JP4009827B2 - 信号処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波信号とローカル信号とを混合して中間周波数信号(IF信号)に変換する際に生じるイメージ波の成分を除去するイメージリジェクションミキサ回路等の信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
IF(Intermediate Frequency:中間周波)周波数を比較的低く設定するIF受信装置は、IFフィルタを半導体素子で構成することができるため、外付けのSAW(Surface Acoustic Wave:表面弾性波)フィルタが不要になるというメリットがある。しかしながら、IF周波数を低く設定するということは、RF(Radio Frequency:無線周波)信号の周波数の比較的近くに、RF信号を周波数変換するために用いられる信号のローカル周波数を設けるということであるため、周波数軸上においてローカル周波数に対し、所望波と対象な位置にある非所望波(以下、「イメージ波」と称す)の周波数は所望波のそれに近くなり、ダウンコンバージョン前にイメージ波をフィルタで除去することが困難になる。したがって、ダウンコンバージョンミキサには、所望波のみをダウンコンバージョンし、イメージ波を抑圧するイメージリジェクションミキサが必要とされる。
【0003】
図16は、従来技術による典型的なイメージリジェクションミキサであるハートレー(Hartley)のイメージリジェクションミキサの構成を示すブロック図である。図16に示す構成は、1928年の米国特許1、666、206号公報に記載され、既に広く知られている。図16に示すように、このイメージリジェクションミキサは、入力端子1、4、5と、ミキサ2、3と、位相遅延手段としての移相器6と、加算器(加算手段)7と、出力端子34とを備えており、入力端子1からRF信号を入力し、出力端子34からIF信号を出力する。
【0004】
このハートレーイメージリジェクションミキサの動作を以下に説明する。図17は、図16に示すハートレーイメージリジェクションミキサに入力される入力信号の周波数分布の一例を示すグラフである。図17の横軸は、信号の周波数を示し、縦軸はその信号の大きさを示す。説明を簡単にするため、この入力信号は、周波数±ω1をそれぞれ中心とする所望波信号成分14、15と、周波数±ω2をそれぞれ中心とするイメージ波信号成分16、17のみを含む信号となっている。なお、所望波信号成分14の周波数ω1と、イメージ波信号成分16の周波数ω2と、ローカル周波数ωLOとは、(ω1+ω2)/2=ωLOという関係がある。
【0005】
入力端子1に入力されるRF信号は2つに分岐される。その一方は、入力端子4に入力されるローカル信号cos(ωLO×t)(第1の周期信号)と、ミキサ2でミキシングされ、もう一方は、入力端子5に入力されるsin(ωLO×t)(第2の周期信号)と、ミキサ3でミキシングされる。その結果、ミキサ2から、ダウンコンバージョンされた信号がI−信号として出力され、ミキサ3から、ダウンコンバージョンされた信号がQ−信号として出力される。Q−信号は、移相器6を通過することによって、位相が90度遅延する。
【0006】
図18は、ミキサ2における、入力信号からI−信号へのダウンコンバージョンの様子を示す図である。図18に示すように、ミキサ2では、所望波信号成分14、15がダウンコンバージョン(DC)され、DC所望波信号成分18、19が得られる。図18では、所望波成分のダウンコンバージョンの対応関係が矢印で示される。全図において、所望波成分のダウンコンバージョンの対応関係は矢印で示される。なお、DC所望波信号成分18、19の周波数は、±(ω1−ωLO)となる。
【0007】
さらに、ミキサ2では、イメージ波信号成分16、17がダウンコンバージョンされ、DCイメージ波信号成分20、21が得られる。図18では、イメージ波信号成分のダウンコンバージョンの対応関係は点線の矢印で示される。全図において、イメージ波成分のダウンコンバージョンの対応関係は点線の矢印で示される。なお、DC所望波信号成分18、19と、DCイメージ波信号成分21、20とは、それぞれ周波数±(ω1−ωLO)の領域に重なるように現れている。
【0008】
図19は、ミキサ3における、入力信号からQ−信号へのダウンコンバージョンの様子を示す図である。図19には、移相器6によって位相が90度遅れたダウンコンバージョンされた信号成分22〜25が示されている。
【0009】
ミキサ3では、所望波成分14、15がダウンコンバージョン(DC)されてDC所望波信号成分22、23がそれぞれ得られる。DC所望波信号成分22、23の周波数は、±(ω1−ωLO)となる。さらに、ミキサ3では、イメージ波成分16、17がダウンコンバージョンされてDCイメージ波信号成分24、25がそれぞれ得られる。この場合も、周波数±(ω1−ωLO)に、所望波をダウンコンバージョンして得られるDC所望波信号成分22、23と、イメージ波をダウンコンバージョンして得られるDCイメージ波信号成分25、24とが現れる。 ただし、ミキサ2、3に入力される周波数ωLOの信号(cos(ωLO×t)、sin(ωLO×t))に90度の位相差が設けられていることや、移相器(90度位相シフタ)6によって、図18に示すI−信号のそれらとは違って、DC所望波信号成分22、23の位相とDCイメージ波信号成分24、25との位相とは180度ずれている。図19において、ダウンコンバージョンされたDCイメージ波信号成分24、25を下向きに示しているのは、それらの位相がDC所望波信号成分22、23と180度ずれていることを示すためである。結果的に、図18、図19に示したダウンコンバージョンされたIー信号とQ−信号とを加算器7で加算すれば、図20に示すように、ダウンコンバージョンされたDCイメージ波信号成分20、21、24、25はうち消され、ダウンコンバージョンされたDC所望波信号成分26、27のみが得られるようになる。
【0010】
しかしながら、ミキサ2から出力されたI−信号の経路の利得と、ミキサ3から出力されたQ−信号の経路の利得とにばらつきがあると、加算器7でI−信号とQ−信号とを加算する際に、イメージ波の信号が完全にはキャンセルされず、完全には抑圧されなくなる。また、移相器6で実行される90度位相シフトの精度が充分に高くない場合や、ミキサ2とミキサ3とに入力される周波数ωLOの信号(cos(ωLO×t)とsin(ωLO×t))の位相差が90度からずれている場合にも、イメージ波信号の抑圧は不完全となる。
【0011】
図21は、イメージ波信号の抑圧が不完全な状態の一例を示す図である。図21に示すように、DC所望波信号成分26、27とともに、DCイメージ信号成分28、29が除去しきれずに残留している。無線システム等では、イメージ波の強度の方が所望波の強度よりも大きい場合も想定しておく必要がある。このような場合には、イメージリジェクションミキサにおけるイメージ波のイメージ除去比には、例えば、50dB以上が要求される。しかしながら、イメージリジェクションミキサを構成するトランジスタや受動素子のばらつきや素子特性の温度による変動等を考慮すると、従来のイメージリジェクションミキサのイメージ除去比は30dB程度にとどまる。
【0012】
イメージリジェクションミキサのイメージ除去比の不足分を補うための従来技術として、ダウンコンバージョンミキサの前にイメージ除去フィルタを挿入する方法がある。しかしながら、前述のIF周波数が比較的低く設定されているIF受信装置では、所望波の周波数とイメージ波の周波数とが近接しているため、所望波に対する前述のフィルタによるロスも大きくなり、受信装置の特性を劣化させてしまうという問題がある。また、このようなイメージ除去フィルタは、対象信号の周波数帯がRF信号帯となるので、半導体チップに集積化することが不可能であり、小型化や低コスト化の点で問題がある。
【0013】
さらに、もう1つの従来技術として、ミキサ2、3や移相器(位相シフタ)6の特性を外部からチューニングできるようにしておき、イメージ抑圧比をフィードバック量としてフィードバック制御を実行し、イメージ抑圧比が高くなるようにそれらの特性をチューニングする方法がある。しかしながら、この方法は、無線機の中でイメージ抑圧比を動的に把握することが困難であることや、温度変化に伴う素子特性の変化まで補償することが困難であることや、フィードバック制御のために新たに付加した制御回路等の部品に要求される動作精度が高いこと等の理由により、高コストであったり、分留りが劣化したり、そもそも実用に供するだけの特性や動作安定性を得ることが難しいなどの問題を有している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、従来のイメージリジェクションミキサでは、信号処理の過程で、回路の特性によって不要なイメージ波信号成分が残留し、所望波信号成分に重畳されてしまうという問題点があった。
【0015】
また、イメージ波信号成分の残留(漏れ)を抑制するための従来技術では、結果的に装置の性能劣化やコスト高や消費電力増加が生じたり、場合によっては充分機能しなかったりするという欠点があった。
【0016】
本発明は、信号処理の過程で発生する不要なイメージ信号波成分の所望波信号成分への重畳を抑制することができる信号処理装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の信号処理装置は、
所定の周波数を有する第1の周期信号によって入力信号の周波数を変換する第1の周波数変換手段と、前記所定の周波数を有し、前記第1の周期信号との位相差が略90度である第2の周期信号によって前記入力信号の周波数を変換する第2の周波数変換手段と、前記第1の周波数変換手段によって変換された信号と前記第2の周波数変換手段によって変換された信号との位相差をπ/2増加させる位相遅延手段と、該位相遅延手段によって位相差が増加した各信号の和信号を出力する加算手段とを備える信号処理装置において、
前記第1の周波数変換手段によって変換された信号と前記位相遅延手段によって遅延した信号との差信号を出力する減算手段と、
前記和信号か前記差信号のいずれか一方の信号を第1の信号とし、他方の信号を第2の信号として、該第2の信号に含まれるイメージ信号の成分を、前記第1の信号および前記第2の信号の相関と前記第1の信号とを用いて前記第2の信号から前記第1の信号および前記第2の信号の相関の大きさに応じて前記第1の信号を減算することで除去する信号処理部とをさらに備えることを特徴とする。
【0018】
本発明の信号処理装置では、上述の信号処理部を備えることによって、第2の信号に含まれるイメージ波の残留成分を完全に除去することができるようになるため、信号処理の過程で発生する不要なイメージ波信号成分の所望信号成分への重畳を抑制することが可能となる。
【0019】
本発明の信号処理装置の実施態様では、前記信号処理部は、
前記第1の信号を2乗した値の低周波成分に対する、前記第1の信号と前記第2の信号との相関値の低周波成分の比率である第1の比率を求める処理を実行し、
前記第1の信号を前記第1の比率だけ増幅した信号を、前記第2の信号から減算したときの減算値を求める処理を実行する。本実施態様では、前記信号処理部は、前記第1の信号の位相をπ/2遅延させてから前記各処理を実行するようにしてもよい。
【0020】
また、本発明の信号処理装置の他の実施態様では、前記信号処理部は、
前記第1の信号を2乗した値の低周波成分に対する、前記第1の信号と前記第2の信号との相関値の低周波成分の比率である第1の比率を求めて前記第1の信号を前記第1の比率で増幅する処理を実行し、
前記第1の信号を2乗した値の低周波成分に対する、前記第1の信号をπ/2だけ遅延した信号と前記第2の信号との相関値の低周波成分の比率である第2の比率を求めて前記第1の信号をπ/2だけ遅延した信号を前記第2の比率で増幅する処理を実行し、
前記第1の比率で増幅された信号と前記第2の比率で増幅された信号との和信号を、前記第2の信号から減算したときの減算値を求める処理を実行するようにしてもよい。
【0021】
これらの実施態様では、前記第1の比率は、
前記第1の信号と前記第2の信号との乗算信号の低周波成分の対数値から、前記第1の信号を2乗した値の低周波成分の対数値を減算した値であってもよく、
前記第2の比率は、
前記第1の信号をπ/2だけ遅延した信号と前記第2の信号との乗算信号の低周波成分の対数値から、前記第1の信号を2乗した値の低周波成分の対数値を減算した値であってもよい。
【0022】
また、本発明の他の信号処理装置では、
前記第2の信号は和信号であって、前記信号処理部は、前記減算値を出力するか、前記第2の信号を出力するかを切り替えるための切り替え手段を有する。
【0023】
本発明の信号処理装置の実施態様では、前記信号処理部は、
前記第1の信号の強度を検出する第1の強度検出手段と、
前記第2の信号の強度を検出する第2の強度検出手段とを備え、
前記第1の信号の強度に対する、前記第2の信号の強度の比がしきい値を越えた場合には、前記第2の信号を出力する側に前記切り替え手段を切り替える。
【0024】
このようにすれば、イメージ波の強度がさほど強くない場合には、出力を従来と同様にすることによって、不必要なイメージ波抑制による所望波の受信特性の低下を防止することができる。
【0025】
また、本発明の信号処理装置では、信号処理部より出力された信号のエラーレートを検出し、そのエラーレートが小さくなる方向に切り替え手段を切り替えたり、前述のしきい値を変更したりしてもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施形態の信号処理装置について図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態の信号処理装置について説明する。図1は、本実施形態の信号処理装置の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の信号処理装置は、図16に示す従来のイメージリジェクションミキサの構成に加え、減算器(減算手段)8と、バンドパスフィルタ(BPF)9、10と、AD変換器11、12と、信号処理部13とを備えている。本実施形態では、バンドパスフィルタ9,10がそれぞれ第2、第1のフィルタとなり、AD変換器11、12がそれぞれ第2、第1のAD変換器となる。
【0028】
本実施形態の信号処理装置では、バンドパスフィルタ9、10の出力を、それぞれAD変換器11、12でディジタル信号に変換する。したがって、信号処理装置13では、ディジタル演算処理が実行される。また、入力端子1には、図2に示す信号が入力されるものとする。説明を簡単にするために、この信号は、周波数±ω1をそれぞれ中心とする所望波信号成分14、15と、周波数±ω2をそれぞれ中心とするイメージ波信号成分16、17のみを含む信号となっているが、実際には、その信号は、図2に示す信号以外の周波数帯の不要信号も含んでいる。なお、所望波信号成分14の周波数ω1と、イメージ波信号成分16の周波数ω2と、ローカル周波数ωLOとには、(ω1+ω2)/2=ωLOという関係がある。
【0029】
入力端子1に入力されるRF信号は、2つに分岐される。その一方は入力端子4に入力されるローカル信号cos(ωLO×t)とミキサ2でミキシングされ、もう一方は入力端子5に入力されるローカル信号sin(ωLO×t)とミキサ3でミキシングされる。本実施形態では、ミキサ2でのローカル信号とミキサ3でのローカル信号とは位相が90度(π/2)ずれている。その結果、ミキサ2から、ダウンコンバージョンされた信号がI−信号として出力され、ミキサ3から、ダウンコンバージョンされた信号がQ−信号として出力される。Q−信号は、移相器6を通過することによって、位相が90度遅延する。なお、ローカル信号として、cos(ωLO×t)とsin(ωLO×t)とを用いる代わりに、ミキサ2、3で用いるローカル信号を両方cos(ωLO×t)とし、ミキサ3に入力されるRF信号を、ミキサ2に入力されるRF信号に較べてπ/2だけ遅延させてもよい。
【0030】
加算器7では、I−信号とQ−信号とが加算される。バンドパスフィルタ9は、この加算された信号から不要な周波数帯域の信号をカットする。仮に、I−信号の経路の利得とQ−信号の経路の利得とが完全につり合いを保っており、ミキサ2、3に入力される周波数ωLO(cos(ωLO×t)およびsin(ωLO×t))の信号の位相差が完全に90度になっており、移相器(位相シフタ)6における90度位相シフトが理想的に動作し、その他のI−信号の伝達経路とQ−信号の伝達経路の寄生的な位相回転量も完全に一致しているとすると、バンドパスフィルタ9の出力には、所望信号成分のみが現れる。しかし、実際には、I−信号の伝達経路の利得や位相とQ−信号の伝達経路の利得や位相とは、つり合いがとれておらず、移相器6による位相シフト量や周波数ωLOの信号の位相差には完全に90度ではないため、バンドパスフィルタ9の出力には、所望波信号成分と、減衰したイメージ波信号成分との和が現れる。ここで、所望波信号成分をX(t)、イメージ波信号成分をY(t)、入力端子1からバンドパスフィルタ9に至る経路のイメージ抑圧比をa(第1の比率)とすると、バンドパスフィルタ9の出力信号(第2の信号)を、
X(t)+aY(t) (1)
と表すことができる。なお、厳密には、バンドパスフィルタ9の出力信号には、入力端子1の入力からバンドパスフィルタ9の出力に至る伝達経路の利得と、位相回転を反映した係数が含まれるが、式(1)では、単純化のためにこれらが省略して記述されている。
【0031】
図3は、バンドパスフィルタ9から出力される出力信号を示す図である。図3に示すように、本実施形態の信号処理装置では、所望波信号成分14、15は、DC所望波信号成分26、27(X(t))にそれぞれダウンコンバージョンされ、イメージ波信号成分16、17は、抑圧されずに残留するDCイメージ信号成分28、29(aY(t))にそれぞれダウンコンバージョンされている。
【0032】
なお、残留したイメージ信号aY(t)の位相は、イメージ信号Y(t)のそれと一致しているとは限らない。つまり、aは複素数となる。入力端子1からバンドパスフィルタ9の出力に至る伝達経路の構成は、前述のように、従来技術として知られているハートレー型イメージリジェクションミキサの構成と同じであるため、aの絶対値の典型的な値は、−30dB程度となる。
【0033】
一方、減算器8では、I−信号からQ−信号を減算した差信号が出力される。この差信号は、バンドパスフィルタ9と同じ遮断特性を有するバンドパスフィルタ10に入力され、バンドパスフィルタ10から、差信号から不要な周波数帯域の成分がカットされた信号が出力される。
【0034】
仮に、I−信号の経路の利得とQ−信号の経路の利得とが完全につり合いがとれていて、ミキサ2、3に入力される周波数ωLOの信号の位相差が完全に90度となっていて、移相器(位相シフタ)6における90度位相シフトが理想的に動作していて、その他のI−信号の伝達経路とQ−信号の伝達経路の寄生的な位相回転量も完全に一致しているとすると、バンドパスフィルタ10の出力にはイメージ波信号成分のみが現れる。しかし、実際には、I−信号の伝達経路の利得と、Q−信号の伝達経路の利得とには、位相の不つり合いがあり、90度位相シフトや周波数ωLOの信号の位相差にも不完全性があるため、バンドパスフィルタの10の出力にはイメージ波信号成分と、減衰した所望波信号成分との和が現れる。ここで、所望波信号成分をX(t)、イメージ波信号成分をY(t)、入力端子1からバンドパスフィルタ10に至る伝達経路のイメージ抑圧比をb(第2の比率)とすると、バンドパスフィルタ10の出力信号を、
Y(t)+bX(t) (2)
と表すことができる。
【0035】
図4は、バンドパスフィルタ10から出力される出力信号を示す図である。図4に示すように、所望波信号成分14、15は、DC所望波信号成分33、32(bX(t))にそれぞれダウンコンバージョンされ、イメージ波信号成分16、17は、抑圧しきれずに残留したDCイメージ波信号成分30、31(Y(t))にダウンコンバージョンされる。なお、残留した所望信号bX(t)の位相は、元の所望波信号X(t)のそれと一致しているとは限らない。つまり、bは複素数となる。入力端子1からバンドパスフィルタ10に至る伝達経路の構成は、従来技術として知られているハートレー型イメージリジェクションミキサの一変形として知られている。したがって、bの絶対値の典型的な値も−30dB程度となる。
【0036】
バンドパスフィルタ9の出力信号は、AD変換器11でディジタル信号に変換される。同様に、バンドパスフィルタ10の出力信号はAD変換器12でディジタル信号に変換される。AD変換器11、12の出力ディジタル信号は、信号処理部13に入力される。
【0037】
信号処理部13は、AD変換器11の出力ディジタル信号を第2の信号とし、AD変換器12の出力ディジタル信号を第1の信号として、第2の信号に含まれるイメージ信号の成分を、第1の信号および第2の信号の相関と第1の信号とを用いて除去する。
【0038】
図5は、信号処理部13の具体的構成の一例を示す回路図である。信号処理部13の構成要素は、全てディジタル信号を処理するものである。ここでは、所望波信号の2乗X(t)2の時間平均値を|X|2と表し、イメージ波信号の2乗Y(t)2の時間平均値を|Y|2と表すことにする。信号処理部13は、AD変換器11の出力を入力する入力端子54と、AD変換器12の出力を入力する入力端子55とを備えている。図1では、入力端子54、55にはそれぞれ一本の線が繋がっているように示されているが、実際には、入力端子54、55には、AD変換器11、12から出力されるパラレル出力のディジタル信号を入力する複数のビット線が接続されている。
【0039】
まず、始めに、イメージ波信号の絶対値|Y|が所望波信号の絶対値|X|よりも10dB程度大きい場合、あるいは、イメージ波信号の絶対値|Y|が所望波信号の絶対値|X|よりも10dB以上程度大きい場合について考える。
【0040】
2乗平均計算ブロック59は、AD変換器12から出力される信号(第1の信号)の2乗平均値を計算する。AD変換器12の出力は、Y(t)+bX(t)であるので、これを2乗した結果は、Y(t)2+2bX(t)Y(t)+{bX(t)}2となる。一般に、X(t)とY(t)とは無相関であることから、2bX(t)Y(t) の時間平均値は0になる。したがって 2乗平均計算ブロック59の出力は、|Y|2+{|b||X|}2となる。なお、|b|は、bの絶対値を表す。ここで、|b|の典型的な値が−30dB程度であることを考慮すると、|X|が|Y|と同程度かそれ以下であれば、2乗平均計算ブロック59の出力は近似して|Y|2とすることができる。ここで考慮されているのは、|Y|が|X|よりも10dB程度大きい場合、若しくは|Y|が|X|よりも10dB以上大きい場合なので、この近似は充分成り立つ。
【0041】
ミキサ56では、AD変換器11の出力とAD変換器12の出力との乗算、すなわち第2の信号と第1の信号との乗算が実行される。なお、ミキサ56は、実際には、ディジタルミキサ、すなわちマルチプライヤである。ミキサ56の出力は、{X(t)+aY(t)}×{Y(t)+bX(t)}=bX(t)2+(1+ab)X(t)Y(t)+aY(t)2となる。
【0042】
平均計算ブロック57は、ミキサ56の出力の時間平均値を計算する。一般に、X(t)とY(t)とは無相関であるため、X(t)Y(t) の時間平均値は0となる。また、ここでは、|Y|が|X|よりも10dBかあるいはそれ以上に大きい場合を仮定しており、|a|と|b|は、同程度であると考えられることから、平均計算ブロック57の出力を、Re(a)|Y|2と近似することができる。なお、Re(a)は、aの実部を表す。
【0043】
ミキサ70では、AD変換器12の出力(第1の信号)の位相をディジタル領域の移相器(位相シフタ)69で90度遅延させた信号と、AD変換器11の出力(第2の信号)との乗算が実行される。平均計算ブロック71は、ミキサ70の出力の時間平均値を計算する。X(t)とY(t)は無相関であること、|a|と|b|が同程度であること、|Y|が|X|よりも10dBかあるいはそれ以上に大きい場合を仮定していることを考慮すると、平均計算ブロック71の出力は、Im(a)|Y|2となる。なお、Im(a)はaの虚部を表す。
【0044】
各平均計算ブロック57、59、71の出力は、それぞれ対数圧縮回路58、60、72で対数値に変換される。つまり、対数圧縮回路58、60、72の出力は、それぞれlog {Re(a)|Y|2}、log{|Y|2}、log{Im(a)|Y|2}となる。
【0045】
減算器61は、対数圧縮回路58の出力log {Re(a)|Y|2}と対数圧縮回路60の出力log{|Y|2}との差を出力する。つまり、減算器61の出力は、log{Re(a)}となる。減算器73は、対数圧縮回路72の出力と対数圧縮回路60の出力との差を出力する。つまり、減算器73の出力は、log{Im(a)}となる。
【0046】
可変利得増幅器62、74は、減算器61、73の出力値の入力によってその利得が制御されるディジタル可変増幅器である。可変利得増幅器62は、AD変換器12の出力(第1の信号)を、減算器61の出力のエクスポネンシャル倍に増幅する。したがって、増幅器62の出力は、Re(a){Y(t)+bX(t)}となる。同様に、増幅器74の出力は、J・Im(a){Y(t)+bX(t)}となる。
【0047】
なお、対数圧縮回路58、60、減算器61を除算器で置き換え、対数圧縮回路60、72、減算器73をもう1つの除算器で置き換え、可変利得増幅器62、74をディジタル領域のミキサ、すなわち乗算器で置き換えても、同様の機能が実現される。
【0048】
加算器75では、可変利得増幅器62の出力と可変利得増幅器74の出力の和が得られる。したがって、加算器75の出力は、a{Y(t)+bX(t)}となる。減算器63では、AD変換器11の出力(第2の信号)から、加算器75の出力が差し引かれる。したがって、減算器63の出力は、{X(t)+aY(t)}−a{Y(t)+bX(t)}=X(t)−abX(t)となる。つまり、第2の信号からイメージ信号波成分Y(t)が除去された信号が減算器63から出力され、スイッチ67が減算器63側に投入されている場合には、この信号が出力端子68から外部に出力される。
【0049】
信号処理部13の作用、すなわち出力信号にイメージ成分として含まれる信号成分を除去するの作用についての上記説明は、|Y|が|X|よりもある程度以上(上記の説明では10dB)大きい場合についてのものである。
【0050】
これに対し、例えば、|Y|が|X|と同程度か、それ以下である場合、上述した信号処理部13での信号処理では、イメージ抑圧比をかえって劣化させる。信号処理部13には、このような場合に対応する仕組みも組み込まれている。以下、その仕組みについて説明する。
【0051】
2乗平均計算ブロック64(第2の強度検出手段)は、AD変換器11から出力される信号(第2の信号)の2乗平均値を計算して出力する。X(t)とY(t)は無相関であることを考慮すると、AD変換器11の出力X(t)+aY(t)を2乗平均した結果は|X|2+{|a||Y|}2となる。対数圧縮回路65は、これを対数に変換して出力する。つまり、対数圧縮回路65の出力は、log{|X|2+{|a||Y|}2}となる。一方、前述のように、2乗平均ブロック59(第1の強度検出手段)、対数圧縮回路60により、AD変換器12の出力信号(第1の信号)は、2乗平均化され、対数化されて出力される。対数圧縮回路60の出力は、log{|Y|2+{|b||X|}2}となる。減算器77では、計算ブロック65の出力log{|X|2+{|a||Y|}2}と計算ブロック60の出力log{|Y|2+{|b||X|}2}との差が得られる。つまり、減算器77の出力は、log[[|X|2+{|a||Y|}2]/[|Y|2+{|b||X|}2]]となる。|a|と|b|の典型的な値が−30dB程度であることを考慮すると、|X|の強度が|Y|の強度+30dBよりも大きい場合は、減算器77の出力はほぼlog{1/|b|2}となり、これをdBに換算すると+30dBとなる。一方、|X|と|Y|の強度比が−30dBから+30dBの範囲では、減算器77の出力は、log{|X|2/|Y|2}に近似することができる。また、|X|の強度が|Y|の強度−30dBよりも小さいとすると、減算器77の出力は、ほぼlog{|a|2}となり、dBに換算すると−30dBとなる。つまり、減算器77の出力は、その出力値の上限がlog{1/|a|2}で、下限がlog{|a|2}で飽和するものの、基本的には|X|と|Y|の強度比、すなわち所望波とイメージ波(妨害波)との強度比をdBに換算した数値となる。この減算器77の出力はコンパレータ66に入力され、減算器77の出力があるしきい値を越える場合には、スイッチ67は、入力端子54へ直結する方に切り替えられ、そうでないときにはスイッチ67を減算器63に繋がる方に切り替えられる。なお、このしきい値は、−30dB以上30dB以下であるのが望ましい。
【0052】
以上述べたように、本実施形態の信号処理装置によれば、所望波の強度と妨害波の強度の比が、あるしきい値を越える場合には、AD変換器11の出力、つまり、従来技術であるハートレー型イメージリジェクションミキサの出力をそのまま信号処理部13の出力端子68から外部に出力することができる。この場合には、所望波と妨害波の強度比がある程度以上となっているので、従来技術であるハートレー型イメージリジェクションミキサにおいて得られる程度のイメージ抑圧比でも、その後の復調ブロック等での信号処理に差し支えない程度のS/N比を得ることができる。
【0053】
一方、所望波の強度と妨害波の強度との比が、あるしきい値を下回る場合には、AD変換器11の出力(第2の信号)とAD変換器12の出力(第1の信号)を利用して、イメージ抑圧比を高めた信号が、信号処理部13の出力端子68から外部に出力される。なお、この動作は、所望波に比べイメージ波(妨害波)の強度がある程度以上大きく、従来技術であるハートレー型イメージリジェクションミキサでは、イメージ抑圧比が不充分な場合において有効となる。
【0054】
また、イメージ波の強度が所望波の強度よりも大きい場合に、従来のハートレー型イメージリジェクションミキサでは、イメージ除去比が不足する。この場合も、本実施形態の信号処理装置では、イメージ抑圧比が高められた信号が、信号処理部13の出力端子68から外部に出力される。さらに、イメージ波の強度がさほど強くない場合に関しては、ハートレー型イメージリジェクションミキサと同じとしても充分対応することができるため、本実施形態の信号処理装置は従来のハートレー型イメージリジェクションミキサの出力と同じように、加算器7(図1)の出力(和信号、すなわち第2の信号)がそのまま出力されるので、やはり充分なイメージ抑圧比が得られる。
【0055】
本実施形態の信号処理装置によれば、イメージリジェクションミキサを構成するトランジスタや受動素子のばらつき、さらには素子特性の温度変動等を考慮した場合に、イメージ除去比が30dB程度にとどまってしまうという問題を解決することができる。
【0056】
また、前述のように、他の従来技術として紹介した、ダウンコンバージョンミキサの前にイメージ除去フィルタを入れる方法では、所望波の周波数とイメージ波の周波数とが近接しているため、イメージ波に対するロスとともに所望波に対するロスも大きくなり、受信装置の特性を劣化させるという問題がある。また、このようなイメージ除去フィルタは、対象信号の周波数帯がRF信号帯となるので、半導体チップに集積化することが不可能であり、小型化や低コスト化の点で問題がある。本実施形態の信号処理装置では、このような問題は本質的には発生しない。
【0057】
さらに、別の従来技術として紹介した、ミキサや位相シフタの特性を外部からチューニングできるようにしておき、イメージ抑圧比が高くなるようにフィードバック制御する方法では、そもそも無線機の中でイメージ抑圧比を動的に把握することが困難であること、温度変化に伴う素子特性の変化まで補償することが困難であること、フィードバック制御のために新たに付加した部品に要求される動作精度が高いこと等の理由により、高コストであったり、分留りが劣化したり、またそもそも実用に供するだけの特性を得ることが難しいなどの問題がある。本実施形態の信号処理装置では以上のような問題点も発生しない。
【0058】
なお、本実施形態では、図1に示すように、ミキサ2、3に入力されるローカル信号として、位相差が90度あるcosωLDtとsinωLDtとを用いたが、ミキサ2、3に入力されるローカル信号の位相差を同じとし、ミキサ2、3にそれぞれ入力されるRF信号の位相差を90度としてもよい。
【0059】
また、本実施形態では、図1に示すように、位相遅延手段として移相器6を備えることとしたが、ミキサ2によって変換されたI−信号の位相をα度だけ進ませる移相器と、ミキサ3によって変換されたQ−信号の位相を90−α度だけ遅らせる移相器とで位相遅延手段を構成するようにしてもよい。このとき、αを0度とすれば、図1と等価となり、αを90度とすれば、逆に、I−信号を90度進ませることになる。
【0060】
(第2の実施形態)
以上、第1の実施形態では、本発明の最も好ましい実施形態であるディジタル信号処理を実行する信号処理装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アナログ信号処理を実行する信号処理装置にも適用することができる。以下、第2〜第4の実施形態では、アナログ信号処理を実行する本発明の信号処理装置の実施形態について説明する。
【0061】
まず、本発明の第2の実施形態の信号処理装置について説明する。図6は、本実施形態の信号処理装置の構成を示すブロック図である。図6に示すように、入力端子1に加えられる信号は2つに分岐され、一方はミキサ2において端子4に入力されるローカル信号cos(ωLO×t)とミキシングされる。ミキサ2でダウンコンバージョンされた信号がI−信号となる。もう一方の入力信号は、ミキサ5において端子5に加えられるsin(ωLO×t)とミキシングされる。ミキサ5でダウンコンバージョンされた信号がQ−信号となる。Q−信号は、移相器6を通過することによって、位相が90度遅れる。
【0062】
加算器7ではI−信号とQ−信号とが加算される。この加算された信号(第2の信号)をバンドパスフィルタ9に通過させ、その信号から不要な周波数帯域の信号成分をカットする。バンドパスフィルタ9の出力としては、所望波信号成分と減衰したイメージ波信号成分との和が得られる。減算器8では、I−信号とQ−信号の差が得られる。この差信号(第1の信号)をバンドパスフィルタ9と同じ遮断特性を有するバンドパスフィルタ10に通過させることによって、その差信号から不要な周波数帯域の信号成分をカットする。バンドパスフィルタ10の出力としては、イメージ波信号成分と減衰した所望波信号成分との和が得られる。なお、本実施形態の信号処理装置では、アナログ信号がそのまま処理されるため、AD変換器は挿入されていない。
【0063】
2乗平均計算ブロック43、38は、バンドパスフィルタ9、10が出力する信号(第2の信号と第1の信号)の2乗平均値、すなわち平均電力をそれぞれ計算して出力する。ミキサ35では、バンドパスフィルタ9の出力とバンドパスフィルタ10の出力との乗算が実行される。ローパスフィルタ36は、ミキサ35の出力成分のうち、直流付近の成分(低周波成分)だけを出力する。ローパスフィルタ36、2乗平均計算ブロック38、43の各出力は、それぞれ対数圧縮回路37、39、44で対数値に変換される。減算器40は、対数圧縮回路37の出力値から対数圧縮回路39の出力値の差を求める。減算器40の出力値にしたがって、可変利得増幅器41の利得は制御される。可変利得増幅器41は、その利得が、ローパスフィルタ36の出力値を2乗平均計算ブロック38の出力値で除算した値に等しくなるように設計されている。つまり、可変利得増幅器41は、減算器40の出力する対数値を入力し、これをdBで記述した利得に線形に写像する機能を有している。減算器42では、バンドパスフィルタ9の出力(第2の信号)から、可変利得増幅器41の出力が差し引かれる。減算器84は、対数圧縮回路44の出力値と対数圧縮回路39の出力値との差を出力する。減算器84の出力はコンパレータ45に入力される。減算器84の出力値が予め定められたコンパレータ45のしきい値を越えた場合、スイッチ46は、バンドパスフィルタ9の出力側に切り替えられ、そうでない場合には、減算器42側に切り替えられる。出力端子47は、スイッチ46から出力された信号を外部に出力する。
【0064】
例えば、90度の移相器6の精度が高く、ミキサ2、3に与えるローカル信号の位相差の精度が高く、入力端子1から加算器7の直前までの伝達経路の利得と、入力端子1から減算器8の直前までの伝達経路の利得とに差がある場合には、バンドパスフィルタ9の出力に含まれるイメージ波信号成分の位相と、バンドパスフィルタ10の出力に含まれるイメージ波信号成分の位相は同相、もしくは逆相になる。本実施形態の信号処理装置は、このような場合におけるイメージ抑圧比の改善に特に有効である。
【0065】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態の信号処理装置について説明する。図7は、本実施形態の信号処理装置の構成を示すブロック図である。本実施形態の信号処理装置は、バンドパスフィルタ10の出力直後に入力した信号を90度遅延させる移相器48が挿入されている点が、第2の実施形態の信号処理装置と異なっている。
【0066】
例えば、入力端子1から加算器7の直前までの伝達経路の利得と、入力端子1から減算器8の直前までの伝達経路の利得とはバランスよくつり合っているが、90度の移相器6の精度や、ミキサ2、3に与えるローカル信号の位相差の精度が悪い場合には、バンドパスフィルタ9の出力に含まれるイメージ波信号成分の位相と、バンドパスフィルタ10の出力に含まれるイメージ波信号成分の位相とは90度ずれる。本実施形態の信号処理装置は、このような場合におけるイメージ抑圧比の改善に特に有効である。
【0067】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態の信号処理装置について説明する。図8は、本実施形態の信号処理装置の構成を示すブロック図である。本実施形態の信号処理装置は、90度の移相器48と、ミキサ49と、ローパスフィルタ50と、対数圧縮回路51と、減算器76と、可変利得増幅器52と、加算器53とさらに備えている点が、図6に示す第2の実施形態の信号処理装置と異なっている。
【0068】
このうち、ミキサ49と、ローパスフィルタ50と、対数圧縮回路51と、減算器76と、可変利得増幅器52とで構成されているブロック(図8では、点線で示されている)は、図6に示すミキサ35と、ローパスフィルタ36と、対数圧縮回路37と、減算器40と、可変利得増幅器41とで構成されるブロックと同じ構成であり、それらと同じ様に動作する。
【0069】
可変利得増幅器41は、バンドパスフィルタ9の出力に含まれるイメージ波信号成分のうち、バンドパスフィルタ10の出力に含まれるイメージ波信号成分と同位相、もしくは逆位相の成分をうち消すための信号を出力する。
【0070】
一方、図8の構成で追加された可変利得増幅器52は、その入力部に移相器48が挿入されていることから、バンドパスフィルタ9の出力に含まれるイメージ波信号成分のうちの、バンドパスフィルタ10の出力に含まれるイメージ波信号成分と90度の位相差を有する成分をうち消すための信号を出力する。可変利得増幅器41の出力と可変利得増幅器52の出力とは加算器53で加算される。得られた和信号を減算器42でバンドパスフィルタ9の出力信号から差し引くことによって、バンドパスフィルタ9の出力信号に含まれるイメージ波信号成分の除去が実行される。本実施形態の信号処理装置では、バンドパスフィルタ9の出力信号に含まれるイメージ波の信号成分の位相が、どれだけ回転しているかに関係なく、イメージ除去比の改善が可能である。
【0071】
(第5の実施形態)
以上、第2〜第4の実施形態の信号処理装置において、アナログ信号処理を実行する本発明の信号処理装置の実施形態について説明した。以降、第5〜第11の実施形態において、第1の実施形態において説明したディジタル信号処理を実行する信号処理装置の他の実施形態について説明する。第5〜第11の実施形態の信号処理装置は、信号処理部13の構成および動作のみが異なっている。
【0072】
まず、本発明の第5の実施形態について説明する。図9は、本実施形態の信号処理装置における信号処理部13の構成を示すブロック図である。図9に示す信号処理部13の構成要素は、全てディジタル信号を処理するものである。信号処理部13は、入力端子54、55という2つの信号入力端子を備えている。第1の実施形態と同様に、AD変換器11の出力(第2の信号)は、入力端子54に入力され、AD変換器12の出力(第1の信号)は入力端子55に入力されている。2乗平均計算ブロック64は、入力端子54から入力された入力信号(第2の信号)の2乗平均値を計算して出力し、2乗平均計算ブロック59は、入力端子55から入力された入力信号(第1の信号)の2乗平均値を計算して出力する。
【0073】
ミキサ56では、前述の2つの入力信号の乗算が実行される。平均計算ブロック57は、ミキサ56の出力の時間平均値を出力して出力する。平均計算ブロック57、2乗平均計算ブロック59、64の出力は、対数圧縮回路58、60、65で対数値に変換される。減算器61は、対数圧縮回路58の出力値から対数圧縮回路60の出力値の差を求めて出力する。減算器61の出力値に応じて、ディジタル領域の可変利得増幅器62の利得が制御される。なお、対数圧縮回路58、60、減算器61で構成されるブロックを除算器で置き換え、可変利得増幅器62を乗算器で置き換えても同様の機能が実現される。減算器63は、入力端子54から入力された入力信号(第2の信号)から、可変利得増幅器62の出力を差し引いて出力する。減算器77は、対数圧縮回路65の出力値から対数圧縮回路60の出力値の差を求めて出力する。減算器77の出力は、コンパレータ66に入力され、減算器77の出力値がコンパレータ66における所定のしきい値を越えた場合には、スイッチ67は、入力端子54側に接続され、そうでない場合は、減算器63側に接続される。出力端子68は、スイッチ67から出力された信号を出力する。本実施形態における信号処理装置は、図6に示す第2の実施形態のアナログの信号処理装置と同様に、入力端子54より入力される信号に含まれるイメージ波信号成分の位相と、入力端子55より入力される信号に含まれるイメージ波信号成分の位相とが同相、もしくは逆相になる場合におけるイメージ抑圧比の改善に特に有効である。
【0074】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。図10は、本実施形態の信号処理装置における信号処理部13の構成を示すブロック図である。本実施形態の信号処理装置における信号処理部13は、入力端子55の直後に、ディジタル領域の90度の移相器69が設けられている点が、図9に示す信号処理部13と異なっている。本実施形態の信号処理装置は、図7に示す第3の実施形態のアナログの信号処理装置と同様に、入力端子54より入力される信号(第2の信号)に含まれるイメージ波信号成分と、入力端子55より入力される信号(第1の信号)に含まれるイメージ波信号成分とが90度の位相差を有する場合におけるイメージ抑圧比の改善に特に有効である。
【0075】
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。図11は、本実施形態の信号処理装置における信号処理部13の構成を示すブロック図である。この信号処理部13は、図9に示した実施形態の構成に加えて、90度の移相器69と、ミキサ70と、ローパスフィルタ71と、対数圧縮回路72と、減算器73と、可変利得増幅器74と、加算器75とが追加された構成となっている。信号処理部13の動作は、図8に示した第4の実施形態の、バンドパスフィルタ9、10より後のブロックの動作を、ディジタル領域で実現したものである。したがって、本実施形態の信号処理装置は、図8に示す第4の実施形態と同様に、入力端子54から入力される信号に含まれるイメージ波信号成分の位相が、どれだけ回転しているかに関係なく、イメージ除去比の改善が可能である。
【0076】
(第8の実施形態)
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。図12は、本実施形態の信号処理装置における信号処理部の構成を示すブロック図である。図12に示すように、この信号処理部13は、入力端子78に外部から入力される信号でスイッチ67を制御する点が、図11に示す信号処理部13と異なっている。そのため、この信号処理部13には、図11に示す信号処理部13の構成要素であるスイッチ67を制御するための2乗平均計算ブロック64と、対数圧縮回路65と、コンパレータ66と、減算器77とが省略されている。
【0077】
(第9の実施形態)
次に、本発明の第9の実施形態について説明する。図13は、本実施形態の信号処理装置における信号処理部13の構成を示すブロック図である。本実施形態の信号処理装置における信号処理部13の構成は、コンパレータ66のしきい値を、入力端子82を介して外部から入力可能である点以外は、図11に示す第7の実施形態における信号処理部13の構成と同じである。
【0078】
(第10の実施形態)
次に、本発明の第10の実施形態の信号処理装置について説明する。図14は、本実施形態における信号処理装置における信号処理部13を含むディジタル信号処理を実行する部分を示す図である。この信号処理部13の構成は、図12に示す信号処理部13の構成と同じである。本実施形態では、信号処理部13の出力端子68に、信号処理回路79(第1の信号処理回路)が接続されている。この信号処理回路79では、出力端子68から出力された信号の復調処理とエラーレートの検出処理とエラー訂正処理とが実行される。信号処理回路79で復調・エラー訂正された信号は、出力端子81から外部に出力される。
【0079】
信号処理回路79で検出されたエラーレートは、信号処理回路79のもう1つの出力端子から出力され、他の信号処理回路80(第2の信号処理回路)に入力される。信号処理回路80は、エラーレートがあるしきい値を越えた場合に、スイッチ67を切り替える信号を、入力端子78を介してスイッチ67に入力する。また、信号処理回路80は、スイッチ67の切り替え後のエラーレートをモニタし、切り替え前より切り替え後の方が、エラーレートが上がった場合には、スイッチ67を元に戻す信号を発生する。その後、信号処理回路80は、所定の時間内は、エラーレートがしきい値を越えてもスイッチ67の切り替えを行う。
【0080】
本実施形態の信号処理装置は、信号処理回路79、80を用いてスイッチ67の切り替えを行うことによって、受信信号のエラーレートが低くなるようなイメージ除去機能のオン/オフ制御を実行することができるようになる。
【0081】
(第11の実施形態)
次に、本発明の第11の実施形態の信号処理装置について説明する。図15は、本実施形態における信号処理部13を含むディジタル信号処理部を示す図である。図15に示すように、信号処理装置13の構成は、図13に示す信号処理部13と同じ構成となっている。本実施形態では、信号処理部13の出力端子68に、信号処理回路79(第1の信号処理回路)が接続されており、信号処理回路80(第2の信号処理回路)が入力端子82を介してコンパレータ66と接続されている。
【0082】
信号処理回路79では、出力端子68から出力された信号の復調処理とエラーレートの検出処理とエラー訂正処理とが実行される。信号処理回路79で復調・エラー訂正された信号は出力端子81から外部に出力される。信号処理回路79で検出されたエラーレートは、信号処理回路79のもう1つの出力端子から出力され、他の信号処理装置80に入力される。信号処理回路80は、コンパレータ66のしきい値を常に微小量だけ変更していき、その時点におけるエラーレートの変動をモニタする。そして、信号処理回路80は、コンパレータ66のしきい値の時間平均値を、エラーレートが最小になるように常に制御する。ただし、信号処理回路80は、エラーレートが、所定の値よりも小さくなった場合には、コンパレータ66のしきい値の微小量変更処理としきい値の最適化処理とを停止する。
【0083】
本実施形態の信号処理装置では、信号処理回路79、80を用いてスイッチ67の切り替えを行うことによって、受信信号のエラーレートが低くなるようにコンパレータ66のしきい値を動的に最適化することができるようになる。
【0084】
なお、第1〜第12の実施形態では、第2の信号を加算器7から出力された信号とし、第1の信号を減算器8から出力された信号としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2の信号が減算器8から出力された信号で、第1の信号が加算器7から出力された信号であってもよい。つまり、減算器8から出力された信号から、各信号の相関と加算器7から出力された信号とに基づいて、イメージ波の成分を除去するような構成であってもよい。
【0085】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の信号処理装置では、イメージ波が抑圧された第1の信号における所望波に対するイメージ波のイメージ抑圧比を算出し、所望波が抑圧された第1の信号にそのイメージ波抑圧比を乗算した信号を第2の信号から減算することによって得られる信号を出力する信号処理回路を備える。こうすることによって、第2の信号に含まれるイメージ波の残留成分を完全に除去することができるようになるため、信号処理の過程で発生する、不要なイメージ信号成分の所望信号成分への重畳を抑制することができる。
【0086】
また、本発明の信号処理装置では、第2の信号の2乗平均の対数値と、第1の信号の2乗平均の対数値との差、すなわち所望波の強度とイメージ波の強度との比が所定の値を越える場合には、加算手段の出力をそのまま出力する。このようにすれば、イメージ波の強度がさほど強くない場合には、出力を従来と同様にすることによって、不必要なイメージ波抑制による所望波の受信特性の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の信号処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の信号処理装置に入力される信号を示す図である。
【図3】バンドパスフィルタ9から出力される出力信号を示す図である。
【図4】バンドパスフィルタ10から出力される出力信号を示す図である。
【図5】信号処理部13の具体的構成の一例を示す回路図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施形態の信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第5の実施形態の信号処理装置における信号処理部13の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第6の実施形態の信号処理装置における信号処理部13の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第7の実施形態の信号処理装置における信号処理部13の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第8の施形態の信号処理装置における信号処理部13の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第9の実施形態の信号処理装置における信号処理部13の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第10の実施形態における信号処理装置における信号処理部13を含むディジタル信号処理を実行する部分を示す図である。
【図15】本発明の第11の実施形態における信号処理部13を含むディジタル信号処理部を示す図である。
【図16】従来技術による典型的なイメージリジェクションミキサであるハートレー(Hartley)のイメージリジェクションミキサの構成を示すブロック図である。
【図17】図16に示すハートレーイメージリジェクションミキサに入力される入力信号の周波数分布の一例を示すグラフである。
【図18】ミキサ2における、入力信号からI−信号へのダウンコンバージョンの様子を示す図である。
【図19】ミキサ3における、入力信号からQ−信号へのダウンコンバージョンの様子を示す図である。
【図20】ダウンコンバージョンされた信号の成分を示す図である。
【図21】イメージ信号の抑圧が不完全な状態の一例を示す図である。
【符号の説明】
1、4、5 入力端子
2、3 ミキサ
6 移相器
7 加算器
8 減算器
9、10 バンドパスフィルタ
11、12 AD変換器
13 信号処理部
14、15 所望波信号成分
16、17 イメージ波信号成分
18、19、22、23、 ダウンコンバージョン(DC)所望波成分
20、21、24、25、30、31 DCイメージ波成分
26、27、28、29、32、33 DC所望波成分
34 出力端子
35、49、56、70 ミキサ
36、50 ローパスフィルタ
37、39、44、51、58、60、65、72 対数圧縮回路
38、43、59、64 2乗平均計算ブロック
40、42、61、63、73、76、84 減算器
41、52、62、74 可変利得増幅器
45、66 コンパレータ
46、67 スイッチ
47、68、81 出力端子
48、69 移相器
54、55、78、82 入力端子
57、71 平均計算ブロック
75 加算器
79、80 信号処理回路

Claims (21)

  1. 所定の周波数を有する第1の周期信号によって入力信号の周波数を変換する第1の周波数変換手段と、前記所定の周波数を有し、前記第1の周期信号との位相差が略90度である第2の周期信号によって前記入力信号の周波数を変換する第2の周波数変換手段と、前記第1の周波数変換手段によって変換された信号と前記第2の周波数変換手段によって変換された信号との位相差をπ/2増加させる位相遅延手段と、該位相遅延手段によって位相差が増加した各信号の和信号を出力する加算手段とを備える信号処理装置において、
    前記第1の周波数変換手段によって変換された信号と前記位相遅延手段によって遅延した信号との差信号を出力する減算手段と、
    前記和信号か前記差信号のいずれか一方の信号を第1の信号とし、他方の信号を第2の信号として、該第2の信号に含まれるイメージ信号の成分を、前記第1の信号および前記第2の信号の相関と前記第1の信号とを用いて前記第2の信号から前記第1の信号および前記第2の信号の相関の大きさに応じて前記第1の信号を減算することで除去する信号処理部とをさらに備えることを特徴とする信号処理装置。
  2. 前記信号処理部は、前記第1の信号を2乗した値の低周波成分に対する、前記第1の信号と前記第2の信号との相関値の低周波成分の比率である第1の比率を求める処理を実行し、前記第1の信号を前記第1の比率だけ増幅した信号を、前記第2の信号から減算したときの減算値を求める処理を実行する請求項1記載の信号処理装置。
  3. 前記信号処理部は、前記第1の信号の位相をπ/2遅延させてから前記各処理を実行する請求項1または2記載の信号処理装置。
  4. 前記信号処理部は、前記第1の信号を2乗した値の低周波成分に対する、前記第1の信号と前記第2の信号との相関値の低周波成分の比率である第1の比率を求めて前記第1の信号を前記第1の比率で増幅する処理を実行し、前記第1の信号を2乗した値の低周波成分に対する、前記第1の信号をπ/2だけ遅延した信号と前記第2の信号との相関値の低周波成分の比率である第2の比率を求めて前記第1の信号をπ/2だけ遅延した信号を前記第2の比率で増幅する処理を実行し、前記第1の比率で増幅された信号と前記第2の比率で増幅された信号との和信号を、前記第2の信号から減算したときの減算値を求める処理を実行する請求項1記載の信号処理装置。
  5. 前記第1の比率は、前記第1の信号と前記第2の信号との乗算信号の低周波成分の対数値から、前記第1の信号を2乗した値の低周波成分の対数値を減算した値である請求項2から4のいずれか1項記載の信号処理装置。
  6. 前記第2の比率は、前記第1の信号をπ/2だけ遅延した信号と前記第2の信号との乗算信号の低周波成分の対数値から、前記第1の信号を2乗した値の低周波成分の対数値を減算した値である請求項4または5記載の信号処理装置。
  7. 前記第2の信号は和信号であって、前記信号処理部は、前記減算値を出力するか、前記第2の信号を出力するかを切り替えるための切り替え手段を有する請求項2から6のいずれか1項記載の信号処理装置。
  8. 前記信号処理部は、前記切り替え手段を切り替えるための信号が入力される入力端子をさらに有する請求項7記載の信号処理装置。
  9. 前記信号処理部より出力された信号のエラーレートを検出する第1の信号処理回路と、
    前記エラーレートを監視し、前記エラーレートが小さくなる方に前記切り替え手段を切り替える信号を前記入力端子に入力する第2の信号処理回路とをさらに有する請求項8記載の信号処理装置。
  10. 前記信号処理部は、
    前記第1の信号の強度を検出する第1の強度検出手段と、
    前記第2の信号の強度を検出する第2の強度検出手段とを備え、
    前記第1の信号の強度に対する、前記第2の信号の強度の比がしきい値を越えた場合には、前記第2の信号を出力する側に前記切り替え手段を切り替える請求項7記載の信号処理装置。
  11. 前記信号処理部は、前記しきい値を変更するための信号が入力される入力端子をさらに有する請求項10記載の信号処理装置。
  12. 前記信号処理部より出力された信号のエラーレートを検出する第1の信号処理回路と、
    前記エラーレートを監視し、前記エラーレートが最小となるように前記しきい値を変更するための信号を前記入力端子に入力する第2の信号処理回路とをさらに有する請求項11記載の信号処理装置。
  13. 前記しきい値は、−60dB以上30dB以下である請求項10から12のいずれか1項記載の信号処理装置。
  14. 前記第1の信号が前記信号処理部に入力される前に前記第1の信号をディジタル変換する第1のAD変換器と、
    前記第2の信号が前記信号処理部に入力される前に前記第2の信号をディジタル変換する第2のAD変換器とをさらに備え、
    前記信号処理部は、ディジタル演算で各処理を実行する請求項1から13のいずれか1項記載の信号処理装置。
  15. 前記第1の信号から不要な周波数帯域の信号成分をカットする第1のフィルタと、
    前記第2の信号から不要な周波数帯域の信号成分をカットする第2のフィルタとをさらに備える請求項1から14のいずれか1項記載の信号処理装置。
  16. 前記第1のフィルタおよび前記第2のフィルタは、特定帯域の成分を通過させるバンドパスフィルタである請求項15記載の信号処理装置。
  17. 前記第2の周期信号は、前記第1の周期信号とは位相がπ/2だけ遅延している請求項1から16のいずれか1項記載の信号処理装置。
  18. 前記第1の周波数変換手段に入力される入力信号と、前記第2の周波数変換手段に入力される入力信号との位相差をπ/2とする位相遅延手段をさらに備える請求項1から16のいずれか1項記載の信号処理装置。
  19. 前記位相遅延手段は、
    前記第1の周波数変換手段によって変換された信号の位相を、α進ませる移相器と、
    前記第2の周波数変換手段によって変換された信号の位相を、(π/2−α)遅らせる移相器とから構成されている請求項1から18のいずれか1項記載の信号処理装置。
  20. αは0である請求項19記載の信号処理装置。
  21. αはπ/2である請求項19記載の信号処理装置。
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