JP4009112B2 - 気体圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の空調などに使用され、冷媒ガス等の気体を圧縮して吐出する気体圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記気体圧縮機の一例を図12〜14に示す。この圧縮機を図に基づいて説明すると、気体圧縮部として、内周が筒状のシリンダ5と、該シリンダ5の軸方向両端部にあるフロントサイドブロック6およびリアサイドブロック7と、前記シリンダ5内に回転可能に配置されたロータ11と、該ロータ11に設けられたベーン溝に進退可能に収容されたベーン15とを有している。上記ロータ11とベーン15とシリンダ5とで仕切られてシリンダ圧縮室が形成されている。上記各部材はフロントハウジング1aおよびリアハウジング1bに内蔵されており、フロントハウジング1aは冷媒の吸入口2を有し、リアハウジング1bは吐出口3を有している。前記フロントハウジング1a内には、前記吸入口2に連通する吸入室4が設けられており、該吸入室4と前記シリンダ圧縮室とが連通している。また、リアハウジング1bの前方側に内蔵されたリアサイドブロック7と、リアハウジング1bの後方側とで形成される空間内には吐出室8が設けられている。
【0003】
なお、リアハウジング7の後端面側には、上記シリンダ圧縮室に連通するようにして、油分離器80が設置されている。
前記油分離器80は、サイクロン式の油分離器であって、図13、14に示されるように、外側筒体81と内側筒体82を同心に配し、上下端部が一部を除いて封止されて縦に配置されているものであり、外側筒体81および内側筒体82の間と内側筒体内に圧縮気体通路83、84が形成されている。外側筒体81の上部側壁は、シリンダ圧縮室に連通し、内側筒体82の下方部が開口して底部と間隙を有して外側の圧縮気体通路83と内側の圧縮気体通路84とが連通している。また、内側筒体82の上方は上記吐出室8に開口しており、外側筒体81の底部に油抜き孔85が形成されている。油分離器80を設置した吐出室8の下部には油溜まり部21が形成されており、油溜まり部21の潤滑油は、圧縮気体内部での圧力差により送り出され、圧縮機内での摩耗防止や油膜によるシールに供される。この際に一部の潤滑油が圧縮気体に取り込まれて圧縮気体とともに移動する。
【0004】
上記気体圧縮機の動作について説明する。ロータ11を回転させると、ベーンの動作により圧縮室への吸引力が発生し、冷媒ガスを吸引する。吸引された冷媒ガスは、上記圧縮室で順次圧縮され、リアサイドブロック7の圧縮気体通路7aを通して油分離器80に吐出される。油分離器80に吐出された圧縮気体は、図14のように筒状の気体通路83を周回し、ここで遠心分離作用により、潤滑油と高圧冷媒に分離され、潤滑油は外側筒体81の油抜き孔85を通して前記油溜まり部21へと流れ、高圧冷媒は内側筒体82の内側の気体通路84を通って上端の開口から吐出室8へと吐出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記に説明した従来の気体圧縮機に設置された油分離器80では、圧縮気体が外側筒体81の内壁に沿って周回する際に、圧縮気体に含まれた潤滑油を十分に分離できず、空調を構成するエバポレータやコンデンサ側に、潤滑油を多く含んだ圧縮気体を供給してしまい、空調効率を低下させるという問題点があった。また、多くの潤滑油が圧縮気体とともに吐出されると圧縮気体内部の潤滑油が不足するという問題もある。
【0006】
本発明は上記事情を背景としてなされたものであり、圧縮気体と潤滑油の分離性能を向上させた気体圧縮機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明の気体圧縮機のうち請求項1記載の発明は、回転体の回転により気体を圧縮する気体圧縮部と、該気体圧縮部から吐出される圧縮気体の油分を分離する油分離器と、該油分離器から圧縮気体が吐出される吐出室とを備えており、前記油分離器は、多重筒状体で仕切られた多重の気体通路を有しており、該多重の気体通路のうち最外側の気体通路に前記気体圧縮部から吐出される圧縮気体が流入して順次内側の気体通路へと渦を巻いて流れ、最内側の気体通路から前記吐出室に吐出されるように構成され、前記最外側の筒状体よりも内側にある筒状体の筒壁に、複数の油通過小孔が形成され、前記最外側の筒状体に油抜き孔が形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の気体圧縮機の発明は、請求項1記載の発明において、前記多重筒状体は、径の異なる複数の筒状体を略同心に配してなること特徴とする。
【0010】
請求項記載の気体圧縮機の発明は、請求項1または2のいずれかの発明において、前記多重筒状体のうち最外側の筒状体に前記気体圧縮部と連通して圧縮気体が流入する連通部が形成され、内側の筒状体に該筒状体の内外周側にある気体通路に連通する連通部が形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項記載の気体圧縮機の発明は、請求項記載の発明において、筒状体に形成された連通部は、内外の筒状体間において、筒状体の異なる軸方向位置に設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項記載の気体圧縮機の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の発明において、前記多重筒状体はその軸方向両端部に封止部が設けられており、該封止部の一方、または両方に、前記最内側の気体通路に対応して吐出孔が形成されていることを特徴とする。
【0013】
すなわち本発明の気体圧縮機では、油分離器に多重の気体通路を形成して、気体圧縮部から吐出される圧縮気体が多重の気体通路の最外側の気体通路から順次内側の気体通路へと渦を巻いて流れるようにしたので、圧縮気体が渦を巻いて流れる距離が長く確保され、圧縮気体への遠心分離作用が十分に発揮され、圧縮気体から潤滑油が効果的に分離される。筒状の気体通路を渦を巻いて流れる際の遠心分離作用で分離された潤滑油は、筒状体の内壁に付着して、重力に従って内壁を伝わって下方に流れる。分離された油は、例えば最外側の筒状体の下部に油抜き孔を形成することにより油溜まり部に滴下させることができる。
なお、前記最外側の筒状体よりも内側にある筒状体の筒壁に複数の油通過小孔を形成してあるので、遠心分離作用で分離された潤滑油は圧縮気体よりも重量が大きいため遠心力が大きく掛かっており、上記油通過小孔を外周側に優先的に通過する。このようにして油を分離した圧縮気体から早期に油を隔離すると、分離された油が再度圧縮気体に取り込まれて油分離効率を低下させるのを阻止し、結果として油分離効率を向上させる。なお、油通過小孔は、最外側の筒状体よりも内側にある、少なくとも一つの筒状体に形成すればよいが、最外側の筒状体に続く内側の筒状体の一つ以上に形成するのが望ましい。これにより、最外側に形成した油抜き孔から、油が円滑に排出される。
なお、油通過小孔の大きさ、数は適宜定めることができるが、油の通過量が多く、気体の漏出が少ないように選定するのが望ましい。
【0014】
なお、多重の気体通路は、多重筒体により筒状に仕切ることにより形成されるが、請求項2のように、径の異なる複数の筒状体を略同心に配することにより得ることができ、また、螺旋状に形成した多重筒体により得ることもできる。
多重筒体は、気体圧縮機の設置状態において、水平方向に向けたり、垂直方向に向けたものとすることができるが、必ずしもこれらの方向に限定されるものではなく、斜めの方向に向けることもできる。
【0016】
なお、圧縮気体を多重の気体通路において渦を巻くように流すためには、螺旋状の多重筒体の設置によって行うこともできるが、請求項に記載するように最外側の筒状体に圧縮気体を流入させる連通部を設け、さらに内側の筒状体に内外周側の気体通路を連通させる連通部を設けることによって上記の流れを実現することができる。この構成によれば、連通部の位置や大きさの設定により圧縮気体の流れを容易に制御することができる。
【0017】
上記連通部を請求項に記載するように、内外の筒状体間において、筒状体の異なる軸方向位置に設けるものとすれば、周方向の距離に加えて軸方向の距離が圧縮気体の移動距離に加わり、油分離性能が一層向上する。例えば、異なる軸方向端部に交互に設ければ軸方向距離は最大になる。
【0018】
なお、多重筒状体の多重の数は、本発明としては特に限定されない。この数は増加するに従って、圧縮気体が渦を巻いて流れる距離が長くなるので多い方がよいことになるが、あまりに多くすると、油分離器が大型になるため、適宜のその数を定めるのが望ましい。通常は、3重の筒状体により充分な油分離効果が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施形態の気体圧縮機について図1〜図5を参照して説明する。なお、従来例と同一の構造については同一の符号を付して、その説明を省略または簡略化する。
【0020】
図1〜5は第1の実施形態の気体圧縮機を表している。フロントハウジング1aには吸入口2が設けられ、該吸入口2に外部から圧縮すべき冷媒ガスを吸入するべく吸入配管(図示しない)が接続される。一方、リアハウジング1bの側壁には吐出口3が設けられ、圧縮された冷媒をコンデンサ等(図示しない)に供給するべく吐出配管(図示しない)が接続される。
【0021】
上記フロントハウジング1a内部には吸入室4が形成され、この吸入室4に前記吸入口2が連通している。また、リアハウジング1b内には、軸方向と直交する縦断面において略楕円形状の内周面を有する筒状のシリンダ5が配置されており、該シリンダ5の軸方向両端面に互いに平行に固着されたフロントサイドブロック6(吸入口2側)およびリアサイドブロック7(吐出口3側)が配置されている。該フロントサイドブロック6には、前記吸入室4とシリンダ5内とを連通させるように図示しない連通路が形成されている。
【0022】
そしてシリンダ5の内部には、図2に示すように、ロータ軸10で支持された回転可能なロータ11が配設されている。なお、上記ロータ軸10は、気体圧縮機の前方側において、電磁クラッチ20に接続されており、電磁クラッチ20の動作により図示しない内燃機関の駆動力が伝達されるように構成されている。
前記ロータ11には、複数のベーン溝12にそれぞれ摺動可能に嵌装されたベーン15が複数枚(図は5枚)放射状に保持されている。ロータ11が回転駆動されることで、ベーン15がその遠心力および背圧室13から供給される潤滑油の油圧によってベーン溝12内を進退してシリンダ5の内周壁に密着しながら回転するように構成されている。これらシリンダ5、ロータ11、ベーン15、フロントサイドブロック6、リアサイドブロック7を主要な構成として気体圧縮部が構成されており、シリンダ5内周面、ベーン15、ロータ11外周面およびフロントサイドブロック6後端面、リアサイドブロック7前端面によってシリンダ圧縮室16が形成されている。
【0023】
前記リアサイドブロック7には、上記圧縮室16に連通するようにして圧縮気体通路7aが形成されており、そして、この圧縮気体通路7aに連通するようにして油分離器30がリアサイドブロック7の後端面に取り付けられている。油分離器30は、上記通路7aに連通して後方側に伸長する圧縮気体通路30aが形成されており、その後端側に径の異なる3種の筒状体31、32、33が同心に配して水平方向に配置されている。即ち、油分離器30の最外側筒状体31の内側に中間筒状体32が配され、中間筒状体32の内側に2つの最内側筒状体33、33が互いに距離を隔てて水平方向に並べて配されている。しかして、最外側筒状体31と中間筒状体32の間に筒状の最外側気体通路40が形成され、中間筒状体32と最内側筒状体33、33の間に筒状の内側気体通路41が形成され、最内側筒状体33、33の内部に最内側通気路42、42が形成されている。
【0024】
図4に表れているように、前記最外側筒状体31から最内側筒状体33に至る軸方向両端部には、封止部35が設けられており、最内側筒状体33、33の内側にある軸方向端部は、吐出孔430として開口している。したがって、多重筒状体の軸方向端部は、最内側筒状体33の端部のみが開口している。
【0025】
前記最外側筒状体31のリアサイドブロック7側側壁には、圧縮気体通路30aに連通する、連通部である連通孔400が形成されており、この連通孔400は前記最外側気体通路40の軸方向の中央部分に開口している。また、前記中間筒状体32には、最外側気体通路40と内側気体通路41を連通させるための連通部である、連通孔410、410が軸方向両端部であって封止部35の内側にそれぞれ形成されている。また、最内側筒状体33、33間の空隙および最内側筒状体33、33の軸方向内側端の開口によって内側気体通路41と最内側通路42とを連通させる連通部420が構成されている。
【0026】
さらに、前記最外側筒状体31の下部には、軸方向両端部に、夫々、筒状体を貫通する油抜き孔310、310が形成されており、前記中間筒状体32には、全筒壁に亘って所定の密度で、複数の油通過小孔320…320が形成されている。
【0027】
次に、上記圧縮機の動作について説明する。
電磁クラッチ20により車輌のエンジン動力がロータ軸10へと伝えられ、ロータ軸10が回転駆動されロータ11が回転する。その回転に連れて遠心力及び背圧室13への潤滑油の供給によりベーン15に外周側への押出力が作用する。押出力が作用したベーン15は、シリンダ5の内周壁およびフロントサイドブロック6、リアサイドブロック7の側壁に密着しながら回転する。この回転によりシリンダ5内への吸引力が発生し、吸入口2を通して外部から冷媒ガスがシリンダ5内へと吸引される。シリンダ5内では、さらに回転するロータ10およびベーン15によって形成される圧縮室16によって冷媒ガスが順次圧縮される。
【0028】
圧縮された冷媒ガスは、リアサイドブロック7に形成された圧縮気体通路7aを通して油分離器30へと順次吐出される。なお、冷媒ガスは上記吸入から圧縮、放出に至る間に、気体圧縮機内部の潤滑油を巻き込んで、潤滑油を含有した状態で油分離器30へと吐出される。
油分離器30へと吐出された冷媒ガスは、内部の圧縮気体通路30aを通り、連通孔400を通して筒状の最外側気体通路40へと流入する。図5には油分離器30内での冷媒ガスの流れを説明する図を示す。
【0029】
上記最外側気体通路40の一方を仕切る中間筒状体32は、連通孔410が両端部側に形成されているため、最外側気体通路40へと流れ込んだ冷媒ガスは、中央部から両端部に向って渦を巻きながら分流し、中間筒状体32の連通孔410、410を通して内側気体通路41へとそれぞれ流れていく。これにより最外側気体通路40の略全長が有効に利用されて渦巻き流が形成される。内側気体通路41の一方を仕切る最内側筒状体33は内端部が連通部420によって最内側気体通路42、42と連通しているため、内側気体通路41へと流れ込んだ冷媒ガスは、両端部から中央に向って渦を巻きながら流れ、中央部で一旦合流した後、連通部420から各最内側筒状体33、33の内部にある最内側気体通路42、42に分流して両端部側に向かってそれぞれ流れ、最内側筒状体33、33の両端部にある吐出孔430、430を通して吐出室8へと放出され、さらに吐出口3から外部に吐出される。
【0030】
上記した油分離器30で、最外側気体通路40と内側気体通路41において圧縮気体が渦を巻きながら流れる過程で遠心分離作用を受けて、圧縮された高圧冷媒が潤滑油と高圧冷媒ガスとに分離される。最外側気体通路40で遠心分離された潤滑油は、最外側筒状体31の内壁に付着して重力に従って下方へ流れ、下部の油抜き孔310を通して油溜まり部21へと循環する。また内側気体通路41で遠心分離された潤滑油は、中間筒状体32に形成した油通過小孔320…320を通過して中間筒状体32の外壁面側へと移行していく。これにより油分が分離された冷媒ガスと分離された潤滑油とが早期に隔離されることになる。この外壁面に移行した潤滑油は、外壁面を伝って下方に流れて前記油抜き孔310へと流れていくが、一部は最外側気体通路40を渦を巻いて流れる冷媒ガスに巻き込まれて再度遠心分離されて最外側筒状体31の内壁に遠心分離されて油抜き孔310へと流れていく。
【0031】
このように、圧縮された冷媒ガスが最外側気体通路40と内側気体通路41の略全長の範囲で渦を巻いて流れるので、遠心分離作用を受ける距離を十分長く確保することができる。また、内側筒状体に油通過小孔を設けたことにより、油分を分離した冷媒ガスと分離された潤滑油とが隔離され、再度油分が冷媒ガスに取り込まれるのを阻止できる。これらの結果、冷媒ガス中の潤滑油と冷媒ガスの分離が効率よくなされ、吐出口3側へは潤滑油を効果的に除いた冷媒ガスを供給することができる。
【0032】
なお、最外側筒状体31の壁面にも、中間筒状体32のような油通過小孔を設けることも可能ではあるが、吐出室8において潤滑油が飛散しないようにするために、この実施形態のように設けないのが望ましい。
【0033】
次に、この発明の第2の実施形態の気体圧縮機を図6〜11に示した。なお、第1の実施形態と同一の構造については同一の符号を付して、その説明を省略または簡略化する。
【0034】
この第2の実施形態では、リアハウジングの後方に油分離器50が設けられており、多重筒体を垂直方向に向けて多重の圧縮気体通路が形成されている。すなわち、油分離器50では、径の異なる3種の筒状体51、52、53が同心に配され、かつ垂直方向に配置されている。これにより最外側筒状体51と中間筒状体52の間に筒状の最外側気体通路60が形成され、中間筒状体52と最内側筒状体53との間に筒状の内側気体通路61が形成され、最内側筒状体53の内側に最内側気体通路62が形成されている。多重筒体は一部を除いて上下端部が封止部55で封止されており、最内側筒状体53の上端部は、吐出孔630として開口しており、下端部の封止部に複数の油抜き孔510が形成されている。
【0035】
前記最外側筒状体51のリアサイドブロック7側側壁には、油分離器50の圧縮気体通路50aに連通する連通孔600が形成されており、この連通孔600は前記最外側気体通路60の下方側に開口している。また、前記中間筒状体52には、最外側気体通路60と内側気体通路61を連通させるための連通孔610が上方側に形成されている。また、前記中間筒状体52には、全壁に亘って所定の密度で、複数の油通過小孔520…520が形成されている。また、最内側筒状体53は、下端部が開口し、かつ下端部の封止部55と間隙を有しており、該間隙と下端部開口とによって内側気体通路61と最内側気体通路62とを連通させる連通部620が構成されている。
【0036】
この第2の実施形態においても、圧縮された冷媒ガスは、連通孔600を通して最外側気体通路60の下方部から流入し、該通路60を上方に向って渦を巻いて流れ、連通孔610を通して内側気体通路61に流入する。さらに、該通路61を下方に向って渦を巻いて流れ、次いで連通部620を通して最内側筒状体53の内側の最内側気体通路62に流入し、上端の吐出孔630へ向かって上方に流れていく。したがって、遠心分離作用を受ける距離を十分長くし、効率良く潤滑油と冷媒ガスを分離することができる。また、油通過小孔520によって潤滑油を分離した冷媒ガスと潤滑油とが隔離されて油分離効率が向上する。
【0037】
次に、上記第1、第2の実施形態の変形例について説明する。この変形例は、前記油分離器50で潤滑油が分離された冷媒ガスが吐出口3に向かう方向に、該方向と交差するようにリブを設けるものである。
【0038】
即ち、図10は、第1の実施形態の変形例であって、水平方向に設置された油分離器30の両端部上側に、リブ70、70がリアハウジング1bの内壁から臨ませてある。また、図11は、第2の実施形態の変形例であって、垂直方向に設置された油分離器50の上端部上側に、リブ71がリアハウジング1bの後方壁から臨ませてある。
【0039】
これらの変形例では、油分離器30または50から吐出された冷媒ガスがリブ70、71に衝突しながら流れ、この衝突の過程で冷媒ガス中に含まれた潤滑油が分離されるので、油分離器で分離しきれなかった油分をさらに分離することができ、油分離効率を一層向上することが可能になる。
【0040】
以上いくつかの実施形態と変形例について説明した。何れの場合も、冷媒ガスの圧縮は、ベーン式の圧縮機構としたが、この発明はこの圧縮機構に限定されるものではなく、他の圧縮機構を用いて実施することが可能であることは言うまでもない。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の気体圧縮機によれば、油分離器に形成される筒状の気体通路を多重筒体で仕切って多重にして、渦を巻いて流れる経路を長くしたので、潤滑油と冷媒ガスの分離性能を向上した気体圧縮機を構成することができる。
この結果、気体圧縮機に封入する潤滑油量を減らすことができ、また、空調を構成する熱交換器(エバポレータ、コンデンサ)に付着する潤滑油量を減少させて熱交換効率の向上も図ることができる。
また、多重筒状体のうち、内側の筒状体に油通過小孔を形成すれば、上記遠心作用によって油分離が一層確実になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施形態の気体圧縮機の全体を示す正面断面図である。
【図2】 同じくシリンダ内部を示す側面図である。
【図3】 同じくリアサイドブロックおよび油分離器を示す側面図である。
【図4】 同じく油分離器の拡大縦断面図である。
【図5】 油分離器の筒状の気体通路を流れる冷媒ガスを説明する拡大した正面断面図である。
【図6】 この発明の第2の実施形態の気体圧縮機の全体を示す正面断面図である。
【図7】 同じくリアサイドブロックおよび油分離器を示す側面図である。
【図8】 同じく油分離器の拡大横断面図である。
【図9】 同じく油分離器の拡大縦断面図である。
【図10】 この発明の第1の実施形態の変形例のリアサイドブロックおよび油分離器を示す側面図である。
【図11】 この発明の第2の実施形態の変形例の一部正面断面図である。
【図12】 従来の気体圧縮機の全体を示す正面断面図である。
【図13】 同じくリアサイドブロックおよび油分離器を示す側面図である。
【図14】 同じく油分離器の一部を示す拡大した平面断面図である。
【符号の説明】
1a フロントハウジング
1b リアハウジング
2 吸入口
3 吐出口
4 吸入室
5 シリンダ
6 フロントサイドブロック
7 リアサイドブロック
7a 圧縮気体通路
8 吐出室
10 ロータ軸
11 ロータ
12 ベーン溝
13 背圧室
15 ベーン
16 シリンダ圧縮室
20 電磁クラッチ
21 油溜まり部
30 油分離器
31 最外側筒状体
32 中間筒状体
33 最内側筒状体
310 油抜き孔
320 油通過小孔
40 最外側気体通路
41 内側気体通路
42 最内側気体通路
400 連通孔
410 連通孔
420 連通部
430 吐出孔
50 油分離器
51 最外側筒状体
52 中間筒状体
53 最内側筒状体
510 油抜き孔
520 油通過小孔
60 最外側気体通路
61 内側気体通路
62 最内側気体通路
600 連通孔
610 連通孔
620 連通部
630 吐出孔
70 リブ
71 リブ

Claims (5)

  1. 回転体の回転により気体を圧縮する気体圧縮部と、該気体圧縮部から吐出される圧縮気体の油分を分離する油分離器と、該油分離器から圧縮気体が吐出される吐出室とを備えており、前記油分離器は、多重筒状体で仕切られた多重の気体通路を有しており、該多重の気体通路のうち最外側の気体通路に前記気体圧縮部から吐出される圧縮気体が流入して順次内側の気体通路へと渦を巻いて流れ、最内側の気体通路から前記吐出室に吐出されるように構成され、前記最外側の筒状体よりも内側にある筒状体の筒壁に、複数の油通過小孔が形成され、前記最外側の筒状体に油抜き孔が形成されていることを特徴とする気体圧縮機。
  2. 前記多重筒状体は、径の異なる複数の筒状体を略同心に配してなること特徴とする請求項1記載の気体圧縮機。
  3. 前記多重筒状体のうち最外側の筒状体に前記気体圧縮部と連通して圧縮気体が流入する連通部が形成され、内側の筒状体に該筒状体の内外周側にある気体通路に連通する連通部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の気体圧縮機。
  4. 筒状体に形成された連通部は、内外の筒状体間において、筒状体の異なる軸方向位置に設けられていることを特徴とする請求項記載の気体圧縮機。
  5. 前記多重筒状体はその軸方向両端部に封止部が設けられており、該封止部の一方、または両方に、前記最内側の気体通路に対応して吐出孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の気体圧縮機。
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