JP4003381B2 - ワークへのアッセンブリ圧入装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ブレーキアッセンブリが取り付けられたアクスルケース、特に後車軸用リジッドアクスルケースの端部に、軸受が予め装着されたワークとしてのハブ・ドラムアッセンブリを圧入する手操作可能なアクスルケースへのハブ・ドラムアッセンブリ圧入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トラックやバスのような大型車、或いは普通乗用車等の後車軸においては、ブレーキ作動時に、後車軸に制動力を作用させるため、後車軸用リジッドアクスルケースを貫通する後車軸の軸端には、ハブ・ドラムアッセンブリが取り付けられる。具体的には、ハブ・ドラムアッセンブリのハブ部が後車軸の軸端に取り付けられ、ハブ部と一体又は強固に固定されたドラム部がブレーキアッセンブリの周囲を取り巻くように配置される。アクスルケースに固定されたバッキングプレート上に、ブレーキシューやブレーキシューを半径方向外側に拡開するホイールシリンダ等のブレーキアッセンブリが設けられており、後車軸と共に回転するハブ・ドラムアッセンブリに対して、ブレーキアッセンブリのホイールシリンダを作動させてブレーキシューを拡開させることにより、後車軸の回転に抵抗を与えて、車両にブレーキを作用させている。
【0003】
ハブ・ドラムアッセンブリは、予めハブ・ドラムアッセンブリのハブ内周部に装着された軸受を介して、アクスルケースの外周部に圧入することによって、アクスルケースに回転可能に取り付けられる。アクスルケースの端部にハブ・ドラムアッセンブリを取り付ける作業は、通常、エアハンマによってハブ・ドラムアッセンブリを打撃して、アクスルケースへ打ち込むことによって行われている。
【0004】
軸受が予め装着されたハブ・ドラムアッセンブリを、アクスルケースを貫通する後車軸の軸端に取り付けるための作業は、詳細には、次のようにして行われる。即ち、組立工場内において、ハブ・ドラムアッセンブリに吊り具をセットし、ホイストにてハブ・ドラムアッセンブリを吊り上げ、ホイストを操作することによって、ハブ・ドラムアッセンブリはコンベヤにて搬送されてくる組み込むべきアクスルケースの近くまで運ばれる。ハブ・ドラムアッセンブリは、作業者の手によって、アクスルケースに対して、ドラム部が既にアクスルケースに装着されているブレーキアッセンブリのブレーキシューの外側に押し込まれる。吊り具をハブ・ドラムアッセンブリから外した後、ハブ・ドラムアッセンブリは、ハブ部が軸受と共にアクスルケースの外周部にエアハンマ等の圧入装置で圧入される。軸受の抜出しを防止するため、ベアリングナットがレンチ等の工具にて所定の強さまで締め付けられ、更に、アクスルケースには、ロックワッシャを、その爪がアクスルケースに形成されているキー溝に合わせて装着された状態で、ボルトにて締め付けられる。このとき、ハブ・ドラムアッセンブリは、軸受によってアクスルケースに対して相対回転自在な状態で装着されることになる。
【0005】
自動車のトランスミッションなどに使用される外周部に周方向の凹部が形成されたシャフト状ワークに、ベアリング等の環状ワークを圧入するのに好適なワーク圧入装置が、実用新案登録第2549611号公報に開示されている。この公報に開示されているワーク圧入装置は、バランサリールを介して組立ライン上に吊り下げて使用されるハンドプレス形の装置であり、この装置によれば、外筒に対して中間筒が復帰用ばねの弾力によって降下させられているとき、フック部材がシャフト状ワークの凹部に非係合となるので、シャフト状ワークは、外筒の下端部側から開口部を通じてフックベースのワーク挿通部に挿入することができる。アクチュエータによって中間筒を外筒に対し相対的に上昇させるとき、フック部材はシャフト状ワークの凹部に係合することにより、シャフト状ワークと中間筒とが互いに拘束される。この状態で、アクチュエータを同じ方向に更に作動させると、拘束状態にある中間筒に対して外筒が相対的に降下し、外筒の下端部が環状ワークの上面に当接して環状ワークを押し下げるので、環状ワークは、他部品に負荷を及ぼすことなく、シャフト状ワークの所定位置まで圧入される。
【0006】
また、自動車のアクスルの組立において、サスペンションアームの中空部に予め組み付けられているベアリングの内径空間部に、ハブのような部品を圧入するハブ圧入装置が、実用新案登録第2564177号公報に開示されている。このハブ圧入装置も、バランサリールを介して組立ライン上に吊り下げて使用され、ベアリングの内径空間部へハブを圧入するためのハンドプレス形の装置であって、サスペンションアームが作業ステージまで送られたとき、作業員は、ハブ圧入治具を持って引き降ろし、ドローバー側からサスペンションアームのハウジング及びベアリングへ差し込む。ハブ圧入装置は、圧入シリンダと、この圧入シリンダのシリンダブロックに固定されてベアリングの側面に当接するように配設された押金具と、ハブに嵌挿されたドローバーと同心にベアリングを支持するガイドブッシュとを具備して一体に構成されている。圧入シリンダの作動に伴って、ピストンと一体のドローバーの端部に取り付けた圧入治具を引き込むことにより、圧入治具の先端面がハブを押圧し、押し出されるガイドブッシュに代わって、押金具で軸方向の移動を規制されているベアリングの内径空間部に圧入される。作業員は、重いワークを搬送するのではなく、ハブ圧入装置を移動させることで圧入作業を実施でき、作業員への作業負担を軽減している。
【0007】
更に、特開平6−106427号公報には、上記の実用新案登録第2564177号公報に開示されているようなサスペンションアームの中空部にベアリングを予め圧入しておき、ベアリングの内径空間部にハブを圧入して一体化する作業を行うハブ圧入装置に関連して、ベアリング及びスナップリングをサスペンションアームの中空部に同時に圧入するベアリング圧入作業と、ベアリングの内径空間部にハブを圧入する圧入作業とを切り替えて1台の装置で実施可能なハンドプレス形のベアリング・ハブ圧入装置が開示されている。
【0008】
従来のハブ・ドラムアッセンブリのアクスル(又は、アクスルケース)への組付けは、上記のような機械化も行われているが、通常は、図16及び図17に示すように、エアハンマ100によってハブ・ドラムアッセンブリ1を打撃することで、ハブ・ドラムアッセンブリ1をアクスル2(又は、アクスルケース)に圧入している。エアハンマ100による圧入で製造された車軸アクスルの品質については、次のような問題点がある。即ち、エアハンマ100の打撃時に予めハブ・ドラムアッセンブリ1に装填した軸受3を打つ可能性があり、軸受3に破損が発生するおそれがある。しかも、軸受3はハブ・ドラムアッセンブリ1の組付け後にはハブ・ドラムの内部構造になるので、軸受3の破損の発見が遅くなる可能性がある。また、作業環境における問題点としては、エアーハンマ100による衝撃・振動・騒音は非常に強く、作業者の健康にとって良い環境とは言えない。
【0009】
一般的には、圧入は、図18に示すように、圧入する部品(この場合、ハブ・ドラムアッセンブリ1)を押す治具、即ち、圧入具101により押され、圧入される部品(この場合、アクスルケース2)は、その力を受ける治具、即ち、反力受け102により保持される。圧入具101の押圧力F1 と反力受け102が受け止める受け力R1 は同一中心上になければならない。
【0010】
更に、ハブ・ドラムアッセンブリ1のアクスルケース2への組付けは、図19に示すように、アクスルケース2の両端2a,2bにおいて、左側のハブ・ドラムアッセンブリ1aと右側のハブ・ドラムアッセンブリ1bとを押圧具101によって同時に押圧力F1 で圧入するという方法も考えられる。しかしながら、この方法は、片方のみを分解・組立する場合には用いることができない。また、アクスルケース2に対して、左右同時にハブ・ドラムアッセンブリ1a,1bの圧入を強いるのも、技術的には現実的でない。更にまた、アクスルケース2の端部4の外周部に形成されたねじ部103を利用して押圧具104をねじ込むことにより、ハブ・ドラムアッセンブリ1をアクスル2に圧入する方式のものが図20に示されている。この方式は、押圧具104のねじ込み及びねじ戻しに時間がかかりサイクルタイムが長いので、量産には不向きである。
【0011】
コンベヤ105にて搬送中のアクスル2に、ハブ・ドラムアッセンブリ1を圧入する様子が、イメージ図である図21及び図22に示されている。ハブ・ドラムアッセンブリ1の圧入時に、アクスルケース2の盲動を防止するため、ダミーナット等でアクスルケース2をコンベヤ105にクランプする作業や、コンベヤ105等にクランプ用動力源を設置する必要がある。また、ワークであるアクスルケース2をコンベヤ105で搬送中にハブ・ドラムアッセンブリ1を圧入するには、押圧具101を、コンベヤ105で搬送されるハブ・ドラムアッセンブリ1の動きに追従させる必要がある。このため、同期搬送のための機構が複雑化し、コスト上昇要因となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記の各圧入装置は、ハブ・ドラムアッセンブリのアクスルケースへ圧入するときに、実際の圧入動作を開始するまでの準備が煩雑であり車軸構造の製作に要するサイクルタイムを長くする構造となっている。そこで、圧入装置によるハブ・ドラムアッセンブリのアクスルケースへの圧入動作に先立つ準備操作において、ハブ・ドラムアッセンブリとアクスルケースとの圧入装置に対する装着を簡単且つ迅速に行うと共に、エアハンマの打撃というような衝撃荷重をもってハブ・ドラムアッセンブリをアクスルケースに打ち込むのではなく、静圧によって圧入を行ってハブ・ドラムアッセンブリをアクスルケースに装着することを可能にする点で解決すべき課題がある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の目的は、上記課題を解決することであり、ハブ・ドラムアッセンブリをアクスルケースに圧入するに先立つ準備操作であるところの、ハブ・ドラムアッセンブリとアクスルケースとの圧入装置に対する装着操作を、簡単且つ迅速に行い得る構造に圧入装置を構成して、圧入作業時間を短縮して生産のサイクルタイムを短くし、且つ作業者に衝撃や振動を与えることなくハブ・ドラムアッセンブリをアクスルケースに圧入することを可能にするコンパクトな、ハブ・ドラムアッセンブリのアクスルへの圧入装置を提供することである。
【0014】
この発明は、端部に内孔を有するワークの前記端部にアッセンブリを圧入する圧入装置において、前記ワークの先端に装入される圧入ヘッド、前記圧入ヘッド内に配設され且つ前記ワークに装入された圧入ヘッドを前記ワークの内周面にクランプするクランプ機構、前記アッセンブリに当接可能な押圧プッシャ、及び前記圧入ヘッドと前記押圧プッシャとの間に配設されて前記圧入ヘッドと前記押圧プッシャとを相対変位させることにより前記アッセンブリを前記ワークの前記端部に対して圧入する圧入用油圧アクチュエータから構成されることから成るワークへのアッセンブリ圧入装置に関する。
【0015】
このワークへのアッセンブリ圧入装置によれば、アッセンブリをワークの端部に仮装着し、その状態において、圧入装置の圧入ヘッドをワークの先端に装入し、圧入ヘッド内に配設されているクランプ機構によってワーク内に挿入された圧入ヘッドをワークの内周面にクランプする。更に、圧入ヘッドと押圧プッシャとの間に配設されている圧入用油圧アクチュエータを作動させ、圧入ヘッドと押圧プッシャとを相対変位させると、押圧プッシャは、アッセンブリをワークの前記端部に対して圧入する。
【0016】
前記圧入ヘッドは、前記ワークの先端に開口する中空部内に挿入されることで前記ワークの先端に装入され、前記クランプ機構は、前記圧入ヘッド内を軸方向に相対移動し且つ軸方向に傾斜したカム面を備えるロック作動部材と、前記ロック作動部材が前記圧入ヘッドと軸方向に相対移動するときの前記カム面のカム作用に基づいて径方向に押されて前記ワークの中空部内面に係合するロック部材とを備え、前記押圧プッシャは、前記圧入ヘッドを取り囲み且つ前記アッセンブリに当接する環状プッシャである。圧入ヘッドは、ワークの先端に開口する中空部内に挿入され、その状態で、クランプ機構を作動させると、ロック作動部材は圧入ヘッド内を軸方向に相対移動し、ロック作動部材のカム面のカム作用により、ロック部材が径方向に押されてワークの中空部内面に強く係合して、ワークをクランプする。押圧プッシャを環状プッシャとすることにより、アッセンブリの側面に等しく当接する。
【0017】
前記ワークは、テーパ状内周面が形成されたテーパ状チューブ部と、前記テーパ状内周面に連なるストレート状内周面が形成された前記先端チューブ部とを備えており、前記クランプ機構は、前記テーパ状内周面に係合する第1クランプ機構と、前記ストレート状内周面に係合する第2クランプ機構とから構成されている。第1クランプ機構では、ロック部材はテーパ状内周面に係合するので、ワークの圧入ヘッドからの抜け出しが、強固に防止される。また第2クランプ機構でストレート状内周面をクランプすることで、ワークの圧入ヘッドに対するガタツキが防止される。
【0018】
この発明によるワークへのアッセンブリ圧入装置において、前記ロック部材は、鋼製のボールとすることができる。ロック部材は、鋼製のボールとすることにより、破損が少なく、ロック作動部材やワークとの接触が点状となり、圧入ヘッドは、最も安定した状態でワークをクランプする。前記ボールは、前記圧入ヘッドに対して、例えば、径方向形成されているボール孔に案内することにより、ボールの移動が規制され、クランプ機構はコンパクトに構成され、且つボールの挙動が安定化される。また、特に、第2クランプ機構においては、ロック作動部材は、圧入ヘッド内に配置され且つクランプ用油圧アクチュエータによって作動されるプッシャロッドに摺動可能であってスプリングでボールに向かって付勢されるボールプレッシャを備えることができる。
【0019】
前記ロック作動部材は、クランプ用油圧アクチュエータによって前記圧入ヘッド内で軸方向に相対移動される。ロック作動部材の駆動をクランプ用油圧アクチュエータによって行うことにより、ロック作動部材は静圧にて、衝撃、振動及び騒音が少ない状態で安定して駆動される。
【0020】
前記圧入用油圧アクチュエータは環状に形成された油圧アクチュエータであり、前記クランプ用油圧アクチュエータは、前記圧入用油圧アクチュエータの中心部に設けられている。圧入用油圧アクチュエータとクランプ用油圧アクチュエータとを同心状に配置することにより、圧入装置がコンパクトに構成される。
【0021】
前記ワークはブレーキアッセンブリが取り付けられているアクスルケースであり、前記アッセンブリは予め内周部に軸受が装着されたハブ・ドラムアッセンブリであり、前記押圧プッシャは前記ハブ・ドラムアッセンブリに装着された前記軸受に当接可能であり、前記圧入用油圧アクチュエータは前記ハブ・ドラムアッセンブリを前記軸受と共に前記アクスルケースの前記端部に圧入することで、ハブ・ドラムアッセンブリがアクスルケースに圧入される。即ち、予め軸受が装着されたハブ・ドラムアッセンブリを、ブレーキアッセンブリが取り付けられているアクスルケースの端部に仮装着し、その状態において、圧入装置の圧入ヘッドをアクスルケースの先端に装入し、圧入ヘッド内に配設されているクランプ機構によって圧入ヘッドをアクスルケースの内周面にクランプする。更に、圧入ヘッドと押圧プッシャとの間に配設されている圧入用油圧アクチュエータを作動させて圧入ヘッドと押圧プッシャとを相対変位させることにより、押圧プッシャは、ハブ・ドラムアッセンブリを軸受と共にアクスルケースの端部に圧入する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ、この発明によるワークへのアッセンブリ圧入装置(以下、単に圧入装置という)の実施例を説明する。図1〜図3には、ワークとしてのアクスルケースに、アッセンブリとしてハブ・ドラムアッセンブリを圧入する、アクスルケースへのハブ・ドラムアッセンブリ圧入装置の概略が示されており、図1はこの発明による圧入装置の一実施例を示す平面図、図2は図1に示す圧入装置の縦断面図、及び図3は図1に示す圧入装置の左側面図(前方側から見た図)である。
【0023】
図1に示す圧入装置10は、二つの軸受3a,3b(総称するときには、符号3を用いる)が軸方向の隔置して予め装着されたアッセンブリとしてのハブ・ドラムアッセンブリ1(想像線で示す、以下、実施例において単に「アッセンブリ1」と称する)をワークとしてのアクスルケース2(想像線で示す)の先端外周部に仮に装着された状態において、アッセンブリ1をアクスルケース2の外周部の所定位置にまで圧入する装置である。アッセンブリ1は、ブレーキドラム(図示せず)に連結されると共に軸方向に延びるハブ4と、ハブ4の内径部4aに軸方向に隔置した位置に設けられている円錐ころ軸受として軸受3a,3bとを備えている。車両内側に配置される軸受3aは、車両外側に配置される軸受3bと比較して大径の軸受である。
【0024】
アッセンブリ1が圧入されるアクスルケース2は、車体フレームに取り付けられ且つ車体外側に向かうに従って窄まるテーパ状チューブ部5と、テーパ状チューブ部5から一体に延びる先端チューブ部6とから成る。テーパ状チューブ部5の内径部も次第に滑らかに窄まるテーパ状内周面5aとなっている。先端チューブ部6は、アクスルケース2の先端8に向かうに従って段差をもって次第に小さくなる外周面7を備えている。図1において、アッセンブリ1は、図下側半分では圧入前の仮装着の状態にて示されており、図上側半分では圧入完了状態で示されている。アッセンブリ1をアクスルケース2に圧入したときには、軸受3aの内輪は外周面の大径周面7aに、軸受3bの内輪は小径周面7bに嵌合される。先端チューブ部6の内径部は、ストレート状内周面6aとなっている。
【0025】
圧入装置10は、基本的には、基板11a及びカバー11bから成る本体基部11、本体基部11に対して摺動案内部14(図2参照)によって周方向には位置決めされるが軸方向にスライド可能である中空本体12、及び本体基部11に固定ボルト・ナット15によって固定され且つ中空本体12の先端側に延びる圧入ヘッド13とから構成されている。摺動案内部14は、位置決めピン14aと位置決めピン14aを貫通するブッシュ及びその押さえ14bから成る。本体基部11と中空本体12との外部には、それぞれカバー16,17が取り付けられており、カバー16には起動ボタン19を有するスイッチボックス18とハンガグリップ20が、またカバー17には起動ボタン22を有するスイッチボックス21とハンガグリップ23が設けられている。両手で起動ボタン19,22を同時に操作するときのみ、圧入装置10は作動開始可能である。カバー16には、圧入装置10による圧入作業が完了したときに緑色に点灯する圧入完了ランプ24が設けられている。
【0026】
図2において、中心軸線より上半分はロックヘッド53及びプッシャロッド54が進出した状態を、中心軸線より下半分はロックヘッド53及びプッシャロッド54が後退した状態を示している。図2に示すように、中空本体12は圧入用油圧アクチュエータ25の油圧シリンダ26を構成しており、圧入ヘッド13は圧入用油圧アクチュエータ25のピストン27と一体に構成されている。ピストン27の油圧シリンダ26との摺動面には、作動油のシールのため、前後をバックアップリング29で支持されたOリング28が設けられている。ピストン27の前後において油圧シリンダ26との間には、圧入用油圧室30と、戻し用油圧室31とが形成されている。圧入用油圧室30及び戻し用油圧室31には、それぞれ、圧入用の油圧を給排するホース32又は戻し用の油圧を給排するホース33が接続されている。また、本体基部11及び中空本体12には、後述するロックヘッド53及びプッシャロッド54を駆動するためピストンとシリンダ(いずれも図示せず)とから成るクランプ用油圧アクチュエータ34が内蔵されており、クランプ用油圧アクチュエータ34にはホース35を通じて油圧が給排される。油圧シリンダ26は、圧入先端側に中空本体12と一体的に延びて、軸受3bの側面、特に軸受3bの内輪側面に当接する押圧プッシャ36となっている。
【0027】
アクスルケース2の先端部の位置は、リミットスイッチ38で検出されている。即ち、押圧プッシャ36と圧入ヘッド13との間に形成される環状空間にアクスルケース2の先端8に当接可能であり、且つ押圧プッシャ36と圧入ヘッド13とに対して摺動可能なセンサスリーブ39aが設けられ、環状空間の最奥部に装着されたばね受け39bとの間にばね39cが設けられている。圧入用油圧アクチュエータ25の作動によって、圧入ヘッド13がアクスルケース2を押圧プッシャ36側に引き寄せる場合、アクスルケース2の先端8がセンサスリーブ39aに当接してばね39cを圧縮しつつ移動させるセンサスリーブ39aの位置を見ることで、アクスルケース2の先端8の位置を検出することができる。
【0028】
次に、図4〜図9に基づいて、圧入装置に用いられる圧入ヘッドの詳細を説明する。図4は図2に示す圧入装置の圧入ヘッドを一部断面で示す側面図、図5は図4に示す圧入ヘッドのA−A断面図、図6は図4に示す圧入ヘッドのB−B断面図、図7は図4に示す圧入ヘッドのC−C断面図、図8は圧入ヘッドの先端クランプ部に適用される第1クランプ機構の第1ボールの抜出しを防止するボールストッパを示す断面図、及び図9は第1クランプ機構と隔置して設けられる第2クランプ機構の第2ボールの抜出しを防止するボールストッパを示す図である。
【0029】
図4は、図の上半分が断面で示されている。圧入ヘッド13は、概して、両端が開放するように貫通孔40が形成され且つ真っ直ぐなパイプから形成されており、圧入ヘッド13の先端部41の開口部42には、異物の侵入を防止するため、ヘッドカバー43(図2)が止め輪にて係止されている。また、圧入ヘッド13の開口部42から僅かに基部寄りの位置には、周方向に隔置して、パイプを貫通孔40にまで径方向に貫通した複数(図示の例では3個)の第1ボール孔44が形成されている。各第1ボール孔44には鋼球から成る第1ボール45が配設されており、第1ボール45は後述するロックヘッド53の楔作用によってボール孔44内を径方向に出没可能である。第1ボール45が第1ボール孔44から外側に飛び出すのを防止するため、図8に拡大して示すように、各第1ボール孔44に対応して第1ボール孔44よりも小径の孔48cが形成された筒状の第1ボールストッパ48が、圧入ヘッド13に嵌着された状態で、溝48aに取り付けられた一対の止め輪48bにて抜出し防止状態に取り付けられている。
【0030】
圧入ヘッド13の第1ボール孔44から基部側に隔置した位置は、第1ボール45よりも小径な複数の第2ボール47が、第1ボール45の場合と同様に、各々、圧入ヘッド13を貫通孔40にまで径方向に貫通する第2ボール孔46内を径方向に出没可能に配設されている。第2ボール47が第2ボール孔46から外側に飛び出すのを防止するため、図9に示すように、リング状の第2ボールストッパ49が第2ボール孔46の両縁部に形成されている一対の溝49aにオーバーラップする状態に圧入ヘッド13の外周面上に嵌着されている。第1ボール45の位置と第2ボール47の位置との軸方向間隔は、アッセンブリ1に予め装填されている軸受3a,3b間の距離よりも長く設定されている。第1ボール45及び第2ボール47は、ロック部材として機能している。圧入ヘッド13の第1ボール孔44と第2ボール孔46との中間位置の外周面には、図4及び図7に示すように、ねじ込み・抜き用の回り止めとして平坦面68に切り欠かれている。
【0031】
次に、図2及び図10〜図12に基づいて、圧入装置10に用いられるロックヘッド及びプッシャロッドの詳細を説明する。図10は図2に示す圧入装置のロックヘッドの側面図、図11は図10に示すロックヘッドの正面図、図12は図10に示すロックヘッドに連結されるプッシャロッドの側面図である。
【0032】
図2に示すように、圧入ヘッド13の貫通孔40内には、第1ボール45と第2ボール47とを径方向外側に押し出してアクスルケース2を圧力ヘッド13に対してロックする又はロック解除を行うクランプ機構50が配設されている。クランプ機構50は、先端側に配置されるロックヘッド53と、ロックヘッド53に連結されるプッシャロッド54とを備えており、ロックヘッド53に関連して第1クランプ機構51が配設されていると共に、第1クランプ機構51から軸方向に隔置した位置に第2クランプ機構52が配設されている。ロックヘッド53は、図10及び図11に示すように、先端部55が円錐状の先細になっており、先端から周方向に等間隔に隔置して第1ボール45の個数と同数の放射状の溝56が形成されている。溝56は、テーパ形状が終了して一定の柱状になっても、母線の延長上を軸方向に延びる溝57に接続している。溝56,57は、第1ボール45が転動するのを案内する第1クランプ機構51となっており、第1ボール45が滑らかに転動可能なように第1ボール45の曲率半径と同じ半径に形成されている。ロックヘッド53が圧入ヘッド13に対して相対的に進出するとき、第1ボール45を第1ボール孔44内で径方向外側に押し出す。
【0033】
ロックヘッド53の基部側には雌ねじ部58が形成されており、プッシャロッド54の先端部に形成されている雄ねじ部59が雌ねじ部58にねじ込まれることにより、プッシャロッド54はロックヘッド53にねじ込まれることで連結される。プッシャロッド54の最基部側には、クランプ用油圧アクチュエータ34のピストンに連結されるねじ穴62が形成されている。従って、プッシャロッド54は、クランプ用油圧アクチュエータ34の作動によって、軸方向に進退する。ロックヘッド53及びプッシャロッド54は、この実施例において、ロック部材(第1ボール及び第2ボール)と協働するロック作動部材を構成している。
【0034】
図12に示すように、プッシャロッド54には、その軸方向中間部において、第2ボール47を第2ボール孔46内で径方向に押し出すための第2クランプ機構52が配設される。第2クランプ機構52において、一定の距離だけ軸方向に離間した位置に、一対の周方向溝60,61が形成されている。各周方向溝60,61には、それぞれ止め輪63,64は嵌着されている。止め輪63,64間のプッシャロッド54の周面には、先端側である止め輪63側にスリーブ状のボールプレッシャ65が、基部側である止め輪64側にはスリーブ状のばね受け66が嵌合されており、両者間に圧縮状態に配設されたスプリング67によって、互いに離間する方向に付勢されている。ボールプレッシャ65は、先端側が第2ボール47を径方向に押し出すために、先端側に向かうに従って外周が滑らかに縮径した形状を有している。ばね受け66は、常に、止め輪64に当接しているが、ボールプレッシャ65は、後述するように、第2ボール47からの反力を受けて、スプリング67を圧縮しながら、後退可能である。
【0035】
次に、図13〜図15に基づいて、この発明による圧入装置の作動の詳細について説明する。図13はこの発明による圧入装置に適用される油圧回路を示す回路図、図14はコンベアにて搬送されるアクスルケースに対するハブ・ドラムアッセンブリの圧入作業の全体概略を示す説明図、図15はこの発明による圧入装置を用いてハブ・ドラムアッセンブリのアクスルケースへの圧入の様子を示す斜視図である。
【0036】
図13に示す油圧回路70は、左側のアッセンブリ1a及び右側のアッセンブリ1bをそれぞれアクスルケース2の対応する端部に圧入するための圧入装置10a,10bに作動用の油圧を供給するポンプユニット71を備えている。ポンプユニット71は、モータ73と、モータ73によって駆動される吐出容量可変型のポンプ74とから成るモータ・ポンプ装置72、油タンク82a、油タンク82aから汲み上げる油のフィルタ処理を行うフィルタ75、ポンプ74からの吐出ライン77における油圧に応じて作動する圧力スイッチ76、圧入装置10a,10bの圧入用油圧アクチュエータ25a,25bを駆動する圧入制御用電磁弁78a,78b、圧入装置10a,10bのクランプ用油圧アクチュエータ34a,34bをそれぞれ駆動するロック制御用電磁弁79a,79b、及びこれら電磁弁78a,78b,79a,79bの戻りライン80に設けられている目詰まり表示付きフィルタユニット81と戻り油タンク82bを備えている。
【0037】
圧入制御用電磁弁78a,78bは、絞り弁85が設けられた圧入用油圧ライン83(ホース32にて形成される)及び戻し用油圧ライン84(ホース33にて形成される)を通じて、それぞれ、圧入用油圧アクチュエータ25a,25bの圧入用油圧室30と戻し用油圧室31とに接続している。一方、ロック制御用電磁弁79a,79bは、それぞれ絞り弁87が設けられたロック用油圧ライン86を通じてクランプ用油圧アクチュエータ34a,34bに接続されている。クランプ用油圧アクチュエータ34a,34bに備わるピストン88は、ロック制御用電磁弁79a,79bから供給される油圧が解放されると、戻しばね89のばね力によって元の位置にもどる。ロック制御用電磁弁79a,79bを制御してクランプ用油圧アクチュエータ34a,34bを作動させることにより、圧入装置10a,10bがそれぞれクランプ機構50によってアッセンブリ1a,1bにロックされる。また、圧入制御用電磁弁78a,78bを制御して圧入用油圧アクチュエータ25a,25bを作動させることにより、アクスルケース2の両端においてアッセンブリ1a,1bの圧入が行われる。
【0038】
アッセンブリ1のアクスルケース2への圧入作業は、次のようにして行われる。図14に示すように、組立ラインのコンベア90上に載置された状態でX方向に搬送されるアクスルケース(後車軸用リジッドアクスルケース)2に対して、左右の各端部に軸受3を装着したアッセンブリ1a,1bが供給され、仮の状態に装着され、搬送中に作業領域W内において、この発明による圧入装置10a,10bによって圧入作業が行われる。なお、詳細は図示しないが、アッセンブリ1a,1bは吊り具にて吊り下げられた状態で所定位置に供給され、圧入装置10a,10bは組立ラインに沿って上方に並設されたレールにバランサリールに釣り具91(図15)によって吊り下げた状態で、作業者が手で取扱いし易いように設けられている。以下、アクスルケース2の一方の端部でのアッセンブリの圧入について符号で区別することなく説明するが、他方の端部での圧入についても同様である。
【0039】
次に、図15に示すように、圧入装置10の圧入用油圧アクチュエータ25を非圧入状態(戻し用油圧室31に油圧を供給した状態)にして、圧入装置10の圧入ヘッド13をアクスルケース2の先端8に向けた状態にする。その状態で、ハンガグリップ20,23にて圧入装置10を保持しつつ、先端8に開く開口9から、圧入ヘッド13をアクスルケース2の内に最奥位置まで差し込む。圧入ヘッド13を差し込んだ状態で、起動ボタン19,22を同時に押すことにより、ロック制御用電磁弁79(図13参照)が作動し、クランプ用油圧アクチュエータ34に油圧が供給され、ピストン88が進出して、ロックヘッド53及びプッシャロッド54を押し出す。
【0040】
圧入装置10の圧入ヘッド13の先端部41に設けられている第1クランプ機構51が作動し、ロックヘッド53の円錐形先端部のカム作用により、第1ボール45がロックヘッド53の溝56を転動しつつ第1ボール孔44内を径方向に押し出され、軸方向の溝57に移動してアクスルケース2のテーパ状内周面5aに係合させるクランプ位置を取る。同時に圧入ヘッド13の基部側に設けられている第2クランプ機構52も作動し、第2ボール47は、スプリング67を圧縮させながらプシャロッド54に対して相対的に後退する。スプリング67の圧縮力が大きくなると、先端側が縮径したカム面となっているボールプッシャ65のカム作用により、第2ボール47が第2ボール孔46内を径方向に押し出される。第1クランプ機構51において、第1ボール45は、アクスルケース2のテーパ状チューブ部5のテーパ状内周面5aに強く押し当てられ、第2クランプ機構52において、第2ボール47はアクスルケース2の先端チューブ部6のストレート状内周面6aに強く押し当てられて、アクスルケース2は内側から圧入ヘッド13によってクランプされ、ワークであるアクスルケース2と圧入装置10とが固定される。
【0041】
次に、圧入制御用電磁弁78(図13参照)が作動し、圧入用油圧アクチュエータ25の先端側の圧入用油圧室内30に油圧を注入し、戻し用油圧室31内の油圧を戻りタンク82bに回収すると、油圧の作用で油圧シリンダ26が前に押し出され、油圧シリンダ26の先端部に形成されている押圧プッシャ36は、軸受3bをアクスルケース2に対して圧入方向に押す。本体基部11及び中空本体12は全体として圧入方向(Pで示す)に移動し、その反作用として圧入ヘッド13はアクスルケース2をクランプしたまま反対方向に引き寄せられる。互いに反対方向に変位する押圧プッシャ36と圧入ヘッド13とにより、アッセンブリ1は、アクスルケース2の外周面7上に押し込まれていく。油圧は静圧として利用されるので、作動音は静かであり、且つ衝撃や振動をもたらすこともない。
【0042】
圧入装置10は、圧入スイッチ76で圧入用の油圧を検出し、且つアクスルケース2の先端部の位置をリミットスイッチ38で検出しており、規定圧力以上の油圧があり、アクスルケース2の先端がリミットスイッチ38を押した後、規定圧入時間に渡って圧入力が保持される。アッセンブリ1のアクスルケース2への圧入作業が1サイクル異常なく作動が完了すると、緑の圧入完了ランプ24が点灯する。その後、自動で、圧入用油圧アクチュエータ25の圧入用油圧室30内の油圧をドレンすると共に戻し用油圧室内31に油圧を注入し、更にクランプ用油圧アクチュエータ34の油圧を解除して圧入ヘッド13を先端側に進出した元の状態に戻す。第1ボール45及び第2ボール47は、それぞれアクスルケース2のテーパ状内周面5a,及びストレート状内周面6aとのクランプ状態から離脱する。同時に、圧入異常もモニタしており、規定圧力を超えると、圧入装置10の作動は非常停止し、作業者に報知する。
【0043】
【発明の効果】
この発明によるワークへのアッセンブリ圧入装置によれば、アッセンブリを、端部に内孔を有し且つテーパ状内周面が形成されたテーパ状チューブ部とこのテーパ状内周面に連なるストレート状内周面が形成された先端チューブ部とを備えるワークの端部に仮装着し、その状態において、圧入装置の圧入ヘッドをワークの先端に開口する中空部内に挿入することでワークの先端に装入し、圧入ヘッド内に配設されているクランプ機構によって圧入ヘッドをワークの内周面にクランプする。圧入ヘッドと、この圧入ヘッドを取り囲み且つアッセンブリに当接可能な環状プッシャとしての押圧プッシャとの間に配設されている圧入用油圧アクチュエータを作動させて圧入ヘッドと押圧プッシャとを相対変位させることにより、押圧プッシャは、アッセンブリをワークの端部に対して圧入する。クランプ機構は、テーパ状内周面に係合する第1クランプ機構と、ストレート状内周面に係合する第2クランプ機構とを有しており、第1クランプ機構及び第2クランプ機構は、それぞれ、前記ワークに装入されている状態の圧入ヘッド内を当該圧入ヘッドに対して軸方向に相対移動し且つ軸方向に傾斜したカム面を備えるロック作動部材と、このロック作動部材が前記ワークへの当該装入状態にある圧入ヘッドに対して軸方向に相対移動するときのカム面のカム作用に基づいて径方向に押されてワークの中空部内面に係合するロック部材とを備えている。共通するクランプ用油圧アクチュエータが作動することにより、第1クランプ機構と第2クランプ機構とにおいて、ロック作動部材はワークに装入されている状態の圧入ヘッド内で当該圧入ヘッドに対して軸方向に相対移動して、両ロック部材をそれぞれワークのテーパ状内周面とストレート状内周面とに係合する。従って、この圧入装置は、アッセンブリをワークに圧入するに先立つ準備操作であるところのアッセンブリとワークとの圧入装置に対する装着操作、即ち、クランプ動作を確実に、簡単且つ迅速に行い得るコンパクトな構造に構成することができ、圧入作業時間が短縮され、生産のサイクルタイムが短縮化される。また、クランプ用油圧アクチュエータの作動によって、ワークに装入された圧入ヘッドをワークの軸方向の2カ所においてその内孔の内周面に同時に且つ確実にクランプするので、ワークを軸方向の2カ所においてそれぞれ径方向に支持し、軸芯を揃えて、環状プッシャとしての押圧プッシャと合わせてアッセンブリの側面に均等に当接させることができ、ワークの圧入ヘッドに対するガタツキを防止することができる。また、圧入の際にも、かじりのないスムーズな圧入を行うことができる。更に、圧入作業において、作業者の健康に配慮すべく、衝撃、振動及び騒音等が非常に抑えらる。ワークをコンベヤで搬送中であっても、圧入装置をワークに追従させる特別な設備を要することなく、ワークの組立を低コストで行うことができる。更に、圧入装置をコンパクトに構成でき、作業スペースを少なくし、取り扱う操作も簡単になる。この発明による圧入装置は、ワークをブレーキアッセンブリが取り付けられているアクスルケースとし、アッセンブリを予め内周部に軸受が装着されたハブ・ドラムアッセンブリとした、ハブ・ドラムアッセンブリのアクスルケースへの圧入に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるハブ・ドラムアッセンブリのアクスルケースへの圧入装置の一実施例を示す平面図である。
【図2】図1に示す圧入装置の要部を拡大して示す側面断面図である。
【図3】図1に示す圧入装置の左側面図である。
【図4】図2に示す圧入装置の圧入ヘッドを一部断面で示す側面図である。
【図5】図4に示す圧入ヘッドのA−A断面図である。
【図6】図4に示す圧入ヘッドのB−B断面図である。
【図7】図4に示す圧入ヘッドのC−C断面図である。
【図8】圧入ヘッドの第1クランプ機構に適用されるボールストッパの側面図である。
【図9】圧入ヘッドの第2クランプ機構に適用されるボールストッパの側面図である。
【図10】図2に示す圧入装置のロックヘッドの側面図である。
【図11】図10に示すロックヘッドの正面図である。
【図12】図8に示すロックヘッドに連結されるプッシャロッドの側面図である。
【図13】この発明による圧入装置に適用される油圧回路を示す回路図である。
【図14】この発明による圧入装置を用いて、コンベアにて搬送されるアクスルケースに対するハブ・ドラムアッセンブリの圧入作業の全体概略を示す説明図である。
【図15】この発明による圧入装置を用いてハブ・ドラムアッセンブリのアクスルケースへの圧入の様子を示す斜視図である。
【図16】従来のハブ・ドラムアッセンブリのアクスルケースへの圧入を説明す概略図である。
【図17】従来のエアハンマによる打撃によるハブ・ドラムアッセンブリのアクスルケースへの圧入方法を示す概略図である。
【図18】従来の圧入具によるハブ・ドラムアッセンブリのアクスルケースへの圧入方法を示す概略図である。
【図19】アクスルケースの両端において、各ハブ・ドラムアッセンブリを押圧具によって同時に圧入する方法を示す概略図である。
【図20】アクスルケースの端部に形成されたねじ部に押圧具をねじ込むことによるハブ・ドラムアッセンブリのアクスルケースに圧入する方法を示す概略図である。
【図21】コンベヤにて搬送中のアクスルケースに、ハブ・ドラムアッセンブリを圧入する様子を示す正面説明図である。
【図22】図21に示す圧入する様子の平面説明図である。
【符号の説明】
1 ハブ・ドラムアッセンブリ(アッセンブリ)
2 アクスルケース(ワーク)
3 軸受
5 テーパ状チューブ部
5a テーパ状内周面
6 先端チューブ部
6a ストレート状内周面
10 圧入装置
13 圧入ヘッド
19 起動ボタン
20 ハンガグリップ
22 起動ボタン
23 ハンガグリップ
25 圧入用油圧アクチュエータ
34 クランプ用油圧アクチュエータ
36 押圧プッシャ
44 第1ボール孔
45 第1ボール(ロック部材)
46 第2ボール孔
47 第2ボール(ロック部材)
50 クランプ機構
51 第1クランプ機構
52 第2クランプ機構
53 ロックヘッド(ロック作動部材)
54 プッシャヘッド(ロック作動部材)

Claims (4)

  1. 端部に内孔を有し且つテーパ状内周面が形成されたテーパ状チューブ部と前記テーパ状内周面に連なるストレート状内周面が形成された先端チューブ部とを備えるワークの前記端部にアッセンブリを圧入する圧入装置において、前記ワークの先端に開口する中空部内に挿入されることで前記ワークの先端に装入可能な圧入ヘッド、前記圧入ヘッド内に配設され且つ前記ワークに装入された前記圧入ヘッドを前記ワークの前記内孔の内周面にクランプするクランプ機構、前記圧入ヘッドを取り囲み且つ前記アッセンブリに当接可能な環状プッシャとしての押圧プッシャ、及び前記圧入ヘッドと前記押圧プッシャとの間に配設されて前記圧入ヘッドと前記押圧プッシャとを相対変位させることにより前記アッセンブリを前記ワークの前記端部に対して圧入する圧入用油圧アクチュエータを備え、
    前記クランプ機構は、前記テーパ状内周面に係合する第1クランプ機構と、前記ストレート状内周面に係合する第2クランプ機構とを有し、前記第1クランプ機構及び前記第2クランプ機構は、それぞれ、前記ワークに装入されている状態の前記圧入ヘッド内を当該圧入ヘッドに対して軸方向に相対移動し且つ軸方向に傾斜したカム面を備えるロック作動部材と、前記ロック作動部材が前記ワークへの当該装入状態にある前記圧入ヘッドに対して軸方向に相対移動するときの前記カム面のカム作用に基づいて径方向に押されて前記ワークの中空部内面に係合するロック部材とを備えるとともに、
    前記両ロック作動部材は、前記圧入ヘッド内に配設されたクランプ用油圧アクチュエータによって前記圧入ヘッド内で軸方向に相対移動されること、
    から成るワークへのアッセンブリ圧入装置。
  2. 前記第2クランプ機構において、前記ロック作動部材は、前記圧入ヘッド内に配置され且つ前記クランプ用油圧アクチュエータによって作動されるプッシャロッド、当該プッシャロッドの周面に摺動可能に配置されているボールプレッシャ、及び前記ボールプレッシャを前記ロック部材としてのボールに押圧させるスプリングを備えていることから成る請求項1に記載のワークへのアッセンブリ圧入装置。
  3. 前記圧入用油圧アクチュエータは環状に形成された油圧アクチュエータであり、前記クランプ用油圧アクチュエータは、前記圧入用油圧アクチュエータの中心部に設けられていることから成る請求項1又は2に記載のワークへのアッセンブリ圧入装置。
  4. 前記ワークはブレーキアッセンブリが取り付けられているアクスルケースであり、前記アッセンブリは予め内周部に軸受が装着されたハブ・ドラムアッセンブリであり、前記押圧プッシャは前記ハブ・ドラムアッセンブリに装着された前記軸受に当接可能であり、前記圧入用油圧アクチュエータは前記ハブ・ドラムアッセンブリを前記軸受と共に前記アクスルケースの前記端部に圧入することから成る請求項1〜3のいずれか1項に記載のワークへのアッセンブリ圧入装置。
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