JP4006328B2 - フィッシャー・トロプシュ法による炭化水素類の製造方法 - Google Patents

フィッシャー・トロプシュ法による炭化水素類の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素と一酸化炭素を主成分とする混合ガス(以下「合成ガス」という)から炭化水素類を製造する方法に関する。さらに詳しくは、合成ガスを、液状炭化水素類中に分散せしめた、アルミニウム酸化物およびマンガン酸化物からなる担体にナトリウムおよびルテニウムを担持させた触媒に接触させ、炭化水素類、とりわけ灯軽油留分に容易に変換できるワックス分と共にオレフィン分に富む炭化水素類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成ガスから炭化水素類を合成する方法として、フィッシャー・トロプシュ反応(Fischer−Tropsch反応)、メタノール合成反応などが良く知られている。そして、フィッシャー・トロプシュ反応は鉄、コバルト、ルテニウム系触媒で進行することが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
ところで、近年、大気環境保全の観点から、低硫黄分の軽油が望まれており、今後その傾向はますます強くなるものと考えられる。また、原油資源は有限であるとの観点から、それに代わるエネルギー源の開発が望まれており、今後ますます強く望まれるようになるものと考えられる。これらの要望に応える技術として、エネルギー換算で石炭に匹敵する究極埋蔵量があるといわれる天然ガス(主成分メタン)(例えば、非特許文献2参照)から灯軽油等の液体燃料を合成する技術である所謂GTL(gas to liquid)がある。天然ガスは、硫黄分を含まないか、含んでいても脱硫が容易な硫化水素(H2S)やメルカプタン(CH3SH)等であるため、得られる灯軽油等の液体燃料には、その中に殆ど硫黄分が無く、またセタン価の高い高性能ディーゼル燃料に利用できるなどの利点があるため、このGTLは近年ますます注目されるようになってきている。
【0004】
上記GTLの主要な技術として、合成ガスからフィッシャー・トロプシュ反応(以下「FT反応」という)によって炭化水素類を製造する方法(以下「FT法」という)が盛んに研究されている。一般に、FT反応における炭化水素類生成物の炭素数分布はシュルツ・フローリー(Shultz-Flory)則に従うとされている。灯軽油留分を効率的に合成するためには、長時間安定した活性を示す触媒、連鎖成長確率が高い触媒、活性が高い触媒が必要である。触媒活性が不足するような場合にはプロセス設計(反応器設計等)で補うことができるが、触媒の安定性や連鎖成長確率は触媒そのものの特性に依存しやすい傾向があるため、安定性が高く、連鎖成長確率の高い触媒開発が技術的課題となっている。連鎖成長確率については高いほど良いが、確率が高くなりすぎると生成物中に占めるワックス分が多くなり、プロセス運転が煩雑になる虞がある。実質的な上限は0.95程度と考えられる。
【0005】
灯軽油留分の得率を高めるためには、FT反応で生成したワックス分を水素化分解して灯軽油留分に変換することが効果的であるが、さらに灯軽油留分の得率を高めるためにはFT反応中に低級オレフィンを生成させ、二量化、三量化等によって該留分を生成させることも視野に入れる必要がある。この灯軽油留分の得率のなお一層の向上は、連鎖成長確率が高く、かつ生成低級炭化水素中のオレフィン選択性に優れるFT反応を行うことにより達成することができると考えられる。
しかし、現在のところ、長時間安定した触媒活性を示し、連鎖成長確率が高く、かつオレフィン選択性が優れていて、上記灯軽油留分得率のなお一層の向上を達成できるFT反応を行い得る触媒、プロセスは未だ提案されていない。従来から、種々のFT反応用の触媒が提案されており、オレフィン類への高選択性を目的とした触媒として、マンガン酸化物担体にルテニウムを担持させた触媒、このルテニウム担持触媒にさらに第三成分を加えた触媒などのルテニウム系触媒が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。しかし、これらのルテニウム系触媒を用いたFT法では、上記灯軽油留分得率のなお一層の向上を十分達成することができない。すなわち、上記ルテニウム系触媒は、主として固定床式で用いることを目的として開発された触媒であって、このルテニウム系触媒を用いた固定床式のFT法では、このルテニウム系触媒の連鎖成長確率もさることながら、固定床式の反応形式では、ワックス分が多量に生成したとき、この生成したワックス分が触媒の活性点に付着してそれを覆い、触媒の活性が低下する問題や、触媒床の局所が過熱するヒートスポットが生ずる等の問題が発生し易く、安定して円滑に反応を行うことができなくなるという問題がある。
【0006】
【非特許文献1】
「C1ケミストリー」、触媒学会編、講談社
【非特許文献2】
S. Hamakawa, Materials Integration, Vol.12, p12 (1999)
【特許文献1】
特公平3−70691号公報
【特許文献2】
特公平3−70692号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、長時間安定した触媒活性を示し、連鎖成長確率が高く、低級炭化水素のオレフィン選択性に優れたFT反応を長時間安定して円滑に行うことができ、液状炭化水素類を効率的に製造できるFT法を提供することにあり、他の目的は、生成したワックス分の水素化分解、生成したオレフィンの二量化、三量化等により、灯軽油留分の増産に従来に比べて一層大きく寄与できる可能性が高いFT法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、触媒として、アルミニウム酸化物および一定のマンガン酸化物からなる担体に、ナトリウム化合物とルテニウムを一定量担持させた後、アルカリ性水溶液で処理した、比較的大きな一定の比表面積と比較的小さな一定の嵩密度を示す触媒を用いることによって上記目的を達成できることを見出して、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、上記目的を達成するために、アルミニウム酸化物およびマンガンの平均荷電数がMn2+を超えるマンガン酸化物からなる担体に、ナトリウム化合物を触媒基準、Na2O換算で0.1〜1.3質量%担持し、さらに、ルテニウムを触媒基準で0.8〜4.5質量%担持した触媒前駆体を、アルカリ性水溶液で処理によりナトリウム化合物量を触媒基準、Na 2 O換算で0.01〜1.10質量%の範囲内に低減した触媒であって、比表面積が90〜180m2/gで、嵩密度が0.80〜1.70g/mlである触媒を、予め還元処理を施した後、液状炭化水素類中に濃度1〜40質量%にて分散せしめ、該触媒に水素および一酸化炭素を主成分とする混合ガスを、圧力1〜10MPa、反応温度200〜300℃で接触させる炭化水素類の製造方法を提供する。
【0010】
本発明では、上記のように所定の担体に所定量のナトリウム化合物およびルテニウムを担持させたものを触媒前駆体とし、該触媒前駆体をアルカリ性水溶液で処理したもの(但し、上記のように所定の比表面積および嵩密度を有する要がある)を触媒としてFT反応に供する(但し、上記のように予め還元処理を施した後)炭化水素類の製造方法である。したがって、本発明で用いるFT反応に供せられる触媒は、上記触媒前駆体からアルカリ性水溶液可溶性成分がアルカリ性水溶液処理によって溶解除去、もしくはその含有量が低減されたものである。この除去ないし含有量が低減されるアルカリ性水溶液可溶性成分としては、担体に担持させたナトリウム化合物、後記するようにルテニウムを担持させるに当たりルテニウム源として塩化ルテニウムを用いた場合のように触媒前駆体に塩素が含まれている場合の塩素等が挙げられる。そして、本発明でFT反応に供せられる触媒は、長時間安定した触媒活性を示し、連鎖成長確率が高く、低級炭化水素のオレフィン選択性に優れたFT反応を長時間安定して円滑に行うことができる、優れた性能の触媒であるが、かかる優れた性能は、上記の担体、担持触媒種とその担持量、比表面積と嵩密度の触媒の構成に関る要件と、一旦触媒前駆体を調製してそれをアルカリ性水溶液処理するという調製操作に関る要件とが相俟って達成されるものである。なお、本発明において、一旦触媒前駆体を調製してそれをアルカリ性水溶液処理するという調製操作に関る要件は、本発明者らが、図らずも、アルカリ性水溶液処理をする前の触媒前駆体をFT反応に供した場合より、アルカリ性水溶液処理をした後の触媒をFT反応に供した場合の方が長時間安定した反応が円滑に行われるという知見によるものであるが、このメカニズムの詳細は定かではない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に発明を詳細に説明する。
(本発明で用いる触媒の調製工程)
本発明で用いる触媒の調製は、その調製方法の基本操作自体は、従来から知られた担持触媒の一般的調製方法の基本操作に準じて行うことができる。本発明で用いる触媒は、一般に、アルミニウム酸化物およびマンガン酸化物からなる担体に、先ずナトリウム化合物を担持させ、水分を除去した後焼成する。次いでルテニウムを担持させ、水分を除去したあと充分乾燥し、粉砕、分級および必要に応じて平均粒子径を整えて触媒前駆体を得る。この触媒前駆体をアルカリ性水溶液で処理し、乾燥して得られる。以下、触媒前駆体の調製から炭化水素類の製造方法までを順次説明する。
【0012】
(触媒前駆体の調製)
本発明において、触媒前駆体の調製に当たっては、一般に、まず、アルミニウム酸化物およびマンガンの平均荷電数がMn2+を超えるマンガン酸化物からなる担体に、ナトリウム化合物を触媒基準、Na2O換算で0.1〜1.3質量%、担持させ、水分を除去した後乾燥し、しかる後焼成する。次に、該焼成物にルテニウムを触媒基準で0.8〜4.5質量%担持させ、水分を除去した後充分に乾燥し、かくして触媒前駆体を得る。
担体へのナトリウム化合物あるいはルテニウムの担持は、例えば、担体をナトリウム化合物あるいはルテニウム化合物の如き触媒種化合物の溶液中に浸漬して、触媒種化合物を担体上に吸着させたり、イオン交換して付着させたり、アルカリなどの沈殿剤を加えて沈着させたり、溶液を蒸発乾固したり、あるいは触媒種化合物の溶液を担体上へ滴下して行うなど、担体と触媒種化合物の溶液とを接触させて行うことができる。
上記担持に用いるナトリウム化合物としては、ナトリウムの炭酸塩、塩化物、硝酸塩、アンモニア塩等が挙げられ、炭酸塩を好ましく用いることができ。また、ルテニウム化合物としては、従来からルテニウム担持触媒の調製に用いられている各種のルテニウム化合物を適宜選択して用いることができる。その例として、塩化ルテニウム、硝酸ルテニウム、酢酸ルテニウム、塩化六アンモニアルテニウムなどの水溶性ルテニウム塩や、ルテニウムカルボニル、ルテニウムアセチルアセトナートなどの有機溶剤に可溶なルテニウム化合物などが好ましく挙げられ、塩化ルテニウムを好ましく用いることができる。
上記の如く、ナトリウム化合物を担持させた担体、あるいはルテニウム化合物を担持させた焼成物は乾燥されるが、このいずの乾燥も、一般に、常温〜300℃で行う。乾燥時間は触媒量や乾燥機の能力によって異なるため一概に決まらないが、通常10〜48時間保持することにより行うことができる。
また、上記のナトリウム化合物を担持させ、乾燥させた担体の焼成温度は、400〜750℃が好ましく、500〜700℃がより好ましく、550〜650℃が最も好ましい。400℃未満では焼成が不十分となる可能性が生じ、この温度を超えるとシンタリングなどが生ずる可能性が高くなる。焼成時間は0.5時間以上が好ましく、1時間以上がより好ましい。焼成時間の上限は特にないが、生産効率等の観点から72時間程度が実質的な上限と考えられる。
【0013】
このようにして得た触媒前駆体は、一般に、適宜粉砕し、分級して、後記するFT反応に供する触媒に求められる所望の触媒粒子径分布、さらに必要に応じて所望の平均粒子径などを有する粉末状とされる。この粉砕、分級、必要に応じた平均粒子径に整える工程は、アルミナとマンガン酸化物からなる担体を製造する工程の後で行っても良いし、ナトリウム化合物を担持後、焼成する工程を経た後で行っても良いし、ルテニウムを担持、乾燥する工程を経た後で行っても良いし、後記するアルカリ性水溶液処理とそれに続く乾燥工程の後に行っても良く、触媒調製の任意の段階で行うことができるが、一般に、上記のようにアルカリ性水溶液処理前の触媒前駆体について行うことが好ましい。そうすることによって、触媒前駆体からのアルカリ性水溶可溶性成分の溶解除去を一層円滑に行うことができる。
【0014】
本発明の触媒調製で使用する触媒前駆体において、その担体の一つの成分のアルミニウム酸化物としては、得られる触媒が高い連鎖成長率や安定した反応活性を示すために、中性アルミナやアルカリ性アルミナが好ましく用いられる。酸性アルミナを用いた場合は、得られる触媒の連鎖成長確率の低下や反応活性の低下を招く虞がある。担体の他の一つの成分のマンガン酸化物としては、前記の如くマンガンの平均荷電数がMn2+を超えるマンガン酸化物が用いられる。マンガンの平均荷電数がMn2+以下のマンガン酸化物は、例えば米国特許第4206134号明細書に示されているように、ガス状炭化水素(C2〜C4)のオレフィンの生成に適するものであり、本発明が目的とする液状炭化水素類の生産には適さない。マンガンの平均荷電数がMn2+を超えるマンガン酸化物の例としては、MnO2、Mn23、Mn34などが好ましく挙げられる。また、硝酸マンガンのような酸化物以外の塩を出発物質とし、これらから得られたマンガンの平均荷電数がMn2+を超えるマンガン酸化物を用いることもできる。例えば、硝酸マンガンを空気中で焼成して得られるMn23などを好ましく使用できる。担体におけるアルミニウム酸化物とマンガン酸化物の割合は、一般に、アルミニウム酸化物100質量部に対してマンガン酸化物18〜160質量部が適当であり、好ましくは18〜100質量部であり、最も好ましくは20〜45質量部である。マンガン酸化物の割合が18質量部未満では、得られる触媒の連鎖成長率、C5+選択率およびオレフィン/パラフィン比がいずれも低下し、液状炭化水素の生産に適さなくなる虞があり、一方、160質量部を超える場合は、得られる触媒の嵩密度あるいは比表面積が好適な範囲を満たすことができなくなる虞がある。また、この担体の調製は、常法に従って行うことができ、所定割合のアルミニウム酸化物原料とマンガン酸化物原料とを混合、焼成して行うことができる。さらにまた、この担体は、粉末状、顆粒状、打錠成形体、押し出し成形体等の任意の形状であってよい。
【0015】
また、本発明で用いる触媒前駆体においては、ナトリウムの担持量は、前記の如く触媒基準、Na2O換算で0.1〜1.3質量%であるが、好ましくは0.14〜1.20質量%であり、さらに好ましくは0.50〜1.20質量%である。また、ルテニウムの担持量は、前記の如く触媒基準で0.8〜4.5質量%であるが、好ましくは1.5〜4.5質量%、さらに好ましくは2.0〜4.0質量%である。これらの担持量は、後記するアルカリ性水溶液処理後のFT反応に供せられる触媒に求められる担持量を基にして採用された担持量である。
また、ルテニウムを担持させるに当たり、塩化ルテニウム等のルテニウム塩化物をルテニウム源の全てまたは一部に用いた場合には、触媒前駆体中に当該ルテニウム塩化物に起因する塩素が含有され、その塩素含有量は、ルテニウム源として用いたルテニウム塩化物の多寡に比例して増減する。例えば、ルテニウム源として全量塩化ルテニウムを用いてルテニウムを担持させた場合、触媒前駆体の塩素含有量は、上記ルテニウムの担持量の各範囲に対応して示せば、触媒基準、Cl換算で、ルテニウムの担持量が0.8〜4.5質量%の範囲のとき0.8〜4.2質量%、好ましい範囲のとき1.0〜4.0質量%、さらに好ましい範囲のとき2.0〜4.0質量%となる。
なお、触媒前駆体及び後記するアルカリ性水溶液処理後のFT反応に供する触媒の化学組成は、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP法)およびイオンクロマトグラフィーによって求めた。
【0016】
本発明においては、前記のとおり、触媒調製の任意の段階で粉砕、分級、必要に応じた平均粒子径に整える工程を行うことができるが、本発明で用いる触媒前駆体の比表面積、嵩密度、粒子径の分布範囲、平均粒子径などは、一般に、後記するアルカリ性水溶液処理後のFT反応に供せられる触媒に求められるそれらと同等であることが、触媒前駆体からのアルカリ性水溶可溶性成分の溶解除去を一層円滑に行う上で好ましい。後記アルカリ性水溶液処理によって触媒前駆体の比表面積、嵩密度、粒子径の分布範囲、平均粒子径などが実質的に変化を受けることはない。
【0017】
(触媒前駆体のアルカリ性水溶液処理)
上記の如くして得られた触媒前駆体をアルカリ性水溶液に漬浸して後処理する。アルカリ性水溶液としては、アンモニア水、苛性ソーダ水、苛性カリ水、炭酸ソーダ水、炭酸カリ水等を適宜選択して用いることができ、アンモニア水を好ましく用いることができる。アルカリ性水溶液中のアルカリの濃度は0.05N〜1.2Nが好ましく、0.05〜0.5Nがより好ましく、0.05〜0.2Nが最も好ましい。0.05N未満では後処理効果が希薄となり安定した触媒活性を長期間保てなくなる、また1.2Nを超えると未反応アルカリ分が多くなり不経済となるほか、洗浄工程に要する時間や水量が多くなるなど産業上の技術的な意味が無くなる。アルカリ性水溶液で後処理したのち、水洗し常温〜120℃で乾燥する。乾燥時間は、触媒の量や乾燥機の能力によって異なるため一概には決まらないが、通常10〜48時間保持することにより乾燥することができる。前記したとおり、このアルカリ性水溶液処理によって、触媒前駆体中のアルカリ性水溶液可溶性成分が溶解除去もしくは低減され、この除去ないし低減されるアルカリ性水溶液可溶性成分として、担体に担持させたナトリウム化合物、塩化ルテニウムを用いてルテニウムを担持させた場合の該塩化ルテニウムに起因する塩素等が挙げられる。ナトリウム化合物および塩素の除去量は、必要に応じて適宜設定することができる。触媒前駆体に含まれるナトリウム量やアルカリ性水溶液の濃度、アルカリの種類によって触媒中のナトリウム量は異なる。一般に、アルカリ性水溶液処理によって、触媒中のナトリウム量は触媒基準、Na2O換算で0.01〜1.10質量%の範囲にすることができる。また、塩素量は触媒基準、Cl換算で0.01〜0.13質量%の範囲にすることができる。また、このアルカリ性水溶液処理によって、ルテニウムの担持量や担体の組成は実質的に変化せず、また、触媒前駆体の比表面積、嵩密度、粒子径の分布範囲、平均粒子径などの物性も実質的に変化しない。かくして本発明で用いる所定の諸物性を有する触媒を得ることができる。
【0018】
(本発明で用いる触媒)
本発明で用いる触媒、すなわちFT反応に供する触媒において、担体は、前記触媒前駆体の調整に用いた前記したとおりのアルミニウム酸化物およびマンガンの平均荷電数がMn2+を超えるマンガン酸化物からなる担体である。
また、ルテニウムの担持量は、アルカリ性水溶液処理後も前記触媒前駆体の担持量が実質的に維持される。すなわち、ルテニウムの担持量は、触媒基準で0.8〜4.5質量%であり、好ましくは1.5〜4.5質量%、さらに好ましくは2.0〜4.0質量%である。ルテニウムの担持量が、上記所定範囲未満では、活性点数が不足となり十分な触媒活性が得られなくなる虞があり、上記所定範囲を超える場合は、触媒活性の向上効果が飽和し、技術的な意義が希薄になる。
また、ナトリウムの担持量(Na2O換算)は、前記の通り、アルカリ性水溶液処理によって、触媒基準で0.01〜1.10質量%の範囲にすることができる。FT反応に供する触媒におけるナトリウムの担持量は、一般に、触媒基準で0.01〜1.10質量%であり、好ましくは0.01〜0.07質量%、さらに好ましくは0.02〜0.07質量%である。
さらにまた、触媒前駆体が塩素を含有する場合は、この塩素も、前記のとおりアルカリ性水溶液処理によって適宜低減することができる。触媒前駆体に含まれる塩素量やアルカリ性水溶液の濃度、アルカリの種類によって、触媒中の塩素量は異なる。一般に、アルカリ性水溶液処理によって、触媒中の塩素量は触媒基準、Cl換算で0.01〜0.13質量%の範囲にすることができる。例えば、ルテニウム源として全量塩化ルテニウムを用いて触媒前駆体にルテニウムを担持させた場合、FT反応に供する触媒における塩素含有量は、一般に、触媒基準、Cl換算で0.01〜0.13質量%であり、好ましくは0.02〜0.10質量%、さらに好ましくは0.05〜0.08質量%である。
ナトリウムの含有量が上記所定範囲を逸脱して少ない、あるいは多い場合、および塩素の含有量が上記所定範囲を逸脱して多い場合は、所望の改善効果が得られ難くなる。
【0019】
また、本発明で用いる触媒の比表面積は、90〜180m2/gであり、好ましくは100〜180m2/g、さらに好ましくは130〜180m2/gである。比表面積が90m2/g未満では、ルテニウムの分散性が低下する虞があり好ましくない。また、比表面積の上限に関しては、一般に固体触媒を扱うに当たっては、広いほど気液固の接触頻度が高まるため好ましい。しかし、本発明で用いるアルミニウム酸化物およびマンガン酸化物からなる担体単独の比表面積の現実的な上限値は250〜300m2/g程度であることを考えると、これにルテニウム化合物を担持した触媒のそれは最大200m2/g程度と考えられる。なお、触媒の比表面積は、高純度窒素をプローブとしBET法(Braunauer-Emett-Tailor 法)で求めた。
【0020】
また、本発明で用いる触媒の嵩密度は、0.80〜1.70g/mlであり、好ましくは0.80〜1.60g/ml、さらに好ましくは0.80〜1.30g/mlである。嵩密度が1.8g/mlを超える場合は、触媒重量あたりのC5+生産性が低くなる可能性が出てくる。
【0021】
また、本発明で用いる触媒は、その触媒粒子径の分布範囲が10〜220μmであることが好ましく、20〜200μmであることがさらに好ましく、20〜180μmであることがなおさらに好ましい。本発明では、触媒は液状炭化水素類中に分散させて分散状態で使用されるため、その粒子径分布を考慮することが望ましい。5μm未満のような細かい粒子は、フィルター等を通過して下流側に溢出して、反応容器内の触媒濃度が減少したり、下流側機器が触媒微粒子によって不具合が発生する可能性が高くなる。また、200μmを超えるような大きい粒子は、反応容器全体にわたって液状炭化水素類中に均一に分散させることが難しくなったり、触媒を分散したスラリーが不均一となったりして、反応活性が低下する可能性が高くなる。
【0022】
粒子径分布が上記10〜220μmの範囲内でも、液状炭化水素類中に分散させたとき、分散に偏りが生じる場合がある。かかる場合には、触媒粒子を液状炭化水素類中に偏りを生じることなく均一に分散させるために、平均粒子径をも考慮することが望ましい。本発明で用いる触媒の平均粒子径は、40〜150μmが好ましく、40〜80μmがさらに好ましく、40〜70μmがなおさらに好ましい。平均粒子径が、上記40〜150μmの範囲の上下限を外れた場合には、触媒粒子の液状炭化水素類中への分散が不均一となり、反応活性が低下する場合がある。
【0023】
(炭化水素類の製造方法)
本発明の炭化水素類の製造方法においては、上記の如くして調製された触媒は、FT反応に供する前に予め還元処理(活性化処理)される。この還元処理により、触媒がFT反応において所望の触媒活性を示すように活性化される。この還元処理を行わなかった場合には、担体上に担持されたルテニウム種が十分に還元されず、FT反応において所望の触媒活性を示さない。この還元処理は、触媒を液状炭化水素類に分散させたスラリー状態で還元性ガスと接触させる方法(分散媒中での還元)でも、炭化水素類を用いず単に触媒に還元性ガスを通気、接触させる方法(分散媒を用いない還元)でも好ましく行うことができる。前者の方法における触媒を分散させる液状炭化水素類としては、処理条件下において液状のものであれば、オレフィン類、アルカン類、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素を始めとする種々の炭化水素類を使用できる。また、含酸素、含窒素等のヘテロ元素を含む炭化水素であっても良い。これらの炭化水素類の炭素数は、処理条件下において液状のものであれば特に制限する必要はないが、一般にC6〜C40のものが好ましく、C9〜C40のものがより好ましく、C9〜C35のものが最も好ましい。C6の炭化水素類より軽質なものでは溶媒の蒸気圧が高くなり、処理条件幅が制限されるようになる。また、C40の炭化水素類より重質のものでは還元性ガスの溶解度が低下して、十分な還元処理ができなくなる懸念がある。また、炭化水素類中に分散させる触媒量は、1〜40質量%の濃度が適当あり、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは10〜30質量%の濃度である。触媒量が1質量%未満では、触媒の還元効率が低下する可能性がある。触媒の還元効率の低下を防ぐ方法として、還元性ガスの通気量を減少させる方法があるが、還元性ガスの通気量を低下させると気(還元性ガス)−液(溶媒)−固(触媒)の分散が損なわれるため好ましくない。一方、触媒量が40質量%を超えて多量の場合は、炭化水素類に触媒を分散させたスラリーの粘性が高くなり過ぎ、気泡分散が悪くなり、触媒の還元が十分なされなくなる虞もあるため好ましくない。還元処理温度は、130〜230℃が好ましく、150〜230℃がより好ましく、160〜220℃が最も好適である。130℃未満では、ルテニウムが十分に還元されず、十分な反応活性が得られない。また、230℃を超えると、担体のマンガン酸化物などの相転位、酸化状態の変化等が進行してルテニウムとの複合体を形成したり、これによって触媒がシンタリング(sintering) して、活性低下を招く可能性が高くなる。この還元処理には、水素を主成分とする還元性ガスを好ましく用いることができる。用いる還元性ガスには、水素以外の成分、例えば水蒸気、窒素、希ガス、メタン、エタンなどの炭化水素などを、還元を妨げない範囲である程度の量を含んでいても良い。この還元処理は、上記処理温度と共に、水素分圧および処理時間にも影響されるが、水素分圧は、0.7〜6MPaが好ましく、1〜5MPaがより好ましく、1〜3MPaが最も好ましい。還元処理時間は、触媒量、水素通気量等によっても異なるが、一般に、0.1〜50時間が好ましく、1〜48時間がより好ましく、4〜48時間が最も好ましい。処理時間が0.1時間未満では、触媒の活性化が不十分となる。また、50時間を超える長時間還元処理しても、触媒に与える悪影響は無い。しかし、触媒性能の向上が期待できない可能性を含むため処理コストが嵩むなど好ましくない。
【0024】
上記の如く還元処理した触媒がFT反応、すなわち炭化水素類の合成反応に供せられる。本発明におけるFT反応は、触媒を液状炭化水素類中に分散せしめた分散状態となし、この分散状態の触媒に合成ガスを接触させる。この際、触媒を分散させる炭化水素類としては、上記の予め行う還元処理で用いられる炭化水素類と同様のものを用いることができる。すなわち、反応条件下において液状のものであれば、オレフィン類、アルカン類、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素を始めとする種々の炭化水素類、含酸素、含窒素等のヘテロ元素を含む炭化水素等を用いることができ、その炭素数は特に制限する必要はないが、一般にC6〜C40のものが好ましく、C9〜C40のものがより好ましく、C9〜C35のものが最も好ましい。C6の炭化水素類より軽質なものでは溶媒の蒸気圧が高くなり、反応条件幅が制限されるようになる。また、C40の炭化水素類より重質のものでは原料の合成ガスの溶解度が低下して、反応活性が低下する懸念がある。上記の予め行う還元処理において、触媒を液状炭化水素類に分散させて行う方法が採用されている場合は、該還元処理で用いられた液状炭化水素類をそのままこのFT反応において用いることができる。炭化水素類中に分散させる触媒量は、1〜40質量%の濃度が適当あり、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは10〜30質量%の濃度である。触媒量が1質量%未満では活性が低下する。活性の低下を防ぐ方法として、合成ガスの通気量を減少させる方法があるが、合成ガスの通気量を低下させると気(合成ガス)−液(溶媒)−固(触媒)の分散が損なわれるため好ましくない。一方、触媒量が50質量%を超えて多量の場合は、炭化水素類に触媒を分散させたスラリーの粘性が高くなりすぎ、気泡分散が悪くなり、反応活性が十分得られなくなるため好ましくない。
【0025】
FT反応に用いる合成ガスは、水素および一酸化炭素を主成分としていれば良く、反応を妨げない物質が混入されていても差し支えない。FT反応の速度(k)は、水素分圧に約一次で依存するので、水素および一酸化炭素の分圧比(H2/COモル比)が0.5以上であることが望まれる。この反応は、体積減少を伴う反応であるため、水素および一酸化炭素の分圧の合計値が高いほど好ましい。水素および一酸化炭素の分圧比は、その上限は特に制限されないが、現実的なこの分圧比の範囲としては0.5〜2.5が適当であり、好ましくは0.8〜2.5、より好ましくは1〜2.3である。この分圧比が0.5未満では、生成する炭化水素類の収量が低下し、また、この分圧比が2.7を超えると生成する炭化水素類において軽質分が増える傾向が見られる。水素および一酸化炭素の分圧の合計値は、1〜10MPaが好ましく、1〜4MPaがより好ましく、1〜3MPaが最も好ましい。1MPa未満では、FT反応の速度が不十分となりガソリン分、灯軽油分、ワックス分などの収率が低下する傾向が見られるため好ましくない。平衡上は、水素および一酸化炭素の分圧が高いほど有利になるが、該分圧が高まるほどプラント建設コスト等が高まったり、圧縮に必要な圧縮機などの大型化により運転コストが上昇するなどの産業上の観点から該分圧の上限は規制される。
【0026】
このFT反応においては、一般に、合成ガスのH2/COモル比が同一であれば、反応温度が低いほど連鎖成長が進み、かつオレフィン選択性が高くなるが、CO転化率は低くなる。逆に、反応温度が高くなれば、連鎖成長、オレフィン選択性は低くなるが、CO転化率は高くなる。また、H2/CO比が高くなれば、CO転化率が高くなり、連鎖成長、オレフィン選択性は低下し、H2/CO比が低くなれば、その逆となる。これらのファクターが反応に及ぼす効果は、用いる触媒の種類等によってその大小が異なるが、本発明においては、反応温度は200〜300℃が好ましく、210〜290℃がより好ましく、240〜290℃が最も好ましい。
【0027】
以上述べた本発明の炭化水素類の製造方法に従って、水素および一酸化炭素を主成分とする混合ガスから炭化水素類を合成すれば、触媒の再生や補充をすることなく数千時間を超える長時間にわたってCO転化率がワンパス(once through conversion) で約60%以上、連鎖成長確率(α)が0.89〜0.95、低級炭化水素中のオレフィン/パラフィン比が、例えばC3炭化水素では3〜5、C5+の生産性が250〜850g/kg/hrをたもつ。このように本発明の炭化水素類の製造方法においては、安定してプラントを操業することができる。
なお、CO転化率、連鎖成長確率(α)およびC5+の生産性は下記式で定義されるものである。
〔CO転化率〕
【0028】
【数1】
Figure 0004006328
【0029】
〔連鎖成長確率(α)〕
炭素数nの炭化水素の生成物中の質量分率をMn、連鎖成長確率をαとした場合、シュルツ・フローリー分布に従うと、下式のような関係が成り立つ。従って、log(Mn/n)とnをプロットしたときの傾きlog αからα値を知ることができる。
【0030】
log(Mn/n)=log((1−α)2/α)+n・logα
【0031】
〔C5+の生産性〕
5+の生産性とは、触媒重量当たりの単位時間におけるC5+の生成量を指し、下式で定義される。
5+生産性=C5+生産量[g]/触媒重量[kg]/[hr]
【0032】
【実施例】
以下、実施例および比較例によりさらに具体的に本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例において、COおよびCH4の分析には、Active Carbon (60/80mesh) を分離カラムに用い熱伝導度型ガスクロマトグラフ(TCD-GC)で行った。なお、Arを内部標準として10vol%添加した合成ガスを用いた。なお、COおよびCH4の同定(定性分析)は、COおよびCH4の標準ガスが示すピーク位置(保持時間)と比較し、定量(定量分析)はCOおよびCH4のピーク面積とArのピーク面積を比較した(内部標準法)。C1〜C6炭化水素類の分析には、Capillary Column(Al23/KCl PLOT)を分離カラムに用い水素炎イオン化検出型ガスクロマトグラフ(FID-GC)を用い、TCD−GCおよびFID-GCで共通に検出できるC1(メタン)と比較して該炭化水素類の定性、定量を行った。さらに、C5〜C40炭化水素類の分析にはCapillary Column(TC-1)を備えたFID−GCを用い、軽質炭化水素(C1〜C6)と共通に分析できるC5およびC6と比較して該炭化水素類の定性、定量を行った。触媒(担体を含む)比表面積の測定は自動表面積測定装置(ベルソープ28、日本ベル製)を用い窒素をプローブ分子に用いてBET法で測定した。触媒の化学成分の同定はICP(CQM-10000P、島津製作所製)により、粒度分布はレーザー光散乱法による粒度測定装置(Mastersizer MSX-46型、マルバーン製)により、マンガン酸化物の構造はX線回析(RINT2500、理想電機工業製)で求めた。
【0033】
実施例1
予め充分乾燥したアルミナ粉末(Pural SB, 比表面積250m2/g、Condea製)に純水(以下水と略記)を滴下し、飽和吸水量を求めた。この時の飽和吸水量は0.9ml/gだった。水27mlに硝酸マンガン6水和物168gを溶解した水溶液を酸化アルミニウム30gに含浸させ、約4時間放置した後、空気中、温度110℃で乾燥し、マッフル炉にて空気中600℃で3時間焼成した。得られたアルミニウム酸化物とマンガン酸化物からなる担体に水27gに炭酸ナトリウム(Na Assay 43.2質量%)0.2gを溶解した水溶液を含浸した。これを、空気中、温度110℃で乾燥し、マッフル炉にて温度600℃で3時間焼成した。その後、アルミニウム酸化物およびマンガン酸化物からなる担体にナトリウムを含浸した担体に、水27gに塩化ルテニウム(Ru Assay 36質量%)2.2gを溶解した水溶液を含浸し、1時間放置した後、空気中、温度50℃で乾燥した。これをメノウ乳鉢に移して粉砕し、粒子分布10〜200μmに篩分けし平均粒子径150μm、Ru換算で1質量%、Na2O換算で0.14質量%、Mn2O3換算で59.3質量%、残部アルミナを含む触媒前駆体Aを得た。触媒前駆体Aに300mlの0.1N-アンモニア水を25℃で加え、マグネティックスターラーで約100r.p.m.で1時間攪拌しアルカリ性水溶液処理した後、300mlの水を加え洗浄し触媒を濾別し濾液pHが9.00〜10.00の所定範囲になるまで、この操作を繰り返した。繰返し回数は3回で濾液pHが所定範囲に到達した。水洗後、これを空気中50℃で24時間乾燥し触媒Aを得た。触媒Aの粒子分布、平均細孔径は触媒前駆体Aとほぼ同一であった。触媒Aの嵩密度は1.52g/ml、比表面積は100m2/gであった。X線回析にて構造分析を行った結果、酸化マンガンはMn23であり、平均荷電数Mn3+であった。また、ICPおよびイオンクロマトグラフを用いて組成分析を行った結果、Ru換算で1質量%、Na2O換算で0.02質量%、Mn2359.9質量%、塩素0.02質量%、残部アルミニウム酸化物(アルミニウム酸化物100質量部:マンガン酸化物154質量部)であった。触媒A0.3gを分散媒のノルマルヘキサデカン(n−C1634、以下溶媒という)30ml(スラリー濃度1g/100ml)と共に内容積100mlの反応器に充填し、水素分圧1MPa・G、温度140℃、流量100ml/min(STP:standard temperature and pressure)で水素を触媒Aに接触させて1時間還元した。還元後、ヘリウムガスで置換し、温度を100℃、圧力を常圧にした。その後、アルゴン10vol.%、一酸化炭素56.3vol.%、残り水素の混合ガス(H2/CO比 0.6、以下合成ガスという)に切り換え、温度210℃、水素および一酸化炭素の分圧合計圧力(以下H2+CO圧力という)10MPa・GにてFT反応を行った。合成ガスの通気量は、ワンパスCO転化率(以下転化率という)60%付近となるように調節した。反応開始100時間後、CO転化率61%を示したときのW/F(weight/flow[g・hr/mol])18.3g・hr/molであった。この時の連鎖成長確率は0.92、C5+選択率は92%、C3中のオレフィン/パラフィン比は4.1、およびC5+生産性は270g/kg/hrであった。反応開始1000時間後、CO転化率58%を示した時のW/Fは18.3g・hr/molであった。この時の連鎖成長確率は0.92、C5+選択率は92%、C3中のオレフィン/パラフィン比は4.3、およびC5+生産性は260g/kg/hrであった。
【0034】
実施例2
実施例1と同じ調製手法にて、アルミナ粉末30gに硝酸マンガン113gを、次いで、炭酸ナトリウム0.3gを、次いで塩化ルテニウム2.6gを含浸させ、粉砕および篩い分けして粒子分布20〜200μm、平均粒子径80μm、Ru換算で1.5質量%、Na2O換算で0.28質量%、Mn2349.2質量%、残部アルミナを含む触媒前駆体Bを得た。これに300mlの1.0-Nアンモニア水を加えてアルカリ性水溶液処理し、水洗、乾燥後、嵩密度1.30g/mlおよび比表面積140m2/gの物性を有し、Ru換算で1.5質量%、Na2O換算で0.05質量%、Cl換算で0.04質量%、Mn2350質量%、残りアルミニウム酸化物(アルミニウム酸化物100質量部:マンガン酸化物103質量部)からなる触媒Bを得た。触媒B1.7gを溶媒30ml(スラリー濃度5g/100ml)と共に反応器に充填し、水素分圧5MPa・G、温度220℃、流量100ml/min(STP)で水素を触媒Bに接触させて6時間還元した。還元後、ヘリウムガスで置換し、温度を100℃、圧力を常圧にした。その後、アルゴン10vol.%、一酸化炭素50vol.%、残り水素の合成ガス(H2/CO比 0.8)に切り換え、温度230℃、H2+CO圧力1MPa・Gの条件でFT反応を行った。反応開始100時間後、CO転化率60%を示した時の合成ガスの通気量は、W/F10.7g・hr/molであった。この時の連鎖成長確率は0.92、C5+選択率は90%、C3中のオレフィン/パラフィン比は4.2、およびC5+生産性は390g/kg/hrであった。反応開始1000時間後CO転化率61%を示したときのW/Fは10.7g・hr/molであった。この時の連鎖成長確率は0.92、C5+選択率は90%、C3中のオレフィン/パラフィン比は4.0、およびC5+生産性は395g/kg/hrであった。
【0035】
実施例3
実施例1と同じ調製手法にて、アルミナ粉末30gに硝酸マンガン49.5gを、次いで、炭酸ナトリウム0.52gを、次いで塩化ルテニウム2.5gを含浸させ、粉砕および篩い分けして粒子分布20〜180μm、平均粒子径60μm、Ru換算で2質量%、Na2O換算で0.66質量%、Mn23 29.8質量%、残部アルミナを含む触媒前駆体Cを得た。これに300mlの0.5-Nアンモニア水を加えてアルカリ性水溶液処理し、水洗、乾燥後、嵩密度0.80g/mlおよび比表面積160m2/gの物性を有し、Ru換算で2.0質量%、Na2O換算で0.07質量%、Cl換算で0.06質量%、Mn2330.4質量%、残りアルミニウム酸化物(アルミニウム酸化物100質量部:マンガン酸化物45.4質量部)からなる触媒Cを得た。触媒C3.3gを溶媒30ml(スラリー濃度10g/100ml)と共に反応器に充填し、水素分圧2MPa・G、温度170℃、流量100ml/min(STP)で水素を触媒Cに接触させて24時間還元した。還元後、ヘリウムガスで置換し、温度を100℃、圧力を常圧にした。その後、アルゴン10vol.%、一酸化炭素45vol.%、残り水素の合成ガス(H2/CO比 1.0)に切り換え、温度240℃、H2+CO圧力4MPa・Gの条件でFT反応を行った。反応開始100時間後、CO転化率59%を示した時の合成ガスの通気量は、W/F4.6g・hr/molであった。FT反応を行った結果、連鎖成長確率は0.91、C5+選択率は86%、C3中のオレフィン/パラフィン比は4.0、およびC5+生産性は730g/kg/hrであった。反応開始1000時間後CO転化率62%を示したときのW/Fは4.6g・hr/molであった。この時の連鎖成長確率は0.91、C5+選択率は86%、C3中のオレフィン/パラフィン比は4.0およびC5+生産性は770g/kg/hrであった。
【0036】
実施例4
実施例1と同じ調製手法にて、アルミナ粉末30gに硝酸マンガン39gを、次いで、炭酸ナトリウム0.9gを、次いで塩化ルテニウム3.6gを含浸させ、粉砕および篩い分けして粒子分布20〜180μm、平均粒子径50μm,Ru換算で3質量%、Na2O換算で1.19質量%、Mn23 24.4質量%、残部アルミナを含む触媒前駆体Dを得た。これに300mlの0.1-Nアンモニア水を加えてアルカリ性水溶液処理し、水洗、乾燥後、嵩密度1.10g/mlおよび比表面積165m2/gの物性を有し、Ru換算で3.0質量%、Na2O換算で0.03質量%、Cl換算で0.07質量%、Mn2325.2質量%、残りアルミニウム酸化物(アルミニウム酸化物100質量部:マンガン酸化物35.8質量部)からなる触媒Dを得た。触媒D9.0gを溶媒30ml(スラリー濃度30g/100ml)と共に反応器に充填し、水素分圧2MPa・G、温度170℃、流量100ml/min(STP)で水素を触媒Dに接触させて12時間還元した。還元後、ヘリウムガスで置換し、温度を100℃、圧力を常圧にした。その後、アルゴン10vol.%、一酸化炭素30vol.%、残り水素の合成ガス(H2/CO比 2.0)に切り換え、温度270℃、H2+CO圧力2MPa・Gの条件でFT反応を行った。反応開始100時間後、CO転化率60%を示したときの合成ガスの通気量は、W/F4.7g・hr/molであった。FT反応を行った結果、連鎖成長確率は0.90、C5+選択率は85%、C3中のオレフィン/パラフィン比は4.2、およびC5+生産性は500g/kg/hrであった。反応開始1000時間後CO転化率60%を示したときのW/Fは4.7g・hr/molであった。この時の連鎖成長確率は0.90、C5+選択率は85%、C3中のオレフィン/パラフィン比は4.0およびC5+生産性は500g/kg/hrであった。
【0037】
実施例5
実施例1と同じ調製手法にて、アルミナ粉末30gに硝酸マンガン30gを、次いで、炭酸ナトリウム0.84gを、次いで塩化ルテニウム4.5gを含浸させ、粉砕および篩い分けして粒子分布20〜125μm、平均粒子径40μm、Ru換算で4質量%,Na2O換算で1.19質量%、Mn23 19.6質量%、残部アルミナを含む触媒前駆体Eを得た。これに300mlの0.2-Nアンモニア水を加えてアルカリ性水溶液処理し、水洗、乾燥後、嵩密度1.20g/mlおよび比表面積170m2/gの物性を有し、Ru換算で4.0質量%、Na2O換算で1.0質量%、Cl換算で0.1質量%、Mn2320.5質量%、残りアルミニウム酸化物(アルミニウム酸化物100質量部:マンガン酸化物27.5質量部)からなる触媒Eを得た。触媒E12.0gを溶媒30ml(スラリー濃度40g/100ml)と共に反応器に充填し、水素分圧2MPa・G、温度170℃、流量100ml/min(STP)で水素を触媒Eに接触させて48時間還元した。還元後、ヘリウムガスで置換し、温度を100℃、圧力を常圧にした。その後、アルゴン10vol.%、一酸化炭素30vol.%、残り水素の合成ガス(H2/CO比 2.0)に切り換え、温度290℃、H2+CO圧力2MPa・Gの条件でFT反応を行った。反応開始100時間後、CO転化率61%を示したときの合成ガスの通気量は、W/F2.8g・hr/molであった。FT反応を行った結果、連鎖成長確率は0.90、C5+選択率は82%、C3中のオレフィン/パラフィン比は3.8、およびC5+生産性は830g/kg/hrであった。反応開始1000時間後CO転化率62%を示したW/Fは2.8g・hr/molであった。この時の連鎖成長確率は0.90、C5+選択率は82%、C3中のオレフィン/パラフィン比は3.8およびC5+生産性は840g/kg/hrであった。
上記実施例1〜5の実験条件を含めて実験結果を表にして表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0004006328
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、長時間安定した触媒活性を示し、連鎖成長確率が高く、低級炭化水素のオレフィン選択性に優れたFT反応を長時間安定して円滑に行うことができ、液状炭化水素類を効率的に製造できる炭化水素類の製造方法が提供される。

Claims (4)

  1. アルミニウム酸化物およびマンガンの平均荷電数がMn2+を超えるマンガン酸化物からなる担体に、ナトリウム化合物を触媒基準、Na2O換算で0.1〜1.3質量%担持し、さらに、ルテニウムを触媒基準で0.8〜4.5質量%担持した触媒前駆体を、アルカリ性水溶液で処理によりナトリウム化合物量を触媒基準、Na 2 O換算で0.01〜1.10質量%の範囲内に低減した触媒であって、比表面積が90〜180m2/gで、嵩密度が0.80〜1.70g/mlである触媒を、予め還元処理を施した後、液状炭化水素類中に濃度1〜40質量%にて分散せしめ、該触媒に水素および一酸化炭素を主成分とする混合ガスを、圧力1〜10MPa、反応温度200〜300℃で接触させる炭化水素類の製造方法。
  2. 前記アルカリ性水溶液のアルカリ濃度が0.05〜1.2Nである請求項1に記載の炭化水素類の製造方法。
  3. 担体におけるアルミニウム酸化物とマンガン酸化物の割合が、アルミニウム酸化物100質量部に対してマンガン酸化物18〜160質量部である請求項1又は2に記載の炭化水素類の製造方法。
  4. 触媒の粒子径分布が10〜220μm、触媒の平均粒子径が40〜150μmである請求項1〜3のいずれかに記載の炭化水素類の製造方法。
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