JP4008753B2 - 電子ペン用帳票 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ペンを利用して帳票に記入したデータを取得、処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、官公庁や金融機関その他に提出する申込書、申請書などの各種書類(以下、「各種申請書類」と呼ぶ。)には利用者がボールペンなどを利用して必要事項を記入し、記入済みの書類を提出していた。一方、近年では、従来からの紙の帳票の代わりに、帳票を電子化した電子フォームが利用されてきている。電子フォームは、紙の帳票の記入項目などを複数のフィールドとして含む電子データである。申込書などの書類を作成する利用者は、パーソナルコンピュータなどに電子フォームを読み込んで表示装置上に表示し、キーボードやマウスなどの入力装置を操作して電子フォームに必要事項を入力する。入力された事項は電子データとして取得され、ネットワークなどを通じて当該帳票の提出先機関などに送信することができる。
【0003】
しかし、官公庁や金融機関などに提出する各種書類を作成する場合、パーソナルコンピュータの操作方法に関する知識を十分に有しない利用者や、キーボード入力をあまり得意としない利用者などにとっては、上述の電子フォームを上手に利用することは難しいことが多い。そのような利用者にとっては、むしろ従来から行われているように、紙の帳票に対してペン入力する方法が最も容易である。
【0004】
このような場合に有効な入力デバイスとして、近年、「電子ペン」、「デジタルペン」などと呼ばれるペン型入力デバイスが登場しており(以下、本明細書では「電子ペン」と呼ぶ。)、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙(以下、「専用ペーパー」と呼ぶ。)とペアで使用される。アノトペンは、通常のインクタイプのペン先部に加えて、専用紙上のドットパターンを読み取るための小型カメラと、Bluetooth対応の通信ユニットを搭載している。利用者が専用紙上にアノトペンで文字などを書くと、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙上のドットパターンを検出し、利用者が書き込んだ文字などの入力データが取得される。この入力データが、Bluetooth対応の通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される。このアノトペンを利用したシステムは、キーボードに代わる入力デバイスとして利用することが可能であり、上述のパーソナルコンピュータやキーボードの使用に抵抗がある利用者にとっては非常に使いやすい。一方、官公庁などの書類の提出先でも、利用者の記入事項は従来のように紙の書類としてではなく、入力データとして取得することができるので、そのままその後の電子的な処理を行うことができるというメリットがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような電子ペンは、通常のインクペンと同様の操作性を実現することを主眼に置いているため、基本的に、書き損じた場合には新しい用紙を使用して書き直すことを前提としている。しかし、各種申請書類などは記入項目が多く、その分書き損じなども生じやすい。また、官公庁などに提出する書類は正確性が要求されるものである。よって、入力手段として電子ペンを利用して各種申請書類を作成するシステムにおいては、書き損じなどが生じた場合に、容易かつ正確に内容の訂正や削除などを行うことができる機能が求められる。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、電子ペンを利用した各種申請書類などの入力を行う場合において、容易かつ正確に内容の訂正や削除を可能とすることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの観点では、インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される電子ペン用帳票は、前記読取ユニットにより光学的に読取可能に設けられたドットパターン領域と、前記ドットパターン領域内に設けられた記入枠と、前記記入枠に対応付けて前記ドットパターン領域内に設けられ、前記記入枠内に記入された事項を訂正する際にチェックマークを記入するための訂正チェックボックスと、を備える。
【0010】
上記の電子ペン用帳票によれば、利用者は電子ペンのインクペンユニットにより記入枠内に必要事項を記入すると、電子ペンは電子ペンの移動に伴って帳票上のドットパターンを読み取り、利用者が記入した事項の電子データを取得する。帳票には、記入枠に対応して訂正チェックボックスが設けられており、利用者は記入枠内の記入事項を訂正する場合には、訂正チェックボックスにチェックマークを記入する。訂正チェックボックスにチェックマークが記入された場合、電子ペン及びその出力データを処理するアプリケーションは当該記入枠内の記入事項が訂正されたものとして処理する。
【0011】
上記の電子ペン用帳票において、前記記入枠は、訂正後の記入事項を記入するための訂正記入枠を含むことができる。これにより、利用者は訂正チェックボックスにチェックマークを記入するとともに、訂正記入枠に訂正事項を記入することにより、訂正を行うことができる。
【0012】
上記の電子ペン用帳票において、前記電子ペン用帳票を訂正専用帳票とし、前記記入枠を訂正用記入枠とすることができる。これにより、通常の帳票と訂正専用帳票とを組み合わせて使用し、記入事項の訂正を行うことができる。
【0013】
上記の電子ペン用帳票のさらに他の観点では、インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される電子ペン用帳票は、前記読取ユニットにより光学的に読取可能に設けられたドットパターン領域と、前記ドットパターン領域内に設けられた記入枠と、前記記入枠に対応付けて前記ドットパターン領域内に設けられ、当該記入枠に記入された記入事項に先行する記入事項を記入した他の帳票が存在することを示すチェックマークを記入するための第1のチェックボックスと、前記記入枠に対応付けて前記ドットパターン領域内に設けられ、当該記入枠に記入された記入事項に続く記入事項を記入した他の帳票が存在することを示すチェックマークを記入するための第2のチェックボックスと、を備える。
【0014】
上記の電子ペン用帳票によれば、利用者は電子ペンのインクペンユニットにより記入枠内に必要事項を記入すると、電子ペンは電子ペンの移動に伴って帳票上のドットパターンを読み取り、利用者が記入した事項の電子データを取得する。帳票には、記入枠に対応して第1及び第2のチェックボックスが設けられている。記入事項が1つの帳票の記入枠内に収まらない場合には、当該帳票の第2チェックボックスにチェックマークを記入するとともに、別の帳票の第1チェックボックスにチェックマークを記入し、当該別の帳票の記入枠内に記入事項の続きを記入する。電子ペン及びその出力データを処理するアプリケーションは、第1チェックボックスにチェックマークがある帳票はそれに先行する帳票がると判断し、第2チェックボックスにチェックマークがある帳票はそれに続く帳票があるものと判断して、各帳票の記入枠内に記入された事項を処理する。
【0015】
本発明のさらに他の観点では、インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される電子ペン用帳票は、前記読取ユニットにより光学的に読取可能に設けられたドットパターン領域と、前記ドットパターン領域内に設けられ、前記帳票を新規帳票として使用する場合には記入がなされず、前記帳票を訂正用帳票として使用する場合には識別情報を記入するための識別情報記入枠と、前記ドットパターン領域内に設けられ、前記帳票を新規帳票として使用する場合及び前記帳票を訂正用帳票として使用する場合にチェックマークを記入するためのチェックボックスと、を備える。
【0016】
上記の電子ペン用帳票によれば、利用者は電子ペンのインクペンユニットにより記入枠内に必要事項を記入すると、電子ペンは電子ペンの移動に伴って帳票上のドットパターンを読み取り、利用者が記入した事項の電子データを取得する。利用者は当該帳票を新規帳票として使用する場合には識別情報記入枠には何も記入せず、チェックボックスにチェックマークを記入する。一方、利用者は当該帳票を訂正用帳票として使用する場合には、識別情報記入枠に訂正対象となる帳票の識別情報を記入し、チェックボックスにチェックマークを記入する。よって、電子ペン及びその出力データを処理するアプリケーションは、識別情報記入枠及びチェックボックスの記入状態に応じて、当該帳票が新規帳票であるか訂正用帳票であるかを判別することができる。
【0017】
本発明のさらに他の観点では、インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される電子ペン用帳票であって、前記読取ユニットにより光学的に読取可能に設けられたドットパターン領域と、前記ドットパターン領域内に設けられ、識別情報を記入するための識別情報記入枠と、前記ドットパターン領域内に設けられ、前記帳票を新規帳票として使用する場合と、前記帳票を訂正用帳票として使用する場合と、前記帳票を前記識別情報記入枠に記入された識別情報に関連する処理を取り消すための取消依頼用帳票として使用する場合とで、異なるチェックマークを入力するためのチェックボックスと、を備える。
【0018】
上記の電子ペン用帳票によれば、利用者は電子ペンのインクペンユニットにより記入枠内に必要事項を記入すると、電子ペンは電子ペンの移動に伴って帳票上のドットパターンを読み取り、利用者が記入した事項の電子データを取得する。当該帳票はチェックボックスを有し、利用者は、当該帳票を新規帳票として使用する場合と、訂正用帳票として使用する場合と、識別情報記入枠に記入された識別情報に関連する処理を取り消すための取消依頼用帳票として使用する場合とで、異なるチェックマークを入力する。よって、電子ペン及びその出力データを処理するアプリケーションは、チェックボックスに記入されたチェックマークの区別に応じて、当該帳票が新規帳票であるか訂正用帳票であるか取消依頼用帳票であるかを判別することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0020】
[電子ペン]
まず始めに、電子ペンについて説明する。図1は電子ペンの使用形態を模式的に示す図であり、図2は電子ペンの構造を示す機能ブロック図である。図1に示すように、電子ペン10は、ドットパターンがプリントされた専用ペーパー20と組み合わせて使用される。電子ペン10は、通常のインクペンと同様のペン先部17を備えており、利用者は通常のインクペンと同様に専用ペーパー20上に文字などを書くことになる。
【0021】
図2に示すように、電子ペン10は、その内部にプロセッサ11、メモリ12、Bluetoothトランシーバ13、バッテリー14、赤外線LED15、カメラ16及び圧力センサ18を備える。また、電子ペン10は通常のインクペンと同様の構成要素としてインクカートリッジ(図示せず)などを有する。
【0022】
電子ペン10は、ペン先部17により専用ペーパー20上に描かれたインクの軌跡をデータ化するのではなく、専用ペーパー20上で電子ペン10が移動した軌跡座標をデータ化する。赤外線LED15が専用ぺーパー20上のペン先部17近傍を照明しつつ、カメラ16が専用ペーパー20にプリントされているドットパターンを読み取り、データ化する。つまり、電子ペン10は専用ペーパー20上で利用者が電子ペン10を移動させることにより生じるストロークを画像データ又はベクトルデータとして取得することができる。
【0023】
圧力センサ18は、利用者が電子ペン10により専用ペーパー上に文字などを書く際にペン先部17に与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、プロセッサ11へ供給する。プロセッサ11は、圧力センサ18から与えられる筆圧データに基づいて、赤外線LED15及びカメラ16のスイッチオン/オフの切換を行う。即ち、利用者が電子ペン10で専用ペーパー20上に文字などを書くと、ペン先部17には筆圧がかかる。よって、所定値以上の筆圧が検出されたときに、利用者が記述を開始したと判定して、赤外線LED15及びカメラ16を作動する。
【0024】
カメラ16は専用ペーパー20上のドットパターンを読み取り、そのパターンデータをプロセッサ11に供給する。プロセッサ11は、供給されたドットパターンから、専用ペーパー20上でのX,Y座標を算出する。
【0025】
プロセッサ11は、利用者の記述が行われる間に、筆圧の配列データ及びX,Y座標データを取得し、タイムスタンプ(時間情報)と関連付けてメモリ12に記憶していく。よって、メモリ12内には利用者の記述内容に対応するデータが時系列で記憶されていく。メモリ12の容量は例えば1Mバイト程度とすることができる。
【0026】
利用者により送信指示がなされるまでは、取得された全てのデータはメモリ12内に保持される。そして、利用者が送信指示を行うと、Bluetoothトランシーバ13により、電子ペン10と所定距離内にある端末装置25へメモリ12内のデータが送信される。基本的には、一度送信指示がなされると、電子ペン10はメモリ12内に記憶していた全てのデータを端末装置25へ送信するため、メモリ12内はクリアされる。よって、送信後にもう一度同じ情報を端末装置25へ送信したい場合には、利用者は専用ペーパー20上に再度記述を行う必要がある。なお、この場合、利用者は専用ペーパー20上にインクペンで書かれた文字などをなぞればよいことになる。
【0027】
電子ペン10自体は、送信ボタンなどの機能ボタンを備えておらず、送信指示その他の指示は、利用者が専用ペーパー20上の所定位置に設けられた専用ボックスを電子ペン10でチェックすることにより実行される。専用ボックスの位置座標には、予め送信指示が対応付けられており、プロセッサ11は専用ボックスの位置座標を受信すると、Bluetoothトランシーバ13にメモリ12内のデータを供給し、端末装置25への送信を行わせる。なお、電子ペン10はディスプレイやボタンなどを持たないが、データの送信完了を電子ペンの振動により示すことができる。
【0028】
バッテリー14は電子ペン10内の各要素に電源供給するためのものであり、例えば電子ペンのキャップ(図示せず)により電子ペン10自体の電源のオン/オフを行うことができる。
【0029】
このように、電子ペン10は利用者が専用ペーパー20上に記述した文字などに対応する座標データ及び筆圧データを取得して近傍の端末装置25へ送信する機能を有するが、電子ペン10のペン先部17は通常のインクペンとなっているため、専用ペーパー20上に記述した内容はオリジナルの原本として残るという特徴がある。即ち、紙の原本に対して記述するのと同時に、その内容を座標データなどの形態でリアルタイムに電子化することができる。
【0030】
なお、電子ペン10の標準機能によれば、電子ペン10により得られるデータは、原則として座標データ又はベクトルデータの形態であり、テキストデータではない。但し、電子ペン10は標準機能として、専用ペーパー20上に設けられた専用エリアに記述することにより、英数字に限りテキスト化する機能は備えている。なお、端末装置25などにおいて、電子ペン10から送信された座標データやベクトルデータから、文字認識アプリケーションを利用してテキストデータを得ることはもちろん可能である。
【0031】
また、電子ペン10内には、ペン自体及びその所有者に関するプロパティ情報(ペン情報及びペン所有者情報)を保持することができ、アプリケーションから参照することができる。ペン情報としては、バッテリーレベル、ペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン、サブスクリプションプロバイダのIDなどを保持できる。また、ペン所有者情報としては、国籍、言語、タイムゾーン、emailアドレス、空きメモリ容量、名前、住所、ファックス/電話番号、携帯電話番号などを保持することができる。
【0032】
次に、電子ペンにより利用者が記述した内容のX,Y座標データを取得する方法について説明する。前述のように専用ペーパー20には、所定のドットパターンが印刷されている。電子ペン10のカメラ16は、利用者が専用ペーパー20上に記述したインクの軌跡を読み取るのではなく、専用ペーパー20上のドットパターンを読み取る。実際、図1に示すように、赤外線LED15による照明領域及びカメラ16の撮影領域(照明領域内に位置する)は、ペン先部17が専用ペーパー20に接触する位置とはずれている。
【0033】
ドットパターンはカーボンを含む専用インクなどで印刷されており、カメラ16はその専用インクによるパターンのみを認識することができる。専用インク以外のインク(カーボンを含まない)により、専用ペーパー上に罫線や枠などを印刷しても、電子ペンはそれらを認識することはない。よって、専用ペーパーを利用して各種申請書などの帳票を作成する際は、専用インク以外のインクで入力枠や罫線、注意書きなどを印刷する。
【0034】
ドットパターンは、図3に例示するように、各ドットの位置がデータに対応付けされている。図3の例では、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右にシフトすることにより、0〜3の2ビット情報を表示した例である。このようにして表現された情報の組み合わせにより、専用ペーパー上の位置座標が決定される。図4(a)に例示するように、縦横2mmの範囲内に36個のドットが格子状に配置され、これらのドットにより示されるデータの配列(図4(b))が、その専用ペーパー上の位置座標と対応付けされている。よって、電子ペン10のカメラ16が図4(a)に示すようなドットパターンを撮影すると、プロセッサ11はカメラ16から入力されるドットパターンのデータに基づいて図4(b)に示すデータ配列を取得し、それに対応する専用ペーパー上の位置座標(即ち、そのドットパターンがその専用ペーパー上のどの位置にあるのか)をリアルタイムで算出する。なお、ドットパターンを認識する最小単位は2mm×2mmであり、カメラ16は毎秒100回程度の撮影を行う。
【0035】
次に、専用ペーパーについて説明する。専用ペーパーの構造の一例を図5に示す。図示のように、専用ペーパー20は、台紙30上にドットパターン32が印刷され、その上に罫線などの図案34が印刷されている。台紙30は通常は紙であり、ドットパターン32は前述のようにカーボンを含んだ専用インクにより印刷される。また、通常のインクなどにより図案34が印刷される。ドットパターンと図案とは同時に印刷してもよいし、いずれかを先に印刷してもよい。
【0036】
図案34の例を図6に示す。図6は、ある申込書36の例であり、複数の記入欄38や送信ボックス39が印刷されている。図6には明確に図示されていないが、実際にはドットパターンが申込書36の全面に印刷されており、その上に記入欄38や送信ボックス39が通常のインクにより印刷されている。利用者は、ドットパターンを意識することなく、従来からある申込書と同様に、電子ペン10を使用して必要事項を申込書36の各記入欄38に記入すればよい。
【0037】
専用ペーパー20上の領域は大きく2種類の領域に分けることができる。1つは記入エリアであり、電子ペン10による記述内容をそのまま情報として取り扱うエリアである。図6の例では複数の記入欄38がこれに該当する。もう1つは機能エレメントであり、対応するエリア内を電子ペン10でチェックした際に、予めそのエリアに対して定義されているアクション、指示などを実行するようになっている。図6の例における送信ボックス39がこれに該当する。
【0038】
送信ボックス39は前述したように電子ペン10内に記憶されているデータを近傍の端末装置25へ送信するための指示を行う際に使用される。利用者が送信ボックス39内に電子ペン10でチェックを入れると、電子ペン10が送信ボックス内のドットパターンを読み取る。当該パターンは送信指示に対応付けられており、電子ペン10内のプロセッサ11はBluetoothトランシーバ13にメモリ12内の記憶データの送信命令を発する。
【0039】
ドットパターンの割り当ては、通常、アプリケーション(用紙の種類)毎に行われる。即ち、ある申込書内のドットパターンは1枚の用紙の中で重複することはないが、同一の申込書には全て同じドットパターンが印刷されている。よって、利用者が電子ペン10で必要事項を入力すると、その入力事項がその申込書のどの項目に対するものであるかを、申込書上の座標データから特定することができる。
【0040】
このように、ドットパターンを印刷した専用ペーパー上に所定の図案を印刷することにより、専用ペーパーを利用した各種申請書が作成できる。利用者は電子ペン10を使用して通常の要領で必要事項を記入すれば、その電子データが自動的に取得される。
【0041】
次に、電子ペンにより取得したデータの送信処理について説明する。前述のように、電子ペン10の通信機能はBluetoothによるものであり、専用ペーパー20に入力したデータを取り扱うサービスサーバ(特定の申込書であれば、その申込先のサーバということになる)に対して電子ペン10から直接的にデータを送信することはできない。よって、電子ペン10により取得したデータは、端末装置25からサービスサーバへ送信される。
【0042】
その際の処理を図2を参照して説明する。電子ペン10が取得したデータは、主として利用者が入力した事項のデータであるが、通常はそのデータの送信先であるサービスサーバがどこであるかの情報は含まれていない。その代わりに、その専用ペーパーに関するアプリケーションやサービスを特定する情報が専用ペーパー上に印刷されており、利用者の入力作業中に専用ペーパーからその情報が取得されている。よって、電子ペン10から入力データを受け取った端末装置25は、まず、問い合わせサーバ26に対して、その専用ペーパーに対して入力されたデータをどのサービスサーバ27へ送信すべきかの問い合わせを行う。問い合わせサーバ26は、専用ペーパー毎に、対応するサービスサーバの情報を有しており、端末装置25からの問い合わせに応じて、当該専用ペーパーに関するサービスなどを行うサービスサーバ27の情報(URLなど)を端末装置25へ回答する。それから、端末装置25は、電子ペンから取得した入力データをそのサービスサーバ27へ送信することになる。
【0043】
[申込手続]
次に、本実施形態として、専用ペーパーにより作成された申込書に対して利用者が電子ペンを利用して入力を行い、入力データをサーバにて受け付けるという一連の申込手続処理について説明する。なお、本実施形態は、この申込手続中において、特に電子ペンを利用して一旦入力したデータを訂正、削除などする方法を提供する点に特徴を有する。
【0044】
図7に、利用者が帳票を使用する際の環境を模式的に示す。利用者は電子ペン10を使用して、帳票(本例では、ある申込書とする)4に対して入力を行う。入力されたデータはBluetooth通信により端末装置25へ送信され、端末装置25からネットワーク2を介して、その申込書の受付サーバ3へ送信される。受付サーバ3は、利用者が作成した申込書による申込手続を受け付けるサーバであり、申込データなどを保管するためのデータベース8を備えている。
【0045】
図8に、申込処理の流れを示す。利用者はまずフェーズ1(Phase1)において、新規に申込書を作成する。即ち、専用ペーパーを利用した申込書4に対して電子ペン10を使用して必要事項を入力する。このときに、利用者は記入情報に誤りがあると、記入情報の訂正/削除を行う必要がある(処理1)。
【0046】
次に、利用者は申込書4に対して必要事項の記入を終了すると、入力データを申込データとして送信する(フェーズ2)。入力データは電子ペン10から端末装置25を介して受付サーバ3へ送信される。このとき、利用者は利用者IDの入力処理(処理2)を行う。利用者IDはその利用者を特定するIDであり、この場合は申込者が誰であるかを特定する情報である。
【0047】
受付サーバ3は、利用者IDにより特定された申込データを受け取り、受付処理を行い、受付番号を申込者へ告知する。これは、受付サーバ3側で発行した受付番号を、ファックス、電話、電子メールなどの各種の方法で申込者に伝達することにより行われる。
【0048】
これで一連の受付処理が完了したことになる。しかし、受付処理が完了した後の時点で、利用者は申込内容に誤りがあったことに気づいたり、申込内容に変更が生じたりしたために、訂正や取消などを行う必要が生じることがある。その場合、申込者はまず自己を特定するための利用者IDの入力を行い(フェーズ3、処理3)、さらに、申込書に対する訂正、取消などの処理を行う(フェーズ4)。具体的には、申込者は、過去に受付された申込書に対して発行された受付IDを入力し(処理4a)、申込書に記入した記入情報の訂正、削除などを行う(処理4b)。また、必要に応じて、今回行う手続が申込書に記入したデータの訂正、削除であるか、申込手続自体の取消であるのかを指定する(処理4c)。これらの処理の後、訂正、取消などに関するデータが電子ペン10から端末装置25を介して受付サーバ3へ送信され、訂正、取消などの手続が完了する。
【0049】
電子ペンを利用した本実施形態のシステムでは、電子ペンのメリットを生かすために、申込書に対する記入のみならず、各段階での申込データの訂正、削除などの処理や、利用者IDの入力も電子ペン10を入力デバイスとして行う。
【0050】
以下、それらの具体的な手法について説明する。
【0051】
(1)ID入力
まず、電子ペン10を利用したID入力方法について図9を参照して説明する。前述のように、電子ペンの標準機能としては、利用者IDや申込書IDなどのIDは利用者が端末装置25を操作することにより入力する必要がある。しかし、電子ペン10のメリットを十分に生かすためには、それらIDも電子ペン10により入力できることが好ましい。そこで、以下の方法により、電子ペン10と申込書4などの専用ペーパーを使用してIDを入力する。
【0052】
ID入力の第1の方法は、図9(a)に示すようなID入力欄を申込書4上に予め印刷しておく方法である。図9(a)において、各数字に対応するチェックボックスは申込書4を構成する専用ペーパー上に、通常のインクにより印刷される。各枠に対応する数値は、そのチェックボックス内のドットパターンが示すデータと対応付けられている。即ち、最も左上のチェックボックス内のドットパターンはIDの7桁目がゼロであることを示し、右下のチェックボックス内のドットパターンはIDの1桁目が9であることを示す。そのようなドットパターンとIDの桁数及び数字の情報とは、相互に対応付けられて例えばサービスサーバ27内にID対応付け情報として保存される。よって、利用者は、ID入力欄の対応するチェックボックスに電子ペン10でチェックを入れれば、それに対応するデータが端末装置25を経由してサービスサーバ27へ送信される。サービスサーバ27内のアプリケーションは、ID対応付け情報を参照して、利用者が入力したIDを取得することができる。なお、ID対応付け情報を端末装置2内に記憶し、端末装置2内に用意したアプリケーションが、ID対応付け情報を参照してドットパターンに対応するIDを取得するようにすることもできる。
【0053】
通常のマークシートでは、楕円形などの記入欄を正確に塗りつぶす必要があるが、電子ペンを利用したID入力欄では、チェックボックス内にチェックマークを記入するだけで、カメラがドットパターンを認識するので、容易に入力を行うことができる。
【0054】
また、申込書側に余白が少ない場合には、図9(b)に示すように10桁を表すのに最低限必要な4ビット型の入力欄を使用することができる。この場合は、各桁について入力される1つ又は複数のチェック位置の組み合わせにより、入力されたIDを特定することができる。
【0055】
ID入力の第2の方法は、図9(c)に示すようなバーコードタイプの入力欄を申込書に印刷する方法であり、予めいくつかのIDに対応するパターンを帳票側に印刷しておき、利用者がそのうちからIDを選択する際に使用できる。具体的には、図9(c)に示すように、ドットパターンが印刷された専用ペーパー上に、ドットパターンが欠落した部分を帯状に形成しておく。この帯状のパターンは、予め特定のIDをバーコード化して得られる。電子ペンはペンの移動軌跡に対応する位置の座標データを専用ペーパーから読み取るので、パターンの欠落部を予め帯状に作っておき、その上を電子ペンでなぞれば、図9(c)に示すように、パターンの欠落部で不連続となったパターンが取得できる(図9(c)の取得データ)。このパターンをバーコードのように利用し、IDと対応付けておけば、利用者は電子ペンでパターン上をなぞるだけで対応するIDを入力することができる。よって、帳票側にいくつかのパターンを選択肢として印刷しておき、利用者がそれらのいずれかを電子ペンでなぞることにより、対応するIDを端末装置25へ送信することができる。
【0056】
このID入力方法は、利用者がいくつかのIDのなかから特定のIDを選択するような場合に有効である。例えば、特定の企業内の複数の営業所IDから特定の営業所IDを選択するような場合には、予め帳票に印刷されている複数のパターンから自己の営業所に対応するパターンのみを電子ペンでなぞることにより、その営業所IDを送信することができるので便利である。
【0057】
また、利用者がいくつかのIDの中から選択するのではなく、特定のIDを入力する場合でも、そのIDが既知であれば、上記の方法を利用することができる。例えば、利用者が自己のIDを入力するような場合、利用者が利用者登録などを行い利用者IDを取得する際に、サービス提供者側は当該利用者に対して、利用者IDをバーコード化したパターン用紙の小片(機能的には、専用の利用者ID入力シートと考えることができる)を配布する。利用者は、電子ペンを利用して帳票の作成を行う際、必要事項の記入の前後又は記入途中に、当該パターン用紙の小片を電子ペンでなぞることにより、そのバーコードに対応付けられた利用者IDを入力することができる。
【0058】
また、他の例としては、利用者が特定の帳票を作成し、申請処理などを行った際に、サービス提供者側が当該利用者に対して受付番号などをバーコード化したパターン用紙の小片(機能的には、専用の受付番号入力シートと考えることができる)を配布する。利用者は、既に提出済みの申込書の訂正を行う場合に、訂正作業の前後又はその途中で、当該パターン用紙の小片をなぞることにより、受付番号を入力することができる。
【0059】
図9(c)に示すパターンの欠落部は、ドットパターンの印刷時にドットパターンを印刷しないこととして作成することができる。また、欠落部なしで作成された通常の帳票に対して、インクジェットプリンタやトナーを用いた記録により、カーボンを含む専用インクやトナーで帯状のパターンをプリントすることにより、後から作成することもできる。帯状パターンの部分はカーボンを含むインクやトナーがドットパターンを覆うため、電子ペンはドットパターンを読めなくなり、その結果図9(c)に示すような不連続なパターンが取得データとして得られる。
【0060】
図9(a)及び(b)に示す第1のID入力方法は、図8に示す申込手続中の処理2及び3において利用することができる。即ち、図9(a)又は(b)に示すようなID入力欄を申込書4に印刷しておき、利用者がそれに入力した上で新規の申込データを受付サーバ3へ送信すれば、利用者IDと対応付けされた状態で申込データが受付サーバ3へ送信されることになる。
【0061】
一方、図9(c)に示す第2のID入力方法は、図8に示す申込手続中の処理4aにおける申込書の受付IDの入力などに好適に使用することができる。例えば、1つの帳票が複数の用途の帳票を兼ねているような場合に、利用者は自分が意図する用途に対応するIDを選択すれば、その帳票を意図する用途に使用することができる。このように、第2のID入力方法は、帳票を処理する会社のID、帳票のID、受付番号など、予め既知となっているいくつかのIDから所定のIDを選択して入力するような状況で有効に利用することができる。
【0062】
上述のID入力方法により、利用者は申込書に対して必要事項を入力した後、別途端末装置の入力デバイスを使用して利用者IDのみを入力するといった手間を省くことができる。これにより、専用ペーパーからなる帳票と電子ペンの組み合わせのみにより、入力作業を完結させることが可能となる。なお、電子ペンが標準的に有する英数字のテキスト入力・認識機能を利用して利用者IDなどを入力させる方法もあるのであるが、利用者IDなどの重要な情報の入力には確実な読取精度が要求されるため、上述のようなID入力方法を採用することが望ましい。
【0063】
(2)記入情報の削除
次に、一旦記入した情報を削除する方法を説明する。図10(a)に入力情報の削除を考慮した帳票の記入欄の例を示す。ドットパターンが印刷された専用ペーパーの帳票に、図10(a)に示すような記入欄を印刷する。記入欄は、記入枠70の両側に一対の削除点72を有する。なお、この削除点72は専用ペーパー上に印刷されるドットパターンのドットとは異なり、帳票の記入枠などと同様にカーボンを含まない通常の印刷などにより形成される。利用者は、記入枠70内に一旦記入した内容を削除する場合には、記入枠70の両側の一対の削除点72を通過するように削除線71を引く。
【0064】
削除点72に対応する位置座標は予め端末装置25などの上で動作するアプリケーション側で記憶しており、一対の削除点72を通る入力データを受け取ったアプリケーションは、その記入枠70に記入されたデータを削除されたものとして扱う。
【0065】
削除点72を記入枠70の外側に配置すること、及び、一対の削除点を配置して両者を通る削除線71のみを有効として扱うことで、利用者が記入枠70内に記入したつもりの記入データが記入枠70からはみ出して削除点72と重なったような場合でも、それを誤って削除データとして取り扱うことが防止できる。なお、削除点72は、記入枠70が縦書きの場合は上下方向に配置してもよい。
【0066】
一旦記入した文字などを削除線を引くことにより削除するという方法は、利用者にとっては通常のペン入力手段を使用する際に行う馴染み深い方法であり、電子ペンを使用する本発明の場合は、削除データ自体は電子ペンから端末装置25などに伝達されて処理されることに加え、オリジナルの帳票上でも削除線が残るので、削除した箇所であることが人目で確認できるというメリットがある。なお、この削除線を使用する方法は後述する訂正手法において訂正個所の指定に使用することもできる。
【0067】
(3)記入情報の訂正
次に、一旦記入した情報を訂正する方法を説明する。
【0068】
(第1の訂正方法)
図10(b)に第1の訂正方法を示す。第1の訂正方法では、記入枠70と訂正記入枠73と訂正チェックボックス74とが1組となって1つの記入欄を構成しており、これがドットパターンを有する専用ペーパー上に印刷されて帳票を構成している。利用者は訂正したい記入枠70の左の訂正チェックボックス74にチェックを入れ、訂正記入枠73内に訂正内容を記入する。入力データを処理するアプリケーションは、訂正チェックボックス74内にチェックが入っている場合は、記入枠70内の入力データを無視し、訂正記入枠73内の入力データを採用する。
【0069】
訂正チェックボックスを省略し、訂正記入枠73内に記入データがある場合には訂正がなされたと自動的に判定する方法も考えられるが、利用者が訂正記入枠73内に入力する意志がなくても、偶然に電子ペンが訂正記入枠73にふれる場合も考えられるので、訂正チェックボックスへの入力を訂正の条件とする方が安全性が高くなる。
【0070】
図10(b)の例では訂正チェックボックスは記入枠側に1つのみ配置されているが、記入枠70と訂正記入枠73の両方に対して1つずつ配置し、記入内容を採用する側の枠に対応する訂正チェックボックス74を利用者がチェックするようにすることもできる。また、訂正チェックボックス74を設ける代わりに、図10(a)の削除の例で示したように、記入枠70の外側に一対の削除点72を設け、削除点72を通過するように削除線を引くことで訂正対象の記入枠を特定するようにすることもできる。
【0071】
第1の訂正方法は、図8における処理1及び処理4bのいずれの場合にも利用することができる。
【0072】
(第2の訂正方法)
図10(c)に第2の訂正方法を示す。第2の訂正方法は、帳票自体に訂正記入枠を設けるのではなく、同一の帳票を使用して訂正を行う方法である。新規入力に用いる帳票と訂正に用いる帳票は同一の帳票(別の用紙)である。利用者は一旦入力した内容を訂正したい場合は、同一の用紙を用意し、訂正個所に対応する記入枠に訂正後のデータを入力するとともに、訂正のために使用する用紙の当該記入枠に対応する訂正チェックボックスにチェックを入れる。この方法によれば、帳票自体に予め訂正が行われることを想定して訂正記入枠を設ける必要がないので、帳票の紙面を有効に利用することができる。また、新規の記入と同一の用紙で訂正を行うことができるので、訂正専用用紙などを用意する必要がない。さらに、利用者は誤った部分のみを別紙で訂正すればよく、訂正部分以外の内容を最初から別紙に全て記入する必要はないので、訂正を容易に行うことができる。
【0073】
(第3の訂正方法)
図11(a)に第3の訂正方法を示す。第3の訂正方法は、訂正専用用紙を用意し、それに訂正内容を記入する方法である。図示のように、通常の記入用紙80には複数の記入枠70とそれに対応する訂正チェックボックス74が設けられている。また、訂正専用用紙81には訂正記入枠73とそれに対応する訂正チェックボックス74が設けられている。訂正を行う際には、利用者は通常の記入用紙80に含まれる記入枠70のうち訂正の対象となる記入枠に対応する訂正チェックボックス74にチェックを付すとともに、訂正専用用紙81の任意の訂正記入枠73に訂正内容を記入し、その訂正記入枠73に対応する訂正チェックボックス74にチェックを付す。図11(a)の例では、記入用紙80の上から2番目の記入枠70に入力した「あいう」を訂正専用用紙81の一番上の訂正記入枠73に入力した「かきく」に訂正している。但し、この方法では、訂正の対象となる記入用紙80の入力枠70と訂正専用用紙81上の訂正記入枠73とが、第2の訂正方法の場合とは異なり一対一に対応してはいないので、訂正専用用紙81への訂正内容の記入を、記入用紙80への記入の直後に行わなければならない。前述のように、電子ペン10は入力データのタイムスタンプ(時間情報)を取得するので、記入用紙80側の訂正対象となる記入枠70の記入直後に訂正専用用紙81側の訂正記入枠73の記入及び対応する訂正チェックボックス74のチェックを行えば、それら記入枠を対応付けすることができる。即ち、この方法では、最初の記入とそれに対する訂正とを時間的に連続して行うことにより、訂正対象となる記入枠の対応付けを行っている。
【0074】
このように時間的に連続して訂正を行うことを必須としないためには、他の方法で、記入用紙80側の訂正対象の記入枠70と訂正専用用紙81側の訂正記入枠73との対応付けを行う必要がある。その1つの方法は、両用紙の訂正チェックボックス74に記入するチェックマークとして複数の異なるチェックマークを使用し、チェックマークの種類により対応関係を規定する方法である。例えば、図11(a)の例において、記入用紙80の第2行目の「あいう」を「かきく」に訂正する場合、記入用紙80の第2行目の訂正チェックボックスにチェックマークとして「○」を記入し、それに対応する訂正専用用紙81側の訂正記入枠73の訂正チェックボックスにもチェックマーク「○」を記入する。これにより、チェックマーク「○」が付された1組の訂正ペアが特定できる。他の訂正事項がある場合には、記入用紙80側の訂正対象となる記入枠70の訂正チェックボックスに、別のチェックマーク(例えば「×」)を記入し、訂正専用用紙81側の対応する訂正記入枠73の訂正チェックボックス74に同様にチェックマークとして「×」を記入する。これにより、チェックマーク「×」が付された記入枠70と訂正記入枠73が対応することが分かる。この方法で訂正の対象となる記入用紙80側の記入枠70と訂正専用用紙81側の訂正記入枠73とを対応付けすれば、訂正内容を時間的に直後に入力する必要はなくなる。
【0075】
第3の訂正方法は、図8における処理1及び処理4bの訂正に適用することができる。いずれの処理に適用した場合でも、記入用紙80及び訂正専用用紙81中の必要な全ての記入枠に対して記入及び訂正が完了した後で、電子ペン10から端末装置25へデータを送信する。
【0076】
(3)記入情報の追加
図11(b)に、記入情報を追加する方法を示す。図11(b)に示すように、1つの記入枠70に対して開始チェックボックス83と続くチェックボックス84とを設ける。その記入枠70内に記入内容がおさまらない場合は、同一の用紙82を用意し、その記入枠70内に追加分の内容を記入する。その際、次の用紙82に移行する際に、利用者は元の用紙82の続くチェックボックス84にチェックを行うとともに、次に追加内容を記入する用紙82の開始チェックボックス83にチェックを行う。この2回のチェックを、時間的に連続して行うことにより、アプリケーションは入力データ中の時間情報に基づいて複数の用紙82の記入順序を特定することができる。
【0077】
また、3枚以上の用紙を使用して追加記入を行う際には、各用紙のチェックボックスに付すチェックマークの組み合わせを異ならせることにより、記入順序を特定することができる。例えば、1枚目の用紙のから2枚目の用紙に移る際には、1枚目の用紙の続くチェックボックス84及び2枚目の用紙の開始チェックボックス83にチェックマーク「○」を記入する。また、2枚目の用紙のから3枚目の用紙に移る際には、2枚目の用紙の続くチェックボックス84及び3枚目の用紙の開始チェックボックス83にチェックマーク「×」を記入する。こうして、チェックマークを変えていけば、3枚以上の追加用紙を利用して記入内容を追加した場合も、記入順序を正しく特定することができる。
【0078】
この記入情報の追加処理は、図8における処理1及び処理4bに適用することができる。
【0079】
(4)送信済み申込書の訂正・取消の指定
次に、受付サーバ3へ送信済みの申込書の訂正と取消の指定方法について説明する。図8に示すフェーズ4では、一旦送信した申込データを取り消したい場合が生じうる。これは、これまで述べてきたような申込データ中の一部の訂正ではなく、申込手続自体の取消である。この取消手続は、利用者が端末装置25を操作して行うことも可能であるが、電子ペン10と申込書4とにより以下のように行うことができる。
【0080】
図12(a)に、申込手続の取消を行う際に使用できる申込書の例を示す。なお、図12(a)〜(c)はいずれも申込書4の一部を示した図である。図12(a)の例は最も単純に、新規ボックス91と訂正ボックス92と取消ボックス93とを申込書4に設ける方法を示す。利用者は、同一の申込書4を使用し、新規申し込みを行う場合には新規ボックス91にチェックを付し、過去に送信した申込データの訂正を行う場合には訂正ボックス92にチェックを付し、過去に行った申込手続自体を取り消す場合は取消ボックス93にチェックを付す。
【0081】
図12(b)の例は、申込書4に設けるボックスを簡略化した例であり、新規申込と訂正を、共通の新規・訂正チェックボックス94により行う構成としている。なお、申込書4には、過去に行った申込手続に対して受付サーバ3から発行された受付IDを記入する受付ID記入枠95が設けられている。利用者が新規・訂正チェックボックス94にチェックを付し、さらに受付ID記入枠95内に受付IDを記入した場合は、過去に送信した申込データの訂正を要求しているものとアプリケーションは判断する。一方、新規・訂正チェックボックス94にチェックが付されているが、受付ID記入枠95内に受付IDが記入されていない場合は、アプリケーションは新規申込手続であると判断する。一方、取消チェックボックス93にチェックが付されており、受付ID記入枠95に受付IDが記入されている場合、アプリケーションはその受付IDに対応する受付手続の取消が要求されていると判断する。
【0082】
また、図12(c)の例は1つのチェックボックス96のみで新規申込、訂正及び取消を区別する例であり、アプリケーションは、図示のようにチェックボックス96内に利用者が記入するチェックマークによっていずれであるかを区別する。図示の例では、アプリケーションは、チェックボックス96内にチェックマーク「○」が記入されていれば新規申込であると判断し、チェックマーク「△」が記入されていれば訂正であると判断し、チェックマーク「×」が記入されていれば手続の取消であると判断する。なお、訂正及び取消の場合には、利用者は受付ID記入枠95内に受付IDを記入することになる。
【0083】
このように、専用ペーパーにより構成される申込書4と電子ペン10の組み合わせにより新規申込であるか、訂正であるか、手続の取消であるかを指定可能とすることにより、利用者はそのために端末装置25を操作する必要が無くなり、申込書の作成や訂正内容の記入などの作業を含めて全てを申込書に電子ペンで記入するという作業により行うことができる。利用者にとっては、各手続に必要な入力手段が一元化されるので作業が容易になるという利点がある。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電子ペンと、専用ペーパーからなる帳票とを利用することにより、利用者は従来のペン入力と同様に帳票に記入するだけで、記入内容に対応する入力データを得ることができる。また、利用者が記入内容の訂正や手続の取消などを行う場合にも、電子ペンと帳票による入力作業のみで容易に記入情報の削除、訂正、追加や手続自体の取消などを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子ペンの使用形態を模式的に示す図である。
【図2】電子ペンの構造を示す機能ブロック図である
【図3】専用ペーパーにプリントされたドットパターンによる情報の表現方法を説明する図である。
【図4】ドットパターン及びそれに対応する情報の例を示す。
【図5】専用ペーパーにより構成される帳票の構造を示す。
【図6】帳票の例を示す。
【図7】電子ペン及び専用ペーパーを利用した申込システムの概略構成を示す図である。
【図8】申込手続の流れを示す図である。
【図9】申込手続中に行われる記入情報の削除方法を説明するための図である。
【図10】申込手続中に行われる記入情報の訂正方法を説明するための図である。
【図11】申込手続中に行われる記入情報の他の訂正方法を説明するための図である。
【図12】新規申込、記入情報の訂正方法及び手続の取消を指定する方法を説明するための図である。
【符号の説明】
2 ネットワーク
3 受付サーバ
4 申込書
8 データベース
10 電子ペン
11 プロセッサ
12 メモリ
13 トランシーバ
14 バッテリー
15 LED
16 カメラ
17 ペン先部
20 専用ペーパー
25 端末装置
Claims (6)
- インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される電子ペン用帳票であって、
前記読取ユニットにより光学的に読取可能に設けられたドットパターン領域と、
前記ドットパターン領域内に設けられた記入枠と、
前記記入枠に対応付けて前記ドットパターン領域内に設けられ、前記記入枠内に記入された事項を訂正する際にチェックマークを記入するための訂正チェックボックスと、を備えることを特徴とする電子ペン用帳票。 - 前記記入枠は、訂正後の記入事項を記入するための訂正記入枠を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子ペン用帳票。
- 前記電子ペン用帳票は訂正専用帳票であり、前記記入枠は訂正用記入枠であることを特徴とする請求項1に記載の電子ペン用帳票。
- インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される電子ペン用帳票であって、
前記読取ユニットにより光学的に読取可能に設けられたドットパターン領域と、
前記ドットパターン領域内に設けられた記入枠と、
前記記入枠に対応付けて前記ドットパターン領域内に設けられ、当該記入枠に記入された記入事項に先行する記入事項を記入した他の帳票が存在することを示すチェックマークを記入するための第1のチェックボックスと、
前記記入枠に対応付けて前記ドットパターン領域内に設けられ、当該記入枠に記入された記入事項に続く記入事項を記入した他の帳票が存在することを示すチェックマークを記入するための第2のチェックボックスと、を備えることを特徴とする電子ペン用帳票。 - インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される電子ペン用帳票であって、
前記読取ユニットにより光学的に読取可能に設けられたドットパターン領域と、
前記ドットパターン領域内に設けられ、前記帳票を新規帳票として使用する場合には記入がなされず、前記帳票を訂正用帳票として使用する場合には識別情報を記入するための識別情報記入枠と、
前記ドットパターン領域内に設けられ、前記帳票を新規帳票として使用する場合及び前記帳票を訂正用帳票として使用する場合にチェックマークを記入するためのチェックボックスと、を備えることを特徴とする電子ペン用帳票。 - インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される電子ペン用帳票であって、
前記読取ユニットにより光学的に読取可能に設けられたドットパターン領域と、
前記ドットパターン領域内に設けられ、識別情報を記入するための識別情報記入枠と、
前記ドットパターン領域内に設けられ、前記帳票を新規帳票として使用する場合と、前記帳票を訂正用帳票として使用する場合と、前記帳票を前記識別情報記入枠に記入された識別情報に関連する処理を取り消すための取消依頼用帳票として使用する場合とで、異なるチェックマークを入力するためのチェックボックスと、を備えることを特徴とする電子ペン用帳票。
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