JP4003361B2 - アルコールの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素数2から5のアルデヒド及び該アルデヒドの重縮合物を混合水素添加反応して各々のアルデヒドに対応するアルコールを同時に製造する方法に関するものであり、詳しくは、該2種類の原料アルデヒドを混合水素添加反応することにより、副生物であるエステル化合物及びエーテル化合物の生成を抑制し、各々のアルデヒドに対応するアルコールを同時に、効率的に製造することができる、アルコールの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルデヒドを水素添加反応(以下、これを「水添」と称することがある)させてアルコールを製造する方法は、昔から工業的に実用化されている。例えば、プロピレンのヒドロホルミル化反応によって生成するn−ブチルアルデヒドを水添させ、n−ブチルアルコールを製造する方法、該n−ブチルアルデヒドをアルドール縮合反応させた後、生成した2−エチル−2−ヘキセナールを水添させて2−エチルヘキサノールを製造する方法は広く知られている。
【0003】
このような工業的なアルデヒドの水添反応は、液相、気相のそれぞれにおいて行われているが、いずれの反応系においても各種の副反応が起こって多量の副生物が生成し、反応の選択性を低下させている。気相水添反応において生成する副生物の一つとして問題になるものにエステル化合物がある。例えば、n−ブチルアルデヒドの気相水添反応により得られる反応液中には酪酸ブチルが、また2−エチル−2−ヘキセナールの気相水添反応により得られる反応液中には2−エチルヘキサン酸−2−エチルヘキシルが副生される。エステル化合物の生成機構としては、アルデヒドとアルコールからヘミアセタールが生成し、次いでヘミアセタールの脱水素反応により生成する機構、又は2つのアルデヒド分子からTischenko 反応により生成する機構等が知られている。
【0004】
これらエステル化合物の副生を抑制するために、従来、例えば、I)還元化酸化銅−酸化亜鉛触媒に選択性増進剤を加えたものを水添反応触媒として使用する方法( 特許2655034号公報) 、II) ニッケル、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウムを含有する担持触媒を用いて水添反応する方法( 特公平6−4551号公報) 、III)銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウムを含有する触媒を用いて水添反応する方法( 特公平8- 29249号公報) 、またはIV) 副生物のエステルを水添分解して有効成分に変化させて回収する方法( 特開昭58−43930号公報) 等が開示されている。
【0005】
しかしながら、上記のI)〜III)の方法では、ある特別な仕様の触媒が必要になるために触媒製造のコスト増加につながり、また上記IV) の方法では、アルデヒドの水添反応器に加えて、さらにエステル分解のための反応器が必要となることから建設費の増加となり、いずれも工業的に効果的ではない。
また、特開平6−1733号公報には、炭素数5以下のアルデヒドを水素添加反応させてアルコールを製造するに際し、反応系中に炭素数8の不飽和アルコールである1−オクタ−2, 7−ジエノールを共存させることが開示されている。
【0006】
しかしながら、本発明の方法のように、2種類のアルデヒド即ち、炭素数2から5のアルデヒド及び該アルデヒドの重縮合物の混合水添反応により対応する2種類のアルコールを同時に工業的に製造することは記載も示唆もない。
本発明において「2種類のアルデヒド即ち、炭素数2から5のアルデヒド及び該アルデヒドの重縮合物の混合水添反応により対応する2種類のアルコールを同時に工業的に製造する」とは、炭素数2から5のアルデヒド及び該アルデヒドの重縮合物を特定の比率で混合させて水添反応することであって、アルデヒドの縮合工程で、未反応の原料アルデヒドを含有する程度の組成、例えば、特公平8−29249号公報に開示されているように、反応原料が2−エチル−2−ヘキセナール91.0%及びn−ブチルアルデヒド1.6%程度の組成の供給液を用いて水添反応することを意味するものではない。
【0007】
従来、本発明の方法にある混合水添反応により2種類のアルコールを同時に得るという方法が行われてこなかった理由としては、この反応では2種以上のアルデヒドの共存下で水添反応させると、通常各々のアルデヒドを単独で水添反応させたときには生成し得ない副生物が生成し、精製系において該副生物を分離するために多大な労力を要する等が挙げられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、2種類のアルコールを製造するにあたり、副生物であるエステル及び/又はエーテルの生成を抑制し、工業的に有利に目的物である2種類のアルコールを同時に製造する方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、炭素数2から5のアルデヒド及び該アルデヒドの重縮合物を同時に特定の混合比で反応系へ供給して混合水添反応することにより、意外にも、望ましくない副生物であるエステル化合物の生成を抑制でき、また同じく副生するエーテル化合物の量も相当低減でき、更に、アルコールの生成率が向上する等、工業的に有利に2種類のアルコールを同時に製造することができることを見いだし、本発明に到達した。
また、本発明の方法を用いることにより、従来、2種類のアルデヒドを水添し対応するアルコールを製造する場合、2系列の水添反応系列が必要であったものが、1系列に統合でき、結果的に反応系列の削減によって工業的実施が有利となる。
【0010】
すなわち本発明の要旨は、炭素数2から5のアルデヒド及び該アルデヒドの重縮合物を95:5〜5:95の範囲の重量比で同一の反応系中に供給して、触媒の存在下、混合水素添加反応させ、各々のアルデヒドに対応するアルコールを同時に製造することを特徴とするアルコールの製造方法にある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の混合水添反応に用いられる原料アルデヒド化合物としては、炭素数2から5のものとその重縮合体が用いられる。具体的には、例えば、プロピオンアルデヒドとその縮合2量体、ブチルアルデヒドとその2量体、バレルアルデヒドとその縮合2量体等が挙げられ、好ましくはブチルアルデヒドとその縮合2量体である。
これらのアルデヒド化合物は通常、炭素数4以下のオレフィン性化合物をヒドロホルミル化反応することにより得られ、またその重縮合体としては、該アルデヒド化合物のアルドール縮合体が用いられる。具体的には、例えば、プロピレンから製造されたブチルアルデヒド及び2−エチル−2−ヘキセナールが挙げられる。この場合、ブチルアルデヒドとは、実質的にn−ブチルアルデヒドを意味するが、少量のi−ブチルアルデヒドを含んでいてもよい。
【0012】
ヒドロホルミル化反応に用いられる原料オレフィン性化合物は、特別な前処理などすることなく用いてもよいが、ヒドロホルミル化触媒の被毒物質として知られる硫黄含有化合物やハロゲン含有化合物、ジエン類、トリエン類、さらには過酸化物類などを、公知の、通常用いられる吸着、抽出、蒸留、熱処理、膜分離などの方法により除去したものを用いることもできる。
触媒としては、通常、有機リン化合物を配位子とする第VIII族遷移金属錯体触媒が用いられる。第VIII族遷移金属としては、通常、ロジウム、コバルト、イリジウム等、好ましくはロジウムが挙げられる。ロジウム源としては、ヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、アセトキシビス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等のロジウム錯体の他にロジウムアセチルアセトネート、酢酸ロジウム等の酸化物等も用いられる。
【0013】
該有機リン化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ブチルジシクロヘキシルホスフィン等の環状及び/又は非環状のトリアルキルホスフィン;モノブチルジフェニルホスフィン、ジプロピルフェニルホスフィン、シクロヘキシルフェニルホスフィン等の環状及び/又は非環状のアルキルアリールホスフィン;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、フェニル基の水素がスルホン基やハロゲン等で置換されたトリフェニルホスフィン等のトリアリールホスフィン;トリオクチルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト等の環状及び/又は非環状のトリアルキルホスファイト;置換基を有していてもよいトリフェニルホスファイト、トリナフチルホスファイト等のトリアリールホスファイト及びアルキルアリールホスファイト等が挙げられる。また、米国特許第3415906号、同4599206号、同4351759号、同4748261号、同4567306号、同5235113号及び同5227532号公報等に開示されている化合物を用いてもよい。
【0014】
該有機リン化合物は2種以上を混合配位子として用いることもできる。また、上記有機リン化合物とトリフェニルホスフィンオキシド等の5価の有機リン化合物とを混合して用いることもできる。
【0015】
触媒調製方法としては、ロジウム源及び有機リン化合物配位子を各々独立にヒドロホルミル化反応器に供給して反応系内で触媒を形成させてもよいが、予め反応器外で、有機リン化合物配位子とともに、溶媒中で高い温度・圧力の下で一酸化炭素と水素で処理して、触媒液を調製しておくこともできる。この触媒調製のための溶媒としては、通常後述する反応溶媒の中から選ばれるが、反応溶媒と同一でなくてもよい。触媒調製溶液中のロジウム濃度は、通常1〜100000ppm、有機リン化合物配位子の添加量は、ロジウムに対するリンの原子比で、1〜10000モル倍。処理温度は60〜200℃、圧力は常圧〜200kg/cm2 、処理時間は0.01〜20時間の範囲で行われる。上記処理に用いられる容器は回分式でも連続式でもよい。
【0016】
ヒドロホルミル化の反応溶媒としては、オレフィン自身を溶媒にしても良いし、生成アルデヒドや反応で副生する高沸点化合物を使用することもできる。その他、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ブタノール、2−エチルヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、トリグライム等のエーテル類、ジオクチルフタレート等のエステル類又は水等の、触媒を溶解し、かつ反応に悪影響を与えない各種の溶媒が使用できる。
【0017】
ヒドロホルミル化反応における、水素と一酸化炭素の混合ガスの圧力としては、通常、0.1〜300kg/cm2 、一酸化炭素分圧に対する水素分圧の比は0.1〜10、温度60〜200℃、反応液中のロジウム濃度は1〜100000ppm、有機リン化合物配位子の添加量は、ロジウムに対するリンの原子比で、1〜10000モル倍、反応時間0.01〜20時間の範囲で行われる。
【0018】
上述のごとく実施されるヒドロホルミル化反応帯域から生成物アルデヒドを取得する方法としては、特に制約はないが、例えば、特開昭52−125103号公報に記載されているようなガスストリッピングによる方法、また特開昭54−89974号公報に記載されているような蒸留による方法等が挙げられる。何れの手段を取るにしても、結果として、大部分の未反応オレフィン、溶媒及び高沸点副生物を含む触媒液が除去されるので、上記した方法等により取得されたアルデヒド中に含有される成分としては、主成分のアルデヒドの他には、ごく微量の溶解ガス(水素・一酸化炭素・メタン・二酸化炭素等)、アルデヒドよりも軽質分である少量の未反応オレフィン及びパラフィン類、水分、主成分のアルデヒドより1つ炭素数の少ないアルデヒド等の主成分アルデヒドよりも軽質な留分、少量の溶媒並びに高沸点副生物等である。
【0019】
該ヒドロホルミル化反応帯域から取得した該アルデヒドは、直鎖体と分岐体を含み、必要に応じ、直鎖体を分離精製して後工程、即ち、水添反応又は縮合工程に用いてもよい。分岐体含有量が極めて少ない場合又は分岐体もしくは分岐体由来の不純物を水添反応後の分離工程にて十分分離除去できる場合には、該アルデヒドの直鎖体と分岐体を分離しないまま後工程へ持ち込む場合もある。直鎖体を分離精製する場合、直鎖体と分岐体を直接分離できるものであれば、分離方式は限定されない。例えば、蒸留により分離する場合、蒸留塔の塔頂圧力は特に制限はないが、減圧にすると塔頂コンデンサにおいて、未凝縮によるアルデヒド損失が生じてしまうので、大気圧以上とするのが望ましい。また蒸留塔の塔内温度は、脂肪族アルデヒドの炭素数、塔頂圧力、及び蒸留塔の種類によって決まる塔底圧力により変化するが、塔頂部で60〜120℃、塔底部で70〜150℃であるのが好ましい。
【0020】
該ヒドロホルミル化反応で生成したアルデヒドをアルドール縮合する反応は、液相でも気相でも実施できるが、液相で実施する場合には、通常、苛性ソーダ水溶液等のアルカリ性水溶液中で実施され、温度は80〜120℃、圧力は設定された温度での液の飽和圧力以上であればよく、例えば常圧〜10kg/cm2 の範囲内が好ましい。
【0021】
ヒドロホルミル化反応により得られたアルデヒドとそのアルドール縮合による重縮合アルデヒド、例えばプロピレンのヒドロホルミル化反応により得られたブチルアルデヒドとそのアルドール縮合体である2- エチル- 2- ヘキセナールとを混合水添反応させるにあたり、水添触媒および反応条件はそれ自体既知の通常用いられる方法から任意に選択できる。水添触媒としては、アルデヒドの水素化反応を進行させるものであれば特に限定されないが、例えば、ニッケル、パラジウムもしくは白金等のVIII族金属含有触媒、酸化銅と酸化亜鉛還元混合物を含有する固体触媒、銅- クロム系触媒又は銅- クロム- マンガン- バリウム触媒等が挙げられる。また、例えば、特許第2655034 号公報記載の、改良された、酸化銅−酸化亜鉛混合触媒を用いてもよい。
【0022】
本発明において、水添反応系へ同時に供給する原料アルデヒドの混合割合としては、炭素数2〜5のアルデヒド:該アルデヒドの重縮合物が重量比で95:5〜5:95、好ましくは10:1〜1:10、さらに好ましくは10:3〜3:10の範囲である。炭素数2〜5のアルデヒドの混合割合が下限未満では、2分子以上のアルデヒドの重縮合物が結合したエステル及びエーテルの生成を抑制する効果が著しく小さくなり、また、アルデヒドの重縮合物の混合割合が下限未満では、2分子以上の炭素数2〜5のアルデヒドが結合したエステル及びエーテルの生成を抑制する効果が著しく小さくなるので、好ましくない。
【0023】
上記原料アルデヒドの混合水添反応は、液相でも気相でも実施できるが、気相による実施は、液相での混合水添に比べ、エーテル系副生物の生成が抑制されるため、好ましい。水添反応条件としては、特に限定されるものではないが、通常、反応温度が50〜300℃、好ましくは100〜250℃、更に好ましくは150〜200℃、水素圧力は常圧〜200kg/cm2 、好ましくは常圧〜100kg/cm2 、更に好ましくは常圧〜10kg/cm2 の範囲内で行われる。反応形式としては、回分式、連続式のいずれを用いてもよい。
【0024】
上記混合水添反応により生成した反応生成液は、それ自体既知の通常用いられる方法、例えば蒸留等により、個々のアルコールに分離精製できる。生成物のアルコールは、一方が単量体、他方が重縮合物であることから、沸点の差が大きく、従って容易に分離できる。例えば、n- ブチルアルコールの沸点は117.7℃であるのに対して、2−エチルヘキサノールは183.5℃である。
【0025】
本発明の方法により得られたアルコールは、カルボン酸又はカルボン酸無水物とエステル化反応させることによって、エステル化合物を製造でき、該エステル化合物を樹脂用可塑剤として使用することができる。エステル化反応に用いられるカルボン酸又はカルボン酸無水物としては、例えば、フタル酸、フタル酸無水物、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリット酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸又はピロメリット酸無水物等が挙げられ、これらの中でフタル酸又はフタル酸無水物が好ましい。エステル化反応は、それ自体既知の通常用いられる方法を用いればよく、例えば、アルコールとカルボン酸を、触媒の存在下、反応させればよい(「可塑剤−その理論と応用−」村井孝一編著、幸書房、第415〜426頁、昭和48年3月1日発行)。かくして得られたエステル化合物は、ポリ塩化ビニル等の樹脂に添加して可塑剤として用いることができる(「可塑剤−その理論と応用−」村井孝一編著、幸書房、第481〜536頁、昭和48年3月1日発行)。
【0026】
【実施例】
実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
5mmφ×5mmの円柱状Cu−Cr系水添触媒(日揮化学社製品,商品名:N202E)を10cc充填した1inchφ×60cmのSUS製単管反応器に、蒸気化した2−エチル−2−ヘキセナール(以下、「EPA」と称することがある)68.35mmmol/Hr、n−ブチルアルデヒド(以下、「NBD」と称することがある)45.74mmol/Hr及び水素2400mmol/Hrを供給して、反応圧力4.6kg/cm2 G(圧力ゲージ指示圧)、反応温度180℃で、気相水添反応を行い、反応液(反応器出口からの凝縮液)をガスクロマトグラフィーで分析した。原料仕込み時のEPA:NBDの重量比は72:28であった。結果を表1に示した。なお、反応器内の触媒はあらかじめ、窒素を希釈剤として含有する希薄な水素流で温度200℃で還元しておいた。
【0027】
比較例1
実施例1において、原料アルデヒドとしてEPA103.8mmmol/Hrのみを供給したこと以外は実施例1と同様に操作した。結果を表1に示した。
比較例2
実施例1において、原料アルデヒドとしてNBD107.6mmol/Hrのみを供給したこと以外は実施例1と同様に操作した。結果を表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】
表中の語
2EH:2−エチルヘキサノール
EPA:2−エチル−2−ヘキセナール
Ester1:2−エチルヘキサン酸−2−エチルヘキシル
Ester2:酪酸ブチル
NBA:n−ブチルアルコール
NBD:n−ブチルアルデヒド
副生物:その他の副生物
【0030】
実施例2
5mmφ×5mmの円柱状Cu−Cr系水添触媒(日揮化学社製品,商品名:N202E)を16〜24メッシュに粉砕した。その触媒を7.4cc充填した8mmφ×60cmのSUS製単管反応器に、蒸気化したEPA90mmol/Hr,NBD105mmol/Hr及び水素13300mmol/Hrを、反応温度180℃,反応圧力4kg/cm2 G(圧力ゲージ指示圧)で供給した。原料仕込み時のEPA:NBDの重量比は60:40であった。反応器内の触媒はあらかじめ窒素を希釈剤として含有する希薄な水素流で温度200℃程度で還元しておいた。反応器出口からの凝縮液をガスクロマトグラフィーで分析した。結果を表2に示した。
【0031】
実施例3
実施例2において、原料アルデヒドの供給量をEPA74mmol/Hr及びNBD130mmol/Hrとした以外は実施例2と同様に操作した。原料仕込み時のEPA:NBDの重量比は50:50であった。結果を表2に示した。
実施例4
実施例2において、原料アルデヒドの供給量をEPA175mmol/Hr及びNBD34mmol/Hrとした以外は実施例2と同様に操作した。原料仕込み時のEPA:NBDの重量比は90:10であった。結果を表2に示した。
【0032】
比較例3
5mmφ×5mmの円柱状Cu−Cr系水添触媒(日揮化学社製品,商品名:N202E)を16〜24メッシュに粉砕した。その触媒を7cc充填した8mmφ×60cmのSUS製単管反応器に、蒸気化したNBD233mmol/Hr及び水素13000mmol/Hrを、反応温度170℃,反応圧力4kg/cm2 G(圧力ゲージ指示圧)で供給した。反応器内の触媒はあらかじめ窒素を希釈剤として含有する希薄な水素流で温度200℃程度で還元しておいた。反応器出口からの凝縮液をガスクロマトグラフィーで分析した。結果を表2に示した。
【0033】
【表2】
【0034】
表中の語
EPA:2−エチル−2−ヘキセナール
Ester1:2−エチルヘキサン酸−2−エチルヘキシル
Ester2:酪酸ブチル
NBD:n−ブチルアルデヒド
副生物:その他の副生物
【0035】
【発明の効果】
本発明の方法に従い、炭素数2から5のアルデヒドと該アルデヒドの重縮合物を特定の混合割合で同一の反応系中に供給して、混合水素添加反応させることにより、従来の単独水添反応に比べて、エステル及び/又はエーテル副生物の生成を抑制することができ、また、原料アルデヒドに対応するアルコールの生成率も向上させることができる。更に、従来は各々のアルデヒドについて合計2系列必要であった反応器を1系列に削減できることから、本発明の工業的な利用価値は極めて大きい。
Claims (8)
- 2−エチル−2−ヘキセナールを触媒の存在下で気相水素添加反応させて2−エチルヘキサノールを製造するに際し、2−エチル−2−ヘキセナールとブチルアルデヒドを95:5〜5:95の範囲の重量比で同時に反応系中に供給して混合気相水素添加反応をさせ、2−エチルヘキサノールとブチルアルコールを同時に製造することを特徴とするアルコールの製造方法。
- 2−エチル−2−ヘキセナールとブチルアルデヒドとの重量比が10:1〜1:10の範囲である請求項1に記載の方法。
- 2−エチル−2−ヘキセナールとブチルアルデヒドとの重量比が10:3〜3:10の範囲である請求項1に記載の方法。
- ブチルアルデヒドがプロピレンのヒドロホルミル化により製造されたものである請求項1に記載の方法。
- 炭素数4以下のオレフィンを触媒の存在下、水素及び一酸化炭素によりヒドロホルミル化してアルデヒドを取得し、該アルデヒドの一部をアルドール縮合により2量体とし、該アルデヒド及びアルドール縮合2量体を95:5〜5:95の範囲の重量比で同一の反応系中に供給して、触媒の存在下、混合気相水素添加反応させ、各々のアルデヒドに対応するアルコールを同時に製造し、分離装置により各々のアルコールを単離することを特徴とするアルコールの製造方法。
- アルデヒドとそのアルドール縮合2量体との重量比が10:1〜1:10の範囲である請求項5に記載の方法。
- アルデヒドとそのアルドール縮合2量体との重量比が10:3〜3:10の範囲である請求項5に記載の方法。
- オレフィンがプロピレンであり、アルドール縮合2量体が2−エチル−2−ヘキセナールである請求項5に記載の方法。
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