JP4003982B2 - ポリスルホン系選択透過性分離膜 - Google Patents

ポリスルホン系選択透過性分離膜 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリスルホン系選択透過性分離膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来透析器に用いる膜の素材としては、セルロースアセテート・ポリアクリロニトリル・ポリメタクリル酸メチル・ポリアミド等多くの高分子化合物が用いられてきた。一方、ポリスルホン系樹脂は、元来エンジニアリングプラスチックスとして使用されてきたが、その耐熱安定性、耐酸・耐アルカリ性、そして生体適合性、耐汚染性が良好であることから、半透膜素材として注目されている。一般にこれら多くの高分子素材からなる膜では、その表面の疎水性のために血液との親和性に乏しく、このまま血液処理用に用いることはできない。従って、孔形成材として親水性高分子、無機塩などを混入し、溶脱することによって孔を形作り、同時にポリマー表面を親水化し透析器として用いる方法が考案され、特許出願がなされてきた。血液透析・血液濾過透析・血液濾過等の血液浄化療法に用いられる透析器の中で、セルローストリアセテートに代表されるセルロース系の透析器では、一般に低分子尿毒素の除去性能が高い。この膜は、膜面積1.6m2 換算で、in vitro でのアルブミンの透過率が0.5 %以下であるが、デキストランによる拡散性能試験において牛血清1 時間灌流後、デキストラン分子量1 万でのKo(総括物質移動係数)が0.0002程度である。また、従来のポリスルホン系の透析器ではβ2 -MG 除去性能が高いが、デキストランによる拡散性能試験において牛血清1 時間灌流後、デキストラン分子量1 万でのKo(総括物質移動係数)が0.0010cm/minや、0.0005程度であり、本願発明で言う高い血液濾過流量、低アルブミン透過性を臨床使用でも長時間にわたって維持し、高い尿毒物質選択透過性を有するポリスルホン系中空糸半透膜は得られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、低分子尿毒素の除去性能とβ2 -MG のような中分子蛋白質の除去性能の、両者ともに高い性能を有する、透析器は存在しなかった。
【0004】
本発明者らは、上記問題点を克服すべく鋭意検討した結果、本発明を達成することができた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために下記の構成を有する。
【0006】
製膜原液中に、ポリスルホン系樹脂、親水性高分子、水を少なくとも含有し、該製膜原液中のポリスルホン系樹脂濃度が13〜20重量%、水濃度が1.15〜1.90重量%であり、かつ、注入液として、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミドおよびN−メチル−2−ピロリドンから選ばれる少なくとも一種を用いる製造方法によって製造された、活性層平均孔半径が10nm未満であり、アルブミンの透過率が1.5 %未満であり、デキストランによる拡散性能試験において牛血清1時間灌流後、デキストラン分子量1 万での総括物質移動係数が0.0012cm/min以上であることを特徴とするポリスルホン系選択透過性分離膜。
【0007】
【発明の実施の態様】
本発明の選択透過性分離膜の製造方法を以下に示す。
【0008】
まず、ポリスルホン系樹脂、親水性高分子、溶媒および添加剤からなる4成分を必須成分とした原液が用いられる。
【0009】
ポリスルホン系樹脂とは、下記式
【化1】
Figure 0004003982
の繰り返し単位を有するものであるが、官能基を含んでいたり、アルキル系のものであってもよく、特に限定するものではない。
【0010】
ポリスルホン系樹脂の濃度としては、製膜可能でかつ膜としての特性を有する濃度範囲であれば良く、13〜20重量%が好ましい。高い透水性、大きな分画分子量を得るためにはポリマー濃度は下げるべきで、特に好ましくは13〜18重量%である。13重量%未満では、製膜原液の十分な粘度を得られにくくなる傾向があり、また、20重量%を越えると貫通孔を形成しにくくなる場合がある。
【0011】
親水性高分子とは、ポリスルホン系樹脂と相溶性があり、かつ親水性を持つ高分子である。ポリビニルピロリドンが最も望ましいが、他に変性ポリビニルピロリドン、共重合ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0012】
親水性高分子は、特にポリビニルピロリドンの場合、分子量36万、16万、4 万、1 万のものが市販されており、これらが好適に用いられるが、もちろんそれ以外の分子量のものを使用してもかまわない。親水性高分子の添加の理由の1つとして増粘効果もあるため、添加量は高分子量のものを用いるほど少量で良く、また、孔径の大きい膜を得たい場合にも、高分子量のものを用いることが好ましい。
【0013】
親水性高分子の添加量は、原液中、1〜30重量%程度であることが、好ましい。中でも、ポリビニルピロリドンの場合、原液中、1 〜20重量%、特に3 〜10重量%が望ましい。また、分子量の異なるものを混合して、用いることも好ましい。
【0014】
溶媒とは、ポリスルホン系樹脂及び親水性高分子を共に溶解する溶媒である。具体的には、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N―メチル―2―ピロリドン、ジオキサン等、多種の溶媒が用いられるが、特にジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N―メチル―2―ピロリドンが望ましい。
【0015】
添加剤とは、上記溶媒と相溶性を持ち、親水性高分子の良溶媒となり、かつ、ポリスルホン系樹脂の非溶媒又は膨潤剤となるものであれば何でも良く、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ヘキサノール、グリセリン、1,4―ブタンジオール等がある。生産コストを考えると水が最も望ましい。添加剤は、ポリスルホン系樹脂の凝固性を考え合わせた上で選択することが好ましい。
【0016】
上記溶媒、添加剤は、2種類以上の化合物の混合系でも良い。
【0017】
製造方法としては、まずポリスルホン系樹脂、親水性高分子を溶媒に混合溶解する。そこへ、添加剤を添加するが、特に水の場合、ポリスルホン系樹脂にとって凝固性が高いため、原液中、2.2 重量%以下、特に1.15〜1.90重量%が望ましい。一方、凝固性が低い添加剤を用いるときは添加量が多くなり、例えば、グリセリンを用いた場合、4〜13重量%、さらには、4〜11重量%であることが好ましい。ポリスルホン系樹脂に対する添加剤の凝固性は、水を1とした場合、メタノール約4.3倍、イソプロパノール約6.8倍、グリセリン約3.0倍、1,4−ブタンジオール約1.5倍であり、これを目安にそれぞれ添加量を決めることが好ましい。
【0018】
本発明の選択透過性分離膜の形態としては、限定されるものではなく、平膜、中空糸膜などの形態で用いられる。
【0019】
中空糸膜の形態とする場合、その中空糸膜の製造方法としては、従来知られている方法などが用いられるが、一方法として、次のように方法がある。即ち、上記原液を二重環状口金から吐出する際に内側に注入液を流し、乾式部を走行させた後に凝固浴へ導く。この際、乾式部の湿度に影響を与えるために、乾式部走行中に膜外表面からの水分の補給によって、外表面近傍での相分離挙動を速め、孔径拡大し、結果として透析の際の透過・拡散抵抗を減らすことも可能である。但し、相対湿度が高すぎると外表面での原液の凝固が支配的になり、かえって孔径が小さくなり、結果として透析の際の透過・拡散抵抗を増大する傾向がある。そのため、相対湿度としては60〜90%程度が好適である。また注入液組成としては、プロセス適性から、原液に用いた溶媒を基本とする組成からなるものを用いることが好ましい。注入液の濃度としては、例えばジメチルアセトアミドを用いたときは、45〜80重量%、さらには60〜75重量%の水溶液が好適に用いられる。
【0020】
本発明において、分離膜は、内層部にスポンジ状構造を有することが、目詰まりがしにくく、特に、蛋白溶液灌流後にも目詰まりがしにくい点で好ましい。又、非対称構造を有し、活性層における平均孔半径が10nm未満であることが、アルブミンをできるだけ透過させない点で好ましい。さらには、空隙率78%以上であることが、透過拡散性能に優れる点で好ましい。
【0021】
また、水可溶性親水性高分子を用いる場合、特にメディカル用途においては、該親水性高分子が溶出する可能性がある。このため、放射線および又は熱、化学処理などによって、親水性高分子を架橋不溶化処理することが好ましい。γ線・電子線を照射した場合は、高分子素材との共有結合も生じ該親水性高分子の溶出は抑えられる。熱処理の場合は、該親水性高分子自体がゲル化を起こし、高分子化・不溶化される。具体的には、熱処理温度としては、100 ℃〜160 ℃程度が好ましく、さらには120 ℃〜150 ℃が好ましく、特に湿潤状態で行うことが好ましい。放射線処理としては、γ線・電子線などを照射すればよい。照射線量は、水浸漬状態で15〜35KGy 程度が好ましく、20KGy を越える線量を照射した場合は、滅菌処理を同時に行うことも可能である。
【0022】
本発明においては、上記により、アルブミンの透過率が1.5 %未満であり、デキストランによる拡散性能試験において牛血清1時間灌流後、デキストラン分子量1 万での総括物質移動係数が0.0012cm/min以上であることを特徴とするポリスルホン系選択透過性分離膜を得ることができる。本総括物質移動係数としては、更に、0.0013cm/min以上であることが、小分子蛋白透過性向上の点で好ましい。
本発明により得られた選択透過性分離膜は、人工腎臓、人工肝臓、エンドトキシンフィルター、バイオリアクター等の医療用途、水処理等、各種用途に用いることができる。
【0023】
以下、本発明の選択透過性分離膜の性能測定条件を記載する。
【0024】
(1)透水性能の測定
端部を封止した10000本からなるモジュールの中空糸内側に水圧100mmHg をかけ、外側へ流出してくる単位時間当たりの濾過量を測定する。透水性能は下記の式で算出する。
【0025】
【数1】
Figure 0004003982
ここでQWは濾過量(ml)、Hrは流出時間(hr)、P は圧力(mmHg)、A は膜面積(m2 ) を示す。
【0026】
(2)デキストランによる拡散性能測定
基本的には透析性能測定法と同様に行う。以下にその概要を示す。まずあらかじめ、選択透過性分離膜を37℃に保温した500ml の牛血清で血液側を200ml/min で50分灌流後、10分間20ml/minの速度で濾過をする(以上の工程を牛血清1時間灌流と定義する)。冷蔵庫で12時間保存後、2 リットルの生理食塩水でプライミング洗浄を行ってサンプルとする。分子量分布の異なるデキストラン(FULKA 社製 重量平均分子量 400,1000,2000,20000,50000,200000) を0.5mg/mlになるように限界濾過水に溶解する。この溶液を37度に加熱、保温し、血液側(中空糸内側)に血液ポンプで流量200ml/min で送り、透析液側は限界濾過水を37℃に保ったものを500ml/min で送る。ここでは、濾過圧力がゼロになるように調整する。したがって、限外濾過が生じない条件で膜の拡散性能を測定する。平衡状態になるまで20分送り続け、その後、血液側入り口、出口、透析側をサンプリングする。サンプリングした溶液をGPCカラム(東ソー GPXL3000)、カラム温度40℃、移動相を液クロ用純水1ml/min 、サンプル打ち込み量50μl で分析を行い、血液側の入り口、出口の濃度変化によってモジュールの総括物質移動係数を求める。この後デキストラン分子量が1 万の点のKo値を求める。
【0027】
ここで、総括物質移動係数は以下の式を用いて算出する。
【0028】
クリアランス
【数2】
Figure 0004003982
ここでCBi はモジュール入口側濃度、 CBoはモジュール出口側濃度、QBはモジュール供給液量(ml/min)を示す。
【0029】
【数3】
Figure 0004003982
ここでA は面積(m2 ) を示す。
【0030】
(3)アルブミン透過率の測定
ヘマトクリット30%、総蛋白量6.5g/dl の牛血(ヘパリン処理血)を用いて、中空糸内側に200ml/min で送る。その際、出口側の圧力を調整して、濾過量が10ml/minかかるようにし、濾液は血液槽に戻す。環流開始後1 時間後に中空糸側入り口、出口の血液、濾液をサンプリングする。血液側をBCG 法、濾液側をCBB 法キットによって分析し、その濃度からアルブミン透過率(%)を算出する。
【0031】
【数4】
Figure 0004003982
ここでCFは濾液中、CBi はモジュール入り口、 CBiはモジュール出口のアルブミン濃度を示す。
【0032】
(4)in vitro β2 -MG 除去性能の測定
基本的には透析性能測定法と同様に行う。膜面積約25cm2 のミニモジュール系で、フィルター処理を行った牛血清30mlに、ヒトβ2-MGを5mg/mlの濃度で溶解し中空糸内側に1ml/min で灌流し、中空糸外側には37℃に保ったPBS140mlを20ml/minの速度で密閉形で灌流した。4 時間灌流後中空糸内側・外側灌流液を採取し、クリアランスを算出し、膜面積1.8 m2 換算値を求めた。
【0033】
(5)空隙率の測定
乾燥状態での糸重量G、中空糸膜寸法(内径ID・膜厚WT)、ポリマの比重d 、中空糸長さI から
空隙率(%) =(1- G/ d)/ (πWTI(ID+WT)*100 により算出される。
【0034】
(6)膜構造観察
中空糸膜を凍結乾燥し、その割断面および内表面の構造を走査型電子顕微鏡で観察した。活性層平均孔半径は、凍結乾燥サンプル(3.5cm 長、0.2 g)をN2 吸着法(BET 法)で測定し算出した。
【0035】
【実施例】
以下、実施例において、「部」は「重量部」を示す。
【0036】
実施例1
ポリスルホン(アモコ社 Udel-P3500)18 部、ポリビニルピロリドン(BASF K30 )9 部をジメチルアセトアミド71.7部、水1.3 部に加え、90℃12時間加熱溶解し、製膜原液とした。この原液を外径0.3mm 、内径0.2mm の2重スリット管から芯液としてジメチルアセトアミド70部、水30部からなる溶液を吐出させ、乾式長250mm 、相対湿度85%中を通し、50℃の20%のジメチルアセトアミド水溶液中に導き、中空糸膜を製膜した。この中空糸膜を1.6m2 になるように、ケースに充填し、ポッティングしてモジュールとした。次に、湿潤状態でγ線照射後、アルブミン透過率を測定したところ0.75%、デキストランによる拡散性能試験において牛血清1 時間灌流後、デキストラン分子量1 万でのKo(総括物質移動係数)が0.0018cm/minであった。
【0037】
この中空糸膜は、内層部にスポンジ状構造を有し、 ポリビニルピロリドンで親水化された、空隙率が79.5%であり、非対称構造を有する、活性層平均孔半径が6.7nmである膜であることを確認した。
【0038】
実施例2
ポリスルホン(アモコ社 Udel-P3500)19部、ポリビニルピロリドン(BASF K30 )9 部をジメチルアセトアミド70.7部、水1.3 部に加え、90℃12時間加熱溶解し、製膜原液とした。この原液を外径0.3mm 、内径0.2mm の2重スリット管から芯液としてジメチルアセトアミド70部、水30部からなる溶液を吐出させ、乾式長250mm 、相対湿度85%中を通し、50℃の20%のジメチルアセトアミド水溶液中に導き、中空糸膜を製膜した。この中空糸膜を1.6m2 になるように、ケースに充填し、ポッティングしてモジュールとした。次に、湿潤状態でγ線照射後、アルブミン透過率を測定したところ0.58%、デキストランによる拡散性能試験において牛血清1 時間灌流後、デキストラン分子量1 万でのKo(総括物質移動係数)が0.0015cm/minであった。
【0039】
この中空糸膜は、内層部にスポンジ状構造を有し、ポリビニルピロリドンで親水化された、空隙率が78.2%であり、非対称構造を有する、活性層平均孔半径が6.2nmである膜であることを確認した。
【0040】
実施例3
ポリスルホン(アモコ社 Udel-P3500)19部、ポリビニルピロリドン(BASF K60 )9 部をシ゛メチルアセトアミド70.0部、水2.0 部に加え、90℃12時間加熱溶解し、製膜原液とした。この原液を外径0.3mm 、内径0.2mm の2重スリット管から芯液としてジメチルアセトアミド63部、水37部からなる溶液を吐出させ、乾式長350mm 、相対湿度88%中を通し、50℃の20%のジメチルアセトアミド水溶液中に導き、中空糸膜を製膜した。この中空糸膜を1.6m2 になるように、ケースに充填し、ポッティングしてモジュールとした。次に、湿潤状態でγ線照射後、アルブミン透過率を測定したところ1.38%、デキストランによる拡散性能試験において牛血清1 時間灌流後、デキストラン分子量1 万でのKo(総括物質移動係数)が0.0022cm/minであった。
【0041】
この中空糸膜は、内層部にスポンジ状構造を有し、ポリビニルピロリドンで親水化された、空隙率が81.2%であり、非対称構造を有する、活性層平均孔半径が6.8nmである膜であることを確認した。
【0042】
比較例1
ポリスルホン(アモコ社 Udel-P3500)18部、ポリビニルピロリドン(BASF K30 )9 部をジメチルアセトアミド71.95 部、水1.05部に加え、90℃12時間加熱溶解し、製膜原液とした。この原液を外径0.3mm 、内径0.2mm の2重スリット管から芯液としてジメチルアセトアミド65部、水35部からなる溶液を吐出させ、乾式長300mm 、相対湿度88%中を通し、40℃の20%のジメチルアセトアミド水溶液中に導き、中空糸膜を製膜した。この中空糸膜を1.6m2 になるように、ケースに充填し、ポッティングしてモジュールとした。次に、湿潤状態でγ線照射後、アルブミン透過率を測定したところ0.12%、デキストランによる拡散性能試験において牛血清1 時間灌流後、デキストラン分子量1 万でのKo(総括物質移動係数)が0.0009cm/minであった。
【0043】
この中空糸膜は、内層部にスポンジ状構造を有し、 ポリビニルピロリドンで親水化された、空隙率が78.2%であり、非対称構造を有する、活性層平均孔半径が5.3nmである膜であることを確認した。
【0044】
【発明の効果】
高い血液濾過流量、低アルブミン透過性を臨床使用でも長時間にわたって維持し、高い尿毒物質選択透過性を有する膜が得られる。血液透析、血液濾過、血液透析濾過等に利用した場合、腎不全患者の病体に良い治療成績が期待できる。

Claims (8)

  1. 製膜原液中に、ポリスルホン系樹脂、親水性高分子、水を少なくとも含有し、該製膜原液中のポリスルホン系樹脂濃度が13〜20重量%、水濃度が1.15〜1.90重量%であり、かつ、注入液として、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミドおよびN−メチル−2−ピロリドンから選ばれる少なくとも一種を用いる製造方法によって製造された、活性層平均孔半径が10nm未満であり、アルブミンの透過率が1.5%未満であり、デキストランによる拡散性能試験において牛血清1時間灌流後、デキストラン分子量1万での総括物質移動係数が0.0012cm/min以上であることを特徴とするポリスルホン系選択透過性分離膜。
  2. 内層部にスポンジ状構造を有することを特徴とする請求項1記載のポリスルホン系選択透過性分離膜。
  3. 親水性高分子で親水化されていることを特徴とする請求項1または2記載のポリスルホン系選択透過性分離膜。
  4. 空隙率が78%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリスルホン系選択透過性分離膜。
  5. 非対称構造を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリスルホン系選択透過性分離膜。
  6. 該親水性高分子にポリビニルピロリドンを含むことを特徴とする請求項3記載のポリスルホン系選択透過性分離膜。
  7. 該親水性高分子が水に対して不溶性であることを特徴とする請求項3記載のポリスルホン系選択透過性分離膜。
  8. 人工腎臓用に用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のポリスルホン系選択透過性分離膜。
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