JP4013814B2 - アンテナ構造およびそれを備えた通信機 - Google Patents

アンテナ構造およびそれを備えた通信機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信機の例えば回路基板に配設されるアンテナ構造およびそれを備えた通信機に関するものである。
【0002】
【背景技術】
図13には特許文献1に記載のアンテナの一つが示されている。このアンテナ40は、例えば誘電体の基体41に放射電極42が形成されて成るものであり、例えば通信機の回路基板43に実装される。
【0003】
このアンテナ40では、放射電極42は、基体41の上面41aの一端側から他端側に渡って伸長形成され、さらに、基体41の側面41bに回り込んで形成された後に基体41の表面41aに戻る形状でもって、形成されている。この放射電極42の一端部42aは、基体41の側面41cに形成された接地用電極44に接続されており、その接地用電極44を介して回路基板43のグランド45に接地されている。つまり、放射電極42の端部42aはグランドに接地されたショート部と成している。
【0004】
また、基体41の側面41dには給電電極46が下端側から上端側に渡って形成され、この給電電極46の上端側はさらに基体41の上面41aに伸長形成され、当該給電電極46の上端部は放射電極42の開放端42bと間隔を介して対向配置されている。この給電電極46の下端部は回路基板43に形成された給電用パターン47に接続されている。この給電用パターン47は通信機の通信用の高周波回路(図示せず)に接続されている。
【0005】
例えば、その通信用の高周波回路から送信用の信号が給電用パターン47を介してアンテナ40の給電電極46に供給されると、その信号は、給電電極46から、当該給電電極46と放射電極42の開放端42との間の容量を介して、放射電極42に供給される。この供給された送信用の信号に基づいて放射電極42が共振して信号が放射される(つまり、アンテナ動作を行う)。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−162633号公報
【特許文献2】
特開2001−217643号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような基板上に配設されるアンテナに対しては、アンテナの小型化や、アンテナ効率の向上や、製造の容易さや、マルチバンド化に対応できること等の要求がある。
【0008】
図13のアンテナ40の構成では、放射電極42の幅が狭いので、当該放射電極42を通電する電流のロス(損失)が発生し易い。このため、アンテナ効率の向上が難しいという問題がある。また、放射電極42は基体41の複数の面に渡って形成されて形状が複雑であり、製造工程が煩雑になる。さらに、アンテナ40を回路基板43に実装する際に、アンテナ40の接地用電極44を、回路基板43のグランド45に位置合わせし、かつ、アンテナ40の給電電極46を、回路基板43の給電用パターン47に位置合わせしなければならず、アンテナ40の実装作業が面倒である。
【0009】
ところで、放射電極は複数の共振周波数を有している。ここでは、それら複数の共振周波数の中で最も低い共振周波数(基本周波数)を利用したアンテナ動作を基本モードの通信動作と呼び、また、それよりも高い共振周波数(高次周波数)を利用したアンテナ動作を高次モードの通信動作と呼ぶこととする。
【0010】
放射電極42に基本モードの通信動作だけでなく、高次モードの通信動作をも行わせることによって、アンテナ40は、複数の周波数帯での通信が可能なアンテナと成すことができる。しかしながら、アンテナ40の構成では、放射電極42の基本周波数が設定の周波数となるように放射電極42の電気長を設定すると、放射電極42の高次周波数が、基本周波数のほぼ整数倍の周波数に定まってしまうため、高次周波数の制御が難しいという問題がある。すなわち、アンテナ40の構成では、通信が可能な周波数帯の組み合わせが定まってしまう。このため、マルチバンド化に対応することが困難である。
【0011】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、小型化を促進させながらもアンテナ効率の向上を図ることができ、また、製造が容易で、マルチバンド化に対応することができるアンテナ構造およびそれを備えた通信機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段と成している。すなわち、この発明は、接地基板の表面上に当該接地基板と間隔を介して給電放射電極が配置されて成るアンテナ構造であって、給電放射電極は基本モードの共振周波数と当該基本モードの共振周波数よりは高い高次モードの共振周波数とでアンテナ動作を行う構成と成し、当該給電放射電極においては、接地基板に接地用電極を介して接続するショート部と、開放端部とがスリットを介して隣接配置されており、開放端部からショート部に至る電流経路は前記スリットを避けて迂回したループ状の経路と成し、前記高次モードの共振周波数は基本モードの共振周波数の整数倍の共振周波数からずらされており、その共振周波数のずれ量は前記スリットの容量によって調整されており、また、接地基板の表面には、給電放射電極への給電用の導体パターンが給電放射電極の開放端部に間隔を介し対向して形成されており、給電放射電極は、接地基板上の給電用の導体パターンから当該導体パターンと開放端部との間の容量を介して給電される容量給電タイプの給電放射電極と成し、前記給電放射電極の開放端部と、接地基板上の給電用の導体パターンとの間の空間部に給電放射電極と当該給電放射電極へ容量給電する高周波回路側との整合状態を調整するための誘電率を持たせた誘電体が介設され、また、給電放射電極の開放端部以外の部分と接地基板との間の空間部には給電放射電極の電気長を定めるための誘電率を持たせた誘電体が介設される構成と成し、給電放射電極の開放端部と給電用の導体パターンとの間に介設された誘電体と、給電放射電極の開放端部以外の部分と接地基板との間に介設された誘電体とに異なる誘電率を持たせることで両誘電体に互いに異なる役割を分担させていることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。説明の都合上、本発明の実施形態例を説明する前に、先ず、本発明を説明するための参考例を説明する。
【0014】
図1(a)には参考例のアンテナ構造が模式的な斜視図により示され、図1(b)には図1(a)のA−A部分の模式的な断面図が示され、図1(c)には図1(a)のa方向から見た参考例のアンテナ構造が分解状態で示されている。
【0015】
参考例のアンテナ構造1は、接地基板2の表面上に当該接地基板2と間隔を介して配置される給電放射電極3と、当該給電放射電極3を接地基板2に接続させる接地用電極4と、接地基板2の表面に形成されている給電用の導体パターンである給電用パターン5と、給電放射電極3と接地基板2との間の空間部に介設される誘電体6とを有して構成されている。
【0016】
この参考例では、給電放射電極3は、接地基板2と間隔を介し平行に配置されており、当該給電放射電極3にはスリット8が形成されている。そのスリット8を介して隣り合う給電放射電極端縁部分α,β(図1(c)参照)のうち、一方の給電放射電極端縁部分αは開放端部と成し、他方の給電放射電極端縁部分βはショート部と成している。この参考例では、接地基板2は長方形状となっており、給電放射電極3の開放端部αおよびショート部βは長方形状の接地基板2の短辺側の端縁領域に配置されている。
【0017】
接地用電極4は給電放射電極3のショート部βに連接されており、当該接地用電極4は、給電放射電極3のショート部βを接地基板2に接地させている。
【0018】
この参考例では、給電放射電極3の開放端部αの一部分は接地基板2側に折り曲げられ当該折り曲げ部分はさらにその先端部が折り曲げられて接地基板2と間隔を介して平行となっている。接地基板2には、そのような給電放射電極3の開放端部αに対向する端縁部分に、給電用パターン5が形成されている。
【0019】
その給電用パターン5は、接地基板2の短辺側端縁に沿って形成されて給電放射電極3の開放端部αに間隔を介し対向している。この参考例では、給電用パターン5の一端側は接地基板2の長辺に沿う方向に伸長形成されており、給電用パターン5はL字形状となっている。この給電用パターン5の端部は例えば通信機の通信用の高周波回路9に接続される。
【0020】
誘電体6は接地基板2と給電放射電極3との間の空間部を充填するように形成されている。これにより、誘電体6はスリット8にも、また、給電放射電極3の開放端部αと給電用パターン5との間にも配設されている。この誘電体6の作製手法には様々な手法があるが、その一例を挙げると、例えばインサート成形手法がある。インサート成形手法を利用した場合には、給電放射電極3および接地用電極4と一体化した直方体状の誘電体6を形作ることができる。この場合には、図1(c)に示すような給電放射電極3および接地用電極4が誘電体6の基体に形成されて成るチップ状の部品が作製されるので、そのチップ状の部品を接地基板2上に実装することになる。
【0021】
このようなアンテナ構造1においては、例えば、通信機の高周波回路9から送信用の信号が給電用パターン5に供給されると、その送信用の信号は、給電用パターン5から、当該給電用パターン5と給電放射電極3の開放端部αとの間の容量Cqを介して給電放射電極3の開放端部αに伝達される。つまり、この参考例では、給電放射電極3は容量給電タイプの放射電極となっている。
【0022】
その給電放射電極3の開放端部αに供給された送信用の信号の電流は、例えば図2(a)のモデル図の実線Iに示されるように、スリット8を避けて迂回したループ状の経路でもってショート部βに向けて通電する。この送信用の信号の通電によって給電放射電極3が共振することにより、送信用の信号が給電放射電極3から外部に放射される。
【0023】
ところで、給電放射電極3は予め定められた設定の共振周波数でもって共振することができるように、給電放射電極3の電気長が設定されている。この参考例に示す給電放射電極3において、当該給電放射電極3の電気長に主に関与するのは、(1)開放端部αからショート部βに至るまでの電流経路の物理的な長さと、(2)その長さを決定するスリット8の形成位置およびスリット長と、(3)給電放射電極3における波長短縮効果を導く誘電体6の誘電率およびその形成量と、(4)スリット8に生じる容量Csである。
【0024】
例えば、スリット8の形成位置の調整やスリット長の延長によって、給電放射電極3の開放端部αからショート部βに至るまでの電流経路の物理的な長さを長くすると、給電放射電極3の電気長を長くすることができる。また、誘電体6の誘電率を高くすると、誘電体6による波長短縮効果が高まって給電放射電極3の電気長を長くすることができる。さらに、スリット8の幅や誘電率(ここでは誘電体6の誘電率)の調整によってスリット8の容量Csを大きくすると、給電放射電極3の電気長を長くすることができる。
【0025】
この参考例では、給電放射電極3は、基本モードと高次モードの両方のアンテナ動作が可能となっており、それら基本モードと高次モードのそれぞれの周波数帯が設定の周波数帯となるように、実験やシミュレーションによって給電放射電極3の電気長が調整されて給電放射電極3の前述したような構成要素(1)〜(4)が、それぞれ、設定されている。
【0026】
なお、給電放射電極3の高次モードの共振周波数(高次周波数)と、基本モードの共振周波数(基本周波数)とは、高次周波数が基本周波数のほぼ整数倍の周波数になるという関係がある。このために、例えば、基本周波数だけを調整しようとしても、基本周波数だけでなく、高次周波数をも変動してしまうため、共振周波数の調整は難しいものであるが、この参考例では、スリット8が形成されているので、共振周波数調整の難しさを軽減することができる。つまり、スリット8を利用することで、給電放射電極3の電気長の調整ができるので、基本周波数の調整を行うことができるのはもちろんであるが、スリット8の形状を最適化すれば、スリット8を利用して給電放射電極3の電気長を可変した際に、その電気長の可変による基本周波数の可変幅に比べて高次周波数の可変幅を大きくできる。このことから、高次周波数の調整が容易となる。言い換えれば、スリット8の容量Csの可変調整によって、基本周波数の変動を抑制しながら高次周波数の調整を行うことができるので、高次周波数の調整が容易となる。なお、そのように共振周波数の調整が容易となる理由は、スリット8に生じる容量Csと、給電放射電極3が持つインダクタンス成分とが等価的に形成するLC共振回路が関与している。
【0027】
この参考例のアンテナ構造1から得られる効果を以下に述べる。
【0028】
この参考例では、給電放射電極3は、開放端部αと給電用パターン5間の容量Cqを利用した容量給電タイプの放射電極と成していることから、その開放端部αと給電用パターン5間の容量Cqを調整することで、給電放射電極3と例えば通信機の高周波回路9側との整合状態を容易に調整することができる。その上、この参考例では、給電放射電極3が高周波回路9側に接続する給電部位を開放端部αとした。このため、給電放射電極3と高周波回路9側との整合を、基本モードと高次モードの何れの場合であっても、良好にすることができる。それというのは次に示すような理由による。
【0029】
図3(a)、(b)は、給電放射電極3の開放端部αからショート部βに至るまでの電流経路の電磁界分布を表したグラフであり、図3(a)は基本モードに関するものであり、図3(b)は高次モードに関するものである。また、図3(a)、(b)において、実線I1,I2は電流分布を表し、点線V1,V2は電圧分布を表している。
【0030】
給電放射電極3と高周波回路9側との整合を、基本モードと高次モードの何れの場合であっても良好にするためには、給電放射電極3の給電部分のインピーダンスが、基本モードと高次モードの何れにおいても同じ又は同程度であることが望ましい。しかしながら、給電放射電極3のインピーダンス分布は、図3(a)、(b)の電流分布と電圧分布の関係から推測できるように、基本モードの場合と、高次モードの場合とで異なる。このため、基本モードと高次モードの何れの場合においても、給電放射電極3と高周波回路9側との整合を良好にすることができる給電放射電極部位は限られている。
【0031】
この参考例では、給電放射電極3が高周波回路9側と接続する給電部分は開放端部αであり、その開放端部αは基本モードに対するインピーダンスと、高次モードに対するインピーダンスとが共通して高くなっている。したがって、基本モードと高次モードの何れの場合においても、給電放射電極3と高周波回路9側との整合を良好にできる。
【0032】
このことは、本発明者の次に示すような実験によっても確認されている。この実験では、4つのサンプルA〜Dを用いた。それらサンプルA〜Dのアンテナ構造は、給電に関する構成以外の構成は同様であり、サンプルA〜Dの何れも、図4に示されるような形状の給電放射電極3が図1と同様に接地基板2の端部に配設されて構成されている。
【0033】
サンプルAの給電放射電極3は、図4に示す給電放射電極3のP1位置(ショート部β)に直接的に高周波回路9側が接続されている。つまり、サンプルAでは、給電放射電極3のショート部βには、接地基板2に向けて伸びる給電電極が連接されており、当該給電電極は接地基板2上の給電用パターン5に直接的に接続されている。つまり、サンプルAの給電放射電極3は直接給電タイプの放射電極である。
【0034】
サンプルBは参考例に示した構成を有するものであり、このサンプルBでは、給電放射電極3の図4に示すP2位置(開放端部α)に高周波回路9側(給電用パターン5)が容量を介して接続されている。
【0035】
サンプルCの給電放射電極3はサンプルBの給電放射電極3と同様に容量給電タイプの放射電極であるが、サンプルCでは、給電放射電極3の図4に示すP3位置に高周波回路9側(給電用パターン5)が容量を介して接続されている。また、サンプルDの給電放射電極3もサンプルBの給電放射電極3と同様に容量給電タイプの放射電極であるが、サンプルDでは、給電放射電極3の図4に示すP4位置に高周波回路9側(給電用パターン5)が容量を介して接続されている。
【0036】
なお、サンプルA〜Dにおいて、給電放射電極3は、その幅wが40mmであり、長さLが20mmであり、接地基板2に対する給電放射電極3の高さ位置は6mmである。また、給電放射電極3が配設された接地基板2は、その幅が40mmであり、長さが80mmであり、厚みが1mmである。
【0037】
サンプルA〜Dについて、基本モードと高次モードのそれぞれに関し、50Ω給電に対する整合状態を調べた。図5(a)〜(d)はその実験により得られたスミスチャートが示されている。図5(a)はサンプルAに関するものであり、図5(b)はサンプルBに関するものであり、図5(c)はサンプルCに関するものであり、図5(d)はサンプルDに関するものである。図5(a)〜(d)において、スミスチャートの中心Oは50Ωで入力電力が最大となる点であり、▲は基本モードの共振点を示し、■は高次モードの共振点を示している。
【0038】
また、図6(a)〜(d)には、それぞれ、実験により得られたリターンロス特性が示されている。図6(a)はサンプルAに関するものであり、図6(b)はサンプルBに関するものであり、図6(c)はサンプルCに関するものであり、図6(d)はサンプルDに関するものである。
【0039】
さらに、表1にはサンプルA〜Dのそれぞれに関する入力電力比が示されている。なお、入力電力Pinとは、リターンロスの値をRLとしたときに、Pin=1−10 RL 10 の数式によって求まる値であり、ここでの入力電力比とは、高次モードのリターンロスに基づいて求めた入力電力PfHと、基本モードのリターンロスに基づいて求めた入力電力PfLとの比(PfL/PfH)とした。
【0040】
【表1】
Figure 0004013814
【0041】
図5のスミスチャートに表されているように、参考例の構成(つまり、給電放射電極3の開放端部αに容量給電させる構成)を有するサンプルB(図5(b)参照)は、他のサンプルA,C,Dよりも、基本モードの共振点と高次モードの共振点との位置が近く、基本モードと高次モードの整合の格差が小さいことが分かる。このことは、図6のリターンロス特性からも見ることができる。つまり、給電放射電極3が開放端部α(P2)以外の部分(P3,P4)で容量給電されるタイプのサンプルC,D(図6(c)、(d)参照)は、基本モードのリターンロスRLLと、高次モードのリターンロスRLHとの差が大きく、基本モードと高次モードの整合の格差が大きいことが分かる。これに対して、参考例の構成を有するもの(サンプルB(図6(b)参照))は、基本モードのリターンロスRLLと、高次モードのリターンロスRLHとが同程度であり、基本モードと高次モードの整合の格差が小さいことが分かる。また、直接給電タイプのサンプルA(図6(a)参照)も、基本モードのリターンロスRLLと、高次モードのリターンロスRLHとが同程度であるが、参考例の構成を有するサンプルBは、その直接給電タイプのサンプルAよりも、基本モードと高次モードのリターンロスRLL,RLHが深く、当該サンプルBはサンプルAよりも整合状態が良好である。
【0042】
さらにまた、参考例の構成を備えることによって、基本モードと高次モードの整合の格差を小さくできることは、表1の入力電力比(PfL/PfH)からも分かる。つまり、入力電力比(PfL/PfH)が1に近づく程、基本モードと高次モードの整合の格差が小さいことを表している。参考例の構成を備えたサンプルBの入力電力比は1に近い0.97であり、このことからも、参考例の構成を備えることにより、基本モードと高次モードの整合の格差が小さいことが分かる。
【0043】
以上のような実験結果にも示されているように、この参考例の構成を備えることによって、給電放射電極3の開放端部αと給電用パターン5間の間隔や対向面積の調整等により開放端部αと給電用パターン5間の容量Cqを適宜な値に設定することにより、基本モードと高次モードの整合の格差を小さくできる。これにより、基本モードと高次モードの何れの場合においても、給電放射電極3と高周波回路9側との整合を良好にできる。
【0044】
この参考例の構成から、さらに次に示すような効果をも奏することができる。例えば、図13に示すような構成では、基体41に放射電極42が形成された後に、その基体41が回路基板43に実装される。この実装工程では、基体41側の接地用電極44、給電電極46がそれぞれ回路基板43のグランド45、給電用パターン47に接続するように位置合わせして基体41を回路基板43上に配置する。その後、基体41側の接地用電極44、給電電極46をそれぞれ回路基板43のグランド45、給電用パターン47にはんだ接続する。
【0045】
これに対して、この参考例の構成では、例えば、誘電体6から成る基体に給電放射電極3と接地用電極4が形成されたチップ状の部品を、給電用パターン5が形成された接地基板2に実装する場合に、確実に例えばはんだ等によって接続させなければならない部分は、誘電体6をただ接地基板2に固定するだけの部分を除けば、誘電体6側の接地用電極4と、接地基板2との接続部分である。つまり、図13に示すような構成では、アンテナ特性に関わる必須の接続部分は、基体41側の接地用電極44と回路基板43のグランド45との接続部分と、基体41側の給電電極46と回路基板43の給電用パターン47との接続部分との2箇所である。これに対して、この参考例の構成では、アンテナ特性に関わる必須の接続部分は、誘電体6側の接地用電極4と接地基板2との接続部分の1箇所であり、図13の構成よりも必須の接続部分の数を削減することができる。このため、この参考例の構成を備えることによって、接続不良に起因したアンテナ特性劣化問題の発生確率を低減することができて、信頼性を向上させることができる。また、アンテナ構造1の製造工程の簡素化を図ることができる。
【0046】
また、図13に示す構成では、給電電極46と放射電極42がショートする虞があったが、この参考例では、給電放射電極3の開放端部αと給電用パターン5との間には誘電体6が介設されているので、給電放射電極3と給電用パターン5間のショート問題を回避することができる。このことも、参考例のアンテナ構造1の信頼性向上に寄与する。
【0047】
さらに、例えば、図13の構成では、基体41側の給電電極46と、回路基板43の給電用パターン47とを確実にはんだ接続させるために、給電用パターン47は基体41よりも外側の回路基板部分にはみ出して形成されている。このため、基体41よりも広い面積をアンテナ占有スペースとして回路基板43に用意しなければならない。これに対して、参考例では、給電放射電極3の開放端部αと、給電用パターン5とが間隔を介して対向すればよいので、給電用パターン5の全てが、給電放射電極3に対向する接地基板部分に形成されている。このため、給電放射電極3(誘電体6)を配設するスペースだけを接地基板2に用意すればよいので、接地基板2におけるアンテナ占有スペースを削減することができる。換言すれば、接地基板2におけるアンテナ占有スペースの広さが定まっている場合には、その設定のアンテナ占有スペースの全体を給電放射電極3の配置領域として使用できるので、給電放射電極3を拡大することができる。この給電放射電極3の拡大によってアンテナ効率を向上させることが可能である。
【0048】
また、この参考例では、給電放射電極3の開放端部αを接地基板2の給電用パターン5に容量を介して接続させる構成であるので、図13に示す給電電極46に対応する電極が不要であり、これにより、アンテナ構造1の電極の簡略化を図ることができる。
【0049】
さらに、この参考例では、給電放射電極3にスリット8を形成し、当該スリット8によって給電放射電極3に流れる電流経路をループ状としている。この構成から次に示すような効果を得ることができる。すなわち、スリット8によって給電放射電極3に流れる電流経路をループ状としたことにより、給電放射電極3を長くすることなく、開放端部αからショート部βに至るまでの物理的な長さを長くできて給電放射電極3の電気長を長くすることができる。また、スリット8を給電放射電極3に設けることにより当該スリット8に生じる容量Csによっても給電放射電極3の電気長を長くすることができる。
【0050】
さらに、給電放射電極3と接地基板2間に誘電体6を介設しており、その誘電体6による波長短縮効果によっても給電放射電極3の電気長を長くすることができる。
【0051】
このように参考例では、スリット8と誘電体6によって給電放射電極3の電気長を長くすることができるので、給電放射電極3の小型化、つまり、アンテナ構造1の小型化を促進させることができる。特に、参考例では、スリット8に生じる容量Csによって給電放射電極3の電気長を長くできるので、給電放射電極3の開放端部αからショート部βに至るまでの物理的な長さを抑えながら、給電放射電極3の電気長を長くすることができることから、電流の損失を抑制することができて、アンテナ効率を向上させることができる。
【0052】
また、この参考例では、給電放射電極3にスリット8を形成して当該スリット8により給電放射電極3の電流経路をループ状としたので、例えば給電放射電極3に図2(b)に示されるようなスリット10を形成して給電放射電極3の電流経路をミアンダ状にした場合よりも、電流経路の電極幅が広くなることから、アンテナ効率を向上させることができる。具体例を挙げると、例えば給電放射電極3は、その幅wが36mmであり、長さLが20mmであり、接地基板2に対する給電放射電極3の高さ位置が6mmであり、また、給電放射電極3が配設される接地基板2は、その幅が40mmであり、長さが115mmであり、厚みが1mmであるという条件の下で、ウィラ・キャップ法により、電流経路がループ状の給電放射電極3(図2(a)参照)と、電流経路がミアンダ状の給電放射電極3(図2(b)参照)とのそれぞれに関してアンテナ効率を求めた。それによると、基本モード(基本周波数900MHz)においては、アンテナ効率に大きな差は見られなかったが、高次モード(高次周波数1750MHz)においては、電流経路がループ状の給電放射電極3のアンテナ効率は72%であるのに対して、電流経路がミアンダ状の給電放射電極3のアンテナ効率は41%であり、電流経路がループ状の給電放射電極3の方が格段にアンテナ効率が高かった。
【0053】
上記のように、給電放射電極3にスリット8を設けて給電放射電極3の電流経路をループ状にすることによって、小型でアンテナ効率の向上(特に高次モードのアンテナ効率の向上)が図れる給電放射電極3を得ることができる。また、給電放射電極3の電流経路をループ状にすることによって、給電放射電極3の電流経路がミアンダ状である場合に比べて、給電放射電極3の電極形状を簡素化することができる。
【0054】
さらに、参考例では、スリット8を形成したことにより、前述したように、給電放射電極3の基本周波数および高次周波数の調整が容易となる。特に、高次周波数の調整が容易となるため、マルチバンド化に対応することが容易となる。
【0055】
さらに、参考例では、給電放射電極3のループ状の電流経路は接地基板2の端縁部分から接地基板2の中央部に向けて張り出した後に接地基板2の端縁部分に戻る経路となっており、その接地基板2の中央部側に張り出した電流経路部分は接地基板2との間に容量Ctを形成する構成となっている。また、この参考例では、給電放射電極3と接地基板2との間には誘電体6が介設されており、給電放射電極3と接地基板2間が空隙である場合よりも、その容量Ctは高められている。このため、その給電放射電極3における接地基板2の中央寄りの端縁部分と接地基板2との間に電界が集中するので、例えば、アンテナ構造1に物体が接近した際に、その接近物が給電放射電極3の電界に与える悪影響を大幅に軽減することができる。つまり、接近物によるアンテナ特性の変動を抑制することができる。
【0056】
以上のように、この参考例に示した構成を有することにより、様々な優れた効果を得ることができる。
【0057】
以下に、本発明に係るアンテナ構造の第1実施形態例を説明する。なお、この第実施形態例の説明において、参考例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0058】
この第実施形態例では、図7の模式的な断面図に示されるように、給電放射電極3の開放端部αと、給電用パターン5との間に介設される誘電体6’は、給電放射電極3における開放端部α以外の部分と、接地基板2との間の誘電体6とは異なる誘電率を持っている。この誘電体6に関する構成以外の構成およびその作用、効果参考例の構成およびその作用、効果と同様である。
【0059】
前述したように、給電放射電極3の開放端部αと給電用パターン5との間の容量Cqを調整することで、給電放射電極3と高周波回路9側との整合状態を調整することができる。その容量Cqの調整は、給電放射電極3の開放端部αと給電用パターン5間の対向面積Sと、それら開放端部αと給電用パターン5間の間隔dと、それら開放端部αと給電用パターン5間の誘電率εとのうちの1つ以上を可変することで行うことができる。つまり、容量Cqは、それら対向面積S、間隔d、誘電率εと、Cq=ε×(S/d)の数式に表される関係があるために、それら対向面積Sと間隔dと誘電率εの調整によって、容量Cqを調整できる。
【0060】
この第実施形態例では、給電放射電極3の開放端部αと給電用パターン5との対向面積Sと、開放端部αと給電用パターン5間の間隔dとのうちの一方又は両方によって容量Cqの調整を行うだけでなく、開放端部αと給電用パターン5間の誘電率εをも利用して、開放端部αと給電用パターン5間の容量Cqを調整することが容易にできる構成とした。つまり、給電放射電極3と接地基板2間に介設される誘電体6は、給電放射電極3の電気長やアンテナ効率等を考慮して、その誘電率が定められる。このため、参考例の如く開放端部αと給電用パターン5間に配設される誘電体6が給電放射電極3の他の部分と接地基板2間に介設される誘電体6と同じ誘電材料によって構成される場合には、開放端部αと給電用パターン5間の容量Cqの調整のためだけに、誘電体6の誘電率を可変することはできない。
【0061】
これに対して、この第実施形態例では、開放端部αと給電用パターン5間の容量Cqの調整のためだけに、その開放端部αと給電用パターン5間の誘電率を可変できる構成とした。つまり、開放端部αと給電用パターン5間の誘電体6'の大きさは、それ以外の部分の誘電体6の大きさに比べて格段に小さく、その誘電体6'の誘電率を可変しても給電放射電極3の電気長やアンテナ効率に大きな悪影響を及ぼすことが無いことに着目し、この第実施形態例では、開放端部αと給電用パターン5間の誘電体6'を他の部分の誘電体6とは異なる誘電材料により形成する構成とした。これにより、開放端部αと給電用パターン5間の誘電体6'の誘電率は、給電放射電極3の電気長やアンテナ効率等を気にすることなく、開放端部αと給電用パターン5間の容量Cqの調整のために設定することが可能となる。
【0062】
この第実施形態例では、開放端部αと給電用パターン5との対向面積Sと、開放端部αと給電用パターン5間の間隔dと、開放端部αと給電用パターン5間の誘電体6'の誘電率εとの全てを利用して、開放端部αと給電用パターン5間の容量Cqを調整することが可能であるので、その容量Cqの調整が容易となり、より一層給電放射電極3と高周波回路9側との良好な整合状態を得ることができる。
【0063】
また、例えば、高周波回路9側の条件が変更になった場合には、給電放射電極3と高周波回路9側との整合状態が悪化してしまうことがある。このような場合には、給電放射電極3と高周波回路9側との整合状態を良好にすべく給電放射電極3と給電用パターン5間の容量Cqの調整が必要となる。この場合に、この第実施形態例では、開放端部αと給電用パターン5間の誘電体6'の誘電率の変更が容易であるので、その容量Cqの調整のために開放端部αと給電用パターン5間の誘電体6'の誘電率を可変するだけで、簡単かつ迅速に給電放射電極3と高周波回路9側との整合状態を良好にすることができる。つまり、設計変更に迅速に対応することができる。
【0064】
以下に、第実施形態例を説明する。なお、この第実施形態例の説明において、参考例又は第実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0065】
この第実施形態例では、接地基板2に形成されている給電用パターン5をも放射電極として機能させる構成とした。その給電用パターン5は、給電放射電極3の共振周波数とは異なる設定の共振周波数を持っている。この給電用パターン5以外の構成は第1の実施形態例と同様である。
【0066】
この第実施形態例では、給電用パターン5を放射電極として機能させ、当該給電用パターン5の共振周波数を給電放射電極3の共振周波数と異ならせることにより、例えば、アンテナ構造1は、給電放射電極3に基づいた図8の実線aに示されるようなリターンロス特性に加えて、給電用パターン5に基づいた例えば図8の鎖線b又は鎖線c又は点線dに示されるようなリターンロス特性を持つことができる。
【0067】
この第実施形態例の構成によって、給電放射電極3だけの場合よりも多い周波数帯を得ることができて、よりマルチバンド化に対応したアンテナ構造1を得ることができる。また、給電放射電極3のみの場合には、例えば図8の実線aに示されるようなリターンロス特性を有するのに対して、給電用パターン5を放射電極として機能させ当該給電用パターン5に例えば図8の点線dに示されるようなリターンロス特性を持たせることで、例えば、高次モードにおける帯域幅を幅hから幅Hに大幅に拡大することができる。
【0068】
以下に、第実施形態例を説明する。なお、この第実施形態例の説明において、参考例や、第1〜第の各実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0069】
この第実施形態例では、図9(a)のモデル図に示されるように、無給電放射電極12が給電放射電極3と間隔を介し接地基板2の基板面に沿う方向に隣接並設されている。この無給電放射電極12に関する構成以外の構成は第1〜第の各実施形態例と同様である。
【0070】
この第実施形態例では、接地用電極4と間隔を介して接地用電極13が並設されており、無給電放射電極12は、その接地用電極13を介して長方形状の接地基板2の短辺側の端縁部分に接地されている。また、無給電放射電極12と給電放射電極3間の間隙と、無給電放射電極12と接地基板2間の間隙に誘電体6が介設されている。
【0071】
無給電放射電極12は給電放射電極3の基本周波数と高次周波数のうちの一方又は両方に近い共振周波数を持ち、また、無給電放射電極12と、給電放射電極3とは電磁結合する構成と成している。このため、この第実施形態例では、給電放射電極3が共振すると、電磁結合によって無給電放射電極12も共振する。例えば、給電放射電極3だけが設けられている場合には、図9(b)の点線aに示すようなリターンロス特性を持つのに対して、給電放射電極3に加えて無給電放射電極12を設けることによって、図9(b)の実線bに示すようなリターンロス特性を持たせることができる。つまり、図9(b)に示す実線bの例では、給電放射電極3の高次モードにおいて、無給電放射電極12により、複共振状態が作り出されている。
【0072】
この第実施形態例では、給電放射電極3と無給電放射電極12間の電磁結合量が、図9(b)に示すような良好な複共振状態を作り出すことができる電磁結合量となるように、例えば、無給電放射電極12と給電放射電極3間の間隔deや、無給電放射電極12と給電放射電極3間の間隙に介設される誘電体6の誘電率などによって、無給電放射電極12と給電放射電極3間の電磁結合量が調整されている。
【0073】
この第実施形態例の構成では、無給電放射電極12を設けており、当該無給電放射電極12によって複共振状態を作り出すことができるので、例えば、放射電極として給電放射電極3だけが設けられている場合には、高次モードの帯域幅が例えば図9(b)の幅hであるのに対して、給電放射電極3に加えて無給電放射電極12を設けることによって、高次モードの帯域幅を幅Hに広げることができる。このように周波数帯域の広帯域化が可能となったり、また、マルチバンド化に容易に対応することが可能となる。
【0074】
以下に、第実施形態例を説明する。なお、この第実施形態例の説明において、参考例および第1〜第の各実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0075】
図10(a)には第実施形態例のアンテナ構造1が模式的な斜視図により示され、図10(b)には図10(a)の右側からアンテナ構造1を見た場合の側面図が模式的に示され、図10(c)には給電放射電極3および無給電放射電極12の展開図が模式的に示されている。
【0076】
この第実施形態例では、給電放射電極3には、参考例および第1〜第の各実施形態例と同様にスリット8が形成されており、そのスリット8を介して開放端部αとショート部βが隣接配置されている。また、この第実施形態例においても、給電放射電極3の開放端部αからショート部βに至る電流経路は、スリット8を避けて迂回したループ状となっている。
【0077】
この第実施形態例では、給電放射電極3の開放端部αおよびショート部βは、図10の例では接地基板2の裏面における短辺側の端縁領域に配置されている。給電放射電極3は、その開放端部αとショート部βの形成部分を起点として接地基板2から離れる方向に伸長し接地基板2の端縁を間隔を介して囲むようにループ状の経路を通って起点とは反対側の接地基板面(接地基板2の表面)に間隔を介し沿うように形成された態様となっている。
【0078】
また、この第実施形態例では、第実施形態例と同様に給電放射電極3と複共振状態を作り出す無給電放射電極12が設けられている。この無給電放射電極12は、接地用電極13を介して接地基板2(図10の例では接地基板2の裏面)に接地されており、当該無給電放射電極12は、その接地用電極13に連接するショート部を起点として接地基板2から離れる方向に伸長し接地基板2の端縁を間隔を介して囲むようにループ状の経路を通って起点とは反対側の接地基板面(接地基板2の表面)に間隔を介し沿うように形成された態様となっている。
【0079】
この第実施形態例では、接地基板2は通信機の回路基板として機能するものであり、アンテナ構造1は、その接地基板2の端部に配置され、接地基板2と共に通信機の筐体内に収容配置される。通信機の筐体にはデザインのために端部分に絞る方向のテーパが付けられている場合がある。この第実施形態例では、その通信機の筐体の形状を考慮している。つまり、給電放射電極3と無給電放射電極12は、それぞれ、接地基板2からはみ出している部分B(図10(b)参照)を有し、それら給電放射電極3および無給電放射電極12のそれぞれの表側のはみ出し部分Bには、通信機の筐体のテーパに応じた傾斜が付けられている。つまり、その表面側のはみ出し部分Bはテーパ部と成している。
【0080】
これにより、第実施形態例のアンテナ構造1は、通信機の筐体の端部に嵌め合わせることができて、通信機の筐体端部のデッドスペースを無くすことができる構成となっている。また、給電放射電極3および無給電放射電極12において、表側に配置されているはみ出し部分Bの一部には誘電体6が配設されている。
【0081】
また、この第実施形態例では、給電放射電極3と無給電放射電極12は、それぞれ、接地基板2の長辺側の端縁領域に配置されている部分3T,12Tを有している。それらの部分3T,12Tは、それぞれ、接地基板2の長辺側の端縁に向かうに従って接地基板2との間の間隔が狭くなる傾きが付けられている。この傾きも、前記同様に、通信機の筐体の端部のテーパに合わせたものである。
【0082】
さらに、この第実施形態例では、給電放射電極3および無給電放射電極12の接地基板2によりもはみ出した部分Bにおいて、裏側に配置されている電極部分には、給電放射電極3と無給電放射電極12間に間隙14が形成されている。例えば、この第実施形態例のアンテナ構造1を携帯型電話機に内蔵する場合には、アンテナ構造1の接地基板2は携帯型電話機の回路基板と成し、給電放射電極3および無給電放射電極12は、通話中に天頂側となる回路基板のトップ側端部に配設される。携帯型電話機のトップ側にはスピーカーが設けられており、アンテナ構造1の給電放射電極3と無給電放射電極12間に形成した前記間隙14を介し、ループ形状の給電放射電極3および無給電放射電極12により形成された空間部15の内部には例えば通信機のスピーカー等の部品が配設される。
【0083】
この第実施形態例では、給電放射電極3および無給電放射電極12は、接地基板2からはみ出して接地基板2の端縁を間隔を介し囲むループ状の形態を有しているので、給電放射電極3および無給電放射電極12の物理的体積を大きくすることができたり、電極面が拡大して、アンテナ効率等のアンテナ特性を大幅に改善することができる。また、通信機の筐体内のデッドスペースを有効利用することで、そのような効果を得ることができるので、アンテナ構造1や通信機の小型化を図ることが可能となる。
【0084】
以下に、第実施形態例を説明する。この第実施形態例は通信機に関するものである。この第実施形態例の通信機は、第1〜第の各実施形態例に示したアンテナ構造1の何れか1つが設けられている。そのアンテナに関する構成以外の通信機構成には様々な構成があり、ここでは、そのアンテナ以外の通信機構成は何れの構成を採用してもよく、その説明は省略する。また、第1〜第の各実施形態例のアンテナ構造1の重複説明は省略する。
【0085】
なお、この発明は第1〜第の各実施形態例の構成に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、第1〜第の各実施形態例では、給電放射電極3と接地基板2間を充填するように誘電体6が形成されていたが、例えば、図11に示されるように、給電放射電極3と接地基板2間に空隙20を設けてもよい。この場合には、誘電体6に空隙20を設けた分、給電放射電極3と接地基板2間の実質的な誘電率が小さくなる。言い換えれば、給電放射電極3と接地基板2間の誘電率の調整は、誘電体6を形成する誘電材料を可変するだけでなく、空隙20の有無や空隙20の大きさ(つまり、誘電体6の形成量)によっても行うことができて、その誘電率の調整により給電放射電極3の電気長やアンテナ効率を調整することができる。
【0086】
さらに、第1〜第の各実施形態例では、給電用パターン5はL字形状であったが、例えば、第実施形態例に示したような放射電極として機能させる給電用パターン5の共振周波数を設定の共振周波数とするために給電用パターン5の電気長を長くする必要がある場合には、例えば、図12(a)に示されるように、コ字形状の給電用パターン5を形成してもよい。また、給電用パターン5を放射電極としては機能させず、給電専用の導体パターンとする場合には、例えば、図12(b)に示されるように、接地基板2において、給電放射電極3の開放端部αと対向する部分だけに、給電用パターン5を設けてもよい。
【0087】
また、第1〜第の各実施形態例では、給電放射電極3は接地基板2の端部に配設される構成であったが、例えば、給電放射電極3を接地基板2の端部以外の部分に設けても、給電放射電極3によって接地基板2に誘起される高周波電流の経路長が満足できる程に長い場合には、給電放射電極3は接地基板2の端部以外の部分に設けてもよい。
【0088】
さらに、第や第の実施形態例に示した無給電放射電極12にもスリットを設け、当該スリットによって、例えば、無給電放射電極12の電流経路を給電放射電極3と同様のループ状の電流経路としてもよい。さらに、第や第の実施形態例では、無給電放射電極12を1つ設ける例を示したが、例えば、給電放射電極3を挟み込むように、給電放射電極3の両側に無給電放射電極12を設ける構成としてもよく、無給電放射電極12の数は1つとは限らない。
【0089】
さらに、第実施形態例では、給電放射電極3と無給電放射電極12が設けられている場合において、給電放射電極3および無給電放射電極12がテーパ部を有している例を示したが、もちろん、無給電放射電極12が省略され給電放射電極3だけが設けられているアンテナ構造1においても、給電放射電極3がテーパ部を有している構成としてもよい。
【0090】
さらに、第1〜第の各実施形態例では、接地基板2は長方形状であったが、接地基板2は長方形状以外の形状であってもよい。さらに、図1、図7、図9、図11に示す例では、給電放射電極3の開放端部αの一部分は接地基板2側に近付けて形成されていたが、そのような部分を形成しなくとも、給電放射電極3の開放端部αと給電用パターン5間の容量Cqが、給電放射電極3と高周波回路9側の整合状態が良好となる容量とすることが可能である場合には、開放端部αの全部が同一面上に配置されている構成としてもよい。
【0091】
【発明の効果】
この発明によれば、接地基板には、給電放射電極の開放端部に対向する部分に給電用の導体パターン(給電用パターン)を設け、給電放射電極は、その開放端部と接地基板の給電用パターンとの間の容量を介して給電される給電容量タイプの放射電極とした。このため、その給電放射電極の開放端部と接地基板の給電用パターンとの間の容量を調整することで、給電放射電極と通信機の高周波回路側との整合状態を容易に調整することができる。特に、この発明では、給電放射電極の給電部位を開放端部とした。その給電放射電極の開放端部は、基本モードにおいても高次モードにおいてもインピーダンスがほぼ等しいことから、基本モードと高次モードの整合の格差を非常に小さくすることができるので、給電放射電極と高周波回路側との整合状態を、基本モードと高次モードの何れの場合であっても、良好にすることができる。また、給電放射電極の開放端部と、接地基板の給電用パターンとの間に誘電体を介設することによって、その誘電体の誘電率により、給電放射電極と通信機の高周波回路側との整合状態をより容易に調整することが可能となる。これにより、より一層整合状態の良好なアンテナ構造を得ることができる。
【0092】
さらに、給電放射電極の開放端部と接地基板の給電用パターンとは容量を介して結合する構成であるので、それら給電放射電極の開放端部と、接地基板の給電用パターンとを例えばはんだ接続しなくてよい。つまり、はんだ接続箇所を削減できることから、はんだ接続不良の発生確率を低減させることができて、アンテナ構造の信頼性を向上させることができる。
【0093】
さらに、接地基板において、例えば、仮に給電用パターンと給電放射電極をはんだ接続しなければならない場合には、給電用パターンの一部を給電放射電極が対向する接地基板部分からはみ出して形成しなければならず、この場合には、給電放射電極が対向する接地基板部分よりも広い面積をアンテナ占有スペースとして接地基板に用意する必要がある。これに対して、この発明では、接地基板の給電用パターンは、給電放射電極の開放端部と間隔を介して対向配置すればよいので、給電用パターンは、給電放射電極が対向する接地基板部分から、はみ出して形成しなくてもよい。これにより、給電放射電極が対向する接地基板部分よりも広い面積をアンテナ占有スペースとして接地基板に用意しなくても済むこととなり、接地基板におけるアンテナ占有スペースを削減することができる。また、換言すれば、接地基板におけるアンテナ占有スペースの広さが定まっている場合には、その設定のアンテナ占有スペースの全体を給電放射電極の配置領域として使用できるので、給電放射電極を拡大することができる。この給電放射電極の拡大によってアンテナ効率を向上させることが可能である。
【0094】
さらに、この発明では、給電放射電極にスリットを形成し、給電放射電極の開放端部とショート部はスリットを介して隣接配置されている。これにより、給電放射電極の開放端部からショート部に至る電流経路は、スリットを避けて迂回したループ状となっている。このため、給電放射電極の物理的な長さを長くすることなく、給電放射電極の電気長を長くすることができる。また、スリットに生じる容量によっても、給電放射電極の電気長を長くすることができる。このように、給電放射電極の物理的な長さを長くすることなく、給電放射電極の電気長を長くすることができるので、給電放射電極の小型化、つまり、アンテナ構造の小型化を促進させることができる。
【0095】
また、給電放射電極の物理的な長さを長くすることなく、換言すれば、電流損失を抑制しながら、給電放射電極の電気長を長くすることができるので、アンテナ効率を向上させることができる。
【0096】
さらに、給電放射電極の電流経路をループ状にしたので、給電放射電極の電流経路をミアンダ状とする場合に比べて、給電放射電極の形状を簡素化することができるし、また、電極幅を広くすることができるので、アンテナ効率を高めることができる。
【0097】
さらに、給電放射電極の開放端部とショート部間をスリットの容量を介して結合したので、その容量調整によって、給電放射電極の基本周波数の調整だけでなく、高次周波数の調整をも容易となる。このため、マルチバンド化に満足に対応することが可能となる。
【0098】
さらに、給電放射電極と接地基板間に容量を持たせることによって、その給電放射電極と接地基板間に電界を集中させることができる。これにより、給電放射電極に物体が接近しても、その接近物による給電放射電極の電界への悪影響を軽減することができる。さらにまた、給電放射電極と接地基板間に誘電体を介設することにより、給電放射電極と接地基板間が空隙である場合よりも、給電放射電極と接地基板間の容量を大きくすることができて、給電放射電極と接地基板間の電界集中を強くすることができる。このため、接近物による給電放射電極の電界への悪影響をより一層軽減することが可能となる。
【0099】
さらに、給電放射電極のショート部と開放端部が接地基板の端縁領域、特に、長方形状の接地基板の短辺側の端縁領域に配置されているものにあっては、給電放射電極に起因して接地基板に誘起される高周波電流の経路長を長くすることができる。これにより、接地基板にアンテナ機能を持たせることが容易にできて、アンテナ効率を向上させることができる。
【0100】
給電用パターンが接地基板の端縁に沿って形成されていて給電放射電極の開放端部と間隔を介し対向配置されているものにあっては、給電用パターンを長くすることができて、給電用パターンを放射電極として機能させることが可能となる。例えば、給電用パターンが給電放射電極の共振周波数とは異なる共振周波数を持つ放射電極となるように給電用パターンを設計することによって、アンテナ構造は、周波数帯域の広帯域化や、マルチバンド化への対応を容易にすることができる。
【0101】
さらに、給電放射電極と複共振状態を作り出す無給電放射電極を形成することによっても、上記同様に、周波数帯域の広帯域化や、マルチバンド化への対応を容易にすることができる。
【0102】
さらに、給電放射電極に形成されているスリットに誘電体が形成されているものにあっては、誘電体の誘電率によってスリットに生じる容量の調整が可能となり、そのスリットの容量が関与する給電放射電極の電気長や給電放射電極の高次周波数の調整を容易にすることができる。
【0103】
さらに、給電放射電極が接地基板の端縁を間隔を介して囲むループ状の形態を有しているものにあっては、接地基板のアンテナ占有スペースを広げることなく、給電放射電極の電気長を容易に長くすることができる。また、アンテナ効率の向上を図ることができる。
【0104】
さらに、この発明において特徴的な構成を持つアンテナ構造が設けられている通信機にあっては、この発明のアンテナ構造は小型化が容易であるので、そのアンテナ構造の小型化に伴って通信機の小型化を図ることができる。また、アンテナ特性が良好となることから、通信の性能の良い通信機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を説明するための参考例のアンテナ構造を説明するための図である。
【図2】 給電放射電極にスリットを設けた場合の給電放射電極の電流経路の具体例を示した図である
【図3】 給電放射電極の基本モードと高次モードの電磁界分布を示したグラフである。
【図4】 本発明者が行った実験を説明するための図である。
【図5】 本発明者が行った実験により得られたスミスチャートである。
【図6】 本発明者が行った実験により得られたリターンロス特性を表すグラフである。
【図7】 第実施形態例において特徴的な構成を説明するためのアンテナ構造の模式的な断面図である。
【図8】 第実施形態例の構成から得られるリターンロス特性の例を説明するためのグラフである。
【図9】 第実施形態例のアンテナ構造を説明するための図である。
【図10】 第実施形態例のアンテナ構造を説明するための図である。
【図11】 その他の実施形態例を説明するための図である。
【図12】 給電用パターンのその他の形態例を説明するための図である。
【図13】 特許文献1に記載のアンテナ構造の一つを示したモデル図である。
【符号の説明】
1 アンテナ構造
2 接地基板
3 給電放射電極
4 接地用電極
5 給電用パターン
6,6’ 誘電体
8 スリット
12 無給電放射電極
α 開放端部
β ショート部

Claims (11)

  1. 接地基板の表面上に当該接地基板と間隔を介して給電放射電極が配置されて成るアンテナ構造であって、給電放射電極は基本モードの共振周波数と当該基本モードの共振周波数よりは高い高次モードの共振周波数とでアンテナ動作を行う構成と成し、当該給電放射電極においては、接地基板に接地用電極を介して接続するショート部と、開放端部とがスリットを介して隣接配置されており、開放端部からショート部に至る電流経路は前記スリットを避けて迂回したループ状の経路と成し、前記高次モードの共振周波数は基本モードの共振周波数の整数倍の共振周波数からずらされており、その共振周波数のずれ量は前記スリットの容量によって調整されており、また、接地基板の表面には、給電放射電極への給電用の導体パターンが給電放射電極の開放端部に間隔を介し対向して形成されており、給電放射電極は、接地基板上の給電用の導体パターンから当該導体パターンと開放端部との間の容量を介して給電される容量給電タイプの給電放射電極と成し、前記給電放射電極の開放端部と、接地基板上の給電用の導体パターンとの間の空間部に給電放射電極と当該給電放射電極へ容量給電する高周波回路側との整合状態を調整するための誘電率を持たせた誘電体が介設され、また、給電放射電極の開放端部以外の部分と接地基板との間の空間部には給電放射電極の電気長を定めるための誘電率を持たせた誘電体が介設される構成と成し、給電放射電極の開放端部と給電用の導体パターンとの間に介設された誘電体と、給電放射電極の開放端部以外の部分と接地基板との間に介設された誘電体とに異なる誘電率を持たせることで両誘電体に互いに異なる役割を分担させていることを特徴とするアンテナ構造。
  2. 給電放射電極のショート部および開放端部は接地基板の端縁領域に配置されていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ構造。
  3. 接地基板は長方形状と成し、給電放射電極のショート部および開放端部は長方形状の接地基板の短辺側の端縁領域に配置されていることを特徴とする請求項2記載のアンテナ構造。
  4. 給電用の導体パターンは、接地基板の端縁に沿って形成されていて給電放射電極の開放端部と間隔を介し対向していることを特徴とする請求項2又は請求項3記載のアンテナ構造。
  5. 給電用の導体パターンは、給電放射電極の共振周波数とは異なる周波数で共振してアンテナ動作を行う放射電極と成していることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載のアンテナ構造。
  6. 給電放射電極と間隔を介し隣接並設されて給電放射電極と複共振状態を作り出す無給電放射電極が配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載のアンテナ構造。
  7. 給電放射電極に形成されているスリットに誘電体が配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか1つに記載のアンテナ構造。
  8. 給電放射電極の少なくとも端縁部分の一部は、接地基板に対して傾いているテーパ部と成していることを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか1つに記載のアンテナ構造。
  9. 給電放射電極は、接地基板の表面と裏面の一方の端縁部分の上方側に配置されたショート部および開放端部の形成部分を起点として接地基板から離れる方向に伸長し接地基板端縁を間隔を介して囲むループ状の経路を通って起点とは反対側の接地基板面に間隔を介し沿うように形成された態様と成していることを特徴とする請求項2乃至請求項の何れか1つに記載のアンテナ構造。
  10. 請求項1乃至請求項の何れか1つに記載のアンテナ構造が設けられていることを特徴とする通信機。
  11. 通信機は携帯型電話機と成しており、アンテナ構造は、携帯型電話機の接地基板である回路基板において、通話中に天頂側となるトップ側の基板端部に設けられていることを特徴とする請求項10記載の通信機。
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