JP4014060B2 - 酸化還元電位測定装置及び方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、溶液の酸化還元電位を測定する装置に関し、より詳細には、酸化還元電位を長期間に渡り連続的に、又より安定に計測する事の出来る酸化還元電位測定装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化還元電位計は廃水処理等様々な用途に用いられており一般的ではあるが、その測定対象が比抵抗の低い汚れた溶液であることが殆どであり、その溶液中には様々な金属が混入している。
【0003】
そのため、主な金属の酸化還元電位を測定はしているが、実際には溶液の主成分が変化した時など電位も変化するため、溶液の正確な酸化還元電位を測定している訳ではなかった。
【0004】
又、実際に使用されている現場からも酸化還元電位の測定で、正確な数値を要求されることはなかった。測定値に対する管理範囲は通常数百ミリボルトであり、又、常に連続的に測定しなければならない現場が少ないため、定期的に酸化還元電位計を溶液中から取り出して作用極の表面を洗浄にすることにより実際の電位値と測定した電位の値との誤差を少なくしていたにすぎない。
【0005】
これでは、作用極の表面を洗浄するまでの期間は真の酸化還元電位が測定されているかはっきりせず、又、酸化還元電位計を溶液中から定期的に取り出す事は装置上非常に面倒であった。
【0006】
今までは現場で還元電位計はそのようなものであるとのあきらめがあったが、最近の半導体基体、液晶基板その他の板体を洗浄した後の洗浄液の排水の処理などのように正確に処理をすることが強く求められるようになるに従い、正確で手間のいらない溶液の電位測定が最近強く要望されるようになってきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術の問題点を解消し、正確で、手間をかけること無く溶液の酸化還元電位を測定出来る酸化還元電位測定装置及びその方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の酸化還元電位測定装置は、酸化還元電位を測定しようとする溶液中に浸漬される作用極及び基準極と、該作用極の電位を変位させるための電位シフト手段と、を有する酸化還元電位測定装置であって、
前記作用極の電位を変位させたときに流れる電流を測定するための電流測定機構を設けたことを特徴とする。
【0009】
本発明の酸化還元電位測定方法は、酸化還元電位を測定しようとする溶液中に作用極及び基準極を浸漬し、該作用極の表面に被膜が生成したときに、該作用極の電位を変位させることにより該作用極の表面の被膜を除去する酸化還元電位測定方法であって、
前記作用極の電位を変位させたときに流れる電流を検知しながら前記作用極の電位を変位させることを特徴とする。
【0010】
以下本発明を詳細に説明する。
【0011】
前述したように、酸化還元電位測定は、現場では1つの目安として用いられて、その数値の信頼性、連続に測定することはなおざりになっていた。しかしながら近年の廃水処理の見直しにつれ、正確で連続的な指標として酸化還元電位測定が見直されてきた。
【0012】
本発明は、溶液の酸化還元電位を測定する装置において、作用極をその表面に生成する被膜を除去出来る電位にシフトする事により、前記作用極の表面を常にメタルの綺麗な表面に保ち、常に正確に酸化還元電位を測定する事が出来る機構となった。
【0013】
又、同時に、電流測定機構を備えることにより、作用極の表面が還元されたことを電流値が時間と共に変化しなくなったことで、自動的に認識し、電位のシフトを停止する事ができる。
【0014】
従来では作用極の表面が酸化した時には、作用極の表面を研磨したり、薄い硝酸溶液等で洗浄する事により作用極表面の酸化物を除去していたが、その方法では、装置上大変な手間がかかり、又、忘れることによる誤測定が生じやすかった。
【0015】
本発明では、作用極の表面が還元される電位に自動的にシフトされる為、作用極表面の酸化物は作用極を溶液中から取り出すことなく自動的に除去され、メタルの表面になる。従来の方法では作用極表面の酸化物が溶解し電極自身が消耗していき交換しなければいけなかったが、本発明では、酸化した表面が再度金属表面に戻るだけなので、電極自身の消耗も無く、半永久的に使用する事が可能となった。いわゆる、安全で手間のいらない半永久的な酸化還元電位測定装置を提供することが可能となった。
【0016】
次に本発明に係る酸化還元電位に関する詳細の測定について説明する。
【0017】
前記溶液には多種の金属や、薬液が混入しており、作用極の表面はそれらにより、酸化、又は還元される。作用極は主に白金が多く用いられているためその表面の変化は一般的に酸化に依ることが多い。
【0018】
いわゆる酸素や塩素に依る酸化が原因で真の酸化還元電位を示さなくなるのである。従って、電圧印加機構により作用極が陰極になるように作用極に電圧を印加するが、その電位は溶液のPHに依っても異なるが、−700〜+900mV/NHEの範囲とするのが一般的である。この範囲において、白金の酸化皮膜が還元されたり、水素イオンを吸着するためである。より好ましくは−500〜+600mV/NHEの範囲である。
【0019】
酸化還元電位を測定する基準極は一般的には銀/塩化銀電極が用いられている。基準極に銀/塩化銀電極を電極として用いると、作用極の電位をシフトする際に銀/塩化銀電極の表面で酸化反応が起こり、内部液の汚れと共に基準極の電位が変化する可能性がある。従って出来るだけ該作用極をシフトする為の基準極は酸化還元電位を測定する為の基準極とは異なった電極(電位シフト用電極)を用いることが望ましい。
【0020】
作用極の電位をシフトし、該作用極と基準極ないし電位シフト用電極との間には作用極の表面が酸化している時には、該作用極が陰極に、該基準極ないし電位シフト用電極が陽極に成る様に電流が流れ、作用極の表面を還元させる。作用極と基準極ないし電位シフト用電極との間に流れる電流は作用極の表面の還元が終了すると一定値になる。従って、作用極をシフトする時には、該作用極と該基準極ないし電位シフト用電極との間を流れる電流値を常時監視し、一定電流値に成った時には作用極の表面が再生されたと見なす事が可能となる。
【0021】
更に、作用極を電位シフトし、表面の酸化物を完全に還元除去する事で作用電極の表面をメタルに戻し、正常な測定を保持することが出来ることになるが、作用極の表面の酸化物はその酸化の程度にも依るが、瞬時に還元されるものではない。一般的に用いられる作用電極は白金や金合金であるが、最も多く用いられている白金では、その酸化が塩化カリウムに依るものである場合は塩化白金酸となり、酸素に依るものである場合は白金酸となる。どちらの場合でも、作用極の電位をシフトして表面の酸化物を還元するには、少なくとも5秒以上とし、望むらくは10秒以上とする事が好ましい。5秒以上とすることにより表面が白金のメタルの状態となる。
【0022】
次に、溶液が純水がある場合につき説明する。
【0023】
作用極を電位シフトする時に、常に該作用極と該電極との間に流れる電流値を監視して該電流値が一定値より大きい時のみ該一定値になるまで該作用極の電位をシフトする事にすれば更に効果的であり好ましい。
【0024】
前記、純水又は超純水、又はガスや薬液が少量添加された希薄純水は、還元性を呈する場合には、薬液成分の他には水素ガスや窒素ガス等が含まれる。しかしながら、それらの薬液やガスでは、酸化還元電位計の作用極を酸化させることは考えられない。
【0025】
本発明者は常日頃その測定値に対し疑問を持ち、その訳を考察してきた。その結果、測定値が狂うのは測定溶液中の薬液や溶存ガスに依るものでは無く、通常用いられる基準極の内部液である塩化カリウム溶液が、測定液中に拡散して、作用極の表面が塩素によって酸化する事により、正しい値を示さなくなった為である事が分かった。確認のため、測定溶液の容量を少なくし、内部液である塩化カリウム溶液の流失量を増やし、時間連続測定したところ、薬液濃度や溶存ガス量は変化がないのに酸化還元電位は300mV上昇していた。又、該作用極を、電位をシフトして還元電位に置く事により前記酸化還元電位の上昇は無くなり、元の酸化還元電位値に戻った。電位をシフトする範囲は−250mV/NHE〜+250mV/NHEで、望むらくは−250mV/NHE〜+150mV/NHEの範囲が望ましい。
【0026】
又、純水又は超純水、又はガスや薬液が少量添加された希薄純水が酸化性を呈する場合には、その主な酸化剤は酸素であることが多い為、酸化還元電位計の作用極は酸素によって酸化させることが殆どである。
【0027】
測定の内部液である塩化カリウム溶液による酸化が主になるかどうか確認したところ、表面酸化を還元させる為の電位が塩素でのそれとは異なり、酸素での電位であったことより、常に暴露されている測定溶液による酸化の方が主であった。従って、電位シフトは0〜+500mV/NHEの範囲にするのが良く、望むらくは0〜+400mV/NHEの範囲にする事が望ましい。
【0028】
これより、本発明者達は純水や超純水、又それらにガスや薬液を少量添加した溶液の酸化還元電位の測定に付きその方法、及び装置を考案した。
【0029】
酸化還元電位を測定する基準極は一般的には銀/塩化銀電極が用いられている。作用極をシフトする際に銀/塩化銀電極を電極として用いると、銀/塩化銀電極表面で酸化反応が起こり、内部液の汚れと共に基準極の電位が変化する可能性があった。従って出来るだけ該作用極をシフトする為の基準極は酸化還元電位を測定する為の基準極と異なった電極を用いた方が望ましい。
【0030】
作用極をシフトし、該作用極と該電極との間には作用極の表面が酸化している時には、該作用極が陰極に、該電極が陽極に成る様に電流が流れ、作用極の表面を還元させる。両極間に流れる電流は作用極の表面の還元が終了すると一定値になる。従って、作用極をシフトする時には、該作用極と該電極間の電流値を常時監視し、一定電流値に成った時には作用極の表面が再生されたと見なす事が可能となる。
【0031】
更に、作用極を電位シフトし、表面の酸化物を完全に還元除去する事で作用極の表面をメタルに戻し、正常な測定を保持することが出来ることになるが、作用極の表面の酸化物はその酸化の程度にも依るが、瞬時に還元されるものではない。一般的に用いられる作用極は白金や金合金であるが、最も多く用いられている白金では、その酸化が塩化カリウムに依るものである場合は塩化白金酸となり、酸素に依るものである場合は白金酸となる。どちらの場合でも、作用極の電位をシフトして表面の酸化物を還元するには少なくとも5秒以上とし、望むらくは10秒以上とする事が好ましい。
【0032】
純水や超純水又はそれらにガスや薬液を少量添加した希薄純水の比抵抗は、純水同様大変高いので、作用極の電位をシフトさせるのに作用極と基準電極間に大きな電圧をかける必要がある。しかるに、少なくとも作用極〜基準電極間の溶液抵抗を下げ、電位シフトに要する電圧を小さくする事が望ましい。溶液抵抗を下げる方法としては色々あるが、基準極の内部液が塩化カリウム(KCl)であることより、塩化カリウム溶液(KCl)、又は、塩酸が望ましい。更には、基準極の内部液でもある塩化カリウム溶液であれば尚更好ましい。尚、この様な作用極〜基準電極間の比抵抗を下げる操作は、作用極の電位をシフトしている時のみであり、それ以降は、速やかに溶液を入れ替え、通常の測定溶液を注入することは言うまでもない。作用極の再酸化を防止する為にも、溶液の入れ替え終了後まで作用極の電位シフトは継続する事が好ましい。
【0033】
作用極を電位シフトする仕方には色々あるが、前記した様に、作用極の表面の酸化が、還元性を呈する溶液では基準極の内部液である塩化カリウム溶液の測定液への拡散に依る物であるため、測定液を測定部に注入しないで停止している時間中が作用極の表面を酸化させる危険性が高く、その時間を含めた前後の対策が必要となる。従って、純水や超純水、又はそれらにガスや薬液を少量添加した希薄純水の供給を停止している時間中に、作用極を電位シフトして作用極の表面の酸化を防止する方法、及び、供給を開始する前後に作用極を電位シフトして表面の酸化を還元しメタルに戻す方法が望ましい。
【0034】
更には、作用極を電位シフトする時に、常に該作用極と該電極との間に流れる電流値を監視して該電流値が一定値より大きい時のみ該一定値になるまで該作用極の電位をシフトする事にすれば更に効果的であり好ましい。
【0035】
【発明の実施の形態】
次に添付図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0036】
図1は、本発明の実施の形態に係る酸化還元電位測定装置の概念図であり、図2はその詳細図である。
【0037】
酸化還元電位測定部1内の酸化還元電位を測定しようとする溶液8中に浸漬される作用極2及び基準極4と、作用極2の電位を変位させるための電位シフト手段6とを有している。
【0038】
以下より詳細に説明する。
【0039】
酸化還元電位測定部1には酸化還元電位を測定しようとする溶液8が導入、排出され、その内部の溶液8中には、作用極2と基準極4とが浸漬されている。本例では、基準極と並列に電位シフト用電極3を溶液8に浸漬して設けてある。
【0040】
電位シフト手段は、電線9途上に設けられている。すなわち、電位シフト手段は、作用極2に設けられた電源11とスイッチ12から構成されている。電源11は、作用極2がマイナスとなるようにして設けられている。
【0041】
また、本例では、電線9上に電流測定機構7(例えば電流計)が設けられている。
【0042】
電位シフト手段と電流測定機構7とが収納される部分が測定制御部5となっている。
【0043】
作用極2の表面が酸化したときには、電圧印加機構6のスイッチ12をオンにすることにより作用極2と電位シフト用電極3との間に電圧をかける。その際作用極2がマイナスになるようにして電圧をかける。又基準極4により電位を監視しながら電圧をかける。流れる電流を電流測定機構7で測定し一定値になったところでスイッチ12をオフにして電圧印加を停止する。
【0044】
又、溶液8は酸化還元電位測定部1に流入され、溶液8の酸化還元電位は電圧計(図示せず)により定期的に測定されている。
【0045】
図3は、他の実施形態を示すものであり、図1、図2に示す装置から電位シフト用電極を除いた構成をしている。本例では、スイッチ12は基準極4に対してオン・オフとなる。他の点は、図1、図2に示す構成と同様である。
【0046】
【実施例】
次に、本発明に係わる酸化還元電位測定の実施例を記載するが、該実施例は本発明を限定するものではない。
【0047】
(実施例1)
0.1Nの硫酸溶液に銅を溶解した硫酸銅溶液の酸化還元電位を連続的に測定した。電位をシフトするときには基準極と異なった電極を用いた。
【0048】
当初+0.8V/NHEだった測定値が1ヶ月経過後は+0.5V/NHEとなっていた。
【0049】
試しに、作用極を+0.1V/NHEにして1分間保持した後再度測定に供したところ、当初の+0.8V/NHEに戻り、それ以降何度繰り返しても同様の結果であった。
【0050】
(実施例2)
半導体の洗浄に用いたアルカリ排水を使って実施例1と同様の測定を行った。
【0051】
1ヶ月連続で測定を行ったところ、当初0V/NHEだった測定値が1ヶ月経過後は+0.3V/NHEとなっていた。
【0052】
試しに、作用極を−0.2V/NHEにして1分間保持した後再度測定に供したところ、当初の0V/NHEをしめすようになり、それ以降何度繰り返しても同様の結果であった。
【0053】
(実施例3)
純水排水を使い、電位シフト用電極と作用極間を6mmとした。作用極を強制的に電位シフトした所、該電極と作用極間には10V以上の電圧がかかり、作用極の電位をシフトする事は出来なかった。一方、該電極と作用極間を3モルの塩化カリウム溶液で充填して作用極を強制的に電位シフトしたところ、1.5V以下の電圧で十分であり、作用極の電位シフトは行え、以降正常な酸化還元電位を示すようになった。
【0054】
(実施例4)
実施例3で用いた純水排水を使い、酸化した作用極を強制的に電位シフトした。時間経過と共に該電極と作用極間に掛かる電流値を計測したところ図5に示すグラフ(PtのKCl溶液中での−200mVシフトでの時間と電流値との関係を示すグラフ)の通りとなり、作用極の表面の酸化物が還元される事により、電流値が一定になる事が明確になった。
【0055】
(実施例5)
測定液や測定条件は実施例1と全く同じで、電位シフト時の電極は別のものを用いず、通常の基準極をそのまま使って測定を行った。
【0056】
作用極を0.1V/NHEにして1分間保持した後測定に供したところ、当初0.8V/NHEで正常であった。
【0057】
それ以降10日おきに作用極を+0.1V/NHEにして1分間保持し測定を繰り返したところ6ヶ月経過した時から測定値が0.5V/NHEに変化した。
【0058】
(実施例6)
水素ガスを、超純水と接触させ水素ガス添加超純水を生成した。超純水中の水素ガス濃度は1mg/Lであった。この水素ガス添加超純水を、5ml/minと極端に少なくして酸化還元電位測定部に導き、24時間連続測定を行った所、測定当初は−350mV/NHEを示していたが、5時間を経過したところから上昇し、12時間以降は+200mV/NHEまで上昇した上で一定となった。24時間経過後、水素ガス添加超純水の水量を正常値である250ml/minに戻したが、酸化還元電位は+200mVのままで変化はなかった。
次に、この作用極を−200mV/NHEに電位シフトし、20秒間キープした後に再度正常値である250ml/minで上記濃度の水素添加超純水の測定を行った。当初より−350mV/NHEを示し、24時間経過しても変化はなかった。
【0059】
(実施例7)
実施例6で用いた水素ガス添加超純水を使い、電位シフト用電極と作用極間を5mmとした。作用極を強制的に電位シフトした所、該電極と作用極間には10V以上の電圧が掛かり、作用極の電位をシフトする事は出来なかった。
【0060】
一方、該電極と作用極間を3モルの塩化カリウム溶液で充填して作用極を強制的に電位シフトした所、1.5V以下の電圧で十分であり、作用極の電位シフトは行え、以降正常な酸化還元電位を示すようになった。
【0061】
(実施例8)
実施例6で用いた水素ガス添加超純水を使い、酸化した作用極を強制的に電位シフトした。時間経過と共に該電極と作用極間に掛かる電流値を計測したところ作用極の表面の酸化物が還元される事により、電流値が一定になる事が明確になった。
【0062】
(実施例9)
酸素ガスを、超純水と接触させ酸素ガス添加超純水を生成した。超純水中の酸素ガス濃度は20mg/L以上であった。この酸素ガス添加超純水を、250ml/minの流量で酸化還元電位測定部に導き、24時間連続測定を行った所、測定当初は550mV/NHEを示していたが、5時間を経過したところから下降し、12時間以降は400mV/NHEまで下降した上で一定となった。
【0063】
次に、この作用極を200mV/NHEに電位シフトし、40秒間キープした後に再度正常値である250ml/minで上記濃度の酸素添加超純水の測定を行った。当初より550mV/NHEを示し、24時間経過しても変化はなかった。
【0064】
【発明の効果】
本発明では、溶液の酸化還元電位の測定が、正常であるかの判断が出来、常に正確な酸化還元電位を表示する事が出来る。
【0065】
又、人による誤差もなく常に正しい値が示される。
【0066】
更には、酸化還元電位の作用極の溶解による減少もない為、半永久的に使用する事が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電位測定装置の概念図である。
【図2】図1の詳細図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る電位測定装置の概念図である。
【図4】図3の詳細図である。
【図5】PtのKCl溶液中での−200mVシフトでの時間と電流値との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 酸化還元電位測定部
2 作用極
3 電位シフト用電極
4 基準極
5 計測用制御部
6 電位シフト手段
7 電流測定機構(電流計)
8 溶液
9 電線
11 電源
12 スイッチ
13 電圧計
Claims (12)
- 酸化還元電位を測定しようとする溶液中に浸漬される作用極及び基準極と、該作用極の電位を変位させるための電位シフト手段と、を有する酸化還元電位測定装置であって、
前記作用極の電位を変位させたときに流れる電流を測定するための電流測定機構を設けたことを特徴とする酸化還元電位測定装置。 - 前記電位シフト手段は、作用極と基準極との間に、スイッチを介して設けられた電圧印加器から構成されていることを特徴とする請求項1記載の酸化還元電位測定装置。
- 前記基準極と並列に電位シフト用電極を前記溶液に浸漬して設けたことを特徴とする請求項1または2記載の酸化還元電位測定装置。
- 前記溶液は、半導体基体の洗浄後の排水であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の酸化還元電位測定装置。
- 前記溶液は、純水、超純水、又は、純水もしくは超純水にガス及び/又は薬液を1000mg/L以下添加した溶液であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の酸化還元電位測定装置。
- 酸化還元電位を測定しようとする溶液中に作用極及び基準極を浸漬し、該作用極の表面に被膜が生成したときに、該作用極の電位を変位させることにより該作用極の表面の被膜を除去する酸化還元電位測定方法であって、
前記作用極の電位を変位させたときに流れる電流を検知しながら前記作用極の電位を変位させることを特徴とする酸化還元電位測定方法。 - 前記基準極と並列に電位シフト用電極を溶液に浸漬し、前記作用極と該電位シフト用電極間に電圧を印加することを特徴とする請求項6記載の酸化還元電位測定方法。
- 電位を変位させる時間を5秒以上とすることを特徴とする請求項6または7記載の酸化還元電位測定方法。
- 前記溶液は還元性を呈する溶液であり、作用極の電位を−250mV/NHE〜+250mV/NHEとすることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項記載の酸化還元電位測定方法。
- 該溶液は、酸化性を呈する溶液であり、作用極の電位を0mV/NHE〜500mV/NHEの範囲で電圧を印加することを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項記載の酸化還元電位測定方法。
- 前記溶液は、純水又は超純水、又は、純水又は超純水にガス及び/又は薬液を1000mg/L以下添加した溶液であることを特徴とする請求項6または7記載の酸化還元電位測定方法。
- 該作用極の電位を変位させるときには、作用極と基準極とないし電位シフト用電極との間の溶液抵抗を下げることを特徴とする請求項11記載の酸化還元電位測定方法。
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