物質群の前記容器群上での配置、各容器内に収容された収容物のうちの移送対象、移送元及び移送先の容器又は容器群、移送の際の転置移動又は並進移動の別、並びに、前記ピペット手段の吸引等及び磁力手段による吸着等の動作を特定して各手段に指示するものである。
【0012】
ここで、化学反応処理には、例えば、コンビナトリアル合成処理の他、活性試験や構造決定等の種々の処理を含む。
「磁力手段」としては、例えば、ピペット手段の液通路又は処理ステージの容器若しくは容器群の外部に近接して設けた電磁石、又は前記液通路、容器若しくは容器群に外部から接近及び離間可能に設けた永久磁石の場合等がある。
磁力手段はピペット手段又は処理ステージの双方に設けても良い。
「処理過程の内容」には、処理に関する種々の内容を含み、例えば、反応に関与する物質群、目的物質群の種類、個数、量、混合、反応、順序、時間、温度条件等が含まれる。
また、目的物質群の種類には、同一物質について、その濃度勾配をもたせることによって濃度の異なる種類をも含む。
【0013】
「容器」には、プレートに設けた穴やウェルも含む。
「マルチノズルを有するピペット手段」の配列は、1列(行)に並んだ場合のみならず、マトリクス状に並んだ場合も含む。
【0014】
該ピペット手段及び磁力手段によって、単に液体の吸引又は吐出による分注のみならず、分離、攪拌、洗浄等の作業を効率的に行うことができる。
ここで、該ピペット手段に磁力手段を配設する場合には、例えば、先端部と貯溜部とを結ぶ液通路内に磁場作用が及ぼされる分離領域部を有し液の吸引又は吐出をするピペット部の該分離領域部に磁性体粒子を懸濁させた液を通過させる際に、液通路の該側面から前記分離領域分に磁場作用を及ぼし、液通路の内側面に磁性体粒子を吸着させることによって分離を行う。
【0015】
また、磁力手段を処理ステージに設ける場合には、各容器毎に磁力手段を配設する場合のみならず、容器群全体に磁場を及ぼすように、例えば容器群の底面に共通の磁力の強い磁力手段を設けることによって各容器に磁場を及ぼすようにしても良い。
「各容器内に収容された収容物のうちの移送対象」には、収容物の一部又は全体がありうる。また、収容物の一部としては、磁性体粒子との結合体のみ、結合体を除いた収容物、収容物の量的な一部であっても良い。
【0016】
ここで、「マトリクス状」とは、複数の要素が少なくとも平面上の2方向(行方向と列方向)に沿って又は平行に配列又は配置されている状態をいう。行方向に沿った配列又は配置を行、列方向に沿った配列又は配置を列という。行方向と列方向とは必ずしも、90°で交差する必要はなく、斜交して配列される場合も含む。マトリクス状の配列又は配置のうち、1行×複数列(行が1行、列が複数列)又は複数行×1列のマトリクス状を特に「ベクトル状」という。
「マトリクス状の配列」には、マトリクス状に配列された容器群の複数群が、さらにマトリクス状に配列される場合も含む。
【0017】
「転置移動」とは、ベクトル状又はマトリクス状に配列された行と列とを入れ変えて移動することであり、行と列とが90°の角度を成して配列されている場合には、90°の回転移動を意味する。「並進移動」とは入れ換えずに移動することである。転置移動可能であるためには、処理ステージのマトリクスの行間隔及び列間隔の双方とピペット手段のノズル間の間隔を一致させる必要がある。
「転置移動」として例えば、ピペット手段を45°回転させ、容器群を−45°回転させて、合わせて90°回転させるようにしても良い。
【0018】
「磁性体粒子」は、処理過程の内容に応じて関連する物質群を結合させるために、適当な種類が選択される。例えば、磁性体粒子に多数の凹部が設けられた多孔性のものに関与物質を保持させる場合、又は関与物質を吸着し、又は、関与物質と特異的に反応する物質をコーティング又は保持させることによって、関与物質を結合させるものである。その際、基質となるアミノ酸等の低分子化合物と不溶性担体との連結部分に用いる基質と担体とを結合及び切断するための官能基をもつリンカーを磁性体粒子にコーティング又は保持させることによって関与物質群を保持させるようにしても良い。
磁性体粒子は、処理過程の内容に応じて、関与する物質を結合させるために種々のものを選択して用いるようにしても良い。
【0019】
「処理ステージ」の所定の容器には、例えば、低温又は高温の恒温装置や測定装置等の付属物を設けるようにしても良い。
「物質群の前記容器群上での配置」は、コンビナトリアル合成等の多数の物質群を扱う処理過程においては、各物質群を前記処理ステージに設けられた各容器群にどのように配置して、物質群の位置決めをするかは、処理の効率化及び各物質群の特定を行うために非常に重要である。このような配置を含めて前記制御手段が、単に、ピペット手段の移動のみならず、処理ステージの容器群の移動や物質群の配置等を有機的に連関させて、効率的又は迅速となるように制御する。
【0020】
例えば、ピペット手段のノズル群と容器群との配列を、ベクトル状又はマトリクス状にすることによって、各処理手順をあたかもベクトル演算又は行列演算に類似する演算として記述すれば、多種類の物質群を扱う処理の制御が効率的となる。
試薬が4種類の簡単な例について説明すれば、試薬ai (i=1,2)が2行1列の容器群に収納され、試薬bj (j=1,2)も2行1列の容器群に収納されている場合に、各試薬を反応させてai bj という目的物質群を得るには、(a1 ,a2 )T (b1 ,b2 )というマトリクス(ベクトル)の積から以下のように、目的物質a1 b1 ,a1 b2 ,a2 b1 ,a2 b2 を要素とする次のようなマトリクスが得られる(“T”は転置行列を表す)。
【数1】
この数式には、どのように試薬を配列又は移動(転置移動を含む)して、どのような目的物質がどの位置にある容器に得られるかの情報が含まれている。
【0021】
第二の発明は、第一の発明において、前記ピペット手段のノズルの配列、又は前記処理ステージの容器の配列は、相互に関連し、且つ、処理過程の内容に基づいて定められたものである。
【0022】
ここで、ノズルの配列には、1列(行)状の場合のみならずマトリクス状に配列された場合も含む。「相互に関連する」例として、ノズルが各容器に接触せずに進入可能なように各径を定め、ノズル間の間隔と容器群間の間隔とが一致する場合やノズル間の間隔が容器群間の間隔が整数倍の場合や、ノズル群の配列の個数と容器群の行又は列の個数とを一致又はその整数倍又は整数分の一にさせたりすることを含む。また、「処理過程の内容」の例として、反応に必要な物質群の種類の個数分に等しい個数をもつ行数又は、別の物質群の種類の列数をもつマトリクス状に配列された容器群を用いる場合がある。
【0023】
第三の発明は、第一の発明又は第二の発明において、前記ピペット手段は、液体吸引ラインの分注機のノズルに着脱自在に装着する分注チップを有するものである。
ここで、例えば、分注チップはプラスチックス、ステンレススチール又はテフロンによって形成される。
【0024】
第四の発明は、第一の発明乃至第三の発明において、前記処理ステージの容器群の一部又は全体の各容器には、外部に磁力手段が設けられて各容器内面での磁性体粒子の吸着及び脱着が可能なものである。
これによって、前記制御手段は各容器内に収容された収容物のうちの移送対象として、結合体以外のもの又はその一部を移送するように制御可能である。
【0025】
第五の発明は、第一の発明において、前記処理ステージに設けられた容器群の一部又は全体の各容器上が膜状又は板状の蓋部材によって覆われ、前記ピペット手段のノズルに装着された分注チップの先端によって貫通可能であるものである。
「貫通可能」であるためには、蓋部材に貫通用の孔が予め設けられている場合と、孔が予め設けられていない蓋部材を分注チップの先端で貫通する場合がある。このような蓋部材としては、ラミネートやゴム板等がある。
【0026】
第六の発明は、第一の発明乃至第五の発明において、前記処理ステージには分注用の容器、洗浄用の容器、反応用の容器、恒温装置又は/及び測定用装置等の処理過程に必要な器具が設けられているものである。
【0027】
第七の発明は、第一の発明乃至第六の発明のいずれかにおいて、前記処理ステージ及び前記ピペット手段は密閉容器内に設けられたものである。
第八の発明は、第一の発明乃至第七の発明において、前記制御手段は、前記ピペット手段、前記処理ステージ又は前記移動手段に対して、処理過程中の処理時間、若しくは、前記移動手段による移動量、移動時間若しくは消費エネルギーを小さくし、又は動作を単純化することによって効率良く制御するものである。
【0028】
第九の発明は、第一の発明乃至第八の発明に係るピペット手段、処理ステージ、指定手段、移動手段及び制御手段を用いることによって、指定された処理過程の内容に基づいて、配列された前記処理ステージの容器群の一部又は全体に複数種類の試薬等の物質群をマトリクス状に配置する過程(S1)と、指定された処理過程の内容に基づいて、物質群が配置された前記容器群の一部又は全体に磁性体粒子を含む液を分注して、各物質中の目的物質と磁性体粒子とを反応等によって結合させて結合体を生成する過程(S2)と、指定された処理過程の内容に基づいて、ピペット手段のノズル群又は処理ステージの容器群の一部又は全体について行と列を入れ換えて移動する転置移動又は行と列とを入れ換えずに移動する並進移動によって、移送元の容器又は容器群に収容された収容物のうちの一部又は全体を、移送先の容器又は容器群に移送する過程(S3)とを含むものである。
【0029】
ここで、収容物のうち結合体のみを移送するには、前記ピペット手段に設けた磁力手段がピペット手段の液通路に磁場を及ぼすことによって磁性体粒子を分離して、内壁に保持することによって行う。
結合体以外のものを移送する場合には、例えば、容器に磁性体を設けることによって結合体を容器の内壁に吸着保持させることによって行うことができる。
【0030】
第十の発明は、第九の発明において、前記過程(S1)は、マトリクス状に配列された容器群のうちa1 〜an の試薬を等量ずつn列×1行の容器群に分注及び配置し、b1 〜bm の試薬を等量ずつm列×1行の容器群に分注及び配置する過程であり、前記過程(S2)は試薬が配置された前記容器群に磁性体粒子を分注して、a1 〜an の試薬中の目的物質と磁性体粒子とを反応等によって結合させて結合体を生成する過程であり、前記過程(S3)は、前記結合体が含まれた各容器の収容物全体をピペット手段によって共通の混合容器内に移送して混合し、該混合液をm等分し、n列×m行のマトリクス状に配列された容器の各列m行の容器群に等量ずつピペット手段によって移送するとともに、該移送の際に並進移動又は転置移動を選択して、b1 〜bm の試薬をn等分し、前記n列×m行のマトリクス状に配列された容器の各列n行の容器群に等量ずつピペット手段によって移送する過程であるものである。
ここで、n=mの場合には、m種の試薬を最小回数で漏れなく分注することができるので、特に転置移動の必要はない。転置移動にするか並進移動にするかは、その他ピペット手段のノズル群の配列にも依存する。
本発明はいわゆるスプリット・プール法により化学反応処理を行うものである。
【0031】
第十一の発明は、第九の発明において、前記過程(S1)は、マトリクス状に配列された容器群のうちa1 〜an の試薬を等量ずつ、n列×m行の容器群に等量ずつ分注及び配置し、b1 〜bm の試薬を等量ずつm列×1行の容器群に分注及び配置する過程であり、前記過程(S2)は、n列×m行のマトリクス状に配列された全容器に各々等量の磁性体粒子を分注して前記試薬中の目的物質と磁性体粒子とを結合させる過程であり、前記過程(S3)は、前記n列×m行のマトリクス状に配列された全容器に、該容器の外部に設けられた磁力手段によって磁場を及ぼし、磁性体粒子との結合体を各容器の内面に吸着保持させ、前記ピペット手段によって、容器内面に吸着保持されている結合体以外の収容物を吸引して取り除き、前記n列×m行の容器群又はピペット手段のノズル群を転置移動することによって、前記結合体が収容された前記n列×m行のマトリクス状に配列された全容器に、前記b1 〜bm の各容器に収容されている試薬をn等分して分割して移送する過程である。
本発明は、磁力手段を処理ステージの容器の容器側に配設した場合に行うパラレル合成法を示したものである。
【0032】
第十二の発明は、第九の発明において、前記過程(S1)は、n列×m行のマトリクス状に配列されたm/n群個の各n列×m行容器群に、a1〜 an のn個の各種類の試薬を、各列のm個の容器群に等量ずつ分注して配置する過程であり、前記過程(S2)は、m/n群個の各n列×m行容器群のうち、第1群のn列×m行容器群の全容器に各々等量の磁性体粒子を分注して前記各試薬に含まれる目的物質と磁性体粒子とを結合させて結合体を生成する過程であり、前記過程(S3)は、各n列×m行容器群の各容器の収容物のうち前記結合体のみを磁力手段を配設したピペット手段を用いて、第1群のn列×m行容器群から第m/n群のn列×m行容器群に達するまで順次、転置移動若しくは並進移動によって、次群のn列×m行容器群に移送する過程である。
【0033】
本発明は、ピペット手段に磁力手段を配設した場合のパラレル合成法に対応するものである。
「m/n(=k)」は、最終的な生成物に含まれる成分ai (ここでは、各試薬に含まれる目的物質を表すとすると)の結合の数であり、最終的な生成物がai1−ai2−…−aik(i1,i2,…,ik=1,2, …n)のような構成になることを意味している。
例えば、最終目的生成物がai −aj −ak のような3成分系の場合には、3個のn列×m行容器群を予め処理ステージに用意しておくことになる。
【0034】
第十三の発明は、第九の発明乃至第十二の発明のいずれかにおいて、物質群の各物質とともに、該各物質を識別するための識別子を添加して、該識別子を磁性体粒子に結合又は磁性体粒子の周辺に位置させることによって、磁性体粒子に結合している物質を識別するものである。
ここで、「識別子」には、タグのみならず、情報記憶用のチップも含む。
「周辺に位置する」には、浸透性のあるカプセル内に閉じ込められる場合も含む。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1〜図6に基づいて、本発明の第一の実施の形態について説明する。
図1に、本実施の形態に係る磁性体粒子を用いた化学処理装置をコンビナトリアル合成処理に適用した場合を示す。同図に示すように、本実施の形態に係る装置は、液体の吸引及び吐出等を行うマルチノズルを有するピペット手段1と、液体を収容する容器群がxy軸に沿ってマトリクス状に配列されたプレートを少なくとも有する処理ステージ2と、前記ピペット手段1の各ノズルに連通する液通路又は各処理ステージ2の各容器内面での磁性体粒子の吸着及び脱着可能な磁力手段(図示せず)と、前記ピペット手段1について前記処理ステージ2の盤面に沿ったxy方向及びz方向に沿ってノズル群と容器群の行と列を入れ換えずに移動する並進移動及び行と列を入れ換えて移動する転置移動をさせ、並びに前記処理ステージ2についてその一部容器群をその面内において行と列を入れ換える転置をさせる回動可能なモータ等からなる移動手段3とを有する。
【0036】
また、本化学処理装置は、コンビナトリアル合成等の化学反応処理の内容を指定する指定手段に相当する入力手段6と、前記ピペット手段1の吸引及び吐出の動作、前記磁力手段を用いた磁性体粒子の吸着及び離脱等の動作、前記処理ステージの容器群に対する関与物質群の配置、各容器内に収容された収容物のうちの移送対象、並びに、移送元及び移送先の容器若しくは容器群、移送の際の行と列とを入れ換えて移動する転置移動若しくは行と列とを入れ換えずに移動する並進移動の別を、前記入力手段6等で指定された処理過程の内容に基づいて、特定して各手段に指示するCPU等からなる制御手段4とを有する。
【0037】
さらに、本装置は、処理過程である反応過程の設定や、反応過程の経過等の種々の表示を画面に行う表示手段5と、キーボード、マウス若しくはスイッチの操作又はフロッピー若しくはCDの装着等によって種々のコンビナトリアル合成等の指定を行う入力手段6と、各種試薬の分注量、分注位置、分注のタイミング等の種々のデータを記憶する記憶手段7と、データの伝送を行う通信手段8とを有する。これらの各装置及び手段はバス等を介して相互に接続されている。
尚、前記入力手段6及び記憶手段7は前記指定手段に相当するものである。
【0038】
図2には、前記処理ステージ2の上面図である。図中、符号10は、前記ピペット手段1に設けられた6連のノズル群であり着脱自在の分注チップが装着されている。該ノズルには、液面の検知を行うために光を照射して、その反射光を受光する液面センサ(図示せず)や、ノズル内の圧力を検知する圧力センサが設けられている。
尚、用いられる化学反応が環境に悪影響を生じさせるような場合や、空気以外の気体や真空等の種々の雰囲気下で処理を行う場合には、前記ピペット手段及び処理ステージを、密閉容器9に収納して密閉する。
【0039】
本処理ステージ2は、ノズル群10が同一の試薬を分注する場合に用いるノズル群10に装着された分注チップが進入する部分が相互に仕切られていない同一分注試薬用容器11、13が設けられている。符号13の同一分注試薬用容器の場合は、符号11の場合よりも、大きな容量の試薬を収容することができる。どちらを用いるかは目的化合物群の量等の処理過程の内容に基づいて選択される。
【0040】
処理ステージ2は前記6連のノズル群10が各々異なる試薬を分注する場合に用いる、ノズル群10の各ノズルに装着された分注チップが進入する部分が相互に仕切られている異分注試薬用容器12,14が設けられている。符号14の異分注試薬用容器の場合は、符号12の容器よりも容量が大きい場合に選択される。
【0041】
該処理ステージ2は、前記ノズル群10に装着され且つ取り外された分注チップが保持されているチップホルダ15と、試薬分注を行った分注ノズルを洗浄するための洗浄液が収容されている試薬分注ノズル洗浄槽16と、反応した化合物のノズルを洗浄するための洗浄液が収容されている反応ノズル洗浄槽17と、6行×6列のマトリクス状に容器群が配列され、反応が行われる反応用プレート18と、試薬及び磁性体粒子を混合するための混合用プレート19とを有する。
【0042】
前記反応用プレート18、混合用プレート19は各々独立して90°の角度の正逆両方向への回転、即ち、行と列を入れ換える転置が可能な回転ステージ20上に設けられている。該回転ステージ20は前記移動手段3の1つに相当する。
【0043】
前記同一分注試薬用容器11、13及び前記異分注試薬用容器12,14は前記分注チップが進入する部分を除いて容器の開口部が蓋体で覆われている。これによって、試薬の蒸発や汚染を防止している。一方、試薬分注ノズル洗浄槽16、反応ノズル洗浄槽17、反応用プレート18、混合用プレート19には蓋体が設けられていない。
【0044】
好ましくは、処理ステージ2のうち容器群の部分をラミネートシーリング膜で覆うことによって、容器群を密閉し、例えば窒素等を充満させた雰囲気を保ち、試薬の蒸発や汚染を確実に防止することができる。ラミネートシーリング膜を用いた場合には、該膜に穴を開けるピアシング方式を採用する。前記分注チップは、例えば、ポリプロピレン(PP)、ステンレススチール(SUS)やテフロンによって形成し、ピアッシング方式を採用する場合には針状に形成するのが適当である。
【0045】
図3は、図2に示した処理ステージ2に着脱可能に設けられた同一分注試薬用容器11を拡大して示した分解透視斜視図である。該同一分注試薬用容器11は、PPで形成された箱状の容器部11aと、該容器部11aの開口部11bに着脱自在に嵌合して覆うPPで形成された略長方形状の蓋体11cを有する。
【0046】
該容器部11aは側面部11dと、内底部11gとから形成される。ここで、内底部11gは、該内底部11gの中央に向かって落ち込む傾斜面11eと、前記分注チップ(図示せず)の先端部の口径よりも幅狭で該内底部11gの中央に沿って設けられた溝部11fとを有する。
【0047】
これによって、該容器11の内底面に分注チップの先端部が当接しても該容器内の試薬をほぼ全量吸引することができるとともに、容器内に吸引した試薬を吐出するときの試薬の拡散を平均化して攪拌効率を大幅に向上することができる。長手方向にある前記側面部11dの側面11eは該容器11が倒れないように安定して支持するために、その下端が水平となるように長方形状に形成され、上端には、容器を把持するたの把手11hが設けられている。
【0048】
蓋体11cの中央には略長方形状の窪みが設けられ、該窪みには十字状や細孔状の切込み11iが6個、所定の間隔で設けられている。これは6連、3連、2連又は単独の分注チップが設けられたピペット手段1に対応し、該分注チップが該切込み11iを貫通して容器内部に進入することができる。この切込み11iを設けることによって、分注チップの液を拭い、容器内の液体の蒸発を防止し、且つ汚染防止に役立つ。試薬を保存する場合には、完全に液体の蒸発を防止するためゴム板11jが前記蓋体11cの中央の前記窪みに着脱自在に嵌め込まれる。
尚、前記切込みや細孔をゴム板11jに設けるようにしても、設けずに分注チップによって貫通可能とするようにしても良い。
【0049】
図4は、図3に示した同一分注試薬用容器11よりも容量の小さい同一分注試薬用容器21を示す。該容器21は、PPで形成された細長い箱状の容器部21aと、該容器部21aの開口部21bに着脱自在に嵌合して覆うPPで形成された細長い長方形状の蓋体21cとを有する。該容器部21aは側面部21dと、内底部21gとから形成される。ここで、該内底部21gは、くさび底であり、該内底部21gの中央に向かって落ち込むように傾斜する傾斜面21eと、前記分注チップ(図示せず)の先端部の口径よりも幅狭で該内底部21gの中央に沿って設けられた溝部21fとを有する。
【0050】
溝部21fの底面は、複数個(この例では12個)の円弧状の凹部がつながった波形の曲面が形成されている。これによって、該容器21の内底面に分注チップの先端部が当接しても該容器内の試薬をほぼ全量吸引することができるとともに、容器内に吸引した試薬を吐出するときの試薬の拡散を平均化して攪拌効率を大幅に向上することができる。長手方向にある前記側面部21dの側面は該容器21が倒れないように安定して支持するために、その下端が水平となるように長方形状に形成され、上端には、容器を把持するための把手21hが設けられている。
【0051】
前記蓋体21cの中央には略長方形状の窪みが設けられ、該窪みには十字状や細孔状の切込み21iが12個、前記溝部21fの各円弧状の凹部に対応する位置に設けられている。これは12連、6連、4連、3連、2連又は単独の分注チップが設けられたピペット手段1に対応し、該分注チップが該切込み21iを貫通して容器内部に進入することができる。
【0052】
この切込み21iを設けることによって、分注チップの挿入の際に外部に付着されている液を拭いクロスコンタミネーションを防止するとともに、容器内の液体の蒸発を防止し、ゴミ等の侵入等による汚染防止に役立つ。
試薬を保存する場合には、完全に液体の蒸発を防止するためゴム板21jが前記蓋体21cの中央の前記窪みに着脱自在に嵌め込まれる。
尚、該ゴム板21jにも切込みや細孔を設けるようにしても、また設けずに分注チップにより貫通可能とするようにしても良い。
【0053】
図5は、図4に示した同一分注試薬用容器21の変形例を示すものである。
該同一分注試薬用容器31は、PPで形成された細長い箱状の容器部31aと、該容器部31aの開口部31bに着脱自在に嵌合して覆うPPで形成された細長い長方形状の蓋体31cとを有する。該容器部31aと蓋体31cとは薄肉に形成されたヒンジ31dによって屈曲自在に結合され、ヒンジ31dが折り曲げらると、蓋体31cが前記開口部31bに嵌合するように着脱自在に形成されている。
【0054】
該容器部31aは側面部31eと、内底部31hとから形成されている。ここで、該内底部31hは、くさび底をしており該内底部31hの中央に沿って、下方に向かって狭まるように傾斜する傾斜面31fと、該内底部31hの中央に沿って前記分注チップ(図示せず)の先端部の口径よりも幅狭で設けられた溝部31gとを有する。
【0055】
溝部31gの底面は、複数個(この例では12個)の凹部をもつジグザグの波形の面が形成されている。これによって、該容器31の内底面に分注チップの先端部が当接しても該容器内の試薬をほぼ全量吸引することができるとともに、容器内に吸引した試薬を吐出するときの試薬の拡散を平均化して攪拌効率を大幅に向上することができる。
【0056】
前記容器部31aの上端の前記開口部31bの周縁には、前記容器部31aの側面部31eよりも大きめで特に長手方向の両端で把持可能な大きさの板が突出するように形成された上板31iが設けられている。該上板31iの長手方向に突出した部分の下面で側面部31eの側面から突出した支持部31jにより支えられている。
【0057】
前記蓋体31cの中央に細長い長方形状の孔を穿設し、該孔にはゴム板31kが嵌められている。前記蓋体31cに嵌められたゴム板31jを貫通して分注チップが挿入されるように十字の切込み31lが12個、前記溝部31gの底面の12個の波形の凹部に対応する位置に設けられている。これは12連、6連、4連、3連、2連、又は単独の分注チップが設けられたピペット手段1に対応するものである。
尚、以上説明した容器の蓋に設けたゴム板に切込みを設けずに、ピペット手段の先端によって、孔を開けて貫通するようにしても、貫通不可能とするようにしても良い。この場合には切込みがないので容器内部は完全に密閉されることになる。
【0058】
本実施の形態によれば、蓋体が設けられているので、蓋体と容器とが別々になる事態を防止し、したがって、クロスコンタミネーションを防止することになる。
【0059】
図6(a)は前記処理ステージ2に設けられた分注チップ保持部15の断面を示すものであり、同図(b)は、前記洗浄槽16,17の断面図を示す。前記洗浄槽16,17は各々分注ピペットの吸引吐出が行われる洗浄皿16aと、該洗浄皿16aから溢れた洗浄液を回収するための受け皿16bとを有する。
【0060】
さらに、同図に示すように、該洗浄皿16aに洗浄液を供給するための供給路16c及びポンプ16dと、洗浄液を貯溜する貯溜槽16eと、前記受け皿16bに設けられた洗浄液を廃棄する廃棄路16fとが設けられている。
前記処理ステージ2には、その他、試薬を保存し、又は反応を促進するための恒温装置や、液面を検知するための液面センサを設けるようにしても良い。
【0061】
続いて、図7乃至図11に基づいて、第一の実施の形態に係る化学反応処理装置を用いて、コンビナトリアル合成及び構造解析を行う種々の場合について、以下に説明する。
最初に、第二の実施の形態として、図7及び図8に基づいて、スプリット合成法(split synthesis) により、3種類のアミノ酸(A,B,C)を使用して、トリペプチドを最終生成化合物として合成する例について説明する。この場合には、前記磁力手段が、少なくとも、ピペット手段1の各ノズルと連通する液通路の外部に配設されているとする。
【0062】
図7に示すように、ステップS1で、前記入力手段6から、コンビナトリアル合成の処理過程の内容を特定するため、処理過程情報を入力する。処理過程を特定すると、スプリット合成を行う点、試薬が収容された容器の位置、磁性体粒子が収容された容器の位置、反応が行われる容器の位置、ピペット手段又は処理ステージの移動の制御、反応時間、分注の順序等についても、予め前記記憶手段7に格納された情報に基づいて自動的に特定又は設定される。これによって、必要な試薬の配列等が前記制御手段4によって決定されることになる。
【0063】
ステップS2で、処理過程がスプリット合成なので、自動的にステップS3に進む。ステップS3で、前記ピペット手段1のノズル群10が、前記処理ステージ2のチップホルダ15に移動して6連の分注チップのうち3連分を自動的に装着し、処理ステージ2の異分注試薬用容器12にノズル群10を移動させて、該容器12に収容されている目的物質であるアミノ酸A,B,Cを含む試薬を各々吸引して、図8に示すように、反応用プレート181 の6行×6列のマトリクス状に配列された容器群のうち3行×1列分の容器群に前記アミノ酸を吐出して配置する。
【0064】
ステップS4で、分注チップが装着された前記ノズル群10は、同一分注試薬用容器11に移動し、磁性体粒子が貯溜されている該容器11から磁性体粒子の懸濁液を吸引する。ここで、磁性体粒子の表面には、前記アミノ酸A,B,Cと特異的に反応する物質がコーティング又は保持されている。その際、アミノ酸A,B,Cに応じて、コーティングされている物質の異なる複数種類の磁性体粒子を用いても良い。
【0065】
次に、前記アミノ酸A,B,Cが各々収容されているプレートの3行×1列のウェルに移動し、磁性体粒子をアミノ酸A,B,Cを含む試薬が収容されている各容器に分注して混合させて、各アミノ酸A,B,Cを磁性体粒子と反応させて結合させる。この段階で、前記3行×1列の各容器には、磁性体粒子−A、磁性体粒子−B、磁性体粒子−Cの各結合体が収容されることになる。
【0066】
ステップS5で、図8の反応用プレート181 の3個の容器に収容された各アミノ酸A,B,Cと磁性体粒子との結合体を含む混合液は、分注チップが装着された前記ノズル群10によって吸引され、移動手段3によって前記処理ステージ2の混合用プレート19に移動して、各混合液を一斉に吐出して、磁性体粒子と各アミノ酸A,B,Cとの結合体との懸濁液を混合してランダム化し、前記結合体が等量ずつ一様に混ざった混合液を生成する。
【0067】
ステップS6で、該混合用プレート19で混合されたアミノ酸A,B,Cと磁性体粒子との結合体が一様に懸濁した該混合液を、再び3連の前記ノズル群10によって等量ずつ吸引し、吸引した各混合液を移動手段3によって、図8に示すように、前記反応用プレート181 の6列×6行のマトリクスの部分マトリクスである3列×3行の容器群9個に並進移動しつつ、各ノズル毎に吸引した混合液の1/3(最初の各アミノ酸A,B,Cの量を1とした場合に)ずつを、計9個の容器群に、等分に分配する。その際、行と列との数が3で同じなので該プレートは90°回転して転置する必要はない。
【0068】
ステップS7で、前記ノズル群10は、再び、前記異分注試薬用容器12に各々収容されている前記アミノ酸A,B,Cが別々に含まれている各試薬各々1ずつ吸引して、3行×3列の前記マトリクス行列の各要素に1/3ずつ、各ノズルは1列×3行の容器群に並進移動することによって列毎に異なるアミノ酸を等量ずつ分割して分注する。
【0069】
したがって、図8の3行×3列のマトリクスの各容器には各々アミノ酸A,B,Cを含む試薬と磁性体粒子とアミノ酸A,B、Cとの結合体の混合液とが混合されることになる。
【0070】
ステップS8で、アミノ酸同士の反応及びインキュベーションによって、2種のアミノ酸が結合した結合体が生成される。
したがって、第1列の容器群では、磁性体粒子−A−A、磁性体粒子−B−A、磁性体粒子−C−A、第2列の容器群では、磁性体粒子−A−B、磁性体粒子−B−B、磁性体粒子−C−B、第3列の容器群では、磁性体粒子−A−C、磁性体粒子−B−C、磁性体粒子−C−Cという各結合体からなる化合物群が得られることになる。
【0071】
ステップS9で、前記ノズル群は3列×3行のマトリクス状の容器群から、各行毎に順次、各収容物を全量吸引して、前記混合用プレート19の1つの容器に吐出し、前記化合物群の一様な混合液を生成する。該混合液には前記各結合体が均一に混合する。
【0072】
ステップS10で、前記ノズル群10は、該混合用プレート19から、等量ずつ9回に分けて混合液を吸引し、図8の反応用プレート181 ,182 のうち各々3列×6行及び3列×3行のマトリクスの各容器群に、前記ノズル群10を並行移動させることによって、各行毎にアミノ酸A,B,Cの結合体を含む混合液の全量の1/27ずつ、即ち2/9ずつ等量分割して分注する。
【0073】
ステップS11で、前記ノズル群10は、前記異分注試薬用容器12から、さらに、各々1ずつアミノ酸A,B,Cを各ノズル毎に吸引し、該ノズル群10を各行毎に並進移動しつつ、1/9ずつ等量に、分割分注して、各ウェルに収容されていた混合液と混合する。この場合も、回転ステージ201 ,202 を90°回転して転置させる必要はない。
【0074】
ステップS12で、アミノ酸同士の反応及びインキュベーションによって、3種のアミノ酸が結合した結合体が生成される。これによって、3列×6行の各ウェルには、各列毎に、次のような結合体が含まれることになる。第1列については、磁性体粒子−A−A−A、磁性体粒子−B−A−A、磁性体粒子−C−A−A、磁性体粒子−A−B−A、磁性体粒子−B−B−A、磁性体粒子−C−B−A、磁性体粒子−A−C−A、磁性体粒子−B−C−A、磁性体粒子−C−C−Aである。
【0075】
第2列については、磁性体粒子−A−A−B、磁性体粒子−B−A−B、磁性体粒子−C−A−B、磁性体粒子−A−B−B、磁性体粒子−B−B−B、磁性体粒子−C−B−B、磁性体粒子−A−C−B、磁性体粒子−B−C−B、磁性体粒子−C−C−Bである。
【0076】
第3列については、磁性体粒子−A−A−C、磁性体粒子−B−A−C、磁性体粒子−C−A−C、磁性体粒子−A−B−C、磁性体粒子−B−B−C、磁性体粒子−C−B−C、磁性体粒子−A−C−C、磁性体粒子−B−C−C、磁性体粒子−C−C−Cである。この段階で、全27種類のトリペプチドが磁性体粒子と結合した結合体が得られることになる。
【0077】
ステップS13で、該3列×6行、及び3列×3行のマトリクス状に配列された容器群であるウェル群に解離剤を分注して、各々前記結合体を磁性体粒子から解離させ、磁性体粒子のみを分離することによって、各トリペプチドが得られることになる。
【0078】
続いて、第三の実施の形態として、図7及び図9に基づいて、Ai −Bj −Ck という最終生成化合物を、少なくとも、磁力手段(図示せず)が処理ステージ2の各容器(反応用)の外部に各々配設され、各容器内面で磁性体粒子の吸着及び脱着が可能な装置を用いた場合にパラレル合成法を適用する場合を説明する。
【0079】
図7のステップS1で、操作者は、図1の前記入力手段6から、コンビナトリアル合成の処理過程を特定するために処理過程情報を入力する。処理過程を特定すると、パラレル合成を行う点、その試薬の収納容器位置、磁性体粒子の収納容器位置、反応が行われる容器位置、ピペット手段又は処理ステージの移動の制御、反応時間、分注の順序等についても、予め前記記憶手段7に格納された情報に基づいて自動的に特定又は設定される。
【0080】
ステップS2で、処理過程が、パラレル合成法なので、自動的にステップS21に進む。
ステップS21で、前記ピペット手段1のノズル群10が、前記処理ステージ2のチップホルダ15に移動して6連の分注チップのうち3連分を自動的に装着し、前記処理ステージ2の異分注試薬用容器12にノズル群10を移動させて、該容器12に収容されている目的物質A1 ,A2 ,A3 が別々に含まれている各試薬をノズル群10の各ノズルが独立に吸引して、図9に示すように、反応用プレート181 の6行×6列のマトリクス状に配置された容器群のうち3行×1列分の容器群に前記試薬を吐出する。
【0081】
ステップS22で、分注チップが装着された前記ノズル群10は、同一分注試薬用容器11に移動し、磁性体粒子が貯溜されている該容器11から磁性体粒子を含む懸濁液を吸引する。ここで、磁性体粒子の表面には、前記目的物質A1 ,A2 ,A3 と特異的に反応する物質がコーティングされている。その際、目的物質A1 ,A2 ,A3 に応じて、コーティングされている物質の異なる複数種類の磁性体粒子を用いても良い。
【0082】
次に、前記目的物質A1 ,A2 ,A3 が各々収容されているプレートの3行×1列のウェルに移動し、磁性体粒子を該目的物質A1 ,A2 ,A3 が別々に含まれている各試薬が収容されている各容器に分注して、各目的物質A1 ,A2 ,A3 を磁性体粒子と結合させて磁性体粒子と結合させる。この段階で、該3行×1列の容器群には、順次、磁性体粒子−A1 、磁性体粒子−A2 、磁性体粒子−A3 の各結合体を含む液が収容されていることになる。
【0083】
ステップS23で、前記ノズル群10は、磁性体粒子と結合した結合体を含む各試薬を吸引して、当初の量の1/3ずつ、並進移動しながら、等量に吐出することによって、反応用プレート181 の6行×6列のマトリクス状に配列された容器群に、各列毎に異なる液を分注する。その後、各容器の外部に個々に設けられている磁力手段によって磁場を容器内部に作用させて、磁性体粒子と結合した結合体を各容器の内面に吸着保持させる。その後、前記ピペット手段1によって、内面に吸着保持された結合体を除く収容液を吸引して、排出用の別容器に移送して吐出することによって排除した後、磁力手段を容器から離間させることによって、又は電磁石をオフすることによって磁場を除去する。
【0084】
ステップS24で、図9に示すように前記移動手段3は、該反応用プレート181 が載置されている回転ステージ201 を90°回転させることによって、マトリクス状に配列された容器群の行と列とを転置させる。
【0085】
ステップS25で、前記分注チップを前記洗浄槽16で洗浄した後、又は分注チップを前記チップホルダーで交換した後、異分注試薬用容器12から目的物質B1 ,B2 ,B3 を別々に含む各試薬を各々1の量吸引して1/3の量ずつ又は1/3の量ずつ吸引して、行と列とを入れ換えた転置マトリクス状容器群に対して、ノズル群10を並進移動することによって、既に各ウェルに収容された磁性体粒子と結合したA1 〜A3 の各結合体が収容されている容器に順次分注する。
【0086】
ステップS26で、反応及びインキュベーションにより、この段階で、転置マトリクスの第1列目の3個の容器には、各々磁性体粒子−A1 −B1 、磁性体粒子−A1 −B2 、磁性体粒子−A1 −B3 という結合体が収容され、転置マトリクスの第2列目の3個の容器には、各々磁性体粒子−A2 −B1 、磁性体粒子−A2 −B2 、磁性体粒子−A2 −B3 という結合体を含む液が収容され、第3列目の3個の容器には、各々磁性体粒子−A3 −B1 、磁性体粒子−A3 −B2 、磁性体粒子−A3 −B3 の全9種類の結合体を含む液が各々1種ずつ収容されていることになる。
【0087】
ステップS27で、前記ノズル群10は、並進移動することによって、前記転置マトリクスの容器群から順次、3個ずつ前記結合体が含まれた全収容液を容器から吸引して、前記液の1/3ずつ、即ち、最初の量の1/9ずつ転置されたマトリクス状容器の6列×3行及び3列×3行の全容器群に、前記9種類の結合体に各列毎に異なる結合体を含む液が分注され、各列に属する3個の各容器には同じ結合体を含む液が分注されるように、並進移動しながら分注する。その後、各容器の外部に個々に設けられている磁力手段によって容器内部に作用させて、磁性体粒子と結合した結合体を各容器の内面に吸着保持させ、前記ピペット手段1によって、内面に吸着保持された結合体を除く収容液を吸引して、排出用の別容器に移送して吐出することによって排除した後、磁力手段による磁場の作用を除去する。
【0088】
ステップS28で、前記移動手段3によって、図9に示すように、前記反応用プレート181 及び182 を載置している各回転ステージ201 、202 を90°逆回転することによって、転置されたマトリクスの行と列を元の状態のマトリクスの行と列に戻す。
【0089】
ステップS29で、前記分注チップを前記洗浄槽16で洗浄した後、又は分注チップを前記チップホルダーで交換した後、異分注試薬用容器12から目的物質C1 ,C2 ,C3 を別々に含む各試薬から各々1の量を吸引してその1/9の量ずつ又は1/9の量ずつ吸引して、3列×6行マトリクスの容器群及び3列×3行のマトリクスの容器群に対して、ノズル群10を並進移動することによって、既に各ウェルに収容された磁性体粒子との結合体に、順次分注させる。
【0090】
ステップS30で、反応及びインキュベーションによって、マトリクスの第1列目の9個(6個と3個)の容器には、各々磁性体粒子−A1 −B1 −C1 、磁性体粒子−A1 −B2 −C1 、磁性体粒子−A1 −B3 −C1 、磁性体粒子−A2 −B1 −C1 、磁性体粒子−A2 −B2 −C1 、磁性体粒子−A2 −B3 −C1 、磁性体粒子−A3 −B1 −C1 、磁性体粒子−A3 −B2 −C1 、磁性体粒子−A3 −B3 −C1 の9種類の結合体が得られ、各々1種ずつ収容されていることになる。
【0091】
マトリクスの第2列目の9個(6個と3個)の容器には、各々磁性体粒子−A1 −B1 −C2 、磁性体粒子−A1 −B2 −C2 、磁性体粒子−A1 −B3 −C2 、磁性体粒子−A2 −B1 −C2 、磁性体粒子−A2 −B2 −C2 、磁性体粒子−A2 −B3 −C2 、磁性体粒子−A3 −B1 −C2 、磁性体粒子−A3 −B2 −C2 、磁性体粒子−A3 −B3 −C2 の9種類の結合体が各々1種ずつ収容されていることになる。
【0092】
マトリクスの第2列目の9個(6個と3個)の容器には、各々磁性体粒子−A1 −B1 −C3 、磁性体粒子−A1 −B2 −C3 、磁性体粒子−A1 −B3 −C3 、磁性体粒子−A2 −B1 −C3 、磁性体粒子−A2 −B2 −C3 、磁性体粒子−A2 −B3 −C3 、磁性体粒子−A3 −B1 −C3 、磁性体粒子−A3 −B2 −C3 、磁性体粒子−A3 −B3 −C3 の9種類の結合体が各々1種ずつ収容されていることになる。このようにして、全27種類の結合体群が得られることになる。
【0093】
ステップS31で、該3列×6行、及び3列×3行のマトリクス状に配列されたウェルに解離剤を分注して、各々前記結合体を磁性体粒子から解離させ、磁性体粒子のみを分離することによって、最終生成化合物を得ることができる。
【0094】
続いて、第四の実施の形態として、前記磁力手段が配設されたピペット手段による化学反応処理装置を用いて、構造解析を行うための標識化の処理について説明する。
図7に示すように、ステップS1で、前記入力手段6から、構造解析の処理過程の内容を特定するため、処理過程情報を入力する。処理過程を特定すると、構造解析を行う点、その試薬が収容された容器の位置、磁性体粒子が収容された容器の位置、反応が行われる容器の位置、ピペット手段又は処理ステージの移動の制御、反応時間、分注の順序等についても、予め前記記憶手段7に格納された情報に基づいて自動的に特定又は設定される。
【0095】
ステップS2で、処理過程が構造解析なので、自動的にステップS51に進む。ステップS51で、前記ピペット手段のノズル群10が前記処理ステージ2のチップホルダ15に移動して3連分の分注チップを自動的に装着し、処理ステージ2の異分注試薬用容器12にノズル群10を移動させて、該容器12に収容さているアミノ酸A,B,Cを含む試薬を吸引して、図8に示すように、反応用プレート18の6行×6列のマトリクス状に配置された容器群のうち3行×1列分の容器群に前記アミノ酸A,B,Cを分注する。
【0096】
ステップS52で、該アミノ酸を識別するために、アミノ酸AにT1 、アミノ酸BにはT2 、アミノ酸CにはT1 +T2 というタグを対応させるために、別の異分注試薬用容器12に貯溜されているこれらのタグを吸引して、前記容器に分注する。
【0097】
ステップS53で、該アミノ酸及びタグと反応により結合するアミノ基がコーティングされている磁性対粒子を前記アミノ酸及びタグが分注された容器に分注して混合する。その際、アミノ基の0.5〜1%にタグが結合し、残りのアミノ基に前記アミノ酸が結合するように、タグの分注量が設定されている。
【0098】
したがって、この段階で、3個の各容器には、磁性体粒子−アミノ酸A−タグT1 、磁性体粒子−アミノ酸B−タグT2 、磁性体粒子−アミノ酸C−タグT1 +T2 の各結合体が得られる。
【0099】
ステップS54で、前記磁性体粒子にアミノ酸及びタグが結合した各結合体を混合してランダム化する。
ステップS55で、3個の容器に等量分割するとともにアミノ保護基を切断する。
【0100】
ステップS56で、遊離したアミノ酸に新しいタグT3 ,T4 ,T3 +T4 を3個の各容器に分注する。ここで、タグT3 は、アミノ酸Xを識別するものであり、タグT4 はアミノ酸Yを識別するものであり、タグT3 +T4 は、アミノ酸Zを識別するためのものである。
【0101】
ステップS57で、アミノ酸X,Y,Zを前記ピペット手段により前記3個の容器に各々分注する。
ステップS58で、アミノ酸同士が反応及びインキュベーションにより結合する。この段階で、第一の容器には、T1 T3 −磁性体粒子−A−X、T2 T3 −磁性体粒子−B−X、T1 T2 T3 −磁性体粒子−C−X、第二の容器にはT1 T4 −磁性体粒子−A−Y、T2 T4 −磁性体粒子−B−Y、T1 T2 T4 −磁性体粒子−C−Y、第三の容器にはT1 T3 T4 −磁性体粒子−A−Z、T2 T3 T4 −磁性体粒子−B−Z、T1 T2 T3 T4 −磁性体粒子−C−Zが各々収容され、各アミノ酸の結合体が標識化されることになる。
【0102】
続いて、アッセイを行った後、ステップS59で、取り出された磁性体粒子からタグを切断した後、ステップS60でEC−GCによって分析を行うことによって、その磁性体粒子に結合しているアミノ酸配列を特定することができる。
【0103】
続いて、第五の実施の形態として、図10及び図11に基づいて、パラレル合成法(paralel synthesis) により、少なくとも磁力手段がピペット手段1の各ノズルに連通する液通路の外部に配設したものを用いて、3種のアミノ酸(A,B,C)を含む試薬を使用して、トリペプチドを最終生成化合物として合成する他の例について説明する。
【0104】
図7のステップS1で、前記入力手段6から、コンビナトリアル合成の処理過程の内容を特定するため、処理過程情報を入力する。処理過程を特定すると、図7のステップS2で、パラレル合成を行う点、その試薬が収容された容器の位置、磁性体粒子が収容された容器の位置、反応が行われる容器の位置、ピペット手段又は処理ステージの移動の制御、反応時間、分注の順序等についても、予め前記記憶手段7に格納された情報に基づいて自動的に特定又は設定される。これによって、必要な試薬の配列等が前記制御手段4によって決定されることになる。
【0105】
該解析によって、本形態例では、3種類の物質群(A,B,C)を用いて、成分の結合の数が3である最終生成物を生成するのであるから、第十二の発明の記号を用いると、n=3,m=9,k=3である。即ち、3列×9行容器群を3群必要とする。しかし、1つのプレートには、6列×6行のマトリクス容器群しか配列されていないので、各3列×6行容器群は、2つのプレートにまたがって配列されることになる。本形態例では次のようにして前記物質群を配置する。
【0106】
まず、前記ピペット手段1のノズル群10が、前記処理ステージ2のチップホルダ15に移動して6連の分注チップのうち3連分を自動的に装着し、処理ステージの異分注試薬容器12にノズル群10を移動させて、該容器12に収容されているアミノ酸A,B,Cを含む液を各々吸引して、図10(a)の反応用プレート181 ,182 及び図11(d)の反応用プレート183 ,184 の6行×6列のマトリクス状に配列された4つの容器群に各々前記アミノ酸A,B,Cをマトリクス状に分注及び配置する。ここでは、前記ノズル群10は1列×3行のベクトル状に配列されているものとする。
【0107】
また、各反応用プレート181 ,182 ,183 ,184 は各々回転ステージ201 ,202 ,203 ,204 に設けられている。反応用プレート181 上では、6列×6行の各列の容器群毎にA,B,Cの順で分注配置し、3列×6行の各マトリクスを各々容器群M1 ,容器群M2 と表す。反応用プレート182 上では、6列×3行の各列の容器群毎にA,B,Cの順で配置し、3列×3行の各マトリクスを各々容器群M3 ,容器群M4 と表す。また、図11(d)の反応用プレート183 上では、3列×6行の各列の容器群毎にA,B,Cの順で配置し、容器群M5 と表す。図11(d)の反応用プレート184 上では、3列×3行の各列の容器群毎にA,B,Cの順で配置し、容器群M6 と表す。即ち、容器群M1 とM3 とは第1群の3列×9行容器群に相当し、容器群M2 とM4 とは前記第2群の3列×9行容器群に相当し、容器群M5 とM6 とは前記第3群の3列×9行容器群に相当する。
【0108】
次に、第1群の3列×9行容器群に相当する前記反応用プレート181 の3列×6行の容器群M1 及び反応用プレート182 の3列×3行の容器群M3 に対して、前記ピペット手段1のノズルによって、前記A,B,Cと特異的に反応して結合する物質がコーティング又は保持された磁性体粒子が懸濁された液を等量ずつ分注して、磁性体粒子と前記A,B,Cの各アミノ酸と結合させて結合体を生成させる。
【0109】
次に、磁性体粒子と各アミノ酸の結合体が生成されて収容されている前記第1群の3列×9行容器群に相当する容器群M1 及び容器群M3 を移送元とし、該容器群から、結合体のみを移送対象として、第2群の3列×9行容器群に相当する反応用プレート181 、182 の容器群M2 及びM4 を移送先として、前記回転ステージ201 、202 を転置させずに移送する。
【0110】
前記ピペット手段1の3連の各ノズルは、最初に容器群M1 の第1列にある(M1 )11,(M1 )12,(M1 )13の3個の容器(添字は、列及び行番号を表す)に並進移動される。移送元である該容器群から、収容されている全液を吸引し吐出する際に磁力手段により液通路に磁場を及ぼすことによって、結合体を分離し、移送先にある容器群M2 の第1列にある(M2 )11,(M2 )12,(M2 )13の3個の容器にピペット手段1を並進移動させる。続いて、該3個の容器(M2 )11,(M2 )12,(M2 )13から、収容されている液を磁力手段による磁場を液通路に及ぼさずに吸引、吐出することによって結合体をピペット手段1から各容器に移す。
【0111】
同様にして、前記ピペット手段1のノズル群10を、前記結合体が収容されている容器群M1 のうち、第1列にある(M1 )14,(M1 )15,(M1 )16の3個の容器に並進移動する。移送元である該容器群から、収容されている全液を吸引し吐出する際に磁力手段により液通路に磁場を及ぼすことによって、結合体を分離し、移送先にある容器群M2 の第2列にある(M2 )21,(M2 )22,(M2 )23の3個の容器にピペット手段1を並進移動させる。続いて、該3個の容器(M2 )21,(M2 )22,(M2 )23から、収容されている液を磁力手段による磁場を液通路に及ぼさずに吸引、吐出することによって結合体をピペット手段1から各容器に移す。
次に、前記ピペット手段1のノズル群10を、前記結合体が収容されている容器群M3 のうち、第1列にある(M1 )14,(M1 )15,(M1 )16の3個の容器に並進移動する。移送元である該容器群から、同様にして結合体を分離し、移送先にある容器群M2 の第3列にある(M2 )31,(M2 )32,(M2 )33の3個の容器にピペット手段1のノズル群10を並進移動させ、同様にして該容器群に、結合体をピペット手段1から各容器に移す。
【0112】
以下同様にして、3個の容器群をまとめて1つの要素とする仮想的マトリクス上、相互に転置位置となるように、M1 及びM3 の第1群の3列×9行容器群から、M2 及びM4 の第2群の3列×9行容器群に結合体のみを移送すると、図10(b)に示すように結合体及び試薬が容器群M2 及びM4 の第2群の3列×9行容器群に配置される。
即ち、この段階で反応及びインキュベーションによって、磁性体粒子−A−A,磁性体粒子−A−B,磁性体粒子−A−C,磁性体粒子−B−A,磁性体粒子−B−B,磁性体粒子−B−C,磁性体粒子−C−A,磁性体粒子−C−B,磁性体粒子−C−Cが生成されることになる。
【0113】
続いて、反応用プレート181 及び182 が設けられている回転ステージ201 及び202 を90°回転して転置することによって、図11(c)に示すように、反応用プレート181 及び反応用プレート182 に設けられた第2の3列×9行容器群M2 及びM4 は転置されて、各々容器群M2 T 及びM4 T (“T”は転置行列を表す)と配列されることになる。
【0114】
次に、前記ピペット手段1のノズル群10は、例えば、容器群M2 の第6列にある3個の容器(M2 T )61,(M2 T )62,(M2 T )63の収容物を全量吸引する際に外部に設けた磁力手段によりピペット手段1の液通路に磁場を及ぼし、前記結合体をピペット手段の液通路内壁に吸着保持することによって分離する。結合体を分離すると、移送先の第3群の3列×9行容器群である反応用プレート183 にある容器群M5 の第1列にある(M5 )11,(M5 )12,(M5 )13の3個の容器に移動させる。続いて、該(M5 )11,(M5 )12,(M5 )13の3個の容器から、収容されている液を、磁力手段による磁場を液通路に及ぼさずに吸引、吐出することによって結合体をピペット手段1から各容器に移す。
【0115】
同様にして、ピペット手段1のノズル群10を、前記結合体が収容されている容器群M2 T の第5列にある(M2 T )51,(M2 T )52,(M2 T )53に並進移動させる。移送元である該容器群の収容物を全量吸引する際に磁力手段をピペット手段1の液通路に磁場を及ぼし、前記結合体を分離する。結合体を分離すると、移送先の反応用プレート183 の容器群M5 の第2列にある(M5 )21,(M5 )22,(M5 )23の3個の容器に移動させる。続いて、該(M5 )21,(M5 )22,(M5 )23の3個の容器から、収容されている液を、磁力手段による磁場を液通路に及ぼさずに吸引、吐出することによってピペット手段が保持していた結合体を各容器に移す。
【0116】
同様にして、順次M2 T の容器群から、結合体のみを分離して、容器群M5 の対応する各容器群に移送し、最終的には(M4 T )11,(M4 T )12,(M4 T )13を反応用プレート184 にある容器群M6 の第3列にある(M6 )31,(M6 )32,(M6 )33に移送することになる。
【0117】
こうして最終生成物として、磁性体粒子−A−A−A,磁性体粒子−A−A−B,磁性体粒子−A−A−C,磁性体粒子−A−B−A,磁性体粒子−A−B−B,磁性体粒子−A−B−C,磁性体粒子−A−C−A,磁性体粒子−A−C−B,磁性体粒子−A−C−C,磁性体粒子−B−A−A,磁性体粒子−B−A−B,磁性体粒子−B−A−C,磁性体粒子−B−B−A,磁性体粒子−B−B−B,磁性体粒子−B−B−C,磁性体粒子−B−C−A,磁性体粒子−B−C−B,磁性体粒子−B−C−C,磁性体粒子−C−A−A,磁性体粒子−C−A−B,磁性体粒子−C−A−C,磁性体粒子−C−B−A,磁性体粒子−C−B−B,磁性体粒子−C−B−C,磁性体粒子−C−C−A,磁性体粒子−C−C−B,磁性体粒子−C−C−Cが、図11の(d)の第3群の3列×9行容器群の27個の各容器に収容されることになる。
【0118】
以上説明した処理ステージ2では、各プレート18毎に回転ステージ20が設けられ、プレート18毎に回転可能であったが、該場合に限られるものではなく、例えば、図12に示す処理ステージ35では、複数のプレート18(この例では4個のプレート)が1つの回転ステージ36上に載置され、複数のプレートが同時に回転できるように設けても良い。
以上説明した実施の形態では、スプリット合成法及びパラレル合成法についてのみ説明したが、両者を組み合わせた合成法であっても良い。
さらに、本発明に係る合成法は、生体高分子のみならず有機物及び無機物に適用することが可能である。
【0119】
前述したスプリット合成法では、混合を2回行い、混合液のa(=3)個の等分割を2回行うようにしたが、本発明はこのような場合に限られず、a個の等分割をn回繰り返すことによって、an 個の目的化合物群を得ることができる。
また、該スプリット合成法は、トリペプチドをライブラリとして合成する例を示したが、該例に限られず、例えば、他の蛋白質、DNAや多糖糖の生体高分子のみならず、他の有機物や無機物糖にも本発明を適用することができる。
【0120】
以上の例では、測定手段について説明しなかったが、測定手段を設け、さらに測定結果の解析をも行うような装置を設けることによって、測定から解析までを一貫して行うことができる。
【0121】
また、1種類の磁性体粒子を用いる場合のみならず、2以上の種類の磁性体粒子の中から、必要な種類の磁性体粒子を処理過程の内容に基づいて選択して使用するようにしても良い。これによって、反応に関与する物質と特異的に反応する物質を磁性体粒子にコーティングしたり、反応に関与する物質に悪影響を与えない物質を選択してコーティングしたりすることによって、適用することができる処理の可能性の幅が増大し汎用性があり、且つ信頼性のある化学反応処理を行うことが出来る。
さらに、前記各実施の形態に用いた物質群の例は、説明の便宜のために、簡単な例を挙げて説明したものに過ぎず、化学反応処理の内容、目的物質の種類、数、最終生成物等は、これらの例に限定されるものではない。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したように、第一の発明では、磁力手段が配設されたピペット手段又は処理ステージの一部若しくは全体を転置移動又は並進移動可能を可能とする移動手段を設けるとともに、指定手段による指定に基づいて、試薬等の物質群の配置、各容器の収容物のうち移送対象、移送元及び移送先の容器若しくは容器群、移送の際の転置移動若しくは並進移動の別、並びに、ピペット手段の動作を特定して指示する制御手段を設けている。
【0123】
したがって、多数の物質群をマトリクス状に配置し、転置移動及び並進移動を行うことにより、単純で無駄のない動作で効率良く、迅速にシステマチックに化学反応処理を行うことができるとともに、装置の構成を簡単でコンパクトにすることができる。
【0124】
また、磁力手段を配設することによって、各容器内の収容物の中から移送対象を選択特定することによって、処理を簡略化又は多様化することができるとともに、信頼性良く、種々の処理をコンパクトで簡単な装置で行うことができる。
多数で少量の物資群を扱うことによって、最終生成化合物の多品種少量生産を効率良く行うことができる。
【0125】
第二の発明では、処理過程の内容等に応じて、ピペット手段のマルチノズルの個数や非配列、処理ステージの容器群の個数や配列を設定することによって、無駄のない効率的な利用と、全体の装置をコンパクトにすることができる。
【0126】
第三の発明は、ピペット手段の分注器のノズルに着脱可能に装着する分注チップを用いることによって、洗浄を必要とせずに、クロスコンタミネーションのない信頼性のある化学反応処理を行うことができる。
第四の発明は、容器群の一部又は全体に、外部に磁力手段を設けて各容器内面での磁性体粒子の吸着脱着が可能としたものである。
これによって、容器に収容された収容物の中から磁性体粒子との結合体又は結合体以外の物を選択して移送することができるので、多様な処理が可能となる。
【0127】
第五の発明は、容器に蓋部材を設けることによって、容器内の液体の蒸発、汚染又は発生する気体を閉じ込めて環境への悪影響を防止するとともに、ピペット手段の外側への付着物を拭うことができるので扱いやすい。
【0128】
第六の発明は、前記処理ステージに、処理に必要な種々の装置を設けることによって、化学反応処理を一貫して又は効率良く行うことができる。
第七の発明は、処理ステージ等を密閉空間内に設けることによって、人体等に有害な化学反応を封じ込めて環境を保護したり、密閉空間内に種々雰囲気、条件又は状況を現出することができるので、多様性のある処理を行うことができる。
【0129】
第八の発明は、処理時間等を小さくすることによって、化学反応処理を効率良く、又は迅速に行うことができる。
第九の発明は、磁力手段が配設されたピペット手段、処理ステージ、移動手段及び制御手段を処理過程の内容に基づいて制御を行うように用いている。
したがって、第一の発明で奏する効果と同様に、処理過程の内容に基づいて容易に、効率良く又は迅速に化学反応処理を行うことができるとともに、装置の構成を簡単でコンパクトにすることができる。
【0130】
第十の発明によれば、簡単な構造と動作によって、いわゆるスプリット合成法等の処理を効率的、迅速に行うことができる。
第十一の発明又は第十二の発明によれば、各容器の収容物のうち磁性体粒子との結合体を分離して、結合体以外の収容物を除去しながら、物質群との間で反応を行うようにしているので、目的物質以外の不純物や老廃物を除去して信頼性のある処理を効率的、迅速に行うことができる。
【0131】
第十三の発明は、識別子を磁性体粒子に関連付けることによって、磁性体粒子したがって、該磁性体粒子に結合する物質を標識化することができる。
これによって、合成等がされた目的物の構造解析を容易且つ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るブロック図
【図2】本発明の実施の形態に係る処理ステージを示す平面図
【図3】本発明の実施の形態に係る同一試薬分注用容器の第一の例を示す斜視図
【図4】本発明の実施の形態に係る同一試薬分注用容器の第二の例を示す斜視図
【図5】本発明の実施の形態に係る同一試薬分注用容器の第三の例を示す図
【図6】本発明の実施の形態に係る洗浄槽及びチップホルダを示す図
【図7】本発明の実施の形態に係る流れ図
【図8】本発明の実施の形態に係るスプリット合成法の説明図
【図9】本発明の実施の形態に係るパラレル合成法の説明図
【図10】本発明の実施の形態に係る他のパラレル合成法の説明図(1)
【図11】本発明の実施の形態に係る他のパラレル合成法の説明図(2)
【図12】本発明の実施の形態に係る他の処理ステージを示す平面図
【符号の説明】
1…ピペット手段
2,35…処理ステージ
3…移動手段
4…制御手段
5…表示手段
6…入力手段
7…記憶手段
10…ノズル群
11、13…同一分注試薬用容器
12、14…異分注試薬用容器
16…試薬分注ノズル洗浄槽
17…反応ノズル洗浄槽
18…反応用プレート
19…混合用プレート
20…回転ステージ
Claims (13)
- 液体の吸引及び吐出が可能なマルチノズルを有するピペット手段と、容器がマトリクス状に配列された容器群が設けられた処理ステージと、前記ピペット手段又は処理ステージの容器群の一部又は全体に設けられピペット手段の液通路又は各容器内面での磁性体粒子の吸着及び脱着等が可能な磁力手段と、前記ピペット手段のノズル群又は前記処理ステージの容器群の一部又は全体について、行と列を入れ換えて移動する転置移動及び行と列を入れ換えずに移動する並進移動を可能とする移動手段と、コンビナトリアル合成の内容を指定する指定手段と、各手段の動作を制御する制御手段とを有するとともに、前記制御手段は、前記指定手段による指定に基づいて、磁性体粒子を含む物質群の前記容器群上での配置、各容器内に収容された収容物のうちの移送対象、移送元及び移送先の容器又は容器群、移送の際の転置移動又は並進移動の別、並びに、前記ピペット手段の吸引等及び磁力手段による吸着等の動作を特定して各手段に指示することを特徴とする磁性体粒子を用いたコンビナトリアル合成装置。
- 前記ピペット手段のノズルの配列、又は前記処理ステージの容器の配列は、相互に関連し、且つ、処理過程の内容に基づいて定められたことを特徴とする請求項1記載の磁性体粒子を用いたコンビナトリアル合成装置。
- 前記ピペット手段は、液体吸引ラインの分注機のノズルに着脱自在に装着する分注チップを有することを特徴とする請求項1又は2記載の磁性体粒子を用いたコンビナトリアル合成装置。
- 前記処理ステージの容器群の一部又は全体の各容器には、外部に磁力手段が設けられて各容器内面での磁性体粒子の吸着及び脱着が可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性体粒子を用いたコンビナトリアル合成装置。
- 前記処理ステージに設けられた容器群の一部又は全体の各容器上が膜状又は板状の蓋部材によって覆われ、前記ピペット手段のノズルに装着された分注チップの先端によって貫通可能であることを特徴とする請求項1に記載の磁性体粒子を用いたコンビナトリアル合成装置。
- 前記処理ステージには分注用の容器、洗浄用の容器、反応用の容器、恒温装置又は/及び測定用装置等の処理過程に必要な器具が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁性体粒子を用いたコンビナトリアル合成装置。
- 前記処理ステージ及び前記ピペット手段は密閉容器内に設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の磁性体粒子を用いたコンビナトリアル合成装置。
- 前記制御手段は、前記ピペット手段、又は前記移動手段に対して、処理過程中の処理時間、若しくは、前記移動手段による移動量、移動時間若しくは消費エネルギーを小さくし、又は動作を単純化することによって効率良く制御することを特徴とする請求項1又は請求項7に記載の磁性体粒子を用いたコンビナトリアル合成装置。
- 前記請求項1乃至請求項8のいずれかに記載されたピペット手段、処理ステージ、指定手段、移動手段及び制御手段を用いることによって、指定された処理過程の内容に基づいて、配列された前記処理ステージの容器群の一部又は全体に複数種類の試薬等の物質群をマトリクス状に配置する過程(S1)と、指定された処理過程の内容に基づいて、試薬等の物質群が配置された前記容器群の一部又は全体に磁性体粒子を含む液を分注して、各物質中の目的物質と磁性体粒子とを反応等によって結合させて結合体を生成する過程(S2)と、指定された処理過程の内容に基づいて、ピペット手段のノズル群又は処理ステージの容器群の一部又は全体について行と列を入れ換えて移動する転置移動又は行と列を入れ換えずに移動する並進移動によって、移送元の容器又は容器群に収容された収容物のうちの一部又は全体を、移送先の容器又は容器群に移送する過程(S3)とを含むことを特徴とする磁性体粒子を用いたコンビナトリアル合成方法。
- 前記過程(S1)は、マトリクス状に配列された容器群のうちa1 〜an の試薬を等量ずつn列×1行の容器群に分注及び配置し、b1 〜bm の試薬を等量ずつm列×1行の容器群に分注及び配置する過程であり、前記過程(S2)は試薬が配置された前記容器群に磁性体粒子を分注して、a1 〜an の試薬中の目的物質と磁性体粒子とを反応等によって結合させて結合体を生成する過程であり、前記過程(S3)は、前記結合体が含まれた各容器の収容物全体をピペット手段によって共通の混合容器内に移送して混合し、該混合液をm等分し、n列×m行のマトリクス状に配列された容器の各列m行の容器群に等量ずつピペット手段によって移送するとともに、該移送の際に並進移動又は転置移動を選択して、b1 〜bm の試薬をn等分し、前記n列×m行のマトリクス状に配列された容器の各列n行の容器群に等量ずつピペット手段によって移送する過程であることを特徴とする請求項9に記載した磁性体粒子を用いたコンビナトリアル合成方法。
- 前記過程(S1)は、マトリクス状に配列された容器群のうちa1 〜an の試薬を等量ずつ、n列×m行の容器群に等量ずつ分注及び配置し、b1 〜bm の試薬を等量ずつm列×1行の容器群に分注及び配置する過程であり、前記過程(S2)は、n列×m行のマトリクス状に配列された全容器に各々等量の磁性体粒子を分注して前記試薬中の目的物質と磁性体粒子とを結合させる過程であり、前記過程(S3)は、前記n列×m行のマトリクス状に配列された全容器に、該容器の外部に設けられた磁力手段によって磁場を及ぼし、磁性体粒子との結合体を各容器の内面に吸着保持させ、前記ピペット手段によって、容器内面に吸着保持されている結合体以外の収容物を吸引して取り除き、前記n列×m行の容器群又はピペット手段のノズル群を転置移動することによって、前記結合体が収容された前記n列×m行のマトリクス状に配列された全容器に、前記b1 〜bm の各容器に収容されている試薬をn等分して分割して移送する過程であることを特徴とする請求項9に記載の磁性体粒子を用いたコンビナトリアル合成方法。
- 前記過程(S1)は、n列×m行のマトリクス状に配列されたm/n群個の各n列×m行容器群に、a1〜 an のn個の各種類の試薬を、各列のm個の容器群に等量ずつ分注して配置する過程であり、前記過程(S2)は、m/n群個のn列×m行容器群のうち、第1群のn列×m行容器群の全容器に各々等量の磁性体粒子を分注して前記各試薬に含まれる目的物質と磁性体粒子とを結合させて結合体を生成する過程であり、前記過程(S3)は、各n列×m行容器群の各容器の収容物のうち前記結合体のみを磁力手段が配設されたピペット手段を用いて、第1群のn列×m行容器群から第m/n群のn列×m行容器群に達するまで順次、転置移動若しくは並進移動によって、次群のn列×m行容器群に移送する過程であることを特徴とする請求項9に記載の磁性体粒子を用いたコンビナトリアル合成方法。
- 物質群の各物質とともに、該各物質を識別するための識別子を添加して、該識別子を磁性体粒子に結合又は磁性体粒子の周辺に位置させることによって、磁性体粒子に結合している物質を識別することを特徴とする請求項9乃至請求項12のいずれかに記載された磁性体粒子を用いたコンビナトリアル合成方法。
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